JP2015502974A - 抗微生物療法のための三環式ホウ素化合物 - Google Patents

抗微生物療法のための三環式ホウ素化合物 Download PDF

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Abstract

本発明において、下記式Iの抗微生物性三環式ホウ素化合物:又は、抗菌薬である、それらの医薬として許容し得る塩、錯体、若しくは互変異性体、それらを含有する医薬組成物、それらの使用方法、及びこれらの化合物の調製方法が提供される。【選択図】なし【化1】

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2011年12月22日に出願された米国特許仮出願第61/579,271号の名称「抗微生物療法のための新規三環式ホウ素化合物」の恩典及び優先権を主張するものであり、この仮出願の内容はその全体が引用により本明細書中に組み込まれている。
(分野)
本明細書において、抗微生物性有機ホウ素化合物、それらの医薬組成物、それらの使用方法、及びそれらの調製方法が提供される。本明細書に提供される化合物は、細菌種に対する有用な活性を有する。
(背景)
増大する細菌耐性のために、抗菌性化合物の新規クラスが、微生物感染症の治療のために必要とされている。新たな作用機序により作用する物質は、現存する薬物との望ましくない交差耐性を避けることが望ましい。該物質は、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、アシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii)、大腸菌(Escherichia coli)、及び肺炎桿菌(Klebsiela pneumoniae)を含むグラム陰性菌に加え、多剤耐性ブドウ球菌及び連鎖球菌などの重要なグラム陽性菌、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)などのバクテロイデス及びクロストリジウム菌種などのいくつかの嫌気性病原体、並びに結核菌(Mycobacterium tuberculosis)及びトリ結核菌(Mycobacterium avium)を含む抗酸菌を含んでなる、重要な哺乳類の病原体に対し有用な活性を有する必要がある。これらの物質は同じく、トリパノソーマ原虫(Trypanosomanaiasis)などの、重症の寄生虫感染症の治療にも必要とされる。
いくつかの抗菌性有機ホウ素化合物が、公報PCT WO 2005/013892、PCT WO 2007/131072、PCT WO 2008/157726、US 2009/0227541、US 2009/0239824、WO 2009/140309、PCT WO 2010/080558、PCT WO 2011/017125、及びPCT WO 2012/033858において、これまでに説明されている。このクラスの化合物は、今までのところ、ヒトにおける抗感染症療法については承認されていない。
前述の公報はいずれも、本明細書に提供される任意の化合物、それらの併用療法、及び/又はその組成物を、具体的には意図していない。
(概要)
グラム陰性微生物及びグラム陽性微生物に対する、更にはマイコバクテリウムに対する活性を含む、高い抗菌活性を伴う医薬化合物が、本明細書において提供される。これらの化合物は特に、緑膿菌、アシネトバクター・バウマニ、大腸菌、又は肺炎桿菌などのグラム陰性菌に対し活性がある。該化合物はまた、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)又はクリプトコッカス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)などの、酵母及び真菌微生物に対しても活性がある。本明細書に提供されるいくつかの化合物はまた、ガンビアトリパノソーマ(Trypanosoma brucei gambiense)又はローデシアトリパノソーマ(Trypanosoma brucei rhodesiens)などの、寄生原虫病原体に対しても活性がある。
下記式A又はBの化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、錯体、若しくは互変異性体が、本明細書において提供される:
Figure 2015502974
(式中:
R1及びR2は、独立して、H、F、C1-6アルキル、C1-6ヘテロアルキル、C3-6シクロアルキル、C1-6(アミノ)アルキル、アミノメチル、ヒドロキシメチル、C1-6アルキルNH2、C1-6アルキルOH、C1-6アルキルNR2、OC1-6アルキルNH2、C1-6アルキルCH=NOR、C1-6アルキル(イミダゾール)、C1-6アルキル(グアニジン)、C1-6アルキルC(=NH)NH2、C1-6アルキルC(=NOH)NH2であり;並びに、ここで、Rは、H、C1-6アルキル、C1-6ヘテロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6アルキルS(O)mであり;並びに、ここで、mは、0、1、又は2であり;並びに、ここで、
Xは、O、S、又はNR’であり、ここで、R’は、C(=O)C1-6アルキル、C(=O)OC1-6アルキル、C(=O)OC1-6(ヒドロキシル)アルキル、C(=O)NH2、C(=O)NHC1-6アルキル、SO2Ar、又はSO2C1-6アルキルであり;並びに、ここで、
R3及びR4は、独立して、H、ハロ、CN、C1-6アルキル、C1-6アルキルアミノ、C1-6アルコキシ、C2-6アルケニル、C1-6ヘテロアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6(ヒドロキシ)アルキル、C1-6(ヒドロキシ)アルケニル、C1-6(アミノ)アルキル、OC(=O)NH2、OC(=O)NHC1-6アルキルから独立して選択された、単独の置換基又は複数の置換基であるか;或いは、R3とR4は一緒に、C3-6シクロアルキル基を形成し;並びに、ここで
R5は、H、ハロ、CN、OH、NH2、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6アルキルアミノ、C1-6(ヒドロキシ)アルキル、C1-6(アミノ)アルキル、C(=O)NHC1-6アルキル、C(=O)NH-アリール;若しくは、NHC(=O)OC1-6アルキル基であり;並びに、ここで
Yは、O、CH、CH2、CF、CHF、CF2、又はS(O)mであり;ここで、mは、0、1、又は2であり;並びに、ここで
A1、A2、及びA3は、独立して、N、O、S、NH、N-C1-6アルキル、N-(C O)C1-6アルコキシ、N-SO2C1-6アルキル、又はC-R5であり;ここで、A1-A3の各々に関するR5は、独立して、H、ハロ、CN、OH、NH2、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6アルキルアミノ、C2-6アルケニル、C1-6ヘテロアルキル、C1-6(ヒドロキシ)アルキル、C1-6(アミノ)アルキル、C1-6アルキルCH=NOR、C1-6アルキルCH=NOH、C1-6アルキルC(=NOH)NH2、C1-6アルキルC(=NH)NH2、又はC1-6アルキル(グアニジン)、C(=O)NH2、C(=O)NHC1-6アルキル、C(=O)NH-アリール;NHC(=O)OC1-6アルキル、ピリジル、トリアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、又はアリール基から選択され;並びに、ここで
点線を伴う各結合は、独立して、単結合又は二重結合のいずれかであり;並びに、ここで
nは、0又は1である。)。
独立した先の各出現においてアルキル基、アルケニル基、又はシクロアルキル基は、ハロ、アリール、Het1、及びHet2からなる群から選択される、1、2又は3個の置換基により、任意に置換されている。各出現においてHet1は独立して、環内に酸素、窒素、及び硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子1〜4個を有する、C-連結された5員又は6員の複素環である。各出現においてHet2は独立して、環内に窒素1〜4個及び任意に酸素又は硫黄1個を有する、N-連結された5員又は6員の複素環である。
一実施態様において、公報PCT WO 2008/157726、US 2009/0227541、及びPCT WO 2009/140309に説明された全般的クラスに関連した具体例を除く、式A又はBの化合物が提供される。
別の実施態様において、式A又はBの化合物であり、但し、Xが、Oであり;並びに、ここで、R1、R3、及びR4が、全てHであり;並びに、ここで、R2が、CH2NH2であり;並びに、ここで、A1、A2、及びA3が、全てCHであり;並びに、ここで、A1-A3に結合している点線を伴う結合が、ベンゼン芳香族系を含み;並びに、ここで、基Yに結合された点線を伴う結合が、単結合であり;並びに、ここで、nが、1である場合;Yは、O以外であることを条件とする、化合物が提供される。
同じく、下記式Iの化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、錯体、若しくは互変異性体も、本明細書において提供される:
Figure 2015502974
(式中:
R1及びR2は、独立して、H、F、C1-6アルキル、C1-6(アミノ)アルキル、アミノメチル、又はC1-6アルキルNH2であり;並びに、ここで
R3及びR4は、独立して、H、ハロ、CN、C1-6アルキル、C1-6(ヒドロキシ)アルキル、C1-6アルキルアミノ、C1-6アルコキシ、C1-6ヘテロアルキル、C1-6ハロアルキル、又はC1-6(アミノ)アルキルから独立して選択された、単独の置換基又は複数の置換基であり;並びに、ここで
Yは、O、S、CH2、CHF、又はCF2であり;並びに、ここで
R5は、H、ハロ、CN、OH、又はNH2である。)。
一つの好ましい実施態様において、式Iの化合物中のR1は、Hであり、かつキラル基CHR2は、キラル中心の(S)-立体配置を有する。
一態様において、式Iの化合物であって、但し、R1、R3、R4、及びR5が、全てHであり;並びに、ここで、R2がCH2NH2である場合;Yは、O以外であることを条件とする化合物が、提供される。更に、R1、R3、R4、及びR5が、全てHであり;ここで、R2がCH2NH2であり;並びに、ここで、Yが、S、CH2、CHF、又はCF2である、式Iの化合物が、本明細書において提供される。更に、R1、R3、R4、及びR5が、全てHであり;ここで、R2がCH2NH2であり;ここで、Yが、Oであり;並びに、ここで、R3及びR4の少なくとも一方は、H以外である、式Iの化合物が、本明細書において提供される。
好ましい態様において、式Iの化合物であって、公報2008/157726、US 2009/0227541、及びPCT WO 2009/140309に説明された全般的に関連した具体例を除外する化合物が、提供される。いくつかの実施態様において、下記式以外の式Iの化合物が、本明細書において提供される:
Figure 2015502974
追加の好ましい態様において、式中、R1が、Hであり;並びに、キラル基CR1R2が、(S)-立体配置を有する、式Iの化合物が、本明細書において提供される。
一つの好ましい態様において、R1、R3、及びR5が、全てHであり;R2が、CH2NH2であり、並びにR4が、環断片CH-O-Bの炭素原子に結合されたCH2OH基である、式Iの化合物が、提供される。
更に別の好ましい態様において、R1、R3、及びR5が、全てHであり;R2が、CH2NH2であり、並びにR4が、環断片CH-O-Bの炭素原子に結合されたCH2OH基であり、ここで生じたキラル基CHR4が、(R)-立体配置を有する、式Iの化合物が提供される。該式Iの化合物の任意の塩、溶媒和物及び配位化合物、錯体、互変異性体、開環型、及びプロドラッグも、本明細書に提供される化合物の範囲内であることが、理解される。
別の態様において、式Iの化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、及び医薬として許容し得る担体を含有する医薬組成物が、本明細書において提供される。
追加の態様において、式Iの化合物又はそれらの医薬として許容し得る塩の治療的有効量を、必要とする対象へ投与することを含む、ヒト又は他の温血動物におけるグラム陰性微生物又はグラム陽性微生物の感染症を治療する方法が、本明細書において提供される。式Iの化合物は、医薬組成物において、経口的に、非経口的に、経皮的に、局所的に、経直腸的に、又は鼻腔内的に、投与されてよい。
別の態様において、緑膿菌、アシネトバクター・バウマニ、大腸菌、又は肺炎桿菌から選択される微生物により引き起こされた微生物感染症の治療のための組成物及び方法が、本明細書において提供される。
追加の態様において、皮膚、軟組織、呼吸器、又は眼感染症の治療の方法が、本明細書において提供される。
更に別の態様において、式Iの化合物を調製するための中間体及びプロセスが、本明細書において提供される。
(開示の詳細な説明)
特に言及しない限りは、本明細書及び請求項において使用される下記の用語は、以下に示す意味を有する:
様々な炭化水素-含有部分の炭素原子の含量は、その部分の炭素原子の最低数及び最高数を示す接頭語により示され、すなわち接頭語Ci-jは、「i」個を含む整数から「j」個を含む整数までの炭素原子の部分を示す。従って、例えばC1-7アルキルは、1個から7個までの炭素原子のアルキルをいう。
用語アルキル、アルケニルなどは、線状基及び分岐した基の両方をいうが、「プロピル」などの個々のラジカルの言及は、直鎖ラジカルのみを包含し、「イソプロピル」などの分岐鎖異性体は、それについて具体的に言及される。アルキル基、アルケニル基などは、ハロ、アリール、Het1、又はHet2からなる群から選択される1、2又は3個の置換基により任意に置換されてよい。代表例は、ジフルオロメチル、2-フルオロエチル、トリフルオロエチル、-CH=CH-アリール、-CH=CH-Het1、-CH2-フェニルなどを含むが、これらに限定されるものではない。
用語「シクロアルキル」は、炭素原子3〜6個の環状の飽和された一価の炭化水素基、例えばシクロプロピル、シクロヘキシルなどを意味する。このシクロアルキル基は、ハロ、アリール、Het1、又はHet2からなる群から選択される1、2又は3個の置換基により、任意に置換されてよい。
用語「ヘテロアルキル」は、ヒドロキシ(OH)、C1-4アルコキシ、アミノ、チオ(-SH)などを含む、N、O又はS(O)n(ここでnは0〜2の整数である)から選択されるヘテロ原子を含む置換基を有する、先に定義されたような、アルキル又はシクロアルキル基を意味する。代表的置換基は、-NRaRb、-ORa、又は-S(O)nRc(式中、Raは、水素、C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換された複素環、又は-COR(式中、RはC1-4アルキルである)であり;Rbは、水素、C1-4アルキル、-SO2R(式中、RはC1-4アルキル又はC1-4ヒドロキシアルキルである)、-SO2NRR'(式中、R及びR'は互いに独立して、水素又はC1-4アルキルである)、-CONR'R"(式中、R'及びR"は互いに独立して、水素又はC1-4アルキルである)であり;nは、0〜2の整数であり;並びに、Rcは、水素、C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、任意に置換されたアリールであるか、又は、NRaRb(式中、Ra及びRbは先に定義されたものである)である。)を含む。代表例は、2-メトキシエチル(-CH2CH2OCH3)、2-ヒドロキシエチル(-CH2CH2OH)、ヒドロキシメチル(-CH2OH)、2-アミノエチル(-CH2CH2NH2)、2-ジメチルアミノエチル(-CH2CH2NHCH3)、ベンジルオキシメチル、チオフェン-2-イルチオメチルなどを含むが、これらに限定されるものではない。
用語「ハロ」は、フルオロ(F)、クロロ(Cl)、ブロモ(Br)、又はヨード(I)をいう。
用語アリールは、ハロ、-C1-4アルキル、-OH、-OC1-4アルキル、-S(O)nC1-4アルキル(式中、nは0、1又は2である)、-C1-4アルキルNH2、-NHC1-4アルキル、-C(=O)H、又は-C=N-ORd(式中、Rdは、水素又は-C1-4アルキルである)から独立して選択される1〜3個の置換基により任意に置換されたフェニル、ビフェニル、又はナフチルをいう。
「任意の」又は「任意に」は、引き続き説明された事象又は状況は、起こり得るが、必ずしもではないこと、並びにこの説明は、その事象又は状況が生じる場合及びそれが生じない場合を含むことを意味する。例えば「アルキル基により任意に一-又は二-置換されたアリール基」とは、アルキルは、必ずしもではないが、存在し得ることを意味し、この説明は、アリール基がアルキル基で一-又は二置換される状況、及びアリール基がアルキル基で置換されない状況を含んでいる。
同じ分子式を有するが、それらの原子の結合の特長若しくは配列又はそれらの原子の空間での配置は異なる化合物は、「異性体」と称される。空間におけるそれらの原子の配置が異なる異性体は、「立体異性体」と称される。
互いに鏡像ではない立体異性体は、「ジアステレオマー」と称され、互いに重ね合わすことができない鏡像である立体異性体は、「エナンチオマー」と称される。化合物が不斉中心を有する場合、例えばそれが4種の異なる基に結合されている場合、エナンチオマー対が可能である。エナンチオマーは、その不斉中心の絶対配置により特徴付けることができ、かつカーン・プレローグのR-及びS-順位則により説明されるか、又は分子が偏光面で回転する方式により、右旋性又は左旋性(すなわち各々、(+)又は(-)-異性体)と命名される。キラル化合物は、個々のエナンチオマー又はそれらの混合物のいずれかとして存在することができる。これらのエナンチオマーを等しい比率で含有する混合物は、「ラセミ混合物」と称される。
本化合物は、1つ以上の不斉中心を有することができ;従ってそのような化合物は、個別の(R)-若しくは(S)-立体異性体として又はそれらの混合物として生成されることができる。別に記さない限りは、本明細書及び請求項における特定の化合物の説明又は命名は、個別のエナンチオマー及び混合物の両方、それらのラセミ体又はその他のものを含むことが意図されている。立体異性体の立体化学の決定及び分離の方法は、当該技術分野において周知である(J. Marchの著書「最新有機化学(Advanced Organic Chemistry)」第4版、John Wiley and Sons社、ニューヨーク、1992年の第4章の考察を参照されたい)。
「医薬として許容し得る担体」とは、概して安全、無毒であり、かつ生物学的にも他の意味においても望ましくないようなことがない、医薬組成物の調製に有用である担体を意味し、並びに臨床用医薬用途に加え獣医学的用途に関して許容し得る担体を含む。本明細書及び請求項において使用される「医薬として許容し得る担体」は、1種及び2種以上の両方のそのような担体を含む。
化合物の「医薬として許容し得る塩」とは、医薬として許容することができ、かつ親化合物の所望の薬理活性を持つ塩を意味する。そのような塩は、以下を含む:
(1)塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸により形成されるか;若しくは、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ケイヒ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタンジスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4-クロロベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、ショウノウスルホン酸、4-メチルビシクロ[2.2.2]オクタ-2-エン-1-カルボン酸、グルコヘプトン酸、4,4'-メチレンビス-(3-ヒドロキシ-2-エン-1-カルボン酸)、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、第3級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸などの有機酸により形成される、酸付加塩;又は
(2)親化合物に存在する酸性プロトンが、例えばアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、若しくはアルミニウムイオンなどの金属イオンにより置換される場合;若しくは、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N-メチルグルカミンなどの有機塩基と配位される場合に、形成される塩。
「錯体」とは、溶媒和物の様式で(水と形成される水和物など)、及び/又は化合物と錯体形成成分の間に少なくとも1つの配位結合若しくはイオン結合を形成することにより、該化合物に結合又は配位されている、本明細書に提供される化合物及び追加の他の成分を含む組成物を意味する。従って、錯体形成された正方晶形で存在することが多い三方晶系(三価)ホウ素化合物について認められるように、ホウ素原子は、錯体形成成分のドナー原子から追加の電子密度を受け取ることにより、その配位数(又は原子価)を、3(錯体形成しない化合物における)から4(その錯体における)へ変更することができる(Hallの著書「ボロン酸:調製と有機合成及び医薬における適用(Boronic Acids: Preparation, Applications in Organic Syntheses and Medicine)」Dennis G. Hall編集、Wiley-VCH Verlag社、2005年、1-26頁において説明されたように)。本明細書に提供された例証的化合物及び窒素(アミン)又は酸素(水、アルコール又はエーテル)化合物により形成されるそのような錯体化合物の二つの例が、以下に例示されている。
Figure 2015502974
錯体形成成分(前記構造例において成分R(R’)NR’’又はROR’など)は、本明細書に提供される化合物の、溶解度、安定性、薬物動態、又は抗微生物活性及び抗菌スペクトルを含むが、これらに限定されるものではない、いくつかの有用な物理化学特性及び/又は生物学的特性を改善するために、使用することができる。例えば、アミノ配糖体、コリスチン、及び/又はポリミキシンなどのアミン型抗微生物薬と、本明細書に提供される化合物の錯体は、各々の錯体形成された成分単独によっては十分に根絶されない耐性病原体に対する抗菌作用など、得られた錯体の治療効果を改善するために使用することができる。
用語「互変異性体」は、概してSmithらの著書「最新有機化学(Advanced Organic Chemistry)」、2001年、第5版、NY: Wiley Interscience社、1218-1223頁に説明されたものに類似している、互変異性体化と称される一般的化学反応を介して互いに相互変換され得る有機化合物の2種以上の形状又は異性体を意味する。互変異性化の概念は、互変異性と称される。互変異性は、例えば、C-O結合の形成と破壊を介した、環状ピラン形とグルコースの開鎖形の間の相互変換について認められるような、環構造から開環構造への変化を伴うことができる。互変異性の程度は、水との水和、及び媒体の酸性度などの、溶媒作用により影響を受けることが多い。環状ホウ素化合物に関する関連プロセスは、以下に例示するような、B-O結合の形成及び破壊に関与することができる:
Figure 2015502974
任意の水和された形(水付加された形)を含む、本明細書に提供された三環式ホウ素化合物の任意の開環形は、本明細書において「互変異性体」として取り扱われ、かつ本出願の範囲内である。概して、ケト-エノール互変異性化のために、2つの相互変換可能な形で存在するアセトンなどの、互変異性体を構成する物質は、単独の化学実体として通常取り扱われる。
疾患の「治療する」又は「治療」は、以下を含む:
(1)疾患を予防すること、すなわち疾患に曝露されるか若しくは素因があるが、依然その疾患の症状を経験しないか若しくは示さない哺乳類において、疾患の臨床症状の顕在化を引き起こさないこと、
(2)疾患を阻害すること、すなわち疾患若しくはその臨床症状の顕在化を停止するか若しくは軽減すること、又は
(3)疾患を緩和すること、すなわち、疾患又はその臨床症状の退行を引き起こすこと。
「治療的有効量」は、疾患を治療するために哺乳類へ投与される場合、該疾患のそのような治療を実現するのに十分である化合物の量を意味する。この「治療的有効量」は、該化合物、該疾患及びその重症度、並びに治療される哺乳類の年齢、体重などに応じて左右されるであろう。
「脱離基」は、合成有機化学においてこれに従来関連づけられた意味、すなわち求核試薬により交換されることが可能である原子又は基の意味を有し、並びにハロゲン、C1-4アルキルスルホニルオキシ、エステル、又はクロロ、ブロモ、ヨード、メシルオキシ、トシルオキシ、トリフルオロスルホニルオキシ、メトキシ、N,O-ジメチルヒドロキシル-アミノなどのアミノ類を含む。
「プロドラッグ」とは、そのようなプロドラッグが哺乳類対象に投与される場合に、インビボにおいて本明細書に提供される化合物に従う活性親薬物を放出する任意の化合物を意味する。本明細書に提供される化合物のプロドラッグは、修飾がインビボにおいて切断され親化合物を放出するように、本明細書に提供される化合物中に存在する官能基を修飾することにより、調製される。プロドラッグは、該化合物中のヒドロキシ基、スルフヒドリル基、アミド基又はアミノ基が、インビボにおいて切断され、各々、遊離のヒドロキシル基、アミド基、アミノ基、又はスルフヒドリル基を再生する任意の基に結合されているような、本明細書において提供される化合物を含む。プロドラッグの例は、本明細書に提供される化合物中のヒドロキシル官能基のエステル(例えば、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル、ギ酸エステル、安息香酸エステル、リン酸エステル又はホスホン酸エステル誘導体)、カルバメート(例えばN,N-ジメチルアミノカルボニル)を含むが、これらに限定されるものではない。プロドラッグは、Ettmayerらの文献(J. Med. Chem. 2004, 47巻, 2393-2404頁)により検証されたように、例えば、薬物の経口生物学的利用能を改善し、薬物を特定標的臓器へ指向させ、特定の投与経路について安定性を増強させるか(例えば、エアロゾル)、又はその溶解度を改善するために、利用することができることは理解されるべきである。
用語「哺乳類」は、ヒト、家畜及び伴侶動物を含む、全ての哺乳類をいう。
本明細書に提供される化合物は一般に、IUPAC又はCAS命名システムに従い命名される。当業者に周知の略号を使用することができる(例えば、アリールの「Ar」、フェニルの「Ph」、メチルの「Me」、エチルの「Et」、時間の「h」、及び室温の「rt」又は「r.t.」)。
(例証的態様)
本明細書に提供される最も広い定義において、式Iの化合物のいくつかの化合物が好ましい。ラジカル、置換基、及び範囲に関して以下に列記された具体的かつ好ましい値は、単に例証のためであり;これらは、ラジカル及び置換基に関して他の規定された値、又は規定された範囲内の他の値を排除するものではない。
一部の好ましい本明細書に提供される化合物において、C1-4アルキルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、及びそれらの異性体型であることができる。
一部の好ましい本明細書に提供される化合物C2-4アルケニルは、ビニル、プロペニル、アリル、ブテニル、及びそれらの異性体型(シス及びトランス異性体を含む)であることができる。
一部の好ましい本明細書に提供される化合物において、R1は、Hであり、かつキラル基CHR2は、(S)-立体配置を有する。
一部の好ましい化合物において、R1は、Hであり、かつキラル基CR1R2は、(S)-立体配置を有する。
一部の好ましい本明細書に提供される化合物において、R1、R3、及びR5は、全てHであり、R2は、CH2NH2であり、かつR4は、環断片CH-O-Bの炭素原子に結合されたCH2OH基である。
別の好ましい本明細書に提供される化合物において、R1、R3、及びR5は、全てHであり;R2は、CH2NH2であり、並びにR4は、環断片CH-O-Bの炭素原子へ結合されたCH2OH基であり、得られたキラル基CHR4は、(R)-立体配置を有する。
一部の好ましい本明細書に提供される化合物において、C3-6シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、及びそれらの異性体型であることができる。
一部の好ましい本明細書に提供される化合物において、C1-4ヘテロアルキルは、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、及び2-メトキシエチルであることができる。
一部の好ましい本明細書に提供される化合物において、ハロは、フルオロ(F)又はクロロ(Cl)であることができる。
一部の好ましい本明細書に提供される化合物において、R1は、Hであり、かつR2は、CH2NH2である。
一部の好ましい実施態様において、基R3は、Hであり、かつR4は、CH2OHである。
本明細書に提供される化合物の一つの好ましい群を、以下に例示している:
Figure 2015502974
本明細書に提供される化合物の追加の群を、以下に例示している:
Figure 2015502974
本明細書に提供される化合物のプロドラッグの別の好ましい群を、以下に例示している:
Figure 2015502974
(全般的合成方法)
本明細書に提供される化合物は、以下に考察されたスキームのひとつ以上に従い調製することができる。多数のホウ素化合物調製に関するよく確立された方法が、包括的専門書「ボロン酸:調製と有機合成及び医薬における適用(Boronic Acids; Preparation, Applications in Organic Syntheses and Medicine)」、Dennis G. Hall編集、Wiley-VCH Verlag社、2005年、1-549頁において、考察されている。これらの方法は、重要な中間体及びいくつかの本明細書に提供される化合物を調製するために、直接的か、又は熟練の科学者には明白な変形を伴うかのいずれかで、使用することができる。
一部の二環式ホウ素化合物の調製に関する追加の全般的方法が、例えば、公報WO 2010/080558及びUS 2009/0227541において、説明されている。
必要ならば、本明細書に提供される任意のラセミ化合物又は中間体を、非限定的にキラル液体クロマトグラフィー、又は従来型市販のキラル酸若しくはアミンのようなキラル補助剤との共晶を含む常用の手段を使用し、所望の光学活性異性体の不斉キラル物質へ分離することができることも理解される。
好適な合成配列は、本明細書に提供される具体的構造に従うが、CAS Scifinder及びElesevier社のリアクシス(Reaxys)などの利用可能な化学データベースにまとめられた方法などの、有機合成を実践する個人に公知の技術内で、容易に選択される。これらの一般的方法を基に、本明細書に提供される化合物を製造するための実施可能性は、簡単であり、かつ、通常の専門知識内で実践することができる。本明細書に提供される化合物を調製するための全般的合成方法の一部が、下記スキーム1-6に例示されている(単に例証のためで、限定するものではない)。
本明細書に提供される化合物へのひとつの全般的アプローチは、全般的スキーム1に例示されている。
Figure 2015502974
(スキーム1) 芳香族又は複素環式芳香族アルコールからの三環式ジオキサボロン化合物の全般的合成。
a)アルキル化剤:ハロゲン化物、メシラート、又は類似のものなど;塩基:K2CO3、LiOH、TEA、DBU、又は類似のもの;アルコール試薬によるアルキル化のための光延反応;b)トリフレート剤:Tf2O、2-Tf2N-5-Cl-ピリジン、又は類似のもの;塩基:K2CO3、TEA、DBU、又は類似のもの;c)Pd触媒:Pd(dppf)2Cl2 DCM、Pd(OAc)2、又は類似のもの;ビス(ピナコラト)ジボロン;塩基:KOAc、Na2CO3、又は類似のもの;d)活性メチレン試薬Me-R’:例えば、MeNO2、MeCN、又は類似のもの;塩基:K2CO3、NaOH、TEA、DBU、又は類似のもの;e)R2-脱マスキング法、例えば、R’=NO2についての還元:ラネー-Ni/H2、Pd/C/H2、NiCl2/NaBH4、及び類似のもの;f)保護基(PG)脱保護法、例えば、PG=BnについてPd/C/H2;PG=TBSについてBu4N+F-又はLiF;PG=トリチルについてトリフルオロ酢酸(TFA)、及び類似のもの。
別の本明細書に提供される化合物の全般的合成を、スキーム2に例示している。多数の必要なタイプ7の芳香族及び複素環式芳香族臭化物は、市販されているか、又は文献の方法を用い容易に調製することができる。
Figure 2015502974
(スキーム2) 芳香族又は複素環式芳香族ハロゲン化物からの三環式ジオキサボロン化合物の全般的合成(ハロゲン化物=臭化物について例示)
a)アルキル化剤:ハロゲン化物、メシラート、又は類似のものなど;塩基:K2CO3、LiOH、TEA、DBU、又は類似のもの;アルコール試薬によるアルキル化のための光延反応;b)Pd触媒:Pd(dppf)2Cl2 DCM、Pd(OAc)2、又は類似のもの;ビス(ピナコラト)ジボロン;塩基:KOAc、Na2CO3、又は類似のもの;c)Pd触媒:Pd(dppf)2Cl2 DCM、Pd(OAc)2、又は類似のもの;ビス(ネオペンチルグリコラート)ジボロン;塩基:KOAc、Na2CO3、又は類似のもの。
本明細書に提供される化合物の合成に関する追加の全般的方法は、全般的スキーム3により例示されている。
Figure 2015502974
(スキーム3) 芳香族又は複素環式芳香族ハロゲン化物からの三環式オキサアザボロン化合物の全般的合成(ハロゲン化物=臭化物について例示)
a)Pd触媒:Pd(dppf)2Cl2 DCM、Pd(OAc)2、又は類似のもの;ビス(ピナコラト)ジボロン;塩基:KOAc、Na2CO3、又は類似のもの;b)窒素試薬R’NH2:例えば、MsNH2、ArSO2NH2、AlkO(C=O)NH2、又は類似のもの;任意にプロトン性又はルイス酸触媒:TsOH、MsOH、AlMe3、又は類似のもの;任意の脱水試薬:HC(OMe)3、Si(OMe)4、MgSO4、MgClO4、分子篩、又は類似のもの;又は、ArSO2N3/Ph3P、AlkO(C=O)N3/Ph3P、又は類似のもの;c)活性メチレン試薬Me-R″:例えば、MeNO2、MeCN、又は類似のもの;塩基:K2CO3、NaOH、TEA、DBU、又は類似のもの;セットの立体配置でCHR1R2単位をインストールする(install)ための、任意の不斉金属触媒、Ru又はRh-キラルBIPHOS触媒、又は類似のものなど;d)R2-脱マスキング法、例えばR″=NO2の還元:ラネー-Ni/H2、Pd/C/H2、NiCl2/NaBH4、及び類似のものなど;環化を促進するための、任意の酸試薬:TFA、TsOH、又は類似のもの;e)PG-脱保護法、例えば、PG=BnについてのPd/C/H2;PG=TBSについてのBu4N+F-又はLiF;PG=Trtについてのトリフルオロ酢酸(TFA)、及び類似のもの。
本明細書に提供される化合物への別の全般的アプローチが、全般的スキーム4に例示されている。
Figure 2015502974
(スキーム4) 三環式ベンゾ[cd]アズレンジオキサボロン化合物の全般的合成
a)アルキル化剤、例えば、ハロゲン化物、メシラート、又は類似のものなど;塩基:K2CO3、LiOH、TEA、DBU、又は類似のもの;アルコール試薬によるアルキル化のための光延反応;b)X=ハロゲン化物(臭化物など)について:Pd触媒:Pd(dppf)2Cl2 DCM、Pd(OAc)2、又は類似のもの;ビス(ピナコラト)ジボロン;塩基:KOAc、Na2CO3、又は類似のもの;c)X=Hについて:リチウム化試薬、BuLi、LDA、又は類似のものなど;ホウ酸トリアルキル;d)X=OHについて:トリフレート剤:Tf2O、2-Tf2N-5-Cl-ピリジン、又は類似のもの;塩基:K2CO3、TEA、DBU、又は類似のもの;次に、方法(b)と同じ方法;e)ニトロメタン又はそれらの同等物;NaOH、K2CO3、及び類似のものなどの塩基を伴う又は伴わない;f)PG-脱保護法、例えば、PG=BnについてPd/C/H2;PGがTBSについてBu4N+F-又はLiF;PG=Trtについてトリフルオロ酢酸(TFA);エステルについて水性LiOH、及び類似のものなど;g)還元剤及びアミン保護剤:H2/Pd/C、NaBH4、SnCl2、又は類似のもの、次にBoc2O、若しくはCbzCl、若しくは芳香族アルデヒドと;h)第一級アミン保護基PG’除去試薬:トリチル又はBocについて酸:ベンジル又はCbzについてH2/Pd/C;アミド、スルホンアミド又はカルバメートについて水性塩基、次に水性HCl、MsOH、又は類似のものなどの、塩形成する酸。
更に別の本明細書に提供される化合物の全般的合成は、スキーム5に例示されている。
Figure 2015502974
(スキーム5) 三環式ジオキサボレピン化合物の全般的合成
a)X=ハロゲン化物(臭化物など)について:Pd触媒:Pd(dppf)2Cl2 DCM、Pd(OAc)2、又は類似のもの;ビス(ピナコラト)ジボロン;塩基:KOAc、Na2CO3、又は類似のもの;b)X=Hについて:リチウム化試薬、例えば、n-BuLi、LDA、又は類似のものなど;ホウ酸トリアルキル;c)ニトロメタン又はそれらの同等物;NaOH、K2CO3、及び類似のものなどの塩基を伴う又は伴わない;d)PG-脱保護法、例えば、PG=BnについてPd/C/H2;PGがTBSについてBu4N+F-又はLiF;PG=Trtについてトリフルオロ酢酸(TFA)、エステルについて水性LiOH、及び類似のもの;e)還元剤及びアミン保護剤:H2/Pd/C、NaBH4、SnCl2、又は類似のもの、次にBoc2O、若しくはCbzCl、若しくは芳香族アルデヒドと;h)第一級アミン保護基PG’除去試薬:トリチル又はBocについて酸:ベンジル又はCbzについてH2/Pd/C;アミド、スルホンアミド又はカルバメートについて水性塩基、次に水性HCl、MsOH、又は類似のものなどの、塩形成する酸。
スキーム1-5の全般的例証的方法を、本明細書に提供された具体的化合物の調製に利用するために、必要ならば、熟練した化学技術者の知識を基に、組み合わせるか又は変更することができる。
更に、本明細書に提供される化合物のプロドラッグ誘導体は、例えば、利用可能なアルコール若しくはアミン側鎖の通常のアシル化により、又は利用可能なアルコール基のリン酸化により、並びに、必要に応じ慣習的保護/脱保護配列を利用し、生成することができる。
具体的本明細書に提供される化合物の合成に関する追加の詳細な合成スキームは、下記の実施例において説明された方法により例示される。
(実施例)
本明細書に提供される実施態様は、下記実施例において説明され、この実施例は、本明細書に提供される本発明の範囲を例示することを意味し、限定することを意味するものではない。合成技術分野の業者に周知の一般的略号が、全体を通じて使用される。1H NMRスペクトル(δ, ppm)は、別に指定しない限りは、DMSO-d6中で、300MHz又は400MHz装置において測定される。正イオン化法に関する質量分析データが提供される。クロマトグラフィーは、別に指定しない限りは、シリカゲルクロマトグラフィーを意味する。TLCは、薄層クロマトグラフィーを意味する。HPLCは、逆相HPLCを意味する。別に指定しない限りは、全ての試薬は、商業的供給業者から得るか、又は入手可能な文献において説明された通常の方法により製造されるかのいずれかであった。
(実施例1. ((8R)-2-(アミノメチル)-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-8-イル)メタノール塩酸塩)
Figure 2015502974
実施例1の化合物の調製のためのスキーム:
Figure 2015502974
(中間体2) K2CO3(1.0g)を、DMF(8mL)中の2-ブロモ-3-ヒドロキシベンズアルデヒド(1.5g)へ添加し、引き続きベンジル(S)-グリシジルエーテル(1.2mL)を添加した。この懸濁液を、約120℃で約1.5時間攪拌した。出発の臭化物が消費された後、この混合物を、室温まで冷却し、ブラインで希釈し、EtOAcにより抽出した。EtOAcを真空下で除去し、その残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:20〜40%のEtOAc/ヘキサン)により精製し、中間体2を帯黄白色油状物(2.36g)として提供した。MS (m/z): 364.9, 366.9 [M+H]。
(中間体3) 中間体2(2.16g)を、ビス(ピナコラト)ジボロン(3.0g)と混合し、DMF(12mL)中に溶解した。この溶液を脱気し、かつKOAc (1.74g)を添加し、引き続きPdCl2(dppf)2.DCM(0.24g)を添加した。この懸濁液を再度窒素により3回脱気し、次に約90℃で約14時間加熱した。この反応物を、EtOAc/ブライン/H2Oにより後処理し、生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:10〜40%のEtOAc/ヘキサン)により精製した。この生成物を含有する画分を収集し、真空下で蒸発させ、中間体3を提供した。MS (m/z): 353.0 [ボロン酸+Na]。
(中間体4) 前工程由来の中間体3の全量を、THF(6mL)及び水(18mL)中に溶解した。この二相性溶液を、氷/水により冷却し、ニトロメタン(0.95mL)を添加し、引き続き10%NaOH水溶液(約2.4mL)を添加した。この反応物を、室温で一晩攪拌し、次にAcOHによりpH約3〜5まで酸性とした。この懸濁液を、EtOAcにより抽出した。一緒にした有機層を、真空下で蒸発させ、残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:2〜6%のMeOH/DCM)により精製し、中間体4を提供した。MS (m/z): 356.0 [M+H]。
(中間体5) NiCl2・6H2O(0.34g)を、MeOH(6mL)中の中間体4(0.5g)へ添加し、引き続きBoc2O(0.62g)を添加した。この溶液を、氷/水により冷却し、その後NaBH4(0.65g)を少量ずつ、攪拌しながら添加した。この混合物を、室温で一晩攪拌させ、次にAcOHによりpHおよそ3〜5まで酸性とした。ほとんどの揮発物を真空下で除去し、残渣を、EtOAc/H2O中に再溶解させ、セライトを通して濾過し、次にEtOAc(3×)により抽出した。一緒にした有機層を、真空において濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:2〜6%のMeOH/DCM)により精製し、中間体5を提供した。MS (m/z): 326.0 [M-Boc+H]。
(中間体6) AcOH(5mL)中の中間体5(0.26g)を、室温で、10%Pd/C (約100mg)により2時間水素添加した。この混合物を、セライトを通して濾過し、溶媒を真空下で除去した。残渣を、シリカゲルカラム(溶離液:0.5〜2%のMeOH/DCM)により精製し、中間体6を提供した。MS (m/z): 236.1 [M-Boc+H]。
(実施例1の化合物) 中間体6(0.12g, 0.36mmol)を、1,4-ジオキサン中の4N HCl(5mL)中に溶解し、この溶液を室温で約2時間攪拌した。揮発物を真空下で除去し、残渣を水(約3mL)中に溶解し、0.45μMメンブレンフィルターを通して濾過した。水性溶液を凍結乾燥させ、実施例1の化合物を提供した。
Figure 2015502974
(実施例2 ((2R,8R)-2-(アミノメチル)-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-8-イル)メタノール塩酸塩)
Figure 2015502974
(実施例2の化合物) 2つのジアステレオマーの混合物を含む実施例1の化合物を、HPLC分離(溶離液:水中0.1%トリフルオロ酢酸/MeCN勾配)に供し、この生成物を含有する画分を収集し、HCl水溶液の添加により凍結乾燥させ、実施例2の化合物を提供した。
(実施例3 ((2S,8R)-2-(アミノメチル)-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-8-イル)メタノール塩酸塩)
Figure 2015502974
(実施例3の化合物)
(方法A)
2つのジアステレオマーの混合物を含む実施例1の化合物を、HPLC分離(溶離液:水中0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)/MeCN勾配)に供し、この生成物を含有する画分を収集し、HCl水溶液の添加により凍結乾燥させ、実施例3の化合物を提供した。
(方法B)
方法Bを使用する実施例3の化合物の調製スキーム:
Figure 2015502974
(中間体137)
(方法I) K2CO3(12.6g)を、DMF(45mL)中の3-ヒドロキシベンズアルデヒド(7.43g)及び(S)-2-((ベンジルオキシ)メチル)オキシラン(10.0g)へ添加し、この混合物を90℃で5時間攪拌した。室温への冷却時に、EtOAc(150mL)及び水(150mL)を添加し、水層を、EtOAc(2×150mL)により抽出した。一緒にした有機層を、ブラインで洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を、真空下で蒸発させ、粗生成物をカラムクロマトグラフィー (EtOAc/PE(石油エーテル)の1:4)による精製に供し、中間体137を黄色油状物として提供した。
(方法II) 出発の3-ヒドロキシベンズアルデヒドを100gに大規模化した手順により、かつ中間体137を単離することなく、得られた反応溶液を直接次工程で使用した以外は、先に方法Iに説明されたように実行した。
(中間体138) 油中の60%NaH(38g)を、方法IIの前工程由来の中間体137の溶液へ、0℃、N2下で、少しずつ添加し、かつ得られた溶液を、1時間攪拌した。BnBr(114mL)を、0℃で攪拌しながら滴加し、この反応混合物を、室温まで温めさせ、LCMS分析に従い中間体137が残存しなくなるまで、攪拌した。この反応混合物を、氷冷した水でクエンチし、生成物を、EtOAcにより抽出した。得られた有機層を乾燥させ(Na2SO4)、溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/PE勾配1:12から1:10まで)により精製し、中間体138を提供した。
(中間体139) 酢酸銅(II)(0.48g)及び(1S,2S,4R)-1,7,7-トリメチル-N-(ピリジン-2-イルメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-アミン(0.36g)を、EtOH(12mL)及びTHF(18mL)中に溶解した。この溶液を、室温で1時間攪拌し、その後EtOH(108mL)及びTHF(162mL)中の中間体138(30g)の溶液を添加した。この混合物を、およそ-30〜-40℃で冷却し、攪拌しながらニトロメタン(43mL)をゆっくり添加し、同時にその温度を-30℃以下に維持した。DIEA(13.9mL)を添加し、この反応混合物を、LCMSにより中間体138が消費されるまで(およそ24〜56時間)、-30℃で攪拌した。TFA(1.2g)を添加し、この反応液をおよそ10分間攪拌した。揮発物を真空下で除去し、残渣をMTBE中に溶解し、1N HCl、水で洗浄し、次にセライトパッドを通して濾過した。濾液を乾燥させ(Na2SO4)、かつその溶媒を真空下で除去した。この粗物質を、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/PEの1:5)により精製し、生成物を黄色油状物として提供した。
(中間体140) 中間体139(8.0g)を、EtOH(90mL)に溶解し、次に5%Pt/C(1.45g)及び10%Pd/C(2.62g)を添加した。この反応混合物を、H2下で、およそ1.5時間、室温で攪拌し、次に濾過し、得られた中間体140の溶液を、更に精製することなく次工程で使用した。MS (m/z): 408.0 [M+H]。
(中間体141) BnBr(13.65g, 2.1当量)及びK2CO3(13.14g, 2.5当量)を、前工程で得られた中間体140の溶液へ添加した。この混合物を、一晩攪拌し、EtOHで補助しながら(aiding)濾過した。この濾液を、真空下で、容積約100mLまで濃縮した。この溶液を、水(65mL)で希釈し、50℃で攪拌した。濃HCl水溶液(4mL)を添加し、この混合物を、50℃でおよそ30分間攪拌し、その後およそ0℃で30分間攪拌した。生成物を濾過し、冷20%水性エタノール(80mL)で洗浄した。溶媒を真空下で除去し、中間体141を白色固形物として提供した。MS (m/z): 570.3 [M-HCl-H2O+H]。
(中間体142) ヘキサンを溶媒とする2.6M BuLi (8.8mL)を、窒素下で、トルエン(32mL)中の中間体141(5g)の溶液へ、およそ10分間かけて、攪拌しながら、滴加した。この反応混合物を、室温でおよそ1時間攪拌し、かつおよそ-30〜-40℃に冷却した。追加のBuLi溶液(3.1mL)をゆっくり添加し、引き続き追加のBuLi溶液(8.9mL)を-25〜-30℃で添加した。この混合物を、この温度でおよそ2〜3時間攪拌し、次にB(OMe)3 (4.5mL)を添加し、引き続き無水THF(3.6mL)を添加した。この混合物を、およそ15〜25℃までおよそ30〜60分間かけて温めた。5%NaHCO3水溶液(50mL)を添加し、この混合物を約15分間攪拌した。得られた懸濁液を、MTBE(およそ20mL)で補助しながら濾過した。濾液を、水(4×20mL)により洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を真空下で除去し、粗物質を、カラムクロマトグラフィーにより精製し、中間体142を黄色油状物として提供した。MS (m/z): 614.2 [M+H]。
(実施例3の化合物) 中間体142(14g)を、1N HCl水溶液(25mL)を含むMeOH(120mL)に溶解した。Pd/C(10%)を添加し、この混合物を、LCMSにより反応が完了するまで、H2下、50℃で攪拌した。この混合物を、MeOHで補助しながら濾過し、かつ揮発物を、真空下で除去した。粗物質を、2-プロパノールから再結晶させ、実施例4の化合物を白色固形物として提供した。
Figure 2015502974
(実施例4. ((8S)-2-(アミノメチル)-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-8-イル)メタノール塩酸塩)
Figure 2015502974
実施例4の化合物を調製するスキーム:
Figure 2015502974
(実施例4の化合物) 実施例4の化合物を、中間体7を調製するためにベンジル(S)-グリシジルエーテルの代わりにベンジル(R)-グリシジルエーテルを使用し、その後類似の中間体3-6(先の実施例1の化合物の調製で使用した)による方法について先に説明した手順において各々中間体8-11を利用する以外は、実施例1の化合物の調製の手順と同様に調製した。
Figure 2015502974
(実施例5. (8-(メトキシメチル)-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン塩酸塩)
Figure 2015502974
実施例5の化合物を調製するスキーム:
Figure 2015502974
(実施例5の化合物) 実施例5の化合物を、中間体12を調製するためにベンジル(S)-グリシジルエーテルの代わりにメチルグリシジルエーテルを使用し、その後類似の中間体3-5(先の実施例1の化合物の調製で使用した)による方法について先に説明した手順において各々中間体13-15を利用する以外は、実施例1の化合物の調製の手順と同様に調製した。
Figure 2015502974
(実施例6. (8-(ブトキシメチル)-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン塩酸塩)
Figure 2015502974
実施例6の化合物を調製するスキーム:
Figure 2015502974
(実施例6の化合物) 実施例6の化合物を、中間体16を調製するためにベンジル(S)-グリシジルエーテルの代わりにブチルグリシジルエーテルを使用し、その後類似の中間体3-5(先の実施例1の化合物の調製で使用した)による方法について先に説明した手順において各々中間体17-19を利用する以外は、実施例1の化合物の調製の手順と同様に、調製した。
Figure 2015502974
(実施例7. 2-(アミノメチル)-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-8-イル)メタノール塩酸塩)
Figure 2015502974
実施例7の化合物を調製するスキーム:
Figure 2015502974
(実施例7の化合物) 実施例4の化合物を、中間体20を調製するためにベンジル(S)-グリシジルエーテルの代わりにベンジルグリシジルエーテルを使用し、その後類似の中間体3-6(先の実施例1の化合物の調製で使用した)による方法について先に説明した手順において各々中間体21-24を利用する以外は、実施例1の化合物の調製の手順と同様に調製した。
Figure 2015502974
(実施例8. (8-((ベンジルオキシ)メチル)-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン塩酸塩)
Figure 2015502974
実施例8の化合物を調製するスキーム:
Figure 2015502974
(実施例8の化合物) 中間体23(20mg)を、1,4-ジオキサン中の4N HCl(0.5mL)に溶解し、この溶液を室温で1時間攪拌した。揮発物を真空下で除去し、残渣を水(約2mL)に溶解し、濾過した。この水溶液を凍結乾燥させ、実施例8の化合物を提供した。
Figure 2015502974
(実施例9. (8-メチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン塩酸塩)
Figure 2015502974
実施例9の化合物を調製するスキーム:
Figure 2015502974
(実施例9の化合物) 実施例9の化合物を、中間体25を調製するためにベンジル(S)-グリシジルエーテルの代わりにメチルオキシランを使用し、その後類似の中間体3-6(先の実施例1の化合物の調製で使用した)による方法について先に説明した手順において各々中間体26-29を利用する以外は、実施例1の化合物の調製の手順と同様に調製した。
Figure 2015502974
(参照実施例10. 3-(アミノメチル)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール-1(3H)-オール塩酸塩)
Figure 2015502974
(実施例10の参照化合物) 実施例10の参照化合物を、公報US 2009/0227541に説明された手順と同様に調製した。MS (m/z): 238.0 [M+H]。
(実施例11. (2-(アミノメチル)-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-7-イル)メタノール塩酸塩)
Figure 2015502974
実施例11の化合物を調製するスキーム:
Figure 2015502974
(中間体31) MsCl(2.35ml, 30.40mmol)を、DCM(30ml)中の中間体30(6.9g, 25.33mmol)、TEA(7.06ml, 50.66mmol)の溶液へ、0℃で添加し、30分間攪拌した。この混合物を水で洗浄し、有機層を真空下で蒸発させた。粗生成物を、直接次工程で使用した。
(中間体32) K2CO3(7g, 50.66mmol)を、DMF(50ml)中の中間体31(9.52g, 25.33mmol)及び中間体1(7.64g, 38mmol)の溶液へ添加した。この懸濁液を、90℃で24時間攪拌した。出発の臭化物が消費された後、この混合物を室温まで冷却し、ブラインで希釈し、EtOAcにより抽出した。EtOAcを真空下で除去し、残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:EtOAc/PE(石油エーテル)の1:20から1:15)により精製し、中間体32を無色油状物として提供した。
(中間体33) 中間体32(7.46g, 16.38mmol)を、ビス(ピナコラト)ジボロン(8.32g, 32.77mmol)、KOAc (1.74g, 17.72mmol)、(4.85g, 49.15mmol)、PdCl2(dppf)DCM (0.365g, 0.5mmol)と混合し、DMF(50ml)中に溶解した。この溶液を、窒素により3回脱気し、その後約90℃で約14時間加熱した。この反応物を、EtOAc/ブライン/H2Oにより後処理し、生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:EtOAc/PEの1:20から1:10)により精製し、中間体33を茶色油状物として提供した。
(中間体34) 水(10ml)中のNaOH(0.333g, 8.32mmol)の氷冷した溶液へ、THF(10ml)中の中間体33(4.18g, 8.32mmol)を添加した。15分間攪拌した後、ニトロメタン(0.537ml, 9.98mmol)を滴加し、この混合物を室温で15時間攪拌した。この混合物を、AcOHによりpHおよそ3〜5まで酸性とした。この懸濁液を、EtOAc(3×)により抽出した。一緒にした有機層を、真空下で蒸発させ、残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:EtOAc/PEの1:4から1:1)により精製し、中間体34を茶色油状物として提供した。
(中間体35) 20%Pd(OH)2/C(50%水, 1g)を、HOAc(8.5ml)中の中間体34(1.10g, 2.37mmol)の溶液へ添加した。この溶液を、H2により3回脱気し、室温で一晩攪拌した。セライトパッドを通して濾過した後、濾液をトルエンにより真空下で濃縮し、中間体35を黄色固形物として提供した。MS (m/z): 236.0 [M+H]。
(中間体36) NaHCO3 (298.6mg, 3.56mmol)を、中間体35(1.01g, 2.37mmol)、t-BuOH (3mL)及びH2O(3mL)の溶液へ室温で添加した。室温で15分間攪拌した後、(Boc)2O (516.7mg, 2.37mmol)を添加し、室温で1.5時間攪拌した。この混合物を、AcOHによりpHおよそ6〜7まで酸性とし、DCMにより抽出した。一緒にした有機層を、真空下で蒸発させ、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:DCM/MeOHの20:1)により精製し、中間体36を黄色油状物として提供した。MS (m/z): 336.0 [M+H]。
(実施例11の化合物) 中間体36(90.5mg, 0.27mmol)を、1,4-ジオキサン中の4N HCl(2mL)に溶解し、この溶液を室温で約2時間攪拌した。揮発物を真空下で除去し、残渣を、水(およそ3mL)に溶解し、0.45μMメンブレンフィルターを通して濾過した。この水溶液を凍結乾燥させ、実施例11の化合物を提供した。
Figure 2015502974
(実施例12 2-(2-(アミノメチル)-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-8-イル)エタノール塩酸塩)
Figure 2015502974
実施例12の化合物を調製するスキーム:
Figure 2015502974
(中間体38) NaH(油中50%, 2.88g, 0.06 mol)を、氷浴内の無水DMF 30mL中の中間体37(3g, 0.041 mol)の溶液へゆっくり添加した。0.5時間攪拌した後、BnBr(5.38mL, 0.045 mol)を、この反応溶液へ添加し、室温で一晩攪拌した。この混合物を、0℃の水80mL中へと注ぎ入れ、EtOAcにより抽出した。一緒にした有機相を、NH4Cl水溶液、ブラインにより洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。濃縮後、残渣を、PE(石油エーテル)中に溶解し、シリカゲルのパッドを通して濾過した。濾液を濃縮し、中間体38を無色油状物として提供した。
(中間体39) m-クロロペルオキシ安息香酸(m-CPBA, 6.4g, 0.037 mol)を、中間体38(4g, 0.025 mol)のDCM溶液(50mL)へ数回に分けて添加した。この混合物を、室温で一晩攪拌した。白色沈殿物を濾過し、濾液を、Na2CO3水溶液、H2O、ブラインで洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:PE/EtOAcの75:1)により精製し、中間体39を黄色油状物として提供した。
(実施例12の化合物) 実施例12の化合物を、中間体40を調製するために中間体31の代わりに中間体39を使用し、その後類似の中間体33-36(実施例11の化合物の調製で使用した)による方法について先に説明した手順において各々中間体41-44を利用する以外は、実施例11の化合物の調製の手順と同様に調製した。
Figure 2015502974
(実施例13 (2-(アミノメチル)-8-メチル-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-8-イル)メタノール塩酸塩)
Figure 2015502974
実施例13の化合物を調製するスキーム:
Figure 2015502974
(実施例13の化合物) 実施例13の化合物を、中間体46を調製するために中間体37の代わりに中間体45を使用し、その後類似の中間体39-44(実施例12の化合物の調製で使用した)による方法について先に説明した手順において各々中間体47-52を利用する以外は、実施例12の化合物の調製の手順と同様に調製した。
Figure 2015502974
(実施例14 1-(2-(アミノメチル)-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-8-イル)エタノール塩酸塩)
Figure 2015502974
実施例14の化合物を調製するスキーム:
Figure 2015502974
(実施例14の化合物) 実施例14の化合物を、中間体54を調製するために中間体37の代わりに中間体53を使用し、その後類似の中間体39-44(実施例12の化合物の調製で使用した)による方法について先に説明した手順において各々中間体55-60を利用する以外は、実施例12の化合物の調製の手順と同様に調製した。
Figure 2015502974
(実施例15 (2-(アミノメチル)-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-8,8-ジイル)ジメタノール塩酸塩)
Figure 2015502974
実施例15の化合物を調製するスキーム:
Figure 2015502974
(実施例15の化合物) 実施例15の化合物を、中間体62を調製するために中間体37の代わりに中間体61を使用し、その後類似の中間体39-44(実施例12の化合物の調製で使用した)による方法について先に説明した手順において各々中間体63-68を利用する以外は、実施例12の化合物の調製の手順と同様に調製した。
Figure 2015502974
(実施例16 N-(((8R)-2-(アミノメチル)-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-8-イル)メチル)ホルムアミド塩酸塩)
Figure 2015502974
実施例16の化合物を調製するスキーム:
Figure 2015502974
(中間体70) K2CO3(4.1g)を、DMF(20mL)中の中間体69(4.0g)及び(R)-N,N-ジベンジル-1-(オキシラン-2-イル)メタンアミン(5.0g;参考文献J. Chem. Soc., Perkin Trans. 1, 2001, 1086-1090に詳述されたように調製)の溶液へ添加した。この懸濁液を、120℃で36時間攪拌した。混合物を、室温まで冷却し、ブラインで希釈し、EtOAcにより抽出した。EtOAcを真空下で除去し、残渣を、直接次工程で使用した。MS (m/z): 455.4 [M+H]。
(中間体71) THF中の1M TBAF(20mL)を、THF(100mL)中の中間体70 (9.5g)及びMeNO2(5.6mL)の溶液へ、0℃で滴加した。この混合物を、同じ温度で3時間攪拌した。混合物を、氷水(80mL)へ注ぎ、EtOAcにより抽出した。一緒にした有機相を、ブラインで洗浄し、真空下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、中間体71を提供した。MS (m/z): 516.4 [M+H]。
(中間体72) Zn(6.3g)を、MeOH(80mL)中の中間体71(5.0g)及びNH4Cl(5.2g)の溶液へ添加した。この懸濁液を、室温で2時間攪拌した。濾過後、濾液を真空下で蒸発させ、中間体72を提供し、これを精製せずに次工程で使用した。MS (m/z): 486.5 [M+H]。
(中間体73) 中間体72の全量を、MeOH(60mL)及び水(20mL)に溶解した。NaHCO3(1.3g)を添加し、引き続きBoc2O(3.3g)を添加した。この混合物を、室温で一晩攪拌した。溶媒を真空下で除去し、残渣を水とEtOAc中に再溶解した。有機層をブラインで洗浄し、真空下で濃縮し、中間体73を提供した。MS (m/z): 586.5 [M+H]。
(中間体74) メトキシメチルクロリド(MOMCl, 5.5mL)を、DCM (50mL)中の中間体73(5.3g)及びDIEA(11.9mL)の溶液へ、0℃で滴加した。この混合物を、室温で一晩攪拌した。混合物をH2Oで洗浄し、DCMにより抽出した。一緒にした有機層を乾燥し、濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、中間体74を提供した。MS (m/z): 674.6 [M+H]。
(中間体75) ヘキサン中の2.5M BuLi (0.6mL)を、THF(1mL)中の中間体74(202mg)の溶液へ、Ar下、-78℃で滴加した。同じ温度で3時間攪拌した後、1-イソプロポキシ-3,3,4,4-テトラメチルボロラン(468mg)を添加した。この混合物を、室温までゆっくり温め、更に1時間攪拌した。8M HCl(1mL)を添加し、この混合物を室温で一晩攪拌した。揮発物を、凍結乾燥により除去し、中間体75を提供した。MS (m/z): 415.3 [M+H]。
(中間体76) 前工程からの中間体75の全量を、MeOH(3mL)及び水(2mL)中に溶解した。NaHCO3(84mg)を添加し、引き続きBoc2O(131mg)を添加した。この混合物を室温で一晩攪拌した。溶媒を真空下で除去し、残渣を水とEtOAc中に再溶解した。有機層をブラインで洗浄し、真空下で濃縮した。残渣をHPLCにより精製し、中間体76を提供した。MS (m/z): 515.3 [M+H]。
(中間体77) MeOH(1mL)中の中間体76(20mg)及びPd/C(2mg)の懸濁液を、H2により3回脱気した。この混合物を、H2下、室温で3時間攪拌した。濾過後、濾液を真空下で濃縮し、中間体77を提供した。MS (m/z): 334.2 [M+H]。
(中間体78) 中間体77の全量を、MeOH(1mL)中に溶解した。4-ニトロフェニルギ酸(8mg)を添加し、混合物を、室温で6時間攪拌した。溶媒を真空下で除去し、中間体78を提供した。MS (m/z): 362.2 [M+H]。
(実施例16の化合物) 前工程からの中間体78の全量を、ジオキサン中の4M HCl (1mL)に添加した。この混合物を室温で2時間攪拌した。揮発物を真空下で除去した。残渣を水(5mL)中に溶解し、EtOAc及びEt2Oで洗浄した。水相を凍結乾燥させ、実施例16の化合物を提供した。
Figure 2015502974
(実施例17 ((2S,8S)-8-(フルオロメチル)-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン塩酸塩)
Figure 2015502974
実施例17の化合物を調製するスキーム:
Figure 2015502974
(中間体79) CsF(27g)を、DMF(150mL)中の中間体1(9.0g)及び(S)-オキシラン-2-イルメチル3-ニトロベンゼンスルホネート(23g)の溶液へ添加した。この混合物を、80℃で40時間攪拌した。混合物を氷-水へ注ぎ、EtOAcにより抽出した。一緒にした有機層を、ブラインにより洗浄し、乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:PE/EtOAcの6:1)により精製し、中間体79を提供した。
(中間体80) n-Bu4NH2F3(1.1g)を、クロロベンゼン(6mL)中の中間体79(3.0g)の溶液へ添加し、引き続きKHF2(2.7g)を添加した。この混合物を、135℃で一晩攪拌した。室温まで冷却した後、混合物を氷-水へ注ぎ、EtOAcにより抽出した。一緒にした有機層を乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:PE/EtOAcの5:2)により精製し、中間体80を提供した。
(中間体81) NaH(0.38g)を、DMF(20mL)中の中間体80の溶液へ0℃で添加した。0.5時間攪拌した後、BnBr(1.03mL)を添加し、この混合物を室温で一晩攪拌した。この混合物を氷-水へ注ぎ、EtOAcにより抽出した。有機層を乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:PE/EtOAc 10:1)により精製し、中間体81を提供した。
(中間体82) EtOH(6mL)中のCu(OAc)2(17.3mg)及びN-((1S,2S,4R)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)ピリジン-2-アミン二塩酸塩(36.3mg)の混合物を、室温で1時間攪拌し、この時点で、中間体81(1.5g)を添加した。反応混合物を-40℃まで冷却し、その温度を-30℃以下に維持しながら、ニトロメタン(2.2mL)を添加し、引き続きDIEA(0.7mL)を添加した。この混合物を、-30℃で48時間攪拌した。TFA(0.05mL)を添加し、引き続き水H2O(50mL)、EtOAc(50mL)を添加した。水層を、EtOAcにより抽出した。有機層を乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:PE/EtOAcの8:1)により精製し、中間体82を提供した。
(中間体83) Zn(1.44g)を、HOAc(7mL)中の中間体82(630mg)の溶液へ添加した。この懸濁液を、室温で3時間攪拌した。濾過後、濾液を蒸発させ、中間体83を提供した。MS (m/z): 399.3 [M+H]。
(中間体84) 中間体83の全量を、EtOH(10mL)に溶解した。K2CO3 (455mg)を添加し、引き続きBnBr(0.590mL)を添加した。この混合物を、室温で24時間攪拌した。この混合物を、水で希釈し、EtOAcにより抽出した。一緒にした有機層を乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:PE/EtOAcの10:1)により精製し、中間体84を提供した。MS (m/z): 579.5 [M+H]。
(中間体85) ヘキサン(2.6mL)中の2.5M BuLiを、THF(8mL)中の中間体84(762mg)の溶液へ、Ar下、-78℃で滴加した。同じ温度で3時間攪拌した後、B(OMe)3 (2.1g)を添加した。この混合物を、室温まで温め、更に1時間攪拌した。この混合物を、氷-水へ注ぎ、EtOAcにより抽出した。一緒にした有機層を乾燥させ、真空下で濃縮し、中間体85を提供した。MS (m/z): 526.4 [M+H]。
(実施例17の化合物) 50℃で攪拌しているMeOH(15mL)中の中間体85(1.0g)及びPd/C (250mg)の懸濁液に、NH4COOH(2.5g)を添加した。この混合物を、2時間攪拌した。濾過後、溶媒を真空下で除去した。残渣をHPLCにより精製し、実施例17の化合物を提供した。
Figure 2015502974
(実施例18 ((2S,8R)-2-(アミノメチル)-5-フルオロ-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-8-イル)メタノール塩酸塩)
Figure 2015502974
実施例18の化合物を調製するスキーム:
Figure 2015502974
(中間体87) BBr3(32.6g)を、無水DCM中の中間体86(10g)の混合物へ、-78℃で滴加した。この混合物を、室温までゆっくり温め、4時間攪拌した。混合物を-78℃まで冷却し、2N HClによりクエンチし、その後室温で一晩攪拌した。水(40mL)を添加し、混合物をDCMにより抽出した。一緒にした有機層を乾燥させ、真空下で蒸発させた。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:PE/EtOAcの3:1)により精製し、中間体87を黄色油状物として提供した。
(中間体88) CsF(20.0g)を、DMF(50ml)中の中間体87(3.7g)及び(R)-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル 3-ニトロベンゼンスルホネート(9.64g)の溶液へ添加した。この混合物を、80℃で一晩攪拌した。水(40mL)を添加し、EtOAcにより抽出した。一緒にした有機層を洗浄し、乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:PE/EtOAcの3:1)により精製し、中間体88を提供した。MS (m/z): 579.5 [M+H]。
(中間体89) 中間体89を、中間体81の代わりに中間体88から出発する以外は、中間体82の調製の手順と同様に合成した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:PE/EtOAcの5:1)により精製し、中間体89を黄色油状物として提供した。
(中間体90) MeOH(2ml)中の中間体89(1.0g)及びPd/Cの懸濁液を、H2大気下で一晩攪拌した。濾過後、濾液を真空下で濃縮し、中間体90を提供した。MS (m/z): 286.3 [M+H]。
(中間体91) K2CO3(242mg)を、EtOH中の中間体90(250mg)の溶液へ添加し、引き続きBnBr(450mg)を添加した。この混合物を、室温で一晩攪拌した。水(40mL)を添加し、混合物をEtOAcにより抽出した。一緒にした有機層を乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:PE/EtOAcの1:1)により精製し、中間体91を黄色油状物として提供した。MS (m/z): 466.6 [M+H]。
(中間体92) 無水トルエン中の中間体91(52mg)の溶液へ、2.5M BuLi(0.36)を-70℃で添加した。この混合物を、0℃までゆっくり温め、2時間攪拌した。混合物を、-70℃まで冷却し、次にB(OMe)3 (58.1mg, 0.56mmol)を添加し、この混合物を0℃で1時間攪拌した。水(10mL)を添加し、混合物をEtOAcにより抽出した。一緒にした有機層を乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣を、HPLCにより精製し、中間体92を黄色油状物として提供した。MS (m/z): 492.4 [M+H]。
(実施例18の化合物) MeOH中の中間体92(35mg)及びPd/Cの懸濁液へ、濃HCl(1mL)を添加した。この混合物を、H2下で2時間攪拌した。混合物を濾過し、溶媒を真空下で除去した。残渣をMeOHに溶解し、HPLCにより精製し、実施例18化合物を白色固形物として提供した。
Figure 2015502974
(実施例19 ((2S,8R)-2-(アミノメチル)-3-フルオロ-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-8-イル)メタノール塩酸塩)
Figure 2015502974
実施例19の化合物を調製するスキーム:
Figure 2015502974
(実施例19の化合物) 実施例19の化合物を、中間体94を調製するために中間体87の代わりに中間体93を使用し、その後類似の中間体89-92(実施例18の化合物の調製で使用した)による方法について先に説明した手順において各々中間体95-98を利用する以外は、実施例18の化合物の調製の手順と同様に調製した。
Figure 2015502974
(実施例20 (1S)-1-((8S)-2-(アミノメチル)-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-8-イル)エタン-1,2-ジオール塩酸塩)
Figure 2015502974
実施例20の化合物を調製するスキーム:
Figure 2015502974
(中間体100) メトキシメチルクロリド(MOMCl, 18.7mL)を、DCM (100mL)中の中間体99(10.0g)及びDIEA(41mL)の溶液に添加した。得られた混合物を、室温で一晩攪拌した。水(50mL)を添加し、この混合物を、DCMにより抽出した。一緒にした有機層を、1M NaOH、ブラインにより洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、真空下で蒸発させ、中間体100を生じた。
(中間体101) 水(7mL)中のNaOH(3.1g)を、THF(100mL)中の中間体100(13.0g)及びMeNO2 (16.8mL)の溶液へ、0℃で攪拌しながら添加した。得られた混合物を、室温で4日間攪拌した。水を添加し、混合物をEtOAcにより抽出した。有機層を乾燥させ、真空下で蒸発させ、中間体101を生じた。
(中間体102) Zn(6.5g)を、MeOH(30mL)中の中間体101(2.27g)及びNH4Cl(5.3g)の懸濁液へ添加した。得られた混合物を、室温で3時間攪拌した。濾過後、濾液を真空下で蒸発させ、中間体102を提供した。MS (m/z): 198.2 [M+H]。
(中間体103) MeOH(20mL)中の中間体102(5.3g)、Boc2O(2.6g)及びNaHCO3(1.0g)の混合物を、室温で一晩攪拌した。水を添加し、この混合物を、EtOAcと反応させた(acted)。有機層を乾燥させ(硫酸ナトリウム)、真空下で蒸発させた。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:PE/EtOAc)により精製し、中間体103を提供した。MS (m/z): 298.3 [M+H]。
(中間体104) ヘキサン中の2.5M BuLi(11.3mL)を、無水トルエン(30mL)中の中間体103(2.1g)の溶液へ、-70℃で滴加した。この混合物を、0℃までゆっくり温め、2時間攪拌した。混合物を-70℃まで冷却し、次にB(OMe)3 (4.4g)を添加し、この混合物を0℃で2時間攪拌した。水を添加し、混合物をEtOAcにより抽出した。有機層を乾燥させ(硫酸ナトリウム)、真空下で蒸発させた。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、中間体104を黄色油状物として提供した。MS (m/z): 324.1 [M+H]。
(中間体105) 6M HCl(1mL)を、MeOH(1mL)中の中間体104(38mg)の溶液へ添加した。得られた混合物を、室温で2時間攪拌した。揮発物を真空下で除去し、中間体105を提供した。MS (m/z): 180.0 [M+H]。
(中間体106) MeOH(2mL)中の中間体105(40mg)、Boc2O (44mg)及びピリジン(0.3mL)の混合物を、室温で一晩攪拌した。溶媒を真空下で除去した。残渣を、水及びEtOAcにより処理した。有機層を乾燥させ(硫酸ナトリウム)、真空下で蒸発させた。残渣を、分取TLCにより精製し、中間体106を提供した。MS (m/z): 280.1 [M+H]。
(中間体108) 塩化トシル(259mg)を、中間体107(200mg)、Bu4NHSO4 (42mg, 0.123mmol)及び15%NaOH水溶液(1.35mmol)の溶液へ添加した。得られた溶液を、室温で2時間攪拌した。水を添加し、混合物をDCMにより抽出した。一緒にした有機層を乾燥させ、濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:PE/EtOAcの2:1)により精製し、中間体109を黄色油状物として提供した。
(中間体109) t-BuOK(45mg)を、DMSO(1mL)中の中間体106(100mg)の溶液へ、0℃で添加し、引き続き中間体108(125mg)を添加した。得られた混合物を、3時間攪拌し、次に濾過し、真空下で蒸発させた。得られた粗生成物を、HPLCにより精製し、中間体109を白色固形物として提供した。MS (m/z): 424.3 [M+H]。
(実施例20の化合物) ジオキサン中の4M HCl(1mL)を溶媒とする中間体109(13mg)の溶液を、2時間攪拌した。揮発物を、凍結乾燥により除去し、実施例20の化合物を白色固形物として提供した。
Figure 2015502974
(実施例21 ((8S)-2-(アミノメチル)-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-8-イル)メチルアセテート塩酸塩)
Figure 2015502974
実施例21の化合物を調製するスキーム:
Figure 2015502974
(中間体110)無水酢酸(32μL)を、DCM(2mL)中の中間体6(60mg)及びピリジン(31μL)の溶液へ、0℃で添加した。得られた混合物を、室温で2時間攪拌した。溶媒を真空下で除去し、残渣をHPLCにより精製し、中間体10を提供した。MS (m/z): 378.2 [M+H]。
(実施例21の化合物) 前工程からの中間体110の全量を、ジオキサン中の4M HCl(1mL)に溶解した。混合物を、室温で1時間攪拌させた。揮発物を、凍結乾燥により除去し、実施例21の化合物を明-黄色固形物として提供した。
Figure 2015502974
(実施例22 (2S)-4-((3-(アミノメチル)-1-ヒドロキシ-1,3-ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール-7-イル)オキシ)ブタン-1,2-ジオール塩酸塩)
Figure 2015502974
実施例22の化合物を調製するスキーム:
Figure 2015502974
(中間体115) 中間体115を、中間体112を調製するために中間体30の代わりに中間体111を使用し、その後類似の中間体32-34(実施例11の化合物の調製で使用した)による方法について先に説明した手順において各々中間体113-115を利用する以外は、実施例11の化合物の調製の手順と同様に調製した。
(中間体116) MeOH(15mL)中の中間体115(1.4g)、Boc2O(0.5g)及びPd/C(0.2g)の混合物を、H2下、室温で一晩攪拌した。濾過後、溶媒を真空下で除去した。残渣をHPLCにより精製し、中間体116を提供した。MS (m/z): 408.3 [M+H]。
(実施例22の化合物) 中間体116(100mg)を、ジオキサン中の4M HCl(1mL)に溶解した。この混合物を室温で1時間攪拌した。揮発物を凍結乾燥により除去し、実施例22の参照化合物を明-黄色固形物として提供した。
Figure 2015502974
(実施例23 2-(((3-(アミノメチル)-1-ヒドロキシ-1,3-ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール-7-イル)オキシ)メチル)プロパン-1,3-ジオール塩酸塩)
Figure 2015502974
実施例23の化合物を調製するスキーム:
Figure 2015502974
(実施例23の化合物) 実施例23の参照化合物を、PCT WO 2008/157726において説明された手順と同様に調製した。
Figure 2015502974
(実施例24 (7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-2-イル)メタンアミン塩酸塩)
Figure 2015502974
実施例24の化合物を調製するスキーム:
Figure 2015502974
(実施例24の化合物) 実施例24の参照化合物を、PCT WO 2008/157726において説明された手順と同様に調製した。
Figure 2015502974
(実施例25 (S)-3-(アミノメチル)-7-(3-ヒドロキシプロポキシ)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール-1(3H)-オール塩酸塩)
Figure 2015502974
実施例25の化合物を調製するスキーム:
Figure 2015502974
(実施例25の化合物) 実施例25の参照化合物を、PCT WO 2011/127143において説明された手順と同様に調製した。
Figure 2015502974
(実施例26 ((8S)-2-(アミノメチル)-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-8-イル)メチルプロピオネート塩酸塩)
Figure 2015502974
実施例26の化合物を調製するスキーム:
Figure 2015502974
(実施例26の化合物) 実施例26の化合物を、各中間体137を調製するために無水酢酸の代わりに無水プロピオン酸を使用する以外は、実施例21の化合物の調製について説明された手順と同様に調製した。明-黄色固形物。
Figure 2015502974
(実施例27 ((2S)-2-(アミノメチル)-7,8-ジヒドロ-2H-1,6,9-トリオキサ-9a-ボラベンゾ[cd]アズレン-8-イル)メタノール塩酸塩)
Figure 2015502974
(実施例27の化合物) 実施例24の化合物は、ベンジル(R)-グリシジルエーテルの代わりにベンジルグリシジルエーテルを使用する以外は、実施例3の化合物の調製について先に説明した手順を用いて行った。
(有用性及び試験)
本明細書に提供される化合物は、グラム陽性微生物及びグラム陰性微生物を含む様々な微生物に対する強力な活性を示す。従って本明細書に提供される化合物は、広範な抗菌活性を有する。従って、本明細書に提供される化合物は、有用な抗微生物薬であり、かつ例えば多剤耐性ブドウ球菌及び連鎖球菌などの好気性グラム陽性菌、例えば緑膿菌、アシネトバクター・バウマニ、大腸菌、肺炎桿菌、H.インフルエンザ及びM.カタルなどの選択されたグラム陰性微生物に加え、バクテロイデス及びクロストリジウム菌種などの嫌気性菌、並びに、例えば結核菌及びトリ結核菌などの抗酸菌を含む、数多くのヒト及び動物の病原体に対し有効であり得る。
本明細書に提供される化合物のインビトロ活性は、米国臨床検査標準委員会 (ビラノバ、ペンシルバニア州、米国)により1993年に発行された「好気性増殖細菌の希釈抗微生物感受性試験に関する承認された標準法(Approved Standard Methods for Dilution Antimicrobial Susceptibility Tests for Bacteria that Grow Aerobically)」第3版に説明された最小阻止濃度(MIC)の決定などの、標準の試験手法により評価することができる。低いMIC値は、高い抗菌活性を示す一方、高いMIC値は、低下した抗菌活性を明らかにする(後者の場合、病原体根絶のためにはより高い薬物濃度が必要)。一般に、特定の病原体に対するMIC値約≦4〜8μg/mLが、抗菌薬に関する治療的(すなわち、治療に適した)効力を指摘している一方、MIC値≧16μg/mLは、被験化合物がこの病原体に対する治療的に有用な活性を欠いていることを明らかにし得る。
代表的本明細書に提供される化合物の、グラム陰性病原体である緑膿菌、アシネトバクター・バウマニ、大腸菌、又は肺炎桿菌に対する有用なインビトロ活性(効力)は、下記表1のMICデータにより例証される。
表1のデータから明白であるように、代表的本明細書に提供される化合物は、グラム陰性病原体に対する高い活性がある。特に、実施例1、3、4、及び7の三環式化合物は、緑膿菌に対する注目に値する増強された効力を有し(MICが2〜4μg/mL)、これは実施例10の二環式参照化合物(MICが8μg/mL)を上回る、この病原体に対する活性の約2〜4倍のより高い改善を伴う。本明細書に提供された三環式化合物は、PCT WO 2008/157726の全般的に関連したオキサボロールクラスの実施例25の二環式参照化合物と類似した効力を示す。この参照化合物は、新規クラスの最初の治験中の(investigational)抗菌性薬物であり、例えばZaneらによりポスター「新規グラム陰性抗微生物薬GSK2251052の健常対象における安全性、忍容性及び薬物動態」において報告されている(第21回欧州臨床微生物学・感染症学会議、2011年、ミラノ、イタリア)。
表1. インビトロにおけるグラム陰性病原体に対する抗菌活性
Figure 2015502974
注記:a 公報WO 2008/157726からの参照化合物。 b A.バウマニMABA0001株。 c 肺炎桿菌KPN1004株。 d 公報WO 2008/157726の部類(genus)からの参照化合物。
同じく、参照化合物実施例24の三環式化合物に全般的に関連したこれらの三環式化合物は、PCT公報WO 2008/157726に説明されている唯一の先行する三環式ホウ素化合物である該実施例24の化合物に対し、類似の又は更には改善された抗菌効力(MIC)を有することも注目に値する。例えば、実施例3の化合物は、緑膿菌、大腸菌及び肺炎桿菌の代表的菌株に対し、参照化合物の実施例24化合物と比べ、2倍改善された活性を発揮する。このことは、このクラスの三環式ホウ素化合物内の高度に制約された構造活性相関(SAR)にもかかわらず、かなり特筆すべきことである。
厳格なSAR制限は、単純な等配電子置換(isosteric substitutions)又は最小構造変動から生じた、抗菌活性の劇的な下落により例証される。一般に多くのクラスの生体活性化合物が受け容れられているが(例えば、Meanwellの文献、J. Med. Chem., 2011, 54巻, 2529-2591頁により検証されたように)、これらは概して、本明細書に提供される化合物のクラス内では疎まれている。例えば実施例7の化合物のヒドロキシメチル側鎖の主要でない1個の炭素のシフトは、その異性体化合物実施例11を生じるが、このことは、実施例11のアナログに関して緑膿菌及びA.バウマニに対する4倍低下した効力につながる。同様に、実施例7の化合物のヒドロキシメチル側鎖の最小の伸長(同族体化)は、実施例12のそれぞれの2-ヒドロキシエチル化合物を生成するが、このことは、実施例12の化合物に関して、緑膿菌に対する活性の4倍の喪失、A.バウマニに対する全般的活性の喪失につながる(表1参照)。実施例7の化合物のヒドロキシメチル側鎖への単独のメチル基の導入(実施例14の1-ヒドロキシエチル化合物を生成する)、又は同じヒドロキシメチル基に結合した環内のCH基への単独のメチル基の導入(実施例13の化合物を生成する)のいずれかは、実施例13及び実施例14の両方の化合物に関して、実施例7の化合物と比べ、A.バウマニに対する活性の約4倍の喪失につながる。同様に、実施例7の同じ環内CHへの余分のヒドロキシメチル基の導入は、実施例15のビス-ヒドロキシメチル化合物を生成するが、このことは、抗菌効力のほぼ完全な喪失につながる(表1参照)。生物学的等価性の確立された原理との顕著な対比において、実施例3の化合物の構造のベンゼン環の水素原子のフッ素との例え単純な置き換えであっても、実施例17及び実施例18の化合物における低下した活性につながる。三環式ホウ素化合物に関するこの高度に禁じられたSARは、このクラスの一置換された三環式化合物(本明細書の実施例24の参照化合物)のみが、PCT公報WO 2008/157726において説明されているという事実の理由を説明することができる。
本明細書に提供される化合物のクラスに関する制約的SARは、更に下記図1にまとめられている。前述のように、強力な化合物(図1、上側ボックスの構造)において例え小さい構造修飾であっても、生じた密接に関連した化合物(図1、下側ボックスの構造)におけるA.バウマニに対する活性の劇的な喪失につながる。このことは、生体活性物質の多くの他のクラスに関して、SARにより可能である(Meanwellの文献、J. Med. Chem., 2011, 54巻, 2529-2591頁により検証されたように)が、本明細書に提供された三環式ホウ素抗菌薬のクラスに関しては好ましくない、立体等価性修飾とは対照的である。
Figure 2015502974
図1. グラム陰性菌病原体A.バウマニに対して治療的活性(MICで表された効力)を有する及び欠いている三環式ホウ素化合物
このSARを基にすると、実施例1、3、4、及び7の三環式ホウ素化合物については、弱い抗菌効力のみを発揮するか又は効力を発揮しないと予想されるであろう。従って、この抗菌効力(MIC)データは、実施例1、3、4、及び7の化合物などの、本明細書に提供される組成物に係る固有の性質を明らかにしている。圧倒的多数の他の三環式ホウ素化合物を活性不良又は全体的に不活性とし、従って哺乳類におけるグラム陰性感染症の治療には適していないようにする、高度に制約的なSARにもかかわらず、本明細書に提供される化合物には、注目に値する活性がある。
一般に抗菌性ホウ素化合物に関する制約的SARは、表1において、実施例25の活性のある参照化合物、対、実施例25の化合物の1個のアルコール基の代わりに2個のアルコール基を組み込んでいる構造的に密接しているが本質的に不活性である実施例22及び実施例23の参照化合物に関する効力データの顕著な対比によっても、更に例証されている。前述の参照ホウ素化合物は、三環式オキサボロール構造よりもむしろ二環式オキサボロール構造を取り込んでいる。とりわけ、実施例22及び23の両方の不活性化合物は全般的に、実施例1、3、4、及び7の化合物の理論的に実行可能な開環されたビス-アルコール型であって、恐らく不活性であると予想されるものに関連している。代わりに、後者の本明細書に提供された三環式化合物は、グラム陰性病原体に対し注目に値する高い活性を示す。
インビトロ活性(MICとして決定された効力)に加え、治療中の哺乳類の生存作用に対する、インビボ有効性又は細菌病原体を根絶する能力は、重大である。類似したインビトロ抗菌効力(MIC)を持つ化合物が、劇的に異なるインビボ活性を示すことがあり、その結果一部の有効な化合物に関しては望ましい治療効果を生じ、又は他の有効でない化合物に関しては有用な抗感染症作用を欠くことがあることは、よく確立されている。実際の治療の転帰について重大であるこのことは、インビボにおける化合物の挙動に影響を及ぼす複数の要因、例えばその吸収、分布、代謝、及び排泄などにより決まる。
本明細書に提供される化合物のインビボにおける有効性を確立するために、緑膿菌好中球減少症マウス大腿感染モデルにおける試験を、Andesらの文献(Antimicrobial Agents and Chemotherapy, 2002, 46(11), 3484-3489)に説明された方法に類似した被験化合物の皮下投与により実行した。このモデルにおいて、細菌コロニー形成単位(CFU)のより大きい低下は、より有益な治療作用(より多くの細菌の根絶)を示す一方で、より低いCFU低下は、より低い作用(少ない細菌の根絶)を示している。インビトロ活性に関して通常使用される用語効力(MICとして表される)とは対照的に、インビボ抗菌効果はまた、有効性とも称される。
注目すべきことに、実施例3の化合物は、この感染症動物モデルにおいて、実施例24の三環式参照化合物と比べ(両方の物質は同じ投薬30mg/kgで投与された)、顕著に改善された活性を示す。このように緑膿菌マウス大腿感染症モデルにおいて、実施例3の化合物は、細菌コロニー形成単位(CFU)における約3.6log(すなわち、約3981倍)の低下を実現したのに対し、並行試験において、実施例24の参照化合物は、細菌蔓延においてわずかに約1.7log(すなわち、約50倍)のCFU低下を引き起こした。従って、実施例3の化合物は、実施例24の参照化合物と比べた場合に、劇的に80倍を上回るより高い程度の望ましい病原体減少を効果的に引き起こす。両方の物質が緑膿菌に対して全般的に類似したインビトロ活性である(先に表1に例示されたように)ことを基に、よくても、これら2つの化合物に関しては類似した有効性のみであると予想されるので、この有益な治療作用は、かなり注目に値する。
同様に、別の緑膿菌マウス大腿感染症モデル試験において、実施例25の二環式参照化合物(最初の治験中のオキサボロール抗菌薬)と比較した場合に、実施例3の三環式化合物は、細菌コロニー形成単位(CFU)の約3.44log(すなわち、約2754倍)の低下を実現しているのに対し、実施例25の参照化合物は、並行試験において両方の物質について同じ30mg/kg投薬を使用する場合に、わずかに約2.37logのCFUの低下(すなわち、約234倍の低下)を引き起こす。従って、実施例3の三環式ホウ素化合物は、PCT公報WO 2008/157726に説明された実施例25の参照ホウ素化合物と比べ、緑膿菌大腿感染症モデルにおいて、約12倍より効率的である。
実施例3の化合物に関するインビボの治療的活性(有効性)のこの劇的な改善は、当業者がこの有益な作用を予測することを示す先行するデータは存在しないので、注目に値する。加えて関連した本明細書に提供される化合物は、一様に驚くほど改善されたインビボ有効性を示す。このように、前述の動物感染症モデルにおいて、実施例1の三環式化合物は、約3.2log(すなわち、約1584倍)のCFU低下を実現したのに対し、実施例10の二環式参照化合物の並行試験においては、わずかに約1.3log(約20倍)のCFUの低下が引き起こされ、このことは、本明細書に提供された実施例1の化合物の、PCT公報WO 2008/157726に説明された実施例10の全般的に関連した二環式ホウ素化合物を上回る、細菌の減少の劇的な79倍の優越性を明らかにしている。
薬物化合物の治療的能力を更に解明するために、経時的に全身の薬物濃度の変化をモニタリングするプロットに関する曲線下面積(AUC)などの、薬物動態(PK)データを使用し、治療の転帰の予測のための重要なパラメータを確立した。結果的に、より高いAUC値は、薬物へのより大きい曝露を示し、これは哺乳類における感染症を退治するために利用可能な薬物のより高い量に起因した、より大きい治療的能力に通常関連している。対照的に、より低いAUC値は、試験している薬物の低下した曝露を示し、これは細菌の蔓延を退治するために利用可能な抗生物質の量の減少を生じる。その目的のために、本明細書に提供される化合物は、専門書「薬理学最新プロトコール(Current Protocols in Pharmacology)」、2005年、7.1.1-7.1.26、John Wiley & Sons社に説明された方法と同様に実行される、静脈内投与のラットPKモデルにおいて試験した。
かなり注目に値することに、静脈内投与のラットPKモデルにおける実施例3の化合物に関する薬物動態データは、この化合物に関する、実施例24の比較例参照化合物を上回る全身曝露の大きい改善を明らかにし、実施例3及び実施例24の化合物に関する曝露(AUC)は、10mg/kgの同じ投薬で、各々、約14100及び5300ng/mL*hと決定された。この注目に値する結果は、実施例3の化合物に関して、PCT公報WO 2008/157726に説明された実施例24の参照化合物を上回る、インビボにおける薬物への曝露の顕著な2.7倍の改善を表している。これら2種の化合物は両方共三環式ホウ素化合物の一般的クラスに属するので(先の図1の構造参照)、当業者は、最良でも、これら2種の化合物について類似の曝露(AUC)のみであると予測し得るので、この有益なインビボ曝露作用は注目に値する。
同様に、この実施例3の三環式化合物に関するインビボ曝露は、実施例25の二環式化合物(治験中のオキサボロール薬物の比較例)のインビボ曝露と比較した場合に、大きく改善され:AUC値は、各々、約14100及び6241ng/mL*hであり、これは、実施例25の参照化合物の10mg/kg投薬と同一の投薬で達成される実施例3の化合物について、2倍を超える劇的な改善を表している。
当業者がこの有益な効果を予測することを示す先行するデータは存在しないので、実施例3の化合物に関するインビボ曝露(AUC)のこの劇的な改善は、注目に値する。追加の関連した本明細書に提供される化合物はまた、同様の注目に値するよう改善されたインビボ曝露を示している。従って、静脈内投与のラットモデルにおける実施例1の化合物に関する薬物動態データは、実施例10の比較例参照化合物を上回る実施例1の化合物の大きく改善された全身曝露を明らかにしており、実施例1及び実施例10の化合物に関するAUCは、各々、約11520及び5367ng/mL*hと決定された。この結果は、PCT公報WO 2008/157726に説明された実施例10の二環式参照化合物と比較した場合の、実施例1の三環式化合物の曝露における2倍以上の改善を表している。
まとめると、先の裏付けデータは、本明細書に提供される化合物(実施例1、3、4、及び7の化合物など)は、当業者にそのような活性を予測させないような厳しく制約されたSARと対比をなす、重要なグラム陰性病原体(A.バウマニ及び緑膿菌など)に対する注目に値するほど高い又は改善されたインビトロ抗菌効力を有することを、例示している。加えて、本明細書に提供される化合物はまた、感染症の動物モデル(緑膿菌大腿感染症モデルなど)における劇的なインビボ活性(有効性)の改善も示す。最後に、選択された本明細書に提供される化合物は、全身曝露において(静脈内薬物動態ラットモデルにおいて明らかにされたように)有益な増強を示す。
得られた先の代表的データそのまま、PCT公報WO 2008/157726のものを含む他のホウ素抗感染薬と比べ、効力、有効性、及び曝露の領域において有益な利点を伴う、本明細書に提供される化合物(実施例1、3、4、及び7の化合物など)に関する、注目に値するほど優れた治療的能力を明らかにしている。本明細書に提供された抗菌性化合物(実施例1、3、4、及び7の化合物など)に関する3種の明確に異なる重大なパラメータにおける劇的な改善は、より短い治療期間、減少された薬物有効量、可能性のある有害作用の減少、及び/又はより簡便な投薬計画を含むが、これらに限定されるものではない、ヒト又は哺乳類の治療についての著しく可能性のある恩恵をもたらす。
(投与及び医薬製剤)
概して、本明細書に提供される化合物は、同様の有用性で働く物質の許容されるいずれかの投与様式により、治療的有効量で投与されるであろう。例として、本明細書に提供される化合物は、経口的に、非経口的に、経皮的に、局所的に、経直腸的に、又は鼻腔内的に投与されることができる。本明細書に提供される化合物の、すなわち活性成分の実際の量は、治療される疾患の、すなわち感染症の重症度、対象の年齢及び相対的健康状態、使用される化合物の効力、投与の経路及び形状、並びに他の要因などの、数多くの要因により左右され、それらは全て担当医の範囲内である。
細胞培養アッセイ及び動物試験から得られたデータは、ヒトにおける使用に関する用量範囲の設定に使用することができる。このような化合物の用量は、ほとんど又は全く毒性がないED50を含む循環濃度の範囲内に存在することが好ましい。この用量は、使用される剤形及び利用される投与経路に応じて、この範囲内で変動することができる。本明細書に提供される方法において使用される任意の化合物に関して、治療的有効量は、最初に細胞培養アッセイから推定することができる。投与量は、細胞培養において決定されたIC50(すなわち、症状の最大阻害の半分を実現する被験化合物の濃度)を含む循環血漿濃度範囲を実現するように、動物モデルにおいて処方されてよい。このような情報は、ヒトにおける有用な投与量をより正確に決定するために使用することができる。血漿中のレベルは、例えば、高速液体クロマトグラフィーにより測定することができる。
本明細書に提供される化合物は、医薬品として利用される場合は、医薬組成物の形状で通常投与される。これらの化合物は、経口、非経口、経皮、局所的、経直腸及び鼻腔内を含む、様々な経路で、投与されることができる。
これらの化合物は、注射用組成物及び経口組成物の両方として有効である。このような組成物は、医薬技術分野において周知の様式で調製され、かつ少なくとも1種の活性化合物を含有している。
活性成分として、先の本明細書に提供される化合物の1種以上を、医薬として許容し得る担体と会合されて含有する医薬組成物も、本明細書において提供される。本明細書において提供される組成物の製造において、活性成分は通常、賦形剤と混合されるか、賦形剤により希釈されるか、又はカプセル、サシェ、紙若しくは他の容器の形状であることができるそのような担体内に封入される。この賦形剤が希釈剤として働く場合、これは、活性成分のための溶媒、担体又は媒体として作用する、固形、半固形、又は液体の物質であることができる。従って本組成物は、錠剤、丸剤、散剤、舐剤、サシェ剤、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、液剤、シロップ剤、エアロゾル剤(固形物として又は液体媒体内)、例えば活性化合物を最大10重量%含有する軟膏剤、軟及び硬ゼラチンカプセル剤、坐剤、無菌注射用液剤、及び無菌包装された散剤の形状であることができる。
製剤の調製において、他の成分と組み合わせる前に、好適な粒子サイズを提供するよう、活性化合物の摩砕が必要なことがある。この活性化合物が実質的に不溶性である場合、これは通常200メッシュ未満の粒子サイズに摩砕される。この活性化合物が実質的に水に可溶性である場合、粒子サイズは、通常、製剤中で実質的に均質な分布、例えば約40メッシュを提供するように摩砕されることにより調節される。
好適な賦形剤の一部の例としては、乳糖、デキストロース、ショ糖、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアゴム、リン酸カルシウム、アルギネート、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、滅菌水、シロップ、及びメチルセルロースが挙げられる。これらの製剤は加えて以下を含有することができる:タルク、ステアリン酸マグネシウム、及び鉱油などの、滑沢剤;湿潤剤;乳化剤及び懸濁化剤;ヒドロキシ安息香酸メチル及びプロピルなどの、保存剤;甘味剤;並びに、香味剤。本明細書に提供される組成物は、当該技術分野において公知の手法を使用することにより、患者への投与後、活性成分の即時放出、持続放出又は遅延放出を提供するように、製剤されることができる。
医薬組成物及びそれらの単位剤形中の本明細書に提供される化合物である活性成分の量は、特定の用途、特定の化合物の効力及び望ましい濃度に応じ、広範に変動されるか又は調節されることができる。
これらの組成物は、単位剤形で製剤されることが好ましく、各用量は、該活性成分を約5〜約100mg、より一般的には約10〜約30mg含有する。用語「単位剤形」とは、ヒト対象及び他の哺乳類に関する単一用量として適している物理的に個別の単位をいい、各単位は、所望の治療作用を生じるように計算された活性物質の予め決定された量を、好適な医薬賦形剤と会合して含有している。好ましくは、先に本明細書に提供される化合物は、医薬として不活性の担体(類)と釣り合いがとれるよう、医薬組成物の約20重量%以下、より好ましくは約15重量%以下で使用される。
活性化合物は、広範な用量範囲にわたり有効であり、かつ一般に医薬的又は治療的な有効量で投与される。しかし、実際に投与される本化合物の量は、治療される状態、治療される細菌感染症の重症度、選択された投与経路、投与される実際の化合物、患者個人の年齢、体重及び反応、患者の症状の重症度などを含む関連状況を考慮し、医師により決定されることは理解されるであろう。
温血動物における細菌感染症の治療、又は根絶のための治療的用途において、化合物又はそれらの医薬組成物は、抗菌効果があるであろう治療を受けている動物における活性成分の濃度、すなわち量又は血液レベルを獲得しかつこれを維持する用量で経口、局所的、経皮、及び/又は非経口的に投与されるであろう。一般に、活性成分の用量のそのような抗菌的又は治療的有効量(すなわち、有効用量)は、約0.1〜約100mg/kg体重/日、より好ましくは約1.0〜約50mg/kg体重/日の範囲であろう。
錠剤などの固形組成物の調製に関して、主要な活性成分は、医薬賦形剤と混合され、本明細書に提供される化合物の均質な混合物を含む、固形の予備製剤組成物を形成する。これらの予備製剤組成物を均質と称する場合、これは、その活性成分が、該組成物全体に均等に分散され、その結果本組成物は錠剤、丸剤及びカプセル剤などの、同等に有効な単位剤形に容易に再分割され得ることを意味する。この固形の予備製剤は、次に、本明細書に提供される活性成分を例えば0.1〜約500mg含有する、先に説明された種類の単位剤形に再分割される。
本明細書に提供される錠剤又は丸剤は、コーティングされるか、又は別の場合には配合され、作用延長の利点をもたらす剤形を提供する。例えば錠剤又は丸剤は、内側用量成分及び外側用量成分を含むことができ、この外側用量成分は内側用量成分の上の外皮の形である。これらふたつの成分は、胃内での崩壊に抵抗するよう働き、かつ内側成分が十二指腸へ無傷のまま通過するか又は放出を遅延することを可能にする腸溶層により隔てられることができる。そのような腸溶層又はコーティングのために様々な物質を使用することができ、そのような物質は、多くのポリマー酸、並びにポリマー酸のセラック、セチルアルコール、及び酢酸セルロースなどの物質との混合物を含む。
経口又は注射による投与のために本明細書に提供された組成物が包含できる液体型は、トウモロコシ油、綿実油、ゴマ油、ココナツ油若しくはピーナッツ油などの食用油に加え、エリキシル及び同様の医薬用溶媒を含む、水性液剤、好適な香味付けシロップ剤、水性又は油性懸濁剤、及び香味付け乳剤を含む。
吸入用又は吹送用の組成物は、医薬として許容し得る水性溶媒若しくは有機溶媒、又はそれらの混合物中の液剤及び懸濁剤、並びに散剤を含む。液体又は固体の組成物は、先に説明されたような好適な医薬として許容し得る賦形剤を含有してもよい。本組成物は、局所又は全身作用のために、経口又は経鼻的な呼吸経路で投与されることが好ましい。好ましくは医薬として許容し得る溶媒中の組成物は、不活性気体の使用により、噴霧化されてよい。噴霧化された溶液は、噴霧化装置から直接吸入されるか、又は噴霧化装置がフェイスマスクテント又は間欠的陽圧式人工呼吸器に連結されてよい。液剤、懸濁剤又は散剤の組成物は、好適な様式で該製剤を送達する装置から、好ましくは経口的又は経鼻的に投与されることができる。
本明細書に提供された方法において使用される別の好ましい製剤は、経皮的送達用具(「貼付剤」)を使用する。そのような経皮貼付剤を使用し、制御された量の本明細書に提供される化合物の連続又は非連続注入を提供することができる。薬剤の送達のための経皮貼付剤の構成及び使用は、当該技術分野において周知である。例えば、1991年6月11日に公開された米国特許第5,023,252号が参照され、これは引用により本明細書中に組み込まれている。このような貼付剤は、連続的、間欠的又は要求に応じた薬剤の送達のために構成されることができる。
頻繁に、本医薬組成物を、直接又は間接のいずれかで、脳に導入することが望ましいか又は必要とされるであろう。直接技法は、通常血液脳関門を迂回するための薬物送達カテーテルの宿主の脳室系への留置が関与している。体の特定の解剖学的領域への生物学的要因の輸送に使用されるそのような埋め込み可能な送達システムのひとつは、米国特許第5,011,472号に開示されており、これは引用により本明細書中に組み込まれている。
間接技法が一般に好ましく、これは通常、親水性薬物の脂溶性薬物への変換により、薬物の潜伏性(drug latentiation)を提供するように該組成物を製剤することが関与している。潜伏性は一般に、該薬物をより脂溶性としかつ血液脳関門を超えて輸送され易くするために、薬物上に存在するヒドロキシ基、カルボニル基、スルフェート基、及び第一級アミン基をブロックすることを通じて実現される。あるいは、親水性薬物の送達は、血液脳関門を一過性に開けることができる高張性溶液の動脈内注入により強化されることができる。
その他の好適な製剤は、「レミントン薬科学(Remington's Pharmaceutical Sciences)」、Mace Publishing社、フィラデルフィア、PA、第17版(1985)において認めることができる。
前述のように、本明細書に説明された化合物は、前述の様々な薬物送達システムにおける使用に適している。加えて、投与された化合物のインビボ血清半減期を増大するために、本化合物は、カプセル封入されるか、リポソーム管腔に導入されるか、コロイドとして調製されることができるか、又は該化合物の延長された血清半減期を提供する他の常用の技法を使用することができる。リポソームの調製に利用可能な様々な方法は、例えばSzokaらの米国特許第4,235,871号、第4,501,728号及び第4,837,028号に開示されており、これらは各々引用により本明細書中に組み込まれている。
前述のように、患者へ投与される本化合物は、前述の医薬組成物の形状である。これらの組成物は、通常の滅菌技術により滅菌されることができるか、又は濾過滅菌されることができる。得られる水性溶液は、そのまま使用されるように包装されるか、又は凍結乾燥されることができ、この凍結乾燥された調製品は投与前に無菌の水性担体と組み合わせられる。この化合物調製品のpHは、典型的には、3〜11であり、より好ましくは5〜9であり、最も好ましくは7〜8である。前述のある種の賦形剤、担体、又は滅菌剤の使用は、医薬の塩の形成を生じることは理解されるであろう。

Claims (14)

  1. 下記式Iの化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、錯体、若しくは互変異性体:
    Figure 2015502974
    (式中:
    R1及びR2は、独立して、H、F、C1-6アルキル、C1-6(アミノ)アルキル、アミノメチル、又はC1-6アルキルNH2であり;並びに、ここで
    R3及びR4は、独立して、H、ハロ、CN、C1-6アルキル、C1-6(ヒドロキシ)アルキル、C1-6アルキルアミノ、C1-6アルコキシ、C1-6ヘテロアルキル、C1-6ハロアルキル、又はC1-6(アミノ)アルキルから独立して選択された、単独の置換基又は複数の置換基であり;並びに、ここで
    Yは、O、S、CH2、CHF、又はCF2であり;並びに、ここで
    R5は、H、ハロ、CN、OH、又はNH2である。)。
  2. 請求項1記載の式Iの化合物であり、但し、R1、R3、R4、R5が、全てHであり;かつ、R2がCH2NH2である場合;Yは、O以外であることを条件とする、前記化合物。
  3. 前記R1が、Hであり;並びに、前記キラル基CR1R2が、(S)-立体配置を有する、請求項1〜2のいずれか一項記載の化合物。
  4. 前記R1、R3、及びR5が、全てHであり;R2が、CH2NH2であり、並びにR4が、環断片CH-O-Bの炭素原子に結合されたCH2OH基である、請求項1〜3のいずれか一項記載の化合物。
  5. 前記キラル基CHR4が、(R)-立体配置を有する、請求項4記載の化合物。
  6. 下記構造から選択される、請求項1〜5のいずれか一項記載の化合物:
    Figure 2015502974
  7. 下記構造から選択される、請求項1〜5のいずれか一項記載の化合物:
    Figure 2015502974
  8. 請求項1〜7のいずれか一項記載の化合物の治療的有効量を哺乳類へ投与することを含む、哺乳類における微生物感染症の治療方法。
  9. 前記化合物が、医薬組成物において、経口的に、非経口的に、経皮的に、局所的に、経直腸的に、又は鼻腔内的に、哺乳類へ投与される、請求項8記載の方法。
  10. 前記微生物感染症が、グラム陰性菌、グラム陽性菌、又はマイクバクテリウムの感染症である、請求項8記載の方法。
  11. 前記微生物感染症が、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、アシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii)、大腸菌(Escherichia coli)、又は肺炎桿菌(Klebsiela pneumoniae)から選択される微生物により引き起こされる、請求項8記載の方法。
  12. 前記感染症が、皮膚、軟組織、呼吸器、又は眼の感染症である、請求項8記載の方法。
  13. 微生物緑膿菌及びアシネトバクター・バウマニに対する最小阻止濃度4μg/mL以下を有する、請求項1〜7のいずれか一項記載の化合物。
  14. 請求項1〜7のいずれか一項記載の化合物の治療的有効量及び医薬として許容し得る担体を含有する、医薬組成物。
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