JP2015227954A - 画像形成装置、定着装置およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】画像形成装置は、記録材上にトナー像を形成する画像形成ユニットと、導電層を有し、導電層が電磁誘導加熱されて発熱することで、画像形成ユニットにより形成されたトナー像を記録材に定着する定着ベルトと、電力供給手段により電力が供給されることで定着ベルトの導電層と交差する交流磁界を生成するIHヒータと、磁気特性が温度に応じて強磁性と常磁性との間で変化し、磁気特性が強磁性の場合にIHヒータにて生成された交流磁界を透過させる感温磁性部材と、電力供給手段によりIHヒータに供給された電力量が予め定めた値に達した場合に、電力供給手段がIHヒータに供給する電力の大きさを下げる制御部とを備える。
【選択図】図11
Description
本発明は、定着装置において温度により磁気特性が強磁性と常磁性との間で変化する感温磁性部材を採用した場合に、感温磁性部材の異常昇温を抑制することを目的とする。
請求項2に係る発明は、前記制御手段は、前記電力供給手段により前記磁界生成手段に対して予め定めた期間、予め定めた大きさの電力が継続して供給された場合に、当該磁界生成手段に供給する電力の大きさを下げることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項3に係る発明は、前記制御手段は、前記定着部材の温度が予め定めた目標温度に近づくように前記磁界生成手段に供給する電力を決定し、当該磁界生成手段に供給された電力量が予め定めた値に達した場合に、当該目標温度を下げることを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置である。
請求項4に係る発明は、前記制御手段は、前記磁界生成手段に供給された電力量が予め定めた値に達した場合に、前記定着部材に記録材を搬送する頻度を低下させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の画像形成装置である。
請求項5に係る発明は、前記磁界生成手段に供給された電力量が予め定めた値に達した場合に、警告を表示する表示部をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の画像形成装置である。
請求項6に係る発明は、導電層を有し、当該導電層が電磁誘導加熱されて発熱することで記録材にトナーを定着する定着部材と、電力が供給されることで前記定着部材の前記導電層と交差する交流磁界を生成する磁界生成手段と、磁気特性が温度に応じて強磁性と常磁性との間で変化し、磁気特性が強磁性の場合に前記磁界生成手段にて生成された交流磁界を透過させる感温磁性部材と、前記磁界生成手段に対して、予め定めた大きさ以上の電力が予め定めた期間を超えて継続して供給されないように、当該磁界生成手段に電力を供給する電力供給手段とを備える画像形成装置である。
請求項7に係る発明は、導電層を有し、当該導電層が電磁誘導加熱されて発熱することで記録材にトナーを定着する定着部材と、電力供給手段により電力が供給されることで前記定着部材の前記導電層と交差する交流磁界を生成する磁界生成手段と、磁気特性が温度に応じて強磁性と常磁性との間で変化し、磁気特性が強磁性の場合に前記磁界生成手段にて生成された交流磁界を透過させる感温磁性部材と、を備え、前記磁界生成手段は、前記電力供給手段により供給された電力量が予め定めた値を超えた場合に、当該電力供給手段により供給される電力の大きさが下げられることを特徴とする定着装置である。
請求項8に係る発明は、前記感温磁性部材を介して前記定着部材の内周面に対向し、当該感温磁性部材に接触して設けられ、当該感温磁性部材を透過した交流磁界を誘導する誘導部材と、前記感温磁性部材を介して前記定着部材に対向し、当該感温磁性部材に接触して設けられ、当該感温磁性部材の異常過熱を検知した場合に前記電力供給手段による前記磁界生成手段への電力の供給を遮断する電力遮断部材をさらに備えることを特徴とする請求項7記載の定着装置である。
請求項9に係る発明は、導電層が電磁誘導加熱されて発熱することで記録材にトナーを定着する定着部材と、電力が供給されることで当該定着部材の当該導電層と交差する交流磁界を生成する磁界生成手段と、磁気特性が温度に応じて強磁性と常磁性との間で変化し、磁気特性が強磁性の場合に当該磁界生成手段にて生成された交流磁界を透過させる感温磁性部材とを有する定着装置を制御するコンピュータに、前記磁界生成手段に供給する電力を算出する機能と、前記磁界生成手段に供給された電力量が予め定めた値を超えた場合に、当該磁界生成手段に供給する電力の大きさを低下させる機能とを実現させるプログラムである。
請求項2の発明によれば、感温磁性部材の温度を検知する部材がない場合であっても、感温磁性部材の異常昇温を抑制することができる。
請求項3の発明によれば、簡易な制御で感温磁性部材の異常昇温を抑制することができる。
請求項4の発明によれば、磁界生成手段への供給電力を下げた場合にトナー像の定着不良が生じることを抑制できる。
請求項5の発明によれば、使用者に対して装置の異常を通知することが可能になる。
請求項6の発明によれば、定着装置において温度により磁気特性が強磁性と常磁性との間で変化する感温磁性部材を採用した場合に、感温磁性部材の異常昇温を抑制することができる。
請求項7の発明によれば、定着装置において温度により磁気特性が強磁性と常磁性との間で変化する感温磁性部材を採用した場合に、感温磁性部材の異常昇温を抑制することができる。
請求項8の発明によれば、電力遮断部材により磁界生成手段への電力供給が遮断される事態の発生が抑制される。
請求項9の発明によれば、定着装置において温度により磁気特性が強磁性と常磁性との間で変化する感温磁性部材を採用した場合に、感温磁性部材の異常昇温を抑制することができる。
[実施の形態1]
<画像形成装置の説明>
図1は本実施の形態が適用される画像形成装置の構成例を示した図である。図1に示す画像形成装置1は、所謂タンデム型のカラープリンタであり、画像データに基づき画像形成を行う画像形成部10、画像形成装置1全体の動作を制御する制御手段の一例としての制御部30、画像形成装置1に対して供給される用紙Pを保持する用紙保持部40、画像が形成された用紙Pを積載する用紙積載部45を備えている。さらには、例えばパーソナルコンピュータ(PC)3や画像読取装置(スキャナ)4等との通信を行って画像データを受信する通信部41、通信部41にて受信された画像データに対し予め定めた画像処理を施す画像処理部42を備えている。さらにまた、画像形成装置1は、表示パネルなどにより構成されユーザからの情報を受け付けるとともにユーザに対して情報を表示する表示部の一例としてのユーザインタフェース(UI)34を備えている。
画像形成ユニット11各々は、現像器15に収納されるトナーを除いて同様に構成され、それぞれがイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像を形成する。
一方、一次転写後に感光体ドラム12に付着しているトナー(一次転写残トナー)、および二次転写後に中間転写ベルト20に付着しているトナー(二次転写残トナー)は、それぞれドラムクリーナ16、およびベルトクリーナ25によって除去される。
このようにして、画像形成装置1での画像形成処理がプリント枚数分のサイクルだけ繰り返し実行される。
次に、本実施の形態の定着装置60について説明する。
図2および図3は本実施の形態の定着装置60の構成を示す図であり、図2は正面図、図3は図2におけるIII−III断面図である。
まず、断面図である図3に示すように、定着装置60は、用紙Pにトナー像を定着する定着部材の一例としての定着ベルト61と、定着ベルト61の外周側において、定着ベルト61に対向するように配置された加圧ロール62と、定着ベルト61の内周側に設けられるとともに、定着ベルト61を介して加圧ロール62から押圧され、加圧ロール62との間にニップ部Nを形成する押圧パッド63と、定着ベルト61の外周側に設けられ、定着ベルト61からの用紙Pの剥離を補助する剥離補助部材173とを備えている。さらに、定着装置60は、定着ベルト61の外周側に設けられ、定着ベルト61を電磁誘導加熱する磁界生成手段の一例としてのIHヒータ80と、定着ベルト61の内周側に設けられ、IHヒータ80とともに定着ベルト61を加熱する内部加熱ユニット70と、を備えている。
図4は、定着ベルト61の層構成を説明する図である。定着ベルト61は、原形が円筒形状の無端のベルト部材で構成され、例えば原形(円筒形状)時の直径が30mm、幅方向長が370mmに形成されている。また、図4に示したように、定着ベルト61は、内周側から、基材層611、基材層611の上に積層された導電層の一例としての導電発熱層612、トナー像の定着性を向上させる弾性層613、最上層に被覆された表面離型層614が積層された多層構造のベルト部材である。したがって、本実施の形態においては、定着ベルト61の内周側において基材層611が内部加熱ユニット70の後述する感温磁性部材64と接触し、定着ベルト61の外周側において表面離型層614が加圧ロール62およびIHヒータ80に対向している。
具体的には、基材層611として、例えば、厚さ30〜200μm(好ましくは50〜150μm)の非磁性ステンレススチール等の非磁性金属や、厚さ60〜200μmの樹脂材料等が用いられる。
通常、IHヒータ80に交流電流を供給する励磁回路88(図3参照)の電源として、安価に製造できる汎用電源が使用される。そのため、IHヒータ80により生成される交流磁界の周波数は、一般に、汎用電源による20kHz〜100kHzとなる。それにより、導電発熱層612は、周波数20kHz〜100kHzの交流磁界が侵入し通過するように構成される。
そのため、導電発熱層612の厚さは、周波数20kHz〜100kHzの交流磁界が導電発熱層612に侵入し通過するように、(1)式で規定される導電発熱層612の表皮深さ(δ)よりも薄く構成される。また、導電発熱層612を構成する材料として、例えば、Au、Ag、Al、Cu、Zn、Sn、Pb、Bi、Be、Sb等の金属や、これらの金属合金が用いられる。
また、定着ベルト61が定着設定温度まで加熱されるまでに要する時間(以下、「ウォームアップタイム」)を短縮する観点からも、導電発熱層612は、薄層に構成される。
表面離型層614は、用紙P上に保持された未定着トナー像と直接接触するため、離型性の高い材質が使用される。例えば、PFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、シリコーン共重合体、またはこれらの複合層等が用いられる。表面離型層614の厚さとしては、薄すぎると、耐摩耗性の面で充分でなく、定着ベルト61の寿命を短くする。その一方で、厚すぎると、定着ベルト61の熱容量が大きくなりすぎ、ウォームアップタイムが長くなる。そこで、表面離型層614の厚さとして、耐摩耗性と熱容量とのバランスを考慮し、1μm〜50μmが用いられる。
加圧ロール62は、定着ベルト61に対向するように配置され、定着ベルト61に従動して図3の矢印D方向に、例えば140mm/sのプロセススピードで回転する。そして、加圧ロール62と押圧パッド63とにより定着ベルト61を挟持した状態でニップ部Nを形成し、このニップ部Nに未定着トナー像を保持した用紙Pを通過させることで、熱および圧力を加えて未定着トナー像を用紙Pに定着する。
加圧ロール62は、例えば直径18mmの中実のアルミニウム製コア(円柱状芯金)621と、コア621の外周面に被覆された例えば厚さ5mmのシリコーンスポンジ等の耐熱性弾性体層622と、さらに例えば厚さ50μmのカーボン配合のPFA等の耐熱性樹脂被覆または耐熱性ゴム被覆による離型層623とが積層されて構成される。そして、加圧ロール62は、押圧バネ68(図2参照)により例えば25kgfの荷重で定着ベルト61を介して押圧パッド63を押圧している。
押圧パッド63は、シリコーンゴムやフッ素ゴム等の弾性体やLCP、PPS(ポリフェニレンサルファイド)等の耐熱性樹脂で構成され、図3に示すように加圧ロール62と対向する位置にてホルダ65に支持される。そして、押圧パッド63は、定着ベルト61を介して加圧ロール62から押圧される状態で配置され、加圧ロール62との間でニップ部Nを形成する。
続いて、IHヒータ80について説明する。本実施の形態のIHヒータ80は、定着ベルト61の導電発熱層612に交流磁界を作用させて電磁誘導加熱する。
図3に示すように、本実施の形態のIHヒータ80は、定着ベルト61の外周面に沿って設けられる支持体81と、支持体81に支持されるとともに支持体81を介して定着ベルト61に対向して設けられ、交流磁界を生成する励磁コイル82と、支持体81に支持されるとともに励磁コイル82に対向して設けられ、励磁コイル82にて生成された交流磁界の磁路を形成する磁心84とを備えている。また、本実施の形態のIHヒータ80は、励磁コイル82上に設けられ、励磁コイル82を支持体81上に固定する弾性支持部材83と、支持体81に取り付けられるとともに、励磁コイル82、弾性支持部材83および磁心84を囲んで設けられ、磁界を遮蔽するシールド85と、磁心84とシールド85との間に設けられ、磁心84を支持体81側に加圧する加圧部材86と、励磁コイル82に交流電流を供給する励磁回路88とを備えている。
また、本実施の形態のIHヒータ80は、図3に示すように、定着ベルト61を介して、定着ベルト61の内周側に設けられる内部加熱ユニット70の後述する感温磁性部材64および誘導部材66と対向している。
さらに、支持体81は、図3に示すように、断面が定着ベルト61の表面形状に沿って湾曲した形状で形成され、励磁コイル82を支持する上部面が定着ベルト61の表面と予め定められた間隙(例えば、0.5mm〜2mm)を保つように設定されている。
支持体81を構成する材質としては、例えば、ポリカーボネート、ポリエーテルサルフォン、PPS(ポリフェニレンサルファイド)等の耐熱性樹脂、またはこれらにガラス繊維を混合した耐熱性樹脂、耐熱ガラス等の耐熱性のある非磁性材料が用いられる。
弾性支持部材83は、例えばシリコーンゴム等やフッ素ゴム等の弾性体で構成されたシート状部材である。弾性支持部材83は、励磁コイル82が支持体81に密着して固定されるように、励磁コイル82を支持体81に対して押圧するように設定されている。
また、図3に示すように、定着ベルト61の移動方向に沿った磁心84の長さは、後述する感温磁性部材64および誘導部材66の定着ベルト61の移動方向に沿った長さよりも短く構成される。これにより、磁心84から放射される磁力線H(後述する図6(a)〜図6(b)参照)のIHヒータ80周辺への漏洩が減り、力率が向上する。さらには、定着装置60を構成する金属製部材への電磁誘導を抑え、定着ベルト61(導電発熱層612)での発熱効率が高まる。
続いて、内部加熱ユニット70の構成について説明する。図5(a)〜図5(b)は、本実施の形態の内部加熱ユニット70の構成を説明するための図であって、図5(a)は、内部加熱ユニット70の斜視図であり、図5(b)は、感温磁性部材64を誘導部材66に重ねる前の状態を示した内部加熱ユニット70の斜視図である。
図3および図5(a)〜図5(b)に示すように、本実施の形態の内部加熱ユニット70は、定着ベルト61の内周側において定着ベルト61に接触して設けられ、IHヒータ80の励磁コイル82により生成された交流磁界を誘導して磁路を形成する感温磁性部材64と、感温磁性部材64に接触して設けられ、感温磁性部材64を通過した磁力線を誘導する誘導部材66と、を備えている。さらに、内部加熱ユニット70は、定着ベルト61の内周面に接触して設けられ、定着ベルト61の温度を検知する温度検知センサ71、72と、感温磁性部材64の内周面に接触して設けられ、感温磁性部材64が高温になった場合に、汎用電源から励磁回路88への通電を遮断する電力遮断部材の一例としてのサーモスタット73と、を備えている。さらにまた、内部加熱ユニット70は、感温磁性部材64、誘導部材66、温度検知センサ71、72およびサーモスタット73を支持するホルダ65を備えている。
次に、感温磁性部材64について説明する。図3に示すように、感温磁性部材64は、定着ベルト61の内周面に倣った円弧形状で形成され、外周面が定着ベルト61の内周面と接触するように配置される。それにより、感温磁性部材64の温度は定着ベルト61の温度に対応して変化するようになっている。
また、感温磁性部材64は、IHヒータ80により生成された交流磁界(磁力線)に対する表皮深さδ(上記(1)式参照)よりも厚い厚さで形成される。具体的には、例えばFe−Ni合金を用いた場合には200μm〜800μm程度に設定される。
本実施の形態において、感温磁性部材64は、定着ベルト61に熱を供給するため、定着ベルト61に対し、例えば10℃〜30℃ほど高い温度に保持される。
図3および図5(a)〜図5(b)に示すように、ホルダ65は、定着ベルト61の内周側に設けられ、押圧パッド63、感温磁性部材64および誘導部材66を支持する。そして、ホルダ65は、押圧パッド63が加圧ロール62からの押圧力を受けた状態で、押圧パッド63の撓み量が一定量以下となるように、剛性の高い材料で構成される。それにより、ニップ部Nにおける定着ベルト61の幅方向の圧力(ニップ圧)の均一性を維持している。さらに、本実施の形態の定着装置60では、電磁誘導を用いて定着ベルト61を加熱する構成を採用していることから、ホルダ65は、誘導磁界に影響を与えないか、または与え難い材料であり、かつ、誘導磁界から影響を受けないか、または受け難い材料で構成される。例えば、ガラス混入PPS(ポリフェニレンサルファイド)等の耐熱性樹脂や、例えばAl、Cu、Ag等の非磁性金属材料等が用いられる。
図3に示すように、誘導部材66は、感温磁性部材64の内周面に倣った円弧形状で形成され、感温磁性部材64の内周面と接触して配置される。なお本実施の形態では、誘導部材66と感温磁性部材64とは互いに接着されてはおらず、ホルダ65に支持されることで重なった状態となっている。
また、誘導部材66は、例えばAl、Cu、Agといった固有抵抗値が比較的小さい非磁性金属で構成される。そして、感温磁性部材64が透磁率変化開始温度以上の温度に上昇した際に、IHヒータ80により生成された交流磁界(磁力線)を誘導して、定着ベルト61の導電発熱層612よりも渦電流Iが発生し易い状態を形成する。それにより、誘導部材66の厚さは、渦電流Iが流れ易いように、表皮深さδ(上記(1)式参照)よりも充分に厚い厚さ(例えば、1.0mm)で形成される。なお、本実施の形態では、誘導部材66は、定着ベルト61の幅方向全域に亘って、感温磁性部材64よりも厚く形成されている。
温度検知センサ71、72は、定着ベルト61の内周面に接触して設けられ、定着ベルト61の温度を検知する。本実施の形態では、定着ベルト61の幅方向中央部(ニップ部Nにおける最小通紙領域に対応する位置)に一方の温度検知センサ71が配置され、定着ベルト61における幅方向の一方の端部(ニップ部Nにおける最小通紙領域よりも端部側に対応する位置)に他方の温度検知センサ72が配置されている。そして、図5(a)〜図5(b)に示すように、一方の温度検知センサ71は、感温磁性部材64に形成された切り欠き641および誘導部材66に形成された切り欠き661を介して定着ベルト61の内周面に接触し、他方の温度検知センサ72は、感温磁性部材64に形成された切り欠き642および誘導部材66に形成された切り欠き662を介して定着ベルト61の内周面に接触している。
なお、それぞれの温度検知センサ71、72は、図5(a)〜図5(b)に示すように、ばね部材71a、72aを介してホルダ65によって支持されている。そして、それぞれの温度検知センサ71、72は、ばね部材71a、72aにより定着ベルト61の内周面に押圧されるようになっている。
サーモスタット73は、感温磁性部材64の内周面に接触して設けられ、感温磁性部材64の温度が過度に上昇した場合に、励磁回路88への電力の供給を遮断するために設けられる。図5(a)〜図5(b)に示すように、本実施の形態の内部加熱ユニット70では、サーモスタット73は、誘導部材66に形成された切り欠き663から感温磁性部材64側に突出することで、感温磁性部材64の内周面に接触するようになっている。
そして、サーモスタット73は、感温磁性部材64が過度に高温になった場合に第1の金属板と第2の金属板との熱膨張率の差によって変形することにより、励磁回路88への電力の供給を遮断する。
次に、定着ベルト61の駆動機構について説明する。
正面図である図2に示したように、内部加熱ユニット70のホルダ65(図3参照)の軸方向両端部には、定着ベルト61の両端部の断面形状を円形に維持しながら定着ベルト61を周方向に回転駆動するエンドキャップ部材67が固定されている。そして、定着ベルト61は、両端部からエンドキャップ部材67を介した回転駆動力を直接的に受けて、例えば140mm/sのプロセススピードで図3の矢印C方向に回転移動する。
エンドキャップ部材67を構成する材質としては、機械的強度や耐熱性の高い所謂エンジニアリングプラスチックスが用いられる。例えば、エンドキャップ部材67を構成する材質としては、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹脂、PES樹脂、PPS樹脂、LCP樹脂等が用いられる。
このように、定着ベルト61が定着ベルト61の両端部から駆動力を直接受けて回転するので、定着ベルト61は安定して回転する。
引き続いて、IHヒータ80により生成された交流磁界によって定着ベルト61が発熱する状態を説明する。図6(a)〜図6(b)は、IHヒータ80により生成された磁力線の状態を示した図であって、図6(a)は、定着ベルト61(感温磁性部材64)の温度が透磁率変化開始温度以下の温度範囲にある場合の磁力線(H)の状態を示し、図6(b)は、定着ベルト61(感温磁性部材64)の温度が透磁率変化開始温度を超えた温度範囲にある場合の磁力線(H)の状態を示している。
このように、定着ベルト61の温度が透磁率変化開始温度以下の温度範囲にある場合には、磁力線Hが導電発熱層612を横切る領域R1、R2や領域R3において大きな熱が発生する。それにより、定着ベルト61は加熱される。
一方、誘導加熱により定着ベルト61の温度が上昇し、例えばニップ部N(図3参照)において用紙が搬送されない非通紙部に対応する領域において、定着ベルト61の温度が透磁率変化開始温度を超えた場合には、定着ベルト61に近接する感温磁性部材64の温度も定着ベルト61の温度に対応して、透磁率変化開始温度を超える。この場合、感温磁性部材64は比透磁率が1に近づき、強磁性体としての性質が消失する。感温磁性部材64の比透磁率が低下して1に近づくことで、IHヒータ80にて生成された交流磁界の磁力線Hは感温磁性部材64の内部に誘導されず、感温磁性部材64を透過するようになる。このため、定着ベルト61の導電発熱層612を通過した後の磁力線Hは拡散し、導電発熱層612を横切る磁力線Hの磁束密度は低下する。これにより、導電発熱層612で発生する渦電流Iは減少して、定着ベルト61での発熱量(ジュール熱W)が低減される。この結果、定着ベルト61の過剰な温度上昇が抑えられ、定着ベルト61の損傷が抑制される。
そのため、定着ベルト61の温度が透磁率変化開始温度を超える温度範囲にある場合には、領域R1、R2や領域R3において導電発熱層612を厚さ方向に横切る磁力線Hの磁束密度が減少することとなる。それにより、磁力線Hが厚さ方向に横切る導電発熱層612に発生する渦電流Iは減り、定着ベルト61に発生するジュール熱Wは減少する。この結果、定着ベルト61の温度は低下する。
続いて、定着装置60の制御について説明する。
ここで、定着動作の際には、制御部30(図1参照)は、温度検知センサ71、72から取得された定着ベルト61の温度に基づき、IHヒータ80を制御している。具体的には、制御部30は、温度検知センサ71、72から取得された定着ベルト61の温度が予め定めた目標温度となるように、IHヒータ80に供給する電力量を決定している。
定着動作が開始された場合、図7においてx1で示すように、定着ベルト61の温度は定着可能温度である目標温度a1よりも低いため、制御部30によって定着ベルト61の温度を上昇させるための電力h1が算出され、汎用電源によりIHヒータ80の励磁コイル82に電力h1が供給される。なお、ここで電力h1は、本実施の形態において励磁コイル82に供給される電力のうち最も大きな電力(フル電力)である。
また、上述したように、本実施の形態の定着装置60では、IHヒータ80により生成された交流磁界により感温磁性部材64も発熱するため、励磁コイル82に電力h1が供給されることで、感温磁性部材64の温度も上昇する。さらに、感温磁性部材64に接して設けられる誘導部材66に感温磁性部材64から熱が伝導することで、誘導部材66の温度も上昇する。
本実施の形態の定着装置60では、上述したように、定着ベルト61の温度が低下した場合に、定着ベルト61の内周面に接触して設けられる感温磁性部材64および感温磁性部材64に接触して設けられる誘導部材66から、定着ベルト61に対して熱が供給される。これにより、通常は、定着ベルト61の温度が一時的に低下した場合であっても、励磁コイル82に対して制御部30で算出された電力(例えば電力h1)が供給されることで、図7においてx3で示すように定着ベルト61の温度は目標温度a1に到達する。
通常、定着動作を継続して行うことで定着装置60を構成する各部材が次第に温まるため、定着ベルト61を目標温度a1に維持するために必要な電力は次第に小さくなる。すなわち、通常は、図7で示すように、定着動作が続くに従い、制御部30によって算出されIHヒータ80に供給される電力は電力h1より小さくなり、IHヒータ80に対して電力h1が長時間継続して供給されにくくなっている。
ところで、上述したように、内部加熱ユニット70においては、感温磁性部材64と誘導部材66とは、互いに接着されずに単に重ねられた状態でホルダ65に支持されているにすぎない。したがって、内部加熱ユニット70では、感温磁性部材64と誘導部材66との接触面の形状が一致せずに、感温磁性部材64と誘導部材66とが部分的に接触しない接触不良が生じる場合がある。
そして、感温磁性部材64と誘導部材66とに接触不良が生じている場合、感温磁性部材64と誘導部材66との接触が良好な場合と比較して、感温磁性部材64と誘導部材66との間で熱の伝導が起こりにくくなる。この場合、特に感温磁性部材64と誘導部材66とが接触不良となっている領域で、感温磁性部材64の温度が過度に上昇しやすい。
図8(a)に示す例では、感温磁性部材64と誘導部材66との接触が不十分なため、感温磁性部材64と誘導部材66との接触が良好な場合と比較して、誘導部材66から定着ベルト61への感温磁性部材64を介した熱の供給が起こりにくい。このため、例えばニップ部Nに用紙が搬送され、定着ベルト61の温度が一時的に低下した場合には、図8(a)においてy1で示すように、電力(電力h1)の供給を引き続き行った場合でも定着ベルト61の温度が目標温度a1に到達しにくい。
ここで、上述したように、IHヒータ80に電力が供給された場合には感温磁性部材64も発熱するため、IHヒータ80に電力h1が供給され続けることで、感温磁性部材64の温度も上昇する。図8(a)に示す例では、感温磁性部材64と誘導部材66との接触不良が生じているため、感温磁性部材64と誘導部材66との接触が良好な場合と比較して、感温磁性部材64の温度が上昇した場合であっても感温磁性部材64から誘導部材66への熱の伝導が起こりにくい。
この結果、図8(a)に示すように、感温磁性部材64の温度は上昇し続けることになる。
図8(b)は、画像形成装置1において普通紙に画像を形成するモード(普通紙モード)が設定されている場合に誤って厚紙を搬送した場合の、IHヒータ80への供給電力の変化、および定着ベルト61、感温磁性部材64、誘導部材66の温度変化の一例を示した図である。
このため、通常、画像形成装置1において厚紙モードが設定されている場合には、例えば用紙(厚紙)を搬送する間隔を大きくしたり、IHヒータ80に供給する電力を大きくしたりすることで、厚紙がニップ部Nに搬送されて定着ベルト61から厚紙に熱が伝導した場合であっても定着ベルト61の温度が過度に低下することを抑制している。
上述したように、定着ベルト61の温度が目標温度a1よりも低い場合、定着ベルト61の温度を上昇させるために、制御部30により大きな電力h1が算出され、IHヒータ80(励磁コイル82)に供給され続ける。これにより、図8(a)に示した例と同様に、感温磁性部材64の温度が過度に上昇する場合がある。
特に、本実施の形態の定着装置60では、定着ベルト61の温度を検知する温度検知センサ71、72を設けているものの、感温磁性部材64の温度を検知する温度検知センサは設けていない。このため、感温磁性部材64の温度が過度に上昇した場合であってもそれを検知することはできない。
そこで、本実施の形態では、IHヒータ80に供給される電力の累積が予め定めた値を超えた場合に、感温磁性部材64の異常昇温を抑制するための制御(サギング制御)を行っている。
図9は、本実施の形態が適用される制御部30の構成を示した図である。また、図10は、本実施の形態の制御部30が行う処理の流れについて説明したフローチャートである。
画像形成装置1において定着動作開始の指示がなされると、まず、温度情報取得部301が温度検知センサ71、72から定着ベルト61の温度情報を取得する(ステップ101)。続いて、温度情報取得部301が取得した定着ベルト61の温度情報に基づき、電力算出部302が、IHヒータ80に供給する電力を算出する(ステップ102)。具体的には、電力算出部302は、定着ベルト61の温度が予め定められた目標温度(定着温度)に近づくように、定着ベルト61の温度情報に基いてIHヒータ80に供給する電力を算出する。
続いて、電力供給部303が、電力算出部302にて算出された電力を、励磁回路88を介してIHヒータ80(励磁コイル82)に供給させる(ステップ103)。
続いて、計時部304により計測される電力h1の供給時間tが予め定めた供給基準時間t1に到達した場合(ステップ106でYES)、サギング制御部305が、サギング制御を開始する(ステップ107)。ここで、サギング制御の内容については後段にて詳述するが、ステップ107においてサギング制御部305は、サギング制御として例えば定着動作を一時的に中断したり定着動作の生産性を低下させたりする制御を行う。
なお、ステップ102にて算出された電力が予め定めた電力h1でなかった場合(ステップ104でNO)、電力h1の供給時間tが予め定めた供給基準時間t1に到達しない場合(ステップ106でNO)には、ステップ101に戻り処理を継続する。
そして、計時部304により計測されるサギング制御の実行時間Tが予め定めたサギング基準時間T2に到達した場合(ステップ109でYES)、サギング制御部305はサギング制御を終了し、制御部30による一連の処理を終了する。なお、サギング制御の実行時間Tが予め定めたサギング基準時間T2に到達していない場合(ステップ109でNO)、サギング制御を引き続き行う。
なお、サギング制御の終了後は、通常の定着動作を再開する。すなわち、ステップ101に戻り、温度情報取得部301により取得される定着ベルト61の温度情報に基いて、電力算出部302が電力を算出し、算出された電力を電力供給部303によりIHヒータ80に供給する。
定着動作の開始が指示されると、定着ベルト61の温度を定着温度である目標温度a1に到達させるために、温度情報取得部301にて取得された定着ベルト61の温度情報に基いて、電力算出部302により電力h1が算出され、IHヒータ80に電力h1が供給される。図11に示すように、IHヒータ80に対して電力h1が継続して供給されることで、感温磁性部材64の温度が上昇するとともに、サーモスタット73の温度も上昇する。
これにより、定着ベルト61の温度が目標温度a2よりも高い状態となるため、定着ベルト61の温度に基づいて電力算出部302により算出される電力は、電力h1よりも低い電力となる。
この結果、IHヒータ80に供給される電力が下がることで感温磁性部材64の発熱が抑制され、図11に示すように、感温磁性部材64およびサーモスタット73の温度が低下するようになる。
ここで、図11に示す例では、定着ベルト61の温度は、目標温度a1の近くまで上昇しているものの、定着装置60を構成する各部材が加熱されておらず温度が低い状態である。このため、定着ベルト61の温度を目標温度a1に維持するために電力算出部302により電力h1が算出され、IHヒータ80に供給される。
続いて、電力h1が予め定められた供給基準時間t1継続して供給されると、再びサギング制御部305によりサギング制御が実行される。すなわち、定着動作を一時的に停止し、定着ベルト61の目標温度を目標温度a1から目標温度a2に低下させる制御が行われる。これにより、電力算出部302により算出される電力が、電力h1よりも低い電力となり、感温磁性部材64およびサーモスタット73の温度が低下する。
ここで、図11に示す例では、定着ベルト61の温度は、定着動作の再開後に目標温度a1に到達しており、また定着装置60を構成する各部材が加熱され温度が上昇した状態となっている。
これにより、IHヒータ80に対して大きな電力(電力h1)が継続して長期間、供給されることが抑制される。この結果、IHヒータ80により生成される磁力線により感温磁性部材64の過剰昇温が抑制されるとともに、サーモスタット73の過剰昇温が抑制される。具体的には、感温磁性部材64の温度が、予め定めた目標値au(例えば、感温磁性部材64の透磁率変化開始温度)に到達することが抑制される。
そして、感温磁性部材64およびサーモスタット73の過剰昇温が抑制されることで、定着ベルト61が効果的に加熱されるようになり、またサーモスタット73によりIHヒータ80への電力の供給が遮断される事態の発生が抑制される。
また、サギング制御を行うサギング基準時間T2としては、IHヒータ80に電力h1が供給基準時間t1供給された場合に上昇した感温磁性部材64の温度を、例えば定着ベルト61の温度より約20℃高い温度に下げるために必要な時間が設定される。
なお、供給基準時間t1やサギング基準時間T2は、画像形成装置1に設定される画像形成モードや定着動作が開始されてからの経過時間等に応じて可変としてもよい。
さらに、上述した例では、電力h1が予め定めた供給基準時間t1、継続して供給された場合にサギング制御を行うものとしたが、例えば電力h1が断続的に供給された場合にもサギング制御を行ってもよい。すなわち、例えば、予め定めた期間内にIHヒータ80に供給された電力の累計が予め定めた値を超えた場合に、IHヒータ80に供給された電力量が予め定めた値に達したものとしてサギング制御を行うようにしてもよい。
さらにまた、定着装置60に、感温磁性部材64の温度を検知する温度検知センサが設けられている場合には、例えば感温磁性部材64の温度が予め定めた温度以上になった場合に、IHヒータ80に供給された電力量が予め定めた値に達したものとしてサギング制御を行ってもよい。
上述したように、サギング制御中は、定着装置60での定着動作が一時的に停止され、または定着動作の生産性を一時的に低下させる制御を行うため、画像形成装置1の使用者は、画像形成が完了するまでに少々待たされることになる。この場合、画像形成装置1にてサギング制御を行っている旨をUI34(図1参照)において表示することで、使用者に知らせるようにしてもよい。具体的には、例えば「少々お待ち下さい」等のメッセージをUI34に表示してもよい。
したがって、制御部30は、電力h1の供給時間tが供給基準時間t1に到達しサギング制御を実行する際に、併せて、UI34にて画像形成装置1に不具合が生じている旨の警告を表示してもよい。具体的には、サギング制御を実行する際に、UI34にて、画像形成モードが誤って設定されている旨の警告や用紙保持部40(図1参照)にセットする用紙の種類が誤っている旨の警告を表示してもよい。
なお、本実施の形態が適用される定着装置は、図3および図5(a)〜図5(b)に示した構成(以下、第1の構成例とよぶ)に限られるものではない。図12は、本実施の形態の定着装置の第2の構成例を示した図であり、図13は第2の構成例の定着装置に用いられる内部加熱ユニットを示した図である。なお、以下の説明において、図3、図5(a)〜図5(b)に示した第1の構成例の定着装置60と同様の構成については同様の符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
図12および図13に示した第2の構成例の定着装置60は、第1の構成例の定着装置60と異なり、誘導部材66を有していない。また、定着ベルト61と感温磁性部材64とが接触せず、予め定められた距離を介して離間している点で異なる。さらに、第2の構成例の定着装置60は、誘導部材66がないため、感温磁性部材64と誘導部材66とが相互に接触することがない。これにより、特に定着装置60の立ち上げ等の際に、感温磁性部材64から発生した熱が誘導部材66に流入し、熱が奪われることが抑制される。このため、定着ベルト61が目標温度(定着設定温度)に達するまでの時間(ウォームアップタイム)を、例えば第1の構成例の定着装置60と比べて短縮できるという特徴を有する。
具体的に説明すると、感温磁性部材64にスリット64sを形成することにより、スリット64sがない場合には感温磁性部材64の長手方向の全体に亘って大きな渦となって流れる渦電流Iが、スリット64sにより分断される。これにより、スリット64sを形成した場合には、感温磁性部材64内を流れる渦電流Iは、スリット64sとスリット64sとの間の領域内での小さな渦となり、全体としての渦電流Iの電流量は低減される。
そして、感温磁性部材64およびサーモスタット73の昇温が抑制されることで、定着ベルト61が効果的に加熱されるようになり、またサーモスタット73によりIHヒータ80への電力の供給が遮断される事態の発生が抑制される。
Claims (9)
- 記録材上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、
導電層を有し、当該導電層が電磁誘導加熱されて発熱することで、前記トナー像形成手段により形成されたトナー像を記録材に定着する定着部材と、
電力供給手段により電力が供給されることで前記定着部材の前記導電層と交差する交流磁界を生成する磁界生成手段と、
磁気特性が温度に応じて強磁性と常磁性との間で変化し、磁気特性が強磁性の場合に前記磁界生成手段にて生成された交流磁界を透過させる感温磁性部材と、
前記電力供給手段により前記磁界生成手段に供給された電力量が予め定めた値に達した場合に、当該電力供給手段が当該磁界生成手段に供給する電力の大きさを下げる制御手段と
を備える画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記電力供給手段により前記磁界生成手段に対して予め定めた期間、予め定めた大きさの電力が継続して供給された場合に、当該磁界生成手段に供給する電力の大きさを下げることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記定着部材の温度が予め定めた目標温度に近づくように前記磁界生成手段に供給する電力を決定し、当該磁界生成手段に供給された電力量が予め定めた値に達した場合に、当該目標温度を下げることを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記磁界生成手段に供給された電力量が予め定めた値に達した場合に、前記定着部材に記録材を搬送する頻度を低下させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の画像形成装置。
- 前記磁界生成手段に供給された電力量が予め定めた値に達した場合に、警告を表示する表示部をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の画像形成装置。
- 導電層を有し、当該導電層が電磁誘導加熱されて発熱することで記録材にトナーを定着する定着部材と、
電力が供給されることで前記定着部材の前記導電層と交差する交流磁界を生成する磁界生成手段と、
磁気特性が温度に応じて強磁性と常磁性との間で変化し、磁気特性が強磁性の場合に前記磁界生成手段にて生成された交流磁界を透過させる感温磁性部材と、
前記磁界生成手段に対して、予め定めた大きさ以上の電力が予め定めた期間を超えて継続して供給されないように、当該磁界生成手段に電力を供給する電力供給手段と
を備える画像形成装置。 - 導電層を有し、当該導電層が電磁誘導加熱されて発熱することで記録材にトナーを定着する定着部材と、
電力供給手段により電力が供給されることで前記定着部材の前記導電層と交差する交流磁界を生成する磁界生成手段と、
磁気特性が温度に応じて強磁性と常磁性との間で変化し、磁気特性が強磁性の場合に前記磁界生成手段にて生成された交流磁界を透過させる感温磁性部材と、を備え、
前記磁界生成手段は、前記電力供給手段により供給された電力量が予め定めた値を超えた場合に、当該電力供給手段により供給される電力の大きさが下げられることを特徴とする定着装置。 - 前記感温磁性部材を介して前記定着部材の内周面に対向し、当該感温磁性部材に接触して設けられ、当該感温磁性部材を透過した交流磁界を誘導する誘導部材と、
前記感温磁性部材を介して前記定着部材に対向し、当該感温磁性部材に接触して設けられ、当該感温磁性部材の異常過熱を検知した場合に前記電力供給手段による前記磁界生成手段への電力の供給を遮断する電力遮断部材をさらに備えることを特徴とする請求項7記載の定着装置。 - 導電層が電磁誘導加熱されて発熱することで記録材にトナーを定着する定着部材と、電力が供給されることで当該定着部材の当該導電層と交差する交流磁界を生成する磁界生成手段と、磁気特性が温度に応じて強磁性と常磁性との間で変化し、磁気特性が強磁性の場合に当該磁界生成手段にて生成された交流磁界を透過させる感温磁性部材とを有する定着装置を制御するコンピュータに、
前記磁界生成手段に供給する電力を算出する機能と、
前記磁界生成手段に供給された電力量が予め定めた値を超えた場合に、当該磁界生成手段に供給する電力の大きさを低下させる機能と
を実現させるプログラム。
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