JP2015231703A - 成形品の製造方法及び射出成形用金型 - Google Patents
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Abstract
【課題】機械強度を向上させる為ガラス繊維等で強化した補強シートのインサート材を用いた射出圧縮成形において、射出時の射出圧により補強シートに変形、破損等がない成形品の製造方法及び射出成形用金型の提供。【解決手段】強化繊維からなるクロスに熱可塑性樹脂Aを含浸してなる補強シート1を、成形金型4,5内にインサートし、その後、熱可塑性樹脂B2をゲート6から成形金型内4,5に射出する射出工程、次いで、熱可塑性樹脂B2を成形金型4,5内に充填し圧縮する工程を有し、補強シート1と熱可塑性樹脂B2を一体化する製造方法において、成形金型4,5内には、ゲート6に略対向した位置の型閉め方向に圧接可能な可動ピン3が設けてあり、可動ピン3と、可動ピン3に対向する金型の表面とにより、補強シート1を狭持しており、射出された熱可塑性樹脂B2が補強シート1とゲート6に対向した金型面との間の空間に充填される成形品の製造方法。【選択図】図1
Description
本発明は、繊維強化熱可塑性樹脂からなる成形品の製造方法及び射出成形用金型に関し、特に補強シートをインサート(挿入)する成形品の製造方法に関する。
構造用部材は、その要求強度に応じて、材質、肉厚が適正に選択される必要があるが、軽量化要求が高い分野では、無駄な重量を省くために部分補強が有効な場合が多い。例えば板金の溶接で構造体を製造する場合は、必要な部分だけを補強するために、細かな補強用部品の溶接で軽量化が図られることがある。一方、形状自由度の高い樹脂成形品の場合は、偏肉やリブ補強といった部分補強は容易ではあるが、これらの部分補強のみでは元の素材強度が低いため、更に強度を上げる必要がある。そこで強度向上のため補強部材をインサートする工法が取られてきた。このように軽量化が求められる構造用部材においては部分補強の工夫がなされてきており、とりわけ樹脂材料による高強度化が有効なパソコン、家電製品、医療機器、自動車部品等の分野ではインサートによる部分補強が頻繁に用いられてきた。
従来より、高強度が求められる樹脂製品の場合、一般にガラス、カーボン等の強化繊維を複合させた材料を用い、射出成形、プレス成形等を行うことで、高強度な製品を製造してきた。これらに用いられる強化繊維は、繊維長が長いほど複合材料の衝撃特性が高いため、特に金属に代替するような高強度分野においては連続強化繊維を用いることがある。しかし、連続強化繊維を用いた成形や加工は不連続の短繊維強化材料に比べて変形自由度が低いために単工程での賦形ができず生産性が低いという問題があった。
そこで連続繊維強化材料に予め樹脂を含浸させた材料(以後補強シートと称する)を補強材とし、この補強シートを金型内に配設し、樹脂材料で射出や圧縮成形を行うことで部分補強された成形品を得るという方法が取られてきた。しかし射出成形の場合は、高い射出圧力がインサートした補強シートに加わるために十分な固定がないと補強シートの位置ずれ、変形、破損等を発生させてしまう。
射出成形における、インサートした補強シートの固定方法としては、予め補強シートに突形状を設けておき、金型に設けた凹形状に嵌め合わせ固定する方法が知られている(例えば特許文献1参照)。
しかしながらこの方法では、製造工数の増加や製品として部分的に突形状が残るか、もしくは孔形状が残ってしまう等の問題があり、多用することは製品形状の自由度を阻害してしまい実用的ではない。
本発明はかかる状況に鑑みなされたもので、機械強度を向上させるためガラス繊維等で強化した補強シートのインサート材を用いた射出圧縮成形において、射出時の射出圧により補強シートに変形、破損等がないようにする成形品の製造方法及び射出成形用金型を提供することを目的とする。
本発明は、以下に関する。
(1)強化繊維からなるクロスに熱可塑性樹脂Aを含浸してなる補強シートを、成形金型内にインサート(挿入)し、その後、成形樹脂として熱可塑性樹脂Bをゲートから成形金型内に射出する射出工程、次いで、前記熱可塑性樹脂Bを成形金型内に充填し圧縮する工程を有し、前記補強シートと前記熱可塑性樹脂Bを一体化する複合成形品の製造方法において、前記成形金型内には、ゲートに略対向した位置の型閉め方向に圧接可能な可動ピンが設けてあり、射出工程では、前記可動ピンと、前記可動ピンに対向する金型の表面とにより、インサートした前記補強シートを狭持しており、射出された熱可塑性樹脂Bが補強シートの開口部を通り、補強シートとゲートに対向した金型面との間の空間に充填される成形品の製造方法。
(2)前記可動ピンの突当面先端に、中心から外周方向に貫通する溝が設けてある(1)に記載の成形品の製造方法。
(3)前記可動ピンの突当面先端に、突起部が設けてある(1)に記載の成形品の製造方法。
(4)前記可動ピンが、圧縮工程の開始と同時又は圧縮工程の途中で作動して金型内に収まる(1)〜(3)いずれかに記載の成形品の製造方法。
(5)前記可動ピンが、成形金型内に複数設けてあり、射出された熱可塑性樹脂Bが、複数の前記可動ピン間の空隙を通り、補強シートとゲートに対向した金型面との間の空間に充填される(1)〜(4)いずれかに記載の成形品の製造方法。
(6)熱可塑性樹脂Bを射出するゲートが、突起状である(1)〜(5)いずれかに記載の成形品の製造方法。
(7)成形樹脂を射出するゲートを設けた金型と、前記ゲートに略対向した位置の型閉め方向に圧接可能な可動ピンが設けてある金型とを備えた、射出成形用金型。
(8)前記可動ピンの突当面先端に、中心から外周方向に貫通する溝が設けてある(7)に記載の射出成形用金型。
(9)前記可動ピンの突当面先端に、突起部が設けてある(7)に記載の射出成形用金型。
(1)強化繊維からなるクロスに熱可塑性樹脂Aを含浸してなる補強シートを、成形金型内にインサート(挿入)し、その後、成形樹脂として熱可塑性樹脂Bをゲートから成形金型内に射出する射出工程、次いで、前記熱可塑性樹脂Bを成形金型内に充填し圧縮する工程を有し、前記補強シートと前記熱可塑性樹脂Bを一体化する複合成形品の製造方法において、前記成形金型内には、ゲートに略対向した位置の型閉め方向に圧接可能な可動ピンが設けてあり、射出工程では、前記可動ピンと、前記可動ピンに対向する金型の表面とにより、インサートした前記補強シートを狭持しており、射出された熱可塑性樹脂Bが補強シートの開口部を通り、補強シートとゲートに対向した金型面との間の空間に充填される成形品の製造方法。
(2)前記可動ピンの突当面先端に、中心から外周方向に貫通する溝が設けてある(1)に記載の成形品の製造方法。
(3)前記可動ピンの突当面先端に、突起部が設けてある(1)に記載の成形品の製造方法。
(4)前記可動ピンが、圧縮工程の開始と同時又は圧縮工程の途中で作動して金型内に収まる(1)〜(3)いずれかに記載の成形品の製造方法。
(5)前記可動ピンが、成形金型内に複数設けてあり、射出された熱可塑性樹脂Bが、複数の前記可動ピン間の空隙を通り、補強シートとゲートに対向した金型面との間の空間に充填される(1)〜(4)いずれかに記載の成形品の製造方法。
(6)熱可塑性樹脂Bを射出するゲートが、突起状である(1)〜(5)いずれかに記載の成形品の製造方法。
(7)成形樹脂を射出するゲートを設けた金型と、前記ゲートに略対向した位置の型閉め方向に圧接可能な可動ピンが設けてある金型とを備えた、射出成形用金型。
(8)前記可動ピンの突当面先端に、中心から外周方向に貫通する溝が設けてある(7)に記載の射出成形用金型。
(9)前記可動ピンの突当面先端に、突起部が設けてある(7)に記載の射出成形用金型。
このように、本発明によれば、機械強度を向上させるためガラス繊維等で強化した補強シートのインサート材を用いた射出圧縮成形において、インサートする補強シートを金型に固定、位置決めするために、吸引機構を設けたり、突起部材を凸設したりといった特別な前加工を施すことなく、インサートした補強シートを、可動ピンで狭持することのみで金型の所定位置に固定、位置決めし、かつ射出時の射出圧により補強シートに変形、破損等がない成形品の製造方法及び射出成形用金型を提供することができる。
以下、本発明の成形品の製造方法及び射出成形用金型について、図面を用いながら説明する。
図1は本発明の可動ピンに樹脂流路となる溝を設けた場合の射出圧縮成形の模式図である。(a)は射出した直後(b)は圧縮時の模式図を表す。
インサートした補強シート1は可動ピン3により狭持されゲート側金型5の所定位置に位置決め、固定されている。可動ピン3により狭持していることで、ゲート部6での強い射出圧に対し補強シート1の保持を可能としている。
可動ピン3とこれと対向するゲート側金型5によりインサートした補強シート1を狭持することにより、インサート材を用いた射出成形ではゲート6付近を可動ピン3で押さえていない場合に生じる、高い射出圧により補強シート1が移動してしまい、位置ずれや変形を起こしたり、射出樹脂(成形樹脂)2に沿って補強シート1が膨れたりする等の問題が発生しない。
そして、補強シート1が金型内にしっかりと固定されていなければ、位置ずれを起こし補強効果に偏りが生じてしまい、その結果、成形品の強度にもばらつきが発生し安定した品質の製品の生産できなくなるが、可動ピン3とこれと対向するゲート側金型5によりインサートした補強シート1を狭持することにより、成形品の強度にばらつきも発生せず、安定した品質の製品の生産が可能となる。
可動ピン3とこれと対向するゲート側金型5によりインサートした補強シート1を狭持することにより、インサート材を用いた射出成形ではゲート6付近を可動ピン3で押さえていない場合に生じる、高い射出圧により補強シート1が移動してしまい、位置ずれや変形を起こしたり、射出樹脂(成形樹脂)2に沿って補強シート1が膨れたりする等の問題が発生しない。
そして、補強シート1が金型内にしっかりと固定されていなければ、位置ずれを起こし補強効果に偏りが生じてしまい、その結果、成形品の強度にもばらつきが発生し安定した品質の製品の生産できなくなるが、可動ピン3とこれと対向するゲート側金型5によりインサートした補強シート1を狭持することにより、成形品の強度にばらつきも発生せず、安定した品質の製品の生産が可能となる。
射出成形用金型(又は成形金型)は、図1に示すように、成形樹脂2を射出するゲート6を設けたコア型金型5と、前記ゲート6に略対向した位置の型閉め方向に圧接可能な可動ピン3が設けてあるキャビティ型金型4とを備えている。なお、ゲート6に略対向した位置とは、ゲート6直上、又は、ゲート6の周囲である。可動ピン3が、ゲート6の直上に位置した場合は、可動ピン3によりゲート6が塞がれた形となるため、可動ピン3の突当面先端は、成形樹脂2の流れ(流動)を塞がない形状とする。成形樹脂2の流れ(流動)を塞がない形状としては、成形樹脂2の流れ(流動)を塞がない機能を有していれば、特に限定しないが、可動ピン3の突当面先端に、中心から外周方向に貫通する溝を設けてもよく、あるいは、突起部を設けてもよい。
補強シート1を狭持する可動ピン3は1本でもよい。補強シート1に開口部7を設けることにより、可動ピン3が1本でも、射出時の射出圧による補強シート1の位置ずれや変形を防止している。なお、可動ピン3が1本の場合は、固定箇所(狭持箇所)が1箇所であるため、成形品に残る、可動ピン3による孔形状が目立ち難いなど外観上好適な点もあり、また、可動ピン3を金型に1本設置する方が、可動ピン3を金型に複数設置するよりは、作業的にも、技術的にも容易である。
射出された成形樹脂2は、補強シート1のゲート6に略対向した位置に設けた開口部7及び可動ピン3の突当面先端の中心から外周方向に貫通する空隙を通り、補強シート1と平行方向に流動することができる。
また、成形金型内では、ゲート6に略対向した位置の型閉め方向に圧接可能な可動ピン3が設けてある。ゲート6に略対向した位置とは、ゲート6直上、又は、ゲート6の周囲であり、可動ピン3が、ゲート6の直上に位置した場合は、可動ピン3によりゲート6が塞がれた形となる。
図3又は図5に示したように、可動ピン3の突当面先端に、突起部11、又は、溝9が設けてある場合、可動ピン3により、ゲート6が塞がれても、可動ピン3の突当面と、ゲート6の間に隙間が生じるため、この隙間が、可動ピン3の突当面先端の中心から外周方向に貫通する空隙となる。なお、可動ピン3がゲート6の周囲に設けられている場合でも同様に、可動ピン3の突当面先端に、突起部11、又は、溝9が設けてあれば、可動ピン3の突当面と、補強シート1の間に隙間が生じ、それが可動ピン3の突当面先端の中心から外周方向に貫通する空隙となる。
また、成形金型内では、ゲート6に略対向した位置の型閉め方向に圧接可能な可動ピン3が設けてある。ゲート6に略対向した位置とは、ゲート6直上、又は、ゲート6の周囲であり、可動ピン3が、ゲート6の直上に位置した場合は、可動ピン3によりゲート6が塞がれた形となる。
図3又は図5に示したように、可動ピン3の突当面先端に、突起部11、又は、溝9が設けてある場合、可動ピン3により、ゲート6が塞がれても、可動ピン3の突当面と、ゲート6の間に隙間が生じるため、この隙間が、可動ピン3の突当面先端の中心から外周方向に貫通する空隙となる。なお、可動ピン3がゲート6の周囲に設けられている場合でも同様に、可動ピン3の突当面先端に、突起部11、又は、溝9が設けてあれば、可動ピン3の突当面と、補強シート1の間に隙間が生じ、それが可動ピン3の突当面先端の中心から外周方向に貫通する空隙となる。
図1に示したように、可動ピン3はスプリング機構8等によりゲート6に略対向した位置の型閉め方向に圧接可能であることで金型開閉動作には関係しない持続した圧接が可能となり、射出時のみならず圧縮工程でも補強シート1を挟持し続けることができる。可動ピン3の圧接は上記のスプリング機構8以外に油圧或いはエア圧のシリンダー機構更には電動モータによる機構等が挙げられるが、もっとも安価なスプリング機構8が好ましい。
また、可動ピン3先端の形状を設定することで、まず射出した成形樹脂2の樹脂圧を可動ピン3先端で受け、その後流路となる溝を経由し補強シート1と平行方向に流動させることが可能である。補強シート1が樹脂圧を直接受けることがないため、目開きの変形や補強シート1の位置ずれを防止できる。また射出した成形樹脂2の流動方向は、溝の設定により任意の方向に制御可能としている。尚、可動部はピン形状に限定するものではなくブロック状でもよく、ゲート側の型面に当接する面が用意されていればよい。
また、可動ピン3先端の形状を設定することで、まず射出した成形樹脂2の樹脂圧を可動ピン3先端で受け、その後流路となる溝を経由し補強シート1と平行方向に流動させることが可能である。補強シート1が樹脂圧を直接受けることがないため、目開きの変形や補強シート1の位置ずれを防止できる。また射出した成形樹脂2の流動方向は、溝の設定により任意の方向に制御可能としている。尚、可動部はピン形状に限定するものではなくブロック状でもよく、ゲート側の型面に当接する面が用意されていればよい。
図2は可動ピン3先端に流路となる溝を設けていないピンにより、補強シート1を狭持している模式図である。(a)は2本、(b)は3本、(c)は4本で狭持している模式図である。可動ピン3に溝を設けない場合は、ゲート6を中心に、ゲート6に略対向する位置を複数の可動ピン3で狭持し、補強シート1を金型に位置決め、固定する方法を取ってもよい。この場合でも可動ピン3はゲート6に略対向する位置を狭持しているもののゲート6を塞いではおらず、ゲート6から射出された成形樹脂2は補強シート1の開口部7及び可動ピン3間の空隙を通り、金型内に充填される。
圧縮工程では可動ピン3はシリンダー機構等により型動作と同時に作動して金型の内部に収まり、型締めを行うことで成形品に凹形状を残さずに、金型内に補強シート1、射出樹脂(成形樹脂)2を圧縮充填することができる。
可動ピン3の数は、1つのゲート6に対し2本以上であれば特に限定されるものではないが、補強シートを安定して位置決め、固定するためには3〜4本が好ましい。可動ピン3の径はφ10〜70mm程度が好ましい。さらにφ30〜50mm程度がより好ましい。隣り合う可動ピン3の距離は、空隙として20〜90mm程度あることが好ましい。さらに40〜70mm程度がより好ましい。
圧縮工程では可動ピン3はシリンダー機構等により型動作と同時に作動して金型の内部に収まり、型締めを行うことで成形品に凹形状を残さずに、金型内に補強シート1、射出樹脂(成形樹脂)2を圧縮充填することができる。
可動ピン3の数は、1つのゲート6に対し2本以上であれば特に限定されるものではないが、補強シートを安定して位置決め、固定するためには3〜4本が好ましい。可動ピン3の径はφ10〜70mm程度が好ましい。さらにφ30〜50mm程度がより好ましい。隣り合う可動ピン3の距離は、空隙として20〜90mm程度あることが好ましい。さらに40〜70mm程度がより好ましい。
図3は先端に突起部11を設けた可動ピン3の模式図である。(a)は丸ピン、(b)は角ピンを取り付けた模式図である。先端に流路となる溝を設けない場合、溝の代わりに可動ピン3の先端に突起となる丸ピンや角ピン等を取り付け、これらの突起部分で補強シート1を狭持してもよい。この場合でも可動ピン3により補強シート1を金型内に狭持しながら、同時に射出した熱可塑性樹脂(成形樹脂)が、補強シート1の開口部7及び突起部11の空隙を通り補強シート1の面方向に流動可能となる。
図4は射出圧縮成形においてゲート部12を突起状にした模式図であり、(a)は射出した直後、(b)は圧縮時の模式図である。補強シート1を精度良く位置決めするためには、ゲート部12を突起状にして、ゲート部12の突形状と同等の径となるように補強シート1に開口部7を設け、突起状のゲート部12と開口部7を嵌め合わせ、位置決めを行った部分を可動ピン3で狭持してもよい。
この場合、成形品には、突起状のゲート部12に起因する孔形状が残ってしまうが、一般的にはゲート部12は製品面の裏面になるため、補強シート1に高精度な位置決めを要する場合には有効である。可動ピン3はスプリング機構8によりゲート12に略対向した位置の型閉め方向に圧接可能であることで、金型開閉動作には関係しない持続した圧接が可能となり、射出時のみならず圧縮工程でも補強シート1を挟持し続けることができる。
この場合、成形品には、突起状のゲート部12に起因する孔形状が残ってしまうが、一般的にはゲート部12は製品面の裏面になるため、補強シート1に高精度な位置決めを要する場合には有効である。可動ピン3はスプリング機構8によりゲート12に略対向した位置の型閉め方向に圧接可能であることで、金型開閉動作には関係しない持続した圧接が可能となり、射出時のみならず圧縮工程でも補強シート1を挟持し続けることができる。
図5は可動ピン先端の分割された流路となる溝9の模式図である。(a)は2分割、(b)は3分割、(c)は4分割された流路となる溝9の模式図である。可動ピン3の突当面先端に中心から外周方向に貫通する流路となる溝9が設けてあることにより、補強シート1を金型内に狭持しながら、射出した成形樹脂(熱可塑性樹脂)2が、補強シート1の面方向に流動することを可能としている。
突当面先端の分割数は2分割以上であれば、特に限定されるものではない。先端の強度及び均等に樹脂を広げることを考慮すれば、分割数は3〜5分割が好ましい。可動ピン3の径はφ10〜70mm程度が好ましい。さらにφ30〜50mm程度がより好ましい。
流路となる溝9の幅は1〜5mm程度が好ましい。さらに2〜4mm程度がより好ましい。本発明による形状であれば溝の加工がし易く、射出した成形樹脂2を溝方向に流動させることができ、成形樹脂2の流れ方向を制御することが可能となる。また射出圧を可動ピン3先端で受けるので、補強シート1が射出圧を直接受けることがなく目開きの変形や破損を防げ、可動ピン3の先端が磨耗した際には、可動ピン3のみを交換すれば良く、金型ごと修理するときに比べ、修理作業が短期間、低コストで済む。
突当面先端の分割数は2分割以上であれば、特に限定されるものではない。先端の強度及び均等に樹脂を広げることを考慮すれば、分割数は3〜5分割が好ましい。可動ピン3の径はφ10〜70mm程度が好ましい。さらにφ30〜50mm程度がより好ましい。
流路となる溝9の幅は1〜5mm程度が好ましい。さらに2〜4mm程度がより好ましい。本発明による形状であれば溝の加工がし易く、射出した成形樹脂2を溝方向に流動させることができ、成形樹脂2の流れ方向を制御することが可能となる。また射出圧を可動ピン3先端で受けるので、補強シート1が射出圧を直接受けることがなく目開きの変形や破損を防げ、可動ピン3の先端が磨耗した際には、可動ピン3のみを交換すれば良く、金型ごと修理するときに比べ、修理作業が短期間、低コストで済む。
図6は先端が2分割された可動ピン3で補強シート1を狭持している模式図である。射出された成形樹脂は、補強シート1の開口部7及び可動ピン3先端の流路となる溝9を通り、矢印の方向に補強シート1上を均等に広がる。
なお、突当面先端が複数分割されていても、成形樹脂は2分割の場合と同様に流路となる溝9を通り均等に広がる。尚、分割は特に均等で無いことが要求される場合もあるため、溝の設定は任意に選択することができる。
なお、突当面先端が複数分割されていても、成形樹脂は2分割の場合と同様に流路となる溝9を通り均等に広がる。尚、分割は特に均等で無いことが要求される場合もあるため、溝の設定は任意に選択することができる。
図7は可動ピン3の制御において、スプリング機構ではなく、シリンダー10を用いて制御を行う射出圧縮成形の模式図である。(a)は成形樹脂2を射出した直後、(b)は圧縮時の模式図を表す。シリンダー10により可動ピン3は、圧縮工程の開始と同時か、又は、圧縮工程の途中で作動して金型内に収まることで、成形品に可動ピン3の凹形状を残すことなく成形を行うことができる。
本発明に使用される補強シートの強化繊維(クロス)とは、樹脂成形体を補強するものであって、その材質は特に限定されるものではない。繊維状の単線あるいは束状態で織り込み、編み込むことでクロス状にすることができるものが用いられる。
具体的にはガラス繊維、カーボン繊維、金属繊維のほかに樹脂材によるもの(樹脂繊維)も使用できる。樹脂繊維の場合は、含浸する熱可塑性樹脂の溶融温度で溶融、劣化せずに補強効果をもたらすものであれば良く、含浸樹脂にもよるが、パラ系アラミド繊維、ポリアリレート繊維等を用いることも可能である。繊維径はとくに限定されるものではない。繊維の使用量によって単位面積当たりの重量が決まり、補強効果も変わる。一般に目付けとして単位面積当たりの質量(kg/m2)により表されるが、これを選択することで、要求強度、質量に対応することができる。
具体的にはガラス繊維、カーボン繊維、金属繊維のほかに樹脂材によるもの(樹脂繊維)も使用できる。樹脂繊維の場合は、含浸する熱可塑性樹脂の溶融温度で溶融、劣化せずに補強効果をもたらすものであれば良く、含浸樹脂にもよるが、パラ系アラミド繊維、ポリアリレート繊維等を用いることも可能である。繊維径はとくに限定されるものではない。繊維の使用量によって単位面積当たりの重量が決まり、補強効果も変わる。一般に目付けとして単位面積当たりの質量(kg/m2)により表されるが、これを選択することで、要求強度、質量に対応することができる。
目的とする成形品の形状自由度を達成する上では、設計自由度が高いだけでなく、コスト的にも有利な熱可塑性樹脂を成形樹脂とする。実際の家電製品、自動車部品を見ても明らかなように、形状を持つ成形品のほとんどに熱可塑性樹脂が用いられている。
本発明では、成形樹脂は熱可塑性樹脂とした。また補強シートの含浸材料も、成形樹脂と同等の熱的特性を持つことが好ましいため、同様に熱可塑性樹脂とした。樹脂としては熱可塑性樹脂であれば特に限定されるものではない。また補強シートの含浸樹脂が熱可塑性樹脂であることで成形時の熱により可とう性を持ち、成形樹脂の樹脂圧により型に密着し転写性を向上させることもできる。
本発明では、成形樹脂は熱可塑性樹脂とした。また補強シートの含浸材料も、成形樹脂と同等の熱的特性を持つことが好ましいため、同様に熱可塑性樹脂とした。樹脂としては熱可塑性樹脂であれば特に限定されるものではない。また補強シートの含浸樹脂が熱可塑性樹脂であることで成形時の熱により可とう性を持ち、成形樹脂の樹脂圧により型に密着し転写性を向上させることもできる。
補強シート部と成形樹脂部は、線膨張係数が異なるため成形収縮時、または環境下における膨張収縮挙動において熱応力を発生させる。このため樹脂の伸び特性によっては大きな変形やクラックが発生してしまうことから、成形樹脂にガラス繊維を複合させた材料を用いることが好ましい。この場合、成形樹脂中のガラス繊維含有量は10〜70質量%程度が好ましい。さらに20〜40質量%程度がより好ましい。
本発明の成形品の製造方法においては、補強シートを成形金型内にインサートし、成形樹脂を射出した後に圧縮をして成形を完了させる工程となっている。このため射出時点では金型は型締め完了位置より後退した状態となっており、製品端末部は食いきり構造か加圧可動式の突き当てブロックが設けられていることが好ましい。この射出圧縮の目的は、射出樹脂圧を低減し補強シートの破損、変形を防ぐものである。成形形状やゲート点数にもよるが、樹脂圧は10MPa以下が好ましい。
また射出後の圧縮工程に関しては、ストロークが長いほど加圧流動に期待できるため射出圧を低減できるが、流動長が長くなる、あるいは樹脂温降下を招くことから適切な選択が必要となる。圧縮ストロークは3〜15mmとすることが好ましい。また圧縮工程は射出後の加圧タイミング及び速度が速いほど樹脂圧上昇を防ぐため電動によるものが好ましい。
また射出後の圧縮工程に関しては、ストロークが長いほど加圧流動に期待できるため射出圧を低減できるが、流動長が長くなる、あるいは樹脂温降下を招くことから適切な選択が必要となる。圧縮ストロークは3〜15mmとすることが好ましい。また圧縮工程は射出後の加圧タイミング及び速度が速いほど樹脂圧上昇を防ぐため電動によるものが好ましい。
本発明の成形品の製造方法においては、補強シートの含浸樹脂(熱可塑性樹脂A)と、成形樹脂(熱可塑性樹脂B)が相溶性を有することが好ましい。含浸樹脂および成形樹脂は共に熱可塑性樹脂であれば特に限定しないとしたが、両者は相互に密着していることは強度的、環境信頼性といった面から好ましい。例えば含浸材料がポリアミド樹脂であれば、これと相溶性のあるポリアミド樹脂の材料が好ましい。この組み合わせは相溶性があれば特に限定されるものではない。
さらに、補強シートの含浸樹脂(熱可塑性樹脂A)及び成形樹脂(熱可塑性樹脂B)としては、引張強度、衝撃強度といった機械的強度の点から、ラジカル開始剤の存在下で、ポリプロピレン樹脂とアルキルフェノール樹脂とを反応させ得られた変性ポリプロピレン樹脂が好ましい。
さらに、補強シートの含浸樹脂(熱可塑性樹脂A)及び成形樹脂(熱可塑性樹脂B)としては、引張強度、衝撃強度といった機械的強度の点から、ラジカル開始剤の存在下で、ポリプロピレン樹脂とアルキルフェノール樹脂とを反応させ得られた変性ポリプロピレン樹脂が好ましい。
ポリプロピレン樹脂とは、プロピレンの重合体であるが、他のモノマーとの共重合体も含むものである。また、ポリプロピレン樹脂の例には、ホモポリプロピレン、プロピレンとエチレンおよび炭素数4〜10のαオレフィンとのブロック共重合体(「ブロックポリプロピレン」ともいう)、プロピレンとエチレンおよび炭素数4〜10のαオレフィンとのランダム共重合体(「ランダムポリプロピレン」ともいう)が含まれる。また、アルキルフェノール樹脂とは、ノボラック型フェノール樹脂またはレゾール型フェノール樹脂をいう。また、ラジカル開始剤は、公知のものが用いられるが、ポリプロピレン樹脂とアルキルフェノール樹脂間の反応を起こさせるものであればよい。これらを反応させる方法は特に限定されないが、本発明におけるラジカル開始剤の例には、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;n−ブチル4,4ービス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン等のパーオキシケタール類;t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジ−i−プロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類;ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキセン−3等のジアルキルパーオキサイド類;t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパ−オキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルジパーオキシイソフタレート等のパーオキシエステル類;2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシマレイックアシッド、t−ブチルパーオキシi−プロピルカーボネート等のパーオキシエステル類が含まれる。この中でも、ジーt−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイドが好ましく用いられる。
本発明の成形品の製造方法は、家電製品、医療機器、自動車部品等に広く適用できるものであるが、これらは低コストであることが好ましい。本発明では、樹脂コストが安価であり耐薬品性等も良好で、すでに広く普及しているポリプロピレン樹脂を補強シートの含浸樹脂、成形樹脂に適用することが好ましい。さらに強化繊維も広く使われているガラス繊維が好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
強化繊維によるクロスは、ガラス繊維径17μm、本数2000本のストランドを用いたもので目付け400g/m2に平織りしたガラスクロスを用いた。
含浸樹脂である熱可塑性樹脂Aとしては、ラジカル開始剤(有機過酸化物;0.4質量部)の存在下で、ポリプロピレン樹脂(98.6質量部)と、アルキルフェノール樹脂(1.0質量部)とを、200℃で、10分反応させ、得られた変性ポリプロピレン樹脂を用いた。
含浸プレスは30トン熱プレス成形機により、前記ガラスクロスと、前記変性ポリプロピレン樹脂を重ねて、220℃で、5分間、面圧0.1〜5MPaの加圧で行い補強シートを作製した。この時、補強シートに直径20mmの開口部を設けた。
強化繊維によるクロスは、ガラス繊維径17μm、本数2000本のストランドを用いたもので目付け400g/m2に平織りしたガラスクロスを用いた。
含浸樹脂である熱可塑性樹脂Aとしては、ラジカル開始剤(有機過酸化物;0.4質量部)の存在下で、ポリプロピレン樹脂(98.6質量部)と、アルキルフェノール樹脂(1.0質量部)とを、200℃で、10分反応させ、得られた変性ポリプロピレン樹脂を用いた。
含浸プレスは30トン熱プレス成形機により、前記ガラスクロスと、前記変性ポリプロピレン樹脂を重ねて、220℃で、5分間、面圧0.1〜5MPaの加圧で行い補強シートを作製した。この時、補強シートに直径20mmの開口部を設けた。
成形は補強シートを勾配15度の傾斜部分を持つ金型にセットして行った。補強シートは、直径50mmで突当面先端が3分割され、先端に幅4mmで深さ10mmの溝が加工された、図5の(b)の模式図のような可動ピン1本により狭持し金型内に固定した。
可動ピンはスプリング機構によりゲートに略対向した位置の型閉め方向に圧接可能であり金型開閉動作には関係しない持続した圧接が可能である。
成形樹脂である熱可塑性樹脂Bとしては、前記変性ポリプロピレン樹脂にチョップドガラス繊維を混練したGFRP(Glass Fiber Reinforced Plastic以下GFRP、ガラス繊維含有量;30質量%)を用いた。なお、前記成形樹脂(GFRP)の射出・圧縮条件としては、200℃、樹脂圧10MPaとし、成形品を作製した。
可動ピンはスプリング機構によりゲートに略対向した位置の型閉め方向に圧接可能であり金型開閉動作には関係しない持続した圧接が可能である。
成形樹脂である熱可塑性樹脂Bとしては、前記変性ポリプロピレン樹脂にチョップドガラス繊維を混練したGFRP(Glass Fiber Reinforced Plastic以下GFRP、ガラス繊維含有量;30質量%)を用いた。なお、前記成形樹脂(GFRP)の射出・圧縮条件としては、200℃、樹脂圧10MPaとし、成形品を作製した。
成形品の断面を図8に示す。(a)は射出直後の模式図、(b)は圧縮時の模式図を表す。
片側(ゲートのあるコア金型面)には、補強シート1は露出したが、成形品のコーナー部では補強シート1が露出せず、射出圧による補強シート1の変形、位置ずれは発生せず、補強シート1の位置は安定して再現性良く成形できた。
片側(ゲートのあるコア金型面)には、補強シート1は露出したが、成形品のコーナー部では補強シート1が露出せず、射出圧による補強シート1の変形、位置ずれは発生せず、補強シート1の位置は安定して再現性良く成形できた。
(実施例2)
可動ピンの突当面先端に直径10mm、高さ10mmで中心間距離が20mmの2つの円柱状突起部が設けた以外は実施例1と同様にして成形品を作製した。
片側(ゲートのあるコア金型面)には、補強シート1は露出したが、成形品のコーナー部では補強シート1が露出せず、射出圧による補強シート1の変形、位置ずれは発生せず、補強シート1の位置は安定して再現性良く成形できた。
可動ピンの突当面先端に直径10mm、高さ10mmで中心間距離が20mmの2つの円柱状突起部が設けた以外は実施例1と同様にして成形品を作製した。
片側(ゲートのあるコア金型面)には、補強シート1は露出したが、成形品のコーナー部では補強シート1が露出せず、射出圧による補強シート1の変形、位置ずれは発生せず、補強シート1の位置は安定して再現性良く成形できた。
(比較例1)
補強シートに開口部を形成しない以外は、実施例1と同様にして、補強シートを作製した。
補強シートに開口部を形成しない以外は、実施例1と同様にして、補強シートを作製した。
成形は、前記の補強シートを勾配15度の傾斜部分を持つ金型にセットして行った。補強シートは金型内に固定せずに、金型に配設した。成形樹脂は、実施例1同様の変性ポリプロピレン樹脂にチョップドガラス繊維を混練したGFRPを用い、実施例1同様の条件で、成形品を作製した。
成形品の断面を図9に示す。(a)は射出直後の模式図、(b)は圧縮時の模式図を表す。
片側(ゲートの反対のあるキャビティ金型面)に補強シート1が露出する設定であるが、射出圧により補強シート1に変形、位置ずれが発生し、成形品のコーナー部では反対側(コア金型面)に補強シート1が露出してしまった。
片側(ゲートの反対のあるキャビティ金型面)に補強シート1が露出する設定であるが、射出圧により補強シート1に変形、位置ずれが発生し、成形品のコーナー部では反対側(コア金型面)に補強シート1が露出してしまった。
1 補強シート、2 成形樹脂又は射出樹脂、3 可動ピン、4 キャビティ型(ゲート対向側)、5 コア型(ゲート側)又はゲート側金型、6 ゲート部又はゲート、7 補強シート開口部、8 スプリング機構、9 流路となる溝、10 シリンダー、11 丸ピン状の突起部又は角ピン状の突起部、12 突起状のゲート部。
Claims (9)
- 強化繊維からなるクロスに熱可塑性樹脂Aを含浸してなる補強シートを、成形金型内にインサート(挿入)し、その後、成形樹脂として熱可塑性樹脂Bをゲートから成形金型内に射出する射出工程、
次いで、前記熱可塑性樹脂Bを成形金型内に充填し圧縮する工程を有し、
前記補強シートと前記熱可塑性樹脂Bを一体化する複合成形品の製造方法において、
前記成形金型内には、ゲートに略対向した位置の型閉め方向に圧接可能な可動ピンが設けてあり、
射出工程では、前記可動ピンと、前記可動ピンに対向する金型の表面とにより、インサートした前記補強シートを狭持しており、射出された熱可塑性樹脂Bが補強シートの開口部を通り、補強シートとゲートに対向した金型面との間の空間に充填される成形品の製造方法。 - 前記可動ピンの突当面先端に、中心から外周方向に貫通する溝が設けてある請求項1に記載の成形品の製造方法。
- 前記可動ピンの突当面先端に、突起部が設けてある請求項1に記載の成形品の製造方法。
- 前記可動ピンが、圧縮工程の開始と同時又は圧縮工程の途中で作動して金型内に収まる請求項1〜3いずれかに記載の成形品の製造方法。
- 前記可動ピンが、成形金型内に複数設けてあり、射出された熱可塑性樹脂Bが、複数の前記可動ピン間の空隙を通り、補強シートとゲートに対向した金型面との間の空間に充填される請求項1〜4いずれかに記載の成形品の製造方法。
- 熱可塑性樹脂Bを射出するゲートが、突起状である請求項1〜5いずれかに記載の成形品の製造方法。
- 成形樹脂を射出するゲートを設けた金型と、前記ゲートに略対向した位置の型閉め方向に圧接可能な可動ピンが設けてある金型とを備えた、射出成形用金型。
- 前記可動ピンの突当面先端に、中心から外周方向に貫通する溝が設けてある請求項7に記載の射出成形用金型。
- 前記可動ピンの突当面先端に、突起部が設けてある請求項7に記載の射出成形用金型。
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2014
- 2014-06-10 JP JP2014119509A patent/JP2015231703A/ja active Pending
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