JP2015221870A - プリント配線板材料用樹脂組成物、それを用いたプリプレグ、樹脂シート、金属箔張積層板及びプリント配線板 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)プリプレグ製造性に優れる。
(2)絶縁層とその表面にめっき形成される導体層との密着性に優れる。
(3)ガラス転移温度が高い。
(4)吸湿時の耐熱性に優れる。
本発明に使用されるシラン化合物(A)は、置換シリルチオ基及び/又はスルフィド結合を有するシラン化合物であり、式(1)又は式(2)で表される化合物が好ましい。
該置換シリルチオ基含有シラン化合物は、市販のものを使用してもよく、例えば、信越化学工業(株)製のX−12−1056ES等を好適に使用することができる。スルフィド結合含有シラン化合物は、市販のものを使用してもよく、例えば、東レ・ダウコーニング(株)製のZ−6920、Z−6940等、信越化学工業(株)製のKBE−846等を好適に使用することができる。
本発明の樹脂組成物において、シアン酸エステル化合物(B)は、シアナト基(シアン酸エステル基)を有する化合物であり、具体的には、ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物(シアナト基含有ナフトールアラルキル樹脂)、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド型シアン酸エステル化合物(シアナト基含有芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂)、ビフェニルアラルキル型シアン酸エステル化合物(シアナト基含有ビフェニルアラルキル樹脂)、及びノボラック型シアン酸エステル化合物(シアナト基含有ノボラック樹脂)からなる群から選択される。
なお、上記例示に記すように、本明細書では、ある樹脂又は化合物をシアナト化(シアン酸エステル化)して得られる構造を有するシアン酸エステル化合物(B)を、その樹脂又は化合物の名称に「〜型シアン酸エステル化合物」との記載を付して表す場合がある。
本発明の樹脂組成物に使用されるエポキシ化合物(C)は、少なくとも1個のエポキシ基を有する有機化合物である。エポキシ化合物(C)の1分子当たりのエポキシ基の数は、1以上である。該エポキシ基の数は2以上であることがより好ましい。
本発明の樹脂組成物に使用される無機充填材(D)は、特に制限されないが、例としては、シリカ(例えば天然シリカ、溶融シリカ、アモルファスシリカ、中空シリカ等)、アルミニウム化合物(例えばベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ等)、マグネシウム化合物(例えば酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム等)、カルシウム化合物(例えば炭酸カルシウム等)、モリブデン化合物(例えば酸化モリブデン、モリブデン酸亜鉛等)、タルク(例えば天然タルク、焼成タルク等)、マイカ(雲母)、ガラス(例えば短繊維状ガラス、球状ガラス、微粉末ガラス(例えばEガラス、Tガラス、Dガラス等)等)などが挙げられる。これらの無機充填材(D)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
本発明においては、プリント配線板の絶縁層の吸湿耐熱性を向上させる場合に、好ましい成分としてマレイミド化合物(E)が使用される。使用されるマレイミド化合物(E)としてはマレイミド基を有する化合物であれば、特に限定されず、具体的には、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン、2,2−ビス{4−(4−マレイミドフェノキシ)−フェニル}プロパン、ビス(3,5−ジメチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、式(7)で表されるマレイミド化合物、式(8)で表されるマレイミド化合物等が挙げられる。
この中で、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、式(7)で表されるマレイミド化合物、式(8)で表されるマレイミド化合物が特に好ましい。なお、これらマレイミド化合物のプレポリマー、もしくはマレイミド化合物とアミン化合物のプレポリマーなどの形で配合する事もでき、1種もしくは2種以上を適宜混合して使用することも可能である。
本発明の樹脂組成物は、シラン化合物(A)、シアン酸エステル化合物(B)、エポキシ化合物(C)、無機充填材(D)及びマレイミド化合物(E)の他に、その他の1又は2種以上の成分を含有していてもよい。
本発明の樹脂組成物は、上述の成分、シラン化合物(A)、シアン酸エステル化合物(B)、エポキシ化合物(C)及び無機充填材(D)、マレイミド化合物(E)及びその他の成分を混合することにより調製される。必要に応じて、これらの成分を有機溶剤に溶解させた溶液の形態としてもよい。斯かる本発明の樹脂組成物の溶液は、後述する本発明のプリプレグ及び樹脂シートを作製する際のワニスとして、好適に使用することができる。有機溶剤としては、上述の成分を各々好適に溶解又は分散させることができ、且つ、本発明の樹脂組成物の所期の効果を損なわないものであれば限定されない。具体例としては、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール等)、ケトン類(例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、アミド類(例えばジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等)、芳香族炭化水素類(例えばトルエン、キシレン等)等が挙げられる。これらの有機溶剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
本発明のプリプレグ、樹脂シート、金属箔張積層板及びプリント配線板は、何れも上述した本発明の樹脂組成物を用いて形成される。
本発明のプリプレグは、上述した本発明の樹脂組成物が、基材に添着されたものである。基材としては、各種プリント配線板の材料として一般に用いられる公知の基材を使用することができる。例としては、ガラス繊維(例えばEガラス、Dガラス、Sガラス、NEガラス、Tガラス、Qガラス等)、石英(クオーツ)等の無機繊維、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル等の有機繊維が挙げられ、目的とする用途や性能により適宜選択できる。形状としては、織布、不織布、ロービング、チョップドストランドマット、サーフェシングマット等が挙げられる。これらの中でも、強度や吸水性の面からは、ガラス繊維が好ましく、電気特性の面からは、液晶ポリエステル織布が好ましい。基材の厚みは限定されないが、例えば0.01〜0.3mmの範囲が好ましい。吸湿耐熱性の面からは、エポキシシラン処理、アミノシラン処理等のシランカップリング剤などで表面処理を施したガラス織布が好適であり、寸法安定性の面からは、超開繊処理や目詰め処理を施した織布が好適である。
本発明の樹脂シートは、支持体を外層とし、その外層上に、上述した本発明の樹脂組成物からなる層が積層されたものである。なお、必要に応じて、支持体を樹脂シートから剥離又はエッチングしたものであってもよい。
本発明の金属箔張積層板は、上述した本発明のプリプレグの片面又は両面に金属箔が積層されたものである。本発明のプリプレグは一枚でもよく、二枚以上を積層して用いてもよい。
本発明のプリント配線板は、絶縁層と、前記絶縁層の表面に形成された導体層とを含むプリント配線板であって、前記絶縁層が本発明の樹脂組成物を含むものである。
斯かるプリント配線板は、上述の本発明のプリプレグ、樹脂シート又は金属箔張積層板をビルドアップ材料として用いて作製される。すなわち、これらをビルドアップ材料として用いてプリント配線板を作製することにより、本発明のプリプレグ(基材及びこれに添着された本発明の樹脂組成物)、又は、本発明の樹脂シートの樹脂組成物層(本発明の樹脂組成物からなる層)が、本発明の絶縁層を構成することになる。
本発明の金属箔張積層板をビルドアップ材料として用いる場合は、常法により、金属箔張積層板の金属箔をエッチングした後、本発明のプリプレグからなる層(絶縁層)を表面処理し、絶縁層表面にめっきにより配線パターン(導体層)を形成することにより、本発明のプリント配線板が得られる。
本発明のプリプレグをビルドアップ材料として用いる場合は、上記手順により本発明の金属箔張積層板の形態としてから使用する。或いは、後述のように多層プリント配線板の材料として用いる場合等は、そのままの形態で使用してもよい。
なお、何れの場合も、必要に応じてその他の各種の工程(例えば、ビアホール、スルーホール等を形成する穴加工処理等)を加えてもよい。
穴加工処理は、ビアホール、スルーホール等の形成のために実施される。穴加工処理は、NCドリル、炭酸ガスレーザー、UVレーザー、YAGレーザー、プラズマ等の公知の方法のうち何れか1種を用い、或いは必要により2種以上を組み合わせて行う。
膨潤工程は、膨潤剤を用いて表面絶縁層を膨潤させることにより行う。膨潤剤としては、表面絶縁層の濡れ性が向上し、次の表面粗化及びスミア溶解工程において酸化分解が促進される程度にまで表面絶縁層を膨潤させることができるものであれば、制限されない。例としては、アルカリ溶液、界面活性剤溶液等が挙げられる。
表面粗化及びスミア溶解工程は、酸化剤を用いて行う。酸化剤としては、例えばアルカリ性の過マンガン酸塩溶液等が挙げられ、好適な具体例としては、過マンガン酸カリウム水溶液、過マンガン酸ナトリウム水溶液等が挙げられる。斯かる酸化剤処理はウェットデスミアと呼ばれるが、当該ウェットデスミアに加えて、プラズマ処理やUV処理によるドライデスミア、バフ等による機械研磨、サンドブラスト等の他の公知の粗化処理を、適宜組み合わせて実施してもよい。
中和工程は、前工程で使用した酸化剤を還元剤で中和するものである。還元剤としては、アミン系還元剤が挙げられ、好適な具体例としては、ヒドロキシルアミン硫酸塩水溶液、エチレンジアミン四酢酸水溶液、ニトリロ三酢酸水溶液等の酸性水溶液が挙げられる。
セミアディティブ法でパターン形成する手法の例としては、絶縁層表面に無電解めっき等により薄い導体層を形成した後、めっきレジストを用いて選択的に電解めっきを施し(パターンめっき)、その後めっきレジストを剥離し、全体を適量エッチングして配線パターン形成する手法が挙げられる。
フルアディティブ法でパターン形成する手法の例としては、絶縁層表面にめっきレジストを用いて予めパターン形成を行い、選択的に無電解めっき等を付着させることにより配線パターンを形成する手法が挙げられる。
サブトラクティブ法でパターン形成する手法の例としては、絶縁層表面にめっきにより導体層を形成した後、エッチングレジストを用いて選択的に導体層を除去することにより、配線パターンを形成する手法が挙げられる。
・実施例1:
シラン化合物(A)として、式(1a)で表される、置換シリルチオ基としてトリメトキシシリルチオ基を有する、置換シリルチオ基含有シラン化合物(X−12−1056ES、信越化学工業(株)製)1質量部、シアン酸エステル化合物(B)として、合成例1により得られた式(3a)のα−ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物(シアネート当量:261g/eq.)のメチルエチルケトン(以下「MEK」と略す場合がある。)溶液(不揮発分50質量%)60質量部(不揮発分換算で30質量部)、エポキシ化合物(C)として、ビフェニルアラルキル型エポキシ化合物(NC−3000−FH、エポキシ当量:320g/eq.、日本化薬(株)製)のMEK溶液(不揮発分75質量%)66.7質量部(不揮発分換算で50質量部)、更に第2のエポキシ化合物(C)として、ナフタレン型エポキシ化合物(HP4710、エポキシ当量240g/eq.、DIC(株)製)のMEK溶液(不揮発分50質量%)20質量部(不揮発分換算で10質量部)、マレイミド化合物(E)として、式(7)で表されるマレイミド化合物(BMI−2300、大和化成(株)製)のMEK溶液(不揮発分50質量%)20質量部(不揮発分換算10質量部)、硬化促進剤として2,4,5−トリフェニルイミダゾール(和光純薬製)のPMA溶液(不揮発分1質量%)50質量部(不揮発分換算で0.5質量部)及びオクチル酸マンガンのMEK溶液(不揮発分1質量%)5質量部(不揮発分換算で0.05質量部)をMEKに溶解又は分散させた。さらに、無機充填材(D)として、シリカ(SFP−130MC 、電気化学工業(株)製、平均粒子径0.6μm)200質量部を添加して、高速攪拌装置を用いて30分間攪拌して、ワニス(シラン化合物(A)、シアン酸エステル化合物(B)、エポキシ化合物(C)、無機充填材(D)及びマレイミド化合物(E)を含む樹脂組成物の溶液)を得た。このワニスを更にMEKで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂組成物含有量50質量%のプリプレグを得た。得られたプリプレグを1、4、又は8枚重ねて、3μm厚の電解銅箔(MT-Ex、三井金属鉱業(株)製)のマット面をプリプレグ側に配置し、圧力40kgf/cm2(約3.9MPa)、温度220℃で120分間の積層成形を行い、絶縁層厚さ0.1mm、0.4mm及び0.8mmの銅張積層板(それぞれプレプリグ1枚、4枚及び8枚使用)を得た。
シラン化合物(A)として、式(1a)で表される置換シリルチオ基含有シラン化合物(X−12−1056ES)の使用量を0.5質量部に変更した以外は、実施例1と同様にしてワニス(樹脂組成物の溶液)を調整し、銅張積層板(金属箔張積層板)を得た。
シラン化合物(A)として、式(1a)で表される置換シリルチオ基含有シラン化合物(X−12−1056ES)の使用量を3質量部に変更した以外は、実施例1と同様にしてワニス(樹脂組成物の溶液)を調整し、銅張積層板(金属箔張積層板)を得た。
シアン酸エステル化合物(B)として、合成例1により得られた式(3a)のα−ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物のMEK溶液(不揮発分50質量%)の使用量を100質量部(不揮発分換算で50質量部)に変更し、エポキシ化合物(D)として、ビフェニルアラルキル型エポキシ化合物(NC−3000−FH)のMEK溶液(不揮発分75質量%)の使用量を40質量部(不揮発分換算で30質量部)に変更し、マレイミド化合物(E)である、式(7)で表されるマレイミド化合物(BMI−2300)の代わりに、式(8)で表されるマレイミド化合物(BMI−1000P、ケイ・アイ化成(株)製)のMEK溶液(不揮発分50質量%)20質量部(不揮発分換算10質量部)を使用した以外は、実施例1と同様にしてワニス(樹脂組成物の溶液)を調製し、銅張積層板(金属箔張積層板)を得た。
シアン酸エステル化合物(B)として、合成例1により得られた式(3a)のα−ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物のMEK溶液(不揮発分50質量%)の使用量を90質量部(不揮発分換算で45質量部)に変更し、エポキシ化合物(D)として、ビフェニルアラルキル型エポキシ化合物(NC−3000−FH)のMEK溶液(不揮発分75質量%)の使用量を46.7質量部(不揮発分換算で35質量部)に変更し、マレイミド化合物(E)である、式(7)で表されるマレイミド化合物(BMI−2300)のMEK溶液(不揮発分50質量%)の使用量を10質量部(不揮発分換算5質量部)に変更し、マレイミド化合物(E)である式(8)で表されるマレイミド化合物(BMI−1000P)のMEK溶液(不揮発分50質量%)の使用量を10質量部(不揮発分換算5質量部)に変更した以外は、実施例1と同様にしてワニス(樹脂組成物の溶液)を調製し、銅張積層板(金属箔張積層板)を得た。
シラン化合物(A)として、式(1a)で表される置換シリルチオ基含有シラン化合物(X−12−1056ES)の代わりに、式(2a)で表されるスルフィド結合含有シラン化合物(KBE−846、信越化学工業(株)製)3質量部を使用した以外は、実施例1と同様にしてワニス(樹脂組成物の溶液)を調製し、銅張積層板(金属箔張積層板)を得た。
シアン酸エステル化合物(B)として、合成例1により得られた式(3a)のα−ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物の代わりに、式(4)におけるRがすべて水素原子である式(4a)で表されるシアン酸エステル化合物のMEK溶液(不揮発分50質量%)を60質量部(不揮発分換算で30質量部)使用した以外は、実施例1と同様にしてワニス(樹脂組成物の溶液)を調製し、銅張積層板(金属箔張積層板)を得た。
無機充填材(D)として、シリカの代わりに、ベーマイト(AOH−60、Nabaltec製、平均粒子径0.9μm)200質量部を用いた以外は、実施例1と同様にしてワニス(樹脂組成物の溶液)を調製し、銅張積層板(金属箔張積層板)を得た。
シラン化合物(A)として、式(1a)で表される置換シリルチオ基含有シラン化合物(X−12−1056ES)を使用しなかった以外は、実施例1と同様にしてワニス(樹脂組成物の溶液)を調製し、銅張積層板(金属箔張積層板)を得た。
シラン化合物(A)として、式(1a)で表される置換シリルチオ基含有シラン化合物(X−12−1056ES)の使用量を10質量部に変更した以外は、実施例1と同様にしてワニス(樹脂組成物の溶液)を調整し、銅張積層板(金属箔張積層板)を得た。
シラン化合物(A)として、式(1a)で表される置換シリルチオ基含有シラン化合物(X−12−1056ES)の代わりに、式(1a)のトリメトキシシリルチオ基がチオール基に置き換わった、式(9)で表されるシラン化合物(KBM−803、信越化学工業(株)製)を3質量部使用した以外は、実施例1と同様にしてワニス(樹脂組成物の溶液)を調製し、銅張積層板(金属箔張積層板)を得た。
シラン化合物(A)として、式(1a)で表される置換シリルチオ基含有シラン化合物(X−12−1056ES)の代わりに、式(10)で表されるイミダゾールシラン(IS−1000、JX日鉱日石金属(株)製、不揮発分90質量%)を3質量部(不揮発分換算0.90質量部)使用した以外は、実施例1と同様にしてワニス(樹脂組成物の溶液)を調製し、銅張積層板(金属箔張積層板)を得た。
シラン化合物(A)として、式(1a)で表される置換シリルチオ基含有シラン化合物(X−12−1056ES)の代わりに、式(11)で表されるイミダゾールシラン(IA−100A、JX日鉱日石金属(株)製、不揮発分70質量%)を3質量部(不揮発分換算0.70質量部)使用した以外は、実施例1と同様にしてワニス(樹脂組成物の溶液)を調製し、銅張積層板(金属箔張積層板)を得た。
合成例1により得られた式(3a)のα−ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物の代わりに、ナフトールアラルキル型フェノール樹脂(SN495V2(SN−OH)、フェノール当量236g/eq.、新日鐵化学(株)製)のMEK溶液(不揮発分50質量%)60質量部(不揮発分換算30質量部)を使用した以外は、実施例1と同様にしてワニス(樹脂組成物の溶液)を調製し、銅張積層板(金属箔張積層板)を得た。
・銅張積層板の湿式粗化処理と導体層めっき:
実施例1〜9及び比較例1〜5で得られた絶縁層厚さ0.1mm、0.4mm及び0.8mmの銅張積層板(それぞれプレプリグ1枚、4枚及び8枚使用)の表層銅箔をエッチングにより除去し、上村工業製の無電解銅めっきプロセス(使用薬液名:MCD−PL、MDP−2、MAT−SP、MAB−4−C、MEL−3−APEA ver.2)にて、約0.5μmの無電解銅めっきを施し、130℃で1時間の乾燥を行った。続いて、電解銅めっきをめっき銅の厚みが18μmになるように施し、180℃で1時間の乾燥を行った。こうして、厚さ0.1mm、0.2mm、0.4mm及び0.8mmの絶縁層上に厚さ18μmの導体層(めっき銅)が形成されたサンプルを作製し、以下の評価に供した。
(1)ワニスゲルタイム
170℃のホットプレート上にワニスを載せ硬化するまでの時間を測定した。ワニスゲルタイムが500秒以上を○、ワニスゲルタイムが300秒以上500秒未満を△、ワニスゲルタイムが300秒未満を×で記載した。結果を表1−1及び1−2に示した。
上記手順により作製された絶縁層厚さ0.4mmの回路配線板サンプルを用い、めっき銅の接着力をJIS C6481に準じて3回測定し、平均値を求めた。電解銅めっき後の乾燥で膨れたサンプルに関しては、膨れていない部分を用いて評価を行った。結果を表1−1及び1−2に示した。
上記手順により作製された絶縁層厚さ0.8mmの回路配線板サンプルを用い、その表層銅箔をエッチングにより除去し、熱機械分析装置(TAインスツルメント製Q−800)で40℃から300℃まで毎分10℃で昇温し、ガラス転移温度を測定した。結果を表1−1及び1−2に示した。
上記手順により作製された絶縁層厚さ0.4mmの回路配線板サンプルを用い、50mm×50mm角にカットした後、片面の半分以外のめっき銅をエッチングにより除去したサンプルを作製した。そのサンプルを、プレッシャークッカー試験機(平山製作所製PC−3型)で、121℃、2気圧で1、3、5時間処理した後、260℃の半田槽に60秒間浸漬させて、外観変化の異常の有無を目視にて観察した。3枚試験を行い、一枚ごとに、異常が無いものを「良」、膨れが発生したものを「否」と表記した。結果を表1−1及び1−2に示した。なお、表中「PCT−1H」、「PCT−3H」及び「PCT−5H」とは、それぞれプレッシャークッカー試験機による1、3、5時間処理後に得られた結果を示す。
Claims (18)
- シラン化合物(A)、シアン酸エステル化合物(B)、エポキシ化合物(C)及び無機充填材(D)を含んでなる樹脂組成物であって、該シラン化合物(A)が置換シリルチオ基及び/又はスルフィド結合を有するシラン化合物であり、該シアン酸エステル化合物(B)及びエポキシ化合物(C)の合計量に対するシラン化合物(A)の含有量が、0.01〜5質量%である、樹脂組成物。
- マレイミド化合物(E)をさらに含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- 前記無機充填材(D)の含有量が、前記シアン酸エステル化合物(B)、エポキシ化合物(C)及びマレイミド化合物(E)の合計量に対し20〜300質量%である請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- 前記無機充填材(D)が、シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、ベーマイト、酸化マグネシウム及び水酸化マグネシウムからなる群から選択される少なくとも一種以上である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- 基材と、当該基材に添着された、請求項1〜6のいずれか一項に記載の樹脂組成物とを含むプリプレグ。
- 高分子フィルム、金属箔及び金属フィルムからなる群から選択される、いずれか一種である外層と、当該外層上に積層された、請求項1〜6のいずれか一項に記載の樹脂組成物からなる絶縁層とを含む樹脂シート。
- 絶縁層として請求項7に記載のプリプレグと金属箔とを積層して得られる金属箔張積層板。
- 前記金属箔マット面の表面粗さRzが0.7〜2.5μmである請求項9に記載の金属箔張積層板。
- 請求項7に記載のプリプレグをビルドアップ材料に用いて作製されたプリント配線板。
- 請求項9又は10に記載の金属箔張積層板の金属箔をエッチングし、表面処理してめっきによりパターン形成した、プリント配線板。
- 請求項8に記載の樹脂シートをビルドアップ材料に用いて作製されたプリント配線板。
- 請求項8に記載の樹脂シートを表面処理してめっきによりパターン形成した、プリント配線板。
- 前記表面処理が、膨潤剤、アルカリ性酸化剤による粗化処理、酸性還元剤による中和処理からなるデスミア処理である請求項12又は14に記載のプリント配線板。
- めっきによるパターン形成が、無電解銅めっき後、電解銅めっきを行い、その後、セミアディティブ法によりパターン形成を行う、請求項12又は14に記載のプリント配線板。
- めっきによるパターン形成が、無電解銅めっき後、電解銅めっきを行い、その後、サブトラクティブ法によりパターン形成を行う、請求項12又は14に記載のプリント配線板。
- 絶縁層と、前記絶縁層の表面に形成された導体層とを含むプリント配線板であって、前記絶縁層が請求項1〜6のいずれか一項に記載の樹脂組成物を含むプリント配線板。
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