JP2015227572A - 開口部蓋のスリップ防止構造 - Google Patents
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Abstract
Description
前記スリップ防止の構造は、平面構造(パターン)と上下方向構造(凹凸)の要素がある。以下、平面構造、上下方向構造と記載する。
天板の湾曲と長手方向に配列された凸部列により、道路側から側溝に向けて勢いよく流れてくる雨水の勢力を弱めて流水口へ導くことにより蓋装置の雨水流入性を向上させている。流水性能について数値を挙げて比較するなどの具体的な記載はない。
蓋表面の上下方向構造は、凸部の最上面が直径5mmであり、凸部の高さは最上面が面一となるように前記天板部の湾曲に合わせて、側方から中央へ順次短くされている。凸部の種類としては一段のものと2段のものの2種が用いられている。
複数の流水口の構造については具体的な記載がないが、長さはほぼ同一で、幅に広狭がある。スリップ防止性能について具体的な数値を挙げて比較するなどの記載はない。
すなわち、この雨水枡蓋では、蓋表面の平面構造として、1個の蓋の格子部分を車道側の第1流入口と歩道側の第2流入口とに分割し、第1流入口は車道通行方向と平行な複数の第1グリッドで構成し、第2流入口は車道通行方向と斜めに交差する複数の第2グリッドで構成したパターンとしている。上下方向構造としては第1、第2グリッドの上面に突起円錐台形状の突起(16)が、等間隔で一様に配置されている。
蓋表面の水は、排水路網を通じて排水孔へ誘導されることで、排水が促進される。この結果、蓋表面の水はけが向上すると記載されている。
実施例では蓋本体が円形であり、前記の排水孔や凹部は円の中心に向かって小さくされながら、半径方向に一列に配列され、全体として放射状の配置となっている。排水孔の大きさや数あるいは間隔について格別な記載はない。
この鉄蓋は中央が高く周囲が低い緩やかな凸面となっており、その表面に多数の凸模様が整列して形成されている。蓋表面の平面構造は、多数の凸模様が整列して一様に配置されたパターンである。凸模様の配置間隔などに数値などの具体的ない説明はない。
上下方向構造としては、前記の凸模様は中央部が一番高く、外周に向かって段階的に低く形成されている。なお、実施例では、凸模様の高さを蓋の半径方向で3分割し、中央部から段階的に高さを低くしている。
この構造により、蓋表面を清浄に維持でき、車両通過時の衝撃を抑え、また、スリップを防止できるとしている。
雨水用ではないので排水口は形成されていない。この蓋は蓋本体表面に多数の独立した凸部を有する。平面構造は、前記の凸部が一様に等間隔で配置され、その間隔寸法を10〜30mm、凸部最上面は直径25mmの円に含まれる大きさ(面積)としたパターンである。また、上下方向構造は、凸部の高さ寸法として1〜6mmが好ましいとされ、2段構造、3段構造のものが提案されている。
凸部の前記間隔寸法10〜30mm、凸部の最上面の大きさを直径25mmの円に含まれる大きさにするとの事項は、車両のタイヤと前記の蓋との摩擦抵抗を0.45(雨でぬれた路面の摩擦抵抗)以上とするべく、車両のタイヤが蓋を通過する際の係合点(凸部)の数とタイヤを十分に変形させて係合力を得るための構造に関する知見であると記載されている。凸部の高さ6mm以下との事項はスリップ防止の効果と折損防止の観点から定められている。
その他、特許文献7の地下構造物用蓋は雨水用ではないが、蓋の表面にそれぞれに突起の高さが異なる中央突起群、中間突起群及び外周突起群を同心円状に配置した構成を記載ており、また、特許文献8は、蓋の表面に高さの異なる多数の突部を一様に分散配置した地下構造物の蓋を開示している。
また、地下集水空間の開口部蓋としては、従来、ほとんどが金属格子状(グレーチング)であるため、特に雨の日に直線状のリブに沿って走行したり、歩行したりすると蓋の上面で滑りやすく、危険な面がある。
この発明は、地下集水空間の開口部蓋のスリップ防止構造であって、どのような場合にもスリップ防止効果が高く、種々の用途に共通して使用できる構造の提供を課題とする。
前記リブ上面の前記凸部箇所を除くリブ露出面合計の面積Aと、排水口の合計開口面積Bに前記リブ上面に前記凸部が占める面積の合計Cとの合計Dとを、ほぼ50%ずつとし、前記のリブ露出面に、凸部よりも低い係合機能部を一様に配置する。
前記凸部は高さを4〜6mmのいずれかの所定値、底部直径は5〜9mmのいずれかの所定値、前記係合機能部は高さが1〜3mmまたは深さが1〜3mm程度の溝などとすることがある。
前記凸部の間隔は40〜50mmのいずれかの所定値として一様に配置することが好ましい。
開口部蓋が円形の場合には、前記複数の排水口を複数個が同心円に沿って位置する配置にして一様な配置とすることがある。
開口部蓋が矩形な場合には、前記複数の排水口を複数個が前記矩形を形成する一つの辺と平行に一列に位置させる配置にして一様な配置とすることがある。
前記のリブ露出面に配置される係合機能部を、開口部蓋の表面全体として一まとまりのパターンに認識できる溝によって形成されることがある。
一様に配置する凸部の間隔を40〜50mmに定めることで、乗用車のタイヤはもちろんバイク、自転車などのタイヤとの接触・係合及び紳士靴底との接触・係合を良好に維持し、いずれの場合も、これらと蓋表面との間のスリップを防止でき、汎用性が高い地上開口部における蓋の蓋表面スリップ防止構造を得られる。ハイヒールの場合は、逆に係合部避けてリブ露出面上にヒールの立つことが多く、蓋の上面にヒールが挟まって躓くなどのことがなく、開口部蓋上を歩くときの危険が少ない。
開口部蓋が円形の場合に複数の排水口が同心円に沿って配置されることにより、前記凸部も同心円に沿って配置され、一様となるので、タイヤや靴底が開口部蓋をどの方向に移動しても摩擦係数は変わらず、安定して蓋上面でのスリップが防止される。
開口部蓋が矩形の場合は、排水口の一列方向に沿って多少の方向性が出るものの、円形の場合とほぼ同様の効果である。
リブ露出面に開口部蓋の表面全体として一まとまりのパターンに認識できる溝が形成されていることにより、開口部蓋のデザインが改善される。また、リブ露出面の溝はリブ露出面を粗面とし、スリップ防止に有効である。
図1は、地下集水空間の開口部を閉じる開口部蓋1であり、平面形状が矩形をした雨水用マンホールに使用するものである。
全体として平らな鋳鉄製であり、表面(上面)に複数の排水口2を設ける。排水口2の相互間および排水口2と蓋外周縁との間がリブ3となる。リブ3上面には、複数の凸部4(4a、4b)が配置される。前記排水口2と前記のリブ3及び前記の凸部4は開口部蓋1の上面へ、それぞれが等間隔で面上のどの部分でも乱れることなく、統一されて配置されている。すなわち、これらは開口部蓋1の上面で一様に配置されている。
そして、前記リブ3上面の前記凸部4箇所を除く部分(リブ露出面)の合計面積Aと、排水口2の合計開口面積Bに前記リブ上面に前記凸部4が占める面積(平面投影面積)の合計Cとの合計Dとを、ほぼ50%ずつとする。
前記凸部4は高さが、この実施例において図4(イ)、(ロ)に示すように、4.5mmと6mmの2種である。また、底部直径は5.4mmと8.1mmである。そして、凸部4の相互間は25mmである。なお、凸部4の高さは4〜6mmのいずれかの所定値でよく、底部直径は5〜9mmのいずれかの所定値でよく、さらに、凸部4の相互間隔は20〜30mmのいずれかの所定値でよく、一様に配置されればよい。
開口部蓋1の裏面は図2のように、リブ梁5(5a,5b)が格子状に構成されている。リブ梁5は、開口部蓋1の裏面側へ垂直に延在した幅広部分を有する。
図11は、開口部蓋1が円形の場合である。この場合、前記複数の排水口2は、複数個が同心円に沿って位置した排水口列7となる。また、これに応じて凸部4も同様に同心円に沿った凸部列6となる。排水口列7と凸部4の間隔などは基本的に前記の実施例1の場合と同様である。なお、前記の同心円は開口部蓋1の中心に向かうにしたがって、半径が小さくなるので、これに応じて各排水口2の長さ(円弧)が小さく、また、前記凸部4の間隔が小さくなる変化がある。しかし、複数の排水口2と凸部4が同心円に、かつ、これらが半径方向で交互に配置されているので、その変化は一様であり、このような配置もまた本願でいう一様な配置である。
なお、図11,図12の開口部蓋1は親蓋10と子蓋11とからなる親子蓋であり、子蓋11が親蓋10と同心に配置されている。子蓋11を親蓋10の中心から偏心させて設けることもある。
図13は、シティサイクルの接地面と前記開口部蓋1のスリップ防止状況を示したものであり、実施例1の図5、6と同様の状況となっているが、シティサイクルが種々な方向に走行する場合を想定している。図に示すように、どの方向に走行しても複数の凸部4と複数の排水口2がその幅内に存在するので、タイヤと開口部蓋1との間で充分な摩擦抵抗0.45以上を得られる。
このように、開口部蓋1が円形であると走行の方向によって摩擦抵抗が大きく変わらない特徴がある。この特徴は、開口部蓋1の上面を通過するものの方向が定まっていない広場などの開口部蓋1に有効である。
ハッチングを施した丸印は、ハイヒールにおけるヒール8の接地面であり、排水口2の大きさと配列及び凸部4の大きさと配列との関係を示したものである。ヒール8は、排水口2に嵌ったり、凸部4に乗り上げたりすることなく通過できる可能性の高いことがわかる。一方、自動車、バイク、シティサイクルのタイヤなど、あるいは紳士靴の靴底との関係ではそれぞれ複数の凸部4と排水口2が関与して充分な摩擦抵抗が得られ、スリップの危険がない。
図14において、符号12は大凸部であって、図10の(ホ)あるいは(へ)である。裏面側にリブ梁5が存在するリブ3上に配置して、さらに摩擦抵抗を強化する目的で使用するものである。
図15は、円形の開口部蓋1の前記リブ露出面に、凸部4よりも低い係合機能部12を一様に配置した構造を部分的に示したものである。
前記係合機能部12は、この例では向かい合った半円形の筋状であり、高さが1〜3mmで、図16のように、上方へ凸に湾曲したり、下方へ凹に湾曲して形成されている。このような形態の係合機能部12が開口部蓋1の上面全体に偏ることなく一様に形成されている。なお、この例の筋状係合機能部12は、図17のように、リブ梁5と同じ深さまで裏面側に延長した補強構造とすることがある。
なお、係合機能部12は、前記のリブ露出面へリレーフ状に形成されることもあれば、リブ露出面に深さが1〜3mm程度の溝で形成する繰り返しパターンなどであってもよい(図18)。係合機能部12のパターンは例えば動植物をモチーフにしたものにすると開口部蓋1のデザイン性を向上させることができる。
係合機能部12は、低い凹凸の構造や溝であるとしてもその縁部はタイヤなどとの係合部となり、蓋部上面の摩擦抵抗を向上させるのに効果がある。一方、係合機能部12の高さは小さいので、この部分にハイヒールのヒール部分が乗っても、危険を感じるほどの違和感は生じない。
2 排水口
3 リブ
4(4a、4b) 凸部
5 リブ梁
6 凸部列
7 排水口列
8 ハイヒールのヒール
9 摩耗標示部
10 親蓋
11 子蓋
12 係合機能部
Claims (5)
- 地下集水空間の開口部蓋のスリップ防止構造であって、開口部蓋の上面に複数の排水口を設けて排水口相互間及び排水口と蓋外周縁との間をリブとし、リブ上面に複数の凸部を配置して排水口と前記のリブ及び前記の凸部とを開口部蓋の上面へ一様に配置してあり、前記リブ上面の前記凸部箇所を除くリブ露出面合計の面積Aと、排水口の合計開口面積Bに前記リブ上面に前記凸部が占める面積の合計Cとの合計Dとを、ほぼ50%ずつとし、前記のリブ露出面に、凸部よりも低い係合機能部を一様に配置してあることを特徴とした開口部蓋のスリップ防止構造。
- 請求項1に記載した開口部蓋のスリップ防止構造であって、前記凸部は高さが4〜6mmのいずれかの所定値、底部直径が5〜9mmのいずれかの所定値、前記係合機能部は高さが1〜3mmであり、前記凸部の間隔は40〜50mmのいずれかの所定値として一様に配置されていることを特徴とする開口部蓋のスリップ防止構造。
- 請求項1に記載した開口部蓋のスリップ防止構造であって、開口部蓋は円形であり、前記複数の排水口は、複数個が同心円に沿って配置されることにより前記一様に配置されていることを特徴とした開口部蓋のスリップ防止構造。
- 請求項1に記載した開口部蓋のスリップ防止構造であって、開口部蓋は矩形であり、前記複数の排水口は、複数個が前記矩形を形成する一つの辺と平行に一列に配置されることにより前記一様に配置されていることを特徴とした開口部蓋のスリップ防止構造。
- 請求項1に記載した開口部蓋のスリップ防止構造であって、前記のリブ露出面に配置される係合機能部が開口部蓋の表面全体として一まとまりのパターンに認識できる溝によって形成されていることを特徴とした開口部蓋のスリップ防止構造。
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