JP2015222149A - 熱輸送システム - Google Patents

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Abstract

【課題】液体の熱媒体を用いて熱輸送を行う熱輸送システムにおいて、熱媒体の熱物性悪化および粘度増大を抑制しつつ、熱媒体の不凍性能を充分に確保する。
【解決手段】エンジン101と、ラジエータ102と、液体状の冷却水が流れる冷却水流路100における冷却水の流動を制御するポンプ103とを備え、エンジン101からの熱を、冷却水を介してラジエータ102へ輸送する熱輸送システムにおいて、冷却水は、溶媒と少なくとも1種類の溶質40とを有する溶液により構成されており、少なくとも1種類の溶質40は、冷却水の温度が予め定めた基準温度以下になった場合に、溶媒の固液界面50に選択的に近接するヘッド41と、ヘッド41に接続されるとともに、溶媒に対して疎となる関係を有するテール42とを備える分子により構成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、液体の熱媒体を用いて熱輸送を行う熱輸送システムに関するものである。
車両等のエネルギ変換システムにおいては、エネルギ変換の際に熱が発生する。一般的に、このようなシステムでは、エネルギ変換の際に発生した熱を輸送して、その熱を放熱部から系外へ放熱するように構成されている。このとき、熱を輸送する熱媒体としては、液体が用いられることが多いが、この液体は不凍性を有している必要がある。
従来、凝固点降下剤であるエチレングリコールを水に対して5割程度加えた液体を熱媒体として用いることにより、不凍性を確保する手法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、熱媒体に微量の界面活性剤を混合して熱媒体の過冷却状態を維持することにより、不凍性を確保する手法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2014−020280号公報 特開2013−32456号公報
上記特許文献1に記載の手法のように、凝固点降下現象を用いて熱媒体の不凍性能を確保する場合、目的とする凝固点が低くなる程、エチレングリコール濃度を大きくする必要がある。しかしながら、エチレングリコール濃度を大きくすると、比熱や熱伝導率等の熱物性が悪化するとともに、粘度が増大してしまう。その結果、放熱部や熱媒体配管等の体格が大きくなったり、熱媒体を流動させるための動力が大きくなったりという問題がある。
ところで、液体が冷却される過程で過冷却状態が生じている場合、この過冷却状態は準安定状態であるため、系内の熱的揺らぎに起因して氷核生成が生じる可能性が高い。この熱的揺らぎは、例えばシステムにおける機械的または熱的な外乱に基づき発生すると考えられる。
このため、上記特許文献2に記載されているように、過冷却を促進して熱媒体の不凍性能を確保する場合、外乱により過冷却状態が解除されて凍結が進行する可能性が高い。その結果、不凍性能を充分に確保できないという問題がある。
本発明は上記点に鑑みて、液体の熱媒体を用いて熱輸送を行う熱輸送システムにおいて、熱媒体の熱物性悪化および粘度増大を抑制しつつ、熱媒体の不凍性能を充分に確保することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、熱を発生する熱源(101)と、熱を放熱する放熱部(102)と、液体状の熱媒体が流れる熱媒体流路(100)における熱媒体の流動を制御する流動制御手段(103)とを備え、熱源(101)からの熱を、熱媒体を介して放熱部(102)へ輸送する熱輸送システムにおいて、熱媒体は、溶媒と少なくとも1種類の溶質(40)とを有する溶液により構成されており、少なくとも1種類の溶質(40)は、熱媒体の温度が予め定めた基準温度以下になった場合に、溶媒の固液界面(50)に選択的に近接する第1部位(41)と、第1部位(41)に接続されるとともに、溶媒に対して疎となる関係を有する第2部位(42)とを備える分子により構成されていることを特徴とする。
これによれば、熱媒体の温度が低下して基準温度以下になった場合に、溶質(40)の第1部位(41)が溶液の固液界面に選択的に近接して吸着する。これにより、溶媒の固液界面(50)に吸着した第1部位(41)により、溶媒の凝固核の成長が阻害されるため、凍結の進行を抑制できる。さらに、溶媒に対して疎となる関係を有する第2部位(42)により、溶媒が固液界面に近づくことが抑制されるので、凍結の進行をより抑制できる。
したがって、熱媒体にエチレングリコール等の凝固点降下剤を含有させなくても、熱媒体の凍結の進行を遅らせる、すなわち熱媒体の凝固点を低下させることができる。また、熱媒体の凝固点を低下させるために過冷却状態を維持する必要はないので、外乱により熱媒体の過冷却状態が解除されて凍結が進行することはない。これにより、熱媒体の熱物性悪化および粘度増大を抑制しつつ、熱媒体の不凍性能を充分に確保することが可能となる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
第1実施形態に係るエンジン冷却システムを示す全体構成図である。 第1実施形態における熱媒体の構成を説明するための説明図である。 熱媒体の溶質の分子量と凍結温度との関係を示す特性図である。 熱媒体の溶質の濃度と凍結温度との関係を示す特性図である。 冷却水中のエチレングリコール濃度に対する液側熱伝達率比および凍結温度の関係を示す説明図である。 第2実施形態に係るエンジン冷却システムを示す全体構成図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について図1〜図5に基づいて説明する。本実施形態は、本発明に係る熱輸送システムを、ハイブリッド自動車の走行用駆動源の1つとして用いられるエンジン(内燃機関)の冷却システムに適用したものである。
図1に示すように、本実施形態のエンジン冷却システムは、エンジン101の冷却水をラジエータ102にて冷却するシステムとなっている。すなわち、本実施形態のエンジン冷却システムは、エンジン101からの熱を、液体状の熱媒体である冷却水を介して、ラジエータ102へ輸送するシステムとなっている。
エンジン101は、エネルギ変換により熱を発生するものであり、本発明の熱源に相当している。また、ラジエータ102は、エンジン101の排熱と熱交換して高温となった冷却水を外気と熱交換させて冷却する熱交換器であり、本発明の放熱部に相当している。
エンジン101とラジエータ102は、エンジン101とラジエータ102との間で閉回路を形成する冷却水流路100によって接続されている。冷却水流路100には、エンジン101の動力により機械的に駆動されて冷却水流路100に冷却水を循環させるポンプ103が設けられている。そして、冷却水流路100内の冷却水は、エンジン101の冷却水出口からラジエータ102を経由してエンジン101の冷却水入口に循環するようになっている。
冷却水流路100は、液体状の熱媒体である冷却水が流れる流路を構成するものであり、本発明の熱媒体流路に相当している。また、ポンプ103は、冷却水流路100における冷却水の流動を制御するものであり、本発明の流動制御手段に相当している。
次に、本実施形態に係るエンジン冷却システムで用いられる冷却水について説明する。本実施形態の冷却水は、溶媒と1種類の溶質40とを有する溶液により構成されている。
図2に示すように、冷却水の溶質40は、第1部位であるヘッド41と、第2部位であるテール42とを備える分子により構成されている。ヘッド41は、冷却水の温度が予め定めた基準温度以下になった場合に、溶媒の固液界面50に選択的に近接する部位である。テール42は、ヘッド41に接続されるとともに、溶媒に対して疎となる関係を有する部位である。
本実施形態では、溶媒として水が採用されている。また、溶質40のヘッド41として、第4級アンモニウム基、スルホ基、エステル基、カルボキシル基およびヒドロキル基のうちのいずれかが採用されている。また、溶質40のテール42として、複数の炭素を主鎖とするとともに、各炭素と結合される親水基が4個以下であるものが採用されている。
具体的には、本実施形態の溶質40として、ヘッド41がトリメチルアンモニウム基であるとともに、テール42が炭素数16以下の直鎖状炭化水素基である化合物を採用している。具体的には、溶質40として、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム(以下、C16TABともいう)を採用している。
なお、本実施形態の溶質40としては、C16TABの他に、図3に示すように、ポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル(Triton(登録商標)X−100)、ポリオキシエチレン(25)オクチルドデシルエーテル(エマルゲン(登録商標)2025G)、オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(Tween(登録商標)80)、ステアリン酸PEG−150、ミリスチルスルホベタイン、コール酸ナトリウムを採用することができる。溶質40として上記に挙げた化合物を採用することで、図3に示すように、凍結温度を低下させることができる。
ところで、上記に挙げた溶質40のうち、C16TABは親水基を有しておらず、ミリスチルスルホベタインは親水基を1個有しており、コール酸ナトリウムは親水基を3個有している。そして、図3の破線で囲まれた領域に示すように、コール酸ナトリウム、ミリスチルスルホベタイン、C16TABの順に凍結温度が低くなっている。したがって、親水基の数を減らす程、凍結温度を低下させることができる。具体的には、上述したように、溶質40のテール42に含まれる親水基の個数を4個以下とすることで、凍結温度を低くすることができる。
ところで、冷却水における溶質40の濃度は、水に対する溶質40の飽和溶解濃度よりも小さくなっている。これによれば、溶質40が再結晶し、その結晶を核として氷が成長することを抑制できる。さらに、冷却水における溶質40の濃度は、水に対する溶質40の臨界ミセル濃度以下にすることで、溶質40がミセル化し、そのミセルを核として氷が成長することを抑制できる。
図4に示すように、水に対する溶質40の重量パーセント濃度を上昇させていくと、約0.1重量パーセント濃度までは、濃度が高くなるにつれて、凍結温度が低くなっている。しかしながら、水に対する溶質40の重量パーセント濃度が約0.1重量パーセント濃度を超えると、凍結温度が徐々に高くなっている。したがって、本実施形態では、水に対する溶質40の濃度を0.1重量パーセント濃度以下としている。
ここで、冷却水中のエチレングリコール濃度に対する液側熱伝達率比および凍結温度の関係を図5に示す。なお、図5の上図の縦軸に示す液側熱伝達比とは、現在一般的に使用されているLLC(エチレングリコール濃度:50%)の液側熱伝達率比を100%として表した液側熱伝達率の値のことである。
JIS K 2234にて規定された不凍液の性能を確保するためには、凍結温度が−34℃以下であることが必要である。このため、現在一般的に使用されているLLCでは、水に対するエチレングリコール濃度を50%としている。
図5の上図に示すように、冷却水中の水に対するエチレングリコール濃度が低くなる程、熱伝達率は向上する。しかしながら、図5の下図に示すように、冷却水中の水に対するエチレングリコール濃度が低くなる程、凍結温度が高くなってしまう。
これに対し、冷却水として、重量パーセント濃度が0.1%であるC16TAB水溶液を採用した場合、凍結温度は−20℃となる。このとき、冷却水のエチレングリコール濃度は0であるため、熱伝達率を向上させることができる。
しかしながら、上述したように、JIS K 2234にて規定された不凍液の性能を確保するためには、凍結温度を−34℃以下にする必要がある。このため、本実施形態では、冷却水に、第1溶質であるC16TABの他に、C16TABとは異なるとともに、水と互溶することにより水の凝固点を降下させる第2溶質を加えている。第2溶質としては、アルコール類を採用することができる。本実施形態では、第2溶質として、エチレングリコールを採用している。
図5の下図に示すように、C16TAB水溶液に対してエチレングリコールを加えることで、凍結濃度を低下させることができる。具体的には、エチレングリコールの冷却水に対する濃度を、10重量パーセント濃度以上、40重量パーセント濃度以下とすることが望ましい。
より詳細には、本実施形態のように、冷却水として、重量パーセント濃度が0.1%であるC16TAB水溶液を採用した場合、エチレングリコールの重量パーセント濃度を約18%とすることで、凍結温度を−34℃とすることができる。このとき、熱伝達率を、現在一般的に使用されているLLCに対して約4割向上させることができる。
以上説明したように、本実施形態では、冷却水の溶質40を、冷却水温度が基準温度以下になった場合に、溶媒の固液界面50に選択的に近接するヘッド41と、ヘッド41に接続されるとともに、溶媒に対して疎となる関係を有するテール42とを備える分子により構成している。これによれば、冷却水の温度が低下して基準温度以下になった場合に、溶質40のヘッド41が溶液の固液界面に選択的に近接して吸着する。そして、溶媒の固液界面50に吸着したヘッド41により、溶媒の氷核(凝固核)の成長が阻害されるため、凍結の進行を抑制できる。さらに、溶媒に対して疎となる関係を有するテール42により、溶媒が固液界面50に近づくことが抑制されるので、凍結の進行をより抑制できる。
したがって、冷却水に凝固点降下剤(チレングリコール)を含有させなくても、冷却水の凍結の進行を遅らせる、すなわち冷却水の凝固点を低下させることができる。このため、冷却水の熱物性悪化および粘度増加を抑制できる。
また、本実施形態では、冷却水の凝固点を低下させるために、過冷却状態を維持する必要はない。すなわち、本実施形態の冷却水の溶質40は、過冷却を促進させるものではなく、上述したように、氷核の成長を阻害するものである。このため、外乱により冷却水の過冷却状態が解除されて凍結が進行することはない。
以上のように、本実施形態によれば、冷却水の熱物性悪化および粘度増大を抑制しつつ、冷却水の不凍性能を充分に確保することが可能となる。
ところで、図2に示すように、本実施形態の冷却水において、溶質40のヘッド41が溶媒の固液界面50に吸着した際に、テール42はヘッド41を基点として運動する。このとき、隣り合う溶質分子のテール42同士が接触しないようになっている。したがって、溶質分子のテール42の長さが長すぎると動径も大きくなり、隣り合う溶質分子同士の距離dが長くなるので、溶媒の氷核の成長を阻害し難くなる。これにより、冷却水の凍結の進行抑制効果が低下してしまう。
これに対し、上述したように、溶質分子のテール42を、炭素数16以下の直鎖状炭化水素基とすることで、テール42の長さが長くなりすぎることを抑制できる。このため、隣り合う溶質分子同士の距離dを短くすることができるので、溶媒の氷核の成長を阻害し易くなり、冷却水の凍結の進行を確実に抑制することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図6に基づいて説明する。本第2実施形態は、上記第1実施形態と比較して、熱輸送システムが、互いに独立した2つの熱輸送回路1、2を有している点が異なるものである。
図6に示すように、本実施形態の熱輸送システムは、上記第1実施形態に係るエンジン冷却システムに加えて、エンジンの吸気を冷却する吸気冷却システムを備えている。具体的には、本実施形態の熱輸送システムは、エンジン冷却システムを構成する第1熱輸送回路1と、吸気冷却システムを構成する第2熱輸送回路2とを備えている。
上記第1実施形態において説明したように、第1熱輸送回路1には、エンジン101、ラジエータ102および第1ポンプ103が設けられている。第1熱輸送回路1は、エンジン101からの熱を、第1冷却水流路100を流通する第1冷却水を介して、ラジエータ102へ輸送するように構成されている。
第2熱輸送回路2は、インタークーラ201、チラー202および第2ポンプ203が設けられている。インタークーラ201は、エンジンの吸気と第2冷却水流路200を流れる第2冷却水とを熱交換させて吸気を冷却する熱交換器である。チラー202は、第2冷却水と外気とを熱交換させて第2冷却水を冷却する熱交換器である。第2ポンプ203は、第2冷却水流路200における第2冷却水の流動を制御するものである。そして、第2熱輸送回路2は、インタークーラ201からの熱を、第2冷却水流路200を流通する第2冷却水を介して、チラー202へ輸送するように構成されている。
本実施形態では、第1冷却水および第2冷却水として、上記第1実施形態において説明した「冷却水」を採用している。このため、本実施形態においても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、以下のように種々変形可能である。
(1)上記実施形態では、熱源としてエンジン101を採用した例について説明したが、熱源はこれに限定されない。例えば、熱源として、燃料電池、バッテリ、インバータ等を採用してもよい。
(2)上記実施形態では、放熱部としてラジエータ102を採用した例について説明したが、これに限定されない。例えば、放熱部として、冷却水と空調空気との間で熱交換を行うことにより空調空気を加熱するヒータコアを採用してもよい。
40 溶質
41 ヘッド(第1部位)
42 テール(第2部位)
50 固液界面
100 冷却水流路(熱媒体流路)
101 エンジン(熱源)
102 ラジエータ(放熱部)
103 ポンプ(流動制御手段)

Claims (10)

  1. 熱を発生する熱源(101)と、
    熱を放熱する放熱部(102)と、
    液体状の熱媒体が流れる熱媒体流路(100)における前記熱媒体の流動を制御する流動制御手段(103)とを備え、
    前記熱源(101)からの熱を、前記熱媒体を介して前記放熱部(102)へ輸送する熱輸送システムであって、
    前記熱媒体は、溶媒と少なくとも1種類の溶質(40)とを有する溶液により構成されており、
    前記少なくとも1種類の溶質(40)は、
    前記熱媒体の温度が予め定めた基準温度以下になった場合に、前記溶媒の固液界面(50)に選択的に近接する第1部位(41)と、
    前記第1部位(41)に接続されるとともに、前記溶媒に対して疎となる関係を有する第2部位(42)とを備える分子により構成されていることを特徴とする熱輸送システム。
  2. 前記熱源(101、201)、前記放熱部(102、202)および前記流動制御手段(103、203)は、少なくとも2つずつ設けられており、
    第1の前記熱源(101)、第1の前記放熱部(102)および第1の前記流動制御手段(103)とを有する第1熱輸送回路(1)と、第2の前記熱源(201)、第2の前記放熱部(202)および第2の前記流動制御手段(203)とを有する第2熱輸送回路(2)とが、互いに独立していることを特徴とする請求項1に記載の熱輸送システム。
  3. 前記溶媒は水であり、
    前記溶質(40)の前記第1部位(41)は、第4級アンモニウム基、スルホ基、エステル基、カルボキシル基およびヒドロキル基のうちのいずれかであることを特徴とする請求項1または2に記載の熱輸送システム。
  4. 前記溶媒は水であり、
    前記溶質(40)の前記第2部位(42)は、複数の炭素を主鎖とするとともに、各前記炭素と結合される親水基が4個以下であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の熱輸送システム。
  5. 前記熱媒体における前記溶質(40)の濃度は、前記溶液に対する前記溶質(40)の飽和溶解濃度よりも小さいことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の熱輸送システム。
  6. 前記熱媒体における前記溶質(40)の濃度は、前記溶液に対する前記溶質(40)の臨界ミセル濃度以下であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の熱輸送システム。
  7. 前記熱媒体は、
    前記第1部位(41)および前記第2部位(42)を備える分子により構成されている第1溶質(40)と、
    前記第1溶質とは異なるとともに、前記溶媒と互溶することにより前記溶媒の凝固点を降下させる第2溶質とを有していることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の熱輸送システム。
  8. 前記溶媒は水であり、
    前記第2溶質はアルコール類であることを特徴とする請求項7に記載の熱輸送システム。
  9. 前記第1溶質(40)は、前記水に対する濃度が0.1重量パーセント濃度以下であり、
    前記第2溶質は、前記溶液に対する濃度が10重量パーセント濃度以上、40重量パーセント濃度以下であることを特徴とする請求項8に記載の熱輸送システム。
  10. 前記第1溶質(40)において、前記第1部位(41)はトリメチルアンモニウム基であるとともに、前記第2部位(42)は炭素数16以下の直鎖状炭化水素基であり、
    前記第2溶質は、エチレングリコールであること特徴とする請求項9に記載の熱輸送システム。
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