本発明の態様は、光ベースのタッチスクリーンに関するものである。
説明を明確にするために、本明細書を通して「タッチスクリーン」という語は、電子ディスプレイを含んでも又は含まなくてもよいタッチセンサ式表面を指すための一般的な語として使用される。従って、本明細書で使用される「タッチスクリーン」という語は、特に、多くのラップトップコンピュータに含まれるマウスタッチパッド、及び手持ち式電子デバイスのカバーを含む。「光学タッチスクリーン」という語は、特に予想される光の強度と検出された光の強度との差に基づいてタッチを検出するスクリーンを含む光ベースのタッチスクリーンを指す一般的な語として使用され、検出される光の強度は、予想される光の強度よりも強い又は弱いものとすることができる。「スクリーンガラス」という語は、透明なスクリーン表面を指す一般的な語として使用される。スクリーンは、特にガラスから、又は特にクリスタル、アクリル、及びプラスチックを含むガラス以外の材料から製造することができる。本発明の一部の実施形態において、スクリーンは、近赤外線光を通すが、それ以外は不透明である。
説明を明確にするために、本明細書を通して「エミッタ」という語は、特に発光ダイオード(LED)及び光をディスプレイ表面に向けるレンズ又は反射器に光を出力する光ファイバ又は管状導光体の出力端を含む発光要素を指すための一般的な語として使用される。「レシーバ」という語は、特にフォトダイオード(PD)及びディスプレイ表面を横断した光ビームを受光してこれを光検出要素又は特に電荷結合デバイス(CCD)又は相補型金属酸化膜半導体(CMOS)画像センサである画像センサに向ける光ファイバ又は管状導光体の入力端を含む光検出要素を指すための一般的な語として使用される。
図5を参照すると、本発明の実施形態により第1のスクリーン縁部に沿った位置に光ファイバ導光体401によって光が案内される互いの近くに位置決めされた複数のエミッタ201−203を含むタッチスクリーンの一部分が示されている。タッチスクリーンのこの部分は、第2のスクリーン縁部に沿った位置から光ファイバ導光体402によって光が案内される互いの近くに位置決めされた複数のレシーバ301−305を含む。
本発明の実施形態により、光ベースのタッチスクリーンは、特に赤外線又は近赤外線発光ダイオード(LED)を含む1つ又はそれよりも多くのエミッタ、及びタッチスクリーン又はタッチ表面を取り囲む周囲に沿って配置された特にフォトダイオード(PD)を含む複数のレシーバを含む。エミッタは、スクリーン表面に実質的に平行に光を投影し、この光がレシーバによって検出される。スクリーンの一部分の上に置かれた指又はスタイラスのようなポインタが光ビームの一部を遮り、それに応答してレシーバの一部は光の強度を検出しない。レシーバの位置の形状及びレシーバが検出する光の強度は、ポインタのスクリーン座標を決定するのに十分である。エミッタ及びレシーバは、コントローラによる選択的起動及び停止に対して制御される。一般的に、各エミッタ及びレシーバは、I/Oコネクタを有し、信号が、起動されるエミッタ及びレシーバを指定するために送信される。
本発明の実施形態において、複数のエミッタが、矩形のスクリーンの2つの隣接する側面に沿って配置され、複数のレシーバが、他方の2つの隣接する側面に沿って配置される。これに関して、図6を参照すると、本発明の実施形態による16のエミッタ200及び16のレシーバ300を有するタッチスクリーン800の図が示されている。エミッタ200は、タッチスクリーンの上部全体に赤外線又は近赤外線光ビームを放出し、それぞれのエミッタ200の真向いの対応するレシーバ300によって検出される。ポインタがタッチスクリーン800にタッチした時に、ポインタは、レシーバ300の一部に光が到達することを遮る。どの光ビームがポインタによって遮られたかをレシーバ出力から識別することにより、ポインタの場所を決定することができる。
光ベースのタッチスクリーンは、ディスプレイの上に物理層を配置せず、これは、従来の容量式及び抵抗式タッチスクリーンよりも有利なユーザ体験を提供する。従来の容量式及び抵抗式タッチスクリーンオーバーレイにスタイラスで書き込む場合に、スタイラスは、ディスプレイ表面から取り除かれ、視差効果を生じる。対照的に、オーバーレイ及び保護ガラスを持たない光ベースのタッチスクリーンにスタイラスで書き込む場合に、スタイラスは、書込み表面と接触し、自然の書込み効果を生じる。
ここで図7−9を参照すると、本発明の実施形態によるスクリーンに同時にタッチする2つのポインタ901及び902の検出を示す図6のタッチスクリーン800が示されている。2つ又はそれよりも多いポインタがスクリーンに同時にタッチした場合に、これは「マルチ−タッチ」と呼ぶ。スクリーンにタッチしているポインタ901及び902は、レシーバ300の一部に光が届かないように遮る。本発明の実施形態により、ポインタ901及び902の位置は、ポインタが遮っている赤外線ビームの交差した線から決定される。対照的に、従来技術の抵抗に基づく及びキャパシタンスに基づくタッチスクリーンは、一般的にマルチタッチを検出することができない。
2つ又はそれよりも多いポインタが共通の水平又は垂直軸に沿って同時にスクリーン800にタッチした場合に、ポインタの場所は、遮られているレシーバ300によって決定される。図7のポインタ901及び902は、共通の垂直軸に沿って位置合わせしており、タッチスクリーン800の底縁に沿った同じレシーバ300、すなわち、a、b、c、及びdのマークが付いたレシーバを実質的に遮っている。タッチスクリーン800の左縁に沿って、レシーバ300の2つの異なる組が遮られる。ポインタ901は、e及びfのマークが付いたレシーバを遮り、ポインタ902は、g及びhのマークが付いたレシーバを遮っている。従って、2つのポインタは、2つの場所に位置することが決定される。ポインタ901は、レシーバa−d及びレシーバe及びfから遮られた光ビームの交点に位置付けられたスクリーン座標を有し、ポインタ902は、レシーバa−d及びレシーバg及びhから遮られた光ビームの交点に位置付けられたスクリーン座標を有する。
図8及び9に示すポインタ901及び902は、共通の水平又は垂直軸に沿って位置合わせしておらず、異なる水平位置及び異なる垂直位置を有する。遮られたレシーバa−hから、ポインタ901及び902が互いに対角線上に反対にあることが決定される。これらは、図8に示すようにタッチスクリーン800の上部右及び底部左にそれぞれタッチしているか、又は図9に示すようにタッチスクリーン800の底部右及び上部左にそれぞれタッチしているかのいずれかである。
図8と図9の判別は、(i)同じ意味を両方のタッチパターンに関連付けること、又は(ii)意味を2つのタッチパターンの1つだけに関連付けることによって解決される。(i)の場合に、UIは、両方のタッチパターン図8及び図9の効果が同じになるようにそのアイコンを配置する又はそうでなければ構成される。例えば、タッチスクリーン800のいずれかの2つの対角線上の反対のコーナにタッチすることは、スクリーンをアンロックするように作動する。
(ii)の場合に、UIは、タッチパターン図8及び図9の1つだけがそれに関連付けられた意味を有するように、そのアイコンを配置する又はそうでなければ構成される。例えば、タッチスクリーン800の上部右及び底部左コーナにタッチすることは、スクリーンをアンロックするように作動し、タッチスクリーン800の底部右及び上部左のタッチは、それに関連付けられた意味を持たない。この場合に、UIは、図8が正しいタッチパターンであると判断する。
対角に向いたマルチタッチの位置を決定することは、エミッタ及びレシーバのシフト位置合わせ配置に関して及び4つの軸に沿って向けられた光ビームに関して以下に更に説明する。曖昧なマルチタッチを解決する追加の方法は、以下に説明するASICコントローラによって可能である高速走査周波数に関して説明する。
ここで図10及び11を参照すると、本発明の実施形態による2つの指のグライド移動を検出するタッチスクリーン800の図が示されている。図10及び11に示されているグライド移動は、ポインタ901及び902を互いに近づける対角線上のグライドである。グライドの方向は、遮られるレシーバ300の変化から決定される。図10及び11に示すように、遮られるレシーバは、a及びbから右の方のレシーバ300に、かつc及びdから左の方のレシーバ300に変化している。同様に、遮られるレシーバは、e及びfから下の方のレシーバ300にかつg及びhから上の方のレシーバ300に変化している。ポインタ901及び902が離れるように動く反対方向のグライドでは、遮られるレシーバが反対方向に変化する。
ポインタ901及び902が共通の垂直又は水平軸に位置合わせしている場合に、グライドパターンを識別する時の不明瞭さはない。ポインタ901及び902が共通の垂直又は水平軸に位置合わせしていない場合に、図10及び11に示すように、グライドパターンを識別するのに不明瞭さが存在する場合がある。このような不明瞭さの場合にかつ図8及び9に関して上述したように、図10及び11を判別することは、(i)同じ意味を両方のグライドパターンに関連付けること、又は(ii)意味を2つのグライドパターンの1つだけに関連付けることのいずれかによって解決される。
同じ意味を両方のグライドパターンに関連付けることは、ユーザがスクリーン上に2つの指を置いてスクリーンの対角線に沿って指を広げるピンチズーム動作で実行することができる。このような動作は、スクリーンに表示された図形の倍率を上げるためのズームイン作動を起動する。このような動作は、ピンチズームが、上部左から底部右への対角線に沿って又は上部右から底部左の対角線に沿って行われたか否かにかかわらず同じ意味を有する。
類似の考察は、ユーザがスクリーン上に2つの指を置いて、スクリーンに表示された図形の倍率を下げるためにスクリーンの対角線に沿って指を近づけるズームアウト動作に適用される。この動作も、動作がそれに沿って行われるスクリーンの対角線にかかわらず同じ意味を有する。
図12を参照すると、本発明の実施形態による図6からのタッチスクリーン800の回路図が示されている。エミッタ及びレシーバは、コントローラ(図示せず)によって制御される。エミッタは、スイッチAからそれぞれの信号LED00−LED15を受信し、VROW及びVCOLから電流リミッタBを通して電流を受け入れる。レシーバは、シフトレジスタ730からそれぞれの信号PD00−PD15を受信する。レシーバ出力が、信号PDROW及びPDCOLを通してコントローラに送信される。スイッチA及び電流リミッタBのコントローラの作動は、その内容がこれにより引用によって本明細書に組み込まれる「光ベースのタッチスクリーン」という名称の2009年2月15日出願の本出願人の現在特許出願中の出願である米国特許出願出願番号第12/371,609号明細書に記載されている。
本発明の実施形態により、エミッタは、バイナリストリングをシフトレジスタ720に送信する第1のシリアルインタフェースを通して制御される。バイナリストリングの各ビットは、エミッタの1つに対応し、対応するエミッタを起動又は停止するか否かを示し、ここでビット値「1」が起動を示し、ビット値「0」が停止を示す。シフトレジスタ720内のビットストリングをシフトすることによって次のエミッタが起動及び停止される。
同様に、レシーバは、バイナリストリングをシフトレジスタ730に送信する第2のシリアルインタフェースによって制御される。シフトレジスタ730でビットストリングをシフトすることによって次のレシーバが起動及び停止される。シフトレジスタ720及び730の作動は、その内容がこれにより引用によって本明細書に組み込まれる「光ベースのタッチスクリーン」という名称の2009年2月15日出願の本出願人の現在特許出願中出願である米国特許出願出願番号第12/371,609号明細書に記載されている。
図13を参照すると、本発明の実施形態による光ベースのタッチスクリーンシステムの概略図が示されている。図13のタッチスクリーンは、オーバーレイを必要としない。代わりに、小さい赤外線透過フレーム407がディスプレイを取り囲み、スクリーンの向かい合う側に位置決めされたエミッタ200とレシーバ間にビームを反射する。指又はスタイラスのようなポインタが、特定のエリア905のスクリーンにタッチした場合に、エミッタ200によって発生された1つ又はそれよりも多くの光ビームが遮られる。遮られた光ビームが、レシーバの1つ又はそれよりも多くによって受け入れた光の対応する減少によって検出され、ポインタの場所を決定するのに使用される。
図14を参照すると、本発明の実施形態による図13のタッチスクリーンシステムの概略断面図が示されている。図14には、LCDディスプレイ600の部分A−Aの断面図及びその周囲の赤外線透過フレーム407が示されている。断面図は、フレーム407の切り欠き部408によって反射されてディスプレイ表面の上で実質的に平行に向けられた光100を放出するエミッタ200を示している。指900がディスプレイ表面に近づいた時に、エミッタによって放出されてニアタッチの位置の上に向けられた光の一部101が指によって遮られ、光の一部102は、指先とスクリーンガラスの間を通る。指900がディスプレイ表面にタッチした時に、エミッタによって放出されてタッチ場所の上に向けられた光の全てが指900によって遮られる。
タッチスクリーンシステム構成第1
図15を参照すると、本発明の実施形態によりセンサ要素よりも小さいポインタをタッチスクリーンシステムが読み取ることを可能にするエミッタ、レシーバ、及び光学要素の配置の概略図が示されている。図15には、ミラー又は光学レンズ400、エミッタ200、幅広反射光ビーム105、ポインタ900、及びレシーバ300が示されている。ミラー又は光学レンズ400は、第2のミラー又は光学レンズによってレシーバ300に集束される幅広光ビームを発生させる。幅広ビームは、ポインタが幅広ビームの一部分を遮った時にレシーバ300で検出される光の量のアナログ変化を感知することを可能にする。従って、図15のポインタ900は、幅広ビーム105の一部分だけを遮る。幅広ビームは、エミッタを互いに遠く離して装着されるようにし、レシーバを互いに遠く離して装着されるようにする。この結果、これは、少ないエミッタ及び少ないレシーバしか要求されないことによって材料の請求額を低減する。
図16を参照すると、本発明の実施形態により特にスタイラスを含むセンサ要素よりも小さいポインタをタッチスクリーンシステムが検出することを可能にするエミッタ、レシーバ、及び光学要素の配置の概略図が示されている。図16には、ミラー又は光学レンズ400、エミッタ200、幅広反射光ビーム105、ポインタ900、及びレシーバ300が示されている。ミラー又は光学レンズ400は、第2のミラー又は光学レンズによってレシーバ300に集束される幅広光ビームを発生させる。ポインタ900が幅広ビームの一部分を遮った場合に、特にポインタ900がミラー又はレンズ400の前に置かれた場合に、幅広ビームは、レシーバ300で検出される光の量のアナログ変化の感知を可能にする。ポインタ900は、図16に示すように、ポインタ900の先端によって遮られるビーム106によって示される幅広ビーム105の一部分だけを遮る。幅広ビームはまた、エミッタを互いに遠く離して装着し、レシーバを互いに遠く離して装着することを可能にする。次に、これは、少ないエミッタ及び少ないレシーバしか要求されないことによって材料の請求額を低減する。
幅広ビームなしでは、一般的に、検出されないビーム間の空間が存在し、ビームにわたる先端が細いスタイラスのユーザドラッグと先端が細いスタイラスによる異なるビーム上のユーザタップを区別することが不可能になる。更に、広く空間を空けられた狭いビームにより、狭いビームを横切るためにポインタタッチは非常に正確にすべきである。
図17を参照すると、本発明の実施形態によりスクリーンを覆う幅広光ビームを備えたタッチスクリーンの概略図が示されている。幅広ビームを使用するタッチスクリーンシステムは、その内容がこれにより引用によって本明細書に組み込まれる「幅広ビームトランスミッタ及びレシーバを備えた光学タッチスクリーン」という名称の2010年3月24日出願の本出願人の特許仮出願である米国特許出願出願番号第61/317,255号明細書に記載されている。
図17に示すエミッタ及びレシーバは、比較的広く幅広く離間している。一般的に、エミッタは同時に起動されない。代わりに、エミッタは1つずつ起動され、その光ビームのカバレージエリアは、実質的に接続されている。
図17は、タッチスクリーン又はタッチ表面800を有するタッチシステムの上面図及び側面図を示している。タッチシステムは、表面がディスプレイスクリーンを含むか否かにかかわらずタッチセンサ式機能を表面に提供する。更に、物理的表面が必要なく、空気を通して光ビームを投影することができ、光ビームを遮断する空中のポインタの場所を検出することができる。
図17には、エミッタ200、反射器437及び438、及び計算ユニット770に結合されたレシーバ300が示されている。エミッタ200及びレシーバ300は、スクリーン800の真下に位置決めされる。エミッタ200は、反射器437にスクリーン800の下の光の弧142を投影する。エミッタ200と反射器437の間の距離は、反射器437で弧が幅広ビームに広がるのに十分である。本発明の様々な実施形態において、エミッタ200と反射器437の間の距離は、特に幅広ビームの幅、望ましいタッチ分解能、エミッタ特性、及び光学反射器特性を含むファクタに応じて、約4mm、10mm、20mm、又はそれよりも大きいとすることができる。
反射器437は、スクリーン表面の帯にわたる幅広ビーム144のように光を平行化する。幅広ビーム144は、反射器438に到達し、これは、(i)スクリーン800の下に光ビームを向け直し、かつ(ii)幅広ビーム144を弧143に狭める。従って、幅広ビーム144は、スクリーン800の表面の下のレシーバ300の1つの表面に収束する。レシーバ300の各々によって検出される光の強度が計算ユニット770に通信される。
図17の構成は、幅広光ビームが全スクリーン表面を覆うという利点があり、それによってスクリーン上のあらゆる場所でのタッチセンサ式機能を可能にする。更に、相対的に少ないエミッタ及びレシーバ構成要素しか必要ではないので、タッチスクリーンの材料の費用が低減される。
タッチスクリーンシステム構成第2
構成2−5は、タッチ場所を正確に識別するために複数のエミッタ−レシーバ対を使用する。上述の構成の一部では、エミッタ及びレシーバの向かい合う行が存在し、各エミッタは、それぞれのレシーバの反対側にある。構成2及び3では、エミッタは、レシーバとシフト位置合わせされる。例えば、各エミッタは、2つの向かい合うレシーバの間の中間点に対向するように位置決めすることができる。これに代えて、各エミッタは、反対のレシーバと軸外に位置合わせすることができるが、2つのレシーバ間の中間点に対向していない。
本発明の実施形態は、平行化レンズの2つのタイプ、すなわち、(i)従来の平行化レンズ、及び(ii)複数の幅広発散ビームを形成するために光を屈折させるマイクロレンズの表面に結合された平行化レンズを利用する。光源が従来の平行化レンズのフォーカスに位置決めされた場合に、レンズは、特に図15−17に示すように、実質的に平行のビームで光を出射する。光源が従来の平行化レンズとそのフォーカスの間に位置決めされた場合に、レンズは幅広ビームを出射し、その外縁は、特に図23−26に示すように互いに平行ではない。
図18を参照すると、本発明の実施形態により光エミッタと協働する平行化レンズの概略図が示されている。図18には、(A)平坦な透明ガラス524を通して光ビーム190を伝達する光エミッタ200が示されている。ビーム190はガラスによって変化しない。
図18には、(B)平行化レンズ525のフォーカスに位置決めされたエミッタが示されている。ビーム190はレンズ525によって平行化される。
図18には、(C)平行化レンズ525とレンズのフォーカスの間に位置決めされたエミッタが示されている。ビーム190はレンズ525によって部分的に平行化され、すなわち、出射幅広ビームは完全に平行ではない。
図19を参照すると、本発明の実施形態による光レシーバと協働する平行化レンズの概略図が示されている。図19には、(A)平坦な透明ガラス524を通して伝達された実質的に平行の光ビーム191が示されている。ビーム191は、ガラスによって変化しない。
図19には、(B)平行化レンズ525のフォーカスに位置決めされたレシーバ300が示されている。ビーム191は、平行化レンズ525によってレシーバ300上に屈折される。
図19には、(C)平行化レンズ525とレンズのフォーカスの間に位置決めされたレシーバ300が示されている。ビーム191はレンズ525によって平行化されるが、レシーバ300がレンズのフォーカスにないので、ビームはその上に収束しない。
エミッタ又はレシーバから外に向いているマイクロレンズの外面に結合された平行化レンズは、光を2つのステップで伝達する。光がレンズの本体を通過した場合に、光ビームは、従来の平行化レンズによって同様に平行化される。しかし、光がマイクロレンズの表面を通過した場合に、光は、特に図30、31及び33−35に示すように、複数の幅広発散ビームに屈折される。図34及び35では、マイクロレンズ面444を有する平行化レンズ439及び440が示されている。図34では、光エミッタ201及び202が、平行化レンズ439及び440の焦点距離内に位置付けられ、レンズ439及び440に入射するエミッタからの幅広光ビームが示されている。光は、従来の平行化レンズと同様にレンズを通過した時に平行化される。平行化された光がマイクロレンズ面444を通過した時に、複数の幅広発散ビームに屈折され、そのうちの3つが図34に示されている。図35では、光レシーバ301及び302が、平行化レンズの焦点距離内に位置付けられ、マイクロレンズ面444を通してレンズ439及び444に入射する光ビームが示されている。入射ビームは、レンズ本体内部の幅広発散ビームに屈折される。屈折されたビームは、レンズ439及び440の平行化部分によって誘導され、ビームを光レシーバ301及び302上に集中させる。
図20を参照すると、本発明の実施形態によりエミッタに面するマイクロレンズの表面を有する平行化レンズの概略図が示されている。図20は、(A)エミッタ200に面する表面にエッチングされたマイクロレンズを有する平面ガラス526を示している。光ビーム190は、様々な角度でガラス526に入射する。各入射ポイントで、マイクロレンズは、入射ビームを広い弧192に屈折させる。線183は、各弧の中間がガラス526へのビームの接近の角度に応じて異なる方向にどのように向けられるかを示している。
図20は、(B)エミッタ200に面する表面上にエッチングされたマイクロレンズを有する平行化レンズ527を示している。マイクロレンズのないレンズのフォーカスが決定され、エミッタ200はそのポイントに位置付けられる。光ビーム190は、様々な角度で平行化レンズ527に入射する。各入射ポイントで、マイクロレンズは、入射ビームを広い弧192に屈折させる。線184は、平行化レンズ527へのビームの接近の角度にかかわらず、各弧の中間がどのように同じ方向に向けられるかを示している。このレンズのタイプは、平行ビームではなく光の弧を出射するが、弧の全てが実質的に均一に向けられるので「マルチ方向平行化レンズ」と呼ぶ。
図20は、(C)同じ平行化レンズ527であるが、エミッタ200がレンズとフォーカスの間に位置決めされる平行化レンズを示している。出射弧192は、線185によって示される(A)の弧と(B)の弧の間の方向に向けられる。
図21を参照すると、本発明の実施形態によるレシーバに面するマイクロレンズの表面を有する平行化レンズの概略図が示されている。図21は、(A)レシーバ300に面する表面上にエッチングされたマイクロレンズを有する平面ガラス526を示している。平行ビームとしてガラス526に入射する光ビーム191が示されている。各出射ポイントで、マイクロレンズは、ビームを広い弧192に屈折させる。線186は、各弧の中間が同じ方向にどのように向けられるかを示している。弧はレシーバ300上に収束しない。
図21はまた、(B)レシーバ300に面する表面上にエッチングされたマイクロレンズを有するマルチ方向平行化レンズ527を示している。マイクロレンズのないレンズのフォーカスが決定され、レシーバ300は、そのポイントに位置付けられる。光ビーム191は、実質的に平行のビームとしてレンズ527に入射する。各出射ポイントで、マイクロレンズは、入射ビームを広い弧192に屈折させる。線187は、各弧の中間がレシーバ300に向けてどのように向けられるかを示している。
図21は、(C)同じレンズ527であるが、レシーバ300がレンズとフォーカスの間に位置決めされることを示している。
本明細書を通して使用される「平行化レンズ」という語は、マルチ方向平行化レンズを含む。
図22を参照すると、本発明の実施形態による幅広ビームタッチスクリーンを備えた電子デバイスの概略図が示されている。図22には、2つのエミッタ201及び202と3つのレシーバ301、302、及び303とを備えた電子デバイス826が示されており、エミッタ及びレシーバは、ディスプレイ636の向かい合う縁部に沿って置かれる。レシーバ301、302、及び303の各々で検出された光強度は、計算ユニット770に通信される。各エミッタ及びレシーバは、それぞれ441、442、443、439、及び440のラベルが付いたそれぞれの1次レンズを使用する。エミッタ及びレシーバは、エミッタによって放出されエミッタレンズによって向け直された光が向かい合ったレンズによってレシーバに逆に向けられるようにするように同じレンズ配置を使用する。
各エミッタからの光ビームがその2つの向かい合うレシーバレンズを覆うことが望ましい。このような条件は、そのレンズとそのレンズのフォーカスとの間に各エミッタを位置付けることによって達成される。従って、エミッタは、フォーカスにはなく、この結果、その光は、そのレンズによって平行化される代わりに広げられる。各レシーバは、同様にそのレンズとそのレンズのフォーカスの間に位置決めされる。
図23を参照すると、本発明の実施形態による2つのレシーバによって検出される1つのエミッタからの重なり合った光ビームを示す図22の電子デバイス826の図が示されている。図23には、エミッタ201からの2つの幅広光ビームが示されており、その一方がレシーバ301で検出され、他方がレシーバ302でそれぞれ検出される。一方のビームの左及び右側は、それぞれ145及び146のマークが付けられ、他方のビームの左及び右側は、それぞれ147及び148のマークが付けられる。図23の影のエリアは、タッチが両方の幅広ビームの一部分を遮っているディスプレイ636上のエリアを示す。従って、このエリアのタッチは、2つのエミッタ−レシーバ対、すなわち、201−301及び201−302によって検出される。
図24を参照すると、本発明の実施形態により1つのレシーバによって検出される2つのエミッタからの重なり合う光ビームを示す図22の電子デバイス826の図が示されている。図24には、幅広ビームが示されており、エミッタ201からの幅広ビーム及びエミッタ202からの別の幅広ビームは、両方ともレシーバ302で検出される。一方のビームの左及び右側は、それぞれ145及び146のマークが付けられており、他方のビームの左及び右側は、それぞれ147及び148のマークが付けられる。図24の影のエリアは、両方の幅広ビームの一部分をタッチが遮っているディスプレイ636上のエリアを示す。従って、このエリアでのタッチは、2つのエミッタ−レシーバ対、すなわち、201−302及び202−302によって検出される。
ここで図25を参照すると、本発明の実施形態により少なくとも2つのエミッタ−レシーバ対によってスクリーン上のポイントが検出されることを示す図22の電子デバイス826の図が示されている。図25は、図23及び24の幅広ビームを示しており、ディスプレイ636上の影の楔におけるタッチが少なくとも2つのエミッタ−レシーバ対によって検出されることを示している。2つのエミッタ−レシーバ対は、図23に示すように、2つのレシーバを備えた1つのエミッタ、又は図24のように1つのレシーバを備えた2つのエミッタのいずれかである。より具体的には、エミッタの行の近くで発生したタッチは、一般的には前者によって検出され、検出器の行の近くで発生したタッチは、一般的には後者によって検出される。スクリーンを同様に構成されたエミッタ、レンズ、及びレシーバで取り囲むことにより、いずれのポイントも、2つのエミッタ−レシーバ対によって同様に検出することができる。
図26を参照すると、本発明の実施形態により光信号の強度分布を示す幅広ビームタッチスクリーンの概略図が示されている。図26には、レンズ439にエミッタ201によって放出された広角光ビームが示されている。光ビームは、ディスプレイ636の上を横断し、レンズ441及び442に実質的に跨がる。光は、レシーバ301及び302で検出される。
図26には、検出された光の強度のグラフが示されている。検出された光の総量は、グラフの下の陰のエリアに対応する。スクリーンにタッチしている物体がこの光の一部を遮る。スクリーンにタッチしている物体が幅広ビームにわたって左から右に動いた場合に、遮られた光の量が増し、相応に、物体がビームの左縁からビームの中心に進んだ場合に、検出される光の総量は減少する。同様に、物体がビームの中心からビームの右縁に進んだ場合に、遮られた光の量が減少し、相応に検出される光の総量が増す。
光ビームの縁部で検出された光強度が厳密に正であり、従って、これらの縁部でタッチが検出されたことを保証することに注意されたい。
図27を参照すると、本発明の実施形態により2つのエミッタからの重なり合う光信号の強度分布を示す幅広ビームタッチスクリーンの概略図が示されている。図27は、エミッタ201及び202からの検出される光を示している。ディスプレイ636上のタッチポイント980は、これらのエミッタからの光を様々に遮る。エリア973は、タッチポイント980によるエミッタ201からの光の減衰を示し、エリア973及び974の結合は、ポイント980によるエミッタ202からの光の減衰に対応する。2つのエミッタ−レシーバ対201−302及び202−302の光減衰を比較することにより、正確なタッチ座標が決定される。
図28を参照すると、本発明の実施形態により1つのエミッタからの重なり合う光信号の2組の強度分布を示す幅広ビームタッチスクリーンの概略図が示されている。図28に示すように、タッチポイント980は、エミッタ−レシーバ対201−301及びエミッタ−レシーバ対201−302によって検出されるエリアの内側にある。エリア976として示されるレシーバ302での光信号の減衰は、エリア975として示されるレシーバ301での減衰よりも大きい。2つのエミッタ−レシーバ対201−301及び201−302における光減衰を比較することにより、正確なタッチ座標が決定される。
タッチポイント980の位置を決定することは、エミッタがそれに沿って位置決めされた縁部に平行の軸、すなわち、x軸と縁部に垂直の軸、すなわち、y軸とに沿った位置を決定することを必要とする。本発明の実施形態により、大体のy座標が最初に決定され、次に、決定されたy座標を有するポイントに対する予想減衰値に基づいてかつ実際の減衰値に基づいて、正確なx座標が決定される。次に、決定されたx座標は、正確なy座標を決定するのに使用される。タッチポイント980が、静止又は運動中のいずれかで既にスクリーンにタッチしている場合に、タッチポイントの前のx及びy座標が、次のx及びy座標への近似値として使用される。これに代えて、1つの前の座標だけが、第1の次の座標を計算するのに使用され、第2の次の座標は、第1の次の座標に基づいて計算される。これに代えて、前の座標は使用されない。
図29を参照すると、本発明の実施形態によりマイクロレンズパターンを持たないエミッタ及びレシーバレンズを備えた幅広ビームタッチスクリーンの概略図が示されている。図29には、ディスプレイ636、エミッタ201及び202、対応するエミッタレンズ439及び440、レシーバ301、302、及び303、及び対応するレシーバレンズ441、442、及び443を備えた電子デバイス826が示されている。それぞれのエミッタ201及び202からの2つの光ビーム151及び152は、レンズ442の外縁に位置決めされたポイント977に到達する。ビーム151及び152が異なる入射角でポイント977に近づくので、これらは、レシーバ302上に収束しない。具体的には、光ビーム152はレシーバ302に到達し、光ビーム151はレシーバ302に到達しない。
非収束を直すために、マイクロレンズの精細パターンが、レンズの表面に沿った多くのポイントでレシーバレンズに一体化される。マイクロレンズは、入射光を配分し、それによって各マイクロレンズに到着する光の一部分がレシーバに達する。これに関して、図30及び31を参照すると、本発明の実施形態によるマイクロレンズパターンを有するエミッタ及び検出器レンズを備えた幅広ビームタッチスクリーンの概略図が示されている。図30は、位置977でマイクロレンズによって角度θにわたって入射ビーム151が広がるのを示しており、従って、ビームの一部分がレシーバ302に確実に達するようにする。図31は、位置977で同じマイクロレンズによって角度ψにわたって入射ビーム152が広がるのを示しており、従って、このビームの一部分も確実にレシーバ302に達するようにする。各レシーバレンズに沿った多くの位置にマイクロレンズを配置することにより、異なる角度から位置に入射する光ビームは、全てレシーバによって検出される。検出された光強度は、レシーバに結合された計算ユニット770に通信される。
図32を参照すると、本発明の実施形態によるマイクロレンズパターンを持たないエミッタ及びレシーバレンズを備えた幅広ビームタッチスクリーンの概略図が示されている。図32には、ディスプレイ636、エミッタ201及び202、対応するエミッタレンズ439及び440、レシーバ301、302、及び303、及び対応するレシーバレンズ441、442、及び443を備えた電子デバイス826が示されている。エミッタ201によって放出されてそれぞれのレシーバ301及び302によって検出される2つの光ビームは、タッチポイント980の正確な位置を決定するのに必要である。しかし、マイクロレンズパターンのないレンズ439は、ビーム交差ポイント980をレシーバ301に屈折させることができない。すなわち、図32を参照すると、レンズ439は、図のようにビーム153を屈折させることができない。ポイント980に交差する154として示されるビームだけが検出される。
この検出問題を直すために、マイクロレンズが、レンズの表面に沿った多くのポイントでエミッタレンズに一体化される。マイクロレンズは、光の一部分が望ましいレシーバに達するように出射光を配分する。これに関して、図33を参照すると、本発明の実施形態によるマイクロレンズパターンを有するエミッタ及びレシーバレンズを備えた幅広ビームタッチスクリーンの概略図が示されている。図33は、マイクロレンズ位置982から出る光の一部分が複数のレシーバに達することを示している。従って、ポイント980のタッチは、レシーバ301及び302によって検出される。ポイント980を通過するビームが異なる位置981及び982のマイクロレンズによって発生されることが図32及び33から観察されるであろう。図32及び33のレシーバによって検出される光強度値は、計算ユニット770に通信される。
従って、エミッタ及びレシーバレンズに一体化されたマイクロレンズパターンは、検出される多数の重なり合う光ビームを発生させる。タッチスクリーン上の各ポイントは、同じエミッタレンズ上にある複数のマイクロレンズからの複数の光ビームによって横断される。マイクロレンズは、複数の光ビームが望ましいレシーバに確実に達するようにする。図34を参照すると、本発明の実施形態によるマイクロレンズパターン444を一体化したそれぞれのレンズ439及び440を備えた2つのエミッタ201及び202の概略図が示されている。図35を参照すると、本発明の実施形態によるマイクロレンズパターン444を一体化したそれぞれのレンズ439及び440を備えた2つのレシーバ301及び302の概略図が示されている。
一部の場合には、エミッタ及びレシーバレンズの最外面にマイクロレンズを付けないことが有利である。最外面はユーザに見えるので、眼に見える表面を滑らかにするために、これらの表面にマイクロレンズを付けるのは見た目が悪い場合がある。更に、最外面は、引っかき傷及びほこりや汚れがつきやすく、マイクロレンズの性能を劣化させる場合がある。従って、本発明の実施形態において、マイクロレンズは、図36、37、及び40で以下に示すように、ユーザに露出されていない面に一体化される。
図36を参照すると、本発明の実施形態によりディスプレイ及び外側ケーシングを有する電子デバイスの関連での単一ユニット導光体の側面を示す概略図が示されている。図36には、ディスプレイスクリーン637、スクリーン637の上方の外側ケーシング827、及びスクリーン637の下のエミッタ200を備えた電子デバイスの一部分の切欠図が示されている。導光体450は、光ビーム100を受け取ってスクリーン637の上方に光ビームを反射し、光ビームは、検出のためにスクリーン637の表面にわたって横断する。導光体450は、スクリーン637表面の上方に光ビーム100を投影するための内部反射面451及び452を含む。導光体450の部分445は、1次レンズとして機能し、受光した光ビーム100を平行化する。太く示されたエミッタ200に面する部分445の表面は、その上にエッチングされたマイクロレンズのパターンを有する。従って、マイクロレンズはユーザの眼に見えず、損傷及びほこりから保護される。
部分445の表面は、エミッタ200からの入射光ビーム100を散乱させるためのフェザーパターンを有する。反射面451及び452は、光ビーム100を反射する。反射面451は凹面であり、反射面452は、入射光ビーム100に対して45度の角度に向けられた平面反射器である。
光ビーム100は、平坦面453を通って導光体450から出る。面454は、導光体450を外側ケーシング827に接続するように機能する。面454は、タッチシステムによって使用されるアクティブ光ビームの平面の上方に位置付けられ、美的な目的のために角度が付けられる。
面452の反射特性は、ほこりと汚れが面452にたまらないことを要求し、特に金属又はプラスチックで製造される場合がある外側ケーシング827が面452に接触しないことを要求し、そうでなければ、面452の反射率が損なわれることになる。従って、外側ケーシング827は、面452の上方に置かれ、それによってほこりと汚れから面452を保護し、外側ケーシング827は、面452と同一平面にならず、それによってケース材料が面452に接触することがない。入射光ビームに対して45度の角度に平面反射器を保つことで、面452は、ディスプレイ637の上面の上方に位置付けられる。従って、導光体450によるディスプレイ637の上方のデバイスの高さH3は、面452の高さH1に加えて外側ケーシング827の厚みH2を含む。
受光側では、450に類似の導光体が、スクリーン637を通して伝達された光ビーム100を受け入れ、光ビームを対応する1つ又はそれよりも多くのレシーバに向けるために使用される。従って、面453で導光体450に入射した光ビームは、面452によって、次に、面451によって向け直され、部分445のマイクロレンズパターン表面を通って1つ又はそれよりも多くのレシーバに出射する。受光側では、部分445の表面は、上述したように光ビームを散乱させるパターンを有する。
図37を参照すると、本発明の実施形態による表面上にフェザーパターンを施されたレンズの2つの異なる角度からの概略側面図が示されている。図37には、内部反射部分456、内部平行化レンズ457、及びエッチングマイクロレンズ458を有する導光体455が示されている。レンズ457で導光体455に入射した光ビーム101は、面459を通って光ビーム105のように導光体から出射する。
類似の導光体が、スクリーンを横断したビームを受光してそれらをレシーバ上に集束させるために使用される。この場合に、面459で入射した光ビームは、内部反射部分456によってスクリーン表面の下に反射され、平行化レンズ457によってレシーバ上に再集束させられ、マイクロレンズ458によって再分配される。一般的に、光ビームがエミッタ側に向けられた方向とは逆に受光側に向けられるように、同じレンズ及びマイクロレンズがエミッタ及び検出器と共に使用される。
平行化レンズ457は、図37の底部に示すように丸みを帯びた底縁を有する。エミッタ側で入射光を適切に屈折させるために、マイクロレンズ458は、図37の底部及び図38に示すように、扇のように広がるフェザーパターンに形成される。
図38を参照すると、本発明の実施形態による幅広ビームタッチスクリーンの一部分の概略図が示されている。レンズ461の表面に施されたフェザーパターン460が示されている。類似の隣接するレンズは、幅広ビーム158を放出するエミッタ200に関連付けられる。
図39を参照すると、本発明の実施形態によりレンズにエッチングされたマイクロレンズに入射してそこから出射する光ビームの上面図が示されている。各マイクロレンズが広角にわたって幅広ビームを広げる光源として機能するように、マイクロレンズ462に入射して光ビーム102に屈折される実質的に平行化された光ビーム101が図39に示されている。
タッチスクリーンシステム構成第3
構成第2では、マイクロレンズの製造にいくつかの問題が生じる。1つの問題は、マイクロレンズの扇形フェザーパターンを正確に形成することが困難であるという点である。扇/フェザーパターンの代わりに互いに平行に配置されたマイクロレンズを使用することが望ましい。
第2の問題は、構成第2で導光体を製造するのに使用されるモールドに関するものである。図36を参照すると、部分445の前部側面が導光体450の直線的に延びた背部表面部分と平行になるように、エミッタ200に対向する部分445の外面が垂直であることが望ましい。しかし、厳密に平行な表面を製造するのは困難である。更に、導光体450がその底部で広くなる場合に、そのモールドから取り除くのが容易でなくなる。従って、2つの表面は、一般的に楔を形成し、エミッタ200に面する部分445の表面は、完全に垂直ではない。これを補償するために、マイクロレンズは、入射光ビームの平面に垂直になるように配置される。
第3の問題は、最適性能のためにマイクロレンズをその対応するエミッタ又はレシーバに対して正確に配置すべきであるという制約である。このような位置決めに対する許容誤差は低い。従って、正確に位置付けることができるように導光体の部分445を分離し、更にアセンブリの間に望ましい又は電子デバイスの衝撃による移動に対するロバスト性に対して望ましい導光体の残りの部分に対するより大きい許容誤差を可能にすることが望ましい。
図40−42及び48に示されている構成第3は、これら及び他の問題を克服するように機能する。
図40を参照すると、本発明の実施形態によるディスプレイ637及び外側ケーシング827を有する電子デバイスの関連での二重ユニットガイドの側面を示す概略図が示されている。図40には、図36に類似の構成であるが、導光体450が上側部分463と下側部分464に分かれている構成が示されている。マイクロレンズは、下側部分464の上面466に位置付けられる。従って、マイクロレンズは、導光体464の平行化レンズ部分に組み込まれていない。
構成第2では、平行化レンズの曲線形状にマイクロレンズのための扇/フェザーパターンをエッチングしておくことが必要になる。対照的に、構成第3では、マイクロレンズが矩形表面466にエッチングされ、平行行として配置される。本明細書では「管状配置」と呼ぶ平行配置が図42に示されている。具体的には、平行な一連のマイクロレンズ467が、図42の導光体464の上面に沿って示されている。
構成第3の利点は、モールドが導光体464の上部から持ち上がった1つの平面であるので、導光体の平坦上面が可能な限りスクリーン表面に平行に成形することができるということである。更に、構成第3では、導光体の部分464だけしか位置決めに対する低い許容誤差の要件を持たない。部分463は、その表面が要素のフォーカスに置かれないので高い許容誤差を有する。
図40に示すように、表面465で導光体ユニット464に入射するエミッタ200によって放出された光ビーム100は、反射面451によって反射されて表面466を通り、導光体ユニット463に入る。導光体ユニット463の内側で、光ビーム100は面452によって反射され、面453を通ってディスプレイ637の上に出る。
図40は、ディスプレイ637の上の導光体によって追加された高さH3が、内部反射面452の高さH1及び外側ケーシング827の厚みの高さH2を含むことを示している。
図41を参照すると、本発明の実施形態によりPCB700及び外側ケーシング827を有するデバイスの関連内での導光体ユニット463及び464の図が示されている。導光体ユニット464の上面の管状パターンは、精細パターンである。このパターンが光ビームを正確に配分するためには、導光体464は、そのそれぞれのLED又はPDに対して正確に置かれる。対照的に、導光体ユニット463は、平坦反射面を有し、このような正確な配置を必要としない。図41は、導光体ユニット463及び464の相対的な位置決めを示す。この配置は、距離523によって表され、1mmまでの許容誤差を有する。距離522は、導光体ユニット間の高さを表している。
図42を参照すると、本発明の実施形態による図41の導光体ユニット463及び464の上面図が示されている。管状パターン467が、導光体ユニット464の上面に現れている。
タッチスクリーンシステム構成第4
構成第4は、ディスプレイの上方の導光体の高さを低減する反射導光体及びレンズを使用する。構成4の反射導光体及びレンズは、構成第2のフェザーパターンレンズ、構成第3の管状パターンレンズ、及び構成第5の交替反射ファセットと共に使用するのに適している。デバイスの縁部と同一平面のディスプレイ表面を備えた多くの電子デバイスが設計される。これは、美的な特徴であることが多く、光ベースのタッチスクリーンを電子デバイスに一体化する場合に、隆起したリムを最小にするか又は排除することが望ましい。眼に見える突出したリムがないことで、デバイスの外面がより滑らかになりかつ平らになる。
更に、光ベースのタッチスクリーンでは、隆起したリムがディスプレイの縁部を超えてディスプレイの周りの幅を占める。デバイスの縁部にシームレスに延びるディスプレイ表面を備えた多くの電子デバイスが設計される。これは、美的な特徴であることが多く、光ベースのタッチスクリーンを電子デバイスに一体化する場合に、反射隆起リムがディスプレイのシームレスな拡張部に見えるように設計することが望ましい。
構成第4は、ベゼルの高さを低減してディスプレイの縁部とデバイスの外側境界の間にシームレスな遷移を提供することによってこれらの目的を達成し、より魅力的な美的設計をもたらす。構成第4の導光体は、細長い丸い縁部を有する外側ケーシングに一体化され、それによって鋭い角度及び直線表面を和らげる。
構成第4は、2つのアクティブミラー表面、すなわち、入射光を折り返してフォーカス位置に集束させるパラボラ反射面とフォーカス位置からの光を集めて光をスクリーンにわたるビームに平行化する楕円形の屈折表面を利用する。
図43を参照すると、本発明の実施形態による電子デバイス内の導光体の概略側面図が示されている。図43には、外側ケーシング828とディスプレイ637の間の導光体468が示されている。エミッタ200からの光ビームは、表面445を通って導光体468に入る。マイクロレンズのフェザーパターンが、光ビーム100を散乱させるために表面445の下側部分に存在する。光ビーム100は、内部凹型反射面469によって及びパラボラ反射面470によって反射され、楕円形反射面471を通って導光体468を出る。楕円形屈折表面471は、ディスプレイ637の表面に平行な平面に光ビーム100の少なくとも一部分を向け直す。光ビーム100は、ディスプレイ637の他端で、ビームを光レシーバ300に向ける類似の導光体によって受光する。光レシーバ300によって検出された光強度は、計算ユニット770に通信される。
図44を参照すると、本発明の実施形態により電子デバイスの一部分及び光ビームを折り返すための少なくとも2つのアクティブ表面を備えた導光体の上側部分の簡略な側面の切取図が示されている。図44には、導光体の上側部分472が示されている。表面473は、パラボラ又はパラボラに準じる部分の一部であり、又はこれに代えて焦線475を有する自由な形態である。焦線475及び表面473及び474は、ディスプレイ637のリムに沿って延びている。表面474は、楕円又は楕円に準じる部分の一部であり、又はこれに代えて焦線475を有する自由な形態である。
エミッタ側で、光ビームが導光体に入り、パラボラミラー473が、導光体の内側のフォーカスにビームを反射する。屈折楕円レンズ474は、パラボラミラー473と同じフォーカスを有する。楕円レンズ474は、フォーカスからの光をディスプレイ637上の平行化光ビームに屈折させる。レシーバ側で、平行化光ビームが導光体に入り、楕円レンズ474によってフォーカスに屈折される。パラボラミラー473は、導光体の内側のフォーカスからのビームを平行化出射ビームに反射する。
図43の表面469は、90度上方に光ビーム100を折り返す。表面469は、パラボラの一部として形成される。本発明の一実施形態において、表面469は、完全に垂直ではなく僅かに傾斜している入力表面445に対して、かつ単一のポイントよりも広い光源のための収差に対して修正される。
表面469及び470は、光ビームを折り返すために内部反射を使用する。従って、これらの表面は、ほこり及び引っかき傷から保護しなければならない。図44では、表面473が外側ケーシング829によって保護される。導光体の下側部分472(図示せず)は、電子デバイス内の深いところにあり、従って、保護される。
構成第4を使用すると、反射面473の実質的に全てがディスプレイ637の上面の下に位置付けられる。従って、この構成は、構成第2よりも電子デバイスに高さを追加しない。図43を参照すると、本構成における導光体によって追加される高さH3’は、構成第2における対応する高さH3よりも小さい外側ケーシングの厚みH2に大体等しい。更に、図43の表面471及び図44の表面474の凸面形状は、図36の垂直面453よりもユーザがきれいにしやすい。従って、ユーザは、ディスプレイ637及び表面471に貯まったほこりと汚れを容易に拭き取ることができる。外側ケーシング828が表面471の上方にある代わりに表面471の高さと同じ平面にあるので、構成第4は、図36の面454に対する必要性を排除することに注意されたい。
図43の表面471の凸面形状は、図36の垂直面453よりもベゼルをより眼に見えない突出部にする。
一部の電子デバイスは、デバイスの4つの縁部に延びるガラスの平面シートで覆われている。デバイスの縁部の近くのガラスの下側は、黒色で塗装され、ディスプレイは、ガラスの中央の透明な矩形の窓を通して見られる。このようなデバイスの例は、カリフォルニア州クパチーノ所在のアップル・インコーポレーテッドによって製造されるIPHONE(登録商標)、IPOD TOUCH(登録商標)、及びIPAD(登録商標)、及びフラットパネルコンピュータモニタ及びテレビジョンの様々なモデルを含む。一部の場合には、(a)導光体がスクリーンガラスから離れたユニットであり、従って、その間の境界が目立つことがあり、かつ(b)導光体がスクリーンの下で延び、従って、導光体の下側が黒で塗装されている場合でも、導光体の底部とスクリーンガラスの間の高さの違いが目立つために、本明細書に説明する様々なタッチスクリーンを取り囲む導光体は、見た目が美しくない場合がある。本発明の実施形態は、この問題を克服するために2ユニット式導光体を利用する。
1つのこのような実施形態において、導光体の上部ユニットが、スクリーンガラスに結合される。これに関して、図45を参照すると、本発明の実施形態によるディスプレイ637を覆う保護ガラス638の一体部分として形成される透明光学タッチ導光体476の部分の概略図が示されている。保護ガラス638の下側の日光フィルタシート639は、黒の塗装の代わりに、光ビーム100を遮ることなくディスプレイ637の縁部を隠すように機能する。導光体476は、外側楕円表面478及び内側パラボラ表面477を有し、外側ケーシング830に滑らかに結合する。光ビーム100は、図44のように導光体476を通過する。
一部の場合には、一体化された反射レンズを備えた保護ガラスカバーの製造コストは、高価である場合がある。従って、本発明の代替の実施形態において、黒い物体が導光体の上部及び底部ユニット間に置かれる。黒い物体の高さは、電子デバイス内で、保護ガラスの下側の黒の塗装の高さに合わせられる。これに関して、図46を参照すると、本発明の実施形態によるスクリーン縁部を密封するようなっている図44の電子デバイス及び導光体の概略図が示されている。図46には、黒い塗装又はこれに代えてディスプレイ637を覆う保護ガラス640の下側の日光フィルタシート641が示されている。黒色プラスチック要素482が、黒い塗装/日光フィルタシート641に一列に配置され、それによって保護ガラス640の縁部はユーザには見えない。黒色プラスチック要素482は、赤外線光を透過して光ビーム100を通過させる。
図47を参照すると、本発明の実施形態によりエミッタ200の反対側からディスプレイ637の上方に延びる単一ユニットである導光体483の概略図が示されている。外側ケーシング832の一部分が、導光体483の上部と同一平面であるように示されている。導光体483の下側部分は、マイクロレンズのフェザーパターン484を有し、エミッタ200から到着する光ビームを散乱させる。受光側では、光ビームは、導光体483に類似の導光体の底部から出てレシーバに向う。同じフェザーパターン484がレシーバまでの途中で光ビームを分解する。
図48を参照すると、本発明の実施形態による二重ユニット導光体の概略図が示されている。図48には、上部ユニット485及び底部ユニット486を有する導光体が示されている。外側ケーシング832の一部分が、導光体ユニット485の上部と同一平面である。ディスプレイ637は、導光体ユニット485の右に示されている。導光体ユニット486の上面は、マイクロレンズの管状パターン487を有し、エミッタ200から到着する光ビームを分割する。受光側では、光ビームは、図48に示す導光体に類似の導光体の底部を通って外に出てレシーバに向う。同じ管状パターン487が、レシーバまでの途中で光ビームを分割する。
図36及び40に関して上述したように、管状パターン487を有する導光体ユニット486の位置決めは、高い精度を必要とし、導光体ユニット485の位置決めは、このような精度を必要としない。光ビームにおける管状パターン487の効果は、そのそれぞれのエミッタ又はレシーバに対するその正確な配置に応じて異なる。導光体ユニット485におけるアクティブ表面は、大部分自己包含型であり、すなわち、これらが図44の焦線475のような内部焦線に両方の集束されるので、より耐性がある。
デバイススクリーンの下のエミッタ及びレシーバの配置、及び各エミッタ又はレシーバの反対側の平行化反射要素の配置は、デバイスの厚みに制限を課すことに注意されたい。第1の制限は、デバイスの厚みが少なくともスクリーンの厚みとエミッタ又はレシーバの厚みとの和でなくてはならないことである。第2の制限は、スクリーンの上方で上向きに反射される光を適切に平行化するために、エミッタ又はレシーバの反対側の反射要素が、特に図37及び38に示すように、凸面「スマイル」形状に湾曲されるという点である。凸面形状は、デバイスの総厚みに追加される。
タブレット及び電子書籍読取器の設計者は、可能な限りスリムな形状因子を達成するように努めている。従って、本発明の実施形態により、レシーバ及び平行化レンズは、スクリーンの下に置かれる代わりにスクリーンの周りの境界部分の内側に置かれる。これは、デバイスを閉じるためのスクリーン以外の境界エリアを提供するタブレット及び電子書籍読取器に対して特に有利である。
図49を参照すると、本発明の実施形態によるユーザによって保持されたタッチスクリーンデバイスの概略図が示されている。図49には、手930が持つフレーム840によって囲まれたタッチスクリーン800を備えたデバイス826が示されている。
図50を参照すると、本発明の実施形態によりスクリーンを覆う幅広光ビームを備えたタッチスクリーンの概略図が示されている。図50は、タブレット又は電子書籍読取器のような電子デバイスの関連でのタッチスクリーン800を備えたタッチシステムの上面図及び側面図を示している。図50はまた、光を平行化するための空隙555によって分離されたレンズの対550及び551に各々が結合されているエミッタ200及びレシーバ300を示している。側面図は、タッチスクリーン800を取り囲むデバイスケース827及びフレーム849を示している。フレーム849は、ユーザがデバイスを保持するためのグリップを提供し、要素200、300、550、及び551を収めるのに十分広い。
光は、硬いレンズよりも複数の空気−プラスチック界面を使用して短い距離にわたって効率的に平行化される。エミッタ、レシーバ、及びレンズは、タッチスクリーン800の表面と実質的に同一平面上にある。デバイスの高さに沿ったレンズ500及び551の平坦な曲線のないプロフィールは、レンズ500及び551の場合に光がスクリーン表面の平面に沿ってのみ投影されるという事実のために、図37及び38のレンズのプロフィールよりも低い。デバイス形状因子に追加される高さは、スクリーンを横切って光を向けるためのタッチスクリーン800の上方のベゼル又はレンズ551の高さだけである。マイクロレンズパターンが、例えば、重なり合ったビームを発生させるのに使用される場合に、マイクロレンズパターンを含む第3のレンズが追加される。これに代えて、マイクロレンズパターンは、2つのレンズ500及び551の一方に形成することができる。
図51−53を参照すると、本発明の実施形態によるデバイスの関連での導光体の側面図、上面図、及び底面図の概略図がそれぞれ示されている。図51は、ディスプレイ635及びディスプレイ635と実質的に同一平面にある横から見たエミッタ200を示す側面図である。マルチレンズアセンブリがディスプレイ635の上方で光を反射して幅広ビームを出射する。図51は、空隙555及び556によって分離された3つの部分550−552を備えたマルチレンズアセンブリを示している。部分550及び551は、空隙555の下で接続されており、ディスプレイ635を取り囲む硬いフレームの一部を形成している。フレームは、横を向いたエミッタ200又は類似の形状のレシーバを収容するための空洞220を含む。レンズ部分550及び551は、共に上述したように幅広平行化ビームを発生させる。レンズ部分552は、図41及び42に関して上述したようにマイクロレンズの管状パターンを含む。図51は、ディスプレイ635の上方で交差するビーム105の光線を示している。PCB700は、エミッタ200、ディスプレイ635、及び導光体フレームを支持するための基板を形成する。
図52は、空隙555及び556によって分離されたレンズ部分550−552を示す上面図である。図52は、レンズ部分550及び551が幅広光ビームをどのように平行化するかを示すために3つの平行化ビーム105を示している。図52はまた、レンズ部分550及び551によって形成された硬いフレームにレンズ部分552を接合する小さいコネクタ559を示している。従って、全ての3つの部分550−552は、プラスチックの単一部分から形成することができる。
図53は、3つのエミッタ200を収容するエミッタ/レシーバの空洞220を備えたレンズ部分500を示す底面図である。
タッチスクリーンシステム構成第5
本発明の実施形態により、高分解能タッチ感度は、構成第2及び第3に関して上述したような共通エリアに跨がる2つ又はそれよりも多くのエミッタ−レシーバ対信号を結合することによって達成される。構成第5は、重なり合った検出を提供するための代替の光学要素とエミッタ及びレシーバの代替の配置とを提供する。
重なり合った検出ビームを提供するために様々な方法を使用することができる。1つの方法は、スクリーンを横切って僅かに異なる高さに投影される2つの個別の幅広ビームを提供することである。両方のビームが共通スクリーンエリアを覆い、従って、そのエリアにおけるタッチに対する複数の検出信号を提供する。別の方法は、両方のビームが一度に起動された場合に2つの幅広ビームの光線をインターリーブする光学要素を提供することであり、これは、2つのビームからの微小光線をインターリーブするために回折構造を使用して、又は2つの光源からの0.1−0.6mm程度のビームをインターリーブするために僅かに大きい交替ファセットを使用することで達成することができる。一般的に、2つのビームは別々に起動される。従って、これらは、共通のスクリーンエリアを覆うが、実際にはインターリーブされない。この後者の代替は以下に説明する。
図54を参照すると、本発明の実施形態によりエミッタ及びレシーバによって囲まれたタッチスクリーン800の概略図が示されている。図55を参照すると、本発明の実施形態により3つの角度から示した反射ファセットの波状の角度パターンを備えた光学要素530の概略図が示されている。図55には、光学要素530の3つの図、(a)、(b)、及び(c)が示されている。エミッタからの光が、広角オーバラッピングビームとして光学要素530に入る。図55は、要素530の表面541に面するエミッタ200−202を示している。それぞれのエミッタ200−202からの幅広ビーム107−109が、表面541を通って要素530に入る。図55はまた、隣接するエミッタ要素間の距離又はピッチを示している。
幅広ビーム107−109の各々は、2つのピッチに跨がり、同様に幅広ビームは、隣接するエミッタ間のエリアで重なり合う。要素530の表面542は、隣接するエミッタで交互に向けられるファセットの波状のパターンとして形成される。図55(c)は、表面542上の交互になった影と影でないファセットを示している。エミッタ200と201の間の要素530では、エミッタ200を向いた影のファセットが、エミッタ201に向けられた影でないファセットと交互にされる。エミッタ201と202の間の要素530では、エミッタ202を向いた影のファセットが、エミッタ201を向いた影でないファセットと交互にされる。
図56を参照すると、本発明の実施形態による2つの隣接するエミッタからの光を反射、平行化、及びインターリーブする光学要素の概略図が示されている。図56に示すように、要素530の各反射ファセットは、その対応するエミッタからの光線を平行化し、それによって2つのエミッタからの平行化光線をインターリーブする。図56は、2つの隣接するエミッタ200及び201からの光を反射及び平行化する光学要素530を示している。要素530の交替ファセットが、これらの2つの要素上にフォーカスする。平行化光線をインターリーブすることにより、要素530は、重なり合った幅広ビームでスクリーンを横切る2つのエミッタからの光を平行化する。反対側のスクリーン縁部の要素530は、幅広ビームをそれぞれのレシーバに向ける。
表面542上の各ファセットは、その要素に集束させるために正確に角度が付けられる。各ファセットの表面エリアは、十分な量の光が検出のために提供されるように構成される。
光学要素530の代替の実施形態は、反射の代わりに屈折を通して入射幅広ビームを平行化及びインターリーブする。このような場合に、波状のマルチファセット表面が、光学要素530の入射又は出射表面に置かれる。反射ファセットの場合に、ファセットが光学要素の内側で光を向け直す。
時には、例えば、電力を節約するために、低周波数モードでタッチスクリーンを稼働することが望ましい。構成第5は、正確な低周波数走査モードを可能にする。本発明の実施形態により、スクリーン軸に沿った2つの検出信号が各タッチ場所に対して提供される。低周波数モードでは、第1の走査中に全ての他のエミッタレシーバ対が起動され、従って、1つのスクリーン軸に沿って対の半分だけを起動するが、それにもかかわらずスクリーン全体をカバーする。第2の走査中に、この軸に沿った残りのエミッタ−レシーバ対が起動される。従って、奇数のエミッタ−レシーバ対が最初に起動され、次に、偶数のエミッタ−レシーバ対が起動され、従って、2つのフルスクリーン走査を提供し、全てのエミッタ及びレシーバ要素にわたって均一に使用を広げる。電力消費を最小限に維持するために、矩形スクリーンの短い方の縁部に沿ったエミッタ−レシーバ対だけが起動される。
本発明の代替の実施形態において、スクリーンの両方の軸が走査され、各走査された軸は、スクリーンに向けられる初期タッチ情報を提供する。従って、単一の軸の複数の走査を連続して起動する代わりに、代替の実施形態において、個別の軸の走査の連続起動が作動される。4つの走査のシーケンスは、4つのサンプリング間隔で起動され、すなわち、(i)第1のスクリーン軸に沿ったエミッタ−レシーバ対の最初の半分が走査され、(ii)第2のスクリーン軸に沿ったエミッタ−レシーバ対の最初の半分が起動され、(iii)第1のスクリーン軸に沿ったエミッタ−レシーバ対の第2の半分が起動され、更に(iv)第2のスクリーン軸に沿ったエミッタ−レシーバ対の第2の半分が起動される。
反射要素の設計
光学要素の交替反射又は屈折ファセットを設計する目的は、エミッタからレシーバへの直線信号勾配S(x)により、補間の基礎として適正な勾配を提供する光分布を発生させることである。いくつかのパラメータが光分布に影響を与える。
図57を参照すると、本発明の実施形態によるマルチファセット光学要素530の概略図が示されている。図57には、以下に説明するように光学要素の各ファセットからの光を制御するパラメータが示されている。
光強度分布は、その3乗cos3θに従って極角θに依存する。角度θは、異なるファセットに進む単一のエミッタ又はレシーバ要素のビーム間の距離110と、エミッタ又はレシーバ要素及び要素530間の距離111との関数である。
ファセット幅Bは、容易に調節可能なパラメータである。
フレネル損失Fは、ビームが光学要素530に入射した場合に、要素530の屈折率によって起こる反射による光損失の量である。ブルースターの角度の下での様々な角度θ間のフレネル損失Fの偏差は1%未満であり、従って、ごく僅かである。
ファセットビーム幅Yは、単一ファセットビームによって覆われる総幅である。交替ファセットは、隣接するファセットのフォーカスが隣接するエミッタ202に合った時にエミッタ201からの光のギャップを発生させる。各ファセットからの光はギャップを覆う。ファセットビーム幅Yは、ファセット幅B及び隣接するファセットの幅に依存する。図57は、エミッタ201に向けられたファセット545、547、及び549と、エミッタ202に向けられた隣接するファセット548及び546とを共に覆うそれぞれのファセットビーム幅Y545、Y547、及びY549を示している。
図58を参照すると、本発明の実施形態による9つのファセットに対する光分布における反射ファセットパラメータθ、Y、及びBの効果を示す略グラフが示されている。図58のグラフは、実際の光分布及び基準線形関数を示している。図58に示すように、実際の光分布信号は実質的に線形である。グラフのデータは、全ての態様で1の値を割り当てられるx軸上の位置0に位置決めされた中心ファセットに基づいて正規化される。従って、ファセット幅Bは、グラフではBnormのラベルが付けられ、ファセット幅は、中心ファセットの幅に対して正規化される。一般的には、角度パラメータθは、x軸に沿った位置0と2の間のcos3とラベルが付けられたθ曲線の平面部分における図58に示すようなθの小さい値に対して平面の傾斜曲線を提供する。小さいθに対する勾配は、パラメータBを調節することによって増し、次に、これはYfactorのラベルが付けられたパラメータYに影響を与える。完全な信号は、グラフでsignalのラベルが付けられており、実質的に線形である。
パラメータθ、B、F、及びYの関数としてのファセットに対する光強度kは、次式のように表される
従って、ファセットの照度kは、中心ファセットに対するθ=0に基づいて正規化される。
表Iは、1つのエミッタ又はレシーバ要素に集束させた一連の9つのファセットにおける各ファセットに対するパラメータを列挙している。表Iでは、1の幅を有する中心ファセットに基づいて、x−posが、中心ファセットからミリメートルの距離を示し、Bが、ミリメートルのファセット幅を示し、B−normが、正規化されたファセット幅を示し、Yfactorが、中心ファセットビームの幅に正規化されたファセットビーム幅を示し、Signalが、各ファセットに対する正規化信号値を示し、Lineが、基準直線に対する信号値を示している。
(表I)
表IIは、エミッタ及び隣接するレシーバのような2つの隣接する要素に集束させた一連の交替ファセットに対するパラメータを列挙している。表IIでは、ファセット番号1−5は、エミッタにフォーカスが合っており、ファセット番号6−9は隣接するレシーバにフォーカスが合っている。3つの値が、各ファセットに対して列挙され、すなわち、その幅、B、エミッタに対する中心ファセットの中心に対してx軸に沿ったその位置、x−pos、及びファセットの外縁の位置、border_posが列挙されている。全てのファセット値はミリメートルで示されている。
(表II)
要素530によって発生される信号
図59を参照すると、本発明の実施形態によるスクリーンを横切る幅広光ビームを備えたタッチスクリーンの概略図が示されている。図60を参照すると、本発明の実施形態によるスクリーンを横切る2つの幅広光ビームを備えたタッチスクリーンの概略図が示されている。図61を参照すると、本発明の実施形態によるスクリーンを横切る3つの幅広光ビームを備えたタッチスクリーンの概略図が示されている。図59に示すように、スクリーン800は、エミッタ及びレシーバによって囲まれている。エミッタ−レシーバ対200−300によって検出されるスクリーン800上の幅広検出エリアを表す幅広ビーム167が示されている。幅広ビーム167は、上述されているが図59−61に示されていない要素530のような光学要素によって発生される。第1の要素530がエミッタ200からの光を平行化し、第2の要素530がレシーバ300に幅広ビーム167の集束させる。グラフ910は、幅広ビーム167の幅全体で検出される信号強度の勾配を示している。
図60は、それぞれのエミッタ−レシーバ対201−301及び202−302によって検出されるスクリーン800上の幅広検出エリアを表す隣接する幅広ビーム168及び169を示している。それぞれのグラフ911及び912は、幅広ビーム168及び169の幅にわたって検出される信号強度の勾配を示している。
図61は、図59及び60の3つの幅広ビームを示している。図61に示すように、ビーム167の左半分は、ビーム168の半分に重なり合っており、ビーム167の右半分は、ビーム169の半分に重なり合っている。グラフ910−912における強度勾配は、ビーム167の幅に沿ったいずれの位置のタッチも2つの重なり合った幅広ビームの2つの勾配に沿って検出されることを示す。同様に、スクリーン上のいずれの位置のタッチも、各軸上の2つの重なり合った幅広ビームの2つの勾配に沿った垂直及び水平軸の両方で検出される。正確なタッチ座標は、検出信号勾配に基づいて2つの信号のタッチ場所を補間することによって計算される。図56は、2つの重なり合ったビームの幅にわたる光信号減衰勾配920及び921を示している。光信号減衰勾配920は、エミッタ要素200から放出されたビームに対応し、光信号減衰勾配921は、エミッタ要素201から放出されたビームに対応する。従って、ビームは、要素のすぐ上方で最大強度を有し、いずれの側でも徐々に減っていく。重なり合ったビームに対して2つの異なる傾斜勾配を有することは、以下に説明するように正確なタッチ場所を計算するのに有利である。
図62を参照すると、本発明の実施形態によるタッチスクリーンにおける幅広ビームの光分布の略グラフが示されている。図62の下側部分は、幅広ビーム167にわたる経路を示しており、図62の上側部分は、この経路に沿った信号強度分布を示すグラフである。グラフのx軸は、ミリメートルの単位での水平方向のスクリーン寸法を表している。グラフのy軸は、スクリーン軸に沿って10mmに置かれたエミッタ−レシーバ対200−300によって検出されるベースラインの信号強度を表している。信号は、10mmのピッチで配置されたエミッタ及びレシーバ要素を備えたスクリーンに対応する。従って、検出される幅広ビームは20mmに及ぶ。グラフにおけるスパイクは、隣接する要素で交互に光線の集束させる上述の光学要素530の交替ファセットによって起こる。従って、スパイクは、測定されるエミッタ−レシーバ対に属するファセットに対応し、隣接するトラフは、隣接するエミッタ−レシーバ対に属するファセットに対応する。これらのスパイクにかかわらず、測定されるスクリーン軸に沿った指又は別の物体の検出信号は、指が狭いスパイク及びトラフチャネルより広いので、ビームの全20mmスパンに沿った比較的滑らかな勾配を有する。従って、指は、指がスクリーンの軸に沿って摺動する時に実質的に均一のままである一連のスパイクを遮る。例えば、指先は、約6mmの幅であるが、図62のグラフには、10mmに8−9のスパイクが存在する。
図63を参照すると、本発明の実施形態により指先がスクリーンを横切って移動した時の3つの幅広ビームからの検出信号の概略図が示されている。図63には、スクリーンの軸に沿って3つの隣接した幅広ビームにわたって指先が移動した時の指先の3つの検出信号が示されている。信号の各々から、指が幅広ビームに入った時に指がビームの小さい部分を塞いだことが明らかである。指がビームの中心に向けて軸に沿って動いた時に、ビーム強度の約40%を指が遮るまで指はビームを徐々に遮り、予想されるベースライン信号の60%の最小検出によってグラフに示されている。指が更に軸に沿って移動した時に、指は、徐々にビームを遮らなくなる。検出曲線の形状は、図62に示す光ビームにおけるピーク及びトラフにかかわらず比較的滑らかである。ピークのために少なくとも部分的である図63の検出曲線に沿った僅かな変動があるが、これらの変動は最小であり、信号の傾向を大きく歪めることはない。
図64−66を参照すると、本発明の実施形態によるタッチスクリーンにおける重なり合った幅広ビームの光分布の略グラフが示されている。総合すると、図62及び64−66は、10mmの空間が空けられたエミッタ−レシーバ対を備えたスクリーン上の3つの隣接する幅広光ビームにわたる光分布を示している。これらの図から分るように、光学要素530のファセットは、2つのエミッタ−レシーバ対による重なり合ったタッチ検出を提供する。図64は、測定されるスクリーン軸に沿った位置0に置かれたエミッタ−レシーバ対からの光信号を示している。図65は、測定されるスクリーン軸に沿った位置20mmに置かれたエミッタ−レシーバ対からの光信号を示している。図66は、図62、64、及び65の3つのエミッタ−レシーバ対からの光信号を示しており、これらの光ビームがスクリーン表面の重なり合ったエリアをどのように覆うかを示している。図63は、指先がスクリーン軸に沿って動いた時の図66の3つのエミッタ−レシーバ対の3つの検出信号を示している。
タッチ検出信号は、指を使用する時よりも先の細いスタイラスを使用する時の方が滑らかでない。例えば、スタイラスチップが光信号におけるピークをあまり覆わないので、スクリーンを横切って動く2mmスタイラスチップは、6mmの指よりも検出信号の変動を生じ、従って、信号ピークに入って出る動きは、遮られた信号のより大きい部分を変化させる。これにもかかわらず、本発明の実施形態は、この欠点を克服し、複数の検出信号を補間することにより、精度の高いレベルでスタイラスタッチ場所を決定する。
図67を参照すると、本発明の実施形態により指先が3つの異なる位置でスクリーン全体に動く時の幅広ビームからの検出信号の略グラフが示されている。図67の底部には、幅広ビーム167にわたって指でトレースされる3つの経路925−927が示されている。経路925は、LED200の近くにあり、経路926はスクリーン中央であり、経路927はPD300に近い。図67の上側部分におけるグラフは、LED縁部、スクリーン中央、及びPD縁部それぞれとしてグラフの凡例にラベルが付けられた3つの経路925−927を横切る時の指先の3つの検出信号を示している。グラフにおける3つの検出信号は、実質的に重なり合っている。従って、信号は、その深度に沿って均一に検出され、信号は、スクリーンの単に1つの軸に沿ったタッチの関数として変化する。従って、第1の軸に沿ったタッチ場所を決定することは、第2の軸に沿った検出信号とは無関係である。更に、信号の強度は、第2の軸に沿って均一であり、信号をロバストにする。
様々なスクリーンサイズのサポート
構成第5の一部の実施形態は、2つの隣接する光放出又は受光要素に集束させた交替ファセットを有する光学要素を含む。このような光学要素が光エミッタ又はレシーバから分離している場合に、エミッタ又はレシーバは、一般的に特定のピッチで空間を開けられる。このような光学要素がエミッタ又はレシーバと共に硬いモジュールとして形成される場合に、組み込まれるエミッタ又はレシーバは、反射ファセットに対して正確に位置付けられる。隣接するモジュールに視準されたファセットは、そのモジュールに同様に置かれた隣接するモジュールにおける組み込み式エミッタ又はレシーバに従って視準される。このような位置決めは、スクリーンのサイズをピッチの整数倍に潜在的に制限する。例えば、エミッタ間の10mmのピッチでは、スクリーン寸法は10mmの整数倍でなくてはならない。本発明の実施形態は、以下に説明するようにこの制限を克服することができる。
図68を参照すると、本発明の実施形態による4つの光学要素及び4つの隣接するエミッタの概略図が示されている。図68には、1つの行に配置された4つの光学要素531−534が示されている。各要素は、エミッタ200−203のそれぞれのエミッタの反対側に位置付けられる。同じ構成が、レシーバに対して又は交替するエミッタ及びレシーバに対して組み立てられる。レシーバの場合に、エミッタ200−203は、レシーバによって置換され、交替するエミッタ及びレシーバの場合に、エミッタ200及び202は、レシーバで置換される。
光学要素531、532、及び534は、全てが同じ幅、例えば、10mm、すなわち、w1=w2=w4である。エミッタ200とエミッタ201の間のピッチP1は、標準的な間隔、例えば、10mmである。光学要素531のファセットは、10mmの標準的なピッチであるエミッタに対して構成される。ピッチP2及びP3は標準にしなくてもよい。デバイス製造業者が非標準ピッチで単一のエミッタを挿入することを可能にすることにより、製造業者は、いずれのスクリーンサイズも受け入れることができる。光学要素533の幅w3は、非標準サイズに対してカスタマイズされ、例えば、96mmのスクリーン長に対して、w3は、10mmの代わりに6mmであり、ピッチP2及びP3は、各8mmである。光学要素532は、ハイブリッド要素であり、要素532の左半分は、標準的な10mmピッチに従って位置決めされたエミッタ200及び201に視準したファセットを有し、要素532の右半分は、エミッタ201及び202に視準したファセットを特別に有し、ここでエミッタ202は、非標準配置を有する。光学要素534は、その左半分がエミッタ202及び203に視準したファセットを有し、その右半分が2つの標準的なピッチエミッタに視準されるので、ハイブリッド要素である。光学要素533は完全に非標準的であり、標準的な要素と同じ幅ではなく、エミッタ202に視準されるそのファセットを1つおきに有する。この例では、エミッタ202からのビームの幅は、標準的な20mm幅と比べると大体16mmである。従って、エミッタ202は、光学要素533に僅かに近づけて置かれる。
回折面
上述したように、回折面が本発明の実施形態で使用され、2つのエミッタからビームを共通経路に沿って向ける。図69を参照すると、本発明の実施形態により、2つのエミッタからのビームを共通経路に沿って向ける回折面の概略図が示されている。図69には、光の弧107及び108を2つの平行化レンズ525に放出するエミッタ200及び201が示されている。幅広ビーム167及び168は、レンズ525を出て、屈折表面560に入り、両方のビーム167及び168をスクリーンを横切る幅広ビーム193内に向ける。類似の光学配置が、幅広ビーム193を反対側のスクリーン縁部の2つのレシーバに分割する。各エミッタは、それぞれの反対側のレシーバと共に別々に起動される。2つのエミッタからのビームは、上述したように、ビーム193の幅に沿った異なる信号勾配を有する。2つの検出信号が、以下に提供される式(2)及び(3)からタッチ場所を計算するのに使用される。
平行の重なり合うビーム
上述したように、スクリーンの上で僅かに異なる高さで投影された平行幅広ビームは、本発明の代替の実施形態で使用され、スクリーン上のタッチ事象に対する複数の検出信号を提供する。
交替するエミッタ及びレシーバ
本発明の代替の実施形態において、エミッタ及びレシーバは、各スクリーン縁部に沿って交互に位置決めされる。図70を参照すると、本発明の実施形態により交替するエミッタ及びレシーバによって囲まれたタッチスクリーンの概略図が示されている。図71を参照すると、本発明の実施形態により交替するエミッタ及びレシーバによって囲まれたタッチスクリーンとスクリーンを横切る幅広ビームとの概略図が示されている。図72を参照すると、本発明の実施形態により交替するエミッタ及びレシーバによって囲まれたタッチスクリーンとスクリーンを横切る2つの幅広ビームとの概略図が示されている。図73を参照すると、本発明の実施形態により交替するエミッタ及びレシーバによって囲まれたタッチスクリーンとスクリーンを横切る3つの幅広ビームとの概略図が示されている。図71−73は、上述の図59−61に類似の重なり合った幅広ビームを示している。
図74を参照すると、本発明の実施形態によるエミッタ及び隣接するレシーバのための光を反射及びインターリーブする平行化光学要素の概略図が示されている。図74は、隣接する光ビームをインターリーブする光学要素530を示しており、第1のビームがエミッタ200から出射し、第2のビームが隣接するレシーバ301に入射している。図74はまた、第1のビームに対する信号勾配920及び第2のビームに対する信号勾配921を示している。タッチが両方のビーム上で検出された時に、傾斜した勾配は、以下に説明するように補間による正確なタッチ場所の決定を可能にする。
図67に関して上述したように、検出信号は、幅広ビーム内のタッチ場所の深度によって変化しない。従って、隣接する重なり合った幅広ビームの反対側の方向は、タッチ検出信号に影響を与えない。次に、これは、各ビームの方向にかかわらず重なり合ったビームからの信号の補間を可能にする。
マルチタッチ検出
マルチタッチ場所は、2つの軸に平行の方向に光を放出する光エミッタを通して明確に識別することが困難であることが多い。図75−78を参照すると、本発明の実施形態による光エミッタの第1の向きに比較して曖昧なマルチタッチ場所の図が示されている。図75及び76に示すように、対角線上に向けられたマルチタッチの位置を決定する場合の曖昧さが存在する。マルチタッチが2つよりも多いポインタを含む場合に、更に曖昧さが存在する。例えば、図75及び76に示されている2つのタッチケースは、図77に示されている3つのタッチケースに比較して、及び図78に示されている4つのタッチケースに比較して曖昧である。これらのケースの各々で、行及び列インジケータa−hは、同じ位置の光の不在を示している。このような曖昧さは、1つのポインタの影が別のポインタの一部分を覆い隠す効果を示す「ゴースト」によって起こる。
本発明の実施形態により、ゴーストは、タッチ検出のための格子の向きの2組の使用によって解消される。
図79−81を参照すると、本発明の実施形態により光エミッタの第2の向きに比較して明確である図75−77のマルチタッチ場所の図が示されている。図70及び71に関して上述したような交替するエミッタ及びレシーバの構成の使用、及び2組の検出軸を発生させるための追加の光学要素の使用は、重要な利点を提供する。1つの利点は、重なり合った幅広ビームのロバストな組を発生させ、それによって高精度でタッチ座標を決定するために複数の検出信号を補間することができる。別の利点は、第2組の軸における重なり合った幅広ビームを発生させることであり、それによって第2組の軸上のタッチ検出も正確である。
二重ユニット導光体が図41及び42に関して上述された。上述したように、導光体の下側部分464は、エミッタ及びレシーバに集束させた反射ファセット又はレンズを含み、上側部分463は、エミッタ及びレシーバに比較して精密な配置を必要としない反射面及びレンズを含む。構成第5では、交替反射又は屈折ファセットが下側部分の一部を形成する。3方向に光ビームを配分するための3側面屈折空洞が、上側部分の一部として形成される。構成第5では、マイクロレンズ467の使用は必要ない。これに代えて、交替ファセットが、図105に関して以下に説明するようにエミッタ又はレシーバを含む透明なプラスチックモジュールに形成される。これらのモジュールの配置は、下側部分464を置換し、上側部分463は残る。
図82を参照すると、本発明の実施形態による光ビームが4つの軸に沿って向けられたタッチスクリーンの概略図が示されている。図82には、スクリーン800の上縁に沿った光エミッタ200の行、及びスクリーン800の底縁に沿った光レシーバ300の行が示されている。スクリーン800の左及び右縁は、結合したエミッタ−レシーバ要素230の向かい合う行を含む。要素230は、エミッタとして及びレシーバとして作用する。本発明の実施形態において、エミッタ及びレシーバは、ペンシルベニア州マルヴァーン所在のVishayコーポレーションによって製造される反射及び透過型センサのような単一ユニットに結合される。本発明の別の実施形態において、LEDが、光放出及び検出の両方のために使用される。LED及び現在の電流制限抵抗器を使用して光を放出して検出する集積回路は、2003年10月のユビキタスコンピューティング(UbiComp)国際会議のDietz、P.H.、Yerazunis、W.S.及びLeigh、D.L.著「双方向LEDを使用した超低コスト感知及び通信」に説明されている。
図83を参照すると、本発明の実施形態により2つの格子の向きを備えた光エミッタ及び光レシーバの代替の構成の概略図が示されている。図83には、スクリーン周囲の周りの光レシーバ300との交替パターンの光エミッタ200が示されている。各エミッタによって放出された光は、向かい合うスクリーン縁部の2つのレシーバによって検出され、2つのレシーバは、その間のエミッタによって分離されている。
エミッタからの光が2つの向かい合うレシーバの外縁に達するように、各エミッタから放出された幅広ビームは、3つの光学レンズの距離を跨がなくてはならない。これは、共通のエミッタからの光を検出する2つのレシーバが、互いに隣接して位置決めされ、従って、各エミッタから放出された幅広ビームが、2つの光学レンズの距離だけに跨がればよいシフト位置合わせされたエミッタ及びレシーバを備えた上述の構成とは対照的である。
図84を参照すると、本発明の実施形態による交替する光エミッタ及び光レシーバの構成の概略図が示されている。図84に示すように、エミッタ201は、底部スクリーン縁部に沿ってレシーバ303と304の間に置かれ、エミッタ202は、スクリーン上縁に沿ってレシーバ301と302の間に置かれる。エミッタ201からの光は、レシーバ301及び302によって検出され、エミッタ202からの光は、レシーバ303及び304によって検出される。
図85を参照すると、本発明の実施形態により2つのレシーバによって検出されるエミッタからの2つの幅広光ビームの概略図が示されている。図85には、レンズ440から出てレシーバ301及び302それぞれによる検出のためにレンズ441及び443に到達するエミッタ201からの2つの幅広ビームが示されている。1つの幅広ビームは、縁部145及び146によって境界を付けられ、他方の幅広ビームは、縁部147及び158によって境界を付けられる。平行線模様の三角形のエリアは、タッチがレシーバ301及び302で検出される重複部分を示す。
図86を参照すると、本発明の実施形態による2つの幅広ビームとこの間の重複部分のエリアとの概略図が示されている。エミッタ201からの1つの幅広ビームが、レンズ440から出てレシーバ301による検出のためにレンズ441に到達する。幅広ビームは、縁部145及び146によって境界を付けられる。エミッタ202からレシーバ303への別の幅広ビームは、縁部147及び148によって境界を付けられる。平行線模様のダイヤモンド形のエリアは、タッチがレシーバ301及び303で検出される重複部分を示す。
従って、エミッタ−検出器対が向かい合うスクリーン縁部に置かれている場合に、スクリーン上のいずれの位置も2つのエミッタ−検出器対によって検出され、上述したように正確なタッチ場所を計算することができることが当業者によって認められるであろう。
図87を参照すると、本発明の実施形態による検出光ビームの縁部に位置するタッチポイント980の概略図が示されている。図87は、タッチポイント980の位置を正確に決定するために光ビームがエミッタ及びレシーバレンズの縁部まで延びるのが望ましいことを示している。
図88を参照すると、本発明の実施形態によりディスプレイスクリーンの2つの縁部に沿ったレシーバに光を向けるディスプレイスクリーンの1つの縁部に沿ったエミッタの概略図が示されている。図88には、ディスプレイスクリーンの1つの縁部のエミッタ200からディスプレイスクリーンの反対側の縁部に沿ったレシーバ300及び301に放出された光ビームの第1の対と、エミッタ200からディスプレイスクリーンの隣接する左縁に沿ったレシーバ304及び305に放出された光ビームの第2の対が示されている。光ビームの第3の対(図示せず)は、エミッタ200からディスプレイスクリーンの隣接する右縁のレシーバに放出される。光ビームの第2及び第3の対の各々は、光ビームの第1の対に対して約45度の角度に向けられる。
図88には、レンズ439の左約45度に向けられたレンズ442及び443にエミッタ200からの光を屈折させるために使用されるレンズ439が示されている。本発明の実施形態において、レンズ439は、1.4−1.6程度の屈折率を有するプラスチック材料から作られる。従って、約84度の入射の角度は、45度の角度で光を屈折させるのに必要である。しかし、このような入射の大きい角度では、内部反射のために失われる光の量が大きい。スループットを改善するために、上述したように約45度の屈折の角度を達成するための2つの空気/プラスチック界面が使用される。
3方向マイクロレンズ
図89及び90を参照すると、本発明の実施形態により実質的に平面の2面及び3面の埋め込み空洞の反復パターンを備えたレンズ面を有する3方向に光を屈折させるためのレンズの概略図が示されている。エミッタ又はレシーバに面する平らな表面は、3面の空洞を形成する図89ではエミッタ又はレシーバから遠く、2面の空洞を分ける図90ではエミッタ又はレシーバに近い。
このような3側面レンズが一部の実施形態で使用される。第1の実施形態において、隣接するビームをインターリーブするための交替ファセットを有する追加の光学構成要素のないレンズが使用される。この実施形態において、幅広ビームがスクリーンを覆うが補間のための2つ又はそれよりも多くの検出信号を提供するために必ずしも重なり合わない。この実施形態に対する一般的な使用ケースは、指入力であり、スタイラス入力ではない。三方向レンズは、4つの異なる軸上の検出を可能にし、マルチタッチケースにおける曖昧さ及びゴーストを排除する。三方向レンズはまた、追加のタッチ場所情報を提供し、すなわち、2の代わりに4つの軸及び追加の情報が、単一のタッチに対してもタッチ場所の精度を増す。
第2の実施形態において、レンズは、隣接するビームをインターリーブするための交替ファセットを備えた又は重なり合う検出信号を提供する代替の構成を備えた追加の光学構成要素と共に使用される。この実施形態において、重なり合った幅広ビームは、補間のための2つ又はそれよりも多くの検出信号を提供する。この実施形態に対する一般的な使用ケースは、指及びスタイラス入力である。三方向レンズ及びインターリーブファセットを2つの個別の構成要素に形成することができる。インターリーブファセット構成要素の不明確な配置に対する許容誤差は低いが、三方向レンズ構成要素の不明確な配置に対する許容誤差は高いので、インターリーブファセット構成要素は、三方向構成要素よりもエミッタ又はレシーバの近くに位置付けられる。これに代えて、三方向レンズ及びインターリーブファセットを単一の硬い構成要素に形成することができる。例えば、回折格子が、2つの光源からの信号をインターリーブし、3方向にビームを分割する。
図89には、その下面上にマイクロレンズのパターン528を備えたレンズ527が示されている。図89に示すマイクロレンズパターンは、3つの実質的に平面の側面を有し、各側面は、異なる方向に光を屈折させる。マイクロレンズのパターン528が、レンズの上側部分の底縁に沿って鋸歯状の反復パターンを形成する。各マイクロレンズ528の3つの壁は、意図されたレシーバに向けてレンズから出る時に光を広い弧に広げるために僅かに湾曲している。
平行化レンズ部分(図示せず)が、平行ビームの光をマイクロレンズ528に向けるためにレンズ527の下に置かれる。
本発明の一部の実施形態において、レンズ527は、2レンズ配置の一部であり、レンズ527は、エミッタ又はレシーバから離れて及びスクリーン表面の近くに2つのレンズの上側のものを形成している。対照的に、図41に示す2部分レンズは、下側部分の上部にマイクロレンズパターンを有する。
交替ファセット構成要素からの平行化ビームを適切にインターリーブするために、三側面空洞のピッチは、交替ファセットのピッチよりも小さくなくてはならない。理想的には、空洞のピッチは、可能な限り小さく作らなくてはならない。約0.6mmの交替ファセットでは、空洞は、0.2mm又はそれよりも小さくなくてはならない。隣接する平面の各対間の2面角は、1.6の屈折率を有するプラスチックを使用して45度の屈折を達成するために約122°である。しかし、対角線軸の異なるセットでは異なる角度が望ましいことがあり、又は2面角が異なる場合には、異なる屈折率を有するプラスチックが望ましいことがある。
図89に示すように、入射平行化光は、2つの空気/プラスチック界面を通して屈折され、約45度である屈折の角度で現れる。マイクロレンズの内側平面に沿った第1の界面は、入射光を約58度である屈折の角度に屈折し、第2の界面は、光を屈折して約45度である屈折の角度で現わす。
図91−93を参照すると、本発明の実施形態により交替するエミッタ及びレシーバによって囲まれたタッチスクリーンとスクリーンを横切る対角幅広ビームとの概略図が示されている。図91及び92は、エミッタ200及び201からレシーバ300への対角線状の幅広ビームと対応する信号勾配910を示している。図93は、エミッタ202及び204からレシーバ302及び304への対角線状の幅広ビームと、対応する信号勾配911及び912とを示している。これらの幅広ビームは、図88の幅広ビーム167に重なり合っており、それによって補間のための複数のタッチ検出を提供する。
図94を参照すると、本発明の実施形態によりタッチスクリーンにおける対角線状の幅広ビームにわたる光分布の略グラフが示されている。図94の底部は、幅広ビーム167と第2の軸システムに従ってこのビームに交差する経路925とを示している。要素間のピッチが1単位である場合に、次に、このビームの幅は1/√2単位である。従って、要素間のピッチが10mmである場合に、次に、対角線軸に沿ったビームの直径は約7mmである。図94の上側部分は、幅広ビーム167全体の光分布を示している。図60の垂直ビームの20mmと比べて、信号は、対角ビームの約14mmの直径に跨がる。図62に関して上述したように、ビームの幅にわたる信号勾配は、正確なタッチ場所を決定するための複数の検出信号の補間を可能にする。
図95を参照すると、本発明の実施形態によりタッチスクリーンの3つの重なり合う対角線幅広ビームにわたる光分布を示す略グラフが示されている。図95は、図66に類似の第2の軸システムにおける3つの重なり合うビームにわたる信号分布を示している。異なる幅が、これらのビームの2組によって覆われる。
図96を参照すると、本発明の実施形態によるタッチスクリーンの3つの重なり合う対角線幅広ビームにわたって指がグライドした時のタッチ検出の略グラフが示されている。図96は、3つの隣接した重なり合うビームにわたって通過する指の受付が各ビームによってどのように検出されるかを示している。最大検出信号は、ベースライン信号強度の約40%であり、これは、指がビームの中心に来た時に発生する。この場合に、指は、ビームの光の総量の約60%を遮る。これは、図63の同じ指によって遮られる光の量、すなわち、40%より多い。この差は、垂直ビームより対角ビームが狭いからである。従って、6mmの指先は、ビームの光の大きい部分を遮る。検出信号は、タッチ場所を決定するために実質的に平滑でロバストである。
図97を参照すると、本発明の実施形態により指先が3つの異なる位置でスクリーンの上を移動した時の対角線幅広ビームからの検出信号の略グラフが示されている。図97は、タッチ検出が幅広ビームの深度に沿って安定したままであり、図67に関して上述したようにビームの幅にわたる位置に従ってのみ変化することを示している。
図98を参照すると、本発明の実施形態により交替するエミッタ及びレシーバによって囲まれ、それによってスクリーンを横切る対角及び直交幅広ビームが1つのレシーバによって検出されるタッチスクリーンの第1の実施形態の概略図が示されている。図98は、各スクリーン縁部に沿って位置した等しい数の要素を有する実施形態を示している。3つのビーム167−169が1つのレシーバ300に対して示されており、すなわち、1つは、向かい合うエミッタ200に向けられ、残りの2つは、隣接するスクリーン縁部のエミッタ201及び202に向けられる。対角ビームは、互いに垂直でない2つの軸を発生させる。
図99を参照すると、本発明の実施形態により交替するエミッタ及びレシーバによって囲まれ、それによってスクリーンを横切る対角及び直交幅広ビームが1つのレシーバによって検出されるタッチスクリーンに対する第2の実施形態の概略図が示されている。図99は、隣接するスクリーン縁部に沿って位置した異なる数の要素を備えた実施形態を示している。3つのビーム167−169が1つのレシーバ300に対して示されており、すなわち、1つが、向かい合うエミッタ200に向けられ、残りの2つが、1つが反対側の縁部にもう1つが隣接する縁部に位置するエミッタ201及び202に約45度の角度で向けられる。これらの対角線状ビームは、互いに垂直の2つの軸を発生させる。
手のひらの拒否
ユーザが、スタイラスで書き込む時に小指の下の手のひらの側に位置するユーザの小指球筋をタッチスクリーンの上に乗せた時に、一般的にゴーストが発生する。手のひらのこの部分は、タッチスクリーンの大きいエリアを塞ぎ、スクリーンの垂直軸に沿った一連の光ビームを遮ることが多く、それによって垂直軸に沿ったスタイラスのタッチ場所を隠す。
図100を参照すると、従来技術のタッチスクリーンにユーザがスタイラスで書き込んでいる概略図が示されている。図100には、スタイラス931を持つ手930が示されており、タッチスクリーン800上に線932が描かれている。ユーザの手のひらは、スクリーン800に乗っており、破線として示される光ビームの2つの列、すなわち、スクリーンの水平軸に沿った列113とスクリーンの垂直軸に沿った列114を遮っている。垂直軸上のスタイラスの先端の位置は、列114内にある。ビーム115は、スタイラスの先端を検出するが、水平軸位置を提供するだけである。
本発明の実施形態は、図100に示す欠点を克服する。図101を参照すると、本発明の実施形態によりユーザの手のひらがタッチスクリーンに乗っている場合のスタイラスの位置を検出する光ビームの概略図が示されている。検出軸の2組、すなわち、直交の組と対角線状の組を提供することにより、スタイラスの2次元位置が決定される。図101は、ビーム115及び116がスタイラスを一意的に検出することを示している。上述したように、信号が補間される重なり合った幅広ビームを各検出が含むので、スタイラスの位置は、ビーム115及び116が互いに垂直でないにもかかわらず高精度で決定される。ユーザの手のひらの底部が対角線状のビーム117を遮っていない時には、次に、ビーム117は、手のひらから離れたスタイラスの位置を検出する。このような場合に、ビーム116及び117が、スタイラス位置を検出するのに使用される。これに代えて、全ての3つの検出ビーム115−117を使用することができる。
スタイラスで書き込むためにユーザがスクリーンにユーザの手のひらを置く場合に起こるスタイラスと指入力の両方を指示するタッチスクリーンによって起こる別の問題は、アイコン上のタップとしての手のひらとスクリーン間の初期接触の誤った解釈であり、それに応答してデバイスは、アイコンが軽く叩かれた意図されないアプリケーションを起動する。手のひらがスクリーン上に乗せられた状態で、接触のエリアは、手のひらのタッチをスクリーンタップとして拒否するのに使用される。それにもかかわらず、初期接触は、スクリーンの小さい表面エリアを覆うことがあり、従って、スクリーンタップとして誤って解釈されることがある。
本発明の実施形態により、スクリーンの上方の光ビームは、スクリーンに近づいた時に手のひらを検出するのに使用される。一実施形態において、これは、ビーム102ではなくビーム101を遮って近づいていく指900を示す図14に例示されるように、スクリーンの上のいくつかの高さに各エミッタから光を投影することによって達成される。別の実施形態において、エミッタ及びレシーバの複数の層が、スクリーンの周りに配置され、ユーザ入力動作空洞に対して及び特にスクリーンの上部に折り畳まれた空洞フレームに対して上述したように、スクリーンの上の異なる高さで物体を検出するのに使用される。
図102を参照すると、本発明の実施形態によりタッチスクリーンを取り囲むフレームの概略図が示されている。図102は、図49のフレーム849に類似のタッチスクリーンを取り囲むフレーム849を示している。エミッタ200及びレシーバ300の2つの重ねられた行がフレームに提供される。電子デバイスのディスプレイに共に組み立てられた時に、エミッタ及びレシーバの積み重なった行は、ディスプレイ表面の上方に上げられ、2つの高さで、すなわち、エミッタ及びレシーバの低い方の行によるスクリーン上とエミッタ及びレシーバの上の方の行によるスクリーンの上方での2つの高さで物体検出を提供する。ユーザの手のひらがスクリーンにタッチを始めた時に、スクリーンの上方でホバリングする大きい手のひらエリアが検出される。それによって手のひらがスクリーンに近づいていること及びいずれのスクリーンタップも不注意であることをデバイスが判断することができるようになる。
本発明の別の実施形態において、スクリーンの上方をホバリングする手のひらを検出するためにエミッタ及びレシーバの1つの行を提供し、スクリーン上のタッチは、特に容量式又は抵抗式タッチセンサを含むディスプレイに与えられている従来の検出システムによって検出される。
本発明の実施形態により、ユーザインタフェースは、手のひらが検出された時に機能を起動するためのスクリーンタップを使用不能にする。手のひらが検出された時に、ユーザインタフェースは、ユーザがアイコンをタッチしてタッチスクリーンに沿ってタッチした位置から指をグライドさせることでアプリケーションを起動するように構成される。すなわち、2組のユーザインタフェース動作を提供する。手のひらが検出されなかった時に、動作の第1の組が使用される。動作の第1の組により、アイコン上のタップがアイコンに関連付けられたアプリケーション又は機能を起動する。手のひらがスクリーンの上方でホバリングしているのが検出された時に、動作の第2の組が使用される。動作の第2の組により、ユーザは、アイコンに関連付けられたアプリケーション又は機能を起動するためにアイコンにタッチし、次に、タッチスクリーンに沿ってタッチ場所から指をグライドさせることが要求される。従って、デバイスは、ユーザがスクリーンに手のひらを置いた時に意図しないアプリケーションを起動することはない。動作の第2の組は、アイコンの起動を使用不能にせず、タッチ及びグライド動作によってユーザがそれを望む場合に、アイコンに関連付けられたアプリケーション又は機能をユーザが起動することを可能にする。
コーナの周りの要素の配置
スクリーンコーナは、エミッタ及びレシーバを配置するためのいくつかの問題を呈する。1つの問題は、2つのエミッタを同じ位置、すなわち、各スクリーン縁部に対して1つ配置する必要があるということである。問題は、図40に示されているレイアウトによって複雑になり、それによってエミッタ及びレシーバ要素は、スクリーン表面の下に位置付けられ、従って、これらの要素によって形成された矩形は、スクリーンを取り囲むレンズのフレームよりも小さい。この問題を克服する1つの方法は、PCB上の実質的に同じ位置に2つのエミッタを配置することであり、エミッタの1つをPCBの上面上に配置し、他のエミッタをPCBの下面上に配置する。しかし、この方法は、光学要素のコネクタ及び位置決めを複雑にする。
別の問題は、重なり合ったビームがスクリーン縁部に延びるということである。エミッタ及びレシーバは、スクリーンの下にあるが、タッチ検出は、スクリーンを取り囲む光学要素の内縁によって境界を付けられた全エリアをカバーする。
本発明の実施形態は、上述したように、直交及び対角検出軸と共に使用するのに適する構成を提供する。図103を参照すると、本発明の実施形態によるタッチスクリーンのコーナのためのエミッタ、レシーバ、及び光学要素の第1の実施形態の概略図が示されている。図103は、エミッタ又はレシーバ要素及びそのそれぞれの光学要素の第1のコーナの構成を示している。レシーバ300−303及びエミッタ200−202は、2つの隣接するスクリーン縁部に沿って交互に配置される。実線が、エミッタからの光ビームを示し、破線が、レシーバに到達する光ビームを示している。エミッタ及びレシーバ300、200、302、202、及び303は、標準的なピッチに従って位置決めされ、光学要素530はそれに応じて構成される。レシーバ301及びエミッタ201は、ある角度の向きに配置され、その幅広ビームは、ビームの半分が第1の向きに、例えば、スクリーンの垂直軸に沿って横断するように、更にビームのもう半分が第2の向きに、例えば、スクリーンの水平軸に沿って横断するように分割される。更に、ビームを分割するための三側面空洞を有する第2のレンズを含む実施形態において、上述したように、幅広ビームの半分が、1つのスクリーン縁部に沿って発生する対角ビームの第1の対に分割され、ビームのもう半分が、隣接するスクリーン縁部に沿って発生する対角ビームの第2の対に分割される。ハイブリッド光学要素531は、エミッタ201及びレシーバ302のためのビームを重ね合わせるために提供される。光学要素531は、要素の右半分が要素30の右半分と同じであるので、「ハイブリッド光学要素」と呼ぶが、左半分における反射又は屈折ファセットの部分は、非標準位置及びエミッタの方向に向けられる。同様に、ハイブリッド光学要素532は、エミッタ200及びレシーバ301に対するビームを重ね合わせるために提供される。ハイブリッド光学要素532の下側半分は、要素530の左半分に類似である。コーナの要素533の両方の半分は、一意的に構成され、すなわち、左半分が、エミッタ201及び301に対するビームに重なり、右半分が、エミッタ201及びレシーバ302に対するビームに重なる。コーナの光学要素534の両方の半分も、エミッタ200及び201に対して及びレシーバ301に対して一意的に構成される。
図104を参照すると、本発明の実施形態によるタッチスクリーンのコーナのためのエミッタ、レシーバ、及び光学要素の第2の実施形態の概略図が示されている。図104は、エミッタ又はレシーバ要素及びそのそれぞれの光学要素の代替のコーナの構成を示している。図104に示す構成では、1つのエミッタ201だけが、非標準ピッチ及び方向に置かれる。標準光学要素530は、ハイブリッド光学要素531及び532及び固有のコーナの光学要素533と共に使用される。光学要素531−533は、図示のエミッタ−レシーバ構成に対して構成され、従って、図103の要素531−533とは異なる。
一体化モジュール
一般的に、2つのフォーカスに視準した交替反射又は屈折ファセットを使用したタッチシステムのためのアセンブリエラーに対する低い許容誤差が存在する。エミッタ又はレシーバの配置におけるオフセットは、反射ファセットのフォーカスから外れるようにしてしまい、このようなシステムの精度及び性能を低下させることになる。本発明の実施形態により、望ましいアセンブリの精度を保証するために、反射又は屈折ファセット及びエミッタ又はレシーバを含む硬いモジュールブロックが準備される。このようなモジュールブロックは、タッチスクリーン構成要素を一体化する処理を単純化するために、及び製造業者に対する許容誤差チェーンを最小にするために有用である。これらのモジュールブロックは、タッチスクリーンの高速アセンブリのためにディスプレイの縁部に沿った行に互いに容易に位置決めされるように形成される。反射又は屈折ファセットに比較して正確な位置にエミッタ及びレシーバを配置する高い許容誤差要件は、モジュールブロックの製造中に対処され、従って、デバイス製造業者から高精度アセンブリの負担を取り除く。
単純化された製造は、光学要素及び電子構成要素を単一のユニットに一体化することによって達成される。従って、複雑な表面を1つの構成要素に集めることができ、それによって高いアセンブリ許容誤差に対する必要性を低減する。
図105を参照すると、本発明の実施形態による赤外線光を透過させるプラスチック材料から作られた光学構成要素が示されている。図105には、前に向いたLED236を含む光学構成要素488と、LED信号を処理するための電子機器とが示されている。光学構成要素488は、電気パッド760及び761に接続される。光学構成要素488は、2つのエミッタ、すなわち、エミッタ235及びエミッタ236から平行化光ビームを伝達するのに使用される。エミッタ235は、隣接する光学構成要素489に含まれる。上述の交替エミッタ−レシーバ実施形態において、光学構成要素488は、1つのエミッタ及び1つのレシーバに対する平行化光ビームを伝達するのに使用される。例えば、隣接するモジュール489は、エミッタ235の代わりにレシーバを含む。
エミッタ235からの光ビームは、光学構成要素489を出てタイトフィット表面491を通り、タイトフィット表面490を通って光学構成要素488に入る。図105は、波状のマルチファセット反射面493上の交替ファセットに衝突するエミッタ235及び236からの非平行光ビームを示している。構成要素488及び489は、実質的に同一であり、互いにフィットしている。従って、デバイス製造業者は、構築ブロックとしてこれらの構成要素を使用し、ディスプレイの各縁部に沿った行にこれらの構築ブロックの列を配置することによってタッチスクリーンを製造することができる。典型的な配置は、(a)2つの隣接するディスプレイ縁部にエミッタ構成要素が配置され、他方の2つの縁部にレシーバ構成要素が配置されているもの、及び(b)全ての4つのディスプレイ縁部に交替エミッタ/レシーバ構成要素が配置され、すなわち、各エミッタが隣接するレシーバを有するものである。明らかに、エミッタ及びレシーバ構成要素は、実質的に同一の形状をしており、同じ行に互いに位置決めすることができる。
光学構成要素494は、LED237が前方向きの代わりに側方向きであることを除いて、光学構成要素488に類似である。図105は、光学構成要素494から出る平行化光ビーム100を示している。ピン989及び990は、プリント回路基板上の光学構成要素494を案内する。
光学構成要素495は、前から見た時の光学構成要素488である。図105は、光学構成要素495から出る平行化光ビーム100を示している。
類似の光学構成要素(図示せず)は、スクリーン表面を横切る光ビームを受光するために提供される。これらの構成要素では、エミッタがレシーバで置換され、電子構成要素がレシーバ信号を処理する。このような光学構成要素は、平行化光ビームを受光し、ビームを2つの異なるレシーバに向ける。
図106を参照すると、本発明の実施形態により導光体を備えたタッチスクリーンの概略側面図が示されている。図106には、ディスプレイ642、光学要素496、光学要素496内のフォトダイオード394、光学要素497、及び光学要素497内のエミッタ238が示されている。光学要素496及び497は、プリント回路基板762に接続される。エミッタ238は、非平行光ビームを放出し、図105に関して上述したように、非平行ビームは、光学要素497から出る前に平行化ビームに変換され、又は実質的に平行化ビームである。非平行ビームの別の部分は、図105には示されていない隣接するモジュールによって平行化される。光学要素497から出たビーム100は、上方に向けられ、導光体498によってディスプレイ642の上に反射される。本発明の実施形態において、タッチ場所を決定するための2つの座標系を提供するために3方向に光ビームを屈折させるように、3方向屈折空洞が、光学要素498の下面上にエッチング又はそうでなければ形成される。光ビーム100は、スクリーン642の反対側の導光体499に入り、ディスプレイ642の下で光学要素496に反射される。2つの座標系をサポートする実施形態において、3方向屈折空洞は、同様に光学要素499の下側に存在する。上述したように、光学要素496及びその隣接する光学要素は、示されていないが、入射光ビームをフォトダイオード394上に集束させる。本発明の一実施形態において、導光体498及び499が、ディスプレイ642を取り囲むフレームとして構成される。
図106のタッチスクリーンでは、光ビームの2つのタイプの再方向付けが起こる。第1の再方向付けは、単一のフォーカスに向けられた複数のファセットを必要とする。第2の再方向付けは、90度の角度で入射ビームを均一に向け直し、又は構成第4に関して上述したように入射光ビームを狭いウエスト又はフォーカスに折り返す。一部の実施形態において、平行化ビームは、屈折空洞により、第1及び第2の再方向付けの間で3方向に屈折される。
再方向付けの第1のタイプは、エミッタ又はレシーバが多くのファセットの焦点に対して特定の場所に位置することを要求する。従って、エミッタ又はレシーバ及びその反射面の位置決めは、配置の変動に影響を受け易い。従って、エミッタ又はレシーバのアセンブリは、反射ファセットのその対応する表面と共にエラーの低い許容誤差を有する。再方向付けの第2のタイプは、反射を含み、一部の場合には、3方向における均一の屈折は、反射器の位置の変動に対して及び導光体に位置付けられた屈折空洞のパターンに対してロバストである。すなわち、導光体の部分の組み立ては、誤差に対して高い許容誤差を有する。
スクリーン表面の上方で光を反射する導光体は、他のタッチスクリーン構成要素とは別に製造して組み立てることができる。従って、図106では、導光体498及499は、光学要素496及び497とは離れて示されている。
図107を参照すると、本発明の実施形態により各側面に3つの光学構成要素のブロックを備えたタッチスクリーンが示されている。ブロック500及び501は、エミッタであり、ブロック502及び503は、レシーバである。ブロックは、アクティブエリア991を発生させ、スタイラス又は指のx−yタッチ場所は、検出された塞がれた光に基づいて計算することができる。各ブロックに同じタイプの更に多くの光学構成要素を追加することで、発生されるアクティブエリアを拡大するのに役立つ。
図108を参照すると、本発明の実施形態による図107のエミッタブロックの1つの拡大図が示されている。図108には、スクリーンの1つの縁部からそれぞれの幅広ビーム167、168、及び169を放出する3つのエミッタ239、240、及び241が示されており、それぞれの幅広ビーム167、168、及び169は、それぞれの信号170、171、及び172として読み取られる。信号勾配は、その対角線の方向によって示されている。スクリーンの反対側の縁部で、信号170、171、及び172の各々は、それぞれの光学構成要素によってそれぞれのレシーバに向け直される。スクリーンにタッチする指又はスタイラスのような物体の正確な位置は、以下に説明するようにレシーバの遮られた光の値に基づいて決定される。
タッチスクリーンシステム構成第6
構成第6は、エミッタ又はレシーバをスクリーン縁部に沿って置かれた長くて薄い導光体の1つの終点に結合することにより、低減された数の構成要素を使用する。このような導光体は、「光学タッチパネルのための照明」という名称の米国特許第7,333,095号明細書に記載されている。
図109を参照すると、本発明の実施形態により、向けられた光を検出して検出した光の値を計算ユニット770に通信するために、スクリーン上で光を向けるためのスクリーンの第1の縁部に沿った長くて薄い導光体514を有し、スクリーンの反対側の縁部に沿って配置された光レシーバ300のアレイを有するタッチスクリーンの図が示されている。光エミッタ200は、導光体の両方の終点に結合される。導光体514は、タッチスクリーン800の1つの縁部に沿って位置決めされる。光は、スクリーン縁部に沿って導光体514に放出され、反射器515によってスクリーン表面の上に向け直される。複数のレシーバ300が、タッチスクリーン800の反対側の縁部に沿って置かれ、構成第2及び3に関して上述したように、複数のレシーバがタッチを検出することを可能にする。
図110を参照すると、本発明の実施形態によりスクリーンに光ビームを向けるためのスクリーンの第1の縁部に沿った光エミッタ200のアレイを有し、更に向けられた光ビームを受光し導光体514の両終端に置かれた光レシーバ300に更に向けるための長くて薄い導光体514を有するタッチスクリーンが示されている。レシーバ300で検出された光値は、計算ユニット(図示せず)に通信される。本発明の別の実施形態により、1つの光レシーバ300だけが、導光体514の1つの終点に結合される。導光体514は、タッチスクリーン800の1つの縁部に沿って位置決めされる。複数のエミッタが、タッチスクリーンの反対縁部に沿って置かれ、構成第2及び第3に関して上述したように、複数のエミッタの連続起動に基づいてレシーバ300にタッチを検出させる。スクリーン表面の上に放出された光は、反射器515によって向け直される。光は、スクリーン縁部に沿った導光体514に受光され、導光体514の長さを通ってレシーバ300に向けられる。
図111を参照すると、本発明の実施形態により各々が長くて薄い導光体514の終点に結合された2つの光エミッタ201及び202が示されている。導光体514は、タッチスクリーンの1つの縁部に沿って位置決めされる。光100は、スクリーン縁部に沿って導光体514に放出され、反射器515によってスクリーン表面の上に向け直される。複数のレシーバが、タッチスクリーンの反対側の縁部に沿って置かれ、構成第2及び3に関して上述したように、複数のレシーバがタッチを検出することを可能にする。各エミッタ201及び202は別々に起動され、従って、レシーバは、2つのエミッタの各々からの遮られた光に基づいてタッチを検出する。導光体の長さに沿ったいずれかの定められた位置で放出された光100の量は、位置とエミッタ間の距離の関数として減少する。従って、各エミッタ201及び202からの検出された光の異なる量は、構成第2及び3に関して上述したように、タッチの正確な位置を計算するのに使用される。
本発明の実施形態は、構成第2及び3に関して上述したように、図109の出射光ビーム101又は図96の入射光ビーム102を広範囲に屈折させるために、導光体の外面にマイクロパターン516をエッチング又はそうでなければ形成することによって米国特許第7,333,095号明細書の導光体を改良する。マイクロパターン516は、導光体514に沿った均一の実質的に平行なグルーブのパターンであり、構成第2に関して上述した扇形パターンよりも単純に形成される。導光体514は、導光体514の内側に光散乱器ストリップ517を含む。マイクロパターン516及び光散乱器ストリップ517は、図109及び110に示されている。
タッチスクリーンシステム構成第7
構成第7は、タッチ作動中に追加されたタッチスクリーン上の圧力の検出を可能にする。圧力の検出は、軽いタッチとハードプレスの区別を可能にし、個別の作動をタッチとプレスに関連付けるユーザインタフェースに有用である。例えば、ユーザは、タッチすることによってボタン又はアイコンを選択することができ、プレスすることによってボタン又はアイコンに関連付けられた機能を起動することができる。このようなユーザインタフェースは、「移動コンピュータユニットのためのユーザインタフェース」という名称の本出願人の現在特許出願中の米国特許出願第12/486,033号明細書に記載されている。
本発明の一部の実施形態において、タッチ対応デバイスは、PCBのようなベース平面、ベース平面に固定された導光体フレーム、及び導光体フレームの内側で固定されていないタッチスクリーンを吊るす又は「浮かせる」ためにベース平面に取り付けられた弾性部材を含む。タッチスクリーン上のプレスは、z軸に沿って浮いているタッチスクリーンを歪め、導光体フレームの多くを露出させる。上述したようにスクリーンの上に光を向ける導光体フレーム反射器は、露出によってより多くの光がスクリーンを横切ることができるように形成される。従って、スクリーン上のハードプレスが起こった時に、レシーバの多くは、検出した光における突然の増加を検出する。更に、ハードプレスの検出は、同時に検出されるタッチに応じて条件を付けることができ、従って、周囲光における突然の増加によるハードプレスの誤った検出を防ぐ。下向きの圧力が解除された時に、弾性部材が、導光体フレーム内の元の位置にスクリーンを戻す。
図112−115を参照すると、本発明の実施形態によるハードプレスの発生を検出するタッチスクリーン800が示されている。図112は、安静位置のタッチスクリーン800を示しており、スクリーン800は、プリント回路基板700上に装着されたフレックス空隙843を発生させる弾力性支持部材841及び842によって支持される。図112は、2つの導光体518及び519を示し、一方は、スクリーン800上のエミッタ200からの光100をレシーバ300に向けるためにスクリーン800のいずれかの側にある。各導光体518及び519の小さい上側部分だけが、スクリーン800の上方に延びている。レシーバ300は、検出された光強度を計算ユニット(図示せず)に通信する。
図113は、部材841及び842にフレックス空隙843を圧縮及び狭めさせるスクリーン上を押し下げる指900を示している。この結果、導光体518及び519のより大きい部分は、スクリーン800の上方に露出され、従って、(a)エミッタ200からの多くの光100がスクリーン800を横断し、レシーバ300によって検出することができ、かつ(b)より多くの周囲光101がレシーバ300に達することができる。様々な実施形態において、検出された光におけるこれらの増加のいずれか又は両方が、ハードプレスを示すのに使用される。他の実施形態において、印加された下向き圧力の量が、追加の検出光の量に基づいて決定され、従って、ハードタッチとハードではないタッチの判別を可能にする。
一部の実施形態において、導光体フレームは、下向きの圧力がスクリーン800に印加されなかった場合に弾性部材841及び842の上方の力を釣り合わせるためにスクリーン800の縁部の上に延びる図114に示す突出リップ520及び521を含む。弾性部材841及び842は、取り分け、可撓性装着材料、捩りバネ、弾性ポリマー体、又は油圧サスペンションシステムを含むことができる。図115は、単一のPCB700上に配置されたエミッタ200と、計算ユニット770に結合されたレシーバ300と、弾性部材841及び842とを示している。
他の実施形態において、タッチスクリーンは、フレームに対して移動することができない。しかし、スクリーンは、ハードプレスに応じて幾分伸縮又は曲げることができる。スクリーンの屈曲は、レシーバの多くの検出された光の突然の増加を引き起こし、スクリーン上のハードプレスを示す。上述したように、ハードプレスの検出は、同時に検出されるタッチに応じて条件付けることができ、従って、デバイスへの衝撃に応じたハードプレスの誤った検出を防ぐ。
図116及び117を参照すると、本発明の実施形態により、固定された7インチLCDスクリーンに圧力が印加された時の検出された光の増加を示す棒グラフが示されている。棒グラフは、ソフトタッチが起こった時(図116)及びハードタッチが起こった時(図117)のスクリーンの1つの縁部に沿った各エミッタからの検出される光の量を示している。光エミッタ及び光レシーバは、シフト位置合わせされ、それによって各エミッタからの光が2つのレシーバによって検出される。従って、2つの棒が各エミッタに対して示され、2つのレシーバの各々によって検出された光を示す。両方の棒は、光が検出されなかった場合にタッチがLED4の反対側のレシーバで検出されたことを示す。棒グラフは、ソフトタッチの場合よりもハードタッチの場合に隣接するエミッタからより多くの光が検出されることを示している。
タッチスクリーンシステム構成第8
構成第8は、スクリーン表面の下に位置する少なくとも1つのカメラをタッチスクリーンに提供し、スクリーン表面及びスクリーン表面にタッチするポインタ又は複数のポインタの画像を取り込む。本発明の一部の実施形態において、スクリーンピクセルは、光センサを含み、その各々は、「スクリーンガラス画像」と本明細書で呼ぶスクリーンガラスの下側の画像のピクセルを発生させる。
以下に説明するように、本発明の実施形態による方法は、空間及び時間フィルタを使用して正確なタッチ座標を決定する。構成第8へのこれらの方法の適用は、タッチ座標に対するサブピクセル精度をもたらす。
タッチ場所の中心のスクリーンガラス画像のピクセルは、一般的に完全に遮られており、すなわち、各このようなピクセルで検出された光のレベルは、指定された閾値よりも下であり、ピクセルがタッチ物体によって塞がれていることを示す。タッチ場所の縁部に沿ったスクリーンガラス画像のピクセルは、一般的に部分的に遮られており、すなわち、各このようなピクセルで検出される光のレベルは、指定された閾値よりも上であり、ピクセルがタッチ物体によって部分的にしか遮られていないことを示す。
スクリーンガラス画像データを受信する計算ユニットは、ピクセルの値によって示されるようなそのピクセルに関連付けられたタッチ検出強度に基づいて、相対的な重みを各ピクセル座標に割り当てる。計算ユニットは、更に、その関連付けられた重みに基づいてピクセル座標を補間し、タッチ座標を決定する。一部の実施形態において、計算ユニットは、周囲を有するタッチエリアを計算し、タッチエリアの縁部は、上述の補間に基づいてサブピクセルレベルで計算される。以下に説明する時間フィルタは、取り分け、一連の接続したタッチが持続時間にわたってグライド移動に連結された時に適用される。
図118を参照すると、本発明の実施形態によりスクリーンガラスの下側及びそこに行われたタッチの画像を取り込むためにスクリーンガラスディスプレイ635の下に位置決めされた画像センサ844の概略図が示されている。取り込まれた画像データは、分析のために計算ユニット770に送信される。
図119を参照すると、本発明の実施形態によりピクセルに分割されたディスプレイ635及び3つのタッチ検出906−908の概略図が示されている。タッチ検出の各々の縁部がピクセルのそれぞれの部分を覆うことに注意されたい。上述の加重ピクセル座標補間は、タッチ906及び907に対する座標及びエリア907及び908の輪郭のようなタッチエリアの輪郭を識別するのに使用される。本発明の一部の実施形態において、補間は、完全に塞がれたピクセルを含む。本発明の他の実施形態において、補間は、部分的に塞がれたピクセルだけを含む。
タッチスクリーンシステム構成第9
構成第9は、タッチスクリーンに対するポインタの3次元位置を決定するための手段をタッチスクリーンに提供する。この構成では、低コストタッチスクリーンは、深度情報を決定するためにカメラを使用する。1つ又はそれよりも多くのカメラが、アクティブタッチエリアの鏡像を取り込むためにタッチスクリーンの側面に装着され、鏡像は、タッチスクリーンの上方のポインタの高さを決定するために処理される。本発明は、光沢のある表面を有する任意のサイズのタッチスクリーン上に具現化することができる。
図120を参照すると、本発明の実施形態によりラップトップコンピュータ848のヒンジ771上に位置決めされてスクリーン643を向いているカメラセンサ844の概略図が示されている。
図121を参照すると、本発明の実施形態によるタッチエリア992を見ているカメラ844を示す略側面図が示されている。
図122を参照すると、本発明の実施形態によるタッチエリア992を見ているカメラ844を示す略上面図が示されている。図122の破線は、カメラ844によって取り込まれる空間の容積を示す。
図123を参照すると、本発明の実施形態によりカメラ844によって取り込まれる画像に基づいてタッチポインタを位置付けるためのタッチエリア992を見ているカメラ844と、2つの画像軸、すなわち、画像x軸及び画像y軸とを示す概略図が示されている。図124を参照すると、本発明の実施形態によりカメラ844によって取り込まれる画像に基づいてタッチポインタを位置付けるためのタッチエリア992を見ているカメラ844と、2つのスクリーン軸、すなわち、スクリーンx軸及びスクリーンy軸との概略図が示されている。カメラ844によって取り込まれる視線に沿ったスクリーン表面は、画像y軸に沿って向けられる。画像x軸は、タッチスクリーン表面の平面に沿った画像y軸に垂直である。これらの軸をスクリーン縁部に平行に延びるスクリーン軸から区別するために、前者の軸は、本明細書では「画像軸」と呼び、後者の軸は、本明細書では「スクリーン軸」と呼ぶ。画像軸に対するタッチ座標は、スクリーン軸座標に変換することができる。
カメラ844によって取り込まれる画像は、一般的に、ポインタとタッチスクリーンの表面上のポインタの反射との両方を含む。取り込まれた画像内のポインタ及びその反射の位置に基づいて、ポインタがスクリーン上に又はスクリーンの上方に位置決めされた時でさえもポインタ位置を決定することができる。ポインタがスクリーンにタッチした時に、取り込まれる画像におけるポインタ及びその反射は、図129−131に示すように互いに接している。ポインタがスクリーンの上方にある時に、取り込まれる画像におけるポインタ及びその反射は、図132に示すように互いに離間している。
画像の底縁に沿ったx軸及びカメラの視線に沿ったスクリーン表面のy軸に対して取り込まれた画像を分析することができることは当業者によって認められるであろう。ポインタがスクリーンにタッチしている時に、x及びy軸に沿った取り込まれた画像におけるポインタの場所を投影することによってポインタのx及びy座標を決定することができる。
ポインタがスクリーンにタッチせずにスクリーンの上方に位置決めされた時に、ポインタのx座標は、上述したように、すなわち、x軸に沿って取り込まれた画像におけるポインタの場所を投影することによって決定することができる。ポインタのy座標を決定するために、取り込まれた画像におけるポインタと反射されたポインタの場所とを結合する線に沿って適切な位置が選択され、その場所の位置がy軸に沿って投影される。一部の場合には、適切な位置は、ポインタと反射されたポインタとの位置を結合する線の中間点である。他の場合に、適切な位置は、カメラがスクリーン表面に対して向けられる方位角に基づいている。
スクリーン表面の上方のポインタの高さは、取り込まれた画像におけるポインタとポインタの反射との間の距離に基づいて決定することができることは当業者によって認められるであろう。
複数のカメラの使用は、手によって覆い隠されている場合があるマルチタッチ情報及びスタイラス情報のような追加の情報を提供する。図125及び126を参照すると、本発明の実施形態により異なる角度からタッチエリア992を各々が取り込む2つのカメラ844及び845の概略図が示されている。各カメラは、図126に示すように画像軸のそれぞれの組を有する。図127を参照すると、本発明の実施形態により異なる角度から各々がタッチエリア992を取り込む4つのカメラ844−847の概略図が示されている。
図128を参照すると、本発明の実施形態により完全なタッチエリア992を見ているカメラ844のカメラ視点からの概略図が示されている。図128には、カメラ844によって取り込まれた画像に対する画像x及びy軸が示されている。
図129を参照すると、本発明の実施形態により互いに接しているスタイラス903とスタイラスの鏡像645とを示すタッチエリア992の一部分の概略図が示されている。スタイラス903の画像x及びy座標は、スタイラス903の位置を画像x及びy軸に投影することによって決定される。投影を補助するために、スタイラス903とその鏡像645の間の中心線996が使用される。
図130を参照すると、本発明の実施形態により図129に関してタッチエリア992の中心に近づいて動いたスタイラス903及びスタイラスの鏡像645を示す概略図が示されている。スタイラス903の画像x及びy座標は、スタイラス903の位置を画像x及びy軸に投影することによって決定される。投影を補助するために、スタイラス903とその鏡像645の間の中心線997が使用される。
図131を参照すると、本発明の実施形態により図129に関してタッチエリア992の底部に近づいて動いたスタイラス903及びスタイラスの鏡像645を示す概略図が示されている。スタイラス903の画像x及びy座標は、スタイラス903の位置を画像x及びy軸に投影することによって決定される。投影を補助するために、スタイラス903とその鏡像645の間の中心線998が使用される。
図132を参照すると、本発明の実施形態により互いに離間したスタイラス903とスタイラスの鏡像645を示す概略図が示されている。スタイラス903と鏡像645の間の距離は、タッチエリア992の上方のスタイラス903の高さを決定するために使用することができる。スタイラス903と鏡像645の間の中心線999は、スタイラス903の画像y座標を決定するための補助として使用される。
本発明の実施形態により、図129−132のスタイラス903は、先の尖っていないスタイラスである。先の尖っていないスタイラスは、その比較的大きいヘッドが画像処理によって検出し易いので有利である。先の尖っていないスタイラスは、その比較的大きいヘッドが先の尖ったスタイラスよりも光を多く遮るので、構成第2−6において有利である。
図133を参照すると、本発明の実施形態により3次元ポインタ位置を決定する方法の簡略な流れ図が示されている。作動1011で、スクリーン表面の画像が取り込まれる。画像は、図129−132に関して上述したように、ポインタとスクリーン表面上のポインタの反射とを含む。作動1012で、それぞれの画像のスタイラスの位置に対応する図129−132のx座標に示すように、その軸に沿った画像のポインタの場所に対応する第1のスクリーン軸に沿ったポインタ位置が決定される。作動1013で、図129−132の中心線996−999に示すように、ポインタとその反射の位置間の中間点を通って延びる線に対応する第2のスクリーン軸に沿ったポインタ位置が決定される。作動1014で、スクリーン上方のポインタの高さが、取り込まれた画像におけるポインタとその反射の間の距離に基づいて決定される。
取り分け、スクリーンがカメラを剛的に装着して製造される場合のように、カメラ位置がスクリーンに対して既知又は固定されている時に、画像座標からスクリーン座標への画像対スクリーン変換を決定することができる。取り分け、カメラがユーザによって手動で装着される場合のように、スクリーンに対するカメラの位置が未知である時には、画像対スクリーン変換を決定するために、次に、カメラの向きを決定するための手順が必要である。1つのこのような手順は、既知のスクリーン座標を用いてスクリーン上に一連のタッチアイコンを表示することである。図134を参照すると、本発明の実施形態によるカメラ方位を決定するのに使用される6つのタッチアイコン965−970を表示するタッチエリア992の概略図が示されている。カメラ844は、タッチ事象を取り込むためにタッチエリアに向けられる。ユーザは、様々なアイコンにタッチするように示されている。一部の実施形態において、各アイコンは、一度に1つ個々に表示されている。ユーザがアイコンにタッチした時に、タッチの画像座標が決定され、アイコンの既知のスクリーン座標に適合される。画像座標とスクリーン座標の連続適合対は、画像対スクリーン変換を決定するのに使用される。本発明の実施形態において、上述したように、ユーザがアイコンにタッチした事象は、ポインタがその反射に接している時に取り込まれた画像から認識される。
構成第2及び第3の作動
以下の説明は、正確なタッチ検出を達成するためのタッチスクリーンの周りの構成第2及び第3に示す光学要素の配置に対する作動の方法に関するものである。これらの方法は、精細タッチポイントを有するペン及びスタイラスサポートに対して有利であり、単指及び多指タッチに対する非常に正確なタッチ場所決定を提供する。
図135及び136を参照すると、本発明の実施形態によるタッチスクリーンシステムにおけるエミッタレンズ及びレシーバレンズの向かい合う行が示されている。各エミッタ及びレシーバレンズの背後には、対応するそれぞれの光エミッタ200又は光レシーバ300が位置決めされる。図135に示すように、各エミッタ200は、エミッタによって放出された光ビームを検出する2つのレシーバ300の向かい側に位置付けられる。同様に、各レシーバ300は、2つのエミッタ200の向かい側に位置付けられ、両方のエミッタから放出された光ビームを受光する。
図135は、(A)2つのレシーバ300に跨がるエミッタ200からの単一のフルビーム173、(B)2つのレシーバ300の左のレシーバによって検出される174で示されたフルビームの部分、(C)2つのレシーバ300の右のレシーバによって検出される175で示されたフルビームの部分、(D)タッチスクリーンを覆う複数のエミッタ200に対する複数のビーム176、及び(E)タッチスクリーンを覆う複数のエミッタ200に対する複数のビーム177を示している。一般的に、各エミッタ200は単独で起動される。タッチポイントが複数のビームによって検出される精密タッチ検出を以下に説明する。スクリーン上のポイントが少なくとも1つのビーム176及び1つのビーム177によって検出されることは、(D)及び(E)から認められるであろう。
電力を節約するために、タッチスクリーンがアイドル状態の場合に、ビーム、すなわち、ビーム176又はビーム177の1つの組だけが、走査掃引で及びエミッタ200の最少数を有する軸に対してのみ走査される。走査は、ビーム176とビーム177の間でトグルし、従って、軸に沿った2つの走査掃引は、軸に沿って全てのエミッタ−レシーバ対を起動する。エミッタの大きい数を有する他の軸は、タッチが存在する時に、又は信号が予想されるノイズレベルよりもその基準値から高い時に、又はいずれかの軸に対する基準値の更新が行われる時に走査されるだけである。基準値を以下に詳しく説明する。
図136は、(A)左に15度の角度でレシーバ301に光を伝達するエミッタ201、(B)右に15度の角度でレシーバ302に光を伝達するエミッタ201、(C)左に15度の角度でレシーバ302に光を伝達するエミッタ202、及び(D)入射光を屈折させる微細構造を示している。図136に示すエミッタレンズ及びレシーバレンズには、(i)エミッタレンズ面に沿った複数の位置から左右の双方向に光を放出するために、かつ(ii)レシーバレンズ面に沿ったいずれの位置の入射のいずれの角度で受光した光もレシーバによって確実に検出されるように(D)に示す微細構造が備えられる。
図137を参照すると、本発明の実施形態によりタッチスクリーンシステムにおける複数のエミッタ−レシーバ対によってタッチ場所を検出するための技術の概略図が示されている。図137には、タッチスクリーン上の各々が幅kの2つの光学レシーバレンズ508及び509の向かい側に位置決めされた幅kの光学エミッタレンズ506が示されている。スクリーンにタッチしているポインタ900は、光学エミッタレンズ506から放出された光ビームの一部分を遮る。光学エミッタレンズ506は、両方の光学レシーバレンズ508及び509を覆う重なり合うビームを放出する。幅広ビームの広がり角度は、スクリーンの寸法及びx軸に沿ったレンズ幅kに依存する。別の光学エミッタレンズ507も示されており、光学レシーバレンズ510の下に要素幅の半分mだけずらしてある。
本発明の実施形態により、光学エミッタレンズ506の少なくとも1つの表面は、複数の隆起でテクスチャ加工される。各隆起は、2つの向かい合うレシーバレンズ508及び509に跨がる光のビームを広げる。従って、光学エミッタレンズ506の表面に沿った多くのポイントの各々からの光は、両方の向かい合うレシーバレンズ508及び509に到達し、隣接するレシーバによって検出される光ビームは重なり合う。構成第2では、これらの隆起は、フェザーパターンを形成し、構成第3では、これらの隆起は、管状パターンを形成する。
本発明の実施形態により、隆起は、マイクロレンズを形成し、各々がタッチスクリーン構成に応じて大体0.2−0.5mmのピッチを有する。フェザーパターンの場合に、隆起は、扇形を形成し、そのピッチは、隆起が内側に向けて進んで互いに近くになる時に狭くなる。管状パターンの場合に、各マイクロレンズのピッチは、マイクロレンズの長さに沿って一定のままである。
各レシーバレンズ508及び509の少なくとも一方の表面は、レシーバレンズ面に沿った多くのポイントの各々に到着する光の少なくとも一部分がレシーバフォトダイオードに達するように類似の表面をしている。
本発明の実施形態により、出力x及びy座標は、時間的及び空間的にフィルタリングされる。以下の説明は、x座標の決定に関し、同じ方法がy座標の決定に適用されることは当業者によって認められるであろう。
構成第2及び3は、タッチ場所が少なくとも2つのエミッタ−レシーバ対によって検出されることを示している。図137は、x軸に沿って物体900のタッチ場所を検出する2つのこのようなエミッタ−レシーバ対506−508及び506−509を示している。図137には、ビーム506−508がビーム178によって示され、ビーム506−509がビーム179によって示されている。図137は、3つの検出エリア、すなわち、(i)右に傾斜した線で満たされた楔として示されたエミッタ−レシーバ対506−508によって検出されるスクリーンエリア、(ii)左に傾斜した線の楔として示されたエミッタ−レシーバ506−509によって検出されるスクリーンエリア、及び(iii)斜線が交差したパターンの楔として示された両方のエミッタ−レシーバ対506−508及び506−509によって検出されるスクリーンエリアを示している。この第3のスクリーンエリアの左と右の境界は、線X1及びX2それぞれとして示されている。
物体900のタッチ場所(Xp、Yp)のx座標Xpを決定するために、y軸に沿った全てのエミッタ−レシーバ対内で最大タッチ検出信号を有するエミッタ−レシーバ対のy軸に沿った位置に対応する初期y座標Yinitialが決定される。図137では、このエミッタ−レシーバ対は507−510である。図137のX1及びX2で示された線は、これらが位置(Xa、Yinitial)及び(Xb、Yinitial)で線y=Yinitialに交差するまで横断される。座標Xa及びXbが図137に示されている。次に、物体900のx座標は、加重平均値を使用して判断される。
Xp=(WaXa+WbXb)/(Wa+Wb) (2)
ここで、重みWa及びWbは、ビーム178及びビーム179に対するそれぞれの正規化信号差である。使用される信号差は、ベースライン又は予想の光値と実際に検出された光値との差である。このような差は、物体がスクリーンにタッチして予想される光の一部分を遮っていることを示す。エミッタの行の近くで発生するタッチの検出信号は、図143−150に関して以下に説明するように、レシーバの行の近くで発生するタッチとは異なるので、重みWa及びWbは正規化される。タッチスクリーン設計は、物体がビームの長さに沿った様々な部分でビームに交差した時の異なる信号強度及び減衰パターンを判断するために試験される。異なるシナリオ、例えば、ビームのエミッタの近くの物体のシナリオ、ビームのレシーバの近くの物体のシナリオ、及びスクリーンの中央の物体のシナリオが試験される。タッチが検出された時に、検出レシーバの検出パターンは、適切なシナリオを選択するために分析され、選択されたシナリオに従って信号が正規化される。重みの較正及び更に別の正規化について以下に説明する。類似の加重平均値は、y座標Ypを決定するのに使用される。
ポインタ900が2つよりも多いエミッタ−レシーバ対によって検出される場合に、上述の加重平均値は、次式に一般化される。
Xp=Σ(Wn/Xn)/(ΣWn) (3)
従って、重みWnは、正規化された信号差であり、Xnは、重み位置である。
本発明の一実施形態において、ポインタ900が小さい物体である場合に、最も大きい信号差が、位置を計算するために2つの最も近い信号と共に使用される。これは、小さい物体に対する信号差が小さいという事実を補償し、従って、ノイズが主要な誤り要因になる。2つの最も近い信号の使用はノイズによる誤りを低減する。本発明の別の実施系他では、2つの最も大きい信号差だけが使用される。
図138を参照すると、本発明の実施形態による図135及び136の構成のための導光体フレームの図が示されている。図138には、光学エミッタレンズ511及び光学レシーバレンズ512を備えた導光体フレームの4つの縁部が示されている。フレームの内縁がビーム182によって完全に覆われないことに注意されたい。従って、本発明の一部の実施形態において、破線の矩形によって示される内側タッチエリア993だけが使用される。
信号ノイズによる誤りを低減するために、上述したように決定された空間的にフィルタリングされた現在の座標値及び以前の座標値を使用して、最終座標が時間フィルタの出力として決定される。現在のx座標に与えられるフィルタ重みが高い程、出力はその値に近づき、フィルタの影響は少なくなる。一般的に、両方の座標値に対して実質的に等しい重みの使用は、強力なフィルタをもたらす。本発明の一実施形態において、時間フィルタはローパスフィルタであるが、他のフィルタも本発明によって意図される。本発明の実施形態により、異なる事前に指定されたフィルタ重み係数を異なるケースで使用することができる。代替の実施形態において、フィルタ重み係数は、必要に応じて計算される。
適切なフィルタ係数の選択は、走査周波数、タッチ物体がスクリーンの上を動く速度、物体の動きが直線に沿っているか否か、及びタッチ物体のサイズに基づいている。
一般的に、走査周波数が高い程、現在の座標値は、以前の座標値の近くにあり、より強力なフィルタが使用される。走査周波数は、物体の動きの速度及び方向を推定するのに使用される。走査周波数に基づいて、閾値距離が2つの入力値に割り当てられ、閾値は高速移動を示す。現在と以前の座標値の差が閾値距離よりも大きい場合に、出力座標が実際のタッチ場所のかなり背後に遅れないように、より弱いフィルタが使用される。以下のフィルタ:
output_val=1/10*previous_val+9/10*current_val (4)
が、この場合に良い結果を提供することが実験によって見出されている。更に、以下に説明するラグ値は、この場合に出力値に等しくリセットされる。
現在と以前の座標値の間の差が閾値距離よりも小さい場合に、ラグ値が決定される。ラグ値は、軸に沿った速度及び方向を示す。以下の値:
lag=5/6*lag+1/6*current_val (5)
が、この場合によい結果を提供することが実験によって見出されている。フィルタ重み係数は、ラグ値と現在の座標値の間の差に基づいて選択される。一般的に、高速の動き又は方向における突然の変化のいずれかを示すこの差が大きい程、フィルタは弱い。
例えば、タッチ物体が静止している場合に、ラグ値は、最終的に現在の座標値に近似的に等しくなる。このような場合に、信号ノイズは、空間的に計算されたタッチ場所における小さい差を生じる場合があり、厄介なジッタ効果を起こす場合があり、すなわち、タッチスクリーンが物体ジッタを表示することになる。強力な時間フィルタの使用は、このようなジッタをかなり弱める。
タッチ物体が速く動くか又は方向を突然変えた場合に、強力な時間フィルタは、実際のタッチ場所と表示されたタッチ場所との間の知覚することができるラグを生じる場合がある。スタイラスで書き込んでいる人の場合に、書かれる線は、スタイラスから遅れる場合がある。このような場合に、弱い時間フィルタの使用がこのような遅れを軽減する。
スクリーンにタッチしている指又は他の先端が円い物体のように、タッチ物体が比較的大きいスクリーンエリアを覆う時に、実際の指の動きと表示された動きのトレースとの間のラグは、指がラグのエリアを覆っているのでより知覚できなくなる。このような場合に、異なる時間フィルタが使用される。
使用される物体のタイプ、すなわち、指対スタイラスは、予想されるユーザ挙動を知ることによって推測することができ、例えば、指のタッチに対して意図されたユーザインタフェースは、指が使用されることを仮定する。物体のタイプは、物体によって作られた影のエリアによって推測することができる。影になったエミッタ信号に基づいて決定されたタッチエリアのサイズは、従って、時間フィルタ重み係数を選択する場合に使用されるファクタである。
図139を参照すると、本発明の実施形態による光ベースのタッチスクリーンのためのタッチ検出の方法の簡略な流れ図が示されている。作動1021で、現在の座標値が、複数のエミッタ−レシーバ対からの信号を処理する空間フィルタに基づいて受光される。閾値距離が、走査周波数に基づいて提供される。作動1022で、現在の座標値と以前の座標値の間の差が、閾値距離と比較される。差が閾値距離よりも小さいか又は等しい場合に、作動1023で新しいラグ値が式(5)のように計算される。作動1024で、時間フィルタ重み係数が、現在の座標値とラグ値の間の差に基づいて決定される。作動1025で、時間フィルタが、式(4)のように出力座標値を計算するために適用される。
作動1022で、現在の座標値と以前の座標値の間の差が閾値距離よりも大きい場合に、弱いフィルタ重み係数が作動1026で選択される。作動1027で、時間フィルタが、式(4)のように出力座標値を計算するために適用される。作動1028で、ラグ値が出力座標値に設定される。
本発明の実施形態は、2つのタッチがタッチスクリーンの2つのコーナで同時に発生するマルチタッチ作動を検出する方法及び装置を提供する。このようなマルチタッチの例は、ユーザがスクリーン800上に2つの指900を置いて軸の周りで指を回転させる図140−142に示されている回転動作である。図8及び9に関して上述したように、上部左及び底部右タッチと底部左及び上部右タッチを光ベースのシステムが区別するのは困難である。シフト位置合わせされたエミッタ及びレシーバの使用により、以下に説明するようにこのような区別が可能になる。
本発明の実施形態により、第1の軸に沿ったレシーバからのデータが、2つの軸に沿ったタッチ場所を決定するのに使用される。図143−146を参照すると、タッチスクリーン上の様々な位置の指900のタッチ事象が示されており、対応する図147−150は、本発明の実施形態によるタッチ事象中の光飽和のそれぞれの棒グラフを示している。図143は、2つのエミッタの間でエミッタの行の近くに位置するタッチを示している。図144は、レシーバを遮るレシーバの行の近くに位置するタッチを示している。図145は、エミッタを遮るエミッタの行の近くに位置するタッチを示している。図146は、2つのレシーバの間のレシーバの行の近くに位置するタッチを示している。
図147−150の各々は、2つの棒グラフ、すなわち、x軸に沿ったレシーバの光飽和を示す上部グラフ、及びy軸に沿ったレシーバの光飽和を示す底部グラフを含む。レシーバの各行は、エミッタの向かい合う行にシフト位置合わせされる。従って、各エミッタは2つのレシーバによって検出される。相応に、図147−150は、各エミッタに対する2つの棒を1つのレシーバに対して1つの棒で示している。
図147−150は、4つの異なる検出パターンを示している。図147は、2つのそれぞれのエミッタから主に1つのレシーバによって検出される光の不在を示している。光の不在は中程度である。図148は、その2つのそれぞれのエミッタから主に1つのレシーバによって検出される光の不在を示している。光の不在は大きい。図149は、遮られたエミッタからの予想される光の大きい不在を検出する2つの隣接するレシーバを示している。両方のレシーバは、隣接する要素からの何らかの光を検出する。図150は、遮られたエミッタからの予想される光の中程度の不在を検出する2つの隣接するレシーバを示している。両方のレシーバは、隣接するエミッタから何らかの光を検出する。表IIIは、これらの異なるパターンを要約している。
(表III)
本発明の実施形態により、マルチタッチの位置の決定は、表IIIに示されたパターンに基づいている。従って、図141に関して、レシーバの2つの行に沿った4つの検出ポイントが示されている。検出D1−D4は、スクリーンの上部右及び底部左コーナのタッチポイント971を検出する。各ポイントの検出パターンが、タイプ1又は3又はタイプ2又は4か否かに基づいて、検出パターンは、対応するタッチがエミッタに近いか又はレシーバに近いかを判断する。各タッチは、2つの独立したインジケータ、すなわち、X軸検出器及びY軸検出器を有する。従って、図141の検出ポイント971に対して、検出D1及びD3は、タイプ2又は4であり、検出D2及びD4は、タイプ1又は3である。対照的に、図142の検出ポイント971に対して、検出D2及びD4は、タイプ2又は4であり、検出D1及びD3は、タイプ1又は3である。
独立した検出ポイントの評価に加えて、様々な検出パターンを格付けし、どのタッチポイントがエミッタ又はレシーバに近いかを判断することができる。
更に、回転動作がタッチポイント971からタッチポイント972に実行された時に、検出の移動は、動作がエミッタから離れてレシーバに向けてグライドしたか又はその逆も同様に判別する。特に、その後の検出が比較され、判別は、各検出パターンがタイプ1又は3に似るようになるか又はタイプ2又は4に似るようになるか否かに基づいている。
図151を参照すると、本発明の実施形態により、はす向かいの同時のタッチの位置を決定するための簡略な流れ図が示されている。作動1031で、図141及び142に示されているx座標D1及びD2及びy座標D3及びD4のような2つのx座標及び2つのy座標が検出される。作動1032で、検出されたx座標が表Iに列挙されたもの中から検出のパターンを識別するために分析される。作動1033で、検出されたx座標は、作動1032で検出されたパターンに基づいて及び表IIIの「タッチ場所」列に基づいて、指定されたスクリーン縁部の近く又は遠くで発生したタッチに従って格付けされる。y座標は、指定された縁部からの距離を表している。作動1034で、各格付けされたx座標は、対応するy座標と対にされる。作動1035−1037は、x座標に対して実行された作動1032−1034と同様にy座標に対して実行される。作動1038で、結果の2組が比較される。
図152を参照すると、本発明の実施形態による時計回り及び反時計回りの動作を判別する方法の簡略な流れ図が示されている。作動1041で、2つのグライド動作がx軸に沿って検出される。各グライド動作は、一連の連続したタッチ場所として検出される。従って、図141及び142に関して、第1のグライド動作は、x座標D1で始まった連続した一連のタッチ場所として検出され、第2の同時グライド動作は、x座標2D2で始まった連続した一連のタッチ場所として検出される。作動1042で、xグライド検出は、表IIIに列挙されたパターンの中から各列で発生した検出のタイプを決定するために分析される。
作動1043で、xグライド検出は、作動1042で決定された検出のパターンに基づいて及び表IIIの「タッチ場所」列に基づいて、指定されたスクリーン縁部の近く又は遠くで発生したタッチに従って格付けされる。作動1043は、時間間隔にわたる一連の連続したタッチ検出に関連するものである。各連続は、一般的に、グライドが指定された縁部の近く又は遠くであるか否かに応じて、表IIIに列挙されたパターン1及び3、又はパターン2及び4のタッチ検出を含む。グライドを含む個々の検出を分析することに加えて、一連のタッチ検出は、グライドが経時的な検出の強度の比較に基づいて指定された縁部の近く又は遠くに動いたか否かを判断するために分析される。例えば、複数のパターン1検出を有する検出の1つの連続では、遮られた光の量が時間と共に増加する場合に、グライドは、レシーバに向けて動いており、そうでなければグライドは、エミッタに向けて動いていると推測される。
y座標は、エミッタの縁部のような指定された縁部からの距離を表している。作動1044で、各格付けされたx軸グライドは、対応するy軸グライドと対にされる。作動1045−1047は、x軸グライドのために実行される作動1042−1044と同様にy軸グライドのために実行される。作動1048で、2つの結果の組が比較される。ステップ1049で、回転動作が時計周り又は反時計周りか否かに関する判別が行われる。
図54及び70は、エミッタ及びレシーバの配置を示しており、各ビームの右及び左半分は、図61及び73に示すように隣接するビームに重なり合う。3つのビーム、すなわち、ビーム167、168、及び169がこれらの図に示されている。ビーム167の左半分は、ビーム168の右半分に重なり、ビーム167の右半分は、ビーム169の左半分に重なっている。従って、ビーム167内のいずれの位置のタッチも、2つのビームによって検出される。2つの検出ビームは、図面の光検出エリア910−912に示すようにビームの幅に沿って異なる検出勾配を有する。
光減衰の勾配は、ビームの幅にわたって実質的に線形である。従って、異なる検出信号の加重平均値が、上述の式(2)及び(3)を使用して1つの軸に沿った位置を計算するのに使用される。式(2)は、サンプルの数nに拡張される。例えば、ビームaの中心での指がビームaの予想信号の40%を遮り、ビームbの予想信号を全く遮らない場合に、Wa及びWbは、それぞれ0.4及び0であり、位置Xpは、次式として計算される。
Xp=(0.4*Xa+0*Xb)/(0.4+0)=Xa
Xpの同じ値が、指よりも狭いためにビームaの予想信号の20%しか遮らないスクリーン位置のスタイラスに対して得られる。
同様に、ビームa及びbの中心の間の指が両方のビームからの予想される光の類似の量、例えば、30%を遮る場合に、Xpは、次式として計算される。
Xp=(0.3*Xa+0.3*Xb)/(0.3+0.3)=1/2(Xa+Xb)
これは、XaとXbの間の中間点である。
位置合わせされたエミッタ及びレシーバのシステムにおける位置計算は、シフト位置合わせされたエミッタ及びレシーバのシステムにおける位置計算とはいくつかの態様で異なる。位置合わせされたエミッタ及びレシーバのシステムでは、ビームがタッチ場所を指定するのに使用される座標系に位置合わせされる。この場合に、タッチ場所は、第2の軸に沿ったタッチ場所に関係なく第1の軸に沿って計算される。対照的に、シフト位置合わせされたシステムでは、1次ビーム座標、例えば、ビームaに対するXaが、第2の軸上の仮定されたタッチ座標、Yinitialに基づいて決定される。
更に、位置合わせされたエミッタ及びレシーバのシステムでは、ビームに交差する物体によって発生された減衰及び信号強度パターンが、ビームの長さに沿った全ての位置で実質的に同じである。図67及び97に関して上述したように、物体がビームの幅にわたって動いた場合に、物体は、ビームのエミッタ、検出器、又はスクリーン中央の近くでビームに交差したか否かにかかわらず、実質的に類似の信号パターンを発生させる。従って、検出パターンに基づく重みWa、Wb、...、Wnの初期正規化がシフト位置合わせシステムでは必要であり、位置合わせシステムでは必要ない。
光を遮る物体が、図61及び73のビーム167のようなビームの中央に置かれた場合に、隣接するビームの一部分が遮られる。例えば、ビーム167の40%が遮られ、ビーム168の5%が遮られる。しかし、信号は、ランダムノイズ及び信号の変動を説明する場合がある交替ファセットによっても起こるノイズのその両方を含む。タッチが事実上ビーム167の中心にあるか又は中心から僅かにずれているかを判断するための技術が要求される。
本発明の実施形態により、各信号の複数のサンプルが取られ、信号ノイズを取り除くために結合される。更に、隣接するビーム168及び169は、全ての3つの信号が中間信号の中心近くでタッチを検出する図63及び96に示すように、そのそれぞれの光学要素によってビーム167の中心近くで重なり合うように構成される。主検出信号が1つのビームに集中する場合に、両方の左及び右の隣接するビームからの検出信号は、タッチ場所計算を微調節するのに使用される。具体的には、隣接ビーム168及び169のフィルタリングされた信号が、ビーム167の中心からのオフセットを決定するのに使用される。
2組の軸に沿って光ビームを生成する3方向レンズを備えた光学要素を有する実施形態において、第2の軸システム上の位置を決定するために対角検出ビームに類似の計算が行われる。上述したように、タッチ物体は、典型的に、直交信号よりも大きい対角信号の部分を遮る。
シフト位置合わせされたエミッタ−レシーバ構成に関して上述した空間及び時間フィルタは、位置合わせされたエミッタ−レシーバ構成にも同様に適用される。
タッチスクリーン構成要素の較正
図153を参照すると、本発明の実施形態による光ベースのタッチスクリーンのための較正及びタッチ検出の方法の簡略な流れ図が示されている。一般的に、各エミッタ/レシーバ対信号は、機械的及び構成要素の耐性によって他の対の信号とは極めて異なる。全ての信号レベルが許容可能なSN比を有する事前に指定された範囲になるように、個々のエミッタ及びレシーバの較正が実行される。
本発明の実施形態により、較正は、(i)パルス持続時間及び(ii)パルス強度、すなわち、エミッタ電流を個々に設定することによって行われる。電力消費の理由で、大電流及び短パルス持続時間が好ましい。信号が事前に指定された範囲の下である場合に、パルス持続時間及び/又はパルス強度が増す。信号が事前に指定された範囲の上である場合に、パルス持続時間及び/又はパルス強度は減少する。
図153に示すように、較正(作動1051)は、ブートアップ(作動1050)で行われ、信号が事前に指定された範囲の外側で検出された時(作動1055)に実行される。較正は、タッチが検出されなかった時(作動1053)にのみ実行され、同じ軸上の全ての信号が安定している時(作動1054)、すなわち、信号差は、持続時間にわたってノイズレベル内にある。
各エミッタ/レシーバ対に対する基準信号値は、タッチを認識し、近くのタッチ座標の加重平均値をコンピュータ計算するための比較の基礎として使用される。エミッタ/レシーバ対に対する基準信号値は、正常な信号レベルである。基準信号値は、ブートアップ時に集められ、周囲光の変化又は機械的な変化のような変化が検出された時に更新される。一般的に、図153に示すように、基準信号値は、信号が安定している時(作動1054)、すなわち、信号変動が経時的にサンプルの何らかの数Nにわたって予想範囲にある時に更新される(作動1056)。
スクリーンのタッチエリアの内側のタッチは、スクリーン表面を僅かに屈曲させることがあり、これは、タッチエリアの外側のフォトダイオードの検出信号値に影響を与える反射を引き起こす。このような屈曲は、スタイラスのようなタッチ物体が細く先端が尖っている場合により顕著である。このような屈曲を考慮に入れるために、タッチが検出された時(作動1053)、タッチエリアの外側の全ての安定信号(作動1058)は、基準更新を受ける(作動1059)。タッチが存在せずに全ての信号が安定している(作動1054)が、軸に沿った信号が予想ノイズレベル以上に基準値とは異なる(作動1055)場合に、エミッタが較正される(作動1051)。基準値の再較正及び更新は、スクリーンフレームの屈曲又は捩れによる機械的な応力による信号値のような一時的な信号値の影響を防ぐために、安定した信号を必要とする。
ノイズによる誤りを更に防ぐために、エミッタ/レシーバ対の結果が予想ノイズレベルよりも前の結果とは異なる場合に新しい測定が実行され、最良適合を得るために両方の結果が前の結果と比較される。最終値が予想ノイズレベル内である場合に、カウンタが増分される。そうでなければカウンタはクリアされる。基準値を更新する場合及び再較正する時に、信号が安定又は不安定であるかを判断するために引き続きカウンタが使用される。
各完全な走査の後で、信号は、そのそれぞれの基準値によって正規化される。正規化された信号がタッチ閾値の下ではない場合に、基準値の再較正又は更新が必要であるか否かの検査が行われる。正規化された信号がタッチ閾値よりも下である場合に、タッチが検出される(作動1053)。
突然の障害による偽警報タッチ検出の危険性を低減するために、指が最初にスクリーンにタッチした時のようなスクリーンとの接触の初期ポイントを検出するための閾値は、スクリーンにタッチしている間のスクリーンに沿った指のグライドのような接触のポイントの移動を検出するための閾値よりも厳密である。すなわち、スクリーン表面に沿った物体の移動を検出するのに必要な差に比べて、初期タッチを検出するためには高い信号差が必要である。更に、初期接触は、タッチが有効であること及びタッチの位置が実質的に同じ位置に留まっていることを再走査が確認するまで保留として処理される。
タッチ物体のサイズを決定するために(作動1057)、遮られた信号の範囲及びその振幅が測定される。大きい物体に対しては、大きい物体のタッチが、実際にスクリーンにタッチする前に物体がスクリーンに近づいた時に一般的に検出されるので、タッチが安定するまでスクリーンとの接触の初期ポイントを検出するための待ち時間が存在する。更に、大きい物体がタッチエリアに垂直でない方向からスクリーンに近づいた時に、次の位置は、第1の接触位置から僅かに移動している。
しかし、ペン又はスタイラスのような小さい接触エリアを有する物体は、典型的には、意図されたスクリーン位置に直接に置かれる。従って、本発明の一部の実施形態において、精細物体の初期接触を検出するための待ち時間は、短縮されるか又は完全に省略される。
タッチスクリーンを備えたデバイスがポーチ又はポケットに収納されている時の一定のタッチの検出を防ぐために、タッチを発生させる物体のサイズを制限することが有利であることが見出されている。
作動1053では、有効タッチを表す信号と機械的な影響から発生する信号とを区別することも必要である。これに関して、図154を参照すると、本発明の実施形態により、タッチによって発生した信号と機械的影響によって生じた信号との差を示す図が示されている。図154の4つのグラフの各々は、1つのスクリーン軸に沿った走査中の検出ビーム1−10を示している。図154から分るように、信号勾配が、有効タッチと機械的影響とを区別する。
図155を参照すると、本発明の実施形態により光ベースのタッチスクリーンを較正する時にパルス強度を設定するための制御回路図が示されている。図156を参照すると、本発明の実施形態により光ベースのタッチスクリーンを較正するための最小電流から最大電流にわたるパルス強度に対する較正パルスのプロットが示されている。図156は、6つの異なるパルス持続時間(パルス時間1−パルス時間6)に対するプロット及び各プロットに対する16のパルス強度レベル(1−16)を示している。
図155の制御回路は、それぞれの可変抵抗器R1、R2、R3、及びR4を備えた4つのトランジスタを含む。抵抗器の値は、信号レベルを制御し、その値の間の比は、図155に示すパルス曲線の勾配を制御する。
図157を参照すると、本発明の実施形態により光ベースのタッチスクリーンを較正するための簡略なパルス図と対応する出力信号のグラフとが示されている。簡略なパルス図は、図157の左に示され、タッチスクリーンを較正する時に制御回路によって管理される異なるパルス持続時間t0、...、tnを示している。図157に示すように、パルスの持続時間を制御するために複数のステップが使用され、パルス電流を制御するために複数のステップが使用される。対応する出力信号グラフが、図157の右に示されている。
図157に示すように、異なるパルス持続時間は、異なる立ち上がり時間及び異なる振幅をもたらす。信号ピークは、アナログ−デジタル(A/D)サンプラが、そのサンプル及び保持回路を閉じた時間の近くで起こる。最大出力信号を取得するために、エミッタパルス持続時間は、A/Dサンプリング窓の終わり又は終わりの近くで終了するように制御される。A/Dサンプリング時間が固定されているので、A/Dサンプリングの開始とパルス起動期間中のタイミングtdとは、重要なファクタである。
タッチスクリーン構成要素のアセンブリ
上述したように、光ベースのタッチスクリーンに対して適切な精度を達成するために、それぞれの光エミッタ及び光レシーバに集束する光学ガイドを位置合わせする時に最小の許容誤差が要求される。小さいミスアラインメントが、光ビームを変化させることによってタッチ検出の精度を深刻に劣化させる可能性がある。表面に装着されるレシーバ及びトランスミッタをそれぞれの導光体に適切に位置合わせされるように正確に配置することは困難である。
この難しさのために、本発明の実施形態において、導光体及びトランスミッタ又はレシーバは、図105−108に関して上述したように、単一のモジュール又は光学要素に結合される。
一部の事例では、例えば、標準的なエミッタ及びレシーバ構成要素を使用するためにエミッタ又はレシーバを光学要素に結合しないことが有利であることがある。このような事例では、構成要素の精密配置が重要である。
本発明の一部の実施形態において、フェザーパターンを含む光学レンズは、スクリーンにわたって適合するフレームの一部である。図37は、LED200から分離しているこのようなフレーム455の断面図を示している。
図158を参照すると、本発明の実施形態により、基板、取り分け、プリント回路基板又は光学構成要素上へのエミッタ又はレシーバのような構成要素の位置決めの精度を上げるために毛管効果がどのように使用されるかが示されている。図158には、光学構成要素又は一時的ガイド513に位置合わせされることになるエミッタ又はレシーバ398が示されている。光学構成要素又は一時的ガイド513は、ガイドピン764によってプリント回路基板763に固定される。半田パッド765が、構成要素半田パッド766からオフセットして置かれる。プリント回路基板763は、次に、半田付けのために加熱オーブンに挿入される。
図159を参照すると、本発明の実施形態により加熱オーブンを通過した後の図158のプリント回路基板763が示されている。図159に示すように、構成要素398は、光学構成要素又は一時的ガイド513のノッチ及び空洞769によって案内されて半田の毛管効果によって所定位置に吸い込まれる。一時的ガイドが使用される場合に、これは、次の半田付けのために再使用することができる。
図158及び159に関して説明した処理は、電子デバイスの大量生産における使用に適している。
光ベースのタッチスクリーンのためのASICコントローラ
本発明の態様は、一連のエミッタ及び検出器に対して走査プログラムを実行する新しい光ベースのタッチスクリーンASICコントローラのためのプログラマブル状態機械の設計及び使用に関するものである。走査プログラムは、走査シーケンス、電流レベル、及びパルス幅を決定する。コントローラは、LED電流制御のための集積LEDドライバ、光検出器電流測定のための集積レシーバドライバ、及びシリアル周辺インタフェース(SPI)のような標準的なバスインタフェースを使用してコントローラとホストプロセッサ間の通信を可能にするための集積A/Dコンバータを含む。
本発明によると、プログラムは、例えばSPIを通してコントローラ上にロードされる。その後、走査実行が、ホストプロセッサとは独立して行われ、全体的なシステム電力消費を最適化する。走査データが準備できた時に、コントローラは、INTピンを通してホストプロセッサに割り込みを出す。
図160を参照すると、本発明の実施形態による光ベースのタッチスクリーン800及びそのASICコントローラの概略図が示されている。
図161を参照すると、本発明の実施形態による光ベースのタッチスクリーンのコントローラのためのチップパッケージ731の回路図が示されている。
図161に示すように、チップパッケージ731は、チップパッケージの外側にある複数の光エミッタ200を選択的に起動するためのエミッタドライバ回路740、及び光エミッタ200をエミッタドライバ回路740に接続するための信号伝導ピン732を含む。エミッタドライバ回路740は、その内容がこれにより引用によって本明細書に組み込まれる2009年2月15日出願の「光ベースのタッチスクリーン」という名称の本出願人の現在特許出願中の特許出願である米国特許出願出願番号第12/371,609号明細書に記載されている。取り分け、2009年7月30日に米国特許公開第2009/0189878 A1号明細書に公開されたこの出願の段落[0073]、段落[0087]−[0091]、及び図11を参照されたい。
エミッタドライバ回路740は、プログラマブル電流ソースを通して各エミッタ−検出器対のための個々の光エミッタパルス持続時間及びパルス電流を構成するための回路742を含む。回路742は、その内容がこれにより引用によって本明細書に組み込まれる2011年3月21日出願の「シフト位置合わせされたエミッタ及びレシーバレンズを備えた光ベースのタッチスクリーン」という名称の本出願人の現在特許出願中の特許出願である米国特許出願出願番号第13/052,511号明細書に記載されている。取り分け、2011年7月7日に米国特許公開第2011/0163998号明細書に公開されたこの出願の段落[0343]−[0358]及び図99−101を参照されたい。
チップパッケージ731は、チップパッケージの外側の複数の光検出器300を選択的に起動するための検出器ドライバ回路750、及び光検出器300を検出器ドライバ回路750に接続するための信号伝導ピン733を含む。検出器ドライバ回路750は、連続フィードバック帯域通過フィルタを実行することによって光検出器300から受け入れた電流をフィルタリングするための回路755、及び帯域通過フィルタリングされた電流をデジタル化するための回路756を含む。回路755は、取り分け、上記に引用された米国特許公開第2009/0189878 A1号明細書の段落[0076]、段落[107]−[0163]、及び図14−23Bに記載されている。チップパッケージ731は、光検出器300で検出された光の測定量を表す検出信号を発生させるための検出器信号処理回路753を含む。
チップパッケージ731は、ホストプロセッサ772と通信するためのI/Oピン736を更に含む。チップパッケージ731は、エミッタドライバ回路740及び検出器ドライバ回路750を制御するためのコントローラ回路759を更に含む。コントローラ回路759は、シリアル周辺インタフェース(SPI)775のためのバス規格を使用してホストプロセッサ772と通信する。チップパッケージ731は、光ベースのタッチスクリーンのための少なくとも1つの追加のコントローラ774とのコントローラ回路759の作動を調節するためのチップ選択(CS)ピン737を更に含む。
図161に示すコントローラは、チップパッケージ731内に上述の要素の全てをパッケージ化し、それによって(i)52エミッタ−レシーバ対のような走査シーケンス全体の自動実行を可能にし、かつそれによって(ii)ホストプロセッサ772による次の分析のためにコントローラ回路759に位置決めされたレジスタアレイに検出信号を格納する。このレジスタアレイは、少なくとも52の12ビットレシーバ結果のためのストレージを提供する。個々のエミッタ−レシーバ対のための個々のパルス持続時間及びパルス電流を構成するためのコントローラ回路759における追加のレジスタが提供される。52の固有のエミッタ−レシーバ対をサポートするために、少なくとも104のレジスタを提供し、すなわち、個々のパルス持続時間を構成するための52のレジスタと、個々のパルス電流を構成するための52のレジスタとを提供する。
図162を参照すると、本発明の実施形態によりチップパッケージ731のピン732に接続するための各行に4又は5光エミッタを備えた6行の光エミッタの回路図が示されている。図150に示すように、11行、すなわち、LED_ROW1、...、LED_ROW6、及びLED_COL1、...、LED_COL5が、26光エミッタのための2次元アドレス指定を提供するが、光エミッタは、タッチスクリーンの2つの縁部の周りに物理的に配置される。表IVは、光エミッタLEDからLED_ROW及びLED_COLピンへのLED多重マッピングを示している。より一般的に、LED行列は、コントローラ上のm+nI/OピンによってサポートされるLEDのmxnアレイを含むことができる。
従って、LEDは、行及び列I/Oピンの選択によってアクセスされる。コントローラは、行及び列を選択するためのプッシュ−プルドライバを含む。LEDの行及び列座標がLED及びプッシュ−プルドライバの物理的配置には関係ないことは当業者によって認められるであろう。特に、LEDは、矩形の行列に物理的に位置決めする必要はない。
本発明のコントローラの代替の実施形態において、プッシュ−プルドライバの代わりに電流ソースドライバが使用される。本発明のコントローラの別の実施形態において、プッシュ−プルドライバのうちの一部は、電流ソースドライバに結合され、プッシュ−プルドライバのうちの他のものは、電流シンクドライバに結合される。
(表IV)
光ベースのタッチスクリーンにエミッタ及びレシーバのための専用コントローラを有する利点は、電力の節約及び性能である。従来のシステムでは、テキサス州ダラス所在のテキサス・インストルメンツによって製造されたMSP430チップのような従来のチップがエミッタ及びレシーバを制御している。電力節約に関して、従来のチップは、電力を消費するチップ要素の全てへのアクセスを提供しない。更に、従来のチップでは、エミッタに同期して外部要素を電源オン及びオフにすることができない。例えば、従来のチップでは、レシーバに接続した増幅器ユニット及びレシーバ光検出電流をデジタル化するためのアナログ−デジタルコンバータ(ADC)をエミッタの起動に同期してオン及びオフにすることができない。従来のシステムでは、これらの要素は、走査シーケンス全体を通して電源オンにされたままである。対照的に、本発明の専用コントローラは、エミッタの起動に同期してマイクロ秒の分解能でこれらの要素を電源オン及びオフにすることができる。コントローラブロックのこの及び他のそのような選択的起動は、タッチシステムの総電力消費をかなり低減する。実際に、増幅器、ADC、及び他のコントローラブロックに対する電力消費は、その全体の電力消費が光エミッタ起動電力に比べて無視することができる程度に低減される。従って、システム電力消費は、光エミッタを起動するための電力消費にほとんど同じである。
本発明の専用コントローラが一連のエミッタ−レシーバ対を走査した時に、LEDドライバは、LED電流制御レジスタ及びLEDパルス長制御レジスタにおける設定に従って電流の量をLEDに供給する。表Vは、2.7Vの電源を有する100Hzの50のエミッタ−レシーバ対に対する専用コントローラの電力消費を示している。パルス持続時間及びパルス電流は、構成レジスタを使用して回路742を通して設定される。電流消費は、次式のように計算される。
100Hz×50起動対×パルス持続時間(μs)×パルス電流(A)=バッテリからの電流消費(μA)
電力消費は、次式のように計算される。
電流消費(μA)*電圧(V)=電力(mW)
(表V)
性能に関して、スクリーンの周りの全てのエミッタ−レシーバ対の走査を完了するのに必要な時間は、特に高速スタイラストレーシングに対して重要である。図163を参照すると、本発明の実施形態によりエミッタ200及びレシーバ300によって囲まれたタッチスクリーンの概略図が示されている。エミッタ200は、走査シーケンスで走査され、例えば、エミッタ200は、図163に示す1−16の順番に走査することができる。タッチポイント900は、先端が細いスタイラスを使用して高速スクロールで人間が署名を書くことによって行われたタッチに対応する。3つの位置がタッチポイント900に対して示されている。時間t1で、エミッタ1が起動された時に、スタイラスは、場所aに位置付けられる。時間t2で、エミッタ16が起動された時に、スタイラスは、ユーザがユーザの名前を署名した時の迅速な動きのために場所bに位置付けられる。しかし、時間t2でのスクリーン上の検出位置は、場所bとは異なる場所cであり、これは、時間t2でエミッタ16が起動された時に、スタイラスが時間t1の位置から移動しているからである。x座標検出とy座標検出の間のこのような時間ラグは、スクリーン上のスタイラスのタッチ場所の検出に誤りを生じる。これらの誤りは、高速のスタイラスの書込みにおいて最も顕著である。従って、可能な限り早く走査シーケンス全体を完了することが望ましい。
本発明の専用コントローラは、従来のチップよりも速く走査シーケンスを完了する。本発明の専用コントローラは、走査シーケンス全体を自動的に実行するのに必要なパラメータを格納するレジスタアレイを含む。専用コントローラは、更に、走査シーケンスに対するフィルタリングされたデジタル結果を格納するためのレジスタアレイを含む。対照的に、従来のチップでは、全てのレジスタが利用可能というわけではなく、レジスタの構成データが自動的に解析されない。従って、従来のチップを使用した走査シーケンス中に、更に別のエミッタ起動を構成し、かつ結果を読み取るための一部のサイクルが必要である。
本発明の実施形態により、単一の専用コントローラによってサポートすることができるよりもエミッタ及びレシーバの数が多い構成に対して、複数のコントローラが使用される。複数のコントローラの各々は、走査を実行する前に構成され、次に、走査が急速な連続で各コントローラによって実行される。この実施形態において、全てのコントローラにレジスタを構成した後で、ホストが、図161に示されているチップ選択(CS)ピンを使用して第1のコントローラチップを選択し、かつそのチップを起動する。そのチップ上の走査シーケンスが完了した時に、チップは、割り込みをホストに送る。次に、ホストは、そのCSピンを使用して第2のコントローラチップを選択し、かつ第2のチップの走査シーケンスを実行する。コントローラチップの全てがそのそれぞれの走査を完了した後、ホストは、各チップから結果を読取り、かつタッチ場所を計算する。
これに関して、図164を参照すると、本発明の実施形態によりデバイス1及びデバイス2として示される2つのコントローラによって構成されたタッチスクリーンを示す略応用図が示されている。図164には、LED及びシフト位置合わせされたPDによって囲まれたタッチスクリーン800が示されている。26のLED、LED1−LED26が、第1のスクリーン縁部に沿ってデバイス1からのLEDピンに接続され、この縁部に沿った追加のLED、LED1−LEDCRが、デバイス2からのLEDピンに接続される。反対側の縁部に沿って、PDが、LEDにシフト位置合わせされる。デバイス1LEDからの光を検出するPDは、デバイス1PDピンに接続され、デバイス2LEDからの光を検出するPDは、デバイス2PDピンに接続される。各LEDを2つのPDに接続している破線は、各LEDからの光が2つのPDによってどのように検出されるかを示している。各PDは、2つのLEDからの光を検出する。
図164に示すように、デバイス1のPD27は、デバイス1のLED26から及びデバイス2のLED1からの光を検出する。従って、PD27は、デバイス1のPD27ピンに及びデバイス2のPD1ピンに接続される。デバイス1のLED26からの光を検出した時に、PD27は、デバイス1のPD27ピンを通してサンプリングされ、その結果がデバイス1に格納され、デバイス2のLED1からの光を検出した時に、PD27は、デバイス2のPD1ピンを通してサンプリングされ、その結果がデバイス2に格納される。従って、各コントローラは、LEDの起動とそれぞれのPDの起動とを調節する。ホストプロセッサは、2つのデバイスからのPD結果を補間することによってデバイス1−デバイス2の境界に沿ったタッチ場所を計算する。
図165を参照すると、従来のチップを使用した走査シーケンスの性能と本発明の専用コントローラを使用した走査の性能とのグラフが示されている。各完全スクリーン走査の持続時間は、専用コントローラよりも従来のチップの方が長い。専用コントローラは、走査シーケンスと走査シーケンスの間に電源を落とすことができ、特に走査シーケンスと走査シーケンスの間の時間のストレッチが、従来のチップの使用よりも専用コントローラを使用した方が大きいので、更に別の電力節約を提供する。複数の走査のタッチポイントを接続するために、ホストプロセッサは、スプライン補間又は他のこのような予測符号化アルゴリズムを使用して、ユーザのペンストロークに適合する滑らかな線を発生させることができる。重要なのは、本発明の専用コントローラを使用した場合に、各タッチポイントが非常に正確であることである。
更に、本発明の専用コントローラを使用したホストが従来のチップを使用した時に可能な制限値を超えて走査周波数を増加させることができることが図165から明らかである。例えば、ホストは、本発明のコントローラを使用して1000Hzで50のエミッタ−レシーバ対を走査することができる。対照的に、従来のチップを使用したタッチスクリーンは、一般的に100Hz又はそれ未満の周波数で作動する。1000Hzに対応する高サンプリング速度は、経時的な正確なタッチ場所計算を可能にする。次に、これは、スタイラスが固定されたままの場合に、上述のジッタ効果を実質的に排除するタッチ座標の時間的フィルタリングを可能にし、スタイラス位置とスクリーンに沿ったスタイラスの経路を表す線との間の上述の時間ラグを実質的に低減する。
1000Hzでの50程度のエミッタ−レシーバ対のこのような高サンプリング速度は、個々のLEDが起動の前に構成を必要とする場合には達成することができない。本発明の専用コントローラは、走査シーケンス全体を自動的に起動するためのレジスタ及び回路を提供することにより、このような高サンプリング速度を達成する。
短時間に複数の走査シーケンスを完了する更に別の利点は、タッチ信号の曖昧性の除去である。曖昧な信号の問題は、図8及び9に関して上述されている。上述したように、光検出器の同じ検出パターンが、図8及び9に示すようにスクリーンの対角線に沿った2つの同時タッチに対して受光される。スクリーン上に2つの指を置いた時に、第1及び第2のタッチの間に固有の遅延が存在する。非常に短い時間に複数の走査シーケンスを完了することで、本発明のシステムは、明瞭な第1のタッチを決定することができる。次に、第2のタッチが検出された時に第1のタッチが維持されていると仮定して、第2のタッチ場所が容易に解決される。例えば、1つのタッチが上部左コーナにあり、タッチ検出パターンが図8及び9に示すようなものであると決定された場合に、第2のタッチ場所は、スクリーンの底部右コーナになくてはならない。
従って、本発明による専用コントローラは、電力効率が高くかつ高精度であり、高サンプリング速度を可能にすることが当業者によって認められるであろう。ホストは、100Hz又はそれ未満に対応する低電力に対して、又は500Hz−1000Hzのような高周波数走査に対してコントローラを構成する。
ジッタ及びラグが、スタイラスタッチのような比較的小さいエリアを覆うタッチよりも指タッチのような比較的大きいエリアを覆うタッチに対して顕著でないので、適切な構成の決定は、特にタッチポインタによって覆われるタッチスクリーンのエリアに基づいている。光ベースタッチスクリーン信号の影になったエリアのサイズによって決定されたポインタによって覆われるエリアに基づいて、ホストは、指又はスタイラスが使用されているか否かを決定し、電力と精度のトレードオフに基づいて適切な走査速度を構成する。
本発明の実施形態により、専用コントローラは、LEDを選択的に起動するための走査範囲レジスタ、及び各起動に対して電流の量及び持続時間を指定するための電流制御及びパルス持続時間レジスタを含む。走査範囲レジスタは、各スクリーン縁部に沿って起動される第1のLED及び第1のPD、各縁部に沿って起動されるLEDの数、及び起動されるLED間のステップ係数を指定する。0のステップ係数は、各ステップで次のLEDが起動されることを示し、1のステップ係数は、全ての他のLEDが起動されることを示す。従って、奇数だけ又は偶数だけのLEDを起動するために、1のステップ係数が使用される。2又はそれよりも大きいステップ係数は、2つ又はそれよりも多くのLEDのステップそれぞれに対して使用することができる。追加のレジスタが、各LEDと共に起動されるPDの数を構成する。0の値は、各LEDが単一の対応するPDと共に起動されることを示し、1の値は、各LEDが2つのPDと共に起動されることを示す。各LEDと共に起動されるPDの数は、タッチスクリーンの周りの利用可能なPDの数と同じにすることができる。
電力を節約するために、初期タッチ場所を検出するための低分解能走査を有することが有利である。ホストは、例えば、タッチが検出されなかった時にこのモードで実行することができる。タッチが検出された時に、ホストは、図135に関して上述したように、正確なタッチ場所を計算するために高分解能走査モードに切り換える。コントローラ走査シーケンスレジスタにより、どのエミッタも1つのレシーバと共に起動され、すなわち、ステップ=0である。図135(d)の走査シーケンスは、各スクリーン縁部のシーケンスで使用された初期PDの図135(e)とは異なる。具体的には、第1のPD、すなわち、PD0が、図135(d)で使用され、第2のPD、すなわち、PD1が、図135(e)で使用される。各スクリーン縁部に沿って使用される初期PDは、レジスタによって構成される。
各LEDが1つよりも多いPDと共に起動される時に、LEDは、PDの各々に対して別々に起動される。各このような個別の起動は、それぞれの電流制御及びパルス持続時間レジスタを有する。
本発明のコントローラは、電流を望ましいLEDに向けるために多重通信回路を自動的に制御する。LED多重通信回路制御は、走査制御レジスタによって設定される。ドライバがLEDをパルス駆動した時に、コントローラは、正しいPDレシーバを自動的に同期する。12ビットADCレシーバ情報がPDデータレジスタに格納される。走査の完了時に、コントローラは、割り込みをホストプロセッサに出し、かつ自動的に待機モードに入る。次に、ホストは、SPIインタフェースを通して走査シーケンス全体に対するレシーバデータを読み取る。
一部のタッチスクリーン構成では、エミッタは、レシーバにシフト位置合わせされ、エミッタは、1つよりも多いレシーバによって検出され、かつ各検出レシーバに対して1つ又はそれよりも多くの回数起動される。例えば、エミッタは、速く連続して3回起動することができ、各起動と共に異なるレシーバが起動される。更に、レシーバは、周囲光強度を決定するためにエミッタ起動間の間隔中に起動される。
他のタッチスクリーン構成では、エミッタ及びレシーバが位置合わせされているが、各エミッタは、1つよりも多いレシーバによって検出され、各エミッタは、各検出レシーバに対して別々に起動される。エミッタ−レシーバ起動パターンは、その内容が引用によって本明細書によって組み込まれている2010年1月5日出願の「タッチスクリーンの走査」という名称の本出願人の現在特許出願中の特許出願である米国特許出願出願番号第12/667,692号明細書に記載されている。取り分け、2011年2月24日に米国特許公開第2011/0043485号明細書に公開されたこの出願の段落[0029]、[0030]、[0033]、及び[0034]を参照されたい。
図166を参照すると、本発明の実施形態によりエミッタ及びレシーバのシフト位置合わせ配置を有するタッチスクリーン800の概略図が示されている。図166には、スクリーン800の南端に沿ったエミッタ204−208、スクリーン800の北端に沿ったシフト位置合わせされたレシーバ306−311、スクリーン800の東端に沿ったエミッタ209−211、及びスクリーン800の西端に沿ったシフト位置合わせされたレシーバ312−315が示されている。レシーバの各縁部は、スクリーン800のコーナのタッチを検出するために反対側の縁部に沿ったエミッタの数よりも1つ又はそれよりも多いレシーバを有することに注意されたい。ビーム174は、エミッタ204の起動及びレシーバ306による検出を示している。表VIは、エミッタ−レシーバ対の観点からの起動シーケンスを列挙している。
(表VI)
起動番号10の208−311は、スクリーン800の水平方向の寸法に沿った最後の起動である。起動番号11は、スクリーン800の垂直方向の寸法に沿った第1の起動である。このようなコーナの回転は、スクリーン縁部に沿った起動パターンを変化させる。具体的には、スクリーン縁部に沿った起動パターンは、形式AA−AB−BB−BC−CC−CDであり、各対の第1の文字がエミッタを示し、第2の文字がレシーバを示している。従って、AA−ABでは、同じエミッタが2つのレシーバと共に起動され、AB−BBでは、2つのエミッタが同じレシーバと共に起動される。起動番号11のようにコーナを回転する時に、パターンがリセットされる。エミッタ209及びレシーバ311が向かい合うスクリーン縁部に沿って置かれていないので、アクティブエミッタ209は、以前に起動されたレシーバ311によって検出されない。代わりに、エミッタ209は、レシーバ312によって検出され、従って、垂直方向スクリーン寸法に沿って新しいAA−AB−BB−BC...起動パターンを開始する。コントローラは、スクリーン縁部に沿った走査が完了した時間を示す走査シーケンスレジスタに基づいてパターンリセットを処理する。
図167を参照すると、本発明の実施形態により各スクリーン縁部に沿って交替するエミッタ及びレシーバを有するタッチスクリーン800の概略図が示されている。図167に示すように、各エミッタは、2つのレシーバの間に置かれ、何らかの数nに対して、定められた縁部に沿ったnエミッタ及びn+1レシーバをもたらす。図167は、10のエミッタ204−213及び14のレシーバ306−319によって囲まれたタッチスクリーン800を示している。図163に関して上述したように、各エミッタは、2つのレシーバと対にされる。図167の破線の矢印174及び175は、エミッタ204の2つの起動、すなわち、レシーバ316によって検出される起動及びレシーバ315によって検出される別の起動を示す。
本発明の実施形態により、起動シーケンスが、スクリーン縁部に沿ったエミッタのシーケンスの最後に達した時に、隣接する縁部に沿ってエミッタを起動する起動パターンが再始動される。本発明の別の実施形態により、各エミッタの検出レシーバとの向きの角度は、エミッタがそれに沿って配置されている縁部の法線から実質的に45度である。このような場合に、隣接する縁部に沿ったレシーバは、スクリーンのコーナの近くでエミッタからの光を検出することができる。従って、起動パターンは再始動されないが、代わりに、一連の起動エミッタがコーナを曲がる時に継続される。これに代えて、コントローラは、各スクリーン寸法に沿ってコントローラによって起動される最後のLEDのインデックスを格納するレジスタの使用によって、コーナを曲がった時に起動パターンを再始動することができる。
本発明の実施形態により、コントローラは、単純な状態機械であり、かつARMコアのようなプロセッサコアを含まない。従って、本発明のコントローラのコストは低い。本発明のコントローラを使用する光ベースのタッチスクリーンは、容量式タッチスクリーンが多数の信号を統合してタッチ場所を計算するためにプロセッサコアを必要とするので、同等の容量式タッチスクリーンよりもコストが低い。迅速な応答時間を達成するために、容量式タッチスクリーンは、この計算をホストプロセッサにオフロードする代わりにタッチ場所を計算するための専用プロセッサコアを使用する。次に、これは、容量式タッチスクリーンに対する材料の請求額を上げる。対照的に、本発明の光ベースのタッチスクリーンは、2つの隣接するレシーバ値を使用して軸に沿ったタッチ場所を計算し、ホストがタッチ場所を計算することを可能にし、この結果として低コストコントローラの使用を可能にする。
本発明の実施形態により、複数のコントローラが、タッチスクリーン800を制御するように作動することができる。上述したように、チップパッケージ731は、光ベースのタッチスクリーンのための少なくとも1つの追加のコントローラ774と走査コントローラ回路759の作動を調節するためのチップ選択(CS)ピン737とを含む。
本発明の実施形態により、コントローラは、上述の構成第5のタッチスクリーンのための起動シーケンスをサポートする。第1の実施形態において、図54に示すように、エミッタが2つのスクリーン縁部に沿って位置決めされ、真向かいのそれぞれのレシーバが、残りの2つのスクリーン縁部に沿って位置決めされる。各エミッタは、2ピッチ幅広光ビームをそのそれぞれのレシーバに送る。図55に関して上述した要素530のような光学要素は、この幅広ビームを隣接する幅広ビームと交互にし、スクリーンを覆う2組の重なり合った幅広ビームを発生させ、例えば、1つおきにビームを含む組がスクリーンを覆う。図60は、それぞれのエミッタ201及び202によって発生されたビーム168及び169によって覆われた連続エリアを示しており、エミッタ200が、エミッタ201と202の間にある。
2つの起動シーケンスを提供し、すなわち、タッチが検出されなかった時の低分解能検出のための起動シーケンスと1つ又はそれよりも多くの検出されたタッチをトレースするための高分解能検出のための起動シーケンスとを提供する。低分解能検出では、1つおきにエミッタ−レシーバ対が1つのスクリーン縁部に沿って起動される。矩形のスクリーンでは、短い方の縁部が使用される。構成要素の使用を均一に配分するために、エミッタ−レシーバ対の奇数及び偶数組が交互に起動される。従って、低分解能検出では、各エミッタは、1つのレシーバと共に起動されるように構成され、ステップ係数は1であり、すなわち、1つおきにエミッタが起動される。高分解能検出モードでは、各エミッタは、1つのレシーバと共に起動されるように構成され、ステップ係数は0であり、すなわち、あらゆるエミッタが起動される。このモードでの走査は、エミッタが並んだ両方のスクリーン縁部に沿ってエミッタを起動する。
代替の実施形態において、エミッタ及びレシーバは、図70に示すようにスクリーン縁部に沿って交互に配置される。各エミッタが2ピッチ幅広ビームをそのそれぞれのレシーバに送る。図55に関して上述した要素530のような光学要素は、この幅広ビームと隣接する幅広ビームを交互にして、スクリーンを覆う2組の重なり合う幅広光ビームを発生させ、例えば、1つおきにビームを含むセットがスクリーンを覆う。図69は、それぞれのエミッタ201及び202によって発生されたビーム168及び169によって覆われる連続エリアを示しており、レシーバ300が、エミッタ201と202に間に置かれている。
この実施形態において、3つの起動シーケンス、すなわち、1つの軸上の検出を使用する低分解能検出のための起動シーケンス、2つの軸上の検出を使用する高分解能検出のための起動シーケンス、及び4つの軸における検出を使用する高分解能検出のための起動シーケンスを提供する。低分解能検出では、1つおきにエミッタ−レシーバ対が1つのスクリーン縁部に沿って起動される。矩形のスクリーンでは、短い縁部が使用される。構成要素の使用を均一に配分するために、ビームの奇数及び偶数の組が交互に起動される。しかし、隣接するビームが反対方向に視準されるので、エミッタは、エミッタのインデックスが単一のスクリーン縁部に沿って増分されるように構成されるようにASIC LEDコネクタに接続される。従って、ステップ係数は0であり、すなわち、1つおきにビームが起動され、起動の列は、アクティブ縁部に沿った最後のエミッタで終了する。代替の実施形態において、エミッタは、エミッタのインデックスが一連のビームと共に増分されるように構成されるようにASIC LEDコネクタに接続される。この場合に、ステップ係数は1であり、すなわち、1つおきにビームが起動される。
2つの軸に沿ったビームを使用する高分解能検出モードでは、各エミッタは、1つのそれぞれのレシーバと共に起動されるように構成され、ステップ係数は0であり、起動の列は、全てのエミッタをカバーする。
4つの軸に沿ったビームを使用する高分解能検出モードでは、複数の起動が実行される。第1の起動は、水平及び垂直軸に沿ってビームを起動する。初期エミッタインデックスは、初期レシーバインデックスに符合し、エミッタインデックスは、レシーバインデックスと共に増分される。第2の起動列は、対角ビームの第1の組を起動する。この場合に、初期エミッタ及びレシーバインデックスは、初期エミッタからの対角ビームの1つの終点を定義する。次に、エミッタインデックスは、スクリーンの周りのレシーバインデックスと共に増分される。第3の起動列が対角ビームの第2の組を起動する。この場合に、初期エミッタ及びレシーバインデックスは、初期エミッタからの第2の対角ビームの終点を定義する。
本発明は、小型、中型、及び大型スクリーンを含むタッチセンサ式スクリーンを備えた電子デバイスに対する様々な応用を有する。このようなデバイスは、取り分け、コンピュータ、家庭娯楽システム、車載娯楽システム、セキュリティシステム、PDA、携帯電話、電子ゲーム及び玩具、デジタルフォトフレーム、デジタル楽器、電子書籍読取器、TV、及びGPSナビゲータを含む。
以上の明細書では、本発明をその特定の例示的な実施形態に関して説明した。しかし、添付の特許請求の範囲に示すような本発明の広範な精神及び範囲から逸脱することなく様々な修正及び変形を特定の例示的な実施形態に対して行うことができることは明らかであろう。従って、本明細書及び図面は、制限の意味ではなく例示的な意味と見なすものとする。