JP2015219018A - 配管用耐圧試験装置 - Google Patents
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Abstract
Description
なお、この発明を特定するに当たり、配管内への上記装置の挿入方向と順方向の側を「前」、同逆方向の側を「後」というものとする。
水圧試験は、配水管を構成する管が大口径管(例えば呼び径900mm以上)である場合には、作業者が配水管内に入り込み、テストバンドと称される装置を用いて管どうしの継手部に試験水圧を負荷することにより、継手部の水密性、即ち、継手部から漏水が生じるか否かを確認することが行われている。
一方、配水管が中小口径管で構成されている場合、一般的には、充水試験によって継手部の水密性の確認が行われていた。充水試験は、ある程度の距離だけ管を接続して配水管を形成しておいてから、同配水管の両端を閉塞し、配水管内に水を供給して所定の試験水圧を負荷するものである。従って、充水試験の結果、配水管の継手部に漏水が確認された場合、その処置に多大な時間と労力を要していた。
上記の水圧試験器にあっては、配管を構成する管どうしの継手部が両膨縮部の間に位置するように、円筒体を配管内に挿入しておいてから、第1の注水ホースから円筒体内に注水して両膨縮部を膨張させることにより、継手部の両側を水密とし、この状態で第2の注水ホースから両膨縮部間に注水することによって、継手部に試験水圧を負荷し、継手部からの漏水の有無を確認するようになっている。
また、この発明の配管用耐圧試験装置によれば、構造が簡単であってコストが抑えられる上、全体のサイズおよび重量もそれほど大きくならないので、取扱が容易である。
さらに、この発明の配管用耐圧試験装置によれば、各パッカーの両端部にソリ型の走行ガイドが複数ずつ設けられているとともに、各走行ガイドに走行ローラが設けられているので、配管内での移動がスムーズとなって作業性が向上する上、移動に伴い配管内面に傷等をつける虞がない。
ここで、上記線状体としては、可撓性を有するが長さ方向の伸縮性を有しないものであれば特に限定されないが、好適にはグラスファイバーチューブが用いられる。
また、上記マーカの構成については、耐圧試験装置の挿入を行う作業員等が配管の一端部にマーカが来たことを把握しうるものであれば特に限定されないが、例えば、線状体の長さ方向所定位置に取り付けられたエンドプレートによって構成することができる。
第2の態様は、各パッカーが、前後両端が端壁によって閉鎖された円筒状のボディと、ボディの外周面に嵌め被せられかつ前後両端部がボディの外周面に接合された膨縮チューブとを有しており、膨縮チューブが、ゴム弾性を有する材料よりなるチューブ本体と、非伸縮性材料よりなりかつチューブ本体の前後両端部にインサートされた前後2つの補強スリーブとよりなるものである(請求項4)。
また、第3の態様は、各パッカーが、前後両端が端壁によって閉鎖された円筒状のボディと、ボディの外周面に嵌め被せられかつ前後両端部がボディの外周面に接合された膨縮チューブとを有しており、膨縮チューブが、ゴム弾性を有する材料よりなるチューブ本体と、チューブ本体とほぼ同じ長さを有する非伸縮性材料よりなりかつチューブ本体に周方向に間隔をおいてインサートされた複数の調整バンドと、非伸縮性材料よりなりかつチューブ本体の前後両端部にインサートされた前後2つの補強スリーブとよりなるものである(請求項5)。
また、各パッカーを上記第2の態様とした場合、膨縮チューブが、チューブ本体の前後両端部に補強スリーブをインサートしたものであるので、膨縮チューブの両端部をボディの外周面に接合する手段として締付バンド等を使用した場合であっても、チューブ本体が破損し難くなり、耐久性が向上する。
さらに、各パッカーを上記第3の態様とした場合、上述した第1の態様による作用効果および第2の態様による作用効果が同時に得られる。
両パッカー(2A)(2B)は、複数の鋳鉄管(P1)(P1)(P2)を接続してなる配水管(P)内にその一端開口(P10)から順次挿入されて、管(P1)(P2)どうしの継手部(P11)を間に挟むように配置される。そして、両パッカー(2A)(2B)が、それらの内部に供給された水(流体)の圧力によって膨張させられることにより、配水管(P)内に密閉空間(S)が形成される。密閉空間(S)には、管(P1)(P1)どうしの継手部(P11)が臨まされる(図9および図10参照)。
また、水圧試験装置(1)は、上記密閉空間(S)に水を供給して、継手部(P11)に所定の試験水圧を負荷する水圧試験用給水手段(4)を備えている。この試験水圧が所定時間保持され、その間に継手部(P11)からの漏水がないかどうかが、配水管(P)の外側から目視によって確認される。
膨縮チューブ(22)の内周面は、その屈曲部(221)よりも前後方向外側部分の全体、屈曲部(221)、および屈曲部よりも前後方向内側部分のうち屈曲部(221)に近接する一部分が、ボディ本体(211)の外周面に焼付によって接合されている。そして、膨縮チューブ(22)のうち焼付による接合がなされていない長さ中間部が、膨縮部(220)を構成している。また、膨縮チューブ(22)の前後両端部は、これらの周囲に巻かれた帯状バンド(B)によって更に締付固定されている。
前側のパッカー(2A)のボディ(21)は、円筒状のボディ本体(211)と、ボディ本体(211)の後端部内に嵌め込まれてビス等によってボディ本体(211)の後端部に固定された円板状の後端壁部材(212)と、ボディ本体(211)の前端開口を塞ぐようにボディ本体(211)の前端面にビス等によって固定された円板状の前端壁部材(213)とよりなる。
ボディ本体(211)の構造は、後側のパッカー(2B)のボディ本体(211)と実質的に同じであるので、詳しい説明は省略する。また、膨縮チューブ(22)、走行ガイド(23)および走行ローラ(24)についても、後側のパッカー(2B)のそれらと実質的に同じであるので、説明を省略する。
また、第1のチューブ膨張用給水ホース(31)の上記部分(311)は、金属製フレキシブルチューブ(7)によって被覆されている。金属製フレキシブルチューブ(7)は、その一端部が、後側のパッカー(2B)における前端壁部材(212)の中心部に形成された接続口部(図示略)に、ネジ部材(71)によって接続され(図2参照)、また、その他端部が、前側のパッカー(2A)における後端壁部材(212)の中心部に形成された接続口部(図示略)に、ネジ部材(71)によって接続されている。この金属製フレキシブルチューブ(7)は、第1のチューブ膨張用給水ホース(31)を保護する機能を有するとともに、両パッカー(2A)(2B)どうしの連結手段として機能するものである。
さらに、この実施形態では、金属製フレキシブルチューブ(7)の内部に、補強ワイヤ(8)が、第1のチューブ膨張用給水ホース(31)と並んで通されている。補強ワイヤ(8)の一端部は、後側のパッカー(2B)の前端壁部材(212)の接続口部を通してボディ(21)内に挿入されるとともに、後端壁部材(213)の裏面に取り付けられたスイベルボルト(81)に締結されている(図2参照)。また、補強ワイヤ(8)の他端部は、前側のパッカー(2A)の後端壁部材(212)の接続口部を通してボディ(21)内に挿入されるとともに、前端壁部材(213)の裏面に取り付けられたスイベルボルト(81)に締結されている。この補強ワイヤ(8)により、両パッカー(2A)(2B)どうしの連結強度が飛躍的に高められ、また、水圧試験時に密閉空間(S)に晒される金属製フレキシブルチューブ(7)両端のパッカー(2A)(2B)との接続部分が、試験水圧によって破損するのが防止される。
線状体(5)の先端部は、同部分に装着された筒状接続部材(51)を介して後側のパッカー(2B)の後端壁部材(213)にネジで固定されている。線状体(5)は、グラスファイバーチューブよりなり、可撓性を有しているが、長さ方向の伸縮性を有しないものとなっている。さらに、グラスファイバーチューブは、直線復元性があるため、配水管(P)内に挿入した際、後側のパッカー(2B)の後端から配水管(P)の一端開口(P10)までの距離を正確にトレースすることができる。
マーカ(6)は、線状体(5)の長さ方向所定箇所に取り付けられたエンドプレート(60)よりなる。エンドプレート(60)は、下部が切り欠かれた欠円形状のものであって、その下側縁から中心に向かって垂直なスリット(61)が形成されている。線状体(5)は、このスリット(61)に差し込まれてスリット(61)内端部、すなわちエンドプレート(60)の中心部に通される。また、線状体(5)には、エンドプレート(60)の後面に隣接するように、プレート保持体(62)が取り付けられている。プレート保持体(62)は、それぞれ横断面略半円形をした上下2つの半体(62a)(62b)よりなり、これらの半体(62a)(62b)が線状体(5)を上下から挟むように重ねられてビスで接合一体化されることにより線状体(5)に取り付けられている。また、プレート保持体(62)は、ビスによってエンドプレート(60)に取り付けられている。
なお、マーカ(6)は、この実施形態のようなエンドプレート(60)に限らず、線状体(5)の長さ方向所要位置にあることを作業者等が把握できるものであれば何でもよい。例えば、線状体(5)の長さ方向所要位置にカラーテープを巻き付けたり、塗料で着色したりして、これをマーカとすることも可能である。
水圧試験の対象とされる配水管(P)は、3つの小口径(内径約150mm)の異形管を接合してなるものである。これらの異形管は、2つの90°曲管(P1)と、1つの45°曲管(P2)とで構成されている。図9および図10は、90°曲管(P1)どうしの継手部(P11)の水圧試験の工程を示したものである。
ここで、継手部(P11)は、一方の管(P1)の挿し口(P111)が他方の管(P1)の受口(P112)に差し込まれるとともに、挿し口(P111)と受口(P112)との間が、所定幅を有するゴム製環状シール部材(P113)と、ロックリング(P114)およびその外側に配されるゴム製環状のロックリング芯出し部材(P115)とによってシールされることにより形成されている。
そして、線状体(5)に取り付けられたマーカ(6)が配水管(P)の一端開口(P10)付近に配置された時点で挿入を止めると、図9に示すように、両パッカー(2A)(2B)が継手部(P11)を間に挟んだ位置に配置される。従って、この実施形態の装置(1)では、配水管(P)内における両パッカー(2A)(2B)の挿入位置をカメラやモニター等で確認することなく、きわめて容易に両パッカー(2A)(2B)を適正な位置に配することができ、作業スピードも向上する。
試験水圧は所定時間(例えば5分程度)保持され、この間に継手部(P11)からの漏水があるかどうかを、作業者等が配水管(P)の外から目視によって確認する。また、漏水の有無は、試験水圧を示す水圧ゲージ(W34)による水圧値の異常低下の検知によっても確認することができる。漏水があった場合、管(P1)どうしの継手部(P11)を一旦分解して、不具合を解消するための補修や部品交換等を行った後、管(P1)どうしを再度接続して配水管(P)を構成し、上記と同様の手順で継手部(P11)の水圧試験をもう一度実施し、漏水の有無を確認する。
これらの図に示す膨縮チューブ(22X)は、ゴム弾性を有する材料よりなるチューブ本体(222)と、チューブ本体(222)とほぼ同じ長さを有する非伸縮性材料よりなりかつチューブ本体(222)に周方向に所定間隔をおいてインサートされた複数の調整バンド(223)とよりなる。
チューブ本体(222)は、図1〜図10に示す実施形態の装置で用いられた単体の膨縮チューブ(22)と実質的に同じ材質および形状を有するものであるので、詳しい説明は省略する。
調整バンド(223)は、図11および図12の膨縮チューブ(22X)では、計8本使用されている。これらの調整バンド(223)は、例えば所定寸法に裁断した帯状の帆布によって構成され、インサート成形によってチューブ本体(222)の厚さ中間位置に周方向等間隔おきに介在されている。調整バンド(223)のサイズは、例えば厚さ1mm程度、幅10mm程度となされる。
この変形例の膨縮チューブ(22X)によれば、調整バンド(223)によって、チューブ本体(222)の長さ方向の伸びが抑えられるとともに、径方向の伸びが一定に保持される。そのため、膨縮チューブ(22X)の膨縮部(220)にその裏側から水圧が作用した際、チューブ本体(222)が膨らみ過ぎて破裂することがなく、チューブ(22)表面を配水管(P)内面に確実に密着させて、密閉空間(S)を形成することができる。
これらの図に示す膨縮チューブ(22Y)は、ゴム弾性を有する材料よりなるチューブ本体(222)と、非伸縮性材料よりなりかつチューブ本体(222)の前後両端部にインサートされた前後2つの補強スリーブ(224)とよりなる。
チューブ本体(222)は、図11および図12に示す第1の変形例のそれと同じものである。
補強スリーブ(224)は、例えば所定寸法に裁断した帆布によって構成され、インサート成形によってチューブ本体(222)両端部の厚さ中間位置に筒状に介在される。補強スリーブ(224)のサイズは、例えば厚さ1mm程度、前後長さ50mm程度となされる。
第2の変形例の膨縮チューブ(22Y)によれば、チューブ本体(222)の前後両端部が補強スリーブ(224)によって補強されているため、バンド(8)の締付力によるチューブ本体(222)の破損を防止することができる。
(2A):前側のパッカー
(2B):後側のパッカー
(21):ボディ
(22)(22X)(22Y):膨縮チューブ
(222):チューブ本体
(223):調整バンド
(224):補強スリーブ
(23):走行ガイド
(24):走行ローラ
(31):第1のチューブ膨張用給水ホース(第1のチューブ膨張用流体供給ホース)
(311)両パッカーのボディどうしの間に位置する部分(連結手段)
(32):第2のチューブ膨張用給水ホース(第2のチューブ膨張用流体供給ホース)
(4):水圧試験用給水ホース(耐圧試験用流体供給手段)
(5):線状体
(6):パッカー挿入位置検知用マーカ
(7):金属製フレキシブルチューブ(連結手段)
(8):補強ワイヤ(連結手段)
(9):エアチューブ
(P):配水管(配管)
(P1)(P2):異形管
(P11):継手部
(S):密閉空間
Claims (8)
- 複数の管を接続してなる配管内にその一端開口から順次挿入されて管どうしの継手部を間に挟むように配置され、かつ内部に供給された流体の圧力によって膨張させられることにより、配管内に密閉空間を形成する前後2つのパッカーと、
形成された密閉空間に流体を供給して継手部に所定の試験圧力を負荷する耐圧試験用流体供給手段とを備えており、
2つのパッカーは、可撓性を有する所定長さの連結手段によって連結されており、
各パッカーの両端部に、配管内面を滑動しうるソリ型の走行ガイドが周方向に間隔をおいて複数ずつ設けられ、各走行ガイドに、配管内面を転動しうる走行ローラが設けられている、配管用耐圧試験装置。 - 後側のパッカーの後端部に、可撓性を有するが長さ方向の伸縮性を有しない線状体の一端が接続され、この線状体の長さ方向所定箇所に、両パッカーが配管に挿入されて継手部を間に挟むように配置された時に配管の一端開口付近に位置させられるパッカー挿入位置検知用マーカが設けられている、請求項1記載の配管用耐圧試験装置。
- 各パッカーが、前後両端が端壁によって閉鎖された円筒状のボディと、ボディの外周面に嵌め被せられかつ前後両端部がボディの外周面に接合された膨縮チューブとを有しており、
膨縮チューブが、ゴム弾性を有する材料よりなるチューブ本体と、チューブ本体とほぼ同じ長さを有する非伸縮性材料よりなりかつチューブ本体に周方向に所定間隔をおいてインサートされた複数の調整バンドとよりなる、請求項1または2記載の配管用耐圧試験装置。 - 各パッカーが、前後両端が端壁によって閉鎖された円筒状のボディと、ボディの外周面に嵌め被せられかつ前後両端部がボディの外周面に接合された膨縮チューブとを有しており、
膨縮チューブが、ゴム弾性を有する材料よりなるチューブ本体と、非伸縮性材料よりなりかつチューブ本体の前後両端部にインサートされた前後2つの補強スリーブとよりなる、請求項1または2記載の配管用耐圧試験装置。 - 各パッカーが、前後両端が端壁によって閉鎖された円筒状のボディと、ボディの外周面に嵌め被せられかつ前後両端部がボディの外周面に接合された膨縮チューブとを有しており、
膨縮チューブが、ゴム弾性を有する材料よりなるチューブ本体と、チューブ本体とほぼ同じ長さを有する非伸縮性材料よりなりかつチューブ本体に周方向に間隔をおいてインサートされた複数の調整バンドと、非伸縮性材料よりなりかつチューブ本体の前後両端部にインサートされた前後2つの補強スリーブとよりなる、請求項1または2記載の配管用耐圧試験装置。 - 前側のパッカーに、その膨縮チューブを膨張させるための流体を、配管の一端開口から後側のパッカーのボディの前後端壁ならびに前側のパッカーのボディの後端壁および周壁を貫通して、膨縮チューブの裏面側に供給する第1のチューブ膨張用流体供給ホースが接続され、
後側のパッカーに、その膨縮チューブを膨張させるための流体を、配管の一端開口から後側のパッカーのボディの後端壁および周壁を貫通して、膨縮チューブの裏面側に供給する第2のチューブ膨張用流体供給ホースが接続され、
両パッカーを連結する連結手段が、少なくとも、第1のチューブ膨張用流体供給ホースのうち両パッカーのボディどうしの間に位置する部分によって構成されている、請求項1〜5のいずれか1つに記載の配管用耐圧試験装置。 - 連結手段として、第1のチューブ膨張用流体供給ホースのうち両パッカーのボディどうしの間に位置する部分の外側に被せられかつ両端が両パッカーのボディに接続された金属製フレキシブルチューブをさらに備えている、請求項6記載の配管用耐圧試験装置。
- 連結手段として、金属製フレキシブルチューブの内部に第1の流体供給ホースと並んで通されかつ両端が両パッカーのボディに接続固定された補強ワイヤをさらに備えている、請求項7記載の配管用耐圧試験装置。
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