JP2015512676A - 歯科用製品と方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(A)本発明の第1態様に係る自立型シェルが設置される歯の色を評価する方法、
(B)異なる色を有する一連の組成物の中から、本発明の第1態様に係る自立型シェルに成形される時、歯の外観に望ましい変化を提供する組成物を選択する方法、
そして
(C)選択された組成物を自立型シェルに成形する方法。
(A)着色サンプル一式の中から、処置される歯の色に適合するサンプルを選択する方法と
(B)選択されたサンプルと、自立型シェルに成形されて歯の上に設置される時、歯に望ましい外観を与える高分子組成物とを、関連付ける方法。
本明細書において、そのあとに数字が続く“少なくとも”(at least)という用語は、その数字で始まる範囲(定義される変数によって、上限のある範囲かもしれないし、上限の無い範囲かもしれない)の最初を示す為に使われる。本明細書において、そのあとに 数字が続く“多くても”(at most)という用語は、その数字で終わる範囲(定義される変数によって、1か0を下限とする範囲かもしれないし、或は、下限を持たない範囲かもしれない)の終わりを示す為に用いられる。範囲が、“(一つ目の数字)から(二つ目の数字)”、或は、“(一つ目の数字)―(二つ目の数字)”のように示される場合、これは、一つ目の数字を下限とし、二つ目の数字を上限とする範囲を意味する。本明細書において“複数の“(plural)、“多数の”(multiple)、“複数”(plurality)、“多数”(multiplicity)という用語は、二つ、或は、二つ以上の特徴を示す為に用いられる。
本発明に用いられた自立型シェルの高分子組成物に含まれる高分子は、ホモポリマーもしくはランダムコポリマー、ブロックコポリマー、或は、グラフトコポリマーのいずれであってもよい。前記の高分子組成物は、単一高分子もしくは2種類或はそれ以上の高分子の混合物を含有することができる。一般に、ポリマーは実質的に透明であるため、自立型シェルの光学特性は、ポリマーに混合される光学添加物に支配される。しかし、本発明は、ポリマーが光を散乱させる半結晶性ポリマーである可能性を含んでいる。
(1)ポリマーは、熱可塑性高分子を含有する。
(2)ポリマーは、熱硬化型高分子を含有する。
(3)ポリマーは、エラストマー(弾性体)であり、好ましくは、破断伸度が200%を上回り、100%弾性率が3000PSI以下(D50に対する値、或は、TPU以下)のエラストマーである。
(4)ポリマーは、ポリエステル、たとえば、ポリエチレンテレフタレートグリコールポリマー(PETG)である、例えばEaster and Durasterの商品名でEastman Chemical社から販売されているポリエステルの一つであり、あるいは、Hytrelの商品名でDu Pont社から販売されているポリエステルの1つである。
(5)ポリマーはポリウレタンである。例えば、Isoplastの商品名でLubrizol Corporationから販売されているような硬質ポリウレタン、あるいは、商品名PellethaneでLubrizol Corporationから、商品名ElastollanでBASF社から、そして、商品名TexinでBayer社から販売されている熱可塑性ポリウレタン(TPU)の中の一つである。
(6)前記のポリマーは、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、鎖状低密度ポリエチレンを含むポリオレフィン;または、エチレンと1つあるいはそれ以上のコモノマー、例えば、他のα−オレフィン、ビニールアセテート、アクリル酸、メタアクリル酸、メチルアクリル酸塩、エチルアクリル酸塩、そして、ブチルアクリル酸塩からなる群から選択されたコモノマーとからなるコポリマー;または、ポリプロピレン、例えば、不純物を除去されたポリプロピレン;または、プロピレンコポリマー、例えば、不純物を除去されたプロピレンコポリマー;または、ポリスチレン;または、スチレンと1つあるいはそれ以上のコモノマー、たとえば、アクリルコモノマー、アクリロニトリル、ブタジエンからな成る群から選択されたコモノマーとのコポリマー、そして、スチレンとエチレン、エチレンとプロピレン、イソプレンとブタジエンのブロックコポリマー;サイクリックオレフィンのポリマー;そして、ポリメチルペンテンを含む。
(7)ポリマーはアクリル、或は、メタアクリル樹脂であり、ポリアクリロニトリルやアクリロニトリルのコポリマーを含む。
(8)ポリマーは脂肪族、或は、芳香族、或は、脂肪族と芳香族の混合ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエーテル、アイオノマー樹脂、或は、セルローズエステルまたはエーテルである。
(9)ポリマーはフッ素重合体である、例えば、ポリフッ化ビニリデン、フッ化エチレンプロピレン、ポリ塩化ビニル、あるいは商品名Kynanflexで販売される製品である。
高分子組成物は単一の光学添加物、或は、2つあるいはそれ以上の光学添加物を含む。高分子組成物は光学添加物ではない他の添加物を含む事が出来る。光学添加物は、色素、染料、光散乱粒子や蛍光物質からなる群から選択される1つあるいはそれ以上の光学添加物である。
(1)光学添加物は、0.76mmの厚さを有する高分子組成物のサンプルに分散される時、約550から約700nmの波長領域の光を、優先的に吸収する。そこでD65光源を標準光源として用いて、参照白色サンプル(例えば白色タイル)に対して測定される時、白色タイルとポリマーシートの組み合わせに対するLAB色値は、約18と95の間のL値、約−2から+2のA値、約−1から−10のB値となる。
(2)前記光学添加物には青から紫の範囲の色、例えばウルトラマリンブルー、ウルトラマリンバイオレット、酸化マンガン、フタロシアン、バイオレット92、バイオレット11C、ブルー385、ブルー214、ブルー30C591、ブルー30C588、FDCブルー#1、ブルー214の色素または染料が含まれる。そのほかに使用できる青と紫の色素として以下のもの(CI名で記載)が含まれる。PB 1,PB 1:2;PB 9,PB 15;PB 15:1,PB 15:2,PB 15:3,PB 15:4,PB 15:6,PB 15:34;PB 16,PB 17,PB 24,PB 25,PB 27,PB 28,PB 29,PB 30,PB 31,PB 34,PB 35;PB 36;PB 36:1,PB 60,PB 61,PB 61:1,PB 62,PB 63,PB 66,PB 68,PB 71,PB 72,PB 73,PB 74,PB 75,PB 76,PB 79,PB 80,PB 81,PB 82,PB 84,PB 128,PV 1,PV 1:1,PV 1:2,PV 2,PV 2:2,PV 3,PV 3:1,PV 3:3 PV 5,PV 5:1,PV 7,PV 13,PV 14,PV 15,PV 16,PV 18,PV 19,PV 23,PV 25,PV 27,PV 29,PV 31,PV 32,PV 36, PV 37,PV39,PV 42,PV 44,PV 47,PV 48,PV 49,PV 50,PV55,PV 58とPV 17。
(3)前記光学添加物には赤色の色素または染料、例えばNR 1.NR 2,NR 3,NR 4,NR 6,NR 8,NR 9,NR 10,NR 11,NR 12,NR 16,NR 20,NR 22,NR 23,NR 24,NR 25,NR 26,NR 28,NR 31,PR 1,PR 2,PR 3,PR 4,PR 5,PR 6,PR 7,PR 8,PR 9,PR 12,;PR 13,;PR 14,PR 15,PR 17,PR 19,PR 21,PR 22,PR 23,PR 31,PR 32,PR 38,PR 39,PR 47,PR 48,tPR 48:1,PR 48:2,PR 48:3,PR 48:4,PR 49,PR 49:1,PR 49:2,PR 52:1,PR 52:2,PR 53,PR 53:1,PR 57,PR 57:1,PR 57:2,PR 58:4,PR 60,PR 60:1,PR 61,PR 62,PR 63,PR 63:1,PR 69,PR 81,PR 81:1,PR 81:2,PR 81:3,PR 81:4,PR 83,PR 83:1,PR 83:3,PR 85,PR 88,PR 89,PR 90,PR 90:1,PR 101,PR 101:1,PR 102,PR 103,PR 104,PR 105,PR 106,PR 107,PR 108,PR 108:1,PR 109,PR 112,PR 113,PR 113:1,PR 114,PR 119,PR 120,PR 121,PR 122,PR 123,PR 139,PR 144,PR 146,PR 147,PR 148,PR 149,PR 150,PR 160,PR166,PR 168,PR 169,PR 170,PR 170:1,PR 171,PR 172,PR 173,PR 174,PR 175,PR 176,PR 177,PR 178,PR 179,PR 180,PR 181,PR 183,PR 184,PR 185,PR 187,PR 188,PR 190,PR 192,PR 193,PR 194,PR 200,PR 202,PR 204,PR 206,PR 207,PR 208,PR 209,PR 210,PR 211,PR 212,PR 213,PR214,PR 216,PR221,PR 223,PR 224,PR 226,PR 230,PR 231,PR 232,PR 233,PR 235,PR 236,PR 238,PR 239,PR 242,PR 243,PR 245,PR 251,PR 252,PR 253,PR 254,PR 255,tPR 256,PR 257,PR 258,PR 259,PR 260,PR 262,PR 264,PR 265,PR 266,PR 268,PR 269,PR 270,PR 271,PR 272,PR 273,PR 274,PR 275,PR 276,PR 279,PR 282,PR 286,PR 287,PR 288とPR 571が含まれる。
(3)前記光学添加物には光散乱(反射)粒子、好ましくは、0.76mmの厚さの高分子組成物の試料を自然光にさらすと、入射光の約5%から50%、好ましくは5%から25%が反射する光散乱粒子が含まれる。(上記に)適する光散乱粒子としては、二酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、窒化ホウ素、シリカ、雲母、球状ガラス粒子が含まれる。シェルの中にそのような添加物が存在すると、入射光の一部が、歯牙に吸収される前に反射されるため、歯牙の自然な色(通常は黄色および赤みがかった黄色)を隠す傾向がある。反射される入射光の量が5%を下回るとその改善効果はわずかである。一方で、反射される入射光の量が50%を超えると、歯が、自然のように知覚されないレベルにまで、(シェルをかぶせた)歯牙の組織の知覚度が、減少する。
(4)前記光学添加物は、およそ400nmより短い波長の紫外線を吸収し、約400nmから600nmの範囲の波長の光を発する蛍光物質を含む。これらの蛍光物質は光沢剤ともよばれる。蛍光物質は、任意で、約550から700nmの範囲の波長をもつ光を吸収することもできる。染料 及び/或は 色素の少なくともいずれか一方は、反射光が可視波長域全体でより等しくバランスが保たれる(各原色がより等しく含まれる)ような、光の選択的な吸収を引き起こす。その結果として、シェル内に染料 そして/または 色素の少なくともいずれか一方が存在すると、歯の色をより白色に近く見せる。一方でまた、染料または色素の少なくともいずれか一方は、反射される光の総量を減少させるため、歯は本来の明るさには見えない。蛍光物質は可視波長域外の光を吸収し、かつ可視スペクトルの紫―青―緑領域の光を発することにより、歯をより白く、そして、より明るく見せる事が出来る。多くの蛍光物質が知られており、それらの化学構造は多岐にわたる。それらには、例えば、トリアジン−スチルベン、クマリン、イミダゾリン、ジアゾール、トリアゾール、ベンゾオキサゾリンおよびビフェニール−スチルベンが含まれる。特定の光学増白剤としては以下のCAS番号で示される物質が含まれる。7128−64−5、1533−45−5、2397−00−4、5089−22−5、40470−68−6、13001−38−2、13001−39−3、58449−88−0、13001−40−6、16470−24−9、2226−96−2、4193−55−9、27344−41−8および6090−02−1。
本発明で使用される自立型シェル内の高分子組成物にはポリマー、例えば、上記で開示したポリマー、と光学添加物、例えば上記で開示した添加物が含まれる。時として、高分子組成物の形状が厚さ0.5mmの均一なシートの場合には、高分子組成物の全透過率が約80%より大きく、ASTM D 1003で測定した拡散透過率が約50%を超えることが望ましい。
本発明に使用される高分子組成物やそれらの組成物を含む高分子シートは、高分子技術の専門家によく知られている従来の方法によって作成される。
自立型高分子シェルは、しばしば、望ましい組成の高分子シートを成形することにより作成すると便利である。高分子シートは、下記の特性のいづれか一つ、或いは、それ以上の特性のあらゆる可能な組み合わせを、任意に持つ事が出来る。
1.0.10−2mm、好ましくは0.15−1.5 mmの均一な厚さの平らなシートである。
2.外周が円、楕円、或いは、長方形(正方形を含む)であり、例えば10−100平方インチの面積を有する平らなシートである。
3.大人もしくは子供の上顎もしくは下顎の歯の模型を完全に覆うような面積を有する平らなシートであり、例えば円板状の平らなシート、もしくは円板の一部(例えば半分)である平らなシートである。
4.高分子組成物が、シートのいたるところで同一である。
5.高分子組成物が、シートの上部から底部の間で変動する。例えば、シートの厚さ方向の位置が異なると、添加物(または、一つもしくはそれ以上の添加物)の濃度が異なり、一つ、或は、それ以上の厚み方向位置では添加物が無い(或いは、一つあるいはそれ以上の添加物のいづれもがない)という可能性も含む。
6.シートが、異なる高分子組成物の2層あるいはそれ以上の層を有するラミネートである。たとえば、(1)シートが自立型シェルに成形される時にシェルの外面ではない層、たとえば、三層ラミネートの中心層に光学漂白剤を含むラミネートである、あるいは(2)i)シートが自立型シェルに成形される時に歯に接触する層であり、光学添加物の第1の濃度を含む第1の層、および、ii)シートが自立型シェルに成形される時に露出される層であり、光学添加物を含まないか、或いは、第1の濃度より実質的に低い第2の濃度、例えば、多くても第1の濃度の0.2倍の光学添加物を含む第2の濃度を含む第2の層からなるラミネートである。異なる層のポリマーは、一般的には同一であるが、異なっていてもよい。
7.シートが種々の厚さをもち、歯型の上に熱形成される時、熱形成されたシートの各々の部分は、少なくとも0.1mm、少なくとも0.15mm、少なくとも0.2mm、或いは、少なくとも0.3mmの厚さ、そして、多くても1.5mm、好ましくは,多くても1mmの厚さ、好ましくは0.2−1.0mmの範囲の厚さを有する。
8.シートは図7に示されたEエリア内の色を持つ。
9.シートは、実質的に、蛍光物質を含まない。またシートは、白色タイル上で測定される時、下表に示すようなLABスケールのL値、A値、そしてB値をもつ。
L値は全(反射)光なので(Lは100)、シートが蛍光物質を含まない場合、添加される染色剤は常にL値を100以下に減少させる。いくつかの実施例において、シートは約85より大きいL値、約−0.5より大きく約6.0より小さいA値、約−1.0から−15.0のB値を有する。
10.シートは蛍光剤および任意で他の光学剤を含み、約300から約400nm(UV)の周波数でD65光源にフィルターをかけた光を含む光源を用いて、白色タイルの上で測定すると、下表に示すようなLABスケールのL値、A値そしてB値を有する。
いくつかの実施例において、L値は約85より大きく、A値は−1.0から6.0の間にあり、そしてBは−1.0から−10.0、好ましくは−1.0から−5.0の間にある。
11.シートの透明度が75%より大きく、好ましくは85%より大きい。
12.シートはロール状で、幅5−6インチ(127−152 mm)、長さ50−100フィート(15−30 m)である。
13.複数のシート、たとえば20、50、100或いは500シートが、一緒に梱包される。
14.シートの含水量が1%以下、好ましくは0.5%以下である。
15.シートは、シートの変色を防止するように制御された条件下での乾燥を含む製造工程で作成される。
自立型シェルは、いかなる適切な方法でも作成出来る。ある実施形態において、自立型シェルは、高分子組成物を含むシートを、例えば、シェルが装着される歯の歯列模型上で熱加工成形する事によって、作成される。
自立型シェルは、装着される歯の前方の少なくとも主要な部分、好ましくは実質的には歯の表面全体に、密接に適合する必要がある。一般的には、シェルは、装着者によって簡単に歯から取り外す事が出来る(それは、例えば、食事、或は、通常の歯のクリーニングの為には望ましい)。しかし、本発明は、シェルがより永久的に歯に固定される可能性を含む。
(1)シェルの平均厚みは、少なくとも0.1mmであり、好ましくは、少なくとも0.15mm、最大でも1.5mmである。シェルの唯一の目的が、歯の外観を変える事である場合には、平均厚みは、最大でも0.5mm或は0.4mmであることが望ましい。シェルが、歯列矯正治療過程で、例えば、保定装置(リテーナー)或は、他の歯科装置として用いられる場合、シェルの平均厚みは、より厚く、例えば、少なくとも0.5mm、或は、少なくとも0.6mmである。
(2)シェルが、均一な厚みのポリマーシートを熱成形加工する事によって製作される場合、シェルの厚みは場所によって異なり、その厚さは熱成形加工中のシートの変形量に依存する。熱成形したシェルの唯一の目的が、歯の外観を変える事である場合には、その厚さは、一般的に、少なくとも0.06mm,少なくとも0.08mm,少なくとも0.1mm、或は、少なくとも0.2mm,少なくとも0.3mm,少なくとも0.4mm,少なくとも0.5mm,少なくとも0.6 mm、或は、少なくとも0.7mmであり、そして多くても1.0mm,或は、多くても0.8mmである。熱成形されたシェルが、また、歯列矯正治療過程で用いられる場合には、一般的に、その厚さは、少なくとも0.5mm,少なくとも0.6mm、そして、0.7mm,少なくとも0.8mm,少なくとも0.9mm,少なくとも1.0mm,少なくとも1.1mm,少なくとも1.2mm,少なくとも1.3mm、或は、少なくとも1.4mmであり、多くても1.5mmである。シェルの唯一の目的が、歯の外観を変えることである場合、厚さは、0.2から0.06mmの範囲の厚さであることが好ましく、0.3から0.5mmの範囲の厚さが特に好ましい。熱成形されたシェルが、歯列矯正治療過程にも用いられる場合、0.3から1.0mmの範囲の厚さが好ましく、0.5から0.8mmの範囲の厚さが、特に好ましい。
(2)ポリマーシェルは、一種類、或は、それ以上の光学的添加物を含む。シェルの光学特性を変化させる添加物の濃度は、歯の表面から離れた部分よりも歯の表面に近い部分でより濃くする事が出来る。例えば、歯の表面から離れた位置にあるシェル表面のポリマーは、光学的添加物を、実質的に含まなくてもよい。光学的添加物が、シェル内に均一分散している場合、歯が、シェルの外面に向けて拡張しているように見える“fattening”(膨張)効果が、しばしば生ずる。
シェルの外面が白く不透明であるような極端な事例では、シェルの比較的平滑な外面のみが知覚され、実際の歯の表面は知覚されない。好ましい実施例では、シェルの着色部分の厚さは、約0.5mm以下であり、好ましくは、約0.25mm以下であり、時には、0.1mm以下である。
(3)シェルの少なくとも一部は、全可視光透過率が約75%以上であり、白色タイル上で測定した場合のLAB透過値は、L値が85以上、A値が約−1.0から約6、好ましくは、約−1から約3であり、B値が、約−1.0から約−15、好ましくは、約−1.0から−5.0である。
(4)熱成形シェルの少なくとも一部は、例えば図1Aと図4に示されるように、歯肉線を越えて(歯の上端、或は、下端を超えて)広がる。熱成形シェルのうち歯肉線を越えて広がる部分が、約75%以上の全可視光透過率を有する場合、シェルの歯肉線を越えて広がる部分は、本質的に見えない。
本発明の第3の態様では、シェルを装着する歯の色を評価する事によって選択された高分子組成物を利用する事が好ましい。その選択は、異なる色を有する一連の高分子組成物からなされる。しかし、本発明は、その組成物が、多くの“標準色”の中の一つである可能性を含む。歯の色の評価は、歯科医によって実施する事が出来、適切な高分子組成物の選択は、その歯科医、もしくは、別な場所の第3者によって、なされる事が出来る。
本発明の第4の態様には、(A)シェルが装着される歯の色の評価をするステップ、および、(B)ステップ(A)の評価に基づいて、異なる色を有する一連の組成物から1種類の組成物を選択するステップ、が含まれる。その方法は、好ましいステップとして、(C)選択された組成物を、自立型シェルに成形するステップを含むこともできる。これらのステップは、同一人物(通常は、歯科医)によって実施されること、或は、ステップ毎に異なる人物によって実施されること、或は、ステップAとBは同一人物(通常、歯科医)によって実施され、ステップCは異なる人物により実施されること、或は、ステップAは一人の人物(通常、歯科医)により実施され、ステップBとCは異なる人物によって実施されることができる。
本発明の第5態様は、下記を含む、方法である。
(A)一連の着色サンプルから、処置する歯の色に適合するサンプルを選択する。
(B)選択されたサンプルを、自立型シェルに成形されて歯に装着されると、歯に望ましい外観を与える高分子組成物と、関連づける本発明の第5の態様の最初の実施例において、サンプルは、(i)ヒトの口腔内に歯が装着出来るような大きさに形成され、(ii)歯の天然色に合致する一連の色を有し、そして、(iii)サンプルと関連づけられた高分子組成物が本発明の第1態様に従って自立型シェルに成形されると歯に望ましい外観を与えるように、異なる量の光学的添加物を含む種々の組成物と関連づけられる。一連のサンプルは、自立型シェルに成形されると歯に望ましい外観を与えるような種々の組成物と関連づけられているということを除いては、すでに知られている一連のサンプルでよい。一連のサンプルは、例えば、少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも4種、少なくとも5種、少なくとも6種、少なくとも7種、少なくとも8種、少なくとも9種、少なくとも10種、例えば、少なくとも20種、例えば、20〜50種の異なるサンプルを含む事が出来る。一連のサンプルは、関連づけられた高分子組成物から作成されたシェルを装着すると歯がどのように見えるかを示す写真、或は、デジタル画像によって補完され得る。
本発明の第6態様は、本発明の第3或は第5態様の方法で、例えば、シェルが装着される歯の物理模型の周囲にそのシートを熱成形する事によって用いられる高分子組成物のシートを、提供する。
本発明の第7の態様は、一連の高分子組成物のシートを、提供する。
そのシートは、(i)異なる量の光学的添加物を含む種々の組成物(通常、光学的添加物の量を除いて、同一の組成物)から構成され、(ii)本発明の第1の態様に従って、自立型シェルを形成出来るようなシートである。例えば、種々のシートのそれぞれについて、少なくとも2枚,少なくとも3枚,少なくとも4枚,望ましくは、少なくとも5枚,例えば5〜20枚の、同一サンプルが、存在しうる。
本発明の第8の態様は、本発明に用いられる新規の高分子組成物を提供する。その組成物は、上述の特性のいくつか、或いは、全てを、保有することが出来る。
歯が欠損している場合、義歯(いわゆる架工歯(“pontic”))を含むブリッジを作ることによって、欠損部分は、便宜的に、隠される。本発明は、歯の欠損部分を、補正する別の方法を提供する。シェルは、欠損歯に相当する部分と共に形成する事が出来、シェルのその部分の内部は、天然歯と同じ色を持つ充填材によって、部分的、或は、全面的にコーテイングされるか、充填される。本発明のシェルを用いて、充填物の色を天然歯に適合させることの方が、架工歯の色を、天然歯に適合させるよりも、著しく容易である事が、明らかにされている。
もし、必要であれば、歯列矯正治療の為に、自立型シェルの一つ、或いは、複数の部位は、一本、或いは、複数本の歯の本来の位置からずらして、設置される。それによって、シェルが所定の位置に装着されると、一本、或いは、複数本の歯に対して、望ましい方向に歯を移動させる力が、加わる。このような用途の場合、美容目的のみのシェルに必要な硬さ、或いは、望ましい硬さより更に硬くする必要がある。例えば、歯列矯正装置に対しては、熱加工前の厚みが、0.5〜0.8mmの高分子シートを用いる事、及び、高分子組成物の曲げ弾性率が、1000〜3000MPaである事が、望ましい。
表1の組成物A〜Fは、着色した、及び、着色していない硬質ポリウレタンから作成された。CPU664とZendura Aは、着色化している。Isoplast2530は、着色化していない。
通常範囲の歯の色の参照値は、参考文献から引用されている。
表2.シェルを装着した右門歯と装着していない右門歯の色
黄色の値が、24から16に減少している点が、注目される。この例の場合、UB−1シェルは、元の歯の色を若干修正しすぎている。着色化したプラスチックシートの好ましい初期値は、LAB色彩値が、およそ、L=97,A=1.0、B=−2.0となる事が、予測される。
下表3に示されるサンプルA〜Gは、スチレン共重合体K Resin BK10(Chevron Phillips,LLC社製)を、表3に示される量の合成成分と混合することによって、作成された。表3の合成成分OB−1は、光学増白剤2,2−(1,2−ethenediyldi−4,1−phenylene)bisbenzoxazole(Keystone Aniline Corporation社製)である。その合成成分を、密閉式混合機で、混合し、約0.65mmの厚さのシートに、プレス加工した。そのシートを、実施例1に示すようなシェルに成形し、個人Aの上歯に適用した。
表3.K−Resinの組成
個人Aの右の門歯が、シェルA,B,そしてC、UB−1,UB−2,で覆われた時の色値、そして、2つの比較対照値(何にも覆われていない個人Aの右の門歯の色値の独立した2回の測定値)を、測定し、その結果を、下表4に示した。
表4.測定された色値
組成成分Eで作成されたシェルは、不透明(光透過率50%未満)であり、シェルの不透明度が、歯間部分を隠す為、個々の歯牙が、望んだ通りには見えないので、歯牙美白用シェルとしては、好ましくないと判断された。しかし、組成成分Eのシェルは、架工義歯が用いられている場合のような歯の欠落部分を隠す事が望まれる場合には、価値を有する。
表5.
いずれの光照射方法においても、色値データは、黄色(の色値)の劇的な減少と、歯の色の改善を示している。
PETG樹脂(Eastar 6763)は、ウルトラマリンブルーとウルトラマリンバイオレット色素マスターバッチとを化合させ、0.07mmの厚さのシートに押し出し成形されている。色素の量は、そのシートを白色タイル上で測定したLAB色値が、L=94,A=1.3,B=−2.5となるように(調整されている)。歯科用印象は、プラスチック製歯科用トレーとアルギン酸を用いて、個人の上歯と下歯から作成される。歯科用硬石膏は、100グラムの石膏と24グラムの水を混合して、アルジネート型の中に流し込み、固化させる事により作成される。石膏型は、取り外して、洗浄される。円盤状サンプル(デイスク:Disks)は、押し出し成形シートを直径125mmのサンプルに型抜きし、80度Cで、2時間乾燥することによって、作成される。乾燥したデイスクは、Great Lakes Dentalによって製造販売されているBiostar(登録商標)thermoformer(熱成形機)を用いて、石膏模型上で、加圧成形される。熱成形部品は、石膏模型から取り外され、歯肉線に沿って切り取って、洗浄される。色測定は、シェルが、歯牙に装着される前後に、個人の歯牙上で、なされる。
説明1.光学的添加物を含む高分子組成物から成り、複数の歯をかぶせるように形成された空孔部を含むシェルは、平均厚みが、0.1mm〜1.5mmで、好ましくは、0.2〜1.5mm、そして、透明度は、75%以上、好ましくは、85%以上、シェルで覆われた時に観察される歯の色は、(i)シェルが無い歯の色よりも実質的に黄色が薄く、そして/或は、(ii)シェルで覆われた時の歯の観察色が、少なくとも、歯の色分類システムに従って、シェルが無い同じ歯の色よりも、一段階明るく、そして/或は、(iii)シェルで覆われた時の歯の観察色が、シェルの無い同じ歯の色よりも明るく輝いている。
説明2.説明1に(記載された)高分子組成物から成るシェルは、ポリエチレンやポリエステルのようなポリオレフィンから構成されるグループから選択されたポリマーに基づいている。 そのポリマーは、)例えば、ポリエチレン・テレフタレート・グリコール樹脂(PETG)のような共重合体(コポリマー)、硬質ポリウレタンを含むポリウレタン、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリプロピレンとプロピレン共重合体、アクリル及びメタクリル樹脂そして共重合体、ポリスチレンと共重合体(ランダム及びブロック共重合体、エラストマー、フルオロポリマーを含む)を含む。
説明3.説明1、或いは、説明2に記載されたシェルに含まれる光学添加物は、一種類或いは複数の色素、染料、光散乱粒子、そして、光学特性を有する蛍光材料を、含む。
説明4.説明1、或いは、説明2に記載されるシェルに含まれる光学添加物は、ウルトラマリン色素、ウルトラマリン・ブルー、ウルトラマリン・バイオレット、コバルトを主とする色素、そして、樹脂可溶性染料から構成される群から選択される。
説明5.説明1、或いは、説明2に記載されるシェルに含まれる光学添加物は、酸化チタン、硫化バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、マイカ、そして、酸化亜鉛から構成される群から選択される材料を、含む。
説明6.説明1、或いは、説明2に記載されたシェルに含まれる光学添加物は、390nm以下の波長の光を吸収し、400nm から600nmまでの波長の光を放射する蛍光材料を、含む。
説明7.説明1或いは説明2に記載されるシェルに含まれる光学添加物は、約550nmから約700nm の波長領域の光を吸収する蛍光材料、及び、色素、或いは、染料を含む。
説明8.説明1から説明5までのいずれかに記載されたシェルは、蛍光剤を含まない。また、歯に装着されないで、白色タイル上でLABスケールを測定する時、そのシェルのLの値は、50〜99、好ましくは、75〜99、より好ましくは、80〜99、特に好ましくは、85〜99であり、Aの値は、−1〜10、好ましくは −3〜6、より好ましくは、−2〜5、特に好ましくは、−1〜5、例えば、0.5〜5、そして、Bの値は、−1〜−14、好ましくは、−10〜−1、例えば、−10〜−2、より好ましくは、−7〜−1、特に好ましくは、−5〜−1.5である。
説明9.説明1〜7のいづれかに記載されたシェルは、蛍光剤から成る光学添加物を含み、歯に装着されないで“D65(標準光源)に対して、フィルターをかけた約300〜400nmの波長を有する光を含む光源”を用いて、白色タイル上で、LABスケールを測定する時、そのシェルのL値は、75〜110、好ましくは、80〜110、より好ましくは、85〜110、特に好ましくは、85〜99、A値は、−3〜6、より好ましくは、−2〜5 、特に好ましくは、−1〜4、そして、B値は、−10〜−1、より好ましくは、−7〜−1、特に好ましくは、−5〜−1.5である。
説明10.説明1〜9のいづれかに記載されているシェルにおいては、入射光の約10%から約50%が、(シェルの)下にある歯よりもシェルから反射されている。
説明11.説明1〜10のいづれかに記載されているシェルは、シェルが、歯牙に対する歯列矯正治療を提供する。
説明12.説明1〜11のいづれかに記載されているシェルは、シェルが、2層、或は、それ以上の層から構成され、最も外側の層は、他の層よりも、低い濃度の光学活性物質を含む。
説明13.説明12に記載されたシェルの最も外側の層は、0.2から0.7mmの厚さである。
説明14.高分子組成物のシートは、説明1〜13のいづれかに記載されているシェルに、熱成型される。
(1)ポリマーは、熱可塑性高分子を含有する。
(2)ポリマーは、熱硬化型高分子を含有する。
(3)ポリマーは、エラストマー(弾性体)であり、好ましくは、破断伸度が200%を上回り、100%弾性率が3000PSI以下のエラストマーである。
(4)ポリマーは、ポリエステル、たとえば、ポリエチレンテレフタレートグリコールポリマー(PETG)である、例えばEaster and Durasterの商品名でEastman Chemical社から販売されているポリエステルの一つであり、あるいは、Hytrelの商品名でDu Pont社から販売されてい
るポリエステルの1つである。
(5)ポリマーはポリウレタンである。例えば、Isoplastの商品名でLubrizol Corporationから販売されているような硬質ポリウレタン、あるいは、商品名PellethaneでLubrizol Corporationから、商品名ElastollanでBASF社から、そして、商品名TexinでBayer社から販売されている熱可塑性ポリウレタン(TPU)の中の一つである。
(6)前記のポリマーは、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、鎖状低密度ポリエチレンを含むポリオレフィン;または、エチレンと1つあるいはそれ以上のコモノマー、例えば、他のα−オレフィン、ビニールアセテート、アクリル酸、メタアクリル酸、メチルアクリル酸塩、エチルアクリル酸塩、そして、ブチルアクリル酸塩からなる群から選択されたコモノマーとからなるコポリマー;または、ポリプロピレン、例えば、不純物を除去されたポリプロピレン;または、プロピレンコポリマー、例えば、不純物を除去されたプロピレンコポリマー;または、ポリスチレン;または、スチレンと1つあるいはそれ以上のコモノマー、たとえば、アクリルコモノマー、アクリロニトリル、ブタジエンからな成る群から選択されたコモノマーとのコポリマー、そして、スチレンとエチレン、エチレンとプロピレン、イソプレンとブタジエンのブロックコポリマー;サイクリックオレフィンのポリマー;そして、ポリメチルペンテンを含む。
(7)ポリマーはアクリル、或は、メタアクリル樹脂であり、ポリアクリロニトリルやアクリロニトリルのコポリマーを含む。
(8)ポリマーは脂肪族、或は、芳香族、或は、脂肪族と芳香族の混合ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエーテル、アイオノマー樹脂、或は、セルローズエステルまたはエーテルである。
(9)ポリマーはフッ素重合体である、例えば、ポリフッ化ビニリデン、フッ化エチレンプロピレン、ポリ塩化ビニル、あるいは商品名Kynanflexで販売される製品である。
(1)光学添加物は、0.76mmの厚さを有する高分子組成物のサンプルに分散される時、約550から約700nmの波長領域の光を、優先的に吸収する。そこでD65光源を標準光源として用いて、参照白色サンプル(例えば白色タイル)に対して測定される時、白色タイルとポリマーシートの組み合わせに対するLAB色値は、約18と95の間のL値、約−2から+2のA値、約−1から−10のB値となる。
(2)前記光学添加物には青から紫の範囲の色、例えばウルトラマリンブルー、ウルトラマリンバイオレット、酸化マンガン、フタロシアン、バイオレット92、バイオレット11C、ブルー385、ブルー214、ブルー30C591、ブルー30C588、FDCブルー#1、ブルー214の色素または染料が含まれる。そのほかに使用できる青と紫の色素として以下のもの(CI名で記載)が含まれる。PB 1,PB 1:2;PB 9,PB 15;PB 15:1,PB 15:2,PB 15:3,PB 15:4,PB 15:6,PB 15:34;PB 16,PB 17,PB 24,PB 25,PB 27,PB 28,PB 29,PB 30,PB 31,PB 34,PB 35;PB 36;PB 36:1,PB 60,PB 61,PB 61:1,PB 62,PB 63,PB 66,PB 68,PB 71,PB 72,PB 73,PB 74,PB 75,PB 76,PB 79,PB 80,PB 81,PB 82,PB 84,PB 128,PV 1,PV 1:1,PV 1:2,PV 2,PV 2:2,PV 3,PV 3:1,PV 3:3 PV 5,PV 5:1,PV 7,PV 13,PV 14,PV 15,PV 16,PV 18,PV 19,PV 23,PV 25,PV 27,PV 29,PV 31,PV 32,PV 36, PV 37,PV39,PV 42,PV 44,PV 47,PV 48,PV 49,PV 50,PV55,PV 58とPV 17。
(3)前記光学添加物には赤色の色素または染料、例えばNR 1.NR 2,NR 3,NR 4,NR 6,NR 8,NR 9,NR 10,NR 11,NR 12,NR 16,NR 20,NR 22,NR 23,NR 24,NR 25,NR 26,NR 28,NR 31,PR 1,PR 2,PR 3,PR 4,PR 5,PR 6,PR 7,PR 8,PR 9,PR 12,;PR 13,;PR 14,PR 15,PR 17,PR 19,PR 21,PR 22,PR 23,PR 31,PR 32,PR 38,PR 39,PR 47,PR 48,tPR 48:1,PR 48:2,PR 48:3,PR 48:4,PR 49,PR 49:1,PR 49:2,PR 52:1,PR 52:2,PR 53,PR 53:1,PR 57,PR 57:1,PR 57:2,PR 58:4,PR 60,PR 60:1,PR 61,PR 62,PR 63,PR 63:1,PR 69,PR 81,PR 81:1,PR 81:2,PR 81:3,PR 81:4,PR 83,PR 83:1,PR 83:3,PR 85,PR 88,PR 89,PR 90,PR 90:1,PR 101,PR 101:1,PR 102,PR 103,PR 104,PR 105,PR 106,PR 107,PR 108,PR 108:1,PR 109,PR 112,PR 113,PR 113:1,PR 114,PR 119,PR 120,PR 121,PR 122,PR 123,PR 139,PR 144,PR 146,PR 147,PR 148,PR 149,PR 150,PR 160,PR166,PR 168,PR 169,PR 170,PR 170:1,PR 171,PR 172,PR 173,PR 174,PR 175,PR 176,PR 177,PR 178,PR 179,PR 180,PR 181,PR 183,PR 184,PR 185,PR 187,PR 188,PR 190,PR 192,PR 193,PR 194,PR 200,PR 202,PR 204,PR 206,PR 207,PR 208,PR 209,PR 210,PR 211,PR 212,PR 213,PR214,PR 216,PR221,PR 223,PR 224,PR 226,PR 230,PR 231,PR 232,PR 233,PR 235,PR 236,PR 238,PR 239,PR 242,PR 243,PR 245,PR 251,PR 252,PR 253,PR 254,PR 255,tPR 256,PR 257,PR 258,PR 259,PR 260,PR 262,PR 264,PR 265,PR 266,PR 268,PR 269,PR 270,PR 271,PR 272,PR 273,PR 274,PR 275,PR 276,PR 279,PR 282,PR 286,PR 287,PR 288とPR 571が含まれる。
(3)前記光学添加物には光散乱(反射)粒子、好ましくは、0.76mmの厚さの高分子組成物の試料を自然光にさらすと、入射光の約5%から50%、好ましくは5%から25%が反射する光散乱粒子が含まれる。(上記に)適する光散乱粒子としては、二酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、窒化ホウ素、シリカ、雲母、球状ガラス粒子が含まれる。シェルの中にそのような添加物が存在すると、入射光の一部が、歯牙に吸収される前に反射されるため、歯牙の自然な色(通常は黄色および/あるいは赤みがかった黄色)を隠す傾向がある。反射される入射光の量が5%を下回るとその改善効果はわずかである。一方で、反射される入射光の量が50%を超えると、歯が、自然のように知覚されないレベルにまで、(シェルをかぶせた)歯牙の組織の知覚度が、減少する。
(1)シェルの平均厚みは、少なくとも0.1mmであり、好ましくは、少なくとも0.15mm、最大でも1.5mmである。シェルの唯一の目的が、歯の外観を変える事である場合には、平均厚みは、最大でも0.5mm或は0.4mmであることが望ましい。シェルが、歯列矯正治療過程で、例えば、保定装置(リテーナー)或は、他の歯科装置として用いられる場合、シェルの平均厚みは、より厚く、例えば、少なくとも0.5mm、或は、少なくとも0.6mmである。
(2)シェルが、均一な厚みのポリマーシートを熱成形加工する事によって製作される場合、シェルの厚みは場所によって異なり、その厚さは熱成形加工中のシートの変形量に依存する。熱成形したシェルの唯一の目的が、歯の外観を変える事である場合には、その厚さは、一般的に、少なくとも0.06mm,少なくとも0.08mm,少なくとも0.1mm、或は、少なくとも0.2mm,少なくとも0.3mm,少なくとも0.4mm,少なくとも0.5mm,少なくとも0.6 mm、或は、少なくとも0.7mmであり、そして多くても1.0mm,或は、多くても0.8mmである。熱成形されたシェルが、また、歯列矯正治療過程で用いられる場合には、一般的に、その厚さは、少なくとも0.5mm,少なくとも0.6mm、そして、0.7mm,少なくとも0.8mm,少なくとも0.9mm,少なくとも1.0mm,少なくとも1.1mm,少なくとも1.2mm,少なくとも1.3mm、或は、少なくとも1.4mmであり、多くても1.5mmである。シェルの唯一の目的が、歯の外観を変えることである場合、厚さは、0.2から0.6mmの範囲の厚さであることが好ましく、0.3から0.5mmの範囲の厚さが特に好ましい。熱成形されたシェルが、歯列矯正治療過程にも用いられる場合、0.3から1.0mmの範囲の厚さが好ましく、0.5から0.8mmの範囲の厚さが、特に好ましい。
(3)ポリマーシェルは、一種類、或は、それ以上の光学的添加物を含む。シェルの光学特性を変化させる添加物の濃度は、歯の表面から離れた部分よりも歯の表面に近い部分でより濃くする事が出来る。例えば、歯の表面から離れた位置にあるシェル表面のポリマーは、光学的添加物を、実質的に含まなくてもよい。光学的添加物が、シェル内に均一分散している場合、歯が、シェルの外面に向けて拡張しているように見える“fattening”(膨張)効果が、しばしば生ずる。
シェルの外面が白く不透明であるような極端な事例では、シェルの比較的平滑な外面のみが知覚され、実際の歯の表面は知覚されない。好ましい実施例では、シェルの着色部分の厚さは、約0.5mm以下であり、好ましくは、約0.25mm以下であり、時には、0.1mm以下である。
(4)シェルの少なくとも一部は、全可視光透過率が約75%以上であり、白色タイル上で測定した場合のLAB透過値は、L値が85以上、A値が約−1.0から約6、好ましくは、約−1から約3であり、B値が、約−1.0から約−15、好ましくは、約−1.0から−5.0である。
(5)熱成形シェルの少なくとも一部は、例えば図1Aと図4に示されるように、歯肉線を越えて(歯の上端、或は、下端を超えて)広がる。熱成形シェルのうち歯肉線を越えて広がる部分が、約75%以上の全可視光透過率を有する場合、シェルの歯肉線を越えて広がる部分は、本質的に見えない。
Claims (43)
- 歯牙の上に装着する自立型シェルを提供する為に、歯牙模型上で熱成型する事の出来る高分子組成物のシートで、その高分子組成物は、一種類の高分子と一種類、或いは、それ以上の光学添加物から成る。
- 光学添加物が蛍光剤を含まない請求項1に記載されるシートで、白色タイル上で、LABスケールを測定する時、L値が、75から99、A値が、−3から6、そして、B値が、−10から−1の値を有するシート。
- 80から99のL値、−3から6のA値、−7から−1のB値を有する請求項2に記載のシート。
- 85から99のL値、−1から5のA値、−5から−1.5のB値を有する請求項2に記載のシート。
- 光学添加物が、蛍光剤を含む請求項1に記載のシートで、D65に対してフィルター
をかけた約300〜400nmの周波数の光を含む光源を用いて、白色タイル上で、LABスケールを測定する時、75から110のL値、−3から6のA値、−10から−1のB値を有するシート。 - 80から110のL値、−2から5のB値、−7から−1のB値を有する請求項5に記載のシート。
- 85から110のL値、−1から4のA値、−5から−1.5のB値を有する請求項6に記載のシート。
- 光学添加物が、約400nm以下の周波数で光を吸収し、約400nmと約600nmの間の周波数を有する光を放射する蛍光剤を含む請求項1に記載のシート
- 光学添加物が、ウルトラマリンブルー、ウルトラマリンバイオレット、酸化マンガン、コバルトを主とする色素、樹脂可溶性染料、フタロシアニン,バイオレット92,バイオレット11C,ブルー385,ブルー214,ブルー30 C5 91,ブルー30 C 588,FDC ブルー#1そしてブルー214から構成される群から選択される添加物を含む請求項1に記載のシート。
- 光学添加物が、二酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、窒化ホウ素、シリカ、マイカ、そして、酸化亜鉛から構成される群から選択される光散乱粒子を含む請求項1に記載のシート。
- 光学添加物が、トリアジンスチルベン(triazinestilbenes),クマリン(coumarins),イミダゾリン(imidazolines),ジアゾール(diazoles),トリアゾール(triazoles),ベンジルオキサゾリン(benzyloxazolines),そして、ビフェニール−スチルベン(biphenyl−stilbenes)を含む群から選択された蛍光材料を含む請求項1に記載のシート。
- 0.1から2mmの均一厚みを有する前記請求項のいづれかに記載のシート。
- 厚さ0.5mmの均一なシート形状の場合、ASTM D 1003で測定した全光線透過率が、約80%以上を示す高分子組成物からなる前記請求項のいづれかに記載のシート。
- 厚さ0.5mmの均一なシート形状の場合、ASTM D 1003で測定した全光線透過率が、約85%以上で、拡散透過率が約50%以上を示す高分子組成物からなる前記請求項のいづれかに記載のシート。
- 1000MPa以下の曲げ弾性率を有する高分子組成物からなる前記請求項のいづれかに記載のシート。
- 1000〜3000MPaの曲げ弾性率を有する高分子組成物からなる前記請求項のいづれかに記載のシート。
- 高分子組成物が、熱可塑性、或いは、熱硬化性樹脂である前記請求項のいづれかに記載のシート
- 高分子組成物が、エラストマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリオレフィン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエーテル、イオノマー樹脂、セルロースエステル、セルロースエーテル、そして、フルオロポリマーから構成される群から選択される高分子に基づく請求項1〜16のいづれかに記載のシート。
- 高分子組成物が、ポリウレタン、或いは、スチレン共重合体に基づく請求項1〜16のいづれかに記載のシート。
- 2層或はそれ以上の層を含み、最外層が、他の層よりも低濃度の光学活性添加物を含む前記請求項のいづれかに記載のシート。
- 最外層の厚さが、0.2mmから0.7mmの範囲にある請求項20に記載のシート。
- それぞれのシートが、請求項1で定義されるシートであって、異なる量の光学活性添加物を含む一組のシート。
- それぞれのシートが、前記請求項のいづれかで定義されるシートであって、異なる量の光学活性添加物を含む一組のシート。
- 一本、或は、より多くの歯牙に適合し、請求項1で、請求されるシートを熱成形する事により作成される自立型シェル。
- 75%以上の透明度を有する請求項24に記載の自立型シェル。
- 85%以上の透明度を有する請求項24に記載の自立型シェル。
- シェルの平均厚さが、0.15〜1.5mmの範囲にある請求項24に記載の自立型シェル。
- シェルの平均厚さが、厚くても0.5mmの請求項24に記載の自立型シェル。
- シェルの平均厚さが、少なくとも0.5mmの請求項24に記載の自立型シェル。
- 1本、或は、それ以上の歯牙に適合し、請求項1から21のいづれかにて請求されるシートを熱成形するか、或は、請求項1から21のいづれかにて請求されるシートを作成するのに適した高分子組成物を成形する事により作成された自立型シェル。
- 75%以上の透明度を有する請求項31に記載の自立型シェル。
- 85%以上の透明度を有する請求項31に記載の自立型シェル。
- シェルの平均厚さが、0.15〜1.5mmの範囲にある請求項31から33のいづれかに記載の自立型シェル。
- シェルの平均厚さが、厚くても0.5mmである請求項30から32のいづれかに記載の自立型シェル。
- シェルの平均厚さが、少なくとも0.5mmである請求項31から33のいづれかに記載された自立型シェル。
- 1本或はそれ以上の歯牙に適合する自立型シェルの作成方法で、歯牙模型の上に請求項1で請求されるシートを熱成形する事を含む方法。
- 熱成形されるシートが、請求項14で定義される一組のシートの種々の色のシートと歯牙の色との比較に基づいて、選択される請求項37に記載の方法。
- シェルによって覆われた歯牙の知覚される色が、シェルの無い同じ歯牙の色よりもVITAスケールに従って、少なくとも1段階、明度が明るいように、熱成形シートが選択される請求項38に記載の方法。
- 歯牙を望ましい方向に移動させる為に、一組の歯牙の上に長期間装着出来るように形作られたシェルから成る複数の自立型シェルを作成する請求項38に記載の方法。
- 1本或はそれ以上の歯牙に適合する自立型シェルを作成する方法で、歯牙模型の上で、請求項1〜20のいづれかに請求されるシートを熱成形する事を含む方法。
- 熱成形されるシートが、請求項14で定義される一組のシートで、種々の色のシートと歯牙の色を比較する事によって選択される、請求項41に記載の方法。
- 熱成形されるシートが、シェルにより覆われた歯牙の知覚色をシェルの無い同じ歯の色よりもVITAスケールに従って少なくとも1段階明度が明るくするように、選択される、請求項41に記載の方法。
- 歯牙を望ましい方向に移動する為に、一組の歯牙の上に、長期間装着出来るように形作られたシェルから成る複数の自立型シェルを作成する、請求項41に記載の方法。
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