JP2015225068A - 渦電流探傷装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】被検査体における欠陥の誤検出を防止する渦電流探傷技術を提供する。【解決手段】渦電流探傷装置10は、クロスコイル21に入力させる第1周波数の励磁信号を送信する第1送信部11と、このクロスコイル21の第1応答信号を受信する第1受信部13と、パンケーキコイル22(22a,22b)に入力させる第2周波数の励磁信号を送信する第2送信部12と、パンケーキコイル22(22a,22b)の第2応答信号を受信する第2受信部14と、第1応答信号の第1強度P及び第1位相角θ並びに第2応答信号の第2強度Q及び第2位相角φを導出する導出部15と、導出されたこれら第1強度、第1位相角θ、第2強度Q及び第2位相角φを閾値16に照らし被検査体30における欠陥の存在を判定する判定部17と、を備えている。【選択図】 図1

Description

本発明の実施形態は、被検査体に存在するき裂等の欠陥を非破壊で検出する渦電流探傷技術に関する。
金属の表面近傍に存在するき裂等の欠陥の検出手段として渦電流探傷試験が利用される。この渦電流探傷試験は、交流電源に接続される励磁コイルから励磁磁場を被検査体に印加し、この被検査体表面に渦電流を発生させ、この渦電流に誘導された誘導磁場を検出コイルで検出する。
そして、コイルセンサを被検査体の表面に走査させ、この表面に存在する欠陥により変化する渦電流の分布を誘導磁場の変化として捉えることで、欠陥の検出が行われる。
この渦電流探傷試験装置は、励磁コイル及び検出コイルを一つのコイルセンサで構成する自己比較型と、それぞれ別々に構成する相互誘導型とがある。
このように渦電流探傷は電磁誘導を利用するため、コイルセンサを走査させる被検査体表面に導電率や透磁率の変化がある場合、存在しない欠陥を誤検出する可能性がある。
そこで、被検査体が強磁性体の場合は、コイルセンサの近傍に直流磁場を発生する磁石を設け、被検査体表面を強制的に磁化して透磁率の変化を抑制する技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
特許第4885068号公報
しかし、被検査体に直流磁場を付与する技術は、発生する磁気引力によりコイルセンサの走査性が低下し、特に表面形状に変化を有する対象への適用が困難になる。
本発明の実施形態はこのような事情を考慮してなされたもので、被検査体における欠陥の誤検出を防止する渦電流探傷技術を提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係る渦電流探傷装置は、被検査体に対向するセンジング面が十字交差するクロスコイルに入力させる第1周波数の励磁信号を送信する第1送信部と、前記第1周波数の励磁信号の入力に伴い被検査体に生成した第1渦電流による誘導磁場を検出した前記クロスコイルの第1応答信号を受信する第1受信部と、前記クロスコイルと同軸に環状配置されたパンケーキコイルに入力させる第2周波数の励磁信号を送信する第2送信部と、前記第2周波数の励磁信号の入力に伴い被検査体に生成した第2渦電流による誘導磁場を検出した前記パンケーキコイルの第2応答信号を受信する第2受信部と、前記第1応答信号の第1強度及び第1位相角並びに前記第2応答信号の第2強度及び第2位相角を導出する導出部と、導出された前記第1強度、前記第1位相角、前記第2強度及び前記第2位相角を閾値に照らし前記被検査体における欠陥の存在を判定する判定部と、を備えることを特徴とする。
本発明の実施形態により、被検査体における欠陥の誤検出を防止する渦電流探傷技術が提供される。
本発明の実施形態に係る渦電流探傷装置のブロック図。 実施形態に係る渦電流探傷装置に適用されるセンサユニットの斜視図。 (A)センサユニットの水平断面図、(B)センサユニットの縦断面図、(C)変形例に係るセンサユニットの水平断面図、(D)変形例に係るセンサユニットの縦断面図。 平面又は曲面を有する被検査体に存在する欠陥に対するクロスコイルの検出感度特性を示すグラフ。 (A)自己誘導型クロスコイルを含むセンサユニットの接続回路の概略図、(B)相互誘導型クロスコイルを含むセンサユニットの接続回路の概略図。 被検査体の表面を走査するクロスコイルの第1応答信号の強度(検出電圧)の変化を示すグラフ。 クロスコイルの位置に欠陥が存在したときの第1応答信号の位相角を示すグラフ。 被検査体の表面を走査するパンケーキコイルの第2応答信号の強度(検出電圧)の変化を示すグラフ。 パンケーキコイルの位置に錆が存在したときの第2応答信号の位相角を示すグラフ。 被検査体に存在する欠陥を検出したクロスコイルの第1応答信号より得られる極座標グラフ。 被検査体に存在する錆を検出したパンケーキコイルの第2応答信号より得られる極座標グラフ。 渦電流探傷装置に適用される判定部の動作を説明するフローチャート。 (A)平面を有する被検査体用途向けに複数のセンサユニットを配列させて構成したセンサアレイを示す斜視図、(B)曲面を有する被検査体用途向けのセンサアレイを示す斜視図。 センサアレイに配列されるセンサユニットの回転方向の配置の説明図。 (A)センサアレイに配列されるセンサユニットの水平断面図、(B)縦断面図。 センサアレイに配列されるセンサユニットのそれぞれに送信する励磁信号のタイミングを示す図。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に示すように実施形態に係る渦電流探傷装置10は、被検査体30に対向するセンジング面が十字交差するクロスコイル21に入力させる第1周波数の励磁信号を送信する第1送信部11と、この第1周波数の励磁信号の入力に伴い被検査体30に生成した第1渦電流による誘導磁場を検出したクロスコイル21の第1応答信号を受信する第1受信部13と、クロスコイル21と同軸に環状配置されたパンケーキコイル22(22a,22b)に入力させる第2周波数の励磁信号を送信する第2送信部12と、この第2周波数の励磁信号の入力に伴い被検査体30に生成した第2渦電流による誘導磁場を検出したパンケーキコイル22(22a,22b)の第2応答信号を受信する第2受信部14と、第1応答信号の第1強度P及び第1位相角θ並びに第2応答信号の第2強度Q及び第2位相角φを導出する導出部15と、導出されたこれら第1強度P、第1位相角θ、第2強度Q及び第2位相角φを閾値16に照らし被検査体30における欠陥の存在を判定する判定部17と、を備えている。
このように構成される渦電流探傷装置10は、金属等の導電性を有する構造材である被検査体30の欠陥検査に適用することができる。
被検査体30は、狭隘な形状、例えば、原子炉内構造物の溶接部、原子炉管台の管曲面部等を対象にすることができる。
図2はセンサユニット20の斜視図を示す、図3(A)はセンサユニット20の水平断面図、図3(B)センサユニット20の縦断面図を示している。
このようにセンサユニット20は、素線を巻回させた二つのコイルを二点で直角に交差させこの二つの交差点を結ぶ直線が回転対称軸になるように構成したクロスコイル21と、それぞれの交差点が中心となるようにかつ回転対称軸がクロスコイル21と一致するように環状配置されるパンケーキコイル22(22a,22b)とから構成されている。
クロスコイル21は、素線が一方向に巻回された帯状体を、さらに積層させた構成をとる。そして、これら二つのコイルが互いに交差する部分は、二つのコイルの帯状体が交互に積層した構成となっている。
実施形態においてクロスコイル21は欠陥検出用の主コイルとして、パンケーキコイル22は被検査体30の電磁気的性質の変化に依存したノイズ識別用の補助コイルとして機能する。
クロスコイル21及びパンケーキコイル22は、被検査体30上の同じ位置を同じタイミングで検出する必要があるため、互いに回転対称軸を共有するように構成されることが望まれる。
図3(C)、(D)は変形例に係るセンサユニットの水平断面図及び縦断面図を示している。このようにパンケーキコイル22は、クロスコイル21の上端と下端とを挟み込むように配置してもよい。
また、これまで説明した実施形態においてパンケーキコイル22(22a,22b)は、クロスコイル21の軸方向に二つ配置されるものを開示したが、配置される数に限定はない。パンケーキコイル22は、クロスコイル21の下側に一つのみ配置される場合もあるし、所定の間隔で三つ以上配置される場合もある。
図4のグラフは、平面又は曲面を有する被検査体30に存在する欠陥に対するクロスコイル21の検出感度特性を示している。
この図4に示すように、クロスコイル21は、被検査体30の表面が曲面形状を有する場合であっても、平面形状である場合と同じ欠陥検出感度を示す特性を有している。
図5に基づいて、センサユニット20の回路型式について説明する。
図5(A)はクロスコイル21が自己誘導型のものであり、図5(B)はクロスコイル21が相互誘導型のものであり、パンケーキコイル22はいずれも自己誘導型となっている。
このように、自己誘導型は、直列接続した二つのコイルに連結する一つの回路で、励磁と検出を実行するものである。これに対し相互誘導型は、二つのコイルがそれぞれ別々の回路を形成し、励磁と検出をそれぞれ別々のコイルで実行するものである。
なお、回路上に形成される第1送信部11、第2送信部12、第1受信部13及び第2受信部14の接続形式は例示であって、走査中のクロスコイル21及びパンケーキコイル22の各々のインピーダンス変化を検出することができるものであれば適宜採用される。
図1に戻って説明を続ける。
第1送信部11からクロスコイル21に送信される励磁信号の第1周波数と、第2送信部12からパンケーキコイル22(22a,22b)に送信される励磁信号の第2周波数とはそれぞれ異なるものである。
これら第1周波数と第2周波数の選び方としては、クロスコイル21の第1応答信号とパンケーキコイル22の第2応答信号との混信を防止するために、高調波成分を含まない組み合わせとする。
第1送信部11から第1周波数の励磁信号が送信されるとクロスコイル21に励磁磁場が生じ、被検査体30に第1周波数の渦電流が励起される。
そして、この渦電流により発生する第1周波数の誘導磁場がクロスコイル21に鎖交すると、このクロスコイル21に発生した第1周波数の誘導起電圧が第1応答信号として第1受信部13に受信される。
同様に第2送信部12から第2周波数の励磁信号が送信されるとパンケーキコイル22に励磁磁場が生じ、被検査体30に第2周波数の渦電流が励起される。
そして、この渦電流により発生する第2周波数の誘導磁場がパンケーキコイル22に鎖交すると、このパンケーキコイル22に発生した第2周波数の誘導起電圧が第2応答信号として第2受信部14に受信される。
そして、被検査体30の表面にセンサユニット20を走査して欠陥の近傍を通過させると、この欠陥を迂回して渦電流が流れて誘導磁場の分布が変化する。
また、欠陥が存在していなくても被検査体30の表面に錆等の電磁気的性質が異なる領域が存在する場合も誘導磁場の分布が変化する。
このため被検査体30の表面における、錆等の電磁気的性質が異なる領域が存在すると、欠陥として誤検出されるおそれがある。
被検査体30の表面における誘導磁場の分布の変化は、クロスコイル21及びパンケーキコイル22のインピーダンス変化としてそれぞれ第1応答信号及び第2応答信号に反映される。
第1受信部13はクロスコイル21から受信した第1応答信号を、第2受信部14はパンケーキコイル22から受信した第2応答信号を、導出部15に送信する。
導出部15は、第1応答信号の第1強度P及び第1位相角θ並びに第2応答信号の第2強度Q及び第2位相角φを導出する
図6のグラフは、被検査体30の表面を走査するクロスコイル21から受信した第1応答信号の第1強度P(検出電圧)の変化を示している。
この第1強度Pは、クロスコイル21のインピーダンス変化を表しており、振れ幅が大きい位置に、欠陥の存在が推定される。
図7のグラフは、被検査体30の表面を走査するクロスコイル21から受信した第1応答信号の第1位相角θを示している。
クロスコイル21が欠陥を検出した場合、第1応答信号の第1位相角θは所定の範囲を示すことが知られている。
図7においては、|θ−π/2|<α又は|θ−3π/2|<αの範囲を、欠陥検出に対応付けしている。
図8のグラフは、被検査体30の表面を走査するパンケーキコイル22から受信した第2応答信号の第2強度Q(検出電圧)の変化を示している。
この第2強度Qは、パンケーキコイル22のインピーダンス変化を表しており、振れ幅が大きい位置に、錆の存在が推定される。
図9のグラフは、被検査体30の表面を走査するパンケーキコイル22から受信した第2応答信号の第2位相角φを示している。
パンケーキコイル22が錆を検出した場合、第2応答信号の第2位相角φは所定の範囲を示すことが知られている。
図9においては、|φ|<β又は|φ−π|<βの範囲を、錆検出に対応付けしている。
ところで、第1強度P及び第1位相角θは、クロスコイル21の第1励磁信号及び第1応答信号と被検査体30の表面の電磁気的性質との関係から定まる。
同様に、第2強度Q及び第2位相角φは、パンケーキコイル22の第2励磁信号及び受信された第2応答信号と被検査体30の表面の電磁気的性質との関係から定まる。
そこで、被検査体30と同等材質に模擬欠陥(例えば深さ1mm、幅0.3mmのスリット状欠陥)を付与した試験片を準備する。この試験片の欠陥を検出したクロスコイル21の第1応答信号の振動波形が一定の振幅値(第1強度P)及び第1位相角θ(π/2)をとるように調整を行う。なお、模擬欠陥の無い部分の第1応答信号の振動波形の振幅値が0になるように第1強度Pを規格化してもよい。
パンケーキコイル22の第2応答信号の第2強度Q及び第2位相角φについても同様の調整を行う。
較正処理部18は、被検査体30の試験本番に先立って行われた試験片による調整結果を保持し、導出部15で導出される第1強度P、第1位相角θ、第2強度Q、第2位相角φに、この調整結果を反映させて較正する。
グラフ作成部19は、クロスコイル21の第1応答信号の第1強度P及び第1位相角θより得られる極座標グラフ、パンケーキコイル22の第2応答信号の第2強度Q及び第2位相角φより得られる極座標グラフを作成し、表示部23に表示させるものである。
図10は、欠陥を含む被検査体30の領域を走査したクロスコイル21が検出した第1応答信号から作成された極座標グラフである。
このように、クロスコイル21で欠陥が検出された場合は、極座標系内の軌跡が、原点を中心とする偏角が±π/2の近傍で、原点からの距離が所定の閾値よりも大きくなるように描画される。
しかし、欠陥が存在していなくても、錆や加工履歴といった電磁気特性を変化させてしまう領域が被検査体30に存在する場合は、急峻なノイズ信号が重畳する場合がある。
そのような場合は、クロスコイル21の第1応答信号のみに欠陥の判定基準を委ねると、欠陥が存在していないにもかかわらず、存在していると誤判定するリスクがある。
図11は、錆を含む被検査体30の領域を走査したパンケーキコイル22が検出した第2応答信号から作成された極座標グラフである。
このように、パンケーキコイル22で錆等が検出された場合は、極座標系内の軌跡が、原点を中心とする偏角がπ又は0の近傍で、原点からの距離が所定の閾値よりも大きくなるように描画される。
そのような場合は、クロスコイル21の第1応答信号から欠陥の存在が疑われる場合であっても、パンケーキコイル22の第2応答信号から欠陥ではないことが確認される。
図12のフローチャートに基づいて、判定部17(図1)が、第1強度P、第1位相角θ、第2強度Q及び第2位相角φを閾値16に照らし、被検査体30に存在する欠陥を判定する動作について説明する。
ます、クロスコイル21に第1周波数の励磁信号を送信し(S12)、パンケーキコイル22には第2周波数の励磁信号を送信する(S13)。
被検査体30に生成した第1渦電流による第1周波数の誘導磁場をクロスコイル21で検出した第1応答信号を受信し(S14)、被検査体30に生成した第2渦電流による第2周波数の誘導磁場をパンケーキコイル22で検出した第2応答信号を受信する(S15)。そして、第1応答信号の第1強度P及び第1位相角θ並びに第2応答信号の第2強度Q及び第2位相角φを導出する(S16,S17)。
そして、第1強度Pが第1閾値m1を超え(S18:Yes)、第1位相角θが第1範囲(|θ−π/2|<α又は|θ−3π/2|<α)である場合は(S19:Yes)は、欠陥と判定される(S20)。
一方で、(S19:No)の場合は、再検証の必要がある(S21)。
第1強度Pが第2閾値m2から第1閾値m1の間をとり(S18:No, S22:Yes)、第1位相角θが第1範囲(|θ−π/2|<α又は|θ−3π/2|<α)であり(S24:Yes)、さらに第2強度Qが第3閾値m3を超えない場合(S25:No)も、欠陥と判定される(S20)。
一方で、(S22:No)又は(S24:No)の場合は、欠陥は存在しないとの正常判定となる(S23)。
また第2強度Qが第3閾値m3を超えた場合であっても(S25:Yes)、第2位相角φが第2範囲(|φ|<β又は|φ−π|<β)を外れる場合は(S26:No)、欠陥と判定される(S20)。
一方で、(S26:Yes)の場合は、正常判定となる(S23)。
これら、欠陥判定(S20)、再検証(S21)、正常判定(S23)の結果は、表示部23(図1)に表示される。
図2に戻って説明を続ける。
クロスコイル21の上端と下端に位置する二つのパンケーキコイル22a,22bは、素線の巻回方向が互いに逆方向であることとする。
二つのパンケーキコイル22a,22bが直列接続されていれば、それぞれに送信される励磁信号の第2位相角φは共に等しくなるが、巻回方向が互いに逆方向であるために、クロスコイル21の配置される空間に形成される誘導磁場が互いにキャンセルされる。
これにより、クロスコイル21の第1応答信号に含まれるノイズを低減させる効果が得られる。
また、図示を省略するが、複数設けられたパンケーキコイル22のそれぞれに送信される励磁信号の第2位相角φを別々に変更できるようにしてもよい。
これにより、クロスコイル21の第1応答信号のS/N比を最適化することができる。
(応用例)
図13(A)は、平面を有する被検査体用途向けに複数のセンサユニット20を配列させて構成したセンサアレイ24aを示す斜視図である。図13(B)は、曲面を有する被検査体用途向けのセンサアレイ24bを示す斜視図である。
図13(B)は被検査体30の曲率変化に応じて、可撓性を有する構造としてもよい。またアレイ状に配列するセンサユニット20の列数、間隔、距離を適宜変更することができる。
図14は、センサアレイ24に配列されるセンサユニット20の回転方向の配置を示している。
センサユニット20の回転方向の位置が配列の順番に従って異なるように、センサユニット20が複数配列している。
これは、十字型に巻線されたクロスコイル21は検出感度が高い方向と低い方向が45°間隔で交互に存在する。そこで、図14に示す様に、1列目と2列目を同一の方向で、3列目と4列目を45°回転した方向に配置する。これによって、1列目と2列目の欠陥検出感度が低い方向を3列目と4列目が補う効果が得られる。
図15(A)は、センサアレイ24に配列されるセンサユニット20の水平断面図を示し、図15(B)はその縦断面図を示している。
センサユニット20の間隔が狭いセンサアレイ24では、特に可撓性を有する場合に、センサユニット20の相互間の距離が変動することがある。
この場合、あるセンサユニット20から漏洩している磁場が、他のセンサユニット20へ影響してノイズを発生させる要因になる。
そこで、図15に示すようにセンサユニット20の周囲に磁性体25を配置して、他のユニット20側への磁場の漏れを防止する方法が考えられる。
磁性体25の代表的なものとしてはフェライト、パーマロイが挙げられる。
図16は、センサアレイ24に配列されるセンサユニット20のそれぞれに送信する励磁信号のタイミングを示している。
センサユニット20の相互間の影響を低減させるために、図16に示す様に、励磁信号を送信するタイミングをずらすこととする。
図16は4つのセンサユニット20を、ずらして励磁する例を示している。
励磁信号を供給するタイミングは任意に指定できるが、互いに距離が離れたセンサユニット20が順番に励磁されるようにすれば、漏洩磁場の影響を低減する効果が得られる。
以上述べた少なくともひとつの実施形態の渦電流探傷装置によれば、クロスコイルの応答信号とパンケーキコイルの応答信号とを同時に検出することにより、被検査体における欠陥の誤検出を防止することが可能となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
また、渦電流探傷装置の構成要素は、コンピュータのプロセッサで実現することも可能である。
10…渦電流探傷装置、11…第1励磁信号の送信部、12…第2励磁信号の送信部、13…第1応答信号の受信部、14…第2応答信号の受信部、15…導出部、16…閾値、17…判定部、19…グラフ作成部、20…センサユニット、21…クロスコイル、22(22a,22b)…パンケーキコイル、23…表示部、24(24a,24b)…センサアレイ、25…磁性体、30…被検査体、P…第1強度、Q…第2強度、θ…第1位相角、φ…第2位相角、m1…第1閾値、m2…第2閾値、m3…第3閾値。

Claims (7)

  1. 被検査体に対向するセンジング面が十字交差するクロスコイルに入力させる第1周波数の励磁信号を送信する第1送信部と、
    前記第1周波数の励磁信号の入力に伴い被検査体に生成した第1渦電流による誘導磁場を検出した前記クロスコイルの第1応答信号を受信する第1受信部と、
    前記クロスコイルと同軸に環状配置されたパンケーキコイルに入力させる第2周波数の励磁信号を送信する第2送信部と、
    前記第2周波数の励磁信号の入力に伴い被検査体に生成した第2渦電流による誘導磁場を検出した前記パンケーキコイルの第2応答信号を受信する第2受信部と、
    前記第1応答信号の第1強度及び第1位相角並びに前記第2応答信号の第2強度及び第2位相角を導出する導出部と、
    導出された前記第1強度、前記第1位相角、前記第2強度及び前記第2位相角を閾値に照らし前記被検査体における欠陥の存在を判定する判定部と、を備えることを特徴とする渦電流探傷装置。
  2. 前記クロスコイルの軸方向に、複数の前記パンケーキコイルが配置されていることを特徴とする請求項1に記載の渦電流探傷装置。
  3. 送信される励磁信号の前記第2位相角が共に等しく巻回方向が互いに逆方向である二つの前記パンケーキコイルが前記クロスコイルの上端と下端に位置することを特徴とする請求項2に記載の渦電流探傷装置。
  4. 前記パンケーキコイルのそれぞれに送信される励磁信号の前記第2位相角を別々に変更できることを特徴とする請求項2に記載の渦電流探傷装置。
  5. 前記判定部は、
    前記第1強度が第1閾値を超え前記第1位相角が第1範囲である場合と、
    前記第1強度が第2閾値から前記第1閾値の間をとり前記第1位相角が第1範囲でありさらに前記第2強度が第3閾値を超えない場合と、
    前記第2強度が第3閾値を超えた場合であっても前記第2位相角が第2範囲を外れる場合とは、前記被検査体の対応する位置に欠陥が存在すると判定することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の渦電流探傷装置。
  6. 前記クロスコイルと前記パンケーキコイルとで構成されるセンサユニットが複数配列してなり前記センサユニットの回転方向の位置が配列の順番に従って異なるセンサアレイを適用することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の渦電流探傷装置。
  7. 被検査体に対向するセンジング面が十字交差するクロスコイルに入力させる第1周波数の励磁信号を送信するステップと、
    前記第1周波数の励磁信号の入力に伴い被検査体に生成した第1渦電流による誘導磁場を検出した前記クロスコイルの第1応答信号を受信するステップと、
    前記クロスコイルと同軸に環状配置されたパンケーキコイルに入力させる第2周波数の励磁信号を送信するステップと、
    前記第2周波数の励磁信号の入力に伴い被検査体に生成した第2渦電流による誘導磁場を検出した前記パンケーキコイルの第2応答信号を受信するステップと、
    前記第1応答信号の第1強度及び第1位相角並びに前記第2応答信号の第2強度及び第2位相角を導出するステップと、
    導出された前記第1強度、前記第1位相角、前記第2強度及び前記第2位相角を閾値に照らし前記被検査体における欠陥の存在を判定するステップと、を備えることを特徴とする渦電流探傷方法。
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