JP2015224505A - 框状パネル材 - Google Patents

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Yoshiaki Kaji
良明 鍜治
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隆 奥山
小野寺 慶太
Keita Onodera
慶太 小野寺
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Abstract

【課題】表面意匠の選択自由度及び表面仕上シートの貼着性を向上させながらも、表面仕上シートの剥離を抑制し得る框状パネル材を提供する。【解決手段】一対の縦框部10,10と一対の横框部20,20とを有した四方框部内に鏡板部30が設けられた框状パネル材1であって、少なくとも前記四方框部のパネル厚さ方向両面16,16,16,16,26,26,26,26及びパネル幅方向外側面17,17は、表面仕上シート2,3の貼着が可能なように易貼着性の下地面とされており、前記パネル厚さ方向両面における前記一対の縦框部と前記一対の横框部との境界部に沿うように、前記表面仕上シートの端部2a,3aが差し入れられる凹溝部29が設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、框状パネル材に関する。
従来の引戸パネルや開き戸パネルなどの建具パネルや、間仕切パネル、その他の内装パネルなどのパネル材は、四周表面に、樹脂シート等の化粧シートが貼着された構成とされている。このようなものでは、壁紙等の色柄の種類に比べて、一般的に色柄の種類が少なく、また、製造会社が壁紙等の他の内装材や内装設備等の製造会社と異なる場合等には、これらの表面意匠と色柄等を合わせ難くなるということも考えられる。また、発注後に表面の色柄等を変え難く、例えば、内装の仕上げ段階の際や部分リフォームの際等に、他の内装部位との調和性等を見たいような場合にも対応が困難であった。
例えば、下記特許文献1では、紙と耐水性樹脂のフィルムとからなる下地シートを、合板やMDF等の板の両側の表面に貼り付けた構成とされた下地用板が提案されている。
実開平9−322号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された下地用板では、厚さ方向両面に壁紙や襖紙等を貼ることは可能ではあるが、側端面への貼着性については考慮がなされておらず、更なる改善が望まれる。また、例えば、四方框部内に鏡板部を設けた構成とされた框状パネルの四方框部のパネル厚さ方向両面に表面仕上シートを貼着することも考えられるが、この場合、パネル厚さ方向両面のそれぞれに一連状に貼着することは困難となることが考えられる。また、四方框部を構成する縦框部及び横框部のそれぞれに個別に表面仕上シートを貼着することも考えられるが、この場合には、これらの境界部において表面仕上シートが剥がれ易くなることが考えられる。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、表面意匠の選択自由度及び表面仕上シートの貼着性を向上させながらも、表面仕上シートの剥離を抑制し得る框状パネル材を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係る框状パネル材は、一対の縦框部と一対の横框部とを有した四方框部内に鏡板部が設けられた框状パネル材であって、少なくとも前記四方框部のパネル厚さ方向両面及びパネル幅方向外側面は、表面仕上シートの貼着が可能なように易貼着性の下地面とされており、前記パネル厚さ方向両面における前記一対の縦框部と前記一対の横框部との境界部に沿うように、前記表面仕上シートの端部が差し入れられる凹溝部が設けられていることを特徴とする。
本発明に係る框状パネル材は、上述のような構成としたことで、表面意匠の選択自由度及び表面仕上シートの貼着性を向上させながらも、表面仕上シートの剥離を抑制することができる。
(a)、(b)は、いずれも本発明の一実施形態に係る框状パネル材の一例を模式的に示し、(a)は、図3(a)におけるX1−X1線矢視に対応させた一部破断概略横断面図、(b)は、(a)に対応させた一部破断概略横断面図である。 (a)は、図3(a)におけるX2−X2線矢視に対応させた一部破断概略横断面図、(b)は、(a)に対応させた一部破断概略横断面図である。 (a)は、同框状パネル材の一部破断概略正面図、(b)は、同框状パネル材の一部破断概略斜視図である。 (a)、(b)は、本発明の他の実施形態に係る框状パネル材の一例を模式的に示し、図1(b)に対応させた一部破断概略横断面図である。 (a)、(b)は、本発明の更に他の実施形態に係る框状パネル材の一例を模式的に示し、図1(b)に対応させた一部破断概略横断面図である。
以下に本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
なお、一部の図では、他図に付している詳細な符号の一部を省略している。
また、図1、図2、図4及び図5の横断面図では、表面基材及び表面仕上シートの切断面の平行斜線(ハッチング)を省略している。
図1〜図3は、第1実施形態に係る框状パネル材の一例を模式的に示す図である。
本実施形態に係る框状パネル材1は、図3(a)に示すように、一対の縦框部10,10と一対の横框部20,20とを有した四方框部内に鏡板部30を設けた構成とされている。また、図1及び図2に示すように、少なくとも四方框部のパネル厚さ方向両面16,16,16,16,26,26,26,26及びパネル幅方向外側面17,17は、表面仕上シート2,3の貼着が可能なように易貼着性の下地面とされている。また、框状パネル材1は、パネル厚さ方向両面における一対の縦框部10,10と一対の横框部20,20との境界部に沿うように、表面仕上シート2,3の端部2a,3aが差し入れられる凹溝部29を設けた構成とされている。
表面仕上シート2,3は、当該框状パネル材1が工場出荷後に、例えば、住居等の建物等の施工現場や工務店等の施工現場外の貼着現場において、框状パネル材1の下地面に貼着される。この表面仕上シート2,3としては、薄シート状(フィルム状)とされたもので貼着現場において貼着可能なものであればどのようなものでもよく、例えば、合成樹脂製シートや突板等の化粧シートや、樹脂クロスや紙クロス、布クロス等の壁紙等としてもよい。また、表面仕上シート2,3は、框状パネル材1の下地面に接着剤等によって貼着されるものとしてもよく、裏面に粘着材及び剥離紙が設けられたものとしてもよい。
本実施形態では、框状パネル材1を、図3(a)に示すように、一方向(上下方向)に長尺な形状としている。また、この框状パネル材1は、長手方向を上下方向に沿わせて配設される引戸パネルや開き戸パネルなどの建具パネルや、間仕切パネルなどの建具または間仕切を構成するものとしてもよい。
また、本実施形態では、図1に示すように、一対の縦框部10,10のパネル厚さ方向の各面としての表面16,16,16,16と一対の横框部20,20のパネル厚さ方向の各面としての表面26,26,26,26とを、段差状としている。つまり、一対の縦框部10,10のパネル厚さ方向一方の表面16,16と一対の横框部20,20のパネル厚さ方向一方の表面26,26とを段差状としている。また、一対の縦框部10,10のパネル厚さ方向他方の表面16,16と一対の横框部20,20のパネル厚さ方向他方の表面26,26とを段差状としている。
また、本実施形態では、一対の縦框部10,10の表面16,16,16,16が一対の横框部20,20の表面26,26,26,26よりもパネル厚さ方向外側に位置する構成としている。つまり、一対の縦框部10,10のパネル厚さ方向に沿う寸法を、一対の横框部20,20のパネル厚さ方向に沿う寸法よりも大きい寸法としている。
また、本実施形態では、図2に示すように、框状パネル材1を、これら縦框部10,10及び横框部20,20を有した四方框部内に、これらよりもパネル厚さ方向に沿う寸法が小さい寸法とされた薄板状の鏡板部30を設けた構成としている。また、この鏡板部30を、当該框状パネル材1の厚さ方向略中央に設けた構成としている。
また、本実施形態では、鏡板部30を、縦框部10,10及び横框部20,20を有した四方框部を構成する框体とは別体とされたものとしている。また、図例では、鏡板部30の四周端部を、四方框部の内周側面18,18,28,28に設けられた嵌込溝に嵌め込み、鏡板部30を四方框部に対して保持させた構成とした例を示している。なお、このような態様に代えて、または加えて、鏡板部30の四周端部をパネル厚さ方向両側から挟むように保持する額縁状部材(モール)を四方框部に固定し、鏡板部30を四方框部に対して保持させた構成としてもよい。
また、図例では、この鏡板部30を、透光性を有したものとしている。つまり、本実施形態では、框状パネル材1を、採光部を有した採光パネルとしている。この鏡板部30としては、アクリルやポリカーボネート等の合成樹脂系材料や、ガラス等からなる透光性を有した材料から形成されたものとしてもよい。なお、鏡板部30は、透光性を有したものに限られず、不透光な木質系材料や合成樹脂系材料等から形成されたものとしてもよく、表面に突板や樹脂フィルム等の表面化粧シートが貼着されたり、塗装が施されたりして表面化粧処理が施されたものとしてもよい。また、鏡板部30を、四方框部とは別体とされたものとした態様に代えて、四方框部に一体的に設けられたものとしてもよい。この場合は、鏡板部30の厚さ方向両面を、表面仕上シートの貼着が可能な易貼着性の下地面としてもよい。
また、本実施形態では、四方框部における鏡板部30側に向く内周側面18,18,28,28を、表面仕上シート2,3の貼着が可能な易貼着性の下地面としている。つまり、本実施形態では、框状パネル材1の長手方向両端面(上端面及び下端面)を除いた四方框部の露出する面を、表面仕上シート2,3の貼着が可能な易貼着性の下地面としている。なお、框状パネル材1の長手方向両端面(上端面及び下端面)を、表面仕上シートの貼着が可能な易貼着性の下地面としてもよい。
また、本実施形態では、一対の縦框部10,10を、当該框状パネル材1の全長に亘って設けた構成としている。つまり、框状パネル材1を、縦勝ち状の四方框状パネルとしている。つまりは、四方框部のパネル幅方向外側面は、一対の縦框部10,10のそれぞれのパネル幅方向外方側に向く外側面17,17によって構成されている。
また、本実施形態では、図3(a)に示すように、縦框部10と横框部20との境界部に沿う凹溝部29を、当該框状パネル材1の長手方向に延びるように設けた構成としている。
つまりは、框状パネル材1のパネル厚さ方向両側における一対の横框部20,20のパネル幅方向両側と一対の縦框部10,10との境界部に沿うように、それぞれに同様の構成とされた8つの凹溝部29を設けた構成としている。
この凹溝部29は、図1及び図2に示すように、パネル厚さ方向外方側に向けて開口し、かつ框状パネル材1の長手方向外側端面(上端面または下端面)及び四方框部のパネル長手方向に向く内周側面28において開口するように設けられている。また、この凹溝部29は、パネル幅方向に向く溝幅方向両側の内側壁18a,27とパネル厚さ方向外方側に向く溝底面とによって区画され、略矩形溝形状とされている。
この凹溝部29の溝幅寸法(パネル幅方向に沿う寸法)や溝深さ寸法(パネル厚さ方向に沿う寸法)は、表面仕上シート2,3の厚さに応じて、また、表面仕上シート2,3の各端部2a,3aの差込性や抜けを抑制する観点等から適宜、設定するようにしてもよい。例えば、凹溝部29の溝幅寸法を、2mm〜10mm程度としてもよく、好ましくは3mm〜5mm程度としてもよい。また、この凹溝部29の溝深さ寸法を、例えば、3mm〜15mm程度としてもよく、好ましくは5mm〜10mm程度としてもよい。
また、本実施形態では、図1に示すように、凹溝部29の溝幅方向両側の内側壁18a,27を、表面仕上シート2,3の貼着が可能な易貼着性の下地面としている。また、図2及び図3(a)に示すように、凹溝部29の両側の内側壁18a,27のうちのパネル幅方向中央側に向く一方の内側壁18aを、四方框部の内周側面を構成する縦框部10のパネル幅方向中央側に向く内側面18と同一平面状としている。
また、本実施形態では、一対の縦框部10,10及び一対の横框部20,20を、芯材11,11,21,21に下地面を構成する表面基材13,13,23,23,23,23を貼着した構成としている。
また、図例では、当該框状パネル材1を、互いに別体とされた一対の縦框部10,10と一対の横框部20,20とを框組して構成した例を示している。また、図例では、一対の縦框部10,10の長手方向両端部の互いに向き合う内側面側に、一対の横框部20,20のパネル幅方向両端部に設けられた係合凸部22,22,22,22を受け入れる係合凹所を設けた構成としている。また、図例では、これら縦框部10,10と横框部20,20とを、ダボ接合によって框組した例を示している。なお、これら縦框部10,10と横框部20,20とを、框組する態様としては、その他、種々の態様としてもよい。
一対の縦框部10,10は、両表面16,16、外側面17及び凹溝部29の内側壁18aを含む内側面18が一連状の下地面とされている。これら一対の縦框部10,10は、互いに同様の構成とされている。
これら縦框部10,10は、芯材11,11に表面基材13,13を貼着した構成とされている。
表面基材13,13は、上記した両表面16,16、外側面17及び凹溝部29の内側壁18aを含む内側面18が一連状の下地面となるように、芯材11,11に一連状に貼着されている。図例では、略角柱状とされた芯材11,11の四周に沿わせるように表面基材13,13をそれぞれに貼着した構成としている。また、内側面側に、上記した係合凹所及び嵌込溝が表面基材13の厚さによって形成されるように表面基材13を芯材11に貼着した構成としている。なお、このような態様に代えて、芯材11を含めて表面基材13を切除等して係合凹所及び嵌込溝を設けた構成としてもよい。
また、これら表面基材13,13は、薄板状の木質系基材14,14の表面に、下地面を構成する下地シート15,15をそれぞれに貼着した構成とされ、かつ裏面側に芯材11,11の四周の角部に応じた折曲溝を設けた構成とされている。これら表面基材13,13は、折曲溝の部位において残存する少なくとも下地シート15の部位がヒンジ部(折曲部)のように機能し、これらの部位において折り曲げ可能とされている。
なお、芯材11の四周角部に応じた折曲溝を、これらの部位において折り曲げられて形成された縦框部10の四周角部がR面取り状の突湾曲面形状やC面取り形状等の面取り形状となるように表面基材13の裏面側に設けた構成としてもよい。
また、表面基材13は、芯材11の四周に適宜の接着剤等によって貼着するようにしてもよい。
一対の横框部20,20は、パネル厚さ方向の各面側における表面26、パネル幅方向両側の凹溝部29,29の内側壁27,27及び四方框部の内周側面を構成するパネル長手方向中央側に向く内側面28が一連状の下地面とされている。これら一対の横框部20,20は、互いに概ね同様の構成とされている。図例では、上側の横框部20のパネル長手方向に沿う寸法(上下寸法)を、下側の横框部20の上下寸法よりも小さい寸法とした例を示しているが、このような態様に限られない。
これら横框部20,20は、芯材21,21に表面基材23,23,23,23を貼着した構成とされている。
パネル厚さ方向の各面側の表面基材23は、上記した表面26、凹溝部29,29の内側壁27,27及び内側面28が一連状の下地面となるように、芯材21のパネル厚さ方向の各面側のそれぞれに一連状に貼着されている。図例では、芯材21のパネル幅方向両端部にパネル幅方向外方側に向けて突出するように設けられた係合凸部22,22の先端側を露出させるように、表面基材23,23を貼着した例を示している。つまり、芯材21の係合凸部22,22が凹溝部29の溝底面を構成している。なお、このような態様に代えて、凹溝部29の溝底面が下地面となるように表面基材23,23を貼着した態様としてもよい。また、上記と概ね同様、内側面側に、上記した嵌込溝が表面基材23,23の厚さによって形成されるように表面基材23,23を芯材21に貼着した構成としてもよい。
また、表面基材23,23は、上記同様、薄板状の木質系基材24,24の表面に、下地面を構成する下地シート25,25をそれぞれに貼着した構成とされている。また、表面基材23,23は、上記と概ね同様、裏面側に芯材21,21のパネル幅方向両側の凹溝部を構成する両角部及び内側面側の角部に応じた折曲溝を設けた構成とされている。
なお、各框部10,20の芯材11,21は、木質系材料から形成されたものとしてもよい。木質系材料としては、合板やLVL(単板積層材)等の木質積層板、パーティクルボード等の木質ボード、インシュレーションボードやMDF(中密度繊維板)等の木質繊維板などとしてもよい。または、これら芯材11,21を、合成樹脂系材料に、木粉や無機フィラー、相溶化剤、着色剤などを所定の含有割合で含有させた木粉・プラスチック複合材(WPC)から形成されたものとしてもよい。また、これら芯材11,21は、上記した形状に中実状とされたものに限られず、複数の枠部材や桟部材を組み付けた構成とされたフラッシュ状の芯材としてもよい。
また、各框部10,20の表面基材13,23の裏面側層を構成する木質系基材14,24としては、上記同様の木質系材料から形成されたものとしてもよい。この木質系基材14,24は、例えば、1.0mm〜5.0mm程度の厚さ寸法とされたものとしてもよい。
また、表面基材13,23の表面側層を構成する下地シート15,25としては、その表面が、表面仕上シート2,3の貼着が可能で剥離し難いような易貼着性の表面物性(貼着手段による十分な貼着強度が得られる物性)を有したものとしてもよい。このような下地シート15,25としては、紙材や、紙材に貼着手段としての接着剤との親和性のある樹脂を含浸させたシート、貼着手段としての接着剤との親和性のある樹脂シート等としてもよい。また、下地シート15,25の表面が易貼着性の下地面となるように適宜の表面処理(表面研磨や、プライマー塗布、各種放電処理、光オゾン処理等)が施されたものとしてもよい。また、下地シート15,25は、例えば、50μm〜1.0mm程度の厚さ寸法とされたものとしてもよい。
また、表面基材13,23としては、木質系基材14,24と下地面を構成する下地シート15,25とからなる二層構造とされたものに限られず、木質系基材14,24の裏面側や木質系基材14,24と下地シート15,25との間に他のシート材等を更に積層した構造とされたものとしてもよい。
また、当該框状パネル材1の下地面16,17,18,18a,26,27,28の色柄は、表面仕上シート2,3の表面意匠への影響がないように、白色や淡い色等としてもよく、また、単色や無地等としてもよい。
また、当該框状パネル材1の下地面16,17,18,18a,26,27,28に、表面仕上シート2,3を貼着する際に表面仕上シート2,3との間に入り込む空気を排出するための複数の溝を設けた構成としてもよい。
また、当該框状パネル材1が、建具や可動間仕切を構成する場合には、当該框状パネル材1に、ランナーや戸車等の走行案内部材や、蝶番等の回動連結部材、ハンドルや引手等の手掛部材、錠装置等を取り付けるための収納凹所や加工孔等を適宜、設けておくようにしてもよい。
また、当該框状パネル材1の下地面16,17,18,18a,26,27,28を全面に亘って覆うように、剥離可能な剥離シート等の保護シートを貼着した構成としてもよい。
上記構成とされた框状パネル材1に表面仕上シート2,3を貼着し、框状パネル材1を表面仕上済パネル9とする際には、例えば、以下のようにしてもよい。
図例では、一対の縦框部10,10のそれぞれに一枚の縦框表面仕上シート2,2を一連状に貼着し、一対の横框部20,20のそれぞれのパネル厚さ方向両面側のそれぞれに、一枚の横框表面仕上シート3,3,3,3を一連状に貼着した例を示している。
縦框部10には、例えば、パネル厚さ方向一方面側の上下の凹溝部29,29に、縦框表面仕上シート2の上下端部の一側端部2a,2aを差し込み、また、パネル厚さ方向一方面側の内側面18に、縦框表面仕上シート2の上下途中部位の一側端部2bを貼着する。そして、縦框部10のパネル厚さ方向一方側の表面16、外側面17及び他方側の表面16に巻き付けるように貼着する。そして、パネル厚さ方向他方面側の上下の凹溝部29,29に、縦框表面仕上シート2の上下端部の他側端部2a,2aを差し込み、また、パネル厚さ方向他方面側の内側面18に、縦框表面仕上シート2の上下途中部位の他側端部2bを貼着するようにしてもよい。
また、横框部20のパネル厚さ方向一方面側には、横框部20のパネル厚さ方向一方側の表面26に横框表面仕上シート3を貼着する。そして、この横框表面仕上シート3の内側面28側の端部3bを横框部20のパネル厚さ方向一方面側の内側面28に貼着するようにしてもよい。また、横框表面仕上シート3のパネル幅方向両側の端部3a,3aを、横框部20のパネル厚さ方向一方面側におけるパネル幅方向両側の凹溝部29,29にそれぞれ差し込むようにしてもよい。また、横框部20のパネル厚さ方向他方面側にも同様にして横框表面仕上シート3を貼着するようにしてもよい。
なお、これら表面仕上シート2,3は、各框部10,20の下地面16,17,18,18a,26,27,28に貼着可能なように、適宜の寸法とされたものとしてもよい。また、各表面仕上シート2,3の凹溝部29に差し込まれる端部2a,3aに余長部位を設け、その余長部位をへら等によって凹溝部29に押し込むように差し込み、凹溝部29内においてカッター等によって切断する態様としてもよい。また、鏡板部30の四周端部においても概ね同様、表面仕上シート2,3の各端部2b,3bに余長部位を設け、その余長部位をカッター等によって切断することで表面仕上シート2,3の内周側面側の各端部2b,3bを鏡板部30に突き合わせるように貼着する態様としてもよい。また、鏡板部30の四周端部をパネル厚さ方向両側から挟むように保持する額縁状部材を設けた場合には、表面仕上シート2,3の内周側面側の各端部2b,3bを額縁状部材に突き合わせる態様としてもよい。この場合は、四方框部の内周側面を下地面としないようにしてもよい。さらには、このような態様に代えて、表面仕上シート2,3の内周側面側の各端部2b,3bを内周側面に貼着した後に、額縁状部材を固定するような態様等としてもよい。
また、これら表面仕上シート2,3は、適宜の接着剤によって各框部10,20の下地面16,17,18,18a,26,27,28に貼着するようにしてもよい。または、表面仕上シート2,3の裏面に剥離紙や粘着材が設けられている場合には、剥離紙を剥がして貼着するようにしてもよい。
また、このような表面仕上工程は、住居等の建物等の施工現場において行うようにしてもよく、工務店等の施工現場外において行うようにしてもよい。また、建具や可動間仕切を構成する場合には、建て付けられた状態で、表面仕上シート2,3を貼着するような態様等としてもよい。
また、表面仕上済パネル9が建具や可動間仕切を構成し、框状パネル材1に上記のような収納凹所や加工孔等が設けられている場合には、表面仕上シート2を貼着した後に、当該部位に貼着された表面仕上シート2を切除等するようにしてもよい。
また、上記した各表面仕上シート2,3の貼着態様は、一例に過ぎず、種々の貼着態様の採用が可能である。例えば、縦框部10や横框部20のパネル厚さ方向一方面側に一枚の表面仕上シート2,3を一連状に貼着した態様に代えて、複数枚の表面仕上シートを貼着した態様等としてもよい。
本実施形態に係る框状パネル材1は、上述のような構成としたことで、表面意匠の選択自由度及び表面仕上シート2,3の貼着性を向上させながらも、表面仕上シート2,3の剥離を抑制することができる。
つまり、少なくとも四方框部のパネル厚さ方向両面(表面)16,16,16,16,26,26,26,26及びパネル幅方向外側面17,17を、表面仕上シート2,3の貼着が可能なように易貼着性の下地面としている。従って、他の内装材や内装設備等の表面意匠と色柄等を合わせた表面仕上シート2,3を選択したり、内装の仕上げ段階の際や部分リフォームの際等に、他の内装部位との調和性を見るなどして表面仕上シート2,3を選択したりすることができる。そして、その選択した表面仕上シート2,3を、当該框状パネル材1の各框部10,20の下地面16,17,18,18a,26,27,28に容易に貼着することができ、表面意匠の選択自由度を向上させることができる。
また、パネル厚さ方向両面(表面)16,16,16,16,26,26,26,26における一対の縦框部10,10と一対の横框部20,20との境界部に沿うように、表面仕上シート2,3の端部2a,3aが差し入れられる凹溝部29を設けている。従って、各框部10,20の表面16,16,16,16,26,26,26,26のそれぞれに貼着された表面仕上シート2,3の端部2a,3aを凹溝部29に差し入れて納めることができる。これにより、縦框部10と横框部20との境界部において表面仕上シート2,3の端部2a,3a同士を突き合わせたり、重ね合わせたりして納める態様とした場合と比べて、表面仕上シート2,3の剥離を抑制することができる。また、表面仕上シート2,3の端部2a,3aを凹溝部29に差し入れて納めることができるので、表面仕上シート2,3の加工誤差等を吸収することができる。また、縦框部10の表面16,16と横框部20の表面26とに個別に表面仕上シート2,3を貼着することができるので、四方框部の表面16,16,26,26に一連状に表面仕上シート2,3を貼着する態様とした場合と比べて、貼着性を向上させることができる。
また、本実施形態では、凹溝部29の溝幅方向両側の内側壁18a,27を、表面仕上シート2,3の貼着が可能な易貼着性の下地面としている。従って、凹溝部29の溝幅方向両側の内側壁18a,27に表面仕上シート2,3の端部2a,3aを貼着することもできる。これによれば、表面仕上シート2,3の剥離をより効果的に抑制することができる。
また、本実施形態では、一対の縦框部10,10のパネル厚さ方向の各面16,16,16,16と一対の横框部20,20のパネル厚さ方向の各面26,26,26,26とを、段差状としている。従って、鏡板部30に加え、縦框部10のパネル厚さ方向面16と横框部20のパネル厚さ方向面26とにも段差が形成され、立体的な重厚感のある外観を呈するものとなる。また、このように段差が設けられた場合には、特に、境界部において表面仕上シート2,3の貼着がし難くなったり、表面仕上シート2,3の端部2a,3aが剥がれ易くなったりすることが考えられる。本実施形態によれば、上述のように、境界部の凹溝部29に表面仕上シート2,3の端部2a,3aを差し入れて納めることができるので、このようなことを抑制することができる。
次に、本発明に係る他の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図4は、第2実施形態に係る框状パネル材の一例を模式的に示す図である。
なお、上記第1実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
本実施形態に係る框状パネル材1Aは、図4に示すように、凹溝部29Aに差し入れられた表面仕上シート2,3の端部2a,3aを押さえるように凹溝部29Aに挿入されるシート押さえ部材31を備えた構成が、上記第1実施形態とは主に異なる。
また、本実施形態では、凹溝部29Aの溝幅寸法を、シート押さえ部材31の挿入が可能なように、上記第1実施形態よりも大きい寸法としている。図例では、横框部20Aの芯材21Aの係合凸部22Aの突出寸法を上記第1実施形態よりも大きくし、凹溝部29Aの溝幅寸法を、上記第1実施形態よりも大きい寸法とした例を示している。この凹溝部29Aの溝幅寸法は、シート押さえ部材31の溝幅方向に沿う寸法に応じて適宜の寸法としてもよく、5mm〜20mm程度としてもよく、好ましくは10mm〜15mm程度としてもよい。
シート押さえ部材31は、凹溝部29Aの長手方向に沿って長尺な棒状とされている。また、本実施形態では、このシート押さえ部材31を、凹溝部29A内に全体が収容される形状としている。
このシート押さえ部材31のパネル厚さ方向に沿う寸法は、凹溝部29Aの溝深さ寸法に応じた寸法としてもよく、凹溝部29Aの溝深さ寸法よりも小さい寸法としてもよい。図例では、シート押さえ部材31のパネル厚さ方向に沿う寸法を、凹溝部29Aに挿入された状態で、その表面が横框部20Aの表面26に貼着された表面仕上シート3の表面と略同一平面状となるような寸法とした例を示している。
また、このシート押さえ部材31のパネル幅方向に沿う寸法は、表面仕上シート2,3の端部2a,3aが差し入れられた状態における凹溝部29Aに挿入可能で、かつこれら端部2a,3aを凹溝部29Aの溝幅方向両側の内側壁18a,27に押圧可能なように適宜の寸法としてもよい。
また、このシート押さえ部材31は、凹溝部29Aの全長に亘って設けられるものとしてもよい。
なお、図例では、シート押さえ部材31を、中実の角柱棒状とした例を示しているが、中空筒状としたり、凹溝部29Aの溝底側に向くように開口した略U字溝形状(略C字溝形状、略コ字溝形状)としたりしてもよい。また、シート押さえ部材31のパネル幅方向に沿う方向の両外側面に、パネル幅方向に沿う方向に突出する凸部をそれぞれに設けてもよい。
また、このシート押さえ部材31は、表面仕上シート2,3の端部2a,3aが差し入れられた状態における凹溝部29Aに挿入するのみで、その弾性復元力や摩擦力等によって凹溝部29A内に保持されるものとしてもよい。または、シート押さえ部材31を、接着剤等によって凹溝部29A内に固定するようにしてよい。
また、シート押さえ部材31は、上記したWPCや、硬質の合成樹脂系材料、金属系材料等から形成されたものとしてもよい。
上記構成とされた框状パネル材1Aにも、上記第1実施形態と概ね同様にして表面仕上シート2,3の貼着が可能である。また、凹溝部29Aに差し入れられた表面仕上シート2,3の端部2a,3aを押さえるようにシート押さえ部材31を凹溝部29Aに挿入し、表面仕上済パネル9Aとしてもよい。
本実施形態に係る框状パネル材1Aにおいても、上記した第1実施形態と略同様の効果を奏する。
また、本実施形態では、凹溝部29Aに差し入れられた表面仕上シート2,3の端部2a,3aを押さえるように凹溝部29Aに挿入されるシート押さえ部材31を備えた構成としている。従って、シート押さえ部材31によって、表面仕上シート2,3の端部2a,3aが復元力等によって凹溝部29Aから出てしまうようなことを防止することができ、表面仕上シート2,3の剥離をより効果的に抑制することができる。
次に、本発明に係る更に他の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図5は、第3実施形態に係る框状パネル材の一例を模式的に示す図である。
なお、上記第2実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
本実施形態に係る框状パネル材1Bは、図5に示すように、凹溝部29Bの溝底面を、縦框部10A側と横框部20B側とに跨るように設けた構成、及びシート押さえ部材31Aの構成が、上記第2実施形態とは主に異なる。
本実施形態では、上記と概ね同様に横框部20Bのパネル幅方向両端部に設けられた凸部22B,22Bに対向するように、一対の縦框部10A,10Aのパネル幅方向内方側端部に凸部12,12を設けた構成としている。また、これら縦框部10Aの凸部12と横框部20Bの凸部22Bとによって凹溝部29Bの溝底面を構成している。また、この凸部12は、縦框部10Aの全長に亘って設けられている。図例では、内周側面を構成する凸部12の先端面19及び凸部12のパネル厚さ方向両側面が、凸部12のパネル厚さ方向両側の内側面18A,18Aから一連状の下地面となるように、芯材11Aに表面基材13Aを貼着した構成とした例を示している。
また、シート押さえ部材31Aのパネル厚さ方向外方側端部を、縦框部10Aのパネル厚さ方向面16と横框部20Bのパネル厚さ方向面26との段差に応じた段差状としている。
上記構成とされた框状パネル材1Bにも、上記第1実施形態と概ね同様にして表面仕上シート2,3の貼着が可能である。また、上記第2実施形態と同様、凹溝部29Bに差し入れられた表面仕上シート2,3の端部2a,3aを押さえるようにシート押さえ部材31Aを凹溝部29Bに挿入し、表面仕上済パネル9Bとしてもよい。
本実施形態に係る框状パネル材1Bにおいても、上記した第2実施形態と略同様の効果を奏する。
なお、上記各実施形態に係る框状パネル材1,1A,1Bを、建具パネルとした場合には、建て付けられる建具枠を構成する枠材の少なくとも施工された状態で露出する表面を、上記同様な表面仕上シートの貼着が可能なように易貼着性の下地面としてもよい。また、この場合は、建具枠を構成する上枠材と一対の縦枠材とが接合された状態で、これらの両見付面における境界部に沿うように、上記同様な表面仕上シートの端部が差し入れられる凹溝部が形成されるものとしてもよい。
また、上記各実施形態では、凹溝部29,29A,29Bの溝幅方向両側の内側壁18a,27を下地面とした例を示しているが、これらを下地面としないようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、一対の縦框部10,10Aのパネル厚さ方向の各面16,16,16,16と一対の横框部20,20A,20Bのパネル厚さ方向の各面26,26,26,26とを段差状とした例を示しているが、これらを略同一平面状としてもよい。
また、上記各実施形態では、框状パネル材1,1A,1Bを、縦勝ち状とした例を示しているが、横勝ち状としてもよい。つまり、パネル幅方向に延びる凹溝部29,29A,29Bが設けられたものとしてもよい。
また、上記各実施形態では、互いに別体とされた一対の縦框部10,10Aと一対の横框部20,20A,20Bとを框組して構成した例を示しているが、このような態様に限られない。例えば、複数の枠部材や桟部材をフラッシュ状に枠組みして四方框部の芯材を構成し、この芯材に表面基材を貼着したような構成としてもよい。さらには、框状パネル材1,1A,1Bの四方框部を、芯材に表面基材を貼着した態様とせずに、中実の板状部材から構成されたものとしてもよい。この場合は、上記した各面が下地面となるように、適宜の表面処理を施すようにしてもよい。
また、框状パネル材1,1A,1Bの形状等は、上記した例に限られず、種々の変形が可能である。例えば、パネル長手方向途中部位に、中間横框部を更に設けた態様としてもよい。この場合は、中間横框部と一対の縦框部との境界部にも、上記同様な凹溝部を設けるようにしてもよい。
また、上記各実施形態に係る框状パネル材1,1A,1Bは、建具パネルや間仕切パネルとして用いられるものに限られない。例えば、これらを、カウンターパネルとして用いられるものや、収納部を区画する各種のパネル(天板や側板、底板、棚板、仕切板等)として用いられるものとしたり、他の家具材や、他の内装材等として用いられるものとしてもよい。
1,1A,1B 框状パネル材
10,10A 縦框部
16 表面(パネル厚さ方向面)
17 外側面(パネル幅方向外側面)
20,20A,20B 横框部
26 表面(パネル厚さ方向面)
29,29A,29B 凹溝部
30 鏡板部
31,31A シート押さえ部材
2 縦框表面仕上シート(表面仕上シート)
2a 端部
3 横框表面仕上シート(表面仕上シート)
3a 端部

Claims (3)

  1. 一対の縦框部と一対の横框部とを有した四方框部内に鏡板部が設けられた框状パネル材であって、
    少なくとも前記四方框部のパネル厚さ方向両面及びパネル幅方向外側面は、表面仕上シートの貼着が可能なように易貼着性の下地面とされており、
    前記パネル厚さ方向両面における前記一対の縦框部と前記一対の横框部との境界部に沿うように、前記表面仕上シートの端部が差し入れられる凹溝部が設けられていることを特徴とする框状パネル材。
  2. 請求項1において、
    前記凹溝部に差し入れられた前記表面仕上シートの端部を押さえるように該凹溝部に挿入されるシート押さえ部材を備えていることを特徴とする框状パネル材。
  3. 請求項1または2において、
    前記一対の縦框部のパネル厚さ方向の各面と前記一対の横框部のパネル厚さ方向の各面とは、段差状とされていることを特徴とする框状パネル材。
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