JP2015222472A - エネルギー取引管理システム及びエネルギー取引管理方法 - Google Patents

エネルギー取引管理システム及びエネルギー取引管理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】需要家から調達したエネルギーを、卸売りする際に締結される取引契約に基づいて取引を管理する、エネルギー取引管理システム及び方法を提供する。
【解決手段】設備運用管理装置は、負荷設備の運用計画を作成する。エネルギー取引管理装置は、配置した開始時刻に基づいて運用計画を実行した場合のエネルギー消費量の予測値と調達量基準値との差分を調達エネルギー量とする。調達エネルギー量と調達取引価格とを掛けて得られる値を調達額とする。前記予測値と卸売量基準値との差分を卸売エネルギー量とする。卸売エネルギー量が卸売取引量以上である場合、卸売エネルギー量と卸売取引契約に含まれる卸売取引価格とを掛けて得られる値を卸売額とする。算出した卸売額と調達額との差分を損益とし、損益が予め定められた目標値以上である場合、卸売取引契約、運用計画及び運用計画の開始時刻を対応付けて取引計画を作成し出力する。
【選択図】図1

Description

本発明は、エネルギー取引管理システム及びエネルギー取引管理方法に関する。
近年、市場メカニズムを活用した需給安定化の方策として、需要家による一時的な消費エネルギーの調整量を供給力に見立てて電力市場で取引を行う取り組みに注目が集まっている。小口の需要家は自ら電力市場で取引を行うことが難しいため、これら小口需要家による調整エネルギーを取りまとめて電力市場に卸売りするアグリゲータと呼ばれるエネルギー取引事業者が存在する。
エネルギー取引事業者は、調整エネルギーの調達取引契約を需要家と予め締結する。調達取引契約で合意する事項には、例えばエネルギー取引事業者が需要家に支払う調達価格のKW・hあたりの単価、取引する調整エネルギー(以下「調達エネルギー」と呼ぶ)の量を算出する基準(以下「調達量基準」と呼ぶ)及び調達エネルギーが調達可能な継続時間(以下「調達時間基準」と呼ぶ)等がある。
エネルギー取引事業者は、調達エネルギーに基づいて、例えば小売事業者や系統運用者等と新たに卸売取引契約を締結する。卸売取引契約で合意する事項には、例えば卸売価格のKW・hあたりの単価、取引する調整エネルギー(以下「卸売エネルギー」と呼ぶ)の量を算出する基準(以下「卸売量基準」と呼ぶ)及び卸売エネルギーの受渡し開始日時と終了日時(以下「卸売時間基準」と呼ぶ)等である。
ところで調達取引契約で合意する調達量基準と、卸売取引契約で合意する卸売量基準とは、必ずしも同一の基準であるとは限らない。加えて調達量基準自体、必ずしも需要家ごとに同一であるとは限らず、また卸売量基準自体も小売事業者や系統運用者ごとに同一であるとは限らない。すなわち調達取引契約は需要家ごとに異なる内容であり、また卸売取引契約は小売事業者や系統運用者ごとに異なる内容である場合がある。
またエネルギー取引事業者が卸売取引契約で合意する卸売時間基準と同じ日時を調達時間基準に対して予め適用することは難しく、そもそも調達時間基準は需要家ごとに異なる。このようにエネルギー取引事業者は、エネルギーの取引量及び取引時間の基準が異なる契約を扱いながら、電力市場で合意する卸売取引契約の条件を満たすことができるように需要家から調達エネルギーを調達しなければならない。
特許文献1には、エネルギー取引事業者による需要家からの調達エネルギーの調達に関し、複数の需要家の消費エネルギーを管理する技術が開示されている。この特許文献1に開示された技術によれば、複数の需要家からなる需要家群の消費エネルギーを統括して、効率よく高い精度で管理することができると記載されている。
また特許文献2には、自社発電機を有する電気事業者が利用する、物理的な制約条件も考慮した上で燃料取引市場での売買取引と電力取引市場での売買取引とについて最適な取引計画を立案するエネルギー取引支援システムが開示されている。この特許文献2に開示された技術によれば、電力及び燃料の各エネルギー取引に関して総合的な計画支援を行うことができるとしている。
特開2012−165513号公報 特開2007−58760号公報
しかしこの特許文献1及び2に記載の技術では、調達量基準と卸売量基準とが一致しない場合があることについて何ら考慮されていない。また調達エネルギーを調達する際の時間的な変化である過渡状態も考慮されていない。従って特許文献1及び2に記載の技術では、調達エネルギーを調達する場合における過渡状態は取引上考慮しないという前提の下、調達量基準と卸売量基準とが同一の契約1種のみを扱った電力取引を実現することしかできない。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、需要家から調達したエネルギーを卸売先に卸売りする際に需要家との間及び卸売先との間で締結される異なる取引契約に基づいてエネルギー取引を管理し得るエネルギー取引管理システム及び方法を提案する。
かかる課題を解決するために、本発明においては、需要家が所有する負荷設備の動作を制御して負荷設備からエネルギーを調達する設備運用管理装置と、需要家との間及び卸売先との間で締結される異なる取引契約に基づいてエネルギー取引を管理するエネルギー取引管理装置とを備え、設備運用管理装置は、負荷設備の運用計画を作成し、負荷設備の動作を制御して負荷設備からエネルギーを調達し、エネルギー取引管理装置は、需要家との間で締結される調達取引契約及び卸売先との間で締結される卸売取引契約を取得し、卸売取引契約に含まれる受渡し時間を対象期間として設定し、対象期間内に運用計画の開始時刻を配置し、配置した開始時刻に基づいて運用計画を実行した場合に算出されるエネルギー消費量の予測値と、調達取引契約に含まれる調達量基準に基づいて算出される調達量基準値との差分を負荷設備から調達可能な調達エネルギー量として算出し、調達エネルギー量と、調達取引契約に含まれる調達取引価格とを掛けて得られる値を需要家に支払う調達額として算出し、予測値と、卸売取引契約に含まれる卸売量基準に基づいて算出される卸売量基準値との差分を卸売先に卸売可能な卸売エネルギー量として算出し、卸売エネルギー量が卸売取引契約に含まれる卸売取引量以上である場合、卸売エネルギー量と、卸売取引契約に含まれる卸売取引価格とを掛けて得られる値を卸売先から受取る卸売額として算出し、算出した卸売額と、調達額との差分を損益として算出し、損益が予め定められた目標値以上である場合、卸売取引契約、運用計画及び運用計画の開始時刻を対応付けて取引計画を作成し、作成した取引計画を出力装置により出力することを特徴とする。
またかかる課題を解決するために、本発明においては、需要家が所有する負荷設備の動作を制御して負荷設備からエネルギーを調達する設備運用管理装置と、需要家との間及び卸売先との間で締結される異なる取引契約に基づいてエネルギー取引を管理するエネルギー取引管理装置とを備えたエネルギー取引管理システムのエネルギー取引管理方法であって、設備運用管理装置が、負荷設備の運用計画作成する第1のステップと、エネルギー取引管理装置が、需要家との間で締結される調達取引契約及び卸売先との間で締結される卸売取引契約を取得する第2のステップと、卸売取引契約に含まれる受渡し時間を対象期間として設定する第3のステップと、対象期間内に運用計画の開始時刻を配置する第4のステップと、配置した開始時刻に基づいて運用計画を実行した場合に算出されるエネルギー消費量の予測値と、調達取引契約に含まれる調達量基準に基づいて算出される調達量基準値との差分を負荷設備から調達可能な調達エネルギー量として算出する第5のステップと、調達エネルギー量と、調達取引契約に含まれる調達取引価格とを掛けて得られる値を需要家に支払う調達額として算出する第6のステップと、予測値と、卸売取引契約に含まれる卸売量基準に基づいて算出される卸売量基準値との差分を卸売先に卸売可能な卸売エネルギー量として算出する第7のステップと、卸売エネルギー量が卸売取引契約に含まれる卸売取引量以上である場合、卸売エネルギー量と、卸売取引契約に含まれる卸売取引価格とを掛けて得られる値を卸売先から受取る卸売額として算出し、算出した卸売額と、調達額との差分を損益として算出する第8のステップと、損益が予め定められた目標値以上である場合、卸売取引契約、運用計画及び運用計画の開始時刻を対応付けて取引計画を作成し、作成した取引計画を出力装置により出力する第9のステップと、設備運用管理装置が、取引計画に含まれる運用計画及び運用計画の開始時刻に基づいて、負荷設備の動作を制御して負荷設備からエネルギーを調達する第10のステップとを備えることを特徴とする。
本発明によれば、需要家から調達したエネルギーを卸売先に卸売りする際に需要家との間及び卸売先との間で締結される異なる取引契約に基づいてエネルギー取引を管理することができる。
エネルギー取引管理システムの全体構成図である。 エネルギー取引管理システムによる処理の概要を示す概念図である。 エネルギー取引管理システムの機能構成図である。 取引計画情報の概念図である。 卸売取引契約情報の概念図である。 調達取引契約情報の概念図である。 運用計画情報の概念図である。 エネルギー取引計画立案処理のフローチャートである。 運用計画作成処理のフローチャートである。 取引計画情報の画面構成図である。 取引計画情報の画面構成図である。
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
(1)全体構成
図1は、本実施の形態におけるエネルギー取引管理システム1の全体構成を示す。エネルギー取引管理システム1は、アグリゲータと呼ばれるエネルギー取引事業者10が調達取引契約に基づいて需要家20からエネルギーを調達し、調達したエネルギーを卸売取引契約に基づいて卸売取引先30に卸売りするためのシステムである。
エネルギー取引事業者10が需要家20から調達するエネルギーをここでは調達エネルギーと呼ぶことにする。またエネルギー取引事業者10が卸売取引先30に卸売りするエネルギーをここでは卸売エネルギーと呼ぶことにする。
調達取引契約とは、エネルギー取引事業者10と需要家20との間で締結される調達エネルギーに関する取引契約である。また卸売取引契約とは、エネルギー取引事業者10と卸売取引先30との間で締結される卸売エネルギーに関する取引契約である。
図1に示すようにエネルギー取引管理システム1は、エネルギー取引事業者10、需要家20及び卸売取引先30から構成される。そしてこれらは、LAN(Local Area Network)等の通信経路N1により互いに通信可能に接続される。以下これらエネルギー取引事業者10、需要家20及び卸売取引先30のそれぞれについて説明する。
エネルギー取引事業者10は、取引管理者11及び設備管理者12から構成される事業者である。取引管理者11は、調達取引契約に基づいて、需要家20から調達エネルギーを調達するとともに、一方で卸売取引契約に基づいて、調達エネルギーを卸売取引先30に卸売りするための計画を立案し、立案した計画を実行する事業者である。
設備管理者12は、需要家20から調達エネルギーを調達する計画を実現するため、需要家20の負荷設備の運用計画を立案し、立案した運用計画を実行する事業者である。設備管理者12は、運用計画を実行する場合、設備制御端末22に対して制御信号を送信して需要家20の負荷設備を制御する。
需要家20は、負荷設備を所有する個人又は法人である。需要家20は、情報入出力端末21を用いて、調達取引契約を取引管理者11との間で締結し、また所有する負荷設備の情報を設備管理者12との間で交換する。
卸売取引先30は、小売事業者31、取引市場運用者32及び系統運用者33から構成される。小売事業者31は、需要家20に電力を供給する一方で、供給を予定していた電力の一部をエネルギー取引事業者10を介して需要家20から買い取る事業者であり、エネルギー取引事業者10との卸売取引に関する情報を配信するための取引商品情報配信端末30Aを備える。
取引市場運用者32は、複数の小売事業者31やエネルギー取引事業者10に対して、エネルギー取引を行うために必要な情報や手続きを統括的に管理する事業者であり、卸売取引に関する情報を配信するための取引商品情報配信端末30Aを備える。
また系統運用者33は、系統の需給管理を行うために、必要に応じてエネルギー取引事業者10からエネルギーを買い取る事業者であり、卸売取引に関する情報を配信するための取引商品情報配信端末30Aを備える。
図2は、エネルギー取引管理システム1による処理の概要を示す。ここでは特にエネルギー取引管理装置111、取引契約情報管理装置112、設備運用管理装置121及び設備情報管理装置122が実行する処理の概要について説明する。
エネルギー取引管理装置111は、調達取引契約情報11252A及び運用計画情報12155Aに基づいて、卸売取引契約情報11253Aに規定されている卸売取引量及び受渡し時間を満たす取引計画情報11156Aを作成する。取引計画情報11156Aの詳細については後述するが(図4)、大きくは調達取引計画及び卸売取引計画の2つの計画の情報が含まれる。
調達取引計画には、エネルギーの調達取引先である需要家20のID、この需要家20の負荷設備に対して適用する運用計画及びこの運用計画の開始日時が含まれる。また卸売取引計画には、調達エネルギーの卸売先である卸売取引先30のID、この卸売取引先30に対して調達エネルギーを受け渡す時間及び量が含まれる。
設備運用管理装置121は、設備情報12252Aと、運用条件情報12154Aとに基づいて、需要家20の負荷設備に対して適用可能な複数の運用計画が含まれる運用計画情報12155Aを作成する。また設備運用管理装置121は、設備情報12252Aと、消費エネルギー履歴情報12253Aとに基づいて、作成した運用計画情報12155Aに含まれる運用計画を実行した場合に予測される消費エネルギー量を運用計画ごとに予測する。
複数の運用計画を含む運用計画情報12155Aには、需要家20のID、この需要家20が所有する負荷設備、エネルギーの調達開始タイミング以降の時系列における負荷設備の負荷率の情報が含まれる。また運用条件情報12154Aには、需要家20が個別に設定した室温の許容上限値又は下限値や生産性の許容上限値又は下限値等が含まれる。運用計画情報12155Aの詳細については後述する(図7)。
取引契約情報管理装置112は、エネルギー取引事業者10と需要家20との間の契約情報である調達取引契約情報11252A及びエネルギー取引事業者10と卸売取引先30との間の契約情報である卸売取引契約情報11253Aを管理する。
調達取引契約情報11252Aには、エネルギーの調達取引先である需要家20のID、この需要家20からエネルギーを調達する場合の調達取引価格及びこの需要家20から調達可能なエネルギーの調達量を算出する際に用いる調達量基準(ベースライン)が含まれる。調達取引契約情報11252Aの詳細については後述する(図6)。
また卸売取引契約情報11253Aには、調達エネルギーの卸売先である卸売取引先30のID、この卸売取引先30に対して調達エネルギーを受け渡す時間、受け渡す量、卸売取引先30が買い取る価格、卸売取引先30に対して卸売り可能な卸売量を算出する際に用いられる卸売量基準(ベースライン)及び卸売取引先30との取引状況が含まれる。卸売取引契約情報11253Aの詳細については後述する(図5)。
設備情報管理装置122は、需要家20の負荷設備に関する情報を管理する。設備情報12252Aには、需要家20が所有する負荷設備のCOP(Coefficient Of Performance)等の物理的な特性情報、需要家20の建物の間取り又は建築素材等の情報が含まれる。また消費エネルギー履歴情報12253Aには、例えば需要家20の受電点、負荷設備又は機器単位での消費エネルギー量の時系列情報が含まれる。
(2)機能構成
図3は、エネルギー取引管理システム1の機能構成を示す。ここでは特にエネルギー取引管理装置111、取引契約情報管理装置112、設備運用管理装置121及び設備情報管理装置122の機能構成を示す。
エネルギー取引管理装置111は、エネルギー取引管理装置111の動作を統括的に制御するCPU(Central Processing Unit)1111、入力装置1112、出力装置1113、通信装置1114及び記憶装置1115から構成される。エネルギー取引管理装置111は、例えばパーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ又はハンドヘルドコンピュータ等の情報処理装置である。
入力装置1112は、キーボード又はマウスから構成される。出力装置1113は、ディスプレイ又はプリンタから構成される。通信装置1114は、無線LAN又は有線LANに接続するためのNIC(Network Interface Card)を備えて構成される。記憶装置1115は、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等の記憶媒体である。
記憶装置1115には、卸売計画立案部11151、調達計画立案部11152、取引時間基準変換部11153、取引量基準変換部11154及び損益評価部11155等の各種コンピュータプログラムが格納されている。
卸売計画立案部11151は、取引商品情報配信端末30Aから卸売取引の取引価格及び受渡し時間帯等の情報を一つ以上取得し、取引価格又は損益評価部11155により評価された損益が予め設定された閾値を超える卸売取引をエネルギー取引事業者10が取引を行うことが適切な卸売取引契約として決定する。
調達計画立案部11152は、卸売計画立案部11151が決定した卸売取引契約において設定されている取引量及び受渡し時間を満たすように、調達取引契約情報11252A、運用計画情報12155A及び損益評価部11155により評価される損益に基づいて、需要家20からエネルギーを調達する調達取引計画(取引計画情報11156A)を決定する。
取引時間基準変換部11153は、卸売計画立案部11151が決定した卸売取引契約において設定されている受渡し時間の範囲内で運用計画情報12155Aに含まれる運用計画の実行開始日時を対応付ける。なお対応付けた運用計画を実行した場合の需要家20の消費エネルギー量は、エネルギー消費量予測部12152により予測される。
取引量基準変換部11154は、予測された消費エネルギー量と、調達取引契約において設定されている調達量基準(ベースライン)とに基づいて、調達量を算出する。一方で取引量基準変換部11154は、予測された消費エネルギー量と、卸売取引契約において設定されている卸売量基準(ベースライン)に基づいて、卸売量を算出する。
そして取引量基準変換部11154は、算出した調達量と、調達取引契約において設定されている調達取引価格とに基づいて、エネルギー取引事業者10がインセンティブとして需要家20に支払う調達取引額を算出する。また取引量基準変換部11154は、算出した卸売量と、卸売取引契約において設定されている卸売取引価格とに基づいて、エネルギー取引事業者10が卸売取引先30から受け取る卸売取引額を算出する。
損益評価部11155は、取引量基準変換部11154により算出された調達取引額と、卸売取引額とに基づいて、エネルギー取引事業者10の損益を算出して評価する。
また記憶装置1115には、取引計画情報データベース11156が格納されており、取引計画情報データベース11156には取引計画情報11156Aが保持されている。取引計画情報11156Aの詳細については後述する(図4)。
取引契約情報管理装置112は、取引契約情報管理装置112の動作を統括的に制御するCPU1121、入力装置1122、出力装置1123、通信装置1124及び記憶装置1125から構成される。取引契約情報管理装置112は、例えばパーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ又はハンドヘルドコンピュータ等の情報処理装置である。
記憶装置1125には、情報入出力部11251等のコンピュータプログラムが格納されており、また調達取引契約情報データベース11252及び卸売取引契約情報データベース11253等のデータベースが格納されている。卸売取引契約情報データベース11253には卸売取引契約情報11252Aが保持されており、調達取引契約情報データベース11252には調達取引契約情報11253Aが保持されている。
情報入出力部11251は、調達取引契約情報データベース11252及び卸売取引契約情報データベース11253に対して、各種情報の登録、検索、更新又は削除を行う。調達取引契約情報11252A及び卸売取引契約情報11253Aについては図2の説明で記載した通りであり、詳細については後述する(図5、図6)。
設備運用管理装置121は、設備運用管理装置121の動作を統括的に制御するCPU1211、入力装置1212、出力装置1213、通信装置1214及び記憶装置1215から構成される。設備運用管理装置121は、例えばパーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ又はハンドヘルドコンピュータ等の情報処理装置である。
記憶装置1215には、運用計画立案部12151、エネルギー消費量予測部12152、制御実行部12153等の各種コンピュータプログラムが格納されている。
運用計画立案部12151は、運用計画条件情報12154A及び設備情報12252Aに基づいて、需要家20が調達エネルギーを創出するために実行可能な負荷設備の運用計画を需要家20ごとに立案する。
エネルギー消費量予測部12152は、卸売取引契約において設定されている受渡し時間の範囲内で運用計画情報12155Aに含まれる運用計画の実行開始日時が対応付けられた場合、設備情報12252A及び消費エネルギー履歴情報12253Aに基づいて、需要家20のエネルギー消費量を対応付けられた日時ごとに予測する。
制御実行部12153は、取引計画情報11156Aに含まれる取引計画に基づいて、設備制御端末22を介して需要家20の負荷設備を制御する。
また記憶装置1215には、運用条件情報データベース12154及び運用計画情報データベース12155が格納される。運用条件情報データベース12154には運用条件情報12154Aが保持されており、運用計画情報データベース12155には運用計画情報12155Aが保持されている。運用条件情報12154Aについては図2の説明で記載した通りであり、運用計画情報12155Aについては後述する(図7)。
設備情報管理装置122は、設備情報管理装置122の動作を統括的に制御するCPU1221、入力装置1222、出力装置1223、通信装置1224及び記憶装置1225から構成される。設備情報管理装置122は、例えばパーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ又はハンドヘルドコンピュータ等の情報処理装置である。
記憶装置1225には、情報入出力部12251等のコンピュータプログラムが格納されており、また設備情報データベース12252及び消費エネルギー履歴情報データベース12253等のデータベースが格納されている。設備情報データベース12252には設備情報12252Aが保持されており、消費エネルギー履歴情報データベース12253には消費エネルギー履歴情報12253Aが保持されている。
情報入出力部12251は、設備情報データベース12252及び消費エネルギー履歴情報データベース12253に対して、各種情報の登録、検索、更新又は削除を行う。設備情報12252A及び消費エネルギー履歴情報12253Aについては図2の説明で記載した通りである。
(3)各情報の詳細構成
図4は、取引計画情報11156Aの概念図を示す。取引計画情報11156Aは、卸売計画立案部11151及び調達計画立案部11152により作成される情報であり、設備運用管理装置121が調達エネルギーを創出するために需要家20の負荷設備を制御する際に用いられる。
具体的に取引計画情報11156Aは、卸売り契約ID欄111561、調達取引先ID欄111562、運用計画ID欄111563及び運用計画開始日時欄111564から構成される。
卸売り契約ID欄111561には、卸売取引契約の識別子が格納される。調達取引先ID欄111562には、調達取引を行う需要家20の識別子が格納される。運用計画ID欄111563には、負荷設備の運用計画の識別子が格納される。運用計画開始日時欄111564には、運用計画の実行開始日時が格納される。
従って図4の場合、例えば卸売り契約IDが「PA03」により特定される卸売取引を実現するために、調達取引先IDが「C1」〜「C4」により特定される複数の需要家20から調達エネルギーを調達するように計画されていることが示されている。
またこの計画において調達先IDが「C1」により特定される需要家20は、所有する負荷設備を「C1−2」により特定される運用計画に基づいて運用することが要求されており、この「C1−2」の運用計画を「2014/1/11 09:55」から開始するように要求されていることが示されている。
図5は、卸売取引契約情報11253Aの概念図を示す。卸売取引契約情報11253Aは、卸売計画立案部11151及び調達計画立案部11152により作成される情報であり、エネルギー取引管理装置111が取引計画情報11156Aを作成する際に用いられる。
具体的に卸売取引契約情報11253Aは、卸売契約ID欄112531、卸売取引先ID欄112532、受渡し時間欄112533、卸売取引量欄112534、卸売取引価格欄112535、卸売量基準欄112536及び取引状況欄112537から構成される。
卸売契約ID欄112531には、卸売取引契約の識別子が格納される。卸売取引先ID欄112532には、卸売取引契約を締結する卸売取引先30の識別子が格納される。受渡し時間欄112533には、卸売取引契約における卸売エネルギーの受渡し日、受渡し開始時刻及び受渡し終了時刻が格納される。卸売取引量欄112534には、卸売取引契約における卸売エネルギーの卸売取引量が格納される。
卸売取引価格欄112535には、卸売取引契約における取引価格が格納される。卸売量基準欄112536には、卸売取引契約における卸売エネルギーの卸売取引量を算出するための基準の情報が格納される。取引状況欄112537には、卸売取引契約の手続き状況が格納される。
従って図5の場合、例えば卸売取引契約IDが「PA01」の卸売取引契約は、卸売取引先IDが「R1」の卸売取引先30との間における契約であることが示されている。またこの「PA01」の卸売取引契約においては、卸売エネルギーを卸売取引先30に受け渡す日時は「2014/1/10 13:00〜13:30」であり、この間に受け渡される卸売取引量は「1200kW」であり、卸売取引価格は「25円/kW・h」であることが示されている。
また「PA01」の卸売取引契約において、「1200kW」という卸売取引量は、「直近過去3日の時間毎の平均値」のうちの受渡し時間帯における平均値から調達実行時の実消費エネルギー値を差し引いた値として算出されることが示されている。
また卸売取引契約IDが「PA01」の卸売取引契約の現在の取引状況は、「約定済み」であることが示されている。なお取引状況が「注文済み未約定」の場合、エネルギー取引事業者10が卸売取引先30に対して取引要求を通知したが、まだ契約締結には至っていないことを示す。
また取引状況が「未注文」の場合、卸売取引先30から卸売取引情報を受信した直後であることを示す。また取引状況が「約定済み」であるが受け渡し時間が「未受信」の場合、例えば系統運用者33と調整予備力取引が契約相当であることを示す。
図6は、調達取引契約情報11252Aの概念図を示す。調達取引契約情報11252Aは、需要家20と調達取引契約を締結した時点でエネルギー取引事業者10により入力される情報であり、エネルギー取引管理装置111が取引計画情報11156Aを作成する際に用いられる。
具体的に調達取引契約情報11252Aは、調達契約ID欄112521、調達取引先ID欄112522、調達取引価格欄112523及び調達量基準欄112524から構成される。
調達契約ID欄112521には、調達取引契約の識別子が格納される。調達取引先ID欄112522には、調達取引契約を締結した需要家20の識別子が格納される。調達取引価格欄112523には、調達取引契約における取引価格が格納される。調達量基準欄112524には、調達取引契約における調達エネルギーの調達取引量を算出するための基準が格納される。
従って図6の場合、需要家20ごとに異なる取引価格及び調達量基準で調達取引契約が締結されていることが示されており、例えば調達契約IDが「PP01」の調達取引契約は、調達取引先IDが「C1」の需要家20が締結した契約であることが示されている。また「PP01」の調達取引契約においては、取引価格が「30円/kW・h」であり、調達量は「直近過去5日の時間毎の平均値」から調達実行時の実消費エネルギー値を差し引いた値として算出されることが示されている。
図7は、運用計画情報12155Aの概念図を示す。運用計画情報12155Aは、設備運用管理装置121により作成される情報であり、エネルギー取引管理装置111が取引計画情報11156Aを作成する際に用いられる。
具体的に運用計画情報12155Aは、需要家ID欄121551、設備名欄121552、運用計画ID欄121553及び運転方法欄121554から構成される。
需要家ID欄121551には、エネルギー取引管理装置111において調達取引先として管理されている需要家20の識別子が格納される。設備名欄121552には、需要家20の負荷設備の名称又は識別子が格納される。運用計画ID欄121553には、負荷設備の運転方法を特定する識別子が格納される。運転方法欄121554には、調達取引実行時における負荷設備の運転方法が格納される。
従って図7の場合、調達取引実行時において需要家20ごと及び負荷設備ごとに実行可能な複数の運用計画が立案されていることが示されており、例えば調達取引実行時において「C1」の需要家20が所有する「空調」の負荷設備に対しては、「C1−1」〜「C1−3」の複数の運用計画が立案されていることが示されている。
例えば「C1−1」の運用計画においては、調達取引実行時を「t0」とした場合、「空調」の負荷設備を「t0」までは「70%」の負荷率で運用し、その後「t0〜t30」の30分間は「30%」の負荷率で運用し、その後「t30〜t60」の30分間は「100%」の負荷率で運用していくように立案されていることが示されている。
図4〜図7において図示した以外の情報としてエネルギー取引管理システム1は、運用条件情報12154A、設備情報12252A及び消費エネルギー履歴情報12253Aを保持している。以下これら各種情報について説明する。
運用条件情報12154Aは、需要家20により提供される情報であり、調達取引実行における需要家20の許容条件の情報が格納される。許容条件とは、例えば「調達取引実行時に室温が19℃を下回らないこと」等の条件である。運用条件情報12154Aは、設備運用管理装置121が運用計画情報12155Aを作成する際に用いられる。
設備情報12252Aは、需要家20が所有する負荷設備の仕様情報が格納される。仕様情報とは、例えば負荷設備が「空調」の場合であればCOPが「4.0」であり、定格消費電力が「1.2kW」等の情報である。また需要家20の建物の部屋数、各部屋の面積及び体積、壁の厚みや素材等の建物設備の情報も仕様情報である。設備情報12252Aは、設備運用管理装置121が需要家20の消費エネルギー量を予測する際に用いられる。
消費エネルギー履歴情報12253Aは、一定間隔で計測した需要家20の受電点又は負荷設備単位での消費エネルギー量の時系列の情報が格納される。例えば「C01」の需要家20の受電点で計測した消費エネルギー量が「2014/1/9 10:00〜10:30」では「3.5kW」であり、「2014/1/9 10:30〜11:00」では「3.7kW」である場合、これら時刻と消費エネルギー量とを対応付けた情報が格納される。消費エネルギー履歴情報12253Aは、設備運用管理装置121が需要家20の消費エネルギー量を予測する際に用いられる。
(4)フローチャート
図8は、エネルギー取引計画立案処理の処理手順を示す。このエネルギー取引計画立案処理は、エネルギー取引管理装置111がエネルギー取引事業者10からの入力操作を受け付けたことを契機として実行される処理である。エネルギー取引管理装置111は、入力操作を受け付けるとステップSP1〜SP3の処理を実行し、次いで設備運用管理装置121がステップSP4の処理を実行し、その後再びエネルギー取引管理装置111がステップSP5〜SP9の処理を実行する。
なお実際には、エネルギー取引管理装置111のCPU1111及び記憶装置1115に格納されている各種コンピュータプログラムに基づいて処理が実行され、また設備運用管理装置121のCPU1211及び記憶装置1215に格納されている各種コンピュータプログラムに基づいて処理が実行される。説明の便宜上、処理主体をエネルギー取引管理装置111及び設備運用管理装置121が備える各種コンピュータプログラムとして説明する。
まず卸売計画立案部11151は、取引商品情報配信端末30Aから受信した卸売取引に関する情報を参照して卸売取引を行うか否かを判断し、卸売取引を行うと判断した場合、卸取引契約情報11253Aを作成する(SP1)。
具体的に卸売計画立案部11151は、受信した卸売取引に関する情報を参照して、卸売取引価格がエネルギー取引事業者10により予め設定されている卸売取引価格以上であり、かつ卸売取引量がエネルギー取引事業者10により予め設定されている卸売取引量の範囲内である場合、卸売取引を行うものと判断する。
そして卸売計画立案部11151は、受信した卸売取引に関する情報を参照して、卸売取引価格、卸売取引量、受渡し時間及び卸売量基準に卸売取引契約IDを付与し、取引状態を「未注文」として、卸売取引契約情報11253Aに追加する。
次いで調達計画立案部11152は、卸売取引契約情報11253Aを参照して、取引状態が「未注文」である卸売取引契約を取得し、取得した卸売取引契約に含まれる「受渡し時間」の前後に任意の緩衝時間を付加した期間を負荷設備の運用計画の対象期間として設定する(SP2)。
「運用計画の対象期間」>「受け渡し時間」とする理由は、運転を切り替えた場合の負荷設備の応答速度を考慮しているためである。例えば受け渡し時間が「10:00〜11:00」である場合、負荷設備の運転を10:00丁度に低負荷に切り替えたとしても、負荷設備の負荷率が所望の負荷率に低下するまでに5分かかることがある。この場合、調達計画立案部11152は、受け渡し時間に任意の緩衝時間を付加した「9:55〜11:05」を運用計画の対象期間として設定する。
次いで調達計画立案部11152は、運用計画情報12155Aを参照して、運用計画情報12155Aに含まれる需要家20(需要家ID)のうちの一の需要家20及びこの需要家20に対応付けられている一の運用計画を抽出する(SP3)。
次いで取引時間基準変換部11153は、運用計画情報12155Aを参照して、ステップSP3で抽出した需要家20に対応付けられている負荷設備の一の運用計画の開始時刻を「t0」に設定し、この運用計画の開始時刻として設定した「t0」をステップSP2で設定した運用計画の対象期間の範囲内の任意の時刻に配置する(SP4)。
次いでエネルギー消費量予測部12152は、ステップSP4で配置した開始時刻に基づいて、ステップSP2で設定した対象期間内で運用計画を実行した場合の負荷設備の経時的なエネルギー消費量の予測値を算出する(SP5)。
なおエネルギー消費量の予測値の算出方法は、消費エネルギー履歴情報12253Aに基づいて作成した重回帰モデル等の統計モデルを用いた方法、設備情報12252Aの設備の仕様情報に基づいて物理シミュレーションを実行する方法、或いは、これら両方を組み合わせた方法が採用される。
次いで取引量基準変換部11154は、ステップSP3で抽出した需要家20との間で合意した調達取引契約(図6)に含まれる調達量基準を参照して、この需要家20の調達量基準値(ベースライン)を算出する。そして取引量基準変換部11154は、算出したベースラインと、ステップSP5で算出されたエネルギー消費量の予測値との差分に基づいて、この需要家20の調達エネルギー量を算出する(SP6)。
すなわち取引量基準変換部11154は、運用計画を実行せずに通常通り負荷設備を運転した場合のエネルギー消費量と、運用計画を実行して消費量を抑えた場合のエネルギー消費量との差分を算出し、得られた差分値を運用計画を実行した場合にこの需要家20から調達可能な調達エネルギー量として算出する。
またステップSP6において、取引量基準変換部11154は、算出した調達エネルギー量に対し、この需要家20との間で合意した調達取引契約に含まれる調達取引価格を掛けて、この需要家20に支払う調達額を算出する(SP6)。
またステップSP6において、取引量基準変換部11154は、ステップSP3で抽出した需要家20を調達取引先として卸売取引先30との間で合意した卸売取引契約(図5)に含まれる卸売量基準を参照して、この需要家20を調達先とした場合の卸売量基準値(ベースライン)を算出する。そして取引量基準変換部11154は、算出したベースラインと、ステップSP5で算出されたエネルギー消費量の予測値との差分に基づいて、この需要家20を調達先とした場合の卸売エネルギー量を算出する(SP6)。
調達計画立案部11152は、運用計画情報12155Aを参照して、運用計画情報12155Aに含まれる全ての需要家20について上記の処理(SP3〜SP6)を繰り返す(SP7)。
調達計画立案部11152は、運用計画情報12155Aに含まれる全ての需要家20について上記の処理(SP3〜SP6)を実行すると(SP7)、ステップSP6で算出された需要家20ごと(運用計画ごと)の卸売エネルギー量を時間単位で積算する。そして調達計画立案部11152は、卸売取引契約を参照して、積算した卸売エネルギー量が卸売取引量以上であるか否かを判定する(SP8)。
調達計画立案部11152は、ステップSP8の判断で否定結果を得ると、ステップSP3で抽出した一の運用計画、ステップSP4で配置した運用計画の開始時刻又はこれら運用計画及び開始時刻の組み合わせに基づいて、ステップSP6で算出される卸売エネルギー量が、卸売取引契約において要求される卸売取引量を充足していないものと判断する。
この場合、調達計画立案部11152は、ステップSP3に戻り、他の運用計画を抽出する。またはステップSP4で取引時間基準変換部11153が開始時刻「t0」を他の時刻に配置する。他の運用計画又は他の開始時刻について、上記の処理(SP5〜SP7)が繰り返し実行されることになる。
これに対し調達計画立案部11152は、ステップSP8の判断で肯定結果を得ると、ステップSP6で算出される卸売エネルギー量が、卸売取引契約において要求される卸売取引量を充足しているものと判断する。この場合、損益評価部11155は、充足していると判断された運用計画を実行した場合に需要家20に支払う調達額及び卸売取引先30から受取る卸売額に基づいて、エネルギー取引事業者10の損益を算出する(SP9)。
具体的に損益評価部11155は、ステップSP6で算出された需要家20ごとの調達額を合算して、需要家20に支払う調達額の合計金額を算出する。一方で損益評価部11155は、ステップSP6で算出された需要家20ごとの卸売エネルギー量を合算して、卸売取引先30に卸売りする卸売エネルギー量の合計量を算出する。
そして損益評価部11155は、算出した合計量に卸売取引価格を掛けて、卸売取引先30から受取る卸売額の合計金額を算出する。最後に損益評価部11155は、需要家20に支払う調達額の合計金額と、卸売取引先30から受取る卸売額の合計金額との差分に基づいて、損益を算出する。
次いで損益評価部11155は、ステップSP9で算出した損益額がエネルギー取引事業者10において予め設定された目標値以上であるか否かを判断する(SP10)。損益評価部11155は、ステップSP10の判断で否定結果を得ると、否定結果を調達計画立案部11152に通知する。
通知を受けた調達計画立案部11152は、ステップSP3に戻り、他の運用計画を抽出する。またはステップSP4で取引時間基準変換部11153が開始時刻「t0」を他の時刻に配置する。他の運用計画又は他の開始時刻について、上記の処理(SP5〜SP9)が繰り返し実行されることになる。
これに対し損益評価部11155は、ステップSP10の判断で肯定結果を得ると、肯定結果を調達計画立案部11152に通知する。通知を受けた調達計画立案部11152は、ステップSP3で抽出した運用計画及びステップSP4で配置した運用計画の開始時刻を含む情報を取引計画情報11156Aとして作成し、作成した取引計画情報11156Aを記憶装置1115に格納する一方で、出力装置1113に出力して(SP11)、このエネルギー取引計画立案処理を終了する。
なおステップSP4〜SP10までの処理は、組合せ最適化処理として一般的に知られている手法であるが、この手法に替えて、例えば分岐限定法等の手法を採用して効率的に処理するとしてもよい。また組合せ最適化処理は、需要家数及び運用計画数が増加すると組合せの数が膨大になるため、現実的な時間で処理を完了することが困難になることも考えられる。この場合、ステップSP8及びSP10における判定基準を満たす組合せが見つかった時点で最適な組合せでなくても処理を完了させるとしてもよい。
図9は、運用計画作成処理の処理手順を示す。この運用計画作成処理は、設備運用管理装置121が設備管理者12からの入力操作を受け付けたことを契機として実行される処理である。説明の便宜上、処理主体を運用計画立案部12151として説明する。
まず運用計画立案部12151は、設備情報12252Aを参照して、需要家単位で設備情報を取得し、取得した需要家単位の設備情報12252Aに基づいて、一又は複数の実行可能な運用計画候補を作成する(SP11)。
「実行可能な運用計画候補」とは、例えば運用計画の作成対象としている需要家20の負荷設備が空調であって、空調の運転方法が「100%負荷率運転」、「70%負荷率運転」、「50%負荷率運転」、「30%負荷率運転」及び「0%負荷率運転」の5つである場合、かつ、運転方法の最小継続時間が「10分」である場合、運用計画立案部12151は、各運転方法を10分以上継続する空調の運用計画を実行可能な運用計画候補として作成する。
次いで運用計画立案部12151は、ステップSP11で作成した運用計画候補のなかから一の運用計画候補を選択し(SP12)、選択した運用計画候補及び設備情報12252Aに基づいて、調達取引実行時(運用計画候補を実行した場合)における需要家20の室温及び生産性等の環境に対する影響を予測する(SP13)。
例えば室温に対する影響を予測する場合、運用計画立案部12151は、設備情報12252Aに含まれる空調のCOP等の物理的な特性情報と、建物の面積、体積、壁厚及び建築素材等の情報とに基づいて、熱移動モデルを構築し、予測外気温値を入力とした数値計算によって室温の経時的な変化を計算して予測する。
次いで運用計画立案部12151は、運用条件情報12154Aを参照して、この需要家20の運用条件を取得し、ステップSP13で予測した影響が運用条件を満たすか否か否かを判断する(SP14)。
例えばステップSP12で選択した運用計画候補が「空調を負荷率30%で60分間運用する」という運用計画候補であり、ステップSP13で予測した影響が「運用計画開始60分後の室温は19℃」であり、かつ、ステップSP14で取得した需要家20の運用条件が「室温は19℃〜25℃であること」という運用条件であった場合、運用計画立案部12151は、予測した影響が運用条件を満たすものと判断する。
運用計画立案部12151は、ステップSP14の判断で肯定結果を得ると、予測した影響が運用条件を満たすと判断し、ステップSP12で選択した運用計画候補を運用計画情報12155Aとして作成して記憶装置1215に格納する(SP15)。
これに対し運用計画立案部12151は、ステップSP14の判断で否定結果を得ると、予測した影響が運用条件を満たさないと判断する。そして運用計画立案部12151は、ステップSP12で選択した運用計画候補は修正可能であるか否かを判断する(SP16)。
例えばステップSP11で参照した設備情報12252Aにおいて空調の運転方法の最小継続時間が「10分」と定められており、かつ、ステップSP12で選択した運用計画候補が「空調を負荷率30%で10分間運用する」ものであるならば、これ以上運用時間を短縮することが不可能であるため、運用計画立案部12151は、この運用計画候補は修正不可能であると判断する。
運用計画立案部12151は、ステップSP16の判断で否定結果を得ると、ステップSP12で選択した運用計画候補を対象とした処理を終了し、ステップSP18に移行する。これに対し運用計画立案部12151は、ステップSP16の判断で肯定結果を得ると、設備情報12252Aを参照して、可能な範囲で運用計画候補を修正する(SP17)。
例えばステップSP11で参照した設備情報12252Aにおいて空調の運転方法の最小継続時間が「10分」と定められており、かつ、ステップSP12で選択した運用計画候補が「空調を負荷率30%で20分間運用する」ものであるならば、「空調を負荷率30%で15分間運用する」という運用計画候補に修正することができる。修正後、運用計画立案部12151は、ステップSP13に移行して、上記の処理を実行する。
運用計画立案部12151は、ステップSP11で作成した全ての運用計画候補について上記の処理(SP12〜SP17)を繰り返し(SP18)、需要家20ごとに実行可能な複数の運用計画候補を作成した後、この運用計画立案処理を終了する。
なお上記説明してきた運用計画立案処理(図9)が実行されて運用計画情報12155Aが作成されると、この運用計画情報12155Aを用いて取引計画立案処理(図8)が実行される。取引計画立案処理が実行されると、取引計画情報11156Aが作成される。
エネルギー取引事業者10は、この取引計画情報11156Aを用いて、卸売取引先30に対して卸売取引契約の締結依頼を注文する。注文が約定された場合、エネルギー取引管理装置111は、取引管理者11による入力操作を契機として卸売取引契約情報11253Aの取引状況を「約定済み」に書き換える。
その後エネルギー取引管理装置111は、約定済みの取引計画情報11156Aを設備運用管理装置121に送信する。設備運用管理装置121の制御実行部12153は、受信した取引計画情報11156Aに基づいて、需要家20の設備制御端末22に制御信号を送信することにより負荷設備を制御して実際に調達取引を実行する。
エネルギー取引管理システム1による以上の処理が実行されることで、需要家20と卸売取引先30との間における取引を実現することができる。
(5)画面構成
図10は、取引計画情報11156Aの表示画面の一例を示す。この取引計画情報11156Aは、エネルギー取引計画立案処理(図8)のステップSP11の処理が実行されることで、出力装置1113により表示される。
図10の場合、最終的に作成された取引計画情報11156Aのうち、C1、C2、C3及びC4の4軒の需要家20のそれぞれの運用計画C1−2、C2−1、C3−2、C4−3のみを表示対象とした場合の表示画面が示されている。
縦軸には卸売取引量、横軸には受渡し時間が示されており、運用計画C1−2、C2−1、C3−2、C4−3が実行された場合の卸売取引量を時間ごとに積算した結果が示されている。受け渡し時間の前後に所定の期間を付加した期間が運用計画の対象期間であり、運用計画の開始時刻である「t0」は、受け渡し時間の範囲内に限らず、この対象期間内に配置されていることが示されている。
例えば運用計画IDが「C1−2」の運用計画C12は、09:55に運用開始時刻「t0」を配置して実行されることが示されている。またこの運用計画C12が実行されると、10:20から10:45までの間の卸売取引量はマイナスの値になることが示されている。マイナスの値になる場合、エネルギー消費量予測部12152により予測された運用計画C1−2のエネルギー消費量の予測値が卸売取引契約の卸売量基準により算出される卸売基準値を超えていることを意味する。
図11は、取引計画情報11156Aの表示画面の一例を示す。図11の場合、最終的に作成された取引計画情報11156Aに含まれる全ての需要家20又はC1〜C4以外の需要家20の運用計画を表示対象とした表示画面が示されている。
図10と同様、縦軸には卸売取引量、横軸には受け渡し時間が示されており、複数の運用計画が実行された場合の卸売取引量を時間ごとに積算した結果が示されている。卸売取引契約における卸売取引量及び受渡し時間は、破線で示される範囲であり、破線の範囲内を積算結果が覆っていることが示されている。この場合、取引計画情報11156Aに含まれる複数の運用計画を実行すると、卸売取引契約における卸売取引量及び受渡し時間を充足することが示されている。
なお時刻によっては卸売取引量に余剰が発生する場合がある。ここでは9:55〜10:00の間において、需要家20から調達エネルギーを余計に調達していることが示されている。しかしこの場合、卸売取引契約における卸売取引量及び受け渡し時間を充足する運用計画であるため、ステップSP10の判定基準を超えているのであれば取引計画情報11156Aとして作成するとしてもよい。
(6)本実施の形態による効果
以上のように本実施の形態によるエネルギー取引管理システム1によれば、需要家20から収集した設備情報12252A及び運用条件情報12154Aに基づいて、調達取引実行時に実現可能な運用計画情報12155Aを作成し、卸売取引先30から受信した卸売取引契約情報11253Aで規定されている受渡し時間上に需要家20ごとの運用計画を対応付ける。その上で需要家20との調達取引契約に基づいた調達エネルギー量及び卸売取引契約に基づいた卸売エネルギー量を算出する。卸売エネルギー量の積算値が卸売取引契約で規定されている卸売取引量を満たし、かつ、調達エネルギー量、卸売エネルギー量、調達取引契約及び卸売取引契約に基づいて算出されるエネルギー取引事業者10の損益が予め設定した目標値を満たす取引計画情報11156Aを作成し、取引計画情報11156Aに基づいて、需要家20の負荷設備を制御するようにした。よってエネルギー取引事業者10は、取引量及び取引時間の異なる取引契約間でエネルギー取引を実現することができる。
(7)他の実施の形態
なお本実施の形態においては、調達取引エネルギー量及び卸売取引エネルギー量は一定の時間で区切られた離散値としたが、これに限らず連続値であってもよい。また負荷設備の運用計画についても、一定の時間で区切られた離散的な運用計画としたが、これに限らず運用条件を満たす連続的な運用計画としてもよい。
また本実施の形態においては、エネルギー取引計画立案処理(図8)においてエネルギー取引事業者10の損益を算出する際、調達エネルギー量と調達取引価格とを掛けて算出される調達額と、卸売エネルギー量と卸売取引価格とを掛けて算出される卸売額とに基づいて損益を算出するとしたが、これに限らず調達エネルギー量と卸売エネルギー量との比率と、調達取引価格とを掛けて「実質調達取引価格」を算出し、この実質調達取引価格に基づいて損益を算出するとしてもよい。また実質調達取引価格に基づいて取引計画情報11156Aを作成するとしてもよい。
実質調達取引価格について具体的に説明すると、例えば調達取引契約において規定されている調達取引価格が「10円/kW・h」の場合であって、調達エネルギー量のうち半分しか卸売エネルギー量として卸売することができない場合、調達エネルギー量と卸売エネルギー量との比率は「2/1」となる。このときの実質調達取引価格は、「10円/kw・h」×「2/1」=「20円/kw・h」と算出される。この実質調達取引価格は、卸売取引価格が「20円/kw・h」より少ない場合、エネルギー取引事業者10の損益がマイナスになることを示す指標となる。
また本実施の形態においては、エネルギー取引計画立案処理(図8)において取引計画情報11156Aを出力装置1113に出力表示するとしたが、出力装置1113以外の他の端末(例えば取引管理者11の情報入出力端末113、設備管理者12の出力装置1213又は情報入出力端末123、需要家20の情報入出力端末21)に表示してもよい。また取引計画情報11156Aに限らず、上記の実質調達価格を表示してもよい。
また本実施の形態においては、設備管理者12の入出力操作を契機として運用計画立案処理(図9)が実行されるとしたが、この入出力操作はエネルギー取引計画立案処理(図8)の実行中を除いて任意の時点で実行される。またこの入出力操作は設備管理者12が実行するとしたが、需要家20が情報入出力端末21に出力された取引計画情報、実質調達価格又はこれら両方の情報に基づいて、情報入出力端末21を介して実行するとしてもよい。
また本実施の形態においては、エネルギー取引計画立案処理(図8)において卸売取引契約に規定されている卸売取引量を充足する取引計画情報11156Aを作成するとしたが、これに限らず取引管理者11の入出力操作によって任意に設定された予備率を加味した卸売取引量を充足する取引計画情報11156Aを作成するとしてもよい。またこの予備率の決定方法は、運用計画情報12155Aに基づいて算出される卸売エネルギー量の変動値から確率的な手法に基づいて算出するとしてもよい。
また本実施の形態においては、エネルギー取引計画立案処理(図8)において目標とする卸売取引量が予め与えられているものとしたが、これに限らずエネルギー取引計画立案処理の実行時点で実行可能な取引計画に基づいて、卸売取引量を決定してもよい。
また本実施の形態においては、エネルギー取引計画立案処理(図8)においてエネルギー取引事業者10の損益に基づいて取引計画情報11156Aを作成するとしたが、これに限らず卸売エネルギーが変動することによって生まれる利益額のばらつき、すなわち分散又は標準偏差等に基づいて取引計画情報11156Aを作成するようにしてもよい。
また本実施の形態においては、1つの卸売取引契約に対して1回のエネルギー取引計画立案処理を実行するとしたが、これに限らず卸売取引契約に規定されている受渡し時間に至るまでに新たな外気温、運用計画又は運用条件等が得られた場合、これらを用いて任意の回数のエネルギー取引計画立案処理を繰り返し実行するとしてもよい。また調達取引実行中であっても、卸売エネルギー量の積算値が卸売取引契約で規定されている卸売取引量に満たないことが明らかになった場合、その時点でエネルギー取引計画立案処理を再度実行するとしてもよい。
1 エネルギー取引管理システム
10 エネルギー取引事業者
11 取引管理者
111 エネルギー取引管理装置
112 取引契約情報管理装置
113 情報入出力端末
12 設備管理者
121 設備運用管理装置
122 設備情報管理装置
123 情報入出力端末
20 需要家
21 情報入出力端末
22 設備制御端末
30 卸売取引先
30A 取引商品情報配信端末

Claims (14)

  1. 需要家が所有する負荷設備の動作を制御して前記負荷設備からエネルギーを調達する設備運用管理装置と、需要家との間及び卸売先との間で締結される異なる取引契約に基づいてエネルギー取引を管理するエネルギー取引管理装置とを備え、
    前記設備運用管理装置は、
    前記負荷設備の運用計画を作成し、作成した運用計画に基づいて、前記負荷設備の動作を制御して前記負荷設備からエネルギーを調達し、
    前記エネルギー取引管理装置は、
    需要家との間で締結される調達取引契約及び卸売先との間で締結される卸売取引契約を取得し、
    前記卸売取引契約に含まれる受渡し時間を対象期間として設定し、
    前記対象期間内に前記運用計画の開始時刻を配置し、
    前記配置した開始時刻に基づいて前記運用計画を実行した場合に算出されるエネルギー消費量の予測値と、前記調達取引契約に含まれる調達量基準に基づいて算出される調達量基準値との差分を前記負荷設備から調達可能な調達エネルギー量として算出し、
    前記調達エネルギー量と、前記調達取引契約に含まれる調達取引価格とを掛けて得られる値を需要家に支払う調達額として算出し、
    前記予測値と、前記卸売取引契約に含まれる卸売量基準に基づいて算出される卸売量基準値との差分を卸売先に卸売可能な卸売エネルギー量として算出し、
    前記卸売エネルギー量が前記卸売取引契約に含まれる卸売取引量以上である場合、前記卸売エネルギー量と、前記卸売取引契約に含まれる卸売取引価格とを掛けて得られる値を卸売先から受取る卸売額として算出し、算出した卸売額と、前記調達額との差分を損益として算出し、
    前記損益が予め定められた目標値以上である場合、前記卸売取引契約、前記運用計画及び前記運用計画の開始時刻を対応付けて取引計画を作成し、作成した取引計画を出力装置により出力する
    ことを特徴とするエネルギー取引管理システム。
  2. 前記エネルギー取引管理装置は、
    前記卸売エネルギー量が前記卸売取量よりも少ない場合又は前記損益が前記目標値よりも少ない場合、前記運用計画又は前記運用計画の開始時刻とは異なる他の運用計画又は他の開始時刻に基づいて、前記調達エネルギー量、前記調達額及び前記卸売エネルギー量を算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載のエネルギー取引管理システム。
  3. 前記エネルギー取引管理装置は、
    前記卸売取引契約に含まれる受渡し時間の前後に所定の時間を付加した期間を対象期間として設定し、
    前記所定の時間は、前記負荷設備の動作の応答速度に基づいて定められる時間である
    ことを特徴とする請求項1に記載のエネルギー取引管理システム。
  4. 前記エネルギー取引管理装置は、
    前記調達取引価格と、前記調達エネルギー量及び前記卸売エネルギー量の比率とを掛けて得られる値を実質調達取引価格として算出し、
    前記実質調達取引価格と、前記卸売取引価格とに基づいて損益を算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載のエネルギー取引管理システム。
  5. 前記設備運用管理装置は、
    需要家の負荷設備の仕様を規定した設備情報に基づいて、一の負荷設備に対して一又は複数の運用計画候補を作成し、
    前記運用計画候補を実行した場合の外部環境の影響を予測し、
    前記外部環境の影響が需要家により予め定められた運用条件を満たす場合、前記運用計画候補を前記運用計画として作成する
    ことを特徴とする請求項1に記載のエネルギー取引管理システム。
  6. 前記エネルギー取引管理装置は、
    前記対象期間を設定する際、前記卸売取引契約に含まれる受渡し時間の前後に所定の時間を付加した期間を対象期間として設定し、
    前記所定の時間は、前記負荷設備の動作の応答速度に基づいて定められる時間であり、
    前記卸売エネルギー量が前記卸売取量よりも少ない場合又は前記損益が前記目標値よりも少ない場合、前記運用計画又は前記運用計画の開始時刻とは異なる他の運用計画又は他の開始時刻に基づいて、前記調達エネルギー量、前記調達額及び前記卸売エネルギー量を算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載のエネルギー取引管理システム。
  7. 前記設備運用管理装置は、
    需要家の負荷設備の仕様を規定した設備情報に基づいて、一の負荷設備に対して一又は複数の運用計画候補を作成し、
    前記運用計画候補を実行した場合の外部環境の影響を予測し、
    前記外部環境の影響が需要家により予め定められた運用条件を満たす場合、前記運用計画候補を前記運用計画として作成し、
    前記外部環境の影響が前記運用条件を満たさない場合、前記設備情報に基づいて前記運用計画候補を修正し、修正した運用計画候補を実行した場合の外部環境の影響を予測し、
    前記外部環境の影響が前記運用条件を満たす場合、修正した運用計画候補を前記運用計画として作成する
    ことを特徴とする請求項1に記載のエネルギー取引管理システム。
  8. 需要家が所有する負荷設備の動作を制御して前記負荷設備からエネルギーを調達する設備運用管理装置と、需要家との間及び卸売先との間で締結される異なる取引契約に基づいてエネルギー取引を管理するエネルギー取引管理装置とを備えたエネルギー取引管理システムのエネルギー取引管理方法であって、
    前記設備運用管理装置が、前記負荷設備の運用計画を作成する第1のステップと、
    前記エネルギー取引管理装置が、
    需要家との間で締結される調達取引契約及び卸売先との間で締結される卸売取引契約を取得する第2のステップと、
    前記卸売取引契約に含まれる受渡し時間を対象期間として設定する第3のステップと、
    前記対象期間内に前記運用計画の開始時刻を配置する第4のステップと、
    前記配置した開始時刻に基づいて前記運用計画を実行した場合に算出されるエネルギー消費量の予測値と、前記調達取引契約に含まれる調達量基準に基づいて算出される調達量基準値との差分を前記負荷設備から調達可能な調達エネルギー量として算出する第5のステップと、
    前記調達エネルギー量と、前記調達取引契約に含まれる調達取引価格とを掛けて得られる値を需要家に支払う調達額として算出する第6のステップと、
    前記予測値と、前記卸売取引契約に含まれる卸売量基準に基づいて算出される卸売量基準値との差分を卸売先に卸売可能な卸売エネルギー量として算出する第7のステップと、
    前記卸売エネルギー量が前記卸売取引契約に含まれる卸売取引量以上である場合、前記卸売エネルギー量と、前記卸売取引契約に含まれる卸売取引価格とを掛けて得られる値を卸売先から受取る卸売額として算出し、算出した卸売額と、前記調達額との差分を損益として算出する第8のステップと、
    前記損益が予め定められた目標値以上である場合、前記卸売取引契約、前記運用計画及び前記運用計画の開始時刻を対応付けて取引計画を作成し、作成した取引計画を出力装置により出力する第9のステップと、
    前記設備運用管理装置が、前記取引計画に含まれる前記運用計画及び前記運用計画の開始時刻に基づいて、前記負荷設備の動作を制御して前記負荷設備からエネルギーを調達する第10のステップと
    を備えることを特徴とするエネルギー取引管理方法。
  9. 前記第8のステップにおいて、
    前記エネルギー取引管理装置は、
    前記卸売エネルギー量が前記卸売取量よりも少ない場合、前記抽出した運用計画又は前記配置した運用計画の開始時刻とは異なる他の運用計画又は他の開始時刻に基づいて、前記調達エネルギー量、前記調達額及び前記卸売エネルギー量を算出し、
    第9のステップにおいて、
    前記エネルギー取引管理装置は、
    前記損益が前記目標値よりも少ない場合、前記抽出した運用計画又は前記配置した運用計画の開始時刻とは異なる他の運用計画又は他の開始時刻に基づいて、前記調達エネルギー量、前記調達額及び前記卸売エネルギー量を算出する
    ことを特徴とする請求項8に記載のエネルギー取引管理方法。
  10. 前記第3のステップにおいて、
    前記エネルギー取引管理装置は、
    前記卸売取引契約に含まれる受渡し時間の前後に所定の時間を付加した期間を対象期間として設定し、
    前記所定の時間は、前記負荷設備の動作の応答速度に基づいて定められる時間である
    ことを特徴とする請求項8に記載のエネルギー取引管理方法。
  11. 前記エネルギー取引管理装置が、前記調達取引価格と、前記調達エネルギー量と前記卸売エネルギー量との比率とを掛けて得られる値を実質調達取引価格として算出し、算出した実質調達取引価格と、前記卸売取引価格とに基づいて損益を算出する第11のステップを備える
    ことを特徴とする請求項8に記載のエネルギー取引管理方法。
  12. 前記第1のステップにおいて、
    前記設備運用管理装置は、
    需要家の負荷設備の仕様を規定した設備情報に基づいて、一の負荷設備に対して一又は複数の運用計画候補を作成し、作成した運用計画候補を実行した場合の外部環境の影響を予測し、予測した外部環境の影響が需要家により予め定められた運用条件を満たす場合、前記運用計画候補を前記運用計画として作成する
    ことを特徴とする請求項8に記載のエネルギー取引管理方法。
  13. 前記第3のステップにおいて、
    前記エネルギー取引管理装置は、
    前記卸売取引契約に含まれる受渡し時間の前後に所定の時間を付加した期間を対象期間として設定し、
    前記所定の時間は、前記負荷設備の動作の応答速度に基づいて定められる時間であり、
    前記第8のステップにおいて、
    前記エネルギー取引管理装置は、
    前記卸売エネルギー量が前記卸売取量よりも少ない場合、前記抽出した運用計画又は前記配置した運用計画の開始時刻とは異なる他の運用計画又は他の開始時刻に基づいて、前記調達エネルギー量、前記調達額及び前記卸売エネルギー量を算出し、
    第9のステップにおいて、
    前記エネルギー取引管理装置は、
    前記損益が前記目標値よりも少ない場合、前記抽出した運用計画又は前記配置した運用計画の開始時刻とは異なる他の運用計画又は他の開始時刻に基づいて、前記調達エネルギー量、前記調達額及び前記卸売エネルギー量を算出する
    ことを特徴とする請求項8に記載のエネルギー取引管理方法。
  14. 前記第1のステップにおいて、
    前記設備運用管理装置は、
    需要家の負荷設備の仕様を規定した設備情報に基づいて、一の負荷設備に対して一又は複数の運用計画候補を作成し、
    前記運用計画候補を実行した場合の外部環境の影響を予測し、
    前記外部環境の影響が需要家により予め定められた運用条件を満たす場合、前記運用計画候補を前記運用計画として作成し、
    前記外部環境の影響が前記運用条件を満たさない場合、前記設備情報に基づいて前記運用計画候補を修正し、修正した運用計画候補を実行した場合の外部環境の影響を予測し、
    前記外部環境の影響が前記運用条件を満たす場合、修正した運用計画候補を前記運用計画として作成する
    ことを特徴とする請求項8に記載のエネルギー取引管理方法。
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