JP3632264B2 - X線投影露光装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フォトマスク(マスクまたはレチクル)上の回路パターンをX線光学系等のミラープロジェクション方式により、投影結像光学系を介してウエハ等の基板上に転写する際に好適なX線投影露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造用の露光装置は、物体面としてのフォトマスク(以下、マスクと称する)面上に形成された回路パターンを結像装置を介してウエハ等の基板上に投影転写する。基板にはレジストが塗布されており、露光することによってレジストが感光し、レジストパターンが得られる。
【0003】
露光装置の解像力w は、主に露光波長λと結像光学系の開口数NAで決まり、次式で表される。
w=k λ/NA k:定数
従って、解像力を向上させるためには、波長を短くするか、或いは開口数を大きくすることが必要となる。現在、半導体の製造に用いられている露光装置は、主に波長365nm のi線を使用しており、開口数約0.5 の場合で0.5 μmの解像力が得られている。
【0004】
開口数を大きくすることは、光学設計上困難であることから、解像力を向上させるためには、今後は露光光の短波長化が必要となる。i線より短波長の露光光としては、例えばエキシマレーザーが挙げられ、その波長はKrF で248nm 、ArF で193nm である。従って、KrF では0.25μm、ArF では0.18μmの解像力が得られる。
【0005】
そして、露光光としてさらに波長の短いX線を用いると、例えば波長13nmで0.1 μm以下の解像力が得られる。
従来の、露光装置(一例)の構成(一部)を概念的に図6に示す。露光装置は主に、光源及び照明光学系(不図示)、マスク1のステージ11、結像光学系2、ウエハ3のステージ12により構成される。
【0006】
マスク1には、描画するパターンの等倍あるいは拡大パターンが形成されている。結像光学系2は、複数のレンズまたは反射鏡等により構成され、マスク1上のパターンをウエハ3上に結像するようになっている。
露光装置が所望の解像力を有するためには、少なくとも結像光学系2が無収差または無収差に近い光学系である必要がある。仮に、結像光学系2に収差があると、レジストパターンの断面形状が劣化し、露光後のプロセスに悪影響を及ぼす他、像が歪んでしまうという問題点が発生する。
【0007】
無収差と同等の性能を得るための、収差の許容上限値(rms 値)としては、波長の14分の1 程度の値が要求される。従って、波長が短くなるほど収差の値も小さくしなければならない。例えば、露光光がi線の場合、収差の許容上限値は約26nmrms である。
無収差の光学系を作製するためには、まず各光学素子の形状を設計値どうりに加工しなければならない。要求される形状精度、即ち形状誤差の許容上限値は、収差の許容上限値と比較して少なくとも小さく、また、光学素子の数が多くなるほど値は小さくなる。
【0008】
そして、光学素子が全てレンズの場合は、屈折面の数をN とすると、形状誤差の許容上限値は収差のそれの1/N1/2程度の値が要求される。例えば露光光がi線の場合、屈折面の数を30とすると、形状誤差の許容上限値は約5nmrmsとなる。
次に、この様にして作製した光学素子を高精度に位置合わせして組立なければならない。組立精度は、光学計算から求めることができるが、露光光がi線の場合、少なくともμmオーダーでの位置合わせが必要になる。
【0009】
以上のように、無収差の光学系を作製するためには、高い加工精度および組み立て精度が必要であるが、これまでは高精度な加工および組立を行うことにより、無収差光学系を作製することができた。
また、光学系の収差は、装置の作動中も許容上限値以下に保持される必要がある。しかし、実際には外部の温度変化の影響で、光学素子等が熱変形を起こしてしまう場合がある。さらに、露光光を光学素子が吸収することでも温度は変化してしまう。
【0010】
そこで、光学系を高精度に温度コントロールされたチャンバーの中に入れて、熱変形しない程度に温度を一定に保持している。
以上の様にして、従来の露光装置は、作動中も所望の解像度を得ることができた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、露光装置の解像度を向上するために露光光の波長を短くすると、それに従って収差の許容上限値も小さくなる。露光光をX線とし、例えば波長を13nmとすると、収差の許容上限値は約1nmrmsとなる。この値は、i線における収差の許容上限値約26nmrms と比較して非常に小さい。従って、光学素子はさらに形状精度の高いものが要求される。
【0012】
X線露光装置の場合、光学系は全て反射鏡であることが好ましい。反射面の形状誤差は、屈折の場合の半分の値が必要であるため、反射面の数をN とすると、必要な形状誤差は収差の1/(2N1/2 )となる。例えば反射面の数を4 とすると、波長13nmにおける形状誤差は0.23nmrms となる。
このように、X線投影露光装置は、結像光学系2の収差として極めて小さな値が要求され、そのため、光学素子の形状精度もnm以下の精度が要求される。この様な結像光学系は、作製することができても、その精度を装置の作動(運転)中も保持することが困難であるという問題点を有している。
【0013】
即ち、露光装置の作動中に、光学素子の熱変形を含めた様々な原因により収差が変化するが、その変化は、従来の温度制御だけでは抑えることができないという問題点を有している。
以上のように、従来のX線投影露光装置においては、装置作動中の収差の変化を抑制することが困難であり、これが原因で装置作動中にX線露光装置の解像度が低下するという問題点があった。
【0014】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、作動中の解像度の低下を防止できるX線投影露光装置を提供すること、好ましくはスループットを低下させないで、作動中の解像度の低下を防止できるX線投影露光装置を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
そのため、本発明は第一に「少なくとも、X線源、該X線源から発生するX線をマスク上に照射する照明光学系、該マスクを保持するマスクステージ、該マスクからのX線を受けて該マスク上に形成されたパターンをウエハー上に投影結像する投影結像光学系、及び該ウエハを保持するウェハステージを備えたX線投影露光装置において、
前記投影結像光学系からのX線の収差を測定する収差測定機構と、
前記X線の収差を低減または解消する収差補正機構と、
を設けたことを特徴とするX線投影露光装置(請求項1)」を提供する。
【0016】
また、本発明は第二に「少なくとも、X線源、該X線源から発生するX線をマスク上に照射する照明光学系、該マスクを保持するマスクステージ、該マスクからのX線を受けて該マスク上に形成されたパターンをウエハー上に投影結像する投影結像光学系、及び該ウエハを保持するウェハステージを備えたX線投影露光装置において、
前記投影結像光学系からのX線の収差を測定する収差測定機構と、
収差測定時に前記ウェハステージを前記投影結像光学系の結像位置から遠ざけて、前記収差測定機構を前記結像位置またはその付近に配置させ、投影露光時に前記収差測定機構を前記結像位置またはその付近から遠ざけて、前記ウェハステージを前記結像位置に配置させる移動機構と、
前記X線の収差を低減または解消する収差補正機構と、
を設けたことを特徴とするX線投影露光装置(請求項2)」を提供する。
【0017】
また、本発明は第三に「前記収差測定機構が前記ウエハステージに固定され、該ウエハステージが前記移動機構を兼ねていることを特徴とする請求項2記載のX線投影露光装置(請求項3)」を提供する。
また、本発明は第四に「前記収差測定機構がX線空間像の測定器であることを特徴とする請求項1〜3記載のX線投影露光装置(請求項4)」を提供する。
【0018】
また、本発明は第五に、「前記収差補正機構は少なくとも、前記投影結像光学系を構成する光学素子の位置及び形状の調整、前記マスクの形状の調整、または前記ウエハの形状の調整を行うことにより前記X線の収差を低減または解消することを特徴とする請求項1〜4記載のX線投影露光装置(請求項5)」を提供する。
【0019】
また、本発明は第六に「前記収差測定機構、移動機構及び収差補正機構の動作を制御する制御機構をさらに設けたことを特徴とする請求項1〜5記載のX線投影露光装置(請求項6)」を提供する。
また、本発明は第七に「前記制御機構は、前記ウエハを交換する時間内、または装置をメンテナンスする時間内に、前記収差測定機構、移動機構及び収差補正機構を動作させることを特徴とする請求項6記載のX線投影露光装置(請求項7)」を提供する。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明にかかる露光装置(一例)の構成(一部)を示すブロック図である。
図1の露光装置は、X線源、該X線源から発生するX線をマスク1上に照射する照明光学系(不図示)、マスク1のステージ11、マスク1からのX線9を受けてマスク1上に形成されたパターンをウエハ3上に投影結像する投影結像光学系2、ウエハ3のステージ12、結像光学系2からのX線9’の収差を測定する収差測定機構5、収差測定時に前記ウェハステージ12を前記投影結像光学系2の結像位置から遠ざけて、前記収差測定機構5を前記結像位置またはその付近に配置させ、投影露光時に前記収差測定機構5を前記結像位置またはその付近から遠ざけて、前記ウェハステージ12を前記結像位置に配置させる移動機構4、前記X線9’の収差を補正する収差補正機構6、7、8、前記収差測定機構5、移動機構4及び収差補正機構6、7、8の動作を制御する制御機構13を有する。
【0021】
収差測定機構5は、通常(収差測定を行わないとき)はウエハステージ12の下部或いは隣接する位置に配置されている。そして、収差を測定するときは、図3に示すように、移動機構4により、ウエハステージ12を結像光学系2の結像位置以外にスライドさせて、収差測定機構5を前記結像位置またはその付近に移動させる。さらに、結像光学系2を透過したX線9’を、収差測定機構5に導入することにより、収差を測定する。
【0022】
また、図2は、本発明にかかる露光装置(別の一例)の構成(一部)を示すブロック図であり、本発明にかかる露光装置の別の一例を示している。
図2の露光装置は、X線源、該X線源から発生するX線をマスク1上に照射する照明光学系(不図示)、マスク1のステージ11、マスク1からのX線9を受けてマスク1上に形成されたパターンをウエハ3上に投影結像する投影結像光学系2、ウエハ3のステージ12、結像光学系2からのX線9’の収差を測定する収差測定機構5、前記X線9’の収差を補正する収差補正機構6、7、8、前記収差測定機構5、収差補正機構6、7、8及びウェハステージ12の動作を制御する制御機構13を有する。
【0023】
収差測定機構5は、ウエハステージ12に固定されており、ウエハステージとともにその位置を移動する。そして、収差を測定するときは、図4に示すように、ウエハステージ12を結像光学系2の結像位置以外にスライドさせると同時に、収差測定機構5を前記結像位置付近に移動させる。さらに、結像光学系2を透過したX線9’を、収差測定機構5に導入することにより、収差を測定する。
【0024】
即ち、図2の露光装置では、ウエハステージ12自身が収差測定時にウェハステージ12を前記投影結像光学系2の結像位置から遠ざけて、前記収差測定機構5を前記結像位置またはその付近に配置させ、投影露光時に前記収差測定機構5を前記結像位置またはその付近から遠ざけて、ウェハステージ12を前記結像位置に配置させる移動機構としての機能を果たしている。
【0025】
本発明にかかる収差測定機構5としては、露光光自体の収差を測定するために測定精度が高い、例えばX線空間像測定装置が好ましい(請求項4)。
X線空間像測定装置は、マスクパターンのX線像を検出器上に結像させて、その強度分布を測定するものであり、強度分布を計算値と比較することにより収差を知ることができる。
【0026】
収差測定機構5による測定から、収差が許容上限値よりも大きいことが判明したら、収差を低減または解消するように補正する。収差は、主に投影結像光学系2を構成する光学素子の形状変化および位置変化により生じるので、収差を補正するためには、形状および位置を元に戻してやることが好ましい。
そこで、収差を補正するためには、例えば、収差補正機構として、投影結像光学系2を構成する光学素子の形状および位置を調整する光学系調整機構6を設ければよい。
【0027】
光学系調整機構6は、例えば図5に示すように、光学素子(例えば、反射鏡14)の周囲にピエゾ素子等のアクチュエータ15を配置したものであり、アクチュエータ15を用いて光学素子に所望の応力を加えることにより、位置及び形状を変えることができる。
収差の補正は、このように光学系調整機構6を用いて光学素子の形状および位置を変える方法により可能であるが、この方法に限らない。
【0028】
例えば、収差により像に歪みが生じた場合は、その歪みを補正するようにマスク1及び/またはウエハ3の形状を変形させてもよい。また、像面湾曲のように像面が光軸方向にゆがんだ場合にも、マスク1及び/またはウエハ3を湾曲させることにより、補正することが可能である。
このような場合は、収差補正機構として、マスク1の形状を調整するマスク調整機構7、及び/またはウエハ3の形状を調整するウエハ調整機構8を設けてやればよい。かかる調整機構においても、マスク1及び/またはウエハ3の周囲に例えばアクチュエータを配置して、マスク1及び/またはウエハ3に応力を加えて変形させてやればよい。
【0029】
図1の装置では、三つの収差補正機構(光学系調整機構6、マスク調整機構7、ウエハ調整機構8)を配置したが、収差補正機構が必ずしも三つ必要であるとは限らない。例えば、光学系調整機構6による補正だけで収差の補正が可能であるならば、他の収差補正機構7、8は設けなくてもよい。即ち、必要に応じて収差補正機構を設ければよい。
【0030】
以上述べたように、本発明によるX線露光装置によれば、投影結像光学系2からのX線9’の収差を測定し、さらに該収差を補正することが可能である。
また、本発明によるX線露光装置では、収差測定している間、X線9’がウエハ
3上に入射しないため露光はできない。一方、収差測定は、露光装置のスループットを低下させずに行うのが好ましい。従って、収差測定は露光を行わない時間に行うことが好ましい。
【0031】
露光を行わない時としては、例えば、ウエハ3を交換する時間がある。従来の露光装置では、これらの時間において、光源を停止するか、或いは露光光をシャッターで遮蔽していた。
即ち、これらの時間では露光を行わないので、本発明のように、結像位置に収差測定機構を配置しても問題はない。
【0032】
従って、スループットを低下させないために、ウエハ交換時間内に収差を測定することが好ましい。
さらに、収差変動が小さくて例えば1日に1回測定すれば十分な場合には、測定時間がスループットに及ぼす影響は極めて小さいため、メンテナンス時間等に測定しても良い。
【0033】
即ち、本発明にかかる露光装置には、ウエハを交換する時間内、または装置をメンテナンスする時間内に、前記収差測定機構、移動機構、及び収差補正機構を動作させる制御機構を設けることが好ましい(請求項7)。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0034】
【実施例】
<第一実施例>
図1は、本実施例のX線投影露光装置の構成を示すブロック図である。
図1の露光装置は、X線源、該X線源から発生するX線をマスク1上に照射する照明光学系(不図示)、マスク1のステージ11、マスク1からのX線9を受けてマスク1上に形成されたパターンをウエハ3上に投影結像する投影結像光学系2、ウエハ3のステージ12、結像光学系2からのX線9’の収差を測定する収差測定機構5、前記X線9’の収差を補正する収差補正機構6、7、8、前記収差測定機構5、収差補正機構6、7、8及びウェハステージ12の動作を制御する制御機構13を有する。
【0035】
本装置は、光源としてレーザープラズマX線源を用い、X線を照明装置を介してマスク1に照射する。露光波長は13nmとし、またマスク1は反射型のものを用いた。マスク1で反射したX線9は、結像光学系2を透過してウエハ3上に到達し、マスクパターンがウエハ3上に縮小転写される。
結像光学系2は4枚の反射鏡で構成され、それぞれの反射鏡には温度調節機構が設けてあり、露光時でも温度の変化が0.1 ℃以下に保たれる。さらに、露光装置は恒温チャンバー内に置かれ、温度の変化が0.1 ℃以下に抑えられるようになっている。
【0036】
収差測定機構5は、露光中はウエハステージ12の下部或いは隣接する位置に配置されている。そして、ウエハ交換中に、図3に示すように、移動機構4により、ウエハステージ12を結像光学系2の結像位置以外にスライドさせて、収差測定機構5を前記結像位置付近に移動させる。さらに、結像光学系2を透過したX線9’を、収差測定機構5に導入することにより、収差を測定する。収差測定機構5は、X線空間像評価装置で構成され、結像光学系2からのX線9’の収差が測定できる。
【0037】
露光装置の作動中は収差が変化するので、測定値が0.9nmrmsを超えた場合には、制御機構13を用いて収差補正機構である光学系調整機構6、マスク調整機構7、ウエハ調整機構8の動作を制御することにより収差の補正を行う。
本実施例の露光装置を用いて露光すると、最小サイズ0.1 μmのレジストパターンが作製でき、さらに、24時間以上の長時間運転においてもレジストパターンの断面形状に劣化は認められないことが分かった。
【0038】
一方、収差測定機構、移動機構、収差補正機構を設けていない従来の露光装置による露光の場合は、運転開始後、徐々にレジストパターンの断面形状が劣化し、さらに、0.1 μmサイズのパターンは形成されなくなってしまった。
<第二実施例>
図2は、本実施例のX線投影露光装置の構成を示すブロック図である。
【0039】
図2の露光装置は、X線源、該X線源から発生するX線をマスク1上に照射する照明光学系(不図示)、マスク1のステージ11、マスク1からのX線9を受けてマスク1上に形成されたパターンをウエハ3上に投影結像する投影結像光学系2、ウエハ3のステージ12、結像光学系2からのX線9’の収差を測定する収差測定機構5、前記X線9’の収差を補正する収差補正機構6、7、8、前記収差測定機構5、収差補正機構6、7、8及びウェハステージ12の動作を制御する制御機構13を有する。
【0040】
本装置は、光源としてレーザープラズマX線源を用い、X線を照明装置を介してマスク1に照射する。露光波長は13nmとし、またマスク1は反射型のものを用いた。マスク1で反射したX線9は、結像光学系2を透過してウエハ3上に到達し、マスクパターンがウエハ3上に縮小転写される。
結像光学系2は4 枚の反射鏡で構成され、それぞれの反射鏡には温度調節機構が設けてあり、露光時でも温度の変化が0.1 ℃以下に保たれる。さらに、露光装置は恒温チャンバー内に置かれ温度の変化が0.1 ℃以下に抑えられるようになっている。
【0041】
収差測定機構5は、ウエハステージ12に固定されており、ウエハステージ12とともにその位置を移動する。そして、ウエハ交換中に、図4に示すように、ウエハステージ12を結像光学系2の結像位置以外にスライドさせると同時に、収差測定機構5を該結像位置付近に移動させる。
さらに、結像光学系2を透過したX線9’を、収差測定機構5に導入することにより、収差を測定する。収差測定機構5は、X線空間像評価装置で構成され、結像光学系2の収差が測定できる。
【0042】
即ち、本実施例の露光装置では、ウエハステージ12自身が収差測定時にウェハステージ12を前記投影結像光学系2の結像位置から遠ざけて、前記収差測定機構5を前記結像位置またはその付近に配置させ、投影露光時に前記収差測定機構5を前記結像位置またはその付近から遠ざけて、ウェハステージ12を前記結像位置に配置させる移動機構としての機能を果たしている。
【0043】
露光装置の作動中は収差が変化するので、測定値が0.9nmrmsを超えた場合には、制御機構13を用いて収差補正機構である光学系調整機構6、マスク調整機構7、ウエハ調整機構8の動作を制御することにより収差の補正を行う。
本実施例の露光装置を用いて露光すると、最小サイズ0.1 μmのレジストパターンが作製でき、さらに、24時間以上の長時間運転においてもレジストパターンの断面形状に劣化は認められないことが分かった。
【0044】
一方、収差測定機構5、移動機構、収差補正機構6、7、8を設けていない従来の露光装置による露光の場合は、運転開始後、徐々にレジストパターンの断面形状が劣化し、さらに、0.1 μmサイズのパターンは形成されなくなってしまった。
【0045】
【発明の効果】
以上の如く、本発明(第1〜第7発明)によれば、装置作動中の解像度の低下を防止できる。また、本第7発明によれば、スループットを低下させないで、装置作動中の解像度の低下を防止できる。
即ち、本発明の露光装置は(特に第7発明の装置では、そのスループットを低下させずに)、X線の収差を測定することができ、さらにその測定結果に基づいて収差を補正することができる。
【0046】
そのため、本発明の露光装置は長時間の作動中、高い解像力を維持することができるので、微細なレジストパターンを作製し続けることができる。また、収差の測定は露光光自体を測定するため、測定精度が高い。
本第7発明の装置では、収差の測定をウエハを交換する時間、メンテナンス時間等の露光しない時間に行うので、スループットは従来の露光装置と同じく、高スループットを維持できる。従って、高いスループットで、マスクのパターンを忠実に基板上に転写することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明にかかるX線投影露光装置(一例)の構成(一部)を示すブロック図である。
【図2】は、本発明にかかるX線投影露光装置(別の一例)の構成(一部)を示すブロック図である。
【図3】は、本発明にかかるX線投影露光装置(一例)における収差測定プロセスを示す図である(aは露光時を示す図、bはウエハステージ12及び収差測定機構5の移動時を示す図、cは収差測定時を示す図である)。
【図4】は、本発明にかかるX線投影露光装置(別の一例)における収差測定プロセスを示す図である(aは露光時を示す図、bはウエハステージ12及び収差測定機構5の移動時を示す図、cは収差測定時を示す図である)。
【図5】は、本発明にかかるX線投影露光装置の収差補正機構としての光学系調整機構(一例)の構成図である。
【図6】は、従来のX線投影露光装置(一例)の構成(一部)を示すブロック図である。
【主要部分の符号の説明】
1...マスク
2...投影結像光学系
3...ウエハ
4...移動機構
5...収差測定機構
6...光学系調整機構(収差補正機構の一例)
7...マスク調整機構(収差補正機構の一例)
8...ウエハ調整機構(収差補正機構の一例)
9...マスクからのX線
9’...投影結像光学系からのX線
10...配線
11...マスクステージ
12...ウエハステージ
13...制御機構
14...反射鏡
15...アクチュエータ
16...反射鏡ホルダー
以上
Claims (7)
- 少なくとも、X線源、該X線源から発生するX線をマスク上に照射する照明光学系、該マスクを保持するマスクステージ、該マスクからのX線を受けて該マスク上に形成されたパターンをウエハー上に投影結像する投影結像光学系、及び該ウエハを保持するウェハステージを備えたX線投影露光装置において、
前記投影結像光学系からのX線の収差を測定する収差測定機構と、
前記X線の収差を低減または解消する収差補正機構と、
を設けたことを特徴とするX線投影露光装置。 - 少なくとも、X線源、該X線源から発生するX線をマスク上に照射する照明光学系、該マスクを保持するマスクステージ、該マスクからのX線を受けて該マスク上に形成されたパターンをウエハー上に投影結像する投影結像光学系、及び該ウエハを保持するウェハステージを備えたX線投影露光装置において、
前記投影結像光学系からのX線の収差を測定する収差測定機構と、
収差測定時に前記ウェハステージを前記投影結像光学系の結像位置から遠ざけて、前記収差測定機構を前記結像位置またはその付近に配置させ、投影露光時に前記収差測定機構を前記結像位置またはその付近から遠ざけて、前記ウェハステージを前記結像位置に配置させる移動機構と、
前記X線の収差を低減または解消する収差補正機構と、
を設けたことを特徴とするX線投影露光装置。 - 前記収差測定機構が前記ウエハステージに固定され、該ウエハステージが前記移動機構を兼ねていることを特徴とする請求項2記載のX線投影露光装置。
- 前記収差測定機構がX線空間像の測定器であることを特徴とする請求項1〜3記載のX線投影露光装置。
- 前記収差補正機構は少なくとも、前記投影結像光学系を構成する光学素子の位置及び形状の調整、前記マスクの形状の調整、または前記ウエハの形状の調整を行うことにより前記X線の収差を低減または解消することを特徴とする請求項1〜4記載のX線投影露光装置。
- 前記収差測定機構、移動機構及び収差補正機構の動作を制御する制御機構をさらに設けたことを特徴とする請求項1〜5記載のX線投影露光装置。
- 前記制御機構は、前記ウエハを交換する時間内、または装置をメンテナンスする時間内に、前記収差測定機構、移動機構及び収差補正機構を動作させることを特徴とする請求項6記載のX線投影露光装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP31227795A JP3632264B2 (ja) | 1995-11-30 | 1995-11-30 | X線投影露光装置 |
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