JP2015229302A - ホルダ、ホルダユニット及びスクライブ装置 - Google Patents

ホルダ、ホルダユニット及びスクライブ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】スクライビングホイールがピン軸方向に移動することによりスクライブラインの形成位置がずれるという問題点に鑑みてなされたものであって、スクライブイランの形成位置を安定させ、所望の位置からのずれが生じないようにするホルダ、ホルダユニット及びスクライブ装置を提供する。
【解決手段】スクライビングホイール40と、スクライビングホイールの貫通孔41に貫通されたピン軸50と、一対の保持部62a、62bと同軸上に位置し保持部にそれぞれ形成されるとともにピン軸が挿通されたピン孔65a、65bと、を有するホルダ60と、を備えたホルダユニット30であって、保持部62aには、ピン軸の方向に沿ってスクライビングホイールを付勢する弾性部材75が収容されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、ガラス基板等の脆性材料基板の分断において、脆性材料基板の表面にスクライブラインを形成する際に用いるホルダ、ホルダユニット及びスクライブ装置に関する。
ガラス基板等の脆性材料基板を所望の寸法に分断する際、一般的にスクライブ装置が用いられる。このスクライブ装置は、スクライビングホイールを保持するためのホルダにスクライビングホイールを取り付けて使用される。また、このスクライビングホイールは、ホルダの保持部に形成されたピン孔と、スクライビングホイールの側面に形成された貫通孔とに、円柱状のピン軸を挿入することで、保持部間(保持溝)に保持される。
そして、ホルダに取り付けられたスクライビングホイールは、回転自在に保持されており、脆性材料基板の表面を回転しながら進むことで、脆性材料基板にスクライブラインを形成する。なお、このようなスクライブ装置として、例えば、特許文献1に記載されているようスクライブ装置がある。
国際特許公開 WO2007/063979号公報
ホルダに取り付けられたスクライビングホイールは、上述のようにスクライブラインを形成するために保持溝で回転する必要がある。したがって、保持溝の幅はスクライビングホイールの厚みより若干広くなっており、スクライビングホイールと保持部との間にはクリアランスが確保されている。具体的には、スクライビングホイールの厚みが0.65mmの場合には、保持溝の幅は0.02mm程度広くなっている。このように、スクライビングホイールと保持部との間にクリアランスが存在することによって、スクライビングホイールは、回転自在に保持される。
一方で、このクリアランスによって、スクライビングホイールは、ホルダ溝内でピン軸に沿って0.02mm程度移動できることになってしまう。したがって、スクライブラインを形成する際に、スクライビングホイールがピン軸方向に移動してしまうことで、スクライブラインの形成位置が安定しなくなり、従来のスクライブ装置では、スクライブラインが所望の位置からずれるということが問題となっていた。
本発明は、上述したスクライビングホイールがピン軸方向に移動することによりスクライブラインの形成位置がずれるという問題点に鑑みてなされたものであって、スクライブラインの形成位置を安定させ、所望の位置からのずれが生じないようにするホルダ、ホルダユニット及びスクライブ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のホルダは、一対の保持部と、同軸上に位置し前記保持部にそれぞれ形成されたピン孔と、を備え、スクライビングホイールの貫通孔に貫通されるとともに前記ピン孔に挿通されるピン軸により、前記保持部間に前記スクライビングホイールを回転自在に保持するためのホルダであって、前記スクライビングホイールを保持した際に、前記ピン軸の方向に沿って前記スクライビングホイールを付勢する弾性部材が収容される収容部が前記保持部の一方に形成されていることを特徴とする。
本発明のホルダによれば、収容部に収容された弾性部材によって、スクライビングホイールがピン軸の方向に付勢される。これにより、スクライビングホイールと保持部との間のクリアランスによってスクライビングホイールがピン軸方向へ移動することが規制される。したがって、ホルダは、スクライブラインの形成位置を安定させることができる。
本発明のホルダは、前記収容部が、前記ピン孔の周りに形成されている構成とされ得る。
この構成によれば、収容部に収容された弾性部材によってスクライビングホイールの側面中心を付勢することができるため、ホルダはスクライビングホイールを直立させることができる。したがって、ホルダは、所謂ソゲの発生が少ないスクライブラインを形成することができる。
また、本発明のホルダユニットは、スクライビングホイールと、前記スクライビングホイールの貫通孔に貫通されたピン軸と、前記スクライビングホイールを保持する一対の保持部と、同軸上に位置し前記保持部にそれぞれ形成されるとともに前記ピン軸が挿通されたピン孔と、を有するホルダと、を備えたホルダユニットであって、前記保持部の一方には、前記ピン軸の方向に沿って前記スクライビングホイールを付勢する弾性部材が収容されていることを特徴とする。
本発明のホルダユニットによれば、スクライビングホイールが弾性部材によって一方側へと付勢されるため、スクライビングホイールと保持部と間のクリアランスによってスクライビングホイールがピン軸方向へ移動することが規制される。したがって、ホルダユニットは、スクライブラインの形成位置を安定させることができる。
また、本発明のホルダユニットは、前記弾性部材が、バネ部材である構成とされ得る。
弾性部材によってスクライビングホイールを付勢することによって、スクライビングホイールに大きな回転抵抗が生じると、スクライブ精度に影響が出てしまうが、この構成のホルダユニットによれば、弾性部材をバネ部材とすることによって、バネ圧力の調整を容易に行うことができる。
また、本発明のホルダユニットは、前記バネ部材のバネ圧力が、0.15N以下である構成とされ得る。
この構成によれば、スクライビングホイールの回転抵抗を増加させることがなく、ファイバと呼ばれるような細長い欠けやソゲの発生を抑制しながら、スクライブラインを形成することができる。
また、本発明のホルダユニットは、前記ホルダが、一対のホルダ基材を固定して形成されており、前記ホルダ基材のそれぞれに前記保持部の一方が形成されている構成とされ得る。
この構成によれば、弾性部材を収容するホルダユニットの組み立てを容易に行うことができる。
また、本発明のスクライブ装置は、上記のホルダを備えることを特徴とする。また、本発明のスクライブ装置は、上記のホルダユニットを備えることを特徴とする。
本発明のスクライブ装置によれば、スクライビングホイールと保持部と間のクリアランスによってスクライビングホイールがピン軸方向へ移動することが規制される。このため、スクライブ装置は、スクライブラインの形成位置を安定させることができる。
実施形態1のスクライブ装置の概略図である。 図2(A)は実施形態1のホルダユニットの正面図であり、図2(B)は側面であり、図2(C)は図2(B)のIIC−IIC線での断面図である。 図3(A)は実施形態2のホルダユニットの構成品を示す平面図であり、図3(B)はホルダユニットの断面図である。 実施形態2のホルダユニットの正面図である。 図5(A)は実施形態3のホルダユニット及びこのホルダユニットが取り付けられたホルダジョイントの側面図であり、図5(B)はホルダユニットの斜視図であり、図5(C)はホルダユニットの正面拡大図である。
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための一例を示すものであり、本発明をこの実施形態に特定することを意図するものではない。本発明は、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態にも適応できるものである。
[実施形態1]
図1は、本発明の実施形態に係るスクライブ装置1の概略図である。スクライブ装置1は、移動台10を備えている。移動台10は、ボールネジ11と螺合されており、モータの駆動によりこのボールネジ11が回転することで、一対の案内レール12に沿ってy軸方向に移動可能となっている。
移動台10の上面には、モータ13が設置されている。モータ13は、上部に位置するテーブル14をxy平面で回転させて所定角度に位置決めする。モータ13により水平回転可能なテーブル14は、図示しない真空吸着手段を備えており、テーブル14上に載置された脆性材料基板15をこの真空吸着手段によって保持する。
この脆性材料基板15は、ガラス基板、低温焼成セラミックスや高温焼成セラミックスからなるセラミック基板、シリコン基板、化合物半導体基板、サファイア基板、石英基板等である。また、脆性材料基板15は、基板の表面又は内部に薄膜或いは半導体材料を付着させたり、含ませたりしたものであってもよい。また、脆性材料基板15は、その表面に脆性材料に該当しない薄膜等が付着されていても構わない。
スクライブ装置1は、テーブル14に載置された脆性材料基板15の上方に、この脆性材料基板15の表面に形成されたアライメントマークを撮像する二台のCCDカメラ16を備えている。移動台10とその上部のテーブル14とを跨ぐように、ブリッジ17が支柱18a、18bに架設されている。
ブリッジ17にはガイド19が取り付けられており、スクライブヘッド20はこのガイド19に案内されてx軸方向に移動するように設置されている。スクライブヘッド20の下端には、ホルダ60にスクライビングホイール40が保持されているホルダユニット30が取り付けられている。
ここで、スクライブ装置1を用いて脆性材料基板15へスクライブラインを形成する工程の概略を説明する。まず、スクライブヘッド20に取り付けられたホルダ60にスクライビングホイール40を取り付ける。そして、スクライブ装置1は、一対のCCDカメラ16によって脆性材料基板15の位置決めを行う。次いで、スクライブ装置1は、スクライブヘッド20を所定の位置に移動させ、スクライビングホイール40に対して所定の荷重を印加して、脆性材料基板15へ接触させる。そして、スクライブ装置1は、スクライブヘッド20をX軸方向に移動させることにより、脆性材料基板15の表面に所定のスクライブラインを形成する。なお、スクライブ装置1は、必要に応じてテーブル14を回動ないしY軸方向に移動し、上記の場合と同様にしてスクライブラインを形成する。
次に、ホルダユニット30の詳細について図を用いて説明する。図2(A)はホルダユニット30の正面図であり、図2(B)はホルダユニット30の側面図であり、図2(C)は図2(B)のIIC−IIC線での断面図である。
ホルダユニット30は、スクライビングホイール40と、ピン軸50と、ホルダ60と、とが一体となったものである。
スクライビングホイール40は、例えば焼結ダイヤモンド、超硬合金、単結晶ダイヤモンド、多結晶ダイヤモンド等で形成された、円板状の部材である。
また、スクライビングホイール40にはピン軸50が貫通するための貫通孔41が円板側面42の中心に形成されている。また、スクライビングホイール40には稜線を形成するV字状の刃43が外周部に形成されている。また、スクライビングホイール40は、厚さが約0.65mmであり、外径が約2.0mm、貫通孔41の径が約0.8mm、刃43の刃先角が約130°である。
ピン軸50は、例えば焼結ダイヤモンドや超硬合金等で形成された、円柱状部の部材であり、図2(A)に示すように一端が尖頭形状の尖頭部51になっている。
ホルダ60は、例えばSUS303で形成された、角状部材のホルダ基材61からなる。また、ホルダ基材61は、同形状の一対のホルダ基材61a、61bを用い、ホルダ基材61a、61bの側面同士を接触させて、ネジ止めにより固定したものである。
ホルダ基材61a、61bは、例えば図2(B)に示すように側面視において下方に向かって幅が狭くなる台形状となっている。また、ホルダ基材61a、61bの台形状部分には、それぞれ保持部62a、62bが形成されており、ホルダ基材61a、61bを組み立てた状態で、保持部62a、62bの間に保持溝63が形成される。
また、保持部62a、62bには、円柱体64a、64bがロウ付けによってそれぞれ同軸位置で固定されている。そして、円柱体64a、64bの中心には、ピン軸50が挿通されるピン孔65a、65bが同軸位置に形成されている。したがって、スクライビングホイール40の円板側面42とは、保持部62aの円柱体64aと、保持部62bの円柱体64bとが対向することになり、円板側面42と対向する円柱体64aの対向面が保持壁66aとなり、円板側面42と対向する円柱体64bの対向面が保持壁66bとなる。なお、円柱体64a、64bについては詳細を後述する。
また、保持部62aには、ホルダ基材61aの保持壁66a側から円形に窪んだ収容部67が形成されている。そして、この収容部67は、ピン孔65aと同軸上に形成されている。また、収容部67は、ピン孔65aよりも大きな径であり、スクライビングホイール40の外径よりも小さな径となっており、スクライビングホイール40の円板側面42より若干小さな径からなる円形となっている。この収容部67には、後述するコイルバネからなる弾性部材75が収容される。
また、ホルダ基材61a、61bには上部に取付孔68a、68bが形成されており、ホルダ60は、取付孔68a、68bを介して、スクライブ装置1のスクライブヘッド20へ取り付けられる。また、ホルダ基材61a、61bの側面には、ホルダ基材61を貫通するネジ取付孔69a、69bが形成されている。また、ホルダ基材61a、61bを固定するためのネジと螺合するための二つのネジ穴70a、70bと、ホルダ基材61a、61bの位置合わせとして使用される後述する位置決めピン77が挿入される位置決め孔71a、71bが形成されている。
また、ホルダ60は、ネジ取付孔69a、69bに取り付けられる固定ネジ72a、72bと、固定ネジ72a、72bによってホルダ基材61の側面に固定される止め金74a、74bと、を備えている。この止め金74a、74bは、ピン孔65a、65bを閉塞するためのものである。
また、このホルダユニット30は、円形の収容部67へ弾性部材75を収容している。弾性部材75はバネ部材であり、収容部67と略同じ大きさのコイルバネである。弾性部材75は、弾性力を利用してスクライビングホイール40を付勢するためのものである。そして、弾性部材75によって、スクライビングホイール40は、保持部62b側へ付勢され、円板側面42を保持壁66bと接触させる。
したがって、スクライビングホイール40の円板側面42と保持壁66bとのクリアランスがゼロになり、スクライブラインを形成する際、ピン軸50に沿ったスクライビングホイール40の移動が規制されるため、スクライブ装置1はスクライブラインの形成位置が安定することになり、所望の位置へスクライブラインを形成することができる。
また、保持部62aに形成された収容部67は、保持部62aに形成されたピン孔65aと同軸上に形成されるとともに、ピン孔65aよりも大きな径で形成されている。したがって、収容部67に収容されるバネ部材75として、ピン軸50の周りを覆う大きさのコイルバネを用いることで、スクライビングホイール40の貫通孔41の周辺を付勢することになり、スクライビングホイール40の円板側面42の中心を付勢することができ、スクライビングホイール40をしっかりと直立させることができる。
ところで、スクライビングホイール40が斜めになった状態でスクライブラインを形成すると、所謂ソゲと呼ばれる、垂直クラックがガラス厚さ方向に対して斜め方向に形成される現象が発生してしまう。そして、ソゲが発生すると、脆性材料基板15の切断面も斜めになってしまうため、所望の位置で分断することができなくなってしまう。しかしながら、本実施形態のホルダユニット30は、スクライビングホイール40が直立することになるため、ソゲが発生し難いスクライブラインを形成することができる。
ここで、収容部67に収容される弾性部材75は、スクライビングホイール40をピン軸50方向に沿って付勢するためのものであり、スクライビングホイール40の円板側面42と保持壁66bとのクリアランスをゼロにするものである。しかしながら、スクライビングホイール40をあまり強く付勢してしまうと、弾性部材75は円板側面40と保持壁66bとの間の摩擦によってスクライビングホイール40の回転を妨げることになり、スクライビングホイール40の回転にブレーキを掛けてしまう。
そこで、弾性部材75として、バネ圧力1.29N、0.35N、0.08Nの3つのバネ部材を用いてホルダユニット30を形成し、スクライブラインの形成を行った。
バネ圧力1.29Nの場合には、スクライビングホイール40の回転が非常に悪くなり、所謂ファイバと呼ばれる、スクライビングホイール40の進行方向に沿った線状の大きな欠けが脆性材料基板15の表面に発生してしまった。
バネ圧力0.35Nの場合には、スクライビングホイール40の回転が悪く、ソゲが多発してしまった。ホルダユニット30は、弾性部材75として、コイルバネを用いピン軸50の周りを覆うように配置して、円板側面42をできるだけ均等に付勢するようにしている。しかしながら、コイルバネの端部は完全な円形ではないため、円板側面42を付勢した際に、ムラが生じてしまう。このため、バネ圧力が大きな場合には、このムラによってスクライビングホイール40が傾斜してしまい、ソゲが多発したものと思われる。
バネ圧力0.08Nの場合には、スクライビングホイール40の回転も良く、ソゲの発生も見られなかった。そして、目的とするスクライビングラインの形成位置からのズレは、12μm程度であり、問題にならないようなズレ量であった。
また、バネ圧力0.08Nの弾性部材75を用いて、スクライビングホイール40の厚さが0.4mmのホルダユニット30によってスクライブラインの形成も行った。スクライビングホイール40の厚さが0.65mmの場合に比べ、保持壁66a、66b間でのクリアランスが非常に大きくなるため、通常であればスクライビングホイール40のピン軸50方向への移動も大きくなってしまう。しかしながら、スクライビングホイール40の厚さが0.4mmのホルダユニット30であっても、ズレやソゲの少ないスクライブラインを形成することができ、ズレ量は14μm程度と、実際には問題のないほどのズレ量であった。したがって、弾性部材75のバネ圧力は、0.08Nをやや超える0.15N以下となるものが好ましく、より好ましくは0.10N以下となるものが好ましい。ただし、バネ圧力が小さ過ぎると、スクライビングホイール40がピン軸50に沿って移動し易くなり、スクライビングホイール40がスクライビングラインの形成位置からずれやすくなる。バネ圧力の下限値は、ピン軸50の方向におけるスクライビングホイール40の移動を抑制可能な範囲で適宜設定されれば良い。なお、収容部67のない従来のホルダユニットに対して、スクライビングホイールの厚さが0.4mmのものを用いてスクライブラインを形成したところ、スクライビングホールのピン軸方向への移動が大きく、スクライブラインのズレ量が224μm程度にもなった。
また、スクライビングホイール40を付勢する弾性部材75によるスクライブラインへの影響は非常に大きいため、弾性部材75は様々なバネ圧力を簡単に調整することができるバネ部材が適している。
次に、ホルダユニット30の組み立て工程について図を用いて説明する。図3(A)はホルダユニット30を構成するスクライビングホイール40と、ピン軸50と、ホルダ60と、弾性部材75の平面図であり、図3(B)はホルダユニット30の組み立て断面図である。
図3(A)に示すように、ホルダ基材61a、61bには保持溝63となる溝63a、63bがそれぞれ形成されている。また、ホルダ基材61a、61bの下端側には円柱体取付孔76a、76bに円柱体64a、64bがロウ付けにより固定されている。なお、この円柱体64a、64bは、ホルダ基材61a、61bの下方を図示の台形状に切断する際に、円柱体64a、64bの下方も一部が同時に切断されている。また、この円柱体64a、64bは、焼結ダイヤモンドや超硬合金からなるものである。
また、ワイヤ放電加工機のワイヤをホルダ基材61aに形成されているネジ取付孔69aに通し、このワイヤをネジ取付孔69aから円柱体64aまで図示していない軌道に沿って移動し、円柱体64aの中心にピン孔65aが形成されている。同様に、ホルダ基材61bにも円柱体74bの中心にピン孔65aが形成されている。なお、このようなピン孔65a、65bの形成は、具体的には特開2011−240540号公報に記載されている工程を採用することができる。
また、ホルダ基材61aの円柱体64aには、ピン孔65aの径よりも大きな径の収容部67が、放電加工等によって円柱体64aの一部を除去することにより形成されている。この時、図3(B)に示すように、ピン軸50の軸支に十分なピン孔65aを残して、収容部67の深さは決定される。また、ピン孔65aを残すことによって、ピン軸50の位置が安定し、ピン軸50に挿通される弾性部材75の位置も安定する。
また、スクライビングホイール40の貫通孔41にピン軸50が貫通されており、ピン軸50には尖頭部51側から弾性部材75であるコイルバネが挿通されている。なお、図3(A)においては、スクライビングホイール40、ピン軸50、弾性部材75は、ホルダ基材61a、61b等に比べて大きく図示している。
そして、ホルダ基材61aの、位置決め孔71a、71bにそれぞれ位置決めピン77を挿入し、図3(B)に示すように、位置決めピン77をホルダ基材61b側の位置決め孔71a、71bへ挿入する。なお、図3(B)は図2(C)と同じ位置での断面図であるが、図3(B)では位置決め孔71a、71bと位置決めピン77がわかるように図示している。
また同時に、ホルダ基材61aのピン孔65aにピン軸50の尖頭部51側を挿入し、図3(B)に示すように、ピン軸50の他方側をホルダ基材61bのピン孔65bへ挿入する。
そして、ホルダ基材61a、61bをネジ穴70a、70bを介して図示しないネジ止めによって螺合することで、ホルダユニット30が組み立てられる。また、ホルダユニット30は、ホルダ基材61aのネジ取付孔69aに固定ネジ72aを取り付けることにより止め金74aを固定し、ピン孔65aを閉塞する。また、ホルダユニット30は、ホルダ基材61bのネジ取付孔69bに固定ネジ72bを取り付けることにより止め金74bを固定し、ピン孔65bを閉塞する。
そして、このような工程により組み立てられたホルダユニット30をスクライブ装置1に用いてスクライブラインを形成すると、スクライビングホイール40がピン軸50に沿った移動することが弾性部材75による付勢により規制されるため、スクライブ装置1は、スクライブラインの形成位置が安定することになり、所望の位置へスクライブラインを形成することができる。
[実施形態2]
次に他の実施形態のホルダユニット130について図を用いて説明する。図4は実施形態2のホルダユニット130の正面図である。なお、図4は、ホルダユニット130の下方について要部を断面図で示している。
ホルダユニット130は、スクライビングホイール140と、ピン軸150と、ホルダ160とが一体となったものである。なお、スクライビングホイール140と、ピン軸150とは、実施形態1のスクライビングホイール40と、ピン軸50と略同様な構成となっており、詳細な説明を省略する。
ホルダ160は、角状部材のホルダ基材161からなる。また、ホルダ基材161は、実施形態1のホルダ基材61と異なり、一つの角状部材からなる。
ホルダ基材161の下方には、一対の保持部162a、162bと、保持部162a、162bの間に位置する保持溝163が形成されている。
また、保持部162a、162bには、円柱体164a、164bがロウ付けによってそれぞれ同軸位置で固定されている。そして、円柱体の164a、164bの中心には、ピン軸150が挿通されるピン孔165a、165bが同軸位置に形成されている。したがって、スクライビングホイール140の円板側面142と対向する円柱体164aの対向面が保持壁166aとなり、円板側面142と対向する円柱体164bの対向面が保持壁166bとなる。
また、保持部162aには、円形に窪んだ収容部167が形成されている。この収容部167は、ピン孔165aと同軸上に形成されるとともに、保持部162aを貫通して形成されている。したがって、保持部162a側では、収容部167がピン孔165aを兼ねる構成となっている。この収容部167には、ピン軸150とともに、ピン軸150に挿通されたコイルバネからなる弾性部材175が収容される。
また、ホルダ160は、ネジ取付孔に取り付けられる固定ネジ172a、172bと、固定ネジ172a、172bによってホルダ基材161の側面に固定される止め金174a、174bと、を備えている。この止め金174aによって、収容部167は閉塞される。なお、止め金174aには、図示しない支持孔が形成されており、ピン軸150の尖頭部151がこの支持孔に挿入されることにより、保持部162a側でのピン軸150の支持が行われている。ピン軸150が支持されていることにより、スクライブ時にピン軸150がピン孔やバネに押しつけられることが防止される。また、止め金172bによって、ピン孔165bは閉塞される。
そして、ホルダユニット130は、円形の収容部167へ弾性部材175を収容している。弾性部材175は、収容部167と略同じ大きさのコイルバネである。弾性部材175は、実施形態1の弾性部材75と同様、弾性力を利用してスクライビングホイール140をピン軸150方向に沿って付勢するためのものである。そして、弾性部材175によって、スクライビングホイール140は、保持部162b側へ付勢され、円板側面142を保持壁166bと接触させる。
したがって、スクライビングホイール140の円板側面142と保持壁166bとのクリアランスがゼロになり、スクライブラインを形成する際、ピン軸150に沿ったスクライビングホイール140の移動が規制されるため、ホルダユニット130はスクライブラインの形成位置が安定することになり、所望の位置へスクライブラインを形成することができる。
また、ホルダユニット130は、ホルダ基材161が一つの部材で形成されており、収容部167は、保持部162aを貫通して形成されている。このホルダユニット130は、まず保持壁166aと保持壁166bとの間にスクライビングホイール140を配置し、ピン軸150を収容部167の外側から挿入し、スクライビングホイール140の円板側面142を貫通させて、ピン孔165bへ挿通する。そして、ホルダユニット130は、ピン軸150に弾性部材175を挿通し、止め金174aによって収容部167を閉塞して組み立てられる。したがって、本実施形態のホルダユニット130は、実施形態1のようにホルダ基材61a、61bを螺合する工程を削減することができる。
[実施形態3]
次に他の実施形態のホルダユニット230について図を用いて説明する。図5(A)は実施形態3のホルダユニット230及びホルダユニット230が取り付けられたホルダジョイント200の側面図であり、図5(B)はホルダユニット230の斜視図であり、図5(C)はホルダユニット230の正面拡大図である。
ホルダジョイント200は、円柱状の回転軸部201と、円柱状のジョイント部202と、を備えている。このホルダジョイント200は、スクライブ装置のスクライブヘッドに装着されて使用される。また、ホルダジョイント200がスクライブヘッドに装着された状態では、回転軸部201が断面を示した二つのベアリング203a、203bと、断面を示した円筒形のスペーサ204を介して装着されており、ホルダジョイント200は回転自在に保持されている。
円柱形のジョイント部202には、下端側に円形の開口205を備えた内部空間206が形成されている。この内部空間206の上部に、例えば磁石が埋設されており、ホルダユニット230が着脱自在に保持されている。
ホルダユニット230は、スクライビングホイール240と、ピン軸250と、ホルダ260とが一体となったものである。なお、スクライビングホイール240と、ピン軸250とは、実施形態1のスクライビングホイール40と、ピン軸50と略同様な構成となっており、詳細な説明を省略する。
ホルダ260は、ホルダ基材261で形成されている。このホルダ基材261の下部には、一対の保持部262a、262bと、保持部262a、262bの間に位置する保持溝263が形成されている。保持部262a、262bには、ピン軸250が挿通されるピン孔265a、265bが同軸位置に形成されている。
また、保持部262aには、円形に窪んだ収容部267が形成されている。この収容部267は、ピン孔265aと同軸上に形成されるとともに、保持部262aを貫通して形成されている。したがって、保持部262a側では、収容部267がピン孔265aを兼ねる構成となっている。この収容部267には、ピン軸250とともに、ピン軸250に挿通されたコイルバネからなる弾性部材275が収容される。なお、弾性部材275が収容された収容部267は、図示していない止め金によって閉塞される。
ホルダ基材261の上部には位置決め用の取付部270が設けられている。この取付部270は、ホルダ基材261の上部を切欠いて形成されており、傾斜部270aと平坦部270bを備えている。
そして、ホルダ260の取付部270側を、開口205を介して内部空間206へ挿入する。その際ホルダ260の上端側が内部空間206上部の磁石によって引き寄せられ、取付部270の傾斜部270aが内部空間206を通る平行ピン207と接触することで、ホルダジョイント200に対するホルダユニット230の位置決めと固定が行われる。また、ホルダジョイント200からホルダユニット230を取り外す際には、ホルダ260を下方へ引くことで容易に取り外すことができる。
このような構成のホルダユニット230は、実施形態1のホルダユニット30と同様に、弾性部材275によって、スクライビングホイール240を、保持部262b側へ付勢させ、円板側面242を保持壁266bと接触させる。
したがって、スクライビングホイール240の円板側面242と保持壁266bとのクリアランスがゼロになり、スクライブラインを形成する際、ピン軸250に沿ったスクライビングホイール240の移動が規制されるため、ホルダユニット230はスクライブラインの形成位置が安定することになり、所望の位置へスクライブイランを形成することができる。
また、スクライビングホイール240は、消耗品であるため、定期的な交換が必要になる。本実施形態においては、ホルダユニット230の着脱が容易に行えるため、ホルダユニット230そのものを交換することで、ホルダユニット230を構成するスクライビングホイール240の交換を迅速に行うことができる。
なお、上記実施形態では、収容部へ収容される弾性部材はコイルバネからなるものを示したが、スクライビングホイールをピン軸方向に沿って付勢できるものであれば、コイルバネ以外のものを用いても構わない。また、ホルダユニットは、コイルバネをピン軸に挿通したものを示したが、ピン軸とは異なる位置に弾性部材を配置して、ピン軸方向に沿って付勢する構成でも構わない。
1…スクライブ装置
10…移動台
11…ボールネジ
12…案内レール
13…モータ
14…テーブル
15…脆性材料基板
16…CCDカメラ
17…ブリッジ
18a、18b…支柱
19…ガイド
20…スクライブヘッド
30、130、230…ホルダユニット
40、140、240…スクライビングホイール
41…貫通孔
42、142、242…円板側面
43…刃
50、150、250…ピン軸
51、151…尖頭部
60、160、260…ホルダ
61、61a、61b、161、261…ホルダ基材
62a、62b、162a、162b、262a、262b…保持部
63、163、263…保持溝
63a、63b…溝
64a、64b、164a、164b…円柱体
65a、65b、165a、165b、265a、265b…ピン孔
66a、66b、166a、166b、266b…保持壁
67、167、267…収容部
68a、68b…取付孔
69a、69b…ネジ取付孔
70a、70b…ネジ穴
71a、71b…位置決め孔
72a、72b、172a、172b…固定ネジ
74a、74b、174a、174b…止め金
75、175、275…弾性部材
76a、76b…円柱体取付孔
77…位置決めピン
270…取付部
270a…傾斜部
270b…平坦部
200…ホルダジョイント
201…回転軸部
202…ジョイント部
203a、203b…ベアリング
204…スペーサ

Claims (8)

  1. 一対の保持部と、
    同軸上に位置し前記保持部にそれぞれ形成されたピン孔と、を備え、
    スクライビングホイールの貫通孔に貫通されるとともに前記ピン孔に挿通されるピン軸により、前記保持部間に前記スクライビングホイールを回転自在に保持するためのホルダであって、
    前記スクライビングホイールを保持した際に、前記ピン軸の方向に沿って前記スクライビングホイールを付勢する弾性部材が収容される収容部が前記保持部の一方に形成されていることを特徴とするホルダ。
  2. 前記収容部は、前記ピン孔の周りに形成されていることを特徴とする請求項1に記載のホルダ。
  3. スクライビングホイールと、
    前記スクライビングホイールの貫通孔に貫通されたピン軸と、
    前記スクライビングホイールを保持する一対の保持部と、同軸上に位置し前記保持部にそれぞれ形成されるとともに前記ピン軸が挿通されたピン孔と、を有するホルダと、
    を備えたホルダユニットであって、
    前記保持部の一方には、前記ピン軸の方向に沿って前記スクライビングホイールを付勢する弾性部材が収容されていることを特徴とするホルダユニット。
  4. 前記弾性部材は、バネ部材であることを特徴とする請求項3に記載のホルダユニット。
  5. 前記バネ部材のバネ圧力は、0.15N以下であること特徴とする請求項4に記載のホルダユニット。
  6. 前記ホルダは、一対のホルダ基材を固定して形成されており、
    前記ホルダ基材のそれぞれに前記保持部の一方が形成されていることを特徴とする請求項3から5の何れか一項に記載のホルダユニット。
  7. 請求項1または2に記載のホルダを備えることを特徴とするスクライブ装置。
  8. 請求項3から6の何れか一項に記載のホルダユニットを備えることを特徴とするスクライブ装置。
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