JP2013169955A - 自動車用の熱回収装置、自動車用の暖房システムおよびこれを用いた自動車 - Google Patents
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Abstract
【課題】 駆動部等の熱源側から効率良く熱を回収可能であるとともに、入熱変動を抑制可能な自動車用の熱回収装置等を提供する。
【解決手段】 暖房システム1は、自動車用の暖房システムである。モータ9は、自動車の駆動部であり、熱源となる部位である。モータ9には、受熱部19が接触する。すなわち、受熱部19は、モータ9から直接熱を受熱する。受熱部19は、熱輸送手段であるヒートパイプ7の一端と接続される。ヒートパイプ7の受熱部19には、受熱部19を冷却する冷却経路3が設けられる。冷却経路3には、熱媒体として冷却水等が循環する。受熱部19には、温度検知部23が設けられる。温度検知部23は、受熱部19の温度を検知するための温度センサ等である。温度検知部23とポンプ11は、制御部25に接続される。制御部25は、温度検知部19からの情報に基づいて、ポンプ11の動作を制御する。
【選択図】図1
【解決手段】 暖房システム1は、自動車用の暖房システムである。モータ9は、自動車の駆動部であり、熱源となる部位である。モータ9には、受熱部19が接触する。すなわち、受熱部19は、モータ9から直接熱を受熱する。受熱部19は、熱輸送手段であるヒートパイプ7の一端と接続される。ヒートパイプ7の受熱部19には、受熱部19を冷却する冷却経路3が設けられる。冷却経路3には、熱媒体として冷却水等が循環する。受熱部19には、温度検知部23が設けられる。温度検知部23は、受熱部19の温度を検知するための温度センサ等である。温度検知部23とポンプ11は、制御部25に接続される。制御部25は、温度検知部19からの情報に基づいて、ポンプ11の動作を制御する。
【選択図】図1
Description
本発明は、自動車におけるモータなど熱源からの熱を効率よく回収して利用可能な熱回収装置等に関するものである。
従来、車内の暖房を行うためには、車内に噴出するエア等を加熱する加熱手段が必要となる。例えば、暖房装置内を循環する熱媒体をヒータ等で加熱して、高温の熱媒体とエアとを熱交換させながら、温風を車内に送風する。
このような暖房システムにおいては、エンジン等の熱源からの熱を回収して利用する方法がある。熱源からの熱を利用することで、ヒータ等によって熱媒体を加熱するための熱量を抑制することができる。
熱源からの熱を回収する方法としては、例えば、自動車用空気調和装置内で、冷却風の流れるダクト内に、ヒートパイプの一端を突設し、ヒートパイプの他端をモータケーシングの外壁に接触させたモータの冷却構造がある(特許文献1)。
また、冷却用熱交換器と加熱用熱交換器とをヒートパイプを介して熱的に一体化して、一個の熱交換器を構成し、加熱用熱交換器へのエンジン冷却水の供給量を制御することで空気に対する熱負荷量を調整して吹き出し温度のコントロールを行う自動車用空調装置ある(特許文献2)。
一方、近年は電気自動車が増加しており、例えば、駆動源として、化石燃料を燃焼するエンジンに代わってモータが用いられる場合がある。このようなモータが発する熱量は、従来のエンジンよりも少ないため、暖房用のエアを加熱するためには、より効率のよい熱回収方法が要求される。
また、このような電気自動車は、その停車中には、モータ等の駆動部が停止した状態となる。したがって、電気自動車では、モータの温度変化が大きいため、ここに適用される伝熱部材への入熱量の変動が大きくなる。したがって、より安定した入熱量を確保する必要がある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、駆動部等の熱源側から効率良く熱を回収可能であるとともに、入熱変動を抑制可能な自動車用の熱回収装置等を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するため、第1の発明は、自動車用の熱源からの熱回収装置であって、自動車の駆動源である熱源と、前記熱源と接触し、前記熱源から熱を受ける受熱部と、前記受熱部からの熱を放熱部に熱輸送する熱輸送手段と、前記熱輸送手段で輸送された熱を放熱する放熱部と、前記放熱部から放熱された熱を利用可能な熱利用経路と、を具備し、前記受熱部には、前記受熱部の温度を検知する温度検知部と、前記受熱部を冷却可能な冷却経路とが設けられ、
制御部によって、前記温度検知部で検知した温度に応じて、前記冷却経路を流れる冷媒の流量を制御することを可能であることを特徴とする自動車用の熱回収装置ある。
制御部によって、前記温度検知部で検知した温度に応じて、前記冷却経路を流れる冷媒の流量を制御することを可能であることを特徴とする自動車用の熱回収装置ある。
前記受熱部には、蓄熱部材が設けられ、前記蓄熱部材が前記熱源と接触することが望ましい。
前記冷却経路には、前記熱源を冷却可能な分岐経路を有し、前記制御部は、前記受熱部の温度が所定以上となると、前記冷媒を前記分岐経路に流して、前記熱源を冷却してもよい。
前記熱輸送手段は、ヒートパイプであることが望ましい。
第1の発明によれば、受熱部が直接熱源と接触するため、熱源の熱を効率良く回収することができる。例えば、熱源を冷却する冷媒と受熱部とを熱交換させる場合と比較して、熱源からの熱の回収効率に優れる。また、このように熱源からの熱を直接回収すると、熱源の温度変化の影響を強く受けることになり、熱源の温度変動が大きい場合には、受熱部が受熱する入熱量の変動が大きくなる。しかし、本発明によれば、受熱部の温度を検知し、その温度変化を抑制するように受熱部を冷却可能な冷却経路が設けられ、温度変化に応じて冷媒の流量が制御される。したがって、受熱部の温度変動を抑制することができる。また、受熱部から熱輸送手段への入熱量を制御することができる。
また、受熱部に蓄熱部材が設けられることで、熱源からの熱が蓄熱部材に一度蓄熱される。したがって、急激に熱源の温度が上昇した場合にも、蓄熱部材でその熱を一時的に蓄熱することが可能となる。同様に、急激に熱源の温度が低下した場合にも、蓄熱部材に蓄熱された熱を利用することが可能となる。
また、冷却経路に分岐経路を設け、受熱部温度が所定以上の場合に、冷媒を分岐経路に流して熱源を直接冷却することで、熱源自体が過熱することを防止することができる。なお、通常時には、分岐経路への冷媒の流れを止めるため、熱源の熱を効率良く受熱部に伝えることができる。
また、伝熱手段がヒートパイプであれば、熱を効率良く伝達することができる。また、本発明によれば、受熱部の温度変動が抑制されるため、ヒートパイプが過熱されることによるドライアウトや、ヒートパイプの破損を防止することができる。
第2の発明は、第1の発明にかかる自動車用の熱回収装置を用い、前記熱利用経路は、自動車室内の暖房用のエア経路と、前記エア経路内のエアと熱交換することが可能な暖房側加熱経路と、を有し、前記暖房側放熱部からの熱が、前記暖房側加熱経路を流れる熱媒体と熱交換し、前記エア経路内のエアを加熱することが可能であることを特徴とする自動車用の暖房システムである。
第2の発明によれば、熱源から効率良く回収された熱を、暖房用のエアの加熱に利用することができる。
第3の発明は、第1の発明にかかる自動車用の熱回収装置を用い、前記熱利用経路は、自動車室内の暖房用のエア経路と、前記エア経路内のエアと熱交換することが可能な暖房側加熱経路と、を有し、前記暖房側放熱部からの熱が、前記暖房側加熱経路を流れる熱媒体と熱交換し、前記エア経路内のエアを加熱して車内の暖房に利用可能であることを特徴とする自動車である。
第3の発明によれば、熱源から効率良く熱を回収して利用可能な自動車を提供することができる。
本発明によれば、駆動部等の熱源側から効率良く熱を回収可能であるとともに、入熱変動を抑制可能な自動車用の熱回収装置等を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態にかかる暖房システム1について説明する。図1は、暖房システム1を示すシステム構成図である。暖房システム1は、主に、冷却経路3、暖房側加熱経路5、エア経路6、ヒートパイプ7、モータ9等から構成される。暖房システム1は、自動車用の暖房システムである。
モータ9は、自動車の駆動部であり、熱源となる部位である。なお、本実施形態においては、熱源がモータ9のみである電気自動車の例を示すが、本発明はこれに限られない。
モータ9には、受熱部19が接触する。すなわち、受熱部19は、モータ9から直接熱を受熱する。受熱部19は、熱輸送手段であるヒートパイプ7の一端と接続される。ヒートパイプ7の受熱部19には、受熱部19を冷却する冷却経路3が設けられる。冷却経路3には、熱媒体として冷却水等が循環する。冷却経路3には、ポンプ11、冷却部12等が設けられる。
ポンプ11は、冷却経路3内の熱媒体を循環させるものである(図中矢印A方向)。また、冷却部12は、冷却経路3内の熱媒体を冷却する部位である。冷却部12は、例えばラジエータ等であり、熱を外部に放出する。
受熱部19には、温度検知部23が設けられる。温度検知部23は、受熱部19の温度を検知するための温度センサ等である。温度検知部23とポンプ11は、制御部25に接続される。制御部25は、温度検知部23からの情報に基づいて、ポンプ11の動作を制御するものである。なお、制御部25の制御方法については詳細を後述する。
ヒートパイプ7の他方の端部には、放熱部21が接続される。放熱部21は、受熱部19から受けた熱を暖房側加熱経路5に放熱する部位である。冷却経路3からの熱を利用する熱利用経路である暖房側加熱経路5は、例えば、車内を暖房するためのエアを加熱する経路である。暖房側加熱経路5には、熱媒体として水等が循環する。暖房側加熱経路5には、ヒータ13、ポンプ15、暖房側放熱部17等が設けられる。
なお、本発明では、熱源からの熱を回収して、熱利用経路に熱を伝達する自動車用の熱回収装置を用いたシステムとして、自動車用の暖房システム1の例を示すが、暖房側加熱経路に限られず、熱を利用可能な経路に熱を伝達できれば、いずれのシステムにも適用することができる。
また、熱輸送手段としては、ヒートパイプ7に限られず、熱を受熱部19から放熱部21まで熱を伝えることが可能であれば、他の構成であってもよいが、好ましくはヒートパイプである。ヒートパイプは、たとえば、端部を密閉した金属の内部に、溶媒を配置して、溶媒の蒸発と凝縮により熱を伝達することができる。主に銅の内部に水を入れたヒートパイプが多く用いられている。このため、電源を用いなくても熱伝達を行うことができ、また、密閉されているので水が減少することもないのでメンテナンス性にも優れる。
ヒータ13は、必要に応じて設けられ、暖房側加熱経路5内の熱媒体を加熱する部位である。ポンプ15は、暖房側加熱経路5内の熱媒体を循環させるものである(図中矢印B方向)。また、暖房側放熱部17は、暖房側加熱経路5内の熱媒体の熱をエア経路6内のエアに放熱する部位である。すなわち、暖房側放熱部17は、暖房側加熱経路5とエア経路6との交わる部位に形成される。
エア経路6内には、外気または車内から取り込まれたエアが流される。エア経路6内を流れるエアは、暖房側放熱部17によって加熱されて車内に送り込まれる(図中矢印C方向)。すなわち、エア経路6内のエアは、暖房側加熱経路5内の熱媒体と熱交換される。
次に、図1を用いて暖房システム1の機能を説明する。熱源であるモータ9は、駆動時に発熱する。モータ9で生じた熱は、モータ9と接触するように配置された受熱部19に直接伝熱される。なお、受熱部19がモータ9に接触するとは、受熱部19の表面にサーマルインタフェース等を設けて、サーマルインタフェースを有する受熱部19を、モータ9と接触させる場合等を含むものである。すなわち、他の熱媒体(例えば冷媒)等を介してモータ9から受熱部19へ熱を伝達する場合を除き、本発明では、実質的に受熱部19と一体で配置されるものが、モータ9と接触している場合も、受熱部19がモータ9と接触すると称する。
受熱部19で受熱された熱は、ヒートパイプ7に伝達される。ヒートパイプ7の一端で受熱すると、ヒートパイプ7は他端の放熱部21へ熱を輸送する。さらに、放熱部21によって、熱を暖房側加熱経路5内の熱媒体に伝達する。
暖房側加熱経路5内の熱媒体は、ポンプ15によって循環される(図中矢印B方向)。放熱部21により加熱された熱媒体は、ヒータ13に移動する。熱媒体の温度が十分でない場合には、必要に応じてヒータ13によってさらに熱媒体が加熱される。
所定の温度以上に加熱された熱媒体は暖房側放熱部17でエア経路6内のエアに熱を放出し、温風が車内に送られる。以上により、モータ9の熱を効率良く回収して、ヒータ13による加熱を最小限に抑えて暖房を行うことが可能となる。なお、放熱部21は、暖房側加熱経路5内の熱媒体の循環方向に対して、暖房側放熱部17からヒータ13までの間に配置される。暖房側放熱部17で放熱した直後の、より低温の熱媒体と熱交換を行わせるためである。
受熱部19には、冷却経路3に配置される。冷却経路3内の熱媒体は、ポンプ11によって循環し、受熱部19を冷却することができる。受熱部19を冷却し、熱を受熱した冷却経路内の熱媒体は、冷却部12に送られて、外気等に熱を放出して冷却される。冷却された熱媒体は、再度受熱部19に送られ、受熱部19を冷却する。なお、冷却経路3内の熱媒体の循環は、制御部25によって制御される。
次に、暖房システム1の制御について説明する。前述の通り、暖房システム1には、制御部25が配置される。制御部25は、受熱部19の温度変動によって、冷却経路3の熱媒体を流すためのポンプ11の動作を制御するものである。
図2は、暖房システム1の制御フローを示すフローチャートである。制御部25は、まず受熱部19の温度を温度検知部23で検知する(ステップ101)。さらに、制御部25は、得られた温度から所定時間毎の温度変化を算出する(ステップ102)。
次に、制御部25は、受熱部19の温度が、所定時間内に所定値以上増加しているかを判定する(ステップ103)。受熱部19が、急激に温度上昇している場合には、制御部25は、ポンプ11を制御して、冷却経路3内の熱媒体の流量を増加させる(ステップ104)。すなわち、受熱部19の急激な温度上昇を抑制する。なお、制御部25は、ポンプ11のみではなく、冷却部12のファン回転数を増加するように制御してもよい。
受熱部19の温度上昇が所定値以下である場合には、制御部25は、受熱部19の温度が、所定時間内に所定値以上低下しているかを判定する(ステップ105)。受熱部19が、急激に温度低下している場合には、ポンプ11を制御して、冷却経路3内の熱媒体の流量を減少させる(ステップ106)。すなわち、受熱部19の急激な温度低下を抑制する。なお、制御部25は、ポンプ11のみではなく、冷却部12のファン回転数を低下するように制御してもよい。
以上により、受熱部19の急激な温度変動を抑制し、受熱部19の温度変化を所定範囲内に保持することができる。
本発明によれば、モータ9のような駆動部等の熱源から発生する熱を効率よく回収し、熱利用経路に伝えることができる。このため、熱を有効に利用することができる。特に、熱利用経路が暖房側加熱経路5であれば、ヒータ13による発熱量を抑えることができる。
また、受熱部19の急激な温度変動を抑制し、受熱部19の温度変化を所定範囲内に保持することができる。なお、従来のように、熱源(モータ9)を熱媒体で冷却し、この熱媒体から熱を回収するような場合と比較して、本発明では、受熱部19は、熱源であるモータ9に直接接触して熱を回収する。このため、受熱部19は、モータ9の温度変化の影響を強く受ける。一方、特に、電気自動車の駆動源であるモータ9は、停車時と走行時とで、発熱量が大きく変動する。したがって、受熱部19を直接モータ9に接触させると、受熱部19は、モータ9の動作に応じて大きな熱変動を受ける。
これに対し、受熱部19は、ヒートパイプ7を介して、モータ9からの熱を直ちに放熱部21へ伝達可能である。しかし、急激に温度が上昇すると、定常状態では適用可能な熱輸送量であっても、一時的なヒートパイプ7のドライアウトや急激な内圧上昇によりヒートパイプ7の破損等の恐れがある。これに対し、ヒートパイプ7の容量を大きくすれば対応が可能であるが、システムの大型化等を招くため望ましくない。本発明では、受熱部19をモータ9に直接接触させることで、極めて高い効率で熱を回収可能とするとともに、これにより生じる大きな温度変動を抑制するものである。したがって、信頼性に優れる。
なお、暖房側加熱経路5に設けたヒータ13は、必ずしも必要ではない。冷却経路3からの熱のみで、十分に暖房側加熱経路5の温度を昇温することができ、暖房用のエアを加熱することができるのであれば、ヒータ13は不要である。
次に、第2の実施形態にかかる暖房システム1aについて説明する。なお、以下の実施形態において、図1に示す暖房システム1と同様の機能を奏する構成については、図1と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。暖房システム1aは、暖房システム1と略同様の構成であるが、受熱部19が蓄熱部27を有する点で異なる。
蓄熱部27は、モータ9からの熱を受熱して蓄熱し、ヒートパイプ7に熱を伝達するものである。蓄熱部27としては、一時的に熱を蓄えることができればよく、例えば、パラフィンや関東商事社製の「パッサーモ」(商品名)等を使用することができる。上記のような蓄熱部27を用いることで、受熱部19の熱変動を均一化(ダンパー効果)することができる。
また、蓄熱部27に、潜熱蓄熱材を用いることもできる。潜熱蓄熱材は、蓄熱材(酢酸ナトリウム3水塩や硫酸ナトリウム10水塩)などを用い、物質の相変化に伴う潜熱を蓄熱することができる。特に、過冷却型蓄熱材は、凝固点温度以下になっても相変化(結晶化)が起きない状態を保ち、液体にある衝撃や振動や摩擦といったエネルギーを加えることで結晶の種を生成し、今まで不規則に浮遊していた分子やイオンが突如、種結晶に向かって結合(凝固)を始めて、一気に凝固熱を周囲に放出するものである。潜熱蓄熱材を用いれば、乗車開始時に、蓄熱された熱を一気に利用して、瞬時に暖房を利用可能とすることもできる。
なお、冷却経路3は、蓄熱部27を冷却してもよく、受熱部19を冷却してもよい。
以上のように、暖房システム1aによれば、受熱部19が蓄熱部27を有するため、受熱部19の温度変動を抑制し、また、必要に応じて熱を有効に利用可能となる。なお、制御部25の制御方法は、暖房システム1と同様である。
次に、第3の実施形態にかかる暖房システム1bについて説明する。暖房システム1bは、暖房システム1aと略同様の構成であるが、冷却経路3に分岐経路29が形成される点で異なる。分岐経路29は、冷却経路3に弁31を介して接続される経路であり、モータ9を冷却可能である。
弁31は、制御部25によって制御される。すなわち、制御部25は、温度検知部23からの情報に基づいて、ポンプ11および弁31を制御する。
図5は、暖房システム1bの制御フローを示すフローチャートである。制御部25は、まず受熱部19の温度を温度検知部23で検知し(ステップ201)、受熱部19の温度が所定値以上であるかを判定する(ステップ202)。受熱部19の温度が所定温度以上であれば、制御部25は、弁31を制御して、分岐経路29へ熱媒体を流す(ステップ203)。すなわち、熱源の発熱量が所定以上となると、受熱部19が過熱され、ヒートパイプ7の破損等の恐れがあるため、熱源自体を冷却し、受熱部19の受熱量を低減する。
受熱部19の温度が所定温度以下であれば、制御部25は、弁31を制御して、分岐経路29への熱媒体の流れを止める(ステップ204)。また、得られた温度から所定時間毎の温度変化を算出する(ステップ205)。
次に、制御部25は、受熱部19の温度が、所定時間内に所定値以上増加しているかを判定する(ステップ206)。受熱部19が、急激に温度上昇している場合には、制御部25は、ポンプ11を制御して、冷却経路3内の熱媒体の流量を増加させる(ステップ207)。すなわち、受熱部19の急激な温度上昇を抑制する。なお、制御部25は、ポンプ11のみではなく、冷却部12のファン回転数を増加するように制御してもよい。
受熱部19の温度上昇が所定値以下である場合には、制御部25は、受熱部19の温度が、所定時間内に所定値以上低下しているかを判定する(ステップ208)。受熱部19が、急激に温度低下している場合には、ポンプ11を制御して、冷却経路3内の熱媒体の流量を減少させる(ステップ209)。すなわち、受熱部19の急激な温度低下を抑制する。なお、制御部25は、ポンプ11のみではなく、冷却部12のファン回転数を低下するように制御してもよい。
以上により、受熱部19の過熱を防止するとともに、受熱部19の急激な温度変動を抑制し、受熱部19の温度変化を所定範囲内に保持することができる。
以上のように、暖房システム1bによれば、熱源の発熱量が大きい場合に、受熱部19の温度を検知し、必要に応じて熱源であるモータ9に冷媒を流して冷却する。このため、受熱部19が過熱することがない。
次に、さらに他の実施形態について説明する。前述した各実施形態では、急激な温度変化を抑制するための制御について説明した。一方、実際には、より効率的に熱源からの廃熱を利用するために、回収可能な最大限の熱を回収して利用することが望ましい。熱を効率良く利用するためには、各部での熱伝導、熱伝達でのロスや、空気中や他の部材への熱の放出を抑制するとともに、熱輸送手段での熱の輸送量を最大限確保する必要がある。
一方、熱輸送手段としてヒートパイプを用いる場合には、その輸送可能な熱量には制限がある。このため、これを超える入熱があると、過剰な熱は有効に輸送されないだけでなく、場合によっては、ヒートパイプのドライアウトや、内圧増加に伴う破損の恐れがある。したがって、このようなヒートパイプに対して、できるだけ多くの熱を伝達して、対象部へ熱を輸送させるとともに、過剰に熱が入力されないように制御する必要がある。
図6は、このような制御を示すフローチャートである。なお、本フローチャートは、図1に示す暖房システム1を例に説明するが、他のシステムにも当然に適用可能である。まず、制御部25は、受熱部19の温度を温度検知部23で検知する(ステップ301)。
次に、制御部25は、受熱部19の温度変化を求め、温度変化から、単位時間当たりの入熱量を算出する(ステップ302)。単位時間当たりの入熱量が、所定値以上である場合には(ステップ303)、制御部25は、ポンプ11を制御して、冷却経路3内の熱媒体の流量を増加させる(ステップ304)。すなわち、受熱部19からヒートパイプ7への過剰な入熱を抑制する。なお、制御部25は、ポンプ11のみではなく、冷却部12のファン回転数を増加するように制御してもよい。
次に、制御部25は、単位時間当たりの入熱量が、所定値以下であるかを判定する(ステップ305)。単位時間当たりの入熱量が、所定値以下である場合には、制御部25は、ポンプ11を制御して、冷却経路3内の熱媒体の流量を減少させる(ステップ306)。すなわち、受熱部19からのヒートパイプ7への入熱量を増加させる。なお、制御部25は、ポンプ11のみではなく、冷却部12のファン回転数を低下するように制御してもよい。また、入熱量が所定値以下となった場合には、冷却水を止めるようにしてもよい。
なお、本実施形態では、その時点ごとに入熱量が所定範囲であるかを判断したが、例えばPID制御などと組み合わせて、その時点での入熱量のみではなく、入熱量の変化等も考慮して、入熱量が所定範囲で一定となるように制御してもよい。以上により、ヒートパイプ7への入熱量を略一定に制御することができる。
なお、制御すべき入熱量としては、例えばヒートパイプ7の最大入熱量またはこれより多少低い入熱量となるように制御すればよい。すなわち、ヒートパイプ7へ過剰な入熱がないようにしつつ、できるだけ多くの熱をヒートパイプ7に伝えることができればよい。また、例えば夏の冷房時には、熱がヒートパイプ7に伝わらないように冷却水の流量を制御すればよい。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
なお、前述の各実施形態では、本発明の熱回収装置を自動車の暖房システムに適用する例を示したが、本発明は、熱源を冷却する経路と、熱を利用する経路とが存在すれば、他のシステムにも適用可能である。
1、1a、1b………暖房システム
3………冷却経路
5………暖房側加熱経路
6………エア経路
7………ヒートパイプ
9………モータ
11………ポンプ
12………冷却部
13………ヒータ
15………ポンプ
17………暖房側放熱部
19………受熱部
21………放熱部
23………温度検知部
25………制御部
27………蓄熱部
29………分岐経路
31………弁
3………冷却経路
5………暖房側加熱経路
6………エア経路
7………ヒートパイプ
9………モータ
11………ポンプ
12………冷却部
13………ヒータ
15………ポンプ
17………暖房側放熱部
19………受熱部
21………放熱部
23………温度検知部
25………制御部
27………蓄熱部
29………分岐経路
31………弁
Claims (6)
- 自動車用の熱源からの熱回収装置であって、
自動車の駆動源である熱源と、
前記熱源と接触し、前記熱源から熱を受ける受熱部と、
前記受熱部からの熱を放熱部に熱輸送する熱輸送手段と、
前記熱輸送手段で輸送された熱を放熱する放熱部と、
前記放熱部から放熱された熱を利用可能な熱利用経路と、
を具備し、
前記受熱部には、前記受熱部の温度を検知する温度検知部と、前記受熱部を冷却可能な冷却経路とが設けられ、
制御部によって、前記温度検知部で検知した温度に応じて、前記冷却経路を流れる冷媒の流量を制御することを可能であることを特徴とする自動車用の熱回収装置。 - 前記受熱部には、蓄熱部材が設けられ、前記蓄熱部材が前記熱源と接触することを特徴とする請求項1記載の自動車用の熱回収装置。
- 前記冷却経路には、前記熱源を冷却可能な分岐経路を有し、
前記制御部は、前記受熱部の温度が所定以上となると、前記冷媒を前記分岐経路に流して、前記熱源を冷却することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自動車用の熱回収装置。 - 前記熱輸送手段は、ヒートパイプであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の自動車用の熱回収装置。
- 請求項1から請求項4のいずれかに記載の自動車用の熱回収装置を用い、
前記熱利用経路は、
自動車室内の暖房用のエア経路と、
前記エア経路内のエアと熱交換することが可能な暖房側加熱経路と、を有し、
前記放熱部からの熱が、前記暖房側加熱経路を流れる熱媒体と熱交換し、
前記エア経路内のエアを加熱することが可能であることを特徴とする自動車用の暖房システム。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の自動車用の熱回収装置を用い、
前記熱利用経路は、
自動車室内の暖房用のエア経路と、
前記エア経路内のエアと熱交換することが可能な暖房側加熱経路と、を有し、
前記放熱部からの熱が、前記暖房側加熱経路を流れる熱媒体と熱交換し、
前記エア経路内のエアを加熱して車内の暖房に利用可能であることを特徴とする自動車。
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