JP2015501334A - マイクロコンタクト印刷に使用するための金属ベースのナノパーティクルを含む水性インキ調合物 - Google Patents
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Abstract
本発明は、水性調合物、特にマイクロコンタクト印刷によって電気伝導性及び/または反射性構造を生成するための水性調合物であって、a)≧15〜≰55重量部の水、b)≧10〜≰50重量部のアルコール、c)≧15〜≰45重量部の金属ベースのナノパーティクル、d)≧0.5〜≰10重量部の非フッ素化界面活性剤、及びe)≧0.5〜≰10重量部のフッ素化界面活性剤、を少なくとも含み、ここで上に定義した成分a)〜e)は合計して調合物中で≰100重量部の濃度である前記水性調合物に関する。湿潤挙動、特に疎水性材料の湿潤挙動を大きく改善し得る。本発明は更に、マイクロコンタクト印刷によって基材上に構造、特に電気伝導性及び/または反射性の構造を生成する方法、並びにこのような構造を含む基材にも関する。
Description
本発明は、特にポリ(ジメチルシロキサン)でできたスタンプを用いてフレキシブルな及び/または透明な基材上に、特に電気伝導性及び/または光反射性構造を特にマイクロコンタクト印刷によって生成するための、金属、特に銀をベースとするナノパーティクルを含む水性調合物に関する。本発明は更に、構造、特に電気伝導性及び/または光反射性の構造を、上記の調合物を用いたマイクロコンタクト印刷によって、基材上に生成する方法にも関する。更に本発明は、このような構造を含む基材にも関する。
マイクロコンタクト印刷(μCP)は、様々な基材上にマイクロスケールの図形(feature)を印刷するためにマイクロパターン化されたスタンプ、例えばポリ(ジメチルシロキサン)(PDMS)でできたスタンプを使用する、簡便でかつ多用途の印刷方法であると謳われている。基材には、湾曲した基材及び大表面積の基材も包含され得る。マイクロコンタクト印刷は、中でも、自己組織化単層(SAM)、ポリマー、デンドリマー、触媒、またはタンパク質、リポゾームなどの生体分子などを適切な基材上に印刷するために使用することができる。しかし、マイクロコンタクト印刷を用いてナノパーティクルを印刷することについてのレポートは非常に僅かしかない。例えば、マイクロコンタクト印刷を用いた二酸化チタン(TiO2)ナノパーティクルや量子ドットの印刷が報告されている。
更に、ポリ(ジメチルシロキサン)でできたスタンプを用いることによって、疎水性表面を持つ非極性エラストマーであるこの材料は、その低い表面エネルギーの故に幾つかの問題を提示し、それで極性インキシステム、例えば水系インキシステムが湿潤性に乏しいという結果となっている。それ故、表面エネルギーを高めるため及び更に極性インキシステムの湿潤挙動を向上するために、ポリ(ジメチルシロキサン)スタンプの表面を変性する方法が知られている。これらの変性方法は、典型的には、プラズマ処理、及びポリ(ジメチルシロキサン)表面上の極性部分の表面グラフトを含む多段階プロセスである。しかし、変性経路後の表面は、使用及び/または貯蔵を繰り返すうちに湿潤性が次第に低くなるために、その成果は限られたものであることが多い。
代替的な方法は、適切な基材上に直接金属コロイドをマイクロコンタクト印刷することである。しかし、マイクロコンタクト印刷を用いた金属ナノパーティクルの印刷についての情報は多くないようである。例えば、ポリ(ジメチルシロキサン)スタンプ上へのPd/SnまたはPdナノパーティクルのマイクロコンタクト印刷は、NiBまたは銅の更なる無電解析出の種であると報告された。Pd/Snナノパーティクルは、種層としてのみ使用されており、そしてこれは、本当に緻密な構造ではなくて、ナノパーティクルのランダムな析出でもあり得るという点に留意すべきである。また、これらの種ナノパーティクルは、トルエンまたはヘキサンのような有機溶剤中に分散されることが多い点も強調しなければならない。
金属製伝導性パターンの既知の印刷の殆どは、適当なチオールの自己組織化単層によって金表面を不動態化し、その後、基材の未不動態化区域上に金属種を電着/無電解析出し、最後に湿式エッチングして、金表面の未コート領域を除去することによって行われた。このタイプのパターン化は、工程集約的で面倒であることは明らかである。
US2009/0191355A1(特許文献1)からは、基材上に粒子の層を形成する方法、特に、部品及びデバイスのマイクロ作製に使用するために基材上にナノメーターサイズの粒子の薄い層を形成するための方法が知られている。この文献に記載の方法は、一般的に、レリーフ構造を持つ弾性スタンプを供するステップ;粒子及び分散剤を含む組成物を前記レリーフ構造に施用するステップ;前記レリーフ構造から組成物を基材に選択的に転写してパターンを形成するステップ;組成物を荷電ガスで処理して分散剤を除去するステップ;及び誘導加熱して粒子の機能的結合を形成するステップを含む。この方法を行うために使用されたインキは、銀、特に銀ナノパーティクルなどの伝導性材料、バインダー及び溶媒としてのメタノールを含んでよい。
WO2009/052120A1(特許文献2)は、例えばマイクロコンタクト印刷によって、ミクロン及びサブミクロンスケールで電気的及び機械的構造をマイクロ作製及びナノ作製する方法を記載している。この方法は、キャリア中に懸濁された銀ナノパーティクルなどの複数の金属ナノパーティクルを含む調合物を使用し、ここで前記キャリアは、水及び水と混合可能な少なくとも一種の有機溶媒を含む。水と混合可能な有機溶媒は、アルコール、例えばテルペンアルコールまたはポリオール、例えばグリコールもしくはグリセロール、または長鎖アルコール、例えばオクタノールもしくはデカノールなどであることができる。更に、この文献から知られる調合物は、界面活性剤または分散剤などの添加剤を含んでもよい。
しかし、上記で定義した従来技術に関して、膨潤及び湿潤挙動は、特にポリ(ジメチルシロキサン)スタンプを表面変性しない時に、改善できる可能性がある。詳しくは、ポリ(ジメチルシロキサン)でできたスタンプなどのスタンプの湿潤のためのプラズマまたはUV/オゾン処理は避けるべきである。
T.Allen,Particle Size Measurements,Bd.L,Kluever Academic Publishers,1999
その結果、印刷性及び特に湿潤挙動、特にスタンプを前処理せずにポリ(ジメチルシロキサン)スタンプなどの疎水性材料の印刷性及び特に湿潤挙動を改善する更に別のインキ調合物に対する要望がある。それ故、ポリ(ジメチルシロキサン)でできたスタンプなどの疎水性材料の改善された湿潤挙動を持つマイクロコンタクト印刷用のインキとして有用な水性調合物を提供することが本発明の課題である。
本発明は、水性調合物、特にマイクロコンタクト印刷によって電気伝導性及び/または反射性構造を生成するための水性調合物であって、
a)≧15〜≦55重量部の水、
b)≧10〜≦50重量部のアルコール、
c)≧15〜≦45重量部の金属ベースのナノパーティクル、
d)≧0.5〜≦10重量部の非フッ素化界面活性剤、及び
e)≧0.5〜≦10重量部のフッ素化界面活性剤、
を少なくとも含み、ここで上で定義した成分a)〜e)は合計して調合物中で≦100重量部の濃度となる、前記水性調合物に関する。
a)≧15〜≦55重量部の水、
b)≧10〜≦50重量部のアルコール、
c)≧15〜≦45重量部の金属ベースのナノパーティクル、
d)≧0.5〜≦10重量部の非フッ素化界面活性剤、及び
e)≧0.5〜≦10重量部のフッ素化界面活性剤、
を少なくとも含み、ここで上で定義した成分a)〜e)は合計して調合物中で≦100重量部の濃度となる、前記水性調合物に関する。
本発明の意味において“金属ベースの”ナノパーティクルという用語は、特に、金属そのものを、または合金、金属酸化物または類似物などの金属化合物から少なくとも部分的に形成された化合物を含む任意のナノパーティクルを意味する。金属酸化物の例としては、例示的にのみ、酸化チタン(TiO2)または酸化スズインジウム(ITO)を挙げ得る。その結果、金属ベースのナノパーティクルと言う時にはどの場合も、これらのパーティクルは、金属、合金、または金属酸化物などの金属化合物であることができる。これとは別に、本発明の意味において“ナノパーティクル”という用語は、典型的には、≦250nmの範囲、例えば≧1nm〜≦250nmの範囲内の最大径を有するパーティクルを意味し得る。
本発明の意味において“構造”という用語は、特に、基材の表面に施される任意の種類の材料を意味する。詳しくは、構造という用語は、表面積の全域または拡張された領域に施される層、例えば大領域コーティング、または基材表面上の決められた領域のみに施された画定されたパターンを含む。
本発明において“マイクロコンタクト印刷”という用語は、特に、従来技術で一般的に知られる方法を意味する。この方法は、調合物またはインキを、構造化されていてもまたはされていなくともよいスタンプの表面にまたは少なくともその表面の一部に適用するステップを含む。スタンプに適用されるインキは、次に、構造を基材上に供するために適当な基材に転写される。
本発明の調合物は、ポリ(ジメチルシロキサン)表面などの疎水性表面を、時間がかかり面倒な表面変性手順に付す必要なく湿潤の問題を解消する。これの他、本発明の調合物は、ポリ(ジメチルシロキサン)などの疎水性材料でできたスタンプを膨潤しない。
次の説明に拘束されるものではないが、本発明による特に電気伝導性及び/または反射性コーティングの生成のための水性調合物によって提供される有利な効果と利益は、各々の成分の相乗効果によって得られるものと考えられる。特に、各々の濃度範囲において本発明の調合物中に存在する成分によって利益が得られるものと考えられる。
上で定義した成分の他、本発明のインキ調合物は、本発明の範囲自体を離れることなく更に別の成分を含み得る。例えば、該調合物は、調合物の性質の一つまたはそれ超を改善するためにまたはそれらを特殊な用途に適合させるために、少なくとも一種の添加剤を含んでよい。本発明のインキ調合物の一部であることができるこの更に別の一種またはそれ超の添加剤は、界面活性剤、顔料、消泡剤、光保護剤、淡色化剤(lighteners)、増量剤(wighteners)、腐食防止剤、酸化防止剤、殺藻剤、可塑剤、柔軟剤及び/または増粘剤を含む群からまたはこれらからなる群から選択し得るが、上記のリストは全てを網羅するものではない。
本発明のインキ調合物中に存在する成分は、特に、電気伝導性及び/または反射性構造を生成する方法においてマイクロコンタクト印刷に関してスタンプ上での湿潤挙動を考慮して選択される。その結果、本発明のインキ調合物中に存在する成分は、特に、ポリ(ジメチルシロキサン)などの疎水性材料上での湿潤挙動を考慮して選択される。
本発明のインキ調合物内において、金属ベースのナノパーティクルは、本質的に、適切な基材上に生成するべき特に電気伝導性及び/または反射性構造の主成分として働く。これらは、本発明の調合物中に、≧15〜≦45重量部の範囲で存在してよい。発明自体を離れることなく、同じ種類のナノパーティクルが本発明の調合物中に存在し得ること、または異なる種類のナノパーティクルが本発明の調合物中に存在し得ることは当業者には明らかである。
存在する水は、金属ベースのナノパーティクルを分散するための溶媒として働き得る。これは、≧15〜≦55重量部の範囲の濃度で存在してよい。
本発明のインキ調合物において、アルコールは≧10〜≦50重量部の範囲の濃度で存在してよく、そして共溶媒として働き得る。追加的に、これは湿潤剤としての役割を担い得る。
非フッ素化界面活性剤に関して、これは、特に、インキの表面張力を低下するための剤として働き得、そうしてスタンプの湿潤挙動を更に向上し得る。これは、≧0.5〜≦10重量部の範囲の濃度で存在してよい。
フッ素化界面活性剤に関して、これは、特に、レベリング剤として及び/またはインキの表面張力を低下させるための剤として働き得、湿潤挙動に関してプラスの面を与える。これは、該調合物中に≧0.5〜≦10重量部の範囲の濃度で存在してよい。
本発明のインキ調合物は優れた湿潤挙動を提供することができ、これはマイクロコンタクト印刷に関してとりわけ有利である。詳しくは、良好な湿潤挙動を持つことによって、スタンプ、特にポリ(ジメチルシロキサン)などの疎水性材料でできたスタンプを湿潤でき、そうして定められた方法でインキ調合物が供される。その結果、基材上に画定された構造を生成するためにスタンプが構造化されている場合には特に、基材にインキを転写することによって所望の構造を生成するためには、良好な湿潤挙動が有利である。この際、構造化されたスタンプとは、特に、構造が付与された少なくとも一つの表面を持つスタンプを意味し得る。マイクロコンタクト印刷に適したものになるためには、この構造は、特に、突出した部分及び凹んだ部分を有して、要求される構造を形成し得る。構造自体を、所望の用途に適合させ得る。それ故、これは、例えば、画定された領域、ラインまたはスポットを含んでよい。湿潤に関して従来から知られる問題に取り組むことによって、スタンプまたはスタンプ構造によって画定される施される構造の所望の幾何配列及び形状が適切な基材に正確に転写され得ることが保証され得る。
この際、スタンプ表面を化学的にもしくは物理的に加工することによってこの表面を変性する必要はない。その代わりに、湿潤性は該インキ調合物自体によって改善し得る。その結果、更なるステップ無しで印刷プロセスを行うことができ、そうして高効率で費用節約的な方法が達成される。
更に、寸法及び/または構造は、使用されるスタンプもしくはその構造及びそれらにかけられる圧力にのみ依存する。その結果、本発明のインキ調合物を使用することによって、例えば伝導性及び/または反射性金属構造を様々な寸法で印刷することができる。
また、特に該調合物を基材に転写した後に適当な焼結条件が選択された場合には、半透明な格子構造、例えば5Ω/sqのシート抵抗を有する半透明格子構造を印刷することも可能である。適切な基材上に形成された電気伝導性構造、例えば伝導経路または大面積コーティングに関して、これらは、好ましくは、高温耐性、例えば少なくとも4000℃まで短時間の間、高温耐性であること、並びに機械的にフレキシブルであることができる。更に、本発明のインキ調合物は、100μmまたはそれ未満(20μmまたはそれ未満まで)の幅を有する構造またはラインを生成するのに適していることができる。これは、小寸法の基材に関して有利であり得る。これの他、本発明のインキ調合物の利用可能性は特に広い。
更に、本発明のインキ調合物は、その調製及び使用が特に費用節約的であり、及び追加的に、素晴らしい貯蔵寿命を提供し得る。更に、所望の構造を適宜生成し得るという事実のために、基材が誤ってコーティングされそして所望の用途に有用でなくなる程度を最小限まで抑えることができる。その結果、本発明のインキ調合物は、使用時に高い効率を提供し得る。
その他、本発明のインキ調合物は、印刷に使用するスタンプが膨潤及び/または収縮することを防ぐ。詳しくは、収縮とは、スタンプがその寸法を変え、スタンプの印刷面上に存在する構造の寸法もが変化することを招くプロセスである。その結果、印刷された構造は、スタンプが収縮した場合には、所望の寸法を持たないことになる。加えて、殆どの有機溶媒は、スタンプ、特にポリ(ジメチルシロキサン)から形成されたスタンプの膨潤プロセスを招き、同様にスタンプに及びそれ故印刷結果に負の効果を有する。上記の欠点は、本発明の水系の調合物を用いることで防ぎ得る。
本発明のインキ調合物は、マイクロコンタクト印刷に、より詳しくは疎水性スタンプを用いたマイクロコンタクト印刷に特に適したものであるが、該調合物は、構造またはパターンを適切な基材に転写するための疎水性材料を用いた任意の種類の印刷技術にとりわけ適している。
本発明の課題が、定義された成分を特に定義された濃度範囲で有するインキ調合物を適切に選択することによって図らずしも解決されることを見出したことが本発明者らの利益である。本発明の効果は、特定の理屈に拘束されることなく、特に定義された濃度比での、溶媒、共溶媒及び界面活性剤、場合により及び更に別の添加剤の相乗効果によって提供される。
一つの態様では、金属ベースのナノパーティクルは銀ナノパーティクルを含む。好ましくは、全ての金属ナノパーティクルが銀ナノパーティクルである。銀ナノパーティクルは、好ましくは、銀ナノパーティクルゾル(Agゾル)の形で、使用し得るかまたは調合物中に導入し得る。銀ナノパーティクルゾルは、フィルター要素、例えば大きくて100.00ダルトンの濾過レベルを有するフィルター要素を含むメンブレン濾過を用いることによって、処理、それ故特に精製及び濃縮してよい。銀ナノパーティクルゾルは好ましくは分散剤を含み、この分散剤は、乾燥した分散剤に対して62重量部のC2ポリエーテル、23重量部のC3ポリエーテル、及び15重量部のポリスチレンを含み、C2ポリエーテルブロックとC3ポリエーテルブロックの長さの比が7:2単位である、スチレンブロックを含むブロックコポリエーテルから形成され得る(例えばDisperbyk 190、BYK−Chemie,Weselから購入可能)。キャッピング剤として役立ち得るこの分散剤によって、銀ナノパーティクルは適切に安定化される。その結果、銀ナノパーティクルの集塊を防ぎ得る。
更に別の態様の一つでは、アルコールは、エタノール、イソプロパノール、メタノール、またはこれらの化合物の少なくとも一つを含む混合物であってよい。特にメタノールを使用することによって、本発明のインキの湿潤性が、格別に向上されることが見出された。更に、メタノールは、好ましい蒸発速度を有し、該インキ調合物が供されたケイ素スタンプまたは構造が供された基材の非常に短い乾燥時間を提供する。これの他、メタノールはその使用が費用節約的であり、さらにはその取り扱い条件に関して問題がない。
更に別の態様の一つでは、金属ベースのナノパーティクルは、≦150nm、特に≦100nm、例えば≧40nm〜≦80nmの平均有効径及び/または二峰性の粒径分布を含む。レーザー相関分光分析を介した粒径及び粒径分布の測定は従来技術において既知であり、そして例えばT.Allen,Particle Size Measurements,Bd.L,Kluever Academic Publishers,1999(非特許文献1)に記載されている。銀ナノパーティクルが使用される場合には、これらは、好ましくは、銀ナノパーティクルゾル(Agゾル)の形で、使用し得るか、または調合物中に導入し得る。
二峰性粒径分布は、金属ナノパーティクルなどの金属ベースのナノパーティクルの含有率が低いパターンもしくはコーティングなどの電気伝導性構造に関して、特に好ましくあり得る。この効果は、より大きな粒子間に生ずる三角体積(gusset volumes)をより小さいな粒子が充填する故と考えられる。これは、特に基材に適用されたインキ調合物の熱処理の間に、大きく連続的な接触面が形成する結果となる。その結果、本発明のインキ調合物は、低い金属ベースの粒子の含有率において、ナノパーティクルの単分散粒径分布を持つナノパーティクルのより高い含有率及び同等の有効径を有する調合物と比較して同じ電気伝導性に、または同じ有効径の金属ベースのナノパーティクルを同等の量で含む単分散粒径分布と比較して、一層高い電気伝導性に到達する。
金属ベースのナノパーティクルの小さな有効径のために、非常に小さな幅を有する構造を追加的に達成でき、これは、定義されたパターンに及び/またはコンパクトな基材に特に好ましい。これの他、高いコントラストを持つ構造を達成し得る。
更に別の態様の一つでは、フッ素化界面活性剤は、(−C2F5)−基を含むポリ(オキセタン)ポリマーを含む。これらの種類の界面活性剤は、複数の有利な性質を提供する。詳しくは、これらの界面活性剤は生体堆積しないことが判明した。それ故、環境的な影響が非常に低く、そのため、これらの界面活性剤は、フッ素系界面活性剤ではあるものの環境的に好ましい。その他、空気同伴が少ないために泡の発生量を減少でき、そのため、これらの界面活性剤は、改善された湿潤挙動及びそれ故改善された印刷結果をもたらす。更に、これらの界面活性剤は透明かつ均一であり、それ故、これらはインキ調合物の所望の外観を損ねない。一般的に、流動性、レベリング及び表面の外観は上述のような界面活性剤を用いることによって改善できる。この態様に従い使用される界面活性剤は、例えばOmnova社からPolyFox PF−136A、PF−156A、及びPF−151Nの名称で購入可能である。
更に別の態様の一つでは、非フッ素化界面活性剤は、シロキサン、特にポリアルキレンオキシドで変性されたヘプタメチルトリシロキサンを含む。これらの種類の界面活性剤は、特に好ましい方法でこの態様によるインキ調合物の表面張力を低減する特に好ましい湿潤剤である。特にこれらの種類の非イオン性界面活性剤を使用することによって、インキ調合物の湿潤挙動、それ故、例えばスタンプ上への特にスタンプ材料に依存しないインキ調合物の分配を改善し得る。例えば、この態様によれば、非フッ素化界面活性剤は、GE Silicones社からSilwet L77の名称で購入可能なものであることができる。
更に別の態様の一つでは、該調合物は、少なくとも、
a)≧31〜≦42、特に≧36〜≦37重量部の水、
b)≧25〜≦35、特に≧29〜≦31重量部のアルコール、
c)≧23.5〜≦33.5、特に≧28〜≦29重量部の金属ベースのナノパーティクル、
d)≧1〜≦5、特に≧2.5〜≦3.5重量部の非フッ素化界面活性剤、及び
e)≧0.5〜≦4.5、特に≧1.5〜≦3重量部のフッ素化界面活性剤、
を含み、ここで上記の定義した成分a)〜e)は合計して調合物中で≦100重量部の濃度である。
a)≧31〜≦42、特に≧36〜≦37重量部の水、
b)≧25〜≦35、特に≧29〜≦31重量部のアルコール、
c)≧23.5〜≦33.5、特に≧28〜≦29重量部の金属ベースのナノパーティクル、
d)≧1〜≦5、特に≧2.5〜≦3.5重量部の非フッ素化界面活性剤、及び
e)≧0.5〜≦4.5、特に≧1.5〜≦3重量部のフッ素化界面活性剤、
を含み、ここで上記の定義した成分a)〜e)は合計して調合物中で≦100重量部の濃度である。
この態様では、特にマイクロコンタクト印刷に関して、特に良好な結果が達成され得る。詳しくは、ポリ(ジメチルシロキサン)などの疎水性基材の湿潤挙動が特に改善され、構造が非常に小さな寸法を有する時にでも、正確で定義された構造の形成をもたらす。
溶媒及び共溶媒の含有率が同等であり得ることが観察され得る。例えば、水とアルコールとの比率は1/1であってよい。
加えて、界面活性剤の量を少なくして、組成物が、本質的に、銀ナノパーティクルなどの金属ベースのナノパーティクル、水、及びメタノールなどのアルコールを含むようにすることができる。
本発明は更に、構造、特に電気伝導性及び/または反射性の構造を、マイクロコンタクト印刷によって基材上に生成する方法であって、次のステップ、すなわち
A)スタンプを用意するステップ;
B)本発明の調合物を、スタンプの表面の少なくとも一部に施用するステップ;
C)調合物をスタンプから基材に転写するステップ;及び
D)任意選択的に、基材に転写された調合物を熱で処理するステップ、
を含む、上記方法に関する。
A)スタンプを用意するステップ;
B)本発明の調合物を、スタンプの表面の少なくとも一部に施用するステップ;
C)調合物をスタンプから基材に転写するステップ;及び
D)任意選択的に、基材に転写された調合物を熱で処理するステップ、
を含む、上記方法に関する。
それ故、本発明の方法は、本発明のインキ調合物を用いたマイクロ印刷プロセスを定義するものである。
ステップA)では、スタンプが用意される。スタンプは、適当な材料、例えば疎水性材料から形成してよい。しかし、本発明の調合物を用いて得られる湿潤挙動などの利点は、一般的に親水性スタンプによっても同様に達成し得る。しかし、特には、スタンプは、少なくとも部分的に、ポリ(ジメチルシロキサン)から形成し得る。加えて、スタンプは構造化してもよく、それ故、基材に印刷すべき構造を含んでよい。言い換えれば、スタンプは、特に印刷目的に使用される表面上で、少なくとも部分的に構造化してよい。その結果、スタンプのまたは少なくともスタンプの一つの表面の正確な形状は、所望の印刷画像に依存する。その結果、スタンプは、広いコーティングを基材上に施用するべき場合には、一つの大きな平坦な表面を含んでよい。更に、スタンプは、画定されたパターンを基材の表面に施すべき場合には、このような画定されたパターンを含んでよい。例えば、パターンは、電気的コンパウンドに必要な伝導性ラインのパターンに相当してよく、それ故、レリーフパターンを含んでよい。これは、例えば、それ自体マイクロコンタクト印刷から知られるように、スタンプ表面上の各々の突出した部分及び凹んだ部分によって実現し得る。
ステップB)では、本発明の調合物が、スタンプ表面の少なくとも一部に施用される。詳しくは、インキ調合物は、スタンプの印刷面に、それ故、印刷目的に使用される表面に適用される。その結果、調合物は、任意の既知で適当な技術によって所望の構造またはパターンを含む表面に適用されて、後者を濡らす。例えば、インキ調合物は、例えばスタンプを少なくとも部分的に調合物中に浸漬するかまたは調合物をスタンプに噴霧することによって、スタンプの印刷表面に適用してよい。スタンプの表面を該調合物で濡らした後、過剰の調合物を、例えばワイヤバーを用いることによって、スタンプから除去または逃してよい。
ステップC)では、基材上に構造を生成するために、調合物をスタンプから基材へと転写する。言い換えれば、該調合物で処理されたスタンプの表面、すなわち印刷面を、印刷するべき基材の所望の表面と物理接触させる。スタンプの印刷面が、例えば突出部分と凹んだ部分とを含む場合には、インキはステップB)の間にこれらの両部分を濡らすことができる。しかし、突出部分上に存在する調合物だけが基材に転写され、そうして所望の構造が基材の表面に付与される。特にスタンプが弾性の場合に、このステップを向上し得る。
調合物が転写される基材は、例えば、電気絶縁性かまたは限られた電気伝導性のみを有する基材、例えばフレキシブルな材料から形成された基材であってよい。一例として、基材は、ガラスまたはプラスチックから、例えばガラスプレートまたはプラスチックホイルから形成し得るか、あるいはこれは、例えば、ポリマー、例えばポリマーフィルム、またはケイ素ウェハであってよい。
加えて、ステップD)では、基材に転写された調合物を熱で処理するステップが続き得る。このステップの間に、特に改善された性質を有するコーティング、すなわち特に電気伝導性及び/または光反射性であることに関しての改善された性質を有するコーティングを達成するために、調合物を焼結し得る。加えて、調合物中に存在する溶媒及び/または液体が除去され得る。ステップD)は温和な条件下に行ってよい。例えば、40℃を超える温度を使用してよい。しかし、好ましい温度は、≧150℃〜≦500℃の範囲、特に≧300℃〜≦400℃の範囲、例えば350℃であり得る。温度範囲は、好ましくは、基材に依存して選択し得、それ故、基材の融点または軟化点より低い温度に維持し得る。それ故、温度に敏感な基材上に電気伝導性及び/または光反射性構造を達成することができる。ステップD)は、例えば、レーザー焼結、マイクロ波焼結によって、または低温焼結によって行ってよい。しかし、場合により、ステップD)は厳密には必要なく、それ故必須ではなく、任意選択である。
ステップD)の時間に関して、温度処理は、例えば、≧1分間〜≦24時間の期間、行うことができる。好ましい期間は例えば≧5分間〜≦120分間の範囲である。
本発明の方法の更なる利点に関しては、本発明の調合物に関しての上記の記載が引用される。
本発明は更に、本発明の調合物によって特にマイクロコンタクト印刷により得ることができる、特に電気伝導性及び/または反射性の構造を含む基材に関する。
本発明の電気伝導性構造は、特に、伝導経路に適した電気伝導性を有するパターン及び/またはコーティングである。それ故、電気伝導性構造は、特に及び典型的には、10μS/cmを超える伝導性を有するものである。
本発明の基材を得るため特にマイクロコンタクト印刷と組み合わせて本発明の調合物を使用するために、電気伝導性及び/または光反射性構造は、任意の所望の形及び幾何配列を有し得る。この構造は、100μm未満の範囲、例えば20μmまでの幅を有するラインまたはパターンを含み得る。
基材上の特に電気伝導性及び/または光反射性の構造はフレキシブルであり得るため、基材を曲げても、例えば伝導性は維持される。加えて、基材は透明であってよい。
基材は、好ましくは、少なくとも部分的に、ガラス、ポリイミド(PI)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなる群から選択される材料から形成されてよい。これらの材料は、印刷に関して適当な表面挙動を提供し、そして簡単に官能化することができる。しかし、基材材料のリストは、上記の例に限定されない。
特に透明プラスチックに関しての、安定性または可撓性などの機械的性質、透明性または反射性などの光学的性質、及び/または電気伝導性などの電気的性質の組み合わせは、上で定義したような構造を有する基材の幅広い用途をもたらす。特に好ましい用途は、非限定的に、(例えば自動車用の)窓、電気的用途(加熱、電荷放電、電磁波の遮蔽)と結びついたデバイスまたは建物、または特に太陽に向かう面に関しての太陽電池などが挙げられる。その際、設計に関しての自由度はほぼ無制限であり、更に用途の範囲が広がる。
本発明の基材の更に別の利点に関しては、本発明の調合物及び本発明の方法に関する上記の記載が引用される。
以下に、本発明を、態様及び図面に関して説明するが、本発明は以下の記載に限定されない。
本発明による以下のインキ調合物を使用した(表1)。ここで、L77は、GE Silicones社から“Silwet L77”の名称で購入可能な非フッ素化界面活性剤を表し、“Polyfox 156”は、Omnova社からその名称で購入可能なフッ素化界面活性剤を表し、メタノールは慣用のメタノールを表し、Agゾルは、BYK−Chemieから購入可能な、Disperbyk 190で安定された銀ナノパーティクルを表し、そしてDI水は脱イオン水を表す。
各々のスタンプを、Dow Corning社から購入可能なSylgard 184を用いて用意した。この2成分シリコーンエラストマーは、室温で、並びに150℃の温度までで硬化することができる。Sylgard 184混合物のシリコーンエラストマーベースと硬化剤は、10:1の比率で混合した。次いで、この混合物を、2000rpmで90秒間、その後、消泡のために2200rpmで60秒間、Thinky二軸ミキサー中に移した。得られたスラリーを、Dr.Pudliner製の構造化したポリカーボネートホイルを含むビーカーに加えた。
パターン化されたスタンプを生成するために使用した異なるポリカーボネートホイルの構造を示すデジタル画像を図1a及び1bに示す。図1aから、このホイルが、突出した領域(4及び5)及び凹んだ領域(1〜3)を含むことが分かる。突出した領域は全て≧20μm〜≦25μmの範囲の厚さを持ち、他方、凹んだ領域は、≧18μm〜≦21μmの範囲の寸法を持つ。図1bのホイルは、ホイルの全厚に関して凹みがより深いにもかかわらず、1aのホイルと同等である。ホイル上に存在する構造は、スタンプの構造に相当し、それ故、基材上に印刷すべき構造に相当する。
上述のような構造化したポリカーボネートホイルを含むビーカーにスラリーを加えた後、ビーカーを次いでベントした炉中に維持し、そしてポリ(ジメチルシロキサン)スラリーを125℃で1時間硬化した。次いでビーカーを取り出し、室温まで放冷し、そして砕いて、マイクロコンタクト印刷にスタンプとして使用するべきポリ(ジメチルシロキサン)スタンプを回収した。
得られたスタンプを図2に示す。ここで、図2aに示すスタンプは図1aのホイルから得られたものであり、他方で図2bに示すスタンプは、図1bに示すホイルから得られたものである。
スタンプを形成した後、これは、表1に示す調合物を用いたマイクロコンタクト印刷に使用し得る。マイクロコンタクト印刷は下記のように行った。ポリ(ジメチルシロキサン)スタンプを、本発明の調合物の銀ナノパーティクルインキで濡らした。次いで、余分なインキを10μmワイヤバーを用いて逃した。このステップは特に好ましくあり得る、というのもこれは、スタンプから過剰のインキを除去するのを助け、それによりスタンプから適切な基材へのパターンの良好な転写を可能とするためである。インキシステムの粘度を高めることによって上記の逃しステップを強めるかまたは排除することさえも可能であり、そうして“丘部”、それ故スタンプの突出した部分だけが湿潤またはコーティングされ、そして“谷部”または凹んだ部分はそうされないようにする。
スタンプまたはその構造を該調合物で濡らした後、構造を、基材(この場合、ガラス基材)と物理接触させて、基材の表面上に電気伝導性及び/または光反射性構造を生成する。この例による構造は、複数の薄いラインを含んでいた。電気伝導性を向上するためまたは電気伝導性を生じさせるために、得られた銀ラインを好ましい条件下、例えば≧150℃〜≦500℃の温度範囲及び≧1分間〜≦2時間の時間範囲で炉中で焼結して、これらを特に電気伝導性にすること及び溶媒または液体を除去することができる。こうして印刷されたラインのデジタル画像は、以下の図3a、3b及び3cの顕微鏡画像から観察し得る。異なるライン厚は、異なる寸法のポリ(ジメチルシロキサンスタンプ)を選択することによってまたは適当な方法で印刷プロセス中の圧力を調節することによって得ることができる。
詳しくは、図3aは、約17μmのライン幅及びその間の約30μmの空間を含む銀ラインのパターンを示している。図3bは、約40μmのライン幅及びその間の約95μmの空間を含む銀ラインのパターンを示している。図3cは、約10μmのライン幅とその間の約40μmの空間を含む銀ラインのパターンを示している。
互いに垂直に配向した二つの連続した印刷を行うことによって半透明の格子パターンを印刷することもできた。例えば、銀ナノパーティクルインキの第一の印刷の後に、そのパターンを有するガラス基材を350℃で10分間焼結した。その後、基材を冷却し、そして第一の印刷に垂直に配向した第二の印刷を行った。この印刷が施された基材も350℃で更に10分間焼結した。このプロセスは、半透明伝導性格子パターンを与えた。その顕微鏡画像を図4に示し、これは、印刷された格子ラインの顕微鏡画像を示している。この格子ラインは、空間が25μmの12μmの格子を含む。シート抵抗は、0.5Ω/sqと測定された。印刷されたラインは約250nmの厚さを示す。
以上から示されるように、本発明のインキ調合物は、非常に薄いラインまたはパターンの印刷を可能にする。その結果、上記スタンプによって形成されたパターンは基材に適切に転写される。これは、非常に良好な湿潤挙動、更に非常に良好な印刷結果を示す。
加えて、本発明に従う調合物の向上された湿潤挙動は、構造化されていない、それ故平らなポリ(ジメチルシロキサン)表面にそれを適用することによっても観察し得た。詳しくは、表1に定義した調合物をこのようなポリ(ジメチルシロキサン)表面に施用した時、基材上に33.3°(標準偏差0.5)の接触角が得られた。これは、本発明のインキ調合物は疎水性表面にも非常に良好に施用でき、向上された湿潤挙動をもたらすことを示している。
図面及び上記説明において本発明を詳しく例示及び説明したが、このような例示及び説明は、例示または典型的なものであって、限定的なものではないと見なされるべきであり、本発明は開示した態様に限定されない。開示した態様に対する他のバリエーションも、図面、明細書及び添付の特許請求の範囲の検討から、特許請求の範囲に記載の発明を実施する時に当業者によって理解されそして為し得るものである。特許請求の範囲において、“含む”という用語は、他の要素またはステップを排除せず、そして不定冠詞“a”及び“an”は複数を排除しない。或る手段が互いに異なる引用形式請求項で規定されているというだけの事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用できないということを示すものではない。特許請求の範囲の記載中の参照符号は、その範囲を限定するものと解釈するべきものではない。
Claims (12)
- 水性調合物、特にマイクロコンタクト印刷によって電気伝導性及び/または反射性の構造を生成するための水性調合物であって、
a)≧15〜≦55重量部の水、
b)≧10〜≦50重量部のアルコール、
c)≧15〜≦45重量部の金属ベースのナノパーティクル、
d)≧0.5〜≦10重量部の非フッ素化界面活性剤、及び
e)≧0.5〜≦10重量部のフッ素化界面活性剤、
を少なくとも含み、ここで上に定義した成分a)〜e)は合計して、調合物中で≦100重量部の濃度となる、前記水性調合物。 - 金属ベースのナノパーティクルが銀ナノパーティクルを含むことを特徴とする、請求項1に記載の調合物。
- アルコールがエタノール、イソプロパノール、メタノール、または前記化合物の少なくとも一つを含む混合物であることを特徴とする、請求項1または2に記載の調合物。
- 金属ベースのナノパーティクルが、≦150nm、特に≦100nm、例えば≧40nm〜≦80nmの平均有効径、及び/または二峰性粒径分布を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つに記載の調合物。
- フッ素化界面活性剤が、(−C2F5)−基を含むポリ(オキセタン)ポリマーを含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つに記載の調合物。
- 非フッ素化界面活性剤が、シロキサン、特にポリアルキレンオキシドで変性されたヘプタメチルトリシロキサンを含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一つに記載の調合物。
- 界面活性剤、顔料、消泡剤、光保護剤、淡色化剤、増量剤、腐食防止剤、酸化防止剤、殺藻剤、可塑剤、柔軟剤及び/または増粘剤からなる群から選択される少なくとも一種の添加剤を更に含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一つに記載の調合物。
- a)≧31〜≦42、特に≧36〜≦37重量部の水、
b)≧25〜≦35、特に≧29〜≦31重量部のアルコール、
c)≧23.5〜≦33.5、特に≧28〜≦29重量部の金属ベースのナノパーティクル、
d)≧1〜≦5、特に≧2.5〜≦3.5重量部の非フッ素化界面活性剤、及び
e)≧0.5〜≦4.5、特に≧1.5〜≦3重量部のフッ素化界面活性剤、
を少なくとも含み、ここで上に定義した成分a)〜e)は合計して、調合物中で≦100重量部の濃度となる、請求項1〜7のいずれか一つに記載の調合物。 - マイクロコンタクト印刷によって基材上に、構造、特に電気伝導性及び/または反射性である構造を生成する方法であって、次のステップ
A)スタンプを用意するステップ;
B)請求項1〜8のいずれか一つに記載の調合物を、スタンプの表面の少なくとも一部に施用するステップ;
C)調合物をスタンプから基材へと転写するステップ;及び
D)任意選択的に、基材に転写された調合物を熱で処理するステップ;
を特徴とする前記方法。 - 少なくとも部分的に疎水性材料、特にポリ(ジメチルシロキサン)から形成されたスタンプが使用されることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
- 少なくとも部分的に構造化されたスタンプが使用されることを特徴とする、請求項9または10に記載の方法。
- マイクロコンタクト印刷によって請求項1〜8のいずれか一つに記載の調合物により得ることができる、特に電気伝導性及び/または反射性である構造を含む基材。
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