JP2015221984A - 床材 - Google Patents

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Kenichi Yoshida
健一 吉田
善仁 本間
Yoshihito Honma
善仁 本間
衛 堀内
Mamoru Horiuchi
衛 堀内
宏幸 湯本
Hiroyuki Yumoto
宏幸 湯本
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Abstract

【課題】敷設前の床下地に付着している移行性汚染物質の、敷設後の移行を抑制し、移行性汚染物質による敷設後の汚染を防止可能な床材を提供すること。
【解決手段】表面層を構成する透明樹脂層10と、透明樹脂層10の下層に位置し、可撓性を含む塩化ビニル樹脂により形成される発泡樹脂層30と、を備え、床下地100の上に敷設される床材であって、オレフィン系樹脂により形成され、床下地100に付着した移行性汚染物質110の発泡樹脂層30への移行を抑制し、発泡樹脂層30の透明樹脂層10側が移行性汚染物質110に汚染されることを防止する移行抑制樹脂層50を、発泡樹脂層30の下層に設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、建築物等の床仕上げに使用されるビニル系の床材に関する。
ビニル系の床材は、耐摩耗性、耐薬品性、メンテナンス性及び施工性等に優れ、安価であることから、医療施設や公共施設、工場やオフィス等の建築物における内装材として、広く一般に使用されている。
また、ビニル系の床材には、保温性及び防音性の向上や、人が転倒した際の怪我防止等の観点から、表層と裏打ち材(基材層)との間に中間樹脂層が設けられたものがあり、中間樹脂層には、軽量かつ柔軟で、接着性に優れることから、可塑剤を含んだ塩化ビニル樹脂が広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。
特開平08−28014号公報
しかしながら、塩化ビニル樹脂を使用した床材は、他の施工時に使用した朱墨の染料や着色用のスプレー、マジックインキ等の移行性を有する汚染物質が、床材を敷設する前の床下地に付着していると、床材を敷設した後に汚染物質が中間樹脂層に移行し、表面が汚染されるおそれがあった。特に、汚染物質による汚染は、床材を接着した後に発見される場合が多く、接着後の床材の貼り直しは、再施工が困難であるため、施工者にとって大変煩雑な作業であった。またこれは、工期を遅らせる原因となり得るものであり、問題であった。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであって、床下地に付着している移行性汚染物質が中間樹脂層に移行することを抑制し、移行性汚染物質による汚染を防止可能な床材を提供することを目的とする。
本発明は、表面層を構成する表面樹脂層と、前記表面樹脂層の下層に位置し、可塑剤を含む塩化ビニル樹脂により形成される中間樹脂層と、を備え、床下地の上に敷設される床材であって、オレフィン系樹脂により形成され、前記床下地に付着した移行性汚染物質の前記中間樹脂層への移行を抑制し、前記中間樹脂層の少なくとも前記表面樹脂層側が前記移行性汚染物質に汚染されることを防止する移行抑制樹脂層を、前記中間樹脂層の下層に設けたことを特徴とする。
本発明によれば、中間樹脂層の下層に移行抑制樹脂層を設けることで、床下地に付着している移行性汚染物質が中間樹脂層に移行することを抑制し、移行性汚染物質による汚染を防止することができる。
本発明の第1実施形態に係る床材の一部を模式的に示す断面図である。 第1実施形態に係る床材への移行性汚染物質の移行状態を模式的に示す断面図である。 本発明の第3実施形態に係る床材の一部を模式的に示す断面図である。 第3実施形態に係る床材への移行性汚染物質の移行状態を模式的に示す断面図である。 本発明の第4実施形態に係る床材の一部を模式的に示す断面図である。 第4実施形態に係る床材への移行性汚染物質の移行状態を模式的に示す断面図である。 床材の汚染試験の試験態様を模式的に示す図である。 床材の汚染試験の結果を示す図である。
本発明の実施形態に係る床材1〜1Dについて、図1から図6を参照しながら説明する。本実施形態に係る床材1〜1Dは、ビニル系床材(JIS A 5705)であり、発泡樹脂層を有し、かつ密度が650kg/m以上(例えば、700〜900kg/m)の発泡複層ビニル系床シートに属する。以下、各実施形態に係る床材1〜1Dについて具体的に説明する。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る床材1について、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る床材1の一部を模式的に示す断面図である。図2は、第1実施形態に係る床材1への移行性汚染物質110の移行状態を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、床材1は、複数の材料を積層して構成されており、床下地100の上に敷設する仕上げ材として使用される。具体的には、床材1は、表面層を構成する透明樹脂層(表面樹脂層)10と、透明樹脂層10の下層に位置する印刷層20と、印刷層20の下層に位置する発泡樹脂層(中間樹脂層)30と、発泡樹脂層30の下層に位置する第1基材層40と、第1基材層40の下層に位置する移行抑制樹脂層50と、移行抑制樹脂層50の下層に位置し、裏面層を構成する第2基材層60と、を備えている。
透明樹脂層10は、床材1の最上層(表面層)を構成しており、歩行者に直接踏まれる場所であることから、耐摩耗性が高くなるように、重合度が1000〜3000の塩化ビニル樹脂により形成されている。本実施形態においては、透明樹脂層10には、ポリ塩化ビニルプラスチゾルに、安定剤を添加した塩化ビニル樹脂が使用されている。透明用安定剤としては、一般的に使用されるカルシウム系、亜鉛系、バリウム系等の複合安定剤が用いられ、透明用安定剤の添加量としては、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、0.5〜5.0重量部が好ましい。
また、透明樹脂層10には、床材として必要な機能を補強するために、必要に応じて、各種添加剤、補強材、充填剤等が添加される。例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、潤滑剤、無機充填剤などが添加される。なお、透明樹脂層10の厚さについては特に制限はないが、本実施形態においては、280〜320μmに形成されている。
印刷層20は、床材1に意匠性を与えるものであり、発泡樹脂層30の地色を隠蔽するベタ状のものや絵柄等の模様が印刷される。印刷される模様としては、例えば、木目模様、大理石模様等の岩石の表面を模した石目模様、布目や布状の模様を模した布地模様、タイル貼模様、煉瓦積模様等があり、これらを複合した寄木、パッチワーク等の模様もある。これらの模様は、一般に、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックのプロセスカラーによるグラビア印刷によって形成される。
発泡樹脂層30は、重合度が800〜3000の塩化ビニル樹脂を発泡させて形成されており、発泡することで空隙が形成され、歩行者による歩行時の衝撃を吸収する。本実施形態においては、発泡樹脂層30には、ポリ塩化ビニルプラスチゾルに、安定剤及び発泡剤を適宜添加した塩化ビニル樹脂が使用されている。発泡剤としては、一般的に使用されるアゾジカルボンアミド、オキシビスベンゼンスルフォニルヒドラジド、ベンゼンスルフォニルヒドラジド、p−トルエンスルフォニルヒドラジド等の熱分解型有機系発泡剤が用いられ、発泡剤の添加量は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、0.5〜5.0重量部が好ましい。また、発泡用の安定剤としては、一般的に使用されるカルシウム系、亜鉛系のものが用いられ、発泡用安定剤の添加量は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、0.5〜5.0重量部が好ましい。
さらに、発泡樹脂層30には、印刷層20との密着性を向上させるために、酸化法や凹凸化法などの物理的又は化学的表面処理を施してもよい。酸化法としては、コロナ放電処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理などが例示できる。また、凹凸化法としては、サンドブラスト法、溶剤処理法などが例示できる。これら表面処理は、基材となる樹脂の種類に応じて適宜選択されるが、操作性及び効果的などの点から、コロナ放電処理法が好ましく用いられる。発泡樹脂層の厚さについては特に制限はないが、本実施形態においては、1.00〜1.10mmに形成されている。
第1基材層40は、発泡樹脂層30と移行抑制樹脂層50との間に配設されることで、発泡樹脂層30及び移行抑制樹脂層50の寸法を安定させたり、発泡樹脂層30と移行抑制樹脂層50との接着性を向上させたりする。本実施形態においては、第1基材層40として、ガラス繊維とパルプ紙とを混抄させ、表面を平滑させたガラス混抄紙が用いられている。なお、第1基材層40に用いられる基材としては、ガラス繊維不織布、ロックウール紙、パルプ紙、合成繊維等の織布、不織布等であってもよい。第1基材層40の厚さについては特に制限はないが、本実施形態においては、240〜280μmに形成されている。
移行抑制樹脂層50は、床材1を敷設する前の床下地100に付着した移行性を有する汚染物質(以下、単に「移行性汚染物質」という)の発泡樹脂層30への移行を抑制する。なお、ここでいう移行性汚染物質とは、例えば、床下地100に付着した朱墨の染料や着色用のスプレー、水性及び油性のオイルステイン、水性及び油性のマジックインキ、防腐剤及び防錆剤等であり、床下地や壁等の施工時に使用される際に付着したものである。
移行抑制樹脂層50は、オレフィン系の樹脂により構成され、本実施形態においては、疎水性を有し、かつ親油性を有さないポリエチレン樹脂(PE)をフィルム状に形成したポリエチレンフィルム(フィルム層)により構成されている。ポリエチレンフィルムは、可撓性も有しており、公知の接着剤により第1基材層40に接着されている。移行抑制樹脂層50の厚さについては特に制限はないが、本実施形態においては、20〜30μmに形成されている。
第2基材層60は、移行抑制樹脂層50の寸法を安定させたり、床材1の施工特性(例えば、接着性等)を向上させたりする裏打ち材として機能しており、本実施形態においては、ポリエステル不織布が用いられている。なお、第2基材層60に用いられる基材としては、ガラス繊維不織布、ロックウール紙、パルプ紙、合成繊維等の織布、不織布等であってもよい。第2基材層60の厚さについては特に制限はないが、本実施形態においては、230〜270μmに形成されている。
以上のような構成を有する第1実施形態に係る床材1によれば、以下のような効果を奏する。例えば、床材1は、図2(a)に示すように、発泡樹脂層30の下層に、ポリエチレンフィルムにより構成された移行抑制樹脂層50を備えている。そのため、図2(b)に示すように、床下地100に朱墨やスプレー等の移行性汚染物質110が付着していた場合に、図2(c)に示すように、床材敷設後に移行性汚染物質110が第2基材層60に移行しても、そこからさらに発泡樹脂層30に移行することを防止することができる。これにより、移行性汚染物質110が発泡樹脂層30の透明樹脂層10側(床材1の表面側)に移行し、床材1の表面に移行性汚染物質110が滲んだり、映し出されたりすることを防止することができる。つまり、床材1の表面の汚染を防止することができる。
特に、発泡樹脂層30を塩化ビニル樹脂により構成した場合は、発泡樹脂層30が移行性汚染物質110を床材1の表面側に移行させ易くなるが、ポリエチレンフィルムにより構成された移行抑制樹脂層50を発泡樹脂層30の下層に配置することで、床材1の表面の汚染を防止することができる。
また、第1実施形態に係る床材1は、移行抑制樹脂層50をポリエチレン樹脂により形成されたフィルムにより構成している。また、ポリエチレンは、疎水性を有し、かつ親油性を有さない特性を持っている。そのため、移行性汚染物質110の発泡樹脂層30への移行を確実にブロックすることができる。
なお、ポリエチレンフィルムは、可撓性を有しているため、移行抑制樹脂層にポリエチレンフィルムを用いても、剛性等に係る床材1の施工特性が低下することはない。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る床材1Aについて、図1及び図2を援用しながら説明する。第2実施形態に係る床材1Aは、移行抑制樹脂層を構成する樹脂が第1実施形態と相違する。そのため、ここでは移行抑制樹脂層を構成する樹脂を中心に説明し、第1実施形態と同様の構成のものについては、同じ符号を付して、その説明を省略する。
図1に示すように、床材1Aは、透明樹脂層10と、印刷層20と、発泡樹脂層30と、第1基材層40と、第1基材層40の下層に位置する移行抑制樹脂層50Aと、移行抑制樹脂層50Aの下層に位置し、裏面層を構成する第2基材層60と、を備えている。
移行抑制樹脂層50Aは、オレフィン系の樹脂により構成され、本実施形態においては、ポリプロピレン樹脂(PP)をフィルム状に形成したポリプロピレンフィルム(フィルム層)により構成されている。ポリプロピレンフィルムは、可撓性も有しており、公知の接着剤により第1基材層40に接着されている。移行抑制樹脂層50Aの厚さについては特に制限はないが、本実施形態においては、20〜30μmに形成されている。
以上のような構成を有する第2実施形態に係る床材1Aによれば、以下のような効果を奏する。例えば、床材1Aは、図2(a)に示すように、発泡樹脂層30の下層に、ポリプロピレンフィルムにより構成された移行抑制樹脂層50Aを備えている。そのため、図2(b)に示すように、床下地100に朱墨やスプレー等の移行性汚染物質110が付着していた場合に、図2(c)に示すように、床材敷設後に移行性汚染物質110が第2基材層60に移行しても、そこからさらに発泡樹脂層30に移行することを防止することができる。これにより、移行性汚染物質110が発泡樹脂層30の透明樹脂層10側に移行し、床材1Aの表面に移行性汚染物質110が滲んだり、映し出されたりすることを防止することができる。つまり、床材1Aの表面の汚染を防止することができる。
特に、発泡樹脂層30を塩化ビニル樹脂により構成した場合は、発泡樹脂層30が移行性汚染物質110を床材1Aの表面側に移行させ易くなるが、ポリプロピレンフィルムにより構成された移行抑制樹脂層50Aを発泡樹脂層30の下層に配置することで、床材1Aの表面の汚染を防止することができる。
また、第1実施形態に係る床材1Aは、移行抑制樹脂層50Aをポリプロピレン樹脂により形成されたフィルムにより構成している。また、ポリプロピレンは、疎水性を有している。そのため、移行性汚染物質の発泡樹脂層30への移行を好適にブロックすることができる。
なお、ポリプロピレンフィルムは、可撓性を有しているため、移行抑制樹脂層にポリプロピレンフィルムを用いても、剛性等に係る床材1の施工特性が低下することはない。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る床材1Bについて、図3及び図4を参照しながら説明する。第3実施形態に係る床材1Bは、移行抑制樹脂層の構成が第1実施形態と相違する。そのため、ここでは移行抑制樹脂層の構成を中心に説明し、第1実施形態と同様の構成のものについては、同じ符号を付して、その説明を省略する。図3は、本発明の第3実施形態に係る床材1Bの一部を模式的に示す断面図である。図4は、第3実施形態に係る床材1Bへの移行性汚染物質110の移行状態を模式的に示す断面図である。
図3に示すように、床材1Bは、透明樹脂層10と、印刷層20と、発泡樹脂層30と、第1基材層40と、第1基材層40の下層に位置する移行抑制樹脂層50Bと、移行抑制樹脂層50Bの下層に位置し、裏面層を構成する第2基材層60と、を備えている。
移行抑制樹脂層50Bは、オレフィン系樹脂により形成され、本実施形態においては、ポリエチレン樹脂(PE)により形成されている。また、移行抑制樹脂層50Bの表面側には、第1基材層40を構成するガラス繊維の一部が含浸しており、裏面側には、第2基材層60を構成するポリエステル不織布の一部が含浸している。これは、移行抑制樹脂層50Bの形成時にポリエチレン樹脂を軟化させて塗布した際に、ガラス繊維の一部が含浸し、更にポリエステル不織布を積層した際にポリエステル不織布の一部が含浸するためである。このように、ポリエチレン樹脂は、第1基材層40と移行抑制樹脂層50Bとの接着、及び第2基材層60と移行抑制樹脂層50Bとの接着における接着剤としての役目も果たしている。
移行抑制樹脂層50Bの厚さについては特に制限はないが、本実施形態においては、40〜50μmの厚さに形成されている。これは、移行抑制樹脂層50Bを形成した際に、厚さの異なる部分が形成されても、移行性汚染物質の移行を好適にブロック可能な厚さである。
以上のような構成を有する第3実施形態に係る床材1Bによれば、以下のような効果を奏する。例えば、床材1Bは、図4(a)に示すように、発泡樹脂層30の下層に、ポリエチレン樹脂により形成され、厚さが40〜50μmの移行抑制樹脂層50Bを備えている。そのため、図4(b)に示すように、床下地100に朱墨やスプレー等の移行性汚染物質110が付着していた場合に、図4(c)に示すように、床材敷設後に移行性汚染物質110が第2基材層60に移行しても、そこからさらに発泡樹脂層30に移行することを防止することができる。これにより、移行性汚染物質110が発泡樹脂層30の透明樹脂層10側に移行し、床材1Bの表面に移行性汚染物質110が滲んだり、映し出されたりすることを防止することができる。つまり、床材1Aの表面の汚染を防止することができる。
また、第3実施形態に係る床材1Bは、移行抑制樹脂層50がポリエチレン樹脂により形成されている。そのため、ポリエチレン樹脂を軟化させて、第1基材層40を構成するガラス繊維や第2基材層60を構成するポリエステル不織布を含浸させることができる。これにより、移行抑制樹脂層50を接着させる接着材が不要になる。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態に係る床材1Cについて、図5及び図6を参照しながら説明する。第4実施形態に係る床材1Cは、移行抑制樹脂層の厚さが第3実施形態と相違する。そのため、ここでは移行抑制樹脂層の厚さを中心に説明し、第3実施形態と同様の構成のものについては、同じ符号を付して、その説明を省略する。図5は、本発明の第4実施形態に係る床材1Cの一部を模式的に示す断面図である。図6は、第4実施形態に係る床材1Cへの移行性汚染物質110の移行状態を模式的に示す断面図である。
図5に示すように、床材1Cは、透明樹脂層10と、印刷層20と、発泡樹脂層30と、第1基材層40と、第1基材層40の下層に位置する移行抑制樹脂層50Cと、移行抑制樹脂層50Cの下層に位置し、裏面層を構成する第2基材層60と、を備えている。
移行抑制樹脂層50Cは、厚さが20〜30μmに形成されている。これは、移行抑制樹脂層50Cを形成した際に僅かな隙間が形成されても、移行性汚染物質110の移行をある程度ブロック可能な厚さである。
以上のような構成を有する第4実施形態に係る床材1Cによれば、以下のような効果を奏する。例えば、床材1Cは、図6(a)に示すように、発泡樹脂層30の下層に、ポリエチレン樹脂により形成され、厚さが20〜30μmの移行抑制樹脂層50Cを備えている。そのため、図6(b)に示すように、床下地100に朱墨やスプレー等の移行性汚染物質110が付着していた場合に、図6(c)に示すように、床材敷設後に移行性汚染物質110が第2基材層60に移行しても、そこからさらに発泡樹脂層30に移行することを抑制することができる。これにより、移行性汚染物質110が発泡樹脂層30に移行することを低減させることができる。その結果、床材1Cの表面近くに移行性汚染物質が移行することが低減され、床材1Cの表面に移行性汚染物質110が滲んだり、映し出されたりすることを防止することができる。つまり、床材1Cの表面の汚染を防止することができる。
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態に係る床材1Dについて、図5及び図6を援用しながら説明する。第5実施形態に係る床材1Dは、第1基材層の表面が未平滑である点が第4実施形態と相違する。そのため、ここでは第1基材層を中心に説明し、第4実施形態と同様の構成のものについては、同じ符号を付して、その説明を省略する。
図5に示すように、床材1Dは、透明樹脂層10と、印刷層20と、発泡樹脂層30と、発泡樹脂層30の下層に位置する第1基材層40Dと、第1基材層40Dの下層に位置する移行抑制樹脂層50Cと、第2基材層60と、を備えて構成されている。
第1基材層40Dは、発泡樹脂層30と移行抑制樹脂層50との間に配設されることで、発泡樹脂層30及び移行抑制樹脂層50の寸法を安定させたり、発泡樹脂層30と移行抑制樹脂層50との接着性を向上させたりする。本実施形態においては、第1基材層40として、ガラス繊維とパルプ紙とを混抄させ、表面が平滑されていないガラス混抄紙(表面未平滑のガラス混抄紙)が用いられている。なお、第1基材層40に用いられる基材としては、ガラス繊維不織布、ロックウール紙、パルプ紙、合成繊維等の織布、不織布等であってもよい。第1基材層40の厚さについては特に制限はないが、本実施形態においては、240〜280μmに形成されている。
以上のような構成を有する第5実施形態に係る床材1Dによれば、以下のような効果を奏する。例えば、床材1Dは、第1基材層40Dの表面が未平滑面となっており、発泡樹脂層30に移行性汚染物質が移行し易くなっている。しかし、図6(a)に示すように、第1基材層40Dの下層に移行抑制樹脂層50Cを配置することで、図6(b)及び(c)に示すように、移行性汚染物質110が発泡樹脂層30に移行することを抑制することができる。そのため、移行性汚染物質110が発泡樹脂層30に移行することを低減させることができる。その結果、床材1Dの表面近くに移行性汚染物質が移行することが低減され、床材1Dの表面に移行性汚染物質110が滲んだり、映し出されたりすることを防止することができる。つまり、床材1Dの表面の汚染を防止することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されない。
例えば、本実施形態においては、医療施設、公共施設、工場及びオフィス等の建築物に用いられる床材として説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明に係る床材は、例えば、鉄道車両の床材や航空機の床材等にも用いることもできる。
また、例えば、本実施形態においては、中間樹脂層として、塩化ビニルを発泡させた発泡樹脂層を用いて説明したが、本発明は、これに限定されない。中間樹脂層は、例えば、可塑剤を含む塩化ビニル樹脂であってもよい。つまり、中間樹脂層に発泡させていない塩化ビニル樹脂を用いてもよい。
また、本実施形態においては、発泡樹脂層と移行抑制樹脂層との間に第1基材層を介在させた床材を用いて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1基材層を用いることなく、発泡樹脂層と移行抑制基材層とを接着材等で接着させた構成であってもよい。
また、本実施形態においては、最下層に第2基材層を有する床材を用いて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、第2基材層を用いない構成であってもよく、第2基材層の代わりに塩化ビニル樹脂により形成される塩ビ層等を配置する構成であってもよい。
次に、本発明の実施形態に係る床材に移行性汚染物質を滴下させた際の、床材の汚染性(汚染試験)に係る実施例について、図7及び図8を参照しながら説明する。図7は、床材の汚染試験の試験態様を模式的に示す図である。図8は、床材の汚染試験の結果を示す図である。
<実施例1>
第1実施形態に係る床材1と同様の構成の床材を準備し、これを試験体2とした。移行性汚染物質として、柿しぶ、水性オイルステイン、油性オイルステイン、建築用朱墨、墨汁、蛍光塗料、ヘアカラー、水性マジックを準備した。準備した移行性物質を試験体2の第2基材層側に滴下し、移行性汚染物質を滴下した試験体2の透明樹脂層側に、300μmの塩化ビニルシート120を配置した。これをガラス板130a,130bで挟持した。
温度80℃、湿度50%に設定した恒温恒湿器(エスペック株式会社製 型番:PR型)にガラス板130a,130bで挟持した試験体2を入れ、錘140で180g/cmの荷重をかけた状態(図7参照)で、240時間(10日間)放置した。
<実施例2>
第2実施形態に係る床材1Aと同様の構成の床材を準備し、試験体2Aとした。試験体2Aに対して、実施例1と同様の条件で、同様の汚染試験を行った。
<実施例3>
第3実施形態に係る床材1Bと同様の構成の床材を準備し、試験体2Bとした。試験体2Bに対して、実施例1と同様の条件で、同様の汚染試験を行った。
<実施例4>
第4実施形態に係る床材1Cと同様の構成の床材を準備し、試験体2Cとした。試験体2Cに対して、実施例1と同様の条件で、同様の汚染試験を行った。
<実施例5>
第5実施形態に係る床材1Dと同様の構成の床材を準備し、試験体2Dとした。試験体2Dに対して、実施例1と同様の条件で、同様の汚染試験を行った。
<比較例1>
透明樹脂層、印刷層、発泡樹脂層及び第1基材層を上から順に積層した床材を準備し、試験体2Eとした。透明樹脂層、印刷層、発泡樹脂層及び第1基材層は、上述した第1実施形態と同様の構成のものを用いた。透明樹脂層の厚さは150〜180μmであり、発泡樹脂層の厚さは1.30〜1.50mmであった。第1基材層の厚さは240〜280μmであった。試験体2Eに対して、実施例1と同様の条件で、同様の汚染試験を行った。
<比較例2>
透明樹脂層、印刷層、発泡樹脂層及び第1基材層を上から順に積層した床材を準備し、試験体2Fとした。透明樹脂層、印刷層、発泡樹脂層及び第1基材層は、上述した第5実施形態と同様の構成のものを用いた。透明樹脂層の厚さは150〜180μmであり、発泡樹脂層の厚さは1.30〜1.50mmであった。第1基材層の厚さは240〜280μmであった。試験体2Fに対して、実施例1と同様の条件で、同様の汚染試験を行った。
<評 価>
汚染試験後の試験体2〜2Fを積層方向に切断し、移行性汚染物質による試験体2〜2Fへの汚染状態を目視により確認した。確認した結果を図8に示す。なお、図8において、移行性汚染物質が発泡樹脂層に移行していない状態を「汚染無し」として「○」で示す。また、移行性汚染物質が発泡樹脂層の下部に僅かに移行している状態も「汚染無し」として「△」で示す。更に、移行性汚染物質が透明樹脂層まで移行している状態を「汚染有り」として「×」で示す。
図8に示すように、実施例1〜3は、発泡樹脂層への移行性汚染物質の移行が防止され、試験体2〜2Bの表面の汚染が認められないことが分かる。また、実施例4及び5は、移行性汚染物質のほとんどが移行抑制樹脂層で堰き止められ(移行が抑制)、発泡樹脂層の上部(表層側)まで移行していないため、試験体2C,2Dの表面の汚染が認められないことが分かる。一方、比較例1及び2は、蛍光塗料及び水性マジックにおいて、透明樹脂層まで移行性汚染物質が移行し、試験体2E,2Fの表面が汚染されていることが分かる。
このように、比較例1及び比較例2に係る移行抑制樹脂層を有さない試験体と同様の床材を用いた場合、蛍光塗料や水性マジックが敷設前の床下地に付着していると、敷設後に蛍光塗料や水性マジックが床材の表面に移行するおそれがあることが分かる。一方、移行抑制樹脂層を有する実施例1〜5に係る移行抑制樹脂層を有する試験体と同様の床材を用いた場合、敷設前の床下地に移行性汚染物質が付着していた場合においても、移行性汚染物質が床材の表面に移行することを防止することができることが分かる。
1、1A、1B、1C、1D 床材
10 透明樹脂層(表面樹脂層)
20 印刷層
30 発泡樹脂層
40 第1基材層
50、50A、50B、50C、50D 移行抑制樹脂層
60 第2基材層(裏面基材層)
100 床下地
110 移行性汚染物質

Claims (7)

  1. 表面層を構成する表面樹脂層と、前記表面樹脂層の下層に位置し、可塑剤を含む塩化ビニル樹脂により形成される中間樹脂層と、を備え、床下地の上に敷設される床材であって、
    オレフィン系樹脂により形成され、前記床下地に付着した移行性汚染物質の前記中間樹脂層への移行を抑制し、前記中間樹脂層の少なくとも前記表面樹脂層側が前記移行性汚染物質に汚染されることを防止する移行抑制樹脂層を、前記中間樹脂層の下層に設けた、
    ことを特徴とする床材。
  2. 前記中間樹脂層は、塩化ビニル樹脂を発泡させて形成される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の床材。
  3. 前記移行抑制樹脂層は、疎水性を有し、かつ親油性を有さない樹脂により形成される、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の床材。
  4. 前記移行抑制樹脂層は、ポリエチレン樹脂により構成される、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の床材。
  5. 前記中間樹脂層と前記移行抑制樹脂層との間に、ガラス繊維を有する基材層を有し、
    前記ガラス繊維の少なくとも一部が、前記移行抑制樹脂層に含浸している、
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の床材。
  6. 前記移行抑制樹脂層は、オレフィン系樹脂をフィルム状に形成したフィルム層により構成される、
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の床材。
  7. 前記表面樹脂層と前記中間樹脂層との間に印刷層が設けられる、
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の床材。

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