JP2015229021A - 眼科装置、その制御方法およびプログラム - Google Patents

眼科装置、その制御方法およびプログラム Download PDF

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Naoto Okada
直人 岡田
中島 肇
Hajime Nakajima
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Abstract

【課題】検者がマニュアルアライメントを開始するときに所望する操作範囲にできるようにする眼科装置を提供する。
【解決手段】眼科装置の制御手段は、可動部を検眼位置まで自動で移動させてから検眼位置を超えて可動部を移動させた後に、可動部を検眼位置に戻し、傾倒された操作桿40を略直立状態に復帰させることを特徴とする。
【選択図】図13

Description

本発明は、眼科装置、その制御方法およびプログラムに関するものである。
被検眼の観察や撮影を行う眼底カメラなどの眼科装置は、被検眼に対し検眼部を所定の位置にアライメントする必要がある。アライメントには、被検眼に対して検眼部を自動的にアライメントするオートアライメントと、検者がジョイスティックなどを用いて手動操作でアライメントするマニュアルアライメントがある。
ここで、固視微動の激しい被検眼の場合、オートアライメントでは検眼部の移動が追従できず撮影できないことがある。また、瞳孔中心にアライメントしても撮影できない疾病眼のようなアライメントに微細な操作が必要とされる場合、電動のアライメント操作部(ジョイスティック、トラックボール等)を用いたマニュアルアライメントでは操作性が悪く、手間を要してしまう。したがって、このような場合には、微細な操作が必要でない瞳孔中心近傍までをオートアライメントで行い、その後、微細な操作が必要な場合にはマニュアルアライメントを実行できることが好ましい。
特許文献1の眼科装置は、オートアライメントとマニュアルアライメントとを実現するために、マニュアルアライメントを実行できるメカニカル可動部上にオートアライメントを実行する電動可動部を搭載した2段で構成されている。このような眼科装置では、オートアライメント後にマニュアルアライメントを開始する時点で電動可動部が被検眼(左右何れか)に偏倚してしまい、メカ可動部に対し検眼部の重心が偏ってしまう。また、メカニカル可動部のガタ量と電動可動部のガタ量とが積算されてアライメント精度に影響を与えてしまう。
そのため、電動可動部とメカ可動部の摺動機構を兼用にして1段で構成する眼科装置が想定される。このような眼科装置によれば、検眼部の重心が偏ることがなく、ガタ量を低減することができ、アライメント精度を向上させることができる。また、1段であるために省スペースであって安価かつ軽量にすることができる。
特開2012−179109号公報
このような1段で構成する眼科装置は、マニュアルアライメントにおいて検者がアライメント操作部を傾倒操作することにより可動部が連動して可動する機構がある。この機構では、可動部に載置された摩擦板上をアライメント操作部と連動した球体が転がったり、滑ったりすることで実現される。
しかしながら、1段で構成する眼科装置では、オートアライメントが実行されると、検者が接触していないにもかかわらずアライメント操作部が摩擦により傾倒してしまう。したがって、オートアライメントが終了したとき、すなわちマニュアルアライメント前にアライメント操作部が傾倒した状態になってしまう。そのため、検者がマニュアルアライメントを開始するときに所望する操作範囲を得ることができないという問題がある。
本発明の眼科装置は、被検眼を検眼する検眼部を固定部に対して水平方向に可動する可動部と、前記可動部を駆動する電動駆動部と、前記被検眼と前記検眼部との位置に基づいて前記可動部を検眼位置まで前記電動駆動部を介して水平方向に移動させる制御手段と、球部材が前記固定部に接した状態で前記可動部に傾倒可能に支持される操作部材と、を有する眼科装置であって、前記操作部材は、検者の傾倒操作によって直立状態から傾倒されるときに前記球部材が前記固定部に対して転がることで前記可動部が前記固定部に対して水平方向に移動されると共に、前記制御手段により前記可動部が移動されるときに前記球部材と前記固定部との摩擦により直立状態から傾倒され、前記制御手段は、前記可動部を前記検眼位置まで移動させてから更に前記検眼位置を超えて前記可動部を水平方向に移動させた後に、前記可動部を前記検眼位置に戻し、前記傾倒された前記操作部材を略直立状態に復帰させることを特徴とする。
本発明によれば、可動部を検眼位置まで移動させてから更に検眼位置を超えて可動部を移動させ、可動部を検眼位置に戻すことで操作部材を略直立状態に復帰させることができる。
本実施形態に係る眼底カメラの概略を示す図である。 アライメント操作部の構成を示す斜視図である。 アライメント操作部の構成を示す図である。 球部材の転がり運動および滑り運動の力学関係を示す図である。 検眼部の光学系の構成を示す図である。 アライメント原理を説明するための図である。 アライメント指標およびフォーカス指標を説明するための図である。 スプリットユニットの構成を示す図である。 フォーカス指標の位置ずれ方向を説明するための図である。 可動部と操作桿の傾倒状態との関係を説明するための図である。 可動部と操作桿の傾倒状態との関係を説明するための図である。 可動部と操作桿の傾倒状態との関係を説明するための図である。 可動部と操作桿の傾倒状態との関係を説明するための図である。 可動部の移動量を算出する処理を示すフローチャートである。 マニュアルモードでの処理を示すフローチャートである。 セミオートモードでの処理を示すフローチャートである。 フルオートモードでの処理を示すフローチャートである。 モードの切り換えに関する処理を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態では眼科装置として眼底カメラを例にして説明する。
図1は、本実施形態に係る眼底カメラ10の概略を示す図である。
眼底カメラ10は、固定部1、可動部3、アライメント操作部4、フォーカス操作部5、検眼部6、表示部7およびモード切換スイッチ8などを有する。
固定部1は、被検者の顔を支持する支持部2を有する。可動部3は、固定部1に対して水平方向および上下方向に可動する。
可動部3は、アライメント操作部4、フォーカス操作部5およびモード切換スイッチ8などを備える。アライメント操作部4は、例えばジョイスティックなどであり、検者が被検眼Eに対する検眼部6の相対位置を手動でアライメントする場合に操作する。モード切換スイッチ8は、押下毎にマニュアルモード/セミオートモード/フルオートモードを順に切り換えるためのスイッチである。各モードについては後述するフローチャートを参照して説明する。
検眼部6は、被検眼Eへの観察光の照射、被検眼Eの観察および被検眼Eの撮影など(検眼)を行なう。検眼部6の内部には各種光学系が配置される。また、検眼部6は表示部7などを備える。表示部7は、例えばタッチパネルであり、検者が眼底カメラ10の操作や設定を行うためのインタフェースとして用いられる。
なお、表示部7は、検眼部6に設ける場合に限られず、固定部1または可動部3に設けてもよい。また、モード切換スイッチ8は、可動部3に設ける場合に限られず、固定部1、アライメント操作部4、検眼部6または表示部7に設けてもよく、複数箇所に設けてもよい。
[可動部]
可動部3は、固定部1上を左右方向(被検眼Eの眼幅方向(図1に示すX方向))および前後方向(被検眼Eに接近または離間する方向(図1に示すZ方向))、すなわち水平方向に摺動可能に構成される。可動部3が固定部1に対して摺動する機構は、例えば摺動軸とリニアブッシュとの組み合わせによる公知の摺動機構を用いることができる。
また、検眼部6は、可動部3に対して上下方向(図1に示すY方向)に昇降可能に構成される。検眼部6が固定部1に対して昇降する機能は、例えば、駆動源(モータ)、減速機構、回動直動変換機構(送りねじとナット)の組み合わせによる公知の昇降機構を用いることができる。
このような可動部3および検眼部6の構成により、検眼部6は固定部1に対して3次元方向(図1に示すXYZ方向)に移動可能である。したがって、固定部1の支持部2に支持された被検者の被検眼Eに対して検眼部6のアライメントが可能である。
また、可動部3は摺動機構に駆動力を伝達する電動駆動部を有する。電動駆動部に設けられる電磁クラッチは、電動駆動部のモータからの駆動力を摺動機構に伝達したり遮断したりして切り換える。電磁クラッチは、駆動伝達切換部の一例に対応する。
電磁クラッチにより電動駆動部から摺動機構に駆動力を遮断している状態では、摺動機構はアライメント操作部4に対する検者の手動操作により、可動部3を水平方向へ移動させるための手動移動機構として用いられる。
一方、駆動伝達切換部により電動駆動部から摺動機構に駆動力を伝達している状態では、摺動機構は電動駆動部からの駆動力により、可動部3を水平方向へ移動させるための電動移動機構として用いられる。
以下に、摺動機構20、前後駆動部21、左右駆動部22および上下駆動機構23について説明する。前後駆動部21および左右駆動部22は、電動駆動部の一例に対応する。
[摺動機構]
摺動機構20は、ラックギヤ31、シャフト32、ピニオンギヤ33、摺動フレーム34、リニアブッシュなどを有する。ラックギヤ31はZ方向に沿って固定部1に配置され、X方向に離間する一対で構成される。シャフト32は軸方向がX方向に沿って配置され、両端に一対のピニオンギヤ33が一体的に設けられる。一対のピニオンギヤ33はそれぞれ一対のラックギヤ31に噛合する。リニアブッシュは、シャフト32の長さよりも短い略円筒状に形成され、ベアリングを介在させた状態で内部にシャフト32が挿通される。リニアブッシュは、シャフト32の軸方向に沿って摺動可能である。シャフト32はリニアブッシュ内に挿通された状態で回転可能である。リニアブッシュは摺動フレーム34に結合される。摺動フレーム34は可動部3の一部を構成する。
ここで、アライメント操作部4に対する検者の手動操作により摺動フレーム34がZ方向に力を受けると、シャフト32がリニアブッシュに対して回転すると共に、一対のピニオンギヤ33がそれぞれ一対のラックギヤ31に噛合しながら回転する。なお、一対のピニオンギヤ33は位相を合せた2つのラックギヤ31に噛合するために、Z方向へのガイドの役割を有している。したがって、摺動フレーム34が一部として構成される可動部3は、Z方向に沿って平行に移動する。
また、アライメント操作部4に対する検者の手動操作により摺動フレーム34がX方向に力を受けると、摺動フレーム34はリニアブッシュを介してシャフト32の軸方向に沿って摺動する。シャフト32は、X方向へのガイドの役割を有している。したがって、摺動フレーム34が一部として構成される可動部3は、X方向に沿って平行に移動する。
ここでは、摺動機構20として、スリットランプで公知の機構について説明したが、この場合に限られず、水平方向に移動できる他の摺動機構を用いることができる。
[前後駆動部]
前後駆動部21は、前後駆動量検出センサS01を備えた前後モータM1、前後電磁クラッチC1、前後移動量検出センサS02、前後基準検知センサS03、前後限界検知センサS04、減速機構などを有する。前後駆動量検出センサS01は、前後モータM1の駆動量を検出する。前後移動量検出センサS02は、可動部3のZ方向の移動量を検出する。前後移動量検出センサS02は、例えばエンコーダが用いられ、前後電磁クラッチC1よりも作動側に配置されるギヤの回転から可動部3の移動量を検出する。前後基準検知センサS03は、例えばフォトインタラプタ/スリット板が用いられ、可動部3が前後基準位置であるかを検知する。前後限界検知センサS04は、例えばフォトインタラプタ/スリット板が用いられ、可動部3が前後オート限界位置であるかを検知する。
前後駆動部21は、シャフト32を回転させる。具体的には、前後駆動部21は、前後駆動部21の最終段ギヤがシャフト32に取り付けられたギヤと噛合するように構成され、前後モータM1からの駆動力が摺動機構20に伝達される。すなわち、前後モータM1が駆動することで減速機構、前後電磁クラッチC1および最終段ギヤを介してシャフト32が回転する。シャフト32の回転によりシャフト32の両端に設けられた一対のピニオンギヤ33が固定部1のラックギヤ31と噛合しながら回転することで、可動部3がZ方向に移動する。このとき、前後駆動部21も可動部3と共にZ方向に移動する。
このように、可動部3は前後駆動部21による電動駆動によってもZ方向に移動する。
[左右駆動部]
左右駆動部22は、左右駆動量検出センサS05を備えた左右モータM2、左右電磁クラッチC2、左右移動量検出センサS06、左右基準検知センサS07、左右限界検知センサS08、減速機構などを有する。左右駆動量検出センサS05は、左右モータM2の駆動量を検出する。左右移動量検出センサS06は、可動部3のX方向の移動量を検出する。左右移動量検出センサS06は、例えばエンコーダが用いられ、左右電磁クラッチC2よりも作動側に配置される最終段ギヤ35の回転から可動部3の移動量を検出する。左右基準検知センサS07は、例えばフォトインタラプタ/スリット板が用いられ、可動部3が左右基準位置であるかを検知する。左右限界検知センサS08は、例えばフォトインタラプタ/スリット板が用いられ、可動部3が左右オート限界位置であるかを検知する。
左右駆動部22は、前後駆動部21に取り付けられる。具体的には、軸線方向をZ方向とする最終段ギヤ35が摺動フレーム34のX方向に沿って配置されたラックギヤ36と噛合するように構成され、左右モータM2からの駆動力を摺動機構20に伝達する。すなわち、左右モータM2が駆動することで減速機構、左右電磁クラッチC2を介して最終段ギヤ35が回転する。最終段ギヤ35が回転することで、最終段ギヤ35は摺動フレーム34のラックギヤ36と噛合しながら回転することで可動部3がX方向に移動する。このとき、左右駆動部22は前後駆動部21に取り付けられているために、左右駆動部22はX方向に移動しない。
このように、可動部3は左右駆動部22による電動駆動によってもX方向に移動する。
なお、本実施形態では、駆動伝達切換部として電磁クラッチを用いているが、前後モータM1および左右モータM2とは別にメカニカルクラッチ切り換え用の駆動源を設け、ドグクラッチを始めとするメカニカルクラッチで構成してもよい。
[上下駆動機構]
上下駆動機構23は、上下駆動量検出センサS09を備えた上下モータM3、上下送りねじ37、上下ナット38、上下フレーム39、上下基準検知センサS10、上下限界検知センサS11などを有する。上下駆動量検出センサS09は、上下モータM3の駆動量を検出する。上下送りねじ37は上下モータM3の出力軸に連結され、上下フレーム39の上下方向に沿って配置される。上下ナット38は、上下送りねじ37に螺合され、摺動フレーム34の一部に固定される。
上下基準検知センサS10は、例えばフォトインタラプタ/スリット板が用いられ、可動部3が上下基準位置であることを検知する。上下限界検知センサS11は、例えばフォトインタラプタ/スリット板が用いられ、可動部3が上下オート限界位置であるかを検知する。
上下駆動機構23では、上下モータM3が駆動され上下送りねじ37が回転することによって、上下ナット38を介して上下フレーム39が摺動フレーム34に対し上下方向に移動する。このように、可動部3は、上下駆動機構23による電動駆動によってY方向に移動する。
なお、摺動機構20は、各部品が嵌合する隙間を有するために、後述する撮影光軸と瞳孔中心との間で偏心を生じる。例えば眼底カメラ10の場合、隙間による撮影光軸の偏心量を撮影画像にフレアが写り込むことを防ぐために0.4mm以下にすることが望ましい。本実施形態の構成のように、固定部1に対して可動部3を1段で構成することで、固定部に対して複数段の可動部を有する構成に比べて、各部品が嵌合する隙間を小さくできる。具体的には、撮影光軸の偏心量を0.2mm以下にすることができる。
次に、XYZ方向の基準位置およびオート限界位置の検出方法と位置の制御について説明する。
[左右前後位置検出/位置制御]
可動部3の左右前後の位置検出は上述したセンサS01〜S08を用いる。
駆動伝達切換部により電動駆動部から摺動機構20に駆動力を伝達していない場合、アライメント操作部4に対する検者の手動操作により、可動部3を水平方向へ移動させたとしても、駆動伝達切換部よりも作動側のギヤしか回転しない。すなわち、前後モータM1および左右モータM2の出力軸は回転しないため、前後駆動量検出センサS01および左右駆動量検出センサS05は可動部3の位置を把握することができない。
そこで、後述するシステム制御部100は、前眼観察光学系で被検眼Eを検出していない場合と、被検眼Eを検出している場合とに分けて、可動部3の位置を判定する。
被検眼Eを検出していない場合には、システム制御部100は前後基準検知センサS03および左右基準検知センサS07を基準位置とし、前後移動量検出センサS02および左右移動量検出センサS06の出力に基づいて可動部3の大まかな絶対位置を制御する。
一方、被検眼Eを検出している場合には、システム制御部100は被検眼Eを検出した際の可動部3の絶対位置を基準とし、前後駆動量検出センサS01および左右駆動量検出センサS05の出力に基づいて可動部3の詳細な相対位置を制御する。なお、前後基準検知センサS03および左右基準検知センサS07は可動部3の可動域中心近傍に設けることが好ましい。
ここで、前後駆動部21および左右駆動部22は減速機構を有するため、前後駆動量検出センサS01および左右駆動量検出センサS05の検出分解能に比べ、前後移動量検出センサS02および左右移動量検出センサS06の検出分解能は粗くなる。例えば眼底カメラ10の場合には撮影に際して、可動部3の要求停止精度が略0.2mmである。この要求停止精度に対して、本実施形態の構成では前後駆動量検出センサS01および左右駆動量検出センサS05の検出分解能を0.1mm、前後移動量検出センサS02および左右移動量検出センサS06の検出分解能を約0.5mmに設定している。
また、電動駆動時の可動限界は、システム制御部100が前後基準検知センサS03および左右基準検知センサS07を基準とした前後移動量検出センサS02および左右移動量検出センサS06の出力に基づいて絶対位置を制御する。一方、外的要因や故障に起因する位置ずれの対策として、前後限界検知センサS04および左右限界検知センサS08を設けている。したがって、電動駆動時に可動部3が前後限界検知センサS04により検知される前後オート限界位置および左右限界検知センサS08により検知される左右オート限界位置を超えて移動することはない。また、システム制御部100は、電動駆動前に可動部3が前後オート限界位置または左右オート限界位置を超えているときには可動部3を可動域内側に移動するように制御する。検者の手動操作により可動部3を移動する際の可動限界は、前後オート限界位置および左右オート限界位置よりも広く設定される。手動操作による可動部3の可動限界には、可動部3と接触する位置に例えば弾性体を配置することができる。
なお、可動部3のうち、前後駆動部21および左右駆動部22の減速機構、駆動伝達切換部、ピニオンギヤ33およびラックギヤ31などは、いわゆるバックラッシュを有する。ばねなどを用いてバックラッシュを打ち消そうとすると、手動操作性に影響が生じてしまう。そこで、摺動フレーム34を任意の移動量分往復したときの前後基準検知センサS03および左右基準検知センサS07により検知された移動量と、前後駆動量検出センサS01および左右駆動量検出センサS05により検知された駆動量との差をそれぞれ算出する。システム制御部100は算出した差をバックラッシュ量として記憶する。
システム制御部100は、電動駆動中に可動部3の移動方向を反転した場合、記憶したバックラッシュ量分を駆動することで、バックラッシュによる位置ずれを打ち消すことができる。このフィードバック制御は、被検眼検出状態、つまり相対位置の制御を行っている場合に行えばよく、絶対位置の制御では行わなくともよい。また、上下方向については、検眼部6の自重により下方向へ付勢されるために、上述したフィードバック制御は適用しない。
なお、バックラッシュ量の算出は、前後限界検知センサS04および左右限界検知センサS08を用いて可動域両端の往復で行ってもよい。また、前後基準検知センサS03および左右基準検知センサS07からそれぞれ前後限界検知センサS04および左右限界検知センサS08まで往復で行ってもよい。また、撮影シーケンス中に左右眼が切り換えられる場合など、前後基準検知センサS03または左右基準検知センサS07を通過してから再度通過するまでの駆動量と反転回数から算出してもよい。バックラッシュ量は経年により変化する可能性があるため、眼底カメラ10の電源が入力される毎に記憶し直すことが好ましい。
[上下位置検出/位置制御]
可動部3の上下の位置検出は上述したセンサS09〜S11を用いる。
システム制御部100は、上下基準検知センサS10を基準位置とし上下駆動量検出センサS09の出力に基づいて、可動部3の詳細な相対位置を制御する。ここで、上下基準検知センサS10は可動部3の可動域中心近傍に設けることが好ましい。
また、可動限界は、システム制御部100が上下基準検知センサS10を基準とした上下駆動量検出センサS09の出力に基づいて相対位置を制御する。一方、外的要因や故障に起因する位置ずれ対策として、上下限界検知センサS11を設けている。したがって、限界検知センサ外に可動部3が移動することを防止する。
[操作部材]
図2は、アライメント操作部4の斜視図である。また、図3(a)はアライメント操作部4の正面図であり、図3(b)は図3(a)のI−I線断面図である。
アライメント操作部4は、操作桿40、回転ダイアル41、前眼/眼底切換スイッチ42、撮影スイッチ43、球部材44、摩擦板45、圧力センサ46a、46b、47a、47b、上下アライメント操作量検出センサS12などを有する。
操作桿40は、可動部3に対して傾倒可能に支持される。操作桿40は、可動部3を前後左右方向に移動させるとき、被検眼Eに対し検眼部6を大まかにアライメントする粗動時には保持部材として用いられる。一方、詳細にアライメントする微動時には傾倒操作を行う操作部材として用いられる。検者が手動操作することで操作桿40と同軸であって操作桿40の下側に配置された球部材44が、固定部1に取り付けられた摩擦板45上を滑ることで、可動部3を水平方向に粗動させることができる。また、検者が操作桿40を前後方向(図2に示すFB方向)および左右方向(図2に示すLR方向)に傾倒操作することで、球部材44が摩擦板45上を滑ることなく転がり、可動部3を水平方向に微動させることができる。固定部1および可動部3の構成によって、操作桿40は可動部3が移動することでも、球部材44が転がったり滑ったりする。
回転ダイアル41は、検眼部6を上下方向へ移動させるときに検者により回転操作される。回転ダイアル41は、操作桿40と同軸に配置され、内部に上下アライメント操作量検出センサS12が内蔵される。検者が回転ダイアル41を軸線回り(図2に示すUD方向)に回転操作することで、上下アライメント操作量検出センサS12により回転方向と単位時間当たりの回転角とが検出される。システム制御部100は、検出された操作量に応じて上下モータM3を駆動することで、上下フレーム39を介して検眼部6を上下方向に移動させる。
前眼/眼底切換スイッチ42は、検者が押下することで表示部7に表示するための後述する撮像素子を切り換えるスイッチである。
撮影スイッチ43は、検者が押下することで撮影を指示するスイッチである。
圧力センサ46a、46b、47a、47bは、検知手段の一例であって、それぞれ球部材44を中心とする前後左右方向に4つ配置され、操作桿40の傾倒角度が最大傾倒角度θmaxまで傾倒したか否かを検知する。具体的には、圧力センサ46a、46bは、球部材44を中心として前後方向に対称な位置に配置される。また、圧力センサ47a、47bは、球部材44を中心として左右方向に対称な位置に配置される。なお、操作桿40の最大傾倒角度θmaxを検知できるものであれば、センサを配置する位置および数は限定されない。
図4(a)、図4(b)は、摩擦板45に発生する摩擦力と球部材44に発生する摩擦力とによる球部材44の転がり運動および滑り運動の力学関係を示す図である。
図4(a)は、可動部3の移動により操作桿40が傾倒する場合の力学関係を示す図である。ここで、可動部3が移動した際に球部材44に発生する力をFs、可動部3に搭載される検眼部6および操作桿40の自重により球部材44に発生する力をFh、球部材44と摩擦板45との材質および表面性状より定まる静止摩擦係数をμとする。したがって、静止摩擦力はFh×μである。ここで、可動部3の移動により操作桿40が傾倒する条件は球部材44が転がる条件となるためFs<Fhμとなる。
図4(b)は、可動部3の移動により操作桿40が傾倒することなく滑り続ける場合の力学関係を示す図である。ここでは、図4(b)に示すFs、Fhおよびμは、図4(a)と同様である。ここで、可動部3の移動により操作桿40が傾倒することなく滑り続ける条件は、Fs≧Fhμとなる。
このように、操作桿40の傾倒には摩擦が大きく関わっている。また、操作桿40の傾倒角度θは球部材44の中心を基点として、回転ダイアル41のカバーと操作桿40のカバーとの関係により最大傾倒角度θmaxが決定される。本実施形態では、操作桿40の最大傾倒角度θmaxはX方向、Z方向ともに約17[deg]であり球部材44の直径が24.5mmであることから、最大傾倒角度θmaxに要する球部材44の転がり距離は3.63mmである。したがって、最大傾倒角度θmaxと球部材44の大きさにより操作範囲は決定され、球部材44を中心とした円形の操作範囲でマニュアルアライメントをすることができる。
[フォーカス操作部]
図1に示すように、フォーカス操作部5は、アライメント操作部4と同軸に配置されたフォーカスダイヤル、フォーカスダイヤル内に内蔵されたフォーカス操作量検出センサS13により構成される。
検者がフォーカスダイヤルを回転操作することで、フォーカス操作量検出センサS13により回転方向と単位時間当たりの回転角が検出される。システム制御部100は、検出された操作量に応じて後述するフォーカスレンズ駆動モータを駆動して、後述するフォーカスレンズを移動する。
[光学系]
次に、眼底カメラ10の検眼部6内に配置される光学系について説明する。図5は、検眼部の光学系を示す図である。
検眼部6は、大きく分けて撮影光源部O1、観察光源部O2、照明光学系O3、撮影/照明光学系O4、撮影光学系O5、前眼観察光学系O6、内部固視灯部O7から構成される。撮影光源部O1または観察光源部O2によって射出された光束は照明光学系O3、撮影/照明光学系O4を経て被検者Eの眼底部Erを照明する。眼底部Erの像は撮影/照明光学系O4、撮影光学系O5を経て撮像素子に結像される。これらの一連の流れにより眼底カメラ10は眼底画像を取得する。
撮影光源部O1は、白色光のリング照明を生成する。センサ601は光量検出部であって、SPCやPDなど既知の光電変換を利用したセンサである。ミラー602は、ガラス板にアルミや銀を蒸着させたものやアルミ板などが用いられる。撮影光源603は、ガラス管の中にXeを封入し電圧を印加することで発光する。撮影光源603は、眼底像を記録するために撮影時に十分な強度の白色光を発光する。なお、撮影光源603は、環状に配置したLEDアレイであってもよい。コンデンサレンズ604は、一般的な球面レンズである。撮影リングスリット605は、環状の開口が形成された平板である。撮影水晶体バッフル606は、環状の開口が形成された平板である。
撮影光源603から射出された光束は眼底方向に向かう光束に加え、反対側に射出された光束がミラー602によって反射され眼底方向に向かう光束となる。したがって、ミラー602がない場合に比べて撮影光源603の光量を大きくすることができる。ミラー602は平面であり、光のムラが生じないと共に、撮影光源603に対する距離の制約がない。光束はコンデンサレンズ604によって眼底Erに向けて集光され、撮影リングスリット605によって前眼部Epを通過するときの光束形状が環状になる。また、撮影水晶体バッフル606によって、被検眼Eの水晶体へ投影される光束を制限し、眼底像に水晶体からの不要な反射光が発生することを防止する。
観察光源部O2は、赤外光のリング照明を生成する。眼底観察光源607は、ハロゲンランプやLEDなど連続発光可能な光源である。眼底観察光源607は、素子の特性や光学フィルタによって赤外光を発光する。観察コンデンサレンズ608は、一般的な球面レンズである。観察リングスリット609は、環状の開口が形成された平板である。観察水晶体バッフル610は、環状の開口が形成された平板である。観察光源部O2は、撮影光源部O1と光源の種類が異なるだけであり、光束は観察コンデンサレンズ608で集光され、観察リングスリット609で前眼部Epでの光束の形状が整えられ、観察水晶体バッフル610で眼底像への水晶体からの反射光の発生を防止する。
照明光学系O3は、撮影光源部O1および観察光源部O2で生成された光束をリレーすると共に、眼底像の焦点合わせのための指標像を生成する。
ダイクロイックミラー611は、赤外光を透過し、可視光を反射する。すなわち、撮影光源部O1で生成された可視光による光束を反射して、観察光源部O2で生成された赤外光による光束を透過して照明光学系O3に導光させる。第1照明リレーレンズ612および第2照明リレーレンズ614は、リング照明を被検眼Eに結像させる。
スプリットユニット(フォーカス指標投影部)613は、フォーカス指標光源613a、プリズム613b、フォーカス指標マスク613cを有する。フォーカス指標光源613aは、フォーカス指標を投影する光源である。プリズム613bは、フォーカス指標光源613aからの光を分割する。フォーカス指標マスク613cはフォーカス指標の外形を形成する。
移動機構650は、照明光学系O3に進入されたスプリットユニット613を図5に示す矢印方向に移動させることで、フォーカス指標を光軸方向にシフト移動させる。具体的には、スプリットシフト駆動モータM5が、スプリットユニット613を光軸方向に移動させる。スプリット位置センサS14は、スプリットユニット613が移動され、フォーカス指標の焦点が合ったスプリットユニット613の停止位置を検出する。
進退機構651は、スプリットユニット613を照明光学系O3に進入させたり、退避させたりする。具体的には、スプリット進退駆動モータM4が、眼底観察時にスプリットユニット613を照明光学系O3内に進入させ、撮影時に照明光学系O3から退避させるように制御する。したがって、眼底観察時には観察像の中にフォーカス指標が投影され、撮影時には眼底像の中にフォーカス指標が写りこむことが防止される。
角膜バッフル615は、眼底像に被検眼Eの角膜からの不要な反射光の発生を防止する。
撮影/照明光学系O4は、被検眼Eの眼底Erに対して照明光束を投影すると共に、被検眼Eの眼底像を導出する。
穴あきミラー616は、中央部に穴が形成され、外周部がミラーである。照明光学系O3から導かれた光束は穴あきミラー616のミラーで反射され、対物レンズ617を介して被検眼Eの眼底Erを照明する。照明された被検眼Eの眼底像は対物レンズ617を戻り、穴あきミラー616の中央部の穴を通って撮影光学系O5に導出される。
撮影光学系O5は、被検眼Eの眼底像の焦点調節を行った上で撮像素子620に結像する。
フォーカスレンズ619は、穴あきミラー616の中央部の穴を通った撮影光束の焦点調節を行う。具体的には、フォーカスレンズ駆動モータM7が、フォーカスレンズ619を図5に示す矢印方向に移動することで焦点調節を行う。フォーカスレンズ位置センサS15は、眼底像の焦点が合ったフォーカスレンズ619の停止位置を検出する。
また、システム制御部100は、操作入力部633の操作入力に応じてスプリットシフト駆動モータM5とフォーカスレンズ駆動モータM7とを制御する。
視度補正レンズ618は、フォーカスレンズ619で焦点調整が困難な強度の近視・遠視の被検眼Eの眼底Erにピントを合わせるために光軸上に進退可能に設置される凸レンズおよび凹レンズを有する。
視度補正レンズ進退駆動モータM6は、撮影光学系O5に対して、被検眼Eが強度の遠視である場合には視度補正+レンズ618aを進入させ、被検眼Eが強度の近視である場合には視度補正−レンズ618bを進入させる。撮像素子620は、撮影光を光電変換する。撮像素子620により得られた電気信号は画像処理部621でAD変換してデジタルデータとなる。システム制御部100は、変換されたデジタルデータを赤外観察時には表示部7に表示し、撮影後には記録媒体634に記録する。
前眼観察光学系O6は、被検眼Eと眼底カメラ10との間でのアライメントを行う場合に用いられる。
前眼観察光学系O6では、ダイクロイックミラー622の反射方向に、中心部にイメージスプリットプリズムが形成された平板628が対物レンズ617によって被検眼Eの前眼部Epと共役な位置に配置される。また、結像レンズ629および赤外域の感度を有する二次元の撮像素子630によって、前眼部Epの観察が行われる。
被検眼Eを照明するために対物レンズ617の回りには、上述した眼底観察光源607の赤外光LEDの波長とは異なる赤外波長の前眼観察光源が配置され、被検眼Eを照明する。ダイクロイックミラー622は、この前眼観察光源による被検眼Eの反射光を反射し、その他の波長を透過する特性を有している。
ここで、イメージスプリットプリズムを有する平板628に入射した前眼観察光源からの光は平板628の上半分と下半分で相反する左右方向に屈折して分離される。したがって、結像レンズ629による結像位置は、被検眼Eと検眼部6との距離が適正な作動距離よりも長い場合には平板628よりも結像レンズ629に近い側に結像され、観察像は上半分が右側に下半分が左側にずれて撮像される。
前眼観察光学系O6によって、前眼観察光源により照明された被検眼Eの前眼部Epを観察でき、被検眼Eの前眼部Epとのアライメント状態を検出することができる。また、ダイクロイックミラー622では、眼底観察光と前眼観察光との波長の違いによる反射機能を有しているために、眼底観察像の取得と前眼観察像の取得とが実現される。なお、撮影時にダイクロイックミラー622を光路から退避させる機構を付加することで、光量を抑えて眼底観察像を撮影することができる。
次に、アライメント用指標投影光学系の構成について説明する。
穴あきミラー616の前面には、LED光源640aからの光束を導くライトガイド641aの出射端が配置される。この出射端はアライメント指標P1とされる。また、撮影/照明光学系O4の光軸周りのアライメント指標P1と対称位置に、LED光源640aと同様の波長を有するLED光源640bからの光束を導くライトガイド641bの出射端が配置される。この出射端はアライメント指標P2とされ、アライメント用指標投影光学系を構成する。
被検眼Eと検眼部6との作動距離が適正な場合には、ライトガイド641aとライトガイド641bの出射端からの光は、被検眼Eの角膜面で反射され、その指標光束は平行光となり、照明光束の眼底反射光束と同じ光路を通って撮像素子620に結像される。
システム制御部100はアライメント用指標投影光学系を用いて、アライメント指標の位置関係を検出することで、検眼部6と被検眼Eの眼底Erとのアライメント状態を検出することができる。
内部固視灯部O7は、ハーフミラー631によって撮影/照明光学系O4から光路が分割され、その光路に対して内部固視灯ユニット632が対向している。内部固視灯ユニット632は複数のLEDによって構成され、不図示の固視灯位置指定部材によって検者が選択した固視部に対応した位置のLEDを点灯させる。被検者が点灯したLEDを固視することで、検者は所望の向きの眼底像を取得できる。
次に、位置合わせ(アライメント)と合焦(フォーカス)の原理および動作について説明する。
[アライメント原理/フォーカス原理]
図6は、図5に示す前眼観察光学系O6の撮像素子630上の観察像を示す図である。
被検眼Eの回りに配置された前眼観察光源により照明された被検眼Eの前眼部Epは平板628により上下に分割され撮像素子630上に結像される。図6(a)に示すように、瞳孔以外の部分は前眼観察光源の反射光が多く反射して入ってくるために白く映り、瞳孔は反射光が入らないために黒く映る。したがって、システム制御部100は、このようなコントラスト差から瞳孔部Pを抽出でき、瞳孔位置を決定することができる。
図6(a)では、上下に分割された瞳孔部Pのうち、下部の瞳孔部Pから瞳孔中心POが検出される。検出された瞳孔中心POが、図6(b)に示す撮像素子630の画像中心Oに位置するように、可動部3を移動させることで検眼部6と被検眼Eの前眼部Epとのアライメントが行われる。
具体的には、システム制御部100は、上下に分割された瞳孔部Pの左右のずれがなくなるように可動部3を前後方向に移動させたり、瞳孔中心POが撮像素子630の左右方向の中心になるように可動部3を左右方向に移動させたりする。したがって、検眼部6は可動部3を介して水平方向に移動する。
また、システム制御部100は、瞳孔中心POが撮像素子630の上下方向における中心になるように可動部3を上下方向に移動させる。したがって、検眼部6は可動部3を介して上下方向に移動する。
図7は、図5に示す、動画観察と静止画撮影を兼ねた撮像素子620上の観察像を示す図である。アライメント指標P1およびP2は、アライメント用指標投影光学系のLED光源640aおよびLED光源640bによる輝点である。ガイド枠A1とガイド枠A2は、それぞれアライメント指標P1およびP2の合わせ位置を示している。また、フォーカス指標613d、613eは、スプリットユニット613によって被検眼Eの瞳上で分割された指標を示している。
上述したように、被検眼Eの前眼部Epに対するアライメントが行われると、図7(a)に示すように、システム制御部100は、アライメント指標P1、P2をガイド枠A1、A2の近傍に現す観察画像を表示する。ここで、アライメント指標P1、P2は、眼底観察光源607によって照明された被検眼Eの眼底Erからの反射光に比べて高輝度のため、撮像素子620上の観察像を二値化するなどの画像処理を行うことで容易に検出することができる。図7(b)に示すように、アライメント指標P1、P1がガイド枠A1、A2に入るように、可動部3を移動させることで検眼部6と被検眼Eの眼底Erとのアライメントが行われる。
具体的には、システム制御部100は、アライメント指標P1、P1がガイド枠A1、A2に入るように、可動部3を前後に移動させる。したがって、検眼部6は可動部3を介して前後方向に移動する。
このように、システム制御部100は、撮像素子620、630により検出された被検眼Eの前眼部Epおよび眼底Erに基づいて可動部3を検眼位置にアライメントすることができる。このような、システム制御部100が検者の手動操作によらず自動でアライメントを行う機能をオートアライメントという。ここで、検眼位置とは、検眼部6が被検眼Eを適切に検眼できる位置であって、オートアライメントにおける最終的な目標位置である。
なお、オートアライメントでは、前眼部Epとのアライメント後に眼底Erとのアライメントが行われる。したがって、可動部3は検眼位置に最短経路で到達せず、最短経路を外れて左右方向や前後方向に移動しながら検眼位置に到達する。
次に、フォーカス指標を投影するスプリットユニット613について更に説明する。
図8(a)は、スプリットユニット613の構成を示す図である。図8(b)は、フォーカス指標マスク613cの構成を示す図である。図8(a)に示すように、フォーカス指標光源613aからの光束はプリズム613bにより光束が分割される。すなわち、図8(a)に示すように、プリズム613bの手前側を透過した光束Laは一方側に曲がり、奥側を透過した光束Lbが他方側に曲がる。各光束はフォーカス指標マスク613cを透過して、撮影/照明光学系O4を経て被検眼Eの眼底Erに投影される。
図9(a)は、被検眼Eの眼底Erとフォーカス指標が光学的に共役な位置関係にある場合を示している。被検眼Eの眼底Erとフォーカス指標マスク613cとが光学的に共役の場合、二つに分離されたフォーカス指標の光束La、Lbは眼底Er上に結像され、フォーカス指標マスク613cによるマスク像上にフォーカス指標613d、613eが一列に並ぶ。
図9(b)は、フォーカス指標マスク613cが眼底Erとの共役関係がずれ、フォーカス指標マスク613cが共役位置より上方に位置している場合を示している。この場合、フォーカス指標の光束La、Lbは眼底Erより奥で結像するため、マスク像上でフォーカス指標613dは下方にずれ、フォーカス指標613eは上方にずれる。
図9(c)は、フォーカス指標マスク613cが眼底Erとの共役関係がずれ、フォーカス指標マスク613cが共役位置より下方に位置している場合を示している。この場合、フォーカス指標の光束La、Lbは眼底Erより手前で結像するため、マスク像上でフォーカス指標613dは上方にずれ、フォーカス指標613eは下方にずれる。
なお、フォーカスレンズ619はフォーカス指標の結像位置と撮像素子620が光学的に共役となるように、スプリットユニット613に連動して駆動される。このとき、スプリットユニット613の位置とフォーカスレンズ619の位置との関係は予め定められている。
したがって、フォーカス指標が一列に並び、眼底Erとフォーカス指標が光学的に共役になると、眼底Erと撮像素子620も光学的に共役な関係となり、眼底Erにピントが合った観察像を取得できる。ただし、共役になる条件は眼底観察光源607と合焦指標をフォーカス指標光源613aの赤外光の波長の場合である。
システム制御部100は、フォーカス指標613d、613eの上下方向の位置関係により被検眼Eの眼底Erと撮像素子620とのピントずれ量と方向を検知することができる。具体的には、フォーカス指標613d、613eの輝度値のコントラストを用いることでピントずれ量と方向を検知することができる。
システム制御部100は、フォーカス指標613dと613eとを撮像素子620上で、図7(a)の状態から図7(b)の状態になるように制御することで、被検眼Eの眼底Erのフォーカスを行うことができる。
このような、システム制御部100が検者の手動操作によらず自動でフォーカスを行う機能をオートフォーカスという。
次に、アライメント操作部4の操作桿40が傾倒状態から略直立状態へ復帰するための動作について説明する。ここでは、被検眼Eの撮影において被検眼Eに対して検眼部6がオートアライメントにより検眼位置に移動された後、検者が操作桿40を手動操作して検眼部6をアライメントする、マニュアルアライメントを行う場合を想定する。
まず、システム制御部100は検眼部6によって検出された被検眼Eに基づいて上述したオートアライメントを行うことで可動部3を検眼位置に移動させる。次に、システム制御部100はオートアライメントを行う前の可動部3の位置を基準位置として、オートアライメント後における検眼位置までを最短経路で移動したと仮定したときの移動方向を算出する。具体的には、システム制御部100は前後駆動量検出センサS01および左右駆動量検出センサS05により検出される駆動量に基づいて基準位置を中心とした検眼位置の座標を算出することでX方向およびZ方向の成分からなる移動方向を算出することができる。
ここで、可動部3の移動と、アライメント操作部4の操作桿40の傾倒状態との関係について説明する。図10(b)に示すように、オートアライメントによって可動部3が駆動範囲300内を基準位置301から最短経路302を経て検眼位置303に到達した場合を想定する。なお、以下では、可動部3と共に移動する操作桿40を用いて説明する。
このとき、図10(b)のII−II線断面図である図10(a)に示すように、操作桿40は直立状態であって検眼位置303を中心とした円形の操作範囲304でマニュアルアライメントを開始できることが望ましい。しかし、実際には図11(b)のIII−III線断面図である図11(a)に示すように、検眼位置303に到達した際、操作桿40は基準位置301から最短経路302を経て検眼位置303までを繋ぐ直線方向とは逆方向に傾倒角度θだけ傾倒する。このように操作桿40が傾倒するのは、可動部3が移動するときに操作桿40の球部材44が摩擦板45と接触した状態で移動するためである。
したがって、オートアライメントにより検眼位置303に到達してからマニュアルアライメントを開始するときの操作範囲が、図11(b)に示す操作範囲305となり、所望する操作範囲304と異なってしまう。そのために、検者は再度アライメントを必要とする場合が生じてしまう。
そこで、本実施形態では、図12(b)に示すように基準位置301から検眼位置303までの移動方向と略同一方向、すなわち最短経路302と略同一方向に、検眼位置303を超えて可動部3を移動させる。ここでは、図12(b)に示すように、検眼位置303を超えてから経路306を経て暫定位置307まで移動させる。このとき、図12(b)のIV−IV線断面図である図12(a)に示すように、操作桿40は最大傾倒角度θmax傾倒した状態となっている。
次に、図13(b)に示すように、傾倒された操作桿40を略直立状態に復帰させるために、暫定位置307から経路306と同一の経路308を経て、再び検眼位置303に戻す。このとき、システム制御部100は、可動部3を球部材44と摩擦板45との間の静止摩擦力(Fh×μ)よりも小さい力で移動させる。したがって、図13(b)のV−V線断面図である図13(a)に示すように、操作桿40の球部材44が摩擦板45と接した状態で転がることで、操作桿40が検眼位置303で略直立状態に復帰する。
なお、上述したように操作桿40を略直立状態に復帰させるには可動部3を、検眼位置303から暫定位置307まで移動させるときの移動量または暫定位置307から検眼位置303までの移動量を予め算出する必要がある。すなわち、経路306および経路308に沿った移動量(復帰移動量)を予め算出する必要がある。
ここで、復帰移動量は、操作桿40が最大傾倒角度θmaxの状態から略直立状態に復帰するために必要な可動部3の移動量である。復帰移動量は、例えば、操作桿40が略直立状態(傾倒角度0[deg])から最大傾倒角度θmaxに到達するまでに要する前後モータM1と左右モータM2の駆動による可動部3の移動量から算出することができる。本実施形態では、眼底カメラ10の電源が入力されたときに、操作桿40が略直立状態から前後方向、左右方向に配置された各圧力センサ46a、46b、47a、47bが検知するまで各方向に可動部3を移動させて操作桿40を傾倒させる。
システム制御部100は、各圧力センサ46a、46b、47a、47bが検知するまでの可動部3の移動量(第1の移動量)を算出する。システム制御部100は、算出した移動量を記録媒体634に記憶する。システム制御部100は、記憶した移動量に基づいて可動部3が検眼位置まで最短経路で移動したときの移動方向を考慮した復帰移動量(第2の移動量)を算出する。復帰移動量の具体的な算出方法は、後述する図15に示すフローチャートを参照して説明する。
眼底カメラ10の電源が入力される毎に移動量を算出することで経年変化などにより摩擦板45と球部材44との間の摩擦状態が変化した場合でもより正確な復帰移動量を算出することができる。
このように、システム制御部100はオートアライメントを行った後に基準位置301から検眼位置303までの移動方向と略同一方向、すなわち最短経路302と略同一方向に復帰移動量だけ可動部3を移動させる。したがって、図13(b)に示すように、可動部3は経路306を経て暫定位置307に移動される。このとき、図13(a)に示すように、操作桿40は経路306を移動した移動方向とは逆方向に、最大傾倒角度θmax傾倒している。
次に、システム制御部100は暫定位置307から経路306と略同一経路である経路308で復帰移動量だけ可動部3を移動させる。したがって、図13(b)に示すように、可動部3は経路308を経て検眼位置303に戻る。このとき、図13(a)に示すように、操作桿40は最大傾倒角度θmax傾倒した状態から、略直立状態に復帰させることができる。なお、システム制御部100は可動部3を暫定位置307から検眼位置303まで戻すときに、経路306と略同一経路である経路308で可動部3を移動させなくともよい。すなわち、システム制御部100は可動部3を暫定位置307から経路308と異なる経路で検眼位置303に戻してもよい。すなわち、操作桿40が略直立状態に復帰するように可動部3を検眼位置303に戻せばよく、例えば円弧を描くような経路などであってもよい。ただし、可動部3を経路306と略同一経路である経路308で移動させることで、短時間で検眼位置303に移動させることができる。
このように、可動部3が検眼位置303に戻ったときに操作桿40を略直立状態に復帰させることができるので、検者は検眼位置303を中心とした操作範囲304でマニュアルアライメントを開始することができる。したがって、検者は、例えば被検眼Eが疾病眼のときのフレアの入り込みを防止する撮影を行うために検眼部6を検眼位置から所望する任意の水平方向に移動させることができる。
なお、可動部3が基準位置301から検眼位置303に到達する前に、基準位置301までの被検眼Eと検眼部6のアライメントずれ量に対応する可動部3の残りの移動量と操作桿40が略直立状態に復帰する所定量とを合わせて移動させてもよい。次に、再度逆方向に可動部3を移動させても、可動部3が検眼位置303に戻ったときに操作桿40を略直立状態に復帰させることができる。
次に、眼底カメラ10による処理を図14から図18に示すフローチャートを参照して説明する。なお、各フローチャートの処理は、システム制御部100が記録媒体634に記憶されたプログラムを実行することにより実現できる。
まず、眼底カメラ10の電源が入力されたときに、可動部3の移動に対するアライメント操作部4の操作桿40の傾倒状態および球部材44と摩擦板45の摩擦状態の経年変化を検知する処理について図14に示すフローチャートを参照して説明する。
ステップS1401では、システム制御部100は電源が入力されたことを検知する。
ステップS1402では、システム制御部100は可動部3を基準位置に移動させる。システム制御部100は前後基準検知センサS03、左右基準検知センサS07および上下基準検知センサS10による検知に基づいて基準位置に可動部3の移動が完了したことを判定する。
ステップS1403では、システム制御部100はアライメント操作部4のX方向の圧力センサ46a、46bの検知を開始する。
ステップS1404では、システム制御部100は操作桿40の傾倒が圧力センサ46aにより検知されるように、前後モータM1を駆動し可動部3を前後方向に移動させる。
ステップS1405では、システム制御部100は圧力センサ46aが検知したか否かを判定する。操作桿40が最大傾倒角度θmaxに傾倒することで圧力センサ46aが検知する。圧力センサ46aが検知した場合にはステップS1406に進む。
ステップS1406では、システム制御部100は操作桿40の傾倒が圧力センサ46bにより検知されるように、前後モータM1を駆動し可動部3を前後方向に移動させる。
ステップS1407では、システム制御部100は圧力センサ46bが検知したか否かを判定する。操作桿40が最大傾倒角度θmaxに傾倒することで圧力センサ46bが検知する。圧力センサ46bが検知した場合にはステップS1408に進む。
ステップS1408では、システム制御部100は操作桿40がX方向において略直立状態から最大傾倒角度θmaxに傾倒する可動部3の移動量(第1の移動量)を算出する。この処理は、算出手段による処理の一例に対応する。
ステップS1409では、システム制御部100は算出した移動量を記録媒体634に記憶する。
ステップS1410では、システム制御部100は可動部3を基準位置に移動させる。システム制御部100は前後基準検知センサS03、左右基準検知センサS07および上下基準検知センサS10による検知に基づいて基準位置に可動部3の移動が完了したことを判定する。
ステップS1411では、システム制御部100はアライメント操作部4のZ方向の圧力センサ47a、47bの検知を開始する。
ステップS1412では、システム制御部100は操作桿40の傾倒が圧力センサ47aにより検知されるように、左右モータM2を駆動し可動部3を左右方向に移動させる。
ステップS1413では、システム制御部100は圧力センサ47aが検知したか否かを判定する。操作桿40が最大傾倒角度θmaxに傾倒することで圧力センサ47aが検知する。圧力センサ47aが検知した場合にはステップS1414に進む。
ステップS1414では、システム制御部100は操作桿40の傾倒が圧力センサ47bにより検知されるように、左右モータM2を駆動し可動部3を左右方向に移動させる。
ステップS1415では、システム制御部100は圧力センサ47bが検知したか否かを判定する。操作桿40が最大傾倒角度θmaxに傾倒することで圧力センサ47bが検知する。圧力センサ47bが検知した場合にはステップS1416に進む。
ステップS1416では、システム制御部100は操作桿40がZ方向において略直立状態から最大傾倒角度θmaxに傾倒する可動部3の移動量(第1の移動量)を算出する。この処理は、算出手段による処理の一例に対応する。
ステップS1417では、システム制御部100は算出した移動量を記録媒体634に記憶する。
ステップS1418では、システム制御部100は可動部3を基準位置に移動させる。
次に、マニュアルモードでの眼底カメラ10による処理について説明する。図15は、マニュアルモードでの眼底カメラ10の処理を示すフローチャートである。図15の処理は、図14のステップS1418から続く処理である。
ステップS1501では、システム制御部100は前眼観察光源の発光を開始する。
ステップS1502では、システム制御部100は撮像素子630に結像された前眼観察像を表示部7に表示する。
ステップS1503では、システム制御部100は検者によるマニュアルモード、セミオートモードまたはフルオートモードの選択を検出する。モードは検者によるモード切換スイッチ8の押下ごとに切り換えることができる。眼底カメラ10の電源が入力された場合や被検眼の撮影が完了した場合には、システム制御部100はモードをマニュアルモードに設定しているので、検者はモード切換スイッチ8を介して所望するモードに切り換える。セミオートモードの選択が検出された場合にはステップS1601に進み、フルオートモードの選択が検出された場合にはステップS1701に進む。
なお、システム制御部100は選択されているモードを表示部7に表示する。
一方、セミオートモードまたはフルオートモードの何れのモードの選択も検出されない場合には、システム制御部100は検者により前眼/眼底切換スイッチ42が押下されるまで待機する。システム制御部100が待機している間に、検者はアライメント操作部4の操作桿40を手動操作し、検眼部6と被検眼Eの前眼部Epとのアライメントを行う。検者はアライメントが完了した後、前眼/眼底切換スイッチ42を押下する。
システム制御部100は検者による前眼/眼底切換スイッチ42の押下を検出することでマニュアルモードに設定して、ステップS1504に進む。
なお、システム制御部100は前眼/眼底切換スイッチ42が押下されるまでに検眼部6と被検眼Eの前眼部Epとのアライメントが完了したかを判定してもよい。この場合には、システム制御部100が検眼部6と被検眼Eの前眼部Epとのアライメントが完了したと判定することで、マニュアルモードに設定して、ステップS1504に進む。
ステップS1504では、システム制御部100は撮像素子620に結像された被検眼Eの眼底観察像を表示部7に表示する。
ステップS1505では、システム制御部100はスプリット進退駆動モータM4を駆動させて、スプリットユニット613を照明光学系O3へ進入させる。
ステップS1506では、システム制御部100は対物レンズ617の回りに配置された前眼観察光源の発光を停止し、眼底観察光源607の発光を開始する。
ステップS1507では、システム制御部100は撮影準備が完了したか否かを判定する。ここで、検者はアライメント操作部4の操作桿40を手動操作して検眼部6と被検眼Eの眼底Erとのアライメントを行う。また、検者はフォーカス操作部5を操作して眼底像のフォーカスを行う。その後、検者はアライメント操作部4の撮影スイッチ43を押下する。システム制御部100は検者による撮影スイッチ43の押下を待機し、撮影スイッチ43の押下を検出することで撮影準備が完了したと判定する。なお、眼底カメラ10では検者がオートフォーカスやオートショットを選択できるように構成してもよく、この場合にはシステム制御部100がオートフォーカスを行う。
ステップS1508では、システム制御部100はスプリット進退駆動モータM4を駆動させて、照明光学系O3からスプリットユニット613を退避させる。
ステップS1509では、システム制御部100は撮影光源603を発光させて、被検眼Eの眼底Erに可視光を照射させる。
ステップS1510では、システム制御部100は眼底像を撮影し、マニュアルモードでの処理を終了する。
次に、セミオートモードでの眼底カメラ10の処理について説明する。図16は、セミオートモードでの眼底カメラ10の処理を示すフローチャートである。図16のフローチャートは、図15のステップS1503によりセミオートモードの選択が検出されることにより開始される。
ステップS1601では、システム制御部100は前後電磁クラッチC1および左右電磁クラッチC2に通電させて、前後駆動部21および左右駆動部22からの駆動力が摺動機構20に伝達できる状態にする。
ステップS1602では、システム制御部100は前後モータM1、左右モータM2および上下モータM3を駆動させて、被検眼Eを検出できる所定の位置に検眼部6を移動させる。
ステップS1603では、システム制御部100は撮像素子630に結像された前眼観察像に基づいて被検眼Eを検出したか否かを判定し、被検眼Eを検出した場合にはステップS1604に進み、被検眼Eを検出しなかった場合にはステップS1605に進む。
ステップS1604では、システム制御部100は前後モータM1、左右モータM2および上下モータM3を駆動させて、上述したオートアライメントを行う。すなわち、システム制御部100は検眼部6と被検眼Eの前眼部Epとのアライメントおよび検眼部6と被検眼Eの眼底Erとのアライメントを自動で行う。この処理により、可動部3はオートアライメント前の基準位置からオートアライメントにおける最終的な目標位置である検眼位置に移動する。
ステップS1606では、システム制御部100はオートアライメントが完了したか否かを判定する。具体的には、被検眼Eの瞳孔中心POと撮像素子630の画像中心Oとの間のずれ量が閾値(第1閾値)以下の場合にはステップS1607に進み、ずれ量が閾値よりも大きい場合にはステップS1605に進む。
ステップS1605では、システム制御部100は前後電磁クラッチC1および左右電磁クラッチC2への通電を停止して、前後駆動部21および左右駆動部22からの駆動力が摺動機構20に伝達できないようにする。すなわち、システム制御部100はマニュアルモードに設定して図15に示すステップS1503に戻る。
ステップS1607では、システム制御部100は可動部3が基準位置から最短経路を経て検眼位置まで移動するときの移動方向を算出する。上述したように、オートアライメントでは可動部3が検眼位置に最短経路で到達せず、最短経路を外れて左右方向や前後方向に移動しながら検眼位置に到達しているが、ここでは検眼位置までを最短経路で移動したと仮定し、その移動方向を算出する。
また、システム制御部100は復帰移動量を算出する。この処理は、算出手段による処理の一例に対応する。上述したように復帰移動量は、操作桿40が最大傾倒角度θmaxの状態から略直立状態に復帰するために必要な移動量である。システム制御部100は図14のステップS1409およびステップS1417で記憶した移動量(第1の移動量)と、移動方向とに基づいて復帰移動量(第2の移動量)を算出する。
ここで、復帰移動量を算出する処理の一例を説明する。図14のステップ1408では操作桿40がX方向において略直立状態から最大傾倒角度θmaxに傾倒する可動部3の移動量がaであったとする。また、図14のステップ1416では操作桿40がZ方向において略直立状態から最大傾倒角度θmaxに傾倒する可動部3の移動量がbであったとする。この場合、移動量a、bを用いて楕円の式(x2/a2)+(z2/b2)=1を算出する。次に、上述した移動方向を示す直線と楕円との交点から、楕円の原点までの距離を算出することで、算出した距離を復帰移動量とすることができる。ここで、移動方向が基準位置(x,z)=(0,0)から検眼位置(x,z)=(1,1)を通る直線、すなわちx=zであったとすると、交点は楕円の式に代入することで求められる。この例では、基準位置から交点までの距離L=ab√(2/(a2+b2))を、復帰移動量として算出することができる。なお、√の中には、(2/(a2+b2))が含まれる。ここでは、移動方向がx=zの直線である場合について説明したが、距離Lは移動方向がX方向に近いほど移動量aの影響を受け、移動方向がZ方向に近いほど移動量bの影響を受ける。すなわち、移動方向がZ方向の成分を伴わないX方向のみである場合には復帰移動量はaとして算出され、移動方向がX方向の成分を伴わないZ方向のみである場合には復帰移動量はbとして算出される。このように、第1の移動量のX方向およびZ方向における各移動方向成分に応じた復帰移動量を算出することで、より正確な復帰移動量を算出することができる。
ステップS1608では、システム制御部100は算出した可動部3の移動方向と復帰移動量を記録媒体634に記憶する。
ステップS1609では、システム制御部100は検眼位置を超えて可動部3を移動させる。具体的には、システム制御部100は検眼位置からステップS1608で記憶した移動方向と略同一方向に、記憶した復帰移動量だけ可動部3を移動させる。したがって、図13(b)に示す例のように、可動部3は検眼位置303から最短経路302と略同一方向に暫定位置307まで移動する。なお、可動部3が暫定位置307に移動したときには操作桿40は最大傾倒角度θmax移動方向と逆方向に傾倒している。
ステップS1610では、システム制御部100は可動部3をステップ1609で移動した経路と略同一経路で、可動部3を検眼位置に戻す。具体的には、システム制御部100はステップS1608で記憶した移動方向とは略逆方向に、記憶した復帰移動量だけ可動部3を移動させる。したがって、図13(b)に示す例のように、可動部3は暫定位置307から経路306と略同一経路である経路308で検眼位置303まで戻る。ここで、可動部3は、操作桿40が最大傾倒角度θmaxから略直立状態に復帰するために必要な移動量である復帰移動量分だけ、移動する。したがって、可動部3が検眼位置に戻ったときの操作桿40は略直立状態に復帰する。
ステップS1611では、システム制御部100は撮像素子620に結像された被検眼Eの眼底観察像を表示部7に表示する。
ステップS1612では、システム制御部100はスプリット進退駆動モータM4を駆動させて、スプリットユニット613を照明光学系O3へ進入させる。
ステップS1613では、システム制御部100は対物レンズ617の回りに配置された前眼観察光源の発光を停止し、眼底観察光源607の発光を開始する。
ステップS1614では、システム制御部100はスプリットシフト駆動モータM5、フォーカスレンズ駆動モータM7を連動して駆動させ、オートフォーカスを行う。
ステップS1615では、システム制御部100はオートフォーカスが完了したか否かを判定する。具体的には、フォーカス指標613dとフォーカス指標613eとのずれ量が閾値(第2閾値)以下の場合にはオートフォーカスが完了したと判定してステップS1620に進む。
一方、ずれ量が閾値よりも大きい場合であってフォーカスレンズ位置センサS15の出力がフォーカスレンズ可動域端ではない場合にはステップS1614に戻る。また、閾値よりも大きい場合であってフォーカスレンズ位置センサS15の出力がフォーカスレンズ可動域端である場合にはステップS1616に進む。
ステップS1616では、システム制御部100は視度補正レンズ進退駆動モータM6を駆動させて、撮影光学系O5に対して視度補正レンズ618を進入させる。
ステップS1617では、システム制御部100は視度補正レンズ618を撮影光学系O5内に進入させた状態で、スプリットシフト駆動モータM5およびフォーカスレンズ駆動モータM7を連動して駆動させ、オートフォーカスを行う。
ステップS1618では、システム制御部100はオートフォーカスが完了したか否かを判定する。具体的には、フォーカス指標613dとフォーカス指標613eとのずれ量が閾値(第2閾値)以下の場合にはオートフォーカスが完了したと判定してステップS1620に進む。一方、ずれ量が閾値よりも大きい場合にはステップS1619に進む。
ステップS1619では、システム制御部100は前後電磁クラッチC1および左右電磁クラッチC2への通電を停止して、前後駆動部21および左右駆動部22からの駆動力が摺動機構20に伝達できないようにする。すなわち、システム制御部100はマニュアルモードに設定して図15に示すステップS1507に戻る。
一方、ステップS1620では、システム制御部100は前後電磁クラッチC1および左右電磁クラッチC2への通電を停止して、前後駆動部21および左右駆動部22からの駆動力が摺動機構20に伝達できないようにする。
ステップS1621では、システム制御部100は撮影準備が完了したか否かを判定する。ここで、検者はアライメント操作部4の操作桿40を手動操作して検眼部6と被検眼Eの眼底Erとのアライメントを行う。このとき、上述したように可動部3は検眼位置に戻っていると共に、操作桿40は略直立状態に復帰している。したがって、検者は検眼位置を中心とした円形の操作範囲でマニュアルアライメントを開始することができる。また、検者はフォーカス操作部5を操作して眼底像のフォーカスを行う。その後、検者はアライメント操作部4の撮影スイッチ43を押下する。システム制御部100は検者による撮影スイッチ43の押下を待機し、撮影スイッチ43の押下を検出することで撮影準備が完了したと判定する。このように、システム制御部100は可動部3を検眼位置に戻した後に撮影スイッチ43を介した撮影の指示を受け付ける。
ステップS1622では、システム制御部100はスプリット進退駆動モータM4を駆動させて、照明光学系O3からスプリットユニット613を退避させる。
ステップS1623では、システム制御部100は撮影光源603を発光させて、被検眼Eの眼底Erに可視光を照射させる。
ステップS1624では、システム制御部100は眼底像を撮影し、セミオートモードでの処理を終了する。
次に、フルオートモードでの眼底カメラ10による処理について説明する。図17は、フルオートモードでの眼底カメラ10の処理を示すフローチャートである。図17のフローチャートは、図15のステップS1503によりフルオートモードの選択が検出されることにより開始される。
ステップS1701では、システム制御部100は前後電磁クラッチC1および左右電磁クラッチC2に通電させて、前後駆動部21および左右駆動部22からの駆動力が摺動機構20に伝達できる状態にする。
ステップS1702では、システム制御部100は前後モータM1、左右モータM2および上下モータM3を駆動させて、被検眼Eを検出できる所定の位置に検眼部6を移動させる。
ステップS1703では、システム制御部100は撮像素子630に結像された前眼観察像に基づいて被検眼Eを検出したか否かを判定し、被検眼Eを検出した場合にはステップS1704に進み、被検眼Eを検出しなかった場合にはステップS1705に進む。
ステップS1704では、システム制御部100は前後モータM1、左右モータM2および上下モータM3を駆動させて、上述したオートアライメントを行う。
ステップS1706では、システム制御部100はオートアライメントが完了したか否かを判定する。具体的には、被検眼Eの瞳孔中心POと撮像素子630の画像中心Oとの間のずれ量が閾値(第1閾値)以下の場合にはステップS1707に進み、ずれ量が閾値よりも大きい場合にはステップS1705に進む。
ステップS1705では、システム制御部100は前後電磁クラッチC1および左右電磁クラッチC2への通電を停止して、前後駆動部21および左右駆動部22からの駆動力が摺動機構20に伝達できないようにする。すなわち、システム制御部100はマニュアルモードに設定して図15に示すステップS1503に戻る。
ステップS1707では、システム制御部100は撮像素子620に結像された被検眼Eの眼底観察像を表示部7に表示する。
ステップS1708では、システム制御部100はスプリット進退駆動モータM4を駆動させて、スプリットユニット613を照明光学系O3に進入させる。
ステップS1709では、システム制御部100は対物レンズ617の回りに配置された前眼観察光源の発光を停止し、眼底観察光源607の発光を開始する。
ステップS1710では、システム制御部100はスプリットシフト駆動モータM5、フォーカスレンズ駆動モータM7を連動して駆動させ、オートフォーカスを行う。
ステップS1711では、システム制御部100はオートフォーカスが完了したか否かを判定する。具体的には、フォーカス指標613dとフォーカス指標613eとのずれ量が閾値(第2閾値)以下の場合にはオートフォーカスが完了したと判定してステップS1716に進む。
一方、ずれ量が閾値よりも大きい場合であってフォーカスレンズ位置センサS15の出力がフォーカスレンズ可動域端ではない場合にはステップS1710に戻る。また、閾値よりも大きい場合であってフォーカスレンズ位置センサS15の出力がフォーカスレンズ可動域端である場合にはステップS1712に進む。
ステップS1712では、システム制御部100は視度補正レンズ進退駆動モータM6を駆動させて、撮影光学系O5に対して視度補正レンズ618を進入させる。
ステップS1713では、システム制御部100は視度補正レンズ618を撮影光学系O5内に進入させた状態で、スプリットシフト駆動モータM5およびフォーカスレンズ駆動モータM7を連動して駆動させ、オートフォーカスを行う。
ステップS1714では、システム制御部100はオートフォーカスが完了したか否かを判定する。具体的には、フォーカス指標613dとフォーカス指標613eとのずれ量が閾値(第2閾値)以下の場合にはオートフォーカスが完了したと判定してステップS1716に進む。一方、ずれ量が閾値よりも大きい場合にはステップS1715に進む。
ステップS1715では、システム制御部100は前後電磁クラッチC1および左右電磁クラッチC2への通電を停止して、前後駆動部21および左右駆動部22からの駆動力が摺動機構20に伝達できないようにする。すなわち、システム制御部100はマニュアルモードに設定して図15に示すステップS1503に戻る。
ステップS1716では、システム制御部100は撮影準備が完了したか否かをオートアライメントが継続して完了しているかにより判定する。具体的には、被検眼Eの瞳孔中心POと撮像素子630の画像中心Oとの間のずれ量が閾値(第1閾値)以下の場合にはステップS1721に進み、ずれ量が閾値よりも大きい場合にはステップS1717に進む。
ステップS1717では、システム制御部100は前後モータM1、左右モータM2および上下モータM3を駆動させて、再度オートアライメントを行う。
ステップS1718では、システム制御部100はスプリットシフト駆動モータM5、フォーカスレンズ駆動モータM7を連動して駆動させ、再度オートフォーカスを行う。
ステップS1719では、システム制御部100は撮影準備が完了したか否かを、アライメントの完了およびフォーカスの完了により判定する。具体的には、被検眼Eの瞳孔中心POと撮像素子630の画像中心Oとの間のずれ量が閾値(第1閾値)以下であって、フォーカス指標613dとフォーカス指標613eとのずれ量が閾値(第2閾値)以下の場合にはステップS1721に進む。一方、何れかのずれ量が各閾値よりも大きい場合にはステップS1720に進む。
ステップS1720では、システム制御部100は前後電磁クラッチC1および左右電磁クラッチC2への通電を停止して、前後駆動部21および左右駆動部22からの駆動力が摺動機構20に伝達できないようにする。すなわち、システム制御部100はマニュアルモードに設定して図15に示すステップS1507に戻る。
ステップS1721では、システム制御部100はスプリット進退駆動モータM4を駆動させて、照明光学系O3からスプリットユニット613を退避させる。
ステップS1722では、システム制御部100は撮影光源603を発光させて、被検眼Eの眼底Erに可視光を照射させる。
ステップS1723では、システム制御部100は眼底像を撮影し、フルオートモードでの処理を終了する。
次に、各撮影モード実行中にモードを切り換えたときの眼底カメラ10の処理について説明する。
図18(a)は、マニュアルモードの実行中にモード切換スイッチ8が押下された場合の処理を示すフローチャートである。
ステップS1801では、システム制御部100は検者によりモード切換スイッチ8が連続して押下された回数をカウントする。1回の場合にはステップS1802に進み、2回以上の場合にはステップS1805に進む。
ステップS1802では、システム制御部100は前後電磁クラッチC1および左右電磁クラッチC2に通電させて、前後駆動部21および左右駆動部22からの駆動力が摺動機構20に伝達できる状態にする。
ステップS1803では、システム制御部100は表示部7に前眼観察像を表示しているか、眼底観察像を表示しているかを判定する。撮像素子630に結像された像(前眼観察像)が表示されている場合にはステップS1804に進み、撮像素子620に結像された像(眼底観察像)が表示されている場合にはセミオートモードに設定してステップS1614に進む。
ステップS1804では、システム制御部100は前眼観察像により被検眼Eを検出したか否かを判定する。被検眼Eを検出した場合にはセミオートモードに設定してステップS1604に進む。一方、被検眼Eを検出していない場合にはセミオートモードに設定してステップS1602に進む。
ステップS1805では、システム制御部100は前後電磁クラッチC1および左右電磁クラッチC2に通電させて、前後駆動部21および左右駆動部22からの駆動力が摺動機構20に伝達できる状態にする。
ステップS1806では、システム制御部100は表示部7に前眼観察像を表示しているか、眼底観察像を表示しているかを判定する。撮像素子630に結像された像(前眼観察像)が表示されている場合にはステップS1807に進み、撮像素子620に結像された像(眼底観察像)が表示されている場合にはフルオートモードに設定してステップS1710に進む。
ステップS1807では、システム制御部100は前眼観察像により被検眼Eを検出したか否かを判定する。被検眼Eを検出した場合にはフルオートモードに設定してステップS1704に進み、被検眼Eを検出していない場合にはフルオートモードに設定してステップS1702に進む。
図18(b)は、セミオートモードの実行中にモード切換スイッチ8が押下された場合の処理を示すフローチャートである。
ステップS1811では、システム制御部100は検者によりモード切換スイッチ8が連続して押下された回数をカウントする。1回の場合にはステップS1812に進み、2回以上の場合にはステップS1814に進む。
ステップS1812では、システム制御部100は表示部7に前眼観察像を表示しているか、眼底観察像を表示しているかを判定する。撮像素子630に結像された像(前眼観察像)が表示されている場合にはステップS1813に進み、撮像素子620に結像された像(眼底観察像)が表示されている場合にはフルオートモードに設定してステップS1710に進む。
ステップS1813では、システム制御部100は前眼観察像により被検眼Eを検出したか否かを判定する。被検眼Eを検出した場合にはフルオートモードに設定してステップS1704に進み、被検眼Eを検出していない場合にはフルオートモードに設定してステップS1702に進む。
ステップS1814では、システム制御部100は前後電磁クラッチC1および左右電磁クラッチC2への通電を停止して、前後駆動部21および左右駆動部22からの駆動力が摺動機構20に伝達できないようにする。
ステップS1815では、システム制御部100は表示部7に前眼観察像を表示しているか、眼底観察像を表示しているかを判定する。撮像素子630に結像された像(前眼観察像)が表示されている場合にはマニュアルモードに設定してステップS1504に進み、撮像素子620に結像された像(眼底観察像)が表示されている場合にはマニュアルモードに設定してステップS1506に進む。
図18(c)は、フルオートモードの実行中にモード切換スイッチ8が押下された場合の処理を示すフローチャートである。
ステップS1821では、システム制御部100は前後電磁クラッチC1および左右電磁クラッチC2への通電を停止して、前後駆動部21および左右駆動部22からの駆動力が摺動機構20に伝達できないようにする。
ステップS1822では、システム制御部100は表示部7に前眼観察像を表示しているか、眼底観察像を表示しているかを判定する。撮像素子630に結像された像(前眼観察像)が表示されている場合にはマニュアルモードに設定してステップS1504に進み、撮像素子620に結像された(眼底観察像)が表示されている場合にはマニュアルモードに設定してステップS1506に進む。
このように、本実施形態によれば、システム制御部100によりオートアライメントが行われた後に、可動部3を微動させる範囲を、検眼位置を中心とした円形内の操作範囲としてマニュアルアライメントを開始することができる。すなわち、検者は例えば被検眼Eが疾病眼等であっても検眼位置から所望する操作範囲で可動部3を移動させることができる。したがって、マニュアルアライメントやオートアライメントの頻度を削減させることができるのでアライメントの操作性を向上させることができる。
以上、本発明を上述した実施形態と共に説明したが、本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更などが可能である。
なお、上述した実施形態では、オートアライメント後における検眼位置へ最短経路での移動方向を算出することで、算出した移動方向と略逆方向に操作桿40が傾倒していると仮定している。したがって、オートアライメント後における検眼位置で操作桿40が傾倒している方向を直接検出できれば、上述した実施形態のように移動方向を算出する必要がない。例えば、上述した操作桿40の傾倒を検知する圧力センサ46a、46b、47a、47bに代えて、ポテンショメータを用いて操作桿40の傾倒角度を検知してもよい。この場合には、システム制御部100はオートアライメント後における検眼位置での操作桿40の傾倒方向を各ポテンショメータから検知された傾倒角度から直接検出することができる。したがって、システム制御部100は、検眼位置を超えて可動部3を移動させるときの移動方向を検眼位置での操作桿40の傾倒方向と略逆方向にして復帰移動量、移動させることでも上述した実施形態と同様に構成することができる。
また、本実施形態では、復帰移動量を算出する場合について説明したが、復帰移動量は眼底カメラ10を製造した時点で予め記録媒体634に記憶されていてもよい。この場合には復帰移動量を算出する処理あるいは眼底カメラ10の電源が入力される毎に移動量を算出する処理を省略することができる。
また、本実施形態では、システム制御部100が検眼位置を超えて可動部3を水平方向に移動させ、検眼位置に戻す処理を1回行う場合についてのみ説明したが、この場合に限られず、上述した処理を2回以上行ってもよい。
また、本実施形態では、眼科装置として眼底カメラ10を用いる場合について説明したが、この場合に限られず、例えば眼底検査装置または眼屈折力測定装置などに適用することができる。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。すなわち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワークまたは各種記憶媒体を介して眼科装置に供給し、眼科装置のコンピュータ(システム制御部)がプログラムを読み出して実行する処理である。
1:固定部 3:可動部 4:アライメント操作部 6:検眼部 7:表示部 10:眼底カメラ 40:操作部材 100:システム制御部

Claims (15)

  1. 被検眼を検眼する検眼部を固定部に対して水平方向に可動する可動部と、
    前記可動部を駆動する電動駆動部と、
    前記被検眼と前記検眼部との位置に基づいて前記可動部を検眼位置まで前記電動駆動部を介して水平方向に移動させる制御手段と、
    球部材が前記固定部に接した状態で前記可動部に傾倒可能に支持される操作部材と、を有する眼科装置であって、
    前記操作部材は、
    検者の傾倒操作によって直立状態から傾倒されるときに前記球部材が前記固定部に対して転がることで前記可動部が前記固定部に対して水平方向に移動されると共に、
    前記制御手段により前記可動部が移動されるときに前記球部材と前記固定部との摩擦により直立状態から傾倒され、
    前記制御手段は、
    前記可動部を前記検眼位置まで移動させてから更に前記検眼位置を超えて前記可動部を水平方向に移動させた後に、前記可動部を前記検眼位置に戻し、前記傾倒された前記操作部材を略直立状態に復帰させることを特徴とする眼科装置。
  2. 前記制御手段は、
    前記検眼位置を超えて前記可動部を水平方向に移動させた経路と略同一経路で前記可動部を前記検眼位置に戻すことを特徴とする請求項1に記載の眼科装置。
  3. 前記制御手段は、
    前記検眼位置を超えて前記可動部を移動させるときの移動方向を、前記可動部が移動される前の位置から最短経路を経て前記検眼位置まで移動するときの移動方向と略同一方向とすることを特徴とする請求項1または2に記載の眼科装置。
  4. 前記御手段は、
    前記検眼位置を超えて前記可動部を移動させるときの移動方向を、前記可動部が前記検眼位置に移動されたときに傾倒している前記操作部材の傾倒方向と略逆方向にすることを特徴とする請求項1または2に記載の眼科装置。
  5. 前記制御手段は、
    前記検眼位置を超えて前記可動部を移動させるときの移動量を、前記操作部材が略直立状態から最大傾倒角度に傾倒されるときの前記可動部の移動量とすることを特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載の眼科装置。
  6. 前記操作部材が最大傾倒角度に傾倒することを検知する検知手段と、
    前記操作部材が略直立状態から前記検知手段により検知されるまで前記可動部を移動させたときの第1の移動量を算出し、
    前記算出された第1の移動量と、前記制御手段により前記可動部が移動される前の位置から最短経路を経て前記検眼位置まで移動するときの移動方向とに基づいて、前記検眼位置を超えて前記可動部を移動させるときの第2の移動量を算出する算出手段と、を有し、
    前記御手段は、
    前記算出手段により算出された第2の移動量に基づいて前記検眼位置を超えて前記可動部を移動させることを特徴とする請求項1ないし5の何れか1項に記載の眼科装置。
  7. 前記算出手段は、該眼科装置の電源が入力されたときに前記第1の移動量を算出することを特徴とする請求項6に記載の眼科装置。
  8. 前記制御手段は、
    前記可動部を前記検眼位置に戻す場合に、前記固定部と前記球部材との間の静止摩擦力よりも小さい力で前記可動部を移動させることを特徴とする請求項1ないし7の何れか1項に記載の眼科装置。
  9. 前記電動駆動部から前記可動部への駆動の伝達を切り換える駆動伝達切換手段を有し、
    前記駆動伝達切換手段は、
    前記制御手段により前記可動部が前記検眼位置に戻された後に、前記電動駆動部から前記可動部への駆動が伝達しないように切り換えることを特徴とする請求項1ないし8の何れか1項に記載の眼科装置。
  10. 前記制御手段は、
    前記制御手段により前記可動部が前記検眼位置に戻された後に、検者による撮影の指示を受け付けることを特徴とする請求項1ないし9の何れか1項に記載の眼科装置。
  11. 検者の前記操作部材を用いた傾倒操作によって前記可動部を水平方向に移動させるマニュアルモードと、
    前記制御手段によって前記可動部を前記検眼位置まで移動させるオートモードと、
    前記制御手段によって前記可動部を前記検眼位置まで移動させた後に検者の前記操作部材を用いた傾倒操作によって前記可動部を水平方向に移動させるセミオートモードと、を検者の選択に応じて設定する設定手段を有し、
    前記制御手段は、前記設定手段により前記セミオートモードが設定されている場合に前記検眼位置を超えて前記可動部を水平方向に移動させることを特徴とする請求項1ないし10の何れか1項に記載の眼科装置。
  12. 被検眼を検眼する検眼部を固定部に対して水平方向に可動する可動部と、
    前記可動部を駆動する電動駆動部と、
    前記被検眼と前記検眼部との位置に基づいて前記可動部を検眼位置まで前記電動駆動部を介して水平方向に移動させる制御手段と、
    球部材が前記固定部に接した状態で前記可動部に傾倒可能に支持される操作部材と、を有する眼科装置であって、
    前記操作部材は、
    検者の傾倒操作によって直立状態から傾倒されるときに前記球部材が前記固定部に対して転がることで前記可動部が前記固定部に対して水平方向に移動されると共に、
    前記制御手段により前記可動部が移動されるときに前記球部材と前記固定部との摩擦により直立状態から傾倒されることを特徴とする眼科装置。
  13. 被検眼を検眼する検眼部を固定部に対して水平方向に可動する可動部と、
    前記可動部を駆動する電動駆動部と、
    前記被検眼と前記検眼部との位置に基づいて前記可動部を検眼位置まで前記電動駆動部を介して水平方向に移動させる制御手段と、
    球部材が前記固定部に接した状態で前記可動部に傾倒可能に支持される操作部材と、を有する眼科装置であって、
    前記制御手段は、前記可動部を前記検眼位置まで移動させてから更に前記検眼位置を超えて前記可動部を水平方向に移動させ、前記傾倒された前記操作部材を略直立状態に復帰させるように前記可動部を前記検眼位置に戻すことを特徴とする眼科装置。
  14. 被検眼を検眼する検眼部を固定部に対して水平方向に可動する可動部と、
    前記可動部を駆動する電動駆動部と、
    前記被検眼と前記検眼部との位置に基づいて前記可動部を検眼位置まで前記電動駆動部を介して水平方向に移動させる制御手段と、
    球部材が前記固定部に接した状態で前記可動部に傾倒可能に支持される操作部材と、を有する眼科装置の制御方法であって、
    前記操作部材は、
    検者の傾倒操作によって直立状態から傾倒されるときに前記球部材が前記固定部に対して転がることで前記可動部が前記固定部に対して水平方向に移動されると共に、
    前記制御手段により前記可動部が移動されるときに前記球部材と前記固定部との摩擦により直立状態から傾倒され、
    前記制御手段は、
    前記可動部を前記検眼位置まで移動させてから更に前記検眼位置を超えて前記可動部を水平方向に移動させるステップと、
    前記可動部を前記検眼位置に戻し、前記傾倒された前記操作部材を略直立状態に復帰させるステップと、を有することを特徴とする眼科装置の制御方法。
  15. 被検眼を検眼する検眼部を固定部に対して水平方向に可動する可動部と、
    前記可動部を駆動する電動駆動部と、
    前記被検眼と前記検眼部との位置に基づいて前記可動部を検眼位置まで前記電動駆動部を介して水平方向に移動させる制御手段と、
    球部材が前記固定部に接した状態で前記可動部に傾倒可能に支持される操作部材と、を有する眼科装置を制御するためのプログラムであって、
    前記操作部材は、
    検者の傾倒操作によって直立状態から傾倒されるときに前記球部材が前記固定部に対して転がることで前記可動部が前記固定部に対して水平方向に移動されると共に、
    前記制御手段により前記可動部が移動されるときに前記球部材と前記固定部との摩擦により直立状態から傾倒され、
    前記可動部を前記検眼位置まで移動させてから更に前記検眼位置を超えて前記可動部を水平方向に移動させるステップと、
    前記可動部を前記検眼位置に戻し、前記傾倒された前記操作部材を略直立状態に復帰させるステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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