JP2015514444A - 少なくとも二枚のクレジットカードまたは類似物の保護用ケース - Google Patents

Abstract

【課題】単純かつダメージを与える恐れのない、複数のクレジットカード等の保護用ケースを提案する。【解決手段】複数のカード（２）を収容する空間が間に設けられた二つの平行な壁を含む平らなカバーの形を呈する、少なくとも二枚のカード（２）等用保護ケースが、二つの平行な壁の一つをそれぞれ含む少なくとも二つの部分（３、４）を含み、また部分（３、４）の一方がもう一方の部分にスライドするように組み立てられ、部分（３、４）がそれぞれ一枚のカード（２）を収容して留めておくように成型され、そのため一枚のカード（２）が中にスライドすることができる収容部（３２）を有し、収容部（３２）が一方ではカードを中に保持することを可能にする、カード（２）の可逆的締め手段を含み、また他方ではカード（２）が入る部分（３、４）をスライドさせた後にカード（２）をスライドさせることによって取り出すことができる開口部を有している。【選択図】図１

Description

本発明は、複数のクレジットカードまたは類似物の保護用ケースを目的としている。

クレジットカードまたは類似物は、エンボス加工によって実現される掲示を呈し、また一般的に磁気トラックおよび／または電子チップを有する、標準サイズすなわち８５．６０×５３．９８ｍｍのプラスチック材料の板から成る。

その相対的な柔らかさと磁気トラックおよび／または電子チップの存在により、カードがダメージを受けずに実用性を保持していられるように、保護された箇所にカードを保管することが望ましい。

こうして通常は、クレジットカードまたは類似物は名刺入れまたは財布の中に保管され、そのために名刺入れまたは財布を運ぶ必要性が生じるが、これは常に可能なことではない。

この不都合を克服するために、一枚のクレジットカードまたは類似物の保護用の硬いケースが提案されたが、もっとも単純なものは、保護すべきカードを収容するための空間が間に設けられた二つの平行な壁を含む、一端に前記カードの挿入または取出しを可能にする開口部を備えた平らなカバーから成り、前記壁のうちの一つは、使用者が前記カードを指で押し出してそこから取り出すことを実現可能とする穴を有している。このようなケースは、例えば欧州特許出願公開第０６７７２５７号明細書の中に記載されている。

同様に、カードを入れる部分がもう一方の部分の中で引き出しのようにスライドする、二つの部分を含むケースも既知である。このようなケースは、例えば仏国特許発明第２８９３２３３号明細書の中に記載されている。

二枚以上のカードを所有することがよくあるにもかかわらず、これらの文献において提案されるケースは、一枚のカードを保護することは可能であるが、複数のカードを保護することは想定されていない。

複数のカードを保管することができるケースも存在はするが、それらは各々、中にカードを積み重ねる収容部を有した収納ケースから成っており、そのためどれか一枚のカードを取り出すのに困難が生じる可能性がある。

この不都合を克服するために、二枚以上のカードを入れることができるケースが提案されたが、これは例えば国際公開第９６／１８３２０号および欧州特許出願公開第０２８７５３２号明細書に記載されているケースの場合である。

国際公開第９６／１８３２０号においてケースは二枚のカードを収容することが可能であり、その取出しは欧州特許出願公開第０６７７２５７号明細書において想定されているものと類似の方法により、ケースのそれぞれの壁に作られた穴を介して手で行われる。

ケースの目的は主として保護であり、ケースが単数または複数の穴を有することにより、その機能を完全には満たすことができなくなる。

欧州特許出願公開第０２８７５３２号明細書において、中に複数のカードが積み重ねられるケースが提案されており、該ケースはたった一度の動きで全てのカードがずらされて出てくるように、カードと接触することを目的とした部分が段状になっており、外側から操作可能である可動レバーをその底部のところに有している。これについてもカードが互いに接触しているため、カードはダメージを受ける恐れがある。さらに、中間にあるカードを取出した後にそのカードを元の場所に戻すには、その保管場所に沿っている複数のカードを離す必要があるため、あまり容易ではない。

さらに、カードが積み重ねられることにより、ケースに入っているカードが物理的に無傷であることに対して問題が生じる可能性がある。すなわち、一般にカードをその収容部に留めておくためにカードの厚み方向に対し、実際にはエンボス加工に由来するその凹凸に寄りかかりながら圧力をかける必要があるが、これは不都合なことに時が経つとカードにダメージを与える危険性がある。

既存のクレジットカードまたは類似物の保護用ケースがいかなるものであっても、複数のカードの中の一枚に容易に接触可能であり、また単純な構想でありながら複数のカードを保管することが可能なケースは存在しない。

本発明は、前述のさまざまな不都合を解決することを可能にする、とりわけ単純な構想でありかつダメージを与える恐れのない、複数のクレジットカードまたは類似物の保護用ケースを提案することを目的とする。

本発明による少なくとも二枚のクレジットカードまたは類似物の保護用ケースは、二つの平行な壁を含む、平らなカバーの形を呈しており、該二つの平行な壁の間に、保護すべきカードを収容することを目的とした単数または複数の空間が設けられ、また一枚のカードの挿入または取出しを可能にする開口部を一端に備えているものであり、また該保護用ケースは主として、前記二つの平行な壁の一つをそれぞれ含む少なくとも二つの部分を含むこと、また前記少なくとも二つの部分の一方がもう一方の部分上でスライドするように組み立てられること、また前記少なくとも二つの部分がそれぞれ一枚のカードを収容して留めておくように成型され、そのため一枚のカードが中にスライドすることができる収容部を有し、前記収容部が一方では前記カードを中に保持することを可能にする前記カードの可逆的締め手段を含み、また他方では前記カードが入る前記部分をスライドさせた後に前記カードをスライドさせることによって取り出すことができる開口部を有していることを特徴とする。

実際には使用者は、ケースの二つの部分を互いにスライドさせることにより、二枚のカードに同時に接触することが可能となり、そうして所望のカードをその収容部の外にスライドさせることを選択することができる。

本発明による保護用ケースの追加的特徴によると、少なくとも二つの部分は、複数のカードの中の一枚が別の部分または別のカードと接触することができないように、複数のカードのうちの一枚を収容して留めておくように成型されており、またそのため前記少なくとも二つの部分がそれぞれ、別の部分と向かい合う側に収容部を有し、該収容部は一枚のカードを多少の公差を伴って収容することが可能な横寸法を呈する一方で、開口部を備える前記端の辺に配置される縁に対して直角な二つの縁に、前記カードを留めてかつスライドを可能にする、前記カードの縁を覆い隠すことができる折り返し縁を有し、該折り返し縁は、前記カードが有するエンボス加工に由来する凹凸の厚みを明らかに超える厚みをもつものであり、またさらに該収容部は前記カードを前記収容部の中に保持することを可能にする前記カードの可逆的締め手段を有している。

本発明による保護用ケースの追加的特徴によると、保護ケースは三つの部分、すなわち中央の部分とその上でスライドすることができる残りの二つの部分それぞれを有しており、二つの部分はそれぞれ一枚のカードを入れるように成型されている。

本発明による保護ケースの追加的特徴によると、中央の部分はそのそれぞれの面上に収容部を有し、それぞれ一枚のカードを受けることができる。

本発明による保護ケースの追加的特徴によると、一つの部分のもう一方に対するスライドは滑り溝による連結を介して得られ、部分のうちの一方は、もう一方の部分が有する二つの溝に一つずつはめ込まれる二つのレールまたは類似物を有する。

レールまたは類似物は、作り付けることもできるし、また別付けすることもできる。

本発明による保護用ケースの別の追加的特徴によると、一つの部分のもう一方に対するスライドは滑り溝による連結を介して得られ、部分のうちの一つは二つの溝を有し、該二つの溝はそれぞれもう一方の部分が有する二つの溝の一つと向かい合わせて配置され、玉やロールのような中間連結部材が、前記二つの部分の間の向かい合った二つの溝の中にはめ込まれている。

前述の滑り溝による連結を二つ組み合わせること、すなわち玉やロールのついた滑り溝による連結と組み合わされる、レールと溝の連携が可能であることが注目されるが、玉やロールのついた滑り溝による連結は、その時主として、二つの部分の間の隔たりを確保する役目を果たしてカードを保護する。

本発明による保護用ケースの別の追加的特徴によると、一つの部分がもう一方の部分に対してスライドするために、二つの部分のうちの一つは、もう一方の部分に作られる溝の中にはめ込まれることを目的とした縦方向にスライドできるリブを側面に有し、前記溝には、リブの中に作られる縦方向の細長い開口部の中にはめ込むことができる軸または類似物がそれぞれ横に伸びている。

本発明による保護用ケースの別の追加的特徴によると、保護用ケースは一つの部分の別の部分に対する、さまざまな位置のインデックス付け手段を有する。

これらのインデックス付け手段は、磁気手段から成ることができる。

本発明による保護用ケースの別の追加的特徴によると、保護用ケースは一つの部分の別の部分に対する、スライド補助手段を有する。

そのような補助手段はばねから成ることができ、該ばねは、不必要なときに開くことを回避するために必要とされる、畳まれた状態の可逆的固定手段と連動して、広がる方向かまたは畳まれる方向にスライドを助長するように配置されている。

本発明による保護用ケースの別の追加的特徴によると、保護用ケースは可動式のカード排出手段を有し、その可動性は一つの部分のもう一方に対するスライドによって制御される。

本発明による保護用ケースの別の追加的特徴によると、一枚のカードの収容部は取出し用の側と反対の側にレバーを有するが、該レバーは前記カードが寄りかかるものであり、前記収容部を含む部分に回転式に取り付けられ、またスライドする際に他の部分によって回転させられることができるものである。

本発明による保護用ケースは、さまざまな材料、プラスチック材料でも金属でも、製作可能である。とはいえ、何よりもまず金属で製作可能なように構想されているため、複数のカードを入れることを目的としている場合でも、厚みを非常に薄くすることができる。

金属で製作される場合、本発明によるケースが好ましくは金属同士が擦れあう音を緩和することができる、さまざまな減衰手段またはパッドを備えることが注目されよう。

本発明による保護用ケースの別の追加的特徴によると、保護すべきカードを収容することを目的とした空間が間に設けられている二つの平行な壁は、電波の通過を妨げることができる障壁を前記壁のそれぞれの部位に形成する材料を備えつけるか、または該材料から成る。

本発明による保護用ケースの別の追加的特徴によると、保護用ケースは二つの障壁を連結することができる接触手段を有し、該接触手段は機能しない状態にすることができる。

本発明による保護用ケースの利点および特徴は、複数の非限定的実施形態を示す付属の図面を参照する後続の説明により、より明確になるであろう。

本発明による保護用ケースの、概略分解斜視図を示している。 同じ保護用ケースの部分断面図を示している。 図２ａのＸＸ’軸に沿った断面図を示している。 本発明による保護用ケースの、構成変形形態における、部分断面図を示している。 本発明による保護用ケースの、構成変形形態における、部分断面図を示している。 本発明による保護用ケースの、構成変形形態における、部分断面図を示している。 本発明による保護用ケースの、構成変形形態における、部分断面図を示している。 本発明による保護用ケースの、構成変形形態における、部分断面図を示している。 別の構成変形形態の、部分概略分解斜視図を示している。 本発明による同じ保護用ケースの特定実施形態による、概略分解斜視図を示している。 本発明による保護用ケースの同じ特定実施形態の変形例による、概略分解斜視図を示している。 本発明による保護用ケースの同じ特定実施形態の別の変形例による、概略分解斜視図を示している。

図１を参照して、クレジットカードまたは類似物２を二枚入れることを目的とした、本発明による保護用ケース１を見ることができる。

各クレジットカード２が前面２０および後面２１を有すること、また前面２０で可視である、エンボス加工によって実現された掲示が、周囲の縁２３を作り出しながら他より厚い部分２２の形で概略的に示されていることが注目されるであろう。

ケース１は、一般的な平らの形状であり一方が他方に対してスライドするよう協働可能に構想されている二つの部分３および４の接合から成る。

こうして部分３は、図２でもまた可視である折り返し縁３０を三辺に有し、その二つの向かい合う区分はそれぞれ外側にレール３１を備えており、一方部分４は折り返し縁４０を三辺に有し、その二つの向かい合う区分はそれぞれレール３１のうちの一つと協働することを目的とした溝４１を内側に備えている。

折り返し縁３０は、収容部３２の境界を画定するが、該収容部は、カード２を受けることを目的としており、かつ、折り返し縁３０のない第四の辺からカードを取り出すことを可能にするものである。また、折り返し縁３０の向かい合う二つの区分は、折り返し縁の内側方向に、カード２の縁２３上に広がる張出し部分３３を備える。

図２ａをより詳細に参照すると、折り返し縁３０が、好ましくはカード２の厚みをわずかに超える高さであること、張出し部分３３の厚みは隆起した部分２２の厚みを越え、幅は縁２３の幅より小さいことが確認できる。

実際には、使用者はまず部分４の中の部分３をスライドさせることによりカード２に接触することができ、そのときカードを部分３の外にスライドさせることができる。

部分３の寸法的特徴によりカード２、より詳細にはカードのエンボス加工２２は部分４と接触することは決してないため、エンボス加工に配慮することができる。

有利には、カード２が部分３２から突然スライドすることを回避するために固定手段が準備されるが、該固定手段は、例えば張出し部分の下の、折り返し縁３０の内側面に配置される単数または複数の隆起した部分から成り、カード２を可逆的に十分に固定することを可能にするものである。ケースの製造形態およびケースを製造する材料に応じて、これらの固定手段は鋳造に由来するか、あるいはまた別付けした部品から成ってよい。

同様に、部分３が部分４に対して突然スライドするのを防ぐ手段が準備されていることが注目されるであろう。

さらに部分４の折り返し縁４０は、第二のカード２を収容可能な収容部４２が収容部３２と向かい合って作り出されるように形成されるが、該収容部４２は、収容部３２と同じ寸法的特徴、すなわちカード２の厚みをわずかに超える奥行きを有しており、エンボス加工２２の厚みを超える張出し部分４３に縁どられている。

二枚のカード２が、互いに接触するようになることがあり得ないこと、したがってダメージを受ける危険性がないことが確認できる。

図２ｂに見られるように、部分４の中に入れられたカード２の取出しを可能にする開口部は、ケース１の、部分３の中に入れられたカード２の取出しを可能にする開口部が実現されている側と反対の側に実現される。このように、部分３と部分４を互いにスライドさせると、二枚のカード２に同時に接触することができる。

図面では、カードのスライドがカードの縦方向に沿って実現される場合しか示されていないが、他の方向にスライドが実現されるケースが当然構想可能であることが注目されよう。

今度は図３ａを参照し、収容部３２と４２が互いに横にずれている変形形態を見ることができるが、該変形形態において部分３の収容部３２の中に入れられたカード２を固定するのは部分４であり、逆もまたしかりなので、収容部３２および４２それぞれにカード２のガイドは必要ではない。

今度は図３ｂを参照し、三つの部品、すなわち中央の部分５および先に記載したような二つの部分３を有するケース１を見ることができる。中央の部分５は二つの部分４が背中合わせに組み合わされたような体裁であり、すなわち中央の部分はその面それぞれの三辺に折り返し縁５０を有しており、その向かい合った二つの区分はそれぞれ内側に、部分３のレール３１のうちの一つと協働することを目的とする溝５１を備えている。

この変形形態において、部分３は、中央の部分５に対して同じ方向または反対方向にスライドすることができる。部分３が異なる二つの方向、直角方向にスライド可能であることすら、想像可能である。

スライドの補助を実現することが可能であることが注目されよう。このように、この図３ｂで、ばねＲの存在を確認することができるが、該ばねは、折り返し縁３０の中に作られる収容部３４の中に閉じ込められて、スライドを補助することを可能にするものであるが、この補助は、必要に応じて開ける際、または好ましくは閉める際に、実現可能である。

このバージョンにおいて、中央の部分５は、カードの正面となる面それぞれから突き出る止め要素を有することができるが、該止め要素はこのカード２を支えるような厚みをもち、また開口部の反対側に特定の長さで広がっており、したがってスライドの際にはそれぞれの止め要素はカードの上を滑りカードの後ろに位置づけられ、また閉める際には止め要素はそれぞれ単数または複数のばねの影響を受けて、取り出されるカードを保持する。

二つの部品しか有さないケースでもこの構成が実現可能であることが注目されるが、この場合、単数または複数のばねは閉める際に戻るように機能する一方、部分３および部分４はそれぞれ、収容部４２および収容部３２の中にそれぞれ入れられるカードと協働することを目的とした止め具を有し、したがってスライドの際にはこれらの止め具はカードの上を滑りカードの後ろに位置づけられ、また閉める際には、これらの止め具は単数または複数のばねの影響を受けて、前記カードの取り出しが引き起こされる。

今度は図３ｃを参照し、カード２を四枚保管可能な変形形態を見ることができる。これは、実際は図３ｂで示されるバージョンを二倍にしたバージョンであり、中央の部分５は同様に二つの収容部５２を有している。

今度は図３ｄを参照し、部分３の部分４上のスライドシステムに関する変形形態を見ることができる。このように部分３は、部分４の正面にスライド方向に平行な縦の穴３５を有し、該縦の穴のそれぞれの中には、部分４と連動する柱脚４３がはめ込まれている。この変形形態において柱脚４３は、部分３の設置後に穴３６を通ることによって部分４と連動する。

図３ｅは、図３ｂの実施形態の変形例において、部分３の部分４上へのスライドシステムが同様に柱脚５３を介して実現され、該柱脚が製造時から中央の部分５と連動しており、最後にスライド方向に平行な縦の穴３５の中にはめ込まれるものであることを示している。

図３ｆを参照して別の製造変形形態を見ることができるが、ここでは部分３が周囲の側面に縦リブ５５を有しており、該縦リブは、部分５の穴すなわち溝５６にはめ込まれるように突き出て、スライドする際に該穴すなわち溝の中で制限を受けながら動くことができるものであり、各リブ５５は細長い開口部５７を有し、該細長い開口部の中に、孔５８を通って溝５６を横断して伸びている軸または類似物、好ましくはビスＶがはめ込まれるものである。

有利には、動きを和らげて作動音を抑えるために、溝５６の端に非表示の止め具を備えることができることが注目されるであろう。

今度は図４を参照し、本発明によるケース１の特定実施形態を見ることができる。

図３ｅの組立と類似している、すなわち部分３の二つが中央の部分５に組み立てられているこの実施形態において、部分３のそれぞれの折り返し縁３０は、向かい合う二つの辺上にのみ広がり、収容部３２の底部となる第三の辺は、ダボ５４で回転可能に取り付けられるレバー６に替わっているが、該ダボは、中央の部分５に連動しており、またレバー６のその端６１に作られる細長い形の孔６０の中にはめ込まれるものである。レバー６は孔６０のすぐ近くに第二の孔６２を有し、該第二の孔の中には、部分３の内側に突き出ているダボ３７が位置を占める。

部分３の中央の部分５上でのスライド移動が、レバー６の回転を引き起こし、その自由端６３が非表示のカード２をケース１の外へ押し出し、孔６０の細長い形がダボ３７の移動を、ダボ５４の軸と非同心的に補うことを可能にすることが理解されよう。

カード２の移動の振幅は、レバー６の自由端６３の移動の振幅によって決まり、レバーの自由端の移動は、部分３に対する部分４の移動の振幅と、二つの孔６０と６２の離隔距離とによって決まる。

力の波及により、カード２を十分に外に出すには、部分３に対する部分４のわずかな移動の振幅で十分である。

ばねＲの存在により、カード２を取り出した後に部分３と５が元の位置に戻ることが可能となる。

このような変形例の場合、二つの部分４が直角方向にスライド可能であることもまた注目されるであろう。

今度は図５を参照し、部分３と４の二つだけで構成されているケース１の、カード２の取出しシステムを伴う、カード２を二枚保管可能な変形例を見ることができる。

部分３および部分４は、一方がもう一方の上でスライドするように取り付けられる、非表示のばねによって元の位置に戻るものであるが、収容部３２、および図で可視ではない収容部４２、一端にピボット６４を備えまたピボットのすぐ近くに孔６５を備えたレバー６をそれぞれ含む。

部分３の収容部３２の中に入れられるカードの取出しを目的としたレバー６は、孔６５を介して、部分３から突き出ているダボ３８に取り付けられる一方、そのピボット６４は、部分４の折り返し縁４０の中に作られる可視ではない孔の中に挿入される。

同様に、部分４の収容部４２の中に入れられるカードの取出しを目的としたレバー６は、孔６５を介して、部分４から突き出ている可視ではないダボに取り付けられる一方、そのピボット６４は、部分３の折り返し縁３０の中に作られる孔３９の中に挿入される。

レバー６は、当然ながら一枚のカードの厚みに限定された厚みであり、また収容部３２または４２の中でレバーと連動されるカードが占める空間の中だけで可動である。

部分３と部分４の互いに対するスライドの際に、部分４は、レバー６の孔６５の中にはめ込まれる可視ではないそのダボを介して、孔３９の中にはめ込まれるピボット６４を介して部分３の上でレバーが回転するように導き、その結果可視ではない収容部４２の中に入れられたカードが取り出される。

同時に、部分３は、第二のレバー６の孔６５の中にはめ込まれるそのダボ３８を介して、折り返し縁４０の可視ではない孔の中にはめ込まれるピボット６４を介して部分４の上でレバーが回転するように導き、その結果収容部３２の中に入れられたカードが取り出される。

図４の実施形態についてのように、ピボット６４と孔６５の離隔距離は、カードの取出しについての力の波及レベルを決定する。

今度は図６を参照し、４枚までのカードを保管することが可能な変形例を見ることができる。部分３と４はそれぞれ二重の収容部を有し、二枚のカードが互いに独立して、可視ではない二つの張出し部分３３および４３を介して互いに平行にスライドすることができる一方、レバー６は、二重の収容部の厚みに相当する厚みをもつ近い部分６６と、厚さが半分に減らされたた末端の部分６７とを有するように形作られ、それにより近い部分６６と末端の部分６７の二つの部分の接合部に肩６８が作り出される。

部分３と部分４の互いに対するスライドの際に、レバー６がそれぞれ二枚のカードを、一枚は末端の部分６７を介して、もう一枚は肩６８を介して押し出し、その結果カードがずらされて取り出されることが理解されるだろう。

一般に、考慮される実施形態がいかなるものであっても、例えば磁石を介して、部分３の部分４に対するさまざまな位置のインデックス付けが可能であるが、該磁石は二つの部分３および４または５のさまざまな位置に、所望の動きを助長する方向に応じて配置される。

このように磁石が、部分３および４または５の端の位置で互いに引きつけ合ってその位置を示すこと、また中間位置で互いに反発し合ってスライドを助長することが想定可能である。

同様に一般に、ケースに留め具を準備することが可能であるが、該留め具は、上下に動くようにおよび／またはスライドするように取り付けられ、部分３と４が互いにスライドして開く際には折り畳むことができるものである。

さらに、二つの部分３および４が同一であるが非対称の構想であること、すなわち、一方をひっくり返した後に一方を他方に組み合わせることが可能であるように、組立の雄要素と雌要素を同時に有すること、が可能であることが注目されるであろう。

本発明にかかる保護ケースは、ケースに入れられる一枚または複数のカードを物理的に保護することばかりでなく、実施形態に応じて、含まれる情報の遠隔読取りから保護することも可能にする。

実際、非接触型クレジットカードの使用はますます拡大しているが、それにはカード所持者の銀行情報の遠隔読取りのような不正行為の危険性の増加が伴っているのである。

有利にはケースは、電波の通過を妨げることができる電磁障壁となり得る材料で、全体または一部を製作することができる。

外側の壁はこのように、金属で製作されるかまたは金属で覆われてもよく、また好ましくは、接触手段は、箱を形成するために前記金属製部分をつなげることを可能にする。

有利には、前述の接触手段は、ケースが閉まっている時に機能しまたケースが開いている時に機能しないように準備されて、ケースから出さずにただケースを開くだけでカードの非接触型機能を利用することが可能となることが注目されるだろう。

１ 保護用ケース
２ クレジットカード
６ レバー
２０ 前面
２１ 後面
２３ 縁
３０ 折り返し縁
３１ レール
３２ 収容部
３３ 張出し部分
３４ 収容部
３６ 穴
３７ ダボ
３８ ダボ
３９ 孔
４０ 折り返し縁
４１ 溝
４２ 収容部
５０ 折り返し縁
５１ 溝
５３ 柱脚
５４ ダボ
５５ リブ
５７ 開口部
５８ 孔
６０、６２ 孔
６３ 自由端
６４ ピボット
６５ 孔

欧州特許出願公開第０６７７２５７号明細書 仏国特許発明第２８９３２３３号明細書 国際公開第９６／１８３２０号 欧州特許出願公開第０２８７５３２号明細書

Claims (15)

1. 少なくとも二枚のクレジットカード（２）または類似物の保護用ケースであって、二つの平行な壁を含む、平らなカバーの形を呈しており、該二つの平行な壁の間に、保護すべきカード（２）を収容することを目的とした単数または複数の空間が設けられ、また一枚のカードの挿入または取出しを可能にする開口部を一端に備えているものであり、また該保護用ケースは前記二つの平行な壁の一つをそれぞれ含む少なくとも二つの部分（３、４、５）を含むこと、また前記少なくとも二つの部分（３、４、５）の一方がもう一方の部分上でスライドするように組み立てられること、また前記少なくとも二つの部分（３、４、５）がそれぞれ一枚のカード（２）を収容して留めておくように成型され、そのため一枚のカード（２）が中にスライドすることができる収容部（３２、４２、５２）を有し、前記収容部（３２、４２、５２）が一方では前記カードを中に保持することを可能にする前記カード（２）の可逆的締め手段を含み、また他方では前記カード（２）が入る前記部分（３、４、５）をスライドさせた後に前記カード（２）をスライドさせることによって取り出すことができる開口部を有していることを特徴とする、少なくとも二枚のクレジットカードまたは類似物の保護用ケース。
2. 少なくとも二つの部分（３、４、５）は、複数のカード（２）の中の一枚が他の部分（３、４、５）または別のカード（２）と接触することができないように、複数のカードの中の一枚を収容して留めておくように成型されており、またそのため前記少なくとも二つの部分（３、４、５）がそれぞれ、他の部分（３、４、５）と向かい合う側に収容部（３２、４２、５２）を有し、該収容部は一枚のカード（２）を多少の公差を伴って収容することが可能な横寸法を呈する一方で、開口部を備える前記端の辺に配置される縁に対して直角な二つの縁に、前記カード（２）を留めてかつスライドを可能にする、前記カード（２）の縁（２３）を覆い隠すことができる折り返し縁（３３、４３）を有し、該折り返し縁は、前記カード（２）が有するエンボス加工に由来する凹凸（２２）の厚みを明らかに超える厚みをもつものであり、またさらに該収容部は前記カードを前記収容部（３２、４２、５２）の中に保持することを可能にする前記カード（２）の可逆的締め手段を有していることを特徴とする、請求項１に記載の保護用ケース。
3. 三つの部分（３、４、５）、すなわち中央の部分（５）と、その上でスライドすることができる、それぞれ一枚のカード（３）を入れるように成型されている残りの二つの部分（３）それぞれを有することを特徴とする、請求項１または２に記載の保護用ケース。
4. 中央の部分（５）が、そのそれぞれの面上に、それぞれ一枚のカード（２）を受けることができる、収容部（５２）を有することを特徴とする、請求項３に記載の保護用ケース。
5. 一つの部分（３、４、５）のもう一方に対するスライドが、滑り溝による連結を介して得られ、部分のうちの一方が、もう一方の部分が有する二つの溝（４１、５１）に一つずつはめ込まれる二つのレール（３１）または類似物を有することを特徴とする、請求項１から４のいずれか一つに記載の保護用ケース。
6. 一つの部分（３、４）のもう一方に対するスライドが、滑り溝による連結を介して得られ、部分のうちの一つが二つの溝（４１）を有し、該二つの溝がそれぞれもう一方の部分が有する二つの溝（３６）の一つと向かい合わせて配置され、玉（Ｂ）やロール（Ａ）のような中間連結部材が、前記二つの部分（３、４）の間の向かい合った二つの溝（３６、４１）の中にはめ込まれていることを特徴とする、請求項１から４のいずれか一つに記載の保護用ケース。
7. 一つの部分（３）がもう一方の部分（４；５）に対してスライドするために、二つの部分のうちの一つが、もう一方の部分（４；５）に作られる溝（５６）の中にはめ込まれることを目的とした縦にスライドできるリブ（５５）を側面に有し、前記溝（５６）には、リブ（５５）の中に作られる縦の細長い開口部（５７）の中にはめ込むことができる軸または類似物（Ｖ）が横に伸びていることを特徴とする、請求項１から４のいずれか一つに記載の保護用ケース。
8. 一つの部分（３、４、５）の別の部分に対するさまざまな位置のインデックス付け手段を有することを特徴とする、請求項１から７のいずれか一つに記載の保護用ケース。
9. インデックス付け手段が、磁気手段から成ることを特徴とする、請求項８に記載の保護用ケース。
10. 一つの部分（３、４、５）の別の部分に対するスライド補助手段（Ｒ）を有することを特徴とする、請求項１から９のいずれか一つに記載の保護用ケース。
11. 補助手段がばね（Ｒ）から成ることができ、該ばねが、畳まれた状態の可逆的固定手段と連動して、広がる方向かまたは畳まれる方向にスライドを助長するように配置されていることを特徴とする、請求項１０に記載の保護用ケース。
12. カード（２）の可動式排出手段（６）を有しており、その可動性は一つの部分（３、４、５）のもう一方に対するスライドによって制御されるものであることを特徴とする、請求項１から１１のいずれか一つに記載の保護用ケース。
13. 一枚のカード（２）の収容部（３２、４２、５２）が取出し用の側と反対の側にレバー（６）を有するものであり、レバーは前記カード（２）が寄りかかるものであり、前記収容部（３２、４２、５２）を含む部分（３、４、５）に回転式に取り付けられ、またスライドする際に他の部分（３、４、５）によって回転させられることができるものであることを特徴とする、請求項１２に記載の保護用ケース。
14. 保護すべきカード（２）を収容することを目的とした空間が間に設けられている二つの平行な壁（３、４）が、電波の通過を妨げることができる障壁を前記壁（３、４）のそれぞれの部位に形成する材料を備えつけるか、または該材料から成ることを特徴とする、請求項１から１３のいずれか一つに記載の保護ケース。
15. 二つの障壁を連結することができる接触手段を有し、該接触手段は機能しない状態にすることができるものであることを特徴とする、請求項１４に記載の保護ケース。

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