JP6669313B1 - 超音波探傷装置用の回転トランス及び超音波探傷装置 - Google Patents
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Abstract
Description
また、この発明は、回転トランスを備える超音波探傷装置に関するものである。
固定体は、複数の1ターンコイル(以下、「第1の1ターンコイル」と称する)が同心円状に形成された基板(以下、「第1の基板」と称する)と、第1の基板を保持している保持部材(以下、「第1の保持部材」と称する)とを備えている。
回転体は、固定体に形成された第1の1ターンコイルと同数の1ターンコイル(以下、「第2の1ターンコイル」と称する)が同心円状に形成された基板(以下、「第2の基板」と称する)と、第2の基板を保持している保持部材(以下、「第2の保持部材」と称する)とを備えている。
固定体が備える第1の基板と第1の保持部材との間には、空気が介在している。
また、回転体が備える第2の基板と第2の保持部材との間には、空気が介在している。
第1及び第2の基板と、第1及び第2の保持部材との間の空気は、電磁誘導現象の影響を軽減するように作用する。特許文献1に開示されている回転トランスでは、電磁誘導現象の影響を解消するため、第1及び第2の基板と、第1及び第2の保持部材との間の距離として、第1の1ターンコイルと第2の1ターンコイルとの間のギャップの5〜10倍を確保している。
したがって、第1及び第2の基板と、第1及び第2の保持部材との間の距離が長くなるため、固定体及び回転体のそれぞれの厚さが厚くなり、回転トランスが大型化してしまうという課題があった。
図1は、実施の形態1に係る超音波探傷装置を示す構成図である。
図2は、超音波探傷装置用の回転トランス1におけるアウターリング10を図1のx1方向から見た平面図である。図3は、図2に示すアウターリング10のC−C’断面を示す断面図である。
図4は、超音波探傷装置用の回転トランス1におけるインナーリング20を図1のx2方向から見た平面図である。図5は、図4に示すインナーリング20のD−D’断面を示す断面図である。
外枠2は、回転トランス1の筐体であり、固定体5を保持している。
内壁3は、回転機構4を介して、外枠2と接している。内壁3は、インナーリング20がアウターリング10と対向するように、インナーリング20を保持している。
回転機構4は、外枠2に対して、内壁3を相対的に回転させる機構である。
内壁3が回転することで、インナーリング20及び超音波探触子32a,32b,32c,32dが、被検査材7の周りを回転する。被検査材7は、超音波探傷装置の検査対象である。
アウターリング10は、外枠2に取り付けられており、第1の基板11及び第1の保持部材14などを有している。
第1の基板11の第1の平面11aには、第1の1ターンコイル12a,12b,12c,12dが同心円状に形成されている。
第1の1ターンコイル12a,12b,12c,12dのそれぞれは、一端が静止側信号ライン43a,43b,43c,43dにおけるそれぞれの一端と接続されており、他端がグランドと接続されている。
第1の基板11の第2の平面11bには、第1の浮遊導体13が形成されている。
第1の浮遊導体13は、銅などの非磁性金属である。
第1の保持部材14は、鉄又はアルミニウムのような金属であり、接地されている。
なお、第1の保持部材14は、非金属であってもよいが、第1の保持部材14が非金属である場合、第1の浮遊導体13が接地されている必要がある。図3に示すアウターリング10では、第1の導体16と第1の浮遊導体13とが電気的に接続され、第1の導体16が接地されている。
第1の保持部材14の内部は、空気15である。第1の保持部材14の内部は、空気15ではなく、比透磁率がほぼ1に等しい絶縁体であってもよい。
柱状導体17は、例えば、ビアであり、柱状導体17は、第1の導体16と第1の浮遊導体13とを電気的に接続している。
図6は、第1の平面11aに形成されている一部の第1の導体16と柱状導体17とを示す説明図である。
図6の例では、2つの柱状導体17によって、第1の導体16が第1の浮遊導体13と電気的に接続されている。
貫通穴18は、検査対象の被検査材7が挿入される穴である。
インナーリング20は、内壁3に取り付けられており、第2の基板21及び第2の保持部材24などを有している。
第2の基板21の第3の平面21aには、第2の1ターンコイル22a,22b,22c,22dが同心円状に形成されている。
第2の1ターンコイル22a,22b,22c,22dのそれぞれは、一端が回転側信号ライン33a,33b,33c,33dにおけるそれぞれの一端と接続されており、他端がグランドと接続されている。
第2の基板21の第4の平面21bには、第2の浮遊導体23が形成されている。
第2の浮遊導体23は、銅などの非磁性金属である。
第2の保持部材24は、鉄又はアルミニウムのような金属であり、接地されている。
なお、第2の保持部材24は、非金属であってもよいが、第2の保持部材24が非金属である場合、第2の浮遊導体23が接地されている必要がある。図5に示すインナーリング20では、第2の導体26と第2の浮遊導体23とが電気的に接続され、第2の導体26が接地されている。
第2の保持部材24の内部は、空気25である。第2の保持部材24の内部は、空気25ではなく、比透磁率がほぼ1に等しい絶縁体であってもよい。
柱状導体27は、例えば、柱状導体17と同様のビアである。
柱状導体27は、第2の導体26と第2の浮遊導体23とを電気的に接続している。
貫通穴28は、検査対象の被検査材7が挿入される穴である。
超音波探触子32aは、回転側信号ライン33aを介して、第2の1ターンコイル22aと接続されている。
超音波探触子32bは、回転側信号ライン33bを介して、第2の1ターンコイル22bと接続されている。
超音波探触子32cは、回転側信号ライン33cを介して、第2の1ターンコイル22cと接続されている。
超音波探触子32dは、回転側信号ライン33dを介して、第2の1ターンコイル22dと接続されている。
回転側信号ライン33a,33b,33c,33dは、電気信号を伝送する信号線である。
回転側信号ライン33a,33b,33c,33dのそれぞれの一端は、第2の1ターンコイル22a,22b,22c,22dにおけるそれぞれの一端と接続されている。回転側信号ライン33a,33b,33c,33dのそれぞれの他端は、超音波探触子32a,32b,32c,32dのそれぞれと接続されている。
超音波探触子32a,32b,32c,32dのそれぞれは、被検査材7に反射された超音波を受けると、回転側信号ライン33a,33b,33c,33dを介して、受けた超音波に対応する電気信号を第2の1ターンコイル22a,22b,22c,22dに出力する。
送信部41a及び受信部42aのそれぞれは、静止側信号ライン43aを介して、第1の1ターンコイル12aと接続されている。
送信部41b及び受信部42bのそれぞれは、静止側信号ライン43bを介して、第1の1ターンコイル12bと接続されている。
送信部41c及び受信部42cのそれぞれは、静止側信号ライン43cを介して、第1の1ターンコイル12cと接続されている。
送信部41d及び受信部42dのそれぞれは、静止側信号ライン43dを介して、第1の1ターンコイル12dと接続されている。
静止側信号ライン43a,43b,43c,43dは、電気信号を伝送する信号線である。
静止側信号ライン43a,43b,43c,43dのそれぞれの一端は、第1の1ターンコイル12a,12b,12c,12dにおけるそれぞれの一端と接続されている。静止側信号ライン43a,43b,43c,43dのそれぞれの他端は、送信部41a,41b,41c,41dのそれぞれと接続され、かつ、受信部42a,42b,42c,42dのそれぞれと接続されている。
また、送信部41a,41b,41c,41dのそれぞれは、上記の電気信号と同じ電気信号を探傷部44に出力する。
受信部42a,42b,42c,42dのそれぞれは、静止側信号ライン43a,43b,43c,43dを介して、第1の1ターンコイル12a,12b,12c,12dから出力された電気信号を受信し、電気信号を探傷部44に出力する。
探傷部44は、電気信号の送信を指示する制御信号を送信部41a,41b,41c,41dのそれぞれに出力する。
探傷部44は、送信部41a,41b,41c,41dから出力された電気信号と、受信部42a,42b,42c,42dから出力された電気信号とに基づいて、被検査材7の傷を探知する。
なお、探傷回路は、専用のハードウェアで実現されるものに限るものではなく、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで実現されるものであってもよい。
まず、回転機構4は、被検査材7を探傷する際、外枠2に対して、内壁3を相対的に回転させる。
内壁3が回転することで、インナーリング20及び超音波探触子32a,32b,32c,32dが、被検査材7の周りを回転する。
送信部41a,41b,41c,41dのそれぞれは、探傷部44から制御信号を受けると、静止側信号ライン43a,43b,43c,43dを介して、電気信号として、例えば、パルス信号を第1の1ターンコイル12a,12b,12c,12dに送信する。
また、送信部41a,41b,41c,41dのそれぞれは、上記の電気信号と同じ電気信号を探傷部44に出力する。
また、第1の1ターンコイル12cは、第2の1ターンコイル22cと対向するように配置されており、第1の1ターンコイル12dは、第2の1ターンコイル22dと対向するように配置されている。
図7は、第1の1ターンコイル12a,12b,12c,12dと、第2の1ターンコイル22a,22b,22c,22dとの間の非接触伝送を示す説明図である。
したがって、第1の1ターンコイル12aを流れる電気信号は、第2の1ターンコイル22aに非接触伝送され、第1の1ターンコイル12bを流れる電気信号は、第2の1ターンコイル22bに非接触伝送される。
また、第1の1ターンコイル12cを流れる電気信号は、第2の1ターンコイル22cに非接触伝送され、第1の1ターンコイル12dを流れる電気信号は、第2の1ターンコイル22dに非接触伝送される。
なお、電気信号の非接触伝送は、例えば、第1の1ターンコイル12a,12b,12c,12dと、第2の1ターンコイル22a,22b,22c,22dとの間の容量結合によって伝送されるものである。
第2の1ターンコイル22cに非接触伝送された電気信号は、回転側信号ライン33cを介して、超音波探触子32cに伝送され、第2の1ターンコイル22dに非接触伝送された電気信号は、回転側信号ライン33dを介して、超音波探触子32dに伝送される。
超音波探触子32a,32b,32c,32dのそれぞれは、被検査材7の周りを回転しているので、被検査材7に対する超音波の放射位置が時間の経過に伴って変化する。
超音波探触子32a,32b,32c,32dのそれぞれから放射された超音波は、被検査材7に反射される。
超音波が放射された位置に傷がある場合と、傷がない場合とでは、被検査材7に反射された超音波のエコー高さが変化する。
超音波探触子32a,32b,32c,32dのそれぞれは、被検査材7に反射された超音波を受けると、受けた超音波を電気信号に変換する。
超音波探触子32a,32b,32c,32dのそれぞれは、回転側信号ライン33a,33b,33c,33dを介して、当該電気信号を第2の1ターンコイル22a,22b,22c,22dに出力する。
また、第2の1ターンコイル22cに伝送された電気信号は、第1の1ターンコイル12cに非接触伝送され、第2の1ターンコイル22dに伝送された電気信号は、第1の1ターンコイル12dに非接触伝送される。
受信部42a,42b,42c,42dのそれぞれは、第1の1ターンコイル12a,12b,12c,12dから出力された電気信号を受信し、電気信号を探傷部44に出力する。
被検査材7の傷の探知方法自体は、公知の技術であるため詳細な説明を省略するが、探傷部44は、以下に示すような探知方法を用いることができる。
[探知方法]
送信部41a,41b,41c,41dから出力された電気信号に対応する超音波のエコー高さと、受信部42a,42b,42c,42dから出力された電気信号に対応する超音波のエコー高さとの違いから、超音波の放射位置における傷の有無等を検出する。
したがって、探傷部44は、超音波探触子32a,32b,32c,32dから被検査材7に超音波が放射される位置は、既知である。
図1に示す回転トランス1は、第1の浮遊導体13が第1の基板11の第2の平面11bに形成され、第2の浮遊導体23が第2の基板21の第4の平面21bに形成されている。
第1の浮遊導体13は、第1の1ターンコイル12a,12b,12c,12dと、第1の保持部材14との間の磁束をシールドするように作用する。第2の浮遊導体23は、第2の1ターンコイル22a,22b,22c,22dと第2の保持部材24との間の磁束をシールドするように作用する。
したがって、第1の1ターンコイル12a,12b,12c,12dに電気信号が流れて磁束が生じても、第1の浮遊導体13のシールド効果によって、当該磁束が第1の保持部材14にほとんど到達しなくなる。磁束が第1の保持部材14にほとんど到達しなくなることで、第1の保持部材14で生じる渦電流損又はヒステリシス損などが大幅に抑圧される。
また、第2の1ターンコイル22a,22b,22c,22dに電気信号が流れて磁束が生じても、第2の浮遊導体23のシールド効果によって、当該磁束が第2の保持部材24にほとんど到達しなくなる。磁束が第2の保持部材24にほとんど到達しなくなることで、第2の保持部材24で生じる渦電流損又はヒステリシス損などが大幅に抑圧される。
また、第2の基板21の第4の平面21bと第2の保持部材24との間の距離Wが、第1の1ターンコイル12a等と第2の1ターンコイル22a等との間のギャップの5〜10倍よりも短くても、電磁誘導現象による影響を解消することができる。したがって、図1に示す回転トランス1は、特許文献1に開示されている回転トランスよりもインナーリング20の薄型化を図ることができる。
アウターリング10の薄型化及びインナーリング20の薄型化を図ることで、回転トランス1の物理的強度が高まる。
回転トランスが、第1の導体16及び第2の導体26を備えていない場合、図8に示すように、複数の1ターンコイルの間で電気的な信号干渉(以下、「クロストーク」を称する)を生じることがある。
図8は、クロストークの発生を示す説明図である。
図8において、51は、第2の1ターンコイル22dから出力された電気信号が、第2の1ターンコイル22cに及ぼしているクロストーク、52は、第2の1ターンコイル22dから出力された電気信号が、第1の1ターンコイル12cに及ぼしているクロストークである。
図8では、第2の1ターンコイル22dから出力された電気信号が、クロストークの発生源となっている。しかし、これは一例に過ぎず、第2の1ターンコイル22a〜22cから出力された電気信号、又は、第1の1ターンコイル12a〜12dから出力された電気信号が、クロストークの発生源となることがある。
クロストーク52を抑圧するには、第1の1ターンコイル12cと第1の1ターンコイル12dとの距離を大きくする、あるいは、アウターリング10とインナーリング20との距離を大きくする必要がある。アウターリング10とインナーリング20との距離を大きくした場合、電気信号の伝送特性が劣化することがある。
回転トランス1が備えている第1の導体16及び第2の導体26は、クロストークを電気的にシールドするように作用する。
したがって、クロストーク51,52は、図9に示すように、大幅に抑圧される。
図9は、クロストークの抑圧を示す説明図である。図9において、×は、クロストーク51,52が抑圧されている旨を示している。
よって、回転トランス1は、特許文献1に開示されている回転トランスと比べて、第1の基板11と第1の保持部材14との間の距離W、及び第2の基板21と第2の保持部材24との間の距離Wのそれぞれが短くなり、固定体5及び回転体6のそれぞれの厚さが薄くなる。
また、図5に示すインナーリング20では、第2の保持部材24が、第2の浮遊導体23を取り囲むように、第2の浮遊導体23と非接触の状態で、第2の基板21を保持している。
しかし、これは一例に過ぎず、アウターリング10では、図10に示すように、第1の浮遊導体13が第2の平面11bの全面に形成されており、第1の保持部材14が、第1の浮遊導体13と接触している状態で、第1の基板11を保持するようにしてもよい。図10は、図2に示すアウターリング10のC−C’断面を示す断面図である。
また、インナーリング20では、図11に示すように、第2の浮遊導体23が第4の平面21bの全面に形成されており、第2の保持部材24が、第2の浮遊導体23と接触している状態で、第2の基板21を保持するようにしてもよい。図11は、図4に示すインナーリング20のD−D’断面を示す断面図である。
第2の保持部材24が、第4の平面21bの全面に形成されている第2の浮遊導体23と接触している状態で、第2の基板21を保持していることで、第2の浮遊導体23と非接触の状態で、第2の基板21を保持している場合よりも、第2の浮遊導体23のシールド効果を高めることができる。
例えば、金属の第1の保持部材14を接地した上で、図12に示すように、一端が第1の保持部材14と接続されている導体61を第1の基板11の第1の平面11aに形成し、複数の第1の導体16を導体61と接続するようにしてもよい。
図12では、第1の1ターンコイル12a,12b,12c,12dの一端も、導体61と接続している。
図12は、超音波探傷装置用の回転トランス1におけるアウターリング10の他の例を図1のx1方向から見た平面図である。
例えば、金属の第2の保持部材24を接地した上で、図13に示すように、一端が第2の保持部材24と接続されている導体62を第2の基板21の第3の平面21aに形成し、複数の第2の導体26を導体62と接続するようにしてもよい。
図13では、第2の1ターンコイル22a,22b,22c,22dの一端も、導体62と接続している。
図13は、超音波探傷装置用の回転トランス1におけるインナーリング20の他の例を図1のx2方向から見た平面図である。
また、図4に示すインナーリング20は、図1のx2方向からインナーリング20を見たときに、第2の保持部材24の一部が見えている構造である。
しかし、これは一例に過ぎず、アウターリング10は、図14及び図15に示すように、図1のx1方向からアウターリング10を見たときに、第1の保持部材14が見えていない構造であってもよい。
図14は、超音波探傷装置用の回転トランス1におけるアウターリング10の他の例を図1のx1方向から見た平面図である。図15は、図14に示すアウターリング10のC−C’断面を示す断面図である。
また、インナーリング20は、図16及び図17に示すように、図1のx2方向からインナーリング20を見たときに、第2の保持部材24が見えていない構造であってもよい。
図16は、超音波探傷装置用の回転トランス1におけるインナーリング20の他の例を図1のx2方向から見た平面図である。図17は、図16に示すインナーリング20のD−D’断面を示す断面図である。
しかし、これに限るものではなく、第1の1ターンコイル12a,12b,12c,12dの他端のそれぞれが開放され、第2の1ターンコイル22a,22b,22c,22dの他端のそれぞれが開放されていてもよい。
それぞれの他端が開放されている場合、送信部41a,41b,41c,41dのそれぞれが、電気信号を静止側信号ライン43a,43b,43c,43dに送信すると、第1の1ターンコイル12a,12b,12c,12dには、電圧が印加される。
第1の1ターンコイル12a,12b,12c,12dに電圧が印加されると、容量結合によって、第2の1ターンコイル22a,22b,22c,22dに電圧が印加され、回転側信号ライン33a,33b,33c,33dを介して、超音波探触子32a,32b,32c,32dに電気信号が伝送される。
一方、超音波探触子32a,32b,32c,32dのそれぞれが、電気信号を回転側信号ライン33a,33b,33c,33dに出力すると、第2の1ターンコイル22a,22b,22c,22dには、電圧が印加される。
第2の1ターンコイル22a,22b,22c,22dに電圧が印加されると、容量結合によって、第1の1ターンコイル12a,12b,12c,12dに電圧が印加され、静止側信号ライン43a,43b,43c,43dを介して、受信部42a,42b,42c,42dに電気信号が伝送される。
図1に示す超音波探傷装置では、回転トランス1が、1つのアウターリング10と、1つのインナーリング20とを備えている。
実施の形態2では、回転トランス1が、複数のアウターリングと、複数のインナーリングとを備えている超音波探傷装置について説明する。
超音波探傷装置が、1つのインナーリング20に形成されている第2の1ターンコイル22a,22b,22c,22dの数よりも多くの超音波探触子32a等を実装する場合、回転トランス1が、複数のアウターリングと、複数のインナーリングとを備える必要がある。
図18では、回転トランス1が、4つのアウターリング及び4つのインナーリングを備える例を示している。しかし、これは一例に過ぎず、回転トランス1が、2つ又は3つのアウターリングと、2つ又は3つのインナーリングとを備えているものであってもよい。また、回転トランス1が、5つ以上のアウターリングと、5つ以上のインナーリングとを備えているものであってもよい。
図18では、説明の簡単化のため、外枠2、内壁3、回転機構4、超音波探触子ホルダ31、超音波探触子32a,32b,32c,32d及び回転側信号ライン33a,33b,33c,33dなどの記載を省略している。
図18において、図3及び図5と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
アウターリング10は、図3に示すアウターリング10と同一構成のアウターリングである。
第1の保持部材14aは、2つの第1の基板11におけるそれぞれの第2の平面11bが対向するように、2つの第1の基板11を保持している。
インナーリング20aは、インナーリング20に相当するインナーリングを2つ備えている。
第2の保持部材24aは、2つの第2の基板21におけるそれぞれの第4の平面21bが対向するように、2つの第2の基板21を保持している。
また、この発明は、回転トランスを備える超音波探傷装置に適している。
Claims (9)
- 中央に検査対象である被検査材が挿入される貫通穴を有し、第1の平面と前記第1の平面と表裏関係にある第2の平面を有する第1の基板と、前記第1の基板の第1の平面に同心円状に形成され、それぞれが、一端が対応する静止側信号ラインに接続され、他端が接地される複数の第1の1ターンコイルと、前記複数の第1の1ターンコイルの直下に位置する前記第1の基板の第2の平面に形成された第1の浮遊導体と、前記第1の基板の第1の平面に前記複数の第1の1ターンコイルの隣接する第1の1ターンコイルの間に前記複数の第1の1ターンコイルと同心円状に形成され、接地される第1の導体と、前記第1の導体と前記第1の浮遊導体とを電気的に接続し、前記第1の基板の第1の平面と第2の平面との間を貫通して形成された複数の第1の柱状導体と、前記第1の浮遊導体を取り囲み、前記第1の基板の第2の平面に対向し、当該第2の平面との間に距離をもって配置される平面を有し、前記第1の基板を保持している第1の保持部材とを具備し、前記第1の浮遊導体が前記複数の第1の1ターンコイルと前記第1の保持部材との間の磁束をシールドする固定体と、
中央に前記被検査材が挿入される貫通穴を有し、前記第1の基板の第1の平面に対向して配置される第3の平面と前記第3の平面と表裏関係にある第4の平面を有する第2の基板と、前記第2の基板の第3の平面に同心円状に形成され、それぞれが、前記複数の第1の1ターンコイルそれぞれと非接触伝送行い、一端が対応する回転側信号ラインに接続され、他端が接地される複数の第2の1ターンコイルと、前記複数の第2の1ターンコイルの直下に位置する前記第2の基板の第4の平面に形成された第2の浮遊導体と、前記第2の基板の第3の平面に前記複数の第2の1ターンコイルの隣接する第2の1ターンコイルの間に前記複数の第2の1ターンコイルと同心円状に形成され、接地される第2の導体と、前記第2の導体と前記第2の浮遊導体とを電気的に接続し、前記第2の基板の第3の平面と第4の平面との間を貫通して形成された複数の第2の柱状導体と、前記第2の浮遊導体を取り囲み、前記第2の基板の第4の平面に対向し、当該第4の平面との間に距離をもって配置される平面を有し、前記第2の基板を保持している第2の保持部材と、前記複数の第2の1ターンコイルのそれぞれと対応する前記回転側信号ラインを介して接続される複数の超音波探触子とを具備し、前記第2の浮遊導体が前記複数の第2の1ターンコイルと前記第2の保持部材との間の磁束をシールドし、前記第2の基板と前記第2の保持部材と前記複数の超音波探触子とが前記被検査材の周りを回転する回転体とを備えた超音波探傷装置用の回転トランス。 - 前記第1の浮遊導体及び前記第2の浮遊導体のそれぞれは、非磁性金属であることを特徴とする請求項1記載の超音波探傷装置用の回転トランス。
- 前記第1の保持部材及び前記第2の保持部材のそれぞれは、非金属であることを特徴とする請求項1記載の超音波探傷装置用の回転トランス。
- 前記第1の保持部材及び前記第2の保持部材のそれぞれは、金属であり、
前記第1の保持部材及び前記第2の保持部材のそれぞれは、接地されていることを特徴とする請求項1記載の超音波探傷装置用の回転トランス。 - 前記第1の保持部材は、前記第1の浮遊導体と非接触の状態で、前記第1の基板を保持し、
前記第2の保持部材は、前記第2の浮遊導体と非接触の状態で、前記第2の基板を保持していることを特徴とする請求項1記載の超音波探傷装置用の回転トランス。 - 前記第1の浮遊導体が前記第2の平面の全面に形成され、前記第2の浮遊導体が前記第4の平面の全面に形成されており、
前記第1の保持部材は、前記第1の浮遊導体と接触している状態で、前記第1の基板を保持し、
前記第2の保持部材は、前記第2の浮遊導体と接触している状態で、前記第2の基板を保持していることを特徴とする請求項1記載の超音波探傷装置用の回転トランス。 - 前記固定体は、
前記第1の基板を2つ有しており、
前記第1の保持部材は、
前記2つの第1の基板におけるそれぞれの第2の平面が対向するように、前記2つの第1の基板を保持し、
前記回転体は、
前記第2の基板を2つ有しており、
前記第2の保持部材は、
前記2つの第2の基板におけるそれぞれの第4の平面が対向するように、前記2つの第2の基板を保持していることを特徴とする請求項1記載の超音波探傷装置用の回転トランス。 - 前記固定体は、前記第1の基板の第1の平面に形成され、前記複数の第1の1ターンコイルの他端同士および前記第1の導体を電気的に接続する導体を有し、
前記回転体は、前記第2の基板の第3の平面に形成され、前記複数の第2の1ターンコイルの他端同士および前記第2の導体を電気的に接続する導体を有する請求項1記載の超音波探傷装置用の回転トランス。 - 中央に検査対象である被検査材が挿入される貫通穴を有し、第1の平面と前記第1の平面と表裏関係にある第2の平面を有する第1の基板と、前記第1の基板の第1の平面に同心円状に形成され、それぞれが、一端が対応する静止側信号ラインに接続され、他端が接地される複数の第1の1ターンコイルと、前記複数の第1の1ターンコイルの直下に位置する前記第1の基板の第2の平面に形成された第1の浮遊導体と、前記第1の基板の第1の平面に前記複数の第1の1ターンコイルの隣接する第1の1ターンコイルの間に前記複数の第1の1ターンコイルと同心円状に形成され、接地される第1の導体と、前記第1の導体と前記第1の浮遊導体とを電気的に接続し、前記第1の基板の第1の平面と第2の平面との間を貫通して形成された複数の第1の柱状導体と、前記第1の浮遊導体を取り囲み、前記第1の基板の第2の平面に対向し、当該第2の平面との間に距離をもって配置される平面を有し、前記第1の基板を保持している第1の保持部材とを具備し、前記第1の浮遊導体が前記複数の第1の1ターンコイルと前記第1の保持部材との間の磁束をシールドする固定体と、
中央に前記被検査材が挿入される貫通穴を有し、前記第1の基板の第1の平面に対向して配置される第3の平面と前記第3の平面と表裏関係にある第4の平面を有する第2の基板と、前記第2の基板の第3の平面に同心円状に形成され、それぞれが、前記複数の第1の1ターンコイルそれぞれと非接触伝送行い、一端が対応する回転側信号ラインに接続され、他端が接地される複数の第2の1ターンコイルと、前記複数の第2の1ターンコイルの直下に位置する前記第2の基板の第4の平面に形成された第2の浮遊導体と、前記第2の基板の第3の平面に前記複数の第2の1ターンコイルの隣接する第2の1ターンコイルの間に前記複数の第2の1ターンコイルと同心円状に形成され、接地される第2の導体と、前記第2の導体と前記第2の浮遊導体とを電気的に接続し、前記第2の基板の第3の平面と第4の平面との間を貫通して形成された複数の第2の柱状導体と、前記第2の浮遊導体を取り囲み、前記第2の基板の第4の平面に対向し、当該第4の平面との間に距離をもって配置される平面を有し、前記第2の基板を保持している第2の保持部材と、前記複数の第2の1ターンコイルのそれぞれと対応する前記回転側信号ラインを介して接続される複数の超音波探触子とを具備し、前記第2の浮遊導体が前記複数の第2の1ターンコイルと前記第2の保持部材との間の磁束をシールドし、前記第2の基板と前記第2の保持部材と前記複数の超音波探触子とが前記被検査材の周りを回転する回転体と、
前記複数の第1の1ターンコイルのそれぞれと接続されており、前記第1の1ターンコイルに対して電気信号を入出力する信号入出力部と、
前記信号入出力部により入出力された電気信号に基づいて前記被検査材の傷を探知する探傷部とを備えた超音波探傷装置。
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