JP2015224506A - 開口枠材 - Google Patents

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良明 鍜治
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隆 奥山
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Keita Onodera
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Abstract

【課題】表面意匠の選択自由度を向上し得る開口枠材を提供する。
【解決手段】上枠材20とこの上枠材の長手方向両端部のそれぞれに接合される一対の縦枠材10,10とを備えた開口枠材1であって、前記上枠材及び前記一対の縦枠材の少なくとも施工された状態で露出する両見付面26,16及び見込面28,18は、表面仕上シート5,4の貼着が可能なように易貼着性の下地面とされており、前記上枠材と前記一対の縦枠材とが接合された状態で、これらの両見付面26,16における境界部に沿うように、前記表面仕上シートの端部5a,4aが差し入れられる凹溝部29が形成される構成とされている。
【選択図】図1

Description

本発明は、開口枠材に関する。
従来より、表面に樹脂シート等の化粧シートが貼着された開口枠が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
特開平8−128281号公報
しかしながら、上記のようなものでは、壁紙等の色柄の種類に比べて、一般的に色柄の種類が少なく、また、製造会社が壁紙等の他の内装材や内装設備等の製造会社と異なる場合等には、これらの表面意匠と色柄等を合わせ難くなるということも考えられる。また、発注後に表面の色柄等を変え難く、例えば、内装の仕上げ段階の際や部分リフォームの際等に、他の内装部位との調和性等を見たいような場合にも対応が困難であった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、表面意匠の選択自由度を向上し得る開口枠材を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係る開口枠材は、上枠材とこの上枠材の長手方向両端部のそれぞれに接合される一対の縦枠材とを備えた開口枠材であって、前記上枠材及び前記一対の縦枠材の少なくとも施工された状態で露出する両見付面及び見込面は、表面仕上シートの貼着が可能なように易貼着性の下地面とされており、前記上枠材と前記一対の縦枠材とが接合された状態で、これらの両見付面における境界部に沿うように、前記表面仕上シートの端部が差し入れられる凹溝部が形成されることを特徴とする。
本発明に係る開口枠材は、上述のような構成としたことで、表面意匠の選択自由度を向上させることができる。
(a)、(b)は、いずれも本発明の一実施形態に係る開口枠材の一例を模式的に示し、(a)は、図3(a)におけるX1−X1線矢視に対応させた一部破断概略横断面図、(b)は、(a)に対応させた一部破断概略横断面図である。 (a)は、図3(a)におけるX2−X2線矢視に対応させた一部破断概略横断面図、(b)は、(a)に対応させた一部破断概略横断面図である。 (a)は、同開口枠材の一部破断概略正面図、(b)は、同開口枠材の一部破断概略斜視図である。 (a)、(b)は、本発明の他の実施形態に係る開口枠材の一例を模式的に示し、図1(b)に対応させた一部破断概略横断面図である。 (a)、(b)は、本発明の更に他の実施形態に係る開口枠材の一例を模式的に示し、図1(b)に対応させた一部破断概略横断面図である。
以下に本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
なお、一部の図では、他図に付している詳細な符号の一部を省略している。
また、図1、図2、図4及び図5の横断面図では、表面基材及び表面仕上シートの切断面の平行斜線(ハッチング)を省略している。
図1〜図3は、第1実施形態に係る開口枠材の一例を模式的に示す図である。
本実施形態に係る開口枠材1は、図3(a)に示すように、上枠材20と、この上枠材20の長手方向両端部のそれぞれに接合される一対の縦枠材10,10と、を備えている。また、上枠材20及び一対の縦枠材10,10の少なくとも施工された状態で露出する両見付面26,26,16,16,16,16及び見込面28,18,18は、表面仕上シート5,4の貼着が可能なように易貼着性の下地面とされている。また、開口枠材1は、上枠材20と一対の縦枠材10,10とが接合された状態で、これらの両見付面26,26,16,16,16,16における境界部に沿うように、表面仕上シート5,4の端部5a,4aが差し入れられる凹溝部29が形成される構成とされている。
表面仕上シート4,5は、当該開口枠材1が工場出荷後に、例えば、住居等の建物等の施工現場や工務店等の施工現場外の貼着現場において、開口枠材1の下地面に貼着される。この表面仕上シート4,5としては、薄シート状(フィルム状)とされたもので貼着現場において貼着可能なものであればどのようなものでもよく、例えば、合成樹脂製シートや突板等の化粧シートや、樹脂クロスや紙クロス、布クロス等の壁紙等としてもよい。また、表面仕上シート4,5は、開口枠材1の下地面に接着剤等によって貼着されるものとしてもよく、裏面に粘着材及び剥離紙が設けられたものとしてもよい。
開口枠材1は、図2及び図3(a)に示すように、住居等の建物内の壁体6に設けられた開口部に設置され、壁体6によって間仕切られた一方側空間と他方側空間とを連通させる出入口7を区画する。また、開口枠材1が設置される開口部は、その天面が、上枠材20が固定される上枠下地とされ、また、その開口幅方向両側の内側面が、縦枠材10,10が固定される縦枠下地とされている。
本実施形態では、開口枠材1を、下枠を備えていない、いわゆる三方枠としている。
また、本実施形態では、開口枠材1を、図示省略の建具が建て付けられる建具枠材としている。図例では、開口枠材1を、戸当たり部材3が取り付けられる構成としている。つまり、当該開口枠材1の一方の縦枠材10に、蝶番等の回動連結部材を介して建具としての開き戸が連結され、建て付けられる構成とされている。
また、本実施形態では、図1に示すように、一対の縦枠材10,10の各見付面16,16,16,16と上枠材20の各見付面26,26とを、これら上枠材20と一対の縦枠材10,10とが接合された状態で、段差状となる構成としている。つまり、一対の縦枠材10,10の壁厚方向一方側に向く見付面16,16と上枠材20の壁厚方向一方側に向く見付面26とが段差状となる構成としている。また、一対の縦枠材10,10の壁厚方向他方側に向く見付面16,16と上枠材20の壁厚方向他方側に向く見付面26とが段差状となる構成としている。
また、本実施形態では、一対の縦枠材10,10の見付面16,16,16,16が上枠材20の見付面26,26よりも壁厚方向(見込方向)外側に位置するように接合される構成としている。つまり、一対の縦枠材10,10の壁厚方向に沿う寸法(見込寸法)を、上枠材20の見込寸法よりも大きい寸法としている。
また、本実施形態では、開口枠材1を、上枠材20の長手方向の各端面に、一対の縦枠材10,10の上端部の互いに向き合う見込面(間口方向中央側に向く面)18,18をそれぞれ突き合わせ、接合される構成としている。つまり、一対の縦枠材10,10と上枠材20とは、縦勝ち状に接合される構成とされている。これら一対の縦枠材10,10の上端部及び上枠材20の長手方向両端部とは、釘やねじ等の止具によって接合されるものとしてもよい。また、これら一対の縦枠材10,10の上端部及び上枠材20の長手方向両端部に、これらが接合される際に用いられるダボ等の接合補助部を設けた構成としてもよい。
また、本実施形態では、図3(a)に示すように、これら縦枠材10と上枠材20とが接合された状態で、これらの境界部に沿うように形成される凹溝部29を、縦枠材10の長手方向に延びるように形成される構成としている。
つまりは、開口枠材1の見込方向両側における上枠材20の長手方向両側と一対の縦枠材10,10との境界部に沿うように、それぞれに同様の構成とされた4つの凹溝部29が形成される構成としている。
この凹溝部29は、図1及び図2に示すように、見込方向外方側に向けて開口するように形成される構成とされている。また、凹溝部29は、接合された状態における開口枠材1の上側面及び入隅下側面において開口し上下に貫通するように形成される構成とされている。また、この凹溝部29は、間口方向に向く溝幅方向両側の内側壁18a,27と見込方向外方側に向く溝底面とによって区画され、略矩形溝形状とされている。
この凹溝部29の溝幅寸法(間口方向に沿う寸法)や溝深さ寸法(見込方向に沿う寸法)は、表面仕上シート4,5の厚さに応じて、また、表面仕上シート4,5の各端部4a,5aの差込性や抜けを抑制する観点等から適宜、設定するようにしてもよい。例えば、凹溝部29の溝幅寸法を、2mm〜10mm程度としてもよく、好ましくは3mm〜5mm程度としてもよい。また、この凹溝部29の溝深さ寸法を、例えば、3mm〜15mm程度としてもよく、好ましくは5mm〜10mm程度としてもよい。
また、本実施形態では、図1に示すように、凹溝部29の溝幅方向両側の内側壁18a,27を、表面仕上シート4,5の貼着が可能な易貼着性の下地面としている。また、図2及び図3(a)に示すように、凹溝部29の両側の内側壁18a,27のうちの間口方向中央側に向く一方の内側壁18aを、縦枠材10の間口方向中央側に向く見込面18と同一平面状としている。
また、本実施形態では、一対の縦枠材10,10及び上枠材20を、芯材11,11,21に下地面を構成する表面基材13,13,23を貼着した構成としている。
一対の縦枠材10,10は、本実施形態では、図1及び図2に示すように、見込方向両端部が両壁面から突出するように配される固定枠とされている。
また、本実施形態では、これら縦枠材10,10の見込方向両端部の出入口7側の縁部に、面取部16a,16a,16a,16aを設けている。図例では、これら面取部16a,16a,16a,16aを、平坦傾斜面形状(C面取り形状)とした例を示しているが、突湾曲面形状(R面取り形状)としてもよい。
また、本実施形態では、これら縦枠材10,10の少なくとも両壁面から突出するいわゆるちり部の間口方向外方側に向く両側のちり外側面17,17,17,17を、表面仕上シート4の貼着が可能な易貼着性の下地面としている。
これら縦枠材10,10は、互いに同様の構成とされているので、以下では、一方の縦枠材10を例にとって説明する。
縦枠材10は、面取部16a,16aを含む両見付面16,16、両ちり外側面17,17及び凹溝部29の内側壁18aを含む見込面18が概ね一連状の下地面とされている。図例では、縦枠材10の見込面18に戸当たり部材3が取り付けられる取付溝2を設けた構成とし、取付溝2によって下地面としての見込面18が見込方向に分断された構成としている。この取付溝2は、見込面18において開口し全長に亘って延びるように設けられている。戸当たり部材3は、図2に示すように、取付溝2に嵌め込まれる嵌合凸部を有した構成とされ、図3に示すように、接合された開口枠材1の見込面18,18,28に沿うように取り付けられる。なお、戸当たり部材3における少なくとも各枠材10,10,20に取り付けられた状態で露出する表面を、表面仕上シートの貼着が可能な易貼着性の下地面としてもよい。
表面基材13は、面取部16a,16aを含む両見付面16,16、両ちり外側面17,17及び凹溝部29の内側壁18aを含む見込面18が概ね一連状の下地面となるように、芯材11に概ね一連状に貼着されている。図例では、芯材11の取付溝2の部位及び間口方向外方側に向く面の見込方向中央側部位を除いた部位に一連状に表面基材13を貼着した例を示している。また、図例では、芯材11の間口方向外方側面の見込方向両側部位に、表面基材13を受け入れる凹段部を設けた構成としている。
この表面基材13は、取付溝2を隔てるように芯材11の見込方向両側部位のそれぞれに個別に貼着されたものでもよい。または、取付溝2が設けられる部位を含んで芯材11に一連状に表面基材13を貼着した後に、芯材11を含めて表面基材13を切除等して取付溝2を設けた構成としてもよい。
また、表面基材13は、薄板状の木質系基材14の表面に、下地面を構成する下地シート15をそれぞれに貼着した構成とされ、かつ裏面側に芯材11の四周の角部(本実施形態では、面取部の角部を含む角部)に応じた折曲溝を設けた構成とされている。表面基材13は、折曲溝の部位において残存する少なくとも下地シート15の部位がヒンジ部(折曲部)のように機能し、これらの部位において折り曲げ可能とされている。
なお、表面基材13の折曲溝自体を、これらの部位において折り曲げられて形成された縦枠材10の角部の全てまたはいずれかが上記のような面取り形状となるように表面基材13の裏面側に設けた構成としてもよい。
また、表面基材13は、芯材11に適宜の接着剤等によって貼着するようにしてもよい。
上枠材20は、縦枠材10と同様、見込方向両端部が両壁面から突出するように配される固定枠とされている。図例では、この上枠材20の見込寸法を、縦枠材10の見込方向両側の面取部16a,16aの出入口7側縁部間の見込方向に沿う寸法と略同寸法とした例を示している(図2参照)。
なお、この上枠材20の見込方向両端部の出入口7側の縁部に、上記同様、面取部を設けた構成としてもよい。
また、上枠材20の少なくとも両壁面から突出するいわゆるちり部の上側面を、表面仕上シート5の貼着が可能な易貼着性の下地面としてもよい。
また、上枠材20は、両見付面26,26、長手方向両側の凹溝部29,29の内側壁27,27及び下方側に向く見込面28が概ね一連状の下地面とされている。この上枠材20の見込面28にも、上記同様、戸当たり部材3が取り付けられる取付溝が全長に亘って設けられており、この取付溝によって下地面としての見込面28が見込方向に分断されている(図3(a)参照)。
上枠材20の表面基材23は、両見付面26,26、長手方向両側の凹溝部29,29の内側壁27,27及び下方側に向く見込面28が概ね一連状の下地面となるように、芯材21に一連状に貼着されている。この表面基材23は、上記同様、取付溝を隔てるように芯材21の見込方向両側部位のそれぞれに個別に貼着されたものでもよい。または、取付溝が設けられる部位を含んで芯材21に一連状に表面基材23を貼着した後に、芯材21を含めて表面基材23を切除等して取付溝を設けた構成としてもよい。
また、本実施形態では、芯材21の長手方向両端部に長手方向外方側に向けて突出するように凸部22,22を設け、これら凸部22,22の先端側を露出させるように、表面基材23を貼着した構成としている。また、これら凸部22,22が凹溝部29の溝底面を構成している。なお、このような態様に代えて、凹溝部29の溝底面が下地面となるように表面基材23を貼着した態様としてもよい。
また、表面基材23は、上記同様、薄板状の木質系基材24の表面に、下地面を構成する下地シート25を貼着した構成とされている。また、表面基材23は、上記と概ね同様、裏面側に芯材21の長手方向両側の凹溝部を構成する両角部及び見込方向両側の下側角部に応じた折曲溝を設けた構成とされている。
なお、各枠材10,20の芯材11,21は、木質系材料から形成されたものとしてもよい。木質系材料としては、合板やLVL(単板積層材)等の木質積層板、パーティクルボード等の木質ボード、インシュレーションボードやMDF(中密度繊維板)等の木質繊維板などとしてもよい。または、これら芯材11,21を、合成樹脂系材料に、木粉や無機フィラー、相溶化剤、着色剤などを所定の含有割合で含有させた木粉・プラスチック複合材(WPC)から形成されたものとしてもよい。
また、各枠材10,20の表面基材13,23の裏面側層を構成する木質系基材14,24としては、上記同様の木質系材料から形成されたものとしてもよい。この木質系基材14,24は、例えば、1.0mm〜5.0mm程度の厚さ寸法とされたものとしてもよい。
また、表面基材13,23の表面側層を構成する下地シート15,25としては、その表面が、表面仕上シート4,5の貼着が可能で剥離し難いような易貼着性の表面物性(貼着手段による十分な貼着強度が得られる物性)を有したものとしてもよい。このような下地シート15,25としては、紙材や、紙材に貼着手段としての接着剤との親和性のある樹脂を含浸させたシート、貼着手段としての接着剤との親和性のある樹脂シート等としてもよい。また、下地シート15,25の表面が易貼着性の下地面となるように適宜の表面処理(表面研磨や、プライマー塗布、各種放電処理、光オゾン処理等)が施されたものとしてもよい。また、下地シート15,25は、例えば、50μm〜1.0mm程度の厚さ寸法とされたものとしてもよい。
また、表面基材13,23としては、木質系基材14,24と下地面を構成する下地シート15,25とからなる二層構造とされたものに限られず、木質系基材14,24の裏面側や木質系基材14,24と下地シート15,25との間に他のシート材等を更に積層した構造とされたものとしてもよい。
また、当該開口枠材1の下地面16,17,18,18a,26,27,28の色柄は、表面仕上シート4,5の表面意匠への影響がないように、白色や淡い色等としてもよく、また、単色や無地等としてもよい。
また、当該開口枠材1の下地面16,17,18,18a,26,27,28に、表面仕上シート4,5を貼着する際に表面仕上シート4,5との間に入り込む空気を排出するための複数の溝を設けた構成としてもよい。
また、当該開口枠材1が、建具枠を構成する場合には、建具の種類や建て付け態様等に応じて、適宜、レールが嵌め入れられるレール溝や、蝶番等の回動連結部材の取付凹所、ラッチ受や錠装置等を取り付けるための収納凹所や加工孔等を適宜、設けておくようにしてもよい。
また、当該開口枠材1の下地面16,17,18,18a,26,27,28を全面に亘って覆うように、剥離可能な剥離シート等の保護シートを貼着した構成としてもよい。
上記構成とされた開口枠材1に表面仕上シート4,5を貼着し、開口枠材1を表面仕上済開口枠9とする際には、例えば、以下のようにしてもよい。
図例では、開口枠材1を開口部に設置した状態で露出する下地面16,17,18,18a,26,27,28に表面仕上シート4,5を貼着した例を示している。また、図例では、各枠材10,20の取付溝2によって分断された見込方向両側の下地面のそれぞれに一枚の表面仕上シート4,4,4,4,5,5を一連状に貼着した例を示している。
縦枠材10には、例えば、見込方向一方側のちり外側面17側の壁面に、縦枠表面仕上シート4を突き合わせ、そのちり外側面17、見込方向一方側の見付面16及び面取部16aに縦枠表面仕上シート4を貼着する。そして、縦枠表面仕上シート4の上端部を除いた見込面覆い部4bの端部を、戸当たり部材3に突き合わせるように見込面18に貼着し、縦枠表面仕上シート4の上端部の差し込まれる端部4aを、凹溝部29に差し込み、貼着するようにしてもよい。また、縦枠材10の見込方向他方側にも同様にして縦枠表面仕上シート4を貼着するようにしてもよい。
また、上枠材20の見込方向一方側には、見込方向一方側の見付面26に上枠表面仕上シート5を貼着し、また、戸当たり部材3に突き合わせるように見込面28に上枠表面仕上シート5を貼着する。また、この上枠表面仕上シート5の見付面26に貼着された部位の長手方向両端部5a,5aを、上枠材20の長手方向両側の凹溝部29,29にそれぞれ差し込み、貼着するようにしてもよい。また、上枠材20の見込方向他方側にも同様にして上枠表面仕上シート5を貼着するようにしてもよい。
なお、これら表面仕上シート4,5は、各枠材10,20の下地面16,17,18,18a,26,27,28に貼着可能なように、適宜の寸法とされたものとしてもよい。また、各表面仕上シート4,5の凹溝部29に差し込まれる端部4a,5aに余長部位を設け、その余長部位をへら等によって凹溝部29に押し込むように差し込み、凹溝部29内においてカッター等によって切断する態様としてもよい。
また、戸当たり部材3を取り付ける前に表面仕上シート4,5を貼着する場合には、表面仕上シート4,5の各枠材の見込面を覆う部位の端部を、取付溝の溝縁に合わせるように貼着するような態様としてもよい。この場合は、表面仕上シート4,5の取付溝側の端部を、戸当たり部材3によって押えるように納める態様としてもよい。
また、これら表面仕上シート4,5は、適宜の接着剤によって各枠材10,20の下地面16,17,18,18a,26,27,28に貼着するようにしてもよい。または、表面仕上シート4,5の裏面に剥離紙や粘着材が設けられている場合には、剥離紙を剥がして貼着するようにしてもよい。
また、このような表面仕上工程は、住居等の建物等の施工現場において開口枠材1を設置後に行うようにしてもよく、または、設置前に行う場合には、工務店等の施工現場外において行うようにしてもよい。
また、表面仕上済開口枠9が建具枠を構成し、開口枠材1に上記のような取付凹所や収納凹所、加工孔等が設けられている場合には、表面仕上シート4を貼着した後に、当該部位に貼着された表面仕上シート4を切除等するようにしてもよい。
また、上記した各表面仕上シート4,5の貼着態様は、一例に過ぎず、種々の貼着態様の採用が可能である。例えば、縦枠材10の見込方向両側のそれぞれに一枚の縦枠表面仕上シート4,4を一連状に貼着した態様に代えて、複数枚の表面仕上シートを貼着した態様等としてもよい。例えば、縦枠材10の見込面18に一連状に表面仕上シートの貼着が可能な場合には、縦枠材10の上端部を除いた部位に一枚の表面仕上シートを一連状に貼着し、その上端部には、見込方向両側のそれぞれに表面仕上シートを貼着するような態様等としてもよい。
本実施形態に係る開口枠材1は、上述のような構成としたことで、表面意匠の選択自由度を向上させることができる。
つまり、一対の縦枠材10,10及び上枠材20の少なくとも施工された状態で露出する両見付面16,16,16,16,26,26及び見込面18,18,28を、表面仕上シート4,5の貼着が可能なように易貼着性の下地面としている。従って、他の内装材や内装設備等の表面意匠と色柄等を合わせた表面仕上シート4,5を選択したり、内装の仕上げ段階の際や部分リフォームの際等に、他の内装部位との調和性を見るなどして表面仕上シート4,5を選択したりすることができる。そして、その選択した表面仕上シート4,5を、各枠材10,10,20の下地面に容易に貼着することができ、表面意匠の選択自由度を向上させることができる。
また、一対の縦枠材10,10と上枠材20が接合された状態で、これらの両見付面16,16,16,16,26,26における境界部に沿うように、表面仕上シート4,5の端部4a,5aが差し入れられる凹溝部29が形成される構成としている。従って、各枠材10,10,20の両見付面16,16,16,16,26,26のそれぞれに貼着された表面仕上シート4,5の端部4a,5aを凹溝部29に差し入れて納めることができる。これにより、縦枠材10と上枠材20との境界部において表面仕上シート4,5の端部4a,5a同士を突き合わせたり、重ね合わせたりして納める態様とした場合と比べて、表面仕上シート4,5の剥離を抑制することができる。また、表面仕上シート4,5の端部4a,5aを凹溝部29に差し入れて納めることができるので、表面仕上シート4,5の加工誤差等を吸収することができる。また、各枠材10,10,20を施工後に表面仕上シート4,5を貼着する態様とした場合にも、境界部における剥離を抑制することができる。これにより、例えば、施工前に各枠材10,10,20の各下地面に一連状に表面仕上シートを貼着する態様と比べて、施工時における表面仕上シートの傷付き等を抑制することができる。換言すれば、本実施形態によれば、各枠材10,10,20の施工後に表面仕上シート4,5の貼着が可能でありながらも、境界部における表面仕上シート4,5の剥離を抑制することができる。
また、本実施形態では、凹溝部29の溝幅方向両側の内側壁18a,27を、表面仕上シート4,5の貼着が可能な易貼着性の下地面としている。従って、凹溝部29の溝幅方向両側の内側壁18a,27に表面仕上シート4,5の端部4a,5aを貼着することもできる。これによれば、表面仕上シート4,5の剥離をより効果的に抑制することができる。
また、本実施形態では、一対の縦枠材10,10の各見付面16,16,16,16と上枠材20の各見付面26,26とを、これら一対の縦枠材10,10と上枠材20とが接合された状態で、段差状となる構成としている。従って、見込方向両側の出入口7側縁部に面取部16a,16aが設けられ、上枠材20よりも見込寸法が大きい寸法とされた縦枠材10,10と上枠材20とを縦勝ち状に見栄え良く接合することができる。また、このように枠材10,10,20同士の見付面16,26に段差が設けられた場合には、特に、境界部において表面仕上シート4,5の貼着がし難くなったり、表面仕上シート4,5の端部が剥がれ易くなったりすることが考えられる。本実施形態によれば、上述のように、境界部の凹溝部29に表面仕上シート4,5の端部4a,5aを差し入れて納めることができるので、このようなことを抑制することができる。
次に、本発明に係る他の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図4は、第2実施形態に係る開口枠材の一例を模式的に示す図である。
なお、上記第1実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
本実施形態に係る開口枠材1Aは、図4に示すように、凹溝部29Aに差し入れられた表面仕上シート4,5の端部4a,5aを押さえるように凹溝部29Aに挿入されるシート押さえ部材30を備えた構成が、上記第1実施形態とは主に異なる。
また、本実施形態では、凹溝部29Aの溝幅寸法を、シート押さえ部材30の挿入が可能なように、上記第1実施形態よりも大きい寸法としている。図例では、上枠材20Aの芯材21Aの凸部22A,22Aの突出寸法を上記第1実施形態よりも大きくし、凹溝部29Aの溝幅寸法を、上記第1実施形態よりも大きい寸法とした例を示している。この凹溝部29Aの溝幅寸法は、シート押さえ部材30の溝幅方向に沿う寸法に応じて適宜の寸法としてもよく、5mm〜20mm程度としてもよく、好ましくは10mm〜15mm程度としてもよい。
シート押さえ部材30は、凹溝部29Aの長手方向に沿って長尺な棒状とされている。また、本実施形態では、このシート押さえ部材30を、凹溝部29A内に全体が収容される形状としている。
このシート押さえ部材30の見込方向に沿う寸法は、凹溝部29Aの溝深さ寸法に応じた寸法としてもよく、凹溝部29Aの溝深さ寸法よりも小さい寸法としてもよい。図例では、シート押さえ部材30の見込方向に沿う寸法を、凹溝部29Aに挿入された状態で、その表面が上枠材20Aの見付面26に貼着された表面仕上シート5の表面と略同一平面状となるような寸法とした例を示している。
また、このシート押さえ部材30の間口方向に沿う寸法は、表面仕上シート4,5の端部4a,5aが差し入れられた状態における凹溝部29Aに挿入可能で、かつこれら端部4a,5aを凹溝部29Aの溝幅方向両側の内側壁18a,27に押圧可能なように適宜の寸法としてもよい。
また、このシート押さえ部材30は、凹溝部29Aの全長に亘って設けられるものとしてもよい。
なお、図例では、シート押さえ部材30を、中実の角柱棒状とした例を示しているが、中空筒状としたり、凹溝部29Aの溝底側に向くように開口した略U字溝形状(略C字溝形状、略コ字溝形状)としたりしてもよい。また、シート押さえ部材30の間口方向に沿う方向の両外側面に、間口方向に沿う方向に突出する凸部をそれぞれに設けてもよい。
また、このシート押さえ部材30は、表面仕上シート4,5の端部4a,5aが差し入れられた状態における凹溝部29Aに挿入するのみで、その弾性復元力や摩擦力等によって凹溝部29A内に保持されるものとしてもよい。または、シート押さえ部材30を、接着剤等によって凹溝部29A内に固定するようにしてよい。
また、シート押さえ部材30は、上記したWPCや、硬質の合成樹脂系材料、金属系材料等から形成されたものとしてもよい。
上記構成とされた開口枠材1Aにも、上記第1実施形態と概ね同様にして表面仕上シート4,5の貼着が可能である。また、凹溝部29Aに差し入れられた表面仕上シート4,5の端部4a,5aを押さえるようにシート押さえ部材30を凹溝部29Aに挿入し、表面仕上済開口枠9Aとしてもよい。
本実施形態に係る開口枠材1Aにおいても、上記した第1実施形態と略同様の効果を奏する。
また、本実施形態では、凹溝部29Aに差し入れられた表面仕上シート4,5の端部4a,5aを押さえるように凹溝部29Aに挿入されるシート押さえ部材30を備えた構成としている。従って、シート押さえ部材30によって、表面仕上シート4,5の端部4a,5aが復元力等によって凹溝部29Aから出てしまうようなことを防止することができ、表面仕上シート4,5の剥離をより効果的に抑制することができる。
次に、本発明に係る更に他の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図5は、第3実施形態に係る開口枠材の一例を模式的に示す図である。
なお、上記第2実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
本実施形態に係る開口枠材1Bは、図5に示すように、凹溝部29Bの溝底面を、縦枠材10A側と上枠材20B側とに跨るように設けた構成が、上記第2実施形態とは主に異なる。
本実施形態では、上記と概ね同様に上枠材20Bの長手方向両端部に設けられた凸部22B,22Bに対向するように、一対の縦枠材10A,10Aの間口方向内方側に凸部12,12を設けた構成としている。また、これら縦枠材10Aの凸部12と上枠材20Bの凸部22Bとによって凹溝部29Bの溝底面を構成している。また、この凸部12は、縦枠材10Aの全長に亘って設けられている。図例では、見込面となる凸部12の先端面18A及び凸部12の見込方向両側面が、凸部12の見込方向両側の凹溝部29Bの内側壁18a,18aから概ね一連状の下地面となるように、芯材11Aに表面基材13Aを貼着した構成とした例を示している。
上記構成とされた開口枠材1Bにも、上記第1実施形態と概ね同様にして表面仕上シート4,5の貼着が可能である。また、上記第2実施形態と同様、凹溝部29Bに差し入れられた表面仕上シート4,5の端部4a,5aを押さえるようにシート押さえ部材30を凹溝部29Bに挿入し、表面仕上済開口枠9Bとしてもよい。
本実施形態に係る開口枠材1Bにおいても、上記した第2実施形態と略同様の効果を奏する。
なお、上記各実施形態に係る開口枠材1,1A,1Bを、建具枠とした場合には、これに建て付けられる建具の表面を、上記同様な表面仕上シートの貼着が可能な易貼着性の下地面としてもよい。このような建具としては、一対の縦框部と一対の横框部とを有した四方框部内に鏡板部が設けられた框状パネル材としてもよい。この場合は、パネル厚さ方向両面における一対の縦框部と一対の横框部との境界部に沿うように、表面仕上シートの端部が差し入れられる上記同様の凹溝部を設けた構成としてもよい。
また、上記各実施形態では、凹溝部29,29A,29Bの溝幅方向両側の内側壁18a,27を下地面とした例を示しているが、これらを下地面としないようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、一対の縦枠材10,10Aの各見付面16,16,16,16と上枠材20,20A,20Bの各見付面26,26とを段差状とした例を示しているが、これらを略同一平面状としてもよい。
また、上記各実施形態では、開口枠材1,1A,1Bを、縦勝ち状に接合される構成とした例を示しているが、横勝ち状に接合される構成としてもよい。つまり、接合された状態で間口方向に延びる凹溝部29,29A,29Bが形成される構成とされたものとしてもよい。
また、各枠材10,10A,20,20A,20Bを、芯材に表面基材を貼着した態様とせずに、中実の板状部材から構成されたものとしてもよい。この場合は、上記した各面が下地面となるように、適宜の表面処理を施すようにしてもよい。
また、上記した例では、開口枠材1,1A,1Bを、下枠を備えていない三方枠とした例を示しているが、下枠を備えた四方枠としてもよい。この場合は、下枠材と一対の縦枠材との境界部にも上記同様な凹溝部が形成される構成としてもよい。
また、開口枠材1,1A,1Bの形状等は、上記した例に限られず、建て付けられる建具の種類や、建具の納め態様等に応じて、種々の変形が可能である。例えば、縦枠材10,10Aの見込面18,18Aに、戸当たり部材3の取付溝2に代えて、戸じゃくり溝を設けたような態様としたり、さらには、見込面18,18Aを、溝のない平坦面としてもよい。また、開口枠材1,1A,1Bに建て付けられる建具としては、開き戸に限られず、引戸や折戸等としてもよい。また、例えば、開口枠材1,1A,1Bを、袖壁納めや戸袋納めで引戸を納める建具枠とする場合には、適宜、戸尻側の縦枠材や上枠材の戸尻側部位の見込寸法を小さくしたり、一対の縦枠材間に中間縦枠材(中方立材)を更に設けた態様としたりしてもよい。この場合は、中間縦枠材と上枠材との境界部にも上記同様な凹溝部が形成される構成としてもよい。さらには、開口枠材1,1A,1Bは、建具が建て付けられる建具枠材に限られず、このような建具が建て付けられない無目枠状の枠材を構成するものとしてもよい。
1,1A,1B 開口枠材
10,10A 縦枠材
16 見付面
18 見込面
20,20A,20B 上枠材
26 見付面
28 見込面
29,29A,29B 凹溝部
30 シート押さえ部材
4 縦枠表面仕上シート(表面仕上シート)
4a 端部
5 上枠表面仕上シート(表面仕上シート)
5a 端部

Claims (3)

  1. 上枠材とこの上枠材の長手方向両端部のそれぞれに接合される一対の縦枠材とを備えた開口枠材であって、
    前記上枠材及び前記一対の縦枠材の少なくとも施工された状態で露出する両見付面及び見込面は、表面仕上シートの貼着が可能なように易貼着性の下地面とされており、
    前記上枠材と前記一対の縦枠材とが接合された状態で、これらの両見付面における境界部に沿うように、前記表面仕上シートの端部が差し入れられる凹溝部が形成されることを特徴とする開口枠材。
  2. 請求項1において、
    前記凹溝部に差し入れられた前記表面仕上シートの端部を押さえるように該凹溝部に挿入されるシート押さえ部材を備えていることを特徴とする開口枠材。
  3. 請求項1または2において、
    前記上枠材の各見付面と前記一対の縦枠材の各見付面とは、これら上枠材と一対の縦枠材とが接合された状態で、段差状となる構成とされていることを特徴とする開口枠材。
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