JP2015230039A - 摩擦動力伝達機構の制御装置 - Google Patents

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勝彦 山藤
隆之 黒川
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隆之 黒川
真 橋本
Makoto Hashimoto
真 橋本
山本 建
Ken Yamamoto
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Abstract

【課題】イナーシャフェーズ中のローラ対の摩擦係数変化による変速ショックの発生を抑制可能な摩擦動力伝達機構の制御装置を提供すること。【解決手段】複数設定されたローラ対としての1速ローラ対11、2速ローラ対12を選択的に押圧接触させる押圧機構としてのクランク軸33および変速アクチュエータ20を備えた摩擦伝動変速機RTと、クランク軸33の回転角を変えて摩擦伝動変速機を走行状態に応じた変速比に制御する変速制御手段としての自動変速機コントロールユニット61と、を備え、自動変速機コントロールユニット61は、イナーシャフェーズ中に、各ローラ対11,12のうちの制御対象のローラ対の押付力を、摩擦係数推定手段が推定した推定摩擦係数に基づいてローラ対の伝達力変化を抑える方向に制御することを特徴とする摩擦動力伝達機構の制御装置とした。【選択図】図1

Description

本発明は、複数のローラ対を選択的に押圧接触させることで変速比を変える摩擦動力伝達機構の制御装置に関し、特に、変速ショックの抑制技術に関する。
従来、複数のローラ対を選択的に押圧接触させることで変速比を変える摩擦動力伝達機構の制御装置において、変速時のローラ対の架け替え時にショックが生じるのを抑制する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この従来技術では、変速時に、ロータ間の摩擦係数および押付力が低下してロータ間の伝達力が低下して変速ショックが発生するのを抑制するために、ローラ対の押付力を、摩擦係数が所定値となるまで変速前の値に維持したり、増加させたりしている。
WO2009/107543公報
しかしながら、上述の従来技術では、所定の間、押付力を高めた状態を維持しているため、変速による同期の終了が近付いてロータ間の滑り速度が低下し摩擦係数が上昇した際に、ローラ対における伝達力が急増して変速ショックが発生するおそれがあった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、イナーシャフェーズ中のローラ対の摩擦係数変化による変速ショックの発生を抑制可能な摩擦動力伝達機構の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、
複数設定されたローラ対を選択的に押圧接触させる押圧機構を備えた摩擦伝動変速機と、
前記押圧機構を作動させて前記摩擦伝動変速機を走行状態に応じた変速比に制御する変速制御手段と、
を備えた車両の摩擦動力伝達機構の制御装置において、
前記変速制御手段は、前記摩擦伝動変速機の変速時のイナーシャフェーズ中に、前記ローラ対の押付力を、摩擦係数推定手段が推定した推定摩擦係数に基づいて前記ローラ対の伝達力変化を抑える方向に制御することを特徴とする摩擦動力伝達機構の制御装置とした。
本発明の摩擦動力伝達機構の制御装置では、イナーシャフェーズ中に、押圧機構による押付力を、推定摩擦係数変化に応じて伝達力変化を抑える方向に制御するようにした。
このため、イナーシャフェーズ中にローラ対の滑り状態が変化するのに伴って摩擦係数が変化しても、押付力を制御することによりローラ対の伝達力変化が抑えられ、特に、同期回転終了近傍時期における摩擦係数上昇に伴う変速ショックの発生を抑制できる。
実施例1の制御装置が適用された電気自動車の駆動系を模式的に示す全体システム図である。 実施例1の制御装置が適用された電気自動車の駆動系に有する摩擦伝動変速機を示す図であり、(a)は断面図、(b)は側面図である。 実施の形態1の摩擦動力伝達機構の制御装置における変速ショック抑制制御の処理の流れを示すフローチャートである。 実施の形態1の摩擦動力伝達機構の制御装置による変速ショック抑制制御の実行時の動作例および比較例の動作例を示すタイムチャートである。 実施の形態1の摩擦動力伝達機構の制御装置のローラ対の摩擦係数と滑り速度との関係であるμ−v特性を示すμ−v特性図である。
以下、本発明の摩擦動力伝達機構の制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施の形態に基づいて説明する。
(実施の形態1)
まず、実施の形態1の摩擦動力伝達機構の制御装置の構成を説明する。
実施の形態1における摩擦伝動変速機(摩擦動力伝達機構の一例)の制御装置の構成を、[全体システム構成]、[摩擦伝動変速機構成]、[変速ショック抑制制御構成]に分けて説明する。
[全体システム構成]
図1は、実施の形態1の制御装置が適用された電気自動車の駆動系を示す。以下、図1に基づき、全体システム構成を説明する。
実施の形態1の制御装置が適用された電気自動車の駆動系は、図1に示すように、走行用モータ10(駆動源)と、摩擦伝動変速機RTと、変速アクチュエータ20と、出力ギア列52,53と、ドライブシャフト54と、駆動輪55(駆動輪)と、を備えている。
前記摩擦伝動変速機RTは、変速機入力軸31と出力軸32との間に、1速ローラ対11と2速ローラ対12が平行に配置され、動力伝達に1速ローラ対11を選択することで第1速段が得られ、2速ローラ対12を選択することで第2速段が得られる。
変速機入力軸31には、走行用モータ10が連結されている。
一方、出力軸32には、出力ギア列52,53及びドライブシャフト54を介して駆動輪55が連結されている。
また、1速ローラ対11は、変速機入力軸31と一体回転可能に支持された1速駆動ローラ11aと、出力軸32に動力伝達可能に連結された1速従動ローラ11bとが、軸方向に重なって配置されている。
2速ローラ対12は、変速機入力軸31と一体回転可能に支持された2速駆動ローラ12aと、出力軸32に動力伝達可能に連結された2速従動ローラ12bとが、軸方向に重なって配置されている。
そして、動力伝達に両ローラ対11,12のいずれか一方を選択する変速動作は、両従動ローラ11b,12bを回転可能に支持するクランク軸33の回転角であるクランク角を制御する電動モータによる変速アクチュエータ20によりなされる。
前記走行用モータ10と変速アクチュエータ20の制御系として、自動変速機コントロールユニット61(ATCU)と、インバータ62と、を備えている。
前記自動変速機コントロールユニット61は、クランク角度センサ63、入力回転数/トルクセンサ64、出力回転数/トルクセンサ65、油温センサ66、アクセル開度センサ67、車速センサ68からのセンサ信号を入力すると共に、インバータ62からのモータ回転数情報を入力する。そして、走行状態に応じた最適変速比を求め、この変速比を達成すべく、変速アクチュエータ20に対し、クランク角位置制御指令を出力する。なお、最適変速比は、例えば、周知のようにアクセル開度と車速とに基づいて決定することができる。
インバータ62は、自動変速機コントロールユニット61からの回転/トルク指令と、走行用モータ10からの回転数情報を入力し、走行用モータ10に対し、トルク指令および目標回転数指令を出力する。
[摩擦伝動変速機構成]
図2は、実施の形態1の制御装置が適用された電気自動車の駆動系に有する摩擦伝動変速機RTを示す断面図である。以下、図2に基づき、摩擦伝動変速機RTの構成を説明する。
前記摩擦伝動変速機RTは、1速駆動ローラ11a、2速駆動ローラ12aの順に小径であり、図2(a)において右側から順番に同軸に配列し、共通の変速機入力軸31に一体成形して設けている。
変速機入力軸31は、両端31a,31bを軸受35a,35bによりケース34に対し回転自在に支承して、軸線O1の周りに回転可能としている。
前記1速従動ローラ11b及び2速従動ローラ12bは、それぞれ1速駆動ローラ11a及び2速駆動ローラ12aに適宜、後述するごとく径方向に押圧接触されて動力が伝達される。なお、1速従動ローラ11b及び2速従動ローラ12bはそれぞれ、1速駆動ローラ11a及び2速駆動ローラ12aに対し、ほぼ同じ軸直角面内に配置されている。
各ローラは、ローラどうしの外周接触面に生じる油膜のレオロジー特性によりで動力を伝達する、いわゆるトラクションドライブ方式のものである。また、この際、伝達される動力は、トラクション係数(摩擦係数μ)とローラ間の押付力F(法線力)との積により与えられる。
前記1速従動ローラ11b及び2速従動ローラ12bは、それぞれ偏心したクランク軸33の偏心部33-1,33-2上にボールベアリング36,37を介して回転自在に支持されている。クランク軸33は、両端33a,33bを軸受38,39によりケース34に対し、軸線O2の周りに回転可能に直接あるいは間接的に支持されている。
そして、偏心部33-1,33-2の軸心(1速従動ローラ11b及び2速従動ローラ12bの回転中心O2a,O2b)を、クランク軸33の回転位置(クランク角)制御により第1速および第2速間で変速が可能となるような位相ずれのもと、クランク軸33の軸線O2から所定量εだけオフセットされている。
なお、図4のタイムチャートに、上記位相のずれを示している。
この図に示すように、1速ローラ対11のクランク角に対する押付力特性と、2速ローラ対12のクランク角に対する押付力特性とは、図において編みかけ表示した両当たり領域以外の角度としたときに、一方でのみ押付力が生じるように位相をずらしている。
図2に戻り、前記クランク軸33は、その一端33aにサーボモータによる変速アクチュエータ20が結合され、この変速アクチュエータ20によりクランク軸33の回転位置(クランク角度)を制御可能としている。かかるクランク軸33のクランク角度制御により、両従動ローラ11b,12bのうちの一方が、両駆動ローラ11a,12aのうちの対応するものに対し径方向に押圧接触するように制御する。このとき、両ローラ対11,12のうち相互に接触している一方の対は、接触部に生じる摩擦力により、矢印Rinで示す変速機入力軸31への動力を、対応する変速比(第1速、第2速)で、出力軸32へ伝達し矢印Routに示すように取り出すことができる。
なお、隣り合う両従動ローラ11b,12bは、第1連結継手81を介して、径方向の相対変位を許容しつつ動力伝達可能に連結されている。また、2速従動ローラ12bは、第2連結継手82を介して出力軸32に対して径方向の変位を許容しつつ動力伝達可能に連結されている。両連結継手81,82としては、例えば、オルダム継手などが用いられる。
次に、前記摩擦伝動変速機RTによる変速動作を説明する。
変速アクチュエータ20によりクランク軸33を軸線O2の周りで図2(b)の矢印αと反対方向へ回転させると、クランク軸33の偏心部33-1(1速従動ローラ11bの回転中心O2a)が変速機入力軸31に接近する。これにより、1速従動ローラ11bが外周面を1速駆動ローラ11aの外周面に押圧接触されて、これらローラ11a,11b間で動力伝達を行う。よって、変速機入力軸31へ入力された動力を1速駆動ローラ11a及び1速従動ローラ11bから、1速変速段で出力軸32から出力することができる。
なお、この時におけるローラ11a,11bの間の押付け力は、伝達トルク最大値をスリップ無しに伝達し得る大きさとする。
一方、変速アクチュエータ20によりクランク軸33を軸線O2の周りで図2(b)の矢印αの方向へ回転させると、クランク軸33の偏心部33-2(2速従動ローラ12bの回転中心O2bが変速機入力軸31に接近する。
これにより、2速従動ローラ12bが、外周面を矢印βで示すように2速駆動ローラ12aの外周面に押圧接触され、これらローラ12a,12bの間で動力伝達を行う。よって、変速機入力軸31へ入力された動力を2速駆動ローラ12a及び2速従動ローラ12bから、2速変速段で出力軸32から出力することができる。
なお、この時におけるローラ12a,12bの間の押付力は、伝達トルク最大値をスリップ無しに伝達し得る大きさとする。
[変速ショック抑制制御構成]
次に、自動変速機コントロールユニット61(ATCU)により実行する変速ショック抑制制御の処理の流れを図3のフローチャートに基づいて説明する。
この変速ショック抑制制御は、イナーシャフェーズ中に実行する。
なお、このイナーシャフェーズとは、摩擦伝動変速機RTの1速ローラ対11と2速ローラ対12との架け替え変速により生じるフェーズの一つであり、駆動系のイナーシャ変化を主因として変速機入力回転数が変化する相である。具体的には、変速機入力回転数が変速前の目標回転数から変速後の目標回転数に変化する領域であって、図4のタイムチャートにおいて、モータ回転数が変化するt2の時点から同期回転が得られるt4の時点までの領域を指す。
この変速ショック抑制制御では、イナーシャフェーズの開始に伴い、ステップS101による走行用モータ10の回転数制御と、ステップS201から始まる変速アクチュエータ20による押付力制御とを並列に実行する。
回転数制御は、ステップS101において、ローラ間の摩擦係数μの変化が、クランク軸33の回転角変化による押付力応答を越えないように、走行用モータ10の目標回転数tRmを変化させる。
ここで、摩擦係数μについて説明を加える。
図5は、ローラ対(11,12)におけるロータ間の摩擦係数μと滑り速度vの特性であるμ−v特性を示している。
このように、滑り速度vと摩擦係数μとは比例関係にあり、摩擦係数μの最大値よりも滑り速度vが高い領域では、滑り速度vが上昇すると、摩擦係数μが低下する。また、通常、ロータ間で動力伝達を行う場合、μ−v特性はP2付近の特性を用いる。
このようなμ−v特性では、押付力を増減させることにより、ロータ間の滑り速度vを減増させることができる。また、ロータ間の入力回転数である目標回転数を増減させることでも、ロータ間の滑り速度vを増減させることができる。
したがって、滑り速度vが上昇した図5のP1の状態から押付力を増加させて滑り速度vの低下を図っている際に、目標回転数を低下させると、その滑り速度vすなわち摩擦係数μの変化が、押付力による変化を越える場合がある。
そこで、ステップS101では、目標回転数変化による摩擦係数μの変化が、クランク軸33の角度変化による押付力応答による摩擦係数μの変化を越えないようにする。
次に、ステップS201から始まる押付力制御では、ステップS201において滑り速度vから摩擦係数μを推定する。すなわち、滑り速度vは、入力回転数/トルクセンサ64が検出する入力回転数と、出力回転数/トルクセンサ65が検出する出力回転数と、ギヤ比から、両ローラ対11,12のうちの締結している側のロータ間の速度差により算出することができる。
そして、予めロータ間の摩擦係数μと滑り速度vとの関係を示す図5に示すμ−v特性がマップとして与えられており、滑り速度vからその時点の摩擦係数μを推定することができる。
ステップS201に続くステップS202では、目標回転数加速度×押付力応答から、推定摩擦係数と目標トランスミッション出力とを先読み推定、すなわち、所定時間後の予測値である先読み摩擦係数μfと先読み目標トランスミッション出力とを求める。
自動変速機コントロールユニット61には、押付力の応答特性として、予め変速アクチュエータ20に対する指令出力から、実押付力が得られるまでの時定数が与えられている。同様に、走行用モータ10に目標回転数加速度指令を付与した場合に、目標トランスミッション出力が得られるまでの時定数も与えられている。
したがって、これらの時定数に基づいて、押付力を付与するとともに目標回転数加速度を付与した際に、所定時間後(例えば、次の制御周期)に得られる先読み摩擦係数μfならびに先読み目標トランスミッション出力を推定する。
次のステップS203では、先読み目標トランスミッション出力が、(現在の押付力×先読み摩擦係数)未満であるか否か判定し、未満(肯定)の場合はステップS204に進み、以上(否定)の場合はステップS205に進む。
すなわち、このステップS203では、現在の押付力指令値および目標トランスミッション出力指令値を出力した場合の、ローラ対の伝達力を先読みする。さらに、先読み目標トランスミッション出力トルクが、ローラ対の先読み伝達力よりも小さいか否かを判定する。そして、先読み目標トランスミッション出力トルクの方が小さい場合は、ローラ対における伝達力が大きすぎるとして、ステップS204に進んで、押付力を低下させて伝達力を下げる。逆に、先読み目標トランスミッション出力トルクの方が大きい場合は、ステップS205に進んで、押付力を上昇させてローラ対の伝達力を上げる。
以上の処理を、イナーシャフェーズが終了するまで実行する。
(実施の形態1の作用)
次に、実施の形態1の作用を、図4のタイムチャートに基づいて説明する。
図4のタイムチャートは、第1速段から第2速段へシフトアップ変速を行う場合の動作例を示している。
すなわち、t1の時点で、シフトアップ変速を開始し、摩擦伝動変速機RTにおける動力伝達を1速ローラ対11から2速ローラ対12への架け替えを開始する。この場合、変速アクチュエータ20の駆動に基づいて、クランク角(クランク軸33の回転角度)を、図において位相のa1に示すように1速ローラ対11に押付力を付与する角度から、b1に示すように2速ローラ対12に押付力を付与する角度へ変化させる。
そして、架け替えを終了したt2の時点から、2速ローラ対12の両ローラ12a,12bを同期回転させるべく走行用モータ10の回転数制御を開始し、同期回転状態となったt4の時点後のt5の時点で、回転数制御を終了して、トルク制御に戻る。このトルク制御では、クランク角は、c1に示すように、両ローラ対11,12の位相が重ならない領域で制御する。
以上のような変速制御を行うのにあたって、本実施の形態1では、t2の時点からt4の時点までのイナーシャフェーズ中に、変速ショック抑制制御を行う。
ここで、本実施の形態1の変速ショック抑制制御による動作を説明する前に、比較例の動作を説明する。
この比較例は、1速ローラ対11から2速ローラ対12への架け替えの後、2速ローラ対12に対する押付力を、図において点線により示すように、一定に保持させた例である。
この場合、2速ローラ対12は、架け替えの開始時点(t1の時点からt2の時点までの間)では、ローラ対の間の速度差が大きく、μ−v特性は、a2に示すように滑り速度vが大きく摩擦係数μは低い特性となっている。一方、この時点では、1速ローラ対11は、a3に示すように、滑り速度vが小さく摩擦係数μが大きな特性となっている。
その後、t2の時点からt4の時点のイナーシャフェーズ中には、走行用モータ10の回転数制御を行うとともに、2速ローラ対12に押付力を付与することにより、2速ローラ対12により動力伝達を行う。
このt2の時点からモータ回転数を低下させるのに伴って、滑り速度vが低下し、2速ローラ対12の摩擦係数μが上昇する。そして、t4の時点では、滑り速度vの低下により、μ−v特性は摩擦係数μが最大となる点を越え、変速終了時には、図においてc2に示すように、μ−v特性で正の勾配の領域となるよう制御する。したがって、イナーシャフェーズ領域では、μ−v特性は、a2に示す滑り速度vの大きな特性と、c2に示す滑り速度vの小さな特性との間で、押付力およびモータ回転数に応じた特性となる。
このように、t2の時点からの回転数制御により、2速ローラ対12の滑り速度vが低下し、摩擦係数μが上昇した際に、押付力が点線により示すように一定であると、伝達力(トランスミッション出力)が、点線で示すように増加してしまい、出力変動が生じる。そして、この出力変動が、変速ショックとなる。
これに対し、本実施の形態1では、t2の時点からt4の時点のイナーシャフェーズ中に、2速ローラ対12の摩擦係数μが図示のように上昇する際に、以下の変速ショック抑制制御を実行する。
すなわち、本実施の形態1では、イナーシャフェーズ中には、2速ローラ対12の滑り速度vから摩擦係数μを推定する(ステップS201)。さらに、目標回転数加速度と押付力応答の時定数との積から、現在の推定摩擦係数が変化した先の時点の摩擦係数である先読み摩擦係数μfと先読み目標トランスミッション出力トルクとを推定する(S202)。
さらに、先読みトランスミッション出力トルクと、現在の押付力と先読み摩擦係数μfとの積(伝達力)と、を比較する。そして、先読みトランスミッション出力トルクの方が小さければ、2速ローラ対12の伝達力が出力予想を上回っているため、押付力を低下させて2速ローラ対12の伝達力を低下させる(S204)。
図4に示す動作例では、t2の時点以降、徐々に摩擦係数μが増加する状況では、押付力を徐々に低下させる。これにより、トランスミッション出力トルクは、摩擦係数μが上昇しても、図において一点鎖線あるいは直線により示すように、点線により示す比較例よりも上昇(変動)を抑えることができる。そして、2速ローラ対12が同期回転状態となったt4の時点で、押付力を通常の押付力に戻す。
この図4のトランスミッション出力において、一点鎖線により示すのが、上述の押付力制御により上昇を抑えられた効果代である。また、実線により示すのが、上述の押付力制御に加え、前述した走行用モータ10の回転数制御を行った効果代である。
次に、走行用モータ10の回転数制御について説明する。
イナーシャフェーズにおけるモータ回転数の変化において、一点鎖線により示すのは、変速時に一定勾配で回転数を低下させた一般的な場合を示している。このようにモータ回転数を低下させることにより、2速ローラ対12の滑り速度vも低下する。また、逆に、このモータ回転数の低下を抑えれば、滑り速度vの低下も抑えられる。
したがって、上述したように、摩擦係数μの変化に応じて押付力を制御している場合に、回転数制御による滑り速度vの変化が、押付力制御による摩擦係数μの変化を越える場合がある。
そこで、本実施の形態1では、摩擦係数μの変化が、押付力による応答速度を越えないように目標回転数を変化させる(S101)。すなわち、図示のように、t2の時点からt3の時点までは、摩擦係数μの増加代も少なく押付力の低下量も少ないことから、モータ回転数を相対的に急に(例えば、通常の低下代で)低下させる。
その後、摩擦係数μが上昇するのに応じ押付力を低下させたときには、この押付力の低下による摩擦係数μの上昇抑制を越えて摩擦係数μの変化が生じないように、モータ回転数の低下を抑える。すなわち、t3の時点からt4の時点までの間、モータ回転数の低下を緩やかにして、摩擦係数μが急上昇しないようにしている。
この結果、トランスミッション出力トルクは、t3の時点以降も上昇することなく一定に保つことができる。したがって、点線により示す比較例のようにトランスミッション出力トルクが上下に変動する変速ショックが生じるのを抑えることができる。
(実施の形態1の効果)
以下に、実施の形態1の摩擦動力伝達機構の制御装置の効果を列挙する。
1)実施の形態1の摩擦動力伝達機構の制御装置は、
駆動源としての走行用モータ10から動力伝達される変速機入力軸31に設けられた駆動ローラとしての1速駆動ローラ11aおよび2速駆動ローラ12aと、駆動輪側の出力軸32に設けられた従動ローラとしての1速従動ローラ11bおよび2速従動ローラ12bとからなる変速比が異なる1速ローラ対11と2速ローラ対12が設定され、これら複数設定された各ローラ対11,12を選択的に押圧接触させる押圧機構としてのクランク軸33および変速アクチュエータ20を備えた摩擦伝動変速機RTと、
車両走行状態を検出する走行状態検出手段としての各センサ63〜68の検出に基づいて前記押圧機構を作動させて前記摩擦伝動変速機RTを走行状態に応じた変速比に制御する変速制御手段としての自動変速機コントロールユニット61と、
を備えた車両の摩擦動力伝達機構の制御装置において、
前記各ローラ対11,12の摩擦係数を推定する摩擦係数推定手段としてのステップS201の処理を行う構成を設け、
前記自動変速機コントロールユニット61は、前記摩擦伝動変速機RTの変速時のイナーシャフェーズ中に、前記各ローラ対11,12の押付力を、前記摩擦係数推定手段が推定した推定摩擦係数に基づいて前記ローラ対における伝達力変化を抑える方向に制御することを特徴とする。
したがって、イナーシャフェーズ中に摩擦係数μが変化した際には、推定摩擦係数の変化に基づいて押付力を制御して、ローラ対における伝達力変化を抑えることができる。これにより、摩擦係数μの変化に応じて押付力の制御を行わないものと比較して、イナーシャフェーズ中に摩擦係数μの変化による伝達力変化によって変速ショックが生じるのを抑えることができる。
2)実施の形態1に記載の摩擦動力伝達機構の制御装置は、
前記自動変速機コントロールユニット61は、前記推定摩擦係数から、さらに、押付力応答の時定数に基づいて求めた先読み摩擦係数μfに応じて前記押付力を制御することを特徴とする。
したがって、押付力の応答遅れ分だけ先読みした先読み摩擦係数μfにより押付力を制御するため、その時点で推定した摩擦係数に応じて押付力の制御を行うものと比較して、応答遅れによる制御遅れを抑制して、変速ショック抑制性能の向上を図ることができる。
3)実施の形態1に記載の摩擦動力伝達機構の制御装置は、
前記自動変速機コントロールユニット61は、前記先読み摩擦係数μfと現在の押付力によりに求めた伝達トルク推定値と、目標回転数加速度と前記押付力応答に基づいて求めた前記摩擦伝動変速機の先読みトランスミッション出力トルクとに基づいて、前記先読みトランスミッション出力トルクに対して前記伝達トルク推定値を近付ける方向に前記押付力を制御することを特徴とする。
したがって、先読みトランスミッション出力トルクに対して伝達トルク推定値が低ければ、押付力を増加させてロック対の伝達トルクを増加させる。逆に、先読みトランスミッション出力トルクに対して伝達トルク推定値が高ければ、押付力を減少させてロック対の伝達トルクを低下させる。
このように、トランスミッショントルクおよび摩擦係数μとして、現在値ではなく、予測値を用いることにより、押付力応答遅れや回転数応答遅れの影響を軽減して、より精度の高い変速ショック抑制を行うことができる。
4)実施の形態1に記載の摩擦動力伝達機構の制御装置は、
前記自動変速機コントロールユニット61は、前記押付力の応答性を越える前記摩擦係数変化が生じないように前記駆動源としての走行用モータ10を回転数制御することを特徴とする。
すなわち、滑り速度vは、押付力だけではなく、走行用モータ10の回転数によっても変化する。したがって、走行用モータ10の回転数を変化させた場合、押付力の制御による滑り速度v(摩擦係数μ)の変化を越える変化が生じるおそれがある。
そこで、押付力の応答性による摩擦係数μの変化を越える、回転数変化による摩擦係数μの変化が生じないようにすることで、変速ショック抑制性能が向上する。
以上、本発明の摩擦動力伝達機構の制御装置を実施の形態に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施の形態では、駆動源として電動モータを用いた例を示したが、これに限定されず、エンジンあるいはハイブリッド車両などを用いることができる。
また、実施の形態では、摩擦伝動変速機として、ローラ対の数を「2」とした例を示したが、この数は、これに限定されず、3以上設けてもよい。
さらに、実施の形態では、両摩擦ローラ群の選択的な動力伝達を偏心軸により行うものを示したが、それぞれ独立したカムなどを用いることも可能である。
また、実施の形態では、変速ショックを抑える押付力の制御を、推定摩擦係数がさらに押付力および目標回転数により変化した値を予測した先読み摩擦係数に基づいて行うものを示したが、これに限定されず、現在の滑り速度から得られた現在の推定摩擦係数に基づいて制御するようにしてもよい。この場合も、現在の推定摩擦係数と押付力とによりローラ対の現在の伝達力を求め、この伝達力がトランスミッション出力トルクに近付くように押付力を制御することで、伝達力の変動を抑えて変速ショックを抑制できる。
10 走行用モータ(駆動源)
11 1速ローラ対
11a 1速駆動ローラ
11b 1速従動ローラ
12 2速ローラ対
12a 2速駆動ローラ
12b 2速従動ローラ
20 変速アクチュエータ(押圧機構)
33 クランク軸(押圧機構)
55 駆動輪
61 自動変速機コントロールユニット(変速制御手段)
63 クランク開度センサ(走行状態検出手段)
64 入力回転数/トルクセンサ(走行状態検出手段)
65 出力回転数/トルクセンサ(走行状態検出手段)
66 油温センサ(走行状態検出手段)
67 アクセル開度センサ(走行状態検出手段)
68 車速センサ(走行状態検出手段)
RT 摩擦伝動変速機

Claims (4)

  1. 駆動源から動力伝達される入力軸に設けられた駆動ローラと、駆動輪側の出力軸に設けられた従動ローラとからなるローラ対が、変速比を異ならせて複数設定され、これら複数設定されたローラ対を選択的に押圧接触させる押圧機構を備えた摩擦伝動変速機と、
    車両走行状態を検出する走行状態検出手段の検出に基づいて前記押圧機構を作動させて前記摩擦伝動変速機を走行状態に応じた変速比に制御する変速制御手段と、
    を備えた車両の摩擦動力伝達機構の制御装置において、
    前記ローラ対の摩擦係数を推定する摩擦係数推定手段を設け、
    前記変速制御手段は、前記摩擦伝動変速機の変速時のイナーシャフェーズ中に、前記ローラ対の押付力を、前記摩擦係数推定手段が推定した推定摩擦係数に基づいて前記ローラ対の伝達力変化を抑える方向に制御することを特徴とする摩擦動力伝達機構の制御装置。
  2. 請求項1に記載の摩擦動力伝達機構の制御装置において、
    前記変速制御手段は、前記推定摩擦係数から、さらに、押付力応答の時定数に基づいて求めた先読み摩擦係数に応じて前記押付力を制御することを特徴とする摩擦動力伝達機構の制御装置。
  3. 請求項2に記載の摩擦動力伝達機構の制御装置において、
    前記変速制御手段は、前記先読み摩擦係数と現在の押付力によりに求めた伝達トルク推定値と、目標回転数加速度と前記押付力応答に基づいて求めた前記摩擦伝動変速機の先読み出力トルクとに基づいて、前記先読み出力トルクに対して前記伝達トルク推定値を近付ける方向に前記押付力を制御することを特徴とする摩擦動力伝達機構の制御装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の摩擦動力伝達機構の制御装置において、
    前記変速制御手段は、前記押付力の応答性を越える前記摩擦係数変化が生じないように前記駆動源を回転数制御することを特徴とする摩擦動力伝達機構の制御装置。
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