JP2015226479A - ドラグ装置、これを備える魚釣用リール及びドラグ装置用ユニット - Google Patents

ドラグ装置、これを備える魚釣用リール及びドラグ装置用ユニット Download PDF

Info

Publication number
JP2015226479A
JP2015226479A JP2014112689A JP2014112689A JP2015226479A JP 2015226479 A JP2015226479 A JP 2015226479A JP 2014112689 A JP2014112689 A JP 2014112689A JP 2014112689 A JP2014112689 A JP 2014112689A JP 2015226479 A JP2015226479 A JP 2015226479A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotation
drag device
drag
force
spool
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014112689A
Other languages
English (en)
Inventor
悠 安田
Hisashi Yasuda
悠 安田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Globeride Inc
Original Assignee
Globeride Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Globeride Inc filed Critical Globeride Inc
Priority to JP2014112689A priority Critical patent/JP2015226479A/ja
Publication of JP2015226479A publication Critical patent/JP2015226479A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】 魚釣用リールにおいて、部品点数の増大を抑えつつ、ドラグ力の大きさをより容易に視認できるようにする。
【解決手段】 一実施形態におけるドラグ装置は、スプールに回転を伝える伝達ギヤに接する摩擦部材と、この摩擦部材を押圧する押圧部材と、この押圧部材に対して付勢力を作用させる付勢部材と、この付勢部材の付勢力を調節するナット(調節部材)と、このナットの外側に設けられたハンドルと、このハンドルに設けられた指標部材とを備え、この指標部材が、ナットと連結されたカム機構によってナットの回転に応じてハンドルアームの長手方向に移動し、ドラグ力(制動力)に対応するハンドルアーム上の位置に停止する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ドラグ装置、これを備える魚釣用リール及びドラグ装置用ユニットに関し、詳しくは、ハンドルアームを有する魚釣用リールのスプールの回転を制動するドラグ装置、これを備える魚釣用リール及びこうしたドラグ装置に用いられるドラグ装置用ユニットに関する。
従来より、魚釣用リールには、巻き取る釣糸に過大な張力がかかった際に、釣糸の破断を避けるためにスプールを空転させるドラグ機構が設けられている。こうしたドラグ機構においては、一般に、スプールの空転の始まる閾値となる張力(ドラグ力)を調節することが可能となっている。操作者は、例えば、巻回する釣糸の太さを変更した際や、釣糸にかかる張力と釣糸の引き出し量との関係を変更したい際などにドラグ力を調節する。調節したドラグ力の大きさを操作者が確認できれば便利である。このようなドラグ力の大きさを操作者に提示する機構の開示例がある。例えば、特許文献1には、ドラグ力を調節する操作具に、この操作具の回転量に応じて間欠的に回転する指針を有する表示機構を設けたものが開示されている。
実開平3−114963
しかしながら、特許文献1に開示されている装置では、ドラグ力の表示機構を操作具に設けているが、操作具が最も外側に配置されていない場合には、最も外側に配置されている他の部材がドラグ力の視認性を阻害してしまう。特に、両軸受リールでは、ドラグ力を調節する部材の外側にハンドルが設けられていることが多く、ドラグ力の表示機構を操作具に設けても、このハンドルがドラグ力の視認性を阻害してしまう。ドラグ力の表示機構をリール本体に設けると、両軸受リール等で多用されるドラグ装置では、ドラグ力を調節する操作具がリール本体に対してハンドルの回転とともに回転するので、表示機構が複雑化し、部品点数の増大を招いてしまう。
本発明の実施形態は、魚釣用リールにおいて、部品点数の増大を抑えつつ、ドラグ力の大きさをより容易に視認できるようにすることを目的の一つとする。本発明の実施形態の他の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。
本発明の一実施形態に係るドラグ装置は、ハンドルアームを有する魚釣用リールのスプールの回転を制動するドラグ装置であって、操作者による操作に応じて回転することにより、前記スプールに対する制動力を調節する調節部材と、前記ハンドルアームに対して移動可能に支持される指標部材と、前記調節部材の回転を前記指標部材の移動に変換する移動変換手段と、を備える。
この一実施形態に係るドラグ装置において、変位量に応じて前記制動力に対応する付勢力を生じる付勢部材を更に備え、前記調節部材は、回転に応じて回転軸方向に移動することによって、前記付勢部材の前記変位量を調節する態様とすることもできる。
本発明の一実施形態に係る魚釣用リールは、上述した本発明の一実施形態に係るドラグ装置を備える。
本発明の一実施形態に係るドラグ装置用ユニットは、ハンドルアームを有する魚釣用リールのスプールの回転を制動するドラグ装置であって、操作者による操作に応じて回転することにより、前記スプールに対する制動力を調節する調節部材と、前記ハンドルアームに対して移動可能に支持される指標部材と、前記調節部材の回転を前記指標部材の移動に変換する移動変換手段と、を備える。
本発明の様々な実施形態によって、魚釣用リールにおいて、部品点数の増大を抑えつつ、ドラグ力の大きさをより容易に視認できるようになる。
一実施形態に係るドラグ装置100を有する両軸受リール10の分解斜視図。 図1とは反対側から見た分解斜視図。 両軸受リール10の断面図。 ドラグ装置100が制動力(ドラグ力)を表示する様子を説明するための図。
以下、本発明の様々な実施形態を適宜図面を参照して説明する。なお、図面における共通する構成要素には同一の参照符号が付されている。
本発明の一実施形態に係るドラグ装置100は、魚釣用リール(例えば、両軸受リール)に用いられ、当該リールのスプールの回転を制動するものである。図1は、一実施形態のドラグ装置100を備える両軸受リール10の分解斜視図であり、図2は、図1とは反対側から見た分解斜視図である。
一実施形態における両軸受リール10は、図1及び図2に示すように、リール本体101と、このリール本体101の内側に回転可能に軸支され釣糸が巻回されるスプール102と、リール本体101の一方の側部において回転可能に軸支される入力軸103と、この入力軸103の外周に回転可能に設けられた伝達ギヤ104と、この伝達ギヤ104の外側(リール本体101の方向と反対側)に接する摩擦部材105と、この摩擦部材105をリール本体101の方向に押圧する押圧部材106と、この押圧部材106に対して付勢力を作用させる付勢部材107と、この付勢部材107の付勢力を調節するナット(調節部材)108と、このナット108の外側(リール本体101の方向と反対側)に設けられたハンドル109と、このハンドル109に設けられた指標部材110とを備える。こうした両軸受リール10を構成する各構成部材のうち、摩擦部材105、押圧部材106、付勢部材107、ナット108、及び、指標部材110が、本発明の一実施形態に係るドラグ装置100を構成する部材である。なお、本明細書において、単に軸方向、周方向、径方向、及び回転方向と言う場合、入力軸103を基準とした方向を意味し、単に内側及び外側と言う場合、それぞれリール本体101側及びハンドル109側を意味する。
一実施形態におけるリール本体101は、スプール102を回転可能に軸支する本体部1011と、サイドプレート1012とを有し、この本体部1011とサイドプレート1012との間に、入力軸103、伝達ギヤ104、摩擦部材105、及び押圧部材106を収容する。また、本体部1011の外側側面には、スプール102の外側端部に設けられたピニオンギヤ1021が回転可能に露出している。
一実施形態における入力軸103は、略円柱形状を有する回転体であり、図示するように、外周面に配置される伝達ギヤ104を回転可能に支持するギヤ支持部1031と、断面がD型のDカット形状を有する回転防止部1032と、この回転防止部1032よりも小径の略四角柱形状を有しハンドル109を固定するためのハンドル固定部1034と、を有する。ここで、回転防止部1032の外周面の一部には、後述するナット108をねじ係合するためのおねじが形成されている。また、入力軸103は、例えば公知のワンウェイクラッチ機構を設けることによって、釣糸を巻き取る方向にのみ回転可能となるように構成することもできる。後述するように、入力軸103及びスプール102は一体に回転するから、ワンウェイクラッチ機構等を設けることによって、意図せずに釣糸の繰り出し(引き出し)方向にスプール102が回転することを防止することができ、この結果、釣糸の絡みの発生を抑制することができる。
一実施形態における伝達ギヤ104は、略円環形状を有する回転体であり、図示するように、外周面に設けられた外歯車1041と、内周面に設けられた軸受穴1042と、ハンドル109の方向に開口する凹部1043と、を有する。軸受穴1042が入力軸103のギヤ支持部1031に嵌め合わされることにより、伝達ギヤ104は、入力軸103に対して回転可能に軸支されている。また、外歯車1041は、リール本体101から露出するスプール102のピニオンギヤ1021に係合し、これにより、伝達ギヤ104及びスプール102は一体に回転する。
一実施形態における摩擦部材105は、略円環形状を有し、伝達ギヤ104の凹部1043に接するように配置されている。この摩擦部材105は、後述する付勢部材107によって生じる付勢力を伝達ギヤ104に対して作用させ、この結果、伝達ギヤ104との間に摩擦力を生じる。ここで、摩擦部材105は、比較的高い摩擦係数を有すること、摩耗力の変化に対して摩擦係数の変化が少ないこと、及び、動摩擦係数と静止摩擦係数との差が小さいこと等の特性を有することが望ましい。また、一実施形態において、複数の摩擦部材105を備えることもできる。この場合、伝達ギヤ104と回転不可能に構成されたワッシャ(不図示)と、入力軸103と回転不可能に構成されたワッシャ(不図示)とを交互に重畳させ、その間にそれぞれ摩擦部材105を挟み込むような構成とすることもできる。これにより、複数の摩擦部材105とワッシャとの間に生じる摩擦力により伝達ギヤ104を制動することができるので、摩擦部材105が1枚の場合よりも大きな摩擦力を伝達ギヤ104に作用させることができる。
一実施形態における押圧部材106は、軸方向断面が略T字形状を有する回転体であり、リール本体101側に設けられ略円環形状を有する底部1061と、略円筒形状を有しハンドル109側に延びる円筒部1062と、を有する。底部1061の底面は摩擦部材105と接している。また、円筒部1062は、リール本体101のサイドプレート1012に設けられた穴部を介して外側に露出し、その先端が後述する付勢部材107と接している。押圧部材106の内周面は、断面がD型のDカット形状を有しており、上述した入力軸103の回転防止部1032に嵌め合わせられる。この結果、押圧部材106は、入力軸103に対して回転不可能、且つ、軸方向に移動可能となる。
一実施形態における付勢部材107は、薄板ばねとして構成され、具体的には、2つの皿ばねが、その凹部を有する面同士を対向させるように配置されている。この一実施形態における付勢部材107は、変位量(圧縮量)に対して付勢力が線形に増加する線形ばねである。ここで、付勢部材107は、付勢力を生じ得る様々な形状のばね、又は、その他の部材によって構成され得る。
一実施形態におけるナット108は、径方向中央の円筒部から径方向外側に5つの突出部を有する略星型形状を有し、この5つの突出部から成る操作部1081と、円筒部の内周面に設けられためねじ部1082と、円筒部のハンドル109側の面に設けられたカム溝1083と、を有する。ナット108は、こうした略星型形状を有することにより、操作者による回転操作を受け入れ易くなっている。めねじ部1082は、入力軸103の回転防止部1032の外周面の一部に設けられたおねじに螺合し、これにより、ナット108は、操作者による回転操作に応じた軸方向の位置で入力軸103に対して固定され、押圧部材106との間で付勢部材107を圧縮する。
ここで、一実施形態におけるカム溝1083は、渦巻形状を有する溝として構成されており、この渦巻形状は、溝の始点(中心)から終点に進むに従って(ナット108の回転量に応じて)中心からの径方向距離が大きくなる。このカム溝1083の渦巻形状は、所謂「アルキメデスの螺旋」と呼ばれる形状となっており、ナット108の中心から溝までの径方向距離をf、溝に沿った移動距離(ナット108の回転量)をnとすると、f=αn(αは比例定数)という関係が成立する。
また、ナット108の円筒部の外周面のハンドル109側(操作部1081よりも外側)には、補助目盛1084が設けられている。この補助目盛1084は、一定間隔(角度)毎(例えば30°毎)に設けられており、これにより、操作者は、ナット108の回転量(回転角度・位置)を視認し易くなる。
一実施形態におけるハンドル109は、両軸受リール10の最外側に設けられ、径方向に延びる略平板形状を有するハンドルアーム1091と、このハンドルアーム1091の径方向外側端部に設けられた操作ノブ1092と、を有する。ハンドルアーム1091は、径方向内側端部に設けられた矩形状の固定穴1093と、リール本体101側の面において長手方向に延びる直線状に設けられた案内溝1094と、径方向内側端部の側面に設けられた補助目盛1095と、を有する。固定穴1093には、上述した入力軸103のハンドル固定部1034が挿入されてナット等によって固定され、これにより、ハンドル109は入力軸103に対して固定される。また、補助目盛1095は、一定間隔毎(例えば2mm毎)に設けられており、これにより、操作者は、後述する指標部材110のハンドルアーム1091上の位置を視認し易くなる。
一実施形態における指標部材110は、略角筒状の形状を有し、リール本体101側の内壁に設けられた2つの案内ダボ1101と、リール本体101側の外壁に設けられたカムフォロワ1102と、を有する。この指標部材110は、ハンドルアーム1091の外周を囲むように設けられ、また、案内ダボ1101は、ハンドルアーム1091の案内溝1094に係合している。この結果、案内ダボ1101が案内溝1094に案内され、指標部材110は、ハンドルアーム1091の長手方向に直線運動可能に支持されている。また、カムフォロア1102は、ナット108のカム溝1083に係合している。
このような構成を有する両軸受リール10は、操作者がハンドル109を回転操作するると、ハンドル109が固定されている入力軸103が回転する。そして、入力軸103に回り止め固定されている押圧部材106は、付勢部材107の付勢力によって摩擦部材105を伝達ギヤ104に押圧しているから、摩擦部材105と伝達ギヤ104との間に生じる摩擦力の作用によって伝達ギヤ104が回転し、ピニオンギヤ1021を介してスプール102も回転する。このように、操作者は、ハンドル109の回転操作によって、スプール102を回転させて釣糸を巻き取ることができる。
次に、こうして構成されたドラグ装置100の動作について説明する。まず、スプール102の回転を制動する動作について説明し、次に、制動力(ドラグ力)を表示する動作について説明する。
一実施形態におけるドラグ装置100が有するドラグ機構は、上述したように、入力軸103に回り止め固定されている押圧部材106が、付勢部材107の付勢力に応じて摩擦部材105を伝達ギヤ104に押圧し、摩擦部材105と伝達ギヤ104との間で生じる摩擦力によって伝達ギヤ104の回転を制動し、この伝達ギヤ104の外歯車1041とピニオンギヤ1021が係合しているスプール102の回転を制動する、というものである。ここで、この実施形態におけるドラグ装置100では、スプール102に入力軸103の回転を伝達する伝達ギヤ104の回転を制動するように構成しているが、スプール102の回転を直接制動するように構成することもでき、また、スプール102に回転を伝達する伝達ギヤ104以外のその他の伝達機構の回転を制動するように構成することもできる。
こうしたドラグ機構を備える一実施形態のドラグ装置100において、スプール102に巻回された釣糸に働く張力Tが比較的小さい間は、摩擦部材105から作用する静止摩擦力によって伝達ギヤ104(及びスプール102)は入力軸103に対して回転しない。そして、この張力Tが所定の閾値Tmax以上となった場合に、伝達ギヤ104が入力軸103に対して回転(空転)するようになる。このとき、伝達ギヤ104に対して動摩擦力が作用する。このようにして、一実施形態におけるドラグ装置100によって実現されるドラグ機構により、釣糸に所定の力(Tmaxの力)を超える力が作用しないようにすることができ、この結果、釣糸の切断を抑制することができる。
この制動力(所定の閾値Tmax)の調節は、ナット108を回転操作して入力軸103の軸方向に移動させ、これにより付勢部材107の変位量(圧縮量)を変更する(付勢力を変更する)ことによって実現される。この制動力の調節について図3を参照してさらに説明する。付勢部材107の変位量をx、付勢部材107のばね定数をk、摩擦部材105と伝達ギヤ104との間の摩擦係数をμとすると、摩擦部材105から伝達ギヤ104に作用する摩擦力Fは、クーロンの摩擦法則によれば、F=μkxとなる。また、摩擦部材105の等価摩擦直径の1/2に相当する径(等価摩擦半径)をR1、伝達ギヤ104のピッチ円半径をR2、ピニオンギヤ1021のピッチ円半径をR3、釣糸の巻き取り半径をR4とする(図3を参照)。なお、釣糸の巻き取り半径R4は、スプール102の軸芯からスプール102に巻かれた釣糸の表面までの距離を意味する。そうすると、伝達ギヤ104を介してスプール102(ピニオンギヤ1021)に作用する力Gは、G=μkx・R1/R2となる。そして、この力GよりもT・R4/R3によって表される力が大きくなると、伝達ギヤ104が入力軸103に対して回転(空転)を始めることになる。したがって、空転を始める閾値となる張力Tmaxに関し、μkx・R1/R2=Tmax・R4/R3という関係が成立するから、Tmax=(μkx・R1・R3)/(R2・R4)と表すことができる。このように、Tmaxは、付勢部材107の変位量xに比例するから、ナット108の軸方向への移動によって変位量xを変更することにより、スプール102(伝達ギヤ104)が入力軸103に対して回転を始める張力Tmaxを調節することができる。
次に、一実施形態のドラグ装置100が制動力(ドラグ力)を表示する動作について説明する。上述したように、制動力の調節は、操作者がナット108を回転操作することによって行われる。一実施形態では、このナット108の回転を、カム溝1083及びカムフォロワ1102とによって構成されるカム機構(移動変換手段)の作用により、指標部材110の直線運動に変換する。即ち、ナット108の回転に応じて指標部材110のカムフォロワ1102が渦巻形状のカム溝1083を追従し、この結果、指標部材110は、ハンドルアーム1091の案内溝1094に沿って移動(直線運動)する。このように、一実施形態では、カム溝1083とカムフォロワ1102によって構成されるカム機構で、ナット108の回転を指標部材110の移動に変換する変換手段を構成している。上述したように、一実施形態におけるカム溝1083は、f=αnと表される渦巻形状を有しているので、ナット108を1回転させる毎に指標部材110は径方向(ハンドルアーム1091の長手方向)にα移動することになる。図4は、ドラグ装置100が制動力を表示する様子を説明するための図である。図4(B)は図4(A)の状態からナット108を720°回転させたとき(2回転させたとき)のナット108と指標部材110との位置関係を示す。図示するように、指標部材110は、ナット108の回転量に応じた位置(図中、左方向に2α移動した位置)までハンドルアーム1091の長手方向に沿って移動して停止している。ここで、ナット108の回転量と制動力(付勢部材107の付勢力)とは対応している(比例関係にある)ため、操作者は、指標部材110のハンドルアーム1091上の位置によって制動力の大きさを認識することができる。
また、操作者は、ハンドルアーム1091上の指標部材110の位置に加え、ナット108に設けられた補助目盛1084によってナット108の回転角度・位置を確認することもできる。例えば、ナット108の1回転未満の回転により制動力を調節する場合、ハンドルアーム1091上の指標部材110の位置に加え、ナット108の回転角度・位置を確認するのが便利である。
以上説明した一実施形態におけるドラグ装置100では、操作者による操作に応じて回転することによりスプール102(伝達ギヤ104)に対する制動力を調節するナット(調節部材)108と、ハンドルアーム1091に設けられ、ナット108の回転に応じてハンドルアーム1091の長手方向に移動し、制動力に対応するハンドルアーム1091上の位置に停止する指標部材101と、を備える。従って、操作者は、指標部材101のハンドルアーム1091上の位置により制動力を認識することができる。ここで、一般に、魚釣用リールのハンドルアームは操作者から視認し易い位置に設けられているから、ハンドルアームに設けられた指標部材は、操作者によって視認し易い。また、指標部材101をハンドルアーム1091に設けることにより、ハンドル109の回転位置にかかわらず、操作者は、指標部材101を容易に視認することができる。
また、一実施形態におけるドラグ装置100は、ナット108とカム機構を介して連結された指標部材101をハンドルアーム1091に設けることによってドラグ力を表示する。従って、ドラグ力を表示する機構を有しないドラグ装置と比較して、新たに必要な部品は指標部材101のみである。このように、一実施形態のドラグ装置100は、部品数の増大を抑制しつつ、ドラグ力を表示する機構を簡易に実現することができる。
一実施形態におけるドラグ装置では、釣糸に働く張力Tが閾値Tmaxを超えたときには、スプール102は入力軸103に対して空転する。したがって、この閾値Tmaxを調整するには、上述のようにナット108を入力軸103に対して回転させる構成が望ましい。この構成では、入力軸103に螺合されたナット108は、ハンドル操作とともにリール本体に対して回転する。
上述した本発明の一実施形態では、指標部材110をハンドルアーム1091に対して移動可能に支持している。このため、ナット108と指標部材110の位置関係は、ハンドル操作によって変化することは無いため、リール本体などに指標部材を設ける場合に比べて、簡単な構成でナット108の回転を指標部材の移動に変換する機構を実現できる。これにより、部品点数の増大を抑えることができる。
上述した実施形態では、移動変換手段としてナット108に設けられたカム溝1083と、指標部材110に設けたカムフォロワ1102によって構成されるカム機構を例示したが、本発明の実施形態は、こうした構成に限定されない。例えば、移動変換手段としてラックアンドピニオン機構を用いても良い。この場合は、指標部材にラック歯車を設け、このラック歯車と噛み合うピニオン歯車を、ナット108の回転に応じて回転させれば良い。
上述した実施形態では、圧縮に応じて付勢力を生じる薄板ばね(圧縮ばね)を付勢部材として用いたが、引張りに応じて付勢力を生じる引張りばね等の付勢部材を用いて本発明の一実施形態に係るドラグ装置を構成することも可能である。また、上述した実施形態では、変位量(圧縮量)に対して付勢力が線形に増加する線形ばねを例示したが、付勢力が非線形に増加する付勢部材を用いることも可能である。この場合、非線形に増加する付勢力に対応する位置に指標部材が移動するようにカム溝の形状を設定すれば良い。
上述した実施形態では、摩擦部材105と伝達ギヤ104との間に作用する摩擦力によって伝達ギヤ104(スプール102)の回転を制動する構成のドラグ装置を例示したが、本発明の実施形態は、こうした構成に限定されない。例えば、摩擦力以外の制動力(例えば、流体の粘性又は電磁力を用いた制動力)によってスプールの回転を制動する構成とすることもできる。流体の粘性を用いた制動力を利用する構成としては、粘度を変更可能な粘性流体を、スプールに粘性力を与えられるように配置する構成を例示することができる。ここで、粘度を変更可能な粘性流体には、磁界の強さに応じて粘度の変わる磁性流体や、電界の強さに応じて粘度の変わる電気粘性流体などの機能性流体を挙げることができる。そして、ナット等の回転によって磁界の強さや電界の強さが変更されるように構成することで、スプールに対する制動力を調節することができる。ナット等の回転に応じて上記実施形態における指標部材110に相当する指標部材をハンドルアーム上で移動させる構成は、上記実施形態と同様である。また、電磁力を用いた制動力を利用する構成としては、例えば、スプール及びスプール軸の一方に電流を流すコイルを取り付け、他方に磁石を取り付ける構成を例示することができる。こうした構成によって、磁石とコイルの間に生じるローレンツ力をスプールに対する制動力として利用することができる。そしてナット等の回転によって磁石の磁力やコイルへの電流が変更されるように構成することで、スプールに対する制動力を調節することができる。ナット等の回転に応じて上記実施形態における指標部材110に相当する指標部材をハンドルアーム上で移動させる構成は、上記実施形態と同様である。
上述した実施形態では、ドラグ装置全体について述べたが、本発明はドラグ装置用ユニット単体の実施形態としても適用され、上述した実施形態におけるドラグ装置と同様の効果を実現できる。上述した実施形態の説明からも明らかなように、例えば、付勢部材107、ナット108、ハンドル109、及び指標部材110は、単一のユニット(ドラグ装置用ユニット)として構成することができ、このドラグ装置用ユニットは、本発明の一実施形態に含まれる。そして、このドラグ装置用ユニットを交換可能とすることによって、ドラグ力(制動力)を表示する機能の無いドラグ装置を本発明の実施形態に係るドラグ装置として機能させることができる。また、一実施形態において、ドラグ装置用ユニットは、必ずしも付勢部材107を備える必要はなく、この付勢部材107は、ドラグ装置本体側が備える構成とされ得る。
本発明の実施形態は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で様々な変更が可能である。例えば、上述した実施形態における各部材の、材質、形状、寸法、形態、数、又は配置等は適宜変更され得る。
10 両軸受リール
100 ドラグ装置
101 リール本体
102 スプール
103 入力軸
104 伝達ギヤ
105 摩擦部材
106 押圧部材
107 付勢部材
108 ナット(調節部材)
1083 カム溝
109 ハンドル
1091 ハンドルアーム
110 指標部材
1102 カムフォロワ

Claims (7)

  1. ハンドルアームを有する魚釣用リールのスプールの回転を制動するドラグ装置であって、
    操作者による操作に応じて回転することにより、前記スプールに対する制動力を調節する調節部材と、
    前記ハンドルアームに対して移動可能に支持される指標部材と、
    前記調節部材の回転を前記指標部材の移動に変換する移動変換手段と
    を備えるドラグ装置。
  2. 前記指標部材は、前記調節部材の回転に応じて前記ハンドルアームの長手方向に直線運動する請求項1に記載のドラグ装置。
  3. 前記移動変換手段は、前記調節部材と前記指標部材を連結するカム機構で構成される
    請求項1又は2に記載のドラグ装置。
  4. 前記カム機構は、前記調節部材の回転軸に略直交する当該調節部材の少なくとも一方の面に沿って設けられたカム溝と、当該カム溝を追従し前記指標部材に設けられたカムフォロワとによって構成され、当該カムフォロワは前記調節部材の回転軸からみて放射状に移動可能である請求項3に記載のドラグ装置。
  5. 請求項1ないし4いずれかに記載のドラグ装置であって、
    変位量に応じて前記制動力に対応する付勢力を生じる付勢部材を更に備え、
    前記調節部材は、回転に応じて回転軸方向に移動することによって、前記付勢部材の前記変位量を調節する、
    ドラグ装置。
  6. 請求項1ないし5いずれかに記載のドラグ装置を備える魚釣用リール。
  7. ハンドルアームを有する魚釣用リールのスプールの回転を制動するドラグ装置であって、
    操作者による操作に応じて回転することにより、前記スプールに対する制動力を調節する調節部材と、
    前記ハンドルアームに対して移動可能に支持される指標部材と、
    前記調節部材の回転を前記指標部材の移動に変換する移動変換手段と
    を備えるドラグ装置用ユニット。
JP2014112689A 2014-05-30 2014-05-30 ドラグ装置、これを備える魚釣用リール及びドラグ装置用ユニット Pending JP2015226479A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014112689A JP2015226479A (ja) 2014-05-30 2014-05-30 ドラグ装置、これを備える魚釣用リール及びドラグ装置用ユニット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014112689A JP2015226479A (ja) 2014-05-30 2014-05-30 ドラグ装置、これを備える魚釣用リール及びドラグ装置用ユニット

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015226479A true JP2015226479A (ja) 2015-12-17

Family

ID=54884449

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014112689A Pending JP2015226479A (ja) 2014-05-30 2014-05-30 ドラグ装置、これを備える魚釣用リール及びドラグ装置用ユニット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015226479A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108323485A (zh) * 2017-01-19 2018-07-27 株式会社岛野 卷线筒制动装置
JP2020000004A (ja) * 2018-06-25 2020-01-09 グローブライド株式会社 魚釣用リール及び制動力調節体
CN114097724A (zh) * 2020-08-27 2022-03-01 古洛布莱株式会社 钓鱼信息管理系统和处理方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108323485A (zh) * 2017-01-19 2018-07-27 株式会社岛野 卷线筒制动装置
CN108323485B (zh) * 2017-01-19 2021-07-16 株式会社岛野 卷线筒制动装置
JP2020000004A (ja) * 2018-06-25 2020-01-09 グローブライド株式会社 魚釣用リール及び制動力調節体
JP7010773B2 (ja) 2018-06-25 2022-01-26 グローブライド株式会社 魚釣用リール及び制動力調節体
CN114097724A (zh) * 2020-08-27 2022-03-01 古洛布莱株式会社 钓鱼信息管理系统和处理方法
CN114097724B (zh) * 2020-08-27 2024-06-07 古洛布莱株式会社 钓鱼信息管理系统和处理方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9861085B2 (en) Dual-bearing reel
JP2015226479A (ja) ドラグ装置、これを備える魚釣用リール及びドラグ装置用ユニット
US11261050B2 (en) Coating film transfer tool
US9485977B2 (en) Fishing spinning reel
US9473011B2 (en) Resistance generating device
JP2016077174A5 (ja)
MY172938A (en) Drag knob and fishing reel using the same
EP2594411A1 (en) Hub assembly with ratchet member movable in one direction
TW448034B (en) Brake for reel supported with bearings at both ends
JP2006238727A (ja) 魚釣用リ−ル
WO2022230224A1 (ja) 糸巻き装置、魚釣用リール及びウィンチ
JP6316029B2 (ja) ドラグ装置、これを備える魚釣用リール及びドラグ装置用ユニット
JP2016109281A (ja) ブレーキ装置
CN210312919U (zh) 平衡式张力装置
JP2021193892A5 (ja)
JP2011122626A (ja) トルク伝達装置
JP6538001B2 (ja) 魚釣用リール
CN111480626A (zh) 双轴承型卷线器
JP6223930B2 (ja) 磁性流体を用いたドラグ機構を有する魚釣用リール
JP7200457B1 (ja) 釣り用リール及び釣り用リールの往復移動機構
JP2015003822A (ja) 巻取軸
CN113197166B (zh) 一种渔轮以及渔轮控制方法
JP6182709B2 (ja) 軸力起因型トルク伝達装置
JP7120842B2 (ja) 魚釣用両軸リール
JP2024013105A (ja) 糸巻き装置、魚釣用リール及びウィンチ