JP2015505491A - 細胞の浸潤のためのマトリックス - Google Patents

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Abstract

細胞移植マトリックスは80%を超える連通細孔を有し、生体再吸収可能なポリマーの混合物から主として成り、そのマトリックスは円盤状であり円盤の一方の側の面は他の側の平均細孔密度の20%未満の平均細孔密度を有する。そのマトリックスは、再吸収可能なポリマー層を提供し、このポリマー層の上に、水溶性固体、再吸収速度が異なる少なくとも2種のポリマー、及びポリマーの一方に対する溶媒の混合物の層を形成し、溶媒を蒸発させオプションとして混合物を圧縮し、圧縮した本体に水をかけて塩を除去することによって製造される。【選択図】図1

Description

本願は、治療または診断目的での細胞の浸潤のための多孔性マトリックスに関する。
生体適合性ポリマーでつくられた多孔性マトリックスに基づく細胞移植はWO 2004/108810 A1から知られている。そのようなマトリックスにおいて、細孔は相互に連通しておりイン・ビボ(例えば治療)においてまたはイン・ビトロ(例えば診断)において細胞の浸潤のためのテンプレートとしての役割を果たす。移植のためには、そのような生体再吸収可能なマトリックスは移植物を一時的に固定する役割を果たす。
公知のテンプレートは、いくつかの用途において、特に臨床成績に関してまだ完全に満足できるものではない
本発明はテンプレートの臨床成績を改善することを目的としている。
そのために、本発明は通常の円盤状テンプレートの一方の側に、他方の側の平均細孔量の20%未満である平均細孔量を有する面を提供する。この非対称構造は、埋め込まれた生きた細胞がその中により長くとどまるようにテンプレートを体内に位置させることを可能にする。
更なる側面によれば、本発明は多孔性で生体再吸収可能なマトリックスを製造する方法を提供し、その方法において、ポリマー層を最初に細孔形成剤なしで形成し、その上に少なくとも2種のポリマー、それらポリマーの一方に対する溶媒及び水溶性細孔形成剤を置き、続いて溶媒を蒸発させた後水をかけて細孔形成剤を除去する。これら最後の2つのステップの間で、ある変形において、圧力を加える。これらの方法により、高度に多孔性のマトリックスポリマーの円盤が得られるが、その一方の側は細孔がないか又は少なくとも細孔が減少した膜である。この膜があるにもかかわらず、使用中に細孔中に存在する細胞の量は充分であり、しかも、移出によるロスの速度は著しく減少する。テンプレートが結合組織を支持する役割を果たす或る変形において、連続的なポリマー層は例えばテンプレートを固定する縫合材料に対して充分な強度を提供し得る。
実施形態において、多孔性マトリックスは例えば(メタ)アクリル酸ポリマーにより親水性コーティングされる。このために、プラズマコーティングステップの後にプラズマなしコーティングステップが続き、それによって、1ミクロン以上の所望の層厚が達成される。
本発明の更なる特徴事項は特許請求の範囲及び図面に併せて以下の実施形態の記述から利用可能である。本発明は記述された実施形態により定められず、添付された請求項の範囲によって定められる。特に、本発明の実施形態の個々の特徴事項は以下の例におけるよりも異なる数及び組み合わせにおいて実現され得る。以下の実施形態の説明において、添付図面が参照される。
本発明に係る方法のフロー図である。
主要な用途において、機能性細胞の移植用マトリックスには例えば肝細胞及び/又はランゲルハンス島細胞が供給される。そのような生物化学的に機能性の細胞は泡状マトリックスの細孔の内壁に(80%を超える付着率、もしくは適切にコーティングされて95%を超える付着率で)付着し、マトリックスとともに理想的には細胞提供者自身の中皮空洞に移植される。ここで、この場合に何の拒絶反応も起こらず比較的穏やかな異物刺激のみが起こりそれは治療過程にとってむしろ有利であることが利用される。数週間以内に、マトリックスは血管新生化され、移植された細胞はもはや拡散的供給のみに依存しない。マトリックスは細孔が少ない(またはない)側が内側になり細孔が多い側が外側になるように配置され、移出によるロスの速度を低いレベルに維持している。同時に、再吸収可能なマトリックスの一部の再吸収が(3〜4か月以内にまたは少なくとも2か月及び/又は7か月未満以内で)徐々に起こり、それにより生理学的環境は治療の成功にとっても同様に有利なものとなる。ポリマー混合物の一部はより遅く浸食され(劣化時間が少なくとも5倍)、より長い時間、例えば2.5〜3年(又は少なくとも2年及び/又は5年未満)、構造の健全性を維持することが望ましい。そのようなポリマーは、望ましくは、乳酸及び/又はグリコール酸、例えばPLA又はPLGAのようなα-ヒドロキシカルボン酸に基づく。人体における使用が承認されているそのようなポリマーの製造者は、公称の劣化時間がこのようであることを示している。
前述したように、コーティングされたマトリックス、すなわち、PECVD/CVDの組み合わせプロセスにおいて最初に薄い(例えば20〜30 nm)PAA層によるプラズマコーティングが行われその後プラズマの作用なしでより厚い(例えば20〜30μm)PAA層でコーティングされるものを使用することで特に良好な付着率が観察されている。この上層は結晶性の親水性層を形成する。
最初に、用いられる一方のポリマーの医療用に承認されたクロロホルムの溶液を鋳型に注ぎ、45〜65℃で溶媒を蒸発させる。次に、予め定められた粒径分布を有するポリマー混合物を同様に予め定められた粒径分布を有する岩塩顆粒に混合し、一方のポリマーのクロロホルム溶液を混合して既に存在するポリマー層の上に注ぐ。この予備成形物からわずかに高い温度(45℃〜65℃)において溶媒を蒸発させ所望により圧力をかけてそれを圧縮し、その後、予備成形物に水をかけて塩を取り除いて所望の多孔体とする。これにより、最初に形成されるポリマー層は残るがそれに細孔はない。使用される分野に応じて、最初の溶液の量と濃度により細孔が少ない層の厚さを制御することができる。例えば、溶液の濃度が低くて(例えばゆっくりと劣化するポリマーのクロロホルム4%溶液)満たすレベルが低ければ(例えば0.1〜1 mm, 中でも0.3 mm)非常に薄い膜が得られる。機械的により永続する構造が望まれる場合、同じ濃度で満たすレベルをより高く(例えば5〜50 mm、典型的には20〜25 mm)設定することができる。この場合にクロロホルムの蒸発にはしたがってより長い時間を要する(1.5時間)。前者の場合、得られる膜の厚さは約10〜20μmであり、後者の場合、厚さは約0.5〜1 mmである。
成層混合物における岩塩粒子はポリマー粒子(よりゆっくりと劣化するポリマーの中央値が210μmと230μmの間、より早く劣化するポリマーのそれが150μmと170μmの間)よりも幾分粗い(中央値が350〜370μm)。そこにおいて、分布幅(5%/95%)は同様であり、すなわち、塩または全ポリマーについてそれぞれに±85〜95μm周辺である。分布の形状は二又は三峰性であり得る。成層混合物の組成は約96%が塩、1〜1.5%が固体ポリマー及びさらに約3〜3.5%が溶解したポリマーであり、固体と液体の体積割合はほぼ等しい。全体として、早く劣化するポリマーの割合はポリマーの約5〜20 %のみである。細孔形成層全体の厚さは5〜6mmである。初期層がより安定している変形において、塩は幾分より粗いもの(中央値約400〜420μm)が選ばれ得る。この場合、細孔形成層の全厚さは4〜5mmであり、圧力下での圧縮を行い得る。水かけは約24時間行いその後45〜50℃で乾燥する。コーティングが行われるとき、マトリックスは細孔が少ない側を下にして置かれて主として細孔が開いている側がコーティングされる。
ここで採用されるポリマーは例えばエボニック社から購入することができ、品番がそれぞれL210s、L210、L09s、L207s、L206s(よりゆっくりと劣化するPLGAポリマー)又はRG502、RG502H、RG505(より早く劣化するPLGAポリマー)である。
人体の外側での用途において、上述したマトリックスはバイオリアクター内で薬品にさらされる細胞を固定する役割を果たす。例えば、或る細胞のタイプが問題の薬剤に応答するか否かに関してこのようにして研究し、それにより得られた観察結果に応じて療法を計画し得る。同様に、早い段階で何らかの毒性が認識されるので、薬剤の開発が簡略化される。
【書類名】明細書
【発明の名称】細胞の浸潤のためのマトリックス
【技術分野】
【0001】
本願は、治療または診断目的での細胞の浸潤のための多孔性マトリックスに関する。
【背景技術】
【0002】
生体適合性ポリマーからなる多孔性マトリックスに基づく細胞移植はWO 2004/108810 A1から知られている。そのようなマトリックスにおいて、細孔は相互に連通しておりイン・ビボ(例えば治療)においてまたはイン・ビトロ(例えば診断)において細胞の浸潤のためのテンプレートとしての役割を果たす。移植のためには、そのような生体吸収性マトリックスは移植物を一時的に固定する役割を果たす。
【発明の概要】。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
公知のテンプレートは、いくつかの用途において、特に臨床成績に関してまだ完全に満足できるものではない
【0004】
本発明はテンプレートの臨床成績を改善することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのために、本発明は通常の円盤状テンプレートの一方の側に、他方の側の平均細孔量の20%未満である平均細孔量を有する面を提供する。この非対称構造は、埋め込まれた生きた細胞がその中により長くとどまるようにテンプレートを体内に位置させることを可能にする。
【0006】
更なる側面によれば、本発明は多孔性で生体吸収性のマトリックスを製造する方法を提供し、その方法において、ポリマー層を最初に細孔形成剤なしで形成し、その上に少なくとも2種のポリマー、それらポリマーの一方に対する溶媒及び水溶性細孔形成剤を置き、続いて溶媒を蒸発させた後水をかけて細孔形成剤を除去する。これら最後の2つのステップの間で、ある変形において、圧力を加える。これらの方法により、高度に多孔性のマトリックスポリマーの円盤が得られるが、その一方の側は細孔がないか又は少なくとも細孔が減少した膜である。この膜があるにもかかわらず、使用中に細孔中に存在する細胞の量は充分であり、しかも、移出によるロスの速度は著しく減少する。テンプレートが結合組織を支持する役割を果たす或る変形において、連続的なポリマー層は例えばテンプレートを固定する縫合材料に対して充分な強度を提供し得る。
【0007】
実施形態において、多孔性マトリックスは例えば(メタ)アクリル酸ポリマーにより親水性コーティングされる。このために、プラズマコーティングステップの後にプラズマなしコーティングステップが続き、それによって、1ミクロン以上の所望の層厚が達成される。
【0008】
本発明の更なる特徴事項は特許請求の範囲及び図面に併せて以下の実施形態の記述から利用可能である。本発明は記述された実施形態により定められず、添付された請求項の範囲によって定められる。特に、本発明の実施形態の個々の特徴事項は以下の例におけるよりも異なる数及び組み合わせにおいて実現され得る。以下の実施形態の説明において、添付図面が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】 本発明に係る方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】.
【0010】
主要な用途において、機能性細胞の移植用マトリックスには例えば肝細胞及び/又はランゲルハンス島細胞が供給される。そのような生物化学的に機能性の細胞は泡状マトリックスの細孔の内壁に(80%を超える付着率、もしくは適切にコーティングされて95%を超える付着率で)付着し、マトリックスとともに理想的には細胞提供者自身の中皮空洞に移植される。ここで、この場合に何の拒絶反応も起こらず比較的穏やかな異物刺激のみが起こりそれは治療過程にとってむしろ有利であることが利用される。数週間以内に、マトリックスは血管新生化され、移植された細胞はもはや拡散的供給のみに依存しない。マトリックスは細孔が少ない(またはない)側が内側になり細孔が多い側が外側になるように配置され、移出によるロスの速度を低いレベルに維持している。同時に、吸収性マトリックスの一部の吸収が(3〜4か月以内にまたは少なくとも2か月及び/又は7か月未満以内で)徐々に起こり、それにより生理学的環境は治療の成功にとっても同様に有利なものとなる。ポリマー混合物の一部はより遅く浸食され(分解時間が少なくとも5倍)、より長い時間、例えば2.5〜3年(又は少なくとも2年及び/又は5年未満)、構造の健全性を維持することが望ましい。そのようなポリマーは、望ましくは、乳酸及び/又はグリコール酸、例えばPLA又はPLGAのようなα-ヒドロキシカルボン酸に基づく。人体における使用が承認されているそのようなポリマーの製造者は、公称の分解時間がこのようであることを示している。
【0011】
前述したように、コーティングされたマトリックス、すなわち、PECVD/CVDの組み合わせプロセスにおいて最初に薄い(例えば20〜30 nm)PAA層によるプラズマコーティングが行われその後プラズマの作用なしでより厚い(例えば20〜30μm)PAA層でコーティングされるものを使用することで特に良好な付着率が観察されている。この上層は結晶性の親水性層を形成する。
【0012】
最初に、用いられる一方のポリマーの医療用に承認されたクロロホルムの溶液を鋳型に注ぎ、45〜65℃で溶媒を蒸発させる。次に、予め定められた粒径分布を有するポリマー混合物を同様に予め定められた粒径分布を有する岩塩顆粒に混合し、一方のポリマーのクロロホルム溶液を混合して既に存在するポリマー層の上に注ぐ。この予備成形物からわずかに高い温度(45℃〜65℃)において溶媒を蒸発させ所望により圧力をかけてそれを圧縮し、その後、予備成形物に水をかけて塩を取り除いて所望の多孔体とする。これにより、最初に形成されるポリマー層は残るがそれに細孔はない。使用される分野に応じて、最初の溶液の量と濃度により細孔が少ない層の厚さを制御することができる。例えば、溶液の濃度が低くて(例えば遅く分解するポリマーのクロロホルム4%溶液)満たすレベルが低ければ(例えば0.1〜1 mm, 中でも0.3 mm)非常に薄い膜が得られる。機械的により永続する構造が望まれる場合、同じ濃度で満たすレベルをより高く(例えば5〜50 mm、典型的には20〜25 mm)設定することができる。この場合にクロロホルムの蒸発にはしたがってより長い時間を要する(1.5時間)。前者の場合、得られる膜の厚さは約10〜20μmであり、後者の場合、厚さは約0.5〜1 mmである。
【0013】
成層混合物における岩塩粒子はポリマー粒子(より遅く分解するポリマーの中央値が210μmと230μmの間、より早く分解するポリマーのそれが150μmと170μmの間)よりも幾分粗い(中央値が350〜370μm)。そこにおいて、分布幅(5%/95%)は同様であり、すなわち、塩または全ポリマーについてそれぞれに±85〜95μm周辺である。分布の形状は二又は三峰性であり得る。成層混合物の組成は約96%が塩、1〜1.5%が固体ポリマー及びさらに約3〜3.5%が溶解したポリマーであり、固体と液体の体積割合はほぼ等しい。全体として、早く分解するポリマーの割合はポリマーの約5〜20 %のみである。細孔形成層全体の厚さは5〜6mmである。初期層がより安定している変形において、塩は幾分より粗いもの(中央値約400〜420μm)が選ばれ得る。この場合、細孔形成層の全厚さは4〜5mmであり、圧力下での圧縮を行い得る。水かけは約24時間行いその後45〜50℃で乾燥する。コーティングが行われるとき、マトリックスは細孔が少ない側を下にして置かれて主として細孔が開いている側がコーティングされる。
【0014】
ここで採用されるポリマーは例えばエボニック社から購入することができ、品番がそれぞれL210s、L210、L09s、L207s、L206s(より遅く分解するPLGAポリマー)又はRG502、RG502H、RG505(より早く分解するPLGAポリマー)である。
【0015】
人体の外側での用途において、上述したマトリックスはバイオリアクター内で薬品にさらされる細胞を固定する役割を果たす。例えば、或る細胞のタイプが問題の薬剤に応答するか否かに関してこのようにして研究し、それにより得られた観察結果に応じて療法を計画し得る。同様に、早い段階で何らかの毒性が認識されるので、薬剤の開発が簡略化される。

Claims (19)

  1. 細胞移植のためのマトリックスであって、80%を超える連通した細孔を有し、生体再吸収可能なポリマーの混合物から主として成り、円盤状であるマトリックスにおいて、
    前記円盤の一方の側の面は前記円盤の他方の側の平均細孔割合の20%未満である平均細孔割合を有することを特徴とするマトリックス。
  2. 前記マトリックスは親水化コーティングされている請求項1記載のマトリックス。
  3. 前記コーティングは(メタ)アクリル酸単位から主として成る請求項2記載のマトリックス。
  4. 前記コーティングの厚さは1μmを超える請求項2又は3記載のマトリックス。
  5. 前記マトリックスはポリ(α-ヒドロキシ)カルボン酸から成る請求項1〜4のいずれか1項記載のマトリックス。
  6. 前記混合物を構成するポリマーのうちの2種のポリマーであってその各々が前記混合物の少なくとも10%を提供する2種のポリマーの再吸収速度は一方が他方の5倍を超えて異なる請求項1〜5のいずれか1項記載のマトリックス。
  7. 異なる連通多孔性を有する細胞移植用マトリックスの製造方法であって、
    生体再吸収可能なポリマー層を製造し、
    前記ポリマー層の片側に、水溶性固体、異なる再吸収速度を有する少なくとも2種のポリマー及び前記ポリマーの少なくとも一方に対する水に溶けない溶媒の混合物の層を形成し、
    前記溶媒を蒸発させ、
    前記積層物に水をかけて前記形成された層から前記水溶性固体を取り除くことを具備する方法。
  8. 前記溶媒を蒸発させたのちに前記混合物を圧縮するために圧力を加えることをさらに具備する請求項7記載の方法。
  9. 前記溶媒としてクロロホルムが用いられる請求項7又は8記載の方法。
  10. 前記混合物を構成する前記ポリマーのうちの2種のポリマーであってその各々が前記混合物の少なくとも10%を提供する2種のポリマーの再吸収速度は5倍以上異なる請求項7〜9のいずれか1項記載の方法。
  11. 前記水かけの後、親水化成分でコーティングすることをさらに具備する請求項7〜10のいずれか1項記載の方法。
  12. 前記親水化成分は(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸無水物から主として成る請求項11記載の方法。
  13. 希ガスまたは不活性ガスの存在下でのプラズマコーティングステップの後にプラズマなしのコーティングステップが続く請求項11又は12記載の方法。
  14. 最初に形成される層の厚さは0.002〜2.5 mmである請求項7〜13のいずれか1項記載の方法。
  15. 最初に形成される層の厚さは0.005〜0.025 mmである請求項14記載の方法。
  16. 最初に形成される層の厚さは0.25〜2.0 mmである請求項14記載の方法。
  17. 製造される移植マトリックスは請求項1〜6のいずれか1項記載のマトリックスである請求項7〜16のいずれか1項記載の方法。
  18. 請求項1〜6のいずれか1項記載のマトリックス又は請求項7〜17のいずれか1項記載の方法に従って製造されるマトリックスを、生きた細胞を浸潤させ該生きた細胞を体外で予め定められた試験薬剤にさらすために使用する方法。
  19. 請求項1〜6のいずれか1項記載のマトリックス又は請求項7〜17のいずれか1項記載の方法に従って製造されるマトリックスを、人体の治療方法において細胞を浸潤させるために使用する方法。
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