JP5899902B2 - 摩擦伝動変速機の変速制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、直径比が異なる複数の摩擦伝動ローラ対を具え、これらローラ対の使い分けにより伝動比の切り替え(変速)が可能な摩擦伝動変速機に関し、特にその変速制御技術の改良提案に係わる。
この種型式の摩擦伝動変速機としては従来、例えば特許文献1に記載のようなものが提案されている。
当該文献に記載の摩擦伝動変速機は、対をなすローラを相互に押圧接触させ、これら間の押圧接触部に生じる摩擦伝達力により動力伝達が可能に構成し、また、
変速可能にするため、ローラ対をなす一方のローラのグループ(例えば駆動ローラ群)および他方のローラのグループ(例えば従動ローラ群)のうち、一方を同軸一体構造とし、他方を偏心軸の偏心部に回転自在に支持し、該偏心軸を回転させて各ローラ対の軸間距離を変えることにより、選択的にいずれか一のローラ対で動力伝達を行うように構成する。
そして特許文献1には更に、動力伝達中のローラ対を成すローラ間の押圧接触力を、これらローラの一方のローラに関わる軸受部が上記ローラ間摩擦伝達力の反力を受けてカム面に沿い並進することにより生じさせたローラ軸間距離の変化により、ローラ間摩擦伝達力に応じた値となす技術も開示されている。
特開2010−077980号公報
しかし、上記のようにローラ間押圧接触力をローラ間摩擦伝達力に応じた値となす構造は、その分だけ摩擦伝動変速機の重量を増大させたり、コスト高を招き、これら重量増またはコスト高を許容し得ない場合は、上記のような構造を摩擦伝動変速機に付加することができない。
このような場合、摩擦伝動変速機はその実用中に伝達する必要のある最大トルクを確実に伝達可能となるように摩擦伝動変速機、つまり、ローラ間押圧接触を司る変速制御装置を構成する必要がある。
しかし変速制御装置が、変速により動力伝達を行うことになるローラ対のローラ間押圧接触力を、常に最大伝達トルク対応のローラ間押圧接触力となすのでは、摩擦伝動変速機の伝達トルクが小さい低負荷時にローラ間押圧接触力が過大となり、大きな変速ショックが発生したり、度重なる衝撃で変速制御系や伝動系の耐久性が低下するという問題を生ずる。
本発明は、コスト上の観点や、軽量化の観点から、ローラ間押圧接触力調整構造を省略したことで、摩擦伝動変速機の変速制御装置が常にローラ間押圧接触力を伝達トルク最大値に対応したものにせざるを得ない場合であっても、低負荷時に上記した大きな変速ショックが発生するという問題を生ずることがないと共に、度重なる衝撃で変速制御系および伝動系の耐久性が低下するという問題を生ずることのないようにした摩擦伝動変速機の変速制御装置を提供することを目的とする。
この目的のため、本発明による摩擦伝動変速機の変速制御装置は、これを以下のごとくに構成する。
先ず、本発明の前提となる摩擦伝動変速機を説明するに、これは、
回転自在に支持された駆動ローラと従動ローラとを押圧接触させ、これら駆動ローラおよび従動ローラ間の押圧接触部に生じる摩擦伝達力によって、駆動ローラおよび従動ローラ間での動力伝達が可能であり、
上記駆動ローラおよび従動ローラを、径の異なる複数のローラ対で構成し、駆動ローラをそれぞれ同軸一体回転可能となし、従動ローラをそれぞれ偏心軸の個々の偏心部に回転自在に支持すると共に相互に回転係合させ、上記偏心軸を回転させて各ローラ対の軸間距離を変えることにより選択的に、いずれか一のローラ対で前記動力伝達を行うようにしたものである。
本発明の変速制御装置は、かかる摩擦伝動変速機に対し以下のような偏心軸変速用回転一時中断手段を設けた構成に特徴づけられ、
この偏心軸変速用回転一時中断手段は、上記動力伝達を行うローラ対が上記一のローラ対から他のローラ対に切り替わる変速用に行う上記偏心軸の回転途中であって、上記摩擦伝動変速機の変速機入出力回転比が変速前回転比から変速後回転比へ変化し始めたイナーシャフェーズ開始時に、該偏心軸の変速用回転を一時的に中断させるものである。
かかる本発明による摩擦伝動変速機の変速制御装置にあっては、
動力伝達を行うローラ対を切り替える変速用に行う偏心軸の回転途中で、イナーシャフェーズ開始時に、当該偏心軸の変速用回転を一時的に中断させるため、
この中断により、変速前に動力伝達を行っていたローラ対が摩擦伝動変速機の伝動系にブレーキ作用を及ぼし、トルクフェーズ中におけるトルク変化に起因して発生するイナーシャフェーズでのトルクの突き上げを当該ブレーキ作用により解消、若しくは少なくとも緩和することができる。
よって、コスト上の観点や、軽量化の観点から、ローラ間押圧接触力調整構造を省略したことで、摩擦伝動変速機の変速制御装置が常にローラ間押圧接触力を伝達トルク最大値に対応したものにせざるを得ない場合であっても、低負荷時に大きな変速ショックが発生するという前記の問題を生ずることがなくなると共に、度重なる衝撃で変速制御系および伝動系の耐久性が低下するという前記の問題を生ずることもなくなる。
本発明の一実施例になる変速制御装置を具えた摩擦伝動変速機を示し、 (a)は、該摩擦伝動変速機の概略縦断側面図、 (b)は、該摩擦伝動変速機の概略正面図である。 図1における摩擦伝動変速機の低負荷時1→2アップシフトに関わる変速制御プログラムを示すフローチャートである。 図2に示す低負荷時1→2アップシフト変速制御に関わる動作タイムチャートである。 図1における摩擦伝動変速機の偏心軸回転角に対する、各ローラ対のローラ間押圧接触力との関係を示す特性線図である。 図1における摩擦伝動変速機の2速ローラ対に関わる、ローラ間すべり速度とローラ間摩擦係数との関係を示した特性線図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
<実施例の構成>
図1(a),(b)は、本発明の一実施例になる変速制御装置を具えた摩擦伝動変速機を示し、これを、車両の駆動系に用いるのに好適な、以下のごとき摩擦伝動変速機として構成する。
つまり図1(a),(b)の摩擦伝動変速機は、駆動ローラ群1および従動ローラ群2を具え、駆動ローラ群1は、順次直径が大きくなる1速駆動ローラ11と、2速駆動ローラ12とで構成し、従動ローラ群2は、順次直径が小さくなる1速従動ローラ21と、2速従動ローラ22とで構成する。
1速駆動ローラ11および2速駆動ローラ12は、図1(a)の左側から順次この順番に配列して同軸とし、共通な入力軸31に一体成形して設け、
入力軸31は、両端31a,31bを軸受32,33によりケース34に対し回転自在に支承して、軸線O1の周りに回転可能とする。
1速従動ローラ21および2速従動ローラ22はそれぞれ、1速駆動ローラ11および2速駆動ローラ12に適宜、後述するごとく径方向に押圧接触されて動力伝達を行い、1速従動ローラ21および1速駆動ローラ11で1速ローラ対を構成し、2速従動ローラ22および2速駆動ローラ12で2速ローラ対を構成する。
そのため1速従動ローラ21および2速従動ローラ22はそれぞれ、1速駆動ローラ11および2速駆動ローラ12に対し、ほぼ同じ軸直角面内に配置する。
そして1速従動ローラ21および2速従動ローラ22はそれぞれ、偏心軸35の偏心部35-1, 35-2上にボールベアリング36,37を介して回転自在に支持する。
偏心軸35は、両端35a,35bを軸受38,39によりケース34に対し回転自在に支承して、軸線O2の周りに回転可能となし、偏心部35-1, 35-2の軸心(1速従動ローラ21および2速従動ローラ22の回転中心21a,22a)を、偏心軸35の回転位置制御により第1速および第2速間で変速が可能となるような位相ずれのもと、偏心軸35の回転中心O2から所定量εだけオフセットさせる。
偏心軸35は、その一端35aにサーボモータ41を結合することで、このサーボモータ41により偏心軸35の回転位置を制御可能にする。
かかる偏心軸35の回転位置制御により、従動ローラ群2をなす従動ローラ21,22のうち一の従動ローラが、駆動ローラ群1をなす駆動ローラ11,12のうち対応する駆動ローラに対し径方向に押圧接触される。
このとき、相互に接触する一のローラ対(駆動ローラおよび従動ローラ)は、これらローラの接触部に生じる摩擦力によって、図1(a)に実線矢印で示す入力軸31への動力を、対応する変速比(第1速、第2速の変速段)で伝達することができる。
なお、相互に接触する一のローラ対により伝達されて、対応する従動ローラに達した動力は、隣り合う従動ローラ21,22間を図1(a)のごとくドグギヤ42で径方向相対変位可能に回転係合させておくことにより、2速従動ローラ22から図1(a)に一点鎖線矢印で示す方向に取り出すことができる。
<変速制御>
サーボモータ41により偏心軸35を軸線O2の周りで図1(b)の矢印αと反対方向へ回転させると、図1(a)に示すように偏心軸35の偏心部35-1(1速従動ローラ21の回転中心21a)が入力軸31に接近する。
これにより遂には1速従動ローラ21が外周面を1速駆動ローラ11の外周面に押圧接触されてこれらローラ間で動力伝達を行い得るようになり、入力軸31への動力を1速駆動ローラ11および1速従動ローラ21から、1速変速段で図1(a)の一点鎖線矢印方向へ取り出すことができる。
なお、この時におけるローラ11,21間の押圧接触力は、伝達トルク最大値をスリップ無しに伝達し得る大きさとする。
サーボモータ41により偏心軸35を軸線O2の周りで図1(b)の矢印αの方向へ回転させると、図1(b)に示すように偏心軸35の偏心部35-2(2速従動ローラ22の回転中心22a)が入力軸31に接近する。
これにより遂には2速従動ローラ22が、外周面を図1(b)に矢印βで示すように2速駆動ローラ12の外周面に押圧接触されてこれらローラ間で動力伝達を行い得るようになり、入力軸31への動力を2速駆動ローラ12および2速従動ローラ22から、2速変速段で図1(a)の一点鎖線矢印方向へ取り出すことができる。
なお、この時におけるローラ12,22間の押圧接触力は、伝達トルク最大値をスリップ無しに伝達し得る大きさとする。
図1の摩擦伝動変速機は上記した通り、ローラ対11,21の摩擦伝動による1速変速段での伝動時も、またローラ12,22の摩擦伝動による2速変速段での伝動時も、ローラ間押圧接触力が常に伝達トルク最大値をスリップ無しに伝達し得る大きさとなるような構成であることから、
摩擦伝動変速機の伝達トルクが小さい低負荷時に(アクセル開度が小さい時に)、伝達トルクに対してローラ間押圧接触力が過大となり、大きな変速ショックが発生したり、度重なる衝撃で変速制御系や伝動系の耐久性が低下する。
この問題を解消するために本実施例では、当該問題を生ずる設定負荷未満の低負荷時において以下のように図1の摩擦伝動変速機を変速制御するものとする。
この低負荷時変速制御を、1速変速段から2速変速段への1→2アップシフトが行われる場合について、図2,3を参照しつつ以下に説明する。
図2は、上記変速ショックや耐久性の問題を生ずる低負荷状態での1→2アップシフト時に開始される。
ステップS11においては、当該1→2アップシフトを生起させるためサーボモータ41により偏心軸35を図1(b)に矢印αで示す方向へ回転させ、偏心軸回転角θを図3の変速開始瞬時t1から図示のごとく1→2変速方向へ増大させることにより、図1(a)に示す1速変速段選択状態から図1(b)に示す2速変速段選択状態への変速を進行させる。
当該変速の進行に際しては、上記偏心軸回転角θの増大に応じて1速ローラ対11,21および2速ローラ対12,22のローラ間接触押圧力Fcが図4に例示するごとくに変化するため、図3の変速開始瞬時t1から、1速ローラ対11,21のローラ間押圧接触力Fcが例えば実線図示の経時変化で低下されると共に、2速ローラ対12,22のローラ間押圧接触力Fcが例えば破線図示の経時変化で増大される。
これにより図3の変速開始瞬時t1から、1速ローラ対11,21の伝達トルクT1が例えば実線図示の経時変化で低下されると共に、2速ローラ対12,22の伝達トルクTが例えば破線図示の経時変化で増大され、これに応じて変速機入力トルクTinに対する1速ローラ対11,21および2速ローラ対12,22のトルク分担が逆転し、トルクフェーズが生起される。
ステップS12においては、ステップS11による偏心軸35の1→2変速用回転で図1の摩擦伝動変速機が、入出力回転比を変速前の1速回転比から変速後の2速回転比へ変化させるイナーシャフェーズを開始したか否かを、つまり図3の瞬時t2以降におけるごとく変速機入力回転数Ninが変速前の1速対応回転数から変速後の2速対応回転数へ低下し始めたか否かをチェックする。
このイナーシャフェーズ開始判定に際しては、かかる入出力回転比の変化(変速機入力回転数Ninの変化)を生じさせる2速ローラ対12,22が、1速ローラ対11,21の従動ローラ21を回転上昇させながらイナーシャフェーズを進行させることから、1速ローラ対11,21の周速差(すべり速度)が0から負値になった時をもって、イナーシャフェーズが開始されたと判定することができ、本実施例においては1速ローラ対11,21のすべり速度が0未満の負値になった時をイナーシャフェーズ開始時と判定する。
ステップS12でイナーシャフェーズ開始前(図3の瞬時t2よりも前)と判定する間は、前記した変速ショックや耐久性の問題を生ずる現象が出現する前のトルクフェーズ中であることから、この問題解決のために実行するステップS13〜ステップS17を含むループに制御を進めず、ステップS18を実行した後に制御を終了して図2のループを抜ける。
ステップS18においては、ステップS13につき後述する偏心軸35の戻し回転による1速ローラ対11,21のブレーキ作用に起因したトルク低下分を補うよう、入力軸31に結合されている動力源(図示せず)の出力トルク増大制御を行い、これにより変速機入力トルクTinを図3のトルクフェーズ(t1〜t2)中に図示のごとく増大させる。
従ってステップS18は、本発明における入力トルク増大手段に相当する。
ステップS12でイナーシャフェーズが開始された(図3の瞬時t2に至った)と判定するとき、前記した変速ショックや耐久性の問題を回避するため、制御をステップS13以降に進める。
ステップS13においては、サーボモータ41により偏心軸35を1→2変速方向と逆の方向へ戻し回転させ、偏心軸回転角θを図3のイナーシャフェーズ開始瞬時t2から図示のごとく1→2変速方向と逆の方向へ低下させる。
この時における偏心軸35の戻し回転量は、変速機入力トルクが大きな高負荷であるほど大きな戻し回転量に設定する。
かかる偏心軸35の戻し回転は1→2変速の進行を妨げることから、未だ摩擦伝動変速機の伝動系に繋がっている1速ローラ対11,21が当該伝動系にブレーキ作用を及ぼすようになり、トルクフェーズ中におけるトルク変化に呼応したイナーシャフェーズでのトルクの突き上げショックを当該ブレーキ作用により解消、若しくは少なくとも緩和することができる。
ステップS13における偏心軸35の戻し回転は更に、1→2変速の進行を妨げるものであることから、変速機入力回転数Ninが変速後変速段(2速)対応回転数になるのを遅らせ、変速応答遅れを大きくすることになる。
本実施例ではこの変速応答遅れを防止するために、次のステップS14において、入力軸31に結合されている動力源(図示せず)を、変速機入力回転数Ninがイナーシャフェーズ(t2〜t3)中、図3に例示する所定の時間変化割合で変速後変速段(2速)対応回転数に向かうよう回転速度制御する。
従ってステップS14は、本発明における入力回転制御手段に相当する。
ステップS15においては、2速ローラ対12,22のローラ間すべり速度Vをモニタし、ローラ間摩擦係数μが最大値μ_maxとなるローラ間すべり速度V_maxか否かにより、イナーシャフェーズが終了したか否かをチェックする。
ここで2速ローラ対12,22のローラ間摩擦係数μは上記の変速中、図3に例示するような時系列変化を呈し、イナーシャフェーズが終了する瞬時t3に最大値μ_maxとなり、ローラ間摩擦係数μが最大値μ_maxになった時をもってイナーシャフェーズ終了と判定し得る。
一方で、2速ローラ対12,22のローラ間すべり速度Vに対する、ローラ間摩擦係数μの変化特性は図5に例示するようなもので、
ローラ間摩擦係数μが最大値±μ_maxとなるローラ間すべり速度±V_maxを基準とし、2速ローラ対12,22のローラ間すべり速度Vの絶対値|V|が|V|=|±V_max|になった時をもってイナーシャフェーズ終了と判定することができる。
この論理に基づきステップS15で未だイナーシャフェーズが終了していないと判定する間は、つまり図3のイナーシャフェーズ(t2〜t3)中である間は、制御をステップS13〜ステップS14に戻して、ステップS13における偏心軸35の戻し回転(t2〜t3中における偏心軸回転角θの時系列変化を参照)、およびステップS14における動力源の回転速度制御(t2〜t3中における入力回転数Ninの時系列変化を参照)を引き続き遂行する。
ステップS15でイナーシャフェーズが終了したと判定するとき、つまり図3のイナーシャフェーズ終了瞬時t3に至ったところで、制御をステップS16に進め、サーボモータ41により偏心軸35を1→2変速方向へ回転させる。
これにより偏心軸回転角θが、図3のイナーシャフェーズ終了瞬時t3以降、図示のごとくに所定の速度で再び1→2変速方向へ増大され、2速変速段選択状態への変速を進行させる。
ステップS16では同時に、ステップS14で開始した動力源の回転速度制御を終了させて、変速機入力回転数Ninを図3のイナーシャフェーズ終了瞬時t3以降に見られるごとく、変速後変速段(2速)対応回転数に維持する。
次のステップS17においては、偏心軸回転角θが、1速従動ローラ21を1速駆動ローラ11から離間させて、1速ローラ対11,21による伝達トルクT1を0となす回転角になったか否かを、つまり図3のローラ対切り替え終了瞬時t4に至ったか否かを判定する。
ステップS17で未だ1速ローラ対11,21から2速ローラ対12,22への切り替えが終わっていないと判定する間は、つまり図3のローラ対切り替え終了瞬時t4よりも前である場合は、制御をステップS16に戻して、偏心軸35を1→2変速方向へ更に回転させると共に動力源を回転速度制御終了状態に保つ。
これによりローラ対の切り替えが終了して図3の瞬時t4に至るとき、ステップS17は制御を終了して図2のループから抜ける。
なお上記では、1速ローラ対11,21から2速ローラ対12,22への切り替えによって得られる1→2アップシフトにつき本実施例の変速制御を説明したが、逆の2→1ダウンシフト時も図2,3につき前述したと同様な変速制御を行うことは言うまでもない。
<実施例の効果>
上記した本実施例の変速制御装置によれば、動力伝達を行うローラ対を切り替える変速に際して行うべき偏心軸35の回転途中で、偏心軸35を一時的に変速方向と逆の方向へ回転させるため(ステップS13、図3のイナーシャフェーズ中t2〜t3)、
かかる偏心軸35の逆向き回転により、変速前に動力伝達を行っていたローラ対(図2,3では1速ローラ対11,21)が摩擦伝動変速機の伝動系にブレーキ作用を及ぼし、トルクフェーズ中(図3のt1〜t2)におけるトルク変化に伴うイナーシャフェーズ(図3のt2〜t3)でのトルクの突き上げを上記のブレーキ作用により解消、若しくは少なくとも緩和することができる。
このことは、図3に示す変速機出力トルクToutのレベルがほぼ変化せず、一定であることから明らかである。
従って、コスト上の観点や、軽量化の観点から、ローラ間押圧接触力調整構造を省略したことで、摩擦伝動変速機の変速制御装置が常にローラ間押圧接触力を伝達トルク最大値に対応したものにせざるを得ない場合であっても、
低負荷時に大きな変速ショックが発生するという前記した従来装置の問題を生ずることがなくなると共に、度重なる衝撃で変速制御系および伝動系の耐久性が低下するという従来装置の問題を生ずることもなくなる。
また本実施例においては、この効果を得るために偏心軸35を変速方向と逆の方向へ回転させるに際し(ステップS13)、ステップS12でイナーシャフェーズ開始と判定した瞬時(t2)から、ステップS15でイナーシャフェーズ終了と判定する瞬時(t3)までのイナーシャフェーズ中に、当該偏心軸35の逆方向回転を行うため、
上記問題の原因であるトルクの突き上げが実際に発生するタイミングに調時して偏心軸35の逆方向回転を行うこととなり、上記の効果を一層顕著なものとなし得る。
しかも、ステップS12でのイナーシャフェーズ開始判定を、変速前変速段に関わるローラ対のローラ間スリップ速度Vに基づいて行い、V<0になった時をイナーシャフェーズ開始時と判定し、
ステップS15でのイナーシャフェーズ終了判定を、変速後変速段に関わるローラ対のローラ間スリップ速度Vに基づき、その絶対値|V| が最大摩擦係数発生スリップ速度|±V_max|になった時をイナーシャフェーズ終了時と判定するため、
正確に検出可能なローラ間スリップ速度Vに基づきイナーシャフェーズを高精度に判定することができて、上記の効果を更に顕著なものとなし得る。
例えばイナーシャフェーズを、変速機入力回転数Ninの検出値に基づき判定し、これが変速前変速段対応回転数から変速後変速段対応回転数へと変化している間をイナーシャフェーズ中と判定することもできるが、この場合、外乱により変速機出力回転数が変動したときにも変速機入力回転数Ninが変化することとなって、イナーシャフェーズを高精度に判定することができず、上記の効果が得られないが、本実施例によればこのような問題を回避することができる。
また本実施例においては、図2の変速制御プログラムを低負荷時に行わせることで、ステップS13での偏心軸35の戻し回転を低負荷時に行わせることとしたから、
変速ショックや耐久性に関する前記した問題を生ずることのない高負荷時に、ステップS13での偏心軸35の戻し回転が無駄に行われて、変速応答が悪化するという問題を回避することができる。
本実施例においては更に、ステップS13で偏心軸35を戻し回転させるときの回転量を、変速機入力トルクが大きな高負荷であるほど大きな戻し回転量に設定したため、
前記した変速ショックや耐久性の問題が顕著になる高負荷時においては、これに呼応して前記したブレーキ作用が大きくなることとなり、当該高負荷時においても確実に上記の効果を得ることができる。
また本実施例においては、ステップS13で行うイナーシャフェーズ中における偏心軸35の戻し回転による1速ローラ対11,21のブレーキ作用に起因したトルク低下分を補うよう、ステップS18で動力源の出力トルク増大制御を行って、変速機入力トルクTinを図3のトルクフェーズ(t1〜t2)中に図示のごとくに増大させるため、
図3に示す変速機出力トルクToutのレベル一定からも明らかなように、1速ローラ対11,21のブレーキ作用によるトルクの落ち込みショックを回避することができる。
更に本実施例においては、ステップS14でイナーシャフェーズ(t2〜t3)中に動力源を変速機入力回転数Ninが図3に例示する所定の時間変化割合で変速後変速段(2速)対応回転数に向かうよう回転速度制御するため、
ステップS13による偏心軸35の戻し回転が変速機入力回転数Ninの変速後変速段(2速)対応回転数への低下を遅らせて変速応答遅れを大きくするところながら、この変速応答遅れをステップS14での動力源の回転速度制御により回避することができる。
<その他の実施例>
なお上記した実施例では、ステップS13でイナーシャフェーズ(図3のt2〜t3)中に偏心軸35を変速方向と逆方向へ図3のごとく戻し回転させることとしたが、この代わりに偏心軸35をイナーシャフェーズ中、イナーシャフェーズ開始時の回転位置に保って、変速方向への回転を一時的に中断するようにしてもよい。
この場合も、偏心軸35を変速方向と逆方向へ戻し回転させる場合ほどではないが、1速ローラ対11,21による前記したブレーキ作用が得られて、前記した作用・効果を奏することができる。
1 駆動ローラ群
2 従動ローラ群
11 1速駆動ローラ
12 2速駆動ローラ
21 1速従動ローラ
22 2速従動ローラ
31 入力軸
32,33 軸受
34 ケース
35 偏心軸
35-1,35-2 偏心部
36,37 ボールベアリング
38,39 軸受
41 サーボモータ
42 ドグギヤ

Claims (7)

  1. 回転自在に支持された駆動ローラと従動ローラとを押圧接触させ、これら駆動ローラおよび従動ローラ間の押圧接触部に生じる摩擦伝達力によって、駆動ローラおよび従動ローラ間での動力伝達が可能であり、
    前記駆動ローラおよび従動ローラを、径の異なる複数のローラ対で構成し、駆動ローラをそれぞれ同軸一体回転可能となし、従動ローラをそれぞれ偏心軸の個々の偏心部に回転自在に支持すると共に相互に回転係合させ、前記偏心軸を回転させて各ローラ対の軸間距離を変えることにより選択的に、いずれか一のローラ対で前記動力伝達を行うようにした摩擦伝動変速機において、
    前記動力伝達を行うローラ対が前記一のローラ対から他のローラ対に切り替わる変速用に行う前記偏心軸の回転途中であって、前記摩擦伝動変速機の変速機入出力回転比が変速前回転比から変速後回転比へ変化し始めたイナーシャフェーズ開始時に、該偏心軸の変速用回転を一時的に中断させる偏心軸変速用回転一時中断手段を設けたことを特徴とする摩擦伝動変速機の変速制御装置。
  2. 請求項1に記載された、摩擦伝動変速機の変速制御装置において、
    前記偏心軸変速用回転一時中断手段は、前記偏心軸を変速用回転と逆の方向へ一時的に戻し回転させるものであることを特徴とする摩擦伝動変速機の変速制御装置。
  3. 請求項1または2に記載された、摩擦伝動変速機の変速制御装置において、
    前記偏心軸変速用回転一時中断手段は、前記一のローラ対を成す駆動ローラおよび従動ローラ間の周速差であるスリップ速度が負値になる時をもって前記イナーシャフェーズの開始と見なすものであることを特徴とする摩擦伝動変速機の変速制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載された、摩擦伝動変速機の変速制御装置において、
    前記偏心軸変速用回転一時中断手段は、前記摩擦伝動変速機への入力トルクが設定値未満の低負荷状態である場合に、前記偏心軸の変速用回転一時中断制御を行うものであることを特徴とする摩擦伝動変速機の変速制御装置。
  5. 請求項2〜4のいずれか1項に記載された、摩擦伝動変速機の変速制御装置において、
    前記偏心軸変速用回転一時中断手段は、前記偏心軸の変速用回転と逆の方向への一時的な戻し回転量を、前記摩擦伝動変速機への入力トルクが大きい高負荷であるほど多くするものであることを特徴とする摩擦伝動変速機の変速制御装置。
  6. 請求項2〜5のいずれか1項に記載された、摩擦伝動変速機の変速制御装置において、
    前記偏心軸変速用回転一時中断手段が前記偏心軸を変速用回転と逆の方向へ一時的に戻し回転させる前に、前記摩擦伝動変速機への入力トルクを増大させる入力トルク増大手段を設けたことを特徴とする摩擦伝動変速機の変速制御装置。
  7. 請求項2〜6のいずれか1項に記載された、摩擦伝動変速機の変速制御装置において、
    前記偏心軸変速用回転一時中断手段が前記偏心軸を変速用回転と逆の方向へ一時的に戻し回転させる間、前記摩擦伝動変速機の入力回転を変速後回転数に向かうよう制御する入力回転制御手段を設けたことを特徴とする摩擦伝動変速機の変速制御装置。
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