JP2015233253A - 無線装置 - Google Patents
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Abstract
Description
一方、直線偏波アンテナおよび楕円偏波アンテナは、無線LAN(Local Area Network)などの広い用途で主に使われており、設計および製造は円偏波アンテナと比べると容易である。設計および製造コストを考慮すると、固定部と回転部との間の通信にも直線偏波アンテナおよび楕円偏波アンテナを用いることが望ましい。固定部と回転部との間の無線通信に直線偏波アンテナを用いる手法として、車輪の回転軸に対して放射素子が平行となるように、送信アンテナを回転部に配置し、受信アンテナを固定部に配置する手法がある。
第1の実施形態に係る無線装置について、図1Aから図1Dまでを参照して説明する。
第1の実施形態に係る無線装置100は、第1アンテナ101と第2アンテナ151とを含む。第1アンテナ101は、第1主放射素子102を含み、第2アンテナ151は、第2主放射素子152を含む。
第1主放射素子102は、第1アンテナ101のうちの電磁波を放射する部分である。なお、第1アンテナ101全体が第1主放射素子102であってもよい。なお、本実施形態では、第1アンテナ101は回転せずに固定される場合を想定する。
第2主放射素子152は、第2アンテナ151のうちの電磁波を放射する部分である。なお、第2アンテナ151全体が第2主放射素子152であってもよい。本実施形態では、第2アンテナ151は回転軸110の回転方向に沿って回転可能である場合を想定する。また、本実施形態では、静止した第1アンテナ101と回転している第2アンテナ151との間で電磁波を送受信する場合を想定するが、第2アンテナ151が静止した状態でも第1アンテナ101と第2アンテナ151とは電磁波を送受信できる。
また、これに限らず、第1主放射素子102が回転軸110上からオフセットし、第2主放射素子152が回転軸110上の位置に固定されてもよいし、第1主放射素子102および第2主放射素子152の両方を回転軸110上の位置からオフセットしてもよい。図1Aの例では、第2主放射素子152が第2仮想平面153において回転軸110上の位置からx軸の負の方向かつy軸の負の方向にオフセットした場合を示す。なお、第2アンテナ151は回転方向と逆方向に回転してもよい。
図1Aは、第1アンテナ101の主偏波方向104と、第2アンテナ151の主偏波方向154とが平行となる位置に存在する場合を示す。
主偏波方向とは、放射に主に寄与する電界が振動する向きである。主偏波方向と電磁波の伝搬方向とを含む面を主偏波面と呼ぶ。また、主偏波方向に直交する偏波の向きを交差偏波方向と呼ぶ。すなわち、主偏波方向104に直交する偏波の向きを交差偏波方向105と呼び、主偏波方向154に直交する偏波の向きを交差偏波方向155と呼ぶ。交差偏波方向と電磁波の伝搬方向とを含む面を交差偏波面と呼ぶ。主偏波面で振動する電界成分によって放射される電磁波を電磁波の主偏波成分と呼ぶ。また、交差偏波面で振動する電界成分によって放射される電磁波を電磁波の交差偏波成分と呼ぶ。
第2アンテナ151が90度回転することにより、第2アンテナ151の主偏波方向154も90度回転する。よって、第1アンテナ101の主偏波方向104に対して第2アンテナ151の主偏波方向154が垂直となり、交差偏波方向155が平行となる。
しかしながら、実際には、アンテナの形状の対称性および給電系の不完全性、さらにアンテナ近傍に存在する金属および誘電体などの影響により、交差偏波成分を有する。それでも、第1アンテナ101と第2アンテナ151とが回転軸110上の位置に配置されると、回転させても第1アンテナ101と第2アンテナ151とが常に正面同士で対向するため、第1アンテナ101と第2アンテナ151が回転軸110と平行な方向に交差偏波成分を持たない場合は、回転角が±90度となる位置で偏波不整合となり、受信電力が著しく低下する。
第2アンテナ151が180度回転することにより、第2アンテナ151の主偏波方向154も180度回転し、第1アンテナ101の主偏波方向104に対して第2アンテナ151の主偏波方向154が平行となる。よって、図1Aの場合と同様に、偏波整合が取れるので、受信電力は低下せず効率よく電磁波を送受信できる。
第2アンテナ151が270度回転することにより、第2アンテナ151の主偏波方向154も270度回転する。よって、図1Bの場合と同様に、第1アンテナ101の主偏波方向104に対して第2アンテナの主偏波方向154が垂直となり、交差偏波方向が平行となる。この場合でも、第2主放射素子152は回転軸110からオフセットした位置に存在するので、交差偏波成分により電磁波を送受信できる確率を上げ、受信電力が低下する頻度を低減することができる。
第2の実施形態では、アンテナが配置される仮想平面上に基板および無線部などが配置される点が第1の実施形態と異なる。このようにすることで、アンテナが対向する空間を省スペース化することができる。
第2の実施形態に係る無線装置200は、第1アンテナ101、第1主放射素子102、第2アンテナ151、第2主放射素子152、第1基板201および第2基板251を含む。第1アンテナ101、第1主放射素子102、第2アンテナ151および第2主放射素子152は、第1の実施形態と同様であるのでここでの説明を省略する。
第2基板251は、第2仮想平面153と平行に配置され、第2主放射素子152が配置される。第2基板251には、回転軸110上からオフセットした位置に第2主放射素子152が配置される。
第1主放射素子102および第2主放射素子152を、それぞれ第1仮想平面103および第2仮想平面153に平行に配置する際に第1主放射素子102を第1基板201に、第2主放射素子152を第2基板251にそれぞれ平行に形成することで、容易に主放射素子を仮想平面と平行に配置することができる。さらに、基板を配置する際の回転軸方向の追加空間を最小限に抑えることができる。
無線部を含む第2の実施形態に係る無線装置の別例について、図3Aから図3Dまでを参照して説明する。
第1無線部301は、第1基板201上に配置され、無線通信に関する送信処理および受信処理といった、信号処理を行う。
第2無線部351は、第2基板251上に配置され、無線通信に関する送信処理および受信処理といった、信号処理を行う。
第1無線部301および第2無線部351が行う無線の送信処理および受信処理としては、例えば、それぞれのアンテナに入力する信号を処理する機能であり、それぞれのアンテナで受信して出力される信号を処理する機能である。第1無線部301および第2無線部351は、例えば、集積回路およびディスクリート部品の組み合わせで構成される。また、図3Aから図3Dでは、第1無線部301および第2無線部351は1つの部品として図示しているが、パッケージングされた状態でもよいし、モジュール化された状態でも、集積回路やディスクリート部品がむき出しになっている状態でもよい。
図3Bは、第2アンテナ151が回転軸110の回転方向に90度回転した場合の第1アンテナ101と第2アンテナ151との位置関係を示す。図1Bと同様に、第2主放射素子152が回転軸110からオフセットして配置されることにより、受信電力が低下する頻度を低減することができる。
図3Cは、第2アンテナ151が回転軸110の回転方向に180度回転した場合の、第1アンテナ101と第2アンテナ151との位置関係を示す。図1Cと同様に、偏波整合が取れるので、受信電力は低下せず効率よく電磁波を送受信できる。
図3Dは、第2アンテナ151が回転軸110の回転方向に270度回転した場合の、第1アンテナ101と第2アンテナ151との位置関係を示す。図3Dと同様に、第2主放射素子152は回転軸110からオフセットした位置に存在するので、受信電力が低下する頻度を低減することができる。
第3の実施形態では、アンテナ利得の主偏波成分が回転軸方向にビームを有し、アンテナ利得の交差偏波成分が非回転軸方向にビームを有する特性である場合、合成利得を考慮して、回転軸から主放射素子をオフセットする位置を決定する点が上述の実施形態と異なる。これによって、受信電力の低下を抑制しつつ、回転時により安定した無線通信を行うことができる。
ここで、G1Cは、第1アンテナ101から見て第2アンテナ151が位置する方向(第1方向ともいう)における、第1アンテナ101のアンテナ利得の主偏波成分である。G2Xは、第2アンテナ151から見て第1アンテナ101が位置する方向(第2方向ともいう)における、第2アンテナ151のアンテナ利得の交差偏波成分である。G1Xは、第1アンテナ101から見て第2アンテナ151が位置する方向における、第1アンテナ101のアンテナ利得の交差偏波成分である。G2Cは、第2アンテナ151のアンテナ利得の主偏波成分である。
第4の実施形態では、第1アンテナおよび第2アンテナの少なくともどちらか一方が、アンテナ利得の交差偏波成分が回転軸と平行な方向を含む平面で極小となる特性であるアンテナである場合を想定する。このような場合、第1主放射素子および第2主放射素子の両方を回転軸上の位置からオフセットして配置することにより、受信電力の低下を低減しつつ安定した無線通信を行うことができる。
図4に示すグラフは、図1に示すxyz座標系(z軸が回転軸110)において原点にアンテナを配置した場合のzx平面でのアンテナの放射指向性特性であり、縦軸が指向性利得[dB]を示し、横軸が、x軸を基準とした角度[度]を示す。すなわち、x軸の正の方向が0度、回転軸110方向であるz軸方向が90度、x軸の負の方向が180度を示す。実線のグラフ401が主偏波成分の指向性利得であり、破線のグラフ402が交差偏波成分の指向性利得である。
図4に示すように、角度が90度である回転軸110方向には、主偏波成分のビームの指向性利得が極大である一方、交差偏波成分のビームが極小となる。一方、回転軸110方向でない非回転軸方向では、交差偏波成分が放射しており、角度が45度および135度付近で交差偏波成分の指向性利得が極大となる。
第4の実施形態に係る無線装置500は、第1アンテナ101、第1主放射素子102、第2アンテナ151および第2主放射素子152を含む。第1アンテナ101、第1主放射素子102、第2アンテナ151および第2主放射素子152は、第1の実施形態と同様であるので、ここでの説明を省略する。
図6は、z軸方向から見た無線装置500の第1アンテナ101の第1主放射素子102および第2アンテナ151の第2主放射素子152の位置関係である。
第5の実施形態として、上述の実施形態に係る無線装置の利用例について説明する。
本実施形態に係る無線装置を含む無線機器について図8のブロック図を参照して説明する。
第5の実施形態に係る無線機器800は、カメラ部801、第2無線通信部802、第1無線通信部803、本体部804を含む。カメラ部801および第2無線通信部802を合わせて回転部とも呼び、第1無線通信部803および本体部804を合わせて固定部とも呼ぶ。第1無線通信部803および第2無線通信部802は、上述の実施形態に係る無線装置により構成されればよい。
図7に示す第4の実施形態に係る無線装置500の受信電力測定結果の比較例として、従来のアンテナ配置における受信電力の測定結果について図9を参照して説明する。
図9は、アンテナ利得の交差偏波成分が回転軸110方向にヌルとなる第1アンテナ101および第2アンテナが、ともに回転軸の中心に配置される場合である。
図9に示すように、0度および180度付近では、偏波整合が取れているので受信電力が最大であるが、90度および−90度(270度)付近の両方では、最大受信電力から約20dB低下している。これは、90度および−90度において、送受のアンテナの主偏波が直交し、かつ交差偏波成分が回転軸方向に放射されないためである。
Claims (10)
- 回転軸に直交する第1仮想平面上に位置し、電磁波を放射する第1主放射素子を含む第1アンテナと、
前記回転軸に直交しかつ前記第1仮想平面と第1間隔を空けて対向する第2仮想平面上に位置し、電磁波を放射する第2主放射素子を含む第2アンテナと、を具備し、
前記第2アンテナは、前記回転軸を中心に回転可能であり、かつ前記第1アンテナとの間で前記電磁波の送信および受信の少なくとも一方を行い、前記第1主放射素子および前記第2主放射素子の少なくとも一方は、前記回転軸からずらして配置される無線装置。 - 前記第1主放射素子および前記第2主放射素子は、前記回転軸方向から見た場合に重ならないように配置される請求項1に記載の無線装置。
- 前記第1仮想平面と平行に配置され、かつ前記第1主放射素子が形成される第1基板と、
前記第2仮想平面と平行に配置され、かつ前記第2主放射素子が形成される第2基板と、をさらに具備する請求項1または請求項2に記載の無線装置。 - 前記第1基板に配置され、無線通信に関する信号処理を行う第1無線部と、
前記第2基板に配置され、前記無線通信に関する信号処理を行う第2無線部と、をさらに具備する請求項3に記載の無線装置。 - 前記第1アンテナおよび前記第2アンテナは、アンテナ利得の主偏波成分が前記回転軸方向にビームを有し、前記アンテナ利得の交差偏波成分が非回転軸方向にビームを有する特性であり、
前記第1主放射素子と前記第2主放射素子との間の偏波整合が取れているときの前記第2アンテナの位置の回転角である第1角度から、該第2アンテナを90度または270度回転させた位置において、前記第1主放射素子および前記第2主放射素子は、
前記第1アンテナから見て前記第2アンテナが位置する第1方向における前記第1アンテナのアンテナ利得の主偏波成分と、前記第2アンテナから見て前記第1アンテナが位置する第2方向における前記第2アンテナのアンテナ利得の交差偏波成分とを乗じた利得、および、前記第1方向における前記第1アンテナのアンテナ利得の交差偏波成分と、前記第2方向における前記第2アンテナのアンテナ利得の主偏波成分とを乗じた利得を加算して得られる合成利得のビームが相互に向くように配置される請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の無線装置。 - 前記第1主放射素子および前記第2主放射素子は、前記第1アンテナおよび前記第2アンテナの少なくとも一方の受信電力が第1しきい値以上となるように配置される請求項5に記載の無線装置。
- 前記第1主放射素子および前記第2主放射素子は、無線通信に関するスループットが第2しきい値以上となるか、前記無線通信の誤り率が第3しきい値以下となるかの少なくとも一方を満たすように配置される請求項5に記載の無線装置。
- 前記第1アンテナおよび前記第2アンテナの少なくとも一方のアンテナ利得の交差偏波成分が前記回転軸と平行な方向を含む平面で極小となる特性であり、前記第1主放射素子および前記第2主放射素子は、前記回転軸からずれて配置される請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の無線装置。
- 前記第1主放射素子および前記第2主放射素子は、前記回転軸に対して直交する第1軸方向に第1距離ずれ、前記回転軸および前記第1軸に対して直交する第2軸方向に該第1軸から互いに前記第1距離ずつ離れて配置される請求項8に記載の無線装置。
- 無線通信に用いる使用周波数は、ミリ波帯の周波数である請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の無線装置。
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