実施の形態1.
本発明に係る画像読取装置は、光源(光源素子1)からの光(照明光)が読取対象Mで反射および透過した光を収束して読取対象Mの画像を読み取る画像読取装置において、基板6および6dと、この基板6の一方の面に主走査方向に沿って複数の受光素子が形成されたラインセンサ部4と、主走査方向に沿って複数のレンズが配列され、ラインセンサ部4へ反射光および透過光を収束するレンズアレイ部3(結像光学系3)と、このレンズアレイ部3におけるラインセンサ部4側の部分を支持し、又は、レンズアレイ部3におけるラインセンサ部4側の部分と接触し、レンズアレイ部3が収束した光以外を遮光する遮光部5と、レンズアレイ部3及び遮光部5を収納部に収納し、レンズアレイ部3における読取対象M側の部分と遮光部5とを覆う透明な部材からなり、読取対象Mを搬送する開口部2pを持った透明体2とを備える。以下、実施の形態1を含む本発明の実施の形態を説明していく。各実施の形態の携帯の説明及び図面の説明おいて、同一又は同様の構成部分については同じ符号を付している。なお、本発明に係る画像読取装置を「画像読取装置10」として以下の説明を行う。
本発明に係る実施の形態1に関して、図1〜図11を用いて説明する。図1は、実施の形態1に係る画像読取装置の斜視図である。画像読取装置10は、密着イメージセンサ(Contact Image sensar;CIS)である。図1に示すX軸方向は、画像読取装置10の主走査方向を意味している。Y軸方向は、画像読取装置10の主走査方向にと交差(直交)する副走査方向を意味している。副走査方向は、読取対象Mが搬送される搬送方向である。Z軸方向は、X軸とY軸で規定されるXY平面と直交する軸の方向で、画像読取装置10の結像光学系10の光軸方向であり、結像光学系10の焦点深度を示すための方向である読取深度方向ともいえる。
図2(a)は、図1に示すY軸とZ軸とで規定されるYZ平面と平行な平面である仮想平面AA’での画像読取装置10の断面図である。詳しくは、仮想平面AA’は、主走査方向(X軸方向)に複数並べられた光源素子1の一つと交差する部分の断面図である。なお、光源素子1は、結像光学系3を間に挟んで二列(光源素子1a)、読取対象Mを挟んで結像光学系と反対側の位置に一列(光源素子1b)並べられているので、厳密には、仮想平面AA’は主走査方向(X軸方向)に複数並べられた光源素子1aの二つと交差する断面といえる。もちろん、結像光学系3を間に挟んで二列並べられている光源素子1aが千鳥配置であれば、仮想平面AA’は主走査方向(X軸方向)に複数並べられた光源素子1aの一つと交差する断面といえる。この実施の形態1を含む発明の実施の形態2,3,4では、結像光学系3を間に挟んで二列並べられている光源素子1aが千鳥配置ではなく、副走査方向(Y軸方向)において対向している場合を例示的に用いて説明している。読取対象Mは、例えば、原稿、本、誌面、文書(一般文書)、絵画、写真、スライドフィルム、フィルム、紙幣、証券、基板、電子部品、指紋などイメージ情報である被読取媒体(被照射体)である。
図1及び図2(a)において、透明体2は、例えば、樹脂やガラスで構成され、X軸方向に延在している導光部材であり導光体とも称する。特に、画像読取装置10用の光源である光源素子1が発光した光(照明光)を透明体2内で導光される場合、透明体2を導光体2と称する。本発明の実施の形態では、画像読取装置10が光源素子1(光源)を有しているものを例示的に説明で使用している。実施の形態1では、先に説明した光源素子1が、透明体2の読取対象Mに対して反対側の端部に対向して、遮光部材5(遮光部5)に沿って主走査方向(X軸)に複数配列されており、光源として機能している。透明体2には、副走査方向(Y軸方向)に貫通し、主走査方向(X軸)方向に延在する開口部2pを有する。開口部2pは読取対象Mの搬送路となる。なお、基板6に設置された光源素子1aが読取対象Mの反射光、基板6dに設置された光源素子1bが読取対象Mの透過光を読取るための光源となる。透明体2の主走査方向の端部には、本発明の画像読取装置を、複写機等の上位機器に組み込む際に使用される、位置決め用のピン2rを備えている。
このように、本発明の実施の形態では、透明体2が導光体2であるもののみを開示しているが、画像読取装置10の外部に光源素子1が存在し、光源素子1からの光が透明体2内に入らず、直接、読取対象Mへ照射される場合でも本発明は適用可能である。いずれの場合であっても、結像光学系3と読取対象Mとの間の部分の読取対象Mからの反射および透過光の光路(光(反射光を含む)が進む経路)が、切り欠かれている場合を除き、読取対象Mからの反射光は、透明体2内を透過する。つまり、透明体2は、光源(光源素子1)からの光を内部で導光し、読取対象Mへ照射する機能がある場合は、導光体2と呼べる。導光体2の場合は、光源(光源素子1)からの光の光路に、導光体2の反射光の光路となっている部分が含まれている。なお、光源素子1(光源)は、LED(Light Emitting diode)や有機EL(Organic Electro Luminescence)などの点光源の素子が好適であるが、これに限るものではない。本発明の実施の形態では、光源素子1がLEDの場合を例示的に用いる。
図1及び図2(a)において、導光体2の導光部2aは、導光体2の内部で光源(光源素子1a)、導光体2の導光部2qは導光体2の内部で光源(光源素子1b)が導光される部分を意味している。導光体2(透明体2)の開口部2p内の読取対象搬送側面2bは、導光体2(透明体2)の表面のうち、搬送される読取対象Mと対向する面を指す。読取対象搬送側面2b上から結像光学系3と反対方向側に、結像光学系3の焦点である結像光学系3の読取位置が設定される。読取対象搬送側面2b上に焦点が設定されている場合は、読取対象Mを読み取るために、搬送される読取対象Mが読取対象搬送側面2bに接する、又は、極めて近傍を通過させるので、読取対象搬送側面2bは、原稿設置面2bといえる。本発明に係る実施の形態では、このような読取対象搬送側面2bが原稿設置面2bといえる状態を例示的に説明に用いる。また、前述のように、導光体2(透明体2)に切り欠きを設ける場合は、読取対象搬送側面2b(原稿設置面2b)の全て、又は、一部がない状態になる。このような場合は、読取対象搬送側面2b(原稿設置面2b)の少なくとも一部は仮想面となる。もちろん、仮想面には読取対象Mは接触しない。切り欠きを設ける場合に関しての詳細は後述する。
図1及び図2(a)において、結像光学系3は、主走査方向に沿って複数のレンズが配列され、ラインセンサ部へ反射光を収束するレンズアレイ部3である。本発明の実施の形態では、結像光学系3(レンズアレイ部3)は、アレイ状に配列した複数のロッドレンズ(ロッドレンズアレイ)が板材で挟み込まれたロッドレンズアレイ部3で構成されている場合を例示的に用いて説明を行っているが、ロッドレンズアレイと同じく正立等倍光学系であるマイクロレンズアレイなどの別のレンズアレイを用いてもよい。マイクロレンズアレイを使用する場合、結像光学系3(レンズアレイ部3)は、複数のレンズ(レンズアレイ)が板材で挟み込まれたマイクロレンズアレイ部3となる。
正立等倍光学系の結像光学系3を構成する場合は、図2(b)のように読取対象搬送側面2bの向かい、基板6側の面にレンズ機能を持たせてもよい。このレンズ機能は、結像光学系3と読取対象Mとの間の部分の読取対象Mからの反射光の光路(光(反射光を含む)が進む経路)に当たる透明体2の部分を切り欠かいて、この切り欠きにレンズを嵌め込んで得てもよい。これらの場合は、読取対象搬送側面2bの一枚のレンズを形成し、結像光学系3が収納される透明体2の収納部2Lに、もう一枚のレンズを固定することになる。なお、透明体2の収納部2Lに収まるものや、読取対象搬送側面2bを含む透明体2に形成可能なものであれば、結像光学系3は正立等倍光学系に限るものではない。さらに、透過照明の光出射部である導光部2qのもっとも読取対象Mに近い面に曲率を与えることで光を集光しより明るい照明を行うこともできる。
また、結像光学系3は、透明体2と基板6の間に設置され、この実施の形態1では、結像光学系3と基板6の間に設置された遮光部材5に結像光学系3を固定されているが、透明体2に接着剤21(接着剤22)やテープなどで保持してもよいし、楔部材23を透明体2と結像光学系3との間に打ち込んで固定してもよい。このような場合の別の実施の形態で説明を行う。
結像光学系3の光軸は、読取対象Mの読取面(原稿面)に対して垂直に配置されており、読取対象Mからの反射光及び透過光を受光部であるセンサIC4に結像させる機能を有する。センサIC4は、基板6の一方の面に主走査方向に沿って複数の受光素子が形成されたラインセンサ部4(センサアレイ部4と称してもよい。)である。センサIC4は、結像光学系3で収束された光を受光し、光電変換して電気信号を出力する。センサIC4には、半導体チップ等で構成された受光部、その他の駆動回路などが搭載されている。これは、基板6の一方の面及び他方の面並びに内部に配置されている。なお、ラインセンサ部4の主走査方向の軸の延長線上に、透明体2のピン2rが備えられている。これにより、画像読取装置10を、上位機器に組み込む際、ピン2rを基準とすることにより、精度良く組み込むことができる。
遮光部材5は、結像光学系3におけるセンサIC4側の部分を支持し、結像光学系3が収束した光以外を遮光する遮光部5として機能する。基板6と結像光学系3の間に設置された遮光部材5は、副走査方向に所定の長さを有し、主走査方向及び副走査方向に直交する方向、つまり光軸方向(Z軸方向)に貫通し、主走査方向に延在する開口部を有する構造を備えている。遮光部材5は、前述の画像読取装置10の外部からセンサIC4に入射してくる光を遮る機能がある。遮光部材5は、結像光学系3を透過してセンサIC4に入射せずに基板6で散乱反射され、周りの部材で反射された光が、センサIC4に入射しないよう反射率の低い黒樹脂やアルマイト処理などを行った部材で作ることが望ましい。また、遮光部材5はセンサIC4にゴミなどが進入することを防ぐ防塵効果もある。なお、別の実施の形態では、遮光部材5の防塵機能を別部材(防塵部材7)と説明する場合もある。
また、図3や図4のように透明体2で光源素子1aを被い防塵を行ってもよい。図3及び図4は、図2と同じくY軸とZ軸とで規定されるYZ平面(仮想平面)での画像読取装置10の断面図であり、光源素子1が配置された部分での断面図である。まず、図3に記載の画像読取装置10では、縮小光学系3が収納された収納部と反対側の透明体2の表面であって、副走査方向の前後で、透明体2の読取対象Mに対して反対側の端部が延伸して、主走査方向に亘って基板6と接触している。このような構造であるため、図3に示す透明体2の延伸部分は、防塵機能を担うことができるので、遮光部材5の防塵機能が弱い場合でも、センサIC4は防塵される。また、透明体2の延伸部分が防塵機能を有しているため、光源素子1aも防塵される。次に、図4に記載の画像読取装置10では、アレイ状に配列された複数の光源素子1(光源アレイ)と遮光部材5との間で、透明体2の読取対象Mに対して反対側の端部が延伸して、主走査方向に亘って基板6と接触している。このような構造であるため、図4に示す透明体2の延伸部分は、防塵機能を担うことができるので、遮光部材5の防塵機能が弱い場合でも、センサIC4は防塵される。もちろん、図3及び図4に示す透明体2の延伸部分を併用してもよい。
基板6には、光源素子1a、センサIC4、外部コネクタ8、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)など用いた信号処理IC11などの電子部品が設置される。信号処理IC11は、CPU(Central Processing Unit;中央処理装置)12aやRAM(Random Access Memory)12bと連動して、センサIC4により受光した光電変換出力などを信号処理する。信号処理IC11内のCPU12a、RAM12b及び信号処理回路12cをまとめて信号処理部12と呼ぶ。外部コネクタ8は、センサIC4の光電変換出力、その信号処理出力を含む入出力信号インターフェース用として用いる。
図5は、実施の形態1に係る画像読取装置の展開図(分解図(分解斜視図))である。本発明の実施の形態に係る画像読取装置は、透明体2、結像光学系3、センサIC4は、読取対象Mの有効読取幅(主走査方向の有効読取幅)と同等以上の長さを有するものである。図5では、光源素子1の符号は、光源の主走査方向(X軸方向)の端部に配置されたもの(図中では四つ)だけに付している。
図1〜図5に示す画像読取装置10では、透明体2が、結像光学系3及び遮光部材5を収納部に収納し、結像光学系3における読取対象M側の部分と遮光部材5とを覆うものを示している。また、本発明に係る画像読取装置10の固定部(係合部2c,係合部2d,突起部2e,ネジ9,クリップ16,クリップ17,接着部材18,弾性部材19、楔部材23)は、透明体2を基板6に固定し、この固定による基板6からの押圧力で、遮光部材5及び結像光学系3を透明体2に接触させるものを例示的に説明に用いている。しかし、本発明に係る画像読取装置10の固定部(係合部2c,係合部2d,突起部2e,突起部2f,係合部2g)は、透明体2を基板6に固定し、この固定による基板6からの押圧力で遮光部材5を透明体2に接触させるものでもよい。同じく、透明体2を基板6に固定し、この固定による基板6からの押圧力で、遮光部材5を介して結像光学系3を透明体2に接触させるものでもよい。このような場合における画像読取装置10の図示は省略する。
なお、係合部2cに関しては、図6〜図9を用いて後述する。係合部2d,突起部2e,ネジ9,クリップ16,クリップ17,接着部材18,弾性部材19に関しては、実施の形態5で説明する。また、本発明に係る画像読取装置において、固定部は、係合部2c,係合部2d,突起部2e,ネジ9,クリップ16,クリップ17,接着部材18,弾性部材19、楔部材23による透明体2と基板6との固定に関与する透明体2又は基板6の部材を含めて、固定部と称してもよい。なお、固定方法は基板6に対して説明しているが基板6dにも同様の固定方法を適応できる。
また、固定部(係合部2c,係合部2d,突起部2e,突起部2f,係合部2g)によって、透明体2を基板6に固定し、この固定による基板6からの押圧力で遮光部材5が透明体2に接触する場合、又は、固定部(係合部2c,係合部2d,突起部2e,突起部2f,係合部2g)によって、結像光学系3が透明体2に接触するが、結像光学系3の読取対象M側の先端部分、つまり、透明体2における読取対象Mからの反射および透過光が透明体2を透過してくる部分と対向する部分で、結像光学系3と透明体2とが接触していない場合は、透明体2における読取対象Mからの反射光が透明体2を透過してくる部分と、その部分に対向する結像光学系3の部分(結像光学系3の読取対象M側の先端部分)との間に空間(以下、「空間S」と称する)ができることになる。
前述の空間Sが生じると、読取対象Mの反射光が、透明体2から空間Sへ進行してくる際にフレネル反射が生じる場合がある。このような場合は、空間Sを透明な樹脂(屈折率が透明体2と同じか近いものが好適)で埋めることでフレネル反射を抑制することができる。また、空間Sを埋めるのではなく、結像光学系3と読取対象Mとの間の部分の読取対象Mから反射光の光路が切り欠かれている透明体2を用いて、空間Sを切り欠きによって開放することで、フレネル反射を抑制してもよい。この場合の切り欠き(切り欠き部分)は、読取対象Mから結像光学系3に向かうにつれて狭まっていくテーパ状の構造が好適である。テーパ状の構造によって読取対象Mからの反射光が、切り欠き部分において、反射(散乱反射)することを低減することができる。また、切り欠き部分の表面を反射率の低い黒樹脂やアルマイト処理などを行って遮光の処理を施してもよい。
図6〜図9は透明体2と基板6の固定方法(固定部)を示した一例である。図6及び図7は、透明体2の基板側に数箇所、基板固定用の返しがついた突起、つまり、係合部2c(固定部)を設けた場合である。図6は図7の断面図である。詳しくは、図6は、図7に記載の画像読取装置10におけるY軸とZ軸とで規定されるYZ平面(仮想平面)での断面図であり、光源素子1aが配置された部分での断面図である。図6及び図7に示す画像読取装置10は、副走査方向(Y軸方向)において光源素子1aと係合部2cとが対面しているものである。もちろん、必ずしも副走査方向において光源素子1aと係合部2cとを対面させる必要はない。また、係合部2cを主走査方向に長い1つの突起としてもよい。しかし、突起の剛性が上がり、うまく基板6を抱えこめない場合は、図6及び図7に示すように、主走査方向の数箇所に分ける事が望ましい。具体的には、図6及び図7では、八つの固定部が、主走査方向の片側に四箇所ずつ形成されたものを図示している。よって、図6及び図7に示す係合部2c(固定部)は、基板6を抱えて固定するものであるといえる。図6及び図7に示す係合部2c(固定部)と透明体2とは、一体である。もちろん、係合部2c(固定部)を透明体2とは別の部材にしてもよい。
また、図7に記載された組み付け部2sはZ方向に貫通穴が開いた突起部であり、上位機器に画像読取装置10を組付ける際に使用する。組み付け部2sの貫通穴にネジを通し、上位機器に用意されたネジ穴固定する。その際に画像読取装置10はネジによってZ方向に力を受けるため、画像読取装置10のZ方向へのソリを矯正する効果もある。なお、組み付け部2sの穴を埋めて上位機器からネジで組み付け部2sを押しつけても、主走査方向に延存するコの字のレールを副走査方向に2個並べ、画像読取装置10を主走査方向にスライドさせながらレールに組み付け部2sを挿入することでも同様の効果が得られる。
図8は、図2(a)及び図7と同じく画像読取装置10におけるY軸とZ軸とで規定されるYZ平面(仮想平面)での断面図であるが、光源素子1aが配置されていない部分での断面図である。図8は、アレイ状に主走査方向に沿って配列された複数の光源素子1aの間に、つまり、基板6側の光源素子1aが設置されていない領域に孔(複数の孔)を作製し、これらの複数の孔に対向する位置の透明体2の基板6側に突起(係合部2c)を作製した場合である。この突起(係合部2c)を基板6の孔に通した状態で透明体2の突起(係合部2c)を溶かして固定する熱融着を行なう。換言すると、固定部は、基板6を貫通した部分が溶着したものであるといえる。
次に、図9は、アレイ状に主走査方向に沿って配列された複数の光源素子1aの間に、つまり、基板6側の光源素子1aが設置されていない領域に孔(複数の孔)を作製し、これらの複数の孔に対向する位置の透明体2の基板6側にネジ穴を作製した場合である。つまり、図9は、ネジ(係合部2c)によって、ネジ止めを行なった場合である。詳しくは、ネジ(係合部2c)を基板6の他方の面側から孔を介して、透明体2のネジ穴に通して締結するものである。なお、ネジだけを係合部2c(固定部)と称するのではなく、ネジとネジ穴とで係合部2c(固定部)と称してもよいし、ネジ,孔(基板6),ネジ穴の三つの部材で係合部2c(固定部)と称してもよい。
よって、図8及び図9にそれぞれ示す係合部2c(固定部)は、基板6を貫通して固定するものであるといえる。図8に示す係合部2c(固定部)と透明体2とは、一体である。もちろん、図8に示す係合部2c(固定部)を透明体2とは別の部材にしてもよい。また、図8及び図9に示す係合部2c(固定部)をそれぞれ併用してよい。例えば、図9に示す係合部2c(固定部)、つまり、ネジを適用した部分で、透明体2と基板6との正確な位置決めに利用して、この位置決めができた後に、図8に示す係合部2c(固定部)を溶着することで、画像読取装置10の組み立てを容易にすることができる。図8及び図9に示す係合部2c(固定部)をそれぞれ、図6(図7)に示す係合部2cと併用してもよい。
ここで、実施の形態1に係る画像読取装置の動作を説明する。ここで、説明する画像読取装置10は光源素子1を内部に有するもので、この光源素子1が発光した光を透明体2内で導光するものである。つまり、透明体2が導光体2の場合である。図10(a)は、実施の形態1に係る画像読取装置の機能ブロック図である。最初に、信号処理IC11が、CPU12aに連動して、光源駆動回路1dに光源点灯信号を送信する。光源駆動回路1dは、受信した光源点灯信号を基に、複数の光源素子1(1a、1b)にそれぞれ所定時間電源を供給する。光源素子1aが発生する照明光は、透明体2a(導光体2a)内へ入射し、透過または反射を繰り返しながら読取対象Mへ照射される。画像読取装置10の外部に光源素子1aが存在する場合や、光源素子1aからの照明が透明体2a内に入らず、直接、読取対象Mへ照射される場合でも、画像読取装置10によって、光源素子1の駆動制御を行ってもよい。光源素子1bが発生する照明光は、透明体2q(導光体2q)内へ入射し、透過または反射を繰り返しながら読取対象Mへ照射される。
読取対象Mで反射した光源素子1a光と読取対象Mを透過した光源素子1bからの光は、結像光学系3によってセンサIC4に収束される。センサIC4は収束された光を受光し、光電変換して電気信号を出力する半導体チップなどで構成された受光部(受光素子)であり、その他の駆動回路などを搭載している。受光部ではタイミングジェネレータのシステムクロック(SCLK)に同期して、CISのクロック信号(CLK)と同期したスタート信号(SI)のタイミングでもって光電変換されたアナログ出力(SO)を得る。SOは、図10(b)(図10内の左下)に一例をグラフで示している。このグラフは、縦軸が出力値で、横軸が時間(t;Time)である。
図10(a)では、前述の通り、信号処理IC11内のCPU12a、RAM12b及び信号処理回路12cをまとめて信号処理部12としている。SOは、A/D変換回路13でアナログデジタル(A/D)変換され、信号処理回路12cでは、サンプル・ホールドを含むシェーディング補正や全ビット補正などが行われる。信号データの補正には、信号データを記憶したRAM領域と基準データを記憶したRAM領域からデータを採取し、演算加工の後、デジタル出力(SIG)として読取対象Mの画像データを出力する。この画像データは、画像読取装置10の外部の装置に送出してもよいし、画像読取装置10の内部でさらに画像処理を施した後に、外部の装置に送出してもよい。SIGは、図10(c)(図10内の右下)に一例をグラフで示している(256digit)。このグラフは、縦軸が出力値で、横軸が時間(1ライン区間)である。これは、画像読取装置10がラインセンサであるためである。つまり、画像読取装置10は主走査方向の1ラインごとに読取対象Mを読み取り、読取対象Mが副走査方向に搬送されることにより、次のラインを読み取るものである。
次に、実施の形態1に係る画像読取装置の動作のうち、光源素子1aが発生する照明光が、透明体2(導光体2)内へ入射し、透過または反射を繰り返しながら読取対象Mへ照射される経路(光路)に関して、図11を用いて説明を行う。図11に記載の画像読取装置10(断面図)は、図2に記載の画像読取装置10と同じ構成のものであり、光源素子1からの照明光の経路の一部を示している。図11を含む本発明の図面で、光の経路(光路)を説明しているものは、片側の光源1の主走査方向(X軸方向)の配列から光が入射する側の導光部2aを例示的に示している。図面上では。左側の導光部2aに光の経路(光路)を表示している。
光源素子1aからの照明光の経路は、導光体2の導光部2aにおいて、結像光学系3側の内側の面(以下、「導光部2aの内側面」と称する)と、この内側の面に対して反対側の面である外側の面(以下、「導光部2aの外側面」と称する)とで2回以上反射して読取対象Mを照明するものや主走査方向(X軸方向)に進行するものも存在する。しかし、主な経路としては、図11に示すように、前述の導光部2aの内側面及び外側面で2回以上反射して読取対象Mを照明しない経路である第1経路13aと第2経路13bで読取対象Mの照明が行われている。第1経路13aは、導光体2内を導光部2aで反射することなく、進行する透過光路である。図中では、実線で示している。第2経路13bは、導光体2内を導光部2aで一度反射して進行する反射光路である。図中では、点線で示している。
なお、透明体2(導光体2)は、透明体2(導光体2)の主走査方向(X軸方向)の両端面,導光部2aの内側面及び外側面,読取対象搬送側面2b,読取対象搬送側面2bと結像光学系3の光軸方向(Z軸方向)に対向する面であって、読取対象Mから反射光が読取対象搬送側面2bを透過して、透明体2(導光体2)から結像光学系3へ出射する面から構成されている。この透明体2(導光体2)から結像光学系3へ出射する面は、導光部2aの内側面の一部ともいえる。
図11に示す第1経路13aは、光源素子1aから発光した光が、透明体2の入射面を透過し、導光部2aを進行して読取対象搬送側面2bを透過(読取対象搬送側面2bから出射)して、そのまま読取対象Mに到達する経路である。図11に示す第2経路13bは、光源素子1aから読取対象Mに垂直な方向に放射された光が、透明体2の導光部2aの外側面で1回反射し、導光部2aを進行して読取対象搬送側面2bを透過(読取対象搬送側面2bから出射)して、読取対象Mに到達する経路である。導光部2aの外側面で反射する際、全反射させると反射のロスが最も少なく、高効率で照明が行える。また、前述の通り、導光部2a内で複数回反射を繰り返して読取対象Mに到達する経路も存在する。よって、第1経路13a及び第2経路13bだけでなく、透明体2に入射した光は、全て全反射で読取対象Mまで導かれるように設計すると効率よく照明が行える。
図11に示す第2経路13bを含む透明体2に入射したすべての角度の光が透明体2内の導光部2aで全反射する条件は、透明体2の屈折率をn、透明体2の導光部2aの傾きをθとすると、以下の数式(1)を満たしている必要がある。なお、θは、図11に示すように、Z軸方向に平行な線と導光部2aの外側面とが交差してできるYZ平面における二つの角度のうち、狭角の方の角度である。また、第1経路13aを含む「導光部2aを進行して読取対象搬送側面2bを透過(読取対象搬送側面2bから出射)して、そのまま読取対象Mに到達する経路」は、数式(1)を満たす必要はない。第1経路13aを含むと説明する理由は、第2経路13bがYZ平面に沿って進行する経路のみを示しているためである。
ここで、数式(1)において、n=1.5とすると、θ≦7.4度となる。よって、導光部2aの傾きθは、数式(1)を満たしているように傾きを7.4度以下に設定することが望ましい。実施の形態1では、読取対象Mからの反射光が透過する部分を除く、導光部2aの内側面から導光部2aの外側面までのY軸方向における透明体2(導光体2)の厚みを一定としている。そのため、導光部2aの面で全反射した光は同じ角度で導光部2aの別の面に入射し、全反射で透明体2内を伝播され続ける。なお、実施の形態1では、前述のように、透明体2の導光部2aは読取対象Mからの反射光が透過する部分を除く、Y軸方向の厚みを一定としているが、導光部2a内での全反射を促すために読取対象Mに近くなるほど、Y軸方向の厚みを太くしていってもよい。
実施の形態1に係る画像読取装置は、光源素子1aからの光を読取対象Mまで全反射で光を導く構成としている。そのため、数式(1)により、透明体2の屈折率nによる変化はあるが、導光部2aの傾きθの値が小さいものを選択することになる。しかし、導光部2aの傾きθの値が小さすぎると、光源素子1から発光された光の主な経路のうち、第1経路13aの経路が結像光学系3と交差してしまい、導光部2aの内側面及び外側面で2回以上反射する経路となってしまう。そのため、第1経路13aを存在させるためには、結像光学系3を構成する複数のレンズの光軸と読取対象Mとが交差する点の並びを通る第1仮想線、及び、複数配列された光源素子1aの配列を通る第2仮想線の二つの仮想線が通る仮想平面が通る仮想平面を外して結像光学系3を配置すればよい。仮想平面は、YZ平面と直交する平面であり、仮想平面とYZ平面とが交差した線のうち、透明体2(導光体2)の内に収まっているものが第1経路13aとなる。また、第1仮想線及び第2仮想線は、主走査方向(X軸方向)と平行な仮想線となる。なお、厳密には、複数配列された光源素子1aの配列を通る第2仮想線は、光源素子1aが光を発光している部分を通るものとする。
また、透過照明用の基板6dに実装された光源素子1bからの光13gは透明体2の導光部2qを透過して読取対象Mへ照射される。この際、光源素子1bの光軸は透明体2の導光部2qの光入射面に対して垂直に設置できるため、光源素子1aの光路のように全反射条件を気にする必要はない。図11では導光部2qの読取対象M側の面を平面としているが図2(b)のように導光部2qの読取対象M側に曲率を与えると光が集光されより明るい照明が行える。
実施の形態2.
本発明に係る実施の形態2に関して、図12及び図13を用いて説明する。図12は、実施の形態2に係る画像読取装置の断面図である。図12は、Y軸とZ軸とで規定されるYZ平面と平行な平面での画像読取装置10の断面図である。詳しくは、主走査方向(X軸方向)に複数並べられた光源素子1の一つと交差する部分の断面図である。厳密には、二列並んだ複数の光源素子1aが副走査方向(Y軸方向)に対向して配置された場合を示しているので、図12では、センサIC4を挟んで、二つの光源素子1aが見える状態である。なお、本発明の実施の形態では、「二列並んだ複数の光源素子1a」を「二列並んだ光源アレイ」や「光源アレイが二列ある」と表現する場合がある。図12において、実施の形態1の説明に用いた図11と同一又は同等の構成要素には同一符号を付しその説明を省略する。
図12に記載の画像読取装置10(断面図)は、光源素子1aからの照明光の経路の一部を示している。図11で示した画像読取装置10と同じく、主な経路としては、図12に示すように、前述の導光部2aの内側面及び外側面で2回以上反射して読取対象Mを照明しない経路である第1経路13aと第2経路13bで読取対象Mの照明が行われている。実施の形態2に係る画像読取装置では、実施の形態1に係る画像読取装置の透明体2(導光体2)の導光部2aの外側面をミラー面14とした場合である。図12において、透明体2(導光体2)のミラー面14は、透明体2の外形を線が太くなっている部分である。ミラー面14は、金属蒸着や金属メッキなどを行ったり、金属テープを設置したりすることで、導光部2aの外側面に形成することが可能である。ミラー面14は、光源素子1aが発光した照射光のうち、Z軸方向へ進行する照明光が導光体2に当たる部分に形成されている。換言すると、ミラー面14は、光源素子1aが光を発光している部分を通るZ軸と平行な仮想線と導光体2とが交差している部分に形成されているといえる。
前述の通り、実施の形態1に係る画像読取装置では、読取対象Mまで全反射で光を導く構成としている。そのため、数式(1)により、透明体2の屈折率nによる変化はあるが、導光部2aの傾きθの値が小さいものになる傾向がある。導光部2aの傾きθが小さくなればなるほど、光源素子1aとセンサIC4との距離が短くなる。よって、光源素子1aのパッケージが大きいとセンサIC4などに接触してしまう配置しか選択できない場合が生じる。もちろん、遮光部材5の配置場所もなくなってしまう。このような場合は、光源素子1aとセンサIC4とが干渉しないように基板6上にセンサIC4に実装する、つまり、導光部2aの傾きθを数式(1)で得られるものよりも大きくしてしまうことになり、透明体2の導光部2aに入射した光は全反射条件を満たすことができない。全反射条件を満たせないので、光が透明体2より漏れてしまい効率が大きく低下する。 そこで、実施の形態2に係る画像読取装置では、導光部2aの傾きθに関わらず、透明体2から光が漏れることを防ぐために、透明体2(導光体2)の導光部2aの外側面にミラー面14を形成したものである。
図12に示すミラー面14を有する画像読取装置10でも、実施の形態1と同様に第1経路13aと第2経路13bとで読取対象Mへ主な照明が行われる。なお、導光部2aの外側面をミラー面14としているため、ミラー面14に入射した光は、必然的に正反射となる。そのため、ミラー面14を有する画像読取装置10は、導光部2a内を全反射で読取対象搬送側面2bまで伝播するための実施の形態1で説明した数式(1)の条件を満たす必要はない。導光部2aによって導光された光は、透明体2(導光体2)の読取対象搬送側面2bから照明光として射出(出射)されることになる。そのためには、透明体2(導光体2)内において、導光部2aから読取対象搬送側面2bへ入射した光が、読取対象搬送側面2bで全反射にならない角度で、導光部2aから読取対象搬送側面2bに入射する必要がある。このような第2経路13bの反射の様子を明示したものが図13である。
図13は、実施の形態2に係る画像読取装置の断面図である。図13は、図12と同様にY軸とZ軸とで規定されるYZ平面と平行な平面での画像読取装置10の断面図である。詳しくは、主走査方向(X軸方向)に複数並べられた光源素子1aの一つと交差する部分の断面図である。厳密には、二列並んだ複数の光源素子1aが副走査方向(Y軸方向)に対向して配置された場合を示しているので、図13では、センサIC4を挟んで、二つの光源素子1aが見える状態である。図13において、図12及び実施の形態1の説明に用いた図11と同一又は同等の構成要素には同一符号を付しその説明を省略する。
図13に示す画像読取装置では、光源素子1aからZ軸に対して平行に出射された第2経路13bは導光部2aのミラー面14で反射されXY平面と平行な透明体2(導光体2)の読取対象搬送側面2bに到達する。このときの入射角度は、前述の導光部2aの傾きθで決まる。ここでは、実施の形態1と区別するために、導光部2aの傾きθを「θ2」とするが定義は同じとする。なお、図13に図示するように、ミラー面14で反射された光とZ軸とが交差する角度、つまり、ミラー面14で全反射された光の読取対象搬送側面2bへの入射角度は、2θ2となる。ミラー面14で反射された光が、読取対象搬送側面2bで全反射が発生しない条件は、以下の数式(2)の通りである。なお、入射角度2θ2は、読取対象搬送側面2b上で、Z軸方向に平行な仮想線とミラー面14が全反射した照明光とが交差する角度である。
前述の通り、透明体2の導光部2aの傾きを角度θ2とし、透明体2の屈折率をn=1.5とすると、θ2は以下の数式(3)を満たしている必要がある。
なお、第1経路13aの読取対象搬送側面2bへの入射角度は、第2経路13bよりも小さくなるため、導光部2aの傾き(角度)θ2が、式(2)を満たしていれば、第1経路13aも全反射とはならない。また、実施の形態1で説明した数式(1)の条件は、数式(2)内に含まれるため、実施の形態1に係る画像読取装置における導光部2aの第1経路13a及び第2経路13bが、読取対象搬送側面2bに入射したときに全反射とはならない。
よって、実施の形態2に係る画像読取装置のような構成をとれば、光源素子1aのパッケージサイズが大きく、実施の形態1の説明で使用した数式(1)の条件を満たせない場合でも、第1経路13aと第2経路13bを確保することで明るい照明を行うことができる。また、ミラー面14を設けることで、透明体2の外部から入射してくる光に対しての遮光効果も期待できる。なお、実施の形態2では導光部2aの外側面のみをミラー面14としているが、結像光学系3側である導光部2aの内側面(「読取対象搬送側面2bと結像光学系3の光軸方向(Z軸方向)に対向する面であって、読取対象Mから反射光が読取対象搬送側面2bを透過して、透明体2(導光体2)から結像光学系3へ出射する面」を除く)にもミラー面14を形成してもよい。
図示は省略するが、実施の形態2に係る画像読取装置においても、実施の形態1に係る画像読取装置の固定部(係合部2c,係合部2d,突起部2e,突起部2f,係合部2g)を透明体2(導光体2)に形成して、透明体2(導光体2)と基板6とを接続することができる。詳細説明は、実施の形態1で行ったものと同様である。つまり、ミラー面14を施した実施の形態1に係る画像読取装置が、実施の形態2に係る画像読取装置といえる。
実施の形態3.
本発明に係る実施の形態3に関して、図14〜図21を用いて説明する。図14,図15(a),図16,図17(a),図18,図19(a),図20,図21(a)は、実施の形態3に係る画像読取装置の断面図である。図14,図15(a),図16,図17(a),図18,図19(a),図20,図21(a)は、Y軸とZ軸とで規定されるYZ平面と平行な平面での画像読取装置10の断面図である。詳しくは、主走査方向(X軸方向)に複数並べられた光源素子1の一つと交差する部分の断面図である。図14,図16,図18,図20は、係合部2c,係合部2d,突起部2e,突起部2f,係合部2gなどの固定部がない部分の断面図である。図15(a),図17(a),図19(a),図21(a)は、固定部として係合部2cを図示したものである。図中、同一又は同等の構成要素には同一符号を付しその説明を省略する。
また、図15(b),図17(b),図19(b),図21(b)は、それぞれ図15(a),図17(a),図19(a),図21(a)に記載の画像読取装置10の斜視図である。図15,図17,図19,図21では、八つの固定部(係合部2c)が、主走査方向の片側に四箇所ずつ形成されており、固定部(係合部2c)がない部分でも透明体2が、遮光部材5(遮光部5)と接触している。一方、図14,図16,図18,図20では、固定部がない部分では透明体2が、遮光部材5(遮光部5)と接触していない。なお、図面上は、透明体2と固定部とが一体である場合を示しているが、別体でもよい。図中、同一又は同等の構成要素には同一符号を付しその説明を省略する。
図14,図15(a),図16,図17(a),図18,図19(a),図20,図21(a)には、実施の形態3に係る画像読取装置の光路(光の経路)を示している。実施の形態3に係る画像読取装置は、実施の形態1及び2に係る画像読取装置において、光源アレイが二列あったものが、一列になったものである。そのため、図14〜図21に示すように、実施の形態3に係る画像読取装置の透明体2は、結像光学系3(レンズアレイ部3)及び遮光部材5(遮光部5)の主走査方向に沿った二つの側面のうちの片方を露出させる形状(図14,図16,図18,図20に記載)、又は、結像光学系3(レンズアレイ部3)の主走査方向に沿った二つの側面のうちの片方を露出させる形状(図15,図17,図19,図21に記載)である。
実施の形態3においても、係合部2cを主走査方向に長い1つの突起としてもよいが、突起の剛性が上がり、うまく基板6を抱えこめない場合は、図15,図17,図19,図21に図示に示すように、主走査方向の数箇所に分けて形成してもよい。なお、図14及び図15において、結像光学系3(レンズアレイ部3)が露出している部分は、結像光学系3(レンズアレイ部3)のアレイ状に配列したレンズアレイを挟む板材となる。
実施の形態3に係る画像読取装置は、光源素子1aを内蔵し、光源素子1aが配列された光源アレイが一列となっている。そのため、実施の形態1及び2において説明した第1経路13a及び第2経路13bを主とする照明光を読取対象Mへ照射すると、副走査方向(Y軸方向)の片側からのみの照明光による結像光学系3の読取位置への照射(照明)となる。読取対象Mが、平面であれば副走査方向(Y軸方向)の片側からの照明光による結像光学系3の読取位置への照射でもよいが、読取対象Mに凹凸がある場合、片側からの照明だけであると、凹凸によって読取対象Mの上に影が発生し読取画像(画像データ)に影が映りこむ場合がある。例えば、読取対象Mが紙幣や証券である場合、画像読取装置10(信号処理回路12c)が出力する読取対象Mの画像データを、紙幣や証券の真贋判定に使用するため、凹凸によって画像データごと、換言すると、紙幣(証券)ごとに不規則に生じる影が、紙幣や証券の真贋判定に悪影響を及ぼす可能性がある。
副走査方向(Y軸方向)の片側からのみの照明光の照射が、画像読取装置10の用途として不都合な場合は、図14に示す画像読取装置10のミラー面14,ミラー面14a,ミラー面14bを有する導光体2の構造により、副走査方向(Y軸方向)の両側からの照明光の照射を行えばよい。例えば、図14に示す画像読取装置10の場合を説明する。図14に示すように第2経路13c(図中では、点線で示している)を進行する照明光をミラー面14,読取対象搬送側面2b,ミラー面14a,ミラー面14bの順でそれぞれ反射させ、つまり、複数回反射させて、結像光学系3の読取位置を挟んで、第1経路13aと第2経路13cとを進行するそれぞれ照明光が、読取対象搬送側面2bから出射して、副走査方向に対して、互いに逆方向から照明光を照射するものである。
実施の形態3に係る画像読取装置の透明体2(導光体2)の導光部2aの外側面に「ミラー面14,ミラー面14a,ミラー面14b」「ミラー面14,ミラー面14c」「ミラー面14d,ミラー面14a,ミラー面14b」が形成されている。ミラー面14a,ミラー面14b,ミラー面14c,ミラー面14dは、ミラー面14と同じく、金属蒸着や金属メッキなどを行ったり、金属テープを設置したりすることで、導光部2aの外側面に形成することが可能である。ミラー面14は、実施の形態2と同じく、ミラー面14は、光源素子1aが光を発光している部分を通るZ軸と平行な仮想線と導光体2とが交差している部分に形成されているといえる。ミラー面14dは、実施の形態2と同じく、ミラー面14は、光源素子1aが光を発光している部分を通るZ軸と平行な仮想線と導光体2とが交差している部分に形成されているものを含む、光源素子1aが発光している光の光軸と導光体2とが交差している部分に形成されているといえる。
図14及び図15(a)において、透明体2(導光体2)のミラー面14,ミラー面14a,ミラー面14bは、透明体2の外形を線が太くなっている部分である。図14に示すような副走査方向(Y軸方向)の両側から照明光による結像光学系3の読取位置への照射(照明)に関して、第1経路13a及び第2経路13c並びに実施の形態2で説明した第2経路13bを用いて詳細な説明を行う。まず、実施の形態2では、第2経路13bの照明光は、数式(2)(透明体2の屈折率が1.5の場合は数式(3))で規定された読取対象搬送側面2bで全反射が発生しない条件で設定された導光体2の傾きθ(θ2)を有する導光体2のミラー面14で反射することで、読取対象搬送側面2bから出射するものであった。一方、図14に示す画像読取装置10の光源と対向している位置のミラー面14は、実施の形態2とは逆に、光源素子からの照明光を反射したものが、読取対象搬送側面2bで全反射する角度に設定されていなければならない。つまり、ミラー面14が形成される導光体2(導光部2a)の傾きθ(θ2)には、数式(2)(透明体2の屈折率が1.5の場合は数式(3))で規定された条件と不等号が逆の条件が求められることになる。
この読取対象搬送側面2bで全反射された照明光は、ミラー面14aで全反射され、さらに、ミラー面14bで全反射されて、読取対象搬送側面2bから出射して、読取対象Mに照射される。ミラー面14aは、副走査方向(Y軸方向)でミラー面14と対向した位置に配置され、ミラー面14によって全反射された照明光が、さらに読取対象搬送側面2bで反射された照明光を読取対象Mとは反対方向に全反射させるものである。ミラー面14bは、XY平面と平行な導光体2(導光部2a)の面であり、ミラー面14aと連続しているものである。ミラー面14bで全反射されて、読取対象搬送側面2bへ進行する照明光の読取対象搬送側面2bへの入射角度は、実施の形態1及び2で説明した第1経路13aの入射角度2θ(2θ2)と同じ条件になるように、ミラー面14a及びミラー面14bを調整すれば(要すれば、ミラー面14も調整が必要)、第2経路13cの照明光がミラー面14bで反射したあと、読取対象搬送側面2bに入射したときに全反射とはならない。このミラー面14a及びミラー面14bの調整よっては、ミラー面14bがXY平面と平行にならない場合もある。なお、ここでの入射角度2θ2は、読取対象搬送側面2b上で、Z軸方向に平行な仮想線とミラー面14bが全反射した照明光とが交差する角度である。
次に、図14に示すように第1経路13aを進行する照明光は、実施の形態1及び2と同様に透明体2(導光体2)に入射した光がそのまま透過して読取対象Mを照明する経路である。それに対して、前述の第2経路13cは透明体2(導光体2)に入射したあと、導光部2aの外側のミラー面14で反射され、透明体2の読取対象搬送側面2bで全反射し、結像光学系3の光軸を挟んで透明体2(導光体2)の逆側に設置された複数のミラー面14a及びミラー面14bで反射され、読取対象Mを照明する。なお、実施の形態3においても、実施の形態1及び2と同様、第1経路13aを存在させるためには、結像光学系3を構成する複数のレンズの光軸と読取対象Mとが交差する点の並びを通る第1仮想線、及び、複数配列された光源素子1の配列を通る第2仮想線の二つの仮想線が通る仮想平面が通る仮想平面を外して結像光学系3を配置すればよい。この仮想平面とYZ平面とが交差してできる仮想線が第1経路13aに相当する。
図15(a)及び図15(b)は、透明体2の基板側に数箇所、基板固定用の返しがついた突起、つまり、実施の形態1で説明したものと同様の係合部2c(固定部)を設けた場合である。もちろん、必ずしも副走査方向において光源素子1と係合部2cとを対面させる必要はない。具体的には、図15(a)及び図15(b)では、八つの固定部が、主走査方向の片側に四箇所ずつ形成されたものを図示している。透明体2は、結像光学系3の主走査方向に沿った二つの側面のうちの片方を露出させているが、結像光学系3が露出した部分のZ軸方向の下方である遮光部材5を覆っている部分に、係合部2c(固定部)を主走査方向(X軸方向)に四つ並べて設けたものを図示している。もちろん、係合部2c(固定部)は、結像光学系3及び遮光部材5の主走査方向に沿った二つの側面のうちの片方を露出させる形状の透明体2において、結像光学系3及び遮光部材5が露出した部分のZ軸方向の下方に部分に形成してもよい。この場合、遮光部材5の一部は、透明体2に覆われていてもよい。さらに、この遮光部材5の一部を覆っている透明体2の部分に、係合部2c(固定部)を形成してもよい。固定部は、係合部2cに加え、実施の形態1で説明したものが適用することができる。
図14及び図15に記載の画像読取装置10は、ミラー面14が全反射した光源素子1aからの照明光を読取対象搬送側面2b,ミラー面14a,ミラー面14bの順に全反射させて読取対象搬送側面2bから出射するものであった。実施の形態3に係る画像読取装置は、図16及び図17に記載の画像読取装置10のように、照明光をミラー面14,ミラー面14cの二面で全反射させて読取対象搬送側面2bから出射するものでもよい。読取対象搬送側面2bから出射された照明光は、読取対象Mに照射される。
図16及び図17に示すように、ミラー面14cは、副走査方向(Y軸方向)でミラー面14と対向した位置に配置され、ミラー面14によって全反射された照明光を読取対象搬送側面2bに向けて全反射させるものである。この光の経路(光路)を第2経路13dとする。図中では、点線で示している。図14及び図15に記載の画像読取装置10は、導光部2a内で反射せずに、読取対象搬送側面2bに到達する光路である第1経路13aに加え、第2経路13dを主な光路として備えている。ミラー面14cで全反射されて、読取対象搬送側面2bへ進行する照明光の読取対象搬送側面2bへの入射角度は、実施の形態1及び2で説明した第1経路13aの入射角度2θ(2θ2)と同じ条件になるように、ミラー面14a及びミラー面14cを調整すれば、第2経路13cの照明光がミラー面14cで反射したあと、読取対象搬送側面2bに入射したときに全反射とはならない。このミラー面14及びミラー面14cの調整よっては、ミラー面14cがZY平面と平行になる場合もある。なお、ここでの入射角度2θ2は、読取対象搬送側面2b上で、Z軸方向に平行な仮想線とミラー面14cが全反射した照明光とが交差する角度である。図16及び図17(a)において、透明体2(導光体2)のミラー面14,ミラー面14cは、透明体2の外形を線が太くなっている部分である。
図17(a)及び図17(b)は、透明体2の基板側に数箇所、基板固定用の返しがついた突起、つまり、実施の形態1で説明したものと同様の係合部2c(固定部)を設けた場合である。構成は、図15(a)及び図15(b)に示すものと同様のため、詳細説明は省略する。もちろん、固定部は、係合部2cに加え、実施の形態1で説明したものが適用することができる。
図16及び図17(a)に示す画像読取装置10は、光源素子1aと逆側の方向に設置されたミラー面14cが結像光学系3から見て読取対象Mに対して広がる角度である場合を示している。このような場合、読取対象Mへ照射された光は、読取対象Mからの反射光となっても、結像光学系3に蹴られ、センサIC4では受光されない場合がある。これを避けるために、ミラー面14cで全反射した光の読取対象搬送側面2bへの入射角度αを設定する必要がある。入射角度αは、読取対象搬送側面2b上で、Z軸方向に平行な仮想線とミラー面14cが全反射した照明光とが交差する角度である。よって、入射角度αは、前述の全反射とならない入射角度(2θ2)の条件に加えて、読取対象Mからの反射光が結像光学系3に蹴られないようにする条件も満たす必要がある。光の入射角度αは、結像光学系3の幅Wと結像光学系3と読取対象Mの距離hで数式(4)のように決まる。なお、図16及び図17に記載の画像読取装置10では、数式(4)は、読取対象Mが読取対象搬送側面2bの近傍を搬送される場合を想定している。
数式(4)において、W=1mm、h=3mmとするとα≧26.6度となる。また、透明体2の読取対象搬送側面2bで全反射とならない入射角度αmaxは透明体2の屈折率n=1.5とするとαmax= sin−1(1/n)=41.8度となる。よって、図16及び図17に記載の画像読取装置10では、読取対象搬送側面2b上で、Z軸方向に平行な仮想線とミラー面14cが全反射した照明光とが交差する角度である光の入射角度を26.6度≦α(2θ2)<41.8度に設定することで、第2経路13dによる十分な照明光を得ることができる。
よって、図16及び図17に記載の画像読取装置10は、第1経路13a及び第2経路13dによって、副走査方向(Y軸方向)の両側からの照明光の照射を行うことができる。つまり、結像光学系3の読取位置を挟んで、第1経路13aと第2経路13dとを進行するそれぞれ照明光が、読取対象搬送側面2bから出射して、副走査方向に対して、互いに逆方向から照明光を照射することができる。
一方、前述の図14及び図15に記載の画像読取装置10であれば、結像光学系3によって光路が蹴られることがないため、0度≦α(2θ2)<41.8度とより広い入射角度で光が利用できる。そのため、効率がよく、左右から光量バランスのよい照明を行うことが比較的容易である。また、図14では光源素子1aから読取対象Mに対して垂直に進む光に対して第2経路13cが読取対象Mへ照射される経路のみである。しかし、図18及び図19のように、ミラー面14に代えて、光源素子1aから出射される光の角度に対して、それぞれの光が読取対象Mまで到達するように角度を調整した複数のミラー面14dや曲面形状のミラー面dを設置してもよい。図18及び図19は、角度を調整した複数のミラー面14dを示している。図18及び図19(a)において、透明体2(導光体2)のミラー面14d,ミラー面14a,ミラー面14bは、透明体2の外形を線が太くなっている部分である。
図18及び図19に記載の画像読取装置10は、図14及び図15に記載の画像読取装置10におけるミラー面14を二つのミラー面14dに置換したものに相当する。詳しくは、二つのミラー面14dのうち、読取対象M寄りものは、ミラー面14と同じ傾斜角度となっている(照明光の光路は第2経路13cである)。そして、もう一つのミラー面14dは、ミラー面14相当のミラー面14dと連続して導光部2aに形成されており、傾斜角度も大きくなっている(照明光の光路を第2経路13eとする。図中では、一点鎖線で示している)。このようにすることで、光源素子1aが発光した照明光のうち、Z軸方向に対して、導光部2aの外側面側に傾斜した光軸を有するものも、全反射させて、効率よく、読取対象搬送側面2bへ送ることができる。このような二つのミラー面14d(平面)は、連続する円弧に置換してもよいし、この円弧に近似した三つ以上のミラー面14d(平面)を導光部2aに形成してもよい。
図19(a)及び図19(b)は、透明体2の基板側に数箇所、基板固定用の返しがついた突起、つまり、実施の形態1で説明したものと同様の係合部2c(固定部)を設けた場合である。構成は、図15(a)及び図15(b),図17(a)及び図17(b)に示すものと同様のため、詳細説明は省略する。もちろん、固定部は、係合部2cに加え、実施の形態1で説明したものが適用することができる。
図14及び図15,図18及び図19に記載の画像読取装置10は、読取対象搬送側面2bによる照明光の全反射を経て、読取対象搬送側面2bから出射される光路である第2経路13c又は第2経路13eを有している。透明体2(導光体2)の読取対象搬送側面2bで全反射する光路を有している場合、読取対象Mが透明体2の読取対象搬送側面2bに密着すると全反射条件が崩れ、左右の光量バランス、つまり、副走査方向(Y軸方向)の両側からの照明光の光量のバランスが崩れる可能性がある。このような場合、図20及び図21に記載の画像読取装置10の構成によって、読取対象Mが透明体2に密着しても左右の光量バランスを保つことができる。
図20及び図21に記載の画像読取装置10は、第1経路13aは、これまで説明してきたものと同様のものであるが、第2経路13fが異なる。図20に示すように第2経路13fはミラー面14で反射される光路であり、光源素子1aから照射された照明光がミラー面14でXY平面に平行に近い角度で全反射される。このXY平面に平行に近い角度で全反射された照明光は、結像光学系3を挟んで逆側に設置されたミラー面14aで全反射され、さらに、ミラー面14bで全反射されて、読取対象搬送側面2bから出射して、読取対象Mに照射される。
図20及び図21に記載の画像読取装置10のミラー面14aは、副走査方向(Y軸方向)でミラー面14と対向した位置に配置され、ミラー面14によって全反射された照明光が、さらに読取対象搬送側面2bで反射された照明光を読取対象Mとは反対方向に全反射させるものである。ミラー面14bは、読取対象搬送側面2b側に傾斜した導光体2(導光部2a)の面であり、ミラー面14aと連続しているものである。ミラー面14bで全反射されて、読取対象搬送側面2bへ進行する照明光の読取対象搬送側面2bへの入射角度は、実施の形態1及び2で説明した第1経路13aの入射角度2θ(2θ2)と同じ条件になるように、ミラー面14a及びミラー面14bを調整すれば(要すれば、ミラー面14も調整が必要)、第2経路13cの照明光がミラー面14bで反射したあと、読取対象搬送側面2bに入射したときに全反射とはならない。このミラー面14a及びミラー面14bの調整よっては、ミラー面14bがXY平面と平行になる場合もある。
図20及び図21に記載の画像読取装置10における第2経路13fは読取対象搬送側面2bでの全反射がないため、読取対象Mが透明体2(導光体2)の読取対象搬送側面2bに密着しても照明光の経路に変化は発生しない。そのため、効率がよく、左右から光量バランスのよい照明を行うことが比較的容易である。また、図20では光源素子1aから読取対象Mに対して垂直に進む光に対して第2経路13fが読取対象Mへ照射される経路のみである。しかし、図18及び図19のように、ミラー面14に代えて、光源素子1aから出射される光の角度に対して、それぞれの光が読取対象Mまで到達するように角度を調整した複数のミラー面14dや曲面形状のミラー面dを設置してもよい。
図21(a)及び図21(b)は、透明体2の基板側に数箇所、基板固定用の返しがついた突起、つまり、実施の形態1で説明したものと同様の係合部2c(固定部)を設けた場合である。構成は、図15(a)及び図15(b),図17(a)及び図17(b),図19(a)及び図19(b)に示すものと同様のため、詳細説明は省略する。もちろん、固定部は、係合部2cに加え、実施の形態1で説明したものが適用することができる。
尚、図14〜図21において、光源素子1bから照射される光の動作は、本発明の実施の形態1と同様である。
実施の形態3に係る画像読取装置は、読取対象Mにしわなどの凹凸があると原稿面に影が発生しにくい。また、光源素子1aからの光を散乱させた後、導光体2から出射されない光を少なくすることが容易で、照明効率が高いものである。つまり、実施の形態3に係る画像読取装置は、凹凸のある読取対象Mであっても影が発生を抑え、簡単な構造で、読取対象Mに高効率な照明が行えるものである。
実施の形態4.
本発明に係る実施の形態4に関して、図22及び図23を用いて説明する。図23は、実施の形態4に係る画像読取装置の斜視図、図22は、図23に記載の画像読取装置10におけるY軸とZ軸とで規定されるYZ平面(仮想平面)での断面図である。図中、同一又は同等の構成要素には同一符号を付しその説明を省略する。実施の形態1,2,3に係る画像読取装置は、光源素子1a、1bが、透明体2(導光体2)の読取対象Mに対して挟み込むように、遮光部材5に沿って主走査方向(X軸方向)に複数配列されたものを説明した。これは、光源素子1がアレイ状に主走査方向に配列されていることから、アレイ光源方式や光源アレイ方式(LEDアレイ方式)と呼ばれている。
一方、実施の形態4に係る画像読取装置は、光源素子1a、1bが、透明体2(導光体2)の主走査方向(X軸方向)の端部と対向して形成されるものである。この光源素子1の光軸は、概ねX軸方向に沿うようにすることで、光源素子1a、1bが発光した光は、透明体2(導光体2)に効率よく進行し、透明体2(導光体2)内で反射を繰り返して主走査方向(X軸方向)に導光される。これは、光源素子1a、1bが透明体2(導光体2)の主走査方向(X軸方向)の端部に配置されていることから、サイドライト方式と呼ばれている。
また、サイドライト方式が適用された実施の形態4に係る画像読取装置は、透明体2(導光体2)内を導光される光を読取対象Mに照射するための構造である反射領域15a、15bが、透明体2(導光体2)に形成されている。反射領域15aは、透明体2(導光体2)の読取対象Mに対向して一方の側(−Z方向)の端部に、主走査方向(X軸方向)に沿って、光源素子1aからの光を読取対象M側に反射するものであり、反射領域15bは読取対象Mに対向して他方の側(+Z方向)に反射領域15aに向かい合うように配置され、光源素子1bからの光を読取対象M側に反射するものである。つまり、実施の形態1,2,3に係る画像読取装置の光源素子1a、1bそれぞれが、導光体2に入射する位置に相当する導光体2の位置に反射領域15a、15bが形成されているといえる。
ゆえに、反射領域15aが読取対象M側に反射させて導光体2を導光する光の経路は、実施の形態1,2,3に係る画像読取装置の光源素子1aが発光した光の経路(第1経路13a,第2経路13b,第2経路13c,第2経路13d,第2経路13e,第2経路13f)に相当する。また、反射領域15bが読取対象M側に反射させて導光体2を導光する光の経路は、画像読取装置の光源素子1bが発光した光の経路13gに相当する。よって、実施の形態4では、反射領域15a、15bが読取対象M側に反射させて導光体2を導光する光の経路(第1経路13a,第2経路13b,第2経路13c,第2経路13d,第2経路13e,第2経路13f、光の経路13g)の説明は省略する。
図22及び図23において、前述の反射領域15は、導光体2の側面に、主走査方向(X軸方向)にそって形成されるものである。反射領域15は導光体2の側面に印刷されたもの(反射パターン15)でもよいし、導光体2の側面に凹凸を形成したもの(反射プリズム15)でよい。反射パターン15及び反射プリズム15は、読取対象Mへ照射する光を主走査方向で均一にするために、副走査方向(Y軸方向)の幅の広狭を主走査方向(X軸方向)において変更してもよい。もちろん、副走査方向(Y軸方向)の幅のゼロとしてもよい。つまり、反射パターン15及び反射プリズム15は、主走査方向(X軸方向)において不連続でもよい。なお、反射領域15の作製にあたっては、反射パターン15は、白色の塗料の設置することで作製することができる。反射プリズム15は、エンボス加工や微細な構造物などを設置することで作製することができる。図中、同一又は同等の構成要素には同一符号を付しその説明を省略する。
前述の通り、実施の形態1,2,3では、光源素子1を主走査方向にならべたアレイ光源方式としてきたが、実施の形態4では、図22及び図23のように光源素子1を透明体2の主走査方向(X軸方向)の両端、又は、主走査方向(X軸方向)の片端に設置したサイドライト方式を採用した場合である。つまり、図23は、透明体2の主走査方向(X軸方向)の片端側が見えない状態となっているので、見えない状態の主走査方向(X軸方向)の片端側にも、光源素子1が設けられている場合が、光源素子1が、透明体2の主走査方向(X軸方向)の両端に設置した場合といえる。また、光源素子1が、透明体2(導光体2)の主走査方向(X軸方向)の両方の端部又は片方の端部と対向させる光源素子1の数は、図23では反射領域15に対応するものごとに、片方の端部側に二つずつ配置したものを図示しているが、これに限るものではない。
サイドライト方式は、光源素子1からの光が透明体2(導光体2)の中へ入射し、透明体2(導光体2)と空気層の境界で全反射しながら主走査方向に伝播されていく。その際に、図23の断面図である図22のように透明体2(導光体2)の一部に作られた反射領域15に光が入射すると光が散乱(反射)され、透明体2から出射される。よって、前述の通り、反射領域15を新たな線状光源(アレイ光源,光源アレイ)とみなすことができる。そのため、実施の形態1,2,3に係る画像読取装置の構成を実施の形態4に係る画像読取装置(サイドライト方式)にも適用できる。
図23において、光源素子1aは導光部2aに対向し、光源素子1bは導光部2qに対向しているので、光源素子1aからの光は、導光部2aに入射し、反射領域15aで反射され、光源素子1bからの光は、導光部2qに入射し、反射領域15bで反射される。
例えば、第1経路13aが必要な場合は、実施の形態1,2,3に係る画像読取装置の構成へ反射領域15を適用するとよい。つまり、結像光学系3を、複数のレンズの光軸と読取対象Mとが交差する点の並びを通る、主走査方向(X軸方向)と平行な第1仮想線、及び、反射領域15を通る、主走査方向と平行な第2仮想線の二つの仮想線が通る仮想平面を外して配置することになる。
サイドライト方式が適用された実施の形態4に係る画像読取装置は、実施の形態1,2,3に係る画像読取装置と比較して、透明体2の主走査方向の端部に設置する光源素子1の数を少なくすることができる。また、光源素子1の実装数を減らすことができるとともに、アレイ光源方式で光源素子1の実装数を減らした際に問題となる主走査方向の照度むらであるリップルも抑制できる利点がある。実施の形態4に係る画像読取装置の光源素子1の設置方法には制限はないが、後述する光源ホルダ31などの透明体2の主走査方向(X軸方向)の端部に光源素子1を近接配置させることができ、光の漏れが少ないホルダを用いることで、光源素子1から透明体2へ照射される光が外部へ漏れることが抑えられるので、光源素子1を配置するだけの場合に比べて照明の効率がよくなる。
さらに、サイドライト方式が適用された実施の形態4に係る画像読取装置の光源素子1の配置は、アレイ光源方式が適用された実施の形態1,2,3に係る画像読取装置の光源素子1の配置に比べて、画像読取装置10の外部に光源素子1を設けやすいものとなっている。もちろん、アレイ光源方式が適用された実施の形態1に係る画像読取装置やアレイ光源方式が適用された実施の形態3に係る画像読取装置において各ミラー面を形成していないものにおいても、アレイ光源を構成する複数の光源素子1からの光を透明体2内で導光させなければ、画像読取装置10の外部に光源素子1を設けやすいものとなっている。
実施の形態5.
本発明に係る実施の形態5に関して、図24〜図45を用いて説明する。実施の形態5では、本発明に係る画像読取装置の構造の例について説明する。詳しくは、画像読取装置10の透明体2(導光体2),固定部(係合部2c,係合部2d,突起部2e,ネジ9,クリップ16,クリップ17,接着部材18,弾性部材19、楔部材23),結像光学系3,遮光部材5(遮光部5),基板6などの構造を中心とした説明を行う。また、実施の形態5以降は、画像読取装置10の遮光部材5が防塵部材7と別体となっているもので、説明を行う。実施の形態5に係る画像読取装置の構造は、実施の形態1〜4に係る画像読取装置の構造に適用可能である。また、実施の形態5以降の実施の形態では、画像読取装置10の透明体2(導光体2)は、導光部2aの外側面を円弧状にしたもので説明を行う。この導光部2aの外側面を円弧状にしたものも、実施の形態1〜4に係る画像読取装置に適用することが可能である。
図24は、実施の形態5に係る画像読取装置の斜視図である。図25は、図24に示すY軸とZ軸とで規定されるYZ平面と平行な平面である仮想平面AA’での画像読取装置10の断面図である。詳しくは、仮想平面AA’は、主走査方向(X軸方向)に複数並べられた係止部2cの一つと交差する部分の断面図である。なお、係止部2cは、結像光学系3を間に挟んで二列並べられているので、厳密には、仮想平面AA’は主走査方向(X軸方向)に複数並べられた係止部2cの二つと交差する断面といえる。もちろん、結像光学系3を間に挟んで二列並べられている係止部2cが千鳥配置であれば、仮想平面AA’は主走査方向(X軸方向)に複数並べられた係止部2cの一つと交差する断面といえる。この実施の形態5を含む本発明の実施の形態では、結像光学系3を間に挟んで二列並べられている係止部2cが千鳥配置ではなく、副走査方向(Y軸方向)において対向している場合を例示的に用いて説明している。
図26は、図24に示すY軸とZ軸とで規定されるYZ平面と平行な平面である仮想平面BB’での画像読取装置10の断面図である。詳しくは、仮想平面BB’は、主走査方向(X軸方向)に複数並べられた光源素子1の一つと交差する部分の断面図である。光源素子1は、結像光学系3を間に挟んで二列並べられている千鳥配置であるので、仮想平面BB’は主走査方向(X軸方向)に複数並べられた光源素子1aの一つと交差する断面となっている。図27は、図24,図25,図26に記載の画像読取装置の展開図(分解図(分解斜視図))である。この図27の記載から、光源素子1aが二列配列された光源素子1が千鳥配置であることが分かる。
図24〜図27において、図中、同一又は同等の構成要素には同一符号を付しその説明を省略する。図24〜図27において、係合部2cは、透明体2の読取対象Mと反対側の端部の両側にそれぞれ形成された鍔部2iから基板6側に延伸した固定部である。鍔部2iは、結像光学系3に対して、反対側に延在しているものである。なお、固定部は、透明体2の読取対象Mに対して反対側の端部から、センサIC4に対して反対側に延在する鍔部2iと基板6とを固定するものであるともいえる。実施の形態1〜4において、係合部2cは、鍔部2iが微小なため、係合部2cの一部として取り扱うが、実施の形態5のように、別構成としてもよい。但し、構造としては、係合部2c(固定部)と鍔部2iとは一体である方が強度面では優位である。図27に記載の位置決め用穴6bの説明は、後述する図31〜図34に記載の画像読取装置10の説明の際に行う。
図24〜図27において、防塵部材7は、遮光部材5と基板6との間に配置され、遮光部材5,結像光学系3のセンサIC4側の面,基板6で囲われた空間である貫通穴部5aと外部から隔離するものである。詳しくは、光源素子1aが配置される基板6の部分からの異物や、画像読取装置10の外部からの異物を、貫通穴部5aに侵入することを防ぐ部材である。また、図27の記載から防塵部材7は、センサIC4の周囲を覆うように長方形状に基板6に設置されていることが分かる。つまり、画像読取装置10のYZ平面と平行な断面では、防塵部材7は、センサIC4を挟み込むように、二箇所に分断されて主走査方向(X軸方向)に配置されている。しかし、主走査方向(X軸方向)の端部に配置された受光素子よりも、主走査方向(X軸方向)の端部に配置された受光素子の隣に配置された受光素子に対して外側では、防塵部材7は、副走査方向(Y軸方向)に配置されている。つまり、防塵部材7は、主走査方向(X軸方向)及び副走査方向(Y軸方向)に延在する部分が接続されて、長方形状の形をなしている。
続いて、図24〜図27に記載の画像読取装置10の詳細な説明を行う。図25及び図26の断面図に示されるように、画像読取装置10の基板6には、センサIC4が接着などで固定されている。センサIC4の周囲には、ゴムや柔らかい樹脂などで形成された防塵部材7が基板6に固定され、防塵部材7の上には、樹脂や金属などの剛性のある材料で形成された遮光部材5(遮光部5)が載置されている。遮光部材5は、副走査方向に所定の長さを有し主走査方向及び副走査方向に直交する方向(Z軸方向)に貫通し、主走査方向に延在する開口を有する貫通穴部5aが形成されている。貫通穴部5aは、結像光学系3が当接されている部位から、基板6に向かって、Z軸方向に段差のある形状である段差部が内部に形成されている。段差部は、結像光学系3が、遮光部材5の貫通穴部5aにはめ込まれている部位から、基板6に向かうにつれ、Y軸方向の幅が広がる形状となっている。Y軸方向の幅が最大となっている貫通穴部5aの周縁部分と基板6との間に、防塵部材7が配置されている。基板6上に、防塵部材7、遮光部材5及び結像光学系3を、前述のように配置することにより、センサIC4への異物の侵入を防いでいる。
図25及び図26の断面図に示されるように、透明体2は、内側に凹み部2Lを有する構造を成しており、この凹み部2Lに防塵部材7、遮光部材5及び結像光学系3が内蔵されている。そのため、凹み部2Lは、遮光部材5及び結像光学系3又は結像光学系3の収納部2Lともいえる。結像光学系3のセンサIC4と反対側の端部は、透明体2の係合部2c(固定部)が、基板6を抱え込むことで、基板6上の防塵部材7及び遮光部材5に支持される結像光学系3が押し上げられ、透明体2の凹み部2Lの最深部に接触している。図25及び図26に記載の画像読取装置10では、透明体2の係合部2c(固定部)が、基板6を抱え込むことで、基板6上の遮光部材5も透明体2の凹み部2Lに接触している。透明体2は、係合部2cにて基板6の外周に引っ掛かるように固定されており、このように透明体2が基板6に固定されることにより、防塵部材7、遮光部材5及び結像光学系3が押圧されるような形で基板6に固定されているともいえる。
このように、図27に示す展開図の状態から、まず、基板6上の防塵部材7が配置された部分に、遮光部材5と遮光部材5に当接した結像光学系3とを載置する。その後、透明体2の係合部2cを基板6の所定の位置に係合させることで、図24に示す画像読取装置を得ることができる。なお、係合部2cを係合させる基板6の所定の位置として、基板6に窪みなどの係合部2cが覆いかぶさる部位を基板6に設けてもよい。図24(図25,図26)に示す画像読取装置は、透明体2で押圧するようにして防塵部材7、遮光部材5及び結像光学系3を基板6に一体的に固定するので、簡単な構造で画像読取装置10を得ることができる。
このように、図27に示す展開図の状態から、まず、基板6上の防塵部材7が配置された部分に、遮光部材5と遮光部材5に当接した結像光学系3とを載置する。その後、透明体2の係合部2cを基板6の所定の位置に係合させることで、図24に示す画像読取装置を得ることができる。なお、係合部2cを係合させる基板6の所定の位置として、基板6に窪みなどの係合部2cが覆いかぶさる部位を基板6に設けてもよい。図24(図25,図26)に示す画像読取装置は、透明体2で押圧するようにして防塵部材7、遮光部材5及び結像光学系3を基板6に一体的に固定するので、簡単な構造で画像読取装置10を得ることができる。
なお、図28〜図30に示すように、遮光部材5は、遮光部材5の穴5bに透明体2の突起2tを挿入して固定しても良い。図28は、本発明の実施の形態5に係る画像読取装置の断面図であり、図29は、本発明の実施の形態5に係る画像読取装置の基板6を除いた状態で裏面から見た斜視図であり、図30は、図29において基板6を装着した図である。このようにすることにより、遮光部材5が精度良く透明体2に固定されるので、結果、結像光学系3とセンサIC4とが、精度良く位置決めされる。
図31は、実施の形態5に係る画像読取装置の斜視図である。図32は、図25に示すY軸とZ軸とで規定されるYZ平面と平行な平面である仮想平面AA’での画像読取装置10の断面図である。詳しくは、仮想平面AA’は、主走査方向(X軸方向)に複数並べられた係止部2cの一つと交差する部分の断面図である。なお、係止部2cは、結像光学系3を間に挟んで二列並べられているので、厳密には、仮想平面AA’は主走査方向(X軸方向)に複数並べられた係止部2cの二つと交差する断面といえる。もちろん、結像光学系3を間に挟んで二列並べられている係止部2cが千鳥配置であれば、仮想平面AA’は主走査方向(X軸方向)に複数並べられた係止部2cの一つと交差する断面といえる。
図33(a)は、図31に示すY軸とZ軸とで規定されるYZ平面と平行な平面である仮想平面BB’での画像読取装置10の断面図である。詳しくは、仮想平面BB’は、後述する透明体2の突起部2eと交差する部分の断面図である。図34は、図31,図32,図33(a)に記載の画像読取装置の展開図(分解図(分解斜視図))である。この図34の記載から、光源素子1aが、結像光学系3を間に挟んで二列並べられている千鳥配置であることが分かる。
図31〜図34において、図中、同一又は同等の構成要素には同一符号を付しその説明を省略する。図24〜図27において、係合部2dは、透明体2の読取対象Mと反対側の端部の両側にそれぞれ形成された鍔部2iから基板6側に延伸した透明体2の固定部である。突起部2eは、透明体2の読取対象Mと反対側の端部に形成された鍔部2iから基板6側に延伸したものである。突起部2eは、透明体2の読取対象Mと反対側の端部両側にそれぞれ形成してもよい。穴6aは、係合部2dが係合されるもので、基板6を貫通して形成されたものである。位置決め用穴6bは突起部2eが挿入される位置決めのためのものである。
また、穴6aと突起部2eは図33(b)のように副走査方向に並べ配置してもよい。透明体2は内側に凹み部2Lを有する構造をしているため、副走査方向に広がるようにソリを持つ傾向がある。そこで、図33(b)のように突起部2eを副走査方向に並べる、基板6の穴6aに挿入することで、基板6によって副走査方向のソリが矯正される。なお、図33(b)ではもっともソリが大きい主走査方向の中央部にのみ突起部2eを並べて配置しているが、主走査方向に数箇所突起部2eを並べて配置しても良い。なお、図8及び図9に示す固定方法でも同様に透明体2の副走査方向へのソリを矯正する効果がある。
続いて、図31〜図34に記載の画像読取装置10の詳細な説明を行う。図25及び図26の断面図に示されるように、画像読取装置10の基板6には、図24〜図27に記載の画像読取装置10と同じく、センサIC4が接着などで固定され、基板6上に防塵部材7及び遮光部材5並びに結像光学系3が載置されている。基板6上に、防塵部材7、遮光部材5及び結像光学系3を、前述のように配置することにより、センサIC4への異物の侵入を防いでいる。
図32及び図33の断面図に示されるように、透明体2は、内側に凹み部2Lを有する構造を成しており、この凹み部2Lに防塵部材7、遮光部材5及び結像光学系3が内蔵されている。結像光学系3のセンサIC4と反対側の端部は、透明体2の係合部2d(固定部)が、基板6を抱え込むことで、基板6上の防塵部材7及び遮光部材5に支持される結像光学系3が押し上げられ、透明体2の凹み部2Lの最深部に接触している。図32及び図33に記載の画像読取装置10では、基板6の穴6aに挿入された透明体2の係合部2d(固定部)が、穴6aを介して基板6を抱え込むことで、基板6上の遮光部材5も透明体2の凹み部2Lに接触している。また、係合部2d(固定部)による係合時に、透明体2の突起部2eが、基板6の位置決め用穴6bに挿入されるように配置されているので、透明体2と基板6との相互の位置関係における十分な位置精度を得ることができる。
透明体2は、係合部2dにて基板6に、基板6の外周に設けられた穴6aを通して基板6に引っ掛かるように固定されており、このように透明体2が基板6に固定されることにより、防塵部材7、遮光部材5及び結像光学系3が押圧されるような形で基板6に固定されているともいえる。また、前述の位置精度に関しては、基板6の穴6aと係合部2dとの隙間による位置決めのずれを防止するため、基板6に開けられた位置決め用穴6bに透明体2の突起部2eを挿入して、確保している。
このように、図34に示す展開図の状態から、まず、基板6上の防塵部材7が配置された部分に、遮光部材5と遮光部材5に当接した結像光学系3とを載置する。その後、透明体2の係合部2dを基板6の穴6aに係合させることで、図31に示す画像読取装置を得ることができる。図31(図32,図33)に示す画像読取装置は、透明体2で押圧するようにして防塵部材7、遮光部材5及び結像光学系3を基板6に一体的に固定するので、簡単な構造で画像読取装置10を得ることができる。
また、図31〜図34に記載の画像読取装置10は、基板6における穴6aを形成した部位をY軸方向に突出させている。また、図33に示すように、透明体2の係合部2d以外の、読取対象Mと反対側の端部の両側にそれぞれ形成された鍔部2iから基板6側に延伸した部位を有している。よって、透明体2と基板6とが係合している部位を除いて、鍔部2iから基板6側に延伸した部位が、基板6の側面を覆う構造となっている。図31〜図34に記載の画像読取装置10のように、位置決め用穴6bと突起部2eとを、図24〜図27に記載の画像読取装置10に適用して、透明体2と基板6との相互の位置関係における十分な位置精度を得ることができる。位置決め用穴6bは、図27に記載しているが、突起部2eに関しては、図24〜図27における記載は省略する。
図35〜図40は、画像読取装置10の固定部及び主走査方向(X軸方向)に複数並べられた光源素子1aの一つと交差する部分の断面図であり、前述の図24に示すY軸とZ軸とで規定されるYZ平面と平行な平面である仮想平面BB’に相当する位置の断面図である(固定部は除く)。光源素子1aは、結像光学系3を間に挟んで二列並べられている千鳥配置であるので、仮想平面BB’は主走査方向(X軸方向)に複数並べられた光源素子1aの一つと交差する断面となっている。図35(a)は、穴6aへ突起部2f(固定部)を挿入した状態を示す図である。図35(b)は、穴6aへ挿入した突起部2f(固定部)の先端を基板6へ熱溶着した状態を示す図である。
図35において、図中、同一又は同等の構成要素には同一符号を付しその説明を省略する。図35において、突起部2fは、透明体2の読取対象Mと反対側の端部の両側にそれぞれ形成された鍔部2iから基板6側に延伸した透明体2の固定部である。穴6aは、突起部2fが挿入されるもので、基板6を貫通して形成されたものである。穴6aに挿入された突起部6fの先端を熱溶着することで、基板6のセンサIC4が形成された面と反対側の面と透明体2(突起部6f)とが固定される。
図24〜図35に記載の画像読取装置10では、透明体2の係合部2c又は係合部2dにより、基板6と透明体2とを固定した。図35(b)に示す画像読取装置10を作製するには、図35(a)に示すように、基板6の外周に設けられた穴部6aに突起部2fを挿入する。そして、突起部2fの基板6からの突出部2fを熱で溶かすことにより、透明体2を基板6に固定すればよい。換言すれば、突起部2fは、熱で溶かされる前は、位置決め部として作用し、熱で溶かされた後は、固定部として作用するといえる。さらに、熱で溶かされる前に関して詳しく説明すれば、突起部2fは突起部2eに相当し、穴6aは位置決め用穴6bに相当する。
図36において、図中、同一又は同等の構成要素には同一符号を付しその説明を省略する。図36において、穴6aは、固定部であるネジ9が挿入されるもので、基板6を貫通して形成されたものである。ネジ9は、穴6aと鍔部2iのネジ穴2jとに挿入し、締結するものである。ネジ穴2jは、鍔部2iの読取対象M側から基板6側に亘って穿たれたものである。
図36に記載の画像読取装置10では、透明体2の外周に鍔部2iを設け、鍔部2iにネジ穴2jを形成し、穴6aを開けておいた基板6をネジ9でネジ止めして透明体2と基板6を固定する。よって、簡便な構造により、固定部(ネジ9)の形成位置や固定部(ネジ9)の数の選択などの設計の自由度が高い画像読取装置を得ることができる。
図37及び図38において、図中、同一又は同等の構成要素には同一符号を付しその説明を省略する。図37及び図38において、クリップ16は、鍔部2iと基板6とのY軸方向の端部を挟み込んで固定する固定部である。クリップ17は、基板6のセンサIC4が形成された面と反対側の面から、鍔部2iのY軸方向の両端部を挟み込んで固定する固定部である。クリップ17は、二つのクリップ16の基板6のセンサIC4が形成された面と反対側の面の部分が連結されているともいえる。クリップ17の、この部分を湾曲させて基板6に押し当てるようにしてもよい。詳しは、クリップ17の湾曲させた湾曲部分の頂点部分を基板6に押し当てるようにする。この湾曲部分は、後述する弾性部材19の湾曲部分と同様の形状となる。
図37及び図38に記載の画像読取装置10では、透明体2の外周に鍔部2iを設け、鍔部2iと基板6をクリップ16(クリップ17)で挟持して透明体2と基板6を固定する。よって、固定部(クリップ16,クリップ17)を透明体2及び基板6とは完全に別体とすることができ、固定部(クリップ16,クリップ17)の形成位置や固定部(クリップ16,クリップ17)の数の選択などの設計の自由度が高い画像読取装置を得ることができる。
図39において、図中、同一又は同等の構成要素には同一符号を付しその説明を省略する。図39において、接着部材18は、鍔部2iと基板6とのY軸方向の端部を接着剤又は接着テープなどで接着して固定する固定部である。接着部材18は主走査方向(X軸方向)に沿って、透明体2と基板6とを全面的に接着してもよいし、透明体2と基板6とを間欠的に接着してもよい。
図39に記載の画像読取装置10では、透明体2の外周に鍔部2iを設け、鍔部2iと基板6を接着部材18で接着して透明体2と基板6を固定する。よって、固定部(接着部材18)を透明体2及び基板6とは完全に別体とすることができ、固定部(接着部材18)の形成位置の選択などの設計の自由度が高い画像読取装置を得ることができる。
図40において、図中、同一又は同等の構成要素には同一符号を付しその説明を省略する。図40において、突起部2kは、収納部2Lと反対側の透明体2の表面に、主走査方向と交差する副走査方向の前後で、それぞれ形成されたものである。弾性部材19(透明体固定用弾性体19)は、基板6のセンサIC4が形成された面と反対側の面側に屈曲した湾曲部分、この湾曲部分の両端にそれぞれ形成され、二つの突起部2k(突起部2kの貫通穴又は穴)にそれぞれ係止された第1平坦部分及び第2平坦部分を有している。
図40に記載の画像読取装置10では、透明体2の外周に貫通穴を有する突起部2kを設け、この突起部2kの貫通穴又は穴に弾性部材19を引っ掛けて透明体2と基板6を固定する。詳しくは、弾性部材19は、第1平坦部分及び第2平坦部分が、基板6を貫通して、又は、基板6を抱えて、基板6のセンサIC4が形成された面と反対側の面との間に介在し、湾曲部分が基板6のセンサIC4が形成された面と反対側の面に押し当てられて接触するものである。よって、簡便な構造ながら、固定部(弾性部材19)によって、より確実に、透明体2と基板6とを固定することができる画像読取装置を得ることができる。
図40に記載の画像読取装置10の構造を、実施の形態3に係る画像読取装置である適用する場合、つまり、結像光学系3及び遮光部材5の主走査方向(X軸方向)に沿った二つの側面のうちの片方、又は、結像光学系3の主走査方向(X軸方向)に沿った二つの側面のうちの片方を露出させる形状である画像読取装置10に適用する場合を説明する。
まず、図40に記載の画像読取装置10の構造を、実施の形態3に係る画像読取装置である適用する場合のうち、結像光学系3及び遮光部材5の主走査方向(X軸方向)に沿った二つの側面のうちの片方を露出させる形状であって、図40に示すものと同様の突起部2kに相当する第2突起部が遮光部材5に設けられている場合を説明する。この場合の固定部は、収納部2Lと反対側の透明体2の表面に形成された第1突起部2k(図40に示す透明体2に形成された突起部2kそのもの)と、センサIC4と反対側の遮光部材5の表面であって、透明体2から露出した遮光部材5の表面に形成された第2突起部とを有している。また、固定部は、図40に示すものと同様の弾性部材19を有している。つまり、弾性部材19は、基板6の他方の面側に屈曲した湾曲部分、この湾曲部分の両端にそれぞれ形成され、第1突起部2k及び第2突起部にそれぞれ係止された第1平坦部分及び第2平坦部分を有している。さらに、弾性部材は、第1平坦部分及び第2平坦部分が、基板6を貫通して、又は、基板6を抱えて、基板6の一方の面と基板6の他方の面との間に介在し、湾曲部分が基板6の他方の面に押し当てられて接触している。
次に、図40に記載の画像読取装置10の構造を、実施の形態3に係る画像読取装置である適用する場合のうち、少なくとも、結像光学系3が露出した側の主走査方向(X軸方向)の側面における透明体2に、図40に示すものと同様の突起部2kが設けられている場合を説明する。この場合は、固定部の構造も、当然、図40に記載の画像読取装置10と同様となる。相違点は、主走査方向(X軸方向)に沿った二つの側面のうちの片方で、少なくとも結像光学系3が露出している点である。つまり、結像光学系3とともに遮光部材5も露出していてもよい。換言すると、図40に記載の画像読取装置10の構造を、実施の形態3に係る画像読取装置である適用する場合で、かつ、結像光学系3とともに遮光部材5も露出させる場合は、遮光部材5に第2突起部を形成する場合と、透明体2のみに突起部2kを形成する場合とに分けられるといえる。
図40に記載の画像読取装置10では、透明体2の外周に貫通穴を有する突起部2kを設け、この突起部2kの貫通穴又は穴に弾性部材19を引っ掛けて透明体2と基板6を固定する。詳しくは、弾性部材19は、第1平坦部分及び第2平坦部分が、基板6を貫通して、又は、基板6を抱えて、基板6のセンサIC4が形成された面と反対側の面との間に介在し、湾曲部分が基板6のセンサIC4が形成された面と反対側の面に押し当てられて接触するものである。よって、簡便な構造ながら、固定部(弾性部材19)によって、より確実に、透明体2と基板6とを固定することができる画像読取装置を得ることができる。
図41〜42において、図中、同一又は同等の構成要素には同一符号を付しその説明を省略する。図42の展開図が図41となっており、図42の仮想AA’断面が図43、仮想BB’断面が図44、仮想CC’断面が図45となっている。図42において、鍔部2iには、基板6がかかる主走査方向に延在する溝が切られている。この溝は図43〜42に示す仮想AA’断面から仮想CC’断面へ向かうにつれて深度方向の高さが低くなり、最も低いところでは基板6と同等の厚みとなっている。収納部2Lへ結像光学系3と遮光部材5を挿入した後、鍔部2iの溝に沿って基板6を主走査方向にスライドさせて透明体2へ挿入する。そして、図42のように透明体2と基板32の間に楔部材32を挿入して基板6を透明体2へ押し当てることで結像部材3、遮光部材5も透明体2へ押し当てる構造となっている。よって、簡便な構造ながら透明体2と基板6とを固定することができる組み直しが容易な画像読取装置を得ることができる。
実施の形態6.
本発明に係る実施の形態6に関して、図46〜図52を用いて説明する。実施の形態6では、本発明に係る画像読取装置の結像光学系3の固定構造の変形例について説明する。実施の形態6に係る画像読取装置と他の実施の形態に係る画像読取装置との相違点は次のとおりである。透明体2(導光体2)は、透明な部材からなり、結像光学系3を収納部2Lに収納し、結像光学系3の読取対象M側の部分を収納部2Lに固定する、又は、結像光学系3と収納部2Lの一部とを接触させて結像光学系3を固定するものである。遮光部材5(遮光部5)は、結像光学系3におけるセンサIC4側の部分を支持し、又は、結像光学系3におけるセンサIC4側の部分と接触し、結像光学系3が収束した光以外を遮光し、透過体2に覆われたものである。よって、実施の形態6に係る画像読取装置と他の実施の形態に係る画像読取装置とは、相互に置換可能である。
図46〜図52は、画像読取装置10の固定部(係合部2c)及び主走査方向(X軸方向)に複数並べられた光源素子1aの一つと交差する部分の断面図であり、前述の図24に示すY軸とZ軸とで規定されるYZ平面と平行な平面である仮想平面BB’に相当する位置の断面図である(固定部(係合部2c)は除く)。光源素子1aは、結像光学系3を間に挟んで二列並べられている千鳥配置であるので、仮想平面BB’は主走査方向(X軸方向)に複数並べられた光源素子1の一つと交差する断面となっている。なお、図45,図46,図47においては、遮光部材5と基板6との図示を省略している。換言すると、図45,図46,図47に記載の透明体2は、基板6を固定(係合)する前の状態を示しているともいえる。
図46において、図中、同一又は同等の構成要素には同一符号を付しその説明を省略する。図46において、遮光部材5は、基板6に載置された防塵部材7の上には、樹脂や金属などの剛性のある材料で形成されている。遮光部材5の貫通穴部5aは、貫通方向に段差のある形状となっており、段差部に当接するように結像光学系3が、遮光部材5の貫通穴部5aに嵌め込まれている。なお、結像光学系3の固定に関しては、貫通穴部5aに結像光学系3を嵌合による支持だけでなく、遮光部材5によって、結像光学系3の読取対象M側が収納部2Lに固定される場合は、単に、貫通穴部5a又は遮光部材5に結像光学系3を接触させるだけでもよい。
図46に記載の画像読取装置10では、貫通穴部5aに結像光学系3を嵌め込んだ遮光部材5を透明体2の収納部2Lに嵌合させることで、結像光学系3と収納部2Lの一部とを接触させて結像光学系3を透明体2に固定することができる。よって、固定部(係合部2cなど)の基板6を抱え込む力の大小に関わらず、結像光学系3を保持することができる画像読取装置を得ることができる。
図47において、図中、同一又は同等の構成要素には同一符号を付しその説明を省略する。図47において、遮光部材5は、柔らかい樹脂やゴム等の弾性体で形成され、基板6の上に載置されている。遮光部材5の貫通穴部5aは、貫通方向に段差のある形状となっており、段差部に当接するように結像光学系3が、遮光部材5の貫通穴部5aに嵌め込まれている。なお、結像光学系3の固定に関しては、貫通穴部5aに結像光学系3を嵌合による支持だけでなく、遮光部材5によって、結像光学系3の読取対象M側が収納部2Lに固定される場合は、単に、貫通穴部5a又は遮光部材5に結像光学系3を接触させるだけでもよい。
図47に記載の画像読取装置10では、透明体2は、内側に凹み部2Lを有する構造を成しており、この凹み部2Lに遮光部材5及び結像光学系3が内蔵されている。結像光学系3のセンサIC4と反対側の端部は透明体2の凹み部2Lの最深部に接触している。これは、貫通穴部5aに結像光学系3を嵌め込んだ遮光部材5(弾性体)を透明体2の収納部2Lに嵌合させることで、結像光学系3と収納部2Lの一部とを接触させて結像光学系3を透明体2に固定することが構成されている。よって、固定部(係合部2cなど)の基板6を抱え込む力の大小に関わらず、結像光学系3を保持することができる画像読取装置を得ることができる。
遮光部材5(弾性体)は変形可能であり、押圧されることにより、基板6との接触部が若干変形することにより、防塵部材7の機能を兼ねている。もちろん、透明体2は、係合部2cにて基板6に基板6の外周に引っ掛かるように固定されており、このように透明体2が基板6に固定されることにより、遮光部材5及び結像光学系3が押圧されるような形で基板6に固定してもよい。図示はしてないが、遮光部材5(弾性体)と防塵部材7とを別部材にしてもよい。
図48及び図49において、図中、同一又は同等の構成要素には同一符号を付しその説明を省略する。図48及び図49において、接着剤21は光を透過する透光性のものである。図48に記載の画像読取装置10は、結像光学系3と透明体2の接触面全面に接着剤21を塗布した場合である。詳しくは、結像光学系3を収納部2Lに収納し、結像光学系3の読取対象M側の部分を収納部2Lに固定するために、結像光学系3の取対象M側の部分と透明体2との間の全面に接着剤21を介在させて接着させたものである。
図49に記載の画像読取装置10は、結像光学系3と透明体2の接触面の外周部に接着剤21を塗布した場合である。詳しくは、結像光学系3を収納部2Lに収納し、結像光学系3の読取対象M側の部分を収納部2Lに固定するために、結像光学系3の読取対象M側の部分における外周部と透明体2との間に接着剤21を介在させて接着させたものである。結像光学系3の外周部が、結像光学系3における複数のレンズを支持している板材のみ、又は、板材及び結像光学系3の光学的に無効な部分だけである場合は、接着剤21は、透明ではないもの、例えば、遮光の機能がある有色を使用してもよい。
よって、図48及び図49に記載の画像読取装置10は、固定部(係合部2cなど)の基板6を抱え込む力の大小に関わらず、結像光学系3を保持することができる画像読取装置を得ることができる。また、図48及び図49に記載の画像読取装置10の遮光部材5は、透明体2に結像光学系3が固定されているので、貫通穴部5a又は遮光部材5に結像光学系3を接触させるだけでもよい。
図50,図51,図52において、図中、同一又は同等の構成要素には同一符号を付しその説明を省略する。図50において、接着剤22は、結像光学系3の側面と透明体2の側面(収納部2L)を接着され、結像光学系3を透明体2に固定するものである。図51において、楔部材23は、結像光学系3の側面と透明体2の側面(収納部2L)に挿入されることにより、結像光学系3を透明体2に固定している。図52において、係合部2gは、透明体2の内部に結像光学系3を係合するものである。係合部2gにより、結像光学系3を係合することにより、結像光学系3を透明体2に固定している。
よって、図50,図51,図52に記載の画像読取装置10は、固定部(係合部2cなど)の基板6を抱え込む力の大小に関わらず、結像光学系3を保持することができる画像読取装置を得ることができる。また、図50,図51,図52に記載の画像読取装置10の遮光部材5は、透明体2に結像光学系3が固定されているので、貫通穴部5a又は遮光部材5に結像光学系3を接触させるだけでもよい。なお、図50,図51,図52に記載の画像読取装置10は、透明体2に基板6を係合することで完成する構造となっている。透明体2に基板6を係合する際は、基板6上に形成された遮光部材2の貫通穴部5aと結像光学系3とを接触させて、貫通穴部5aの内部を遮光する必要がある。
実施の形態6に係る画像読取装置においても、固定部は、透明体2を基板6に固定し、この固定による基板6からの押圧力で、遮光部材5を透明体2に接触させるものでもよい。また、実施の形態6に係る画像読取装置においても、固定部は、透明体2を基板6に固定し、この固定による基板6からの押圧力で、遮光部材5を透明体2及び結像光学系3に接触させるものでもよい。実施の形態6に係る画像読取装置において、結像光学系3の読取対象M側を透明体2に接触させる場合や固定する場合で、結像光学系3と読取対象Mとの間の部分の反射光の光路を切り欠くときは、この切り欠きによってできる開口(空間S)よりも結像光学系3の外形を大きくしておく必要がある。空間Sの取り扱いは、他の実施の形態と同じである。
実施の形態7.
本発明に係る実施の形態7に関して、図53〜図60を用いて説明する。実施の形態7では、本発明に係る画像読取装置の光源素子1の配置の変形例と光源素子1の光源ホルダについて説明する。実施の形態7に係る画像読取装置の光源素子1は、前述のサイドライト方式の変形例である。実施の形態7に係る画像読取装置(光源素子1の配置の変形例)と他の実施の形態に係る画像読取装置との相違点は次のとおりである。光源素子1は、透明体2の読取対象Mに対して反対側の端部に、主走査方向(X軸方向)に沿って、光源素子1からの光を反射する反射領域15が形成され、センサIC4の主走査方向(X軸方向)の端部に配置された受光素子よりも、端部に配置された受光素子の隣に配置された受光素子に対して外側に形成され、反射領域15の外における透明体2の読取対象Mに対して反対側の端部に対向して配置されている。よって、実施の形態7に係る画像読取装置と他の実施の形態に係る画像読取装置とは、相互に置換可能である。
図53は、実施の形態7に係る画像読取装置の斜視図である。図54は、図53に示す画像読取装置10の展開図(分解図(分解斜視図))である。図55は、図53に示すY軸とZ軸とで規定されるYZ平面と平行な平面である仮想平面での画像読取装置10の断面図である。図56は、実施の形態7に係る画像読取装置の斜視図である。図58は、図56に示す画像読取装置10の展開図(分解図(分解斜視図))である。図57は、図56に示すY軸とZ軸とで規定されるYZ平面と平行な平面である仮想平面での画像読取装置10の断面図である。仮想平面に関しては、主走査方向(X軸方向)に複数並べられた係止部2cの一つと交差する部分の断面図である。なお、係止部2cは、結像光学系3を間に挟んで二列並べられているので、厳密には、仮想平面は主走査方向(X軸方向)に複数並べられた係止部2cの二つと交差する断面といえる。
図53,図54,図55において、図中、同一又は同等の構成要素には同一符号を付しその説明を省略する。図53,図54,図55において、光源素子1は、基板6のセンサIC4が形成された面と同じ面上に主走査方向(X軸方向)の端部に配置されている。図53及び図54では主走査方向(X軸方向)の両方の端部に光源素子1(1a、1b)を形成しているが、片方の端部だけでもよい。透明体2は、主走査方向(X軸方向)に向かう連れ、端部が基板6側に屈曲していき、最終的は、光源素子1を覆っている。この覆っている部分から、照明光が透明体2の内に入り、光源素子1aからの光は反射領域15aで反射されることで、読取対象搬送側面2bから読取対象Mへ照明光が照射され反射用照明となる。光源素子1bからの光は反射領域15bで反射されることで、読取対象搬送側面2bの対向面から読取対象Mへ照明光が照射され透過用照明となる。なお、透明体2の端部の屈曲部分は、読取対象搬送側面2bと連続しており、透明体2の端部の屈曲部分の光源素子1を覆っている部分は、反射領域15の外における透明体2の読取対象Mに対して反対側の端部となる。
図53,図54,図55に記載の画像読取装置10は、光源素子1からZ軸方向に発光した光は、透明体2の端部の屈曲部分で反射して、概ね主走査方向(X軸方向)に曲げられ、透明体2の内部を反射しながら主走査方向(X軸方向)へ伝搬する。主走査方向(X軸方向)へ伝搬の過程で、反射領域15で反射され、Z軸方向に光が反射される。Z軸方向に反射された光の経路(光路)は、他の実施の形態において光源素子1から発光されたものと同様である。また、図55における画像読取装置10の基板6への防塵部材7、遮光部材5、結像光学系3、透明体2の固定方法は、他の実施の形態と同様である。
よって、図53,図54,図55に記載の画像読取装置10は、サイドライト方式であっても、基板6上、或いは、XY平面上に光源素子1を形成することができる画像読取装置を得ることができる。
図56,図57,図58において、図中、同一又は同等の構成要素には同一符号を付しその説明を省略する。図56,図57,図58において、光源ホルダ31(LEDホルダ31)は、光源素子1(1a、1b)が実装された面に透明体2の端部が挿入されるものである。光源ホルダ31には、図58に示すように、光源素子1が形成された基板と透明体2の端部が収納される窪みが形成されている。図56及び図58では主走査方向(X軸方向)の両方の端部に光源ホルダ31を形成しているが、片方の端部だけでもよい。ホルダピン31aは、光源ホルダ31の読取対象M側と反対側に端部に形成されたピンである。本発明の図面では、ホルダピン31がスナップフィットの場合を示している。ホルダピン用穴2mは、主走査方向(X軸方向)の端部における透明体2の鍔部2iに、副走査方向(Y軸方向)に沿って形成されたホルダピン31が挿入される穴である。ホルダピン用穴6cは、基板6の主走査方向(X軸方向)の端部に、副走査方向(Y軸方向)に沿って形成されたホルダピン31が挿入される穴である。
光源ホルダ31は、ホルダピン31a、ホルダピン用穴2m及びホルダピン用穴6cに挿入されることで、透明体2の主走査方向(X軸方向)の端部に固定される。詳しくは、ホルダピン31であるスナップフィットの先端の返し部分が基板6のセンサIC4が形成された面と反対の面側に飛び出すことで、光源ホルダ31が固定される。また、透明体2において、主走査方向(X軸方向)の端部に鍔部2iを形成せずに、基板6のホルダピン用穴6cが形成された部分を露出させて、そのホルダピン用穴6cに直接、ホルダピン31を挿入するようにしてもよい。逆に、基板6において、主走査方向(X軸方向)の端部に鍔部2iと対向する部分を形成せずに、鍔部2iに形成されたホルダピン用穴2mのみに、ホルダピン31を挿入するようにしてもよい。さらに、基板6において、主走査方向(X軸方向)の端部に鍔部2iと対向する部分は形成するが、ホルダピン用穴6cを形成せずに、鍔部2iに形成されたホルダピン用穴2mのみに、ホルダピン31を挿入するようにしてもよい。
また、光源ホルダ31は、透明体2の読取対象Mに対して反対側の端部に、主走査方向(X軸方向)に沿って、光源素子1(1a、1b)からの光を反射する反射領域15(15a、15b)が形成され、センサIC4の主走査方向(X軸方向)の端部に配置された受光素子よりも、主走査方向(X軸方向)の端部に配置された受光素子の隣に配置された受光素子に対して外側で、透明体2の鍔部2i(基板6)上で固定されているともいえる。図56及び図58に示す光源ホルダ31は、透明体2の鍔部2i(基板6)上に固定するものだが、光源ホルダ31は、透明体2の主走査方向(X軸方向)の端部に挿入するだけで、透明体2の鍔部2iと直接接触させずに固定してもよい。
図56,図57,図58に記載の画像読取装置10は、光源素子1が透明体2の主走査方向の端部に設けられた光源ホルダ31上に配置されたものである。光源素子1(1a、1b)から発光した光は透明体2の内部を反射しながら主走査方向(X軸方向)へ伝搬する。主走査方向(X軸方向)へ伝搬の過程で、反射領域15(15a、15b)で反射され、Z軸方向に光が反射される。Z軸方向に反射された光の経路(光路)は、他の実施の形態において光源素子1から発光されたものと同様である。また、図56における画像読取装置10の基板6への防塵部材7、遮光部材5、結像光学系3、透明体2の固定方法は、他の実施の形態と同様である。
よって、図56,図57,図58に記載の画像読取装置10は、サイドライト方式であっても、光源素子1を内蔵することができる画像読取装置を得ることができる。なお、図57に記載の断面図は、先に説明した図55に記載の断面図とは同じ形状になっている。これは、光源素子1の配置が、両者の違いであるためである。
実施の形態8.
これまでの実施の形態では反射用照明と透過用照明をサイドライト方式、またはアレイ方式に統一したものであるが、本実施の形態8では図59に示すとおり反射照明と透過照明を別の方式にした例である。図59では反射用照明をアレイ方式、透過照明をサイドライト方式にした例であるが、もちろん反射照明をサイドライト方式、透過照明をアレイ方式にしてもよい。サイドライト方式は照度の均一性、アレイ方式は照明効率の高さというメリットがそれぞれにあるため、反射照明と透過照明に必要な特性に合わせて都合のよい方式を選択すればよい。
また、図60は図59の変形例である主走査の左右に設置された光源ホルダ31を1つの部材とした場合である。光源ホルダは照明効率を上げるため反射率の高い白樹脂などで作製することが望ましい。そのため、図60のように光源ホルダ31をつなげることで反射領域15bの上面に白樹脂の面を設けることができる。この白樹脂面によって反射領域15bを透過した光を読取対象Mへ戻すことができるためより明るい照明を行うことができる。