JP7292926B2 - Co2フリー価値付電力買取仲介システム及びco2フリー価値付電力買取仲介方法 - Google Patents

Co2フリー価値付電力買取仲介システム及びco2フリー価値付電力買取仲介方法 Download PDF

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Description

本発明は、CO2フリー価値付電力買取仲介システム及び方法に係り、詳しくは複数の発電事業者から、電力買取希望者がCO2フリー価値付電力の買取を円滑に行えるように支援するシステム及び方法に関する。
従来より地球温暖化などの対策から、二酸化炭素の排出を削減したエネルギーである再生可能エネルギーによる発電が推奨されている。これらには大規模な地熱発電、潮力発電、水力発電、風力発電、バイオマス発電などもあるが、太陽光発電は小規模でも発電でき、二酸化炭素の排出が少ない電力エネルギー(CO2フリー電力)として我が国においても奨励され、個人あるいは小規模の多数の発電事業者が存在する。
そこで、特許文献1に記載された発明では、エコ発電の民生への普及を促進し、曳いてはCO2排出量削減に多大な貢献を及ぼすことができる売電ポイント付与システムを提供するため、以下のような売電ポイント付与システムが提案された。
この発明では、自然エネルギー利用発電装置に接続される。それと共に、ネットワークを介して発電装置の発電電力量データを受信する電力買取者端末並びに発電電力を有価ポイント又はクレジットに換算する演算機能を備えた有価ポイント付与サーバに接続される売電者端末とから構成される。有価ポイント又はクレジットをネットワークを介して売電者端末に送信する。
このようなシステムによれば、エコ発電購入者の経済負担を軽減することができ、民生への導入が促進できる。また、売電ポイント集積報酬に喚起される需要者の節電意識の改革、すなわち民生における省エネルギー化に貢献できる。さらに、エコ発電装置の取扱業者(製造・販売業者)においては多大な販促効果が得られる。その結果、CO2排出量削減を促進することができる。
特開2011-180791号公報
ところで、大量に電力を消費する企業、例えば小売店チェーンなども社会貢献の一環として、環境保護のためその企業の消費する電力を二酸化炭素の排出の少ない太陽光発電による電力である「CO2フリー電力」により100%賄うことを宣言するような場合がある。このような大口の電力買取希望者は、多数の小規模な発電事業者の発電した電力を買い受ける必要がある。
引用文献1の発明では、電力会社やエコ発電装置の取扱業者(製造・販売業者)がポイントを付与するため、発電事業者が発電することは促進できるが、特定の電力買取希望者に電力を提供して、電力会社のポイントではなく、電力を提供した企業から直接その企業の有価ポイントを得ることはできない。
特に、発電事業者が、地元の自治体や、応援している会社、公益組織など特定の相手を指定して「CO2フリー価値付電力」を提供することはできない。
また、電力買取希望者である企業などが大口の電力量を賄うために、直接それぞれの発電事業者に積極的に電力の買い取りを働きかけることもできない。
本発明が解決しようとする課題は、このような個々の発電事業者と、個々の電力買取希望者の希望を反映できるCO2フリー価値付電力買取仲介システム及び方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明のCO2フリー価値付電力買取仲介システムでは、CO2フリー価値付電力を発電する複数の発電事業者と、前記発電事業者の発電により生じたCO2フリー価値付電力の買取を希望する電力買取希望者と、前記電力買取希望者が、いずれかの前記発電事業者からCO2フリー価値付電力を買い取ることを仲介する電力事業者において、前記電力事業者は、前記発電事業者を識別する識別情報と、当該発電事業者の発電した電力量とを記憶する発電事業者ファイルと、前記電力買取希望者の識別情報と、前記発電事業者から発電した電力を買い取る買取条件と、前記発電事業者から買い取る買取希望電力量とを記憶する電力買取希望者ファイルと、前記電力買取希望者を、前記買取条件とともに前記複数の発電事業者に提示する提示手段と、前記提示手段により提示された電力買取希望者から、前記発電事業者が発電する電力を売り渡す電力買取希望者を選択して指定する指定情報を、当該発電事業者の識別情報とともに受け付ける受付手段と、前記電力買取希望者に対して、当該電力買取希望者が電力を買取った対価として前記発電事業者に付与すべき有価ポイントの数量を通知する通知手段とを備え、CO2フリー価値付電力の買取を、仲介することにより支援することを要旨とする。
本発明によれば、電力事業者の仲介により、個々の発電事業者が複数の電力買取希望者の買取条件を参照して電力を売り渡す電力買取希望者を選択することができるとともに、電力買取希望者は買取条件を提示して自社のポイントを付与するなどにより直接発電事業者に積極的に電力の買取を働きかけることができる。
CO2フリー価値付電力の流れを示す模式図。 CO2フリー価値付電力買取仲介システムにおけるデータの流れを示す模式図。 発電事業者ファイルの内容を示す概念図。 電力買取希望者ファイルの内容を示す概念図。 買取仲介ファイルの内容を示す概念図。 CO2フリー価値付電力買取仲介システムにおける仲介のシーケンス図。 消費電力量の予測方法を示すフローチャート。 発電電力量の予測方法を示すフローチャート。 (a)~(c)提示手段における発電事業者の画面の遷移を示す模式図。 (a)~(c)発電事業者登録手段における発電事業者の画面の遷移を示す模式図。 (a)~(c)発電事業者登録手段における発電事業者の画面の遷移を示す模式図。 (a)発電電力予測手段における「発電電力予測画面」を示す模式図。(b)発電電力予測手段における「予測発電電力量画面」を示す模式図。(c)発電事業者登録手段における「電力買取希望者検索画面」を示す模式図。 受付が希望買取量を超えた場合の処理のフローチャート。 受付期間満了時における受付電力量が不足する場合の処理を示すフローチャート。 受付期間満了時における受付電力量の予測方法を示すグラフ。 買取期間満了時における買取電力量が不足する場合の処理を示すフローチャート。 買取期間満了時における買取電力量の予測方法を示すグラフ。
以下、本発明を具体化したCO2フリー価値付電力買取仲介システム1(以下、「買取仲介システム1」と略記することがある。)を用いたCO2フリー価値付電力買取仲介方法の一実施形態を図1~図17にしたがって説明する。
<CO2フリー価値付電力の流れ>
図1は、CO2フリー価値付電力の流れを示す模式図である。
発電事業者2は、太陽光発電用のソーラーパネル21を備え、太陽光発電が可能となっている。
前提としてこのようにソーラーパネル21で自家発電をした場合、「電気自体」と「太陽光発電による電気(=CO2フリー電力)を使っていると言うことができる権利」との二つを有していることになる。本発明では、このような、「CO2フリーの電気を使っていると言うことができる権利」を含んだ「電気」を「CO2フリー価値付電力」という。実際には、発電事業者2が発電し売電した電力は、電力事業者4の送電線41を使って送電され、電力買取希望者3は、電力事業者4から送電線42により送電された電力を買電して消費する。このため、電力買取希望者3が消費する電力は、厳密には発電事業者2が発電したものとは言えないが、電気は同質であるため、電力買取希望者3が発電事業者2が発電した電気を買取ったとして観念できる。
この「CO2フリーの電気を使っていると言うことができる権利」は、本来、電力とは分離され、証書として別の人に譲渡することができる債権的な性質を有する。証書(例:グリーン電力証書、Jクレジット、非化石証書)は、独立して売買が可能である。しかしながら、本発明においては、「電気自体」と「CO2フリーの電気を使っていると言うことができる権利」は、分離することなく、概念的に一体として「CO2フリー価値付電力」として売買することで取引される。
<発電事業者2>
発電事業者2は、ソーラーパネル21を備え、太陽光発電が行われる。発電された電気は、パワーコンディショナー(不図示)を経て、電灯線と接続される。
また、発電事業者2の住居22では、エアーコンディショナーや照明などの電化製品が備えられ、電力を自家消費する。発電事業者2における発電と電力消費は、HEMS23(Home Electric Management System)により制御される。HEMS23としては、例えば株式会社デンソー製のNaviehe(登録商標)DNEC-AHR-Cなどが挙げられる。このHEMS23によれば、通信プロトコルとして、エコーネットライト(ECHONET lite・Energy Conservation and Homecare Network)が利用され、住居22内のエアコンや照明を外部から制御可能な構成となっており、IoT(Internet of Things)を可能としたスマートハウスが実現できる。
さらに、ソーラーパネル21による発電電力量が住居22の電力消費を上回った余剰電力が生じた場合は、電力事業者4に送電線41を介して送電する。この送電量はスマートメータ24により時刻情報とともに記録され、定期的に電力事業者4にデータ送信される。この余剰電力が、実質的な発電事業者2の「発電電力量」となる。
また、ソーラーパネル21による発電電力量が住居22の電力消費を下回った不足電力が生じた場合は、電力事業者4に送電線41を介して受電する。この電力消費量もスマートメータ24により時刻情報とともに記録される。
これらの記録は、発電事業者2がHEMS23に表示画面(不図示)により確認することができる。
なお、電力消費量のピークが予測される局面では、その時間帯に節電を要請してそれに対してインセンティブを付与する方法があり、デマンドレスポンス(DR)と呼ばれている。この場合、スマートメータ24やHEMS23による情報の共有と機器の制御が必要となる。
<電力事業者4>
本発明でいう電力事業者4は、地域の電力インフラを構成する事業者であり、大規模発電施設を有し、家庭用電力及び工業用電力を配給している。
発電事業者2が余剰電力を送電線41を用いて送電する場合は、これを受電する。
各家庭や工場や商業施設などには、太陽光発電、風力発電、バイオマス発電、地熱発電、潮汐発電、水力発電などの再生可能エネルギーのほか、二酸化炭素を多く排出する火力発電所や、原子力発電所などの大規模な発電所43により発電した電力が、由来を問わず使用される。また、地域の家庭や工場などのユーザ44にも電力を供給している。
電力事業者4において電力を管理するシステムは大規模かつ複雑な構成となっているが、本発明では発明の特徴部分ではないため、これらをまとめて電力管理手段40として、詳細な説明は省略する。
<電力買取希望者3>
電力買取希望者3は、例えば顧客に密着した大規模小売店チェーンが、大気中の二酸化炭素削減のため、CO2フリー電力を買取り、その企業の消費電力量をすべてCO2フリー電力で賄うことを宣言した企業である。その電力買取希望者3が消費する電力量をすべてCO2フリー電力で賄うとは、結局、その企業の消費する電力を多数の発電事業者2から電力自体を買い付けるとともに、「太陽光発電による電気を使っていると言うことができる権利」を買い取ることになる。この「太陽光発電による電気を使っていると言うことができる権利」を「CO2フリー価値」という。但し、電気は同質であるので、電気自体は、電力事業者4から送電線42を介して供給を受けることになる。そして、供給を受けた電力量に相当する電力を、発電事業者2が発電した電力量に対応させ、これらの発電事業者2に「CO2フリー価値」の対価を支払うことで、「CO2フリー価値付電力」を買い付けたことと観念する。なお、電力買取希望者3は、大規模事業者であるので、スマートメータでなく電力量計34により受電した電力量を測定している。
<データ処理の構成>
図2は、CO2フリー価値付電力買取仲介システムにおけるデータの流れを示す模式図である。次に、図1の電力の流れとは別に、発電事業者2、電力買取希望者3、電力事業者4との間のデータ処理の構成について説明する。
<発電事業者2のデータ処理の構成>
発電事業者2は、HEMS23において、発電事業者2内の発電電力量、消費電力量、余剰電力量を記憶している。HEMS23単体で、発電事業者2や電力事業者4からの照会でデータを送受信できる。
また、スマートメータ24は、電力事業者4との間で、電力の送受量を単位時間ごとに計測し記録し、これを例えばインターネット5等を介して電力事業者4に送信している。
また、発電事業者2は、電力事業者4のコンピュータからなる買取仲介システム1とインターネット5を介して通信可能なパーソナルコンピュータであるPC25を備える。PC25は、周知のCPU、RAM,ROM、インターフェイス、記憶手段(不図示)を備えた本体25aと、液晶ディスプレーなどの表示手段25bと、キーボード、マウスなどを備えた入力手段25cとを備える。
発電事業者2は、このPC25に替えて、表示手段26b及び入力手段26cを構成するタッチパネルを有した本体26aを備えたスマートフォンやタブレットなどのモバイル端末26により、HEMS23やスマートメータ24とは、Wi-Fi(登録商標)やブルートゥース(登録商標)により無線で接続するようなものでもよい。
<電力事業者4のデータ処理の構成>
<買取仲介システム1>
電力事業者4には、コンピュータにより構成された買取仲介システム1を備える。
買取仲介システム1は、CPUを含む制御手段11、記憶手段12、ROM13、RAM14、インターフェイス15を備え、バス(不図示)で相互に接続される。
<記憶手段12>
ハードディスクドライブ等で構成される記憶手段12には、発電事業者ファイル12a、電力買取希望者ファイル12b、買取仲介ファイル12c、OS(Operating system)等のプログラムが記憶されたプログラムファイル12dを備えている。
<発電事業者ファイル12a>
図3は、発電事業者ファイル12aの記憶内容を概念的に示す模式図である。図3に示すように、発電事業者2を一義的に識別するためのIDコードからなる識別情報が記憶されている。
また、発電事業者ファイル12aには、発電事業者の名称や住所、メールアドレス、保有設備等、発電事業者2に関する発電事業者情報が記憶されている。そして、この発電事業者2に関する、過去から現在に至る売電した余剰発電電力量の実績発電電力量が時刻情報と共に記憶されている。この実績発電電力量は、スマートメータ24から送信されたデータを蓄積したものである。
そして、今期の予測発電電力量が記憶されている。この予測発電電力量は、基本的には過去の同時期の実績発電電力量を参照して決定されている。さらに、発電機器の経年変化による発電電力量の低下や、今期の気温や日照時間の予測なども考慮して決定してもよい。また、家族構成の変化による自己消費の電力量などの変化も参照されれば、より予測精度を高めることができる。なお、その他の多数のパラメータなども参照しAI(Artificial intelligence)により予測するようにしてもよい。
そして、この予測発電電力量(kWh)に基づいて、指定した電力買取希望者3の指定する換算率で、その電力買取希望者3において利用可能な有価ポイントに換算した場合に得られる有価ポイントの予測獲得ポイント数を算出して記憶している。
<電力買取希望者ファイル12b>
図4は、電力買取希望者ファイル12bの記憶内容を概念的に示す模式図である。図4に示すように、電力買取希望者ファイル12bには、電力買取希望者3を一義的に識別するためのIDコードからなる識別情報が記憶されている。また、電力買取希望者3の名称や住所、メールアドレス、保有設備等、電力買取希望者3に関する電力買取希望者情報が記憶されている。特に属性情報として、職種や業務内容が記憶され、受付手段において小売店などの商業施設か、地方自治体や学校、福祉施設などかが発電事業者2から判別できるように記憶されている。
そして、この電力買取希望者3に関する、過去から現在に至る消費する実績消費電力量が時刻情報と共に記憶されている。この実績消費電力量は、電力量計34(図1参照)から送信されたデータを蓄積したものである。そして、今期の予測消費電力量が記憶されている。この予測消費電力量は、基本的に過去の同時期の実績消費電力量に基づいて算出される。さらに今期の気温や日照時間の予測なども考慮して決定してもよい。さらに設備の拡大による消費電力量の増大などの変化も参照されればより予測精度を高めることができる。なお、その他の多数のパラメータなども参照しAI(Artificial intelligence)により予測するようにしてもよい。
そして、算出された予測消費電力量に基づいて、電力買取希望者3として買取をしたい量を買取希望電力量として記憶されている。
また、買取条件が記憶されており、ここには、電力1kWh当たり、CO2フリー価値も含めた対価が、この電力買取希望者3が使用する有価ポイントで記憶されている。
また、ここには、この電力買取希望者3からの発電事業者2に対する発信メッセージも記憶されている。例えば、「○○○全店で使用できる○○ポイントがもらえます。」、「地元の福祉に貢献しています。応援して下さい!」、「恵まれない子供たちのために電気をお送りください。」などのメッセージである。
<買取仲介ファイル12c>
図5に示すように買取仲介ファイル12cは、買取仲介情報が記憶されている。
買取仲介情報は、受付ごとに識別する受付IDごとに、「電力買取希望者」「買取希望電力量」「受付期間」「買取期間」「買取条件」「発信メッセージ」「発電事業者」が記憶されている。
「電力買取希望者」は、事業者名称やそのIDであり、電力買取希望者を識別するものである。「買取希望電力量」は買取期間の買取電力量の目標である。
「受付期間」は、実際に電力を買取る「買取期間」に先立って事前に電力の買取を予約する期間である。なお、受付期間の開始と買取期間の開始が同一とし、受付開始とともに買取を開始してもよい。
「買取条件」は、発電事業者2が電力買取希望者3に電力の提供を行った場合の対価であり、例えば1kWh当たり、電力買取希望者3が何ポイント、ポイント付与するというような取引条件である。「発信メッセージ」とは、受付手段で受付する場合に、買取条件の優劣に関わらず、その電力買取希望者3から複数の発電事業者に向けて発するメッセージである。
そして「発電事業者」毎に、受付を行い、受け付けた場合には、その発電事業者2のIDと、その発電事業者2の予測発電電力量と、それまでに受け付けた電力量の累積を順次記録する。
この買取仲介ファイル12cが、本発明の受付手段11fにより電力買取希望者3において、発電事業者2から指定され、発電事業者2から買い取りを受け付けた電力量を累積して記憶する「累積部」に相当する。
<プログラムファイル12d>
プログラムファイル12dには、OS(Operation System)をはじめとする各種のプログラムが格納され、制御手段の必要により各プログラムが実行される。
<制御手段11>
図2に示す制御手段11は、CPUを備え、コンピュータ自体を制御し、インターフェイス15を介してデータの送受信を行う。そしてプログラムにより、「発電事業者登録手段11a」「電力買取希望者登録手段11b」「発電電力量予測手段11c」「消費電力量予測手段11d」「提示手段11e」、「受付手段11f」、「通知手段11g」、「受付未達通知手段11h」「買取未達通知手段11i」「発電電力量未達通知手段11j」「発電事業者機器制御手段11k」として機能する。
<発電事業者登録手段11a>
発電事業者登録手段11aは、発電事業者2からの申し込みにより発電事業者2の情報を、発電事業者ファイル12aに記憶する。
<電力買取希望者登録手段11b>
電力買取希望者登録手段11bは、電力買取希望者3からの申し込みにより電力買取希望者3の情報を電力買取希望者ファイル12bに記憶する。
<発電電力量予測手段11c>
発電電力量予測手段11cは、発電事業者ファイル12aに基づいて発電事業者2の個々の過去の発電電力量実績に基づいて、将来の発電電力量を予測する。そして、この予測値を当該発電事業者に提示する。
<消費電力量予測手段11d>
消費電力量予測手段11dは、電力買取希望者ファイル12bから電力買取希望者3の消費電力量の過去の実績を取得し、過去の同時期の実績に基づいて、買取期間における消費電力のCO2フリー化を達成するために必要な消費電力量を予測し、電力買取希望者ファイル12bに記録する。それとともに、当該電力買取希望者3に予測した消費電力量を提示する。電力買取希望者3はこの予測された消費電力量を参照して買取希望電力量を決定する。電力買取希望者3は、この予測された消費電力量をそのまま買取希望電力量としてもよいし、その他の要因を考慮して修正してもよい。
<提示手段11e>
提示手段11eは、買取仲介ファイル12cのデータに基づいて電力買取希望者3を、属性情報、買取条件、発信メッセージ、買取希望電力量とともに複数の発電事業者2の表示手段25b,26bに提示する。
<受付手段11f>
受付手段11fは、提示手段11eにより発電事業者2の表示手段25b,26bに提示された電力買取希望者3から、発電事業者2が発電する電力を売り渡す電力買取希望者3を発電事業者2が入力手段25c、26cから選択して指定する。指定された指定情報を、この発電事業者2の識別情報とともに受け付け、買取仲介ファイル12cに記憶する。
<通知手段11g>
通知手段11gは、電力買取希望者3に対して、その電力買取希望者3が、受け付けた発電事業者2に対して、買取期間に買い取った発電電力量を積算し、買取期間が終了したとき、若しくはその中間時に電力を買取る対価として有価ポイントを付与することを通知するとともに、付与すべき有価ポイントの数量を発電事業者2に通知する。
<受付未達通知手段11h>
受付手段11fは、電力買取希望者を指定する受付期間を設定し、発電事業者2からの指定の受付けをこの受付期間において受け付ける。この受付期間の所定の中途時期(例えば2か月経過時)において、それまでの受付実績に基づいて受付期間満了時においての受付電力量を予測する。この受付期間満了時において受付電力量が買取希望電力量に達しないことが判明した場合に、電力買取希望者3に対して、受付電力量が買取希望電力量に達しないことを通知する。
この電力事業者が、受付未達通知手段11hにより受付電力量が買取希望電力量に達しないことを通知する場合において、受付手段11fにおいて、複数の発電事業者2に対して、この電力買取希望者3から買取条件において付加的な有価ポイントを付与することを発電事業者2の表示手段25bに表示して、受付電力量の増加を促進する。
<買取未達通知手段11i>
買取期間の中途(例えば2カ月経過後)において、買取期間満了時における買取電力量を買取実績に基づいて予測するとともに、この買取期間満了時において買取電力量が買取希望電力量に達しないことが判明した場合に、この電力買取希望者3に対して、買取電力量が買取希望電力量に達しないことを通知をする。
この場合、電力事業者4が、複数の発電事業者2に対して、その電力買取希望者3から発電電力量を増加させるために付加的な有価ポイントを付与することを発電事業者2の表示手段25bに表示して通知する。
<発電電力量未達通知手段11j>
買取期間の中途(例えば2カ月経過後)において、買取期間満了時における発電事業者2の発電電力量を発電実績に基づいて予測するとともに、その時点で発電電力量が買取期間満了時において予定した発電電力量に達しないことが判明した場合に、この発電事業者2に対して、発電電力量が予測した発電電力量に達しないことを通知する。
<発電事業者機器制御手段11k>
電力事業者4が、買取期間満了時において発電電力量が予測した発電電力量に達しないことが判明した場合に、この発電事業者2に対して、発電電力量が予測した発電電力量に達しないことを通知する。この場合において、ディマンドレスポンスとして、電力事業者4は、発電事業者2のHEMS23に対して遠隔操作で、自然冷媒CO2ヒートポンプ給湯機の稼働を中止したり、エアコンの出力を低下させたりすることで電力機器を制御する。
なお、発電事業者機器制御手段11kにより発電事業者2の電力機器を制御する場合には、電力買取希望者3の有価ポイントを付与するようにしてもよいが、電力事業者4が定めた有価ポイントを発電事業者へ付与するようにしてもよい。
<ROM13>
ROM13は、買取仲介システム1のコンピュータシステムのバイオスプログラム等が記憶されている。
<RAM14>
RAM14は、制御手段11のCPUの処理に用いられる。
<インターフェイス15>
詳細な構成は省略したが、インターフェイス15により、発電事業者2のPC25、HEMS23、スマートメータ24、及び電力買取希望者3のPC35、電力量計34とのデータの交信が可能となっている。
<表示手段16>
液晶ディスプレーなど買取仲介システム1の表示部として機能する周知の構成である。
<入力手段17>
キーボード、マウス、外部記憶装置などから取仲介システム1にデータを入力可能にする周知の構成である。
<電力買取希望者3のデータ処理の構成>
電力買取希望者3は、本体35a、表示手段35b、入力手段35cを備えた周知のコンピュータシステムであるPC35を備える。また、電力量計34を備える。これらはインターネット5を介して発電事業者2のPC25や、電力事業者4の買取仲介システム1とデータ通信が可能に構成されている。
(本実施形態の作用)
<CO2フリー価値付電力買取仲介方法>
次に、本発明のCO2フリー価値付電力買取仲介システム1の作用であるCO2フリー価値付電力買取仲介方法について説明する。
図6は、CO2フリー価値付電力買取仲介システムにおける電力事業者4のフローチャート及び、発電事業者2、電力買取希望者3間の取引シーケンス図を示す。以下、図6に沿ってCO2フリー価値付電力買取仲介方法を説明する。
<電力買取希望者3の申込(S1~S2)>
最初に前提として電力事業者4は、電力買取希望者3の登録を行う。ここでは、まず電力買取希望者3の候補者に対して「電力買取希望者募集」の通知を行う(S1)。通知は、電力事業者4に登録されたお客様ファイル(不図示)からリストアップした大口の電力消費者を候補者として行う。配信は、インターネット5を介して電力事業者4のホームページ(Webサイト)により行う。以下同様である。
続いて、電力買取希望者登録手段11bは、電力買取希望者3のPC35からインターネット5を介して電力事業者4へウェブサイトへ申し込みを受け付けることにより電力買取希望者3の情報を電力買取希望者ファイル12bに記憶する(S2)。この電力買取希望者3の登録は随時行われる。
なお、ここでいう「登録」とは、電力事業者4が、電力買取希望者3からの依頼を受け、電力買取希望者ファイル12bへの登録を行ってもよい。
<消費電力量の予測(S3)>
図7は、消費電力量の予測方法を示すフローチャートである。以下、図7を参照して消費電力量の予測方法を説明する。電力事業者4は、消費電力量の予測をする(S3)。まず、基礎となる電力買取希望者3の電力消費量の実績を取得し、買取期間における消費電力のCO2フリー化を達成するために必要な消費電力量を予測し、電力買取希望者ファイルに記録する。
消費電力量予測手段11dは、登録された電力買取希望者3の過去の実績期間の電力消費量の実績を電力買取希望者ファイル12bから読み出し、この「実績消費電力量」を買取期間の電力買取希望者3が使用する「予測消費電力量」の推定の基礎とする(S31)。
次に、可能であれば実績期間の気温及び日照時間と、買取期間の予測気温及び予測日照時間とを比較して、予測消費電力量を調整する(S32)。
さらに可能であれば、電力買取希望者3の設備の新築や増築、廃止などの情報があれば、これらを加味して具体的な「予測消費電力量」を推定することも望ましい。
このように算定した「予測消費電力量」を電力事業者4は電力買取希望者3に通知する(S33)。この通知を受け取った電力買取希望者3は、この「予測消費電力量」に基づいて、自社の経営計画等を参酌して、提示手段11eで提示する「買取希望電力量」及び「買取条件」を決定する(S34)。
<買取条件等の登録(S4)>
このように決定された買取希望電力量及び買取条件が電力事業者4に通知され、電力買取希望者ファイル12b(図2参照)に登録される(S4)。
<電力買取希望者の閲覧(S5、S51)>
図4は、電力買取希望者ファイルの内容を示す概念図である。
電力事業者4は、電力買取希望者3の買取条件決定の通知を受け、当該電力買取希望者3の情報をそのIDコードにより図4に示す電力買取希望者ファイル12bから読み出す。これらの情報は、例えば、電力買取希望者の名称である「Aストア」と、属性を示す種類「スーパーマーケット」と、「取り扱い品目」や「店舗情報」、その「住所」や「メールアドレス」などのアクセス情報などが情報として読み出される。
そして、買取条件である「電力1kWhにつき○○ポイントを付与」、買取希望電力量などの情報も読み出される。
さらに、「毎日のお買い物で、地域を元気に!ポイントの0.1%が地域に寄付されます。」というようなメッセージも読み出される。
このようにして複数の発電事業者2の表示手段25b、26bに提示するための提示画面としてのウェブページである図9(b)に示すような「電力買取希望者一覧画面P2」が準備される。
発電事業者2は、電力事業者4との電力受給契約の有無にかかわらず、自由に電力事業者4のホームページにアクセスして閲覧することができる(S51)。発電事業者2が、電力事業者4のホームページにアクセスすると、まず、図9(a)に示すような「電力買取希望者一覧」、「新規電力受給契約」、「発電電力量予測」の各メニューが表示された「メニュー選択画面P1」を閲覧することができる。
ここでは、発電事業者2は、買取(売り渡し)の申し込みを目的としているとすると、「電力買取希望者一覧」のラジオボタンを操作する。そうすると、電力事業者4は、上述のように準備された図9(b)に示すような「電力買取希望者」と「買取条件」、「買取希望電力量」等が記載された「電力買取希望者一覧画面P2」を発電事業者2に閲覧可能に配信する(S5)。発電事業者2は、この「電力買取希望者一覧画面P2」において掲載された「電力買取希望者」と「買取条件」、「買取希望電力量」閲覧することができる(S51)。
発電事業者2は、申し込みに当たり、さらに詳細な情報を要求する場合は、「電力買取希望者一覧画面P2」から特定な電力買取希望者3、例えば「Aストア」を選択して「詳細ボタン」を操作すれば、Aストアについての図9(c)に示すような「電力買取希望者詳細情報画面P3」を閲覧することができる。
<発電事業者2による電力買取の申込>
次に、このページを閲覧した発電事業者2が電力の買取を申し込みたいときには「申込ボタン」を操作する。別の電力買取希望者3を見たい場合は「戻るボタン」で「電力買取希望者一覧画面P2」に戻る。
「申込ボタン」を操作すると、図10(a)に示すような「発電事業者情報入力画面P4」が表示され、発電事業者登録(S6)の手順が開始される。
この「発電事業者情報入力画面P4」では、「当社との受給契約のお客様」であるか、「当社との受給契約のお客様」かの選択を要求される。
まず、この発電事業者2が「当社との受給契約のお客様」である場合には(S7:YES)、すでに発電事業者ファイル12a(図1)に登録された社内発電事業者情報データの読み込みが行われる(S8a)。一方、この発電事業者2が「他社との受給契約のお客様」である場合には、図10(b)に示す「新規電力受給契約画面P5」に遷移し、電力事業者4との新たな契約が要求される(S8b)。詳細な手続きは省略するが、この発電事業者2は電力事業者4との電力受給契約を締結し、その情報は発電事業者ファイル12a(図1)に登録される。
<発電事業者情報の登録(S7・S8)>
次に、「社内発電事業者情報のデータ読み込み(S8a)」や「新規電力受給契約(S8b)」において入力された発電事業者2の情報に基づいて発電電力量の予測が行われる(S9)。
<発電電力量の予測(S9)>
ここで図8に示す発電電力量の予測方法を示すフローチャートに沿って説明する。登録された発電事業者について、買取期間(例えば、本年4月1日から翌年3月31日まで)に先立つ受付期間(例えば、前年4月1日から本年3月31日まで)において、さらに、実績期間(例えば、前前年4月1日から前年3月31日まで、さらに、その前の年)実績発電電力量を、発電事業者ファイル12aから読み出す(S91)。この「実績発電電力量」を「予測発電電力量」の基礎とする。複数年ある場合は、これらの平均を参照する。
一方、新たに電力の受給契約を行った発電事業者2については、過去の実績発電電力量が不明であるため、同様の条件の標準モデルを参照して、過去の実績発電電力量とみなして同様の算定を行う。
次に、ソーラーパネル21の仕様を発電事業者ファイル12aから読み出し、経年出力低下率表(不図示)を参照して、このソーラーパネル21の発電能力の経年変化により発電量の低下を加味して「実績発電電力量」を調整する(S92)。
さらに実績期間の気温及び日照時間と、買取期間の予測気温及び予測日照時間とを比較して、実績発電電力量を調整する(S93)。
また、過去の発電事業者2の消費電力量から「予測消費電力量」を算出し(S94)、この「予測消費電力量」と「実績発電電力量」との差から発電事業者2が売電できる「予測余剰電力量」を推定する(S95)。この結果が、「予測発電電力量」に相当する。
もし、可能であれば、発電事業者2のライフステージの変化や、家族構成の変化を加味して予測消費電力量を推定することも望ましい。
<提示手段による提示(S10)の準備>
ここでは、電力買取希望者3は、すでに自己のIDコードの入力とともに、必要な情報を、インターネット5を介して電力事業者4のウェブサイトにアクセスして電力買取の希望のオファーを行っている(S4)。なお、電力事業者4が、電力買取希望者3からの依頼を受け、電力買取希望者ファイル12bへの登録を行ってもよい。
<提示手段による提示(S10)>
上述のように発電電力量の予測が完了すると(S9)、図10(c)に示す「申込確定画面P6」が発電事業者2に送信され、発電事業者2の表示手段25b・26bに提示画面として「申込確定画面P6」が表示される。
この「申込確定画面P6」には、さらにポイント予測手段により、その発電事業者2の発電事業者ファイル12aから買取期間の「予測発電電力量」が読み出され、この買取条件でこの予測発電電力量から換算された「獲得予想ポイント数」が表示される。したがって、発電事業者2は、この電力買取希望者3を選択すれば、どれだけのポイントが獲得できるかが瞬時にわかり、どの電力買取希望者3を選択するか判断する場合の情報となる。
この「電力買取事業者一覧画面P2」、「電力買取希望者詳細情報画面P3」、「申込確定画面P6」が本発明の提示手段11eによる提示の一例に相当する。
<受付手段による受付(S11)>
続いて受付手段11fによる受付を説明をする。
発電事業者2が、この「申込確定画面P6」から、「申込確定ボタン」を操作すると、電力事業者4において受付手段による受付が完了する(S11)。発電事業者2の表示手段25bは、図11(a)に示す「受付完了画面P7」に遷移する。
図11(a)は、受付手段11fによる受付が完了した「受付完了画面P7」を模式的に示す図である。受付が完了すると、「申込確定画面P6」と同様に指定した「電力買取希望者」、「買取条件」、「予測発電電力量」、「予測獲得ポイント数」が示される。
また、図示は省略したが、指定した電力買取希望者3のメッセージが、例えば「ポイントの0.1%が地域に寄付されます。」と表示される。
さらに、買取期間が「2020.4.1~2021.3.31」のように表示される。
<受付手段による受付(S11)の終了>
受付手段11fにおける受付は、原則として予め設定した受付期間が満了すると受付を終了する。
また、受付が買取希望電力量を超えた場合には、受付期間内であっても終了する。
ここで、図13に示す受付電力量が希望買取電力量を超えた場合の処理のフローチャートに沿って説明する。受付期間中は受付手段11fは、原則発電事業者2からの指定を受け付ける(S111)。そして指定を受け付けると、指定を受けた電力買取希望者の受付電力量を積算する(S112)。そして、積算された受付電力量を、その電力買取希望者3の買取希望電力量と比較して(S113)、積算された受付電力量が、その買取希望電力量以上でなければ(S113:NO)、受付が繰り返される。一方、積算された受付電力量が、その買取希望電力量以上になった場合は(S113:YES)、指定の受付が終了する(S114)。そして、電力事業者4は、この電力買取希望者3に受付済みの発電事業者2の情報を通知する(S115)。
このように、受付電力量が買取希望電力量を超えた場合には、受付期間内であっても終了する。
この場合、電力買取希望者一覧画面P2から、当該電力買取希望者3の表示は消去してもよいが、図11(b)に示す受付終了画面P8のように、受付終了の表示をしてもよい。
なお、図示しないが、受付期間が満了した場合であっても、受付電力量が買取希望電力量に達しない場合には、受付電力量が買取希望電力量に達するまで受付期間を延長するような構成としてもよい。この場合、受付期間と買取期間が重複する場合もある。
<新規電力受給契約の締結>
ここで、電力事業者4と電力受給契約がない発電事業者2が電力受給契約のみを行う場合について説明する。
電力事業者4のホームページは、基本的に自由にアクセスでき、図9(a)に示すメニュー選択画面P1にもアクセスできる。前述のように新規の電力受給契約は、電力買取希望者一覧画面P2(図9(b))からもできるが、このメニュー選択画面P1から、電力買取を行わない場合でも、随時電力受給契約のみを締結することができる。この場合、メニュー選択画面P1から、「新規電力受給契約」のラジオボタンを操作すると、図11(c)に示す「新規電力受給契約画面P9」に遷移する。ここで、S8bにおける手続きと同様の手続きで、新規電力受給契約ができる。ここで電力受給契約を完了しておけば、次に、アクセスしたときには、簡単な手続きで「電力買取」の申し込みができる。
<予測発電電力量のみの算定>
電力事業者4と電力受給契約がある発電事業者2が、電力の買取を申し込まない場合でも、随時予測発電電力量のみの算定をすることができる。図9(a)に示すメニュー選択画面P1から、「発電電力量予測」のラジオボタンを操作すると、図12(a)の「発電電力量予測画面P10」が表示され、この発電事業者2のIDの入力が促される。ここにIDを入力すると、電力事業者4は、発電事業者ファイル12aを参照して、S9の手続きと同様な手続きで「予測発電電力量」を図12(b)に示す「予測発電電力量表示画面P11」に表示する。そのため、買取の申し込みをしない場合でも、「予測発電電力量」を確認することができる。
<買取電力量の積算(S12)>
予め設定された買取期間が開始されると、電力事業者4は、通知手段11gにより発電事業者2が指定した電力買取希望者3毎に、その発電事業者2が発電した電力量を、買取電力量として積算していく(S12)。そして買取期間においてその発電事業者2が発電した電力はすべて指定を受けた電力買取希望者3に買い取られる。この場合、最終的にこの電力買取希望者3が設定した買取希望電力量とは無関係に積算される。つまり、最終的な実績発電電力量が買取希望電力量を超えた場合でも、最終的な実績発電電力量が買取希望電力量に達しない場合でも、電力買取希望者3は、全ての実績発電電力量を買取電力量とするのが原則である。
なお、最終的な実績発電電力量が買取希望電力量を超えた場合に買取を中止する、もしくは、超過分を電力事業者が買い取るような取り決めとすることは妨げるものではない。
<電力買取希望者の検索>
図6のフローチャートでのS51では、発電事業者2により電力買取希望者3の閲覧が行われる。上記の例では図9(b)に示す「電力買取希望者一覧画面P2」が表示される場合を説明した。この場合において、電力買取希望者3が多数存在する場合において、発電事業者2が希望の電力買取希望者3を検索できるようにすることができる。
図12(c)に「電力買取希望者検索画面P12」を示す。図9(b)の「電力買取希望者一覧画面P1」において、特定の属性も電力買取希望者を検索したい場合は、右下に表示される「検索ボタン」を操作する。そうすると、図12(c)に示す「電力買取希望者検索画面P12」に画面が遷移する。ここでは、種類として、例えば、プルダウンメニューから「地方公共団体」、「病院」、「福祉施設」、「学校」、「幼稚園」などが選択できる。また、地域として、プルダウンメニューから、「都道府県」、「市町村」などが選択できる。さらに、「フリーキーワード」の入力もできる。ここで、それらの属性を選択して「検索ボタン」を操作すれば、「電力買取希望者一覧画面P2」において条件に合った電力買取希望者を選択することができる。ここで選択した電力買取希望者は、買取条件が悪くても、これらの電力買取希望者を応援したい場合には、安価に電力を販売することができる。
大きな災害時には、被災地を応援するような特別なウェブサイトを設けてもよい。
なお、検索のキーとしては「買取条件」を含め、買取条件の良いものから順に一覧表示するようにしてもよい。
<通知手段によるポイントの通知(S13)>
買取期間が満了したら、あるいは予め決められた期間の中間で、電力事業者4は、通知手段11gにより積算した買取電力量に応じて、その発電事業者2ごとに発電電力量に応じて付与ポイントを算出して電力買取希望者に通知する(S13)。通知を受けた電力買取希望者(S131)は、直接発電事業者2に電力買取希望者3の発行する有価ポイントを所定数付与する(S132)。有価ポイントを獲得した発電事業者2は(S133)は、その電力買取希望者3の店舗や通信販売サイトなどでそのポイントを使用して買い物ができる。
<受付期間、買取期間における促進策>
以上のように電力買取希望者3は、受付期間を設けて発電事業者2からCO2フリー価値付電力の買取の指定を受け付け、買取期間で実際に発電事業者2が発電したCO2フリー価値付電力を買い取る。しかしながら、設定した買取希望電力量に対して、思った通りに買取の指定の受付や、実際の電力の買取、発電事業者の発電が進まない場合がある。
そこで、本発明では、そのような場面で、それぞれ買取の指定の受付や、実際の電力の買取、発電事業者の発電を促進する手段を準備している。
<受付期間における受付未達の通知>
図14は受付未達通知手段11hによる受付期間満了時における受付電力量が不足する場合の処理を示すフローチャートを示し、図15は、受付期間満了時における受付電力量の予測方法を示すグラフを示す。
この処理は、受付期間の所定のチェックタイミングにおいて、それまでの指定の受付けの実績に基づいて受付期間満了時に指定の受付をした受付電力量が買取希望電力量を達成できるか否かを判定し、達成できないと予測された場合には、電力買取希望者3に指定の受付を促進するべく、電力事業者4が電力買取希望者に通知するものである。通知を受けた電力買取希望者3は、電力とポイントの交換率を上げたり、ボーナスポイントを加算したりすることで、発電事業者2が指定の受付けをするようにインセンティブを与えることができる。
具体的には、図13に示すように、まず前提として買取希望電力量の登録を行う(S100、図6:S4参照)。
次に、受付手段11fは、電力買取希望者を指定する受付期間(例えば、4月1日から翌年3月31日)を設定し、発電事業者2からの指定の受付けをこの受付期間において受け付ける(S101、S102:NO)。この受付期間の所定の中途時期(例えば、5月31日)において(S102:YES)、それまでの受付実績に基づいて受付期間満了時においての受付電力量を予測する(S103)。このチェックタイミングにおいて受付実績が受付予測を上回っていれば、受付電力量が買取希望電力量に達すると判断して(S107:NO)、指定の受付け(S101)を繰り返す。
一方、このチェックタイミングにおいて受付実績が受付予測より少なければ(S107:YES)、受付期間満了時に受付電力量が買取希望電力量に達しないと判断する。
図15を参照して、この判断について説明する。ここでは受付期間である4月1日から3月31日の間に指定の受付けを行い、この受付期間において、買取希望電力量の指定の受付けを予定している。縦軸は受付電力量の積算量を示す。また、横軸は時間を示す。この例では、5月31日をチェックタイミングとして定めている。4月1日に受付を開始し、希望買取電力量は、n1(kWh)であるとする。5月31日の受付電力量は、n2(kWh)であった。ここで、受付期間内指定が一体の割合で受け付けられるとすると、グラフL1のように積算されていくが、実際には、過去の受付状況を参照すると受付開始に急激に増加し、そして、再び受付期間満了前に増加していることが判明している。そうすると、この例ではグラフL2のような受付が予測できる。そうすると5月31日現在の受付電力量の積算がn2(kWh)であるとすると、n3(kWh)よりは多くても、買取希望電力量n1(kWh)を達成するために予測される5月31日の受付予測であるn4(kWh)を下回る。そうするとn3(kWh)とn4(kWh)との乖離を解消する対策が無ければ、受付期間満了時に受付電力量が買取希望電力量に達しないものと判断できる。
このように過去の実績に基づいた中間目標を設定することで、追加的な受付の促進策が必要であることがわかる。
なお、これは一例であり、多数の中間目標を設けチェックタイミングを密に設けたり、逐次中間目標を修正したりすることも望ましい。
図13に戻り説明を続ける。上述のとおり、受付実績が受付予測を下回ったときは(S103:YES)、受付期間満了時に受付電力量が買取希望電力量に達しない可能性を電力買取希望者3のPC35などに通知する(S104)。
その後、受付期間があり(S105:YES)、買取希望電力量の残があれば(S106:YES)、指定の受付(S101)を継続する。受付期間の残がなくなったり(S105:NO)、買取希望電力量の残がなくなれば(S106:NO)、指定の受付(S101)の処理を終了する(エンド)。
<受付未達の通知を受け取った電力買取希望者の対応>
上述のように受付電力量が買取希望電力量に達しないことが判明した場合に、電力事業者4から電力買取希望者3に対して、受付電力量が買取希望電力量に達しないことを通知される。
この場合において、電力買取希望者3は、電力事業者4に対して、買取条件の変更や追加を行う(図6:S5)。受付手段11fにおいて、複数の発電事業者2に対して、この電力買取希望者3から買取条件において、ポイント付与の条件を変えたり、付加的な有価ポイントを付与することを発電事業者2の表示手段25bに表示して、受付電力量の受付けを促進する。もちろん、ポイントに限らず、電力買取希望者3が発電事業者2に対して、受付を促進するようなメッセージを送ることで、受付の促進を図ることもできる。
<買取期間における買取未達の通知>
図16は買取未達通知手段11iによる買取期間満了時における買取電力量が不足する場合の処理を示すフローチャートを示し、図17は、買取期間満了時における買取電力量の予測方法を示すグラフを示す。
この処理は、買取期間の所定のチェックタイミングにおいて、それまでの買取実績に基づいて買取期間満了時に買取電力量が買取希望電力量を達成できるか否かを判定し、達成できないと予測された場合には、電力買取希望者3に電力の買取を促進するべく、電力事業者4が電力買取希望者3に通知するものである。通知を受けた電力買取希望者3は、電力とポイントの交換率を上げたり、ボーナスポイントを加算したりすることで、発電事業者2が指定の受付けをするようにインセンティブを与える契機とすることができる。
さらに、発電事業者2に対してディマンドレスポンス(DR)を行う契機となる。ディマンドレスポンスは、一般的に電力消費量のピークが予測される局面において、その時間帯に節電を要請してそれに対してインセンティブを付与する方法であるが、本発明において発電事業者2の発電電力量が少ない場合にも適用できる。内容については後述する。
具体的には、図16に示すように、まず前提として買取希望電力量の登録を行う(S200、図6:S4参照)。
次に、通知手段11gは、電力買取希望者を指定する買取期間(例えば、4月1日から翌年3月31日)を設定し、発電事業者2からの電力の買取をこの買取期間において買取った電力を積算する(S201、S202:NO)。この買取期間の所定の中途時期(例えば、7月31日)において(S202:YES)、それまでの買取実績に基づいて買取期間満了時においての買取電力量を予測する(S203)。このチェックタイミングにおいて買取電力量実績が買取予測電力量を上回っていれば、発電電力量が買取希望電力量に達すると判断して(S203:NO)、買取(S201)を繰り返す。
一方、このチェックタイミングにおいて買取電力量実績が買取予測電力量より少なければ(S203:YES)、買取期間満了時に買取電力量が買取希望電力量に達しないと判断する。
この判断について、図17を参照して説明する。ここでは買取期間である4月1日から3月31日の間に電力の買取を行い、この買取期間において、買取希望電力量の電力の買取を予定している。縦軸は買取電力量の積算量を示す。また、横軸は時間を示す。この例では、7月31日をチェックタイミングとして定めている。4月1日に受付を開始し、希望買取電力量は、n1(kWh)であるとする。7月31日の買取電力量は、n5(kWh)であった。ここで、買取期間内の買取が一定の割合で買い取られるとすると、グラフL4のように積算されていく。しかし、実際には、過去の受付状況を参照すると、グラフL5のように日照時間や照度が高い夏季に急激に増加していることが判明している。そうすると、この例ではグラフL5のような買取が予測できる。そうするとグラフL6に示す7月31日現在の受付電力量の積算がn5(kWh)であるとすると、n6(kWh)よりは多くても、買取希望電力量n1(kWh)を達成するために予測される7月31日の受付予測であるn7(kWh)を下回る。そうするとn7(kWh)とn5(kWh)との乖離を解消する対策が無ければ、買取期間満了時に買取電力量が買取希望電力量に達しないものと判断できる。
このように過去の実績に基づいた中間目標を設定することで、追加的な発電電力量の促進策が必要であることがわかる。
なお、これは一例であり、多数の中間目標を設けチェックタイミングを密に設けたり、逐次中間目標を修正したりすることも望ましい。
図16に戻り説明を続ける。上述のとおり、買取電力量実績が買取予測を下回ったときは(S203:YES)、買取期間満了時に買取電力量が買取希望電力量に達しない可能性を電力買取希望者3のPC35などに通知する(S204)。
その後、買取期間の残があれば(S205:YES)、買取(S101)を継続する。買取期間の残がなくなれば(S205:NO)、買取(S101)の処理を終了する(エンド)。
<買取未達の通知を受け取った電力買取希望者の対応>
買取未達の通知を受け取った電力買取希望者3は、上述のディマンドレスポンスを行うことができる。ディマンドレスポンスには、行動誘引型ディマンドレスポンスと、機器制御型ディマンドレスポンスがある。
行動誘引型ディマンドレスポンスは、発電事業者2の行動を誘引するもので、具体的には、発電事業者を担う人間を、住居22から外出させることで、住居におけるエアコンなどの電力の自家消費を抑制して、余剰電力を増加させるものである。そして、そのためには、例えば、電力買取希望者3の店舗で実際の来店があったときのみに利用することができる有価ポイントを付与するような方法が挙げられる。
この方法では、電力買取希望者3が、余剰電力量の創出による買取電力量の確保ができるばかりでなく、発電事業者2の来店による販売促進にもつながり、電力買取希望者3にとっても、発電事業者2にとってもメリットがある。
一方、機器制御型ディマンドレスポンスは、電力事業者4が、発電事業者機器制御手段11kにより発電事業者2のHEMS23に対して遠隔操作で行う。例えば、自然冷媒CO2ヒートポンプ給湯機の稼働を中止したり、エアコンの出力を低下させたり、消費電力の総量規制をすることにより電力機器を制御することで、発電事業者の住居における自家消費を抑制して、余剰電力を増加させるものである。
なお、発電事業者機器制御手段11kにより発電事業者2の電力機器を制御する場合には、電力買取希望者3の有価ポイントではなく、電力事業者4が定めた有価ポイントを発電事業者へ付与するようにしてもよい。
<買取期間における発電量未達の通知>
発電事業者2は、電力買取希望者3に対して、予測された予測発電電力量に基づいて指定の受付を行い、買取期間において発電した電力を売り渡す。上述した買取未達通知は、電力買取希望者3における複数の発電事業者2からの買取電力量の総量に対するコントロールである。一方、この買取期間における発電量未達の通知は、個別の発電事業者2に対する予測に対する実績のコントロールに関するものである。
基本的な構成は、発電電力量未達通知手段11jにより、上記買取未達通知手段11iと同様な方法により実行される。
買取期間満了時における発電事業者2の発電電力量を実績発電電力量に基づいて予め予測する。買取期間の中途において、その時点の実績発電電力量に基づいて当該買取期間満了時において予測発電電力量に達するか否かを判定する。そして、予測発電電力量に達しないことが判明した場合に、発電事業者2に対して、発電電力量が予測した発電電力量に達しないことを通知する。
この場合に、発電事業者機器制御手段11kは、発電事業者2の電力機器を制御する。この内容は、上記行動誘引型ディマンドレスポンス及び、機器制御型ディマンドレスポンスと同様の対応をする。
但し、この場合は、必ずしも電力買取希望者3は、買取電力量が不足しているとは限らないので、有価ポイントを電力買取希望者3に負担させることはできない。
そこで、発電事業者機器制御手段11kにより発電事業者2の電力機器を制御するような場合には、電力事業者4が定めた有価ポイントを発電事業者へ付与するようにしている。
このような発電事業者機器制御手段11kを実行することで、電力事業者4においては、発電の総量をひき上げることができる点でメリットがある。
(実施形態の効果)
上記実施形態のCO2フリー価値付電力買取仲介システムによる仲介方法によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、電力事業者4の仲介により、個々の発電事業者2が複数の電力買取希望者3の買取条件を参照して電力を売り渡す電力買取希望者を選択することができる。
(2)電力買取希望者3は買取条件を提示して自社の有価ポイントを付与するなどにより直接発電事業者2に積極的に電力の買取を働きかけることができる。
(3)発電事業者2は、複数の電力買取希望者3の提示する電力とポイントの交換率の高いところを選択できるだけでなく、その発電事業者2の利便性の高い店舗を選択することで、そこで使用できる有価ポイントを獲得できるので、発電事業者2においてもメリットが大きい。
(4)受付手段11fは、累積部を備え、買取を受け付けた電力量が予め決定されている上限値である買取希望電力量に達した場合には、自動的に受付手段11fにおける受付を中止することができる。
(5)発電電力量予測手段11cを備えるため、電力事業者4は、発電事業者2による受付手段11fによる受付に先立って、発電事業者ファイル12aに基づいて発電事業者2の個々の過去の発電電力量実績に基づいて、将来の発電電力量の予測値である予測発電電力量を当該発電事業者2に提示することができる。そのため、その発電事業者2は、自分がどの程度発電できるかを知ることができる。
(6)さらに、発電電力量予測手段11cはポイント予測手段を備えるため、電力事業者4は、予測発電電力量と、発電事業者2に発電電力量に応じて付与する有価ポイントの交換率とに基づいて、その発電事業者2が発電により得られる有価ポイントを、その発電事業者2に提示することができる。したがって、発電事業者2は、自分がどのような利益を得られるかが、いわゆる「見える化」により、容易に理解することができる。
(7)提示手段11eは、買取条件に加え、電力買取希望者3毎に、属性情報を提示する。属性情報には、職種や業務内容が記憶され、受付手段において小売店などの商業施設か、地方自治体や学校、福祉施設などかが発電事業者2から判別できるように提示される。そのため、受付手段11fにおいて、発電事業者2は、複数の電力買取希望者3から、属性情報に基づいて自分の電力を売り渡したい発電事業者を選択することができる。
(8)さらに、提示手段11eは、この電力買取希望者3からの発電事業者2に対して、例えば、「地元の福祉に貢献しています。応援して下さい!」、「恵まれないこのために電気をお送りください。」などのメッセージも提示することができる。そのため、発電事業者2は、経済的には不利であっても、社会貢献ができる電力買取希望者3に電力を提供することができる。
(9)消費電力量予測手段11dを備えたため、電力事業者4は、電力買取希望者3の電力消費量の実績を取得し、実績消費電力量に基づいて、買取期間における消費電力のCO2フリー化を達成するために必要な買取希望者における予測消費電力量を予測する。この電力買取希望者3に買取電力量を決定するために、予測した予測消費電力量を通知することができる。
電力買取希望者3は、この予測消費電力量を参照して、買取期間において買取るべき希望買取電力量を算出するための基礎データとすることができる。
(10)受付未達通知手段11hを備えたため、受付手段11fは、電力買取希望者3を指定する受付期間を設定し、発電事業者2からの指定の受付けを受付期間において受け付けるとともに、受付期間中途において、受付実績に基づいてこの受付期間満了時において受付電力量を予測する。これとともに、受付期間満了時において受付電力量が買取希望電力量に達しないことが判明した場合に、その電力買取希望者3に対して、受付電力量が買取希望電力量に達しないことを通知することができる。このため、その電力買取希望者3は受付期間に受付電力量が買取希望電力量に達しない可能性がわかるため、受付期間中に対応策をとる契機となる。
(11) 付加ポイント付与手段を備えたため、通知を受けた電力買取希望者3は、例えば、電力事業者4の受付手段11fに対して、買取条件などを変更することで複数の発電事業者2に対して、発電電力量を増加させるために買取条件において付加的な有価ポイントを付与するような対策をすることができる。
(12) 発電電力量未達通知手段11jを備えたため、買取期間満了時における発電事業者の発電電力量を実績発電電力量に基づいて予め予測する。これとともに、当該買取期間の中途において、その時点の実績発電電力量に基づいて当該買取期間満了時において予測発電電力量に達しないことが判明した場合に、発電事業者2に対して、発電電力量が予測した発電電力量に達しないことを通知することができる。このため、発電事業者2に対して、発電電力量の増加を促進できる。
(13)このような通知を受けた発電事業者2に対して、この通知とともに、発電事業者2の行動を誘引する「行動誘引型ディマンドレスポンス」を行うことができる。具体的には、発電事業者を担う人間を、住居22から外出させることで、住居におけるエアコンなどの電力の自家消費を抑制して、余剰電力を増加させるものである。そして、そのためには、例えば、電力買取希望者3の店舗で実際の来店があったときのみに利用することができる有価ポイントを付与するような方法が挙げられる。
この方法では、電力買取希望者3が、余剰電力量の創出による買取電力量の確保ができるばかりでなく、発電事業者2の来店による販売促進にもつながり、電力買取希望者3にとっても、発電事業者2にとってもメリットがある。
(14)通知を受けた発電事業者2に対して、この通知をするとともに発電事業者機器制御手段11kによる発電事業者2の電力機器を制御することができる。いわゆる「機器制御型ディマンドレスポンス」であり、電力事業者4が、発電事業者機器制御手段11kにより発電事業者2のHEMS23に対して遠隔操作で、消費電力の総量規制や、エアコンの出力を低下させたりするようにして電力機器を制御することで、発電事業者の住居における自己消費を抑制して、余剰電力を増加させることができる。
(15)なお、電力事業者4は、発電事業者機器制御手段11kにより発電事業者2の電力機器を制御する場合には、電力買取希望者3の有価ポイントではなく、電力事業者が定めた有価ポイントを発電事業者2へ付与することができる。発電事業者機器制御手段11kによる電力機器の制御では、発電事業者2の負担が生じるため、この対応についてインセンティブを与えて協力を得るためである。
(別例)
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○「CO2フリー価値付電力」とは、その名称にかかわらず、電力のみの対価に、付加的な価値が含まれたものをいい、必ずしも電力のみの対価と付加的な価値が明確に分離できる必要はない。なお、「CO2フリー」とは、必ずしも二酸化炭素がゼロを意味するものではなく、例えば、風力発電や小規模水力発電など、何らか二酸化炭素が抑制される発電であればよい。
○「事業者」や「希望者」は、本発明では、取引の当事者を意味するだけのもので、自然人や法人など広く含む。
○通信回線は、インターネット5を用いたものを例示したが、電灯線を用いた通信や電話回線を通じた通信など、その方法は問わない。
○電力事業者4のCO2フリー価値付電力買取仲介システム1は、説明の便宜上図2に示すような構成を例示したが、コンピュータシステムは、顧客管理システムや電力管理システム、メールサーバなど複数のサーバやコンピュータシステムに分散して構築しても、実質的にその機能を発揮する限り限定されない。
○「有価ポイント」は、発電事業者2に対して何らかの利益を与えるものであれば、その名称や形式については限定されない。例えば、現金で表示するようなものや、電力の供与によるものでもよい。
○電力買取希望者3の有価ポイントにより、電力事業者4に対する支払いに充当できるようにしてもよい。
○「買取」及び「買い取る」とは、直接売買されるものには限定されないことはもちろん、その対価の支払いなども金銭の遣り取りには限定されない。
○なお、本発明は実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない限り、当業者により適宜構成を付加し省略し、変更して実施できることは言うまでもない。
1…CO2フリー価値付電力買取仲介システム(買取仲介システム)、2…発電事業者、3…電力買取希望者、4…電力事業者、11…制御手段、11a…発電事業者登録手段、11b…電力買取希望者登録手段、11c…発電電力量予測手段、11d…消費電力量予測手段、11e…提示手段、11f…受付手段、11g…通知手段、11h…受付未達通知手段、11i…買取未達通知手段、11j…発電電力量未達通知手段、11k…発電事業者機器制御手段、12…記憶手段、12a…発電事業者ファイル、12b…電力買取希望者ファイル、12c…買取仲介ファイル、
12d…プログラムファイル、21…ソーラーパネル、22…住居、23…HEMS、24…スマートメータ、25…PC。

Claims (17)

  1. CO2フリー価値付電力を発電する複数の発電事業者と、
    前記発電事業者の発電により生じたCO2フリー価値付電力の買取を希望する電力買取希望者と、
    前記電力買取希望者が、いずれかの前記発電事業者からCO2フリー価値付電力を買い取ることを仲介する電力事業者において、
    前記電力事業者は、
    前記発電事業者を識別する識別情報と、当該発電事業者の発電した電力量とを記憶する発電事業者ファイルと、
    前記電力買取希望者の識別情報と、前記発電事業者から発電した電力を買い取る買取条件と、前記発電事業者から買い取る買取希望電力量とを記憶する電力買取希望者ファイルと、
    前記電力買取希望者を、前記買取条件とともに前記複数の発電事業者に提示する提示手段と、
    前記提示手段により提示された電力買取希望者から、前記発電事業者が発電する電力を売り渡す電力買取希望者を選択して指定する指定情報を、当該発電事業者の識別情報とともに受け付ける受付手段と、
    前記電力買取希望者に対して、当該電力買取希望者が電力を買取った対価として前記発電事業者に付与すべき有価ポイントの数量を通知する通知手段と、
    前記発電事業者による前記受付手段による受付に先立って、
    前記発電事業者ファイルに基づいて当該発電事業者の個々の過去の実績発電電力量に基づいて、将来の発電電力量の予測値である予測発電電力量を当該発電事業者に提示する発電電力量予測手段と、
    前記発電電力量予測手段による予測発電電力量と、
    前記発電事業者に発電電力量に応じて付与する有価ポイントの交換率とに基づいて、当該発電事業者が発電により得られる前記有価ポイントを、当該発電事業者に提示するポイント予測手段とを備え、
    CO2フリー価値付電力の買取を、仲介することにより支援することを特徴とするCO2フリー価値付電力買取仲介システム。
  2. 前記電力買取希望者が電力を買取った対価として前記発電事業者に付与すべき有価ポイントは、当該電力買取希望者が選択した有価ポイントとすることを特徴とする請求項1に記載のCO2フリー価値付電力買取仲介システム。
  3. 前記電力事業者は、
    前記受付手段により前記電力買取希望者において、前記発電事業者から指定され、当該発電事業者から買取を受け付けた電力量を累積して記憶する累積部を備え、
    買取を受け付けた電力量が予め決定されている上限値である買取希望電力量に達した場合には、前記受付手段における受付を中止することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のCO2フリー価値付電力買取仲介システム。
  4. 前記提示手段は、買取条件に加え、前記電力買取希望者毎に属性情報を提示し、複数の電力買取希望者から、前記発電事業者が選択可能に表示されることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のCO2フリー価値付電力買取仲介システム。
  5. 前記電力事業者は、前記電力買取希望者の実績消費電力量を取得し、当該実績消費電力量に基づいて、買取期間における消費電力のCO2フリー化を達成するために必要な買取希望者における予測消費電力量を予測し、当該電力買取希望者に買取電力量を決定するために、予測した予測消費電力量を通知する消費電力量予測手段を備えたことを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載のCO2フリー価値付電力買取仲介システム。
  6. 前記受付手段は、前記電力買取希望者を指定する受付期間を設定し、前記発電事業者からの指定の受付けを当該受付期間において受け付けるとともに、
    当該受付期間中途において、受付実績に基づいて受付期間満了時において受付電力量を予測するとともに、当該受付期間満了時において受付電力量が買取希望電力量に達しないことが判明した場合に、当該電力買取希望者に対して、受付電力量が買取希望電力量に達しないことを通知する受付未達通知手段を備えたことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載のCO2フリー価値付電力買取仲介システム。
  7. 前記電力事業者が、
    前記受付未達通知手段により受付電力量が買取希望電力量に達しないことを通知する場合において、
    前記受付手段において、前記複数の発電事業者に対して、当該電力買取希望者から買取条件において付加的な有価ポイントを付与することを特徴とする請求項6に記載のCO2フリー価値付電力買取仲介システム。
  8. 買取期間の中途において、買取期間満了時における買取電力量を実績買取電力量に基づいて予測するとともに、当該買取期間満了時において買取電力量が買取希望電力量に達しないことが判明した場合に、当該電力買取希望者に対して、買取電力量が買取希望電力量に達しないことを通知をする買取未達通知手段を備えたことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載のCO2フリー価値付電力買取仲介システム。
  9. 前記電力事業者が、
    当該買取期間満了時において買取電力量が買取希望電力量に達しないことが判明した場合に、当該電力買取希望者に対して、買取電力量が買取希望電力量に達しないことを通知する場合において、
    前記複数の発電事業者に対して、当該電力買取希望者から発電電力量を増加させるために付加的な有価ポイントを付与することを通知する付加ポイント付与手段を備えたことを特徴とする請求項8に記載のCO2フリー価値付電力買取仲介システム。
  10. 前記電力事業者が、
    買取期間満了時における発電事業者の発電電力量を実績発電電力量に基づいて予め予測するとともに、買取期間の中途において、その時点の実績発電電力量に基づいて当該買取期間満了時において予測発電電力量に達しないことが判明した場合に、当該発電事業者に対して、発電電力量が予測した予測発電電力量に達しないことを通知する発電電力量未達通知手段を備えたことを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載のCO2フリー価値付電力買取仲介システム。
  11. 前記電力事業者が、
    買取期間の中途において、その時点の実績発電電力量に基づいて当該買取期間満了時において予測発電電力量に達しないことが判明した場合に、当該発電事業者に対して、発電電力量が予測した予測発電電力量に達しないことを通知する場合に、
    前記電力買取希望者から発電電力量を増加させるために付加的な電力買取希望者が選択した有価ポイントを付与することを通知する付加ポイント付与手段を備えたことを特徴とする請求項10に記載のCO2フリー価値付電力買取仲介システム。
  12. 前記電力事業者が、
    当該買取期間満了時において発電電力量が前記予測発電電力量に達しないことが判明した場合に、当該発電事業者に対して、発電電力量が予測発電電力量に達しないことを通知する場合において、
    当該発電事業者の電力機器を制御する発電事業者機器制御手段を備えたことを特徴とする請求項10に記載のCO2フリー価値付電力買取仲介システム。
  13. 前記発電事業者機器制御手段により当該発電事業者の電力機器を制御する場合には、当該電力事業者が定めた有価ポイントを発電事業者へ付与することを特徴とする請求項12に記載のCO2フリー価値付電力買取仲介システム。
  14. CO2フリー価値付電力を発電する複数の発電事業者と、
    前記発電事業者の発電により生じたCO2フリー価値付電力の買取を希望する電力買取希望者と、
    前記電力買取希望者が、いずれかの前記発電事業者からCO2フリー価値付電力を買い取ることを仲介する電力事業者において、
    前記電力事業者は、
    前記発電事業者を識別する識別情報と、当該発電事業者の発電した電力量とを記憶する発電事業者ファイルと、
    前記電力買取希望者の識別情報と、前記発電事業者から発電した電力を買い取る買取条件と、前記発電事業者から買い取る買取希望電力量とを記憶する電力買取希望者ファイルと、
    前記電力買取希望者から提示された前記買取条件を、前記複数の発電事業者に提示する提示手段と、
    前記提示手段により提示された電力買取希望者から、前記発電事業者が発電するCO2フリー価値付電力を売り渡す電力買取希望者を選択して指定する指定情報を、当該発電事業者の識別情報とともに受け付ける受付手段と、
    前記電力買取希望者に対して、当該電力買取希望者が、CO2フリー価値付電力を買取った対価として前記発電事業者に付与すべき有価ポイントの額を通知する通知手段とを備え、
    CO2フリー価値付電力の買取を仲介することにより支援することを特徴とするCO2フリー価値付電力買取仲介システムにおいて、
    前記電力事業者のCO2フリー価値付電力買取仲介システムが、
    前記電力買取希望者を、前記買取条件とともに前記複数の発電事業者に提示する提示のステップと、
    前記提示手段により提示された電力買取希望者から、前記発電事業者が発電する電力を売り渡す電力買取希望者を選択して指定する指定情報を、当該発電事業者の識別情報とともに受け付ける受付のステップと、
    前記電力買取希望者に対して、当該電力買取希望者が電力を買取った対価として前記発電事業者に付与すべき有価ポイントの数量を通知する通知のステップと、
    買取期間満了時における買取希望電力量を買取実績に基づいて予測するとともに、買取期間の中途において、当該買取期間満了時において買取電力量が買取希望電力量に達しないことが判明した場合に、当該電力買取希望者に対して、買取電力量が買取希望電力量に達しないことを通知をする買取未達通知のステップを備え、
    前記電力事業者が、当該電力買取希望者に対して、買取電力量が買取希望電力量に達しないことを通知する場合において、
    前記複数の発電事業者に対して、当該電力買取希望者から発電電力量を増加させるために付加的な有価ポイントを付与することを通知する付加ポイント付与手段のステップを備えたことを特徴とするCO2フリー価値付電力買取仲介方法。
  15. 前記電力買取希望者が電力を買取る対価として前記発電事業者に付与すべき有価ポイントは、電力買取希望者が選択した有価ポイントとすることを特徴とする請求項14に記載のCO2フリー価値付電力買取仲介方法。
  16. 前記発電事業者に対して、発電実績が予測した発電電力量に達しないことを通知する発電電力量未達通知のステップを実行する場合において、
    前記複数の発電事業者に対して、当該電力買取希望者から発電電力量を増加させるために付加的な電力買取希望者が選択した有価ポイントを付与することを通知する付加ポイント付与手段のステップを備えたことを特徴とする請求項14又は請求項15に記載のCO2フリー価値付電力買取仲介方法。
  17. 買取期間満了時における発電事業者の発電電力量を実績発電電力量に基づいて予め予測するとともに、買取期間の中途において、その時点の実績発電量に基づいて当該買取期間満了時において予測発電電力量に達しないことが判明した場合に、当該発電事業者に対して、発電実績が予測した発電電力量に達しないことを通知する発電電力量未達通知のステップを実行するとともに、
    当該発電事業者の電力機器を制御する発電事業者機器制御のステップを実行するとともに、付加的な電力事業者が選択した有価ポイントを付与することを特徴とする請求項14~16のいずれか一項に記載のCO2フリー価値付電力買取仲介方法。
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