JP2015219947A - 固体高分子形燃料電池用の触媒粒子、及びこれを用いた触媒並びに固体高分子形燃料電池 - Google Patents
固体高分子形燃料電池用の触媒粒子、及びこれを用いた触媒並びに固体高分子形燃料電池 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2015219947A JP2015219947A JP2014100070A JP2014100070A JP2015219947A JP 2015219947 A JP2015219947 A JP 2015219947A JP 2014100070 A JP2014100070 A JP 2014100070A JP 2014100070 A JP2014100070 A JP 2014100070A JP 2015219947 A JP2015219947 A JP 2015219947A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- catalyst
- metal
- particles
- particle
- coating layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
Landscapes
- Fuel Cell (AREA)
- Inert Electrodes (AREA)
Abstract
【解決手段】中心金属粒子、中心金属粒子を被覆する金属酸化物被覆層、及び金属酸化物被覆層に担持される触媒金属粒子の3層構造を有する触媒粒子であって、中心金属粒子はPd、Cu、Co,Ni、及びAuから選ばれた金属の粒子であってその粒径が5〜10nmの範囲内であり、金属酸化物被覆層はその金属元素がSi、Ti、Sn、及びZrから選ばれた金属であってその厚さが1〜4nmの範囲内であり、触媒金属粒子はPt又はPt合金であってその粒径が1〜3nmの範囲内であり、固体高分子形燃料電池に好適に利用される。
【選択図】なし
Description
H2 → 2H++2e−(E0=0V)……(1)
O2+4H++4e− → 2H2O(E0=1.23V)……(2)
例えば、非特許文献1や特許文献1においては、中心金属粒子としてパラジウムを用い、この中心金属粒子を被覆する金属触媒被覆層に白金を用いたコアシェル型の触媒微粒子が提案されている。しかしながら、このようなコアシェル型触媒微粒子においては、その中心金属粒子にパラジウムが用いられているので、白金触媒被覆層に欠陥が生じるとパラジウムが容易に溶出し、初期特性は高くてもコア層の中心金属粒子が溶出するという問題がある。この問題は、白金に対して燃料電池の運転条件下で溶解し易いパラジウムを使用する限り、中心金属粒子の溶出が進行することは不可避である。
(1) 中心金属粒子、前記中心金属粒子を被覆する金属酸化物被覆層、及び前記金属酸化物被覆層に担持される触媒金属粒子の3層構造を有する固体高分子形燃料電池用の触媒粒子であって、前記中心金属粒子が、Pd、Cu、Co,Ni、及びAuから選ばれた少なくとも1種からなる金属の粒子であると共に、その粒径が5〜10nmの範囲内であり、また、前記金属酸化物被覆層を形成する金属酸化物の金属元素がSi、Ti、Sn、及びZrから選ばれた少なくとも1種からなる金属であると共に、前記金属酸化物被覆層の厚みが1〜4nmの範囲内であり、更に、前記触媒金属粒子が、Pt又はPtを主成分とするPt合金であると共に、その粒径が1〜3nmの範囲内であることを特徴とする固体高分子形燃料電池用の触媒粒子。
(3) 前記金属酸化物被覆層の金属元素がSi及びTiから選ばれた少なくとも1種からなる金属である前記(1)又は(2)に記載の固体高分子形燃料電池用の触媒粒子。
(5) 前記(4)に記載された固体高分子形燃料電池用の触媒が正極及び負極のいずれか一方に、又は、両方に用いられていることを特徴とする固体高分子形燃料電池。
すなわち、触媒金属粒子1に接する金属酸化物被覆層2の金属酸化物中の酸素原子が局所的に負電荷に分極し、一方で金属酸化物被覆層に接する触媒金属粒子1が局所的に正電荷に分極し、更に燃料電池の運転条件下で酸化性ガスや還元性ガスと接する触媒金属粒子1の表面が局所的に負電荷を帯び、これによって触媒金属粒子の酸化数の変動が抑制されることであり、その結果として、燃料電池に供給される酸化性ガスや還元性ガスが触媒粒子に接触した際にその触媒金属粒子1表面での反応を阻害することなく、触媒粒子の凝集や溶解を抑制することができる。
また、上で調製された中心金属粒子コロイド溶液を水、親水性溶剤、疎水性溶剤等の適当な溶剤中に分散させて分散液を調製し、この分散液中に金属酸化物被覆層の金属元素としてSi、Ti、Sn、及びZrから選ばれた金属の金属アルコキシド等の金属化合物を添加し、上記と同様の手順で金属酸化物被覆中心金属粒子コロイドを得ることもできる。
以下に示す実施例及び比較例において、触媒粒子を以下の方法で調製した。
(1) 中心金属粒子コロイド溶液の合成
0.056mol/Lの金属塩化物水溶液(PdCl2、CoCl2、NiCl2、AuCl3,CuCl2)を三口フラスコに7.0g測り取り、30gの蒸留水を加えて希釈して金属塩化物水溶液を調製し、また、ポリビニルピロリドン(分子量10000)を0.0879g測り取り、30gの蒸留水で希釈してポリビニルピロリドン水溶液を調製し、前述の金属塩化物水溶液の入った三口フラスコ中にポリビニルピロリドン水溶液を投入し、混合して金属塩化物とポリビニルピロリドンとを含む混合水溶液を調製した。
更に、Niの場合にはNiCl2の物質量に対して5倍量のN2H4・H2Oを加え、中心金属粒子コロイド溶液が無色から黒色となることを確認した。
中心金属粒子を被覆する金属酸化物被覆層の形成工程は、特許文献6(特開2008-004,541号公報)を参考にし、金属酸化物被覆層が中心金属粒子を被覆可能となるように、一部改良した方法であって、以下に、実施例1〜53、103〜106、119、122に記載の金属酸化物被覆層(金属酸化物の金属元素がSiである場合)を例示的に記載する。金属酸化物の金属元素がSi以外の金属元素の場合も同様である。
すなわち、アルゴンフロー雰囲気下にて、中心金属粒子コロイド粒子が凝集し、沈殿しないように目視で上記(1)の工程で合成した中心金属粒子コロイド溶液を確認しながら、この中心金属粒子コロイド溶液中にアンモニア水溶液を添加し、中心金属粒子コロイド溶液のpHを塩基性に調整した。次に、この塩基性に調整された中心金属粒子コロイド溶液が入った三口フラスコを60℃の温浴中に移し、この中心金属粒子コロイドの中心金属元素に対してSi元素換算で物質量比(中心金属元素:Si元素)が1:1となるように、アルゴンフロー雰囲気中600rpm以上の撹拌条件下に、3-アミノプロピルエトキシシラン(APTES)を0.01mL/min.の滴下速度で80分間添加した。更に、APTESの滴下終了60分後に、中心金属コロイド粒子の中心金属元素に対してSi元素換算で物質量比(中心金属元素:Si元素)が1:1となるように、アルゴンフロー雰囲気中1000rpm以上の撹拌条件下に、テトラエトキシシラン(TEOS)を0.02mL/min.の滴下速度で30分間加え、滴下終了後、更に撹拌を続けながら1時間保持し、加水分解・重合反応を行った。なお、この金属酸化物被覆層の形成の際に撹拌が十分でなければ、中心金属粒子の凝集・沈殿が容易に生じてしまい、金属酸化物被覆中心金属コロイドが得られず、不適合となる。
先ず、触媒金属粒子がPtである場合には、上で得られた金属酸化物被覆層で被覆された中心金属粒子コロイド溶液(金属酸化物被覆中心金属粒子コロイド溶液)を10℃に冷却しながら、この中心金属粒子コロイド溶液中の金属酸化物被覆中心金属粒子を中心金属粒子の金属の物質量換算で0.0020 mol/Lに対して0.05mol/LのH2PtCl6水溶液と1.0mol/LのL(+)アスコルビン酸水溶液をとを、H2PtCl6水溶液については0.08mL/minの滴下速度で、また、L(+)アスコルビン酸水溶液については0.152mL/minの滴下速度でそれぞれ同時に撹拌下に60分間滴下し、金属酸化物被覆層の上に触媒金属粒子が担持した触媒粒子コロイド溶液を調製した。
上で得られた触媒粒子コロイド溶液(中心金属粒子の金属の物質量換算で0.0018 mol/L)に、炭素担体〔ライオン(株)製商品名:EC600JD〕0.179gを添加し、アルゴンフロー雰囲気下に90℃、1時間の条件で保持し、触媒粒子を炭素担体に担持させた。次いで室温まで放冷した後、メンブレンフィルターで吸引濾過し、得られた粉末をエタノール500mL中に再分散させ、1時間撹拌した後、再度メンブレンフィルターで吸引濾過し、炭素担体に触媒粒子が担持された固体高分子形燃料電池用の触媒を得た。なお、触媒中の触媒粒子の担持量については、以下の実施例及び比較例の全てにおいて40質量%となるように調整した。
また、実施例1〜18では、中心金属粒子Pdの粒径を5〜7 nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを1〜4nmとし、触媒金属粒子Ptの粒径を1〜2nmとし、また、実施例19〜27では、中心金属粒子Pdの粒径を5〜7nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを2 〜4nmとし、触媒金属粒子Ptの粒径を3nmとし、更に、実施例28〜45では、中心金属粒子Pdの粒径を8〜10nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを2 〜4nmとし、触媒金属粒子Ptの粒径を1 〜2nmとした。
ここで、実施例46では中心金属粒子Auの粒径を7nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを3nmとし、触媒金属粒子Ptの粒径を2nmとし、また、実施例47では中心金属粒子Cuの粒径を7nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを4nmとし、触媒金属粒子Ptの粒径を1nmとし、また、実施例48では中心金属粒子Niの粒径を7nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを4nmとし、触媒金属粒子Ptの粒径を2nmとし、更に、実施例49では中心金属粒子Coの粒径を7 nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを4nmとし、触媒金属粒子Ptの粒径を2nmとし、また、実施例50では中心金属粒子Auの粒径を10nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを4nmとし、触媒金属粒子Ptの粒径を2nmとし、また、実施例51では中心金属粒子Cuの粒径を10nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを4nmとし、触媒金属粒子Ptの粒径を2nmとし、また、実施例52では中心金属粒子Niの粒径を10nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを4nmとし、触媒金属粒子Ptの粒径を2nmとし、更に、実施例53では中心金属粒子Coの粒径を10nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを4nmとし、触媒金属粒子Ptの粒径を2nmとした。また、比較例1では中心金属粒子Agの粒径を7nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを4nmとし、触媒金属粒子Ptの粒径を1nmとし、また、比較例2では中心金属粒子Agの粒径を10nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを4nmとし、触媒金属粒子Ptの粒径を2nmとした。
ここで、比較例3〜10では中心金属粒子Pdの粒径を5〜6nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを5〜6 nmとし、触媒金属粒子Ptの粒径を1〜2nmとし、また、比較例11〜14では中心金属粒子Pdの粒径を5nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを4 nmとし、触媒金属粒子Ptの粒径を4nmとし、また、比較例15〜18では中心金属粒子Pdの粒径を5nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを5nmとし、触媒金属粒子Ptの粒径を4nmとし、また、比較例19〜24では中心金属粒子Pdの粒径を11nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを2〜4nmとし、触媒金属粒子Ptの粒径を1〜2nmとした。
また、比較例25は市販の触媒〔田中貴金属工業(株)製TEC1040E〕であり、また、比較例26は非特許文献1の製造方法に準じて調製したコアシェル型触媒(中心金属粒子:Pd及び白金被覆層)であり、更に、比較例27は特許文献7の製造方法に準じて調製した触媒(酸化スズと炭素担体が複合化され、これにPt触媒粒子が担持された触媒)である。
ここで、実施例54〜71では中心金属粒子Pdの粒径を5〜7nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを2〜4nmとし、触媒金属粒子Ptの粒径を1〜2nmとし、また、実施例72 〜80 では中心金属粒子Pdの粒径を5〜7nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを2〜4nmとし、触媒金属粒子Ptの粒径を3nmとし、更に、実施例81 〜98では中心金属粒子Pdの粒径を8〜10nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを2〜4nmとし、触媒金属粒子Ptの粒径を1〜2nmとした。
ここで、実施例99では中心金属粒子Pdの粒径を7nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを2nmとし、触媒金属粒子Ptの粒径を2nmとし、また、実施例100では中心金属粒子Pdの粒径を7nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを2nmとし、触媒金属粒子Ptの粒径を2nmとし、また、実施例101では中心金属粒子Pdの粒径を10nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを3nmとし、触媒金属粒子Ptの粒径を2nmとし、更に、実施例102では中心金属粒子Pdの粒径を10nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを3nmとし、触媒金属粒子Ptの粒径を2nmとした。
ここで、実施例103、104では触媒金属粒子としてCoが添加されたPt合金を用い、また、実施例105、106では触媒金属粒子としてNiが添加されたPt合金を用い、また、比較例28では触媒金属粒子としてCoが主成分となるPt合金を用い、更に、比較例29では触媒金属粒子としてNiが主成分となるPt合金を用いた。
この表6には、実施例1の触媒粒子についても併せて記載した。
ここで、実施例107では中心金属粒子Auの粒径を10nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを4nmとし、触媒金属粒子Ptの粒径を3nmとし、また、実施例108では中心金属粒子Cuの粒径を10nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを4nmとし、触媒金属粒子Ptの粒径を3nmとし、また、実施例109では
中心金属粒子Niの粒径を10nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを4nmとし、触媒金属粒子Ptの粒径を3nmとし、また、実施例110では中心金属粒子Coの粒径を10nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを4nmとし、触媒金属粒子Ptの粒径を3nmとし、また、実施例111では中心金属粒子Auの粒径を10nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを4nmとし、触媒金属粒子Ptの粒径を3nmとし、また、実施例112では中心金属粒子Cuの粒径を10nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを4nmとし、触媒金属粒子Ptの粒径を3nmとし、また、実施例113では中心金属粒子Niの粒径を10nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを4nmとし、触媒金属粒子Ptの粒径を3nmとし、また、実施例114では中心金属粒子Coの粒径を10nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを4nmとし、触媒金属粒子Ptの粒径を3nmとし、また、実施例115では中心金属粒子Auの粒径を10nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを4nmとし、触媒金属粒子Ptの粒径を3nmとし、また、実施例116では中心金属粒子Cuの粒径を10nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを4nmとし、触媒金属粒子Ptの粒径を3nmとし、また、実施例117では中心金属粒子Niの粒径を10nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを4nmとし、触媒金属粒子Ptの粒径を3nmとし、更に、実施例118では中心金属粒子Coの粒径を10nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを4nmとし、触媒金属粒子Ptの粒径を3nmとした。
ここで、比較例30では中心金属粒子Auの粒径を11nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを4nmとし、触媒金属粒子Ptの粒径を3nmとし、また、比較例31では中心金属粒子Cuの粒径を11nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを4nmとし、触媒金属粒子Ptの粒径を3nmとし、また、比較例32では中心金属粒子Niの粒径を10nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを6nmとし、触媒金属粒子Pの粒径を3nmとし、また、比較例33では中心金属粒子Coの粒径を10nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを6nmとし、触媒金属粒子Ptの粒径を3nmとし、また、比較例34では中心金属粒子Auの粒径を10nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを6nmとし、触媒金属粒子Ptの粒径を3nmとし、また、比較例35では中心金属粒子Cuの粒径を10nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを4nmとし、触媒金属粒子Ptの粒径を4nmとし、また、比較例36では中心金属粒子Niの粒径を11nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを4 nmとし、触媒金属粒子Ptの粒径を3nmとし、また、比較例37では中心金属粒子Coの粒径を11nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを4 nmとし、触媒金属粒子Ptの粒径を3nmとし、また、比較例38では中心金属粒子Auの粒径を10nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを6nmとし、触媒金属粒子Ptの粒径を3nmとし、また、比較例39では中心金属粒子Cuの粒径を10nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを4nmとし、触媒金属粒子Ptの粒径を4nmとし、また、比較例40では中心金属粒子Niの粒径を12nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを4nmとし、触媒金属粒子Ptの粒径を3nmとし、更に、比較例41では中心金属粒子Coの粒径を11nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを4nmとし、触媒金属粒子Ptの粒径を3nmとした。
ここで、実施例119では中心金属粒子Auの粒径を5nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを2nmとし、触媒金属粒子としてCoが添加されたPt合金を用い、また、実施例120では中心金属粒子Cuの粒径を5nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを2nmとし、触媒金属粒子のPt合金としてCoが添加されたPt合金を用い、また、比較例42では中心金属粒子Niの粒径を5nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを2nmとし、触媒金属粒子として主成分がNi であるPt合金を用い、また、実施例121では中心金属粒子Coの粒径を5nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを2nmとし、触媒金属粒子としてCoが添加されたPt合金を用い、また、実施例122では中心金属粒子Auの粒径を5nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを2nmとし、触媒金属粒子としてNiが添加されたPt合金を用い、また、実施例123では中心金属粒子Cuの粒径を9 nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを4nmとし、触媒金属粒子としてNiが添加されたPt合金を用い、また、比較例43では中心金属粒子Niの粒径を5nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを2nmとし、触媒金属粒子として主成分がNiであるPt合金を用い、また、比較例44では中心金属粒子Coの粒径を5nmとし、金属酸化物被覆層の厚さを2nmとし、触媒金属粒子として主成分がNiであるPt合金を用いた。
(1) 触媒粒子における中心金属粒子の粒径(d3)について
触媒粒子における中心金属粒子の粒径(d3)については、透過型電子顕微鏡(FEI社製Tecnai)により観察されたTEM像(明視野像)を用いて算出した。
すなわち、触媒粒子の調製時に得られた中心金属粒子コロイド溶液の1mLをスポイトで測り採り、10mLのエタノールで希釈し、超音波で1分間分散させて銅メッシュグリッドに滴下した。これを1晩真空乾燥させた後、サンプルホルダーにセットし、加速電圧200kVで大きさ20nm×20nmの任意の視野を測定した。中心金属粒子は、数nmの黒点として観察され、大きさ20nm×20nmの視野から10個の黒点を測定し、更に別の大きさ20nm×20nmの任意の視野について同様の測定を繰り返して合計10回の測定を実施し、これら10回の測定で得られた測定点の合計粒子数である100個(10回の測定×各回の測定点の数10個)の直径の平均値を求め、この平均値を中心金属粒子の粒径(d3)とした。
触媒粒子における金属酸化物被覆層の厚さ(d2)については、透過型電子顕微鏡(FEI社製Tecnai)により観察されたSTEM像を用いて算出した。
すなわち、触媒粒子の調製時に得られた金属酸化物被覆中心金属粒子コロイド溶液の1mLをスポイトで測り採り、10mLのエタノールで希釈し、超音波で1分間分散させて銅メッシュグリッド上に滴下した。これを1晩真空乾燥させた後、サンプルホルダーにセットし、加速電圧200kVで大きさ20nm×20nmの任意の視野を測定し、STEM像の明暗のコントラストから、中心金属粒子の表面を被覆する薄いコントラストの間隔を測定した。大きさ20nm×20nmの視野から10点の間隔を測定し、更に別の大きさ20nm×20nmの任意の視野について同様の測定を繰り返して合計5回の測定を実施し、これら5回の測定で得られた合計50個(10点×5回)の測定点の間隔の平均値を求め、この平均値を金属酸化物被覆層の厚さ(d2)とした。
すなわち、触媒粒子を炭素担体に担持させて得られた触媒1mgを1cm×2cm程度のプラスチック製の容器に測り採り、ここにエポキシ樹脂を流し込んで1晩硬化させて硬化物を調製する。次いでこの硬化物について、ミクロトームを使用し、ダイヤモンドカッターで厚さ20〜60nmの範囲内で所定の厚さにスライスし、切り出された測定試料を銅メッシュグリッド上に担持させ、上記と同様に、透過型電子顕微鏡(FEI社製Tecnai)により観察されるSTEM像を用いて算出してもよい。
触媒粒子における触媒金属粒子の粒径(d1)については、透過型電子顕微鏡(FEI社製Tecnai)により観察されたSTEM像を用いて算出した。
すなわち、触媒粒子の調製時に得られた触媒粒子コロイド溶液1mLをスポイトで測り採り、10mLのエタノールで希釈し、超音波で1分間分散させて銅メッシュグリッド上に滴下した。これを1晩真空乾燥させた後、サンプルホルダーにセットし、加速電圧200kVで大きさ20nm×20nmの任意の視野を測定し、金属酸化物被覆層上の輝点を触媒金属粒子として測定した。大きさ20nm×20nmの視野から10点の輝点を測定し、更に別の大きさ20nm×20nmの任意の視野について同様の測定を繰り返して合計5回の測定を実施し、これら5回の測定で得られた合計50個(10点×5回)の測定点の輝点の平均値を求め、この平均値を触媒金属粒子の粒径(d1)とした。
この触媒粒子のSTEM像において、符号1の点線で示した輝部が白金粒子であり、また、符号2の点線で示した部分が中心金属粒子を被覆する金属酸化物被覆層である。
上記各実施例及び比較例で調製した固体高分子形燃料電池用の触媒を用い、また、アイオノマー溶液として5質量%-ナフィオン溶液(デュポン製DE521)を用い、アルゴン気流中で触媒の質量に対してナフィオン固形分の質量が1.2倍になるようにアイオノマー溶液を加え、軽く撹拌した後、超音波で触媒を粉砕し、次いで撹拌下に触媒とナフィオンとを合わせた固形分濃度が2質量%となるように酢酸ブチルを添加し、触媒層を調製するための触媒層スラリーを作製した。
以上のようにして作製した各実施例及び比較例のMEAについて、セルに組み込んで燃料電池測定装置にセットし、次の手順で燃料電池の電池性能を評価した。
カソード側に空気を、また、アノード側に純水素を、1000mA/cm2の発電に必要なガス量を100%として利用率がそれぞれ40%と70%となるように供給した。ガス圧は0.1MPaとし、また、セル温度は80℃とした。
固体高分子形燃料電池用の触媒の性能については、耐久試験後のセル電圧で評価した。従って、耐久試験後のセル電圧が高いほど、触媒、すなわち触媒粒子の耐久性が高く、電池性能に優れている。
結果を表1〜表9に示す。
Claims (5)
- 中心金属粒子、前記中心金属粒子を被覆する金属酸化物被覆層、及び前記金属酸化物被覆層に担持される触媒金属粒子の3層構造を有する固体高分子形燃料電池用の触媒粒子であって、
前記中心金属粒子が、Pd、Cu、Co,Ni、及びAuから選ばれた少なくとも1種からなる金属の粒子であると共に、その粒径が5〜10nmの範囲内であり、また、
前記金属酸化物被覆層を形成する金属酸化物の金属元素がSi、Ti、Sn、及びZrから選ばれた少なくとも1種からなる金属であると共に、前記金属酸化物被覆層の厚みが1〜4nmの範囲内であり、更に、
前記触媒金属粒子が、Pt又はPtを主成分とするPt合金であると共に、その粒径が1〜3nmの範囲内であること
を特徴とする固体高分子形燃料電池用の触媒粒子。 - 前記中心金属粒子の粒径が5〜7nmの範囲内であり、かつ、前記触媒金属粒子の粒径が1〜2nmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の固体高分子形燃料電池用の触媒粒子。
- 前記金属酸化物被覆層の金属元素がSi及びTiから選ばれた少なくとも1種からなる金属である請求項1又は2に記載の固体高分子形燃料電池用の触媒粒子。
- 前記請求項1〜3のいずれかに記載された固体高分子形燃料電池用の触媒粒子が炭素担体に担持されていることを特徴とする固体高分子形燃料電池用の触媒。
- 前記請求項4に記載された固体高分子形燃料電池用の触媒が正極及び負極のいずれか一方に、又は、両方に用いられていることを特徴とする固体高分子形燃料電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014100070A JP6245066B2 (ja) | 2014-05-14 | 2014-05-14 | 固体高分子形燃料電池用の触媒粒子、及びこれを用いた触媒並びに固体高分子形燃料電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014100070A JP6245066B2 (ja) | 2014-05-14 | 2014-05-14 | 固体高分子形燃料電池用の触媒粒子、及びこれを用いた触媒並びに固体高分子形燃料電池 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015219947A true JP2015219947A (ja) | 2015-12-07 |
JP6245066B2 JP6245066B2 (ja) | 2017-12-13 |
Family
ID=54779191
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014100070A Active JP6245066B2 (ja) | 2014-05-14 | 2014-05-14 | 固体高分子形燃料電池用の触媒粒子、及びこれを用いた触媒並びに固体高分子形燃料電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6245066B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017183285A (ja) * | 2016-03-28 | 2017-10-05 | 国立大学法人九州大学 | 電極材料用コアシェル担体及びその製造方法、並びに電極材料 |
CN113394417A (zh) * | 2021-06-07 | 2021-09-14 | 福州大学 | 一种铜镍铂三层核壳结构催化剂及其制备方法和应用 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000048833A (ja) * | 1998-07-29 | 2000-02-18 | Toyota Motor Corp | 燃料電池 |
JP2008097874A (ja) * | 2006-10-06 | 2008-04-24 | Sharp Corp | 燃料直接型燃料電池用電極触媒およびこれを用いた燃料直接型燃料電池、ならびに電子機器 |
JP2009259492A (ja) * | 2008-04-14 | 2009-11-05 | Ricoh Co Ltd | 直接アルコール型燃料電池用触媒、直接アルコール型燃料電池および電子機器 |
JP2011222132A (ja) * | 2010-04-02 | 2011-11-04 | Hitachi Ltd | 電極触媒材料およびその製造方法 |
JP2013127869A (ja) * | 2011-12-16 | 2013-06-27 | Univ Of Miyazaki | 燃料電池用白金・チタン酸化物・チタンカーバイド複合触媒及びその製造方法、並びに当該複合触媒を用いた燃料電池用膜・電極接合体 |
-
2014
- 2014-05-14 JP JP2014100070A patent/JP6245066B2/ja active Active
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000048833A (ja) * | 1998-07-29 | 2000-02-18 | Toyota Motor Corp | 燃料電池 |
JP2008097874A (ja) * | 2006-10-06 | 2008-04-24 | Sharp Corp | 燃料直接型燃料電池用電極触媒およびこれを用いた燃料直接型燃料電池、ならびに電子機器 |
JP2009259492A (ja) * | 2008-04-14 | 2009-11-05 | Ricoh Co Ltd | 直接アルコール型燃料電池用触媒、直接アルコール型燃料電池および電子機器 |
JP2011222132A (ja) * | 2010-04-02 | 2011-11-04 | Hitachi Ltd | 電極触媒材料およびその製造方法 |
JP2013127869A (ja) * | 2011-12-16 | 2013-06-27 | Univ Of Miyazaki | 燃料電池用白金・チタン酸化物・チタンカーバイド複合触媒及びその製造方法、並びに当該複合触媒を用いた燃料電池用膜・電極接合体 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017183285A (ja) * | 2016-03-28 | 2017-10-05 | 国立大学法人九州大学 | 電極材料用コアシェル担体及びその製造方法、並びに電極材料 |
CN113394417A (zh) * | 2021-06-07 | 2021-09-14 | 福州大学 | 一种铜镍铂三层核壳结构催化剂及其制备方法和应用 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6245066B2 (ja) | 2017-12-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP1922777B1 (en) | Electrocatalysts having gold monolayers on platinum nanoparticle cores, and uses thereof | |
CA2653856C (en) | Electrode material comprising catalyst metal particles on a conductive support and a porous inorganic material coating | |
EP3734728A1 (en) | Catalyst, preparation method therefor, electrode comprising same, membrane-electrode assembly, and fuel cell | |
JP5121290B2 (ja) | 固体高分子形燃料電池電極用触媒 | |
JP2012041581A (ja) | コアシェル型微粒子及びこれを用いた機能デバイス | |
JP5887453B1 (ja) | 電極用触媒、ガス拡散電極形成用組成物、ガス拡散電極、膜・電極接合体、燃料電池スタック | |
JP2008027918A (ja) | 燃料電池用の担持触媒及びその製造方法、前記担持触媒を含む燃料電池用電極、前記電極を含む膜電極接合体及び前記膜電極接合体を含む燃料電池 | |
JP6852883B2 (ja) | 電極構造体、及び電極触媒層/ガス拡散層一体シート、並びにこれらを含む膜電極接合体 | |
WO2017126137A1 (ja) | コアシェル構造型ナノシート | |
JP2007111582A (ja) | 触媒、燃料電池燃料極用電極及び燃料電池 | |
JP6583417B2 (ja) | 触媒粒子ならびにこれを用いてなる電極触媒、電解質膜−電極接合体および燃料電池 | |
JP2021082578A (ja) | アイオノマコート触媒及びその製造方法、並びに、保護材被覆電極触媒及びその製造方法 | |
Nguyen et al. | Seedless, one-step synthesis of porous Pt-Pd nanoflowers for electroreduction of oxygen in acidic medium | |
JP5921795B1 (ja) | 酸素還元触媒 | |
JP6478677B2 (ja) | 燃料電池用電極 | |
JP6245066B2 (ja) | 固体高分子形燃料電池用の触媒粒子、及びこれを用いた触媒並びに固体高分子形燃料電池 | |
JP5150141B2 (ja) | 燃料電池用触媒材料、燃料電池用触媒材料を用いた膜電極接合体及び膜電極接合体を用いた燃料電池 | |
CA2951407A1 (en) | Composite particle having a core containing pd and a shell containing pt for use as a structural component of an electrode catalyst | |
KR101392196B1 (ko) | 이금속성 나노와이어를 포함하는 산소-환원용 전극촉매, 및 이의 제조방법 | |
JP6433319B2 (ja) | 固体高分子形燃料電池用の金属触媒粒子及びその製造方法、並びに触媒及び固体高分子形燃料電池 | |
KR20120121861A (ko) | 다공성 이중금속 구조에 기반한 산소-환원용 전극촉매, 및 그 제조방법 | |
JPWO2019177060A1 (ja) | 燃料電池用電極触媒及びそれを用いた燃料電池 | |
JP4037814B2 (ja) | 燃料電池用膜−電極接合体及び燃料電池 | |
JP4495902B2 (ja) | 炭素繊維合成用触媒、炭素繊維の製造方法、及び燃料電池用触媒材料の製造方法 | |
CN109314249A (zh) | 电极催化剂及其制造方法、以及使用该电极催化剂的电极催化剂层 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20170110 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20170929 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20171017 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20171030 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6245066 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |