JP2015503438A - 金属含有粒子を含むろ過材 - Google Patents

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Abstract

本明細書に記載されるのは、流体入口を流体出口に流体接続する流体導管と、流体導管内に配置された水ろ過材と、を備え、水ろ過材が金属含有粒子を含み、金属含有粒子が金属カルボン酸塩の熱分解産物を含む、液体ろ過装置、及び水溶液からクロラミンを除去する方法である。【選択図】なし

Description

金属含有粒子を含み、この金属含有粒子が金属カルボン酸塩の熱分解産物を含む、ろ過材が説明される。
クロラミンは、遊離塩素による塩素消毒に代わる二次的な消毒剤として、都市用配水システムにおいて、低濃度で一般的に使用されている。クロラミンにより処理された水の味と臭いに関する懸念に伴い、クロラミン除去能を持つろ水器の需要が増大した。
水性流からのクロラミン除去には、活性炭粒子等の炭素粒子が用いられてきた。クロラミン除去は、炭素の平均粒子径を小さくしたり、炭素層との接触時間を増やしたりすることにより、改善することができる。接触時間及び平均粒子径などのパラメーターがクロラミンの除去効率に影響することは知られているが、ろ過材の圧力降下を著しく増やすことのない、より顕著な改善が望まれている。
米国特許第5,338,458号(Carrubbaら)は、気体又は液体媒体と、触媒活性な炭素質チャーとを接触させることにより、その媒体からクロラミンを除去するための、改良されたプロセスを開示している。
米国特許第6,699,393号(Bakerら)は、触媒活性な炭素質チャーに対比して改良された、窒素含有分子の存在下で熱分解をされた活性炭に流動体が接触した場合の、流動体からのクロラミン除去を記載している。
現在入手可能なろ過材よりも、費用がかからず及び/又はより効率的にクロラミンを除去する、ろ過材を提供することが望まれている。場合によっては、クロラミンを除去するための固体の炭素ブロックの提供も望まれている。別の場合では、充填層に使用し得る粒状材料を有することが望まれている。更に別の場合では、ウェブ形態で使用し得る材料を提供することが望まれている。
一態様では、流体入口を流体出口に流体接続する流体導管と、流体導管内に配置された液体ろ過材と、を備え、液体ろ過材が金属含有粒子を含み、金属含有粒子が金属カルボン酸塩の熱分解産物を含む、液体ろ過装置が開示される。
別の態様では、水溶液からクロラミンを除去するための方法であって、クロラミンを含む水溶液を準備する工程と、水溶液と金属含有粒子を含む組成物とを接触させる工程と、を含み、金属含有粒子が金属カルボン酸塩の熱分解産物を含む、方法が開示される。
更に別の態様では、水溶液からクロラミンを除去するための方法であって、金属カルボン酸塩を加熱して熱分解産物を生成する工程と、熱分解産物を冷却する工程と、冷却した熱分解産物とクロラミンを含む水溶液とを接触させる工程と、を含む、方法が開示される。
上記の概要は、各実施形態を説明することを目的とするものではない。本発明の1つ以上の実施形態の詳細を以下の説明文においても記載する。他の特徴、目的、及び利点は、説明文及び「特許請求の範囲」から明らかとなるであろう。
本明細書で使用するとき、用語
「a」、「an」、及び「the」は互換可能に使用され、1又はそれよりも多くを意味する。
「及び/又は」は、記載される事例の一方又は両方が起こり得ることを示すために使用され、例えば、A及び/又はBは、(A及びB)と(A又はB)とを含む。
本明細書においては更に、端点による範囲の記載には、その範囲内に含まれるすべての数値が含まれる(例えば、1〜10には、1.4、1.9、2.33、5.75、9.98などが含まれる)。
本明細書においては更に、「少なくとも1」の記載には、1以上のすべての数値が含まれる(例えば、少なくとも2、少なくとも4、少なくとも6、少なくとも8、少なくとも10、少なくとも25、少なくとも50、少なくとも100など)。
本開示は、金属カルボン酸塩の熱分解産物を含む組成物を目的とする。そのような組成物が、水溶液からクロラミンを除去するのに有用であり得るということが見出された。
金属カルボン酸塩の熱分解産物
本開示の金属カルボン酸塩には、カルボン酸の金属塩又は金属錯体が含まれる。代表的なカルボン酸塩としては、シュウ酸塩、ギ酸塩、プロピオン酸塩、酢酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、及びクエン酸塩、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
金属カルボン酸塩の金属部分は任意の金属を含んでよいが、飲料水中での存在が許容される金属が好ましい。代表的な金属としては、銅、鉄、銀、及びマンガン、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
代表的な本開示の金属カルボン酸塩としては、シュウ酸第二銅、シュウ酸第一鉄、酢酸第二銅、クエン酸第二鉄、及びギ酸銅、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
本開示は、金属カルボン酸塩の熱分解産物を目的とする。熱分解は、金属カルボン酸塩が、存在する場合には、金属結合水を失い始める温度、及び化合物のカルボン酸塩部分が分解し始める温度にて、又はそれを超えて、金属カルボン酸塩を加熱することを伴う。本明細書で使用するとき、「熱分解産物」は、熱によって化合物が解離又は分解することによって得られる生成物を指す。この熱分解プロセスによって、金属カルボン酸塩の性質が、異なる化学量、組成、及び/又は異なる化学的性質を有する物質に変わり、このときカルボン酸塩の少なくとも一部が熱的に分解され、気体として揮発されることによって除去されると考えられる。
一実施形態では、熱分解によって、金属の酸化状態が変わる。例えば、本開示の一実施形態では、熱分解産物中の金属は、例えばCu、Cu+1、又はFe+2の酸化状態である金属の少なくとも一部を含む。
理論に制限されるものではないが、別の実施形態では、金属カルボン酸塩の熱分解は、クロラミンの分解の触媒活性の増強を示す、活性表面部位を有する物質を生成すると考えられる。金属カルボン酸塩の熱分解によるこれら表面部位の生成によって、非熱分解法によって生成された類似する金属化合物(例えば、熱分解産物のX線回折解析によって観察される)、例えば、従来の方法による、つまり微粉化した金属由来の金属酸化物を利用して得られたものよりもクロラミン除去特性に優れた物質が得られる。本開示では、金属含有粒子は、金属カルボン酸塩の熱分解産物を含む。
一実施形態では、金属カルボン酸塩は、熱的に処理されて熱分解産物を生成する。
別の実施形態では、金属カルボン酸塩は、支持体、例えば、炭素基材又は無機酸化物基材の存在下で熱的に処理される。熱分解に先立ち、金属カルボン酸塩を支持体に含浸させてよい。例えば、金属カルボン酸塩を溶媒中に溶解し、得られた溶液を支持体と接触させてよい。続いて、含浸させた支持体を加熱して、担体支持体表面に位置する熱分解産物を生成することができる。
別の実施形態では、溶媒中に溶解するには十分に可溶性ではない(すなわち、実験に使用する量の溶媒に完全には溶解しない)金属カルボン酸塩は、金属カルボン酸塩及び支持体を溶媒に加えることによって、支持体内に含浸させることができる。そのうちに、溶媒中に溶解した金属カルボン酸塩は支持体中に拡散し、そこに付着することができ、その結果、金属カルボン酸塩は支持体中又は支持体上に徐々に取り込まれる。
本明細書で使用するとき、「金属含有粒子」は、金属塩の熱分解産物と、炭素基材又は無機酸化物基材存在下の金属塩の熱分解産物との両方を含み、かかる基材としては、粒状材料、粉末材料、繊維、管、及び発泡体を挙げることができる。
一実施形態では、金属含有粒子生成物は、多孔質であることが好ましい。多孔質性によって、クロラミンの除去のために、例えばより広い表面積が可能になるであろう。好ましくは、高い表面積(例えば、BET(Brunauer Emmet Teller法)窒素吸着に基づき、少なくとも100、500、600、又は更には700m/gであり、大きくとも1000、1200、1400、1500、又は更には1800m/gである)を有する。この高い表面積は、高度に多孔質である炭素基材若しくは無機酸化物基材を用いること、及び/又は、適用される物理的手法(例えば、粉砕又は微粉砕)を適用して、得られる生成物の粒径を縮小することによって達成できる。
炭素基材及び無機酸化物基材
炭素基材の形態は、特に限定されるものではないが、非粒子状、粒子状、又は凝集体状であり得る。追加の代表的な形態としては、炭素ブロック、炭素モノリス、発泡体、フィルム、繊維、並びにナノチューブ及びナノスフェアなどのナノ粒子が挙げられる。非粒子とは、識別可能な別々の粒子で構成されていない基材である。粒子状基材は、基材材料、粉末材料、繊維、管、及び発泡体である。
一実施形態では、金属含有粒子生成物は多孔質であることが好ましい。多孔質性によって、クロラミンの除去のために、例えばより広い表面積が可能になるであろう。一実施形態では、粒子は高い表面積を有する。粒子状基材とは、識別可能な粒子を有し、この粒子の形状は球状でも不規則であってもよく、平均直径が少なくとも0.1μm(マイクロメートル)、1μm、5μm、10μm、20μm、又更には40μmであり、最大75μm、100μm、500μm、1mm(ミリメートル)、2mm、4mm、6.5mm、又更には7mmの基材である。凝集体(又は複合体)は、細かい粒子同士の、又は細かい粒子とより大きなキャリア粒子若しくは面との結合、あるいは細かい粒子同士を、又は細かい粒子とより大きなキャリア粒子若しくは面を集塊状に集めることにより形成される。この凝集体は、自立(重力に対し自己支持)していてもよい。
一般的に、炭素基材の形態は用途に基づいて選択される。例えば、本開示の組成物が、低い圧力降下が要求される用途(例えば、気体又は液体を通過させる層)に使用される場合には、粒径の大きな粒子が望ましい。別の例では、炭素ブロックモノリスで使用されるとき、40〜200μmの粒径が好ましい場合がある。
市販の炭素基材としては、Mead Westvaco Corp(Richmond,VA)から商品名「RGC」で入手可能な粒状活性炭が、水処理において好ましい場合がある。Kuraray Chemical Co.,LTD(Okayama,Japan)から商品名「KURARAY PGW」で入手可能なヤシ殻活性炭も使用できる。
炭素基材の孔径は、その用途に応じて選択することができる。炭素基材は、ミクロポーラス炭素、マクロポーラス炭素、メソポーラス炭素、又はこれらの混合物であってよい。
炭素基材は、結晶性のグラファイト状ドメインである多くの領域を含んでよく、又は実質的に不規則であってもよい。実質的に不規則であり、高い表面積を有する炭素基材が、特に有用である。本明細書で使用するとき、実質的に不規則とは、炭素基材が、約1〜10nmの面内ドメインサイズを有することを意味する。
一実施形態において、炭素基材は、活性炭、言い換えれば、高い表面積を付与するように高多孔質化処理された(すなわち、単位体積あたり多数の孔を有する)炭素、により構成される。
無機酸化物基材の形態は、特に限定されるものではないが、非粒子状、粒子状、又は凝集体状であり得る。代表的な形態として、繊維、及びナノ粒子が挙げられる。
無機酸化物基材は、例えば、二酸化ケイ素(シリカ)、ジルコニア、チタニア、セリア、アルミナ、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化スズ、アルミナ/シリカ、ジルコニア−シリカ、粘土、タルク含有物質、アルミン酸マグネシウム又は酸化コバルト鉄などといったスピネル構造の酸化物、及びその他のアルミニウム又はケイ素と別の金属酸化物物質の二元又は三元酸化物を含んでよい。無機酸化物は本質的に純粋であり得るが、アンモニウム及びアルカリ金属イオン等の安定化イオンを少量含有してもよく、又はチタニアとジルコニアとの組み合わせ等の酸化物の組み合わせであってもよい。
無機酸化物基材の孔径は、その用途に応じて選択することができる。無機酸化物基材は、ミクロポーラス、マクロポーラス、メソポーラス、又はこれらの混合物であってよい。高い表面積を有する無機酸化物基材が、特に有用である。
支持体材料の選択は極めて広範であり、アルミナ、シリカ、ゼオライト、イオン交換樹脂及び多孔性有機物質、活性炭、金属酸化物及び金属酸化物構造体(MOF)材料、並びに無機酸化物を、非限定的に挙げることができる。これらの材料のすべてを、互いに組み合わせて、又は炭素基材と組み合わせて使用してよい。
熱分解産物の調製
前述のように、金属カルボン酸塩は、単独で又は支持体の存在下で熱的に処理されて、熱分解産物を生成する。
熱処理は、大気環境で、又は、窒素若しくはアルゴン環境などの不活性環境で実施し得る。
熱分解温度(熱分解反応が行われる温度)は、低くとも200、250、300、400、又は更には500℃であり、高くとも650、700、800、900、又は更には1000℃である温度で実施できる。一般に、熱分解が行われる温度は、処理される物質(例えば、金属カルボン酸塩又は金属カルボン酸塩を含浸させた支持体)を、制御条件下(例えば、雰囲気及び加熱速度)で実施される示差熱分析/熱重量分析(DTA/TGA)によってまず分析して、その熱分解挙動を判定することによって、特定できる。続いて、分解の開始温度から始めて、様々な温度で物質を熱分解することによって実験を実施して、どの時点で、かつどの条件(例えば、温度、時間、及び雰囲気)でもっとも活性(例えば、クロラミン除去活性)の高い物質が形成されるかを特定できる。
実施例において示されるように、一実施形態では、反応温度が変わると金属カルボン酸塩の熱分解産物が変わり、存在する場合は、使用した金属カルボン酸塩及び支持体に基づいて選択される温度が存在する場合があり、より効率的なクロラミン除去を提供する。例えば、金属カルボン酸塩を過度に加熱すると、「過剰焼成された」反応生成物が得られることがあり、物質の活性が減少し得る。一実施形態では、熱分解処理中に炭素支持体が存在すると、分解温度が変わる場合がある。
熱分解産物は、金属カルボン酸塩中に存在する元素のみを含むべきであるが、金属カルボン酸塩、使用した支持体、及び/又は熱処理中に用いた雰囲気中に存在する不純物によって、少量の別の元素が存在してもよい。一実施形態では、金属含有粒子は、実質的にイオウ原子を含まない(すなわち、金属含有粒子の重量に基づき、5%、2%、1%、0.1%、0.05%、又は更には0.01%未満のイオウ原子)。
使用法
本開示の一実施形態では、金属含有粒子はろ過材として使用される。本開示の組成物のクロラミン除去能のために、本開示の組成物はろ過材として使用され得る。当該技術分野において既知のろ過方法が使用可能である。
金属含有粒子は含有せずに(バルク方式で)使用されてもよいが、使い勝手を良くするために、金属含有粒子がなんらかの支持体マトリックス及び/又は容器内に含まれることが好ましい。
一実施形態では、1つを超える金属含有粒子を使用できる。
本開示の金属含有粒子は、粉末状、粒状、又は所望の形態に成形して使用されてよい。例えば、金属含有粒子は、炭素基材、金属カルボン酸塩の熱分解産物、及びポリエチレンなどのバインダー材料、例えば、超高分子量ポリエチレン又は高密度ポリエチレン(HDPE)などの、圧縮されたブレンドであってよい。別の実施形態では、本開示の金属含有粒子は、本明細書にその全体を組み込む米国特許出願公開第2009/0039028号(Eatonら)に記載されるように、圧縮された又は圧縮されていないブロー極細繊維などのウェブ内に付着させてもよい。
金属含有粒子は強磁性物質を含んでもよいため、一実施形態では、金属含有粒子は、誘導加熱によって加熱されて複合体ブロックを形成できる、炭素粒子などの炭素支持体の一部であってよい。典型的に炭素ブロックモノリスの製造において、炭素粒子をオーブン内で加熱して、炭素粒子を互いに融合する。強磁性物質を使用する場合、高周波磁場を用いて金属含有粒子を加熱して、炭素支持体を融合させ始め、炭素ブロックモノリスの形成を起こすことができる。一実施形態では、約10Hz〜約1015Hzの範囲の周波数で、磁場を振動させてよい。
複合体ブロックの調製に誘導加熱を利用すると、より均一な加熱、及び複合体炭素ブロックのコアへのより良好な熱浸透が可能になり、並びに/又は炭素ブロック複合体の製造スループットを増大できる。その他金属塩と比較した鉄塩の量を変化させて、物質の強磁性及びクロラミン除去特性を最適化することができる。
一実施形態では、金属含有粒子が流体導管内に配置され、この流体導管は流体入口及び流体出口と流体接続する。このような系は、充填層を含んでよい。
一実施形態では、金属含有粒子を用いて、流体流、特に液体流体流、より具体的には水性流体流からクロラミンを除去できる。クロラミンは、アンモニアと塩素(次亜塩素酸塩)との水性反応により生成される。したがって、アンモニア(NH)が塩素消毒システムに加えられると、塩素はクロラミンに変換される。具体的には、低濃度のモノクロラミン(以下「クロラミン」と呼ぶ)は、飲用水源の消毒により発生する。一実施形態では、本明細書に開示される金属含有粒子を含む組成物と水溶液を接触させた後、得られた水溶液は、以下の実施例の項に記載されるクロラミン除去試験によって180秒にて測定するとき、含まれるクロラミン量が減少、例えば、少なくとも10、20、25、30、又は更には50%のクロラミンが減少する。
Vikeslandら、Environmental Science and Technologies,200,34,83〜90などの以前の文献では、水溶性形態の第一鉄イオンがクロラミン除去に関与することが示唆されている。意外にも、本開示の一実施形態では、金属含有粒子中の金属の水中溶解度が制限されている(換言すれば、2ppm、1ppm、0.5ppm、又は更には0.1ppm未満の金属イオン濃度をもたらす溶解度)ことが、わかっている。金属含有粒子を水で洗浄すると、洗浄水中に存在する金属はわずかか又は全くなく、洗浄した金属含有粒子は、そのクロラミン除去活性を維持している。一実施形態では、金属カルボン酸塩の熱分解産物を洗浄したとき、元のクロラミン除去活性を、5、10、15、20、30、40、50、又は更には60%を超えて失わない。金属が固定化されて、処理水中への溶出を防いで、金属含有粒子を使用前にコンディショニングすることが可能になる、及び/又は、ろ過材の耐用期間がより長くなるため、不溶性又は制限された溶解度の熱分解産物を有することが有利である場合がある。
本開示の例示的な実施形態は、以下を含む。
項目1.流体入口を流体出口に流体接続する流体導管と、流体導管内に配置された水ろ過材と、を備え、水ろ過材が金属含有粒子を含み、金属含有粒子が金属カルボン酸塩の熱分解産物を含む、液体ろ過装置。
項目2.金属カルボン酸塩が、シュウ酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、及びこれらの組み合わせを含む、項目1に記載の水ろ過装置。
項目3.金属カルボン酸塩の金属が、銅、鉄、マンガン、及びこれらの組み合わせを含む、項目1又は2に記載の水ろ過装置。
項目4.金属含有粒子が実質的にイオウ原子を含まない、項目1〜3のいずれか1つに記載の水ろ過装置。
項目5.水ろ過材が支持体を含まない、項目1〜4のいずれか1つに記載の水ろ過装置。
項目6.水溶液からクロラミンを除去するための方法であって、クロラミンを含む水溶液を準備する工程と、水溶液と金属含有粒子を含む組成物とを接触させる工程と、を含み、金属含有粒子が金属カルボン酸塩の熱分解産物を含む、方法。
項目7.洗浄されたとき、金属カルボン酸塩の熱分解産物が、20%を超えてクロラミン除去活性を失わない、項目6に記載の水溶液からクロラミンを除去する方法。
項目8.金属カルボン酸塩のカルボン酸塩が、シュウ酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、及びこれらの組み合わせを含む、項目6に記載の方法。
項目9.金属カルボン酸塩の金属が、銅、鉄、マンガン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、項目6〜8のいずれか1つに記載の方法。
項目10.金属含有粒子が実質的にイオウ原子を含まない、項目1〜9のいずれか1つに記載の方法。
項目11.水溶液と金属含有粒子を含む組成物とを接触させた後、得られた水溶液が、減少した量のクロラミンを含む、項目1〜10のいずれか1つに記載の方法。
項目12.水溶液からクロラミンを除去するための方法であって、
金属カルボン酸塩を加熱して熱分解産物を生成する工程と、
熱分解産物を冷却する工程と、
冷却した熱分解産物とクロラミンを含む水溶液とを接触させる工程と、を含む、方法。
項目13.加熱が、少なくとも300℃の温度で実施される、項目12に記載の方法。
項目14.加熱工程中に、金属カルボン酸塩の少なくとも一部が支持体に接触する、項目12又は13に記載の方法。
項目15.加熱が不活性雰囲気中で実施される、項目12〜14のいずれか1つに記載の方法。
項目16.(a)炭素支持体と、(b)金属カルボン酸塩の熱分解産物を含む金属含有粒子と、(c)バインダーと、を含む、炭素ブロック。
項目17.バインダーがポリエチレンから選択される、項目16に記載の炭素ブロック。
項目18.複合炭素物品を製造する方法であって、
(a)金属塩の熱分解産物を含み、塩が窒素含有オキシアニオン、イオウ含有アニオン、塩化物、リン酸塩、及びこれらの組み合わせから選択される、金属含有粒子と、(b)溶融加工可能なポリマーと、を含む、混合物を準備する工程と、
混合物を高周波磁場と接触させる工程であって、高周波磁場が約10Hz〜約1015Hzの範囲で振動する、工程と、を含む、方法。
本開示の利点及び実施形態を以下の実施例によって更に例示するが、これら実施例において列挙される特定の材料及びそれらの量、並びにその他の条件及び詳細は、本発明を不当に制限するものではないと解釈されるべきである。これらの実施例では、比率、割合及び比はすべて、特に断らないかぎり重量に基づいたものである。
全ての材料は、例えば、Sigma−Aldrich Chemical Company(Milwaukee,WI)から市販されているか、あるいは特に断らない又は明らかでない限り、当業者には既知である。
以下の実施例においてこれらの略称が使用される:cc=立方センチメートル、g=グラム、hr=時間、in=インチ、kg=キログラム、min=分、mol=モル、M=モーラー、cm=センチメートル、mm=ミリメートル、mL=ミリリットル、L=リットル、N=ノルマル、psi=1平方インチあたりの圧力、MPa=メガパスカル、及びwt=重量。
試験方法
見掛け密度測定
サンプル(本開示の比較例又は実施例に従って調製)の見掛け密度は、最も密な充填が成されるまで、秤量したサンプルをメスシリンダーに軽く叩いて入れることで、測定した。軽く叩いても炭素基材サンプルの体積がそれ以上減少しなかったときに、最も密な充填が成されたとみなした。
クロラミン試験
水サンプル中の全塩素含有量から、水サンプルのクロラミン含有量を求めた。全塩素(OCl及びクロラミン)濃度は、Hach Companyが米国環境保護庁公定法(USEPA Method)330.5に相当すると主張する、全塩素分析DPD法(DPDTotal Chlorine Method)であるHach Method 8167により測定した。遊離塩素(OCl−)濃度は、Hach Companyが米国環境保護庁公定法330.5に相当すると主張する、遊離クロラミン分析DPD法(DPD Free Chloramine Analysis)であるHach Method 8021により定期的に測定した。遊離塩素は無視できる程の低濃度(<0.2ppm)に保たれたため、全塩素分析は、水中のクロラミン濃度に関するよい推量となると考えられた。すべての試薬及び器具は、標準的Hach Methodに記載されたものであり、Hach Company(Loveland,CO)から得ることができる。
クロラミンの調製
3ppmのクロラミンは、脱イオン水に適量の市販の漂白剤(5.25%のNaOCl)を加えて調製した。攪拌しながら、1.5当量の塩化アンモニウム水溶液を漂白剤溶液に加え、1時間攪拌した。NaOH又はHClを加えてpHを7.6に調整し、pHはpH計(Thermo Fisher Scientific,Inc.(Waltham,MA)より、商品名「ORION 3−STAR」で入手)を用いて試験した。
クロラミン除去試験
3ppmのNHClを含む水性クロラミン試験溶液(上記の方法で調製)を、pH 7.6、27℃にて調製した。試験直前に、水性クロラミン試験溶液の初期全塩素含量を、上記のクロラミン試験に記載のように測定した。連続的に攪拌しながら、炭素基材サンプル(すなわち、本開示の比較例又は実施例に従って調製したサンプル)のアリコート0.46g、又は指定量の金属若しくは金属酸化物基材サンプルを、水性クロラミン試験溶液に加えた。表1に示す市販の金属又は金属酸化物について、1.5ccの体積あたりベースでサンプルを比較した。混合の直後、ストップウォッチを開始した。30秒後に、5mLのアリコートの混合物を取り出し、取り出し後5秒以内にその混合物を1マイクロメートルのシリンジフィルターに通して、懸濁した固体を取り除いた。5mLのアリコートを上記のとおり取り出してから30秒以内に、ろ過したアリコートのクロラミン含有量を計測した。5分間にわたって混合物からアリコートを定期的に取り出し、上記のとおりクロラミン試験を用いて分析した。クロラミン除去効率を下記数式により求め、クロラミン減少率として報告する。
Figure 2015503438
材料
Figure 2015503438
Figure 2015503438
比較実施例A
様々な市販の金属酸化物及び銅金属を、上記クロラミン除去試験に従って試験した。金属酸化物は入手した状態で使用した。銅金属の入った瓶は事前に開けられていた(ある程度の酸化が起こった恐れがある)が、粉末の外観は光沢があり/金属性であった。表1は、使用した金属酸化物及び銅金属について記載しており、表3に、5分後のクロラミン減少率を報告する。
Figure 2015503438
シュウ酸第二銅又はシュウ酸第一鉄を含浸した基材の調製手順(実施例15を除く)
シュウ酸第二銅半水和物(GFS Chemicals,Inc.(Powell,OH)から入手し、入手した状態で使用した)又はシュウ酸第一鉄水和物、FeC 2HO(Sigma−Aldrich Chemical Co.から入手し、入手した状態で使用した)を、指定の基材と、水中スラリーとして組み合わせた(基材に対する金属含量に基づいた割合を、重量パーセントとして示した比で)。ある場合においては加熱して、含浸プロセスを速めた(表4に示す)。シュウ酸第二銅半水和物又はシュウ酸第一鉄水和物の溶解度がわずかであるため、(それぞれ)青色又は黄色の粒子が溶液から見えなくなったことを、含浸完了の指標とした。例えば、実施例1では、1.26gのシュウ酸第二銅半水和物を100mLの水中で5gの基材Aと組み合わせ、約2日間還流下で攪拌してから、炭素を含浸した材料を単離した。
酢酸第二銅を含浸した基材の調製手順
指定した支持体に対する銅の質量パーセントに基づいて、指定した量の酢酸第二銅水和物、Cu(O O(J.T.Baker Chemical Co(Phillipsburg,NJ)から入手し、入手した状態で使用した)を最小限の量の水に溶解して、溶液を生成した。含浸には、初期湿潤(incipient wetness)状態まで溶液を基材に加えた。含浸及びその後の乾燥からなるサイクルを複数回用いて、すべての溶液を支持体内に取り込ませた。
(実施例1〜4、7〜14、及び17〜19)
上で概説される手順に従って、実施例1〜4、7〜14、及び16〜18を調製した。含浸手技は、金属カルボン酸塩の含浸が記載される縦列に温度が指定されない限りは、室温において実施した。次に、含浸したサンプルを、N(加熱前にNでパージ)又は空気雰囲気下において、炉内で記載の温度にて1時間焼成した。サンプルを炉内で室温まで冷却させた。続いて、更なる処理をせずに、クロラミン除去試験を用いてクロラミン減少率についてサンプルを試験した。
(実施例5〜6、16、及び20〜21)
実施例5〜6、16、及び20〜21は、所定のN(加熱前にNでパージ)又は空気雰囲気下で、所定の温度にて1時間熱処理をした、市販の粉末であった。サンプルを炉内で室温まで冷却させた。続いて、更なる処理をせずに、クロラミン除去試験を用いてクロラミン減少率についてサンプルを試験した。
(実施例15)
88.0gの塩化銅(II)二水和物、CuCl 2HO(Alfa Aesar(Ward Hill,MA))を、400gの脱イオン水に溶解して、銅含有溶液を調製した。120.56gのシュウ酸カリウム水和物、K O(Avantor Performance Materials,Inc.(Center Valley,PA))を、400gの脱イオン水に溶解して、シュウ酸カリウム含有溶液を調製した。200gの脱イオン水中、素早く攪拌している100.0gのHombifineチタニア(基材D)の分散物中に、これらの溶液を同時に滴状で追加した。IKA T25 Ultra−turraxロータ−ステータミキサー(IKA Works Inc.(Wilmington,North Carolina,USA))を用いて、追加中に分散体を攪拌した。沈殿後、30分間遠心分離(毎分3500回転)することによって、固体生成物を分離した。上清を廃棄し、生成物を約500mLの脱イオン水で洗浄し、再度遠心分離によって分離した。得られた生成物を95℃で一晩乾燥させ、冷却後、クロラミン除去試験を用いてクロラミン減少率についてサンプルを試験した。
比較例B〜E
比較例B〜Eは、所定のN(加熱前にNでパージ)又は空気雰囲気下で所定の温度にて1時間熱処理をした、市販の基材とした。サンプルを炉内で室温まで冷却させた。続いて、更なる処理をせずに、クロラミン除去試験を用いてクロラミン減少率についてサンプルを試験した。
以下の表4に、材料(例えば、基材及び金属含浸物、又は基材を含まない単純な金属カルボン酸塩、並びにこれらの関連組成物)、並びに比較例B〜E及び実施例1〜20のそれぞれのサンプルの調製に用いたプロセス条件についてまとめる。一般条件から外れることは、注記される。金属%は、熱分解後の、金属含有基材における金属の目標重量パーセントと定義される。調製されたサンプルのクロラミン減少率も、表4に含まれる。表4に報告されるクロラミン減少率は、180秒後に上記のクロラミン減少試験を用いて測定する。
Figure 2015503438

クロラミン除去試験において、0.46gの代わりに1.5ccの炭素基材サンプルを用いたサンプルを示す。
クロラミン除去試験において、0.46gの代わりに2.5gの炭素基材サンプルを用いたサンプルを示す。
金属浸出及び経時処理実験
1.0gの実施例1、4、及び17をそれぞれ、150mLの3ppmクロラミン溶液に4日間曝露した。同様の実験において、0.50gの実施例5を、20mLの水に2日間曝露した。それぞれの溶液を、0.45μmポリプロピレン注射器用フィルター(VWR International,LLC(Radnor,PA)から入手)でろ過し、ICP−OES(モデルPerkin Elmer Optima 3300VP、Perkin Elmer,Inc(Waltham,MA)から入手)によって、鉄又は銅濃度について分析した。また、経時処理後の各サンプルを空気中で乾燥し、上記方法によってクロラミン除去について試験した。経時処理試験後の金属濃度、及び3分間の反応時間後のクロラミン除去率を、表5にする。実施例4は、クロラミン除去について分析しなかった。炉での高い処理温度、又はその他の表面改質が、本明細書に記載されるようなアルミナ表面上に担持される不溶性銅含有材料を有するために必要であり得る。
Figure 2015503438
p−XRDによる物質の分析
本明細書に記載する実施例の一部を、p−XRD(別の例では銅Kα線によるPhilips縦型回折計)によって分析して、クロラミン除去反応に関与する潜在的に活性の金属酸化物相を判定し、結果を表6に示す。
Figure 2015503438
表6は、実施例2及び4のCuC 0.5HO、並びに実施例8のCu(O Oの熱分解により、X線解析よって銅金属と一致する物質が生成されたことを示す。しかしながら、実施例2、4及び8は、市販の微粉化した銅金属よりも高いクロラミン除去活性を示した。表3を参照されたい。FeC 2HOの熱分解により、X線解析によって実施例16のFeと一致する物質が生成されたが、実施例16は、市販のFeよりも高いクロラミン除去活性を示した。実施例20についても同様である。これらのデータは、熱分解が組成を独自に変え、分解産物が、より効果的にクロラミンを除去できるようになることを示すと思われる。
比較例B並びに実施例5及び20の表面積分析
比較例B並びに実施例5及び20を分析したところ、表7に示す次のBET表面積を有することがわかった。実施例5及び20は表面積が大きくないものの、比較例Aのような非常に高いBET表面積を有する基材と同様に、十分なクロラミン除去率を依然として示すことは注目に値する。
Figure 2015503438
本発明の範囲及び趣旨から逸脱しない本発明の予測可能な改変及び変更が、当業者には明らかであろう。本発明は、説明を目的として本出願に記載される実施形態に限定されるべきものではない。本明細書と参照により本明細書に援用したいずれかの文書内での開示との間の不一致及び矛盾に関しては、本仕様書が統制するものとする。

Claims (10)

  1. 流体入口を流体出口に流体接続する流体導管と、前記流体導管内に配置された液体ろ過材と、を備え、前記液体ろ過材が金属含有粒子を含み、前記金属含有粒子が金属カルボン酸塩の熱分解産物を含む、液体ろ過装置。
  2. 前記金属カルボン酸塩が、シュウ酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、及びこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の液体ろ過装置。
  3. 前記金属カルボン酸塩の金属が、銅、鉄、マンガン、及びこれらの組み合わせを含む、請求項1又は2に記載の液体ろ過装置。
  4. 前記金属含有粒子が実質的にイオウ原子を含まない、請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体ろ過装置。
  5. 水溶液からクロラミンを除去するための方法であって、クロラミンを含む水溶液を準備する工程と、前記水溶液と金属含有粒子を含む組成物とを接触させる工程と、を含み、前記金属含有粒子が金属カルボン酸塩の熱分解産物を含む、方法。
  6. 洗浄されたときに、前記金属カルボン酸塩の熱分解産物が、40%を超えてクロラミン除去活性を失わない、請求項5に記載の水溶液からクロラミンを除去する方法。
  7. 前記水溶液と金属含有粒子を含む組成物とを接触させた後、得られた水溶液が、減少した量のクロラミンを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 水溶液からクロラミンを除去するための方法であって、
    金属カルボン酸塩を加熱して熱分解産物を生成する工程と、
    前記熱分解産物を冷却する工程と、
    前記冷却した熱分解産物とクロラミンを含む水溶液とを接触させる工程と、
    を含む、方法。
  9. 前記加熱が、300℃の温度で実施される、請求項8に記載の方法。
  10. 加熱工程中に、前記金属カルボン酸塩の少なくとも一部が支持体上に配置される、請求項8又は9に記載の方法。
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