JP2015516406A - 亜鉛を含む熱成形された不正使用防止医薬剤形 - Google Patents

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Abstract

本発明は、a)医薬有効成分と、b)200,000g/molを超える重量平均分子量を有するポリアルキレンオキシドと、c)亜鉛成分とを含み、前記亜鉛成分の含有量が、医薬剤形の総重量に対して少なくとも1ppmである、熱成形された不正使用防止医薬剤形に関する。

Description

本発明は、医薬有効成分と、200,000g/molを超える重量平均分子量を有するポリアルキレンオキシドと、亜鉛成分(亜鉛成分の含有量が、医薬剤形の総重量に対して少なくとも1ppmである)とを含む、熱成形された不正使用防止医薬剤形に関する。
多くの医薬有効成分は、乱用される可能性があり、したがって不正使用防止医薬剤形の形態で提供されるのが好ましい。このような医薬有効成分の顕著な例は、オピオイドである。
乱用者は、オピオイドを含有する従来の錠剤を粉砕して徐放性(time−release)「マイクロカプセル封入」を壊した後に、得られた粉末を経口的に、鼻腔内に、直腸内に又は注射によって摂取することが知られている。
医薬有効成分乱用を回避するための種々の構想が練られてきた。1つの構想は、医薬剤形の機械的性質、特に破壊強度(耐粉砕性)の増加に依拠する。このような医薬剤形の主な利点は、通常の手段、例えば、乳鉢中での磨砕又はハンマーによる破砕によって微粉砕すること、特に粉状化することが不可能であるか、又は少なくとも実質的に妨げられることである。
このような医薬剤形は、通常の手段によって粉末化され得ないために、粉末の形態で、例えば、経鼻的に投与することができないので、それに含有される医薬有効成分の医薬有効成分乱用の回避に有用である。これらの医薬剤形は、その機械的性質、特に高い破壊強度により、不正使用防止となる。このような不正使用防止医薬剤形との関連で、例えば、国際公開第2005/016313号(特許文献1)、国際公開第2005/016314号(特許文献2)、国際公開第2005/063214号(特許文献3)、国際公開第2005/102286号(特許文献4)、国際公開第2006/002883号(特許文献5)、国際公開第2006/002884号(特許文献6)(米国特許第2006/0002860号(特許文献7)に相当)、国際公開第2006/002886号(特許文献8)、国際公開第2006/082097号(特許文献9)、国際公開第2006/082099号(特許文献10)、国際公開第2008/107149号(特許文献11)国際公開第2009/092601号(特許文献12)及び国際公開第2011/009603号(特許文献13)を参照できる。
経口投与される医薬品の乱用を阻止するための方法及び組成物が、国際公開第2006/058249号(特許文献14)及び欧州特許第2402004号(特許文献15)に開示されている。
このような不正使用防止剤形からの医薬有効成分の放出動態も重要な因子である。医薬医薬有効成分を錠剤に製剤化する方法に応じて、その放出パターンを変更できることはよく知られている。
一方において、経口投与時に即時放出を示す製剤は、胃腸管において医薬有効成分の迅速な放出をもたらすという利点を有する。その結果、比較的高用量の医薬有効成分が、迅速に吸収されて、短時間に高い血漿中レベルが得られ、薬効作用(medicinal action)の速やかな発現がもたらされる、即ち、投与直後に薬効作用が開始する。また一方、同時に、薬効作用の速やかな低下が観察される。これは、医薬有効成分の代謝及び/又は排泄によって血漿中レベルの減少が起こるためである。そのため、医薬有効成分の即時放出を示す製剤は典型的には、頻繁に、例えば、1日6回投与する必要がある。これは、医薬有効成分の比較的高いピーク血漿濃度、及び医薬有効成分のピーク血漿濃度と医薬有効成分のトラフ血漿濃度との間の高い周期的変動(fluctuation)をもたらすおそれがあり、結果として忍容性を低下させる可能性がある。
放出制御(例えば、遅延型放出(delayed release)、長期放出(prolonged release)、持続放出(sustained release)など)は、放出制御膜での医薬剤形のコーティング、医薬有効成分のマトリックスへの埋め込み、イオン交換樹脂への医薬有効成分の結合、医薬有効成分の複合体の形成などのような種々の構想に基づくことができる。これに関連して、例えば、W.A. Ritschel、Die Tablette、2. Auflage、Editio Cantor Verlag Aulendorf、2002年(非特許文献1)を参照できる。
即時放出を示す製剤と比較して、経口投与時に長期放出を示す製剤は、それほど頻繁に投与する必要がなく、1日1回又は1日2回の投与でよいという利点を有する。これは、医薬有効成分のピーク血漿濃度を低下させ、医薬有効成分のピーク血漿濃度と医薬有効成分のトラフ血漿濃度との間の周期的変動を減少させることができ、結果として忍容性を改善できる。
長期放出系の設計における理想目標は、所望の部位に身体の要求に応じた速度で医薬有効成分を送達することである。フィードバック制御が欠落していると、単純な延長作用が残され、その場合、医薬有効成分の一定血中レベルを維持するために医薬有効成分を送達すべき速度が重要な問題となる。この一定速度は、医薬有効成分はその排出速度とちょうど等しい一定速度で患者に投与される静脈内持続注入によって達成されるのと同じ速度であるべきである。これは、送達速度が、医薬剤形中に残っている医薬有効成分の量に非依存的で、経時的に一定でなければならないことを意味する。
時間プロファイルに対して完全に不変である医薬有効成分の血中レベル又は組織内レベルが、長期放出系の最初の理想目標である。これを実現する方法は、最も簡単な場合、その医薬有効成分をゼロ次速度によって放出する維持用量を使用することである。
米国特許第5,082,668号(特許文献16)は、浸透圧によって駆動される剤形、即ち、コンパートメントを囲む壁を含む装置を開示している。コンパートメントは、有益薬剤組成物とプッシュ組成物とを含む。壁中の流路は、コンパートメントを、有益薬剤を送達するための装置の外部と接続する。有益薬剤の送達は、壁、有益薬剤組成物及びプッシュ組成物によって共同で制御される速度で、装置の流路を通して経時的に行われる。
米国特許第7,300,668号(特許文献17)は、第1の領域濃度の少なくとも1種の医薬活性成分を含む、三次元的にプリントされた最内領域と、入れ子状に配置されている、複数の三次元的にプリントされた非最内領域とを含み、且つ(a)1つ又は複数の入れ子状の内部領域(1つの内部領域は、最内領域を完全に取り囲んで、最内領域と接触しており、他の全ての内部領域は、その内部に位置する別の内部領域を完全に取り囲んでいる)と、b)内部領域を完全に取り囲んでいる最外領域とを含む剤形であって、内部領域と最外領域とが入れ子状に配置されており、少なくとも1種の医薬活性成分がほぼゼロ次の放出で放出される剤形に関する。
国際公開第2008/086804号(特許文献18)は、乱用抵抗性の、ポリグリコールをベースとする医薬組成物を開示している。この組成物は、1種以上のポリグリコールと1種以上の活性物質を含有し、粉砕、融解及び/又は抽出に対して抵抗性である。さらに、このような組成物は、エタノール性−水性媒体に対して同等又はそれ以下の溶解度を有する、即ち、エタノールによって誘発される用量ダンピング作用に左右されることがない。
国際公開第2008/148798号(特許文献19)は、胃腸管の大部分にわたって吸収される、疾患の治療のための経口的使用に好適な層状医薬組成物を開示している。
国際公開第03/024426号(特許文献20)は、i)少なくとも部分的に非晶質の形態である少なくとも1種の治療的、予防的及び/又は診断的に活性な物質と、ii)可塑化特性を有する、医薬として許容されるポリマーと、iii)場合により安定化剤との固体分散体を含む、経口的使用のための放出制御医薬組成物であって、前記少なくとも1種の活性物質が限られた水溶性を有し、前記組成物が実質的にゼロ次放出で活性物質を放出するように設計されている放出制御医薬組成物を開示している。ゼロ次放出は、放出相の間中無傷であり、マトリックス組成物を、特定の表面積のみが浸食を受けるように被覆するコーティングによって、実現される。その結果、活性物質が放出される表面積は、その期間中、実質的に一定に保たれる。
国際公開第2010/057036号(特許文献21)は、固体組成物を開示しており、この固体組成物の製造方法及び使用方法も提供されている。この固体組成物は、(a)約37℃の温度において最大で約6.8のpHを有する水溶液に対する溶解度が約0.3mg/ml未満である少なくとも1種の活性作用剤と、(b)i)METHOCEL(登録商標)、POLYOX(登録商標)WSR 1105及びそれらの組み合わせからなる群から選択される親水性ポリマー、及び場合によりii)Ethocel 20 premiumからなる群から選択される疎水性ポリマーを含む親水性ポリマーマトリックス組成物と、(c)炭酸カルシウム、重質酸化マグネシウム及び炭酸水素ナトリウムからなる群から選択されるアルカリ化薬を含み、前記組成物は、経口投与後約7時間から約12時間の間に活性物質の少なくとも約70%を放出する。
国際公開第2005/105036号(特許文献22)は、(1)pH非依存性ゲル化ポリマー、例えば、ポリエチレンオキシド、(2)pH依存性ゲル化ポリマー、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、(3)フィルムコーティングポリマー成分、例えば、Eudragit RS100及び他の従来の錠剤用機能性賦形剤を含む速度制御ポリマーマトリックス中に分散された、治療有効量のトルテロジン又はその医薬として許容される塩、プロドラッグ及びその代謝産物を含有する粘膜接着性の放出制御経口医薬マトリックス製剤を開示している。
V. Pillayら、Journal of Controlled Release、67(2000年)67〜78頁(非特許文献2)は、周囲条件における直接圧縮によって調製された単純なモノリス系から高溶解性の生物活性物質を一定速度で送達するためのアプローチを開示している。
M.E. McNeillら、J Biomater Sci Polym 1996年、7(11)、953〜63頁(非特許文献3)は、ポリ(エチレンオキシド)ヒドロゲルからの水溶性溶質の拡散及び放出を制御する性質に関する。パート4は、部分的にコーティングされた球体からの一定速度放出の延長を扱っている。
D.Henristらは、澱粉をベースとするホットステージ押出(hot stage extruded)二重マトリックス系のインビトロ及びインビボ評価に関係している。ホットステージ押出された薬物含有澱粉コアを取り囲む、ホットステージ押出された澱粉パイプからなる二重マトリックス系を開発する目的は、薬物の持続放出ドメインに適用できるモノリスマトリックス系を得ることであった。この系の挙動は、溶出試験によって及び9名の男性志願者についての無作為化クロスオーバー・バイオアベイラビリティ試験によって評価された。二重マトリックス系は全て、インビトロにおいて、4時間の初期の比較的緩徐な放出相の後に、ほぼ一定の薬物放出プロファイルを示した。この初期の比較的緩徐な放出相は、少量の薬物を澱粉パイプに装填することによって回避された。
L. Yangら、J. Pharm. Sciences、85(2)、1996年、170〜173頁(非特許文献4)は、自動調整式の浮揚性で非対称構成の薬物送達システムからのゼロ次放出速度に関する。
国際公開第2005/016313号 国際公開第2005/016314号 国際公開第2005/063214号 国際公開第2005/102286号 国際公開第2006/002883号 国際公開第2006/002884号 米国特許第2006/0002860号 国際公開第2006/002886号 国際公開第2006/082097号 国際公開第2006/082099号 国際公開第2008/107149号 国際公開第2009/092601号 国際公開第2011/009603号 国際公開第2006/058249号 欧州特許第2402004号 米国特許第5,082,668号 米国特許第7,300,668号 国際公開第2008/086804号 国際公開第2008/148798号 国際公開第03/024426号 国際公開第2010/057036号 国際公開第2005/105036号 国際公開第2004/043967号 国際公開第2005/066183号 米国特許第4,667,013号 欧州特許第0239973号 米国特許第5,326,852号 米国特許第6,979,722号 欧州特許公開第240906号 米国特許公開(A1)第2003/0064099号
W.A. Ritschel、Die Tablette、2. Auflage、Editio Cantor Verlag Aulendorf、2002年 V. Pillayら、Journal of Controlled Release、67(2000年)67〜78頁 M.E. McNeillら、J Biomater Sci Polym 1996年、7(11)、953〜63頁 L. Yangら、J. Pharm. Sciences、85(2)、1996年、170〜173頁 「Coated Pharmaceutical dosage forms − Fundamentals, Manufacturing Techniques, Biopharmaceutical Aspects, Test Methods and Raw Materials」、Kurt H. Bauer、 K. Lehmann、Hermann P. Osterwald、Rothgang, Gerhart、第1版、1998年、 Medpharm Scientific Publishers K.H. Bauer、Lehrbuch der Pharmazeutischen Technologie、第6版、WVG Stuttgart、1999年 「Pharmazeutische Biologie − Drogen und ihre Inhaltsstoffe」、Prof. Dr. Hildebert Wagner著、改訂第2版、Gustav Fischer Verlag、Stuttgart−New York、1982年、82頁以降 「Pharmazeutische Biologie − Drogen und ihre Inhaltsstoffe」、Prof. Dr. Hildebert Wagner著、改訂第2版、Gustav Fischer Verlag、Stuttgart−New York、1982年 H Liebermannら、Pharmaceutical dosage forms: Tablets、第2巻、Informa Healthcare、第2版、1990年 Encyclopedia of Pharmaceutical Technology、Informa Healthcare、第1版 P.A. Proeschelら、J Dent Res、2002年、81巻(7号)、464〜468頁 Eur.Ph.5.0,2.9.8 Eur.Ph.6.0,2.09.08 「Resistance to Crushing of Tablets」
本発明の目的は、先行技術の医薬剤形と比較して有利な医薬剤形を提供することである。
この目的は、特許請求の範囲の主題によって達成された。
驚くべきことに、200,000g/molを超える重量平均分子量を有するポリアルキレンオキシド及び亜鉛成分からなるポリアルキレンオキシド組成物は、医薬剤形の製造に有用であること並びに先行技術のポリアルキレンオキシド組成物と比較して有利であることが判明した。特に、驚くべきことに、200,000g/molを超える重量平均分子量を有するポリアルキレンオキシド及び亜鉛成分からなるポリアルキレンオキシド組成物の水性分散液は、実質的に亜鉛成分を含有しないポリアルキレンオキシド組成物の水性分散液よりも低いpH値を有することが判明した。このより低いpH値は、医薬剤形に含有される医薬有効成分及びポリアルキレンオキシドポリマーの安定性を増大させ得ると思われる。したがって、200,000g/molを超える重量平均分子量を有するポリアルキレンオキシド及び亜鉛成分からなるポリアルキレンオキシド組成物が医薬剤形の有効期間に対してプラスの影響を与える証拠がある。
本発明の第一の態様は、
a)医薬有効成分と、
b)200,000g/molを超える重量平均分子量を有するポリアルキレンオキシドと、
c)亜鉛成分と
を含み、前記亜鉛成分の含有量が、医薬剤形の総重量に対して少なくとも1ppmである、熱成形された不正使用防止医薬剤形に関する。
本発明による医薬剤形は、医薬有効成分を含有する。
本明細書においては、用語「医薬有効成分」は、1種以上の医薬有効成分を指すことができる。一般に、本発明による医薬剤形に組み込むことができる医薬有効成分(薬理活性化合物)に関しては制限がない。
好ましい実施形態において、医薬剤形は、単一の医薬有効成分のみを含有する。別の好ましい実施形態において、医薬剤形は、2種以上の医薬有効成分の組み合わせを含有する。
好ましくは、医薬有効成分は、乱用される可能性がある。乱用される可能性がある医薬有効成分は、当業者にはよく知られており、例えば、精神安定薬、刺激薬、バルビツール系薬剤、麻薬、オピオイド又はオピオイド誘導体を含む。
好ましくは、医薬有効成分は向精神作用を示す。
好ましくは、医薬有効成分は、オピオイド、刺激薬、精神安定薬及び他の麻薬からなる群から選択される。
特に好ましくは、医薬有効成分はオピオイドである。ATC分類(ATC index)によれば、オピオイドは、天然アヘンアルカロイド、フェニルピペリジン誘導体、ジフェニルプロピルアミン誘導体、ベンゾモルファン誘導体、オリパビン(oripavine)誘導体、モルフィナン誘導体などに分類される。
以下のオピオイド、精神安定薬又は他の麻薬は、向精神作用を有する物質であり、即ち、乱用の可能性があり、したがって、本発明による医薬剤形に含有させるのが好ましい:アルフェンタニル、アロバルビタール、アリルプロジン、アルファプロジン、アルプラゾラム、アンフェプラモン、アンフェタミン、アンフェタミニル、アモバルビタール、アニレリジン、アポコデイン、アキソマドール、バルビタール、ベミドン、ベンジルモルヒネ、ベジトラミド、ブロマゼパム、ブロチゾラム、ブプレノルフィン、ブトバルビタール、ブトルファノール、カマゼパム、カルフェンタニル、カチン/D−ノルプソイドエフェドリン、クロルジアゼポキシド、クロバザム、クロフェダノール、クロナゼパム、クロニタゼン、クロラゼペート、クロチアゼパム、クロキサゾラム、コカイン、コデイン、シクロバルビタール、シクロルファン(cyclorphan)、シプレノルフィン、デロラゼパム、デソモルヒネ、デキストロモラミド、デキストロプロポキシフェン、デゾシン、ジアンプロミド、ジアモルフォン(diamorphone)、ジアゼパム、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、ジヒドロモルフォン(dihydromorphone)、ジメノキサドール、ジメフェタモール(dimephetamol)、ジメチルチアムブテン、ジオキサフェチルブチレート(dioxaphetylbutyrate)、ジピパノン、ドロナビノール、エプタゾシン、エスタゾラム、エトヘプタジン、エチルメチルチアンブテン、ロフラゼプ酸エチル、エチルモルヒネ、エトニタゼン、エトルフィン、ファキセラドール、フェンカンファミン、フェネチリン、フェンピプラミド、フェンプロポレクス、フェンタニル、フルジアゼパム、フルニトラゼパム、フルラゼパム、ハラゼパム、ハロキサゾラム、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ヒドロキシメチルモルフィナン、ケタゾラム、ケトベミドン、レバセチルメサドール(LAAM)、レボメサドン、レボルファノール、レボフェナシルモルファン(levophenacylmorphane)、レボキセマシン(levoxemacin)、メシル酸リスデキサンフェタミン(lisdexamfetamine dimesylate)、ロフェンタニル、ロプラゾラム、ロラゼパム、ロルメタゼパム、マジンドール、メダゼパム、メフェノレクス、メペリジン、メプロバメート、メタポン(metapon)、メプタジノール、メタゾシン、メチルモルヒネ、メタンフェタミン、メタドン、メタクアロン、3−メチルフェンタニル、4−メチルフェンタニル、メチルフェニデート、メチルフェノバルビタール、メチプリロン、メトポン、ミダゾラム、モダフィニル、モルヒネ、ミロフィン、ナビロン、ナルブフェン(nalbuphene)、ナロルフィン、ナルセイン、ニコモルフィン、ニメタゼパム、ニトラゼパム、ノルダゼパム、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、アヘン、オキサゼパム、オキサゾラム、オキシコドン、オキシモルフォン、ケシ(パパベル・ソムニフェルム(Papaver somniferum))、パパベレタム、ペルノリン(pernoline)、ペンタゾシン、ペントバルビタール、ペチジン、フェナドキソン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、フォルコデイン(pholcodeine)、フェンメトラジン、フェノバルビタール、フェンテルミン、ピナゼパム、ピプラドロール、ピリトラミド、プラゼパム、プロファドール、プロヘプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロポキシフェン、レミフェンタニル、セクブタバルビタール、セコバルビタール、スフェンタニル、タペンタドール、テマゼパム、テトラゼパム、チリジン(シス及びトランス)、トラマドール、トリアゾラム、ビニルビタール、N−(1−メチル−2−ピペリジノエチル)−N−(2−ピリジル)プロピオンアミド、(1R,2R)−3−(3−ジメチルアミノ−1−エチル−2−メチル−プロピル)フェノール、(1R,2R,4S)−2−(ジメチルアミノ)メチル−4−(p−フルオロベンジルオキシ)−1−(m−メトキシフェニル)シクロヘキサノール、(1R,2R)−3−(2−ジメチルアミノメチル−シクロヘキシル)フェノール、(1S,2S)−3−(3−ジメチルアミノ−1−エチル−2−メチル−プロピル)フェノール、(2R,3R)−1−ジメチルアミノ−3−(3−メトキシフェニル)−2−メチル−ペンタン−3−オール、(1RS,3RS,6RS)−6−ジメチルアミノメチル−1−(3−メトキシフェニル)−シクロヘキサン−1,3−ジオール(好ましくはラセミ体として)、3−(2−ジメチルアミノメチル−1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)フェニル2−(4−イソブチル−フェニル)プロピオネート、3−(2−ジメチルアミノメチル−1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)フェニル2−(6−メトキシ−ナフタレン−2−イル)プロピオネート、3−(2−ジメチルアミノメチル−シクロヘキサ−1−エニル)−フェニル2−(4−イソブチル−フェニル)プロピオネート、3−(2−ジメチルアミノメチル−シクロヘキサ−1−エニル)−フェニル2−(6−メトキシ−ナフタレン−2−イル)プロピオネート、(RR−SS)−2−アセトキシ−4−トリフルオロメチル−安息香酸3−(2−ジメチルアミノメチル−1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−フェニルエステル、(RR−SS)−2−ヒドロキシ−4−トリフルオロメチル−安息香酸3−(2−ジメチルアミノメチル−1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−フェニルエステル、(RR−SS)−4−クロロ−2−ヒドロキシ−安息香酸3−(2−ジメチルアミノメチル−1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−フェニルエステル、(RR−SS)−2−ヒドロキシ−4−メチル−安息香酸3−(2−ジメチルアミノメチル−1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−フェニルエステル、(RR−SS)−2−ヒドロキシ−4−メトキシ−安息香酸3−(2−ジメチルアミノメチル−1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−フェニルエステル、(RR−SS)−2−ヒドロキシ−5−ニトロ−安息香酸3−(2−ジメチルアミノメチル−1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−フェニルエステル、(RR−SS)−2’,4’−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−ビフェニル−4−カルボン酸3−(2−ジメチルアミノメチル−1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−フェニルエステル、及び対応する立体異性体化合物、いずれの場合にもそれらの対応する誘導体、それらの生理学的に容認されるエナンチオマー、立体異性体、ジアステレオマー及びラセミ体並びに生理学的に容認される誘導体、例えば、エーテル、エステル又はアミド及びいずれの場合にもそれらの生理学的に容認される化合物、特にそれらの酸付加塩又は塩基付加塩及び溶媒和物、例えば、塩酸塩。
好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形は、DPI−125、M6G(CE−04−410)、ADL−5859、CR−665、NRP290及びセバシン酸ジナルブフィンエステル(sebacoyl dinalbuphine ester)からなる群から選択されるオピオイドを含有する。
好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形は、オキシモルフォン、ヒドロモルフォン及びモルヒネからなる群から選択される1種の医薬有効成分又は複数の医薬有効成分、並びにそれらの生理学的に容認される塩を含有する。
別の好ましい実施形態において、医薬有効成分は、タペンタドール、ファキセラドール、アキソマドール及びそれらの生理学的に容認される塩からなる群から選択される。
さらに別の好ましい実施形態において、医薬有効成分は、1,1−(3−ジメチルアミノ−3−フェニルペンタメチレン)−6−フルオロ−1,3,4,9−テトラヒドロピラノ[3,4−b]インドール、特にそのヘミシトレート;1,1−[3−ジメチルアミノ−3−(2−チエニル)ペンタメチレン]−1,3,4,9−テトラヒドロピラノ[3,4−b]インドール、特にそのシトレート;及び1,1−[3−ジメチルアミノ−3−(2−チエニル)ペンタメチレン]−1,3,4,9−テトラヒドロピラノ[3,4−b]−6−フルオロインドール、特にそのヘミシトレートからなる群から選択される。これらの化合物は、例えば、国際公開第2004/043967号(特許文献23)、国際公開第2005/066183号(特許文献24)からよく知られている。
医薬有効成分は、生理学的に容認される塩、例えば、生理学的に容認される酸付加塩の形態に存在していてもよい。
生理学的に容認される酸付加塩は、塩基の形態の医薬有効成分を適切な有機酸及び無機酸で処理することによって簡便に得ることができる任意の酸付加塩を含む。酸性プロトンを含有する医薬有効成分は、適切な有機塩基及び無機塩基による処理によって、それらの無毒性の金属又はアミン付加塩に変換してもよい。また、付加塩という用語は、医薬有効成分が形成できる水和物及び溶媒付加形態を含む。このような形態の例は、例えば、水和物、アルコラートなどである。
特に明記しない限り、以下に特定される医薬有効成分のすべての量は、遊離化合物の対応する量にしたがって示される。
医薬有効成分は、医薬剤形中に治療有効量で存在する。治療有効量となる量は、使用される医薬有効成分、治療される状態、前記状態の重症度、治療される患者、及び医薬剤形が即時放出又は遅延放出のいずれのために設計されるか、によって異なる。本発明において使用する医薬有効成分(複数可)の量は、医薬剤形の総重量に基づき、好ましくは約0.01重量%〜約95重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約80重量%、さらに好ましくは約1.0重量%〜約50重量%、さらに好ましくは約1.5重量%〜約30重量%、最も好ましくは約2.0重量%〜20重量%の範囲である。
医薬剤形の医薬有効成分の含有量は制限されない。投与に適している医薬有効成分の用量は、好ましくは0.1mg〜2,000mg、0.1mg〜1,000mg、又は0.1mg〜500mgの範囲、より好ましくは1.0mg〜400mgの範囲、さらに好ましくは5.0mg〜300mgの範囲、最も好ましくは10mg〜250mgの範囲である。好ましい実施形態において、医薬剤形に含有される医薬有効成分の総量は、0.01〜200mg、より好ましくは0.1〜190mg、さらに好ましくは1.0〜180mg、さらに好ましくは1.5〜160mg、最も好ましくは2.0〜100mg、特に2.5〜80mgの範囲内である。別の好ましい実施形態において、医薬剤形に含有される医薬有効成分の総量は、10〜500mg、より好ましくは12〜450mg、さらに好ましくは14〜400mg、さらに好ましくは16〜350mg、最も好ましくは18〜325mg、特に20〜300mgの範囲内である。
好ましくは、医薬有効成分の含有量は、医薬剤形の総重量に基づき、0.01〜80重量%、より好ましくは0.1〜50重量%、さらに好ましくは1〜25重量%の範囲内である。好ましい実施形態において、医薬有効成分の含有量は、医薬剤形の総重量に基づき、7±6重量%、より好ましくは7±5重量%、さらに好ましくは5±4重量%、7±4重量%又は9±4重量%、最も好ましくは5±3重量%、7±3重量%又は9±3重量%、特に5±2重量%、7±2重量%又は9±2重量%の範囲内である。別の好ましい実施形態において、医薬有効成分の含有量は、医薬剤形の総重量に基づき、11±10重量%、より好ましくは11±9重量%、さらにより好ましくは9±6重量%、11±6重量%、13±6重量%又は15±6重量%、最も好ましくは11±4重量%、13±4重量%又は15±4重量%、特に11±2重量%、13±2重量%又は15±2重量%の範囲内である。さらに好ましい実施形態において、医薬有効成分の含有量は、医薬剤形の総重量に基づき、20±6重量%、より好ましくは20±5重量%、さらに好ましくは20±4重量%、最も好ましくは20±3重量%、特に20±2重量%の範囲内である。
好ましい実施形態において、医薬有効成分は、医薬剤形中に、7.5±5mg、10±5mg、20±5mg、30±5mg、40±5mg、50±5mg、60±5mg、70±5mg、80±5mg、90±5mg、100±5mg、110±5mg、120±5mg、130±5、140±5mg、150±5mg、160±5mg、170±5mg、180±5mg、190±5mg、200±5mg、210±5mg、220±5mg、230±5mg、240±5mg又は250±5mgの量で含有される。別の好ましい実施形態において、医薬有効成分は、医薬剤形中に、5±2.5mg、7.5±2.5mg、10±2.5mg、15±2.5mg、20±2.5mg、25±2.5mg、30±2.5mg、35±2.5mg、40±2.5mg、45±2.5mg、50±2.5mg、55±2.5mg、60±2.5mg、65±2.5mg、70±2.5mg、75±2.5mg、80±2.5mg、85±2.5mg、90±2.5mg、95±2.5mg、100±2.5mg、105±2.5mg、110±2.5mg、115±2.5mg、120±2.5mg、125±2.5mg、130±2.5mg、135±2.5mg、140±2.5mg、145±2.5mg、150±2.5mg、155±2.5mg、160±2.5mg、165±2.5mg、170±2.5mg、175±2.5mg、180±2.5mg、185±2.5mg、190±2.5mg、195±2.5mg、200±2.5mg、205±2.5mg、210±2.5mg、215±2.5mg、220±2.5mg、225±2.5mg、230±2.5mg、235±2.5mg、240±2.5mg、245±2.5mg又は250±2.5mgの量で含有される。さらに別の好ましい実施形態において、医薬有効成分は医薬剤形中に、250±10mg、275±10mg、300±10mg、325±10mg、350±10mg、375±10mg、400±10mg、425±10mg、450±10mg、475±10mg、500±10mg、525±10mg、550±10mg、575±10mg又は600±10mgの量で含有される。
好ましくは、この医薬剤形の医薬有効成分の放出は、1時間後に、好ましくは最大で60%、より好ましくは最大で40%、さらに好ましくは最大で30%、さらに好ましくは最大で20%、最も好ましくは最大で17%である。2時間後に、好ましくは最大で80%、より好ましくは最大で60%、さらに好ましくは最大で50%、さらに好ましくは最大で40%、最も好ましくは最大で32%である。3時間後に、好ましくは最大で85%、より好ましくは最大で65%、さらに好ましくは最大で55%、さらに好ましくは最大で48%、最も好ましくは最大で42%である。4時間後に、好ましくは最大で90%、より好ましくは最大で75%、さらに好ましくは最大で65%、さらに好ましくは最大で55%、最も好ましくは最大で49%である。7時間後に、好ましくは最大で95%、より好ましくは最大で85%、さらに好ましくは最大で80%、さらに好ましくは最大で70%、最も好ましくは最大で68%である。10時間後に、好ましくは最大で99%、より好ましくは最大で90%、さらに好ましくは最大で88%、さらに好ましくは最大で83%、最も好ましくは最大で80%である。13時間後に、好ましくは最大で99%、より好ましくは最大で95%、さらに好ましくは最大で93%、さらに好ましくは最大で91%、最も好ましくは最大で89%である。
特に好ましい実施形態において、医薬有効成分は、タペンタドール、好ましくはそのHCl塩であり、医薬剤形は1日1回又は1日2回の投与に適合されている。この実施形態において、医薬有効成分は好ましくは、医薬剤形中に25〜250mgの量で含有される。
別の特に好ましい実施形態において、医薬有効成分は、オキシモルフォン、好ましくはそのHCl塩であり、医薬剤形は1日2回の投与に適合されている。この実施形態において、医薬有効成分は好ましくは、医薬剤形中に5〜40mgの量で含有される。別の特に好ましい実施形態において、医薬有効成分はオキシモルフォン、好ましくはそのHCl塩であり、医薬剤形は1日1回の投与に適合されている。この実施形態において、医薬有効成分は好ましくは、医薬剤形中に10〜80mgの量で含有される。
別の特に好ましい実施形態において、医薬有効成分はオキシコドン、好ましくはそのHCl塩であり、医薬剤形は1日2回の投与に適合されている。この実施形態において、医薬有効成分は好ましくは、医薬剤形中に5〜80mgの量で含有される。別の特に好ましい実施形態において、医薬有効成分はオキシコドン、好ましくはそのHCl塩であり、医薬剤形は1日1回の投与に適合されている。この実施形態において、医薬有効成分は好ましくは、医薬剤形中に10〜320mgの量で含有される。
さらに別の特に好ましい実施形態において、医薬有効成分はヒドロモルフォン、好ましくはそのHCl塩であり、医薬剤形は1日2回の投与に適合されている。この実施形態において、医薬有効成分は好ましくは、医薬剤形中に2〜52mgの量で含有される。別の特に好ましい実施形態において、医薬有効成分はヒドロモルフォン、好ましくはそのHCl塩であり、医薬剤形は1日1回の投与に適合されている。この実施形態において、医薬有効成分は好ましくは、医薬剤形中に4〜104mgの量で含有される。
さらに別の特に好ましい実施形態において、医薬有効成分はトラマドール、好ましくはそのHCl塩であり、医薬剤形は1日2回の投与に適合されている。この実施形態において、医薬有効成分は好ましくは、医薬剤形中に5〜300mgの量で含有される。別の特に好ましい実施形態において、医薬有効成分はトラマドール、好ましくはそのHCl塩であり、医薬剤形は1日1回の投与に適合されている。この実施形態において、医薬有効成分は好ましくは、医薬剤形中に10〜500mgの量で含有される。
本発明による医薬剤形は、優れた耐久性を有する医薬有効成分を特徴とする。好ましくは、40℃及び相対湿度75%で4週間、より好ましくは6カ月間の貯蔵後に、医薬有効成分の含有量は、貯蔵前のその最初含有量の少なくとも98.0%、より好ましくは少なくとも98.5%、さらに好ましくは少なくとも99.0%、さらに好ましくは少なくとも99.2%、最も好ましくは少なくとも99.4%、特に少なくとも99.6%に相当する。
さらにまた、本発明による医薬剤形は、ポリアルキレンオキシドの優れた耐久性を特徴とする。好ましくは、40℃及び相対湿度75%で6カ月間貯蔵後に、ポリアルキレンオキシドの含有量は、貯蔵前のその最初の含有量の少なくとも98.0%、より好ましくは少なくとも98.5%、さらに好ましくは少なくとも99.0%、さらに好ましくは少なくとも99.2%、最も好ましくは少なくとも99.4%、特に少なくとも99.6%になる。
貯蔵時におけるポリアルキレンオキシドの分解を観察するのに好適なパラメーターとしては、医薬剤形中の水性ゲルの粘度又は該当する場合には医薬剤形中の酸化防止剤の含有量が挙げられる。ポリアルキレンオキシドのポリマー鎖が劣化すると、医薬剤形の水性ゲルの粘度は減少する。医薬剤形の水性ゲルは好ましくは、実験の項で記載するようにして調製する。ポリアルキレンオキシドの分解は、酸化プロセスであるので、該当する場合には、酸化防止剤の含有量の減少によっても追跡し得る。
好ましい実施形態において、40℃及び相対湿度75%で6カ月間貯蔵後に、本発明による医薬剤形の水性ゲルの粘度は、貯蔵前の医薬剤形の水性ゲルの粘度に対して、最大で15%、より好ましくは最大で12%、さらに好ましくは最大で10%、さらに好ましくは最大で8%、さらに好ましくは最大で7又は6%、最も好ましくは最大で4%、特に最大で2又は1%減少する。
好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形が酸化防止剤、好ましくはα−トコフェロールを含有する場合には、40℃及び相対湿度75%で6カ月間貯蔵後における医薬剤形中の酸化防止剤の相対重量含有率は、貯蔵前の医薬剤形の酸化防止剤の相対重量含有率に対して、最大で19重量%、より好ましくは最大で18重量%、さらに好ましくは最大で17重量%、さらに好ましくは最大で16重量%、さらに好ましくは最大で15重量%、最も好ましくは最大で10重量%、特に最大で5重量%減少する。
医薬剤形中の医薬有効成分、ポリアルキレンオキシド及び酸化防止剤の含有量を測定するための好適な方法は、当業者には知られている。この関連で、Eur.ph.(欧州薬局方)又はUSP(米国薬局方)、特に逆相HPLC分析を参照する。好ましくは、医薬剤形は、好ましくは実験のセクションに記載したような、最も好ましくは酸素捕捉剤を備えている、特に、低い相対湿度でも有効な酸素捕捉剤を備えている、密閉容器、好ましくはシール容器中で保存する。
好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形は、特に40℃及び相対湿度75%の促進貯蔵条件において、医薬有効成分及び/又はポリアルキレンオキシドの改善された耐久性を示したが、より緩和な貯蔵条件、例えば、25℃/相対湿度60%又は30℃/相対湿度65%においては、医薬有効成分及び/又はポリアルキレンオキシドの改善された耐久性は好ましくはそれほど顕著でない。
本発明による医薬剤形は、ポリアルキレンオキシド及び亜鉛成分を含有する。
好ましくは、ポリアルキレンオキシドは、ポリメチレンオキシド、ポリエチレンオキシド及びポリプロピレンオキシド又はそれらのコポリマー若しくは混合物から選択される。
ポリアルキレンオキシドは、200,000g/molを超える又は少なくとも500,000g/mol、好ましくは少なくとも1,000,000g/mol又は少なくとも2,500,000g/mol、より好ましくは約1,000,000g/mol〜約15,000,000g/molの範囲、最も好ましくは約5,000,000g/mol〜約10,000,000g/molの範囲の重量平均分子量(M)、好ましくはまた、粘度平均分子量(Mη)を有する。M及びMηを決定するための好適な方法は、当業者にはよく知られている。Mηは好ましくは流動学的測定によって決定されるのに対して、Mはゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって決定できる。
好ましくは、ポリアルキレンオキシドの分子量分散度M/Mは、2.5±2.0、より好ましくは2.5±1.5、さらに好ましくは2.5±1.0、さらに好ましくは2.5±0.8、最も好ましくは2.5±0.6、特に2.5±0.4の範囲内である。
ポリアルキレンオキシドは、1重量%水溶液で測定した25℃での粘度が、好ましくは30〜17,600mPa・s、より好ましくは55〜17,600mPa・s、さらに好ましくは600〜17,600mPa・s、さらに好ましくは4,500〜17,600mPa・s、さらに好ましくは4,500〜12,000mPa・s、最も好ましくは5,000〜10,500mPa・s、特に5,500〜7,500mPa・s又は7,500〜10,000mPa・sである。
ポリアルキレンオキシドは、特定の平均分子量を有する単一のポリアルキレンオキシド、又は異なるポリマー、例えば、2、3、4又は5種のポリマー、例えば、化学的性質が同じであるが平均分子量が異なるポリマー、化学的性質が異なるが平均分子量が同じポリマー、又は化学的性質も分子量も異なるポリマーの混合物(ブレンド)を含むことができる。
本明細書においては、ポリアルキレングリコールが20,000g/mol以下の分子量を有するのに対して、ポリアルキレンオキシドは20,000g/molを超える分子量を有する。医薬剤形中に含有される全ポリアルキレンオキシドの全分子量にわたる重量平均は、200,000g/molを超える。したがって、ポリアルキレンオキシドの重量平均分子量を決定する場合には、ポリアルキレングリコールは、あるとしても、考慮に入れないのが好ましい。
明細書においては、用語「亜鉛成分」は、元素状亜鉛並びに任意の種類の亜鉛含有成分、例えば、無機若しくは有機塩、錯体、合金、酸化物、キレート及び有機亜鉛化合物を含むことを意図する。さらにまた、用語「亜鉛成分」は、亜鉛を、即ち、共有結合された亜鉛、イオンの形態の亜鉛又はさらなる亜鉛含有成分の形態でインターカレート亜鉛を含むポリマーを含む。
好ましい実施形態において、亜鉛成分は、一般式RZnの有機亜鉛化合物であるかそれを含む。一般式RZnにおいて、好ましくは、Rはそれぞれ独立して、−C1−8脂肪族、−C3−12脂環式、−アリール、−ヘテロアリール、−C1−8脂肪族−C3−12脂環式、−C1−8脂肪族−アリール、−C1−8脂肪族−ヘテロアリール、−C3−8脂環式−C1−8脂肪族、−C3−8脂環式−アリール又は−C3−8脂環式−ヘテロアリールを表し;「脂肪族」はそれぞれ、分岐鎖又は非分枝鎖、飽和又は一価不飽和若しくは多価不飽和、非置換又はモノ置換またはポリ置換の脂肪族炭化水素残基であり;「脂環式」はそれぞれ、飽和又は一価不飽和若しくは多価不飽和、非置換又はモノ置換またはポリ置換の、脂環の(alicyclic)単環若しくは多環炭化水素残基であり;「脂肪族」及び「脂環式」に関して、「モノ置換またはポリ置換された(モノ置換またはポリ置換の)」は、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−NO、−CHO、−O、−R、−C(=O)R、−C(=O)H、−C(=O)OH、−C(=O)OR、−C(=O)NH、−C(=O)NHR、−C(=O)N(R)、−OH、−OR、−OC(=O)H、−OC(=O)R、−OC(=O)OR、−OC(=O)NHR、−OC(=O)NR、−SH、−SR、−SOH、−S(=O)1−2−R、−S(=O)1−2NH、−NH、−NHR、−NR、−N、−N(R)、−NHC(=O)R、−NHC(=O)OR、−NHC(=O)NH、−NHC(=O)−NHR、−NH−C(=O)NR、−SiR及び−PO(OR)[各「R」は前記で定義した通りである]からなる群から互いに独立して選択される置換基による、1つ又は複数の水素原子のモノ置換またはポリ置換を意味し;「アリール」はそれぞれ独立して、少なくとも1つの芳香環を有するがこの環中にヘテロ原子を有さない炭素環系を表し、場合により、アリール残基は、さらなる飽和環系、(部分)不飽和環系又は芳香環系と縮合されていてもよく、且つ各アリール残基は非置換又はモノ置換またはポリ置換の形態で存在することができ、アリール置換基は同一であっても異なっていてもよく、アリールの任意の所望の可能な位置に存在することができ;「ヘテロアリール」は、1、2、3、4又は5個のヘテロ原子を含む5、6又は7員環の芳香族残基を表し、ヘテロ原子は、同一であるか又は異なり、窒素、酸素又はイオウであり、複素環は非置換であっても、モノ置換またはポリ置換されていてもよく;複素環の置換については、置換基は同一であっても異なっていてもよく、ヘテロアリールの任意の所望の可能な位置に存在することができ;複素環はまた、二環系又は多環系の一部であってもよく;「アリール」及び「ヘテロアリール」に関して、「モノ置換またはポリ置換された(モノ置換またはポリ置換の)」は、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−NO、−CHO、−O、−R、−C(=O)R、−C(=O)H、−C(=O)OH、−C(=O)OR、−C(=O)NH、−C(=O)NHR、−C(=O)−NR、−OH、−O(CH1−2O−、−OR、−OC(=O)H、−OC(=O)R、−OC(=O)OR、−OC(=O)NHR、−OC(=O)NR、−SH、−SR、−SOH、−S(=O)1−2−R、−S(=O)1−2NH、−NH、−NHR、−NR、−N、−N、−NHC(=O)R、−NHC(=O)OR、−NH−C(=O)NH、−NHC(=O)NHR、−NHC(=O)NR、−SiR又は−PO(OR)[各「R」は前記で定義した通りである]からなる群から選択される置換基による、環系の1つ又は複数の水素原子のモノ置換またはポリ置換を意味し;存在するいずれのN環原子もそれぞれ酸化されていてもよい。
より好ましくは、Rはそれぞれ独立して、(i)1から約8個、好ましくは1〜6個、最も好ましくは2又は3個の炭素原子を含むアルキル基、あるいは(ii)フェニル基若しくはナフチル基又はアルキル置換されたフェニル基若しくはナフチル基(アルキル基は1〜約3個の炭素原子を含む)、あるいは(iii)4〜6個の環炭素原子を含むシクロアルキル基、あるいは(iv)ジシクロペンタジエニル基、あるいは(v)1〜約8個の炭素原子を含むアルコキシド基を表す。例としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定するものではない:カルボン酸亜鉛(例えば、グルタル酸亜鉛、アジピン酸亜鉛、イソフタル酸亜鉛、プロピオン酸亜鉛)、アルキル亜鉛、一価及び/又は多価アルコールの亜鉛アルコキシド、シクロアルキル亜鉛、アリール亜鉛又はジシクロペンタジエニル化合物(例えば、ジメチル亜鉛塩、ジエチル亜鉛塩、ジプロピル亜鉛塩、ジイソプロピル亜鉛塩、ジブチル亜鉛塩、ジイソブチル亜鉛塩、ジ−t−ブチル亜鉛塩、ジペンチル亜鉛塩、ジヘキシル亜鉛塩及びジヘプチル亜鉛塩及びジオクチル亜鉛塩、ジ−2−エチルヘキシル亜鉛、ジフェニル亜鉛、ジトリル亜鉛、ジシクロブチル亜鉛、ジシクロペンチル亜鉛、ジ−メチルシクロペンチル亜鉛、ジシクロヘキシル亜鉛、メチルフェニル亜鉛、メチルトリル亜鉛、メチルナフチル亜鉛、エチルフェニル亜鉛)、強酸の亜鉛塩(例えば、硝酸亜鉛)又は有機酸の亜鉛塩(例えば、アセチルアセトン酸亜鉛、酢酸亜鉛、脂肪酸の亜鉛塩)、亜鉛フタロシアニン、亜鉛ハロゲン化物、有機亜鉛ハロゲン化物(例えば、アルキル又はアリール亜鉛ハロゲン化物)、亜鉛ナフタロシアニン、亜鉛ポルフィリン、(メタ)アクリル酸亜鉛(例えば、アクリル酸亜鉛、ジアクリル酸亜鉛、メタクリル酸亜鉛、ジメタクリル酸亜鉛)、ハロゲン化チオフェノール亜鉛塩(例えば、ペンタクロロチオフェノールの亜鉛塩)並びにそれらの混合物。
好ましい実施形態において、ポリアルキレンオキシドは、一般式RZnの亜鉛成分の存在下においてアルキレンオキシドを重合させることによって得られる。特に好ましくは、ポリアルキレンオキシドは、亜鉛成分(亜鉛成分は一価及び/又は多価アルコールの亜鉛アルコキシドである)の存在下においてアルキレンオキシドを重合させることによって得られる。
別の好ましい実施形態において、ポリアルキレンオキシドは、亜鉛成分(亜鉛成分の量は、アルキレンオキシドモノマーの1モル当たりの亜鉛原子含有量に基づき、0.01〜1mol%の範囲である)の存在下においてアルキレンオキシドを重合させることによって得られる。
亜鉛成分の存在下においてアルキレンオキシドを重合させることによってポリアルキレンオキシドを得る場合には、亜鉛成分は重合反応後に、好ましくは非活性化された形態で、最も好ましくは加水分解された形態で、さらに好ましくはZn(OH)、Zn(OH) 2−、ZnO又はそれらの混合物として存在する。
好ましい実施形態において、亜鉛成分は、ステアリン酸亜鉛及び/又は硫酸亜鉛を実質的に含まない。特定の好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形は、ステアリン酸亜鉛及び/又は硫酸亜鉛を実質的に含まない。
明細書においては、特に明記しない限り、「実質的に〜ない」は、投与形態の総重量に対して、好ましくは1ppm未満、より好ましくは0.1ppm未満、さらに好ましくは「検出可能でない」、即ち、検出限界未満であるとみなすことができる。
好ましい実施形態において、亜鉛成分は、ジヒドロカルビル亜鉛化合物と直鎖アルカンジオール、例えば1,4−ブタンジオールとの反応生成物であるか又はそれを含む。このような反応生成物は、環状酸化物、例えば、エチレンオキシドの重合において触媒として有用であり、例えば、米国特許第4,667,013号(特許文献25)から知られており、この文献を参照として本明細書中に組み込む。
別の好ましい実施形態において、亜鉛成分は、ジヒドロカルビル亜鉛化合物とポリオール−界面活性剤−分散助剤のエマルションとの反応生成物であるか又はそれを含む。このような反応生成物は、アルキレンオキシドの重合において触媒として有用であり、例えば、欧州特許第0239973号(特許文献26)から知られており、この文献を参照として本明細書中に組み込む。
さらに別の好ましい実施形態において、亜鉛成分は、
−ジアルキル亜鉛(例えば、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジプロピル亜鉛又はジブチル亜鉛)、ジフェニル亜鉛又はジシクロブチル亜鉛を、
−脂肪族多価アルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,3,4−ペンタントリオール、グリセロール又はペンタエリスリトール)、及び
−一価アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール又はペンタノール)と
を反応させることによって得られる。
この実施形態によれば、亜鉛成分は好ましくは、米国特許第5,326,852号(特許文献27)及び米国特許第6,979,722号(特許文献28)に記載されているようにして得られ、これら2つの文献を参照によって本明細書中に組み込む。
さらに好ましい実施形態において、亜鉛成分は、ポリアルキレンオキシドの製造時にポリアルキレンオキシドの重合の過程で使用された重合触媒の残りであり、好ましくは、亜鉛成分の量は、ポリアルキレンオキシド中に含まれるアルキレンオキシド単位の1モル当たりの亜鉛原子含有量に基づき、0.01〜1mol%の範囲である。この実施形態によれば、重合反応後に、触媒の残りは好ましくは、非活性化された形態で、好ましくは加水分解された形態で、より好ましくはZn(OH)、Zn(OH) 2−、ZnO又はそれらの混合物として存在する。
好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形中に含有されるポリアルキレンオキシドは、亜鉛成分、好ましくは、前述した米国特許第4,667,013号(特許文献25)又は米国特許第5,326,852号(特許文献27)又は米国特許第6,979,722号(特許文献28)又は欧州特許第0239973号(特許文献26)による亜鉛成分の存在下においてアルキレンオキシドを重合することによって得られる。特定の好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形中に含有されるポリアルキレンオキシドは、米国特許第5,326,852号(特許文献27)又は米国特許第6,979,722号(特許文献28)に開示されたようにしてジアルキル亜鉛と脂肪族多価アルコール及び一価アルコールとを反応させることによって好ましくは得られる亜鉛成分(亜鉛成分の量は、アルキレンオキシドモノマーの1モル当たりの亜鉛原子含有量に基づき、0.01〜1mol%の範囲である)の存在下においてアルキレンオキシドを重合することによって得られる。
好ましい実施形態において、亜鉛成分は、ポリアルキレンオキシドも含むポリアルキレンオキシド組成物の構成要素であり、純粋なポリアルキレンオキシド組成物の水性分散液は、亜鉛成分を含まない、典型的には亜鉛を実質的に含まないがその他の点では同等のポリアルキレンオキシドの分散液よりも低いpH値を有する。
好ましくは、pH値は、純粋なポリアルキレンオキシド組成物を水中に分散させてから数日後に、好ましくは4日後に測定する。
好ましい実施形態において、25℃で濃度1重量%の純水中の純粋なポリアルキレンオキシド組成物の水性分散液は、最大で7.7のpH値を有する。
好ましくは、数日後、好ましくは4日後の、25℃で濃度1重量%の純水中の純粋なポリアルキレンオキシド組成物の水性分散液は、最大で7.7のpH値を有する。好ましくは、数日後、好ましくは4日後の、25℃で濃度1重量%の純水中の純粋なポリアルキレンオキシド組成物の水性分散液は、最大で7.6、より好ましくは最大で7.5、さらに好ましくは最大で7.4、さらに好ましくは最大で7.3、さらに好ましくは最大で7.2、最も好ましくは最大で7.1、特に最大で7.0のpH値を有する。さらに別の好ましい実施形態において、数日後、好ましくは4日後の、25℃で濃度1重量%の純水中の純粋なポリアルキレンオキシド組成物の水性分散液は、最大で6.9、より好ましくは最大で6.8、最も好ましくは最大で6.7のpH値を有する。
好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形中の亜鉛成分の含有量は、医薬剤形の総重量に対して、少なくとも1ppm、より好ましくは少なくとも2ppm、さらに好ましくは少なくとも5ppm、さらに好ましくは少なくとも7ppm、さらに好ましくは少なくとも10ppm、最も好ましくは少なくとも15ppm、特に少なくとも20ppmである。
好ましくは、本発明による医薬剤形中の亜鉛成分の含有量は、0.01g未満、より好ましくは8mg未満、最も好ましくは5mg未満である。
好ましくは、本発明による医薬剤形中の亜鉛成分の含有量は、医薬剤形の総重量に対して、最大で10,000ppm、より好ましくは最大で8,000ppm、さらに好ましくは最大で6,000ppm、さらに好ましくは最大で5,000ppm、さらに好ましくは最大で4,000ppm、最も好ましくは最大で3,000ppm、特に最大で2,000ppmである。
好ましくは、本発明による医薬剤形中の亜鉛成分の含有量は、医薬剤形の総重量に対して、最大で1,000ppm、より好ましくは最大で950ppm、さらに好ましくは最大で900ppm、さらに好ましくは最大で850ppm、さらに好ましくは最大で800ppm、最も好ましくは最大で750ppm、特に最大で700ppmである。
別の好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形中の亜鉛成分の含有量は、医薬剤形の総重量に対して、好ましくは最大で600ppm、より好ましくは最大で400ppm、さらに好ましくは最大で200ppm、最も好ましくは最大で100ppm、特に最大で80ppmである。
好ましくは、本発明による医薬剤形中の亜鉛成分の含有量は、200ppm未満、より好ましくは200ppm未満である。
明細書においては、特に記載がない限り、「ppm」は、ppmw、即ち、重量百万分率と考えるものとし、したがって、1ppmは0.0001重量%に相当する。
好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形は、ポリアルキレンオキシド及び亜鉛成分を含むポリアルキレンオキシド組成物を含有する。この実施形態によれば、前記亜鉛成分の含有量は、ポリアルキレンオキシド組成物の総重量に対して、好ましくは少なくとも1ppm、より好ましくは少なくとも2ppm、さらに好ましくは少なくとも5ppm、さらに好ましくは少なくとも7ppm、さらに好ましくは少なくとも10ppm、最も好ましくは少なくとも15ppm、特に少なくとも20ppmである。さらにこの実施形態によれば、前記亜鉛成分の含有量は、ポリアルキレンオキシド組成物の総重量に対して、好ましくは少なくとも50ppm、より好ましくは少なくとも100ppm、さらに好ましくは少なくとも200ppm、さらに好ましくは少なくとも400ppm、さらに好ましくは少なくとも600ppm、最も好ましくは少なくとも700ppm、特に少なくとも800ppmである。
好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形中の亜鉛成分の含有量は、ポリアルキレンオキシド中に含まれるアルキレンオキシド単位の1モル当たりの亜鉛原子含有量に基づき、0.01〜1mol%、より好ましくは0.015〜0.5mol%、最も好ましくは0.015〜0.1mol%、特に0.018〜0.05mol%の範囲である。
別の好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形中の亜鉛成分の含有量は、ポリアルキレンオキシド組成物の総重量に対して、860±700ppm、より好ましくは860±600ppm、さらに好ましくは860±500ppm、さらに好ましくは860±400ppm、さらに好ましくは860±300ppm、最も好ましくは860±200ppm、特に860±100ppmに相当する。
好ましくは、本発明による医薬剤形中の亜鉛成分の含有量は、ポリアルキレンオキシド組成物の総重量に対して、最大で20,000ppm、より好ましくは最大で18,000ppm、最も好ましくは最大で15,000ppm、特に最大で12,000ppmである。好ましくは、本発明による医薬剤形中の亜鉛成分の含有量は、ポリアルキレンオキシド組成物の総重量に対して、最大で1,000ppm、より好ましくは最大で950ppm、さらに好ましくは最大で900ppm、さらに好ましくは最大で850ppm、さらに好ましくは最大で800ppm、最も好ましくは最大で750ppm、特に最大で700ppmである。好ましくは、本発明による医薬剤形中の亜鉛成分の含有量は、ポリアルキレンオキシド組成物の総重量に対して、最大で600ppm、より好ましくは最大で500ppm、さらに好ましくは最大で400ppm、さらに好ましくは最大で300ppm、最も好ましくは最大で250ppm、特に最大で200ppmである。
好ましくは、亜鉛成分は、本発明による医薬剤形中に、生理作用、特に有害作用を有さない、例えば、嘔吐を引き起こさない量で含有される。この実施形態によれば、亜鉛成分、好ましくは硫酸亜鉛は、本発明による医薬剤形中に、好ましくは0.01g未満、より好ましくは1mg未満、さらに好ましくは0.1mg未満、さらに好ましくは0.01mg未満、さらに好ましくは1μg未満、最も好ましくは0.1μg未満、特に0.01μg未満の量で含有される。
好ましくは、亜鉛成分は、本発明による医薬剤形中に、生理作用、特に有害作用を有さない、例えば、嘔吐を引き起こさない量で含有される。この実施形態によれば、亜鉛成分、好ましくは硫酸亜鉛は、本発明による医薬剤形中に、好ましくは10,000ppm未満、より好ましくは1,000ppm未満、最も好ましくは500ppm未満、特に100ppm未満の量で含有される。
好ましい実施形態において、亜鉛成分は、本発明による医薬剤形中に均一に分布している。好ましくは、ポリアルキレンオキシド又はポリアルキレンオキシド組成物及び亜鉛成分は、医薬剤形中に十分に均一に分布しており、したがって、医薬剤形は、ポリアルキレンオキシド及びポリアルキレンオキシド組成物をそれぞれ含まずに亜鉛成分が存在するセグメントも、亜鉛成分を含まずにポリアルキレンオキシド及びポリアルキレンオキシド組成物がそれぞれ存在するセグメントも含有しない。
医薬剤形をフィルムコーティングする場合には、亜鉛成分は好ましくは、医薬剤形のコアに均一に分布している、即ち、フィルムコーティングは好ましくは亜鉛成分を含有しない。
好ましい実施形態において、本発明によるポリアルキレンオキシド組成物は、本発明による医薬剤形に増大した有効期間を提供する。
好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形中の、陽イオン型又は中性型のいずれかの元素状亜鉛の含有量は、医薬剤形の総重量に対して、少なくとも1ppm、より好ましくは少なくとも2ppm、さらに好ましくは少なくとも5ppm、さらに好ましくは少なくとも7ppm、さらに好ましくは少なくとも10ppm、最も好ましくは少なくとも15ppm、特に少なくとも20ppmである。別の好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形中の、陽イオン型又は中性型のいずれかの元素状亜鉛の含有量は、医薬剤形の総重量に対して、少なくとも25ppm、より好ましくは少なくとも35ppm、さらに好ましくは少なくとも45ppm、さらに好ましくは少なくとも55ppm、さらに好ましくは少なくとも65ppm、最も好ましくは少なくとも75ppm、特に少なくとも85ppmである。さらに好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形中の、陽イオン型又は中性型のいずれかの元素状亜鉛の含有量は、医薬剤形の総重量に対して、少なくとも100ppm、より好ましくは少なくとも300ppm、さらに好ましくは少なくとも500ppm、さらに好ましくは少なくとも800ppm、さらに好ましくは少なくとも1,000ppm、最も好ましくは少なくとも3,000ppm、特に少なくとも5,000ppm又は8,000ppmである。
特に好ましくは、本発明による医薬剤形中の、陽イオン型又は中性型のいずれかの元素状亜鉛の含有量は、200ppm〜800ppmの範囲である。好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形中の、陽イオン型又は中性型のいずれかの元素状亜鉛の含有量は、医薬剤形の総重量に対して、250±200ppm、より好ましくは250±150ppm、さらに好ましくは250±130ppm、さらに好ましくは250±110ppm、さらに好ましくは250±90ppm、最も好ましくは250±70ppm、特に250±50ppmである。別の好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形中の、陽イオン型又は中性型のいずれかの元素状亜鉛の含有量は、医薬剤形の総重量に対して、300±200ppm、より好ましくは300±150ppm、さらに好ましくは300±130ppm、さらに好ましくは300±110ppm、さらに好ましくは300±90ppm、最も好ましくは300±70ppm、特に300±50ppmである。さらに別の好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形中の、陽イオン型又は中性型のいずれかの元素状亜鉛の含有量は、医薬剤形の総重量に対して、500±400ppm、より好ましくは500±300ppm、さらに好ましくは500±250ppm、さらに好ましくは500±200ppm、さらに好ましくは500±150ppm、最も好ましくは500±100ppm、特に500±50ppmである。さらに別の好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形中の、陽イオン型又は中性型のいずれかの元素状亜鉛の含有量は、医薬剤形の総重量に対して、700±600ppm、より好ましくは700±500ppm、さらに好ましくは700±400ppm、さらに好ましくは700±300ppm、さらに好ましくは700±200ppm、最も好ましくは700±100ppm、特に700±50ppmである。
好ましくは、本発明による医薬剤形中の、陽イオン型又は中性型のいずれかの元素状亜鉛の含有量は、医薬剤形の総重量に対して、最大で2重量%、より好ましくは最大で1.8重量%、さらに好ましくは最大で1.5重量%、さらに好ましくは最大で1.3重量%、さらに好ましくは最大で1.0重量%(10,000ppm)、最も好ましくは最大で0.8重量%である。好ましくは、本発明による医薬剤形中の、陽イオン型又は中性型のいずれかの元素状亜鉛の含有量は、医薬剤形の総重量に対して、最大で1,000ppm、より好ましくは最大で950ppm、さらに好ましくは最大で900ppm、さらに好ましくは最大で850ppm、さらに好ましくは最大で800ppm、最も好ましくは最大で750ppm、特に最大で700ppmである。
好ましくは、本発明による医薬剤形中の、陽イオン型又は中性型のいずれかの元素状亜鉛、好ましくは亜鉛(II)の含有量は、ポリアルキレンオキシド中に含まれるアルキレンオキシド単位の1モル当たりの亜鉛原子含有量に基づき、0.01〜1mol%の範囲である。
好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形中の亜鉛(II)の含有量は、医薬有効成分の物質の量に対して、少なくとも0.01mol%、より好ましくは少なくとも0.03mol%、さらに好ましくは少なくとも0.06mol%、さらに好ましくは少なくとも0.10mol%、さらに好ましくは少なくとも0.15mol%、最も好ましくは少なくとも0.20mol%、特に少なくとも0.5mol%である。別の好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形中の亜鉛(II)の含有量は、医薬有効成分の物質の量に対して、少なくとも1mol%、より好ましくは少なくとも4mol%、さらに好ましくは少なくとも8mol%、さらに好ましくは少なくとも12mol%、さらに好ましくは少なくとも15mol%、最も好ましくは少なくとも18mol%、特に少なくとも20mol%である。
好ましくは、本発明による医薬剤形中の亜鉛(II)の含有量は、医薬有効成分の物質の量に対して、最大で50mol%、より好ましくは最大で45mol%、さらに好ましくは最大で40mol%、さらに好ましくは最大で35mol%、さらに好ましくは最大で30mol%、最も好ましくは最大で25mol%、特に最大で20mol%である。
好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形中の亜鉛(II)の含有量は、少なくとも1・10−7mol、より好ましくは少なくとも2・10−7mol、さらに好ましくは少なくとも3・10−7mol、さらに好ましくは少なくとも4・10−7mol、さらに好ましくは少なくとも5・10−7mol、最も好ましくは少なくとも7・10−7mol、特に少なくとも1・10−6molである。別の好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形中の亜鉛(II)の含有量は、少なくとも1・10−5mol、より好ましくは少なくとも1・10−4mol、さらに好ましくは少なくとも1・10−3mol、さらに好ましくは少なくとも5・10−3mol、さらに好ましくは少なくとも8・10−3mol、最も好ましくは少なくとも9・10−3mol、特に少なくとも1・10−2molである。
好ましくは、本発明による医薬剤形中の亜鉛(II)の含有量は、最大で100・10−3mol、より好ましくは最大で80・10−3molは、さらに好ましくは最大で70・10−3mol、さらに好ましくは最大で60・10−3mol、さらに好ましくは最大で50・10−3mol、最も好ましくは最大で40・10−3mol、特に最大で35・10−3molである。好ましくは、本発明による医薬剤形中の亜鉛(II)の含有量は、最大で1・10−3mol、より好ましくは最大で7・10−4mol、さらに好ましくは最大で5・10−4mol、さらに好ましくは最大で4・10−4mol、さらに好ましくは最大で3・10−4mol、最も好ましくは最大で2・10−4mol、特に最大で1・10−4molである。
好ましくは、ポリアルキレンオキシド又はポリアルキレンオキシド組成物の含有量は、医薬剤形の総重量に基づき、少なくとも10重量%、より好ましくは少なくとも15重量%、さらに好ましくは少なくとも20重量%、さらに好ましくは少なくとも25重量%、最も好ましくは少なくとも30重量%、特に少なくとも35重量%であり、亜鉛成分の含有量は、ポリアルキレンオキシド中に含まれるアルキレンオキシド単位の1モル当たりの亜鉛原子含有量に基づき0.01〜1mol%の範囲である。
好ましくは、ポリアルキレンオキシド又はポリアルキレンオキシド組成物の含有量は、医薬剤形の総重量に基づき、20〜99重量%、より好ましくは25〜95重量%、さらに好ましくは30〜90重量%、さらに好ましくは30〜85重量%、最も好ましくは30〜80重量%、特に30〜75重量%又は45〜70重量%の範囲内である。ポリアルキレンオキシド又はポリアルキレンオキシド組成物の含有量は、医薬剤形の総重量に基づき、少なくとも20重量%、好ましくは少なくとも25重量%、より好ましくは少なくとも30重量%、さらに好ましくは少なくとも35重量%、特に少なくとも40重量%である。
好ましい実施形態において、ポリアルキレンオキシド又はポリアルキレンオキシド組成物の全含有量は、25±5重量%の範囲内である。別の好ましい実施形態において、ポリアルキレンオキシド又はポリアルキレンオキシド組成物の全含有量は、35±15重量%、より好ましくは35±10重量%、特に35±5重量%の範囲内である。さらに別の好ましい実施形態において、ポリアルキレンオキシド又はポリアルキレンオキシド組成物の全含有量は、45±20重量%、より好ましくは45±15重量%、最も好ましくは45±10重量%、特に45±5重量%の範囲内である。さらに別の好ましい実施形態において、ポリアルキレンオキシド又はポリアルキレンオキシド組成物の全含有量は、55±20重量%、より好ましくは55±15重量%、最も好ましくは55±10重量%、特に55±5重量%の範囲内である。さらに好ましい実施形態において、ポリアルキレンオキシド又はポリアルキレンオキシド組成物の全含有量は、65±20重量%、より好ましくは65±15重量%、最も好ましくは65±10重量%、特に65±5重量%の範囲内である。さらに好ましい実施形態において、ポリアルキレンオキシド又はポリアルキレンオキシド組成物の全含有量は、75±20重量%、より好ましくは75±15重量%、最も好ましくは75±10重量%、特に75±5重量%の範囲内である。さらに好ましい実施形態において、ポリアルキレンオキシド又はポリアルキレンオキシド組成物の全含有量は、80±15重量%、より好ましくは80±10重量%、最も好ましくは80±5重量%の範囲内である。
好ましい実施形態において、ポリアルキレンオキシド又はポリアルキレンオキシド組成物は、本発明による医薬剤形中に均一に分布させる。好ましくは、医薬剤形が、医薬有効成分が存在するがポリアルキレンオキシド及びポリアルキレンオキシド組成物がそれぞれ存在しないセグメント、又はポリアルキレンオキシド及びポリアルキレンオキシド組成物がそれぞれ存在するが医薬有効成分が存在しないセグメントをいずれも含有しないように、医薬有効成分及びポリアルキレンオキシド又はポリアルキレンオキシド組成物は医薬剤形中に十分に均一に分布させる。
医薬剤形をフィルムコーティングする場合には、ポリアルキレンオキシド又はポリアルキレンオキシド組成物は好ましくは、医薬剤形のコアに均一に分布させる、即ち、フィルムコーティングは好ましくは、ポリアルキレンオキシド又はポリアルキレンオキシド組成物を含有しない。それでも、フィルムコーティング自体が1種以上のポリマーを含有し得ることは言うまでもないが、このようなポリマーは、コア中に含有されるポリアルキレンオキシド又はポリアルキレンオキシド組成物とは異なるのが好ましい。
ポリアルキレンオキシドは、以下からなる群から選択される1種以上の異なるポリマーと組み合わされてもよいし、又はポリアルキレンオキシド組成物は以下からなる群から選択される1種以上の異なるポリマーをさらに含んでいてもよい:ポリアルキレンオキシド、好ましくはポリメチレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリビニルピロリドン、ポリ(アルカ)アクリレート、ポリ(ヒドロキシ脂肪酸)、例えば、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−co−3−ヒドロキシバレレート)(Biopol(登録商標))、(ポリ(ヒドロキシ吉草酸)など;ポリカプロラクトン、ポリビニルアルコール、ポリエステルアミド、ポリエチレンスクシネート、ポリラクトン、ポリグリコリド、ポリウレタン、ポリアミド、ポリラクチド、ポリアセタール(例えば、場合により修飾側鎖を有する多糖)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロース)、ポリラクチド/グリコリド、ポリラクトン、ポリグリコリド、ポリオルトエステル、ポリ無水物、ポリエチレングリコールとポリブチレンテレフタレートのブロックポリマー(Polyactive(登録商標))、ポリ無水物(Polifeprosan)、それらのコポリマー、それらのブロックコポリマー、及び少なくとも2種の前記ポリマーの混合物、又は前記特性を有する他のポリマー
好ましくは、ポリアルキレンオキシド又はポリアルキレンオキシド組成物対医薬有効成分の相対重量比は、少なくとも0.5:1、より好ましくは少なくとも1:1、少なくとも2:1、少なくとも3:1、少なくとも4:1、少なくとも5:1、少なくとも6:1、少なくとも7:1、少なくとも8:1又は少なくとも9:1;さらに好ましくは少なくとも10:1又は少なくとも15:1、さらに好ましくは少なくとも20:1、最も好ましくは少なくとも30:1、特に少なくとも40:1である。好ましい実施形態において、ポリアルキレンオキシド又はポリアルキレンオキシド組成物対医薬有効成分の相対重量比は、3:1〜50:1、より好ましくは3:1〜40:1、特に3:1〜30:1の範囲内である。
好ましい実施形態において、本発明によるポリアルキレンオキシド組成物は、増大された安定性を医薬有効成分に提供する。
医薬有効成分及びポリアルキレンオキシド又はポリアルキレンオキシド組成物の他に、本発明による医薬剤形は、さらなる成分、例えば、1種以上の従来の医薬賦形剤、例えば、無機塩、充填剤、流動促進剤、結合剤、造粒剤、凝結防止剤、滑沢剤、矯味矯臭剤、染料及び/又は保存剤を含有していてもよい。
好ましくは、本発明による医薬剤形は、滑沢剤又は流動促進剤として亜鉛成分を含有しない。より好ましくは、本発明による医薬剤形は、圧縮操作中において所望の流れを得ると共に摩擦をより少なくするために特に用いられる滑沢剤又は流動促進剤としてステアリン酸亜鉛を実質的に含有しない。
好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形は、カルシウム成分を最大で1,000ppmは、より好ましくは最大で500ppm、さらに好ましくは最大で100ppm、さらに好ましくは最大で10ppm、さらに好ましくは最大で1ppm、最も好ましくは最大で0.1ppm、特に最大で0.01ppm含有する。特に好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形は、カルシウム成分を実質的に含有しない。
好ましくは、医薬剤形は可塑剤を含む。可塑剤は、ポリアルキレンオキシド又はポリアルキレンオキシド組成物の加工性を改善する。好ましい可塑剤は、ポリエチレングリコールのようなポリアルキレングリコール、トリアセチン、脂肪酸、脂肪酸エステル、ワックス及び/又はミクロクリスタリンワックスである。特に好ましい可塑剤は、ポリエチレングリコール、例えば、PEG6000である。
可塑剤の含有量は、医薬剤形の総重量に基づき、好ましくは0.1〜25重量%、より好ましくは0.5〜22.5重量%、さらに好ましくは1.0〜20重量%、さらに好ましくは2.5〜17.5重量%、最も好ましくは5.0〜15重量%、特に7.5〜12.5重量%の範囲内である。
好ましい実施形態において、可塑剤は、医薬剤形の総重量に基づき、10±8重量%、より好ましくは10±6重量%、さらに好ましくは10±5重量%、さらに好ましくは10±4重量%、最も好ましくは10±3重量%、特に10±2重量%の範囲内の含有量を有するポリアルキレングリコールである。
別の好ましい実施形態において、可塑剤は、医薬剤形の総重量に基づき、15±8重量%、より好ましくは15±6重量%、さらに好ましくは15±5重量%、さらに好ましくは15±4重量%、最も好ましくは15±3重量%、特に15±2重量%の範囲内の含有量を有するポリアルキレングリコールである。
好ましい実施形態において、(ポリアルキレンオキシド又はポリアルキレンオキシド組成物)対(場合により含有されるポリアルキレングリコール)の相対重量比は、4.2±2:1、より好ましくは4.2±1.5:1、さらに好ましくは4.2±1:1、さらに好ましくは4.2±0.5:1、最も好ましくは4.2±0.2:1、特に4.2±0.1:1の範囲内である。この比率は、相対的に高いポリアルキレンオキシド含有量及び良好な押出適性の要件を満たす。
押出物ストランドの切断によって得られるスライスから医薬剤形を製造する場合、スライスの重量が、結果として生じる剤形の重量を決定する。これらのスライスの重量の顕著な変動に一致して、目標重量からの剤形の重量偏差が生じる。スライスの重量変動は、押出物ストランドの表面特性に強く左右される。十分に滑らかな表面を有するストランドは、低い重量変動を示すスライスを生成可能である。これに対して、波状又はシャークスキン状のストランドは、より高い重量変動を示すスライスを生じ、結果として不合格品の数が増加する。
好ましい実施形態において、押出物ストランドの表面特性は、ポリアルキレンオキシド:ポリアルキレングリコール重量比によって誘発される可能性がある。
好ましくは、医薬剤形は、酸化防止剤をさらに含む。好適な酸化防止剤としては、アスコルビン酸、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、アスコルビン酸の塩、モノチオグリセロール、亜リン酸、ビタミンC、ビタミンE及びその誘導体、安息香酸コニフェリル、ノルジヒドログアイレチン酸、没食子酸エステル、亜硫酸水素ナトリウム、特に好ましくはブチルヒドロキシトルエン又はブチルヒドロキシアニソール及びα−トコフェロールが挙げられる。酸化防止剤は、医薬剤形の総重量に対して、好ましくは0.01〜10重量%、好ましくは0.03〜5重量%の量で使用される。
好ましい実施形態において、医薬剤形は、酸、好ましくはクエン酸をさらに含む。酸の量は、医薬剤形の総重量に対して、好ましくは0.01〜約20重量%、より好ましくは0.02〜約10重量%、最も好ましくは0.05〜約5重量%の範囲である。
好ましい実施形態において、医薬剤形は、天然、半合成又は合成ワックスを含有する。軟化点が少なくとも50℃、より好ましくは60℃のワックスが好ましい。カルナウバろう及び蜜ろうが特に好ましく、とりわけ、カルナウバろうが好ましい。
好ましい実施形態において、医薬剤形は、別のポリマーをさらに含み、それは好ましくはセルロースエステル及びセルロースエーテル、特にヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)から選択される。さらなるポリマー、好ましくはヒドロキシプロピルメチルセルロースの量は、医薬剤形の総重量に対して、好ましくは0.1重量%〜約30重量%、より好ましくは1.0重量%〜約20重量%、最も好ましく2.0重量%〜約15重量%の範囲である。
別の好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形は、ポリアルキレンオキシド又はポリアルキレンオキシド組成物及び任意選択のポリエチレングリコールの他に、さらなるポリマーを含有しない。
本発明による医薬剤形は、好ましくは経口剤形、特に錠剤である。しかし、医薬剤形を別の経路によって投与することも可能であり、したがって、医薬剤形は、別法として、頬側、舌(lingual)、直腸内、膣内投与に適合させることができる。植込錠も可能である。
好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形はモノリシック又は多粒子である。
好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形はモノリシックである。
好ましくは、医薬剤形はフィルム形態でも多粒子でもない。
好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形は、円形錠剤である。この実施形態の錠剤は好ましくは、直径が約1mm〜約30mm、特に約2mm〜約25mm、より特定すれば約5mm〜約23mm、さらに特定すれば約7mm〜約13mmの範囲であり、厚さが約1.0mm〜約12mm、特に約2.0mm〜約10mm、さらに特定すれば3.0mm〜約9.0mm、さらに特定すれば約4.0mm〜約8.0mmの範囲である。
別の好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形は、長楕円形の錠剤である。この実施形態の錠剤は好ましくは、長手方向伸び(縦伸び)が約1mm〜約30mm、特に約2mm〜約25mm、より特定すれば約5mm〜約23mm、さらに特定すれば約7mm〜約20mmの範囲であり、厚さが約1.0mm〜約12mm、特に約2.0mm〜約10mm、さらに特定すれば3.0mm〜約9.0mm、さらに特定すれば約4.0mm〜約8.0mmの範囲である。
本発明による医薬剤形は、好ましくは0.01〜1.5g、より好ましくは0.05〜1.2g、さらに好ましくは0.1g〜1.0g、さらに好ましくは0.2g〜0.9g、最も好ましくは0.25g〜0.8gの範囲の重量を有する。
本発明による医薬剤形は、熱成形法によって調製する。
好ましくは、本発明による医薬剤形は、ホットメルト押出によって調製するが、他の熱成形法を使用して、本発明による医薬剤形を製造することもでき、例えば、第1の工程で従来の圧縮によって製造された錠剤を高温でプレス成形するか又は加熱し、次いで第2の工程で錠剤をポリマーの軟化点より高温まで加熱して硬質錠剤を形成できる。この関連で、熱形成は、熱の適用後の塊を形づくる又は成形することを意味する。好ましい実施形態において、医薬剤形は、ホットメルト押出によって熱成形する。
好ましい実施形態において、医薬剤形は、ホットメルト押出によって、好ましくは二軸スクリュー押出機を用いて調製する。好ましくは、溶融押出によって溶融押出ストランドを生成し、それを好ましくはモノリスに切断し、次いで圧縮し、錠剤の形態にする。この関連では、用語「錠剤」は、好ましくは、粉末又は顆粒(compressi)の圧縮よって製造される剤形ではなく、付形された押出物と理解すべきである。好ましくは、圧縮は、好ましくは溶融押出によって得られたモノリス塊から、ダイ及びパンチを用いて達成する。溶融押出によって得る場合には、圧縮工程は、周囲温度、即ち20〜25℃の範囲の温度を示すモノリス塊を用いて実施する。押出によって得られたストランドは、圧縮工程自体に供してもよいし、切断してから圧縮工程に供してもよい。この切断は、通常の技術によって、例えば、回転ナイフ又は圧縮空気を用いて行うことができる。別法として、付形は、欧州特許第−A−240906号(特許文献29)に記載されるようにして、2本の逆回転するカレンダーロール間に押出物を通して、錠剤に直接付形することによって、行うことができる。言うまでもなく、押出ストランドは、まだ温かいときに、即ち、程度の差はあるが押出工程の直後に、圧縮工程又は切断工程に供することも可能である。押出は好ましくは、二軸スクリュー押出機を用いて行う。
本発明の医薬剤形には場合により、部分的に又は完全に、従来のコーティングを施すことができる。本発明の医薬剤形は好ましくは、従来のフィルムコーティング組成物でフィルムコーティングする。特に好ましくは、本発明による医薬剤形は、全くコーティングされていないか又は完全にコーティングされているが、好ましくは部分的にコーティングされていない。
好適なコーティング材料は、例えば、商標名Opadry(登録商標)及びEudragit(登録商標)で市販されている。
好適な材料の例としては、セルロースエステル及びセルロースエーテル、例えば、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ナトリウムカルボキシメチルセルロース(Na−CMC)、エチルセルロース(EC)、セルロースアセテートフタレート(CAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP);ポリ(メタ)アクリレート、例えば、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、エチルアクリレート−メチルメタクリレートコポリマー、メタクリル酸−メチルメタクリレートコポリマー、メタクリル酸−メチルメタクリレートコポリマー;ビニルポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセテートフタレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート;並びに天然フィルム形成剤、例えば、シェラックが挙げられる。
特に好ましい実施形態において、コーティングは水溶性である。好ましい実施形態において、コーティングは、ポリビニルアルコール、例えば、部分加水分解ポリビニルアルコールを基材とし、ポリエチレングリコール、例えば、マクロゴール3350及び/又は顔料を追加的に含有できる。別の好ましい実施形態において、コーティングは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、好ましくは、3〜15mPa・sの粘度を有するヒプロメロース2910型に基づく。
コーティングは、胃液抵抗性であり、放出環境のpH値に応じて溶解することができる。このコーティングによって、本発明による医薬剤形が、溶解しないで胃を通過し、医薬有効成分が腸内でのみ放出されることを確実にできる。胃液抵抗性のコーティングは好ましくは、5〜7.5のpH値で溶解する。医薬有効成分の遅延型放出のための及び胃液抵抗性コーティングの適用のための、該当する材料及び方法は、当業者には、例えば、「Coated Pharmaceutical dosage forms − Fundamentals, Manufacturing Techniques, Biopharmaceutical Aspects, Test Methods and Raw Materials」、Kurt H. Bauer、 K. Lehmann、Hermann P. Osterwald、Rothgang, Gerhart、第1版、1998年、Medpharm Scientific Publishers(非特許文献5)からよく知られている。
コーティングは、例えば、医薬剤形の美感及び/又は風味及び嚥下し易さを改善するためにも適用できる。本発明の医薬剤形のコーティングは、また、他の目的、例えば、安定性及び有効期間の改善に役立つことができる。好適なコーティング配合物は、フィルム形成性ポリマー、例えば、ポリビニルアルコール又はヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、ヒプロメロース)など、可塑剤、例えば、グリコール(例えば、プロピレングリコール又はポリエチレングリコール)など、不透明剤、例えば、二酸化チタンなど、及びフィルム滑剤(smoothener)、例えば、タルクなどを含む。好適なコーティング溶媒は、水及び有機溶媒である。有機溶媒の例は、アルコール、例えば、エタノール若しくはイソプロパノール、ケトン、例えば、アセトン又はハロゲン化炭化水素、例えば、塩化メチレンである。場合により、コーティングは、前記医薬有効成分を即時放出でき、したがって前記医薬有効成分によって治療される症状を即時軽減できる、1種以上の医薬有効成分の治療有効量を含有することができる。本発明のコーティング剤形の調製は好ましくは、最初にコアを作成し、その後に通常の技術、例えば、コーティングパン中でのコーティングを用いて、前記コアにコーティングすることによって行う。
好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形は、含有される医薬有効成分の即時放出を示す。
別の好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形は、含有される医薬有効成分の放出制御を示す放出制御マトリックス中に、医薬有効成分を含有する。
本発明による医薬剤形の放出制御は好ましくは、放出相の間中無傷であるコーティングであって、特定の表面積のみが浸食を受けるようにマトリックス組成物を被覆するコーティングに依拠しない。したがって、活性物質が放出される、本発明による医薬剤形の表面積は好ましくは、このようなコーティングによって実質的に一定に保たれるのではない。それどころか、本発明による医薬剤形の放出制御は好ましくは、医薬有効成分が埋め込まれているマトリックスの性質に基づき、したがって、不活性コーティングを完全に省くことができる。したがって、本発明による医薬剤形は、ポリビニルアルコールなどの従来のコーティング材料でコーティングしてもよいが、所定のコーティングされてない部分を通してのみ薬物を放出させるために医薬剤形の外面のかなりの部分を永久に被覆する目的で用いられる不活性コーティング材料でコーティングしないことが好ましい。したがって、好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形は、コーティングされてないか、又は医薬剤形の全外面を実質的に被覆するのであって、特定の部分をコーティングせずに残すのではないコーティング材料でコーティングされている。
好ましい実施形態において、医薬有効成分は、ポリアルキレンオキシド及び亜鉛成分を含む放出制御マトリックス、好ましくはポリアルキレンオキシド及び亜鉛成分からなるポリアルキレンオキシド組成物の放出制御マトリックス中に埋め込まれている。
経口剤形からの医薬有効成分の放出制御は、当業者によく知られている。本明細書においては、放出制御は、遅延型放出、遅延放出、持続放出、延長放出、長期放出などを包含する。
放出制御又は長期放出は、本発明によれば、医薬有効成分が、治療作用を延長する目的で摂取頻度を減らすことによって比較的長期間にわたって放出される放出プロファイルを意味するものと解する。好ましくは、用語「長期放出」の意味は、医薬剤形の放出プロファイルの命名法に関するヨーロッパのガイドライン(CHMP)による。これは、特に経口投与で達成される。「少なくとも部分的な遅延放出又は長期放出」という表現は、本発明によれば、医薬剤形中に含有される医薬有効成分の放出調節(modified release)を確実にする任意の医薬剤形を網羅する。医薬剤形は好ましくは、放出速度又は放出の位置を意図的に変えるために、コーティングされている又はコーティングされていない医薬製剤を含み、それらは、特定の方法によって又は2つの可能な選択肢の組み合わせによって特異的な補助物質を用いて生成される。
本発明による医薬剤形の場合には、放出制御形態の放出時間プロファイルは、例えば以下のように変更できる:延長放出、反復作用放出、長期放出及び持続放出。
本明細書において、「放出制御」は好ましくは、医薬有効成分の経時的放出が製剤の型及び組成によって制御される製品を意味する。本明細書において、「延長放出」は好ましくは、医薬有効成分の放出が有限の遅延時間にわたって遅延させられ、その後は放出が妨げられない製品を意味する。本明細書において、「反復作用放出」は好ましくは、医薬有効成分の第1の部分が最初に放出され、その後に続いて、医薬有効成分の少なくとも1つのさらなる部分が放出される製品を意味する。本明細書において、「長期放出」は好ましくは、治療活性を維持するため、毒性作用を低減するため又は何らかの他の治療目的のために、投与後の製剤からの医薬有効成分の放出速度が経時的に減少される製品を意味する。本明細書において、「持続放出」は好ましくは、長期にわたって絶えず体内に放出され、したがって投薬頻度が減少されるように医薬品を製剤化する方法を意味する。さらなる詳細については、例えば、K.H. Bauer、Lehrbuch der Pharmazeutischen Technologie、第6版、WVG Stuttgart、1999年(非特許文献6)、及び1種以上の.を参照できる。
好ましくは、生理的条件下では、本発明による医薬剤形は、30分後に医薬有効成分の0.1〜75%を、240分後に0.5〜95%を、480分後に1.0〜100%を放出した。さらなる好ましい放出プロファイルR〜Rを、ここで以下の表に要約する[全てのデータは、放出された医薬有効成分の重量%である]。
Figure 2015516406
さらなる好ましい放出プロファイルR〜Rを、ここで以下の表に要約する[全てのデータは、放出された医薬有効成分の重量%である]。
Figure 2015516406
好ましくは、本発明による医薬剤形の放出プロファイルは、貯蔵時に安定である、好ましくは密封容器中で高温、例えば40℃において3カ月間の貯蔵時に安定である。この関連で、「安定(である)」とは、初期放出プロファイルを、貯蔵後の任意の所与の時点における放出プロファイルと比較した場合に、放出プロファイルの互いの偏差が20%以下、より好ましくは15%以下、さらに好ましくは10%以下、さらに好ましくは7.5%以下、最も好ましくは5.0%以下、特に2.5%以下であることを意味する。
好ましくは、インビトロ条件下で、医薬剤形は、0.5時間後に、医薬剤形に最初に含有されていた医薬有効成分の1.0〜35重量%、1時間後に5.0〜45重量%、2時間後に10〜60重量%、4時間後に少なくとも15重量%、6時間後に少なくとも20重量%、8時間後に少なくとも25重量%及び12時間後に少なくとも30重量%を放出した。
好適なインビトロ条件は、当業者によく知られている。この関連で、例えば、欧州薬局方.を参照できる。好ましくは、放出プロファイルは、以下の条件下で測定する:シンカーを装着したパドル装置、75rpm、37±5℃、600mLの人工腸液(simulated intestinal fluid)pH6.8(リン酸緩衝液)又はpH4.5。好ましい実施形態において、パドルの回転速度は、100rpmまで増加させる。
好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形は、1日1回の投与に適合されている。別の好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形は、1日2回の投与に適合されている。さらに別の好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形は、1日3回の投与に適合されている。
本明細書において、「1日2回」とは、個々の投与間の時間間隔が等しいか又はほとんど等しい、即ち、約12時間毎である、又は個々の投与間の時間間隔が異なる、例えば、8時間と16時間若しくは10時間と14時間であることを意味する。
本明細書において、「1日3回」とは、個々の投与間の時間間隔が等しいか又はほとんど等しい、即ち、約8時間毎である、又は個々の投与間の時間間隔が異なる、例えば、6時間、6時間及び12時間若しくは7時間、7時間及び10時間であることを意味する。
当業者は、1日2回又は1日3回の前記投与計画がそれぞれ、医薬剤系中に含有される医薬有効成分の用量を、医薬有効成分の合計投与1日用量、即ち、それぞれ2つ又は3つの適合される医薬剤形中に含有される用量の和が1日1回の投与に適合される剤形中に含有される医薬有効成分の用量を超えないように適合させることが必要であることを十分に承知している。
好ましくは、本発明による医薬剤形は、5時間後に医薬有効成分の最大で99%、より好ましくは最大で90%、さらに好ましくは最大で75%、最も好ましくは最大で60%を放出する。
特定の好ましい実施形態において、
−熱成形された医薬剤形は、好ましくはホットメルト押出によって形成し;及び/又は
−医薬剤形は、少なくとも300Nの破壊強度を示し;且つ/又は
−医薬剤形は、1日1回、1日2回又は1日3回の投与に適合されており;且つ/又は
−医薬有効成分は、オピオイド及びオピオイド誘導体から選択され;且つ/又は
−ポリアルキレンオキシドは、ポリメチレンオキシド、ポリエチレンオキシド及びポリプロピレンオキシド又はそれらのコポリマー若しくは混合物から選択され、200,000g/molを超える、好ましくは少なくとも500,000g/mol、より好ましくは1,000,000g/mol〜10,000,000g/molの範囲内の重量平均分子量(M)を有し;及び/又は
−医薬剤形は、ポリアルキレンオキシド及び亜鉛成分を含むポリアルキレンオキシド組成物を含有し;且つ/又は
−前記亜鉛成分の含有量は、医薬剤形の総重量に対して、少なくとも1ppmであって最大で10,000ppmであり;及び/又は
−医薬剤形中の亜鉛成分の含有量は、ポリアルキレンオキシド中に含まれるアルキレンオキシド単位の1モル当たりの亜鉛原子含有量に基づき、0.01〜1mol%の範囲であり;及び/又は
−ポリアルキレンオキシドは、亜鉛成分の存在下においてアルキレンオキシドを重合させることによって得られ;及び/又は
−ポリアルキレンオキシドは、亜鉛成分の存在下においてアルキレンオキシドを重合させることによって得られ、前記亜鉛成分の量は、アルキレンオキシドの1モル当たりの亜鉛原子含有量に基づき、0.01〜1mol%の範囲であり;及び/又は
−純水中に亜鉛成分を含有する本発明による純粋なポリアルキレンオキシド組成物の水性分散液は、亜鉛を実質的に含有していないポリアルキレンオキシドの分散液より低いpH値を有し;及び/又は
−ポリアルキレンオキシド又はポリアルキレンオキシド組成物の含有量は、医薬剤形の総重量に基づき、少なくとも30重量%である。
好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形は、鼻腔及び/若しくは咽頭を刺激する物質、即ち、鼻腔及び/若しくは咽頭を経て投与する場合に身体的な反応(患者にとって非常に不快であるために男性/女性患者が投与の継続を希望しないか又は投与を継続できないかのいずれかであるもの)、例えば、灼熱感(burning)を引き起こす物質、又は該当する医薬有効成分(例えば鼻水又はくしゃみの増加を引き起こす)の服用を生理的に相殺する物質を含有しない。鼻腔及び/又は咽頭を刺激する物質のさらなる例は、灼熱感、かゆみ、くしゃみの衝動、分泌物の形成増加、又はこれらの刺激の少なくとも2つの組み合わせを引き起こすものである。従来から使用できる該当する物質及びそれらの量は、当業者にはよく知られている。したがって、鼻腔及び/又は咽頭を刺激する物質のいくつかは、辛味物質医薬有効成分の1つ若しくは複数の構成要素又は1つ若しくは複数の植物部位による。該当する辛味物質医薬有効成分は、当業者にはそれ自体知られており、例えば、「Pharmazeutische Biologie − Drogen und ihre Inhaltsstoffe」、Prof. Dr. Hildebert Wagner著、改訂第2版、Gustav Fischer Verlag、Stuttgart−New York、1982年、82頁以降(非特許文献7)に記載されている。該当する記載を、参照によって本明細書中に取り入れ、本開示の一部とみなす。
本発明による医薬剤形はさらに好ましくは、医薬有効成分の拮抗薬、好ましくは向精神薬物質の拮抗薬、特にオピオイドの拮抗薬を含有しない。所与の医薬有効成分に好適な拮抗薬は、当業者にはよく知られており、それ自体で又は対応する誘導体、特にエステル若しくはエーテルの形態で、又はいずれの場合にも対応する生理学的に容認される化合物の形態で、特にそれらの塩若しくは溶媒和物の形態で存在し得る。本発明による医薬剤形は好ましくは、いずれの場合も場合により対応する生理学的に容認される化合物の形態の、特に塩基、塩又は溶媒和物の形態の、ナロキソン、ナルトレキソン、ナルメフェン、ナリド(nalide)、ナルメキソン(nalmexone)、ナロルフィン又はナルフィン(naluphine)を含む群の中から選択される拮抗薬を含有せず、また、神経遮断薬、例えば、ハロペリドール、プロメタシン(promethacine)、フルフェナジン、ペルフェナジン、レボメプロマジン、チオリダジン、ペラジン、クロルプロマジン、クロルプロチキシン(chlorprothixine)、ズクロペンチキソール、フルペンチキソール、プロチペンジル、ゾテピン、ベンペリドール、ピパンペロン、メルペロン及びブロムペリドールを含む群の中から選択される化合物を含有しない。
本発明による医薬剤形はさらに好ましくは、催吐薬を含有しない。催吐薬は、当業者にはよく知られており、それ自体で又は対応する誘導体、特にエステル若しくはエーテルの形態で、又はいずれの場合にも対応する生理学的に容認される化合物の形態で、特にそれらの塩若しくは溶媒和物の形態で存在し得る。本発明による医薬剤形は好ましくは、例えば、「Pharmazeutische Biologie − Drogen und ihre Inhaltsstoffe」、Prof. Dr. Hildebert Wagner著、改訂第2版、Gustav Fischer Verlag、Stuttgart−New York、1982年(非特許文献8)に記載されているような、イペカクアンハ(トコン)根の1つ又は複数の構成要素をベースとする催吐薬、例えば、構成要素エメチンをベースとする催吐薬を含有しない。該当する文献の記載を、本明細書に参照によって取り入れ、本開示の一部とみなす。また、本発明による医薬剤形は好ましくは、催吐薬としてのアポモルヒネを含有しない。好ましくは、本発明による医薬剤形は、催吐薬として亜鉛成分を含有しない。特に好ましくは、本発明による医薬剤形は、催吐薬として有用な硫酸亜鉛を含有しない。
最後に、本発明による医薬剤形は好ましくは、苦味物質も含有しない。苦味物質及び使用に有効な量は、米国特許第2003/0064099A1号(特許文献30)に記載されており、その該当する開示は、本出願の開示とみなすべきであり、本明細書に参照によって取り入れる。苦味物質の例は、芳香油、例えば、ハッカ油、ユーカリ油、ビターアーモンド油、メントール、フルーツ芳香物質、レモン、オレンジ、ライム、グレープフルーツ由来の芳香物質若しくはそれらの混合物、及び/又は安息香酸デナトニウムである。
したがって、本発明による医薬剤形は好ましくは、鼻腔及び/又は咽頭を刺激する物質も、医薬有効成分の拮抗薬も、催吐薬も、苦味物質も含有しない。
本発明による医薬剤形は、不正使用防止である。好ましくは、不正使用防止機能は、微粉砕が回避されるか又は少なくとも実質的に妨げられるような、医薬剤形の機械的性質に基づいて得られる。本発明による医薬剤形は好ましくは、少なくとも300Nの破壊強度を有する。本発明によれば、用語微粉砕は、乱用者が通常利用できる通常の手段、例えば、乳棒と乳鉢、ハンマー、木槌又は力の作用下で粉状化する他の通常の手段を用いる医薬剤形の粉状化を意味する。したがって、不正使用防止は好ましくは、従来の方法を用いた医薬剤形の粉状化が回避されるか、少なくとも実質的に妨げられることを意味する。
好ましくは、本発明による医薬剤形の機械的性質、特にその破壊強度は、ポリアルキレンオキシド及びポリアルキレンオキシド組成物のそれぞれの存在及び空間分布に実質的に依拠するが、典型的には、前記性質を達成するには、それらが存在するだけでは十分でない。本発明による医薬剤形の有利な機械的性質は、医薬有効成分、ポリアルキレンオキシド、亜鉛成分、及び場合によりさらなる賦形剤を、医薬剤形の調製のための従来の方法によって単に加工することによっては自動的に実現できないと考えられる。実際に、一般的に好適な装置を、調製のために選択しなければならず、決定的な加工パラメーター、特に圧力/力、温度及び時間を調整しなければならない。したがって、従来の装置を使用するとしても、必要な基準を満たすようにプロセスプロトコールを通常適合させなければならない。
一般に、所望の性質を示す医薬剤形は、医薬剤形の調製中に、
−好適な成分を、
−好適な量で、
−十分な温度で、
−十分な期間、
−十分な圧力に
さらす場合にのみ、得ることができる。
したがって、使用する装置に関係なく、必要な基準を満たすように、プロセスプロトコールを適合させなければならない。したがって、破壊強度は、組成と分離可能である。
本発明による医薬剤形は、好ましくは少なくとも300N、好ましくは少なくとも400N、より好ましくは少なくとも500N、もっとより好ましくは少なくとも600N、さらに好ましくは少なくとも700N、さらにより好ましくは少なくとも800N、最も好ましくは少なくとも900N、特に少なくとも1,000Nの破壊強度を有する。別の好ましい実施形態において、本発明による医薬剤形は、少なくとも1,100N、好ましくは少なくとも1,200N、より好ましくは少なくとも1,300N、最も好ましくは少なくとも1,400N、特に少なくとも1,500のNの破壊強度を有する。
医薬剤形の「破壊強度」(耐粉砕性)は、当業者にはよく知られている。この関連で、例えば、W.A. Ritschel、Die Tablette, 2. Auflage、Editio Cantor Verlag Aulendorf、2002年(非特許文献1)、H Liebermannら、Pharmaceutical dosage forms: Tablets、第2巻、Informa Healthcare、第2版、1990年(非特許文献9)、及びEncyclopedia of Pharmaceutical Technology、Informa Healthcare、第1版(非特許文献10)を参照できる。
本明細書において、破壊強度は好ましくは、医薬剤形を破砕するのに必要な力(=破壊力)の量と定義する。したがって、本明細書において、医薬剤形は好ましくは、破壊されていると、即ち、相互に分離される少なくとも2つの独立した部分に破砕されていると、所望の破壊強度を示さない。しかし、別の好ましい実施形態において、医薬剤形は、力が、測定中に測定される最大の力の25%(閾値)減少している場合に破壊されているとみなす(下記参照)。
本発明による医薬剤形は、破壊強度のため、通常の手段、例えば、乳棒と乳鉢、ハンマー、木槌又は粉状化のための他の一般的な手段、特にこの目的で開発された装置(錠剤クラッシャー)を用いて力を加えることによって粉状化できない点で、従来の医薬剤形と区別される。この関連で、「粉状化」とは、粉々に砕けて、医薬有効成分を適当な媒体中で即時放出するであろう小粒子となることを意味する。粉状化の回避は、経口的又は非経口的、特に静脈内又は経鼻の乱用を実質的に排除する。
従来の錠剤は典型的には、いかなる伸長方向においても、200Nをはるかに下回る破壊強度を有する。従来の円形錠剤の破壊強度は、破壊強度[N]=10×錠剤の直径[mm]の実験式に従って推定できる。したがって、前記実験式によれば、少なくとも300Nの破壊強度を有する円形錠剤は、少なくとも30mmの直径を必要とするであろう)。しかし、このような錠剤は、嚥下不能であろう。前記実験式は好ましくは、従来の医薬剤形でない、かなり特殊な本発明の医薬剤形には当てはまらない。
さらに、実際の平均咀嚼力は、約220Nである(例えば、P.A. Proeschelら、J Dent Res、2002年、81巻(7号)、464〜468頁(非特許文献11)を参照のこと)。これは、200Nをはるかに下回る破壊強度を有する従来の錠剤が、自発的な咀嚼時に粉砕され得るのに対して、本発明による医薬剤形は粉砕され得ないことを意味する。
またさらに、約9.81m/sの重力加速度を適用する場合、300Nは、30kgを超える重力に相当する、即ち、本発明による医薬剤形は好ましくは、30kgを超える重量に、粉状化されずに耐えることができる。
医薬剤形の破壊強度を測定するための方法は、当業者にはよく知られている。好適な装置が市販されている。
例えば、破壊強度(耐粉砕性)は、Eur.Ph.5.0,2.9.8(非特許文献12)又はEur.Ph.6.0,2.09.08「Resistance to Crushing of Tablets」(非特許文献13)に従って測定できる。試験は、規定された条件下で、粉砕によって錠剤をバラバラにするのに必要な力によって測定して、錠剤の耐粉砕性を決定することを意図するものである。装置は、一方が他方に向かって移動する、互いに向かい合った2つのジョーからなる。ジョーの平面は、移動方向に対して垂直である。ジョーの粉砕面は、平らであり、錠剤との接触帯域よりも大きい。装置は、1ニュートンの精度を有するシステムを使用して較正する。該当する場合は形状、割線(break−mark)及び刻印を考慮に入れて、ジョーの間に錠剤を配置する。錠剤は、測定毎に、力を加える方向(及び破壊強度を測定しようとする伸長方向)に対して同じように配向させる。各判定前に錠剤の断片が全て除去されているよう注意して、10個の錠剤について測定を実施する。結果は、測定した力の平均値、最小値及び最大値として、全てニュートンで表す。
破壊強度(破壊力)についての同様な記載は、米国薬局方にも見ることができる。別法として、破壊強度が、特定の面で錠剤を破損させる(即ち、破壊する)のに必要な力であると述べられている、そこに記載された方法に従っても破壊強度を測定できる。錠剤は一般に、2つのプラテンの間に配置し、一方のプラテンが、錠剤の破砕を引き起こすのに十分な力を加えるように移動する。従来の、円形(横断面が円形の)錠剤の場合には、荷重はそれらの直径全体に発生し(直径荷重と称されることもある)、破砕は面で発生する。錠剤の破壊力は、医薬文献では一般に硬度と称されているが、この用語の使用は誤解をまねく。材料科学において、用語硬度は、小さいプローブによる貫入又は圧入に対する表面の抵抗性を指す。用語粉砕強度もまた、圧縮荷重の適用に対する錠剤の抵抗性を表すのにしばしば使用される。この用語は、硬度よりも正確に試験の真の性質を表すが、錠剤が、試験中に実際に粉砕される(当てはまらないことが多い)ことを意味する。
別法として、破壊強度(耐粉砕性)は、国際公開第2005/016313号(特許文献1)、国際公開第2005/016314号(特許文献2)及び国際公開第2006/082099号(特許文献10)に従っても測定できる。これらは、欧州薬局方.に記載された方法の変法とみなすことができる。測定に使用する装置は好ましくは、最大ドローが1,150mmの「Zwick Z2.5」材料試験機(Fmax=2.5kN)であり、これは、testCotrolソフトウェアと共に、1つのカラム及び1つのスピンドル、クリアランスビハインド100m並びに0.1〜800mm/分に調節可能な試験速度を用いて設定すべきである。測定は、以下を用いて行う:ねじ込み式インサート付き圧力ピストン及びシリンダー(直径10mm)、力変換器、Fmax.1kN、直径=8mm、10Nからはクラス0.5、2Nからはクラス1(ISO7500−1に準拠)、DIN55350−18による製造業者試験証明書M(Zwick総力Fmax=1.45kN)(装置は全て、Zwick GmbH & Co. KG, Ulm(ドイツ)製)。試験機の注文番号はBTC−FR2.5TH、力変換器の注文番号はBTC−LC 0050N.P01、センタリング装置の注文番号はBO 70000 S06である。
本発明の好ましい実施形態において、破壊強度は、破壊強度試験機、例えば、Sotax(登録商標、HT100型又はHT1型(Allschwil、スイス)を用いて測定する。Sotax(登録商標)HT100及びSotax(登録商標)HT1はいずれも、一定の速度(試験ジョーが、5〜200mm/分の調節可能な一定速度で移動する)又は一定の力(試験ジョーが、5〜100N/秒の直線的に調節可能な力を増加させる)の2つの異なる測定原理に従って破壊強度を測定できる。基本的には、いずれの測定原理も、本発明による医薬剤形の破壊強度の測定に好適である。好ましくは、破壊強度は一定速度で、好ましくは120mm/分の一定速度で測定する。
好ましい実施形態において、医薬剤形は、少なくとも2つの別々の破片に破砕された場合に破壊されたとみなす。
本発明による医薬剤形は好ましくは、破壊強度(耐粉砕性)に加えて、広い温度範囲にわたって機械的強度、場合によりさらに、十分な硬度、耐衝撃性、衝撃弾性、引張強さ及び/又は弾性率を示す(自発的に咀嚼する、乳鉢中で磨砕する、たたいて粉末にするなどの手段によって粉状化が本質的に不可能である場合には、場合によりさらに低温(例えば、−24℃未満、−40℃未満又は液体窒素中)で)。したがって、好ましくはにおいて、本発明による医薬剤形の比較的高い破壊強度は、低温又は極めて低温であっても、例えば、医薬剤形を最初に、例えば−25℃未満、−40℃未満の温度に又はさらには液体窒素中で冷却してその脆さを増加させた場合であっても、保持される。
本発明による医薬剤形は、特定の程度の破壊強度を特徴とする。これは、医薬剤形が必ず特定の程度の硬度も示すことを意味しない。硬度と破壊強度とは、異なる物理的性質である。したがって、医薬剤形の不正使用防止は、必ずしも医薬剤形の硬度によって決まるとは限らない。例えば、それぞれその破壊強度、衝撃強さ、弾性率及び引張強さのため、医薬剤形は好ましくは、例えば、物理的に、外力を例えばハンマーを用いて及ぼす場合に、変形し得るが、粉状化され得ない。即ち、砕いて多数の断片にされ得ない。換言すれば、本発明による医薬剤形は、特定の程度の破壊強度を特徴とするが、必ずしも特定の程度の形態安定性も特徴とするとは限らない。
したがって、明細書の意味において、特定の伸張方向の力にさらされた場合に変形するが破壊されない(塑性変形又は塑性流動しない)医薬剤形を好ましくは、当該伸張方向で望ましい破壊強度を有するとみなすものとする。
好ましい実施形態において、本発明は、遅延放出プロファイルを有する不正使用防止医薬剤形、特に、遅延放出プロファイルを有する不正使用防止経口剤形、特定すれば、乱用の可能性がある少なくとも1種の医薬医薬有効成分(薬理活性化合物)を含む、遅延放出プロファイルを有する不正使用防止錠剤に関する。
本発明による医薬剤形は、種々の方法によって製造でき、特に好ましい方法については、以下により詳細に説明する。いくつかの好適な方法は、先行技術で既に記載されている。この関連で、例えば、国際公開第2005/016313号(特許文献1)、国際公開第2005/016314号(特許文献2)、国際公開第2005/063214号(特許文献3)、国際公開第2005/102286号(特許文献4)、国際公開第2006/002883号(特許文献5)、国際公開第2006/002884号(特許文献6)、国際公開第2006/002886号(特許文献8)、国際公開第2006/082097号(特許文献9)及び国際公開第2006/082099号(特許文献10)を参照できる。
本発明は、以下に記載する方法のいずれかによって得られる医薬剤形にも関する。
好ましい実施形態において、医薬剤形は、
(a)医薬有効成分、200,000g/molを超える重量平均分子量を有するポリアルキレンオキシド及び亜鉛成分を含むポリアルキレンオキシド組成物及び場合により存在する賦形剤を混合する工程であって、亜鉛成分の含有量が、工程(a)において調製される混合物の総重量に対して少なくとも1ppmである、工程と、
(b)工程(a)で得られた混合物を、熱にさらした後に、熱にさらすと同時に又は熱にさらす前に、プレス成形する工程と
を含む方法において製造される。
一般に、本発明による医薬剤形の製造方法は好ましくは、
(a)全ての成分を混合する工程と、
(b)場合により、工程(a)から得られた混合物に好ましくは熱及び/又は力を加えることによって、工程(a)から得られる混合物を予備成形する工程であって、熱の供給量が好ましくは、ポリアルキレンオキシドをその軟化点まで加熱するのに十分でない工程と、
(c)熱及び力を加えることによって混合物を硬化させる工程であって、力を加える間及び/又は力を加える前に熱を供給することが可能であり且つ熱の供給量がポリアルキレンオキシドを少なくともその軟化点まで加熱するのに十分なものである工程と、
(d)場合により、硬化した混合物を単体化する工程と、
(e)場合により、医薬剤形を付形する工程と、
(f)場合により、フィルムコーティングを施す工程と
を含む。
熱は、熱風などの高温気体の接触によって若しくはそれを用いて又は超音波の助けを借りて直接的に供給してもよい。力を加えてもよく、且つ/あるいは医薬剤形を、例えば直接錠剤化によって又は好適な押出機の助けを借りて、特に、2つのスクリューを装着したスクリュー押出機(二軸スクリュー押出機)を用いて若しくは遊星歯車押出機を用いて、付形してもよい。
好ましくは、ホットメルト押出は、追加の水を用いずに実施する。
医薬剤形の最終形状は、混合物を硬化中に熱及び力を加える工程(工程(c))によって与えてもよいし、その後の工程(工程(e))で与えてもよい。いずれの場合にも、全成分の混合物を好ましくは、可塑化された状態であり、即ち、好ましくは、付形は、少なくともポリアルキレンオキシドの軟化点より高い温度で実施する。しかし、これより低温、例えば周囲温度での押出も可能であり、好ましい場合がある。
付形は、例えば、適切な形状のダイ及びパンチを含む打錠機を用いて実施できる。
本発明の医薬剤形の、特に好ましい製造方法は、ホットメルト押出を伴う。この方法において、本発明による医薬剤形は、押出機の助けを借りて、好ましくは押出物の観察可能な変色を生じずに、熱成形によって製造する。
この方法は、
a)全成分を混合すること、
b)得られた混合物を押出機中で、少なくともポリアルキレンオキシドの軟化点まで加熱し、適当な力を加えることによって押出機の出口オリフィスから押出すること、
c)依然として可塑性の押出物を単体化し、医薬剤形の形態にすること、又は
d)冷却され且つ場合により再加熱された単一化押出物を医薬剤形の形態にすること
を特徴とする。
また、プロセス工程a)による成分の混合は、押出機中で進行してもよい。
また、成分は、当業者によく知られているミキサー中で混合してもよい。ミキサーは、例えば、ロールミキサー、シェーキングミキサー、剪断ミキサー又は強制的なミキサーであることができる。
押出機中で少なくともポリアルキレンオキシドの軟化点まで加熱された、好ましくは溶融された混合物を、押出機から、少なくとも1つのボアを有するダイに通して押出する。
本発明による押出方法は、好適な押出機、好ましくはスクリュー押出機の使用を必要とする。2つのスクリューを装着したスクリュー押出機(二軸スクリュー押出機)が特に好ましい。
押出によるストランドの膨張が30%以下となるように(即ち、例えば直径6mmのボアを有するダイを使用した場合に、押出ストランドが8mm以下の直径を有するように)、押出を実施するのが好ましい。ストランドの膨張は、より好ましくは25%以下、さらにより好ましくは20%以下、最も好ましくは15%以下、特に10%以下である。
好ましくは、押出は、水の不存在下で実施する、即ち、水は添加しない。しかし、極微量の水(例えば、大気湿度によるもの)は存在してもよい。
押出機は好ましくは、少なくとも2つの温度帯域を有し、少なくともポリアルキレンオキシドの軟化点までの混合物の加熱は第1の帯域で行われ、第1の帯域は供給帯域及び場合により混合帯域より下流に位置する。混合物の押出量は、好ましくは1.0kg〜30kg/hour、より好ましくは1.0kg〜15kg/hourである。好ましい実施形態において、押出量は、1〜3.5kg/hourである。別の好ましい実施形態において、押出量は4〜15kg/hourである。
好ましい実施形態において、ダイヘッド圧は、25〜200bar、より好ましくは25〜100barの範囲内である。ダイヘッド圧は、とりわけ、ダイ形状、温度プロファイル及び押出速度によって調整できる。
ダイ形状又はボア形状は、自由に選択可能である。したがって、ダイ又はボアは、円形、長方形又は楕円形の横断面を示すことができ、円形横断面は好ましくは直径が0.1mm〜15mmであり、長方形横断面は好ましくは縦の最大伸長が21mm及び横の伸長が10mmである。好ましくは、ダイ又はボアは円形断面を有する。本発明によって使用する押出機のケーシングは加熱することも冷却することもできる。該当する温度制御、即ち、加熱又は冷却は、押出される混合物がポリアルキレンオキシドの軟化点に相当する少なくとも平均温度(生成物の温度)を示し且つ加工する医薬有効成分が損傷を受ける可能性がある温度より高い温度までは上昇しないように、アレンジする。好ましくは、押出する混合物の温度は、180℃未満、好ましくは150℃未満であって少なくともポリアルキレンオキシドの軟化温度に調整する。典型的な押出温度は、120℃及び130℃である。
好ましい実施形態において、押出機のトルクは30〜95%の範囲内である。押出機のトルクは、とりわけ、ダイ形状、温度プロファイル及び押出速度によって調整することができる。
溶融混合物の押出及び任意選択の、1つ又は複数の押出ストランドの冷却後に、押出物は好ましくは単体化する。この単体化は好ましくは、レボルビングナイフ若しくは回転ナイフ、ウォータージェットカッター、ワイヤー、ブレードを用いて又はレーザーカッターの助けを借りて、押出物を切り分けることによって実施できる。
好ましくは、場合により単体化された押出物又は本発明による医薬剤形の最終形状の中間又は最終貯蔵は、無酸素雰囲気下で実施する。無酸素雰囲気は、例えば酸素捕捉剤を用いて達成できる。
単体化押出物は、医薬剤形に最終形状を与えるために、錠剤にプレス成形してもよい。
押出機中における、少なくとも可塑化されている混合物への力の適用は、押出機中の運搬装置の回転速度及びその形状を制御することによって、及び放出口オリフィスを必要な大きさにして、可塑化混合物の押出に必要な圧力が押出機中で、好ましくは押出直前に増大されるようにすることによって、調整する。個々の組成物毎に、所望の機械的性質を有する医薬剤形を生じさせるのに必要な押出パラメーターは、簡単な予備試験によって確定できる。
例えば、限定するものではないが、押出は、スクリュー直径18又は27mmのZSE18又はZSE27型(Leistritz、ニュルンベルク(ドイツ))二軸スクリュー押出機を用いて実施できる。偏心端部を有するスクリューを使用してもよい。直径7、8又は9mmの円形ボアを有する加熱可能なダイを使用してもよい。押出パラメーターは、例えば、以下の値に調整できる:スクリューの回転速度:120Upm;排出速度:ZSE18の場合は2kg/h又はZSE27の場合は8kg/h;生成物温度:ダイ直前で125℃及びダイの後で135℃;ジャケット温度:110℃。別の好ましい実施形態において、押出は、押出ダイの直径が5.5mm又は7mm、押出ダイの温度が135℃の二軸スクリュー押出機ZSE 27 PH 40 D型(Leistritz、ニュルンベルク、ドイツ)によって実施する。
好ましくは、押出は二軸スクリュー押出機又は遊星歯車押出機を用いて実施し、二軸スクリュー押出機(共回転又は反転)が特に好ましい。
本発明による医薬剤形は好ましくは、押出機の助けを借りて、押出物の観察可能な変色を生じずに、熱成形によって製造する。
本発明による医薬剤形の調製方法は、好ましくは連続的に実施する。好ましくは、この方法は、全成分の均一混合物の押出を伴う。こうして得られた中間体、例えば、押出によって得られたストランドが一様な性質を示すならば、特に有利である。特に望ましいのは、一様な密度、医薬有効成分の一様な分布、一様な機械的性質、一様な多孔度、一様な表面外観などである。これらの状況下でのみ、薬理学的性質、例えば、放出プロファイルの安定性の一様性を確実にすることができ、不合格品の量を少なく保つことができる。
本発明のさらなる態様は、疼痛治療のための前記医薬剤形の製造への、医薬有効成分の使用に関する。
本発明のさらなる態様は、医薬剤形中に含有される医薬有効成分の乱用を回避するか又は妨げるための、前記医薬剤形の使用に関する。
本発明のさらなる態様は、医薬剤形に含有される医薬有効成分の偶発的過量服用を回避するか又は妨げるための、前記医薬剤形の使用に関する。
この関連で、本発明はまた、障害の予防及び/又は治療のための本発明による医薬剤形の製造のために前記医薬有効成分及び前記ポリアルキレンオキシド組成物を使用し、それによって、特に機械的作用による医薬剤形の微粉砕による、医薬有効成分の過量服用を防止することに関する。
さらに、本発明は、障害を予防及び/又は治療するための方法であって、本発明による医薬剤形を投与する工程を含み、それと同時に、特に機械的作用による医薬剤形の微粉砕による、医薬有効成分の過量服用を防止する方法に関する。好ましくは、機械的作用は、咀嚼する、乳鉢中で磨砕する、たたいて粉末にする、従来の医薬剤形の粉状化のための装置を使用することからなる群から選択される。
次に、本発明をさらに例によって詳述するが、本発明の範囲は以下の例に限定されるものではない。
例1
種々の型のポリエチレンオキシドを含有する4つの試料を、IKA Ultra−Turrax T−25分散機を用いてポリエチレンオキシド(1.0g)を水(99.0g)中に分散させることによって調製した。その後、分散液を、IKA RCTベーシック安全制御マグネチックスターラーを用いて1時間撹拌した。PEO 20NF、PEO 18NF及びPEO凝固剤を用いる場合には、分散を繰り返し、続いて15分間撹拌した。4日後に、ゲル形成が完了し、Knick 765型実験用pHメーターを用いてpH値を測定した。測定は全て、25℃で行った。種々の試料のpH値を、以下の表に要約する:
Figure 2015516406
ポリエチレンオキシドPEO 20NF及びPEO 18NF(Sumitomo社によって市販されている)の水性分散液は、それぞれ6.41及び6.31のpH値を有していた。製品仕様書によれば、亜鉛は1,000ppm未満の亜鉛含有量に存在していた。
比較例のPolyox(登録商標)WSR303及びPolyox(登録商標)凝固剤(Dow社によって商品化されている)のpH値はそれぞれ、8.25及び7.78に達した。製造業者によれば、亜鉛は、Polyox(登録商標)WSR301製造プロセスのいかなる部分にも使用されておらず、特に試験されていないが、存在しないと予想される。Polyox(登録商標)WSR301は、Polyox(登録商標)WSR303の同族体である。
例2
安定性の研究は、亜鉛を含むポリエチレンオキシド(本発明例)又は亜鉛を含まないポリエチレンオキシド(比較例)を用いて商業規模(バッチサイズ15kg又は85kg)で製造された医薬剤形を比較して行った。錠剤は全て、500Nを超える高い破壊強度を有していた。
それぞれ56.29重量%及び35.00重量%のポリエチレンオキシド(亜鉛を含む又は亜鉛を含まない)を含有する2種の異なる製剤を調製した。
亜鉛を含むポリエチレンオキシドは、Sumitomo社のPEO 20NF(7,500〜10,000mPa・s)であった。これを、以下において「PEO、Zn含有」と称する。亜鉛を含まないポリエチレンオキシドは、Dow社のPolyox(登録商標)WSR303(7,500〜10,000mPa・s)であった。これを、以下において「PEO、Zn不含」と称する。
バッチに特異的な差を排除するために、各製剤は、市販のバッチ、即ち、ロット番号が部分的にしか異ならない同じ型の化合物を同じ量で用いることによって、少なくとも2回調製した。
製造業者の分析証明書によれば、亜鉛を含むポリエチレンオキシドバッチのZn含有量は、約0.086%であった。
医薬有効成分、ポリアルキレンオキシド及び賦形剤の混合物を、二軸スクリュー押出機(ZSE 27 PH 40 D型、押出ダイの直径:I/C 1−x組成物に対しては5.5mm及びI/C 2−x組成物に対しては7mm、押出ダイの温度:135℃)によって押出した。
試験した製剤に関する詳細は、以下の表中に見られる:
Figure 2015516406
フィルムコーティング錠は、ブリスター包装し、安定性を増した。貯蔵条件は、25℃/相対湿度60%、30℃/相対湿度75%及び40℃/相対湿度75%であった。
ポリエチレンオキシドの分解の指示的パラメーターとして、粘度及びα−トコフェロール消費量を確認した。ポリマー鎖が劣化すると、錠剤の水性ゲルの粘度は減少する。ポリエチレンオキシドの分解は、酸化プロセスであるので、製剤中の酸化防止剤α−トコフェロールの含有量の減少と関連付けられる。
特に、本発明による亜鉛含有剤形の有益な効果は、より厳しい貯蔵条件(40℃/相対湿度75%)において明らかになる。
40℃及び相対湿度75%で6カ月間貯蔵後に、錠剤は依然として500Nを超える高い破壊強度を有していた。
粘度を決定するための方法の説明:
1個又は2個の錠剤を、より細かく切り、正確に秤量し(I/C 1−xについては242+/−3mg、I/C 2−xについては388+/−3mg)、2−プロパノール2mL及び水10mLに溶解させる。溶解は、機械的撹拌機で175〜250rpmにおいて振盪しながら72時間にわたって行う。形成された溶液2mLを粘度計で測定する。
装置:RV1プレートシステム及び0.052mmのスプリットを有するC60/1°コーンを装着したThermo Scientific HAAKE RotoVisco1。温度は、25.0℃+/−0.1℃である。測定はCRモードで0.0001/秒の剪断速度から開始し、200.01/秒の剪断速度で終了させて、直線分布で行う。持続期間は180秒とし、測定全体にわたって直線的な180個のデータ点を集める。測定は、40.00、80.00、120.00及び160.00 1/sの剪断速度で行う。結果は、剪断速度160/sにおける粘度(mPa・s)として報告する。
α−トコフェロールアッセイのための方法の説明:
α−トコフェロール含有量は、HPLC方法によって以下のようにして決定する:
クロマトグラフシステム
カラム:Lichrospher 100−5 RP8 2504.0 mm 5μm又は同等物
溶離剤:水中0.3%トリフルオロ酢酸10%、アセトニトリル中0.3%トリフルオロ酢酸90%
検出:UV−210nm
流量:1.5mL/分
注入容量:50μL
カラム温度:35℃
25℃/相対湿度60%における粘度[mPa・s]
Figure 2015516406
30℃/相対湿度75%における粘度[mPa・s]
Figure 2015516406
40℃/相対湿度75%における粘度[mPa・s]
Figure 2015516406
前記表に要約したデータから、本発明による亜鉛含有剤形が、特に40℃及び相対湿度75%の促進貯蔵条件において、亜鉛不含剤形と比較して改善された安定性を示すことが明らかになる。
本発明例は全て、6カ月の貯蔵(40℃/相対湿度75%)後に、貯蔵開始時の各粘度に対して、わずか1%(I 2−1)から最大で7%(I 1−2)までの粘度減少を示したのに対して、亜鉛を含有しない比較例は全て、少なくとも23%(C 2−1及びC 2−2)から35%(C 1−4)までの粘度減少を示した。
以下において、α−トコフェロールの含有量は、医薬剤形中のα−トコフェロールの所与の理論的含有量に対して、重量%で示す。
本明細書中では、「α−トコフェロールの所与の理論的含有量」とは、医薬剤形の組成物の仕様に従って、α−トコフェロールが理論的に有すべき重量含量を指すものとする。
25℃/相対湿度60%におけるα−トコフェロールの含有量(重量%)
Figure 2015516406
30℃/相対湿度75%におけるα−トコフェロールの含有量(重量%)
Figure 2015516406
40℃/相対湿度75%におけるα−トコフェロールの含有量(重量%)
Figure 2015516406
示されたデータにおいて、本発明の製剤では、ポリエチレンオキシドの分解が、比較製剤と比較して低減されていることがわかる。
前記表に要約したデータから、本発明による亜鉛含有剤形が、特に40℃及び相対湿度75%の促進貯蔵条件において、亜鉛不含剤形と比較して改善された安定性を示すことが明らかになる。
本発明例は全て、6カ月の貯蔵(40℃/相対湿度75%)後に、貯蔵開始時の各α−トコフェロール含有量に対して、わずか14%(I 1−1)から最大で17%(I 1−2)までのα−トコフェロール含有量の減少を示したのに対して、亜鉛不含の比較例は全て、少なくとも20%(C 2−3及びC 1−2)から31%(C 2−2)までのα−トコフェロール含有量の減少を示した。
例3
医薬剤形の破壊強度とポリアルキレンオキシド(亜鉛を含有するか否か関わらず)との相関を判定した。
医薬有効成分、ポリアルキレンオキシド(亜鉛を含有しない)及び賦形剤(ヒプロメロース及びPEG 6000)の混合物を、二軸スクリュー押出機(ZSE 18 PH 40 D型;押出ダイの直径:9mm;押出ダイの温度:120〜130℃)によって押出した。
個々の混合物の組成、各押出条件及びこうして得られた剤形の破壊強度を、以下の表に要約する:
Figure 2015516406
前記データは、所与の実験条件下において、ポリエチレンオキシド(5×10及び7×10)含有量15重量%以上でのみ、高い破壊強度を達成できるであろうことを実証している。

Claims (15)

  1. a)医薬有効成分と、
    b)200,000g/molを超える重量平均分子量を有するポリアルキレンオキシドと、
    c)亜鉛成分と
    を含み、上記亜鉛成分の含有量が、医薬剤形の総重量に対して少なくとも1ppmである、熱成形された不正使用防止医薬剤形。
  2. ポリアルキレンオキシド及び亜鉛成分を含むポリアルキレンオキシド組成物を含有し、及び/又は上記亜鉛成分の含有量が、ポリアルキレンオキシド中に含まれるアルキレンオキシド単位の1モル当たりの亜鉛原子含有量に対して0.01〜1mol%の範囲である、請求項1に記載の医薬剤形。
  3. 前記ポリアルキレンオキシドが、亜鉛成分の存在下でアルキレンオキシドを重合させることによって得られる、請求項2に記載の医薬剤形。
  4. 25℃で濃度1重量%の純水中の純粋なポリアルキレンオキシド組成物の水性分散液が、最大で7.7のpH値を有する、請求項2又は3に記載の医薬剤形。
  5. 前記亜鉛成分の含有量が、ポリアルキレンオキシド組成物の総重量に対して少なくとも10ppmである、請求項2〜4のいずれか一つに記載の医薬剤形。
  6. 少なくとも300Nの破壊強度を有する、請求項1〜5のいずれか一つに記載の医薬剤形。
  7. 前記亜鉛成分の含有量が、医薬剤形の総重量に対して最大で10,000ppmである、請求項1〜6のいずれか一つに記載の医薬剤形。
  8. 前記医薬有効成分がオピオイドである、請求項1〜7のいずれか一つに記載の医薬剤形。
  9. 前記医薬有効成分が、ポリアルキレンオキシド及び亜鉛成分を含む放出制御マトリックス中に埋め込まれている、請求項1〜8のいずれか一つに記載の医薬剤形。
  10. モノリシック又は多粒子である、請求項1〜9のいずれか一つに記載の医薬剤形。
  11. 溶融押出された、請求項1〜10のいずれか一つに記載の医薬剤形。
  12. 1日1回、1日2回又は1日3回の投与に適合されている、請求項1〜11のいずれか一つに記載の医薬剤形。
  13. 請求項1〜12のいずれか一つに記載の医薬剤形を製造するための方法であって、
    (a)医薬有効成分、請求項2〜5のいずれか一つにおいて定義されているポリアルキレンオキシド組成物、及び場合により存在する賦形剤を混合する工程と、
    (b)工程(a)において得られた混合物を、熱にさらした後に、熱にさらすと同時に又は熱にさらす前に、プレス成形する工程と
    を含む、上記方法。
  14. 工程(b)が押出機によって行われる、請求項13に記載の方法。
  15. 請求項13又は14に記載の方法によって得られる医薬剤形。
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