JP2015223955A - 車両用シートの構造 - Google Patents

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佐々木 大輔
Daisuke Sasaki
大輔 佐々木
直記 安冨
Naoki Yasutomi
直記 安冨
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Abstract

【課題】段部を形成するシートクッション材の箇所の面剛性を確保し、差し込み部材の差し込み時に段部等の側壁が引っ張られても撓まず、段部等下段側の空間が狭まずに必要な大きさの空間を確保し、差し込み部材を差し込みつつ線状部材を嵌め込む作業を容易に行い、線状部材が付いた機能部品の組み付け作業性の向上を図る。
【解決手段】パッド2の裏面2bに段部21が設けられ、段部21を形成する側壁の長手方向に沿ってハーネス4を配置して、パッド2の裏面2bにハーネス4が保持されるものであり、段部21の底面21aと、側壁面21bと、側壁面21bに連続して位置するパッド2の裏面2bとにかけて補強材6が配置され、底面21aの補強材6で覆われている箇所には、補強材6を貫通してパッド2の内部に向かう孔部22が設けられ、孔部22にハーネス4のクリップ7を差し込み、段部21の長手方向に沿ってハーネス4を嵌め込むことにより、ハーネス4がパッド2の裏面2bに保持されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、ハーネスなどの線状部材を有する機能部品が装備されるような車両用シートの構造に関する。
自動車などの車室内に設置される車両用シートは、乗員が着座するためのシートクッションを備えており、該シートクッションは、シートクッション材のクッションパッドと、該クッションパッドを支持するクッションフレームを有している。
また、従来の車両用シートの中には、ハーネス付の機能部品(例えば、シートヒータ等)を装備する構造のシートがある。このような車両用シートにおいては、機能部品のハーネスがクッションフレームとクッションパッドの裏面との間に配索される構造となっている。特に、クッションフレームがパネルタイプの車両用シートにおいては、特許文献1に開示されているように、ハーネス保持用の溝をクッションパッドの裏面に設けておき、当該溝に機能部品のハーネスを挟み込んで保持するという構造が記載されている。あるいは、特許文献2に開示されているように、凹形状部をクッションパッドの裏面に設定し、当該凹形状部に機能部品のハーネスを対応させて配置するとともに、当該ハーネスの上から不織布等の布を覆い被せて接着することで保持するという構造が記載されている。
特開2013−82389号公報 特許第4934615号公報
しかしながら、上述した特許文献1のような車両用シートの構造においては、クッションパッドの裏面側に配索する機能部品のハーネスを固定するために、当該ハーネスを広い範囲で溝に挟み込む必要があった。また、上述した特許文献2のような車両用シートの構造においては、機能部品のハーネスを覆う部品の固定や当該ハーネスの位置合わせなどを行う必要があった。したがって、これらの車両用シートの構造では、ハーネス付の機能部品の組み付け作業に手間が掛かり、コスト高を招くという問題を有していた。
一方、図13〜図15に示すような車両用シート100においては、機能部品のハーネス101をクリップ102でパネルタイプのクッションフレーム103に固定しようとする場合に、クッションパッド104をクッションフレーム103から少し浮かせた状態でクリップ止めする必要があり、ハーネス付の機能部品の組み付け作業が非常に面倒であった。また、シートクッションが車両前方に回動して開くようなタイプの車両用シートでは、シートクッションが開いた状態において、クリップ102の先端が外側に飛び出すことになるので、外観が悪くなるとともに、乗員がクリップ102の先端に触れる懸念があった。
本発明はこのような実状に鑑みてなされたものであって、その目的は、段部または溝部を形成するシートクッション材の箇所の面剛性を確保し、差し込み部材の差し込み時に段部または溝部の側壁が引っ張られても撓まず、段部の下段側の空間や溝部の開口幅が狭まることなく必要な大きさの空間及び開口を確保して、差し込み部材を差し込みながら線状部材を嵌め込む作業を容易に行い、線状部材が付いた機能部品の組み付け作業性の向上を図ることが可能な車両用シートの構造を提供することにある。
上記従来技術の有する課題を解決するために、本発明は、シートクッション材の裏面に線状の段部または溝部が設けられ、該段部または該溝部を形成する側壁の長手方向に沿って線状部材を配置することにより、前記シートクッション材の裏面に前記線状部材が保持されている車両用シートの構造において、前記線状部材には差し込み部材が取付けられ、前記段部または前記溝部の底面と、該底面に連続して形成される側壁面と、該側壁面に連続して位置する前記シートクッション材の裏面とにかけて補強材が配置され、前記底面の前記補強材で覆われている箇所には、前記補強材を貫通して前記シートクッション材の内部に向かって凹む孔部が設けられ、該孔部に前記差し込み部材を差し込み、前記段部または前記溝部の長手方向に沿って前記線状部材を嵌め込むことにより、前記線状部材が前記シートクッション材の裏面に保持されている。
また、本発明において、前記段部または前記溝部は、前記補強材により覆われている箇所から前記補強材により覆われていない前記シートクッション材の裏面にかけて形成され、前記線状部材は、前記補強材により覆われている範囲の前記段部または前記溝部と、前記補強材により覆われていない範囲の前記段部または前記溝部とにかけて、連続的に嵌め込まれて保持されている。
さらに、本発明において、前記段部または前記溝部の底面に設けられる前記孔部の位置は、前記段部または前記溝部の長手方向に沿う方向の中央部である。
そして、本発明において、前記孔部は、前記補強材の中央部に配置されている。
上述の如く、本発明に係る車両用シートの構造は、シートクッション材の裏面に線状の段部または溝部が設けられ、該段部または該溝部を形成する側壁の長手方向に沿って線状部材を配置することにより、前記シートクッション材の裏面に前記線状部材が保持されているものであって、前記線状部材には差し込み部材が取付けられ、前記段部または前記溝部の底面と、該底面に連続して形成される側壁面と、該側壁面に連続して位置する前記シートクッション材の裏面とにかけて補強材が配置され、前記底面の前記補強材で覆われている箇所には、前記補強材を貫通して前記シートクッション材の内部に向かって凹む孔部が設けられ、該孔部に前記差し込み部材を差し込み、前記段部または前記溝部の長手方向に沿って前記線状部材を嵌め込むことにより、前記線状部材が前記シートクッション材の裏面に保持されているので、補強材によって面剛性が高められたシートクッション材の裏面に線状部材が保持されることになる。
したがって、本発明の車両用シートの構造によれば、線状部材を固定保持する差し込み部材の差し込み時においても、段部または溝部の側壁が引っ張られて撓み、内方に傾くということは無くなるので、段部の下段側の空間や溝部の開口幅が狭まることなく必要な大きさの空間及び開口を確保でき、差し込み部材を差し込みながら線状部材を嵌め込む作業を容易に行うことが可能となり、線状部材が付いた機能部品の組み付け作業性を向上させることができる。また、孔部を設ける位置に補強材が配設されているので、孔部に差し込んだ差し込み部材が当該孔部から抜け出るのを防止することができ、線状部材をシートクッション材の裏面に確実に保持することができる。さらに、差し込み部材は、シートクッション材の内部に向かって凹んだ孔部に差し込まれているので、シートクッションが車両前方に回動して開くようなタイプの車両用シートに適用され、シートクッションが開いた状態においても、差し込み部材の先端がシートクッション材の外側に飛び出すということは起こらず、外観品質を高めることができるとともに、乗員が差し込み部材の先端に触れることを回避することができる。
また、本発明において、前記段部または前記溝部は、前記補強材により覆われている箇所から前記補強材により覆われていない前記シートクッション材の裏面にかけて形成され、前記線状部材は、前記補強材により覆われている範囲の前記段部または前記溝部と、前記補強材により覆われていない範囲の前記段部または前記溝部とにかけて、連続的に嵌め込まれて保持されているので、補強材を設けていない箇所ではシートクッション材を形成するウレタン樹脂などの弾性力により線状部材を適度に押えることが可能となり、線状部材の段部または溝部内への保持をしっかりと行うことができる。また、線状部材を取付ける際は、差し込み部材を孔部に差し込む時に線状部材の段部または溝部への入り込みが容易となり、その後に、差し込み部材の位置から連続的につながっている線状部材を段部または溝部の幅方向の空間を押し広げながら、順次、段部または溝部に嵌め込むことが可能となり、しかも、線状部材を段部または溝部に嵌め込んだ後は、補強材を設けていない箇所の段部または溝部の側壁が線状部材をウレタン樹脂などの弾性力でしっかりと押えているので、線状部材の取付作業性が良く、かつ線状部材への保持力を確保した状態で線状部材を保持できるという2つの効果を併せ持つことができ、線状部材を有する機能部品を迅速かつ確実にシートクッション材に組み付けることができる。
さらに、本発明において、前記段部または前記溝部の底面に設けられる前記孔部の位置は、前記段部または前記溝部の長手方向に沿う方向の中央部であるので、孔部の両側においては、補強材で覆われていないシートクッション材の弾性力を利用して線状部材を保持することが可能となり、少ない設置数の固定部で長い距離に渡って配索する線状部材を安定して保持することができる。
そして、本発明において、前記孔部は、前記補強材の中央部に配置されているので、シートクッション材を形成するウレタン樹脂の発泡前に補強材を型内に固定するためのピンに補強材の端側で補強材を保持する場合に比べて、ウレタン樹脂の発泡が生じる過程で、当該ピンに補強材をしっかりと保持することができ、補強材の位置ズレ等が生じ難くなり、補強材をシートクッション材の所定位置に確実に設けることができる。
本発明の実施形態に係る車両用シートの構造が適用されるシートクッション材とクッションフレームとを分離して示す斜視図である。 図1において、段部が設けられたシートクッション材の裏面側を示す斜視図である。 図1におけるシートクッション材及びクッションフレームの裏面側を組み付けた状態で示す斜視図である。 図2において、補強材が設けられているシートクッション材の裏面側を示す斜視図である。 図4におけるX部を拡大して示す斜視図である。 図4において、補強材で覆われている箇所の段部の孔部にハーネスのクリップを差し込む前の状態で拡大して示す斜視図である。 図4において、シートクッション材の裏面側にハーネスがクリップ止めされた状態を示す斜視図である。 図6におけるA−A線断面図である。 図8におけるY部を拡大して示す断面図である。 補強材が設けられているシートクッション材を成形する発泡型を示す断面図である。 本発明の実施形態の変形例に係るものであって、補強材で覆われている箇所の溝部の孔部に、ハーネスに固定する矢印形状のクリップを差し込む前の状態で拡大して示す斜視図である。 本発明の実施形態の変形例に係るものであって、溝部に補強材が設けられているシートクッション材の裏面側を示す断面図である。 従来の構造の車両用シートにおいて、クッションパッドをクッションフレームから少し浮かせた状態で機能部品のハーネスをクリップでクッションフレームに固定する作業を説明する斜視図である。 図13におけるハーネスをクリップ止めでクッションフレームに固定した状態を示す斜視図である。 図14におけるZ部を拡大して示す斜視図である。
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1〜図10は本発明の実施形態に係る車両用シートの構造を示すものである。
本発明の実施形態の構造が適用される車両用シートは、車室内に配置されるシートであり、図1に示すように、乗員が着座するためのシートクッション1などを備えている。本実施形態のシートクッション1は、図1〜図3に示すように、車両上面視で略矩形を有するシートクッション材のクッションパッド2と、当該シートクッション1の下面を形成するパネルタイプのクッションフレーム3とを備えており、これらクッションパッド2及びクッションフレーム3を車両上下方向に重ね合わせ、クッションパッド2の外表面及びクッションフレーム3の周囲にシート表皮材(図示せず)を覆い被せることによって構成されている。なお、クッションパッド2は、ウレタン樹脂などを用いて一体成形されている。
本実施形態のシートクッション1には、図1に示すように、シートヒータを構成するヒータユニット等であって、線状部材のハーネス4を備えた機能部品5がクッションパッド2の後部寄りの上面2a側に取付けられており、該機能部品5のハーネス4は、クッションパッド2の裏面2bとクッションフレーム3との間に配索される構造となっている。このようなハーネス4は、車体側カプラー(図示せず)と接続する関係上、決められた位置や長さで固定されている必要がある。その理由として、ハーネス4の長さが短く不足している場合は、当該車体側カプラーと接続する際にハーネス4が引っ張られてしまい、ハーネス4の長さが長過ぎる場合は、当該車体側カプラーと接続する際にハーネス4が意図しない方向や状態に湾曲し、周辺の他部品(例えば、シートレール)との接触打音や引っ掛かりが懸念されるからである。
このため、クッションパッド2の裏面2bの片側(本実施形態では右側)には、図2、図4、図8及び図9に示すように、クッションパッド2の長手方向(車両前後方向)に沿って延在する段部21が設けられている。この段部21は、クッションパッド2の裏面2bの表面よりも窪んだ凹形状部であり、クッションパッド2の幅方向(車両左右方向)に沿った断面でL字状に形成され、クッションパッド2の内側よりも外側が低く設定されており、底面21aと、該底面21aに連続して形成される側壁面21bとを有している。そして、ハーネス4は、段部21を形成する側壁面21bの長手方向に沿って当該ハーネス4を配置することにより、クッションパッド2の裏面2bに保持されるように構成されている。
一方、クッションフレーム3は、図1及び図3に示すように、クッションパッド2の裏面2bの周縁部内側に配置可能な大きさと形状に形成されているとともに、その周縁には、上面3aより立ち上がった起立壁31が形成されており、該起立壁31によって、クッションパッド2の裏面2bと重ね合わせた状態で、クッションパッド2の裏面2bとクッションフレーム3との間にハーネス4を配索することが可能な空隙が形成できるようになっている。しかも、クッションフレーム3には、クッションパッド2の裏面2bとクッションフレーム3との間に配索されたハーネス4の先端部をクッションフレーム3の裏面3b側から車両前方側へ引き出す引き出し口32が設けられている。
また、本実施形態のクッションパッド2の裏面2bの所定箇所には、図4〜図9に示すように、段部21の底面21aと、該底面21aに連続して形成される側壁面21bと、該側壁面21bに連続して位置するクッションパッド2の裏面2bとにかけて面剛性を与える平面視で四角形の補強材6が配置されて固定されており、この補強材6によって当該裏面2bの所定箇所が覆われている。この補強材6は、不織布のような物や薄い樹脂部品などを用いて形成され、配置する段部21の底面21a及び側壁面21bやその周辺箇所に沿って屈曲されている。その理由としては、ウレタン樹脂製等のクッションパッド2が直接クッションフレーム3などの金属製部品に接触していると、乗員の着座によって生じる振動などのズレにより、クッションパッド2が割れてしまうことがあるため、当該補強材6でクッションパッド2の裏面2bを覆って補強することによりクッションパッド2が割れるのを防ぐようにしたものである。
本実施形態の段部21は、図4〜図7に示すように、補強材6により覆われている箇所から補強材6により覆われていないクッションパッド2の裏面2bにかけて形成されており、ハーネス4は、図7に示すように、補強材6により覆われている範囲L1の段部21と、補強材6により覆われていない範囲L2の段部21とにかけて、連続的に嵌め込まれて保持されている。うなわち、補強材6を配置する箇所は、段部21の全長に渡る全てではなく、後述のクリップ7を差し込む位置とその周辺箇所に留め、その他の箇所の段部21は補強材6で覆われないようにしている。
これにより、補強材6を設けていない箇所では、クッションパッド2を形成するウレタン樹脂などの弾性力によりハーネス4が適度に押えられ、ハーネス4の段部21への保持がしっかりと行われることになる。また、ハーネス4を取付ける際は、当該クリップ7を後述の孔部22に差し込む時にハーネス4の段部21への入り込みが容易となり、その後に、当該クリップ7の位置から連続的につながっているハーネス4を段部21の幅方向の空間を押し広げながら、順次、段部21に嵌め込むことが可能となり、かつ、ハーネス4を段部21に嵌め込んだ後は、補強材6を設けていない箇所の段部21の側壁面21bがハーネス4をウレタン樹脂などの弾性力でしっかりと押えている。したがって、ハーネス4の取付作業性が良くなるとともに、ハーネス4に対する保持力を確保した状態でハーネス4が確実に保持されることになる。
さらに、段部21の底面21aの補強材6で覆われている箇所には、当該補強材6を貫通してクッションパッド2の内部に向かって凹む孔部22が設けられており、この孔部22に差し込み部材であるクリップ7を差し込み、段部21の長手方向に沿ってハーネス4を嵌め込むことにより、ハーネス4がクッションパッド2の裏面2bに保持されるように構成されている。ウレタン樹脂製等のクッションパッド2は、十分な剛性を有していないため、クッションパッド2のままの状態で孔部22を開けただけでは、差し込んだクリップ7が孔部22から抜け出やすいので、補強材6で覆われている箇所に孔部22を開けることによって、クリップ7の差し込み部(後述する)が補強材6に開けられた孔部22の縁部に引っ掛かり、しっかりと保持されるようになっている。また、補強材6で覆われていることによって、クリップ7を段部21の底面21aの孔部22に差し込む時に、図9の鎖線で示すように、段部21を形成する側壁面21bが底面21a側へ引っ張られて倒れる方向に変形するのを防げることとなり、クリップ7の箇所から延びるハーネス4の段部21への配索作業が容易に行えるようになっている。
一方、クリップ7は、図6及び図8に示すように、所定の長さを有し、テープを巻き付けるなどしてハーネス4の下面に取付けられる断面略半円弧状(例えば、全周の1/3の弧を押し出した形状)のハーネス受け部7aと、該ハーネス受け部7aの下側から突出し、表面がブラシ状の差し込み部7bとを備えており、該差し込み部7bを孔部22に差し込むことにより、ハーネス4が保持されるように構成されている。
本実施形態の孔部22の位置は、図4に示すように、段部21の長手方向に沿う方向の中央部に設定されている。このため、孔部22の両側においては、補強材6で覆われていないクッションパッド2の弾性力を利用してハーネス4が保持されることになり、かつ、少ない設置数の固定部で長い距離に渡って配索するハーネス4の保持が安定した状態で行われていることになる。
また、本実施形態の孔部22は、図4〜図6に示すように、補強材6の中央部に配置されている。このような位置に孔部22が設けられていると、クッションパッド2を形成するウレタン樹脂の発泡前に補強材6を後述の発泡型11内に固定するためのピン12で保持する時に、補強材6の中央部以外の端側において補強材6を当該ピン12で保持する場合に比べて、ウレタン樹脂の発泡が生じる過程で、補強材6が当該ピン12にしっかりと保持され、補強材6は、移動したりしてその配設位置がズレたりせず、クッションパッド2の決められた位置に確実に設けられることになる。
本実施形態のクッションパッド2は、図10に示すような発泡型11を用い、該発泡型11内でウレタン樹脂等を発泡させることによって形成されている。この発泡型11は、型上面がクッションパッド2の上面2aを形成する下型11aと、型下面がクッションパッド2の裏面2bを形成する上型11bとを備えており、下型11aと上型11bとを型締めした時に、発泡型11の内部に形成される空間部13がクッションパッド2の形状と対応している。孔部22は、発泡型11を構成する上型11bの型下面に突設したピン12に補強材6をセットして保持し、この状態で、発泡型11を型締めし、内部に充填したウレタン樹脂等を発泡させることで、ピン12によって自動的に形成されるピン孔である。すなわち、本実施形態の孔部22は、ピン12によって自動的にできるピン孔をそのまま利用しており、別途、孔を開ける構造を設ける必要がなくなるため、加工工程数及び加工コストの低減が可能な構造になっている。
このように、本発明の実施形態に係る車両用シートの構造においては、クッションパッド2の裏面2bに長手方向へ延在する線状の段部21が設けられ、段部21を形成する側壁の長手方向に沿ってハーネス4を配置することによって、クッションパッド2の裏面2bにハーネス4が保持されるものであり、ハーネス4にはクリップ7が取付けられ、段部21の底面21aと、底面21aに連続して形成される側壁面21bと、側壁面21bに連続して位置するクッションパッド2の裏面2bとにかけて不織布などの補強材6が配置され、底面21aの補強材6で覆われている箇所には、補強材6を貫通してクッションパッド2の内部に向かって凹む孔部22が設けられ、孔部22にクリップ7の差し込み部7bを差し込み、段部21の長手方向に沿ってハーネス4を嵌め込むことにより、ハーネス4がクッションパッド2の裏面2bに保持されているので、段部21を形成するクッションパッド2の箇所の面剛性を向上させることができる。
また、本発明の車両用シートの構造によれば、クッションパッド2にハーネス4を備えたヒータユニット等の機能部品5を取付けた後、ハーネス4に取付けられたクリップ7を補強材6で覆われている段部21の底面21aの孔部22に差し込むことでハーネス4の位置を容易に決めることが可能となり、ハーネス4が付いた機能部品5の組み付け作業性を向上させることができる。しかも、補強材6には、クッションパッド2の成形時において原料のウレタン樹脂などが含浸して硬くなり、その形状が保持されるので、補強材6を貫通して設けられた孔部22はクリップ7の差し込み部7bの差し込み時に広がらず、段部21の側壁面21bが引っ張られて撓み、底面21aに傾くということは無くなり、必要な大きさの空間を確保した状態でクリップ7を差し込みながらハーネス4を嵌め込むことができとともに、差し込んだクリップ7が孔部22から抜け出るのを防止でき、クリップ7を安定して保持でき、ハーネス4をクッションパッド2の裏面2bの段部21に確実に保持することができる。
さらに、本発明の車両用シートの構造においては、クリップ7の差し込み部7bがクッションパッド2の内部に向かって凹んだ孔部22に差し込まれ、クッションパッド2の内部に配置されているので、シートクッション1が車両前方に回動して開くようなタイプの車両用シートに適用され、シートクッション1が開いた状態でも、クリップ7の差し込み部7bの先端がクッションパッド2の外側に飛び出して露出するということは発生せず、外観品質の向上を図ることができるとともに、乗員が差し込み部7bの先端に触れる可能性を無くすことができる。
以上、本発明の実施の形態につき述べたが、本発明は既述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。
既述の実施の形態におけるクリップ7は、断面略半円弧状のハーネス受け部7aの下側から突出するブラシ状の差し込み部7bを有しているが、図11に示すクリップ8のように、ハーネス嵌合部8aから下側へ延びる係止部8bを有し、係止部8bの先端が外側に開くタイプの矢印形状に形成されていても良い。つまり、クリップ7,8は、ハーネス4を保持する受け部7a、嵌合部8a等の部分と、孔部22に差し込める差し込み部7b、係止部8b等の部分を備えているものなら、どのような形状のものも適用可能である。
また、既述の実施の形態における孔部22は、クッションパッド2の裏面2b側の段部21に設けられているが、図12に示すように、クッションパッドの裏面2b側の溝部23に設けられていても良い。この溝部23は、上部開口の断面略コ字状に形成されており、底面23aと、該底面23aに連続して形成され、左右両側から対向して立ち上がる側壁面23bとを有している。このような形状の溝部23では、嵌め込んだハーネス4を両側から左右の側壁面23bが押えることになるので、ハーネス4に対して高い保持力を得ることができる。
さらに、既述の実施の形態における段部21や溝部23の断面形状は、底面21a,23aが平坦な形状に形成されているが、底面21a,23aが円弧形状に形成されていても良い。
1 シートクッション
2 クッションパッド(シートクッション材)
2a 上面
2b 裏面
3 クッションフレーム
4 ハーネス(線状部材)
5 機能部品
6 補強材
7 クリップ(差し込み部材)
7a ハーネス受け部
7b 差し込み部
8 クリップ(差し込み部材)
8a 嵌合部
8b 係止部
11 発泡型
12 ピン
21 段部
21a 底面
21b 側壁面
22 孔部
23 溝部
31a 底面
31b 側壁面
31 起立壁
32 引き出し口

Claims (4)

  1. シートクッション材の裏面に線状の段部または溝部が設けられ、該段部または該溝部を形成する側壁の長手方向に沿って線状部材を配置することにより、前記シートクッション材の裏面に前記線状部材が保持されている車両用シートの構造において、
    前記線状部材には差し込み部材が取付けられ、
    前記段部または前記溝部の底面と、該底面に連続して形成される側壁面と、該側壁面に連続して位置する前記シートクッション材の裏面とにかけて補強材が配置され、
    前記底面の前記補強材で覆われている箇所には、前記補強材を貫通して前記シートクッション材の内部に向かって凹む孔部が設けられ、該孔部に前記差し込み部材を差し込み、前記段部または前記溝部の長手方向に沿って前記線状部材を嵌め込むことにより、前記線状部材が前記シートクッション材の裏面に保持されていることを特徴とする車両用シートの構造。
  2. 前記段部または前記溝部は、前記補強材により覆われている箇所から前記補強材により覆われていない前記シートクッション材の裏面にかけて形成され、前記線状部材は、前記補強材により覆われている範囲の前記段部または前記溝部と、前記補強材により覆われていない範囲の前記段部または前記溝部とにかけて、連続的に嵌め込まれて保持されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用シートの構造。
  3. 前記段部または前記溝部の底面に設けられる前記孔部の位置は、前記段部または前記溝部の長手方向に沿う方向の中央部であることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用シートの構造。
  4. 前記孔部は、前記補強材の中央部に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車両用シートの構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2022119399A (ja) * 2021-02-04 2022-08-17 日本発條株式会社 車両用シート及びシートパッド
JP7347333B2 (ja) 2020-05-29 2023-09-20 トヨタ紡織株式会社 乗物用シート

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