JP2015504074A - ヨウ素濃度の低いx線イメージング造影製剤及びx線イメージング法 - Google Patents

ヨウ素濃度の低いx線イメージング造影製剤及びx線イメージング法 Download PDF

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Abstract

本発明は、X線検査及びその際の患者の安全性の改善に関する。本発明は、ヨウ素濃度が低く電解質の量が最適化されたX線診断用組成物に関する。本発明は、さらに、低濃度のヨウ素を含むX線診断用組成物を身体に投与し、ある照射量で照射するX線検査法に関する。【選択図】 図1

Description

本発明は、ヨウ素濃度が低く電解質の量が最適化されたX線組成物に関する。特に、本発明は、イオホルミノール(Ioforminol)を含む組成物であって、ヨウ素濃度の低い組成物を提供する。本発明は、さらに、かかる組成物を用いたX線検査法に関する。特定の実施形態では、本発明のX線組成物を身体に投与し、低減した放射線量で照射する。
すべての診断イメージングは、身体内部の様々な構造から異なる信号レベルを得てそれらの構造が見られるようにすることに基づいている。したがって、例えばX線イメージングにおいて、所与の身体構造を画像で視認できるようにするには、その構造によるX線減衰が周囲の組織のX線減衰と異なっていなければならない。身体構造とその周囲との間での信号の差は、コントラストと呼ばれ、診断イメージングでのコントラストを高めるための手段に多大な努力がなされてきた。これは、身体構造又は関心領域とその周囲との間のコントラスト又は解像度が大きいほど画像の鮮明さ又は品質が高まり、診断を行う医師にとって価値が高まるからである。さらに、コントラストが大きいほど、イメージング法で視認できる身体構造が小さくなる。換言すると、コントラストの増大は、識別可能な空間解像度及び鮮明さの向上をもたらすことができる。
診断のための画像の質は、イメージング法における固有ノイズレベルに大きく左右され、コントラストレベルとノイズレベルとの比又はコントラストとノイズとの識別は、診断画像に関する有効な診断品質因子に相当することが分かる。患者を(特に過度の放射線被曝から)安全に保ちながら、かかる診断品質因子の改善を達成することは、以前から重要な目標であり、今以て重要な目標であることに変わりはない。X線イメージングのような技術において診断品質因子を向上させるための1つのアプローチは、造影製剤として処方されたコントラスト増強物質をイメージングすべき身体領域中に導入することであった。
例えば、X線における造影剤の初期の例は、不溶性の無機バリウム塩であり、それが分布した身体領域のX線減衰度を高める。この50年間、X線造影剤の分野では可溶性ヨウ素含有化合物が支配的であった。ヨウ素化造影剤を含む市販の造影製剤は、通常、ジアトリゾエート(例えばGastrografen(商標)という商品名で市販)のようなイオン性単量体、イオキサグレート(例えばHexabrix(商標)という商品名で市販)のようなイオン性二量体、イオヘキソール(例えばOmnipaque(商標)という商品名で市販)やイオパミドール(例えばIsovue(商標)という商品名で市販)やイオメプロール(例えばIomeron(商標)という商品名で市販)のような非イオン性単量体、及び非イオン性二量体のイオジキサノール(例えばVisipaque(商標)という商品名で市販)に分類される。
上述したもののような最も広く使用されている市販の非イオン性X線造影剤は、臨床用途のために安全であると考えられている。ヨウ素化造影剤を含む造影製剤は、米国において年間2千万件を超えるX線検査に使用されており、副作用の数は許容し得るものと考えられている。しかし、安全性が向上し高品質の画像を与える改良X線及びCTイメージング法に対するニーズは依然として存在している。かかるニーズは、既存の疾患及び病態又は腎機能の未熟な/低い患者/被験体において一段と明らかである。これは、ある種の疾患及び低い腎機能では、注射されたヨウ素化造影製剤に対する副作用の確率が高まるからである。懸念される既存の疾患としては、肺疾患、腎疾患、心疾患、肝疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患その他の合併症、例えば代謝障害(糖尿病、高脂血症、高インスリン血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症及び高血圧症)、心血管系疾患、末梢血管疾患、アテローム性動脈硬化症、卒中及びうっ血性心不全が挙げられる。さらに、高齢者では副作用の報告例が多く、小児及び乳幼児にみられるような未熟な腎機能では造影製剤の循環時間が長くなり副作用の数及び強さが増すおそれがあるので、被験体の年齢は重要である。
有害事象のリスクは造影製剤の作用に限られるものではない。CTに付随する放射線は、画像診断の総電離放射線の約70〜75%を占める。これらの放射線レベルは決定的影響(例えば、細胞死)を起こすレベルよりは十分に低いものの、確率的影響(例えば、癌、白内障及び遺伝的影響)のリスクを伴うおそれがあるという懸念が存在する。放射線被曝に関連した癌を後年発症するリスクが最も高いのは、小児及び20代の女性であり、Hall EJ, Ped Radiol 2002;32:225−7によれば、小児は成人に比べて放射線感受性が2〜10倍高い。小児科CT検査の約33%は生後10年以内の小児で実施され、17%の小児は5歳以下の年齢である。低年齢での放射線被曝はリスクを伴う。これは、小児期の器官及び組織は成人のものより放射線の影響に敏感であり、癌が形成される可能性のある残りの平均余命が長いからである。Brenner D他の報文(N Engl J Med 2007;357:2277−83)には、1回だけのCTスキャンでも癌による死亡リスクがあり、低いとはいっても、このリスクは小児及び若者にとってはかなり高い。さらに、現在のCTの普及により、小児が受ける医療関連放射線の生涯積算線量は現在成人である者よりも高くなる可能性が高い。
かかる造影製剤は、直接治療効果を達成したり患者に恩恵をもたらすためではなく、診断目的のために使用されているので、細胞又は身体の様々な生物学的機構に対する影響ができるだけ少ない造影製剤を提供することが概して望ましい。毒性及び臨床的副作用が低いからである。ヨウ素化造影製剤の毒性及び生物学的副作用は、処方される製剤の成分(例えば、溶媒、担体、緩衝剤又はキレーターなど)、並びに造影剤自体及びその成分(例えば、イオン性造影剤用のイオン)に起因するだけでなく、その代謝物にも起因する。
造影製剤の毒性に対する主な寄与因子は、ヨウ素化造影剤構造の化学毒性及びその生理化学的性質、特に造影製剤の重量オスモル濃度及び造影製剤のイオン組成又はその欠如にあるとされている。ヨウ素化造影剤の望ましい特性は、化合物自体の毒性(化学毒性)が低いこと、造影製剤の重量オスモル濃度が低いこと、親水性(溶解性)が高いこと、及び、ヨウ素含有量(投与用に製剤化された造影製剤1ml当たりのヨウ素mg数(mg I/ml)で測定されることが多い)が高いことであると考えられてきた。ヨウ素化造影剤は、製剤用の媒体(通常は水性媒体)に完全に溶解性であって、保存及び投与時に溶液のままでなければならない。
市販品、特に非イオン性化合物の重量オスモル濃度は、二量体及び非イオン性単量体を含有する大半の製剤については許容できるが、依然として改善の余地がある。例えば冠動脈造影では、ボーラス量の造影製剤を循環系に注射すると重篤な副作用を引き起こすおそれがある。この手順では、注射直後に循環系を血液ではなく造影製剤が短時間流れ、造影製剤とそれが置換した血液との化学的及び生理化学的性状の差のため、不整脈、心臓の電気的周期のQT間隔の延長、心臓収縮力の低下、血液細胞の酸素運搬能力の低下、及び高レベルの造影製剤が存在する器官の組織虚血のような望ましくない副作用を引き起こすおそれがある。かかる副作用は、特に、注射される造影製剤の高張性に化学毒性及び浸透圧毒性効果が付随するイオン性造影剤でみられる。体液と等張又は体液よりもわずかに低張の造影製剤が特に望ましい。低浸透圧の造影製剤は腎毒性が低く、特に望ましい。
急性腎不全の患者では、造影製剤によって誘発される腎障害が、ヨウ素化造影製剤の使用に伴う臨床的に最も重要な合併症の1つのままである。Aspelin,P他,The New England Journal of Medicine,Vol.348:491−499(2003)では、低浸透圧性の薬剤であるイオジキサノールを、低浸透圧性の非イオン性造影製剤としてではなく、血漿電解質の添加によって血液と等張にしたものを使用すると、造影製剤によって誘発される腎障害が高リスク患者で発症し難い可能性があると結論づけられている。これらの知見は、ヨウ素造影製剤の重量オスモル濃度が造影剤誘発腎毒性(CIN)及び造影製剤誘発急性腎障害の重要な要因であることを示した後の報文によって補強されている。
患者集団のうち、高リスク患者とみなされる部分は、例えば予測平均年齢の上昇のため、増加しつつある。患者集団全体のためのインビボX線診断剤を絶えず改良する必要性に応えるため、患者の安全性が最適化されたX線造影剤及びX線イメージング法を見出すことが常に望まれている。
造影製剤の注射量を少なく保つために、ml当たりのヨウ素濃度が高いにもかかわらず、製剤の重量オスモル濃度が低レベル(好ましくは等張未満又は等張付近)に維持された造影製剤を処方することが望まれていた。この考え方は、高いヨウ素濃度ほど優れた診断をもたらすという概念に対応する。非イオン性単量体造影剤並びにイオジキサノール(欧州特許出願公開第108638号)のような非イオン性ビス(トリヨードフェニル)二量体の開発は、浸透圧毒性の低下した造影製剤をもたらした。これによって、有効ヨウ素濃度でのコントラストを低張性溶液で達成することができ、さらに、例えばVisipaque(商標)の場合のように、造影製剤を所望の重量オスモル濃度に維持しながら血漿イオンの配合によってイオン不均衡を補正することさえできる。
しかし、特に感受性の高い被験体における副作用のリスクを低減させ、患者の安全性を向上させ、かつコストを削減するため、現在、X線検査を受ける患者に投与されるX線造影製剤の量を減少させることが望まれている。
GE Healthcare ASの国際公開第2009/008734号には、一群の新規化合物及びそれらのX線造影剤としての用途が開示されている。これらの化合物は、2つの連結されたヨウ素化フェニル基を含む二量体である。2つのヨウ素化フェニル基を連結する橋かけ基は、1〜6個の−OH基又はOCH3基で適宜置換された直鎖C3〜C8アルキレン鎖である。上記出願の一般式(I)にはある範囲の化合物が包含され、数多くの具体的化合物が提案されている。二量体X線造影剤の具体例の一つであって、国際公開第2009/008734号の式Iの範囲に属し、イオホルミノールという国際一般名が付された化合物Iは、本願出願人によって特に好ましい性質をもつことが判明している。化合物Iは、 5,5’−((2−ヒドロキシプロパン−1,3−ジイル)ビス(ホルミルアザネジイル))ビス(N1,N3−ビス(2,3−ジヒドロキシプロピル)−2,4,6−トリヨードイソフタルアミド)である。
国際公開第2009/008734号
本願出願人は、今般、患者の安全性を向上させる新たなX線診断用組成物を同定することに成功した。X線イメージングにおける造影製剤として有用な新規組成物は、イオホルミノールを造影剤として含んでおり、低濃度のヨウ素をもたらす。本組成物は、最適量の塩をもたらすことが判明した。
そこで、第1の態様では、本発明は、イオホルミノール及び薬学的に許容される担体又は賦形剤を含むX線組成物であって、10〜200mg I/mlのヨウ素濃度及び70〜120mMのナトリウムイオン濃度を有する組成物を提供する。組成物中に存在するヨウ素は、主に、1分子当たり6個のヨウ素原子を含むイオホルミノールに由来する。
図1〜図6は、様々な濃度のイオホルミノールの組成物を使用し、様々なノイズ低減ソフトウェアを使用して、様々な管電圧エネルギーにおける円形関心領域内の平均X線減衰値の測定によるヨウ素コントラスト増強を示す。図1〜図3では関心領域は大動脈であり、図4〜図6では関心領域は肝臓である。
320mg I/ml及び200mg I/mlのイオホルミノール並びに120KVp及び80KVpの管電圧エネルギーを使用した画像。 320mg I/ml及び160mg I/mlのイオホルミノール並びに120KVp及び80KVpの管電圧エネルギーを使用した画像。 320mg I/ml及び200mg I/mlのイオホルミノール並びに120KVp及び100KVpの管電圧エネルギーを使用した画像。 320mg I/ml及び200mg I/mlのイオホルミノール並びに120KVp及び80KVpの管電圧エネルギーを使用した画像。 320mg I/ml及び160mg I/mlのイオホルミノール並びに120KVp及び80KVpの管電圧エネルギーを使用した画像。 320mg I/ml及び200mg I/mlのイオホルミノール並びに120KVp及び100KVpの管電圧エネルギーを使用した画像。 様々なヨウ素濃度のイオホルミノールを注射したときの注射圧と濃度の関係を示すグラフ。
本願出願人は試験の結果、造影製剤濃度すなわちヨウ素濃度を、得られるX線画像のコントラスト対ノイズ及び/又は画質を損なうことなく、驚くほど低いレベルまで下げることができるという予想外の知見を得た。さらに、驚いたことに、新しいX線造影剤であるイオホルミノールに関して、わずか10〜200mg I/mlのヨウ素を伴って組成物中に製剤化すると、ナトリウムイオン含有量を、70〜120mMのナトリウムイオンまでも増加させることができる。ナトリウムイオン濃度は、72mM超、例えば75mM超などが好ましい。ヨウ素濃度を低下させる場合はナトリウムイオンの添加を増加させ、逆もまた同じであり、ヨウ素濃度が最大レベルの200mg I/mlである場合、ナトリウム濃度はおよそ72mMである。さらに好ましくは、組成物は、10〜170mg I/mlのヨウ素濃度及び72〜120mM、最も好ましくは72mg I/ml超のナトリウムイオン濃度を含む。
一実施形態では、組成物が10〜200mg I/mlを含む場合、本発明の組成物は、0.5〜1.3mM、さらに好ましくは0.5〜1.1mMのカルシウムイオン濃度をさらに含む。
したがって、本発明は、造影剤であるイオホルミノールを溶解させた生理的に許容できる水性担体媒体を含むX線組成物であって、組成物のヨウ素濃度が10〜200mg I/mlであること、及び担体媒体が、70〜120mMのナトリウムイオン濃度をもたらす生理的に許容できるナトリウム化合物中、及び適宜さらに、0.5〜1.3mMのカルシウム濃度をもたらす生理的に許容できるカルシウム化合物中に溶解していることを特徴とするX線組成物を提供する。
好ましい実施形態では、本発明の組成物は、40〜170mg I/mlのヨウ素濃度及び80〜107mMのナトリウムイオン濃度を含む。さらに、組成物は、0.6〜1.0mMのカルシウム濃度を含むことが好ましい。この実施形態では、包含される特定の組成物は、例えば、40mg I/ml、80mg I/ml、120mg I/ml又は160mg I/mlを含む。これらの組成物について、最大のナトリウム含有量及びカルシウム含有量は、以下に提供される通りであることが好ましく、全て重量オスモル濃度は約290mOsm/kgである:
ナトリウム含有量 カルシウム含有量
イオホルミノール 40mg I/ml 109mM 0.9mM
イオホルミノール 80mg I/ml 100mM 0.9mM
イオホルミノール 120mg I/ml 91mM 0.8mM
イオホルミノール 160mg I/ml 82mM 0.7mM
一実施形態では、本発明の組成物は、80〜130mg I/mlのヨウ素濃度及び88〜100mMのナトリウムイオン濃度を含む。さらに、組成物は、0.7〜0.9mMのカルシウム濃度を含むことが好ましい。
別の実施形態では、本発明の組成物は、最大100mg I/mlのヨウ素濃度及び95mM以上のナトリウムイオン濃度を含む。この実施形態では、組成物は、約0.8mM以上のカルシウム濃度をさらに含むことが好ましい。
特定の実施形態では、本発明の組成物は、約160mg I/mlのヨウ素濃度、約82mMのナトリウムイオン濃度及び約0.7mMのカルシウムイオン濃度をもたらすイオホルミノールを含む。
本発明の別の特定の実施形態では、組成物は、約200mg I/mlのヨウ素濃度、約75mM、最も好ましくは73mMのナトリウムイオン濃度、及び0.6mMのカルシウムイオン濃度をもたらすイオホルミノールを含む。
ヒト血漿中に見いだされる陽イオンを添加することによって組成物の張度を作り上げ、ボーラス注射後の不均衡の影響に由来する毒性寄与を低下させることが望ましい。具体的には、本発明の範囲内に入る全てのヨウ素濃度について、造影製剤に血液との等張性をもたらすためにナトリウムイオン及びカルシウムイオンを添加することが望ましく、得られることが見いだされた。例えば、血管造影手順において、ボーラス注射によって与えられるX線診断用組成物に関しては、浸透圧毒作用を考慮しなければならず、好ましくは、組成物は血液と等張性であるべきである。本発明の組成物に関して、重量オスモル濃度は、160〜320mOsm/kgの範囲、好ましくは300mOsm/kg未満、最も好ましくは血液の重量オスモル濃度である約290mOsm/kgであるべきである。例えば120mg I/mlのヨウ素濃度を用いると、好ましい重量オスモル濃度をもたらすために、ナトリウムイオン濃度は約90mMであるべきであり、カルシウムイオン濃度は約0.8mMであるべきである。
組成物中のナトリウムイオンとカルシウムイオンの比は、90〜120の範囲、さらに好ましくは100〜120、最も好ましくは約116である。この比が最適であり、製剤の心臓に対する有害作用が最小であることが見いだされている。
別の実施形態では、本発明の組成物に追加的な他の電解質が含まれる。したがって、組成物は、カリウム及びマグネシウムの群から選択されるイオンをもたらす生理的に許容される塩を含んでよい。好ましい実施形態では、組成物は、3.6〜4.8mMの範囲のカリウムイオン及び/又は0.65〜0.95mMの範囲のマグネシウムイオンをさらに含む。
本発明のX線組成物は等張性であり、ヨウ素濃度が低くナトリウムイオン濃度が高く、患者にやさしい製剤である。市場に出ている他の大多数のX線造影製剤は低浸透圧であり、生理的電解質が存在しない。イオジキサノールを含むVisipaque(商標)は、入手可能な製剤の中で等張性製剤である。Visipaque(商標)は電解質を添加することによって正常な体液と等張性にされている。しかし、イオホルミノールに必要であることが見いだされたナトリウムなどの電解質の濃度は、比較濃度のヨウ素でイオジキサノールと比較してはるかに高く、例えば、およそ30%以上などである。
イオジキサノールとイオホルミノールは酷似しているにもかかわらず、2つのメチル基によってのみ構造的に異なり、驚いたことに、溶液中での非理想的挙動に大きな差異が存在する。分子間相互作用により、造影製剤分子は、絶え間なく形成され、崩壊するクラスターを形成し、平均クラスターサイズは形成/破壊平衡で説明することができる。イオホルミノールはクラスターを形成する傾向が増加しており、高濃度で水中にあるとき、クラスター当たり4分子の平均サイズが優勢であるが、同様の条件下でのイオジキサノールの平均クラスターサイズは2.5分子である。濃度が平均を下回るとクラスターサイズは減少し、低濃度では、イオジキサノールのクラスターはもはや存在しない。クラスターサイズは、溶液の重量オスモル濃度に影響を及ぼし、より大きなクラスターは、より低い重量オスモル濃度に反映される。高濃度溶液の非理想的挙動では、等張性を実現するために生理的電解質を添加することが可能になる。驚いたことに、新規の低濃度のイオホルミノールを伴う溶液では非理想的挙動が保持され、クラスター当たり2〜3分子であり、重量オスモル濃度が算出された理想値から逸脱する。この非理想的挙動は、低濃度でも持続し、現行の製剤に生理的電解質を添加することが可能になる。
記載されている陽イオンは、生理的に許容できる対イオンとの塩の形態、例えば、好ましくは使用されている血漿に見いだされる陰イオンとの塩化物、硫酸塩、リン酸塩、炭酸水素塩などでもたらされてよい。塩化物を対イオンとして使用することが好ましい。薬学的に許容される担体は、水溶液、好ましくは純水である。組成物は、薬学的に許容される賦形剤をさらに含むことが好ましい。かかる例は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)である。より詳細には、組成物は、緩衝液としてのTRIS、キレート剤としてのナトリウムカルシウムEDTA、等張性を調整するための塩化ナトリウム及び塩化カルシウム、pHを調整するための塩酸及び水酸化ナトリウムのいずれかを、担体としての注射用水に加えて含むことが好ましい。
注射又は注入によって投与されるX線診断用組成物に関して、周囲温度(20℃)での溶液の粘度の所望の上限は、一般に約30mPasであるが、50〜60mPasに至るまで、さらには60mPas超の粘度も見られる。本発明の組成物中に低濃度のヨウ素を用いると、粘度は20℃で10mPasを下回り、これは、ヨウ素濃度範囲の下限ではさらに相当低い。したがって、別の実施形態では、本発明は、さらに粘度が10mPasを下回る、イオホルミノールを含むX線組成物を提供する。比較のために、320mg I/mlのイオホルミノールの組成物の粘度は28mPas(20℃で)である。特に、160mg I/mlのイオホルミノールの組成物の粘度はたったの2.9mPas(20℃で)であり、200mg I/mlの組成物の粘度は4.7mPas(20℃)である。したがって、新しい低ヨウ素濃度のイオホルミノールの組成物では、高濃度組成物の約15%に至るまでの粘度の低下が引き起こされる。そのように粘度が低いことには、組成物を投与することが容易であるという利点があり、投与は、特に、必要な注射圧が、粘度の高い組成物を用いるよりも相当に低いので、より早く、時間単位当たりより大きな体積を用いて行うことができる。粘度が低いことにより、針又はカテーテルの直径を、流速又は注射圧に影響を及ぼすことなく元の直径の約63%に至るまで減少させることが可能になる。結果として、自動注射器ではなく手持ち型シリンジを使用することができる。薄いカニューレ又はカテーテルを投与に使用する場合には、これにより、針刺しによる皮膚穿刺のサイズが低下し、したがって溢血のリスクが少なく、これは、特に、小児科の患者及び高齢の患者に対して都合がよく、より患者にやさしい造影製剤の投与がもたらされる。
X線診断用組成物は、注射又は注入によって、例えば血管内投与によって投与することができる。一実施形態では、X線診断用組成物を急速血管内注射として投与し、別の実施形態では、定常注入として投与する。
一実施形態では、本発明は、組成物の用量、例えば、投与するためのX線診断用量などを提供し、組成物は、本発明によるヨウ素濃度を含み、投与される組成物の合計容積は1ml〜250mlである。一実施形態では、成人に対するヨウ素用量の体積は本発明の組成物1kg当たり1.5mlである。75kgの成人に対しては、160mg I/mlの濃度の組成物を投与する体積は、100〜120ml、例えば、18gのヨウ素用量がもたらされる113mlであることが好ましい。イオホルミノール組成物が100mlのバイアルからもたらされる場合、160mg I/mlの濃度のヨウ素含有量は16gである。これは、他の利用可能な造影製剤と比較して相当な低下である。最も頻繁に用いられるX線造影製剤の利用可能な濃度は300mg I/mlである。160mg I/mlの本発明の組成物では、300mg I/mlの濃度と比較して、100mlのバイアル中のヨウ素含有量が47%減少する。240mg I/mlの濃度と比較すると低下は33%であり、400mg I/mlの濃度に対しては、低下は60%にもなる。
イオホルミノールは、国際公開第2009/008734号に記載されているようにして調製すればよい。一般的方法は16〜20頁に記載されており、具体的な調製方法は、国際公開第2009/008734号の例1に記載されている。国際公開第2009/008734号の開示内容は、その調製方法に関する記載とともに、援用によって本明細書の内容の一部をなす。
イオホルミノールは、キラル炭素原子に起因していくつかの異性型で存在し得る。さらに、化合物は、かさのあるヨウ素原子の近傍であることが原因でホルミル官能基のN−CO結合の回転が制限されることに起因して、エキソ/エンド異性を示す。鏡像異性的に純粋な化合物並びに光学異性体の混合物のどちらの組成物も包含される。
本発明の組成物及び方法により実現されるいくつかの目的がある。商品原価及び原料の節約の実現に関しては高濃度の造影製剤の使用を減らすことによって費用を低減することにより、相当な費用の節約を行うことができる。最も重要なことに、低下させたヨウ素濃度と造影製剤の総用量の組み合わせによって患者の安全性の利益がある。低ヨウ素濃度への曝露は、既存の疾患、例えば、心機能及び腎機能の低下などを有する患者に特に有益である。
X線組成物のヨウ素濃度は、身体に投与され、血液と置き換わる場合に、組成物として重要であることが見いだされた。X線管の照射量を低減することによって、すなわち、管電圧(キロボルトピーク又はkVp)、すなわち、陰極と陽極の間の電位差を低下させることによって、及び低濃度のヨウ素を投与することによって、画像の質、すなわち、コントラスト効果が実際に維持又は改善されることが見いだされた。これは、低い管電圧では、照射量の平均エネルギースペクトルがヨウ素のk吸収端(k−edge)に実質的に対応するのでヨウ素化による増強の減衰値が増加し、より大きな増強がもたらされることに起因する。低kVpでは、スペクトルの平均エネルギーがヨウ素のk吸収端(33.2keV(キロ電子ボルト))により近づき、低X線エネルギーにおいてヨウ素の減衰係数が増加することにより、CT画像のHU値(ハウンスフィールド単位)が高くなるので、CT画像におけるヨウ素HU値はより大きくなる、すなわち、画像の質が改善される。
したがって、入射X線照射を減衰させるのは、ヨウ素化造影製剤の用量(体積)だけではなく、低減される、ヨウ素の実際の濃度である。結果として、注射されるヨウ素化造影剤の体積は同じままでヨウ素系造影剤の濃度が低下すれば、体内に注射されるヨウ素化造影剤の総量は減少することになる。本発明の組成物を使用することには、ただ単に診断用組成物の全体的な標準用量を低減すること又はそれを投与する速度を低下させることを超える利益がある。造影製剤により、血液が押し出される、すなわち、血液が退けられる又は置き換えられ、造影製剤は単独で「イメージングされる」ので、ヨウ素の濃度がイメージング能力のための用量よりも重要であることが見いだされている。造影製剤の濃度が低下することにより全体的な造影製剤の用量は低減するので、造影剤の用量が患者の安全性にとって重要である。
第2の態様では、本発明は、イオホルミノール及び薬学的に許容される担体又は賦形剤を含み、10〜200mg I/mlのヨウ素濃度及び70〜120mMのナトリウムイオン濃度を含むX線組成物を身体に投与し、身体に照射量を適用し、診断デバイスを用いて身体を検査し、検査データを収集することを含むX線検査法を提供する。
一実施形態では、照射量を標準照射量と比較して低下させる。イメージング方法において本発明のX線組成物の使用と照射量を低減した放射線照射を組み合わせた場合、画像の質が十分である、さらには改善された画像が得られることが見いだされている。
一実施形態では、本発明の方法の唯一の目的は、情報を得ることである。該方法は、データを解析することを含んでよい。別の実施形態では、該方法は、診断を行うことができるように、得られた情報を他の情報と比較する段階をさらに含む。一実施形態では、検査のための方法は、診断方法である、又は、診断に対する補助である。照射量を身体に、例えば身体の特定の関心領域などに適用する。
現在、X線/CT設備アルゴリズムでは、照射量を最適化し(すなわち、低減し)、かつ/又は画像の質を改善する場合、パラメータとして画像の質及び照射量のみが考慮される。一般に、X線/CTスキャンにおいて特定の画像の質を得るために必要な照射量は、画像を取得する間の低放射線被曝に関連する画像ノイズを低減するための高度アルゴリズムを使用して低下させることができる。さらに、管電圧を低下させることにより、画像の質を損なうことなく濃度を低下させることによって造影材料の量を予想外に低レベルにまで減少させることができることが見いだされた。
本発明の方法は、第1の態様による低濃度のヨウ素及び高濃度の塩を含む特定のイオホルミノールの組成物の使用、並びに、これを、画像の質及び有効な診断を損なうことなく照射量及びkVpを低下させることと組み合わせることを含むことが好ましい。該方法は、さらに、低放射線/低kVpスキャンの使用によって生じる軟部組織ノイズを除去又は低減するために特別に設計された高度画像再構成アルゴリズムの使用を含んでよい。
CT検査のようなX線検査時の照射線量の低減を実現するためのいくつかの技術が存在する。1つの技術は、低管電圧を使用することである。この態様の一実施形態では、60〜150kVp、例えば、60〜140kVp、さらに好ましくは70〜120kVp、さらに一段と好ましくは70〜90kVp、最も好ましくは70〜80kVpなどの範囲の管電圧によって多染性放射線スペクトルがもたらされる。これにより、一般には、30〜140keV(140kVpの管電圧に対して)、さらに好ましくは30〜120keV(120kVpの管電圧に対して)、さらに一段と好ましくは30〜90(90kVpの管電圧に対して)、最も好ましくは30〜80keV(80kVpの管電圧に対して)のX線スペクトルがもたらされる。したがって、管電圧は、特別な集団、すなわち、小児及び若年成人では80kVp以下であることが最も好ましい。したがって、身体に本発明の組成物を投与した場合、X線/CT設備を、好ましくはCTによって、上記の管電圧を用いて身体にX線が照射されるように作動させる。今日、大多数の腹部CTスキャンが、例えば、120kVp以上で行われている。本発明の組成物及び方法を用いると、この管電圧、したがって照射量を、画像の質を損なうことなく、提案されている通り低減することができる。照射量を、例えば、140kVpから80kVpまで、又はわずか60kVp又は70kVpまで低減した場合に、ヨウ素化された構造の同等の又はよりよい鮮明性、すなわち同等の又はより高いコントラストノイズ比を実現することができる。これは、多染性スペクトルの平均エネルギーがヨウ素のk吸収端(33.2keV)により近いことに起因する。k吸収端により、X線光子の減衰係数がX線光子と相互作用する原子のK殻電子の結合エネルギーのすぐ上に突発的に増加したことが説明される。減衰の突発的な増加は、X線の光電吸収/減衰に起因する。ヨウ素のX線の吸収/減衰に関するK殻結合エネルギーは33.2keVであり、これは必ずしも最も診断的なX線束の平均エネルギーと近いわけではない。したがって、より低い光子エネルギーにおいてより多くのX線をヨウ素によって減衰させることができる。臨床的な設定においてかかる現象をコントラスト増強スキャニング手順、低エネルギー光子(すなわち、低放射線)の使用に外挿することにより、より明るい画像を得ることができる。或いは、投与するヨウ素を少なくすると、同等の画像強度がもたらされる。画像の質及び強度を通常又は標準のヨウ素濃度における標準のX線エネルギースキャンと同等にするために必要なX線エネルギーが低いことと、量(ヨウ素の濃度)が少ないことの間の平衡が決定的に重要である。したがって、本発明の方法の一実施形態では、適用される照射量の平均エネルギースペクトルはヨウ素のk吸収端に実質的に対応する。
管電圧を低下させることによって照射量を低減することに加えて、他の選択肢が利用可能である。本発明の組成物を投与することと組み合わせた、X線照射量を低減するためのCT技術、ハードウェア及びアルゴリズムを含めた任意の技術が本発明の方法に包含される。CT設備の設定、すなわち、曝露パラメータ、例えば、X線管電流、スライス厚、ピッチ又はテーブルスピードなどを調整して、照射量を低減することができる。軸方向スキャニングを含めたCT技術を用いることができる。かかる技術では、著しいスピードの減少がなければスライスは重複しない。さらに、管電流(mA又はミリアンペア)の調節を実施すること、すなわち、必要ないときにはX線管電流を下げること、具体的には、身体の薄い切片の間、又は骨性構造が小さい又は存在しないときに下げることができる。ミリアンペア数はX線管の出力の第2の制御を示す。この制御により、どのくらいの電流が管の陰極側のフィラメントを通ることが可能であるかが決定される。より多くの電流(及び加熱)がフィラメントを通過することが可能であれば、X線管標的に向かって加速するための「空間電荷」においてより多くの電子が利用可能になり、それにより、高電圧回路を作動させた際により大きな光子の流速がもたらされる。患者のサイズに基づいてkVpの調節を用いる同様の手法も、乳児、小児又は成人患者の照射量低減のための追加的な方法として想定される。
さらに、時間分解能が高いガーネットに基づくセラミックシンチレーター検出器を使用することができる。かかる検出器では、同じ照射量でより大きなコントラストがもたらされる。さらに、かかる高速検出器は、急速にkVpを切り換えることによって、単一の供給源(X線管)からの二重エネルギーGSI(ジェムストーンスペクトルイメージング(Gemstone Spectral imaging)イメージングに適応させることができる。かかるデュアルエナジーCT(DECT)を用い、GSI処理を用いたスキャニングにより、40keVから140keVの間などで、スペクトル情報を得ること、及び合成単色画像を再構成することが可能になる。一実施形態では、本発明の方法の検査段階はDECTの使用を含む。より低いエネルギーの単色DECT画像を使用した場合、より高いコントラストがもたらされるが、光子の強度が低下することにより、かかる技術では、より高いノイズレベルを受ける可能性がある。ノイズを抑制するために、画像の質を改善するソフトウェアをさらに使用することができる。CT画像からのノイズを選択的に一掃する再構成法であるフィルター補正逆投影法(FBP)及び適応型統計的反復再構成法(Adaptive Statistical Iterative Reconstruction)(ASiR(商標))により、空間分解能又は時間分解能を変化させずに照射量を低減することが可能になる。
同様に、画像空間における反復再構成(Iterative Reconstruction in Image Space)(IRIS(商標))、iDOSE、SAFIRE及び量子ノイズフィルター(Qauntum Noise Filter)により、画像の質又は詳細な可視化を失うことなく画像ノイズが低減する。より複雑な反復的技術、例えば、Veo(商標)などのモデルベース反復再構成法(model−based iterative reconstruction)(MBIR)などにより、さらなるノイズ及び照射量の低減又はよりよい画像の質がもたらされ得る。したがって、別の実施形態では、本発明の方法の検査段階は、DECTを用いたスキャニングが、適宜ノイズ抑制と組み合わせて実施されるように設備を動作させることを含む。かかるノイズ抑制は、ASiR及びMBIRから選択されることが好ましい。DECTとノイズ抑制を組み合わせることにより、コントラスト対ノイズの改善が実現される。さらに、DECTを、追加的な専用のノイズ抑制方法を伴って、又は伴わずに用いることにより、ヨウ素濃度を有意に低下させたX線診断用組成物を使用することが可能になる。例えば、DECTを用いた、例えば、21.8mGy及び12.9mGyの照射量におけるスキャニングにより、標準の120kVスキャンと比較してヨウ素の濃度を約25%低下させることが可能であることが示された(EP2011/061843、実施例6)。DECT及びノイズ抑制を使用すると、画像の質を損なうことなく使用可能なエネルギーウィンドウが増加する。
ノイズを低減するための任意のかかる技術を用いると、照射量を低減することができ、これにより、ヨウ素濃度の低下とともに、成人患者、小児患者又は乳児患者の安全性がさらに増強される。好ましい実施形態では、本発明の方法は、好ましくは高度画像再構成及び/又は画像フィルター方法によってノイズを低減する段階を含む。かかるノイズの低減は、利用可能なソフトウェアを選択し、動作させることによって実現され、ソフトウェアはASiR及びMBIR(Veo(商標))から選択されることが好ましい。標準のフィルター補正逆投影法と比較して、ASiR及びMBIRのどちらによっても、ヨウ素によるコントラストを用いた試験においてもコントラストノイズ比が有意に改善される。好ましい実施形態では、MBIR(Veo(商標))が本発明の方法に使用される。
必要な照射量は、手順、関心領域、並びに患者の体重及び年齢に左右される。したがって、好ましい実施形態では、本発明は、身体に第1の態様による組成物を投与し、低減したX線照射量のために低減したkVp及び限定したmAs(ミリアンペア×秒単位の曝露レベル)を適用し、診断装置を用いて身体を検査し、検査データを収集することを含むX線検査法であって、高度画像再構成手段によってノイズを低減する段階をさらに含む方法を提供する。
本発明の方法を用いると、腹部領域の標準のCTの照射量を平均で8mSv(ミリシーベルト)以下から最大50%、中枢神経系(脊椎)のCTの照射量を平均で5mSvからを最大50%、及び胸部のCTの照射量を平均で7mSvから最大50%低減することができる。本発明の方法を用いると、超低濃度のヨウ素を伴うX線診断用組成物及び高度再構成ソフトウェアを使用して、照射量を、再構成の種類に応じて、イメージングの質を損なうことなく、標準の照射量と比較して10%、20%、30%、40%、さらには50%、60%、70%、さらには80〜90%低減することができる。本発明の方法を用いると、第1の態様による組成物を使用して、照射量設定を同様に、すなわち、標準の50mAsから、例えば、25mAsに低減することができる。
好ましい実施形態では、本発明は、身体に第1の態様による組成物を投与し、例えば、80kVpなどの150kVp未満の管電圧、及び5〜1000mAの範囲内、例えば、5〜700mAの範囲内、又は5〜500mAの範囲内などの管電流を使用することによって低減した照射量を身体に照射し、診断装置を用いて身体を検査し、検査データを収集することを含むX線検査法を提供する。
それが好ましいが適宜、診断装置を用いて身体を検査することは、任意の再構成ソフトウェアを使用して画像を再構成し、任意の画像/データ管理システムを使用して検査データを収集することを含む。
本発明の方法を用いると、標準照射量の放射線及び標準濃度の造影剤を適用した手順と比較して、画像の質が、少なくとも維持される、良好である、さらには改善されることが見いだされている。したがって、本発明の方法及び組成物により、標準の方法及び組成物と比較してコントラストノイズ比が維持される、又は、さらには改善されて、画像の質が保持又は改善される。ヨウ素化による増強のCT減衰値がより低い管電圧で増加し、その結果、増強が大きくなり、かつ/又は解像度が維持されるもしくはよりよくなる。本発明の方法によって得られる、ハウンスフィールド単位(HU)で測定される画像の質は、一般には60〜350HUである。
典型的なイメージング法にわたる画像の質(IQ)は、例えば、
関心領域における造影後(post contrast)大動脈相密度測定:
腹大動脈/腎動脈/腎皮質/肝実質/門脈/IVC=60〜350HU。
被験体の種々の領域における造影後静脈相密度測定:
腹大動脈/腎動脈/腎皮質/肝実質/門脈/IVC=80〜350HU。
本発明のX線組成物及び方法は、種々の関心領域のX線検査のため、及びいくつかの種類の指標のために用いることができる。例は、血管の構造を視覚化するため、胸部、腹部の新生物病変及び非新生物病変を視覚化するため、頭頸部に関する指標のため、及び末梢/体腔を評価するためにX線組成物を動脈内投与又は静脈内投与することである。
第3の態様では、本発明は、第1の態様による組成物を投与する前に身体を検査することを含み、本発明の第2の態様の方法の段階を含むX線検査法を提供する。この態様は、本発明の2つの第1の態様と同じ特徴及び代替物を含む。
第4の態様では、本発明は、X線検査法で使用するための、第1の態様による組成物を提供する。一実施形態では、該使用は、組成物を身体に投与し、低減したX線照射量を身体に照射し、診断装置を用いて身体を検査し、検査データを収集することを含む。この態様は、本発明の2つの第1の態様と同じ特徴及び代替物を含む。
本発明の方法は、データを解析する段階をさらに含んでよい。
本発明は以下の非限定的な例を参照して例示される。
実施例1:200mg I/ml及び160mg I/mlのヨウ素濃度、低減した照射量及び高度再構成技術によってブタ腹部のコントラスト増強CT画像のコントラストノイズ比(CNR)が維持される
麻酔したミニブタ2匹(腹部の最大径及び最小径がそれぞれおよそ36cm及び20cm)において3つの試験を行った。ミニブタを、Discovery CT 750 HDにおいてイメージングした。160mg I/ml及び200mg I/mlのイオホルミノールの組成物を調製した。160mg I/ml製剤のナトリウム濃度は82mMであり、カルシウム濃度は0.9mMであった。200mg I/ml製剤のナトリウム濃度は73mMであり、カルシウム濃度は0.8mMであった。ヒト製剤については、カルシウム濃度はわずかに低い可能性があり、最適化されたNa/Ca比110〜120がもたらされる。イオホルミノール製剤(2ml/kg)を頸静脈に2ml/sの速度で注射し、その後、生理食塩水20mlを同じ注射速度で流した。
比較のために、人間における現行の標準治療(SoC)イメージングを示すために、320mg I/mlの濃度のイオホルミノールを管電圧120kVpで投与した。SoCスキャンを、同じブタにおいて60mg I/ml又は200mg I/mlの造影濃度(contrast concentration)で実施したスキャンと比較し、各スキャニングセッションの間には2日以上の休薬期間を伴った。自動管電流調節をノイズ指数レベル23(SoC)及び管回転時間0.7sで使用した。動脈相、門脈相、静脈相及び遅延相の間に造影後CT画像を獲得した。(1)FBP、(2)ASiR60%及び(3)Veoによって画像再構成を行った。画素サイズは0.703mm×0.703mm×2.5mmであった。
輪状の関心領域(ROI)内のX線減衰値の平均(HU単位)を測定することによってヨウ素によるコントラスト増強を評価した。ROIは、動脈相画像では大動脈及び筋肉(腰方形筋)に、静脈相画像では肝臓に位置した。表1〜6及び対応する図1〜6を参照されたい。大動脈コントラストノイズ比(CNR)を、筋肉におけるノイズで割った大動脈と筋肉の間のシグナルの差異として算出した。肝臓シグナルノイズ比(SNR)を、肝臓による減衰の平均と標準偏差(SD)の比として算出した。
使用されている略語:
SNR:シグナルノイズ比
CNR:コントラストノイズ比
FBP:フィルター補正逆投影
ASiR:適応型統計的反復再構成法
SoC:標準治療
イオホルミノールの濃度を200mg I/mlまで低下させ、kVpを80まで低下させ、60%ASIRを使用した場合、CNRは動脈相において23に維持される。これは、SoC(イオホルミノール320mg I/ml及び120kVp、FBP使用)についての17.7に匹敵する。Veoを使用した場合、CNRは46.7まで増加し、これは、バックグラウンドノイズが大きな程度で減少することに大きく起因する(図1)。同様に、静脈相では、イオホルミノールの濃度を200mg I/mlまで低下させ、kVpを80まで低下させ、60%ASIRを使用した場合、CNRは9.5に維持される。これは、SoC(イオホルミノール320mg I/ml及び120kVp、FBP使用)についての7.7に匹敵する。Veoを使用した場合、CNRは16.7まで増加し、これは、バックグラウンドノイズが大きな程度で減少することに大きく起因する(図4)。
イオホルミノールの濃度をさらに160mg I/mlまで低下させ、kVpを80まで低下させ、60%ASIRを使用した場合、CNRは動脈相において15.1に維持される。これは、SoC(イオホルミノール320mg I/ml及び120kVp、FBP使用)についての16.9に匹敵する。Veoを使用した場合、CNRは32.1まで増加し、これは、バックグラウンドノイズが50%超低下することに大きく起因する(図2)。同様に、静脈相では、イオホルミノールの濃度を160mg I/mlまで低下させ、kVpを80まで低下させ、60%ASIRを使用した場合、CNRは7.7に維持される。これは、SoC(イオホルミノール320mg I/ml及び120kVp、FBP使用)についての8.2に匹敵する。Veoを使用した場合、CNRは15.1まで増加し、これは、バックグラウンドノイズが大きな程度で減少することに大きく起因する(図5)。
第3の設定では、イオホルミノールの濃度を200mg I/mlまで低下させ、kVpを100まで低下させ、60%ASIRを使用した場合、CNRは動脈相において17.7に維持される。これは、SoC(イオホルミノール320mg I/ml及び120kVp、FBP使用)についての16.9に匹敵する。Veoを使用した場合、CNRは33.2まで増加し、これは、バックグラウンドノイズが大きな程度で減少することに大きく起因する(図3)。同様に、静脈相では、イオホルミノールの濃度を200mg I/mlまで低下させ、kVpを100まで低下させ、60%ASIRを使用した場合、CNRは7.9に維持される。これは、SoC(イオホルミノール320mg I/ml及び120kVp、FBP使用)についての8.2に匹敵する。Veoを使用した場合、CNRは13.1まで増加し、これは、バックグラウンドノイズが大きな程度で減少することに大きく起因する(図6)。
結論:同時に、SoCの設定と比較してヨウ素造影濃度を200mg I/mL又は160mg I/mLまで低下させ、照射量を約30%低減した場合、80kVpに低下させた管電流(SoCの設定、120kVpと比較して)及びASiR60%(標準のSoC FBP法と比較して)を用いると、CNRに関して同様の画像の質が観察される。
臨床的な設定への外挿:
これらのデータは、注射されるヨウ素化造影剤の濃度と臨床的な血管造影CT手順の間に血管において現れる濃度との間の関係を考慮すると、kVpを100kVp及び80kVpに低下させた場合、注射濃度(バイアル中の濃度)を標準の濃度から、例えば、320mg I/mlから200mg I/ml〜160mg I/mlに低下させることができることを示唆している。注射されるヨウ素化造影剤の体積は同じままでヨウ素系造影剤の濃度が低下すれば、体内に注射されるヨウ素化造影剤の総量は減少することになる。このヨウ素化造影剤の全体的な量の低下により、乳児患者、小児患者及び成人患者に対する副作用は少なくなり、特に、腎臓が未熟である被験体、又は、ヨウ素化造影剤誘導性の主要有害心イベント、腎機能障害又は造影製剤誘導性急性腎傷害などの潜在的な有害事象を受けやすい患者に有意な患者の安全性の利益が付与される。
さらに、それぞれの照射量レベルの低減と同時にCNR/SNRが維持される又は増加することにより、低放射線レベルが同時に可能であることが示唆される。低年齢時に放射線を被曝することには臓器及び組織に対するリスクがあるので、低放射線被曝は、これらの被験体、特に、若者において相当な追加的な利益になると思われる。
実施例2:様々なヨウ素濃度のイオホルミノールの注射圧の比較
2つの標的ヨウ素濃度、160mg I/ml及び200mg I/mlについて調査した。この試験では、イオホルミノールをこれらの特定の濃度で、及び比較のために標準の濃度(320mg I/ml)で製剤化した。各実験について、ゲッティンゲン・ミニブタに、固定体積(2ml/kg、約80ml)の造影剤を、左肩の位置の皮下に設置したport−a−cathユニット(Power PAC II、1.9mm、Smiths Medical、Zaventem、Belgium)を介して上大静脈に固定注射速度(2ml/s)で注射した。したがって、異なるヨウ素造影濃度を使用することにより、異なるヨウ素送達速度(IDR)及び総ヨウ素用量(TID)がもたらされた。表7には、調査した注射プロトコールが要約されている。造影剤を注射した後には常に追って固定生理食塩水20mlを造影剤と同じ注射速度で注射した。
造影剤組成物を室温(20℃)で、デュアルヘッドインジェクター(Nemoto−Kyorindo、Tokyo、Japan)を使用して注射した。各注射プロトコールの間、注射圧をモニターした。注射圧対濃度が提供されている図7に示されている通り、ピーク圧力とヨウ素造影濃度との間に直線関係が観察された。
得られたデータは、160mg I/ml及び200mg I/mlのイオホルミノール組成物の粘度が320mg I/mlの組成物と比較して低いことには、組成物を投与することが容易であるという利点があることを示す。したがって、これらの低濃度は、手持ち型シリンジといっそう適合する。さらに、より少ない溢血のリスクで薄いカニューレ又はカテーテルを使用することがより容易になるはずであり、これは、特に、小児科の患者及び高齢の患者に都合がよく、より患者にやさしい造影製剤の投与プロトコールがもたらされる。

Claims (14)

  1. イオホルミノール及び薬学的に許容される担体又は賦形剤を含むX線組成物であって、10〜200mg I/mlのヨウ素濃度及び70〜120mMのナトリウムイオン濃度を有する組成物。
  2. さらに0.5〜1.3mMのカルシウムイオン濃度を有する、請求項1記載の組成物。
  3. カリウムイオン及び/又はマグネシウムイオンをさらに含む、請求項1又は請求項2記載の組成物。
  4. 身体に投与される合計容積が1ml〜250mlである、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の組成物。
  5. ヨウ素濃度が約160mg I/mlであり、ナトリウム濃度が約82mMであり、カルシウム濃度が0.7mMである、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の組成物。
  6. ヨウ素濃度が約200mg I/mlであり、ナトリウム濃度が約73mMであり、カルシウム濃度が0.6mMである、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の組成物。
  7. X線検査法に使用するための請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の組成物であって、X線検査法が、
    前記組成物を身体に投与し、
    X線照射量を身体に照射し、
    診断装置を用いて身体を検査し、
    検査データを収集する
    ことを含む、組成物。
  8. X線検査方法であって、
    イオホルミノール及び薬学的に許容される担体又は賦形剤を含む組成物であって、10〜200mg I/mlのヨウ素濃度及び70〜120mMのナトリウムイオン濃度を有する組成物を身体に投与し、
    X線照射量を身体に照射し、
    診断装置を用いて身体を検査し、
    検査データを収集する
    ことを含む方法。
  9. イオホルミノールのコントラスト作用を増大させる請求項8記載の方法であって、前記照射量が、ヨウ素のk吸収端に実質的に対応する平均エネルギースペクトルを有する、方法。
  10. 前記X線照射量が、70〜140kVpの管電圧エネルギーによってもたらされる、請求項8又は請求項9記載の方法。
  11. 前記X線照射量が、5〜1000mAの管電流によってもたらされる、請求項8乃至請求項10のいずれか1項記載の方法。
  12. 高度画像再構成法によってノイズを低減させる段階をさらに含む、請求項8乃至請求項11のいずれか1項記載の方法。
  13. ノイズ低減が、反復画像再構成法であるASiR及びMBIRから選択される、請求項12記載の方法。
  14. デュアルエナジーCTを含む、請求項8乃至請求項13のいずれか1項記載の方法。
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