JP2015224729A - 配管用密閉部材および配管配設構造 - Google Patents

配管用密閉部材および配管配設構造 Download PDF

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Abstract

【課題】外周部にグラスウール等からなる断熱層を有する配管に対して配管用密閉部材を使用する場合であっても、建築用面材上で発生した結露水が配管用密閉部材を伝って断熱層に浸入するのを防止することができる配管用密閉部材の提供。【解決手段】建築用面材を貫通する配管と当該建築用面材との隙間を密閉するための配管用密閉部材であって、可撓性を有する板状部分であって前記配管が挿通される貫通孔を有するシール部と、前記シール部を前記建築用面材に固定するベース部とを備え、前記シール部は、前記貫通孔の周縁部分の一方側の面に、前記貫通孔を囲うように突設された水返し部を有し、前記貫通孔の周縁部分が前記配管の外周面に沿って筒状に迫り出すように変形することにより、前記貫通孔が前記配管の外径に合わせて拡径可能とされている。【選択図】図1

Description

本発明は、配管用密閉部材および配管配設構造に関するものである。
従来から、住宅の壁や床等の建築用面材と、建築用面材を貫通する配管との隙間を密閉する配管用密閉部材がある。特許文献1には、配管用密閉部材の一例が開示されている。
図7は、特許文献1に記載の配管用密閉部材100の構成を示す図である。図8は、配管用密閉部材100の使用状態の一例を示す断面図である。
図7,8に示されるように、配管用密閉部材100は、板状のベース部102と、ベース部102よりも軟質の素材で構成された板状のシール部104とを備える。ベース部102は、配管P1(図8参照)の外径よりも大きな直径の第1貫通孔101を有する。シール部104は、第2貫通孔103と、重合部105とを有する。自然状態における第2貫通孔103の直径は、配管P1の外径よりも小さい。重合部105は、第2貫通孔103が第1貫通孔101の内側に位置する状態でベース部102における第1貫通孔101の周縁部分に一体に重ねられる。
配管用密閉部材100によれば、シール部104が軟質であるため、第2貫通孔103が拡径する方向に変形し易い。このため、図8に示されるように、第2貫通孔103を拡径しながら、配管P1を第2貫通孔103に挿通することができる。従って、配管P1の外周面とシール部104における第2貫通孔103の周縁部分とが密接した状態で、配管P1を第2貫通孔103に挿通することができ、建築用面材G1を貫通する配管P1と建築用面材G1との隙間を密閉することができる。
特開2010−151245号公報
しかしながら、図9に示されるように、外壁下地材(建築用面材)G1を貫通する配管として、配管本体Phと、配管本体Phの外周面に設けられたグラスウール等からなる断熱層Pgとを有する配管P2が使用される場合がある。このような配管P2に対して特許文献1に記載の配管用密閉部材100を使用すると、外壁下地材G1上に生じた結露水Wが、配管用密閉部材100の表面を伝って第2貫通孔103まで流れ落ち、第2貫通孔103を通じて断熱層Pg内に浸入する可能性がある。断熱層Pgに結露水Wが浸入すると、断熱層Pgにカビが発生したり、断熱層Pgの断熱性が低下する等の不都合が生じる虞がある。
本発明は、外周部にグラスウール等からなる断熱層を有する断熱型配管に対して配管用密閉部材を用いる場合であっても、建築用面材上で発生した結露水が配管用密閉部材を伝って断熱層に浸入するのを防止することができる配管用密閉部材および配管配設構造を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、建築用面材を貫通する配管と当該建築用面材との隙間を密閉するための配管用密閉部材であって、可撓性を有する板状部分であって前記配管が挿通される貫通孔を有するシール部と、前記シール部を前記建築用面材に固定するベース部とを備え、前記シール部は、前記貫通孔の周縁部分の一方側の面に、前記貫通孔を囲うように突設された水返し部を有し、前記貫通孔の周縁部分が前記配管の外周面に沿って筒状に迫り出すように変形することにより、前記貫通孔が前記配管の外径に合わせて拡径可能とされたことを特徴とする配管用密閉部材を提供する。
本発明によれば、シール部は可撓性を有する板状部分であって、配管が挿通される貫通孔を有するとともに、当該貫通孔の周縁部分の一方側の面に、貫通孔を囲うように突設された水返し部を有している。貫通孔の直径よりも大きな外径を有する断熱型配管を、水返し部が設けられていない側から貫通孔に押し込むと、貫通孔の周縁部分が配管の押し込み方向に撓んで筒状に迫り出すように変形し、貫通孔が配管の外径に合わせて拡径する。これにより、シール部の筒状に迫り出した部分(以下、「筒状迫り出し部」と称する)の内周面が配管の外周面に密接した状態で、配管が貫通孔に挿通される。配管が貫通孔に挿通されるとき、水返し部は、筒状迫り出し部の外周面から径方向外側に突出した形(鍔状)に変形する。その結果、建築用面材上に生じた結露水が、配管用密閉部材の表面を伝い貫通孔に向かって流れてきても、結露水は鍔状に変形した水返し部で堰き止められ、貫通孔へ到達することなく下方へ落下する。従って、外周部に断熱層を有する断熱型配管に対して配管用密閉部材を使用する場合であっても、建築用面材上で発生した結露水が配管用密閉部材を伝って配管の断熱層に浸入するのを防止することができる。
本発明においては、前記水返し部は、前記貫通孔の周縁部分から前記貫通孔の軸方向に突出する円筒状に形成されており、当該水返し部の内径は、前記配管の外径よりも小さいことが好ましい。
この構成によれば、配管を貫通孔に挿通したときに、貫通孔の周縁部分が筒状に迫り出すのに伴い、水返し部は、筒状迫り出し部に対して確実に立ち上がるように変形する。従って、水返し部によって結露水をより確実に堰き止めることができる。
本発明においては、前記水返し部は、前記貫通孔の周縁部分との境界部から先端部にかけて次第に厚みが薄くなっていることが好ましい。
この構成によれば、水返し部は、貫通孔の周縁部分との境界部から先端部にかけて次第に剛性が小さくなるため、貫通孔に配管が挿通されたときに、水返し部が湾曲した形(反った形)や寝た形になってしまうことが防止され、鍔状に変形し易くなる。よって、水返し部によって結露水を確実に堰き止めることができる。
本発明においては、前記ベース部は、前記貫通孔の周縁部分の周囲を保持するとともに、前記シール部よりも硬質の素材で構成されていることが好ましい。
この構成によれば、硬質のベース部がシール部における貫通孔周縁部の周囲を保持することにより、貫通孔に配管を挿通する際に貫通孔周縁部および水返し部が歪に変形するのを防止し、結露水を確実に堰き止めることができる。
本発明は、建築用面材を貫通する配管と当該建築用面材との隙間を密閉する配管用密閉部材を用いた配管配設構造であって、建築用面材を貫通する配管と、前記配管と前記建築用面材との隙間を密閉する配管用密閉部材とを備え、前記配管用密閉部材は、前記配管が挿通される貫通孔を有するとともに自然状態において板状をなす可撓性のシール部と、前記シール部を前記建築用面材に固定するベース部とを含み、前記シール部は、自然状態において、前記貫通孔の周縁部分の一方側の面に、前記貫通孔を囲うように突設された水返し部を有し、前記配管は、自然状態の前記貫通孔の直径より大きな外径を有し、前記配管が前記貫通孔に挿通された状態において、前記貫通孔の周縁部分が筒状に迫り出して筒状迫り出し部が形成され、当該筒状迫り出し部の内周面に前記配管の外周面が密接し、前記水返し部が前記筒状迫り出し部の外周面から鍔状に突出するように変形していることを特徴とする配管配設構造を提供する。
本発明によれば、断熱型配管に対して配管用密閉部材を使用する場合であっても、建築用面材上で発生した結露水が配管用密閉部材を伝って配管の断熱層に浸入するのを防止することができる。
以上説明したように、外周部にグラスウール等からなる断熱層を有する断熱型配管に対して配管用密閉部材を用いる場合であっても、建築用面材上で発生した結露水が配管用密閉部材を伝って断熱層に浸入するのを防止することができる。
本発明の実施形態に係る配管用密閉部材の構成を示す図であり、(a)は正面図、(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は側面図である。 本発明の実施形態に係る配管用密閉部材の構成を示す裏面図である。 図1(b)に示されたB部の拡大図である。 図1(b)に示されたC部の拡大図である。 本発明の実施形態に係る配管用密閉部材を用いた配管配設構造の一例を示す断面図である。 図5に示されたD部の拡大図である。 特許文献1に記載の配管用密閉部材の構成を示す正面図である。 特許文献1に記載の配管用密閉部材の使用状態の一例を示す断面図である。 特許文献1に記載の配管用密閉部材の使用状態の他の例を示す断面図である。
以下、図1〜6を参照しながら本発明の好ましい実施の形態について詳述する。
(実施形態)
配管用密閉部材1は、建築用面材としての外壁下地材G1(図5,6参照)を貫通する配管P2と外壁下地材G1との隙間を密閉するための部材である。なお、建築用面材は、外壁下地材G1に限るものではなく、床材など他の部材であってもよい。
図1,2に示されるように、配管用密閉部材1は、ベース部2と、シール部3とを備えている。
ベース部2は、シール部3を外壁用下地材G1に固定する部分である。ベース部2は、外壁下地材G1に固定される略正方形板状の部材であって(図5,6参照)、第1貫通孔4と、ベース部重合部5と、固定部11とを有している。
ベース部2は、少なくとも外壁下地材G1に固定するときに波打つことがない程度の硬さを有している。ベース部2は、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)等の素材から構成することができるが、その素材は特に限定されない。
第1貫通孔4は、配管P2が挿通される孔である。第1貫通孔4の直径は、配管P2の外径よりも大きい。
ベース部重合部5は、シール部3が一体に重ねられる部分である。ベース部重合部5は、ベース部2における第1貫通孔4の周縁部分に形成される。ベース部重合部5は、第1貫通孔4を囲う一定幅の円環状部分である。
固定部11は、ベース部重合部5の周囲に形成される部分である。固定部11は、粘着テープや接着剤等によって外壁下地材G1に固定される。
シール部3は、可撓性を有する円板状の部材であって、第2貫通孔6と、貫通孔周縁部9と、水返し部8と、シール部重合部7とを有している。
シール部3は、可撓性を有する弾性素材、例えば、熱可塑性エラストマー(TPE)から構成される。熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン系、オレフィン系、塩化ビニル系、塩素化ポリエチレン系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、シリコーン系、フッ素系などを挙げることができる。
第2貫通孔6は、配管P2が挿通される孔である。第2貫通孔6は、弾性変形することによって拡径可能とされている。第2貫通孔6の直径は、第1貫通孔4の直径よりも小さい。また、第2貫通孔6の直径は、自然状態(変形前の状態)において、第2貫通孔6に挿通される配管P2の外径よりも小さい。シール部3は、第2貫通孔6に配管P2が挿通されたときに、第2貫通孔6の周縁部分、すなわち貫通孔周縁部9が配管P2に沿って略直角に撓むことができる程度の柔軟性(可撓性)を有している。
貫通孔周縁部9は、第2貫通孔6と後述するシール部重合部7の間の部分であって、一定幅の円環状部分である。
第2貫通孔6のベース部2側から配管P2を押し込むと、図5,6に示されるように、貫通孔周縁部9が、ベース部2側とは反対側に撓んで円筒状に迫り出すように変形するとともに、第2貫通孔6が配管P2の外径に合わせて拡径する。その円筒状に迫り出した部分(以下、「円筒状迫り出し部10」と称する)の内周面に配管P2の外周面が弾性的に密接する。
水返し部8は、図1,2に示されるように、貫通孔周縁部9におけるベース部2側とは反対側の面において、第2貫通孔6を囲うように突設されている。図1,4に示されるように、水返し部8は、自然状態(変形前の状態)において、第2貫通孔6の軸方向に突出する円筒状の凸部である。
水返し部8の内径は、自然状態において、第2貫通孔6の直径よりも大きく、かつ、配管P2の外径よりも小さい。
水返し部8の突出方向の長さ(突出長h、図4参照)は、外壁下地材G1上で発生した結露水を堰き止めることができる長さとされており、例えば3〜10mm、好ましくは5mm程度とされる。
水返し部8は、図4に示されるように、貫通孔周縁部9との境界部分から先端部にかけて次第に厚みが薄くなっている。
第2貫通孔6のベース部2側から配管P2を押し込むと、図5,6に示されるように、貫通孔周縁部9が円筒状に迫り出すように変形するのに伴い、水返し部8は、円筒状迫り出し部10の外周面から径方向外側に突出した形(鍔状)に変形する。
シール部重合部7は、第2貫通孔6が第1貫通孔4の内側に位置する状態でベース部2のベース部重合部5に一体に重ねられる円環状部分である。
ベース部2とシール部3は、例えば2色成形によって一体に成形される。なお、ベース部2とシール部3を一体にする方法はこれに限定されず、例えば、別々に成形したベース部2とシール部3を接着剤等で接合してもよい。
次に、図5、6を参照しつつ、配管用密閉部材1を用いた配管の配設構造について説明する。ここでは、住宅の壁Waを貫通する配管P2に対して配管用密閉部材1を使用する場合について説明する。
図5,6に示されるように、壁Waは、外壁Gと、内壁Nと、外壁Gと内壁Nの間に設けられた断熱材Adとを備えている。外壁Gは、外壁下地材G1と、外壁下地材G1から間隔をあけて配設された外壁材G2とを備えている。外壁下地材G1と外壁材G2の間には、空隙Kが形成されている。空隙Kは、外壁G内で空気を流通させるための空間である。
外壁下地材G1の屋外側の面(外面)には、図外の防水シートが設けられている。
配管P2は、配管本体Phと、配管本体Phの外周面に設けられたグラスウール等からなる断熱層Pgとを有する断熱型配管である。配管本体Phの先端部は、断熱層Pgの先端部よりも迫り出している。配管P2は、内壁N付近において、他の配管P2と円筒状の継手12を介して軸方向に結合されている。
配管本体Phは、内壁N、断熱材Ad、外壁下地材G1、および外壁材G2を貫通する。外壁材G2に形成された貫通孔は、配管本体Phの外径よりも大きい。外壁材G2の貫通孔と配管本体Phの隙間には、シール材Sが充填される。
断熱層Pgは、内壁N、断熱材Ad、および外壁下地材G1を貫通する。断熱層Pgの先端は、外壁材G2の屋内側の面(内面)に当接している。
配管用密閉部材1のベース部2は、外壁下地材G1の屋外側の面に、より詳しくはこの面を覆う防水シートに粘着テープ等によって固定されている。
配管用密閉部材1の第1貫通孔4および第2貫通孔6には配管P2が挿通されている。配管P2の挿通状態において、第2貫通孔6が拡径しているとともに、貫通孔周縁部9がベース部2とは反対側に撓んで円筒状に迫り出すように変形し、円筒状迫り出し部10を形成している。配管P2の外周面に円筒状迫り出し部10の内周面が弾性的に密接している。円筒状迫り出し部10の先端は、外壁材G2の内面に当接してもよいし、当接しなくてもよい。
貫通孔周縁部9が円筒状に迫り出して円筒状迫り出し部10が形成されるのに伴い、水返し部8が円筒状迫り出し部10の外周面から鍔状(円環状)に突出するように変形している。
このように構成された配管配設構造において、外壁下地材G1上に結露水が生じた場合、結露水はベース部2およびシール部3を伝って円筒状迫り出し部10に到達する。しかしながら、円筒状迫り出し部10には鍔状の水返し部8が形成されているため、結露水は水返し部8で堰き止められ、円筒状迫り出し部10の外周面を伝って落下する。従って、結露水が第2貫通孔6に到達することが防止され、結露水が第2貫通孔6を通じて断熱層Pgに浸入することが防止される。
以上説明したように、配管用密閉部材1を用いた配管配設構造によれば、外壁下地材G1上に結露水が発生しても、その結露水は水返し部8で堰き止められるので、結露水が断熱層Pgに浸入することが防止される。
水返し部8は、貫通孔周縁部9との境界部から先端部にかけて次第に厚みが薄くなっているので、水返し部8は貫通孔周縁部9との境界部から先端部にかけて次第に剛性が小さくなる。このため、第2貫通孔6に配管P2が挿通されるときに、水返し部8が真っ直ぐに立たずに湾曲した形(反った形)や寝た形になってしまうことが防止され、結露水をより確実に堰き止めることができる。
水返し部8は、自然状態において、貫通孔周縁部9から第2貫通孔6の軸方向に突出する円筒状に形成されている。このため、配管P2を第2貫通孔6に挿通したときに、水返し部8は、円筒状迫り出し部10に対して確実に立ち上がるように変形する。従って、水返し部8によって結露水を確実に堰き止めることができる。
なお、水返し部8は、円筒状迫り出し部10に対して直角に立ち上がるように形成されてもよいし、ベース部2側に傾斜する方向に立ち上がるように形成されてもよい。
水返し部8の形状は、図4に示した例に限定されず、例えば、水返し部8の先端部から基端部(貫通孔周縁部9との境界部)にかけて延びる溝状の薄肉部を水返し部8の全周に亘って等間隔に複数本形成してもよい。薄肉部を形成すると、水返し部8の剛性が小さくなって鍔状に変形し易くなる。また、その薄肉部は先端部に近づく程、幅が広く或いは深さが大きくなるように形成してもよい。薄肉部をそのように形成すると、先端部に近づく程水返し部8の剛性が小さくなり、水返し部8をより確実に鍔状に変形させることができる。
水返し部8の内径は、自然状態において、第2貫通孔6の直径と同じであってもよい。
上記実施形態では、断熱層Pgを有する断熱型配管を第2貫通孔6に挿通する例を示したが、断熱層Pgを有さない配管を第2貫通孔6に挿通してもよい。
1 配管用密閉部材
2 ベース部
3 シール部
4 第1貫通孔
5 ベース部側重合部
6 第2貫通孔
7 シール部側重合部
8 水返し部
9 貫通孔周縁部
10 円筒状迫り出し部
11 固定部

Claims (5)

  1. 建築用面材を貫通する配管と当該建築用面材との隙間を密閉するための配管用密閉部材であって、
    可撓性を有する板状部分であって前記配管が挿通される貫通孔を有するシール部と、
    前記シール部を前記建築用面材に固定するベース部とを備え、
    前記シール部は、前記貫通孔の周縁部分の一方側の面に、前記貫通孔を囲うように突設された水返し部を有し、
    前記貫通孔の周縁部分が前記配管の外周面に沿って筒状に迫り出すように変形することにより、前記貫通孔が前記配管の外径に合わせて拡径可能とされたことを特徴とする、配管用密閉部材。
  2. 前記水返し部は、前記貫通孔の周縁部分から前記貫通孔の軸方向に突出する円筒状に形成されており、当該水返し部の内径は、前記配管の外径よりも小さいことを特徴とする、請求項1に記載の配管用密閉部材。
  3. 前記水返し部は、前記貫通孔の周縁部分との境界部から先端部にかけて次第に厚みが薄くなっていることを特徴とする、請求項1または2に記載の配管用密閉部材。
  4. 前記ベース部は、前記貫通孔の周縁部分の周囲を保持するとともに、前記シール部よりも硬質の素材で構成されていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の配管用密閉部材。
  5. 建築用面材を貫通する配管と当該建築用面材との隙間を密閉する配管用密閉部材を用いた配管配設構造であって、
    建築用面材を貫通する配管と、
    前記配管と前記建築用面材との隙間を密閉する配管用密閉部材とを備え、
    前記配管用密閉部材は、
    前記配管が挿通される貫通孔を有するとともに自然状態において板状をなす可撓性のシール部と、
    前記シール部を前記建築用面材に固定するベース部とを含み、
    前記シール部は、自然状態において、前記貫通孔の周縁部分の一方側の面に、前記貫通孔を囲うように突設された水返し部を有し、
    前記配管は、自然状態の前記貫通孔の直径より大きな外径を有し、
    前記配管が前記貫通孔に挿通された状態において、前記貫通孔の周縁部分が筒状に迫り出して筒状迫り出し部が形成され、当該筒状迫り出し部の内周面に前記配管の外周面が密接し、前記水返し部が前記筒状迫り出し部の外周面から鍔状に突出するように変形していることを特徴とする、配管配設構造。
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