JP2015507027A - アルコキシシランベースのオレフィン官能化シロキサンオリゴマー組成物 - Google Patents

アルコキシシランベースのオレフィン官能化シロキサンオリゴマー組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、オレフィン官能化シロキサンオリゴマーを含有する組成物に関し、当該組成物は、オレフィン官能化アルコキシシラン、及び任意で、飽和炭化水素により官能化されたアルコキシシラン、また任意でテトラアルコキシシランから誘導されており、ケイ素原子あたり最大1個のオレフィン基を有し、総塩化物含分が低減されており、質量平均分子量(Mw)が、315g/mol超である。

Description

本発明は、オレフィン官能化シロキサンオリゴマーを含有する組成物に関し、当該組成物は、オレフィン官能化アルコキシシラン、及び任意で、飽和炭化水素により官能化されたアルコキシシラン、また任意でテトラアルコキシシランから誘導されており、ケイ素原子あたり最大1個のオレフィン基を有し、総塩化物含分が低減されており、質量平均分子量(Mw)が、315g/mol超である。
熱可塑性樹脂及びエラストマーを製造する際に、鎖状及び環状のシロキサンオリゴマーの混合物を用いることは公知である。しかしながら昨今、できる限りVOCを下げて作業することがますます望まれており、それは例えば熱可塑性樹脂及びエラストマーを架橋する場合(特に、ケーブル製造の場合)である(VOC=「揮発性有機化合物(Voltaile Organic Compounds)」)。
ビニルトリエトキシシラン(混合物でもよい)を、アルキルトリエトキシシラン及び/又はテトラエトキシシランと、酸性のHCl接触加水分解と縮合によりアルコール中で、算出した量の水の存在下で反応させることも公知である。続いて、アルコールを分離する。
使用する酸は生成物中に留まるか、又は塩化水素(HCl)の場合には、コストを掛けて有機官能性アルコキシシランの反応後に再度、製造した組成物から除去しなければならない。加工機械の金属表面の腐食を防止するためである。これは、シロキサン粗生成物の蒸留により行われる。
適用時、例えば充填されたケーブルコンパウンドを製造する際、オリゴマーは通常、コンパウンド化機器において、ポリマー及び官能性充填剤と一緒に用いられる。これは非連続的な方法の場合、均質混合機又は混合ローラで、また連続的なコンパウンド化法では二軸押出機又は共軸混練機で行われる。ここで典型的な加工温度は、130〜270℃の範囲にある。これはすなわち、シランコンパウンドの供給箇所において、方法によってはコンパウンド化機器の導入部、又はポリマー溶融物において、モノマーのシラン及び蒸留可能なオリゴマーの沸点を超える温度が存在するということである。この経験からは、不所望の作用物質損失に加えてさらに、遊離シラン化合物がジャケット内壁又は脱気ゾーンにますます堆積することがわかっている。これらの堆積物は、蒸発したシラン又は蒸留可能なオリゴマーの分解生成物が主成分である。アルコールが含まれることもあるこれらの蒸気によって、危機的な状況が発生することがあり、こうした蒸気は逆方向への脱気の際に導入部に到達する可能性があり、熱せられた表面と接触しうる。これらの問題はまた、コンパウンド化装置の一部領域、又はその脱気領域にも当てはまる。これらの理由から総体的に、使用する化合物の発火点ができるだけ高いことが必要である。充填されたポリマー化合物の場合には、シラン若しくはシランオリゴマーのケイ素官能基のエステル基が加水分解反応する際に生じて放出される加水分解アルコールもまた、考慮すべきである。よって総体的に、VOC(揮発性有機化合物)の減少は、これらの技術において非常に重要な基準である。
既に述べたように、コンパウンド化法における通常の可動温度は、たいてい101℃を超えており、混練はしばしば、例えば170〜180℃で行われる。よってさらに、VOCの減少が低減され、腐蝕性の低いオリゴマーに対する需要が存在し、このオリゴマーは酸性化合物(例えばギ酸)、HCl若しくはClを含有する化合物を含まない。これらの化合物の量が非常に少なくても、上記加工温度では腐食、ひいては短時間での機械部材の摩耗につながる。そこでステンレス鋼、ニッケル基合金、及び銅ベースの合金が記載されているが、これらは腐食により、ギ酸又はHClに対して耐性がない(例えば「Handbuch der Metallbelaege」、Fa. Witzemann著、Stand Januar 2010, Kapitel 7.2 Korrosionsbestaendigkeit, p.200-238)。ThyssenKruppはパンフレット(Chemische Bestaendigkeit der Nirosta(登録商標)-Staehle、ThyssenKrupp Nirosta GmbH、第3版、Stand 01/2008)において、様々な腐食類型を記載しており、穴状の、亀裂状の、又は応力腐食の形で剥離性腐食面の典型的なきっかけとして、例えば酸及び塩化物イオンの存在を挙げている。このような酸及び塩化物イオンの腐食作用は、高温により明らかに上昇する。合金化されていない鋼では、空気中の湿分が高い(相対湿度で80〜100%)と、ギ酸10g/cm2の存在下、及び塩化物の存在下では、材料腐食量は14日後に最大105cm/cm2である。従って、本発明により製造されるオリゴマーにおける加水分解触媒及び縮合触媒の含量は、質量ppm〜質量pptの範囲、又は検出限界までできるだけ低減させるのが望ましい。
加工の間の腐食に加えてまた、塩化物/塩化物イオン、又は酸が最終的な適用(例えばケーブル絶縁体)において存在することは重要である。絶縁されたコンダクタにおいて腐食があり得ること、またケーブル絶縁性の電気特性に否定的な影響があり得ることに加えて、ハロゲン不含の、難燃性コンパウンドの場合には、腐蝕性、及びハロゲン含有燃焼性ガスを必ず避けなければならない。このような要求はもちろん、これらのコンパウンドにおいて使用される原料にも当てはまる。
上述のように本発明におけるシロキサンオリゴマーにおける塩化物含分と酸含分を回避又は低減することによって、これらの要求は完全に満たすことができる。
さらに、有機溶剤の含有量がより少なく、このため環境に優しいシラン系に対して、ますます興味が持たれている。この理由から、予備縮合させたVOC含分が低いシラン系が提供される傾向があるが、これは安定化されていなければならない。なぜならばこのシラン系は、触媒を含有しなければならず、またここから、触媒を高コストで分離しなければならないからである。
EP 0 518 057 B1又はUS 5,282,998は、鎖状及び環状シロキサンオリゴマー混合物の製造方法を開示している。実施例1及び6によれば、各生成物の混合物は、ビニルトリアルコキシシラン又はビニルトリアルコキシシランとアルキルトリアルコキシシランとの混合物を加水分解及び縮合することによって製造され、ここで、使用されるシランのケイ素1molあたり、水が0.63mol、加水分解と縮合のために使用される。さらにHCl触媒は、そこに開示された方法によって完全には分離できず、腐蝕性に作用する残留含分は、HClが約50〜約230ppm、生成物それ自体の中に残存し、これは開示された方法によれば蒸留される。この理由からEP 0 5180 57B1によれば、既にエネルギーが高く、コストの高い方法における後処理において、HCl含分を低下させるため、真空中で再蒸留しなければならない。上述のオリゴマー混合物は、グラフト重合及び加水分解による縮合によって熱可塑性ポリオレフィン用の架橋剤として適用される。
US 6,395,856 B1が開示しているのは、有機官能性ケイ素を含有するオリゴマーのヒドロシリル化であり、これは例えば、ギ酸の存在下、保護ガス化で希釈剤を用いずに、ビニルトリメトキシシランを反応させる、ビニルメトキシシリコネートのヒドロシリル化である。
CN 10034331 1 Cが記載しているのは、ビニルトリメトキシシランを接触加水分解及び縮合することにより得られるシランオリゴマーである。金属塩触媒(例えば水酸化銅)を、酸と組み合わせて用いることが必須である。触媒の分離にはコストがかかるため、触媒の残量又は中和生成物が生成物中に留まり、このことは多くの適用で不利に作用することを考慮する必要がある。そのため酸の分離は、炭酸カルシウムを用いた中和と、その際に生じるカルシウム塩の濾過によって行われている。
従来技術において幾つかのシロキサンオリゴマーの場合、発火点は数日中に貯蔵の経過につれて50℃未満に低下する。と言うのも、触媒の残量が、組成物中に高濃度で残っていることがあるからである。従来技術から得られる他の組成物はここでも、150℃で最大25質量%という大きな質量損失を示し、200℃では50〜90質量%という大きな質量損失になる。
10,000g/molという範囲の高分子を有するシロキサンがJP10-298289 Aに記載されており、ここでこのシロキサンは、ビニル官能性若しくはフェニル官能性のアルコキシシランを、酸触媒の存在下で加水分解及び予備縮合若しくは縮合することにより製造され、この触媒は続いて水不含のアニオン性イオン交換体によって生成物混合体から除去される。このような高分子材料は粘度が高く、また反応性が低いため、たいていの適用において使用できない。
JP2004-099872には、多数の官能基を有することができるオルガノシロキサンオリゴマーであって、平均分子量Mnが350〜2,500g/molであり、多分散性(D=Mw/Mn)が1.0〜1.3のものが記載されている。この製造は、塩基性触媒の存在下、著しく希釈された水溶液から、非常に僅かな、経済的には目標とするに値しない空時収率で行われる。こうして1lの溶液から、1mlの生成物が単離される。JP2004-099872Aの教示は、開示されたようには後処理できない。よって実施例1は複数回、記載されたようには後処理できない。
本発明の課題は、コスト的に有利で安定したオレフィン官能化シロキサンオリゴマーを提供することであった。当該シロキサンオリゴマーは、塩素含分が少ない、好適には塩素不含であるのが望ましく、封止剤における乾燥剤として使用するために同時に充分な反応性を有するのが望ましく、同時に耐高温性が高い。さらにこのシロキサンオリゴマーは、発火点が非常に高く、高温下でもVOCが少なく、さらなる安全措置無しで適用技術において高温下で使用可能であるのが望ましかった。さらにその粘度は、適用に適切であるのが望ましい。さらなる課題は、シロキサンを低いエネルギーコストで製造可能であり、かつシロキサンが所望の特性プロフィールを有する、オレフィン官能化シロキサンオリゴマーの経済的な製造方法を提供することであった。同様に本発明の課題は、塩素が少なく、特にコスト的に有利に製造可能な、上記特性プロフィールを有する純粋なオレフィン系シロキサンオリゴマーの混合物(特にアルケニルアルコキシシランをベースとするもの)、又はオレフィン及びアルキル官能化シロキサンオリゴマーの混合物(特にアルケニル/アルコキシシランをベースとするもの)、並びにこのような混合物の製造方法を提供することであった。またシロキサンオリゴマー自体は、高温下、例えば押出成形機内で、質量損失が少ないのが望ましい。好適にはまた、適用技術におけるさらなる特性を公知の系に比べて維持、又は改善するのが望ましい。さらなる課題は、本発明によるシロキサンオリゴマーによって、熱可塑性樹脂又はエラストマーによる加工性の改善、またこれにより製造される熱可塑性樹脂又はエラストマーの性能の改善を達成することであった。加工時に重要になるのはまた、押出機適用内の規定の温度において、可能な限り少ない質量損失と組み合わされた、熱可塑性樹脂におけるシロキサンオリゴマーの迅速な加工性である。ここで有利なことに、酸触媒の残留含分、特に塩素含分、好適には全塩化物含分、及び/又は加水分解可能な塩化物の含分もまた、本発明によればさらに明らかに低下できる。さらなる課題として、オレフィン系シロキサンオリゴマーが、良好な貯蔵安定性を、比較的長時間にわたる貯蔵時間で有し、発火点の上昇が最小化され、好適にはまた、混合物の粘度上昇(例えば混合物のゲル形成、凝集、又は後縮合による粘度上昇)が、長時間にわたって回避されるのが望ましかった。さらに、オレフィン官能化されたシロキサンオリゴマーにおけるモノマー含分(不所望の後架橋につながりかねない)は低いか、又は好適にはモノマーが全く存在しないのが望ましく、同時にこの方法は、公知の方法よりも経済的であるのが望ましかった。同時にさらなる課題は、シロキサンの良好な加工性を保証するため、3,000mPas未満、好適には1,000mPas以下、特に100mPas以下、2mPas超というという動的粘度と結びついたシロキサンについて規定のオリゴマー化度を調整することであった。本願において本発明で記載する動的粘度についての値は、DIN 53015準拠の測定方法による。
上記課題が独立請求項の態様により解決される場合、好ましい実施態様は、サブクレームと明細書中に詳細に説明されている。
意外なことに、オレフィン官能化アルコキシシラン、及び任意でアルキルアルコキシシラン、及び任意でテトラアルコキシシランを、容易かつ経済的な方法で、水対アルコキシシランのアルコキシ基の比が、1:2〜1:6、特に1:2.75〜1:5.0という規定量のモル比の水と、溶剤(好適にはアルコール)、及び酸触媒の存在下で反応させ(しかしながら、金属塩触媒は使用しない)、塩素含分が低い所望の組成物にすることができ、ここで加水分解アルコール、及び存在する場合には溶剤を実質的に分離し、特に溶剤及び/又は加水分解アルコールを蒸留により分離する。さらに本発明によれば、加水分解触媒及び/又は縮合触媒として通常の条件下で、気体状の酸触媒(水相又はアルコール相に可溶性のもの)、特にHClを用いる。よって反応は、均質接触条件下で行う。本発明による方法によって、気体状の触媒がほぼ完全に組成物から分離可能なことは、意外な利点であった。
意外なことにこのようにして、315g/mol超、10,000g/mol未満、好適には320g/mol〜9,000g/mol、極めて特に好適には340g/mol〜1,000g/mol、特に350g/mol〜850g/mol、好ましくは350g/mol〜800g/molという分子量(Mw)を有する、良好に取り扱い可能な生成物を、良好な空時収率で製造することができた。さらに分子量の数値を挙げれば、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、及び750g/molである。好ましい質量平均は、350g/mol〜750g/mol、好適には350g/mol〜725g/mol、特に好適には410g/mol〜600g/mol、同様に好ましくは410〜590g/mol、又は410g/mol〜570g/molである。
さらに意外なことに、このようにして得られるシロキサンオリゴマーは既に、塔底生生物として非常に総塩化物含分が低かった。このようにして得られる組成物は、本発明によれば特に塩素含分又は総塩素含分が低く、所望の特性を有する。と言うのも前記組成物は有利には、M構造の含分が80%未満、特に75%未満、好ましくは70%以下有し、かつ分子量(Mw)の特定の最小質量平均が、315g/mol超だからである。意外なことにまた、分子量にも拘わらず粘度が、目的とする使用に適切であった。よって本発明によるシロキサン組成物は有利なことに、VOC含分も低い。
本発明による組成物、及び本発明による方法により製造されたシロキサンオリゴマーの組成物は、公知のオリゴマーとは異なり、例えばシロキサンオリゴマー組成物の最終的な蒸留のようなさらなる処理を必要としない。製造される組成物であるシロキサンオリゴマーの塔底生成物は、公知のもの(やや異なる方法により得られる、蒸留により精製されたシロキサンオリゴマー)と同等以上の性能を示す。従って本発明により得られるシロキサンオリゴマーは、もはやそれ自体蒸留する必要がなく、純粋に塔底生生物として得られ、かつ使用できる。従って本発明により得られ得シロキサンオリゴマーは、もはやそれ自体蒸留する必要がなく、純粋に塔底生生物として得られ、かつ使用できる。よってこの組成物はまた、必要なエネルギーがより小さく、より高い収率で得られる。
よって本発明の対象は、オレフィン官能化シロキサンオリゴマーを含有する組成物であって、前記オリゴマーは、ケイ素原子あたりオレフィン基を最大一個有し、かつオレフィン官能化シロキサンオリゴマーは、Si−O−架橋された構造要素を有し、当該構造要素は、鎖状、環状、架橋された、及び/又は任意で三次元的に架橋された構造を形成し、ここで少なくとも1個の構造は、一般式Iの理想化された形態に相当し、
Figure 2015507027
上記式中、構造要素はアルコキシシランから誘導されており、かつ
上記構造要素においてAは、オレフィン基に相当し、特に炭素数が2〜16の直鎖状、分枝鎖状、若しくは環状のアルケニル−アルキレン官能基又はシクロアルケニル−アルキレン官能基から選択され、かつ記構造要素においてAは、オレフィン基に相当し、特に炭素数が2〜16の直鎖状、分枝鎖状、若しくは環状のアルケニル−アルキレン官能基又はシクロアルケニル−アルキレン官能基から選択され、
前記構造要素においてBは、飽和炭化水素基に相当し、特に炭素数が1〜16の直鎖状、分枝鎖状、若しくは環状のアルキル基に相当し、 前記構造要素においてBは、飽和炭化水素基に相当し、特に炭素数が1〜16の直鎖状、分枝鎖状、若しくは環状のアルキル基に相当し、
Yは、OR3に相当するか、又は架橋され、任意で三次元架橋された構造においては相互に独立してOR3又はO1/2に相当し、好適にはYはOR3であり、
1は相互に独立して、炭素数が1〜4の直鎖状、分枝鎖状、及び/又は環状のアルキル基、又は場合によりHに相当し、
3はそれぞれ相互に独立して、炭素数が1〜4の直鎖状、分枝鎖状、及び/又は環状のアルキル基、又は場合によりHに相当し、R2はそれぞれ相互に独立して、炭素数が1〜15の直鎖状、分枝鎖状、又は環状のアルキル基に相当し、R4はそれぞれ相互に独立して、炭素数が1〜15の直鎖状、分枝鎖状、又は環状のアルキル基に相当し、
a、b、c、x、及びyは独立して整数に相当するが、ただし、1≦a、0≦b、0≦cであり、xは相互に独立して0又は1であり、yは相互に独立して0又は1であり、(a+b+c)≧2であり、特に好ましくは1≦aの場合にx=0であるか、又は1≦aの場合にx=0であり、そして1≦bの場合にy=0であり、
ここで、一般式Iにおける構造単位[(R1O)1-x(R2xSi(A)O]a、[Si(B)(R4y(OR31-yO]b、及び/又は[Si(Y)2O]cは合計で、一般式Iの全てのケイ素原子に対して、80%以下〜30%以上、特に25%以上がM構造として存在し、
分子量の質量平均(Mw)は、315g/mol超であり、かつ
特に、製造の際に使用される酸触媒の残渣若しくは残留物の含分、特に塩素又は塩化物の含分、好適には全塩化物の含分は、250mg/kg以下、特に150mg/kg以下、さらに好適には100mg/kg以下、特に好適には75mg/kg以下、さらに好ましくは50mg/kg以下から現実的な分析の検出限界、極めて特に好適には35mg/kg以下であり、特に、本発明により有利には塔底生成物として得られる組成物中において、好適には0.001mg/kg以下である。
技術な手法で、ほぼワンポット反応として実施可能な経済的な方法を発展させることができた。塔底生成物のコストのかかる蒸留は、行わずに済む。これによって生成物の収率は、公知の方法に比して明らかに向上できた。
意外なことに工程条件によって、触媒又は触媒残渣(総塩化物)の含量が非常に低く、また高分子シロキサンの割合が低い、高純度の組成物を得ることができた。
本発明による組成物の分子量分布を規定のように調節することによって、熱に対して特に安定的なシロキサンオリゴマーにつながり、当該シロキサンオリゴマーは、150〜200℃という高温下であっても、後の適用技術における加熱した押出機内で明らかに質量損失が低い。この際、単純に高分子化合物が製造できたわけではない。と言うのも、高分子量のオリゴマー化合物により、オリゴマーのからみあいにつながるため、他の生成物における加工性の悪さ、又は加工性の遅延につながるからである(例えば押出成形機内でのポリマー材料)。
本発明によればQ構造を有さないシロキサンオリゴマーを含有する組成物も好ましい。と言うのも、Q構造は明らかに粘度を向上させるため、適用範囲を制限するからである。よってcは好ましくは0である。
別の態様によれば、前記組成物は好ましくは、分子量の質量平均(Mw)が315g/mol超であり、分子量の数平均(Mn)が300g/mol以上のオレフィン官能化シロキサンオリゴマー含有組成物を含有し、ここでMw/Mnの商として定義される多分散性は、1.05〜1.35であり(それぞれ境界値を含む)、好適には1.05〜1.25、好ましくは1.05〜1.20、特に好適には1.05〜1.18、又は1.05〜1.17である。よって本発明によるシロキサンオリゴマーは組成物中、狭い分子量分布を有し、このため同時に画分あたりの鎖の数が多い場合にも、分子量画分の数値は低い。組成物におけるこの狭い質量分布は、意外なことに本発明による方法によって、工程条件を制御することによって、既に塔底生成物として得られる。狭いモル質量分布のさらなる利点は、非常に均質な熱による方法において、狭い温度範囲において示される。
本発明の対象は好ましくは、オレフィン官能化シロキサンオリゴマー含有組成物であって、前記オレフィン官能化シロキサンオリゴマーは組成物中、全組成物に対して90%以上(面積%、GPC)は、分子量が1000g/mol以下で存在し、特に92%以上(面積%、GPC)、好ましくは93%以上である。ここで好適には、シロキサンオリゴマーの多分散性(Mw/Mn)は同時に、D=1.05〜1.25である。
同時にさらに好ましくは、全組成物の80%超(面積%、GPC)、特に85%超の分子量が、250g/mol以上であり、好ましくは85%以上、特に90%以上が、250g/mol以上の分子量を有する。よって本発明による組成物は有利には、組成物中でシロキサンオリゴマーの80%以上、特に85%以上(面積%、GPC)、好ましくは90%以上、特に好適には92%以上、93%以上、94%以上、95%以上について、Mwが250以上〜1000g/molであり、ここで変動範囲は、±5%、好適には±2%、特に1%以下でありうる。このような組成物は、本発明による方法によって得られ、特に特定の塩化物又は総塩化物含分に焦点を当てること無く実証される。特に、直鎖状及び分枝鎖状のヘキサシロキサン、シクロヘプタシロキサン、及び高分子のシロキサンオリゴマーは、組成物中に最大で25面積%、特に好ましくは10〜25面積%、特に好ましくは11〜20面積%しか存在しない。
さらに、又は独立して、シロキサンオリゴマーの80%以上、特に85%以上(面積%)が、特に式Iのもの(ただし(a+b+c)≧2)で存在し、好適には1000g/mol以下の全組成物に対して90%との組み合わせで存在する。
本発明の対象は同様に、組成物中で45%以上、特に47.5%以上(面積%、GPC分析によって測定)がトリシロキサン、テトラシロキサン、シクロテトラシロキサン、及び/又はシクロペンタシロキサンとして存在するオレフィン官能化シロキサンオリゴマーを含有する組成物であって、ここで好適には多分散性が1.05〜1.25、好ましくは1.05〜1.20、特に好ましくは1.05〜1.17である(境界値を含む)。特に好ましいのは、組成物中で75%以上(面積%、GPC分析によって測定)、好適には77.5%以上(面積%、GPC分析によって測定)が、ジシロキサン、トリシロキサン、テトラシロキサン、ペンタシロキサン、シクロトリシロキサン、シクロテトラシロキサン、シクロペンタシロキサン、及び/又はシクロヘキサシロキサンとして存在するオレフィン官能化シロキサンオリゴマーを含有する組成物であって、これらの構造を有するオリゴマーは特に好ましくは80%以上存在し、ここで特に多分散性が1.05〜1.25、好ましくは1.05〜1.20、特に好ましくは1.05〜1.17である(境界値を含む)。一般的には、ジシロキサン、トリシロキサン、テトラシロキサン、ペンタシロキサンという呼称が、それぞれ直鎖状及び/又は分枝鎖状のシロキサンを表し、シクロトリシロキサン、シクロテトラシロキサン、シクロペンタシロキサン、又はシクロヘプタシロキサンが、環状のシロキサンを表す。
本発明による方法によって得られる、分子量が高く、同時に質量損失が低く、高純度のオレフィン官能化オリゴマーを含有する組成物によって、高い発火点と当時に、高温下での良好な特性を調整することができる。よって本発明による組成物は、それぞれ独立して、85℃以上の温度、特に90℃以上の温度に発火点を有する。本発明による組成物が50質量%という組成物の質量損失を示すのは(TGAにより測定)、好適には210℃超の温度で初めてであり、特に220℃超の温度で初めて50%の質量損失が確認され(TGAにより測定、実施例参照)。特に好ましくは、50%の質量損失は、220〜250℃という非常に狭い温度領域で現れ、特にまた多様に置換されたシロキサンオリゴマーについては、変動範囲が±5℃あり得る(加熱速度は10K/分、白金るつぼ、穴付の蓋)。
本発明の更なる態様によれば、組成物の質量損失(TGAにより測定、白金るつぼ、穴付の蓋、10K/分)は、140℃以下の温度で5質量%未満である。代替的に、又はさらに、組成物の質量損失は、220℃の温度で、50質量%未満である。さらに、本発明による組成物は、200℃で質量損失が30質量%未満であり、好適には発火点が90℃超である。150℃の温度では、本発明による組成物の質量損失は、10質量%未満、特に8質量%未満である。ポリマー(このポリマーに対して、特性を調整するためにシロキサンオリゴマーを添加する)の加工温度は通常、150〜200℃の温度である。この範囲において、本発明による組成物は、従来技術から公知シロキサンオリゴマーと比べて、特に質量損失が低い。特に強調したいのは、同時に、組成物の発火点が、90℃超、好適には95℃超、さらに好ましくは100℃超と高いことである。塔底生成物の高純度に基づくこれらの高い発火点は、長期にわたる貯蔵時間を保証することができる。と言うのも、組成物中にはほとんど触媒残量が存在しないからである。
さらに好ましくは、オレフィン官能化シロキサンオリゴマーを有する組成物は、前記シロキサンオリゴマーの分子量の質量平均(Mw)が420g/mol以上であり、分子量の数平均(Mn)が400g/mol以上であり、ここでMw/Mnの商として定義される多分散性は、1.05〜1.35、好適には1.05〜1.25、さらに好ましくは1.05〜1.20、特に1.05〜1.17である。同様に好ましいシロキサンオリゴマー含有組成物は、前記シロキサンオリゴマーの分子量の質量平均(Mw)が420g/mol以上であり、分子量の数平均(Mn)が462g/mol以上であり、ここでMw/Mnの商として定義される多分散性(D)は、1.10〜1.20、特に好適には1.05〜1.18、又は好ましくは上記値である。
さらなる好ましい態様によれば、組成物中においてシロキサンオリゴマーは、分子量の質量平均(Mw)が450g/mol以上〜590g/molであり、分子量の数平均(Mn)が410g/mol以上〜510g/molであり、ここでMw/Mnの商として定義される多分散性(D)は、1.05〜1.25、特に1.05〜1.22、好ましくは1,05〜1.20である。
分子量の質量平均(Mw)
Figure 2015507027
分子量(Mn)の数平均
Figure 2015507027
各式中、niは、iマーの物質量(質量)であり、Miは、iマーの分子量である。質量平均と数平均についての詳細な定義は、当業者に公知であり、読者にはまた特にインターネットの「http://de.wikipedia.org/wiki/ Molmassenverteilung」の項目、又は数学の標準的な著作物から読み取ることができる。
高温下(特に150〜200℃、又は200〜230℃)での質量損失が低いという点、またポリマー、プレポリマー、又はモノマーとのこれらの混合物における良好かつ迅速な加工性という点で、規定の特性プロフィールを保証するため(例えば押出成形機における使用の際)、オレフィン系シロキサンオリゴマーが規定の分子量分布(好適には比較液狭い分子量分布)を有することは、非常に重要である。高分子生成物(例えば直鎖状若しくは分枝鎖状のヘキサシロキサン又はヘプタシロキサン)の含量が高すぎると、ポリマーにおける分配性が阻害され、また架橋特性にも不利に作用するだろう。一方で、ジシロキサンの割合が高すぎることも望ましくない。と言うのも、150〜200℃の温度における質量損失が高すぎることにつながるからである。
特に好ましくは、組成物中でシロキサンオリゴマーの70%以上が、ジシロキサン、トリシロキサン、シクロテトラシロキサン、テトラシロキサン、シクロペンタシロキサン、ペンタシロキサン、及び/又はシクロヘキサシロキサンとして存在し、その割合は好適には75%以上、特に好ましくは80%以上、さらに好ましくは85%以上である。よって本発明による組成物は好適には、オレフィン系シロキサンオリゴマーを以下の割合で有し、それぞれ独立して、±3%の標準偏差があり得る:好ましくはそれぞれ独立して、モノマーのシランの割合が0.5%未満、ジシロキサンとシクロトリシロキサンの割合が、好適には30%以下、好ましくは25%未満、トリシロキサンとシクロテトラシロキサンの割合が、20%以上、好適には23%以上、テトラシロキサンとシクロペンタシロキサンの割合は、10%以上、特に14%以上、ペンタシロキサンとシクロヘキサシロキサンの割合は、6%以上〜40%、好適には7〜30%であり、ここで特に直鎖状又は分枝鎖状のヘキサシロキサン、シクロヘプタシロキサン、及び高分子シロキサンの割合は、それぞれ全組成物に対して30%以下、特に25%以下、好適には20%以下(面積%)である(合計で100%)。ここで同時に特に好ましくは、TGAによる質量損失が、最大210℃の温度、好適には220℃未満の温度で50質量%未満である。さらに好ましくは、組成物は同時に、発火点が90℃以上である。%で記載の割合はそれぞれ、GPC分析から面積パーセントとして測定する。
本発明の対象は同様に、オレフィン官能化シロキサンオリゴマーを含有する組成物であって、前記オリゴマーは、ケイ素原子あたりオレフィン基を最大一個有し、かつオレフィン官能化シロキサンオリゴマーは、Si−O−架橋された構造要素を有し、当該構造要素は、鎖状、環状、架橋された、及び/又は任意で三次元的に架橋された構造を形成し、ここで少なくとも1個の構造は、一般式Iの理想化された形態に相当し、ここでシロキサンオリゴマーは、少なくとも1種のアルコキシシランから誘導される構造単位を有し、
(i)一般式IIのオレフィン官能化アルコキシシランから
Figure 2015507027
ここでAは、オレフィン基、特に炭素数が2〜16の直鎖状、分枝鎖状、若しくは環状のアルケニル−アルキレン官能基又はシクロアルケニル−アルキレン官能基から選択され、
2はそれぞれ独立して、炭素数が1〜15の直鎖状、分枝鎖状、又は環状のアルキル基に相当し、
xは0又は1、好適には0であり、
1はそれぞれ独立して、メチル基、エチル基、若しくはプロピル基、又は任意で式IIのアルコキシシランの混合物、特にxは0であり、又はエステル交換生成物に相当し、任意で
(ii)飽和炭化水素基によって官能化された式IIIのアルコキシシランから、
Figure 2015507027
ここでBは、炭素数が1〜16の直鎖状、分枝鎖状、又は環状の飽和炭化水素基であって、好ましくは直鎖状、分枝鎖状、又は環状のアルキル基から選択される非置換の炭化水素基に相当し、R3はそれぞれ相互に独立して、メチル基、エチル基、又はプロピル基であり、
4は、それぞれ独立して、炭素数が1〜15の直鎖状、分枝鎖状、又は環状の飽和炭化水素基に相当し、yは0又は1であり、ここでyは好ましくは0であり、又は任意で、式IIIのアルコキシシラン混合物、又はそのエステル交換生成物に相当し、特にy=0であり、任意で
(iii)一般式IV、すなわちSi(OR34のテトラアルコキシシランから、ここでR3はそれぞれ独立して、メチル基、エチル基、又はプロピル基であるか、又はこれらのエステル交換生成物であり、
特に、製造の際に使用される酸触媒の残渣若しくは残留物の含分、特に塩素又は塩化物の含分、好適には全塩化物の含分は、本発明により有利には塔底生成物として得られる組成物中において250mg/kg以下、特に150mg/kg以下、さらに好適には100mg/kg以下、特に好適には75mg/kg以下、さらに好ましくは50mg/kg以下から現実的な分析の検出限界、極めて特に好適には35mg/kg以下であり、
分子量の質量平均(Mw)は、315g/mol超であり、かつ
ここで、少なくとも部分的な加水分解及び縮合によって上記アルコキシシランから誘導される、シロキサンオリゴマー中の構造単位[(R1O)1-x(R2xSi(A)O]a、[Si(B)(R4y(OR31-yO]b、及び/又は[Si(Y)2O]cは合計で、一般式Iの全てのケイ素原子に対して、80%以下〜30%以上、特に25%以上がM構造として存在する。
炭素数が1〜4である全てのアルキル基、例えばR1、R2、R3、R4は、それぞれ相互に独立して、好適にはメチル、エチル、プロピル、n−プロピル、イソ−プロピル、ブチル、n−ブチル、イソ−ブチル、t−ブチル、及び/又は炭素数が5の2−メチルブチルであり得る。アルキル基R2及びR4はそれぞれ相互に独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、n−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、n−ペンチル基、イソ−ペンチル基、ネオ−ペンチル基、ヘキシル基、i−ヘキシル基、ネオ−ヘキシル基、シクロヘキシル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、オクチル基、n−オクチル基、イソ−オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、C1327基、C1429基、C1531基から、又はシクロペンチル基、シクロヘキシル基から、並びにアルキル置換されたシクロペンチル基及びシクロヘキシル基から選択できる。
エステル交換生成物は、様々なアルコキシ基を有するアルコキシシランを有することができ、その例は、メトキシ基及び/又はエトキシ基で官能化された、式II、III、IV、又は式Iのアルコキシシランである。シロキサンオリゴマーは、式II、III、及びIVのアルコキシシランとしても、またエステル交換生成物としても存在し得る。よって例えば、式IIのアルコキシシランは、メトキシシランの混合物、エトキシシランの混合物、又は混合型の官能化メトキシエトキシシランの混合物として存在し得る。またこれに相応して、式IIIのアルコキシシランは、メトキシシランの混合物、エトキシシランの混合物、又は混合型の官能化メトキシエトキシシランの混合物として存在し得る。オレフィン官能化シロキサンオリゴマー、特に式Iのものにも同じことが当てはまり、これらはR1及びR3として、メチル基又はエチル基、またこれら両方の基を有することができ、メトキシ基及びエトキシ基官能化されたオリゴマーとして存在し得る。
上記特徴に加えて、本発明による組成物におけるシロキサンオリゴマーのM構造含分は、M構造とD構造の割合が非常に高い従来技術に比べて明らかに低減しており、この従来技術では極めて過剰な割合が、シロキサンオリゴマー中でM構造として存在する。
上記特徴に加えてさらに、モノマー性アルコキシシランの含分は、本発明による組成物において明らかに低減されている。よって本発明の対象はまた、オレフィン官能化シロキサンオリゴマーを含有する組成物であって、モノマー性アルコキシシランのケイ素原子含分が、全ケイ素原子に対して2%以下〜検出限界若しくは0.0%、好ましくは1%未満〜0.0%、さらに好ましくは0.8〜0.0%である。モノマー性アルコキシシランとしては、式II、III、及び/又はIVのアルコキシシラン、並びにモノマー性加水分解生成物が考慮される。%での含分は、例えば29Si−NMRスペクトル分析機によって測定できる。これらのモノマーは、シロキサンオリゴマーにおける後架橋と、その特性プロフィールの悪化につながる。国際的な規定(例えばポリマーに関するOECDの規定)、及びさらなる処方に基づき、できる限りモノマーを含まないポリマーを製造することに対して、大きな要求が存在する。
特に好ましい実施態様によれば、オレフィン基Aは、式I及び/又はII中において、非加水分解性のオレフィン基、特に直鎖状、分枝鎖状、又は環状のアルケニルアルキレン官能基又はシクロアルケニルアルキレン官能基であって、炭素数がそれぞれ2〜16のもの、特に好ましくはビニル基、アリル基、ブテニル基、例えば3−ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、エチルヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、シクロヘキセニル−C1〜C8アルキレン基、好適にはシクロヘキセニル−2−エチレン基、例えば3’−シクロヘキセニル−2−エチレン基、例えば3’−シクロヘキセニル−2−エチレン基、及び/又はシクロヘキサジエニルC1〜C8アルキレン基、好適にはシクロヘキサジエニル−2−エチレン基に相当する。
同様に好ましくは、非置換炭化水素基Bは、式I及び/又はIII中で独立して、炭素数が1〜16の直鎖状、分枝鎖状、又は環状のアルキル基、特にメチル基、エチル基、プロピル基、n−プロピル基、イソ−プロピル基、ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、オクチル基、n−オクチル基、イソ−オクチル基、又はヘキサデシル基であり得る。
同様に好ましくは、基Bは独立して、t−ブチル基、ペンチル基、n−ペンチル基、イソ−ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、i−ヘキシル基、ネオヘキシル基、ヘプチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、ネオオクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、2−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、4−メチルヘプチル基、2,2−ジメチルヘキシル基、2,3−ジメチルヘキシル基、2,4−ジメチルヘキシル基、2,5−ジメチルヘキシル基、3,3−ジメチルヘキシル基、3,4−ジメチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、2,2,3−トリメチルペンチル基、2,2,4−トリメチルペンチル基、2,3,3−トリメチルペンチル基、2,3,4−トリメチルペンチル基、3−エチル−2−メチルペンチル基、3−エチル−3−メチルペンチル基、2,2,3,3−テトラメチルブチル基、C1327基、C1429基、及びC1531基である。変法によればアルキル基は、炭素数が3〜16の分枝鎖状又は環状であり得るか、又は炭素数が2〜7の直鎖状であり得る。
本発明によれば、一般式Iにおける構造単位[(R1O)1-x(R2xSi(A)O]a、[Si(B)(R4y(OR31-yO]b、及び/又は[Si(Y)2O]cは合計で、一般式Iの全てのケイ素原子に対して、8%以下〜0.0%がT構造として存在し、特に7.8%以下〜1.00%、代替的に好ましくは6.0〜2.0%がT構造として存在する。
同様に、オレフィン官能化されたシロキサンオリゴマーは、好適にはケイ素原子対、基A及びBの比が、aが1以上、bが0、cが0以上、(a+b+c)が2以上という条件で、Si:(基A+B)の比が、1:1から約1.22:1、好適には1:1から1.15:1である。特に好ましい態様によれば、cが0、ただしaが1以上の整数であり、さらなる好ましい変法によれば、cが0で、ただしaが1以上であり、bが1以上である(それぞれ独立して整数)。
同様に本発明の対象は、ケイ素原子あたり最大1個のオレフィン基を有するオレフィン官能化シロキサンオリゴマーを含有する組成物であって、ここで特にそれぞれ相互に独立して、
(i)一般式Iにおいて構造要素[(R1O)1-x(R2xSi(A)O]aが、一般式Iの全ケイ素原子に対して、0.0〜8.0%、特に0.0〜7.75%、好適には1.0〜7.75%がT構造として存在し、かつ/又は一般式Iにおける構造要素[Si(B)(R4y(OR31-yO]bが、一般式Iの全ケイ素原子に対して、0.0〜1.5%、好適には0.0〜1.0%がT構造として存在し、及び任意で
(ii)一般式Iにおける構造要素[(R1O)1-x(R2xSi(A)O]a、及び[Si(B)(R4y(OR31-yO]b、及び[Si(Y)2O]cが、一般式Iのケイ素原子全てに対して、70%以下〜15%、又は75%以下〜40%がD構造として存在し、その割合は特に70〜42%、特に65〜42%、特に好ましくは65〜43以上であり、及び任意で
(iii)一般式Iにおける構造要素[(R1O)1-x(R2xSi(A)O]aは、一般式Iの全ケイ素原子に対して、25%〜55%がM構造として存在し、その割合は特に25%〜50%、特に好ましくは29%〜45%、35%〜45%であり、及び任意で、
(iv)一般式Iにおける構造要素[Si(B)(R4y(OR31-yO]bは、一般式Iの全ケイ素原子に対して、40%以下がM構造として存在し、その割合は特に35%以下、例えば30〜40%であり、かつ/又は任意で、
(v)一般式Iにおいて構造要素[Si(Y)2O]cは、20%以上がD構造として存在し、その割合は特に20〜40%であり、かつ/又は任意で
(vi)一般式Iにおいて構造要素[Si(Y)2O]cは、0.0〜1%がT構造として存在する。特に好ましい変法によれば、式I中、cが0である。
同様に本発明の対象は、ケイ素原子あたり最大1個のオレフィン基を有するオレフィン官能化シロキサンオリゴマーを含有する組成物であって、ここでそれぞれ相互に独立して、(i)一般式Iにおいて構造要素[(R1O)1-x(R2xSi(A)O]aが、一般式Iの全ケイ素原子に対して、0.0〜8.0%、特に0.0〜7.75%、好適には1.0〜7.75%がT構造として存在し、かつ/又は一般式Iにおける構造要素[Si(B)(R4y(OR31-yO]bが、一般式Iの全ケイ素原子に対して、0.0〜1.5%、好適には0.0〜1.0%がT構造として存在し、及び(ii)一般式Iにおける構造要素[(R1O)1-x(R2xSi(A)O]a、及び[Si(B)(R4y(OR31-yO]b、及び[Si(Y)2O]cが、一般式Iのケイ素原子全てに対して、50%以下〜15%がD構造として存在し、その割合は特に50〜17%、特に好ましくは50〜30%であり、及び任意で
(iii)一般式Iにおける構造要素[(R1O)1-x(R2xSi(A)O]aは、一般式Iの全ケイ素原子に対して、28%〜50%がM構造として存在し、及び任意で、
(iv)一般式Iにおける構造要素[Si(B)(R4y(OR31-yO]bは、一般式Iの全ケイ素原子に対して、40%以下〜30%がM構造として存在する。
同様に好ましくは、オレフィン系シロキサンオリゴマー(一般式Iのもの)におけるT構造対D構造の比は、全ケイ素原子に対して1:2から10:1、好ましくは1:2から3:1、特に好ましくは1:2から3:1、さらに好ましくは1:2から2.5:1、特に好ましくは1:1.2から3:1であり、加えて特に、一般式Iにおける全構造要素のT構造含分は、8.0から0.0%、好適には8.0〜0.5%である。さらに、この組成物は85℃以上、特に90℃以上という高い発火点を有する。良好な発火点は、単離された組成物の純度が高いことと、触媒残渣又は触媒残留物の割合が非常に低いことに起因する。本発明の対象はさらに、オレフィン官能化シロキサンオリゴマー、又は一般式Iのシロキサンオリゴマー少なくとも1種含有する組成物であって、当該組成物中、M構造対D構造が、全ケイ素原子に対して1:1.2から3:1の比で存在し、前記組成物は、85℃以上の温度で発火点を有するものである。
M構造、D構造、T構造、又はQ構造の割合は通常、当業者にそれ自体公知の方法、好適には29Si−NMRにより測定する。
M構造、D構造、T構造、及びQ構造の定義は通常、シロキサン結合中で結合された酸素の数に関連し、以下ではアルコキシシリル単位によって例示的に説明する:それぞれ独立してRは、OR1、OR3、基A、又は基Bであり、これらの定義は上述の通りである。M=[−O1/2−Si(R)3]、D=[−O1/2−Si(R)2−O1/2−]、T=[RSi(−O1/2−)3]、そしてQ=[Si(−O1/2−)4]である。−O1/2−は常に、シロキサン結合における酸素原子である。そこで、シリコーンと、シロキサン若しくはシランオリゴマーをよりわかりやすく記載するため、理想化された式による記載に代えて、M構造、D構造、T構造(架橋)、及びQ構造(空間的に架橋)を用いることもできる。このようなシロキサン構造の呼称分類については、「Roempp Chemielexikon」の、「Silocone」の項目を指摘しておく。例えば構造単位Mから、M2によって単純に二量体を形成できる(例えばヘキサアルコキシジシラン)。鎖状構造を構築するために、構造単位D及びMの合成が必要になり、これにより三量体(M2D、オクタアルコキシトリシロキサン)、四量体(M22)、及び直ちに直鎖状オリゴマーのM2nに構築できる。環状オリゴマーを形成するためには、構造単位Dが必要となる。このようにして例えば、D3、D4、D5、又はより高次のものが構築できる。分枝鎖状又は架橋した構造単位(スピロ化合物についても考慮される)は、構造単位T及び/又はQが一緒に存在することによって得られる。考えられる架橋構造は、Tnとして(n≧4)、Dnm(n>>m)、D32、M4Q、D4Qとして存在することができ、これらはあり得る可能性のうち、幾つかを挙げたに過ぎない。構造単位Mはまた、ストッパー又は調節剤とも呼ばれ、D単位は連鎖形成剤又は環形成剤と、またT構造、任意でQ構造の割合構造は、架橋形成剤と呼ばれる。4個の加水分解基に基づくテトラアルコキシシランの使用、及び水若しくは湿分の存在が、構造単位Qに、ひいては網目構造の形成(三次元架橋)に影響を与え得る。これに対して、完全に加水分解されたトリアルコキシシランは架橋部、すなわちT構造単位[−Si−(−O−)3/2]を有することができ、この構造単位中では、MD3TM2が、オリゴマー度nが7のオリゴマーであり、ここで前記構造の説明中、各官能性は、シロキサン単位の自由な価数によって定義される。
M構造、D構造、T構造、及びQ構造の命名法の詳細、並びにこれに関連した試験方法を理解するためには、特に以下の文献が挙げられる:
・「Strukturuntersuchungen von oligomeren und polymeren Siloxanen durch hochaufloesende 29Si-Kernresonanz」、H.-G. Horn、H. Ch. Marsmann著、Die Markromolekulare Chemie 162 (1972年), 255-267p、- "Ueber die 1H-, 13C- und 29Si-NMR chemischen Verschiebungen einiger linearer, verzweigter und cyclischer Methyl-Siloxan-Verbindungen", G. Engelhardt, H. Jancke; J. Organometal. Chem. 28 (1971 ), 293-300;
・「Chapter 8 - NMR spectroscopy of organosilicon Compounds」、Elizabeth A. Williams著、The Chemistry of Organic Silicon Compounds, 1989 John Wiley & Sons Ltd, 511-533p。
上記構造を有する組成物は、発火点が高く、後の適用におけるVOC含分が特に低い。本発明による方法の優れた利点は、製造されるオレフィン系シロキサンオリゴマー、特にビニルオリゴマーが、公知のオリゴマーとは異なり、さらなる後処理(例えばシロキサンオリゴマー組成物の蒸留)を必要としないことである。
本発明によるオレフィン官能化シロキサンオリゴマーの特別な利点はまた、規定の分子量質量平均が、好適には規定の分子量数平均とともに、好適には本発明によるM構造対D構造の比とともに、ポリマーを有するシロキサンオリゴマーの加工性(例えば混練又はコンパウンド化の際の加工性)を直接改善することである。具体的には、吸収される水の量の低下という形で、吸収性が改善される。また体積流動指数も改善されており、これにより加工の際のエネルギーコストが低下する。さらに、鉄含有機械の腐食性が低減する。と言うのも塩素含分がさらに低下できたからである。吸水性が低くなっていることは、後の適用領域において利点となり、地中に埋設され、継続的に湿分にさらされる、充填されたケーブル材料、特にケーブルを製造する際に、利点となる。電気ケーブルにおける金属導体のひそかな腐食を回避するため本発明によれば、非常に塩化物が低い組成物、又は塩化物不含の組成物が貢献する。
さらに、本発明による組成物及び/又はシロキサンオリゴマーが、オリゴマー化度を調整するために例えばアルコキシトリアルコキシシランを添加することによって、さらにトリアルキルシラン基(例えばトリメチルシラン基又はトリエチルシラン基)を有することが、有利であり得る。そこで組成物製造の間、オリゴマー化度を調整するために、所望の時点で連鎖を停止させるため、アルコキシトリアルキルシラン(例えば好適にはエトキシトリメチルシラン若しくはメトキシトリメチルシラン)を、製造すべき組成物に添加するのが好ましいことがある。
本発明による組成物は、シロキサンオリゴマーを少なくとも20質量%有することができ、ここでシロキサンオリゴマー(特に式Iのもの)のオリゴマー化度は、(a+b)の合計が5以上、特に(a+b)の合計が6以上、適切には8以上であり、ただしaが1以上であり、bが0以上、又はbが1以上であり、好適にはcが0であるか、又はcは(a+b+c)中、1以上である。
上記1つ以上の特徴に加えて、又はこれらの特徴に代えて、本発明による組成物は、好適には全てのアルコキシ基が完全に加水分解された後、アルコール含分が55質量%未満、特に50質量%以下であり、メトキシシロキサンの場合には好適には40質量%未満、さらに好適には35質量%未満、特に好ましくは30質量%未満、かつ5質量%超であるが、ただしこれは、加水分解のために必要な量の水のみを添加した場合である。測定のためのさらなる希釈は、行わない。
オレフィン官能化シロキサンオリゴマーを含有する本発明による組成物の変法の特別な利点は、この組成物が加水分解の際、全組成物に対して最大55質量%、好ましくは45%未満、さらに好ましくは40%未満、加水分解性アルコキシシランから加水分解アルコール(VOC)を放出することである(測定については、明細書を参照)。
さらに、又は1つ以上の上記特徴に代えて、この組成物は好適には、基Aの、基Bに対するモル比が、1:0から1:8、好適には約1:0から1:4であり、特に好ましくは前記比は、1:0から1:2、好適には1:0から1:1、好適には1:1である。
ここでさらに好ましいのは、前記組成物が、以下のようなオレフィン系シロキサンオリゴマーを含有する場合である:オレフィン官能化されたケイ素原子から、また飽和炭化水素により官能化されたケイ素原子から選択されるケイ素原子対、シロキサンオリゴマーにおける、又は代替的に式I中におけるアルコキシ基の比が、1:0.3から1:2.5、好ましくは1:1.0〜1:2.0、同様に好ましくは1:1.3から1:1.19、特に好ましくは1:1.3から1:1.16であり、ここでオレフィン官能化されたシロキサンオリゴマーは、一般式IIのアルコキシシランから、又は式IIと式IIIのアルコキシシランから誘導されている。
1つの変法によれば、純粋にオレフィン置換された組成物を製造し、これは特に式Iのシロキサンオリゴマーであって、aが2以上の整数であり、bは0であり、かつcは0であり、特に分子量の質量平均(Mw)が、315g/mol超、特に800g/mol、好ましくは750g/molである。ここで好ましくはシロキサンオリゴマーの少なくとも20質量%は、aが4以上、場合によっては8以上で存在する。好ましいオレフィン基は、炭素数が2〜16の直鎖状、分枝鎖状、又は環状のアルケニル若しくはシクロアルケニル−アルキレン官能基であり、好ましくはビニル基、アリル基、ブテニル基、例えば3−ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、エチルヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、シクロヘキセニル−C1〜C8アルキレン基、好適にはシクロヘキセニル−2−エチレン基、例えば3’−シクロヘキセニル−2−エチレン基、例えば3’−シクロヘキセニル−2−エチレン基、及び/又はシクロヘキサジエニルC1〜C8アルキレン基、好適にはシクロヘキサジエニル−2−エチレン基である。場合によって前記組成物は、テトラアルコキシシランの存在下で製造されたシロキサンオリゴマーをベースとしていてよい。
第二の好ましい変法によれば、オレフィン及びアルキル置換されたシロキサンオリゴマーの組成物を製造し、これは特に式Iのシロキサンオリゴマーであって、aが1以上、bは1以上であり、特に分子量の質量平均(Mw)が、315g/mol超、特に800g/mol、好ましくは750g/molである。特に、シロキサンオリゴマーの少なくとも20質量%は、(a+b)について4以上、場合によっては8以上の整数を有する。これらの組成物において、基Aと基Bのモル比が、1:0から1:8であればさらに好ましく、特にa:bの比が1:0から1:8、特に1:0又は1:1から1:8であれば、好ましい。
場合によって前記組成物は、テトラアルコキシシランの存在下で製造されたシロキサンオリゴマーをベースとしていてよい。
別の好ましい変法によれば、ビニル及びアルキル置換されたシロキサンオリゴマーの組成物を製造し、これは特に式Iのシロキサンオリゴマーであって、aが1以上、bは1以上であり、好適には分子量の質量平均(Mw)が、315g/mol超、特に800g/mol、好ましくは750g/molである。さらに好適には、シロキサンの20質量%が、(a+b)が4以上、好適には8以上の整数を有し、好適には基Aと基Bのモル比が、1:0から1:8、好ましくはa:bが1:0から1:8、特に1:0又は1:1から1:8である。
場合によって前記組成物は、テトラアルコキシシランの存在下で製造されたシロキサンオリゴマーをベースとしていてよい。
前記組成物はさらに好適には、一般式IIのオレフィン官能化アルコキシシランから、及び任意で飽和炭化水素で官能化された式IIIのアルコキシシランから、及び任意で一般式IVのアルコキシシラン(Si(OR34)のテトラアルコキシシランから得られる又は誘導される構造要素を有するオレフィン官能化されたシロキサンオリゴマーを含有し、ここで分子量の質量平均(Mw)は、315g/mol超、特に最大800g/mol、好ましくは最大750g/molである。
構造要素(モノマーのシロキサン単位)とは一貫して、各構成単位M、D、T、又はQであると理解される(M構造、D構造、及びt構造、及びQ構造の命名については、上記説明参照)。すなわち、アルコキシ置換されたシランから誘導される構成単位であって、少なくとも部分的な加水分解から場合によっては完全な加水分解により、縮合物において少なくとも部分的に縮合が形成されるものである。本発明によれば特に、以下の構造要素を有するシロキサンオリゴマーが形成される:
(R1O)[(R1O)1-x(R2xSi(A)O]a1、(R1O)[(R1O)1-x(R2xSi(A)O]a、[(R1O)1-x(R2xSi(A)O]a、[(R1O)1-x(R2xSi(A)O]a1、(R3O)[Si(Y)2O]c、[Si(Y)2O]c3、(R3O)[Si(Y)2O]c3、[Si(Y)2O]c、(R3O)[Si(B)(R4y(OR31-yO]b3、[Si(B)(R4y(OR31-yO]b3、[Si(B)(R4)y(OR31-yO]b、(R3O)[Si(B)(R4y(OR31-yO]b3、これらは鎖状、環状、及び/又は架橋された構造を形成し得るものであり、テトラアルコキシシランの存在下、又はその加水分解生成物及び/又は縮合生成物の存在下、三次元架橋された構造も形成しうるものである。ケイ素原子に遊離価数を有する構造要素は、−O−Siによる共有結合によって、また遊離価数は酸素原子のところで、−Si結合により架橋された結合別の構造要素、アルキル基又は場合によっては水素で飽和されている。ここで構造要素は、縮合物において規則性の無い、又はランダムな配置を受け入れることができ、これは当業者に公知のように、添加の順序によって、また加水分解及び/又は縮合条件により制御できる。一般式Iは、実際に存在する構造又は組成物を提示していない。これは、理想化された説明の方法に相当する。
組成物は好ましくは、上記構造要素(本発明による基A又は基Bで置換された、式II、III、及び/又はIVのアルコキシシランをベースとするもの)のランダム及び/又は不規則な均質加水分解又は不均一加水分解、及び/又は均質縮合又は不均一縮合、及び/又はブロック縮合によって生じる、かつ/又は選択された試験条件下で形成されるシロキサンオリゴマーを含有する。
これに相応して構造要素の置換パターンは、理想化された形態では記載されていない、組成物中で鎖状、環状、架橋された、及び/又は三次元架橋されたシロキサンオリゴマーに当てはまり、ここでシロキサンオリゴマーのシリル基は独立して、例えば以下のように置換されていてよい:Yは、OR3に、又は架橋された及び/又は三次元架橋された構造内で、相互に独立して、OR3若しくはO1/2に相当し、シロキサン結合において、基A及び/又はBは先に定義の通りであり、R3は、R3について先に定義のようにシロキサンオリゴマー内で実質的にアルキル基に相当し、ここで架橋された、及び/又は三次元架橋された構造において、基R3からそれぞれ相互に独立して、O1/2を有するシロキサン結合を形成できるか、又は、これらの基は相互に独立して、O1/2として存在できるか、場合によっては独立してR2及び/又はR4は、先に規定の通り炭素数が1〜15のアルキル基であり、−OR1、R1は、独立して炭素数1〜4のアルキル基である。
同様に本発明の対象となるのは、を含有する組成物である:
a)シロキサンオリゴマー及び式Iの構造の少なくとも1つが、それぞれ式IIのアルコキシシランから誘導されており、オレフィン基Aとしてビニル基を有し、ここでR1はそれぞれ相互に独立して、メチル基又はエチル基に相当し、また任意でこれらのエステル交換生成物、
b)シロキサンオリゴマー及び式Iの構造の少なくとも1つが、それぞれ式IIのアルコキシシランから誘導されており、オレフィン基Aとして式IIIのアルコキシシランから誘導されたビニル基を有し、非置換の炭化水素基Bとしてプロピル基を有し、ここでR1及びR3はそれぞれ相互に独立して、メチル基又はエチル基に相当し、また任意でこれらのエステル交換生成物、又は
c)それぞれ式IIのアルコキシシランから誘導されるシロキサンオリゴマー及び式Iの構造の少なくとも1つが、オレフィン基Aとしてビニル基を有し、ここでR3はそれぞれ相互に独立して、メチル基又はエチル基に相当し、又は任意でこれらのエステル交換生成物。
本発明の対象は同様に、式IIのオレフィン官能化アルコキシシランにおいてxが0である方法であって、任意で飽和炭化水素基により官能化された式IIIのアルコキシシランにおいて、yが0である方法である。代替的には、xが0であり、y=1であるか、又はx=1であり、y=0であり得る。
同様に好ましい組成物はそれぞれ独立して、特にアルコキシシランから誘導された構造要素と、ビニルトリエトキシシランとビニルトリメトキシシランから選択される一般式IIのオレフィン官能化アルコキシシラン少なくとも1種から、任意で式IIIのアルコキシシランから誘導された式Iの構造を任意で少なくとも1つ有するシロキサンオリゴマーを含有し、前記一般式IIIのオレフィン官能化アルコキシシランは、以下のものから選択される:ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランから選択される少なくとも1種のオレフィン官能化された式IIのアルコキシシラン、及び任意で式IIIのアルコキシシランが使用でき、ここで式IIIのアルコキシシランは、それぞれ独立して以下のものから選択される:メチルトリエトキシシラン、メチル取りメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ブチルエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、i−ブチルトリエトキシシラン、i−ブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n、ヘキシルトリメトキシシラン−ヘキシルトリメトキシシラン、イソ−ヘキシルトリエトキシシラン、イソ−ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、イソ−オクチルトリエトキシシラン、イソ−オクチルトリメトキシシラン、ウンデシルトリエトキシシラン、ウンデシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ノナデシルトリエトキシシラン、ノナデシルトリメトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、C1327トリエトキシシラン、C1429トリエトキシシラン、C1429トリメトキシシラン、C1531トリメトキシシラン、C1531トリエトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン、及びヘキサデシルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン(DMDMO)、ジメチルジエトキシシラン、プロピルメチルジメトキシシラン、プロピルメチルジエトキシシラン、n−オクチル−メチル−ジメトキシシラン、n−ヘキシル−メチル−ジメトキシシラン、プロピル−メチル−ジエトキシシラン、プロピル−メチル−ジエトキシシラン、シクロヘキシル−トリエトキシシラン、n−プロピルトリ−n−ブトキシシラン、ヘキサデシルメチルジメトキシシラン、及び/又はヘキサデシルメチルジエトキシシラン、並びにこれらのシランの混合物、又はこれらのシランのうち少なくとも2種を含有する混合物、並びにこれらのエステル交換生成物。
さらなる好ましい組成物はそれぞれ独立して、一般式IIのオレフィン官能化シロキサンオリゴマー少なくとも1種から誘導された構造要素と、任意で式Iの構造少なくとも1つを有するシロキサンオリゴマーを含有し、前記オレフィン官能化シロキサンオリゴマーは、以下の基:アリル基、ブテニル基、3−ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、エチルヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、シクロヘキセニルC1〜C8アルキレン基、シクロヘキセニル−2−エチレン基、3’−シクロヘキセニル−2−エチレン基、シクロヘキサジエニルC1〜C8アルキレン基、及びシクロヘキサジエニル−2−エチレン基から選択されるオレフィン基Aを有する式IIのアルコキシシランから選択されており、ここでR1はそれぞれ相互に独立して、エチル基又はメチル基に相当するか、又は式IIの上記オレフィン官能化アルコキシシラン少なくとも1種から選択され、ここでシクロヘキセニル−2−エチレン基若しくはシクロヘキサジエニル−2−エチレン基で官能化された式IIのアルコキシシランであって、式IIIのアルコキシシランを有するものが特に好ましく、式IIIのアルコキシシラン少なくとも1種は、チルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、i−ブチルトリエトキシシラン、i−ブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、イソ−ヘキシルトリエトキシシラン、イソ−ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、イソ−オクチルトリエトキシシラン、イソ−オクチルトリメトキシシラン、ウンデシルトリエトキシシラン、ウンデシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ノナデシルトリエトキシシラン、ノナデシルトリメトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、C1327トリエトキシシラン、C1327トリメトキシシラン、C1429トリエトキシシラン、C1429トリメトキシシラン、C1531トリメトキシシラン、C1531トリエトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン、及びヘキサデシルトリメトキシシラン、並びにこれらのエステル交換生成物から選択される。
本発明の対象はまた、オレフィン官能化されたシロキサンオリゴマーを含有する組成物であり、これは特に、理想化された式Iに記載の少なくとも1種のシロキサンオリゴマーであり、さらなる成分として、少なくとも1種の有機溶剤、有機ポリマー、水、塩、充填材、添加剤、顔料、又はこれらの成分の少なくとも2種の混合物を含有するものである。これらの成分は、組成物製造の間に、また後の時点でも、組成物に添加できる。
本発明による組成物の特別な利点は、製造条件により非常に塩化物含分が低く、このためケーブル材料へと加工する際に、防炎性が著しく改善することにつながる。このため本組成物の重要な利点は、当該組成物を塔底生成物として、場合によっては加水分解アルコールを分離した後、また場合によっては添加したアルコールを分離した後に、経済的な方法で直接、本発明により使用可能なことである。本発明による組成物のさらなる利点は、組成物の粘度が3,000mPas未満という粘度が、一緒に加工される熱可塑性樹脂及びエラストマーの有利で良好な加工性につながることである。
本発明による方法の特別な利点は、均質触媒条件下における酸触媒及び/又は縮合触媒と組み合わせた、溶剤の使用にある。本発明により使用される酸触媒は、溶剤、アルコキシシラン、及び製造されるシロキサンオリゴマーに溶解性である。さらにこれらのアルコキシシランはまた、溶剤に溶解性である。コストのかかる蒸留を、特に狭いシロキサンオリゴマーの分子量分布で、同時に高純度で、ほぼ触媒不含で、酸触媒不含、特に総塩化物含分不含のシロキサンオリゴマー組成物を塔底生成物として得ることが、これらの手法によって初めて可能になったのである。
溶剤(好適にはアルコール)の添加及び/又は添加量によって、規定の水量と一緒に分子量及び分子量分布を最適なように調整でき、このようにして、高分子オリゴマーの形成が、充分に回避できる。不所望の高分子オリゴマーは、僅かな量でしか形成されない。
本発明による組成物、及び本発明による方法のさらなる態様は、塩基性触媒を用いること無く、特に窒素含有化合物を使用せずに、又は酸性の硫黄を含有するイオン交換体を使用せずに、方法を行うことである。これらの触媒はいずれも、不均一触媒作用の条件につながる。よって例えば、エマルションを形成するための水性アンモニア、またスルホン酸基又は硫黄基を有するイオン交換体による反応は、不均一触媒作用の条件付けにつながる。不均一触媒作用の条件付けは、シロキサンオリゴマーについて所望の狭い質量分布を作成するためには、適していないことが確認された。従って本発明による組成物は、酸性の硫黄を含有する基(特に硫酸基若しくはスルホン酸基)を含まず、かつ/又は窒素を含有する化合物(特に、塩基性触媒により導入される窒素含有化合物)含まない。同様に本発明による方法においては、金属酸化物を酸と組み合わせて使用することが省略され、これにより本発明による組成物は、金属酸化物(例えば特に酸化銅、水酸化銅、水酸化鉄、水酸化アルミニウム)の添加により導入される金属残渣を含まない。よって本発明による組成物は好適には、内在的に存在する金属のみを含有し、その金属含分は好ましくは、0.001質量%未満〜0.1質量ppmである。相応して本発明による方法において、中和のための塩基性化合物(例えば炭酸カルシウム)の添加を省略できる。従って、本発明による組成物は、さらに添加されたカルシウムを含まず、好適にはカルシウムを1質量%未満、特に0.1質量%以下〜0.1質量ppmしか含有しない。よって本発明による組成物と方法は、窒素含有化合物、及びカルシウム含有化合物を含まず、金属含有化合物、特に金属酸化物を含まず、また硫黄含有化合物、特に酸性の硫黄含有化合物を含有しない。
本発明による、オレフィン官能化されたシロキサンオリゴマー組成物は、アルコール含分、好ましくは遊離アルコール含分が、組成物に対して2質量%未満〜0.0001質量%であり、特に1.8質量%未満、好ましくは1.5質量%未満、さらに好ましくは1.0質量%未満、特に好ましくは0.5質量%未満〜検出限界である。本発明による、オレフィン官能化されたシロキサンオリゴマー組成物は、アルコール含分、好ましくは遊離アルコール含分が、組成物に対して2質量%未満〜0.0001質量%であり、特に1.8質量%未満、好ましくは1.5質量%未満、さらに好ましくは1.0質量%未満、特に好ましくは0.5質量%未満〜検出限界である。ここで組成物は、このように僅少なアルコール含分を少なくとも3ヶ月にわたって、好適には6ヶ月にわたって有する。本発明による方法ではこのようにVOC含分が低いことにより、特に塩素含分が低く、アルコキシ含分も低いシロキサンオリゴマー組成物が提供される。
同様に本発明の対象は、オレフィン官能化シロキサンオリゴマーを含有する組成物、特に当該製造方法により得られる組成物であって、
(i)(少なくとも1種の)一般式(II)のオレフィン官能化アルコキシシラン、
Figure 2015507027
上記式II中、Aはオレフィン基に相当し、特に直鎖状、分枝鎖状、及び/又は環状のアルケニル−アルキル官能基若しくはシクロアルケニル−アルキル官能基であって、炭素数が2〜16のものから選択され、R2は独立して、炭素数が1〜15の直鎖状、分枝鎖状、又は環状のアルキル基に相当し、xは0又は1であり、R1は独立して、炭素数が1〜4の直鎖状、分枝鎖状、及び/又は環状のアルキル基に相当し、特にxは0であり、
(ii)酸加水分解触媒及び/又は縮合触媒の存在下、特にHCl、飽和若しくは不飽和の有機酸(例えばギ酸、酢酸)、及び/又は脂肪酸(例えばミリスチン酸)、及び/又は多官能性有機酸(例えばクエン酸、フマル酸)の存在下で、
(i.1)任意で、(少なくとも1種の)式IIIのアルコキシシランと、
Figure 2015507027
ここで式IIIにおいてBは、飽和炭化水素基、特に炭素数が1〜16の直鎖状、分枝鎖状、又は環状のアルキル基でから選択される飽和炭化水素基に相当し、R3はそれぞれ相互に独立して、炭素数1〜4の直鎖状、分枝鎖状、及び/又は環状のアルキル基であり、R4は炭素数が1〜15の直鎖状、分枝鎖状、又は環状のアルキル基に相当し、yは0又は1、特にyは0であり、
(i.2)任意で、式ivの(少なくとも1種の)テトラアルコキシシランと、ここで、式IV中、R3はそれぞれ相互に独立して、直鎖状、分枝鎖状、及び/又は環状の、炭素数1〜4のアルキル基であり、
Figure 2015507027
(iii)水対アルコキシシランのアルコキシ基が1.275から1:5.0、特に好ましくは1:2.75から1:4.5、1:3.0殻1:4.5、又は1:3.0から1:4.25、さらに好ましくは1:3.5から1:4.25という規定量のモル比の水と、任意で溶剤の存在下、好適には溶剤としての(少なくとも1種の)アルコールの存在下、反応させてシロキサンオリゴマーにし、特に式II及びIII中でxは0、yは0であり、そして
(iv)加水分解アルコールと、場合によって存在する溶剤を、実質的に分離し、特に
(v)オレフィン官能化シロキサンオリゴマーを含有する組成物が、工程(iv)に続いて塔底生成物として得られる。
適切には、(iii)において水も、水対アルコキシシランのアルコキシ基のモル比が、1:2から1:6、特に1:2.5から1:5.5という規定のモル比で使用することができる。
ここで意外なことに、反応の際に生じる加水分解アルコールは、揮発性触媒(特にHCl、ギ酸、酢酸)に対して連行剤として作用することが判明し、前記触媒は加水分解アルコールを蒸留により分離する際に少なくとも部分的に、好ましくはほぼ完全に系から排出され、これによって有利なことに、目的生成物を得るためにさらなるコストのかかる蒸留が不要になる。これは特に高い純度で、室温で気体状の、溶剤に良好に溶解性の触媒(例えばHCl)により可能になる。
よって本発明による方法では、(v)において有利なことに、オレフィン官能化シロキサンオリゴマーを含有する組成物を、工程(iv)に続いて、直接塔底生成物として得ることができる。と言うのも特に有利なことに、本発明による方法では経済的な方法で、生成物のさらなる蒸留が不要になり、それにも拘わらず、素晴らしい製品品質が得られるからである。ここで特に、シロキサンオリゴマーを含有する組成物は、製造の際に使用される酸触媒(例えば塩素)、特に総塩化物の含分が、250mg/kg以下、特に150mg/kg以下、好ましくは100mg/kg以下、特に好ましくは75mg/kg以下、さらに好適には50mg/kg以下、特に35mg/kg以下であり、ここで好適には加水分解性塩化物の含分が8mg/kg未満、好適には5mg/kg未満であり、かつ/又は好適には(vi)ケイ素原子、特にケイ素原子の合計が、シロキサンオリゴマー中で、好ましくは式Iの構造要素[(R1O)1-x(R2xSi(A)O]a、[Si(B)(R4y(OR31-yO]b、及び/又は[Si(Y)2O]cが、一般式Iの全ケイ素原子に対して、80%以下から30%以上、特に35%以上、M構造として存在し、シロキサンオリゴマーの分子量の質量平均(Mw)は、315g/molで得られ、特にMwは315〜850g/mol、特に好ましくは315g/mol〜800g/mol、特に好ましくは315g/mol〜750g/molであり、特にMw/Mnの商としての多分散性はその都度、1.05〜1.25、特に好ましくは1.05〜1.18である。
1つの変法によれば、工程(i)で式IIのアルコキシシラン少なくとも1種、及び任意でそのエステル交換生成物を、工程(ii)で酸加水分解触媒及び/又は縮合触媒の存在下、(iii)上記規定のモル比の水と反応させ、(iv)加水分解アルコールと存在する場合には溶剤を実質的に分離し、この組成物を続いて工程(iv)に続いて、塔底生成物として得る。
第二の変法によれば、工程(i)で式IIのアルコキシシラン少なくとも1種を、(i.1)式IIIのアルコキシシラン少なくとも1種、及び任意でそれぞれ独立してこれらのエステル交換生成物と、工程(ii)で酸加水分解触媒及び/又は縮合触媒の存在下、(iii)上記規定のモル比の水と反応させ、(iv)加水分解アルコールと存在する場合には溶剤を実質的に分離し、この組成物を続いて工程(iv)に続いて、塔底生成物として得る。
第三の変法によれば、工程(i)で式IIのアルコキシシラン少なくとも1種を(i.2)式IVのアルコキシシラン、及び任意で(i.1)式IIIのアルコキシシラン少なくとも1種、並びにそれぞれ独立して任意でこれらのエステル交換生成物と、工程(ii)で酸加水分解触媒及び/又は縮合触媒の存在下、(iii)上記規定のモル比の水と反応させ、(iv)加水分解アルコールと存在する場合には溶剤を実質的に分離し、この組成物を続いて工程(iv)に続いて、塔底生成物として得る。
1つの変法によれば、水も、水対アルコキシ基の比が、1:2から1:6、特に1:2.5から1:5.5という規定のモル比で反応させることができる。
前記シロキサンオリゴマーにおいて好適には、分子量の質量平均(Mw)が420g/mol以上、分子量の数平均(Mn)が400g/mol以上であり、ここでMw/Mnの商として定義される多分散性は、1.05〜1.25、特に好適には1.05〜1.18である。ここで特に好ましくは、90%以上(面積%、GPC)は、分子量1000g/mol以下である。
特に好ましくは、本発明による方法において、式IIのアルコキシシラン、又は式II及びIIIのアルコキシシランを、それぞれ式IVのアルコキシシランの存在下、水対アルコキシシランのアルコキシ基が1:2.5から1:5.5、好適には1:2.75〜1:5.0、特に好ましくは1:275から1:4.5、代替的に特に好ましくは1:3.0から1:4、さらに好適には1:3.5から1:4.25という規定量のモル比の水と反応させて、シロキサンオリゴマーにする。さらに好ましくは、x及びyは0である。
好ましい態様において、アルキル官能化された式IIのアルコキシシランを、場合によって式IIIのアルコキシシランと一緒に、縮合触媒の存在下で反応させる。さらに好ましくはその都度、アルケニルトリアルコキシシラン、及び任意でアルキルトリアルコキシシランを反応させる。この反応は、任意で溶剤の存在下で行うことができ、好適にはアルコキシシランの対応するアルコールを使用する。特に有利には、本発明による方法においてアルコキシシラン(特にトリアルコキシシラン)1体積当たり、対応するアルコールを0.001〜5体積単位で使用できる。さらに好ましくは、トリアルコキシシラン1体積当たり、0.5〜2.5体積単位を使用する。
使用する溶剤及び/又は使用するアルコールは水不含であり、特に溶剤又はアルコールを1質量ppm未満の水含分で使用する。水含分を有する溶剤の場合、この水含分は、反応の際に考慮すべきである。
好適には、オレフィン官能化アルコキシシランとして、式IIのシランを使用し、
Figure 2015507027
ここでAは、直鎖状、分枝鎖状、又は環状のアルケニル若しくはシクロアルキル−アルキレン官能基であって、それぞれ炭素数が2〜18のもの、特に炭素数が2〜16、代替的には2〜6のものであり、さらに好ましくは1〜2個の二重結合を有するアルケニル基、特に好ましくはビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、エチルヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、シクロヘキセニル基、C1〜C8アルキレン基、好適にはシクロヘキセニル−2−エチレン基、例えば3’−シクロヘキセニル−2−エチレン基、又はシクロヘキサジエニルC1〜C8アルキレン基、特に好適にはシクロヘキサジエニル−2−エチレン基であり、特にxが0であり、R1は独立して、メチル基、エチル基、又はプロピル基から選択される。特に好ましいのは、ビニル基、シクロヘキセニル−2−エチレン基、3’−シクロヘキセニル−2−エチレン基、及びシクロヘキサジエニルC1〜C8アルキレン基である。
式IIIのアルコキシシランとして好適には、非置換の炭化水素基Bを有するアルコキシシランを使用し、
Figure 2015507027
基Bはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、オクチル基、ブッチル基、n−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、n−ペンチル基、イソ−ペンチル基、ネオ−ペンチル基、ヘキシル基、i−ヘキシル基、ネオ−ヘキシル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、n−オクチル基、イソ−オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、C1327基、C1429基、C1531基、及びヘキサデシル基から選択され、R3はメチル、エチル、又はプロピル基から選択され、yは0又は1である。特に好ましくはBが、メチル基、エチル基、プロピル基、i−ブチル基、オクチル基、及びヘキサデシル基から選択される。R2とR4は式II及びIII中で相互に独立して、好適にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、またさらなる上記アルキル基、並びにさらなる当業者に公知のアルキル基、及びこれらの異性体である。
代替的な好ましい実施態様によれば基Bとして、炭素数が3〜16の分枝鎖状及び/又は環状のアルキル基を有する、非置換の炭化水素基を使用する。本発明のさらなる好ましい変法によれば、炭素数が1〜6の直鎖状のアルキル基を、非置換の炭化水素基Bとして使用する。
少なくとも部分的に加水分解され、特に少なくとも部分的に共縮合され、好ましくは縮合可能な部分的に加水分解されたアルコキシシランは、実質的に完全に縮合される。特に好ましくは、好ましいオリゴマー化度のオリゴマーの製造に望まれる程度で、部分的な加水分解及び縮合が起こる。本発明によれば、方法はバッチ法で実施される。
得られる組成物は、実質的に溶剤(例えばアルコール)不含である。本発明によれば加水分解アルコールは、好適には蒸留によって除去され、本発明による組成物が得られる。加水分解アルコール及び/又は溶剤の特に穏やかな蒸留は、真空下で行われる。それぞれの方法によって、特に経済的な方法が、溶剤を添加せずに実施できる。本発明によれば、このように製造された組成物は、加水分解アルコール及び存在する場合には溶剤を除去後、本発明による使用のためにそれ自体さらに精製せず、特に蒸留しない。各処理後に組成物は、加水分解アルコールの除去後、任意で濾過又はデカンタできる。従って本発明による方法は、公知の方法よりも明らかに経済的であり、蒸留により精製する必要があるさらなる適用に適している。
本発明による方法によれば、シロキサンオリゴマーを含有する組成物が得られ、当該組成物は、工程i、ii、iii、iv、任意でvを行った後に、また場合によっては工程i.1及び/又はi.2を行った後に、既に好適には本発明により僅少な塩素含分、特に塩化物総含分が、250mg/kg以下、特に150mg/kg以下、好ましくは100mg/kg以下、特に好ましくは75mg/kg以下、さらに好適には50mg/kg以下、さらにより好適には35mg/kg以下であり、ここで好適には加水分解性塩化物の含分が8mg/kg未満、好適には5mg/kg未満であり、及び/又は分子量の質量平均(Mw)が、315g/mol超である。
水対アルコキシ基が1:2.75〜1:5.0という規定のモル比の水の存在下での反応に関して、本発明による反応には小数点第二位までのあらゆる数値が適しており、11:2.2、1:2.4、1:2.6、1:2.8、1:3.0、1:3.2、1:3.4、1:3.6、1:3.8、1:4.0、1:4.2、1:4.4、1:4.6、1:4.8、1:5.0、1:5.2、1:5.4、1:5.6、1:5.8、1:5.8、並びに1:2.0から1:6までの±0.1の全ての間の数値が開示され、前記数値範囲は好適には1:3.0から1:4.5、適切なのは1:2から1:6である。
水は好適には、完全脱塩されている。ここで当業者には、水を何回かに分けて、連続的に、又は1種若しくは全てのシランと一緒に、方法に添加可能なことは明らかである。好ましくは水は連続的に、又は1分未満〜100分間にわたる少なくとも1回の中断によって供給し、アルコキシシランの反応は好適には、室温で好適には20〜80℃、又は40〜80℃の範囲で、さらに好適には50〜80℃の範囲で、特にpH7未満で行う。添加する溶剤(例えばアルコール)の水含分は、本方法において水として考慮すべきである。
一般的に水又は水量は、本方法のポイント(iii)によれば、連続的に又は1分〜1000分間にわたる少なくとも1回の中断によって供給し、反応混合物における温度は5〜90℃、等に20〜90℃、又は37〜90℃、好適には40〜90℃に調節し、特に好ましくは50〜90℃、さらに好ましくは50〜80℃に調節し、ここでpH値は好ましくは7未満であり、任意で水を触媒と一緒に、また任意で溶剤(特にアルコール)と一緒に、添加する。それからこの反応は好適には、混合物(反応混合物)を任意で少なくとも10分〜36時間、特に10分〜8時間、好適には5〜80℃、さらに好適には40〜80℃で、好ましくは完全混合下で処理又はさらに反応させ、任意でこの反応混合物は冷却の際にも追加反応させることができる。こうして得られる組成物を、それからデカンタするか、又はアルコール(例えば加水分解アルコール)を蒸留によって除去するために、加熱できる。好適にはこの粗生成物から、アルコール(場合により触媒、特にHClを含む)を加熱、及び減圧下で、蒸留により除去する。こうして得られた、本発明による組成物自体は、蒸留しない。
任意の実施態様によれば、ポイントivに記載の方法において加水分解アルコールと存在する溶剤、特に希釈剤として添加されたアルコールを、蒸留により分離し、有利には少なくとも一回、好適には2回から6回、蒸留による後処理の間に、規定量のアルコールを添加し、かつ/又は加水分解アルコールの蒸留による分離の前、又はその間に、任意で溶剤又は希釈剤、特にアルコールを添加する。
規定量の還元剤、特に無機還元剤(例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム、又は金属水素化物)、又は塩基(例えば好適にはHMDS若しくは他のアミン)、又はアルカリ金属アルコラートを添加することが適切なことがあり、続いて塔底生成物として存在するオレフィン官能化シロキサンオリゴマーを有利には濾過又はデカンタし、かつ/又はオレフィン官能化シロキサンオリゴマーをイオン交換体と接触させる。第一の変法によれば、濾過及び/又はデカンタにより形成された沈殿物又は凝塊物を、シロキサンオリゴマーを含有する組成物から実質的に除去できる。好ましくは、規定量の還元剤が添加され、特に無機還元剤、特に好ましくは金属性還元剤(例えばアルカリ金属、好ましくはナトリウム)、又はアルカリ土類金属(好ましくは マグネシウム、カルシウム、又はアルミニウム)として、又は塩基として好適にはアンモニアガス、LDA(リチウムジイソプロピルアミド)、リチウムイソプロピルヘキシルアミド、ヘキサメチルジシラザン、及びアルカリ金属アルコラート、例えばナトリウムメタノラート若しくはカリウムメタノラート、又はナトリウムエタノラート若しくはカリウムエタノラート、アルカリ金属アルキレート(例えばブチルリチウム)を使用する。当業者に公知の金属水素化物(例えばNaH、又は水素化リチウムアルミニウム=LAH)、又は塩化水素(HCl)と難溶性沈殿物を形成可能な塩基が、組成物の塩素(塩化物)含分を低下させるために使用できる。方法に適した塩基では、触媒(HCl)との反応の際、又は有機結合された塩素(例えばクロロアルキルシラン)との反応の際に、水が形成されない。
既に存在する及び/又は反応の際に生じるアルコールは、全ての本発明による方法の変法において、実質的に、好ましくは完全に反応混合物から除去される。アルコールの蒸留による分離は好適には、減圧下で行う。アルコールの蒸留による除去は好適には、水の沸点又はシロキサンオリゴマーの沸点に相当する温度が、塔頂で持続的に得られるように行う。代替的には、アルコール含分は1.0質量%以下、好ましくは0.5質量%以下で検出されるか、又は実質的な分析上の検出限界である。通常、本発明により生成する組成物は、実質的に溶剤不含であり、特にアルコール不含である。こうして得られる組成物は好ましくは、本発明による組成物に直接相当し、好適にはそれ自体さらに生成する必要がない。
本発明によれば、アルコール(特に加水分解アルコール)も、任意で添加されるアルコールも、実質的に完全に除去される。加水分解アルコール及び/又は添加したアルコールは、遊離アルコールに相当する。特に好ましくは、全組成物における遊離アルコール含分は、2質量%以下から0.01質量%、特に1.5質量%以下から0.01質量%、特に好ましくは1質量%以下〜0.01質量%、特に検出限界までである。
本発明による方法は、好適には非連続的に行われるが、連続的に稼働することもできる。アルコールの除去前、又は除去後でも、組成物に少なくとも1種の加工助剤、例えばシリコーンオイル(例えばポリジメチルシロキサン、パラフィン、パラフィン油)又はこれらの加工助剤を含有する混合物を添加することができる。
本方法の好ましい変法によれば、一般式II、III、及び/又はIVのアルコキシシランを、酸触媒の存在下、特に塩化水素により、少なくとも部分的に加水分解及び縮合する。加水分解及び縮合は必要に応じて、HClと補助触媒の存在下で行うこともできる。補助触媒として、脂肪酸が考慮される。代替的にはまた、HCl、及び飽和若しくは不飽和の有機酸(例えばギ酸、酢酸)、及び/又は脂肪酸(例えばミリスチン酸も)、及び/又は多官能性有機酸(例えばクエン酸、フマル酸)が、触媒として、又はHClとの補助触媒として使用できる。
本発明による方法の特に好ましい実施態様では、式IIのシラン、及び式IIIのシランは有利には、1:1のモル比で、それぞれ±0.5の偏差で0.5:1.5から1.5:0.5のモル比で使用され、ここで特にまた、その間の全ての数値、0.6、0.7、0.8、0.9、1.1、1.2、1.3、及び1.4も含まれる。
好ましいアルコールは、少なくとも部分的な加水分解及び/又は縮合により生じる加水分解アルコールに相当する。これには、エタノール又はメタノールが挙げられる。反応を他の通常の溶剤の存在下で行えることは当業者に明らかであり、このような溶剤は、容易に、かつ好適には完全に留去可能なあらゆるものが好ましいが、例えばエーテル、ケトン、炭化水素、又はエステルに限られるわけではない。目的に応じて溶剤は、酢酸エステル、THF、ケトン、エーテル、又は炭化水素であり得る。経済面及び経済効率の理由から、加水分解アルコールを形成するアルコールを溶剤として用いることは、当業者には明らかである。よってアルコール混合物も、基本的に使用できる。全ての方法の変法において好適には、溶剤、及び反応の際に生じるアルコールを、蒸留によって反応混合物から除去する。
本発明による方法において好適には、組成物の粘度を3,000mPa s以下、特に1,000mPa s以下、好ましくは500mPa s以下から約10mPa s、特に好ましくは約1〜5mPa s、又は3〜6mPa sに調整し、ここで変動範囲は、±0.5mPa sである。
さらに、本方法においてオレフィン系シロキサンオリゴマー含有組成物、特に塔底生成物、好適には溶剤及び/又はアルコールを蒸留により除去した後にイオン交換体(特にアニオン交換体、好適にはアミン官能性イオン交換体)と接触させ、塩化物含分をさらに低下させる。この方法工程において有利なのは、この手法が蒸留とは異なり、生成物のオリゴマー化度及び/又は架橋度を変えないことである。蒸留の際は必然的に、シロキサンオリゴマーが低沸点成分、中沸点成分、及び高沸点成分(塔底物)に分別される。本発明のようにイオン交換体を用いることにより、シロキサンオリゴマーのオリゴマー化度は、一定に留まり、塩化物含分をさらに低下させることができる。
イオン交換体(特に塩基性アニオン交換体)と接触させることにより好ましくは、オレフィンシロキサンオリゴマーの塩化物含分若しくは塩素含分(質量%ppm)を、イオン交換体に導入されたシロキサンオリゴマーに対して少なくとも80%低下させることができる。さらに好ましくは、オレフィンシロキサンオリゴマーの塩素含分(質量%ppm)を、導入されたシロキサンオリゴマーに対して、少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、特に好ましくは少なくとも92%、特に好ましくは、少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%低下させる。それぞれのオレフィン官能化シロキサンオリゴマーに応じて、また塩素の出発濃度、流速、及びアニオン交換体との接触時間次第で、塩素含分を好適には100mg/kg未満に低下させることができ、好適には50mg/kg未満、さらに好適には25mg/kg未満に低下できる。
塩素(加水分解性塩素)含分を有するオレフィン官能化シロキサンオリゴマーの場合、特に塩素で官能化されたアルキルアルコキシシラン、及び/又はHClを有するアルキルアルコキシシランでは、加水分解性塩化物の含分を、好適には流速0.01m/h〜15m/h、好適には最大5m/h、特に最大2.5m/hで、少なくとも少なくとも80%、特に少なくとも85%、好適には少なくとも90%、特に好ましくは少なくとも92%、特に95%、さらに好適には少なくとも98%、減少させることができ、ここで特に、オレフィン官能化されたシロキサンオリゴマーはさらに縮合せず、また好適にはアニオン交換カラムは直径3cm、高さ15cmである。加水分解性塩素低減に関する非常に良好な結果は、流速が最大10m/hの場合に達成される。本発明による方法においてアニオン交換体は、第四級アルキルアンモニウム基及び/又は第四級ジアルキルアミノ基を有する単体ポリマーを有し、ここで特に第四級アルキルアンモニウム基は、実質的に水酸化物イオンを対イオンとして有し、かつ/又は第三級ジアルキルアミノ基は、遊離塩基の形で存在する。この際に特に好ましくは、塩基性アニオン交換体が、トリアルキルアンモニウム基を、特にOHの形で有するスチレン−ジビニルベンゼンのコポリマーであり、かつ/又はジアルキルアミノ基を遊離塩基の形でスチレン−ジビニルベンゼンコポリマーである。トリアルキルアンモニウム基を塩化物の形で有するスチレン−ジビニルベンゼンのコポリマーを有する塩基性アニオン交換体を用いる場合、使用前に塩化物をOH形態に移行し、それは例えばアルカリ金属水酸化物溶液によって行う。アルカリ金属水酸化物溶液として好適には、水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム溶液、又は他の水若しくは水とアルコールに溶解性の塩基、例えばアンモニア又はアルカリ金属炭酸塩(例えばNa2CO3)を使用する。ここでアニオン交換体をOH形態に移行した後、オレフィンシロキサンオリゴマーと接触させる前に、アニオン交換体をアルコールで洗浄して、特に過剰な水を排除する。アルコールとしては、各アルコキシ基の加水分解によって形成されたアルコールを使用する。メトキシ基の場合にはメタノールが、エトキシ基の場合にはエタノールが、アルコキシシラン中に存在する。
第四級アンモニウム基としては、アルキルアンモニウム基が、またN−アルキル−イミン官能基、例えばN−アルキル−ピリジニウム基が考慮される。適切なアルキル基は、炭素数が1〜20、好適には1〜4であり、好適にはメチル基又はエチル基である。本発明によれば、弱塩基性のアニオン交換体は、水酸化物イオンが負荷され、特に窒素含有基を有する。
意外なことに、塩素含分のさらなる低減に基づき、本発明による方法により得られる官能性シロキサンオリゴマーは、従来とは異なりコストを掛けて蒸留する必要がないにも拘わらず、加水分解に対して明らかに安定である。これによって、本発明によるシロキサンオリゴマーは、公知のオリゴマーよりも安定的であり、同時にそのVOC含分は、従来技術のオリゴマーに比べて低減されている。
有利なことに6〜12ヶ月の間安定的な溶剤含分(例えばVOC)、特に遊離アルコール含分は、全組成物に対して、好ましくは2質量%未満、特に1質量%以下、特に好ましくは0.4質量%以下、好適には0.3質量%以下〜検出限界である。
本発明による方法において使用可能な式II化合物は、以下のものである:
ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、ブテニルトリエトキシシラン、ブテニルトリメトキシシラン、シクロヘキセニル−アルキレン−トリメトキシシラン、特にシクロヘキセニル−2−エチレン−トリメトキシシラン、シクロヘキサジエニルC1〜C8アルキレントリエトキシシラン、又はシクロヘキサジエニル−2−エチレントリメトキシシラン、シクロヘキセニル−2−エチレントリメトキシシラン、3’−シクロヘキセニル−2−エチレン−トリメトキシシラン、シクロヘキサジエニルC1〜C8アルキレントリメトキシシラン、又はシクロヘキサジエニル−2−エチレントリメトキシシラン、シクロヘキセニル−2−エチレントリエトキシシラン、さらに好ましくは3’−シクロヘキセニル−2−エチレン−トリエトキシシラン、及び/又は3’−シクロヘキセニル−2−エチレン−トリメトキシシラン、シクロヘキセンジエニル−アルキレントリエトキシシラン、ヘキセニルトリエトキシシラン、ヘキセニルトリメトキシシラン、エチルヘキセニルトリメトキシシラン、エチルヘキセニルトリエトキシシラン、オクテニルトリエトキシシラン、オクテニルトリメトキシシラン、このうち、メトキシ置換されたものが特に好ましい。
使用可能な式IIIのアルキルアルコキシシラン化合物は、以下のものである:
式IIIの化合物であって、y=0又は1であり、Bが直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基であって、炭素数が1〜18のもの、特に炭素数が1〜8のもの、好ましくはメチル基、エチル基、特に好ましくはn−プロピル基、イソ−プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ヘキサデシル基、又はオクタデシル基であり、R4は直鎖状、分枝鎖状、又は環状のアルキル基であって、炭素数が1〜15のもの、特に炭素数が1〜8のもの、好ましくはメチル基、エチル基、特に好ましくはn−プロピル基、及び/又はオクチル基であり、R3は直鎖状及び/又は分枝鎖状のアルキル基であって、炭素数が1〜3のもの、特に好ましくはメチル基、エチル基、及び/又はイソプロピル基、又はn−プロピル基に相当する。Bは特に好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、オクチル基、ヘキサデシル基、又はオクタデシル基であり、R4はメチル基又はエチル基であり、R1はメチル基又はエチル基であり、ここでメトキシ置換されたものが特に好ましい。
好ましい式IIIのアルキルアルコキシシラン化合物の例は、以下のものである:
同様に好ましくは本方法において、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、及び任意式IIIのアルコキシシランから選択される少なくとも1種のオレフィン官能化された式IIのアルコキシシランが使用でき、ここで式IIIのアルコキシシランは、以下のものから選択される:メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン(MTES)、プロピルトリメトキシシラン(PTMO)、ジメチルジエトキシシラン、プロピルメチルジメトキシシラン、プロピルメチルジエトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−ヘキシル−メチル−ジメトキシシラン、n−ヘキシル−メチル−ジエトキシシラン、プロピル−メチル−ジエトキシシラン、プロピル−メチル−ジエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、i−ブチルトリメトキシシラン、i−ブチルトリエトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ペンチルトリメトキシシラン、ペンチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、イソヘキシルトリエトキシシラン、イソヘキシルトリメトキシシラン、ヘプチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、i−オクチルトリメトキシシラン、i−オクチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、n−プロピルトリ−n−ブトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、ヘプチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、イソオクチルトリエトキシシラン、ウンデシルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ノナデシルトリエトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、C1327トリエトキシシラン、C1429トリエトキシシラン、C1531トリエトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、イソオクチルトリメトキシシラン、ウンデシルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ノナデシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、C1327トリメトキシシラン、C1429トリメトキシシラン、C1531トリメトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルメチルジエトキシシラン、オクタデシルメチルジメトキシシラン、ヘキサデシルメチルジメトキシシラン、及び/又はヘキサデシルメチルジエトキシシラン、並びにこれらのシランの混合物、又はこれらのシランを少なくとも2種含む混合物、並びにこれらのエステル交換生成物である。
オレフィン官能性シロキサンオリゴマー、又はこれから得られるオレフィン官能化シロキサンオリゴマーを製造するために、式II、III、及び任意でIVの化合物の組み合わせが特に好ましい。ここで、シロキサンオリゴマーが好ましく、式IVの化合物を添加せずに製造するのが好ましい:この際に、それぞれセミコロンで囲まれた化合物を、シロキサンオリゴマー製造のために使用する:ビニルトリエトキシシラン(VTEO);ビニルトリメトキシシラン(VTMO);ビニルトリエトキシシランとテトラエトキシシラン(TEOS);ビニルトリメトキシシランとテトラメトキシシラン;ビニルトリエトキシシランとメチルトリエトキシシラン;ビニルトリエトキシシラン、メチルトリエトキシシランと、テトラエトキシシラン;ビニルトリメトキシシランと、メチルトリメトキシシラン;ビニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシランと、テトラエトキシシラン若しくはテトラメトキシシラン;ビニルトリエトキシシランと、エチルトリエトキシシラン;ビニルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシランと、テトラエトキシシラン;ビニルトリメトキシシランと、エチルトリメトキシシラン;ビニルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシランと、テトラエトキシシラン若しくはテトラメトキシシラン;ビニルトリエトキシシランとプロピルトリエトキシシラン;ビニルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシランと、テトラエトキシシラン;ビニルトリメトキシシランと、プロピルトリメトキシシラン;ビニルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシランと、テトラエトキシシラン若しくはテトラメトキシシラン;ビニルトリエトキシシランと、イソブチルトリエトキシシラン;ビニルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシランと、テトラエトキシシラン;ビニルトリメトキシシランと、イソブチルトリメトキシシラン;ビニルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシランと、テトラメトキシシラン;ビニルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシランと、テトラメトキシシラン;ビニルトリエトキシシランと、オクチルトリエトキシシラン;ビニルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシランと、テトラエトキシシラン;特に、ビニルトリエトキシシランと、テトラエトキシシランを、1:0.20から1:0の比で、ビニルトリメトキシシランと、オクチルトリメトキシシラン;ビニルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン;ビニルトリメトキシシランと、テトラメトキシシラン;特にビニルトリメトキシシランと、テトラメトキシシランを1:0.2から1:0の比で;ビニルトリエトキシシランと、ヘキサデシルトリエトキシシラン;ビニルトリエトキシシランと、テトラメトキシシランを1:0.20から1:0の比で、及びヘキサデシルトリエトキシシラン;ビニルトリメトキシシランと、テトラメトキシシランを、1:0.2〜1:0の比で、及びヘキサデシルトリメトキシシラン。同様に特に好ましくは、本発明による方法において、独立して少なくとも1つのシクロヘキシル−2−エチルトリアルコキシシラン、3’−シクロヘキシル−2−エチレン−トリアルコキシシラン、又はシクロヘキサジエニルC1〜C8アルキレン基を使用する。代替的に同様に特に好ましくは、本発明による方法において組み合わせとして、独立して少なくとも1つのシクロヘキシル−2−エチルトリアルコキシシラン、3’−シクロヘキシル−2−エチレン−トリアルコキシシラン、又はシクロヘキサジエニルC1〜C8アルキレン基と、前述のアルキルアルコキシシランとを反応させることができる。
好ましいシロキサンオリゴマーの反応に基づく特に好ましい方法は、a)ビニルトリエトキシシラン、b)ビニルトリメトキシシラン、c)ビニルトリエトキシシラン及びプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン及びプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン及びプロピルトリエトキシシラン、又は、ビニルトリエトキシシラン及びプロピルトリメトキシシラン、又は、a)、b)、c)でそれぞれ独立して、テトラエトキシシランと又は、a)、b)、及びc)でそれぞれ独立してテトラメトキシシランと反応させることによって得られる。上述の特徴に加えてさらに、又は代替的に、本方法においてまた、加工助剤として、少なくとも1種のシリコーンオイル(例えばポリジメチルシロキサン、パラフィン、パラフィン油)、又はこれらの加工助剤を含有する混合物が使用できる。特に好ましい加工助剤は、ポリジメチルシロキサンであり、動的粘度が約150〜400mm2/sのものが好ましく、代替的に、粘度が200mm2/s又は350mm2/sのものが特に好ましい。
本発明の対象はまた、組成物を製造するための以下の方法、また当該方法によって得られる組成物であって、特に塩素含分がとりわけ低く、好適には以下の各工程を有する:
1)式IIのオレフィン官能性アルコキシシラン少なくとも1種、及び任意で式IIIのアルコキシシラン、及び任意で式IVのアルコキシシラン、任意で混合物として、これを好適には装入し、任意で希釈のために溶剤を添加し、好適には相応するアルコールを、加水分解アルコールに添加する工程、
2)少なくとも1種の酸性加水分解触媒又は縮合触媒(例えばHCl)、有機の飽和若しくは不飽和カルボン酸を添加し、水対アルコキシシランのアルコキシ基の規定のモル比を調整する。ここで好適には、pH値が7未満、好適には1〜6、さらに好ましくは3〜5に調整する。代替的には任意で、式II、III、任意でIVのシランを少なくとも1種を、式II、III、任意でIVのシランに対して、0.2〜8倍、好適には0.2〜1.0倍のアルコール(特にメタノール又はエタノール)とともに、使用するアルコキシシランに応じて含有し、また規定量の水を含有する混合物を製造でき(1+2)、ここで好適には、酸性加水分解触媒又は縮合触媒の少なくとも1種(例えばHCl)が、規定量の水の中に溶解されている。ここで好適には、pH値が7未満、好適には1〜6、さらに好ましくは3〜5に調整する。
本発明の対象はまた、組成物を製造するための以下の方法、また当該方法によって得られる組成物であって、特に塩素含分がとりわけ低く、好適には以下の各工程を有する:
1)式IIのオレフィン官能化アルコキシシラン少なくとも1種、及び任意で式IIIのアルコキシシランを装入し、それぞれ独立して任意でさらに、及び任意で式IVのアルコキシシランを装入する工程、ここでアルコキシシランは好適には混合物として装入し、
2)溶剤、水、及びHClを含有する混合物を、酸加水分解触媒及び/又は縮合触媒として添加する工程、ここで溶剤は、加水分解アルコールに相当するアルコールであり、水対アルコキシシランのアルコキシ基が1:2.57から1:5.0、好適には1:3.9から1:4.5というモル比に調整する工程、ここでアルコールは、式II、III、及び任意でIVのシランに対して0.2〜8倍、好適には0.2〜3.0の質量で使用する。さらに好ましくは、式II、III、及び任意でIVのシランに対して0.2〜1,5倍、特に0.2〜1.0倍、特に好ましくは0.3〜0.8倍の質量のアルコールを使用する。
このために、好ましくは受け器、例えば撹拌槽内で完全混合のもと、アルコキシシランと、水とを反応させる。規定量の水は連続的に、又は1〜1,000分にわたる少なくとも1回の中断で添加できる。反応混合物の温度は好適には、反応のためには5〜90℃であり、好適には20〜55℃、好ましくは30〜40℃、又は約35℃である。混合物に添加後、形成された反応混合物の温度をさらに上昇させ、特にアルコールの還流温度に調節する。例えば40〜80℃の温度、好ましくは50〜80℃、特に好ましくは55〜80℃に反応混合物を加熱することによって、本発明によればアルコールの沸点にする。
少なくとも10分〜36時間にわたって、好ましくは10分〜8時間にわたって、5〜80℃、好適には40〜80℃の反応温度で、好ましくは完全混合下で、例えば撹拌下で、反応混合物を後反応させることができる。
3)反応終了後に、アルコールを分離する。好ましくは数時間、例えば約2〜10時間、好適には3〜5時間、特に好ましくは3.5時間、還流下で加熱し、続いて、
4)加水分解アルコールと使用したアルコールを含有するアルコール、並びに場合により水を留去し、好適には真空下、高温下で反応混合物又は得られる組成物が実質的に溶剤不含になるまで、特にアルコール不含になるまで留去する。アルコールの蒸留は好適には、塔底温度0〜100℃で、圧力300bar〜1mbarで行い、この際に同時にHClが留去され、さらに好適には40〜100℃、圧力250bar〜10barで行われる。本発明によるオレフィン官能化シロキサンオリゴマー組成物が得られる。
こうして製造された官能性のシロキサンオリゴマーは、所望の適用に応じて、希釈剤で希釈するか、又はポリマー、例えば熱可塑性ベースポリマー(例えばPE、PP)、又はエラストマー(例えばEVA)を加えるか、又はコンパウンド化できることは、当業者に明らかである。さらなる熱可塑性ベースポリマー及びエラストマーを以下に例示的に挙げるが、当業者には、一般的に全ての熱可塑性ベースポリマー、又はポリマー若しくはエラストマーが適切であることは、当業者には公知である。アルコキシシラン用の慣用の希釈剤は当業者に公知であり、それは例えば、アルコール、エーテル、ケトン、炭化水素、又はこれらの混合物である。よって官能性シロキサンオリゴマーの組成物は、所望の適用に応じて濃縮物として、又は希釈された組成物としても、官能性シロキサンオリゴマーに対して99.9〜0.01質量%で、またその間の全ての数値において、全組成物中で製造できる。好ましい希釈度は、官能性シロキサンオリゴマーに対して10〜90質量%、特に好ましくは20〜80質量%、さらに好ましくは30〜70質量%である。
本発明の意味合いにおける熱可塑性ベースポリマーとしては、特にアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、ポリアミド(PA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、例えばLDPE、LLD−PE、m−PE、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、クロロプレン、並びにエチレン単位ベースのポリマーであるエチレン−酢酸ビニルのコポリマー(EVA)、EPDM、又はEPM、及び/又はセルロイド、又はシラン共重合されたポリマーであると理解され、例えばシランを含む飽和官能性モノマーからのもの、例えばVTMO、VTEO、及びモノマー、例えばエチレン、及び他のオレフィンから製造されるベースポリマー、モノマー、及び/又はプレポリマー、これらのベースポリマーの前駆体化合物、例えばエチレン、プロピレンである。さらなる好ましいエラストマーは、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、天然ゴム(NR)、アクリレートコポリマーゴム(ACM)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、及び/又はポリブタジエンゴム(BR)から選択できる。さらなる好ましいエラストマーは、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、天然ゴム(NR)、アクリレートコポリマーゴム(ACM)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、及び/又はポリブタジエンゴム(BR)から選択できる。
本発明の対象はまた、本発明による方法によって得られるオレフィン官能化シロキサンオリゴマーを有する組成物であって、特に分子量の質量平均(Mw)が315g/mol超であり、分子量の数平均(Mn)が300g/mol以上であり、ここで特にMw/Mnの商として定義される多分散性は、1.05〜1.25、好適には1.05〜1.25、特に1.05〜1.20である。さらに好ましくは、分子量の質量平均(Mw)が420g/mol以上、分子量の数平均(Mn)が400g/mol以上であり、ここでMw/Mnの商として定義される多分散性は、1.05〜1.25、特に好適には1.05〜1.17である。ここでさらに好ましくは、得られる組成物の90%以上(面積%、GPC)が、分子量1000g/mol以下のシロキサンオリゴマーを有する。こうして得られる組成物は、いつでも、単純に希釈剤によって希釈できる。方法条件によって、水分の存在下で酸性のpH値を示す組成物が得られる。pH値は通常、2〜6の間である。
同時に好適には、組成物の総塩化物含分は、全組成物に対して有利には250mg/kg以下、特に80mg/kg以下、さらに好ましくは50mg/kg以下である。
高熱の押出成形機内における大量の質量損失を起こすことなく、押出成形機内での迅速な分布を可能にするため、分子量Mwの、TGA温度に対する秤量比が、5%又は50%の質量損失で現れることを保つべきである。前述の化合物は通常、質量損失が、明らかに200℃超の温度、特に220℃超の温度で50%である。従って本発明による組成物は、押出機内での適用のために非常に良好に適しており、同時にその狭く調整された分子量により、シロキサンオリゴマーを熱可塑性樹脂に迅速に分布させることができる。この良好な分布又は分散性のためにはまた、シロキサン中においてやや多いT構造も貢献する。と言うのも、分子がより密だからである。
本発明の対象はまた、本発明による組成物、又は本発明による方法によって製造される組成物を、接着剤として、公知の方法におけるグラフト重合及び/又は加水分解縮合による架橋剤として、オレフィン官能化されたシロキサンオリゴマーでグラフトされたポリマー、プレポリマー、及び/又は無機物が充填されたポリマー(コンパウンド)、特に熱可塑性樹脂又はエラストマーを製造する際のコンパウンド、好ましくは無機物が充填された熱可塑性樹脂、エラストマー、又はこれらのプレポリマーを製造する際のコンパウンドを製造するため、熱可塑性ポリオレフィンをグラフトするため、又は熱可塑性ポリオレフィンを重合させる際に、乾燥剤として、特にシリコーン封止剤用の水補足剤として、ケーブル製造のための架橋性ポリマーにおいて、架橋性ポリマーを製造するため、エマルションにおける油相として、及び/又はオルガノシラン又はオルガノポリシロキサンと一緒に、用いる使用である。本発明による組成物を、オルガノシラン又はオルガノシロキサンとともに本発明により併用するために、EP 1 205 481 B1の開示内容が完全に引用され、特に段落[0039]の開示内容と、そこに開示されたオルガノシラン及びオルガノシロキサンに関するリストが引用される。さらに、本発明による組成物は有利には、充填物変性(充填物被覆)、樹脂変性(添加剤)、表面変性剤(官能化、疎水化)のために、被覆系における成分として(特にゾル−ゲル系、又はハイブリッド系として)、カソード変性のため、バッテリーにおけるアノード材料として、電解質液として、電解質液における添加剤として、繊維(特にガラス繊維と天然繊維)変性のため、特に充填材変性のため、またテキスタイル変性のため、人造石工業用の充填物変性のため、構造物保護剤として、又は構造物保護剤における成分として、無機物硬化性材料用の添加物として、木材、木質繊維、及びセルロース変性のために、使用できる。さらに、2011年11月22日にドイツ特許商標庁に提出された、出願日のDE 10 201 1 086 862.3の開示内容全体が、本願発明の内容に援用される。
以下の実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明がこれらの実施例に制限されることはない。
実施例:
分子量の特定:モル質量又は分子量の特定、並びに質量分布の測定は、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって行うことができる。このGPC分析法は特に、"Modern Size-Exclusion Liquid Chromatography", Andre Striegel et al著、Verlag Wiley & Sons, 2. Aufl. 2009年に、詳細に記載されている。ここで、シロキサン分析のために方法を較正するため、標準として例えばジビニルテトラメトキシジシロキサン、又はジビニルテトラエトキシシロキサンを、使用する。この文書におけるオレフィンシロキサンオリゴマーに対するパーセントの記載は、GPC分析から測定可能な面積%である。使用したカラムはMZ-Analysetechnikである:カラム:50×8.0mm、MZ-Gel SDplus(架橋度が高く、球状の粒子形状を有するスチレン/ジビニルベンゼン−コポリマー)、多孔性は50A(オングストローム、Å)、5μm(マイクロメーター)(前カラム)、300×8.0mm、MZ-Gel SDplus、多孔性は100A(オングストローム、Å)、MZ-Gel SDplus、多孔性は500A(オングストローム、Å)、5μm;溶離剤及び給送流:メチルケトン(MEK)1ml/分、基準物質:内部基準−1%の試料溶液中、1lあたり1gのエチルベンゼン。この測定装置は、事前にそれぞれの物質に対して較正する(モノマー、ダイマー、トリシロキサンなど)。Agilent社の測定装置:1100 Series isotaktische Pumpe G1310A、1100 Series Sauulenofen G1316A、1100 Series RID Detektor G1362A、Manueller Injektor G1328A、Vakuum Degasser G1322A、GPC-Software (PSS WinGPC Unity)。
塩素含分値又は総塩素含分値の測定:熱量計ボンベ内で、シランを酸素により分解し、続いて酢酸とフッ化水素で加水分解する。得られた溶液中で塩化物含分を、厳密に規定した硝酸銀溶液を用いた滴定により特定する。
塩化物含分の特定、また加水分解性塩化物の特定:酢酸による加水分解後、厳密に規定した硝酸銀溶液を用いた滴定により特定する。
SiO2含分の特定;るつぼ法:SiO2含分は、濃硫酸を用いた酸溶解によって、また後続のフッ素化による蒸発によって特定する。
GC分析:当業者に公知のGC標準分析の範囲において、モノマー含分は適切な較正によって、また場合によっては内部基準により特定する。
29Si−NMRスペクトル分析:モノマー含分を特定するため、またM構造、D構造、及びT構造を特定するためさらに、当業者に公知の29Si−NMRスペクトル分析が使用できる。
動的粘度の測定:動的粘度の測定は、DIN 53015によって行った。
加水分解後のアルコール:規定量の試料に、硫酸(25%)を加える。続いて、規定量の水を添加し、水酸化ナトリウム溶液(20%)で中和する。水蒸気蒸留を行った後、アルコール含分をGCを用いた内部標準的に対して測定する(sec−ブタノール、HP5890、Integrator HP3396、1ml/分)。
発火点測定:DIN EN ISO 13736 (2009年1月)、DIN EN ISO 2719 (2003年9月)。40℃を超える発火点は、DIN EN ISO 2719(=DIN 51758 = EN 22719))、及びDIN EN ISO 13736 (= DIN 51755)、及びDIN EN ISO 13736(=DIN 51755)に従って−30〜+40℃の間で測定する。
水含分:カールフィッシャー法(DIN 51777)
TGA:TGA(熱質量分析)では、分析すべき試料を、るつぼ内で量りにかける。この試料自体は測定の間、加熱可能な炉内に存在する。このるつぼは通常、開いている(蓋、又は穴付の蓋は無い)。炉の内部は不活性ガス(N2)で洗浄し、酸素との接触による反応をできる限り避ける。
装置:Netsch社のTG209、温度範囲:室温〜約1000℃、加熱速度10K/分、秤量:約10〜12mg、るつぼ:カバーに穴を有する白金。TGA分析についてのさらなる情報は例えば、インターネット上の教科書:Moderne Pharmazeutische Technologie 2009, Cornelia M. Keck, Reiner H. Mueller, Kapitel 3.5, Thermoanalyse, Lothar Schwabe, FU Berlin, p. 76, par.: 5, http://pharmazie-lehrbuch.de/ Moderne%20Pharmazeutische%20 Technologie.pdf、又は分析法についての他の教科書に記載されている。
Figure 2015507027
例1:VTMOシロキサンオリゴマー 水対アルコキシの比は1:3.7(V087)
ビニルトリメトキシシランオリゴマー:ビニルトリメトキシシラン220gを、反応フラスコに装入した。メタノール95gを、水21g、及び20%の塩酸0.4gと混合し、滴下漏斗へと移した。約25℃の温度で、滴下漏斗からゆっくりと、撹拌しながらビニルシランを滴加した。添加終了後、油浴を85℃に加熱し、これによりメタノールを還流下で沸騰させた。約3時間の反応時間後、メタノールを上記温度で、約150〜180mbarの減圧下で留去した。さらなる分離のため、メタノールを1mbar未満の真空に調節した。
例2:VTEOシロキサンオリゴマー 水対アルコキシの比は1:3.7(V088)
ビニルトリメエトキシシランオリゴマー:ビニルトリエトキシシラン195gを、反応フラスコに装入した。エタノール93gを、水14.8g、及び20%の塩酸0.2gと混合し、滴下漏斗へと移した。約25℃の温度で、滴下漏斗からゆっくりと、撹拌しながらビニルシランを滴加した。添加終了後、油浴を85℃に加熱し、これによりエタノールを還流下で沸騰させた。約3時間の反応時間後、エタノールを上記温度で、約150〜180mbarの減圧下で留去した。さらなる分離のため、エタノールを1mbar未満の真空に調節した。
例3:PTEO/VTEOシロキサンオリゴマー 水対アルコキシの比は1:4.0(V089)
プロピルトリエトキシシランと、ビニルトリエトキシシランとのコオリゴマー:ビニルトリエトキシシラン98gと、プロピルトリエトキシシラン100gを、反応フラスコ内に装入した。エタノール87gを、水13g、及び20%の塩酸0.2gと混合し、滴下漏斗へと移した。約25℃の温度で、滴下漏斗からゆっくりと、撹拌しながらビニルシランを滴加した。添加終了後、油浴を85℃に加熱し、これによりエタノールを還流下で沸騰させた。約3時間の反応時間後、エタノールを上記温度で、約150〜180mbarの減圧下で留去した。さらなる分離のため、エタノールを1mbar未満の真空に調節した。
例4:VTEO/PTEOシロキサンオリゴマー 水対アルコキシの比は1:4.8(V097)
実施:水冷器とマグネチックスターラとを備える2lの4つ首装置に、VTEO190.3g、及びPTEO(プロピルトリエトキシシラン)206.2gを装入した。続いてエタノール、二度蒸留した水、及び塩酸(37%)を35℃、周辺圧力で計量供給した。発熱性反応が始まった。温度が60℃超に上がり次第、供給を中断した。総反応時間は、撹拌しながら、79℃で始めてH2O/EtOH/HCl混合物を完全に供給してから五時間である。反応時間後に、ロータリーエバポレータでアルコールを最大100℃、100mbarで蒸留した。100mbarに到達後、この圧力をさらに15分間維持してから、装置を放圧した。得られる塔底物は、VTEO及びPTEOから作製された、ビニル官能化及びプロピル官能化されたシロキサンオリゴマーであった(VTEO/PTEOシロキサン)。
Figure 2015507027
例5:VTEO/PTEOシロキサンオリゴマー 水対アルコキシの比は1:4.0(V098)
実施:水冷器とマグネチックスターラとを備える2lの4つ首装置に、ビニルトリメトキシシラン(VTEO)、及びプロピルトリエトキシシラン(PTEO)を装入した。続いてエタノール、二度蒸留した水、及び塩酸(37%)を35℃、周辺圧力で計量供給した。発熱性反応が始まった。温度が60℃超に上がり次第、供給を中断した。総反応時間は、撹拌しながら、79℃で始めてH2O/EtOH/HCl混合物を完全に供給してから五時間である。反応時間後に、ロータリーエバポレータでアルコールを最大100℃、100mbarで蒸留した。100mbarに到達後、この圧力をさらに15分間維持してから、装置を放圧した。得られる塔底物が、VTEO/PTEOシロキサンオリゴマーであった。
Figure 2015507027
例6:VTEO/PTEO/TEOSシロキサンオリゴマー 水対アルコキシの比は1:5.0(V099)
実施:水冷器とマグネチックスターラとを備える2lの4つ首装置に、VTEO190.3g、及びPTEO206.4g、及びテトラエトキシシラン20.9gを装入した。続いてエタノール、二度蒸留した水、及び塩酸(37%)を35℃、周辺圧力で計量供給した。発熱性反応が始まった。温度が60℃超に上がり次第、供給を中断した。総反応時間は、撹拌しながら、79℃で始めてH2O/EtOH/HCl混合物を完全に供給してから五時間である。反応時間後に、ロータリーエバポレータでアルコールを最大100℃、100mbarで蒸留した。100mbarに到達後、この圧力をさらに15分間維持してから、装置を放圧した。得られる塔底物は、適切な加水分解、及び縮合若しくは共縮合のために使用されたVTEO、PTEO、及びテトラエトキシシランをベースとする、ビニル官能化及びプロピル官能化された、Q構造を有するシロキサンオリゴマーであった。
Figure 2015507027
例7:VTMO/PTMOシロキサンオリゴマー(V079)
実施:水冷器とマグネチックスターラとを備える2lの4つ首装置に、2種類のモノマー、すなわちビニルトリメトキシシラン370.58g、及びプロピルトリメトキシシラン514.20gを装入した。続いて、メタノール540.20g、塩酸(20%)1.02g、及び完全脱塩水80.28gから成る混合物を、室温及び周辺圧力で、10分以内に計量供給し、ここで発熱性の工程が観察された。温度は約40℃に上昇した。続いてこのバッチを、油浴温度100℃に加熱した。総反応時間は、5時間であった。反応時間後に、アルコールを定圧(1mbar未満)、100℃の油浴温度で留去した。シロキサンオリゴマーが596.30g得られた。例1〜7における収率は、本発明による方法によって99%超に上昇させることができた。
比較例1:V078 EP0518057 B1からの例1、ビニルトリメトキシシランと、メチルトリメトキシシランからの共縮合物の製造(ビニル基とメトキシ基のモル比は、約1:3)
実施:水冷器とマグネチックスターラとを備える2lの4つ首装置に、ビニルトリメトキシシラン(VTMO)397.6g、及びメチルトリメトキシシラン244.6gを、20℃で装入した。この混合物に、塩化水素2400ppmを含有する、蒸留水49.9gを、332.8gのメタノールに入れた溶液を加えた。このために、500mlの滴下漏斗を用いた。合計で16時間後に、メタノールを全てHClと一緒に約300mbarで留去した。その後、こうして得られたオリゴマー混合物を、最大約1mbarの圧力、113℃の沸騰範囲で蒸留した。透明な生成物が170g得られた。
Figure 2015507027
比較例2:V081 EP0518057 B1からの例6、ビニルトリメトキシシランからの共縮合物の製造(ビニル基とメトキシ基のモル比は、約1:1.75)
実施:水冷器とマグネチックスターラとを備える2lの4つ首装置に、ビニルトリメトキシシラン(VTMO)693.83gを、20℃で装入した。この混合物に、塩化水素1100ppmを含有する、蒸留水52.82gを、351.53gのメタノールに入れた溶液を加えた。このために、500mlの滴下漏斗を用いた。温度は、26分以内に約36℃に上がった。合計で13時間後に、メタノールを全て塩酸と一緒に2〜3時間以内に約300mbarで留去した。こうして得られたオリゴマー混合物を、最大約1mbarの圧力、100℃の沸騰領域で蒸留した。透明な生成物が240g得られた。
Figure 2015507027
比較例3〜5(EP0518057の例6と同様)
例6に開示された方法を、化合物VTMOについてはそれぞれ後処理し、化合物VTEO、VTMO、並びにコオリゴマー(VTEO)、及びプロピルトリメトキシシラン(PTMO)、及びプロピルトリエトキシシラン(PTEO)を有するビニルトリエトキシシラン(VTEO)については、新たな変法として行った。ここでこれらの変法は、1000gというバッチ量を基準として当量で行った。2lの装置内に、それぞれ室温でシランを装入した(ビニルトリメトキシシラン(V074)、ビニルトリエトキシシラン(V075)、ビニルトリメトキシ及びプロピルトリメトキシシラン(V076)、並びにビニルトリエトキシシラン及びプロピルトリエトキシシラン(V077))。この水/アルコール混合物(例V074、V076、メタノール;例V075、V077=エタノール)を計量供給したのが、この混合物はそれぞれ、1100ppm(0.11%)塩化水素を含有していた。その都度、発熱性の温度経過が確認できた。ここで温度は、それぞれ35〜40℃に上がった。13時間反応させた後、300mbarの絶対圧力でアルコールを3時間以内に取り除いた。最後にオリゴマー混合物自体を、0.1mbar未満の圧力で留去した。
Figure 2015507027
分析結果
Figure 2015507027
Figure 2015507027
Figure 2015507027
Figure 2015507027
Figure 2015507027
Figure 2015507027
これらの分析により、分子量の再現性、また分子量分布の再現性も良好なことが分かる。
Figure 2015507027
Figure 2015507027
Figure 2015507027
Figure 2015507027
Figure 2015507027
Figure 2015507027
Figure 2015507027
Figure 2015507027
Figure 2015507027
Figure 2015507027
これらの分析は、本発明による組成物であるオレフィン官能化シロキサンオリゴマーは、ジシロキサン及び/又はシクロトリシロキサンの含分が30%以下であり(面積%、GPC)、好ましくは20%以下であり、TGAで210℃超〜220℃超という高温下であっても、質量損失が50質量%未満と特に僅かであることを示している。ここでまた特に有利なのは、その発火点が80℃超〜90℃超と高いことである。シロキサンオリゴマーについて以下のような割合を有する一般的な組成物は、これらの有利な特性を示すことが判明した:ジシロキサン及び/又はシクロトリシロキサンが30%以下、好適には20%以上、特に好ましくは23%以上であり(面積%、GPC)、直鎖状、分枝鎖状のテトラシロキサン及び/又はシクロペンタシロキサン、及び好適には高分子の割合が、できる限り僅かな量で存在する。高分子のオリゴマーは、適用技術において、使用するプラスチック中で、特に押出成形時間の間の加工性の悪さにつながる。と言うのも高分子のオリゴマーは、充分に迅速に均一に分布しないからである。従ってさらに好ましくは、前記組成物は、直鎖状又は分枝鎖状のペンタシロキサン及び/又はシクロヘキサシロキサンの割合が、7〜40%(面積%、GPC)であるオレフィン官能化シロキサンオリゴマーを含有する。この組成物は特に好ましくは、シロキサンオリゴマー(例えば直鎖状、分枝鎖状のヘキサシロキサン、シクロヘプタシロキサン、及び高級シロキサン)の割合が、30%未満、特に好ましくは25%未満と特に少ない。発火点が非常に高い一方で、また150〜200℃、好適には200〜220℃という温度範囲で質量損失が特に僅かであり、同時に生成物における良好かつ迅速な加工性を達成しなければならないという上記要求のため、一般的には、オレフィン官能化シロキサンオリゴマーの組成物において、目的とする技術的要求を満たすためには、著しく秤量し、狭く規定した分子量の比が必要となる。上記分析によれば、本発明による方法により製造された組成物は、純度、総塩化物含分の低さに加えて、90℃超という高い発火点、同時にポリマー、プレポリマー、又はこれらの混合物(場合によりモノマーとともに)における良好な加工性について、上記要求を満たすことが実証されている。ここで上記開示は、具体的な例に制限されることはなく、本発明による全ての組成物及び方法について当てはまる。最大220℃での僅かな質量損失に基づき、高温反応の間のVOC含分は(例えば押出成形機内)、さらに低下させることができた。後述の適用例において実証されているように、本発明によるシロキサンオリゴマーを用いて製造されたケーブルコンパウンドの吸水性も、さらに低下させることができた。
Figure 2015507027
注:プラスチック及びゴム分野における典型的な加工温度は、150〜200℃である。
混練
Figure 2015507027
製造された試料について、温度調整室内で23℃、相対湿度50%で貯蔵後、試験体を引っ張り試験、吸湿性測定、又は溶融指数測定した。
Figure 2015507027
混練の研究:以下の混練は、「3分140℃、2分で140℃〜170℃、回転数30回転/分で、HAAKE混練機により170℃で5分」という温度プロフィールで加工した。続いて各バッチごとに、プレート二枚を165℃、20tの負荷圧力でプレスした。
Figure 2015507027
適用技術試験:製造された試料について、温度調整室内で23℃、相対湿度50%で貯蔵後、試験体の吸水性を測定した。
Figure 2015507027
本発明による組成物は、ケーブルコンパウンドにおいて公知の計よりも吸水性が低いことが分かる。

Claims (37)

  1. ケイ素原子あたり最大1個のオレフィン基を有するオレフィン官能化シロキサンオリゴマーを含有する組成物において、
    前記オレフィン官能化シロキサンオリゴマーが、鎖状、環状、架橋された、又は任意で三次元架橋された構造を形成するSi−O架橋された構造要素を有し、ここで少なくとも1つの構造が、一般式Iの構造に相当し、
    Figure 2015507027
    前記構造要素は、アルコキシシランから誘導されており、
    前記構造要素においてAは、それぞれ炭素数が2〜16の直鎖状、分枝鎖状、若しくは環状のアルケニル−アルキレン官能基又はシクロアルケニル−アルキレン官能基から選択されるオレフィン基に相当し、
    前記構造要素においてBは、炭素数が1〜16の直鎖状、分枝鎖状、若しくは環状のアルキル基から選択される飽和炭化水素基に相当し、かつ、
    Yは、OR3に相当するか、又は架橋され、任意で三次元架橋された構造においては相互に独立してOR3又はO1/2に相当し、
    1は相互に独立して、炭素数が1〜4の直鎖状、分枝鎖状、若しくは環状のアルキル基、又はHに相当し、
    3はそれぞれ相互に独立して、炭素数が1〜4の直鎖状、分枝鎖状、若しくは環状のアルキル基、又はHに相当し、
    2はそれぞれ相互に独立して、炭素数が1〜15の直鎖状、分枝鎖状、又は環状のアルキル基に相当し、
    4はそれぞれ相互に独立して、炭素数が1〜15の直鎖状、分枝鎖状、又は環状のアルキル基に相当し、
    a、b、c、x、及びyは独立して整数に相当し、ただし、1≦a、0≦b、0≦cであり、xは相互に独立して、0又は1であり、yは相互に独立して、0又は1であり、(a+b+c)≧2であり、
    前記構造要素[(R1O)1-x(R2xSi(A)O]a、[Si(B)(R4y(OR31-yO]b、及び[Si(Y)2O]cは一般式I中で合わせて、一般式Iの全ケイ素原子に対して80%以下、かつ30%以上がM構造として存在し、
    分子量の質量平均(Mw)が315g/mol以上であり、
    製造の際に使用する酸触媒の残留含分が、前記組成物1kgあたり250mg以下であることを特徴とする、前記組成物。
  2. 前記シロキサンオリゴマーが、以下の(i)〜(iii)のアルコキシシラン少なくとも1種:
    (i)一般式IIのオレフィン官能化アルコキシシラン、
    Figure 2015507027
    ここでAは、オレフィン基に相当し、かつそれぞれ炭素数が2〜16の直鎖状、分枝鎖状、若しくは環状のアルケニル−アルキレン官能基又はシクロアルケニル−アルキレン官能基から選択され、
    2はそれぞれ独立して、炭素数が1〜15の直鎖状、分枝鎖状、又は環状のアルキル基であり、xは0又は1であり、R1はそれぞれ独立して、メチル基、エチル基、又はプロピル基に相当し、及び任意で、
    (ii)飽和炭化水素基で官能化された式IIIのアルコキシシラン、
    Figure 2015507027
    ここでBは、炭素数が1〜16の直鎖状、分枝鎖状、又は環状のアルキル基から選択される非置換の炭化水素基に相当し、
    4はそれぞれ独立して、炭素数が1〜15の直鎖状、分枝鎖状、又は環状のアルキル基に相当し、
    yは0又は1であり、
    3はそれぞれ独立して、メチル基、エチル基、又はプロピル基であり、及び任意で、
    (iii)一般式IVのテトラアルコキシシラン、すなわちSi(OR34、ここで、R3は相互に独立して、上記定義の通りである、
    から誘導された構造要素を有する、請求項1に記載の組成物。
  3. 一般式IIのオレフィン官能化アルコキシシラン中、xが0であり、任意で、飽和炭化水素基で官能化された式IIIのアルコキシシラン中、yが0であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 製造の際に使用する酸触媒の残留物である塩素、塩化物、又は総塩化物の含分が、前記組成物1kgあたり250mg以下であることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の組成物。
  5. 請求項1から4までのいずれか1項に記載の組成物において、
    それぞれ相互に独立して、
    (i)一般式Iにおける前記構造要素[(R1O)1-x(R2xSi(A)O]aは、一般式Iの全ケイ素原子に対して、0.0〜8.0%がT構造として存在し、
    (ii)一般式Iにおける前記構造要素[(R1O)1-x(R2xSi(A)O]a、及び[Si(B)(R4y(OR31-yO]b、及び[Si(Y)2O]cは合わせて、一般式Iの全ケイ素原子に対して、75%以下〜40%がD構造として存在し、
    (iii)一般式Iにおける前記構造要素[(R1O)1-x(R2xSi(A)O]aは、一般式Iの全ケイ素原子に対して、25〜55%がM構造として存在し、
    (iv)一般式Iにおける前記構造要素[Si(B)(R4y(OR31-yO]bは、一般式Iの全ケイ素原子に対して、40%以下がM構造として存在し、
    (v)一般式Iにおいて前記構造要素[Si(Y)2O]cは、20%超がD構造として存在し、及び
    (vi)一般式Iにおいて前記構造要素[Si(Y)2O]cは、0.0〜1%が、T構造として存在する
    から選択されることを特徴とする、前記組成物。
  6. 分子量の質量平均(Mw)が350g/mol以上〜800g/molであることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の組成物。
  7. 分子量の質量平均(Mw)が350g/mol以上〜750g/molであることを特徴とする、請求項6に記載の組成物。
  8. 式I及び/又はII中、オレフィン基Aはそれぞれ独立して、ビニル基、アリル基、ブテニル基、3−ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、エチルヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、シクロヘキセニルC1〜C8アルキレン基、シクロヘキセニル−2−エチレン基、3’−シクロヘキセニル−2−エチレン基、シクロヘキサジエニルC1〜C8アルキレン基、又はシクロヘキサジエニル−2−エチレン基から選択され、これとは独立して、
    式I及び/又はIII中、非置換の炭化水素基Bはそれぞれ独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、i−ブチル基、オクチル基、又はヘキサデシル基から選択され、
    1はそれぞれ相互に独立して、メチル基、エチル基、又はプロピル基であり、かつR3は独立して、メチル基、エチル基、又はプロピル基であることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項に記載の組成物。
  9. 式I及び/又はII中、オレフィン基Aはビニル基であり、これとは独立して、
    式I及び/又はIII中、非置換の炭化水素基Bは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、n−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオ−ペンチル基、ヘキシル基、i−ヘキシル基、ネオ−ヘキシル基、ヘプチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、オクチル基、n−オクチル基、イソ−オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、C1327基、C1429基、C1531基、及びヘキサデシル基から選択され、
    1はそれぞれ相互に独立して、メチル基、エチル基、又はプロピル基であり、かつR3は独立して、メチル基、エチル基、又はプロピル基であることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項に記載の組成物。
  10. 前記オレフィン官能化シロキサンオリゴマーは前記組成物中において、全組成物に対して90%以上(面積%)が、1000g/mol以下の分子量で存在することを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項に記載の組成物。
  11. 分子量の質量平均(Mw)が315g/mol超であり、かつ分子量の数平均(Mn)が300g/mol超であり、ここでMw/Mnの商としての多分散性(D)は、1.05〜1.25であることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項に記載の組成物。
  12. 前記式I中、cが0であることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項に記載の組成物。
  13. 分子量の質量平均(Mw)が420g/mol以上であり、かつ分子量の数平均(Mn)が400g/mol以上であり、ここでMw/Mnの商としての多分散性(D)は、1.05〜1.25であることを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項に記載の組成物。
  14. 分子量の質量平均(Mw)が450g/mol超〜590g/molであり、かつ分子量の数平均(Mn)が410g/mol超〜510g/molであり、ここでMw/Mnの商としての多分散性(D)は、1.05〜1.25であることを特徴とする、請求項1から13までのいずれか1項に記載の組成物。
  15. 前記オレフィン官能化シロキサンオリゴマーは、前記組成物中において45%以上(面積%、GPC)が、トリシロキサン、テトラシロキサン、シクロテトラシロキサン、及び/又はシクロペンタシロキサンとして存在することを特徴とする、請求項1から14までのいずれか1項に記載の組成物。
  16. TGAにより測定して、210℃超の温度で50質量%という前記組成物の質量損失が生じることを特徴とする、請求項1から15までのいずれか1項に記載の組成物。
  17. TGA(白金るつぼ、穴付の蓋、10K/分)により測定した組成物の質量損失が、140℃以下の温度で、5質量%未満であることを特徴とする、請求項1から16までのいずれか1項に記載の組成物。
  18. 前記シロキサンオリゴマー又は一般式Iのシロキサンオリゴマーにおける、M構造対、D構造の比は、全ケイ素原子に対して1:2〜10:1であることを特徴とする、請求項1から17までのいずれか1項に記載の組成物。
  19. a)それぞれ式IIのアルコキシシランから誘導されたシロキサンオリゴマー及び式Iの構造の少なくとも1つが、オレフィン基Aとしてビニル基を有し、ここでR1はそれぞれ相互に独立して、メチル基又はエチル基に相当し、
    b)それぞれ式IIのアルコキシシランから誘導されたシロキサンオリゴマー及び式Iの構造の少なくとも1つが、オレフィン基Aとしてビニル基を有し、かつ式IIIのアルコキシシランから誘導され、非置換の炭化水素基Bとしてプロピル基を有し、ここでR1及びR3が、それぞれ相互に独立して、メチル基又はエチル基に相当するか、又は
    c)シロキサンオリゴマー及び式Iの構造の少なくとも1つが、それぞれ式II及び式IV、任意で式IIIのアルコキシシランから誘導されたものであり、かつa)又はb)から選択されており、ここでR3は、式IVから誘導され、それぞれ相互に独立して、メチル基又はエチル基に相当する
    ことを特徴とする、請求項1から18までのいずれか1項に記載の組成物。
  20. シロキサンオリゴマーはそれぞれ独立して、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランから選択される一般式IIのオレフィン官能化アルコキシシラン少なくとも1種から、及び任意で式IIIのアルコキシシラン少なくとも1種から誘導されており、ここで式IIIのアルコキシシランはそれぞれ独立して、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、i−ブチルトリエトキシシラン、i−ブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、イソ−ヘキシルトリエトキシシラン、イソ−ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、イソ−オクチルトリエトキシシラン、イソ−オクチルトリメトキシシラン、ウンデシルトリエトキシシラン、ウンデシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ノナデシルトリエトキシシラン、ノナデシルトリメトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、C1327トリエトキシシラン、C1327トリメトキシシラン、C1429トリエトキシシラン、C1429トリメトキシシラン、C1531トリメトキシシラン、C1531トリエトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン、及びヘキサデシルトリメトキシシラン、並びにこれらのエステル交換生成物から選択されることを特徴とする、請求項1から18までのいずれか1項に記載の組成物。
  21. オレフィン官能化シロキサンオリゴマーを含有する、請求項1から20までのいずれか1項に記載の組成物の製造方法であって、少なくとも
    (i)一般式IIのオレフィン官能化アルコキシシランを、
    Figure 2015507027
    [上記式II中でAは、それぞれ炭素数が2〜16の直鎖状、分枝鎖状、若しくは環状のアルケニル−アルキレン官能基又はシクロアルケニル−アルキレン官能基から選択されるオレフィン基に相当し、
    2は独立して、炭素数が1〜15の直鎖状、分枝鎖状、又は環状のアルキル基に相当し、
    xは、0又は1であり、
    1は独立して、炭素数が1〜4の直鎖状、分枝鎖状、若しくは環状のアルキル基に相当する]
    (ii)酸加水分解触媒及び/又は縮合触媒の存在下で、
    (iii)水対アルコキシシランのアルコキシ基が、1:2.75〜1:5.0という規定のモル比の水によって、溶剤の存在下、反応させてシロキサンオリゴマーにし、
    (iv)加水分解アルコール、及び存在する溶剤を実質的に分離し、
    (v)オレフィン官能化シロキサンオリゴマーを含有する組成物が、前記工程(iv)に続いて塔底生成物として得られる、
    ことを特徴とする、前記製造方法。
  22. (i)一般式IIのオレフィン官能化アルコキシシランを、
    (ii)酸加水分解触媒及び/又は縮合触媒の存在下で、
    (i.1)式IIIのアルコキシシラン少なくとも1種と反応させる、
    Figure 2015507027
    [上記式III中でBは、炭素数が1〜16の直鎖状、分枝鎖状、若しくは環状のアルキル基から選択される飽和炭化水素基に相当し、
    3はそれぞれ相互に独立して、炭素数が1〜4の直鎖状、分枝鎖状、若しくは環状のアルキル基に相当し、
    4は炭素数が1〜15の直鎖状、分枝鎖状、若しくは環状のアルキル基に相当し、
    yは0又は1である]
    ことを特徴とする、請求項21に記載の製造方法。
  23. (i)一般式IIのオレフィン官能化アルコキシシラン、及び任意で
    (i.1)式IIIのアルコキシシラン少なくとも1種を、
    (ii)酸加水分解触媒及び/又は縮合触媒の存在下で、
    (i.2)式IVのテトラアルコキシシラン少なくとも1種と反応させる
    Figure 2015507027
    [上記式IV中、R3はそれぞれ相互に独立して、炭素数が1〜4の直鎖状、分枝鎖状、又は環状のアルキル基である]
    ことを特徴とする、請求項21又は22に記載の製造方法。
  24. 溶剤として少なくとも1種のアルコールの存在下で反応を行うことを特徴とする、請求項21から23までのいずれか1項に記載の製造方法。
  25. 式IIのアルコキシシラン少なくとも1種、及び任意で式IIIのアルコキシシラン少なくとも1種を、水対アルコキシシランのアルコキシ基が、1:3〜1:4.5という規定のモル比の水と反応させてシロキサンオリゴマーにすることを特徴とする、請求項21から24までのいずれか1項に記載の製造方法。
  26. 一般式IIのオレフィン官能化アルコキシシラン
    Figure 2015507027
    Aは、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、エチルヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、シクロヘキセニルC1〜C8アルキレン基、シクロヘキセニル−2−エチレン基、3’−シクロヘキセニル−2−エチレン基、シクロヘキサジエニルC1〜C8アルキレン基から選択され、
    1は独立して、メチル基、エチル基、又はプロピル基であり、
    xは、0又は1であり、かつ独立して、
    式IIIのアルコキシシラン中、
    Figure 2015507027
    非置換の炭化水素基Bが、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、オクチル基、ブチル基、n−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオ−ペンチル基、ヘキシル基、i−ヘキシル基、ネオ−ヘキシル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、ヘプチル基、n−ヘプチル基、オクチル基、イソ−オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、C1327基、C1429基、C1531基、及びヘキサデシル基から選択され、
    3は、メチル基、エチル基、又はプロピル基であり、
    yは、0又は1である
    ことを特徴とする、請求項21から25までのいずれか1項に記載の製造方法。
  27. 一般式IIのオレフィン官能化アルコキシシラン中、xが0であり、かつ/又は
    飽和炭化水素基で官能化された式IIIのアルコキシシラン中、yが0であることを特徴とする、請求項21から26までのいずれか1項に記載の製造方法。
  28. それぞれ独立して、
    一般式IIのオレフィン官能化アルコキシシランが、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ブテニルトリエトキシシラン、ペンテニルトリエトキシシラン、ヘキセニルトリエトキシシラン、エチルヘキセニルトリエトキシシラン、ヘプテニルトリエトキシシラン、オクテニルトリエトキシシラン、シクロヘキシル−C1〜C8アルキレントリエトキシシラン、シクロヘキセニル−2−エチレントリエトキシシラン、3’−シクロヘキセニル−2−エチレントリエトキシシラン、シクロヘキサジエニル−C1〜C8アルキレントリエトキシシラン、又はシクロヘキサジエニル−2−エチレントリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、ブテニルトリメトキシシラン、ペンテニルトリメトキシシラン、ヘキセニルトリメトキシシラン、エチルヘキセニルトリメトキシシラン、ヘプテニルトリメトキシシラン、オクテニルトリメトキシシラン、シクロヘキセニル−C1〜C8アルキレントリメトキシシラン、シクロヘキセニル−2−エチレントリメトキシシラン、3’−シクロヘキセニル−2−エチレントリメトキシシラン、シクロヘキサジエニル−C1〜C8アルキレントリメトキシシラン、又はシクロヘキサジエニル−2−エチレントリメトキシシランから選択され、かつそれぞれ独立して、
    一般式IIIのアルコキシシランが、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソ−プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、i−ブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、イソ−ヘキシルトリエトキシシラン、ヘプチルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、イソ−オクチルトリエトキシシラン、ウンデシルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ノナデシルトリエトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、C1327トリエトキシシラン、C1429トリエトキシシラン、若しくはC1531トリエトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソ−プロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、i−ブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、イソ−ヘキシルトリメトキシシラン、ヘプチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、イソ−オクチルトリメトキシシラン、ウンデシルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ノナデシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、C1327トリメトキシシラン、C1429トリメトキシシラン、若しくはC1531トリメトキシシラン、及びヘキサデシルトリメトキシシランから選択されており、かつそれぞれ独立して、
    式IVのアルコキシシランは、テトラエトキシシラン、及びテトラメトキシシランから選択されている
    ことを特徴とする、請求項27に記載の製造方法。
  29. ビニルトリメトキシシラン、又はビニルトリエトキシシランを使用することを特徴とする、請求項21から28までのいずれか1項に記載の製造方法。
  30. 式II、III、及び/又は式IVのアルコキシシランを、酸触媒である塩化水素の存在下、少なくとも部分的に加水分解及び縮合させることを特徴とする、請求項21から29までのいずれか1項に記載の製造方法。
  31. (v)総塩化物含分を、250mg/kg以下に調整することを特徴とする、請求項21から30までのいずれか1項に記載の製造方法。
  32. (v)前記シロキサンオリゴマーにおけるケイ素原子の総数が、80%以下〜35%以上、M構造として存在し、分子量の質量平均(Mw)が、315mol以上であることを特徴とする、請求項21から31までのいずれか1項に記載の製造方法。
  33. 前記方法において、
    a)ビニルトリメトキシシランを、式IIのアルコキシシランとして使用し、
    b)ビニルトリエトキシシランを、式IIのアルコキシシランとして使用し、
    c)式II及び式IIIのアルコキシシランとして、ビニルトリメトキシシランとプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランとプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシランとプロピルトリメトキシシラン、又はビニルトリメトキシシランとプロピルトリエトキシシランを使用するか、又は
    前記a)、b)、又はc)において相応するメトキシ及びエトキシ混合官能性のアルコキシシランを使用するか、又は
    d)前記a)、b)、又はc)において式IVのアルコキシシランとしてさらに、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、又はこれらの混合物を使用することを特徴とする、請求項21から32までのいずれか1項に記載の製造方法。
  34. 以下の各工程:
    1)(i)式IIのオレフィン官能化アルコキシシラン少なくとも1種、又は(i.1)式Iのオレフィン官能化アルコキシシラン少なくとも1種、及び式IIIのアルコキシシラン少なくとも1種、及びそれぞれ任意で、(i.2)式IVのアルコキシシラン少なくとも1種を装入する工程、
    2)溶剤、水、及び酸加水分解触媒及び/又は縮合触媒としてのHClを含有する混合物を添加する工程、ここで前記溶剤は、加水分解アルコールに相当するアルコールであり、水対アルコキシシランのアルコキシ基が1:2.75〜5.0、好適には3.0〜1:4.5という規定のモル比に調整し、ここで前記アルコールは、式II、III、及び任意でIVのアルコキシシランの質量に対して、0.2〜8倍の質量で使用する、
    を特徴とする、請求項21から33までのいずれか1項に記載の製造方法。
  35. 前記アルコールを、式II、III、及び任意でIVのシランの質量に対して0.2〜1.5倍の質量で使用することを特徴とする、請求項34に記載の製造方法。
  36. 請求項21から35までのいずれか1項に記載の製造方法によって得られる、オレフィン官能化シロキサンオリゴマーを含有する組成物。
  37. 請求項1から20までのいずれか1項若しくは請求項36に記載の組成物、又は請求項21から35までのいずれか1項に記載の製造方法により製造される組成物を、接着剤として、それ自体公知のグラフト重合及び/又は加水分解縮合による架橋剤として、オレフィン官能化シロキサンオリゴマーでグラフトされたポリマー、プレポリマー、及び/又は無機物で充填されたポリマーを製造するため、オレフィン官能化シロキサンオリゴマーでグラフトされたポリマー、プレポリマー、及び/又は無機物で充填された熱可塑性樹脂若しくはエラストマーを製造するため、若しくはこれらのプレポリマーを製造するため、グラフトのため、若しくは熱可塑性ポリオレフィンの重合において、乾燥剤として、特に、シリコーン封止剤用の水補足剤として、ケーブルを製造するための架橋可能なポリマーにおいて、架橋可能なポリマーを製造するため、エマルションにおける油相として、及び/又はオルガノシラン若しくはオルガノポリシロキサンとともに、充填材変性、充填材被覆、樹脂変性、樹脂添加剤、表面変性、表面官能化、表面疎水化のため、被覆系における成分として、ゾルゲル系、被覆系若しくはハイブリッド被覆系における成分として、電池におけるカソード及びアノード材料を変性するため、電解質液として、電解質液における添加剤として、繊維変性のため、特にガラス繊維及び天然繊維を変性するため、並びにテキスタイル変性のため、プラスチック工業用の充填材変性のため、建築物保護剤として、若しくは建築物保護剤における成分として、無機物硬化性材料のための添加剤として、木材、木質繊維、及びセルロース変性のために用いる、前記使用。
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