JP2015230166A - ガスセンサ制御システム、ガスセンサ制御装置及びガスセンサの制御方法 - Google Patents

ガスセンサ制御システム、ガスセンサ制御装置及びガスセンサの制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易な制御で検知素子の検知電極への炭素の析出を防ぎ、しかも、ヒータ通電における省電力化を図ることができるガスセンサ制御システムを提供する。
【解決手段】ガスセンサ制御システム1は、内部抵抗検知手段とヒータ通電制御手段とを備え、検知時間TMは、1.0msecよりも長い時間であり、目標抵抗値Rtは、リッチ雰囲気の排気ガスEGr下で、検知電極温度Tdが、検知電極3Nに排気ガスEG中の炭素が析出しない所定の非析出温度Tdnであるときに、検知される内部抵抗Riであるリッチ内部抵抗Rirの値に定められており、ヒータ通電制御手段は、リッチ雰囲気の排気ガスEGr下及びリーン雰囲気の排気ガスEGl下のいずれでも、目標抵抗値Rtを用いてフィードバック制御を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガスセンサ制御システム、ガスセンサ制御装置及びガスセンサの制御方法に関する。
従来より、ジルコニア等の酸素イオン伝導性の固体電解質体からなる検知素子を備えるガスセンサとして、内燃機関の排気ガスがリッチ雰囲気であるかリーン雰囲気であるかを検知する酸素センサが知られており、内燃機関の空燃比制御に用いられている。
なお、リッチ雰囲気の排気ガスは、理論空燃比よりも燃料が多い(リッチな)ため、燃焼後の排気ガス中に酸素をほとんど含まない状態(例えば、1体積%以下)の排気ガスであり、リーン雰囲気の排気ガスは、理論空燃比よりも燃料が少ない(リーンな)ため、燃焼後の排気ガス中に酸素を多く含む(例えば、10〜20体積%)状態の排気ガスである。
このガスセンサの検知素子を構成する固体電解質体は、おおむね600℃以上の高温状態(活性化状態)で良好な酸素イオン伝導性を示す。そこでガスセンサに、検知素子を加熱するヒータを設け、検知素子を活性化状態とするべく加熱する。しかも、検知素子の内部抵抗が、その素子温度に応じて変化することを利用して、検知素子の内部抵抗が目標抵抗値になるように、ヒータへの通電をフィードバック制御することが行われている。
ところで、このガスセンサにおいては、検知素子の内部抵抗の大きさは、排気ガスの雰囲気の違いの影響を受ける。具体的には、リッチ雰囲気の排気ガス下で検知される内部抵抗の値は、リーン雰囲気の排気ガス下で検知される内部抵抗の値に比べて大きくなる。排気ガスに晒される検知素子の検知電極の電極界面抵抗(検知電極の電極表面に酸素分子が吸着・拡散するときの抵抗、及び、固体電解質体と検知電極と気相との三相界面で生じる酸素分子と酸素イオンとの間の分解・生成反応の抵抗)の大きさが、リッチ雰囲気の排気ガス下とリーン雰囲気の排気ガス下とで異なるためと考えられる。そこで、例えば、特許文献1では、ガスセンサを制御するにあたり、リッチ雰囲気とリーン雰囲気との相違に起因して生じる内部抵抗の変動の影響を抑える制御を行うことが提案されている。
特開2013−190296号公報
しかしながら、上述した排気ガスの雰囲気の違いに起因する内部抵抗の変動の影響を抑えるためには、例えば、リッチ雰囲気の排気ガス下とリーン雰囲気の排気ガス下とで異なる補正係数を用いたり、リッチ雰囲気の排気ガス下とリーン雰囲気の排気ガス下とで、制御フローを異ならせる必要があり、制御が複雑になる。
また、低酸素濃度となるリッチ雰囲気の排気ガス下では、排気ガスに晒されている検知素子の検知電極の温度(以下、検知電極温度という)が、特定の温度以下(例えば、約670℃以下)になると、多孔質の検知電極の内部や表面上に排気ガス中の炭素が析出することがある。そして、検知電極に炭素が析出すると、検知素子の固体電解質体から検知電極が剥離するなどして、ガスセンサの特性劣化を招くおそれがある。このため、リッチ雰囲気の排気ガス下では、検知電極への炭素の析出を防ぐために、検知素子の検知電極の検知電極温度を、炭素が析出し始める上述の特定の温度(例えば670℃)よりも高い温度、即ち、炭素が析出しない温度範囲内の温度に保つことが求められる。ただし、検知電極の検知電極温度を高くしすぎると、検知素子が過昇温になったり、ヒータへの投入電力が大きくなって、ヒータ通電による電力消費が大きくなる点で好ましくない。
一方、酸素濃度が高いリーン雰囲気の排気ガス中には、検知電極の検知電極温度が、もし、リッチ雰囲気の排気ガス下ならば炭素が析出し始める温度(例えば670℃)以下になっても、化学平衡の観点から析出炭素の起源となるCOが含まれないため、検知電極に炭素が析出しない。
本発明は、かかる知見に鑑みてなされたものであって、簡易な制御で検知素子の検知電極への炭素の析出を防ぎ、しかも、ヒータ通電における省電力化を図ることができるガスセンサ制御システム、ガスセンサ制御装置及びガスセンサの制御方法を提供することを目的とする。
その一態様は、酸素イオン伝導性の固体電解質体からなり、排気ガスに晒される検知電極及び基準雰囲気に晒される基準電極を有する検知素子と、上記検知素子を加熱するヒータとを備えるガスセンサを含み、これを制御するガスセンサ制御システムであって、上記検知素子の上記検知電極と上記基準電極との間の電圧及びこれらの電極間に流れる電流の少なくともいずれかを所定の検知時間にわたって一時的に変化させて、上記検知素子の上記検知電極と上記基準電極との間の内部抵抗を検知する内部抵抗検知手段と、上記内部抵抗が目標抵抗値となるように、上記ヒータへの通電をフィードバック制御するヒータ通電制御手段とを備え、上記検知時間は、1.0msecよりも長い時間であり、上記目標抵抗値は、リッチ雰囲気の排気ガス下で、上記検知素子の上記検知電極の検知電極温度が、上記検知電極に上記排気ガス中の炭素が析出しない所定の非析出温度であるときに、検知される上記内部抵抗であるリッチ内部抵抗の値に定められており、上記ヒータ通電制御手段は、上記排気ガスがリッチ雰囲気及びリーン雰囲気のいずれでも、上記目標抵抗値を用いて上記フィードバック制御を行うガスセンサ制御システムである。
このガスセンサ制御システムでは、まず、内部抵抗検知手段における検知時間を、1.0msecよりも長い時間(例えば、3.0msec、5.0msec、10.0msecなど)としている。これにより、検知される内部抵抗に検知電極の電極界面抵抗の成分が含まれるため、排気ガスがリッチ雰囲気であるかリーン雰囲気であるかによって、検知される内部抵抗の値に差が現れる。さらに、ヒータ通電制御手段で用いる目標抵抗値を、リッチ雰囲気の排気ガス下で、検知電極温度が、所定の非析出温度(炭素が析出し始める温度(例えば670℃)よりも高い温度、例えば700℃)であるときに、検知される内部抵抗(リッチ内部抵抗)の値に定めてある。具体的には、例えば、リッチ雰囲気の排気ガス下で、検知電極温度を700℃(非析出温度)としたときに、検知される内部抵抗(リッチ内部抵抗)が900Ωである素子の場合、目標抵抗値=900Ω(=リッチ内部抵抗)に定めてある。そして、リッチ雰囲気及びリーン雰囲気のいずれでも、同じ目標抵抗値(例えば900Ω)を用いてヒータへの通電のフィードバック制御を行う。
このため、このガスセンサ制御システムによると、リッチ雰囲気の排気ガス下では、ヒータ通電制御手段のフィードバック制御によって、検知電極の検知電極温度が所定の非析出温度(例えば700℃)となるように制御されるので、検知電極に炭素が析出しない。
一方、リーン雰囲気の排気ガス下では、リッチ雰囲気よりも電極界面抵抗が小さく、検知される内部抵抗の値も小さくなるので、内部抵抗から換算される検知電極の検知電極温度は逆に高く見える。したがって、リーン雰囲気では、リッチ雰囲気と同じ目標抵抗値を用いてフィードバック制御を行うと、リッチ雰囲気の場合に比べ、検知電極の検知電極温度を低くする方向に制御がされる。但し、酸素濃度が高いリーン雰囲気では、検知電極の検知電極温度が、リッチ雰囲気で炭素が析出しない温度範囲内の温度であればもちろん、リッチ雰囲気ならば炭素が析出し始める温度(例えば670℃)よりも低い温度になった場合でも、検知電極に炭素が析出しない。しかも、リーン雰囲気では、検知電極の検知電極温度が低くなるように制御されることで、ヒータへの投入電力も低下するので、省電力となる。また、リッチ雰囲気及びリーン雰囲気のいずれでも、同じ目標抵抗値を用いて制御するので、簡易な制御となる。
このように、簡易な制御で検知電極への炭素の析出を防ぎ、しかも、全体としてヒータ通電における省電力化を図ることができる。
さらに、上述のガスセンサ制御システムであって、前記リッチ雰囲気の排気ガス下で、前記検知電極に上記排気ガス中の炭素が析出しない前記検知電極温度の温度範囲を非析出温度範囲とし、前記リーン雰囲気の排気ガス下で、前記内部抵抗が前記目標抵抗値となっているときの上記検知電極温度をリーン下温度としたとき、前記検知時間及び前記目標抵抗値を、上記リーン下温度が上記非析出温度範囲よりも低い温度となる値に定めてなるガスセンサ制御システムとすると良い。
このガスセンサ制御システムでは、検知時間及び目標抵抗値を、リーン下温度が非析出温度範囲(その下限は、リッチ雰囲気で炭素が析出し始める温度、例えば670℃)よりも低い温度(例えば、640℃)となる値に定めてある。このような検知時間及び目標抵抗値を用いて、フィードバック制御を行うことで、リッチ雰囲気の排気ガス下での検知電極への炭素の析出を防ぎつつ、ヒータへの投入電力を小さくすることができ、より効果的に省電力化を図ることができる。
さらに、上述のガスセンサ制御システムであって、前記検知時間を、前記非析出温度と前記リーン下温度との差が10℃以上となる値に定めてなるガスセンサ制御システムとすると良い。
このガスセンサ制御システムでは、検知時間を、リッチ雰囲気下で制御される非析出温度(例えば、700℃)とリーン下温度(例えば、640℃)との差が10℃以上(この例では、700℃−640℃=60℃)となる値に定めてある。これにより、リッチ雰囲気では、検知電極温度を炭素が析出しない非析出温度としつつ、リーン雰囲気では、この非析出温度に対してリーン下温度を十分低くすることができ、ヒータへの投入電力をさらに小さくして、より一層の省電力化を図ることができる。
また、他の態様は、酸素イオン伝導性の固体電解質体からなり、排気ガスに晒される検知電極及び基準雰囲気に晒される基準電極を有する検知素子と、上記検知素子を加熱するヒータとを備えるガスセンサを制御するガスセンサ制御装置であって、上記検知素子の上記検知電極と上記基準電極との間の電圧及びこれらの電極間に流れる電流の少なくともいずれかを所定の検知時間にわたって一時的に変化させて、上記検知素子の上記検知電極と上記基準電極との間の内部抵抗を検知する内部抵抗検知手段と、上記内部抵抗が目標抵抗値となるように、上記ヒータへの通電をフィードバック制御するヒータ通電制御手段とを備え、上記検知時間は、1.0msecよりも長い時間であり、上記目標抵抗値は、リッチ雰囲気の排気ガス下で、上記検知素子の上記検知電極の検知電極温度が、上記検知電極に上記排気ガス中の炭素が析出しない所定の非析出温度であるときに、検知される上記内部抵抗であるリッチ内部抵抗の値に定められており、上記ヒータ通電制御手段は、上記リッチ雰囲気の排気ガス下及びリーン雰囲気の排気ガス下のいずれでも、上記目標抵抗値を用いて上記フィードバック制御を行うガスセンサ制御装置である。
このガスセンサ制御装置によれば、ガスセンサの制御にあたり、既に説明したように、簡易な制御で検知電極への炭素の析出を防ぎ、しかも、ヒータ通電における省電力化を図ることができる。
また、他の態様は、酸素イオン伝導性の固体電解質体からなり、排気ガスに晒される検知電極及び基準雰囲気に晒される基準電極を有する検知素子と、上記検知素子を加熱するヒータとを備えるガスセンサを制御するガスセンサの制御方法であって、上記検知素子の上記検知電極と上記基準電極との間の電圧及びこれらの電極間に流れる電流の少なくともいずれかを所定の検知時間にわたって一時的に変化させて検知した上記検知素子の上記検知電極と上記基準電極との間の内部抵抗が目標抵抗値となるように、上記ヒータへの通電をフィードバック制御するヒータ通電制御ステップを備え、上記検知時間は、1.0msecよりも長い時間であり、上記目標抵抗値は、リッチ雰囲気の排気ガス下で、上記検知素子の上記検知電極の検知電極温度が、上記検知電極に上記排気ガス中の炭素が析出しない所定の非析出温度であるときに、検知される上記内部抵抗であるリッチ内部抵抗の値に定められており、上記ヒータ通電制御ステップで、上記リッチ雰囲気の排気ガス下及びリーン雰囲気の排気ガス下のいずれでも、上記目標抵抗値を用いて上記フィードバック制御を行うガスセンサの制御方法である。
このガスセンサの制御方法により、ガスセンサを制御すれば、前述したように、簡易な制御で検知電極への炭素の析出を防ぎ、しかも、ヒータ通電における省電力化を図ることができる。
実施形態に係るガスセンサ制御システムの概略構成を示す説明図である。 ギブスの自由エネルギーと検知電極温度の関係を示すグラフである。 リーン雰囲気下で目標抵抗値を設定して、リーン雰囲気の排気ガス下及びリッチ雰囲気の排気ガス下で内部抵抗が目標抵抗値となるようにフィードバック制御を行ったときの検知電極温度の違いを、検知時間を変化させて示したグラフである。 実施形態に係るガスセンサ制御システムのうち、ガスセンサ制御装置のマイクロプロセッサの動作を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態に係るガスセンサ2及びこれを制御するガスセンサ制御装置20を含むガスセンサ制御システム1の概略構成を示す図である。
ガスセンサ2は、内燃機関の排気ガスEGがリッチ雰囲気の排気ガスEGrであるかリーン雰囲気の排気ガスEGlであるかを検知する酸素センサであり、ガスセンサ制御システム1は、ガスセンサ2が、図示しない車両の内燃機関の排気管に装着され、内燃機関の空燃比制御に用いられる。
また、ガスセンサ制御装置20は、マイクロプロセッサ10のほか、後述するパルス信号出力回路11、電圧シフト回路12、出力検出回路13及びヒータ制御回路14を備えている。
ガスセンサ2は、ジルコニアを主体とした酸素イオン伝導性の固体電解質体からなる検知素子3と、この検知素子3を加熱するヒータ4とを備えている。また、検知素子3は、排気ガスEGに晒される検知電極3N及び基準雰囲気ARに晒される基準電極3Pを有している。より具体的には、検知電極3Nは、PtあるいはPt合金からなる多孔質で、有底筒状(図示しない)をなした固体電解質体からなる検知素子3の外周面上に形成されており、排気管内を流通する排気ガスEGに晒される。一方、基準電極3Pは、検知電極3Nと同様に、PtあるいはPt合金からなる多孔質で、有底筒状の検知素子3の内周面上に形成され、外部の大気を導入した基準雰囲気ARに晒されている。さらに、検知素子3の有底筒状の内部空間には、棒状のヒータ4が内挿されている。この固体電解質体からなる検知素子3は、ヒータ4及び排気ガスEGで加熱されて、600℃を越える活性化温度になると、良好な酸素イオン伝導性を示し、検知電極3Nと基準電極3Pとの間に、酸素濃度に応じた起電力(センサ出力Vout)を生じる。そして、このガスセンサ制御システム1のガスセンサ制御装置20は、検知素子3が活性化温度を維持するように、ガスセンサ2の検知素子3の内部抵抗Ri(後述する)を用いて、ヒータ4への通電をフィードバック制御する。
なお、ガスセンサ2(酸素センサ)は、検知素子3が活性化温度とされたときに、センサ出力Vout(起電力)が、理論空燃比(λ=1)を境にして、リッチ雰囲気とリーン雰囲気との間で二値的に急峻に変化し、リーン雰囲気の排気ガスEGl下では約50mV、リッチ雰囲気の排気ガスEGr下では約900mVを示す特性を有する。
ヒータ4は、タングステンあるいは白金を主体とした発熱抵抗体5を有し、ヒータ制御回路14に接続されている。また、ヒータ制御回路14は、マイクロプロセッサ10のPWM出力ポート17に接続されており、ヒータ4は、このヒータ制御回路14によって、PWM制御による通電が行われ、これにより、検知素子3が加熱される。検知素子3を活性化温度に維持するにあたり、マイクロプロセッサ10によるフィードバック制御(PID制御またはPI制御)で、PWM制御に用いるパルスのデューティ比が決定される。
検知素子3は、内部抵抗Riを有しており、その抵抗値は、検知素子3の温度が上昇すると低下する特性を有する。即ち、この内部抵抗Riと検知素子3の素子温度との間には、所定の負の相関関係があるので、内部抵抗Riが目標抵抗値Rtとなるようにフィードバック制御することにより、素子温度を所定の温度に維持することが可能である。
また、検知素子3は、活性化温度において酸素イオン伝導性を示して酸素濃淡電池となり、検知電極3Nと基準電極3Pとの間の酸素濃度差に応じた起電力EVを発生する。このため、検知素子3の等価回路は、図1に示すように、検知電極3Nと基準電極3Pとの間に、起電力EVを発生する電池(酸素濃淡電池)と内部抵抗Riとが直列接続された回路で表すことができる。
そして、検知素子3の検知電極3N及び基準電極3Pは、それぞれ出力検出回路13に接続している。この出力検出回路13は、検知素子3のセンサ出力Voutを検知して、マイクロプロセッサ10のA/D入力ポート16に入力する。なお、検知素子3の検知電極3N及び基準電極3Pのうち、検知電極3Nは、出力検出回路13の基準電位(GND)に接続されており、基準電極3Pは、検知電極3Nよりも高電位となる。
また、検知素子3の基準電極3Pには、出力検出回路13のほかに、基準電極3Pを基準抵抗器R1及びスイッチング素子Trを介して電源電圧Vccに接続する電圧シフト回路12が接続している。この電圧シフト回路12のスイッチング素子Trには、パルス信号出力回路11が接続している。このパルス信号出力回路11は、マイクロプロセッサ10のI/Oポート15に接続されており、マイクロプロセッサ10からの指令により、電圧シフト回路12を駆動して、検知素子3の基準電極3Pと検知電極3Nとの間を流れる電流を所定の検知時間TMにわたって一時的に変化させる。具体的には、所定の検知時間TMにわたって、電圧シフト回路12のスイッチング素子Trをオンすることにより、電源電圧Vccから、基準抵抗器R1及び検知素子3に電流Iを流し、検知素子3の基準電極3Pと検知電極3Nとの間に流れる電流を、ほぼ0からIに変化させる。すると、センサ出力Voutが、検知素子3の内部抵抗Riに生じる電圧降下に応じて変化する。
そして、電圧シフト回路12のスイッチング素子Trをオンする直前のセンサ出力Voutと、電圧シフト回路12のスイッチング素子Trをオンして所定の検知時間TMが経過した後(スイッチング素子Trをオフする直前)のセンサ出力Voutとの差分から、内部抵抗Riによる電圧降下を算出して、検知素子3の内部抵抗Riを検知する。
具体的には、検知素子3がなす酸素濃淡電池の起電力をEVとし、スイッチング素子Trがオフのときに出力検出回路13で測定されるセンサ出力VoutをVo(OFF)とすると、このセンサ出力Vo(OFF)は、次式(1)で与えられる。なお、検知素子3から出力検出回路13へ流れる電流は無視する。
Vo(OFF)=EV …(1)
一方、スイッチング素子Trをオンすることにより基準抵抗器R1及び検知素子3を流れる電流の大きさをIとし、スイッチング素子Trをオンしたときに出力検出回路13で測定されるセンサ出力VoutをVo(ON)とすると、このセンサ出力Vo(ON)は、起電力EVと内部抵抗Riに生じる電圧降下Ri・Iとの和となる(式(2)参照)。
Vo(ON)=EV+Ri・I …(2)
なお、このときの電流Iの大きさは、次式(3)で与えられる。
I=(Vcc−EV)/(R1+Ri) …(3)
従って、センサ出力Vo(OFF)及びセンサ出力Vo(ON)を取得すれば、式(1)〜(3)から得られる次式(4)を用いて検知素子3の内部抵抗Riを検知することができる。
Ri=R1(Vo(ON)−Vo(OFF))/(Vcc−Vo(ON)) …(4)
ところで、このようにして検知した検知素子3の内部抵抗Riの値は、排気ガスEGの雰囲気の違いの影響を受ける。具体的には、検知素子3が同一温度であっても、リッチ雰囲気の排気ガスEGr下で検知される内部抵抗Riの値は、リーン雰囲気の排気ガスEGl下で検知される内部抵抗Riの値に比べて大きくなる。検知素子3の排気ガスEGに晒される検知電極3Nの電極界面抵抗Re(検知電極3Nの電極表面に酸素分子が吸着・拡散するときの抵抗、及び、固体電解質体と検知電極3Nと気相との三相界面で生じる酸素分子と酸素イオンとの間の分解・生成反応の抵抗)の大きさが、リッチ雰囲気の排気ガスEGr下とリーン雰囲気の排気ガスEGl下とで異なるからであると考えられる。このため、内部抵抗Riは、これを検知する際の検知時間TMの長さによっても変動する。後述するように、検知時間TMを1.0msecよりも短くすると、検知される内部抵抗Ri中に含まれる検知電極3Nの電極界面抵抗Reの成分が少なくなって、リッチ雰囲気の排気ガスEGr下で検知される内部抵抗Riとリーン雰囲気の排気ガスEGl下で検知される内部抵抗Riとの値の差が小さくなる。
このため、内部抵抗Riを用いて素子温度を適切に制御するには、このような排気ガスEGの雰囲気の違いに起因する内部抵抗Riの変動の影響を抑えるべく、リッチ雰囲気の排気ガスEGr下とリーン雰囲気の排気ガスEGl下とで異なる補正係数を用いたり、リッチ雰囲気の排気ガスEGr下とリーン雰囲気の排気ガスEGl下とで、制御フローを異ならせる必要があり、制御が複雑になる。
また、酸素をほとんど含まない低酸素濃度(例えば、1体積%以下)であるリッチ雰囲気の排気ガスEGr下では、検知素子3の検知電極3Nの温度(検知電極温度Td)が、特定の温度以下(本例では、約670℃以下)になると、多孔質の検知電極3Nの内部や表面上に排気ガスEG中の炭素が析出することがある。検知電極3Nに炭素が析出すると、検知電極3Nが形成された検知素子3の固体電解質体から検知電極3Nが剥離するなどして、ガスセンサの特性劣化を招くおそれがある。
なお、次の式(5)及び式(6)から導かれる式(7)において、(2ΔG1+ΔG2)の項(ギブスの自由エネルギー)が正の値となる領域では、式(7)の右辺から左辺に向かう反応が生じ、検知電極3Nへの炭素の析出が発生する。
また、表1は、ギブスの自由エネルギー(式(7)の(2ΔG1+ΔG2)の値)と検知電極温度Tdの関係を示したものであり、検知電極温度Tdが約670℃(正確には、671.13℃)のときに、(2ΔG1+ΔG2)の値が0となる。また、図2は、この表1の関係をグラフに示したものである。
式(5): H2O=H2+1/2O2+ΔG1
式(6): 2C+O2=2CO+ΔG2
式(7): 式(5)×2+式(6)
2C+2H2O=2H2+2CO+(2ΔG1+ΔG2)
Figure 2015230166
そこで、リッチ雰囲気の排気ガスEGr下では、検知電極3Nへの炭素の析出を防ぐために、検知素子3の検知電極3Nの検知電極温度Tdを、検知電極3Nに炭素が析出し始める上述の約670℃(非析出下限温度Tdb:図2参照)よりも高い温度、即ち、炭素が析出しない非析出温度範囲TdnR(図2参照)内の温度に保つことが求められる。ただし、検知電極3Nの検知電極温度Tdを高くしすぎると、検知素子3が過昇温になって検知電極3Nが劣化したり、ヒータ4への投入電力が大きくなって、ヒータ通電による電力消費が大きくなる点で好ましくない。一方、酸素濃度が高い(例えば、10〜20体積%)リーン雰囲気の排気ガスEGl中には、検知電極3Nの検知電極温度Tdが、リッチ雰囲気の排気ガスEGr下ならば炭素が析出し始める非析出下限温度Tdb(約670℃)以下(非析出温度範囲TdnRよりも低い温度)になっても、化学平衡の観点から析出炭素の起源となるCOが存在しないため、検知電極3Nに炭素が析出しない。
表2及び図3は、リーン雰囲気下で、検知電極温度Tdが640℃となるように目標抵抗値Rtを設定して、リーン雰囲気(λ=1.098)の排気ガスEGl下及びリッチ雰囲気(λ=0.898)の排気ガスEGr下で、内部抵抗Riが目標抵抗値Rtとなるようにフィードバック制御を行ったときの検知電極温度Tdの違いを、検知時間TMを変化させて示したものである。
Figure 2015230166
表2及び図3から判るように、同じ検知時間TMで比べると、リッチ雰囲気の排気ガスEGr下の検知電極温度Tdは、リーン雰囲気の排気ガスEGl下の検知電極温度Tdよりも高くなるようにフィードバック制御される。また、検知時間TMが長いほど、リッチ雰囲気下とリーン雰囲気下との検知電極温度Tdの差が大きくなる。さらに、この検知電極温度Tdの差は、検知時間TMが1.0msecよりも長くなると顕著に現れる。逆に検知時間TMが1.0msecよりも短い場合には、検知電極温度Tdの差が僅かになる。これは、リーン雰囲気の排気ガスEGl下では、検知時間TMの長さを変化させても、検知される内部抵抗Riはほとんど変化しないのに対し、リッチ雰囲気の排気ガスEGr下では、検知時間TMが長くなるほど検知される内部抵抗Riが大きくなるからである。このようになるのは、リーン雰囲気の排気ガスEGl中では、検知電極3N上に酸素分子が多く存在しているので、酸素分子の電極表面への吸着・拡散、及び酸素分子の酸素イオン化が容易であり、電極界面抵抗Reが相対的に小さい。これに対し、リッチ雰囲気の排気ガスEGr中では、検知電極3N上に酸素分子は殆ど存在していないため、酸素分子の電極表面への吸着・拡散、及び酸素分子の酸素イオン化が困難となり、その結果、検知時間TMが長くなるほど、電極界面抵抗Reが大きくなるためである。
そこで、本実施形態では、検知時間TMを1.0msecよりも長い時間、具体的には、TM=10.0msecとしている。これにより、排気ガスEGがリッチ雰囲気の排気ガスEGrであるかリーン雰囲気の排気ガスEGlであるかによって、検知される内部抵抗Riの値が大きく異なることになる。
さらに、本実施形態では、ヒータ4の通電制御で用いる目標抵抗値Rtを、リッチ雰囲気の排気ガスEGr下で、検知電極温度Tdが、検知電極3Nに炭素が析出しない所定の非析出温度Tdnであるときに、検知される内部抵抗Ri(以下、リッチ内部抵抗Rirという)に設定する。
本実施形態では、非析出温度Tdnとして、炭素が析出し始める非析出下限温度Tdb(約670℃)よりも高い、非析出温度範囲TdnR(670℃以上)内の温度のTdn=708℃とする。本実施形態の検知素子3において、リッチ雰囲気の排気ガスEGr下で、検知電極温度Tdがこの非析出温度Tdn(=708℃)であるときに、検知されるリッチ内部抵抗Rirは、880Ωである。そこで、本実施形態では、目標抵抗値Rtを、Rt=880Ω(=リッチ内部抵抗Rir)に設定している(表2参照)。
そして、本実施形態のガスセンサ制御システム1では、リッチ雰囲気の排気ガスEGr下及びリーン雰囲気の排気ガスEGl下のいずれでも、同じ目標抵抗値Rt(=880Ω(=リッチ内部抵抗Rir))を用いてヒータ4への通電のフィードバック制御を行う。
表3に、検知時間TM=10.0msec、目標抵抗値Rt=880Ω(=リッチ内部抵抗Rir)として、ヒータ4をフィードバック通電制御した場合において、リッチ雰囲気の排気ガスEGr及びリーン雰囲気の排気ガスEGl下での検知電極3Nの検知電極温度Tdとヒータ4への投入電力との関係を示す。
Figure 2015230166
表3に示すように、本実施形態のガスセンサ制御システム1では、リッチ雰囲気の排気ガスEGr下で、内部抵抗Riが目標抵抗値Rt(=880Ω)となっているときの検知電極温度Tdは、708℃となっており、これは、前述した炭素が析出しない非析出温度Tdnである(非析出温度Tdn=708℃)。
これに対し、リーン雰囲気の排気ガスEGl下では、内部抵抗Riが目標抵抗値Rt(=880Ω)となっているときの検知電極温度Td(以下、リーン下温度Tdlという)は、641℃となっている(リーン下温度Tdl=641℃)。
なお、この非析出温度Tdnとリーン下温度Tdlとの関係は、表2の最下段と同じ関係である。また、リーン下温度Tdlは、リッチ雰囲気の排気ガスEGr下ならば炭素が析出し始める非析出下限温度Tdb(約670℃)よりも低いが、前述したように、リーン雰囲気の排気ガスEGl下では、検知電極3Nの検知電極温度Tdが、非析出下限温度Tdb以下になっても、検知電極3Nに炭素が析出しない。
次いで、本実施形態に係るガスセンサ制御システム1のうち、ガスセンサ制御装置20のマイクロプロセッサ10の動作について、図4のフローチャートを参照して説明する。
この図4に示すフローチャートは、マイクロプロセッサ10が実行するプログラムのうち、センサ出力Voutの取得のほか、内部抵抗Riを検知し、ヒータ4の通電制御を行う処理のフローを示している。
先ず、ステップS1では、ガスセンサ2のセンサ出力Voutを所定の周期(例えば、20msec)毎に取得する。このセンサ出力Voutによって、空燃比の制御がなされる。なお、前述したように、このセンサ出力Voutは、検知素子3が活性化温度とされたときに、リーン雰囲気の排気ガスEGl下では約50mV、リッチ雰囲気の排気ガスEGr下では約900mVとなる。
次いで、ステップS2では、内部抵抗Riの検知タイミングであるか否かを判断する。内部抵抗Riの検知は、センサ出力Voutの取得周期(20msec)よりも長い周期(例えば、500msec)で行うため、ステップS2でこの検知タイミングの到来を判断する。そして、検知タイミングでない場合(No)は、ステップS4に進み、ヒータ4の通電制御を行う。一方、検知タイミングが到来した場合(Yes)は、ステップS3に進む。
ステップS3では、パルス信号出力回路11、電圧シフト回路12及び出力検出回路13を用いて、検知素子3の基準電極3Pと検知電極3Nとの間を流れる電流を検知時間TM=10.0msecにわたって一時的に変化させて、検知素子3の最新の内部抵抗Riを取得(検知)する。
次いで、ステップS4に進み、検知した内部抵抗Riが目標抵抗値Rtとなるように、ヒータ4の通電制御(フィードバック制御)を行う。本実施形態では、排気ガスEGが、リッチ雰囲気の排気ガスEGrであるかリーン雰囲気の排気ガスEGlであるかによらず、同じ目標抵抗値Rt(=880Ω(=リッチ内部抵抗Rir))を用いて、フィードバック制御を行う。
これにより、表3に示すように、リッチ雰囲気の排気ガスEGr下では、検知電極温度Tdが、非析出下限温度Tdb(約670℃)よりも高い708℃(=非析出温度Tdn)となるように制御される。一方、リーン雰囲気の排気ガスEGl下では、検知電極温度Tdが、非析出温度範囲TdnRの下限の非析出下限温度Tdb(約670℃)よりも低い641℃(=リーン下温度Tdl)となるように制御される。
続くステップS5では、車両のECU(図示しない)からのヒータ制御の終了指示が有るか否かを判断する。終了指示が無い場合には(No)、ステップS1に戻り、センサ出力Voutの取得からの処理を再度実行する。一方、ECUからの終了指示が有った場合は(Yes)、ヒータ4の通電制御を終了する。
このように、本実施形態のガスセンサ制御システム1によると、リッチ雰囲気の排気ガスEGr下では、ヒータ4への通電のフィードバック制御によって、検知電極3Nの検知電極温度Tdが所定の非析出温度Tdn(=708℃)となるように制御されるので、検知電極3Nに炭素が析出しない。
一方、リーン雰囲気の排気ガスEGl下では、リッチ雰囲気と同じ目標抵抗値Rt(=880Ω)を用いてフィードバック制御を行うと、リッチ雰囲気の場合に比べ、検知電極3Nの検知電極温度Tdを低くする方向に制御がされる。そして、酸素濃度が高いリーン雰囲気では、検知電極3Nの検知電極温度Tdが、リッチ雰囲気で炭素が析出しない非析出温度範囲TdnR内の温度であればもちろん、リッチ雰囲気ならば炭素が析出し始める非析出下限温度Tdbよりも低い温度になった場合でも、検知電極3Nに炭素が析出しない。しかも、リーン雰囲気では、検知電極3Nの検知電極温度Tdが低くなるように制御されることで、ヒータ4への投入電力も低下する(表3参照)ので、省電力となる。また、リッチ雰囲気及びリーン雰囲気のいずれでも、同じ目標抵抗値Rtを用いて制御するので、簡易な制御となる。
このように、簡易な制御で検知電極3Nへの炭素の析出を防ぎ、しかも、全体としてヒータ通電における省電力化を図ることができる。
また、本実施形態のガスセンサ制御装置20によれば、ガスセンサ2の制御にあたり、簡易な制御で検知電極3Nへの炭素の析出を防ぎ、しかも、ヒータ通電における省電力化を図ることができる。
また、本実施形態に示したガスセンサ2の制御方法により、ガスセンサ2を制御すれば、簡易な制御で検知電極3Nへの炭素の析出を防ぎ、しかも、ヒータ通電における省電力化を図ることができる。
さらに、本実施形態のガスセンサ制御システム1では、検知時間TM及び目標抵抗値Rtを、リーン下温度Tdlが、非析出温度範囲TdnR(その下限の非析出下限温度Tdb)よりも低い温度(本例では、641℃)となる値(TM=10.0msec、Rt=880Ω)に定めてある。このような検知時間TM及び目標抵抗値Rtを用いて、フィードバック制御を行うことで、リッチ雰囲気の排気ガスEGr下で検知電極3Nへの炭素の析出を防ぎつつ、ヒータ4への投入電力を小さくすることができ、より効果的に省電力化を図ることができる。
さらに、本実施形態のガスセンサ制御システム1では、検知時間TMを、リッチ雰囲気下で制御される非析出温度Tdnとリーン下温度Tdlとの差が10℃以上(本例では、708℃−641℃=67℃)となる値(TM=10.0msec)に定めてある。これにより、リッチ雰囲気では、検知電極温度Tdを炭素が析出しない非析出温度Tdn(=708℃)としつつ、リーン雰囲気では、この非析出温度Tdnに対してリーン下温度Tdlを十分低くすることができ、ヒータ4への投入電力をさらに小さくして、より一層の省電力化を図ることができる。
なお、本実施形態において、ガスセンサ制御装置20のパルス信号出力回路11、電圧シフト回路12、出力検出回路13及びステップS3を実行しているマイクロプロセッサ10が、内部抵抗検知手段に相当する。また、ガスセンサ制御装置20のヒータ制御回路14及びステップS3を実行しているマイクロプロセッサ10が、ヒータ通電制御手段に相当する。
また、本実施形態において、検知した内部抵抗Riが目標抵抗値Rtとなるように、ヒータ4への通電をフィードバック制御するマイクロプロセッサ10の実行ステップ(即ち、ステップS3,S4を実行しているマイクロプロセッサ10)が、ヒータ通電制御ステップに相当する。
以上において、本発明を実施形態のガスセンサ制御システム1に即して説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることは言うまでもない。
例えば、実施形態では、パルス信号出力回路11及び電圧シフト回路12(図1参照)を用いて、スイッチング素子Tr及び基準抵抗器R1を介し、検知素子3に電流Iを流すことで、検知素子3の基準電極3Pと検知電極3Nとの間を流れる電流をほぼ0からIに一時的に変化させて、内部抵抗Riを検知する構成とした。しかし、例えば、検知素子3の基準電極3Pに外部の電圧を一時的に印加する回路(例えば、電圧シフト回路12の基準抵抗器R1に代えて、電流計を介在させて、電源電圧Vccを印加する回路)を用いることで、検知素子3の検知電極3Nと基準電極3Pとの間の電圧(センサ出力Vout)を一時的に変化させて、内部抵抗Riを検知する構成とすることもできる。
1 ガスセンサ制御システム
2 ガスセンサ(酸素センサ)
3 検知素子
3N 検知電極
3P 基準電極
4 ヒータ
EG 排気ガス
EGr リッチ雰囲気の排気ガス
EGl リーン雰囲気の排気ガス
AR 基準雰囲気
Ri 内部抵抗
Rt 目標抵抗値
Vout センサ出力
I 電流
10 マイクロプロセッサ
11 パルス信号出力回路(内部抵抗検知手段)
12 電圧シフト回路(内部抵抗検知手段)
13 出力検出回路(内部抵抗検知手段)
14 ヒータ制御回路(ヒータ通電制御手段)
20 ガスセンサ制御装置
S3 内部抵抗検知手段
S4 ヒータ通電制御手段
S3,S4 ヒータ通電制御ステップ

Claims (5)

  1. 酸素イオン伝導性の固体電解質体からなり、排気ガスに晒される検知電極及び基準雰囲気に晒される基準電極を有する検知素子と、上記検知素子を加熱するヒータとを備えるガスセンサを含み、これを制御するガスセンサ制御システムであって、
    上記検知素子の上記検知電極と上記基準電極との間の電圧及びこれらの電極間に流れる電流の少なくともいずれかを所定の検知時間にわたって一時的に変化させて、上記検知素子の上記検知電極と上記基準電極との間の内部抵抗を検知する内部抵抗検知手段と、
    上記内部抵抗が目標抵抗値となるように、上記ヒータへの通電をフィードバック制御するヒータ通電制御手段とを備え、
    上記検知時間は、
    1.0msecよりも長い時間であり、
    上記目標抵抗値は、
    リッチ雰囲気の排気ガス下で、上記検知素子の上記検知電極の検知電極温度が、上記検知電極に上記排気ガス中の炭素が析出しない所定の非析出温度であるときに、検知される上記内部抵抗であるリッチ内部抵抗の値に定められており、
    上記ヒータ通電制御手段は、
    上記リッチ雰囲気の排気ガス下及びリーン雰囲気の排気ガス下のいずれでも、上記目標抵抗値を用いて上記フィードバック制御を行う
    ガスセンサ制御システム。
  2. 請求項1に記載のガスセンサ制御システムであって、
    前記リッチ雰囲気の排気ガス下で、前記検知電極に上記排気ガス中の炭素が析出しない前記検知電極温度の温度範囲を非析出温度範囲とし、
    前記リーン雰囲気の排気ガス下で、前記内部抵抗が前記目標抵抗値となっているときの上記検知電極温度をリーン下温度としたとき、
    前記検知時間及び前記目標抵抗値を、
    上記リーン下温度が上記非析出温度範囲よりも低い温度となる値に定めてなる
    ガスセンサ制御システム。
  3. 請求項2に記載のガスセンサ制御システムであって、
    前記検知時間を、
    前記非析出温度と前記リーン下温度との差が10℃以上となる値に定めてなる
    ガスセンサ制御システム。
  4. 酸素イオン伝導性の固体電解質体からなり、排気ガスに晒される検知電極及び基準雰囲気に晒される基準電極を有する検知素子と、上記検知素子を加熱するヒータとを備えるガスセンサを制御するガスセンサ制御装置であって、
    上記検知素子の上記検知電極と上記基準電極との間の電圧及びこれらの電極間に流れる電流の少なくともいずれかを所定の検知時間にわたって一時的に変化させて、上記検知素子の上記検知電極と上記基準電極との間の内部抵抗を検知する内部抵抗検知手段と、
    上記内部抵抗が目標抵抗値となるように、上記ヒータへの通電をフィードバック制御するヒータ通電制御手段とを備え、
    上記検知時間は、
    1.0msecよりも長い時間であり、
    上記目標抵抗値は、
    リッチ雰囲気の排気ガス下で、上記検知素子の上記検知電極の検知電極温度が、上記検知電極に上記排気ガス中の炭素が析出しない所定の非析出温度であるときに、検知される上記内部抵抗であるリッチ内部抵抗の値に定められており、
    上記ヒータ通電制御手段は、
    上記リッチ雰囲気の排気ガス下及びリーン雰囲気の排気ガス下のいずれでも、上記目標抵抗値を用いて上記フィードバック制御を行う
    ガスセンサ制御装置。
  5. 酸素イオン伝導性の固体電解質体からなり、排気ガスに晒される検知電極及び基準雰囲気に晒される基準電極を有する検知素子と、上記検知素子を加熱するヒータとを備えるガスセンサを制御するガスセンサの制御方法であって、
    上記検知素子の上記検知電極と上記基準電極との間の電圧及びこれらの電極間に流れる電流の少なくともいずれかを所定の検知時間にわたって一時的に変化させて検知した上記検知素子の上記検知電極と上記基準電極との間の内部抵抗が目標抵抗値となるように、上記ヒータへの通電をフィードバック制御するヒータ通電制御ステップを備え、
    上記検知時間は、
    1.0msecよりも長い時間であり、
    上記目標抵抗値は、
    リッチ雰囲気の排気ガス下で、上記検知素子の上記検知電極の検知電極温度が、上記検知電極に上記排気ガス中の炭素が析出しない所定の非析出温度であるときに、検知される上記内部抵抗であるリッチ内部抵抗の値に定められており、
    上記ヒータ通電制御ステップで、
    上記リッチ雰囲気の排気ガス下及びリーン雰囲気の排気ガス下のいずれでも、上記目標抵抗値を用いて上記フィードバック制御を行う
    ガスセンサの制御方法。
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