JP2015226196A5 - - Google Patents

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光線式検知器の受光回路
本発明は、変調光を発する投光器と、この変調光を受ける受光器とで構成され、投光器から発せられる赤外線信号が人体等で遮光されたことを受光器で検知し警報出力する光線式検知器の受光回路に関するものである。
光線式検知器は、図1のように投光器から発せられる変調光を、受光器内のフォトダイオードやフォトトランジスタなどの受光素子で電気信号に変換し、コイルLとコンデンサCとで構成するLC並列共振回路を負荷として信号を抽出している(例えば、特許文献1参照)
LC並列共振回路の共振周波数を変調光の周波数に合わせておくと、識別しようとする変調光の周波数では負荷が大きくなり、電圧信号が大きく得られ、太陽光等の直流光や、識別しようとする赤外線変調光の周波数以外の周波数では負荷が小さくなり、電圧信号が小さくなるため、受光手段のS/Nを向上することができる。
特許第2883339号公報
光線式検知器のLC並列共振回路に使用するコイルは光線式検知器の用いる信号周波数帯が数十〜数百kHzであるため共振を利用した信号抽出を行うには数mHと大きいほうが望ましいが、高インダクタンスかつ狭許容差の固定コイルがほとんど存在しないため、可変コイルを用いてインダクタンスを調整し、共振周波数を変調光の周波数に合わせている。
しかし、可変コイルは、抵抗成分が大きくまた許容電流値が低いため、受光素子に太陽光などの強力な光が入射された場合に発生する電流で直流電圧値が上がったり可変コイルが磁気飽和したりと、求める共振回路の特性を維持できず正常な信号抽出ができなくなる問題があった。
また、最近は可変コイルの需要が激減し入手性が悪くなってきているという問題もあった。
本発明では、従来の可変コイルの代わりに狭許容差でない固定コイルを使用するために、LC並列共振回路のコンデンサは複数のコンデンサをスイッチ素子で選択できる構成とし、CPUからLC並列共振回路に対して信号を入力する。CPUは前記信号の周波数をスイープ制御し、かつLC並列共振回路の出力信号が最大となる周波数foを求め、この周波数foとLC並列共振回路のCの静電容量からLのインダクタンスを算出する。投光器から発せられる変調光と同じ周波数の共振周波数を有するLC並列共振回路になるように、算出したLのインダクタンスに合う静電容量にCを構成するコンデンサを組み合わせて選択し、抽出すべき信号の周波数を調整することができる受光回路とする。
本発明では、コイルの直流電流特性が向上するため太陽光などの強力な外乱光に対して耐性が向上する。また、固定コイルを用いるため、入手性の改善、コストの低減、コイル調整作業の削除となる。
LC並列共振回路を用いた一般的な受光回路を示した図である。 本発明の実施形態を示した図である。 本発明のコレクタ出力容量Cobの影響を低減する実施形態を示した図である。
図2は本発明の実施形態を示した図である。投光器から発せられる変調パルス光を、受光素子であるフォトダイオードPDで電気信号に変換し、コイルL1およびCPU1で選択された選択用トランジスタT1〜TnとコンデンサC1〜Cnとで構成されるLC並列共振回路にて、選択すべき周波数の電気信号を抽出する構成である。
L1は固定コイルであり、インダクタンスのばらつきが大きい。そのため、CPU1でL1の実際の値を算出し、選択すべき周波数の電気信号を抽出するためにコンデンサC1〜Cnのうちどのコンデンサを組み合わせればいいかを判断する。CPU1にコンデンサC1〜Cnのメーカー公称静電容量を記憶させておき、L1のインダクタンスを算出するときはこの値を用いる。
CPU1を入力ポートの設定により、通常運用モードから調整モードに変更する。調整モードになるとトランジスタT1〜Tnの全てをオンにし、コンデンサC1〜Cnの全てを選択する。その結果、固定コイルL1とコンデンサC1〜CnでLC並列共振回路を構成する。
CPU1からP点に抵抗R1を介して矩形波を注入し、矩形波の周波数をスイープさせる。抵抗R1はLC並列共振回路に影響を与えない抵抗値にすることが望ましい。固定コイルL1とコンデンサC1〜Cnで構成されるLC並列共振回路で出力される信号の振幅を直流変換回路2で直流電圧に変換し、その電圧をCPU1で監視する。CPU1内で監視している直流電圧が最大になったときの周波数foとコンデンサC1〜Cnの合計静電容量から下記数式1を用いてL1のインダクタンスを算出する。
Figure 2015226196
投光器から発せられる変調光の周波数と同じ周波数の共振周波数を有するLC並列共振回路になるように、算出した固定コイルL1のインダクタンスに合う静電容量にコンデンサC1〜Cnのうちどのコンデンサを組み合わせればいいかを算出し、CPU1内のメモリ、または外部メモリに記憶する。投光器から発せられる変調光の周波数の種類が複数ある場合は、その数だけコンデンサの組み合わせを算出し、CPU1内のメモリ、または外部メモリに記憶する。CPU1を入力ポートの設定により、調整モードから通常運用モードに変更すると、算出した組み合わせのコンデンサをコンデンサC1〜Cnの中から選択し、共振周波数が抽出すべき周波数であるLC並列共振回路を構成する。
図2には図示していないが、トランジスタには一般的にコレクタ出力容量Cobが存在する。図2の回路でトランジスタがオンの時はコレクタ出力容量Cobを無視することができるが、特に選択するコンデンサの静電容量が小さい場合、オフの時のコレクタ出力容量Cobを無視することができず、LC共振回路の特性に影響が出てしまう。
図3は本発明のコレクタ出力容量Cobの影響を低減する実施形態を示した図である。トランジスタTiのコレクタに抵抗R2を介して電圧をかける。こうすることによりトランジスタTiがオフの時、トランジスタTiのコレクタ−ベース間に電圧がかかり、コレクタ出力容量Cobが小さくなる。抵抗R2はLC並列共振回路に影響を与えない抵抗値にすることが望ましい。
図2で図3のようにトランジスタT1〜Tnのコレクタ−ベース間に電圧がかかるようにすれば、コレクタ出力容量Cobの影響が小さくなり、正確な周波数の信号を抽出することができるとともに、コンデンサC1〜Cnの静電容量を小さくすることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述の実施形態は例として提示したものであり、本発明の範囲は、これらに限定するものではなく、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲に含まれるものである。
PD・・・フォトダイオード
L・・・コイル
C・・・コンデンサ
L1・・・固定コイル
C1〜Cn、Ci・・・コンデンサ
T1〜Tn、Ti・・・トランジスタ
1・・・CPU
2・・・直流変換回路
Cob・・・コレクタ出力容量
R1、R2・・・抵抗
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