JP2015231923A - 水砕スラグの製造方法及び該方法によって得られた水砕スラグ - Google Patents

水砕スラグの製造方法及び該方法によって得られた水砕スラグ Download PDF

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Abstract

【課題】水砕スラグの製造工程において、簡便な方法で、循環水に含まれる微粒水砕スラグを粗粒水砕スラグと共に製品として回収することで、循環水中に含有される微粒の水砕を低減し、循環系内の配管、装置の磨耗を防止し、同時に循環水槽への堆積を減少させて、槽内清掃のために設備を停止する時間を減らして操業率を向上させること。
【解決手段】水砕樋を経て水砕槽内に溶融高炉スラグを導入する経路で、溶融高炉スラグに加圧水(冷却水)を吹き付けて急速冷却し、その後に、加圧水と分離して水砕スラグをとり出して水砕スラグを得る水砕スラグの製造方法において、前記経路の、溶融高炉スラグが前記水砕槽内に落下するまでの少なくともいずれかの地点で高分子凝結剤を添加することで、該高分子凝結剤を混合させ、前記水砕槽内で、スラグと水と高分子凝結剤とを共存させる水砕スラグの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、製鉄用高炉で発生する溶融高炉スラグを原料とする、コンクリート用やモルタル用の細骨材などに適する水砕スラグの製造方法の改良に関する。より詳細には、従来の水砕スラグの製造方法では、水砕スラグをとり出す際に水とともに分離除去されていた微細な水砕スラグ(例えば、直径1mm以下)を、簡便な手段で製品中に含ませることができ、循環使用されることが多い分離した水中における微細な懸濁物を格段に低減できる水砕スラグの製造方法、及び該方法によって得られた水砕スラグに関する。
高炉水砕スラグは、溶融高炉スラグ(以下、単に溶融スラグとも呼ぶ)に加圧水(高圧水)を吹き付け、溶融スラグを急速冷却するとともに、水砕槽内で水とスラグを撹拌することで直径5mm以下の粒状の水砕スラグを形成させ、その後、粒状化した水砕と、水とを分離し、水砕スラグを製品として回収している。そして、一般的には、溶融スラグを急冷するために用い、形成した水砕と分離された水は、冷却塔で冷却されて、ポンプで高圧水として再び溶融スラグに吹き付けられ、循環水として使用されている。
上記に対し、下記に述べるように、従来より、使用目的に適った水砕スラグ製品を効率よく得る方法が種々提案されている。例えば、特許文献1では、水砕を効率よく分級する方法を提案することで、得られる水砕スラグ製品を、その用途に、より適したサイズの細骨にすることができるとしている。また、特許文献2では、冷却水の温度を60〜80℃の範囲内とすることでで、効率よく粗粒の硬質水砕スラグを得ることができるとしている。また、特許文献3では、水砕用の冷却水として水溶性高分子を溶解した水を用いることで、安価に硬質水砕スラグを得ることができるとしている。
特許第3831693号公報 特開平11−236255号公報 特開平11−157888号公報
しかしながら、従来のいずれの水砕スラグの製造方法においても、溶融スラグから製造された水砕スラグには微細な水砕が含まれており、この微細な水砕は、水砕化後に、例えばフィルタを用いて粒状化した製品となる水砕スラグと水とを分離する場合、フィルタの網目(例えば、1mm程度)を通過する。このため、フィルタを介して水砕を分離して水砕スラグ製品を得る際に分離された水には、微細な水砕が含有されている。本発明者らの検討によれば、従来の水砕スラグの製造方法において、溶融スラグに高圧水として吹きかけられ、水砕化に利用された後に分離された水には、微細な水砕が50〜200mg/Lの程度の濃度で含まれている。
先に述べたように、水砕化に利用された後に分離された水は、通常、その後に冷却塔で冷却されて、再度、加圧水として循環使用されることが多い。これに対して、上記したように、循環水中には微細水砕が含有されることとなるため、水を循環使用している間に、循環水中に含まれる硬質の水砕が、配管、ポンプ、弁類などを磨耗させる。このため、水砕スラグの製造を安定して継続的に行うためには、配管、ポンプ、弁類などの定期的な設備補修が必要になる。
また、水砕化に利用した後に分離した水を循環使用した場合は特に、水中に含有されている微細な水砕が、分離した水を貯溜するための温水槽や、分離した水を冷却するための冷却塔や、該冷却塔で冷却した水を貯めるための冷水槽において堆積するという問題が生じている。このため、おおむね1ヶ月に一度程度、定期的な清掃が必要になっている。このような定期的な清掃を実施する際には、水砕設備を停止する必要が生じるが、このことが、水砕スラグ製造における生産量を低下させる原因となっている。また、先に述べたように、この分離された微細な水砕を含有する水を循環水として利用した場合には、冷却塔、ポンプ、高圧水配管などの設備の摩耗の原因となるので、定期的に水砕設備を停止させて、これらの設備を補修することが必要になる。さらに、水砕化に利用した後に分離された水を放流する際には、水に含まれている微細な水砕を除去する必要が生じる。いずれにしても、微細な水砕であるため、除去処理することは容易ではない。
そこで、本発明の目的は、上記した従来技術の問題点に鑑み、簡便な方法で、上記した種々の課題の要因となっている、溶融高炉スラグの水砕化に利用された後に、水砕スラグ製品と分離した水中に含有されることとなる微細な水砕を、簡便な方法で、できるだけ少なくできる技術を開発することにある。このような技術が確立できれば、温水槽や冷却塔や冷水槽などの定期的な清掃回数を低減することが実現でき、また、水を循環使用した場合に、循環水中に含まれる微細な水砕が低減されれば、冷却塔、ポンプ、高圧水配管などの設備の摩耗の発生を抑制することが可能になる。すなわち、本発明の目的は、炉前水砕方式や炉外水砕方式で水砕スラグを製造する際に、冷却水を循環使用した場合であっても、大規模な設備改造を伴わずに、配管やポンプ設備の整備作業や、使用する各種水槽の清掃作業を減らすことができる経済的な水砕スラグの製造方法を提供することである。さらに、本発明の目的は、このような経済的な水砕スラグの製造方法でありながら、製造される水砕スラグの品質を従来の方法で得られたものと遜色がないものとできる、実用性の高い水砕スラグの製造方法を提供することにある。
上記の目的は、下記の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、水砕樋を経て水砕槽内に溶融高炉スラグを導入する経路で、溶融高炉スラグに加圧水(冷却水)を吹き付けて急速冷却し、その後に、加圧水と分離して水砕スラグをとり出して水砕スラグを得る水砕スラグの製造方法において、前記経路の、溶融高炉スラグが前記水砕槽内に落下するまでの少なくともいずれかの地点で高分子凝結剤を添加することで、該高分子凝結剤を混合させ、前記水砕槽内で、スラグと水と高分子凝結剤とを共存させることを特徴とする水砕スラグの製造方法を提供する。
上記した構成からなる本発明の水砕スラグの製造方法の好ましい形態としては、下記のことが挙げられる。前記高分子凝結剤を添加することで、流速が0.5m/秒以上で、乱流状態で、水とスラグに、前記高分子凝結剤が混合されて共存する状態を生じていること;前記高分子凝結剤を、溶融高炉スラグに加圧水が吹き付けられる地点から、前記水砕槽入口又はスラグが前記水砕槽内に落下するまでの間のいずれかの地点で添加すること;さらに、前記溶融高炉スラグを急速冷却する際に用いた水を分離して水砕スラグをとり出す際に分離し、分離した水を冷却して前記加圧水として循環使用するように構成し、かつ、該循環水には、前記高分子凝結剤が添加されていてもよいことが挙げられる。
また、前記高分子凝結剤が、下記一般式(1)、下記一般式(2)で表されるモノマーのいずれか一方又は両方を必須成分として5モル%以上を含む原料モノマーから誘導されるカチオン性又は両性の共重合体を主成分としてなり、該共重合体の重量平均分子量とpH7におけるカチオンコロイド当量の2乗を乗じた値をNとした場合に、N値が500万〜6000万であることが挙げられる。より好ましいものとしては、さらに、重量平均分子量が200万〜1300万で、且つ、pH7におけるカチオンコロイド当量が0.7〜4.1であること、さらに、重量平均分子量が400万〜1300万で、且つ、pH7におけるカチオンコロイド当量が1.1〜3.5であることが挙げられる。



(上記式中の、R1、R2は、それぞれ独立にCH3又はC25を表し、R3は、H、CH3又はC25のいずれかを表す。X-は、アニオン性対イオンを表す。)
また、好ましい形態として、前記冷却水の流量を測定し、前記高分子凝結剤を、高分子凝結剤量(g−高分子凝結剤/hr)/冷却水流量(t−冷却水/hr)≧0.1となる範囲内の量で添加すること;前記溶融高炉スラグを水砕化する際の条件が、溶融高炉スラグに対する前記加圧水の量が、冷却水量(t−冷却水/hr)/溶融高炉スラグ流量(t−スラグ/hr)≧30となり、且つ、前記水砕槽内の水温が97℃未満となるようにすること、が挙げられる。
本発明では、別の実施形態として、いずれか1項に記載の水砕スラグの製造方法で製造した水砕スラグであって、前記高分子凝結剤で凝結された微細な水砕スラグを少なくとも含み、場合によっては凝結によって粒径が粗大になっていることを特徴とする水砕スラグを提供する。
本発明によれば、簡便な方法で、溶融高炉スラグの水砕化に利用した後に、水砕スラグ製品と分離した水中に含有される微細な水砕をできるだけ少なくでき、これによって、温水槽や冷却塔や冷水槽などの定期的な清掃回数を、従来に比べて格段に低減することができる水砕スラグの製造方法が提供される。また、本発明によれば、簡便な方法で、溶融高炉スラグの水砕化に利用した後に、水砕スラグ製品と分離した水中に含有される微細な水砕をできるだけ少なくできたことで、水を循環使用した場合に、循環水中に含まれる微細な水砕を低減でき、これにより、冷却塔、ポンプ、高圧水配管などの設備の摩耗の発生が抑制された水砕スラグの製造方法が提供される。上記したように、本発明によれば、炉前水砕方式で、冷却水を循環使用した場合であっても、大規模な設備改造を伴わずに、配管やポンプ設備の整備作業や、使用する各種水槽の清掃作業を減らすことができる、経済的な水砕スラグの製造方法の提供が可能になる。さらに、本発明によれば、このような経済的な水砕スラグの製造方法でありながら、製造される水砕スラグの品質は、従来の方法で得られたものと遜色がないので、その実用価値は極めて高いといえる。
溶融高炉スラグの急速冷却に用いる加圧水を循環使用する構成の本発明の水砕スラグの製造方法を示す製造フローの概略図である。 高分子凝結剤を混合させた本発明の実施例1の処理における、添加後1時間後に、冷水槽13からサンプリングした処理水の状態を示す写真の図である。 高分子凝結剤を添加しないで処理した場合における、冷水槽13からサンプリングした処理水の状態を示す写真の図である。
以下、好ましい実施の形態を挙げて本発明を詳細に説明する。本発明者らは、先に挙げた従来技術の課題について鋭意検討した結果、溶融高炉スラグを水砕化する際に、特殊な条件とすることなく、単に、高温の溶融高炉スラグに加圧水(高圧水)を吹き付けて急速冷却して水砕化させた場合、水砕スラグ製品と分離した水中に微細な水砕が多く混在する状態となることは避けられないことを確認した。すなわち、溶融高炉スラグを水砕化する際、高圧水を吹き付けることで粗粒(概ね1mm以上)の水砕だけを製造することは困難であり、生成時点や、もしくは水砕生成後の接触によって粗粒の一部が粉砕されるなどして、一定の比率で微粒(概ね1mm以下)の水砕が生成し、混在することになる。
本発明の水砕スラグの製造方法では、水砕樋を経て水砕槽に溶融高炉スラグを導入する経路で加圧水(高圧水)を吹き付けて溶融高炉スラグを水で急速冷却する際に、前記経路の、溶融高炉スラグが前記水砕槽内に落下するまでの少なくともいずれかの地点で高分子凝結剤を添加することで、該高分子凝結剤を混合させて、水砕槽内で、スラグと水と高分子凝結剤とを共存させることを特徴とする。本発明の水砕スラグの製造方法では、前記高分子凝結剤を添加した際に、流速が0.5m/秒以上で、乱流状態で、水とスラグに、前記高分子凝結剤が混合されて共存する状態を生じている。本発明者らの検討によれば、溶融高炉スラグに加圧水(高圧水)を吹き付けて水砕化する際に高分子凝結剤を共存させ、このように構成することで、分離される水中に含有される微細な水砕の量を格段に低減でき、前記した従来の種々の課題が一挙に解決できることがわかった。
本発明で規定する「高分子凝結剤を混合」させた状態としては、高分子凝結剤を添加して混合された状態で、該高分子凝結剤と水とスラグが、流速が0.5m/秒以上で、乱流状態で混合されるようにできれば、上記した本発明の顕著な効果をより安定して十分に得ることができるようになる。本発明者らの検討によれば、上記したような、高分子凝結剤と水とスラグが勢いよく混合し、これらが共存する状態は、従来より行われている炉前方式の水砕化において、下記の地点で高分子凝結体を添加することで達成できる。例えば、高分子凝結剤を、溶融高炉スラグに加圧水が吹き付けると同じ地点、或いは、その直後の地点から、水砕槽入口、或いは、水砕槽内にスラグが落下するまでの地点までの間における、いずれかの地点で添加すればよい。上記に挙げたいずれかの地点で高分子凝結材を添加すれば、高分子凝結剤と水とスラグが、流速が0.5m/秒以上で、乱流状態で、勢いよく混合されて共存する状態が生じ、その結果、本発明の顕著な効果を得ることができる。本発明者らの検討によれば、水砕槽内において、高分子凝結剤と水とスラグとが共存する状態になるようにしたとしても、例えば、静かな撹拌が行われている水砕槽内に高分子凝結材を静かに添加したとしても、本発明の顕著な効果を十分に安定して得ることはできない。先に述べたように、本発明でより重要なことは、高分子凝結剤を、勢いよく流れる水とスラグに混合させて共存させることにあり、このような混合状態とすることで、形成された微細な水砕は、粒状の水砕スラグに付着されて、網目状フィルタ等の分離手段を介してとり出される水砕スラグ製品を構成するものとなる。
本発明において好適な、高分子凝結剤と水とスラグが、流速が0.5m/秒以上で、乱流状態で、共存する状態を生じさせることが達成される、溶融スラグに高圧水を吹き付けると同時に高分子凝結剤を添加する簡便な方法としては、溶融スラグを急速冷却する際に用いた冷却水に高分子凝結剤を含有させることが挙げられる。また、水砕スラグをとり出す際に分離し、分離した水を冷却して、水砕のために用いる加圧水として循環使用するように構成する場合には、この循環水に高分子凝結剤を添加することで達成できる。勿論、溶融スラグに吹き付ける加圧水とは別に、高分子凝結剤を添加してもよい。本発明において重要な点は、高分子凝結剤を添加することで、高分子凝結剤をスラグと水に混合させ、その状態で溶融スラグの水砕化を行うことにある。
本発明者らの検討によれば、上記に挙げたようにすると、溶融高炉スラグと、該溶融高炉スラグを急速冷却するために吹き付けた高圧水と、添加した高分子凝結剤が、速やかに混合され、その結果、溶融高炉スラグが水砕化されて粗粒の水砕が形成されると同時に、この粗粒水砕に、微粒の水砕を付着させた水砕(以下、混合粗粒水砕)を形成させることができ、本発明の顕著な効果が得られることがわかった。すなわち、先に述べたように、溶融高炉スラグに高圧水を吹き付けて急速冷却して水砕化した場合に、微細な水砕の形成を避けることはできないが、本発明のように構成すれば、簡便な方法でありながら、形成された微細な水砕は、粗粒水砕に付着して混合粗粒水砕の一部となる。この混合粗粒水砕は、例えば、分離手段として目開きが1mmの網目状フィルタを用い、該フィルタで分離した際に、ほとんど全量がフィルタで補足され、水砕スラグ製品として分離される。この結果、これまでは、製品として使用するために、温水槽および冷水槽を浚渫して回収しなければならなかった微細な水砕の有効活用が簡単に達成される一方で、微細な水砕が分離した水の中に残留することによって生じる様々な課題が一挙に解決される。また、本発明者らの検討によれば、添加する高分子凝結剤は少量で十分であり、上記のようにして得られる混合粗粒水砕は、従来の水砕スラグと同様に、何ら遜色なく使用することができるものになる。
本発明の効果は、下記に述べるように、従来の方法で水砕化した場合に比べて、目視によって明確に認められる極めて顕著なものである。具体的には、本発明の製造方法で水砕スラグを製造した場合は、分離した水の中に残留する微粒の水砕の量は格段に低減され、分離した水を目視すると透き通った状態になる。これに対し、高分子凝結剤を添加しない場合、或いは、目視した場合に濁った状態になるので、その違いは極めて明瞭である。より具体的には、分離した水中の微細の水砕スラグの濃度は、高分子凝結剤を添加しない場合は、50〜200mg/L程度であったのに対して、5〜50mg/L程度に低下させることができることを確認した。処理水の濁度で表現すれば、高分子凝結剤を添加しない場合は、濁度が25〜30度と濁っていたのに対し、高分子凝結剤を本発明で規定するようにして添加した場合は、濁度が5度程度の清澄なものにできることを確認した(図2参照)。
このように、本発明の水砕スラグの製造方法によれば、網目状フィルタ等の分離手段を用いて水砕スラグをとり出した際の分離された水中における微細の水砕スラグの含有量を格段に低減できるため、この水を循環使用した場合に、微細の水砕スラグによって生じていた、配管やポンプなどの磨耗を大幅に低下させることができる。この結果、これらの整備作業の低減が可能になり、ランニングコストの低減させることができる。
また、本発明の水砕スラグの製造方法によれば、分離手段を介して水砕スラグをとり出した際の分離された水中における微細の水砕スラグの含有量を格段に低減できるため、温水槽、冷却塔、冷水槽などにおける水砕スラグの堆積を大幅に低下させることができる。この結果、清掃作業の低減が可能になり、ランニングコストの低減させることができる。
以下に、本発明の水砕スラグの製造方法の詳細について、その一例を示す図面を参照して説明するが、本発明の方法は、水砕樋(スラグ樋)から水砕槽内に落下するまでの少なくともいずれかの地点で高分子凝結剤を添加して、少なくとも水砕槽内でスラグと水と高分子凝結剤とを共存(混合)させるようにしたこと以外は、基本的には従来の水砕スラグの製造方法と同様でよい。図1は、高炉から排出された溶融スラグをそのまま水砕化する炉前方式の水砕設備を示す模式的な概略図である。なお、この他、高炉から排出された溶融スラグを一旦スラグ鍋に受け入れた後、水砕化する炉外方式もあるが、本発明の製造方法は、この方式にも適用可能である。しかし、先に述べたように、特に炉前方式の水を循環使用する水砕スラグの製造方法に適用した場合に、より多くの効果が得られる。
図1において、1は高炉、2は溶融高炉スラグの出銑口であり、3は溶融高炉スラグの出銑樋であり、4は水砕樋である。溶融高炉スラグの出銑口2から出た溶融高炉スラグは出銑樋3を流れていき、水砕樋4を経て、図1中に8で示した水砕槽に入る。図示した例では、その際に、水砕樋4を流れる溶融高炉スラグに、加圧水(冷却水)の噴射ノズル5から冷却水6を吹き付けて、溶融高炉スラグを急速冷却する炉前方式の製造方法である。出銑口から出た溶融高炉スラグの温度は1000℃以上あるが、出銑樋3から水砕樋4に落下する地点で70℃程度の温度の冷却水が吹き付けられ急速冷却され、その状態で水砕樋4を流れていき、水とスラグが水砕槽8に導入されて撹拌されて水砕化が十分になされる。図示した例では、上記した冷却水6を吹き付けるのとほぼ同じ地点に、高分子凝結剤添加装置20から高分子凝結剤を添加するように構成されている。添加された高添加分子凝結剤は、溶融高炉スラグと冷却水とともに水砕樋4を勢いよく流れて、激しく撹拌されながら水砕槽8内に勢いよく落とし込まれる。その後に水砕槽8内で撹拌されて、スラグと水に、高分子凝結剤が勢いよく混合されて、共存する状態になる。なお、図中の7は、水蒸気を抜くための煙突である。
図示した例では、上記のようにして得た、溶融高炉スラグを水で急冷することで水砕化された水砕化スラグを含む水砕槽8内の内容物を、円筒状のフィルタ10aを有する回転水切り装置10で、フィルタ上に残る一定の大きさの水砕スラグと、フィルタ10aの網目を通過する微細な水砕スラグと水とに分離する。フィルタ10a上に残り分離された水砕スラグは、製品ホッパ15までベルトコンベア12で輸送されて、水砕スラグ製品となる。一方、分離された水等は、温水槽9に貯溜される。この温水槽9内の水温は90〜97℃程度である。図示した例では、温水槽9内の水を温水槽ポンプ17で冷却塔14に送り、該冷却塔14で水温が70℃程度となるまで下げて冷却水として、再使用するように構成されている。具体的には、冷水槽13に冷却水を溜め、これをポンプ18で送り、19の冷却水流量計で圧を調整しながら、先に述べたと同様にして、再度、溶融高炉スラグに吹き付けて再利用する。
本発明の水砕スラグの製造方法を、実際の溶融高炉スラグに適用した場合、水砕スラグの製造量は3000t/day程度であり、この場合に使用する冷却水の量は43000t/day〜58000t/dayである。この場合に使用する本発明を特徴づける高分子凝結剤の使用量としては、例えば、冷却水中に2mg/L以上となる量で添加すれば本発明の効果が得られる。より好ましくは、4mg/L以上とすれば、より顕著な効果が安定して得られ、分離された水は、濁りがなく透明度の高いものになる。高分子凝結剤を多く含有させてもよいが、薬剤コスト等を考慮すると、10mg/L以内の濃度で使用することが好ましい。本発明者らの検討によれば、高分子凝結剤の添加量を増加させることで、分離した水中の微粒の水砕の濃度を10mg/L以下にすることも可能である。このようにすることで、温水槽9に貯溜されるものは、高温で、非常に清澄な温水となる。温水の温度は、先にも述べたように、90〜97℃程度である。
本発明者らは、さらなる展開として、上記のようにして得られる高温水は清澄であることから、冷却塔14に送る前に、熱交換器を装備することにより特別な前処理装置を設置することなしに高温水より容易に熱回収が可能であると考えており、これによって省エネ効果を獲得することもできる。具体的には、本発明で得られる清澄な高温水を小型のバイナリー発電に利用する等の展開が考えられる。これにより、エネルギーの有効利用が実現されると同時に、冷却塔14に導入する水の温度を低下できるため、冷却塔への負荷が低減して、この点でも、さらに省エネ効果が期待できる。
本発明の水砕スラグの製造方法で好適に使用できる高分子凝結剤の具体的なものとしては、下記のものが挙げられる。
本発明で使用する高分子凝結剤としては、特に限定されず、例えば、アクリル系、ポリアミン系、およびジアリルアンモニウム系の化合物から選ばれる高分子凝結剤を用いることができる。本発明者らの検討によれば、特に、下記に挙げる高分子凝結剤を用いれば、より顕著な効果が得られる。具体的には、下記一般式(1)、下記一般式(2)で表されるモノマーのいずれか一方又は両方を必須成分として5モル%以上を含む原料モノマーから誘導されるカチオン性又は両性の共重合体を主成分としてなり、該共重合体の重量平均分子量とpH7におけるカチオンコロイド当量の2乗を乗じた値をNとした場合に、N値が500万〜6000万であるものを用いることが有効である。
(上記式中の、R1、R2は、それぞれ独立にCH3又はC25を表し、R3は、H、CH3又はC25のいずれかを表す。X-は、アニオン性対イオンを表す。)
本発明で高分子凝結剤として利用することができる上記したカチオン性又は両性の共重合体は、上記式(1)及び/又は(2)で表されるモノマーを5モル%以上含む原料モノマーから誘導できるが、具体的な合成方法としては、カチオン性の共重合体については、先に挙げた特許文献4に記載の合成方法が利用できる。また、両性の共重合体は、例えば、特許第3352835号公報に記載されているように、上記式(1)及び/又は(2)で表されるカチオン性モノマーに、その他のモノマーとしてイタコン酸やアクリル酸等のアニオン性モノマーを適宜混合して原料モノマーとすることで、同様の方法で得ることができる。
上記式(1)で示されるモノマーの代表的なもとしては、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド、ジメチルアミノエチルアクリレートの塩酸塩等が挙げられる。また、式(2)で示されるモノマーの代表例としては、アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロリドが挙げられる。これらのモノマーと共重合可能な他のモノマーとしては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
本発明者らは、上記したような原料モノマーから得られる高分子凝結剤について詳細に検討した結果、本発明の目的を、より高レベルで安定して達成させるためには、上記したような原料モノマーから得られるカチオン性又は両性の共重合体が、下記の要件を満たすものであることが好ましいことを見出した。具体的には、上記した原料モノマーから誘導される共重合体の中でも、前記した一般式(1)、一般式(2)で表されるモノマーのいずれか一方又は両方を必須成分として5モル%以上を含む原料モノマーから誘導されるカチオン性又は両性の共重合体を主成分としてなり、該共重合体の重量平均分子量とpH7におけるカチオンコロイド当量の2乗を乗じた値をNとした場合に、N値が500万〜6000万である高分子凝結剤を用いることが好ましい。更に、この範囲内のものの中でも、重量平均分子量が200万〜1300万で、且つ、pH7におけるカチオンコロイド当量が0.7〜4.1であるもの、更には、重量平均分子量が400万〜1300万で、且つ、pH7におけるカチオンコロイド当量が1.1〜3.5であるものを使用した場合に、より顕著な効果が得られる。本発明のより顕著な効果が期待できる高分子凝結剤の範囲を、共重合体の重量平均分子量とカチオンコロイド当量の兼ね合いを示すN値でいえば、1500万〜5500万程度である。
本発明で使用する高分子凝結剤の重量平均分子量が小さ過ぎると、微細な水砕を粗粒水砕に付着させる効果が十分に得られない場合があり、一方、重量平均分子量が大き過ぎる場合は、その粘度が上昇して、使用し難くなるので好ましくない。本発明で使用するカチオンコロイド当量値は、有機凝集剤中のカチオン密度、すなわち、カチオン性を示す官能基の量を示すものである。本発明におけるカチオンコロイド当量値は、コロイド滴定法(ポリビニル硫酸カリウム溶液で滴定する方法)により有機凝集剤中の有効成分1グラムあたりのカチオンコロイド当量値を測定した値である。また、重量平均分子量は、ポリスチレン換算によるGPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ)法によって測定した値である。
上記に例示した高分子凝結剤は、カチオン性又は両性のものであるが、本発明はこれに限定されるものでなく、アニオン性やノニオン性の高分子凝結剤を使用することもできる。
以下、実施例及び従来例に基づいて本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
先に説明した図1に示した、実際の溶融高炉スラグの炉前方式の水砕スラグの製造に本発明を適用して、その効果を確認した。具体的には、本実施例では、高分子凝結剤添加装置20を用い、水砕樋の上流側を流れるスラグと冷却水中に、高分子凝結剤が4mg/Lとなる濃度となるように添加した。このため、高分子凝結剤は、スラグと冷却水に勢いよく混合されることになる。また、分離した水は、冷却塔14で冷却して、冷水槽13を介して循環使用した。その際に使用した高分子凝結剤としては、前記した一般式(1)及び(2)で表される2種類のモノマーを必須成分として、それぞれ20モル%ずつ含む原料モノマーから誘導した、アクリルアミド/[2−(アクリロイルオキシ)エチル]ベンジルジメチルアンモニウム・クロリド/[2−(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウム・クロリド共重合体(モル比=60/20/20)を主成分とするカチオン性のものを用いた。その重量平均分子量は1100万であり、pH7におけるカチオンコロイド当量値が0.6〜2.1meq/g程度であるものを用いた。N値は、396万〜4851万となる。
上記した条件で水砕スラグを製造したが、本発明の効果を検証するため、分離した水を冷却後に溜めた冷水槽13中の水の水質を調べた。具体的には、冷水槽13中の冷却水の懸濁物濃度(SS)を測定した。具体的には、実験開始前の冷水槽13中の水のSSを測定し、さらに、実験開始後、1、2、5、6時間後の各時点で、冷水槽13の入り口と出口で水をサンプリングして、それぞれのサンプルについてSSを測定した。表1に、その結果を示した。
実験開始前の冷水槽13の入口と出口でサンプリングした水のSS値は、実験を実機で行ったため、通常の製造方法で使用されている冷却水には、この程度の懸濁物質が含有されていることを示す従来例のものとなっている。具体的には、冷水槽13の入口でサンプリングされた水は、水砕化に使用された後、網目状フィルタを介して分離され、その後に冷却されたものである。表1に示されているように、冷水槽13の入口でサンプリングした水のSSが120mg/Lであったのに対し、冷水槽13の出口でサンプリングした水のSSは24mg/Lであり、冷水槽13に貯溜されている間にSSが多く槽内に堆積したことがわかる。また、冷却水中にも多くのSSが含有されていることが確認された。
これに対し、高分子凝結剤を4mg/Lの濃度となるように添加混合して、水砕スラグを製造する実施例では、表1に示したように、実験開始後、1、2、5、6時間後の各時点でサンプリングしてSSを測定した結果、冷水槽13の入口では、SSは、12〜24mg/Lで推移し、冷水槽13の出口では、3〜7mg/Lで推移した。従来例における冷水槽13の入口でサンプリングした水のSS値は120mg/Lであったことから、実施例によれば、分離された水中の微細な水砕の含有量が格段に低減できることが確認された。さらに、従来例における冷水槽13の出口でサンプリングした水のSS値は24mg/Lであり、従来例では、100mg/Lに及ぶ程度の多くのSSが冷水槽13に堆積していると考えられたのに対し、実施例では、多くても17mg/Lであり、その堆積量が格段に低減できることが確認された。
[実施例2]
実施例1で行ったと同一設備で一週間(7日間)の連続試験を実施した。実施した際における水砕製造量は3000t/day、冷却水量は43000〜58000t/dayであった。これに対して、本実施例では、実施例1で行ったと同様の高分子凝結剤を用いたが、その添加量を2mg/Lとして実施例1の場合よりも少なくし、さらに、その添加を、冷水槽13から出た溶融スラグに吹きかける前の冷却水に行った。また、4日目までは冷却水中に2mg/Lの濃度で高分子凝結剤を添加したが、その後は、冷却水中に高分子凝結剤を添加するのを止めて通常の運転に戻して水砕スラグを製造した。表2に、上記した条件下で行った連続試験で得られた結果を示した。
表2に示したように、従来例である実験前の冷水槽の入口および出口でサンプリングした水中のSSは、140〜160mg/Lで推移していた。これに対し、高分子凝結剤を2mg/Lとなるように冷却水に添加して製造した場合は、SS値は、44〜120mg/Lであり、従来例で行った場合と比較して明らかに減少した。また、4日目以降に高分子凝結剤の添加を止めた従来例の状態で運転を続けた結果、7日目には、SSは180〜190mg/Lに戻ることが確認された。表1と表2の結果から、高分子凝結剤の添加量を2mg/Lとした本実施例の場合よりも、4mg/Lとした場合の方が、より顕著な効果が安定して得られることがわかった。
[実施例3]
使用する高分子凝結剤を、前記した一般式(1)で表されるモノマーを必須成分として含む原料モノマーから誘導した、アクリルアミド/アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム・クロリド共重合体を主成分とするカチオン性のものを用いた以外は、実施例1と同様の試験を行った。使用した共重合体の重量平均分子量は800万であり、pH7におけるカチオンコロイド当量値が1.0〜2.1meq/gであるものを用いた。N値は、800万〜3528万となる。その結果、実施例1の場合よりも、より速やかに冷水槽13中の水が清澄になることが確認できた。
本発明によれば、極めて簡便な方法で、溶融高炉スラグの水砕化に利用した後に、水砕スラグ製品と分離した水中に含有される微細な水砕をできるだけ少なくでき、これによって、温水槽や冷却塔や冷水槽などの定期的な清掃回数が格段に低減され、また、溶融高炉スラグの水砕化の後に、水砕スラグ製品と分離した水を循環使用した場合に、循環水中に含まれる微細な水砕を格段に低減できるため、冷却塔、ポンプ、高圧水配管などの設備の摩耗の発生が抑制でき、これらの整備作業を減らすことができるので、従来の方法に比べて、経済的な水砕スラグの製造方法の実現が可能になる。さらに、本発明によれば、このような経済的な水砕スラグの製造方法でありながら、製造される水砕スラグの品質は、従来の方法で得られたものと遜色がないので、その実用価値は極めて高いといえる。さらに、本発明の技術の今後の活用例として、本発明で水砕化に用いた水は、従来にない、清澄で高温な水であることから、冷却塔に送る前に、熱交換器を装備することにより容易に熱回収が可能であるので、エネルギーの有効利用が期待できる。また、これと同時に、冷却塔に導入する水の温度を低下できるため、冷却塔への負荷が低減するので、この点からも省エネ効果が期待でき、その経済的価値は極めて大きく、その実施化が期待される。
1:高炉
2:溶融高炉スラグの出銑口
3:出銑樋
4:水砕樋
5:噴射ノズル
6:冷却水
7:煙突
8:水砕槽
9:温水槽
10:回転水切り装置
10a:フィルタ
12:ベルトコンベア
13:冷水槽
14:冷却塔
15:製品ホッパ
17、18:ポンプ
19:冷却水流量計
20:高分子凝結剤添加装置

Claims (8)

  1. 水砕樋を経て水砕槽内に溶融高炉スラグを導入する経路で、溶融高炉スラグに加圧水(冷却水)を吹き付けて急速冷却し、その後に、加圧水と分離して水砕スラグをとり出して水砕スラグを得る水砕スラグの製造方法において、
    前記経路の、溶融高炉スラグが前記水砕槽内に落下するまでの少なくともいずれかの地点で高分子凝結剤を添加することで、該高分子凝結剤を混合させ、前記水砕槽内で、スラグと水と高分子凝結剤とを共存させることを特徴とする水砕スラグの製造方法。
  2. 前記高分子凝結剤を添加することで、流速が0.5m/秒以上で、乱流状態で、水とスラグに、前記高分子凝結剤が混合されて共存する状態を生じている請求項1に記載の水砕スラグの製造方法。
  3. 前記高分子凝結剤を、溶融高炉スラグに加圧水が吹き付けられる地点から、前記水砕槽入口又はスラグが前記水砕槽内に落下するまでの間のいずれかの地点で添加する請求項1又は2に記載の水砕スラグの製造方法。
  4. さらに、前記溶融高炉スラグを急速冷却する際に用いた水を、水砕スラグをとり出す際に分離し、分離した水を冷却して前記加圧水として循環使用するように構成し、かつ、該循環水には、前記高分子凝結剤が添加されていてもよい請求項1〜3のいずれか1項に記載の水砕スラグの製造方法。
  5. 前記高分子凝結剤が、下記一般式(1)、下記一般式(2)で表されるモノマーのいずれか一方又は両方を必須成分として5モル%以上を含む原料モノマーから誘導されるカチオン性又は両性の共重合体を主成分としてなり、該共重合体の重量平均分子量とpH7におけるカチオンコロイド当量の2乗を乗じた値をNとした場合に、N値が500万〜6000万である請求項1〜4のいずれか1項に記載の水砕スラグの製造方法。
    (上記式中の、R1、R2は、それぞれ独立にCH3又はC25を表し、R3は、H、CH3又はC25のいずれかを表す。X-は、アニオン性対イオンを表す。)
  6. 前記冷却水の流量を測定し、前記高分子凝結剤を、高分子凝結剤量(g−高分子凝結剤/hr)/冷却水流量(t−冷却水/hr)≧0.1となる範囲内の量で添加する請求項1〜5のいずれか1項に記載の水砕スラグの製造方法。
  7. 前記溶融高炉スラグを水砕化する際の条件が、溶融高炉スラグに対する前記加圧水の量が、冷却水量(t−冷却水/hr)/溶融高炉スラグ流量(t−スラグ/hr)≧30となり、且つ、前記水砕槽内の水温が97℃未満となるようにする請求項1〜6のいずれか1項に記載の水砕スラグの製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の水砕スラグの製造方法で製造した水砕スラグであって、前記高分子凝結剤で凝結された微細な水砕スラグを少なくとも含み、場合によっては凝結によって粒径が粗大になっていることを特徴とする水砕スラグ。
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