JP2008263129A - プリント配線板の製造方法 - Google Patents

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Hiroshi Nakanishi
啓 中西
Hideyuki Hirakoso
英之 平社
Keisuke Abe
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Abstract

【課題】配線パターンを形成する金属導電膜の導電性、および該金属導電膜と電気絶縁体層との密着性に優れたプリント配線板の製造方法の提供。
【解決手段】次の各工程を有するプリント配線板の製造方法。
(1)電気絶縁体層上に、分子内にアミノ基を有するシランカップリング剤を含有する溶液を塗布した後、該シランカップリング剤を加熱して重合させることにより、側鎖にアミノ基を有するポリシロキサンからなる膜を形成する工程。
(2)前記電気絶縁体層上に形成された側鎖にアミノ基を有するポリシロキサンからなる膜の上に水素化金属微粒子を含有する分散液又は金属微粒子を含有する分散液を塗布して、塗膜を形成する工程。
(3)該塗膜を焼成して金属導電膜を形成する工程。
【選択図】なし

Description

本発明は、プリント配線板の製造方法、特にフレキシブルプリント配線板の製造方法に関する。
近年、エレクトロニクス製品の発展に伴い、電気絶縁体層上に所望の配線パターンの導電膜が形成されたプリント配線板の需要は増加の一途をたどっている。中でも、絶縁性フィルム上に所望の配線パターンの導電膜が形成されたフレキシブルプリント配線板の需要増加は著しい。
電気絶縁体層としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリイミド等の樹脂基材、またはそれらのいずれかを含浸させたガラス布または紙系の基材、金属系の基材、セラミック系の基材が用いられている。
通常プリント配線板は、フォトリソグラフィーを用いた下記工程を有する製造方法にて製造される。
(i)電気絶縁体層の全面に導電膜を形成する工程。
(ii)導電層の全面にレジスト液を塗布し、レジスト膜を形成する工程。
(iii)所望の配線パターンのフォトマスクを通してレジスト膜を露光する工程。
(iv)レジスト膜を現像処理し、所望の配線パターンのレジストを形成する工程。
(v)エッチング液により導電膜をエッチングする工程。
(vi)レジストを除去する工程。
しかし、該方法は、下記の問題を有する。
・工程が多い。
・廃棄物が多い。
・パターンごとに高価なフォトマスクが必要となる。
該問題を解決するため、インクジェットやディスペンス等の方法を用いて、導電性インクやペーストを電気絶縁体層上に塗布し、マスクレスで配線パターンを形成する方法が試みられている。たとえば、特許文献1では、電気絶縁体層上に導電性微粒子及び有機金属化合物のうちの少なくとも一方を含有する液状体を所望の配線パターン状に塗布して、熱処理することにより、所望の配線パターンの導電膜を形成する方法が提案されている。
しかし、これらの方法は、導電性インクやペーストから生成した導電膜と電気絶縁体層との密着性、および導電膜の導電性に課題を残している。
たとえば、特許文献1に記載の方法は、導電性微粒子及び有機金属化合物のうちの少なくとも一方を含有する液状体を電気絶縁体層上に塗布し、熱処理することにより、導電性微粒子にコーティングされた有機物や有機金属化合物を分解し、導電性微粒子の焼結体からなる導電性パターン、もしくは主として金属からなる導電性パターン、またはこれらの混合物からなる導電性パターンを形成するものであるが、有機物が導電性パターン中に残留することによって、導電性パターンの導電性が低下したり、電気絶縁体層との密着性が低下するおそれがある。
特開2004−6578号公報
上記した従来技術の問題点を解決するため、本発明は、配線パターンを形成する金属導電膜の導電性、および該金属導電膜と電気絶縁体層との密着性に優れたプリント配線板の製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、次の各工程を有するプリント配線板の製造方法を提供する。
(1)電気絶縁体層上に、分子内にアミノ基を有するシランカップリング剤を含有する溶液を塗布した後、該シランカップリング剤を加熱して重合させることにより、側鎖にアミノ基を有するポリシロキサンからなる膜(以下、単に本ポリシロキサン膜という。)を形成する工程。
(2)前記電気絶縁体層上に形成された本ポリシロキサン膜の上に水素化金属微粒子を含有する分散液又は金属微粒子を含有する分散液を塗布して、塗膜を形成する工程。
(3)該塗膜を焼成して金属導電膜を形成する工程。
本発明のプリント配線板の製造方法において、本ポリシロキサン膜の厚さが300nm〜5μmであることが好ましい。
本発明のプリント配線板の製造方法において、前記水素化金属微粒子を含有する分散液又は金属微粒子を含有する分散液が、下記工程を経て製造される水素化金属微粒子を含有する分散液であることが好ましい。
(a)水溶性金属化合物を水に溶解して金属イオンを含有する水溶液を調製する工程。
(b)該水溶液に酸を加えてpHを3以下に調整する工程。
(c)該水溶液に、非水溶性の有機溶媒と、アミノ基、アミド基、メルカプト基(−SH)およびスルフィド基(−S−)からなる群より選ばれる1以上の基を有する炭素数4〜20の有機化合物と、を加えた後、撹拌して懸濁液を得る工程。
(d)懸濁液を撹拌しながら、懸濁液に還元剤を加えて金属イオンを還元し、水素化金属微粒子を生成させる工程。
(e)懸濁液を水層と油層とに分離させた後、油層を水素化金属微粒子を含有する分散液として回収する工程。
本発明のプリント配線板の製造方法において、前記水素化金属微粒子を含有する分散液又は金属微粒子を含有する分散液が、前記(e)工程で回収された水素化金属微粒子を含有する分散液を窒素還流して、金属微粒子を生成させた後、金属微粒子を含有する分散液を回収する工程を経て製造される、金属微粒子を含有する分散液であることが好ましい。
上記した水素化金属微粒子を含有する分散液を製造する手順、および金属微粒子を含有する分散液を製造する手順において、前記水溶性金属化合物が、銅、ニッケルまたはパラジウムの水溶性化合物であり、前記金属イオンを含有する水溶液が、銅イオン、ニッケルイオンまたはパラジウムイオンを含有する水溶液であることが好ましい。
本発明によれば、配線パターンを形成する金属導電膜の導電性、および該金属導電膜と電気絶縁体層との密着性に優れたプリント配線板を製造することができる。
本発明では、下記工程を実施することにより、電気絶縁層上に金属導電膜(以下、「導電膜」とも記す。)を形成して、該導電膜が配線パターンをなす金属プリント配線板を製造する。
(1)電気絶縁体層上に、分子内にアミノ基を有するシランカップリング剤を含有する溶液を塗布した後、該シランカップリング剤を加熱して重合させることにより、本ポリシロキサン膜を形成する工程。
(2)前記電気絶縁体層上に形成された本ポリシロキサン膜の上に水素化金属微粒子を含有する分散液又は金属微粒子を含有する分散液を塗布して、塗膜を形成する工程。
(3)該塗膜を焼成して金属導電膜を形成する工程。
<電気絶縁体層>
電気絶縁体層は特に限定されず、プリント配線板の基板として用いられているものから広く選択することができる。例えば、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド、アラミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン等の樹脂基材、またはそれらのいずれかを含浸したガラス布または紙系の基材、金属系の基材、セラミック系の基材等が挙げられる。これらの中でも、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)、アラミド樹脂、および、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)が好ましい。
電気絶縁体層の厚さは、特に限定されないが、10〜300μmが好ましく、10〜100μmがより好ましい。
<アミノ基を含有するシランカップリング剤>
本発明では、分子内にアミノ基を有するシランカップリング剤(以下、単に「シランカップリング剤」ともいう。)を使用する。シランカップリング剤としては、たとえば、下記のような、化合物(1)が好ましい。
1Si(OR23 ・・・(1)
化合物(1)において、R1はアミノ基を含有する有機基である。R1はアミノ基を含有する炭素数3〜20の有機基であることが好ましく、アミノ基を含有する炭素数3〜7の有機基であることが特に好ましい。R2は、有機基であり、好ましくはCH3、C25、C37等のアルキル基である。R2としては、化合物(1)が素早く加水分解できることから、CH3またはC25が特に好ましい。
シランカップリング剤は、分子内にアミノ基を1つ有するものであってもよく、2以上有するものであってもよい。
これらの中でも、分子内に1級もしくは2級のアミノ基を含有するシランカップリング剤が好ましい。そのなかでさらに好適なのは、
N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、
N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、
3−アミノプロピルトリメトキシシラン、
3−アミノプロピルトリエトキシシラン、
N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等である。
なかでも、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランが特に好ましい。
本発明では、シランカップリング剤は、溶媒で希釈した溶液の状態で、電気絶縁体層上に塗布する。溶媒としては、水や、ギ酸、酢酸水溶液等の弱酸性水溶液、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコールなどが好ましい。シランカップリング剤を含有する溶液の濃度は3〜50質量%であることが好ましい。溶液の濃度が3質量%未満では、導電膜の導電性を向上させる効果が少なく、50質量%超では、加熱して重合させた際のシランカップリング剤の熱収縮が大きくなり、電気絶縁体層の寸法に変化を生じるおそれや、本ポリシロキサン膜や本ポリシロキサン膜の上に形成される導電膜に亀裂が生じ、導電膜の導電性、および導電膜と電気絶縁体層との密着性が悪化するおそれがある。
シランカップリング剤を含有する溶液は、濃度5〜40質量%であることがより好ましく、10〜30質量%であることがさらに好ましい。
電気絶縁体層への溶液の塗布方法は、特に限定されず、スプレーによる吹き付け、コーターでの塗布、浸漬、流しかけ等、公知の方法で実施することができる。
電気絶縁体層にシランカップリング剤を含有する溶液を塗布した後、該シランカップリング剤を加熱して重合させることにより、本ポリシロキサン膜を形成する。
シランカップリング剤を加熱して重合させる条件は、使用するシランカップリング剤およびシランカップリング剤を含有する溶液の塗布量に応じて適宜選択することができるが、通常は80〜150℃の温度で30分〜1時間程度、シランカップリング剤を加熱して重合させればよい。なお、溶液に含まれる溶媒は、シランカップリング剤を加熱して重合させる際に揮発除去されるが、使用する溶媒によっては、予め風乾または加熱乾燥して溶媒を揮発除去させてから、シランカップリング剤を加熱して重合させてもよい。
形成される本ポリシロキサン膜の厚さは300nm〜5μmであることが好ましく、500nm〜2μmであることがより好ましい。本ポリシロキサン膜の厚さが300nm未満では、導電膜の導電性を向上させる効果が少ない。厚さが5μm超だと、加熱して重合させる際のシランカップリング剤の熱収縮が大きくなり、電気絶縁体層の寸法に変化を生じるおそれや、本ポリシロキサン膜や本ポリシロキサン膜の上に形成される導電膜に亀裂が生じ、導電膜の導電性、および該導電膜と電気絶縁体層との密着性が悪化するおそれがある。
<水素化金属微粒子を含有する分散液、金属微粒子を含有する分散液>
上記の手順で形成した本ポリシロキサン膜に塗布する水素化金属微粒子を含有する分散液(以下、水素化金属微粒子分散液という。)および金属微粒子を含有する分散液(以下、金属微粒子分散液という。)には、市販の水素化金属微粒子分散インクおよび金属微粒子分散インクを適宜用いることができる。但し、本発明に用いる金属微粒子分散液は、非水溶性有機溶媒(以下、有機溶媒という。)に、後述する保護剤と、金属微粒子と、を分散させたものであることが好ましい。また、本発明に用いる水素化金属微粒子分散液は、非水溶性有機溶媒に、後述する保護剤と、水素化金属微粒子と、を分散させたものであることが好ましい。
以下、本明細書において、金属微粒子および水素化金属微粒子をまとめて、本微粒子ともいう。また、水素化金属微粒子分散液および金属微粒子分散液をまとめて、本微粒子分散液ともいう。
(有機溶媒)
有機溶媒は、非水溶性である必要がある。非水溶性とは、室温(20℃)における水100gへの溶解度が0.5g以下であることを意味する。
有機溶媒としては、極性の少ないものが好ましい。極性の少ない有機溶媒は、本微粒子分散液に含有させる保護剤との親和性がよい。
有機溶媒としては、本微粒子分散液を塗布して形成した塗膜を焼成して導電膜を形成する際、熱分解を起こさないものが好ましい。
有機溶媒の沸点は、気圧0.1MPaの状態で、沸点が350℃以下であることが、本微粒子分散液を塗布して形成した塗膜の焼成時間を短くできるので好ましい。また、本微粒子分散液の塗布にインクジェット法を用いる場合、インクジェットのノズルが詰まるのを防止するため、気圧0.1MPaの状態で、沸点が150℃以上の有機溶媒を用いることが好ましい。なお、有機溶媒は、気圧0.1MPaの状態で、沸点が200〜280℃であることがより好ましい。
このような有機溶媒としては、デカン(沸点174℃、水に不溶。)、ドデカン(沸点216℃、水に不溶。)、テトラデカン(沸点253℃、水に不溶。)、デセン(沸点171℃、水に不溶。)、ドデセン(沸点216℃、水に不溶。)、テトラデセン(沸点234℃、水に不溶。)、ジペンテン(沸点177℃、水100gへの溶解度0.001g(20℃)。)、テルピネオール(沸点219℃、水100gへの溶解度0.5g(20℃)。)およびメシチレン(沸点165℃、水に不溶。)が挙げられる。なお、沸点は、気圧0.1MPaの状態での値である。これらの有機溶媒は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
有機溶媒の量は、本微粒子分散液中の本微粒子の濃度が後述の範囲を外れない量で、かつ本微粒子100質量部に対し、65〜500質量部が好ましく、125〜500質量部がより好ましい。有機溶媒の量が本微粒子100質量部に対し65質量部以上であれば、本微粒子分散液の粘度、表面張力等の特性が良好となり、取り扱い性が向上する。有機溶媒の量が本微粒子100質量部に対し500質量部以下であれば、充分な厚さの導電膜を形成できる。
(本微粒子)
本微粒子には、金属微粒子および水素化金属微粒子のうち、少なくとも一方を適宜使用できるが、安定性、保存性の面から、水素化金属微粒子の状態で保存することが好ましい。
金属微粒子としては、金属銅微粒子、金属ニッケル微粒子、金属パラジウム微粒子が挙げられ、導電性に優れた導電膜が形成できる点から、金属銅微粒子または金属ニッケル微粒子が好ましく、金属銅微粒子がより好ましい。
金属微粒子は、後述する手順により、湿式還元法により製造される水素化金属微粒子から製造することが好ましい。
水素化金属微粒子は、金属原子と水素原子とが結合した金属水素化物の微粒子である。水素化金属微粒子は、空気雰囲気中において金属微粒子に比べて酸化されにくく、安定であり、保存性に優れている。水素化金属微粒子は、60〜100℃で金属と水素に分解する性質を有するため、導電膜を形成する際に、加熱によって微粒子表面に金属酸化物皮膜が形成されることがほとんどなく、分解によって生成した金属微粒子同士がすみやかに表面溶融現象の性質により溶融、結合して、導電性に優れた導電膜を形成する。
水素化金属微粒子としては、水素化銅微粒子、水素化ニッケル微粒子、水素化パラジウム微粒子が挙げられ、導電性に優れた導電膜が形成できる点から、水素化銅微粒子または水素化ニッケル微粒子が好ましく、水素化銅微粒子がより好ましい。水素化金属微粒子は、後述の湿式還元法により製造することが好ましい。
本微粒子の平均粒子径は、50nm以下が好ましく、5〜30nmがより好ましい。本微粒子の平均粒子径が50nm以下であれば、導電膜により微細な配線パターンを形成できる。また、表面溶融温度が低下するため表面融着が起こりやすくなる。また、緻密な導電膜が形成でき、導電性が向上する。
本微粒子の平均粒子径は、無作為に抽出した100個の本微粒子の粒子径を、透過型電子顕微鏡(TEM)または走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定し、該粒子径を平均した値である。
本微粒子の濃度は、本微粒子分散液100質量%中、5〜60質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましい。本微粒子の濃度が5質量%以上であれば、充分な厚さの導電膜を形成でき、導電性が向上する。本微粒子の濃度が60質量%以下であれば、本微粒子分散液の粘度、表面張力等の特性が良好となり、取り扱い性が向上する。
(保護剤)
本微粒子分散液には、本微粒子の表面を配位するように被覆することにより、分散液中での本微粒子同士の凝集を防止し、かつ本微粒子の酸化を防止する保護剤を含有させる。
保護剤としては、分子内にアミノ基、アミド基、メルカプト基(−SH)、スルフィド基(−S−)からなる群より選ばれる1以上の基を有する有機化合物であることが好ましい。これらの基は、分子内のいずれの位置でもかまわないが、末端にあるものが特に好ましい。また、上記の保護剤は、炭素数4〜20の有機化合物であることが好ましい。有機化合物は、飽和、不飽和のいずれであってもよいが、直鎖状のものが特に好ましい。保護剤が、アミノ基、アミド基、メルカプト基(−SH)およびスルフィド基(−S−)からなる群より選ばれる1以上の基を有する炭素数4〜20の有機化合物であれば、熱的な安定性があり、蒸気圧も適度であり、ハンドリング性も良いことから好ましい。上記の保護剤は炭素数8〜18の有機化合物であることが特に好ましい。
また、保護剤は、通常の保管環境の温度範囲で微粒子から脱離せず、また、焼成を行う際には、速やかに微粒子表面から脱離することが必要であることから、沸点60〜300℃のものが好ましく、100〜250℃のものが特に好ましい。
上記を満たす保護剤の具体例として、アミノ基、アミド基を有する有機化合物としては、オクチルアミン、アミノデカン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、ベンジルアミン、ジメチルドデシルアミン、ジメチルテトラデシルアミン、ステアリルアミド、オレイルアミド等が挙げられ、メルカプト基、スルフィド基を有する有機化合物としては、デカンチオール、ドデカンチオール、トリメチルベンジルメルカプタン、ブチルベンジルメルカプタン、ヘキシルサルファイド等が挙げられる。
これらの中でも分散安定性と焼成後の導電膜の導電性に優れるという点において、アミノ基を有する有機化学物が特に好ましい。理由は、アミノ基を有する化合物の場合、アミノ基が微粒子表面へ強力に吸着するため、優れた凝集防止作用があるためと、メルカプト基またはスルフィド基を有する化合物を用いた場合のように、焼成後において金属硫化物のような非導電性金属化合物を形成するおそれがないためである。
保護剤として、分子内にアミノ基を有する高分子有機化合物を用いることもできる。アミノ基を含む高分子有機化合物である保護剤としては、例えばビックケミー社製のAnti−Terra−U、Anti−Terra−204、Disperbyk−101、Disperbyk−106、Disperbyk−108、Disperbyk−109、Disperbyk−112、Disperbyk−116、Disperbyk−130、Disperbyk−140、Disperbyk−142、Disperbyk−145、Disperbyk−161、Disperbyk−162、Disperbyk−164、Disperbyk−166、Disperbyk−167、Disperbyk−168、Disperbyk−2000、Disperbyk−2001、Disperbyk−2020、Disperbyk−2050、Disperbyk−2070、Disperbyk−2150、川研ファインケミカル社製のヒノアクトKF1500、ヒノアクトKF1700、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPB821、アジスパーPB822、アジスパーPB711、楠本化成社製のディスパロン1860、ディスパロン1831、ディスパロンKS873N、ディスパロンDA703−50、ディスパロンDA7400、ディスパロンDA705、ディスパロンDA725、ディスパロンDA234、ディスパロンDA325、チバスペシャリティーケミカル社製のEFKA−4401、EFKA−5044、EFKA−5207、EFKA−6225、EFKA−4330、EFKA−4047、EFKA−4060等が挙げられる。
保護剤を使用する場合、本微粒子100質量部に対して5〜300質量部添加することが好ましい。保護剤の添加量が多すぎる場合、焼成後においても導電膜中に残存することとなり、導電膜の導電性の阻害要因となる。また、保護剤の添加量が少なすぎる場合は本微粒子分散液の分散安定性が不十分となり焼成後に形成された導電膜の均一性を阻害する要因となる。
(他の成分)
本微粒子分散液は、必要に応じて公知の添加剤、有機バインダ等を含有していてもよい。
(水素化金属微粒子分散液の製造方法)
水素化金属微粒子分散液は、たとえば、湿式還元法を用いた下記工程を経て製造される。
(a)水溶性金属化合物を水に溶解して金属イオンを含有する水溶液を調製する工程。
(b)該水溶液に酸を加えてpHを3以下に調整する工程。
(c)該水溶液に、非水溶性の有機溶媒と、アミノ基、アミド基、メルカプト基(−SH)およびスルフィド基(−S−)からなる群より選ばれる1以上の基を有する炭素数4〜20の有機化合物と、を加えた後、撹拌して懸濁液を得る工程。
(d)懸濁液を撹拌しながら、懸濁液に還元剤を加えて金属イオンを還元し、水素化金属微粒子を生成させる工程。
(e)懸濁液を水層と油層とに分離させた後、油層を水素化金属微粒子分散液として回収する工程。
(a)工程:
水溶性金属銅化合物としては、金属(銅、ニッケル、パラジウム)の硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物等が挙げられる。
水溶性金属化合物の濃度は、水溶液100質量%中、0.1〜30質量%が好ましい。水溶液中の水溶性金属化合物の濃度が0.1質量%以上であれば、水の量が抑えられ、また、本微粒子の生産効率が向上する。水溶液中の水溶性金属化合物の濃度が30質量%以下であれば、本微粒子の凝集安定性が良好となる。
(b)工程:
酸としては、クエン酸、マレイン酸、マロン酸、酢酸、プロピオン酸、硫酸、硝酸、塩酸等が挙げられ、金属イオンと安定な錯体を形成して金属イオンへの水和水の吸着を防止する点から、クエン酸、マレイン酸、マロン酸が好ましい。
水溶液のpHを3以下に調整することにより、水溶液中の金属イオンが還元剤によって還元されやすくなり、水素化金属微粒子が生成しやすくなる。水溶液のpHは、水素化金属微粒子を短時間で生成できる点から、1〜2に調整されることが好ましい。
(c)工程:
(b)工程で得られた水溶液に、非水性の有機溶媒と、上述した保護剤と、を加えた後、金属イオンを含有する水溶液からなる水層と、保護剤を含有する非水性の有機溶媒からなる油層とを撹拌することにより、懸濁液を得る。ここで、非水性の有機溶媒としては、上述したものを用いることができる。
(d)工程:
(c)工程で得られた懸濁液に還元剤を加えることにより、水層において金属イオンが酸性下で還元剤により還元され、徐々に水素化金属微粒子が成長する。(c)工程で非水性の有機溶媒とともに保護剤を加えた場合、水素化金属微粒子はすぐに、油層に溶け込んでいる保護剤により表面を覆われ、油層に取り込まれて安定化する。すなわち、生成した水素化金属微粒子の表面に保護剤が配位し、水素化金属微粒子が保護剤で被覆される。その結果、水素化金属微粒子分散液中の水素化金属微粒子が酸化されにくくなる。また、水素化金属微粒子同士の凝集を抑えることができ、その結果、微粒子が沈殿するのを防止することができる。
還元剤としては、大きな還元作用があることから金属水素化物が好ましい。金属水素化物としては、水素化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウム、水素化カリウム、水素化カルシウム等が挙げられ、水素化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウムが好ましい。
還元剤の添加量は、金属イオンに対して1.5〜10倍当量数が好ましい。還元剤の添加量が金属イオンに対して1.5倍当量数以上であれば、還元作用が充分となる。還元剤の添加量が10倍当量数以下であれば、水素化金属微粒子の凝集安定性が良好となる。
還元剤を懸濁液に加える際の温度は、5〜60℃が好ましく、10〜40℃が特に好ましい。該温度が60℃以下であれば、水素化金属微粒子の分解が抑えられる。
(e)工程:
水素化金属微粒子が生成した後、懸濁液を放置すると、水層と油層とに分離する。該油層を回収することにより、有機溶媒に水素化金属微粒子が分散した水素化微粒子分散液が得られる。得られた分散液は、そのまま水素化金属微粒子分散液として用いてもよく、添加剤等を加えた後に水素化金属微粒子分散液として用いてもよい。
(金属微粒子分散液の製造方法)
金属微粒子分散液を製造するには、上記(e)工程で回収された水素化金属微粒子分散液を窒素還流して、金属微粒子を生成させた後、有機溶媒に金属微粒子が分散した金属微粒子分散液を回収すればよい。窒素還流については、具体的には、60〜200℃で10分〜2時間窒素還流することが好ましい。得られた分散液は、そのまま金属微粒子分散液として用いてもよく、添加剤等を加えた後に金属微粒子分散液として用いてもよい。
本微粒子分散液の塗布方法は、特に限定されず、インクジェット印刷、スクリーン印刷、ディスペンス法、ロールコータ、エアナイフコータ、ブレードコータ、バーコータ、グラビアコータ、ダイコータ、スプレーコータ、スライドコータ等の公知の方法を用いることができる。これらの中でもインクジェット印刷、ディスペンス法が好ましい。
上記の手順で、本ポリシロキサン膜上に本微粒子分散液を塗布して、塗膜を形成した後、該塗膜を焼成すると、表面溶融現象により本微粒子同士が溶融、結合(融着)して、プリント配線板の配線パターンをなす金属導電膜が形成される。本微粒子分散液中の有機溶媒および保護剤は、焼成時に揮発除去される、または熱分解されて除去される。
塗膜の焼成は、本微粒子が酸化されるのを防止するため不活性ガス雰囲気下で実施することが好ましい。また、塗膜の焼成は、150℃以上の温度で実施することが好ましい。焼成温度が150℃未満だと、本微粒子同士の融着が不十分となり、緻密で導電性に優れた導電膜が形成できないおそれがある。また、焼成時に本微粒子分散液中の有機溶媒および保護剤を揮発除去できないおそれがある。焼成温度の上限は、電気絶縁体層の材料に応じて適宜選択すればよいが、400℃以下であることが好ましい。
また、焼成時間は、本微粒子同士の融着を十分進行させ、かつ本微粒子分散液に含まれる有機溶媒および保護剤を揮発除去するため30分以上であることが好ましい。焼成時間の上限は特に限定されないが、コスト面を考慮すると、4時間以下であることが好ましい。
形成される導電膜はプリント配線板の配線パターンをなすため、厚さ100nm〜50μmであることが好ましく、厚さ200nm〜35μmであることがより好ましく、厚さ500nm〜2μmであることがさらに好ましい。
本発明では、電気絶縁体層と導電膜との間に、本ポリシロキサン膜を介在させることにより、電気絶縁体層上に直接導電膜を形成した場合に比べて、導電膜の導電性、および該導電膜と電気絶縁体層との密着性が向上する。本ポリシロキサン膜を介在させることによって、導電膜の導電性、および該導電膜と電気絶縁体層との密着性が向上する機構は明らかではないが、以下のように推測される。
<導電性向上の機構>
以下の機構により導電膜の導電性が向上すると考えられる。
本発明では、電気絶縁体層の上に形成される本ポリシロキサン膜と、本微粒子を被覆する保護剤との親和性に優れているため、本微粒子分散液を本ポリシロキサン膜に塗布した時点で、保護剤が本微粒子から速やかに脱離し、本ポリシロキサン膜へと移動する、または本ポリシロキサン膜と結合すると考えられる。この結果、表面に存在する保護剤が減少した状態で本微粒子同士の融着が進行し、形成される導電膜中に存在する保護剤や保護剤の分解物が減少し、導電膜の導電性が向上すると考えられる。
また、本微粒子同士の融着が、本微粒子の表面において、保護剤の少ない状態で進行するため、本微粒子同士の融着が促進され、より緻密な導電膜が形成され、導電膜の導電性が向上すると考えられる。
なお、本発明のプリント配線板がフレキシブルプリント配線板である場合、本微粒子同士の融着が促進され、より緻密な導電膜が形成されることにより、配線板の屈曲性が向上すると考えられる。
<密着性向上の機構>
以下の機構により、導電膜と電気絶縁体層との密着性が向上すると考えられる。
電気絶縁体層上に本ポリシロキサン膜を形成することにより、本微粒子分散液を塗布する面の表面張力が上昇し、該分散液との濡れ性が向上する。この結果、導電膜と電気絶縁体層との密着性が向上すると考えられる。
また、本微粒子と本ポリシロキサン膜との関係についてみた場合、本ポリシロキサン膜が有するアミノ基が本微粒子に配位結合することにより、また、本微粒子と本ポリシロキサン膜に含まれるシラノール基とが結合を形成することにより、例えば、本微粒子が金属銅微粒子である場合、金属銅微粒子と本ポリシロキサン膜との間でCu−O−Si結合が形成することにより、導電膜と電気絶縁体層との密着性が向上することも考えられる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
例1〜4は実施例であり、例5〜9は比較例である。
(本微粒子の同定)
本微粒子の同定は、X線回折装置(リガク機器社製、RINT2500)を用いて行った。
(本微粒子の平均粒子径)
本微粒子の平均粒子径は、無作為に抽出した100個の本微粒子の粒子径を、透過型電子顕微鏡(日立製作所社製、H−9000)または走査型電子顕微鏡(日立製作所社製、S−900)を用いて測定し、該粒子径を平均して求めた。
(膜の厚さ)
本ポリシロキサン膜と導電膜の厚さは、DEKTAK3(Veeco metrology Group社製)を用いて測定した。また、引き剥がし強度を測定する際に、導電膜上に形成した銅メッキの厚さはデジマチック標準外側マイクロメータ(ミツトヨ社製)を用いて測定した。
(導電膜の体積抵抗率)
導電膜の体積抵抗率は、四探針式抵抗計(型式:lorestaIP MCP−T250、三菱油化社製)を用いて測定した。
(密着性)
導電膜と電気絶縁体層との密着性は、以下の2つの方法で測定した。
クロスカット残存数による密着性の測定
コーテック株式会社のCROSS CUT GUIDEを用い、JIS K5600−5−6に規定された方法によりクロスカット残存数による密着性を測定した。
引き剥がし強度による密着性の測定
引き剥がし強度の測定のためのサンプルについては、得られたフレキシブルプリント配線板の導電膜上に、銅メッキを施した後、島津製作所社製の小型卓上試験機EZTestシリーズを用いてJIS C6471に規定された方法によって、銅メッキされた導電膜とポリイミドフィルムとの間の引き剥がし強度による密着性を測定した。
〔例1〕
ガラス容器内にて、塩化銅(II)二水和物5gを蒸留水150gで溶解して、銅イオンを含有する水溶液を得た。該水溶液のpHは3.4であった。
該水溶液に、40質量%クエン酸水溶液90gを加え、しばらく撹拌し、水溶液のpHを1.7とした。
該水溶液に、保護剤としてアミノ基含有化合物(楠本化成株式会社製、ディスパロン1860)5gと、非水性の有機溶媒としてテルピネオール(沸点219℃、水100gに対する溶解度0.5g(20℃)。)10gと、を混合した溶液を加え、これらを激しく撹拌し懸濁液とした。
該懸濁液を撹拌しながら、該懸濁液に還元剤として3質量%水素化ホウ素ナトリウム水溶液150gをゆっくり滴下した。
滴下終了後、該懸濁液を1時間静置して、水層と油層とに分離させた後、油層のみを回収することにより、微粒子がテルピネオールに分散した黒色の微粒子分散液が得られた。該分散液を1日放置したところ黒色のままであった。
該微粒子分散液中の微粒子を回収してX線回折で同定を行ったところ、水素化銅微粒子であることが確認された。
該微粒子分散液を乾燥して得られた微粒子粉末について粒子径を測定した。平均粒子径は、10nmであった。
該微粒子分散液中の水素化銅微粒子の濃度は20質量%であった。
上記の手順で得られた微粒子分散液を150℃で1時間ほど窒素還流した。1時間後、該分散液を冷やし、25℃以下になったところで回収した。該分散液中の微粒子を回収してX線回折で同定を行ったところ、金属銅微粒子であることが確認された。
該分散液を乾燥して得られた微粒子粉末について粒子径を測定した。平均粒子径は、16nmであった。
該分散液中の金属銅微粒子の濃度は26質量%であった。
1質量%に希釈した酢酸水溶液に、シランカップリング剤としてN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランを30質量%になるように添加し、30分ほど攪拌した。その後、得られた液を厚さ25μmのポリイミドフィルム(電気絶縁体層)にスピンコート(3000rpmで30秒)で塗布した。その後、大気中にて、110℃で、1時間加熱重合させて、ポリイミドフィルム上に厚さ0.7μmの側鎖にアミノ基を有するポリシロキサンからなる膜を形成した。
形成された側鎖にアミノ基を有するポリシロキサンからなる膜上に、武蔵エンジニアリング社製のSHOTMASTER300を用いて、1日放置した金属銅微粒子分散液0.5gを、ディスペンス法にて所望の配線パターン状に塗布し、塗膜を形成した。
塗膜が形成されたポリイミドフィルムを焼成炉内に入れ、酸素濃度が40ppmの窒素ガス雰囲気下にて、350℃で1時間焼成を行い、所望の配線パターンの導電膜(厚さ1μm)が形成されたフレキシブルプリント配線板を得た。導電膜の体積抵抗率およびクロスカット残存数による密着性を測定した。結果を表1に示す。
該フレキシブルプリント配線板の導電膜上に、硫酸銅メッキ液を用いて銅メッキを施した。メッキ条件は、電圧1.1V、電流密度3.5A/dm2であり、銅メッキの厚さは20μmであった。銅メッキ付き導電膜の体積抵抗率、および銅メッキ付き導電膜とポリイミドフィルムとの間の引き剥がし強度による密着性を測定した。結果を表1に示す。
〔例2〕
焼成温度を350℃から150℃に変更した以外は、例1と同様にしてフレキシブルプリント配線板を得て、導電膜の体積抵抗率およびクロスカット残存数による密着性を測定した。結果を表1に示す。
〔例3〕
電気絶縁体層を厚さ25μmのポリイミドフィルムから厚さ75μmのPETフィルムに変更し、焼成温度を350℃から150℃に変更した以外は、例1と同様にしてフレキシブルプリント配線板を得て、導電膜の体積抵抗率およびクロスカット残存数による密着性を測定した。結果を表1に示す。
〔例4〕
シランカップリング剤をN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランから3−アミノプロピルトリメトキシシランに変更した以外は、例1と同様にしてフレキシブルプリント配線板を得て、導電膜の体積抵抗率およびクロスカット残存数による密着性を測定した。結果を表1に示す。
また、該プリント配線板の導電膜上に、例1と同様にして銅メッキを施して、銅メッキ付き導電膜とポリイミドフィルムとの間の引き剥がし強度による密着性を測定した。結果を表1に示す。
〔例5〕
厚さ25μmのポリイミドフィルムに、側鎖にアミノ基を有するポリシロキサンからなる膜を形成することなしに銅微粒子分散液を塗布した以外は、例1と同様にしてフレキシブルプリント配線板を得て、導電膜の体積抵抗率およびクロスカット残存数による密着性を測定した。結果を表1に示す。
また、該フレキシブルプリント配線板の導電膜上に、例1と同様にして銅メッキを施して、銅メッキ付き導電膜とポリイミドフィルムとの間の引き剥がし強度による密着性を測定した。結果を表1に示す。
〔例6〕
焼成温度を350℃から150℃に変更した以外は、例5と同様にしてフレキシブルプリント配線板を得て、導電膜の体積抵抗率およびクロスカット残存数による密着性を測定した。結果を表1に示す。
〔例7〕
電気絶縁体層を厚さ25μmのポリイミドフィルムから厚さ75μmのPETフィルムに変更した以外は、例6と同様にしてフレキシブルプリント配線板を得て、導電膜の体積抵抗率およびクロスカット残存数による密着性を測定した。結果を表1に示す。
〔例8〕
シランカップリング剤をN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランからオクタデシルトリメトキシシランに変更した以外は、例1と同様にしてフレキシブルプリント配線板を得て、導電膜の体積抵抗率およびクロスカット残存数による密着性を測定した。結果を表1に示す。
また、該フレキシブルプリント配線板の導電膜上に、例1と同様にして銅メッキを施して、銅メッキ付き導電膜とポリイミドフィルムとの間の引き剥がし強度による密着性を測定した。結果を表1に示す。
〔例9〕
シランカップリング剤をN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランから3−メルカプトプロピルトリメトキシシランに変更した以外は、例1と同様にしてプリント配線板を得て、導電膜の体積抵抗率およびクロスカット残存数による密着性を測定した。結果を表1に示す。
また、該プリント配線板の導電膜上に、例1と同様にして銅メッキを施して、銅メッキ付き導電膜とポリイミドフィルムとの間の引き剥がし強度による密着性を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2008263129
シランカップリング剤
A:N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン
B:3−アミノプロピルトリメトキシシラン
C:オクタデシルトリメトキシシラン
D:3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン
クロスカット残存数
分類0:カットの縁が完全に滑らかで、どの格子の目にもはがれがない。
分類1:カットの交差点における塗膜の小さなはがれがある。クロスカット部分で影響を受けるのは、明確に5%を上回ることはない。
分類2:塗膜がカットの縁に沿って、及び/又は交差点においてはがれている。クロスカット部分で影響を受けるのは明確に5%を超えるが15%を上回ることはない。
分類3:塗膜がカットの縁に沿って、部分的又は全面的に大はがれを生じており、及び/又は目のいろいろな部分が,部分的又は全体的にはがれている。クロスカット部分で影響を受けるのは明確に15%を超えるが35%を上回ることはない。
分類4:塗膜がカットの縁に沿って、部分的又は全面的に大はがれを生じており、及び/又は数箇所の目が部分的又は全体的にはがれている。クロスカット部分で影響を受けるのは、明確に35%を上回ることはない。
分類5:分類4でも分類できないはがれ程度のいずれか。

Claims (5)

  1. 次の各工程を有するプリント配線板の製造方法。
    (1)電気絶縁体層上に、分子内にアミノ基を有するシランカップリング剤を含有する溶液を塗布した後、該シランカップリング剤を加熱して重合させることにより、側鎖にアミノ基を有するポリシロキサンからなる膜を形成する工程。
    (2)前記電気絶縁体層上に形成された側鎖にアミノ基を有するポリシロキサンからなる膜の上に水素化金属微粒子を含有する分散液又は金属微粒子を含有する分散液を塗布して、塗膜を形成する工程。
    (3)該塗膜を焼成して金属導電膜を形成する工程。
  2. 前記側鎖にアミノ基を有するポリシロキサンからなる膜の厚さが300nm〜5μmである請求項1に記載のプリント配線板の製造方法。
  3. 前記水素化金属微粒子を含有する分散液又は金属微粒子を含有する分散液が、下記工程を経て製造される水素化金属微粒子を含有する分散液である請求項1または2に記載のプリント配線板の製造方法。
    (a)水溶性金属化合物を水に溶解して金属イオンを含有する水溶液を調製する工程。
    (b)該水溶液に酸を加えてpHを3以下に調整する工程。
    (c)該水溶液に非水溶性の有機溶媒と、アミノ基、アミド基、メルカプト基(−SH)およびスルフィド基(−S−)からなる群より選ばれる1以上の基を有する炭素数4〜20の有機化合物と、を加えた後、撹拌して懸濁液を得る工程。
    (d)懸濁液を撹拌しながら、懸濁液に還元剤を加えて金属イオンを還元し、水素化金属微粒子を生成させる工程。
    (e)懸濁液を水層と油層とに分離させた後、油層を水素化金属微粒子を含有する分散液として回収する工程。
  4. 前記水素化金属微粒子を含有する分散液又は金属微粒子を含有する分散液が、前記(e)工程で回収された水素化金属微粒子を含有する分散液を窒素還流して、金属微粒子を生成させた後、金属微粒子を含有する分散液を回収する工程を経て製造される、金属微粒子を含有する分散液である請求項3に記載のプリント配線板の製造方法。
  5. 前記水溶性金属化合物が、銅、ニッケルまたはパラジウムの水溶性化合物であり、前記金属イオンを含有する水溶液が、銅イオン、ニッケルイオンまたはパラジウムイオンを含有する水溶液である請求項3または4に記載のプリント配線板の製造方法。
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