JP2015232952A - カソードの取得方法および電子ビーム描画装置 - Google Patents

カソードの取得方法および電子ビーム描画装置 Download PDF

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Abstract

【課題】所望の輝度が得られるカソードを取得する手法を提供する。
【解決手段】電子放出部材と、隙間を設けて電子放出材料の側面を覆うカバー部とを有する複数のカソードを製作する工程S106と、複数のカソードのカソード毎に、電子放出部材の上面の外径寸法を測定する工程S108と、複数のカソードのカソード毎に、電子放出部材の上面と同一面での隙間の外径寸法を測定する工程S110と、複数のカソードのカソード毎に、同一面での隙間の面積を電子放出部材の上面の面積で除した面積比を演算する工程S112と、輝度と面積比との相関関係を用いて、所望の輝度に対応する面積比の上限値を取得する工程と、製作された複数のカソードのうち、上限値以下の面積比を有するカソードを選択する工程S114と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、カソードの取得方法および電子ビーム描画装置に係り、例えば、電子ビーム描画装置で用いるビーム源のカソードの選別手法に関する。
近年、LSIの高集積化に伴い、半導体デバイスの回路線幅はさらに微細化されてきている。これらの半導体デバイスへ回路パターンを形成するための露光用マスク(レチクルともいう。)を形成する方法として、優れた解像性を有する電子ビーム(EB:Electron beam)描画技術が用いられる。
図12は、可変成形型電子線描画装置の動作を説明するための概念図である。
可変成形型電子線(EB:Electron beam)描画装置は、以下のように動作する。第1のアパーチャ410には、電子線330を成形するための矩形の開口411が形成されている。また、第2のアパーチャ420には、第1のアパーチャ410の開口411を通過した電子線330を所望の矩形形状に成形するための可変成形開口421が形成されている。荷電粒子ソース430から照射され、第1のアパーチャ410の開口411を通過した電子線330は、偏向器により偏向され、第2のアパーチャ420の可変成形開口421の一部を通過して、所定の一方向(例えば、X方向とする)に連続的に移動するステージ上に搭載された試料340に照射される。すなわち、第1のアパーチャ410の開口411と第2のアパーチャ420の可変成形開口421との両方を通過できる矩形形状が、X方向に連続的に移動するステージ上に搭載された試料340の描画領域に描画される。第1のアパーチャ410の開口411と第2のアパーチャ420の可変成形開口421との両方を通過させ、任意形状を作成する方式を可変成形方式(VSB方式)という。
電子ビーム描画では、電子銃が用いられる。かかる電子銃のカソード(陰極)材として、焼結形態または結晶形態を成す六ホウ化ランタン(LaB)、六ホウ化セリウム(CeB)、或いは炭化ハフニウム(HfC)等が用いられる。かかるカソード材は、様々な電子ビーム装置(例えば、リソグラフィ装置、走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)など)において電子源またはエミッタとして使用される。カソードは、例えば、円錐角を伴うテーパ形状または円錐形状の先端(頂部)を平面に切り取った形状として作成される。
図13は、円錐面をカーボンでコーティングされたカソードの一例を示す図である。図13に示すように、例えば、カソード材の円錐面をカーボンでコーティングする。かかる構成により、電子放出面がカソード上面に限定され、放出面積を限定させることができる。これにより電子銃の輝度を向上させることが試みられている。
図14は、側面をカーボンでコーティングされたカソードの上面の一例を示す図である。図14に示すように、カーボンコーティングとLaB或いはCeBカソード材料との間の化学的な相互作用によってカソードの電子放出面が腐食してしまう。図14に示されるように、カーボンコーティングと接触する電子放出面の縁部は、損傷されている(例えば、穴があけられた、および/またはエッチングされた)ように見える。実際に、電子放出面のこれらの領域は、損なわれており、もはや電子を効果的に放射することが困難となる。そのため、カソードの電子放出面の外周部付近に対して、カソード材とカーボンコーティングとの間に隙間を設ける構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。これにより、カーボンコーティングとカソードにおける電子放出面外周部との間の化学反応を抑えることができる。
ここで、カソード本体(エミッタ)とカーボンコーティングとの間の隙間が大きいと輝度が低下してしまうといった問題があった。かかる隙間を形成するために使用する犠牲膜の塗布、及び除去工程のプロセスにおいて製品にばらつきが生じるため、製造された製品(カソード)の隙間寸法にばらつきが生じてしまう。隙間が大きく製造されたカソードは、電子ビーム描画装置で要求される高輝度を実現することが困難となってしまう。従来、製造されたカソードの外観から、そのカソードが高輝度を実現できるかどうかを見分けることが困難であった。そのため、製造されたカソードを実際に描画装置に搭載した後で輝度不足が判明し、かかるカソードが使用できないといった不具合が発生し、装置の信頼性を低下させる一因になっていた。
特開2012−069364公報
そこで、本発明は、上述した問題点を克服し、所望の輝度が得られるカソードを取得する手法を提供することを目的とする。
本発明の一態様のカソードの取得方法は、
電子放出部材と、隙間を設けて電子放出材料の側面を覆うカバー部とを有する複数のカソードを製作する工程と、
複数のカソードのカソード毎に、電子放出部材の上面の外径寸法を測定する工程と、
複数のカソードのカソード毎に、電子放出部材の上面と同一面での隙間の外径寸法を測定する工程と、
複数のカソードのカソード毎に、同一面での隙間の面積を電子放出部材の上面の面積で除した面積比を演算する工程と、
輝度と面積比との相関関係を用いて、所望の輝度に対応する面積比の上限値を取得する工程と、
製作された複数のカソードのうち、上限値以下の面積比を有するカソードを選択する工程と、
を備えたことを特徴とする。
また、電子放出部材の材料として、六ホウ化ランタン(LaB)と六ホウ化セリウム(CeB)とのうち1つが用いられ、
カバー部の材料として、カーボン(C)が用いられると好適である。
また、電子放出部材の上部は、円錐形状の先端を上面が平面になるように切り取った形状に形成されると好適である。
また、選択対象のカソードには、同一面での隙間の外周形状と電子放出部材の上面形状とが同心円に形成されていないカソードが含まれても構わない。
本発明の一態様の電子ビーム描画装置は、
上述したカソードの取得方法によって取得されたカソードが搭載された電子銃と、
カソードから放出された電子ビームを用いて、試料にパターンを描画する描画部と、
を備えたことを特徴とする。
本発明の他の態様のカソードの取得方法は、
電子放出部材と、隙間を設けて前記電子放出部材の側面を覆うカバー部とを有するカソードを製作する工程と、
前記カソードの、前記電子放出部材の上面の外径寸法を測定する工程と、
前記カソードの、前記電子放出部材の上面と同一面での前記隙間の外径寸法を測定する工程と、
前記カソードの、前記同一面での前記隙間の面積を前記電子放出部材の上面の面積で除した面積比を演算する工程と、
予め求めた輝度と前記面積比との相関関係を用いて、所望の輝度に対応する前記面積比の上限値を取得する工程と、
製作された前記カソードが前記上限値以下の前記面積比を有するか否かを判定し、前記上限値以下の前記面積比を有するカソードを取得する工程と、
を備えたことを特徴とする。
本発明の一態様によれば、所望の輝度が得られるカソードを取得できる。よって、高輝度化に対応するカソードが得られる。
実施の形態1におけるカソードの取得方法の要部工程を示すフローチャート図である。 実施の形態1におけるカソードの構成の一例を示す断面図である。 実施の形態1におけるカソードの放射面の平面内における上面図である。 実施の形態1におけるカソード上部の斜視図である。 実施の形態1におけるカソードの形成方法の一例の要部工程を示す工程断面図である。 実施の形態1におけるカソード上面の一部とカソード断面の一部を示す図である。 実施の形態1における輝度と面積比との理想状態での関係の一例を示す図である。 実施の形態1における輝度を測定するための手法を説明するための図である。 実施の形態1における輝度と面積比との関係の実験結果の一例を示す図である。 実施の形態1における取得されたカソードを搭載した描画装置の構成を示す概念図である。 実施の形態1における各領域を説明するための概念図である。 可変成形型電子線描画装置の動作を説明するための概念図である。 円錐面をカーボンでコーティングされたカソードの一例を示す図である。 側面をカーボンでコーティングされたカソードの上面の一例を示す図である。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1におけるカソードの取得方法の要部工程を示すフローチャート図である。図1において、実施の形態1におけるカソードの取得方法は、輝度(B)と面積比(R)との相関取得工程(S102)と、上限面積比(Rm)取得工程(S104)と、カソード製作工程(S106)と、半径(r)測定工程(S108)と、半径(r)測定工程(S110)と、面積比(R)演算工程(S112)と、選択工程(S114)と、いう一連の工程を実施する。なお、半径(r1)測定工程(S108)と、半径(r2)測定工程(S110)とは同時に行われても構わないし、別々に実施されても構わない。また、別々に実施される場合にどちらの工程が先に実施されても構わない。また、相関取得工程(S102)から上限面積比(Rm)取得工程(S104)までの工程と、カソード製作工程(S106)から面積比(R)取得工程(S112)までの工程とは、どちらを先に実施しても構わない。
図2は、実施の形態1におけるカソードの構成の一例を示す断面図である。図2において、カソード320は、陰極ホルダ321上に固定される。カソード320は、カソード本体30(電子放出部材)(カソード本体は「エミッタ」ともいう。)と側面カバー部40とを備えている。カソード本体30は、材料として、六ホウ化ランタン(LaB)、及び六ホウ化セリウム(CeB)のいずれかの焼結形態または結晶形態が用いられると好適である。カソード本体30は下部が円柱状に形成され、上部20が円錐形状の側面21(斜面)と円錐形状先端(頂部)を平面になるように切り取った円錐台形状の上面22(電子放出面)とを有する。
側面カバー部40(コーティング部)はテーパ状(円錐面)に狭まる上側カバー部41と円筒状の下側カバー部42とを有する。図2に示すように、下側カバー部42は、カソード本体30の下部外周側面31の図面縦方向の長さに沿って下部外周側面31に直接隣接してこの下部外周側面31に対して直接に付着される。下側カバー部42は、カソード本体30の下部外周側面31を取り囲んでこの下部外周側面31と接触する。その一方で、上側カバー部41はカソードの上部側面21と直接に接触しない。それどころか、これらの2つの間に隙間50が介在する(存在する)。隙間50は、幅が例えば約1μm〜約15μmの範囲をとり得るが、用途に応じて隙間を更に小さくすることができ、または更に大きくすることができる。また、上側カバー部41は、カソード本体30の上面22と実質的に同一面に平面形状の上面43が形成される。
図3は、実施の形態1におけるカソードの放射面の平面内における上面図である。なお、図2、図3、及び後述する図4に示す各図に示した構成のサイズは、互いに一致していない場合がある。よって、原寸に比例していない。図3では、環状の隙間50によって取り囲まれる中心のカソード本体30の上面22を示しており、隙間50は、図2に示すカバー部40の上側カバー部41の上端または上側の上面43によって取り囲まれる。
図4は、実施の形態1におけるカソード上部の斜視図である。図4において、隙間50は、カバー部40の下側カバー部42の上側にあってこの下側カバー部42と連続する上側カバー部41の上端または上側の上面43によって取り囲まれる。
カソード本体30の上部20の、例えば10〜200μmに形成される部分は、円錐形、円柱形、正方形、長方形、ピラミッド形などであってもよく、そのような実施形態の全てが本実施の形態1に包含される。図2〜4の例では、形状が円錐台形状であり、その円錐角は、例えば90°以下の範囲であると好適である。90度よりも大きくすべきではなく、約20度〜約90度の範囲(例えば、約20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85または90度)がより好適である。また、60度〜90度の範囲(例えば、約60、65、70、75、80、85または90度)であるとさらに好ましい。
カソード本体30の上部20と上側カバー部41とを離間させる隙間50は、約1μm〜約15μmの幅が好適である。円錐面に沿う隙間50の深さは、例えば10〜200μmが好適である。例えば、側面21の全体にわたって離間した状態でカバーし、カソード本体30の上端で終端する。円錐側面21を取り囲んで隙間50で離間されたカーボン層は、図2の上側カバー部41で示したように、円錐の輪郭をたどり、したがって、それ自体が円錐形を成して、円錐の角度と同じまたは類似する角度で位置決めされると良い。
図2に示したカバー部40は、カーボン(C)層またはカーボンコーティングによって形成される。そして、カーボン層またはカーボンコーティングは任意の適した材料から形成されてもよく、そのような材料の例としては、黒鉛、コロイド黒鉛(例えば、アクアダッグ)、DLC(ダイヤモンド状炭素)、熱分解炭素などが挙げられるが、これらに限定されない。
カソード本体30の上面22は、所望の切頂度および所望の円錐角に応じて、直径が例えば5〜400μmのサイズまでの範囲の大きさであると好適である。例えば、直径100μmの円形状の平坦な面をもつ。
カーボンコーティングされた放射面を有する典型的な従来技術の陰極は、例えば、全体を参照することによりその全内容が本明細書に組み入れられる米国特許第7,176,610号明細書に記載されている。
図5は、実施の形態1におけるカソードの形成方法の一例の要部工程を示す工程断面図である。図5(a)では、陰極ホルダ200上に配置されたカソード本体30が示されている。図5(b)では、一時的なまたは犠牲的なコーティングでカソード本体30の上部20の円錐側面および上面が被覆された犠牲膜60を示している。図5(c)では、犠牲膜60を介してカソード本体30の側面全体がカバー部40の材料でコーティングされた状態を示している。図5(d)は、犠牲膜60が除去されて、カソード本体30の上部20の円錐形側面とその周りを取り囲むカバー部40との間に隙間50が残存し、カバー部40は円錐形側面を取り囲むが直接に接触しない状態が示されている。また、カバー部40上面は、カソード本体30の上面と同一平面になるように平坦化されると良い。犠牲膜60の材料としては、様々な有機膜、アクリル樹脂、ニトロセルロースなどが挙げられるが、これらに限定されない。有機膜の例としては、4−メタクリロイルオキシエチルトリメリテートアンハイドライド(4−META)、メチルメタクリレート(MMA)(メタメチル−メタクリレート)等が好適である。
犠牲膜60を除去する手法は、犠牲膜60の材料の種類にしたがって異なる。例えば、犠牲膜60が有機材料から形成される場合には、犠牲膜60を除去するために熱が使用されてもよい。例えば、400〜600℃の範囲の温度までカソードを加熱することが挙げられる。そのような状態下では、有機膜が蒸発し、それにより、隙間50が残る。このように、除去する際は、有機材料の蒸発を引き起こすのに十分な熱を加えることによって行なわれる。
犠牲膜60の材料として、可溶性材料を用いる場合には、カソードを適切な溶媒(例えば、水、有機溶媒など)に晒すことにより除去すればよい。犠牲膜60は、任意の適した材料から形成されてもよく、犠牲膜60は、エッチング、溶解、蒸発、溶融、アブレーションなどを含むがこれらに限定されない、他の陰極構成要素を損傷させることなく除去をもたらす任意の適した方法によって除去されてもよい。
相関取得工程(S102)として、輝度(B)と面積比(R)との相関関係を取得する。
図6は、実施の形態1におけるカソード上面の一部とカソード断面の一部を示す図である。図6(a)では、カソード上面の一部を示している。図6(b)では、カソード断面の一部を示している。図6(a)に示す面は、図6(b)に示すカソード上面22と同一面400での状態を示している。カソード上面22の外径寸法(例えば直径)は2rで定義される。よって、rは、カソード上面22の半径を示す。カソード上面22と同一面400での隙間50の外径寸法(例えば直径)は2rで定義される。よって、rは、隙間50の半径を示す。ここで、カソード320から放出される全エミッション電流Ieは、カソード上面22から放出される電子の電流Iとカソード上部の側面21(斜面)から放出される電子の電流Iとを用いて次の式(1)で定義される。
(1) Ie=I+I
また、電流密度Jemは、全エミッション電流Ieとカソード上面22の面積とを用いて、次の式(2)で定義される。
(2) Jem=Ie/πr
電流密度Jemは、全エミッション電流をエミッタ面の面積で割った量であり、カソード上面22形状とカソード駆動電流が定まれば、一義的に求まる量である。
また、カソード上面22から放出される電子の面400上での電流密度Jeと、カソード上部の側面21(斜面)から放出される電子の面400上での電流密度Jeとが、面400内で一定と仮定すると、以下の式(3)と式(4)とが成り立つ。
(3) I=Je・πr
(4) I=Je・π(r −r
また、式(2)は、次の式(5)に変形できる。
(5) Jem=(I+I)/πr
=Je+Je・{(r/r−1}
よって、電流密度Jeは、次の式(6)で定義できる。
(6) Je=Jem−Je・{(r/r−1}
また、描画装置では、カソード上面22から放出される電子でビームとして使用するので、描画装置で使用した際のカソード320の輝度Bは、電流密度Je、カソード温度T、ボルツマン定数k、素電荷e、及び電子のポテンシャル(加速電圧)Uを用いて、ラングミュラーの式(7)で定義できる。
(7) B=Je(eU/πkT)
=3693.8Je(U/T)
よって、カソード320の輝度Bは、次の式(8)に変形できる。
(8) B=3693.8(U/T)(Jem−Je・{(r/r−1})
ここで、カソード上面22と同一面400での隙間50の面積をカソード上面22の面積で除した面積比Rを定義する。面積比Rは、以下の式(9)で定義される。
(9) R=π(r −r )/πr
=(r/r−1
よって、カソード320の輝度Bは、次の式(10)に変形できる。
(10) B=3693.8(U/T)(Jem−Je・R)
図7は、実施の形態1における輝度と面積比との理想状態での関係の一例を示す図である。図7では、計算条件として、例えば、電子のポテンシャル(加速電圧)U=50keV、T=1850K、Je=0.38・Jemとする。式(9)及び図7に示すように、面積比Rが大きくなるとカソード320の輝度Bは小さくなることがわかる。よって、所望の輝度Bを得るためには、面積比Rの上限Rmが存在することがわかる。そこで、実施の形態1では、輝度Bと面積比Rとの相関関係を取得する。そのために、予め、面積比Rを変えた複数の実験用カソードを製作し、各実験用カソードの輝度Bを実験により測定する。
図8は、実施の形態1における輝度を測定するための手法を説明するための図である。図8では、一例として、いわゆるアパーチャ法について説明する。但し、輝度を測定するための手法はこれに限るものではなく、その他の方法で測定してもよい。電子光学系の光軸上に各々直径D、Dの開口部が形成されたアパーチャ部材52,54を実験用カソード50側からアパーチャ部材52,54の順で距離Lだけ離して配置する。アパーチャ部材54の光軸上の下流側にはファラディカップ56が配置される。また、図8では、電子銃として必要なウェネルト、アノード、加熱装置、及び電圧印加装置等の図示を省略している。実験用カソード50から放出された電子は、クロスオーバー(c.o.)を形成した後、アパーチャ部材52を照射する。そして、アパーチャ部材52を通過した電子は、アパーチャ部材54を照射する。そして、アパーチャ部材54を通過した電子は、ファラディカップ56に到達する。ファラディカップ56に到達した電子による電流Iを電流計58で計測する。なお、かかるアパーチャ法では、クロスオーバー径Sがアパーチャ部材52の開口径Dに比べて十分大きいものとし、アパーチャ部材52の開口部内のどの点からも一様にアパーチャ部材54を照射しているものとする。かかる場合、実験用カソード50の輝度Bは、次の式(11)で定義できる。
(11) B=I/{π(D/2)・π(D/2L)
各実験用カソードの面積比Rは、光学顕微鏡等で実験用カソード上面半径と隙間の外径寸法(半径)を計測し、かかる値を用いて演算すればよい。以上のようにして、面積比Rを変えた複数の実験用カソードを用いて、各実験用カソードの輝度Bと各実験用カソードの面積比Rの関係を求める。
図9は、実施の形態1における輝度と面積比との関係の実験結果の一例を示す図である。実験により求めた輝度Bと面積比Rとをプロットしたグラフを作成し、輝度Bと面積比Rの相関関係を求める。例えば、輝度Bの平均値を用いた相関関係Aを求める。図9では、縦軸に、隙間を設けないで作製したカソードの輝度との相対値で輝度を定義して示している。横軸に面積比を示している。なお、実験により求めた輝度にはばらつきが生じるため、安全を見越して測定輝度の下限で近似した相関関係Bを用いても好適である。
上限面積比(Rm)取得工程(S104)として、輝度Bと面積比Rとの相関関係を用いて、所望の輝度に対応する面積比の上限値Rmを取得する。図9の例では、例えば、所望の輝度(相対値)が0.8である場合の対応する面積比が0.5であることがわかる。よって、所望の輝度(相対値)0.8を得るためには、上限面積比Rmが0.5であることがわかる。
カソード製作工程(S106)として、カソード本体30と、隙間50を設けてカソード本体30の側面21を覆うカバー部40とを有する製品用の複数のカソード320を製作する。カソード320の製作方法は、上述した内容で良い。
半径(r)測定工程(S108)として、製品用に製作された複数のカソード320について、光学顕微鏡を用いて、複数のカソード320のカソード毎に、カソード本体30(電子放出部材)の上面22の外径寸法(半径r)を測定する。ここでは、半径を測定しているが、直径(2r)でも良いことは言うまでもない。
半径(r)測定工程(S110)として、製品用に製作された複数のカソード320について、光学顕微鏡を用いて、複数のカソード320のカソード毎に、カソード本体30(電子放出部材)の上面22と同一面400での隙間50の外径寸法(半径r)を測定する。ここでは、半径を測定しているが、直径(2r)でも良いことは言うまでもない。
なお、カソード毎に、上面22の外径寸法(半径r)と隙間50の外径寸法(半径r)とを同時或いは同時期に測定すると効率的である。
面積比(R)演算工程(S112)として、製品用に製作された複数のカソード320のカソード毎に、同一面400での隙間50の面積をカソード本体30(電子放出部材)の上面22の面積で除した面積比Rを演算する。面積比Rは上述した式(9)を用いて求めればよい。
選択工程(S114)として、製品用に製作された複数のカソード320のうち、上限値Rm以下の面積比Rを有するカソード320を選択する。
以上により、製品用に製作された複数のカソード320の中から所望する輝度Bを実現可能なカソード320を取得できる。よって、高輝度化に対応するカソードが得られる。
なお、図6(a)に示したように、選択対象のカソードには、同一面400での隙間50の外周形状とカソード本体30(電子放出部材)の上面22形状とが同心円に形成されていないカソードが含まれても構わない。
図10は、実施の形態1における取得されたカソードを搭載した描画装置の構成を示す概念図である。図10において、描画装置100は、描画部150と制御部160を備えている。描画装置100は、選別(取得)されたカソード320を搭載する荷電粒子ビーム描画装置の一例である。特に、可変成形型(VSB型)の描画装置の一例である。描画部150は、電子銃機構230、電子鏡筒102、及び描画室103を備えている。電子銃機構230内には、電子銃201が配置される。電子鏡筒102内には、電子レンズ211、照明レンズ202、ブランキング偏向器212、ブランキングアパーチャ214、第1のアパーチャ203、投影レンズ204、偏向器205、第2のアパーチャ206、対物レンズ207、主偏向器208、及び副偏向器209が配置されている。描画室103内には、XYステージ105が配置される。XYステージ105上には、描画時には描画対象となるマスク等の試料101が配置される。試料101には、半導体装置を製造する際の露光用マスクが含まれる。また、試料101には、レジストが塗布された、まだ何も描画されていないマスクブランクスが含まれる。ブランキング偏向器212として、例えば1対の電極が用いられる。
また、電子銃201は、実施の形態1における選別されたカソード320、ウェネルト322、及びアノード324を有している。カソード320として、例えば、六ホウ化ランタン(LaB)結晶等を用いると好適である。ウェネルト322は、カソード320とアノード324との間に配置される。また、アノード324は、接地され、電位がグランド電位に設定されている。電子銃201には、図示しない電子銃電源装置が接続される。電子銃機構230と電子鏡筒102との境界は電子ビームが通過可能に形成されている。
制御部160は、制御計算機110および制御回路120を有している。
ここで、図10では、実施の形態1を説明する上で必要な構成を記載している。描画装置100にとって、通常、必要なその他の構成を備えていても構わない。例えば、位置偏向用には、主偏向器208と副偏向器209の主副2段の多段偏向器を用いているが、1段の偏向器或いは3段以上の多段偏向器によって位置偏向を行なう場合であってもよい。また、描画装置100には、マウスやキーボード等の入力装置、及びモニタ装置等が接続されていても構わない。また、図10の例では、ブランキングアパーチャ214が、第1のアパーチャ203よりも上方側に配置されているが、これに限るものではなく、ブランキング動作が可能である位置であれば構わない。例えば、第1のアパーチャ203或いは第2のアパーチャ206よりも下方側に配置されても構わない。
図11は、実施の形態1における各領域を説明するための概念図である。図11において、試料101の描画領域510は、主偏向器208のY方向偏向可能幅である、短冊状の複数のストライプ領域520に仮想分割される。また、各ストライプ領域520は、副偏向器209の偏向可能サイズである複数のサブフィールド(SF)530(小領域)に仮想分割される。そして、各SF530の各ショット位置にショット図形552,554,556が描画される。
制御計算機110からの制御信号によって操作される制御回路120からブランキング制御用の図示しないDACアンプに対して、ブランキング制御用のデジタル信号が出力される。そして、ブランキング制御用のDACアンプでは、デジタル信号をアナログ信号に変換し、増幅させた上で偏向電圧として、ブランキング偏向器212に印加する。かかる偏向電圧によって電子ビーム200が偏向させられ、各ショットの照射時間(照射量)が制御される。
制御回路120から図示しないDACアンプに対して、主偏向制御用のデジタル信号が出力される。そして、主偏向制御用のDACアンプでは、デジタル信号をアナログ信号に変換し、増幅させた上で偏向電圧として、主偏向器208に印加する。かかる偏向電圧によって電子ビーム200が偏向させられ、各ショットのビームがメッシュ状に仮想分割された、目標となるSF30の基準位置に偏向される。
制御回路120から図示しないDACアンプに対して、副偏向制御用のデジタル信号が出力される。そして、副偏向制御用のDACアンプでは、デジタル信号をアナログ信号に変換し、増幅させた上で偏向電圧として、副偏向器209に印加する。かかる偏向電圧によって電子ビーム200が偏向させられ、各ショットのビームが対象となるSF30内の各ショット位置に偏向される。
描画装置100では、複数段の多段偏向器を用いて、ストライプ領域520毎に描画処理を進めていく。ここでは、一例として、主偏向器208、及び副偏向器209といった2段偏向器が用いられる。XYステージ105が例えば−x方向に向かって連続移動しながら、1番目のストライプ領域520についてx方向に向かって描画を進めていく。そして、1番目のストライプ領域520の描画終了後、同様に、或いは逆方向に向かって2番目のストライプ領域520の描画を進めていく。以降、同様に、3番目以降のストライプ領域520の描画を進めていく。そして、主偏向器208が、XYステージ105の移動に追従するように、SF530の基準位置に電子ビーム200を順に偏向する。また、副偏向器209が、各SF530の基準位置から当該SF530内に照射されるビームの各ショット位置に電子ビーム200を偏向する。このように、主偏向器208、及び副偏向器209は、サイズの異なる偏向領域をもつ。そして、SF530は、かかる複数段の偏向器の偏向領域のうち、最小偏向領域となる。
カソード320に負の加速電圧が印加され、ウェネルト322に負のバイアス電圧が印加された状態で、カソード320を加熱すると、カソード320から電子(電子群)が放出され、放出電子(電子群)は、収束点(クロスオーバー:C.O.)を形成した(カソードクロスオーバー)後に広がり、加速電圧によって加速されて電子ビームとなってアノード324に向かって進む。そして、アノード324に設けられた開口部を電子ビームが通過して、電子ビーム200が電子銃201から放出されることになる。
電子銃201(放出部)から放出された電子ビーム200は、電子レンズ211により例えばブランキング偏向器212内の中心高さ位置(所定の位置の一例)に収束させられ、収束点(クロスオーバー:C.O.)を形成する。そして、光軸方向に対して電子レンズ211よりも後側に配置されたブランキング偏向器212内を通過する際に、ブランキング用のDACアンプ122からの偏向信号によって制御されるブランキング偏向器212によって、ビームのON/OFFが制御される。言い換えれば、ブランキング偏向器212は、ビームONとビームOFFとを切り替えるブランキング制御を行う場合に、電子ビームを偏向する。光軸方向に対してブランキング偏向器212よりも後側に配置されたブランキングアパーチャ214(ブランキングアパーチャ部材)によって、ビームOFFの状態になるように偏向された電子ビームは遮蔽される。すなわち、ビームONの状態では、ブランキングアパーチャ214を通過するように制御され、ビームOFFの状態では、ビーム全体がブランキングアパーチャ214で遮へいされるように偏向される。ビームOFFの状態からビームONとなり、その後ビームOFFになるまでにブランキングアパーチャ214を通過した電子ビーム200が1回の電子ビームのショットとなる。ブランキング偏向器212は、通過する電子ビーム200の向きを制御して、ビームONの状態とビームOFFの状態とを交互に生成する。例えば、ビームONの状態では電圧0Vを印加し(或いは電圧を印加せず)、ビームOFFの際にブランキング偏向器212に数Vの電圧を印加すればよい。かかる各ショットの照射時間tで試料101に照射される電子ビーム200のショットあたりの照射量が調整されることになる。
以上のようにブランキング偏向器212とブランキングアパーチャ214を通過することによって生成された各ショットの電子ビーム200は、照明レンズ202により矩形の穴を持つ第1の成形アパーチャ203全体を照明する。ここで、電子ビーム200をまず矩形に成形する。そして、第1の成形アパーチャ203を通過した第1のアパーチャ像の電子ビーム200は、投影レンズ204により第2の成形アパーチャ206上に投影される。偏向器205によって、かかる第2の成形アパーチャ206上での第1のアパーチャ像は偏向制御され、ビーム形状と寸法を変化させる(可変成形を行なう)ことができる。かかる可変成形はショット毎に行なわれ、通常ショット毎に異なるビーム形状と寸法に成形される。そして、第2の成形アパーチャ206を通過した第2のアパーチャ像の電子ビーム200は、対物レンズ207により焦点を合わせ、主偏向器208及び副偏向器209によって偏向され、連続的に移動するXYステージ105に配置された試料101の所望する位置に照射される。言い換えれば、光軸方向に対してブランキングアパーチャ214よりも後側に配置された対物レンズ207により、ビームONの電子ビームを試料101上に結像する。図1では、位置偏向に、主副2段の多段偏向を用いた場合を示している。かかる場合には、主偏向器208でSF30の基準位置にステージ移動に追従しながら該当ショットの電子ビーム200を偏向し、副偏向器209でSF内の各照射位置にかかる該当ショットのビームを偏向すればよい。かかる動作を繰り返し、各ショットのショット図形を繋ぎ合わせることで、描画データに定義された図形パターンを試料に描画する。
実施の形態1では、選別された高輝度のカソード320を搭載しているので、所望の輝度で描画処理を行うことができる。
上述した例では、複数のカソードを製作して、その中から高輝度のカソード320を選択する場合について説明したが、カソードの製作数は少なくとも1つであれば構わない。2以上製作される場合には、上述した通りである。1つのカソードを製作した場合には、以下のようにすればよい。図1のカソード製作工程(S106)において、カソード本体30と、隙間50を設けてカソード本体30の側面21を覆うカバー部40とを有する製品用のカソード320を製作する。カソード320の製作方法は、上述した内容で良い。
半径(r)測定工程(S108)として、製品用に製作されたカソード320について、光学顕微鏡を用いて、カソード本体30(電子放出部材)の上面22の外径寸法(半径r)を測定する。
半径(r)測定工程(S110)として、製品用に製作されたカソード320について、光学顕微鏡を用いて、カソード本体30(電子放出部材)の上面22と同一面400での隙間50の外径寸法(半径r)を測定する。
なお、上面22の外径寸法(半径r)と隙間50の外径寸法(半径r)とを同時或いは同時期に測定すると効率的である点は上述した通りである。
面積比(R)演算工程(S112)として、製品用に製作されたカソード320に対して、同一面400での隙間50の面積をカソード本体30(電子放出部材)の上面22の面積で除した面積比Rを演算する。面積比Rは上述した式(9)を用いて求めればよい。
選択工程(S114)を取得工程(S114)と読み替えて、取得工程(S114)として、製作されたカソード320が上限値Rm以下の面積比Rを有するか否かを判定し、上限値Rm以下の面積比Rを有するカソードを取得する。その他の内容は、上述した内容と同様である。
以上、具体例を参照しつつ実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。選別されたカソードを搭載する電子ビーム装置は、描画装置に限るものではなく、電子顕微鏡等のその他の電子ビーム装置にも適用できる。
また、装置構成や制御手法等、本発明の説明に直接必要しない部分等については記載を省略したが、必要とされる装置構成や制御手法を適宜選択して用いることができる。例えば、描画装置100を制御する制御部構成については、記載を省略したが、必要とされる制御部構成を適宜選択して用いることは言うまでもない。
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全てのカソードの取得方法および電子ビーム描画装置は、本発明の範囲に包含される。
20 上部
21 側面
22 上面
30 カソード本体
31 外周側面
40 カバー部
41 上側カバー部
42 下側カバー部
43 上面
50 隙間
100 描画装置
101,340 試料
102 電子鏡筒
103 描画室
105 XYステージ
120 制御回路
122 DACアンプ
130 レンズ制御回路
150 描画部
160 制御部
200 電子ビーム
201 電子銃
202 照明レンズ
203,410 第1のアパーチャ
204 投影レンズ
205 偏向器
206,420 第2のアパーチャ
207 対物レンズ
208 主偏向器
209 副偏向器
211 電子レンズ
212 ブランキング偏向器
214 ブランキングアパーチャ
216 高さ調整機構
230 電子銃機構
320 カソード
321 陰極ホルダ
322 ウェネルト
324 アノード
330 電子線
400 面
411 開口
421 可変成形開口
430 荷電粒子ソース
510 描画領域
520 ストライプ領域
530 SF
552,554,556 ショット図形

Claims (6)

  1. 電子放出部材と、隙間を設けて前記電子放出部材の側面を覆うカバー部とを有する複数のカソードを製作する工程と、
    前記複数のカソードのカソード毎に、前記電子放出部材の上面の外径寸法を測定する工程と、
    前記複数のカソードのカソード毎に、前記電子放出部材の上面と同一面での前記隙間の外径寸法を測定する工程と、
    前記複数のカソードのカソード毎に、前記同一面での前記隙間の面積を前記電子放出部材の上面の面積で除した面積比を演算する工程と、
    輝度と前記面積比との相関関係を用いて、所望の輝度に対応する前記面積比の上限値を取得する工程と、
    製作された前記複数のカソードのうち、前記上限値以下の前記面積比を有するカソードを選択する工程と、
    を備えたことを特徴とするカソードの取得方法。
  2. 前記電子放出部材の材料として、六ホウ化ランタン(LaB)と六ホウ化セリウム(CeB)とのうち1つが用いられ、
    前記カバー部の材料として、カーボン(C)が用いられることを特徴とする請求項1記載のカソードの取得方法。
  3. 前記電子放出部材の上部は、円錐形状の先端を上面が平面になるように切り取った形状に形成されることを特徴とする請求項1又は2記載のカソードの取得方法。
  4. 選択対象のカソードには、前記同一面での前記隙間の外周形状と前記電子放出部材の上面形状とが同心円に形成されていないカソードが含まれることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のカソードの取得方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか記載のカソードの取得方法によって取得されたカソードが搭載された電子銃と、
    前記カソードから放出された電子ビームを用いて、試料にパターンを描画する描画部と、
    を備えたことを特徴とする電子ビーム描画装置。
  6. 電子放出部材と、隙間を設けて前記電子放出部材の側面を覆うカバー部とを有するカソードを製作する工程と、
    前記カソードの、前記電子放出部材の上面の外径寸法を測定する工程と、
    前記カソードの、前記電子放出部材の上面と同一面での前記隙間の外径寸法を測定する工程と、
    前記カソードの、前記同一面での前記隙間の面積を前記電子放出部材の上面の面積で除した面積比を演算する工程と、
    予め求めた輝度と前記面積比との相関関係を用いて、所望の輝度に対応する前記面積比の上限値を取得する工程と、
    製作された前記カソードが前記上限値以下の前記面積比を有するか否かを判定し、前記上限値以下の前記面積比を有するカソードを取得する工程と、
    を備えたことを特徴とするカソードの取得方法。
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