JP2015510262A - 極端紫外線リソグラフィのための光学装置 - Google Patents

極端紫外線リソグラフィのための光学装置 Download PDF

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Abstract

本発明は光学装置、特にマイクロリソグラフィのための投影レンズであって、光学表面(31a)及び基板(32)を含む少なくとも1つの光学素子(21)を備え、基板は、基準温度に関係するゼロ交差温度ΔTZC=TZC−Trefで温度に依存する熱膨張係数がゼロに等しくなる材料から形成され、光学表面(31a)は、光学装置の動作中に局部照射(5a)による位置に依存した温度分布ΔT(x,y)を有し、基準温度Trefに関係し、平均温度ΔTav、最低温度ΔTmin及び最高温度ΔTmaxを有し、平均温度ΔTavは、最低温度ΔTmin及び最高温度ΔTmaxから算出される平均値1/2(ΔTmax+ΔTmin)より低く、ゼロ交差温度ΔTZCは平均温度ΔTavより高いことを特徴とする。同様に、本発明は、このような投影レンズ形式の光学装置を備えるEUVリソグラフィ装置、及び光学装置を構成するための関連する方法に関する。【選択図】図2

Description

関連出願
本出願は、2012年1月25日に出願されたドイツ特許出願10 2012 201075.0に基づく優先権を主張するものであり、その全体が本出願の開示に組み込まれる。
本発明は、光学装置、例えばマイクロリソグラフィのための、特にEUVリソグラフィのための投影レンズ、そのような投影レンズを備えるEUVリソグラフィ装置及び光学装置を調整するための方法に関する。
絶縁コーティングされた反射光学素子(ミラー)は、EUVリソグラフィのための光学装置で用いられる。このようなミラーの反射率は入射するEUV照射に対して典型的には70%より小さく、かなりの比率のEUV照射がミラーに吸収され、熱に変換される。特に本願で用いられる投影レンズについてはミラー表面にかかる幾何学的な耐性及び安定性の点から非常に厳しい要求がされるため、EUVリソグラフィでミラーの基板として用いられる材料には、その動作温度の範囲内で熱膨張係数(CTE)が非常に小さいものだけが許容される。これを達成するために、EUVリソグラフィ装置の動作中のミラーの温度での基板材料の熱膨張をほぼ完全に互いに補うように、EUVリソグラフィで用いられる基板材料は温度依存が互いに反対の熱膨張係数となる2つの成分を含む
EUV用途のCTEに関する厳しい要求を満たす第1の材料群はドープされたケイ酸塩ガラス、例えば、典型的には、ケイ酸塩ガラスの比率が80%より大きくなるように、二酸化チタンをドープしたケイ酸塩又は石英ガラスである。市販で入手可能な、このようなケイ酸塩ガラスの1つは、Corning Incによって商品名ULE(登録商標)(Ultra Low Expansion Glass)として販売されている。当然、アルカリ金属が用いられ、特に、ガラス材中の脈理の影響を低減させるためにアルカリ金属が用いられ、例えばUS2008/0004169 A1で説明されたような酸化チタンをドープした石英ガラスは可能であれば、さらなる材料、例えば、ガラスの粘性を低下させる材料でドープされる。
EUVミラーの基板として適切な第2の材料群は、異なる相の熱膨張係数が互いにほぼ相殺しあうように、ガラス相に対する結晶の比率が設定される結晶化ガラスである。そのような結晶化ガラスは、例えば、Schott AGによる商品名Zerodur(登録商標)、Ohara Inc.によるClearceram(登録商標)として提供される。上記材料の(長さが変化する)熱膨張の温度依存性は、適切な温度範囲においてほぼ放物線状である、すなわち、ある温度で熱膨張は極値をとる。ゼロ膨張材料における熱膨張の温度に対する導関数(すなわち、熱膨張係数)は、この範囲で温度にほぼ線形に依存し、熱膨張が極値となる温度で符号が変わり、このため、この温度はゼロ交差温度(ZCT)として設計されている。続いて、熱膨張は、ゼロ交差温度に一致する基板の温度で動作又は運転している場合にのみ極小となる。
基板材料又はブランクを製造している間に、ある一定の範囲内でゼロ交差温度を設定することができ、その設定は、例えば熱処理の間に適切なパラメータを選択することにより、又は酸化チタンをドープした石英の場合は、石英ガラスの製造の間に用いられる二酸化チタンの比率を設定することにより行う。基板内の、及び特に光学的表面付近でのゼロ交差温度は、この場合、典型的にはできるだけ均質にする。
しかしながら、放射強度又はミラーの動作中に光学表面に入射する照射は均質ではなく、位置によって変化し、結果として光学表面の温度分布もまた不均質となる。従って、動作温度がゼロ交差温度に相当するという条件が表面全体で満たされることはなく、光学表面は、動作している状態では温度に対して全体に反応しにくくはなく、そのため変形が生じる。ゼロ交差温度からの動作温度の差が小さい場合、熱膨張係数はまだ小さいが、ゼロ交差温度との温度差が増加するに伴って熱膨張係数は増加し、局所的に異なる線形膨張による反射面の変形およびその変形に影響を受けた波面収差につながる。
本発明の目的は、少なくとも1つの、特に全ての、光学素子の動作温度(又は平均温度)及びゼロ交差温度が波面収差を減少又は最小化させるために互いに調整される光学装置、EUVリソグラフィ装置、並びに、光学装置を構成するための方法を提供することである。
本目的は、光学表面と基板を備える少なくとも1つの光学素子を備え、基板は、基準温度に関するゼロ交差温度での熱膨張係数の温度依存がゼロに等しい材料から形成され、光学装置の動作中に光学表面は、局部照射による位置に依存する温度分布を有し、平均温度、最低温度及び最高温度を有し、平均温度は最低温度と最高温度との平均値より低く、ゼロ交差温度は平均温度より高いことを特徴とする光学装置、例えばマイクロリソグラフィ、特にEUVリソグラフィの投影レンズによって達成される。
実際に、波面収差を最小化するために、光学表面でのゼロ交差温度と平均温度は一致することが予想される。発明者は、表面での温度の頻度分布が表面の平均温度で対称的に分布(例えば、ガウス分布)する場合、このような選択は非常に利点があることを見出した。頻度分布が非対称である場合、すなわち、最高温度と最低温度の算術平均が(表面上の位置依存温度分布の総和によって決定される)平均温度から外れた場合、平均温度がゼロ交差温度に一致しなければ、波面収差を減少させるためにさらに利点がある。
平均温度が、最高温度と最低温度との算術平均より低くなるような温度の頻度分布ついての依存性がある場合、平均温度はゼロ交差温度より低くなるように選択されるべきである。一方、逆の場合、すなわち、平均温度が最低気温と最高気温との算術平均より高ければ、適切であれば平均温度はゼロ交差温度より高い又はゼロ交差温度と等しいように選択されるべきである。本明細書の以降では、特に、瞳に近いEUVリソグラフィの投影レンズの光学素子で、第一の状態が発生することが記載される。表面上の位置に依存した対称的(ガウス的)な温度分布は、対称的な頻度分布に至らず、逆も同様であるため、温度の頻度分布及び位置依存分布が同一でないことは当然である。
一実施形態において、光学装置は、特に、加熱のために光学素子すなわち基板及び光学表面の温度を調整する温度調整装置と、特に閉ループ制御のために光学表面の平均温度(又は動作温度)を設定するよう設計された温度制御装置とを備える。本実施形態において光学素子、すなわち、基板又は適切であれば直接光学表面が温度調整される(すなわち、加熱又は可能であれば冷却される)。このことは、光学表面の時間に依存する(遷移する)温度の変動を低減させるための利点である。温度制御装置は、所望の温度が、例えば、ゼロ交差温度より低くなり得るように、特に随意に用いられる表面領域での光学素子の光学表面に所望の平均温度をもたらすように、光学素子又は基板の平均温度に到達するよう開ループ制御又は閉ループ制御による基板への熱の供給を制御することができる。光学表面及び/又は基板に入射する照射出力は、熱供給の最適な開ループ制御のために考慮しなければならないのは当然である。可能であれば、基板及び/又は光学表面の温度を検知し、温度の閉ループ制御のための温度制御装置によって用いられ得る1つ以上の温度センサを提供することができる。温度調整装置は、典型的に、適切であれば基板をできるだけ均質に加熱又は冷却する。しかし、例えば、複数の互いに独立して制御可能な加熱又は冷却素子が提供される場合、基板は不均質に加熱又は冷却することもできる。加えて(例えば、対流の結果としての)熱移動効果によって、温度調整中に設定される基板温度は一般的に反射面の平均温度に相当しない。光学表面で所望の平均温度を得るために、基板の温度設定においてこの効果が考慮されるべきである。適切であれば、光学表面(及び/又は基板)の温度調整(典型的には加熱)は、また、追加で行われる表面への熱照射、例えば、赤外照射によって達成される。
一の発展形において、温度制御装置は、光学表面の局部照射によって平均温度とゼロ交差温度との差を設定するよう設計され、すなわち、平均温度がゼロ交差温度より低くなるよう選択されるだけでなく、加えて、ゼロ交差温度からの平均温度の偏差(差)が、光学表面の温度の頻度分布、及びそれゆえ引き起こされる波面収差に影響を及ぼす局部照射に依存するように定められる。この場合、例によれば、それぞれの局部照射は、特定の動作パラメータ(例えば、光源の照射設定、照射強度)に特徴付けられるそれぞれの動作状態に割り当てることができる。
動作状態又は動作パラメータとそれぞれの使用される差との間の割り当ては、温度制御装置に保存又は格納されている相当する割り当てによって温度制御装置に実装することができる。このようにして、温度制御装置はテーブルから差についての関連する値を取得することができ、そして、例えば、その値を直接的に設定することができる。代わりに、又は加えて、位置に依存した温度分布は、また、動作中に測定又はシミュレートすることができ、表面又は波面の収差の形成に基づいて温度の頻度分布、そこから特性、そしてそこから効果を決定又は計算することができる。いずれの場合においても、温度制御装置は、それぞれの用途に対して平均温度を適用させるために設計され、又はプログラムされる。
この場合、ゼロ交差温度と動作温度との差、すなわち、例えば、光学表面の平均温度は、特に、光学表面の波面の偏差の測定値を最小化するように設定することができる。それぞれで選択されるべき差は、最小化するよう意図される波面収差の測定値に依存する。
さらに、次に示されるように、波面のRMS値を最小化するために、ゼロ交差温度と平均温度との差を、1/2<δT>/<δT>の商に等しくなるように設定することができる。ここで、δTは、温度分布の平均値ΔTavからの偏差、すなわち、ΔT(x,y)=ΔTav+δT(x,y)を表す。<δT>は、表面に渡ってのδTの平均を表し、<δT>は表面に渡っての3乗の平均を表す。
光学において、例えば、既知の変数「ストレール比」又はコントラストの損失によって必要とされるように、波面のRMS値が最小化されることがよくある。最終的には、これには、局所的な波面収差(重要でないため予め減じられた平均値)の2乗の積分を最小化することが含まれる。この方法は、また、ガウス最小二乗法として知られている。
多くの場合、波面の偏差自体は、一定部分が補填される局部領域パラメータに比例する。この状態でRMSを最適化するには、局部領域パラメータの平均値に等しいように選択された補填定数を必要とする。しかし、この場合、波面の偏差が該局部領域パラメータに線形に依存するより高い場合、減少分より大きい偏差がRMS値で科される。そして、補填定数(ここではゼロ交差温度、略してZCT)の最適値は、より小さい領域を占める値へ移動し、そのため、平均値からさらに離れる。この場合、波面は、例えば、(補填定数としての)ゼロ交差温度からの温度の局所的な偏差に二次的に依存するように寄与する。
関連するRMS積分において、この差は、二次より高次で発生する。そのため、ゼロ交差温度が、光学表面のより狭い領域部分を占める温度の方に移ると、それから、この領域部分の結果としての誤差の寄与は、より大きい領域を占める値の領域寄与の増加よりもよりも、大幅に減少する(極値特性:正確に二次の場合、平均値が極小となる環境におけるこの変化は、ゼロに近づく)。全体としては、この変化の結果として目標関数が低減する。そして、最適なゼロ交差温度は少ない頻度で発生する温度値の近くで確立する。
光学装置の動作中、一般的に、ゼロ交差温度自体は影響を受けず、逆に、それぞれの光学素子の平均温度がゼロ交差温度に適応する。すなわち、「光学素子の平均温度−ゼロ交差温度」の値は最適化される。この適応はまた、簡易に、(相対的な)ZCT適応といわれることがある。
一の発展形では、光学装置の全ての光学素子の平均温度は、波面収差の測定値を最小化するために設定される。画像光学装置(投影レンズ)の場合、例えば、光学装置の波面収差を画像平面内の空間像に基づいて測定することができ、この場合の画像収差として参照される。回折限界投影光学ユニットを実現するために、典型的に、例えば、画像平面内に発生する波面収差のRMS値(実効値)は、結像する光の波長の1/14より小さくする必要がある。本明細書では典型的に、個々のミラーで動作温度とゼロ交差温度との間の差を適切に選択することで実施することができる。
しかし、表面のRMS値の他に、波面収差(画像収差)、例えば、スケール誤差、テレセントリック誤差、オーバーレイ、焦点深度、ベストフォーカスの測定値もまた最適化又は最小化することができる。これらの、又は、さらなる波面収差を決定するために、波面は画像平面の複数の点で、直交関数系に数値分解して決定する。例えば、全体として参照される本出願人名義のドイツ特許出願10 2008 042 356 A1に記載されるように、異なる視野点でのゼルニケ係数は、収差に係る特定のタイプ(コマ収差、非点収差)の特徴たるRMS値にグループ化する。これらのRMS値又はそれらの組み合わせは、同様に波面収差の測定として用いることができる。
一の発展形では、温度制御装置は、温度調整装置の加熱出力を基板に吸収される照射出力に適合させるために、基板に取りこまれた熱エネルギー及び、基板及び/又は光学表面の平均温度が一定となるよう設計される。光学装置において放射が用いられていないような不活性状態で、光学素子は、典型的には実質的に基準温度に相当する温度となる。十分な放射出力が光学表面に用いられる活性動作状態で、典型的には光学素子の定常温度分布及び定常平均温度は落ち着く。不活性状態から活性動作状態への遷移では、その環境に照射することができる照射出力より高い照射出力が吸収されるため、(付加的な加熱のない)温度分布は時間に依存し、平均温度は定常温度の状態に到達するまで上昇する。
遷移中の温度上昇、及び/又は動作中の光学表面の温度変動を最小化するために、加熱装置を用いることが可能である。例によれば、照射前のできるだけ早くに、該加熱装置は基板及び/又は光学表面を動作中に落ち着く定常温度にまで加熱することができる。さらに放射出力がミラーに到達し、基板に吸収されるような遷移中の場合、平均温度を一定に保つために相当する加熱出力を減少又は適合させる
さらなる実施形態において、ゼロ交差温度は、光学表面の平均温度より少なくとも0.1K、好ましくは少なくとも0.2K、特には少なくとも0.4K、適切であれば少なくとも0.7K、高い。ゼロ交差温度の平均温度からの差は、可能であれば、かなり高く、少なくとも1ケルビン,1.3K,1.5K,1.7K,2.0K,2.5K等でもよく、収差を最小化するための適切な値が、光学表面の温度値の頻度分布に依存する(上記参照)。
一実施形態において、光学表面は、表面の温度が平均温度より高い第1の領域部Aと、表面の温度が平均温度より低い第2の領域部Aと、を備え、第1の領域部は第2の領域部より小さい(A<A)。このような場合、ゼロ交差温度は光学表面での平均温度より高くなるべく選択されるべきである。
さらなる実施形態において、瞳面内又は瞳面付近に光学素子が配置される。瞳の付近に配置することは、サブアパーチャ率が少なくとも70%である光学素子の配置を意味する。サブアパーチャ率は、0と1との間の値とし、瞳面では1、視野面では0となる。所与の開口、例えば、 (EUV)リソグラフィの投影レンズで、像視野上で物体高さが最高となる物体視野を撮像する光学系において、サブ開口率は次のように決められる。|R−H|/(|R−H|+|H|)ここで、最大物体高さを有する物体点に基づいて、Rは周辺光線の高さであり、Hは主光線の高さであり、これらの光線の高さは、光学系の瞳面に平行な所与の面内で測定される。
瞳に近い光学素子の光学表面での視野分布又は局部照射は実質的に、画像光学系に入射する照明照射の角度分布(瞳)に相当する。投影レンズの場合、照明瞳は、画像化される物体(マスク)の回折パターンに畳み込みされるが、主に0次回折が寄与するため、これは一般的には大きな変化には至らない。特に、新しい又は将来的なEUVリソグラフィ装置において、瞳に近い光学素子の場合にゼロ交差温度が平均温度より高いように選択されるべく、僅かな比率(50%より小さい)の照明瞳のみが照射され、そのため表面の総領域に対する照射面領域の形成はさらに50%より小さい、そのため、高温で温度勾配が大きい領域、及び、より低温に至るより大きい領域に制限される。
さらなる実施形態において、光学素子はEUV照射を反射するコーティングが施される。すなわち、光学素子はEUVミラーである。この場合、EUVミラーの光学表面は、典型的に、基板のコーティングが施される領域に相当する。このようなミラーの光学表面は平面の状態で具体化することができるが、光学表面は一般的に(例えば球状の)曲率を有している。可能であれば、変形、例えば(中心)通口を光学表面に設けることができるのは当然である。当然この場合、基板又は反射コーティングがある表面領域でのみ、RMS値の平均を取ること又はRMS値を決定することができ、たとえば、通口の表面領域は取った平均には考慮されない。
本発明のさらなる態様は、上記により具体化された投影レンズを形成する光学装置を備えるEUVリソグラフィ装置に関する。適切に一以上の投影レンズのミラーの動作温度を適合させることによって、投影レンズの像収差を低減する又は最小化することができる。局部照射は、投影レンズの上流に配置される照明系の照明設定(例えば、二重極照明、環状照明)に依存し、光学表面の平均温度の正確な値はこれらの設定に適合されるべきである。光学素子が配置されるEUVリソグラフィのための投影レンズは、筺体内部が、例えば10−4mbarより低い、好ましくは10−3mbarより低い全圧力となる残留ガス大気を生成するための真空の筺体及び真空の弁を備える。真空弁は、閉ループ制御によって、例えば、真空筺体内の水素分圧が10−1mbarより低くなるように駆動し、制御することができる。投影レンズ又はEUVリソグラフィ装置は、光学表面、より正確には、少なくとも1つのEUVミラーの多重層コーティングの最も上側、を洗浄する洗浄装置を備える。洗浄装置は、例えば、汚染を取り除くために少なくとも1つの表面が洗浄されるように、洗浄ガス、例えば活性化水素を用いるように設計される。洗浄装置は、ガスノズルを備え、例えば、本出願の内容に組み込まれている本出願人名義の国際公開2009/059614 A1のように設計することができる。
一実施形態において、EUVリソグラフィ装置は、充填率が50%より低い、好ましくは30%より低い、特に好ましくは15%より低い、特には1%より低い照明瞳で照明光を生成する照明系を備える。さらに上述されたように、少なくとも瞳に近いEUVミラーでこのように瞳充填が低い場合、体系的にA<Aとなり、続いて、ゼロ交差温度は、波面収差を最小化するために、平均温度より高くなるよう選択される。
本発明のさらなる態様は、光学表面及び基板も備える少なくとも1つの光学素子を備える光学装置を調整する方法に関する。基板は、基準温度に関するゼロ交差温度で熱膨張係数温度依存がゼロに等しい材料から形成される。本方法は、次のステップを含む。光学素子の光学表面で予想される局部照射を決定するステップと、平均温度、最低温度及び最高温度を有する光学表面での照射によって生じる位置依存温度分布を決定するステップと、光学表面の平均温度は最低温度と最高温度から算出される平均値より低くなるか否かを決定するステップと、この場合、ゼロ交差温度が平均温度より高い基板から光学素子を形成するステップとを含み、照射は該光学装置の動作中に発生し、基準温度に関連する。
本方法は、まず、動作している場合に予想され、位置に依存して変化する光学表面の照射負荷又は領域照度(照射密度)を決定するステップを含み、その決定は典型的にはコンピュータシミュレーションによって行われる。光学装置の動作中に発生する具体的な条件がその決定のために用いられる。EUVリソグラフィ装置のための投影レンズ形式の光学装置の場合、このようなパラメータの1つは、例えば、画像(マスク)化されるべき物体の下流の照明照射の平均照射出力で、例えば数ワットの範囲内(約1ワット又は5ワットから約30ワット)とすることができる。さらなるパラメータは用いられる照明設定、例えば二重極照明又は環状照明であり、及びマスク上の結像されるべき構造である。マスク上の結像されるべき構造は用途によって異なるため、密集ライン、サブ密集ライン又は孤立ラインを適切に混合又は平均化するよう構成したシミュレーション構造を用いることが可能である。
次のステップで、投影レンズに入射するためのシミュレートされた照射出力に基づいて、各光学表面の光学設計に依存した局部照射が決定され、そこから表面及び/又は基板の温度分布が決定される。この場合、基板の吸収作用と熱伝導の他に、その環境における熱遷移メカニズム、例えば、熱の放出、そして対流(残余)ガスへの熱の放出を考慮することができる。温度分布の決定のために有限要素法を用いることができる。
その後、温度分布における最大及び最小温度、及び表面に渡って平均化された温度が決定される。そして、これらの値は、基板のゼロ交差温度が、表面で予想される平均温度より高いか否かを決定するために相互に比較される。この場合、対応するゼロ交差温度の基板材料から成るブランクが光学素子を生成するために用いられる。光学素子を生成するために、基板はまず、光学表面を所望の形状又は配置にするために加工される。例えば特定の波長のEUV放射を高く反射させる反射コーティングは、その後、光学表面に塗布することができる。
表面の平均温度と、最高及び最低温度の差との比較によって、ゼロ交差温度が平均温度に相当するような基板材料又はゼロ交差温度が平均温度より低いような基板材料を選択することができるのは当然である。しかし、さらに上記で説明したように、瞳充填が低い(<50%)場合、典型的には、少なくとも瞳に近い光学素子では、ゼロ交差温度は平均温度より高くなるように体系的に選択される。
一変形例では、本方法は、位置に依存して変化する温度に起因する光学表面の変形を決定するステップと、光学表面での波面収差の測定値が最小となるようにゼロ交差温度を選択するステップと、を含む。光学表面及びその下にある基板内の温度分布に基づいて、基板内の応力、及びその結果としての長さ変化又は表面の変形を決定することができる。変形に起因する波面収差の測定値は例えば、所謂RMS値(実行値)又はそれに基づく値(例えば、RMS値)とすることができる。
しかし、波面の、好ましくは正規直交関数系、例えばゼルニケ多項式への分解の結果としての特定の収差は、また、波面収差の測定値としての機能を果たすことができる。光学表面の異なる位置における関連した変形係数(ゼルニケ係数)又はこれらの係数の組み合わせは、波面収差の特定のタイプに特徴的である。ゼロ交差温度に依存する所与の表面変形で、波面収差の適切な測定値を決定することができ、関連する測定値、例えばRMS値が極小となるゼロ交差温度を見出すことができる。一般に、波面収差の測定値は、他のいくつかの方法、例えば、光学表面の剛体の自由度又は可能であれば局部変形に従って光学素子を移動して補正させるマニピュレータによって、補填することのできない変形の一部のみを含む。
さらなる変形例では、局部照射、温度分布、及び温度分布に起因する光学表面の変形を決定することは光学装置の全ての光学素子で行われ、各光学素子は波面収差(例えば、像平面での像収差)又は光学装置の波面収差の測定値が最小となるように選択されたゼロ交差温度を有する基板から生成される。この場合、投影レンズによって生成される残余の光学収差がシミュレートされる。これらの収差は、投影レンズによって生成された像への影響に基づいて評価することができ、収差が規格内であるか否か、すなわち、予め定義された間隔内であるか否かをチェックすることができる。投影レンズの収差は、各光学素子の特定のゼロ交差温度に依存する。個別の光学素子のゼロ交差温度は、シミュレーションの間に、規格を満たす適切な収差、最低収差、又は像平面内の像収差が見出されるまで変化することができる。像収差は、とりわけ、像平面多くの点で測定された波面及びここで(上記参照)測定されたゼルニケ係数の積分又は累計に起因するスケール誤差、テレセントリック誤差、オーバーレイ、焦点深度、ベストフォーカス値等を含む。さらに、像の異なる点での、収差又は像収差の特定のタイプ、例えばコマ収差、非点収差の特徴であるゼルニケ係数をRMS値でグループ化することができる。
さらなる変形例では、光学表面の温度分布は時間に依存し、波面収差の測定値が極小となる時点での温度分布はゼロ交差温度の選択に用いられる。さらに上記で説明したように、光学装置には非活性状態と動作状態との間の遷移状態があり、遷移状態では光学素子は入射する放射によって(定常の)動作温度にまで加熱される。加熱相の間の時間に光学素子の異なる時点での温度の状態に対して波面収差を最適化することは典型的に同じゼロ交差温度には至らず、それどころか、波面収差が極小となるゼロ交差温度は時間に依存する。単一のゼロ交差温度だけを決めることができるので、加熱している間のゼロ交差温度から選択する必要がある。この選択によって、収差が最大となる時点でのゼロ交差温度を選択することができる。この値を、規格と比較し、該規格を満たしているかチェックすることができる。規格を満たしていなかった場合、可能であれば、投影レンズの光学設計を修正することができる。このようにして、最悪でもなお最適化の結果、規格を満たすようにすることができる。
さらなる変形では、本方法は追加的に、ゼロ交差温度が平均温度と予め決められた差となるようにゼロ交差温度を選択するステップを含み、該差は局部照射に依存する。この場合、平均温度がゼロ交差温度より低くなるよう選択されるだけでなく、さらに、ゼロ交差温度からの平均温度の偏差(差)は温度の頻度分布、そのため光学表面に生じる波面収差に影響を及ぼす局部照射に依存するように決められる。この場合、特に、各局部照射は、特定の動作パラメータ(例えば、光源の照射設定、放射強度等)に特徴付けられる各動作状態に割り当てることができる。
この変形の1つの発展形では、ゼロ交差温度と平均温度との間の予め決められた差は、1/2<δT>/<δT>によって与えられる。ここで、δT<x,y>は位置に依存した温度分布の、光学表面の平均温度からの偏差である。さらに上記で説明したように、光学表面のRMS値は、このような固定のゼロ交差温度によって最小化される。
本発明のさらなる特徴及び利点は、本発明に不可欠な詳細を表す図面を参照する本発明の次の例示的実施形態の記載、および特許請求の範囲から明らかである。個々の特徴は各事例において個別に、又は本発明の変形との任意の所望の組み合わせた複数として実現される。
例示的な実施形態は、概略図に記載され、以下の記載で説明される。
照明系及び投影レンズを備えるEUVリソグラフィ装置の概略図である。 図1に記載された投影レンズのためのEUVミラーの概略図である。 図3а‐cは、図2に記載されたEUVミラーの光学表面における位置依存の温度分布及び結果として生じる変形の概略図である。 図2に記載されたEUVミラー表面での温度値の頻度分布の概略図である。 図2に記載されたEUVミラーの光学表面を、定常動作温度まで加熱している間の温度特性の時間依存を示す図である。
図1はEUVリソグラフィ装置1を概略的に示す。この装置は、50nmより短い、特に約5nmと約15nmとの間のEUV波長範囲の高エネルギー密度のEUV放射を発するEUV光源2を備える。EUV光源2は、例えば、プラズマを引き起こすレーザを発生させるプラズマ光源の形式にて、又はシンクロトロン放射源として具体化することができる。前者の場合、特に、図1に示されるように、収集ミラー3は、照射線4を形成するために、及びこのようにエネルギー密度をさらに増加させるために、EUV光源2のEUV放射を集中させるように用いられる。照射線4は、本例においては4つの反射光学素子13〜16を備える照射系10によってパターン化された物体Mを照射する。
パターン化された物体Mは、例えば、物体Mの少なくとも1つの構造を製造するための反射及び非反射、又は少なくとも弱反射領域を備える反射マスクとすることができる。代わりに、パターン化された物体Mは、1次元または複数次元に配置され、可能であれば、各ミラーにおけるEUV放射4の入射角度を設定するために少なくとも1つの軸について移動可能である複数のマイクロミラーとすることができる。
パターン化された物体Mは、照明光4の一部を反射し、パターン化された物体Mの構造に関する情報を伝播し、パターン化された物体M又は基板W上の各部分領域の像を生成する投影レンズ20に放射される投影光5を生成する。基板W、例えばウエハは、半導体材料、例えばシリコンを含み、またウエハ台WSといわれる台の上に配置される。
本例において、投影レンズ20は、ウエハW上にあるパターン化された物体Mの構造の像を生成するために4つの反射光学素子21−24(ミラー)を備える。典型的には、投影レンズ20内の鏡の数は4と8の間であるが、可能であれば、2つの鏡も用いることができる。
パターン化された物体Mの各物点の、ウエハW上の各像点への結像の間、高画像品質を達成するために、ミラー21−24の表面形状、及びミラー21−24の物体Mに対する又は互いの位置又は方向に非常に厳しい要求を課さなければならない。特に、最大可能解像度となる回折限界の結像は、投影レンズ20の波面収差が十分に小さいときにのみ発生することができる。回折限界の投影レンズ20の場合、波面収差のRMS値(実効値)は結像する光の波長の1/14より短くあるべきである。これを達成するために、ミラー21−24の表面形状は高精度に設定され、同様にミラー21−24は正確に配置されなければならない。
投影レンズ20の動作の間、投影光5の放射のほぼ70%までの部分は各光学素子21−24に吸収されるという問題が発生する。吸収される放射の量によって、各ミラー21−24に熱が発生し、その結果、各ミラー21−24の反射面の変形に至る熱膨張が発生し、変形によってミラー21−24の方向又は表面形状が不要に変化する。個別のミラー21−24の動作温度又は(平均)温度を設定する開ループ又は閉ループ制御装置30を用いることで、この問題を解決する1つの見込みがある。温度の変動によって生じる各ミラー21−24又は関連する基板の膨張における変化はこの方法により小さくすることができる。
図1に示される投影レンズ20の場合、4つ全てのミラー21−24は、基板材料としての二酸化チタンがドープされた石英ガラス(ULE(登録商標))を含む。図2は、概略図に例として投影レンズ20の第1のミラー21を示す。第1のミラー21は、基板が所望のゼロ交差温度Tzc(Tzcは、基板の体積に渡ってできる限り一定)を有するようにTiO比が選択されたULE(登録商標)を含む基板を備える。続いての考察では、ゼロ交差温度Tzc及びさらなる温度依存変数Tは基準温度Trefに関連している(すなわち、ΔTzc=Tzc−Tref及びΔT=T−Trefである)。基準温度Trefは、EUVリソグラフィ装置1に送り込まれる照射光4がないときの基板材料32内又は投影レンズ20内に存在する(定常の)温度状態を示す。典型的には、基準温度Trefは周囲の温度に相当し、例えば室温(約22℃)とすることができる。
反射コーティング31は基板32に塗布され、該反射コーティングには、異なる反射率を有する材料を交互に有する(より特別な詳細は示されない)個別の層が複数ある。13.5nmの範囲の波長のEUV放射が、投影レンズ20内で用いられた場合、そのとき個別の層は通常、モリブデン及びシリコンを含む。例えば、モリブデンとベリリウム、ルテニウムとベリリウム、又はランタンとBCのような異なる材料の組み合わせが可能である。個別の層に加えて、反射コーティングはまた、拡散を防ぐための中間層、及び酸化及び/又は腐食を防ぐためのキャッピング層を含む。基板32の上側は、厳密には反射コーティング31全体としてはEUV放射の反射を引き起こすとしても、以降で反射又は光学表面31aという。
基板32は、ペルティエ素子による複数の加熱/冷却素子33aを提供するキャリア33が用いられ、基板32を平均温度ΔTavと言われる運転温度にまで、できるだけ均一に加熱し、可能であれば冷却する。投影光5の結果として、正確にいえば該投影光5の局部照射5aの結果として、図2の二重極照明として記載された局部照射、位置に依存して変化する温度分布ΔT(x,y)=T(x,y)−Trefは、光学表面31aで発生する。該温度分布は、平面図及びXYZ座標系のX方向に沿った断面図3a,bに記載されている。図を簡潔にするために、この場合、平らな光学表面31aを想定しているが、光学表面が31aが、典型的には(例えば球面といった)曲率を有するのは当然である。
ペルティエ素子33aと交互に、又はペルティエ素子33aに加えて、基板32及び/又は光学表面31aの温度を調整するための他の装置、例えば熱線を提供することが可能である。さらに、温度調整は、光学表面31aへの熱放射を用いることで影響を受ける。熱放射は、例えば赤外放射線を発するダイオードによって、又は光学表面から離れて配置されるIRレーザを用いて、発生させることができる。IR放射は、可能であれば光ファイバ又は導光ロッドを用いて光学表面31a又は基板32周辺へ方向づけることができる。この場合、熱放射は、下から(キャリア33から)基板32の中に導入することができるが、可能であれば、外側(投影光線5の外側の位置)から光学表面31aに熱放射を放出することができる。
ミラー21の表面の位置に依存する温度分布ΔT(x,y)は、本例では室温(Tref=22℃)に相当するミラー21の周辺の温度である(表面上で一定な)基準温度Trefに関係する。温度分布ΔT(x,y)は表面に渡って平均された値<ΔT(x,y)>=ΔTav=<ΔT>=定数(典型的には温度分布ΔT(x,y)表面の、全領域を分割した全ての位置に渡っての合計によって得られる)の合計、及び(位置に依存した)平均温度ΔTavからの偏差δT(x,y)として表すことができる。
ΔT(x,y)=ΔTav+δT(x,y)=<ΔT>+δT(x,y)
この場合、表面に渡って平均化された偏差δT(x,y)の値は定義によってゼロとする。すなわち<δT>=0が成り立つ。
理想的には、基準温度Trefに関係するゼロ交差温度ΔTzc=Tzc−Trefは、基板ボリュームによらず、及び、そのため反射面31aによらず一定である。温度変化δT(x,y)及び平均温度<ΔT>に依存する温度分布ΔT(x,y)の位置に依存した温度変化に起因する表面変形の冪級数展開D(x,y)は、式(1)に従う。
D(x,y)=Dhom+Y(<ΔT>−ΔTZC)δT(x,y)+1/2YδT(x,y)
(1)
ここで、Yは、ゼロ交差温度ΔTZCでの熱膨張係数の(一定の)勾配を示す。
ミラーの表面の均一な熱膨張Dhomは、典型的には(例えばマニピュレータを用いて)十分に補正される。そして、そのため、ここでは一層の詳細についてはいずれも説明しない。まず、式(1)の中の線形項は本例では省略されるため、ミラー21の動作温度の最適な平均温度<ΔT>はゼロ交差温度ΔTZCに相当するのは妥当である。
しかし、次に、(本例のRMS値(実効値)によって表される)ミラーの波面収差を最小化するために、ミラー表面における温度分布の平均値<ΔT>はゼロ交差温度ΔTZCに相当しないような特定の場合により一層の効果があることが示されている。RMS値(又はRMSと表されるRMS値の平方)は反射面31aでの変形量D(x,y)に次のように依存する。
RMS=(D−<D>)=<D−2D<D>+<D>>=<D>−2<D>+<D>、すなわち、RMS=<D>−<D> (2)
RMS値は、表面の変形量の測定値であり、表面での変形量D(x,y)の分布の分散に相当し、一方、RMS値は標準偏差に相当する。
平均をとることによって、式(1)から次に至る。
<D>=Y(<ΔT>−ΔTZC)<δT>+1/2Y<δT>=1/2Y<δT>、すなわち次が当てはまる。
<D>=1/4Y<δT
ここでは、均一な寄与Dhomを考慮することは省略し、<δT>=0が当てはまるという事実が用いられる。
式(1)を2乗して平均を取ると次のようになる。
<D>=Y(<ΔT>−ΔTZC<δT>+Y(<ΔT>−ΔTZC)<δT>+1/4Y<δT
最適化する(極値を決定する)ために、RMS値(又は、RMS=<D>−<D>)はゼロ交差温度ΔTZCとは区別され、その結果がゼロと等しくなるべく設定される。次の式が満たされるべきである。
dRMS/dΔTZC=−2Y(<ΔT>−ΔTZC)<δT>−Y<δT>=0
ゼロ交差温度ΔTZCを求めるには次式に従う。
ΔTZC=<ΔT>+1/2<δT>/<δT
補正項1/2<δT>/<δT>は、反射面31aにおける温度値の頻度分布の非対称性を考慮したものである。温度分布が、平均値<ΔT>について対称的な(例えばガウシアン)分布である場合、対称であるために<δT>=0となるので補正項はゼロとなる。
しかし、EUVミラーの場合、一般的に温度分布は、頻度分布P(δT)に基づいた例によって図4に記載されたように、特に|δTMIN|<|δTMax|が成り立つような強い非対称性を有している。図4に示される分布の場合、<δT>はゼロより高く、そのため最適なゼロ交差温度ΔTZCは平均温度<ΔT>より高い。平均温度<ΔT>又はΔTavが、図3bの最高温度ΔTmaxと最低温度ΔTminから算出される平均値1/2(ΔTmax+ΔTmin)より低いときに、このように体系的に、最適なゼロ交差温度ΔTZCが平均温度<ΔT>より高くなるような頻度分布が非対称に形成される。
この条件はまた、図3aに記載されているように反射面21aの、位置に依存する温度分布ΔT(x,y)に基づいて表すことができる。図3aにおいて、温度ΔT(x,y)が平均温度ΔTavより高くなるような(ハッチングで記載された)第1の領域部Aは、温度ΔT(x,y)が平均温度ΔTavより低くなるような第2の領域部Aより表面領域が小さい、すなわちA<Aが成り立つ。
位置に依存する照明は基本的に照明系10の瞳面内の視野分布に相当する(マスクMの変形構造に畳み込みされた)瞳面25の近くに、第1のEUVミラー21が配置されているため、図3a、bで記載されているように、光学表面31aでの温度分布ΔT(x,y)は、基本的に投影レンズ20の入口での照射光4の角度分布に相当する。
そのため、平均温度ΔTavより高いゼロ交差温度ΔTZCを選択すると、特に瞳面に近い光学素子21において、照明系10が、充填率が50%より低い、好ましくは30%より低い、特に好ましくは15%より低い、特には1%より低い照明瞳とともに照明光4を生成する場合に利点がある。この場合、A<Aという条件は、典型的には瞳に近い光学素子の光学表面31aで満たされる。可能であれば、衝突する局部照射によってA<Aという条件を満たす非対称の温度分布となる場合、この条件は視野平面の近くに配置される光学素子においても満たされる。この場合、温度分布の非対称の程度によって、ゼロ交差温度ΔTZCを光学表面31aの平均温度ΔTavより少なくとも0.1K、可能であれば少なくとも0.2K,特に少なくとも0.4K、高くするべく選択することができる。そして、逆に、光学表面でA<A(又はA=A)である場合、可能であれば各基板のゼロ交差温度ΔTZCより高くなるような平均温度ΔTavを選択することができる。
それぞれの個別のミラー21−24における波面収差の最適化及び最小化の他に、投影レンズ20全体の収差、すなわち、像平面内の投影レンズ20によって作られる波面収差又は像収差の最適化に影響を及ぼすことができる。投影レンズ20の全体の波面収差を最適化するために、可能であれば、個別のミラー21−24において、各ミラー21−24の波面収差を最小化する平均温度ΔTavから外れることができ、これによって投影レンズ20全体の波面収差が改善される。投影レンズ20の像平面における波面収差の測定により、代替手段として、又はRMS値に加えて、他の像収差、例えば、オーバーレイ、焦点深度、ベストフォーカス等、又はコマ収差、非点収差等のような特定の収差を用いることができる。これらの波面収差は、空間像において測定又はシミュレートすることができ、例えば、個別のミラー21−24の変形によって決まる、収差の温度に対する依存性を決定することができる。像平面内の波面収差の測定済みの測定値を最小化するために、温度制御装置30によって、この既知の依存性に基づいて平均温度と各ミラー21−24のゼロ交差温度との適切な差を設定することができる。
光学素子21の、又は投影レンズ20の光学素子21−24全ての反射面31a上の照射光5の強度が可変である場合にも所望の平均温度ΔTavを設定するために、又は、平均温度ΔTavを一定に保つために、同様に、図2に示される、加熱装置33a(及び/又はさらなるミラー22−24のための図示されないさらなる加熱装置)を駆動するための温度制御装置30を用いることができる。基板32の温度を閉ループ制御によって所望の平均温度ΔTavに制御するために、温度センサ35は図2に示される例における基板32の側面に備えることができ、該温度センサは(図示されない)接続ラインを介して制御装置30に接続されている。代替的に、又は、付加的に、(図示されない)1つ以上の温度センサがまた、光学表面31aの下の異なる位置の温度を検知するために基板32の中又は基板32ボリュームの中に埋め込まれる。この場合、温度センサは基板32からつながっている接続ラインを介して読むことができる。可能であれば、読み出しは光学インタフェース又はそのようなものを介して非接触に行うことができる。
温度制御装置30によって、平均温度ΔTavとゼロ交差温度ΔTZCとの間の所望の差を設定することができ、該差は局部照射5a又は各用途に依存し、例えば、差は式(3)に従って決定することができる。特に、特定の動作パラメータ(例えば二重極照射、環状照射等)に対して予想される局部照射又は照射強度5aを予め決定又はシミュレートすることができ、式(3)に基づく相応の差ΔTav−ΔTZCを決定することができる。動作パラメータに依存する所望の差を選択又は設定することができるよう、それぞれ選択されるべき動作パラメータと差との割り当てを温度制御装置30に蓄積することができる。しかし、光学表面31aで動作中に測定され又はシミュレートされた、場所に依存する温度分布に基づいて、表面31aでの温度の頻度分布、及び表面31a又は波面の収差を形成することの影響も決定又は計算することができる。この情報は、温度制御装置30によって所望の差を設定するために、用いることができる。
温度制御装置30は、特にまた遷移状態で、すなわち照明放射4が投影レンズ20に放射された後に、直接、用いることができる。(追加の加熱はされない)ミラー21の表面31aで平均温度ΔTav及び、そして最高及び最低温度ΔTmax,ΔTminが、図5の一定の平均温度ΔTav,sと、それぞれ一定の最高及び最低温度ΔTmax、s,ΔTmin、sを有する定常の温度状態に到達するまで時間によって変化する。
照射がなくても定常の温度状態に到達するために、温度制御装置30は、照明放射が投影レンズに放射される前にミラー21−24を所望の(定常)平均温度ΔTav,sに加熱するようにすることができる。この場合、照明放射が各基板にさらに吸収されるような遷移状態での加熱装置33aの加熱出力は、基板32に吸収される総熱出力(放射出力と加熱出力の合計)、及び基板32及び/又は光学表面31aの平均温度が一定のままとなるように、すなわち、平均温度ができるだけ一定に維持されるように遷移状態において加熱出力は徐々に減少するようにする。
上記で説明したように、ミラー表面の平均温度ΔTavとゼロ交差温度ΔTZCとを適切に互いに合わせることによって、個別のミラー21−24で、又は投影レンズ20全体で、波面収差を最小化することができる。上記で説明されたように、各反射表面31aを適切な方法で平均温度ΔTavに設定する温度制御装置30を用いて、このように合わせることができる。しかし、ゼロ交差温度は、投影レンズ20の動作中ではなく、製造中又は調整中にのみ設定できる。投影レンズ20を調整するために、又は、各ミラー21−24の基板材料32の適切なゼロ交差温度ΔTZCを選択するために、次の処理を行うことができる。
まず、動作状態においてミラー21の光学表面31aで予想される局部照射5aが決定され、この目的のために典型的には投影光5の投影レンズ20に入射する照明光4のコンピュータシミュレーションが用いられる。そして、光学表面31aの温度分布は、全ての熱伝導メカニズム(基板32への熱移動、表面31aの熱放射及び残留ガスの放出)を考慮するために局部的に照射5aを変化させて決定する。温度分布ΔT(x,y)について、A<Aとなる、又は平均温度ΔTavが最低及び最高温度ΔTmin,ΔTmaxから算出される平均値1/2(ΔTmax+ΔTmin)より低くなる場合、基板の材料は、ゼロ交差温度ΔTZCが、照射によって至る予想される動作温度に相当する平均温度ΔTavより高くなるように選択される。
動作状態での平均温度ΔTavは、ミラー21−24の加熱後に至る静温度ΔTav、sである。しかし、当然ながら、温度制御装置が、光学表面31aの平均温度ΔTav(t)が基本的に一定となるようにしない場合、遷移状態(図5)において平均温度ΔTavは時間によって変化する。この場合、同様に、時刻tでの各点での平均温度ΔTav(t)について、同様に変化する最適な(すなわち、収差最小化となる)ゼロ交差温度ΔTZC(t)が生じる。ゼロ交差温度ΔTZCは、基板32の製造後に最終的に決まるので、遷移状態における異なるゼロ交差温度ΔTZC(t)から選択する必要がある。この選択は、例えば、ゼロ交差温度ΔTZC(t)が、結果としての波面収差が最大となる時刻tでのある点で選択されるようになされてもよい。これによって、波面収差は最悪条件のもとであってもまだ規格範囲内とすることができる。
例によれば、波面収差のRMS値が規格を満たすかチェックするために、RMS値を適切な閾値、例えば、投影レンズ20が回折限界であるようにするためにEUV放射の波長の一部(例えば、1/14、上記参照)と比較することができる。また、規格を満たしているかどうか決定するために、投影レンズ20における波面収差の他の測定を相当する閾値と比較することができるのは当然である。

Claims (21)

  1. 光学装置、特にマイクロリソグラフィのための投影レンズ(20)であって、
    光学表面(31a)及び基板(32)を含む少なくとも1つの光学素子(21−24)を備え、前記基板(32)は、基準温度(Tref)に関係するゼロ交差温度(ΔTZC=TZC−Tref)で温度に依存する熱膨張係数がゼロに等しくなる材料から形成され、
    前記光学表面(31a)は、前記光学装置(5)の動作中に局部照射(5a)による位置に依存した温度分布(ΔT(x,y)=T(x,y)−Tref)を有し、基準温度(Tref)に関係し、平均温度(ΔTav)、最低温度(ΔTmin)及び最高温度(ΔTmax)を有し、
    前記平均温度(ΔTav)は、前記最低温度(ΔTmin)及び前記最高温度(ΔTmax)から算出される平均値(1/2(ΔTmax+ΔTmin))より低く、
    前記ゼロ交差温度(ΔTZC)は前記平均温度(ΔTav)より高いことを特徴とする光学装置。
  2. 光学素子(21)の温度を調整する温度調整装置(33a)と、特に閉ループ制御で光学表面(31a)での平均温度(ΔTav)を設定するように設計された温度制御装置(30)とを備える、請求項1に記載の光学装置。
  3. 温度制御装置(30)は、局部放射(5a)による方法でゼロ交差温度(ΔTZC)と平均温度(ΔTav)との差(ΔTZC−ΔTav)を設定するように設計されることを特徴とする、請求項2に記載の光学装置。
  4. 前記ゼロ交差温度(ΔTZC)と前記平均温度(ΔTav)との前記差(ΔTZC−ΔTav)を1/2<δT>/<δT>となるように設定し、δT(x,y)は、前記光学表面(31a)の前記平均温度(ΔTav)からの位置に依存する温度分布の偏差(ΔT(x,y))を表すことを特徴とする、請求項3に記載の光学装置。
  5. 前記平均温度(ΔTav)は、前記光学表面(31a)の波面収差の測定値を最小化するよう設定されることを特徴とする、請求項3又は4に記載の光学装置。
  6. 前記光学装置(20)における全ての前記光学素子(21−24)の前記平均温度(ΔTav)は、前記光学装置(20)の波面収差の測定値を最小化するよう設定されることを特徴とする、請求項3乃至5のいずれか一項に記載の光学装置。
  7. 波面収差の測定値は、RMS値、オーバーレイ誤差、スケール誤差、テレセントリック誤差、焦点深度、ベストフォーカス、コマ収差、及び非点収差を含むグループから選択されることを特徴とする、請求項3乃至6のいずれか一項に記載の光学装置。
  8. 前記温度制御装置(30)は、平均温度(ΔTav)が一定のままとなるように、前記温度調整装置(33a)の加熱出力を基板(32)によって吸収される放射出力に合わせるように設計される、請求項2乃至7のいずれか一項に記載の光学装置。
  9. 前記ゼロ交差温度(TZC)は光学表面(31a)の平均温度(ΔTav)より少なくとも0.1K、好ましくは少なくとも0.2K、特には少なくとも0.4K、高いことを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の光学装置。
  10. 前記光学表面(31a)は、温度が平均温度(ΔT(x,y))より高い第1の領域部(A)と、温度が平均温度(ΔT(x,y))より低い第2の領域部(A)と、を備え、第1の領域部(A)は第2の領域部(A)より小さいことを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の光学装置。
  11. 前記光学素子(21)は、瞳面(25)の近くに配置されることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の光学装置。
  12. 前記光学素子(21−24)は、EUV放射を反射するコーティング(31)を塗布されていることを特徴とする、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の光学装置。
  13. 請求項1乃至12のいずれか一項に記載の投影レンズ(20)形式の光学装置を備えるEUVリソグラフィ装置(1)。
  14. 充填率が50%より低い、好ましくは30%より低い、特に好ましくは15%より低い、特には1%より低い照明瞳で照射光(4)を発生させるよう設計された照射系(10)を備える、請求項13に記載のリソグラフィ装置。
  15. 光学装置、特にマイクロリソグラフィのための投影レンズ(20)を構成するための方法であって、
    前記光学素子は、光学表面(31a)及び基板(32)を含む少なくとも1つの光学素子(21−24)を備え、前記基板(32s)は、基準温度(Tref)に関係するゼロ交差温度(ΔTZC=TZC−Tref)で温度に依存する熱膨張係数がゼロに等しくなる材料から形成され、
    前記方法は、前記光学装置(20)の動作中に光学素子(21)の光学表面(31a)に発生させる局部照射を決定するステップと、
    基準温度(Tref)に関係し、平均温度(ΔTav)、最低温度(ΔTmin)及び最高温度(ΔTmax)を有する前記光学表面(31a)の照射(5a)によって発生する、位置に依存した温度分布(ΔT(x,y)=T(x,y)−Tref)を決定するステップと、
    前記光学表面(31a)の前記平均温度(ΔTav)が、前記最低温度(ΔTmin)及び前記最高温度(ΔTmax)から算出される平均値1/2(ΔTmax+ΔTmin)より低いかを決定するステップと、
    ゼロ交差温度(ΔTZC)が平均温度(ΔTav)より高くなるような基板(32)から光学素子(21)を製造するステップと、を含む、方法
  16. 前記位置に依存した可変の温度分布(ΔT(x,y))によって生じる前記光学表面(31a)の変形量(D(x,y))を決定するステップと、
    前記光学表面(31a)での前記波面収差の測定値が最小化されるように前記ゼロ交差温度(ΔTZC)を選択するステップと、をさらに含む、請求項15に記載の方法。
  17. 局部照射(5a)、温度分布(ΔT(x,y))、及び前記温度分布(ΔT(x,y))によって生じる光学表面(31a)の変形(D(x,y))を決定するステップは、前記光学装置(20)の全ての光学素子(21−24)に対して行われ、各光学素子(21−24)は、光学装置(20)の波面収差の測定値が最小化されるように選択されたゼロ交差温度(ΔTZC)を有する基板(32)から製造されることを特徴とする、請求項15又は16に記載の方法。
  18. 波面収差の測定値は、RMS値、オーバーレイ誤差、スケール誤差、テレセントリック誤差、焦点深度、ベストフォーカス、コマ収差、及び非点収差を含むグループから選択されることを特徴とする、請求項16又は17に記載の方法。
  19. 光学表面(31a)での温度分布(ΔT(x,y))は時間に依存し、波面収差の測定値が極大となる時点での温度分布(ΔT(x,y))はゼロ交差温度(TZC)を選択するために用いられることを特徴とする、請求項16乃至18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記ゼロ交差温度(ΔTZC)が前記平均温度(ΔTav)と予め定められた差(ΔTZC−ΔTav)となるように前記ゼロ交差温度(ΔTZC)を選択するステップをさらに含み、
    前記差は前記局部照射に(5a)に依存することを特徴とする、請求項15乃至19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記ゼロ交差温度(ΔTZC)と前記平均温度(ΔTav)との予め定められた差(ΔTZC−ΔTav)を1/2<δT>/<δT>とし、δT(x,y)は、前記光学表面(31a)の前記平均温度(ΔTav)からの位置に依存する温度分布の偏差(ΔT(x,y))を表すことを特徴とする、請求項20に記載の方法。
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