(第1の実施形態)
以下、パチンコ遊技機に具体化した第1の実施形態を図1〜図5にしたがって説明する。
図1に示すように、遊技機としてのパチンコ遊技機10には、遊技盤Yが備えられている。パチンコ遊技機10の前面側には、遊技盤Yへ遊技球を発射させるときに遊技者によって操作される発射ハンドルHDが配設されている。遊技盤Yの中央には、画像表示部GHを有する表示装置としての演出表示装置11が配設されている。演出表示装置11の画像表示部GHは、例えば液晶ディスプレイ型の表示部である。
遊技盤Yにおいて演出表示装置11の右下方には、複数の発光部によって構成される特別図柄表示装置12が配設されている。特別図柄表示装置12では、特別図柄を変動させて行う変動ゲームが行われる。以下の説明では、特別図柄を用いる変動ゲームを「特別図柄変動ゲーム」と示す。特別図柄は、当りか否かの内部抽選(後述する当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。
特別図柄表示装置12は、発光部を点灯及び消灯することにより特別図柄を表示する。特別図柄表示装置12では、特別図柄変動ゲームの開始と同時に特別図柄の変動表示が開始されるとともに、特別図柄変動ゲームの終了と同時に特別図柄が確定停止表示される。「変動表示」とは、図柄を表示する表示領域内において、表示される図柄の種類が変化している状態である。「確定停止表示」とは、前記表示領域内において図柄が確定停止している状態であり、変動ゲーム終了時に表示されている図柄(最終図柄)で確定停止した状態である。本実施形態の特別図柄変動ゲームでは、当り抽選の結果に応じた表示結果として、複数種類の特別図柄の中から選択された特別図柄が確定停止表示される。特別図柄は、当りを認識し得る当り図柄と、はずれを認識し得るはずれ図柄とに分類される。
一方、演出表示装置11では、表示演出が行われる。具体的に言えば、演出表示装置11では、表示演出の1つとして、複数種類の飾り図柄を複数の図柄列(本実施形態では3列)で変動させて図柄組み合わせを表示(導出)する図柄変動演出としての変動ゲームが行われる。以下の説明では、飾り図柄を用いる変動ゲームを「飾り図柄変動ゲーム」と示す。飾り図柄は、表示演出を多様化するために用いられる演出用の図柄(演出図柄)である。
演出表示装置11では、特別図柄変動ゲームの開始と同時に飾り図柄の変動表示が開始される。また、演出表示装置11では、特別図柄変動ゲームの終了前に飾り図柄が一旦停止表示されるとともに、特別図柄変動ゲームの終了と同時又はほぼ同時に飾り図柄が確定停止表示される。なお、「一旦停止表示」とは、例えばゆれ変動状態など、前記表示領域内において図柄が再び変動表示される可能性があることを示す状態である。
演出表示装置11には、特別図柄変動ゲームの表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的に言えば、特別図柄変動ゲームで当り図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にも当り図柄が確定停止表示される。本実施形態において、飾り図柄による当り図柄は、演出表示装置11に確定停止表示された全列の飾り図柄が同一となる図柄組み合わせとされている。また、特別図柄変動ゲームではずれ図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にもはずれ図柄が確定停止表示される。本実施形態において、飾り図柄によるはずれ図柄は、演出表示装置11に確定停止表示された全列の飾り図柄が同一でない図柄組み合わせとされている。
本実施形態の飾り図柄変動ゲームでは、演出表示装置11において遊技者側から見て左図柄列(左図柄)→右図柄列(右図柄)→中図柄列(中図柄)の順に飾り図柄が一旦停止表示される。そして、一旦停止表示された左図柄と右図柄が同一の場合には、その図柄組み合わせ(「1↓1」など、「↓」は変動中を示す)からリーチを認識できる。リーチの状態は、全図柄列のうち、特定列(本実施形態では左図柄列と右図柄列)の飾り図柄が同一となって一旦停止表示され、かつ前記特定列以外の列(本実施形態では中列)の飾り図柄が変動表示されている状態である。本実施形態では、リーチを認識できる図柄組み合わせが飾り図柄によるリーチの図柄組み合わせとなる。
また、本実施形態の演出表示装置11では、飾り図柄変動ゲームにおいてリーチの図柄組み合わせが形成されてから、最終的に図柄組み合わせが一旦停止表示されるまでの間に、表示演出の1つとしてリーチ演出を実行可能である。
遊技盤Yにおいて演出表示装置11の下方には、遊技球が入球可能な入球口を有する始動口13が配設されている。始動口13の奥方には、入球した遊技球を検知する始動センサSE(図2に示す)が設けられている。パチンコ遊技機10では、始動口13へ入球した遊技球が始動センサSEによって検知されることを契機として、特別図柄変動ゲームの始動条件を付与し得る。
また、始動口13は、普通電動役物ソレノイドSOL1(図2に示す)の作動により開閉動作を行う開閉羽根(普通電動役物)14を有している。開閉羽根14は、遊技球が入球容易な開状態、及び遊技球が入球困難な閉状態に動作可能である。開閉羽根14は、常には閉状態に制御されており、予め定めた開放条件が成立すると、1回又は複数回だけ予め定めた開放時間の間、開状態に制御される。
遊技盤Yにおいて始動口13の下方には、大入賞ソレノイドSOL2(図2に示す)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉15を備えた大入賞口16が配設されている。大入賞口16の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントセンサCS(図2に示す)が設けられている。パチンコ遊技機10では、大入賞口16へ入球した遊技球がカウントセンサCSによって検知されることを契機として、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。パチンコ遊技機10では、当り抽選に当選し、特別図柄変動ゲームにて当り図柄が確定停止表示された後に当り遊技が付与される。当り遊技では、大入賞口扉15が開状態となり、大入賞口16への遊技球の入球が許容される。このため、当り遊技中、遊技者は、大入賞口16へ遊技球を入球させることによって多数の賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。
遊技盤Yにおいて演出表示装置11の右下方には、複数の発光部によって構成される保留表示装置17が配設されている。保留表示装置17では、始動条件が付与されたが未だ実行されていない保留中の特別図柄変動ゲームの回数が表示される。以下の説明では、保留中の特別図柄変動ゲームの回数を「特別図柄保留数」と示す。
遊技盤Yにおいて演出表示装置11の右下方には、複数の発光部によって構成される普通図柄表示装置18が配設されている。普通図柄表示装置18では、普通図柄を変動させて行う普通図柄の変動ゲームが実行される。普通図柄は、普通当りか否かの内部抽選(普通当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。普通図柄表示装置18は、発光部を点灯及び消灯することにより普通図柄を表示する。そして、普通図柄表示装置18では、普通図柄変動ゲームの開始と同時に普通図柄の変動表示が開始されるとともに、普通図柄変動ゲームの終了と同時に普通図柄が確定停止表示される。本実施形態の普通図柄変動ゲームでは、普通当り抽選の結果に応じた表示結果として普通図柄が確定停止表示される。普通図柄は、普通当りを認識し得る普通当り図柄と、普通はずれを認識し得る普通はずれ図柄とに分類される。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、普通当り抽選に当選し、普通図柄変動ゲームにて普通当り図柄が確定停止表示された後に普通当り遊技が付与される。普通当り遊技では、開閉羽根14が開状態となり、始動口13へ遊技球を入球させ易くなる。このため、普通当り遊技中、遊技者は、特別図柄変動ゲームの始動条件を容易に獲得できるチャンスを得ることができる。
遊技盤Yにおいて演出表示装置11の左方には、作動ゲート19が配設されている。作動ゲート19には、入球(通過)した遊技球を検知するゲートセンサGS(図2に示す)が設けられている。パチンコ遊技機10では、作動ゲート19へ入球した遊技球がゲートセンサGSによって検知されることを契機として、普通図柄変動ゲームの始動条件を付与し得る。本実施形態のパチンコ遊技機10は、普通図柄変動ゲームの実行を保留可能に構成されている。
次に、本実施形態のパチンコ遊技機10の電気的構成について説明する。
図2に示すように、パチンコ遊技機10には、主制御手段としての主制御基板30が搭載されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機10における遊技などに関する処理を実行するとともに、該処理の結果に応じて各種の制御信号(制御コマンド)を出力する。また、パチンコ遊技機10には、副制御手段としての副制御基板31が搭載されている。副制御基板31は、主制御基板30から一方向で情報(制御信号)が送信されるように主制御基板30と電気的に接続されている。そして、副制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき遊技演出の実行などに関する処理を実行する。即ち、副制御基板31は、演出表示装置11の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)、発光装置としての装飾ランプLaの発光態様、及び音声出力装置としてのスピーカSpの音声出力態様を制御する。装飾ランプLaは、例えば遊技盤Yの前方に位置する前枠や遊技盤Yに設けられているとともに、スピーカSpは、例えば前枠に設けられている。
主制御基板30には、主制御用CPU30aは、主制御用ROM30b、主制御用RAM30c、及び乱数生成回路30dが備えられている。主制御用CPU30aには、主制御用ROM30b、主制御用RAM30c、及び乱数生成回路30dが接続されている。また、主制御用CPU30aには、各種センサSE,CS,GS、特別図柄表示装置12、保留表示装置17、及び普通図柄表示装置18が接続されている。また、主制御用CPU30aには、各種アクチュエータ(普通電動役物ソレノイドSOL1、大入賞ソレノイドSOL2など)が接続されている。
主制御用ROM30bには、主制御用CPU30aが遊技に関する処理を実行するためのメイン制御プログラムが記憶されている。また、主制御用ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、特別図柄が変動を開始してから特別図柄が確定停止表示される迄の間の遊技演出のベースとなるパターンを示すものである。変動パターンは、特別図柄の変動が開始されてから特別図柄が確定停止表示される迄の変動時間(演出時間)を特定可能である。また、変動パターンは、特別図柄の変動が開始されてから特別図柄が確定停止表示される迄の遊技演出の変動内容(演出内容)を特定可能である。
変動パターンは、当り演出用の変動パターンと、はずれ演出用の変動パターンとに分類可能である。当り演出は、当り抽選に当選した場合に行われる演出であって、特別図柄変動ゲームにおいては最終的に当り図柄が導出される。はずれ演出は、当り抽選に当選しなかった場合に行われる演出であって、特別図柄変動ゲームにおいては最終的にはずれ図柄が導出される。なお、はずれ演出の変動パターンに基づく飾り図柄変動ゲームでは、リーチ演出が行われてはずれとなる場合と、リーチ演出が行われずにはずれとなる場合と、がある。
また、主制御用ROM30bには、各種の判定値が記憶されている。判定値には、当り抽選に用いる当り判定値、普通当り抽選に用いる普通当り判定値、リーチ演出の実行を許容するか否かのリーチ抽選に用いるリーチ判定値などを含む。また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグ等)が記憶される。
主制御用CPU30aは、各種のソフトウェア乱数の値を所定の制御周期(割込み周期)毎に更新し、主制御用RAM30cに記憶させる乱数更新処理(ソフトウェア乱数生成処理)を実行する。ソフトウェア乱数には、リーチ抽選に用いるリーチ乱数、特別図柄の当り図柄を決定するときに用いる当り図柄乱数、変動パターンを振り分けるときに用いる変動パターン振分乱数などを含む。乱数生成回路30dは、マイクロプロセッサに搭載された図示しないクロック回路から供給される内部システムクロック(例えば10MHz)の1周期毎に値を1更新することにより、ハードウェア乱数を生成する。ハードウェア乱数は、当り抽選に用いる当り乱数や、普通当り抽選に用いる普通当り乱数となる。
一方、副制御基板31には、副制御用CPU31a、副制御用ROM31b、及び副制御用RAM31cが備えられている。副制御用CPU31aには、副制御用ROM31b及び副制御用RAM31cが接続されている。また、副制御用CPU31aには、演出表示装置11、装飾ランプLa、及びスピーカSpが接続されている。
副制御用ROM31bには、副制御用CPU31aが各種演出の実行などに関する処理を実行するための演出制御プログラムが記憶されている。副制御用ROM31bには、表示演出用の制御情報として表示パターン情報(図柄、背景画像、文字、及びキャラクタなどの各種の画像データ)、音声演出用の制御情報として音声パターン情報(楽曲や効果音などの音声データ)、及び発光演出用の制御情報として発光パターン情報(点灯パターンなどの発光データ)が記憶されている。また、副制御用RAM31cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグ等)が記憶される。
また、副制御基板31には、計時手段としてのリアルタイムクロック(RTC)31dが備えられている。リアルタイムクロック31dは、時刻を計時する。また、副制御基板31には、パチンコ遊技機10の電源断後に電力を供給可能なバックアップ電源が搭載されている。バックアップ電源は、例えばキャパシタや二次電池である。これにより、リアルタイムクロック31dは、パチンコ遊技機10に電源が供給されている時にはパチンコ遊技機10から電力供給を受けて動作し、時刻を計時する。一方、リアルタイムクロック31dは、パチンコ遊技機10の電源断がなされた後にはバックアップ電源から電力供給を受けて動作する。なお、リアルタイムクロック31dは、現在の日にち(年、月、日、及び曜日)を計測することもできる。
次に、主制御基板30が実行する制御内容を説明する。
主制御基板30の主制御用CPU30aは、メイン制御プログラムに基づき特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理を実行する。主制御用CPU30aは、所定の制御周期(例えば4ms)毎に特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理を実行する。
最初に、特別図柄入力処理について説明する。
主制御用CPU30aは、始動口13に遊技球が入球したか否かを判定する。この判定において、主制御用CPU30aは、始動センサSEが遊技球を検知したときに出力する検知信号を入力したか否かを判定する。主制御用CPU30aは、始動口13に遊技球が入球していない場合、特別図柄入力処理を終了する。
一方、主制御用CPU30aは、始動口13に遊技球が入球した場合、主制御用RAM30cに記憶されている特別図柄保留数が上限数の4未満であるか否かを判定する。当該判定において主制御用CPU30aは、特別図柄保留数が上限数の4未満ではない場合、すなわち上限数の4に達している場合、特別図柄入力処理を終了する。一方、主制御用CPU30aは、特別図柄保留数が上限数の4未満である場合、特別図柄保留数に1加算し、特別図柄保留数を書き換える。このとき、主制御用CPU30aは、1加算後の特別図柄保留数を表示するように保留表示装置17の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、1加算後の特別図柄保留数を特定可能な保留数コマンドを副制御用CPU31aに出力する。
続いて、主制御用CPU30aは、各種乱数の値を取得するとともに、該取得した各種乱数の値を特定可能な乱数情報を、主制御用RAM30cに記憶させる。乱数情報は、乱数の値によって構成されていても良いし、乱数の値を当該値を特定可能な他の情報に変換した情報によって構成されていても良い。また、主制御用CPU30aは、乱数情報を記憶させる場合、その乱数の値の取得契機となった遊技球の入球順序(情報の記憶順序)と、先に入球した遊技球の入球順序(情報の記憶順序)とが特定可能なように主制御用RAM30cに記憶させる。なお、主制御用CPU30a、この処理において当り乱数の値を乱数生成回路30dから取得するとともに、当り図柄乱数の値、リーチ抽選乱数の値、及び変動パターン振分乱数の値を主制御用RAM30cから取得する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
次に、特別図柄開始処理について説明する。
主制御用CPU30aは、特別図柄変動ゲームの開始条件が成立したか否かを判定する。この判定において主制御用CPU30aは、特別図柄変動ゲームの実行中ではなく、且つ当り遊技中ではない場合に開始条件が成立したと判定する一方で、特別図柄変動ゲームの実行中、又は当り遊技中である場合に開始条件が成立していないと判定する。そして、主制御用CPU30aは、開始条件が成立していない場合、特別図柄開始処理を終了する。
一方、主制御用CPU30aは、特別図柄変動ゲームの開始条件が成立している場合、主制御用RAM30cから特別図柄保留数を読み出し、その読み出した特別図柄保留数が0(零)よりも大きいか否か判定する。そして、主制御用CPU30aは、特別図柄保留数が0よりも大きくない場合、すなわち0の場合、デモンストレーション演出を実行させるための処理を行う。デモンストレーション演出は、パチンコ遊技機10が待機状態であることを演出表示装置11などの装置を利用して報知し、客寄せ効果を得るための演出である。当該処理において主制御用CPU30aは、副制御基板31に対して、デモンストレーション演出の実行を開始させるデモ指定コマンドを出力する。
一方、主制御用CPU30aは、特別図柄保留数が0よりも大きい場合、特別図柄保留数を1減算し、特別図柄保留数を書き換える。このとき、主制御用CPU30aは、1減算後の特別図柄保留数を表示するように保留表示装置17の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、1減算後の特別図柄保留数を特定可能な保留数コマンドを副制御用CPU31aに出力する。
次に、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報(当り乱数、当り図柄乱数、リーチ抽選乱数、及び変動パターン振分乱数の乱数情報)を取得する。そして、主制御用CPU30aは、取得した乱数情報から特定される当り乱数の値と当り判定値とを比較し、当り抽選を行う。当り抽選では、当り乱数の値と当り判定値とが一致することによって当りに当選する。上記当り抽選を行う主制御用CPU30aは、当り抽選手段として機能する。
当り抽選に当選した場合、主制御用CPU30aは、当り処理を行う。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、取得した乱数情報から特定される当り図柄乱数の値に基づき、特別図柄の当り図柄を決定する。この決定した当り図柄が、特別図柄表示装置12にて確定停止表示される確定停止図柄となる。また、主制御用CPU30aは、取得した乱数情報から特定される変動パターン振分乱数の値に基づき、当り演出用の変動パターンを決定する。
一方、当り抽選に当選しなかった場合、主制御用CPU30aは、はずれ処理を行う。はずれ処理において主制御用CPU30aは、取得した乱数情報から特定されるリーチ乱数の値とリーチ判定値とを比較し、リーチ抽選を行う。リーチ抽選では、リーチ乱数の値とリーチ判定値とが一致することによってリーチに当選する。
はずれ処理において主制御用CPU30aは、特別図柄のはずれ図柄を決定する。この決定したはずれ図柄が、特別図柄表示装置12にて確定停止表示させる確定停止図柄となる。そして、主制御用CPU30aは、リーチ抽選に当選している場合、取得した乱数情報から特定される変動パターン振分乱数の値に基づき、はずれ演出用の変動パターンの中からリーチ演出を行う変動パターンを決定する。一方、主制御用CPU30aは、リーチ抽選に当選していない場合、取得した乱数情報から特定される変動パターン振分乱数の値に基づき、はずれ演出用の変動パターンの中からリーチ演出を行わない変動パターンを決定する。
上記のように当り処理又ははずれ処理を行った主制御用CPU30aは、副制御基板31に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、変動ゲームに関する各種処理を実行する。最初に、主制御用CPU30aは、変動パターンを指示するとともに飾り図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを出力する。また、主制御用CPU30aは、特別図柄を変動開始させるように特別図柄表示装置12の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、特別図柄変動ゲームの変動時間の計測を開始する。また、主制御用CPU30aは、特別図柄を指示する特別図柄指定コマンドを出力する。そして、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
なお、特別図柄開始処理とは別の処理で、主制御用CPU30aは、指定した変動パターンに定められている変動時間の経過時に、決定している確定停止図柄を確定停止表示させるように特別図柄表示装置12の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、指定した変動パターンに定められている変動時間の経過時に、飾り図柄の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
次に、当り遊技処理について説明する。
当り遊技処理において、主制御用CPU30aは、最初にオープニング演出の実行を指示するオープニングコマンドを出力する。次に、主制御用CPU30aは、オープニング時間の経過後、ラウンド遊技を開始させる毎に、ラウンド遊技の開始を指示するラウンドコマンドを出力する。また、主制御用CPU30aは、大入賞ソレノイドSOL2を制御することにより、ラウンド遊技の開始に伴って大入賞口扉15を開動作させて大入賞口16を開放させるとともに、予め定めたラウンド終了条件の成立を契機に大入賞口扉15を閉動作させて大入賞口16を閉鎖させる。ラウンド終了条件には、1回のラウンド遊技中に所定個数(例えば8球)の遊技球が入球したこと、及び所定のラウンド遊技時間が経過したことを含み、何れかの条件が成立したことを契機にラウンド遊技が終了する。そして、主制御用CPU30aは、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング演出の実行を指示するエンディングコマンドを出力する。主制御用CPU30aは、エンディング時間の経過時にエンディング演出を終了させることによって当り遊技を終了させる。
次に、演出制御プログラムに基づいて、副制御基板31の副制御用CPU31aが実行する各種処理について説明する。副制御用CPU31aは、主制御用CPU30aから制御コマンドを入力すると、その制御コマンドに応じて各種処理を実行する。
最初に、飾り図柄変動処理について説明する。
飾り図柄変動処理において、副制御用CPU31aは、特別図柄指定コマンドを入力すると、特別図柄指定コマンドにより指定された最終図柄に基づき、演出表示装置11に確定停止表示させる飾り図柄による図柄組み合わせを決定する。副制御用CPU31aは、特別図柄指定コマンドにより指定された最終図柄が当り図柄である場合には、当りの図柄組み合わせを決定する。また、副制御用CPU31aは、指定された最終図柄がはずれ図柄である場合には、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに基づいて演出表示装置11に確定停止表示させる飾り図柄による図柄組み合わせを決定する。具体的に言えば、副制御用CPU31aは、指定された最終図柄がはずれ図柄である場合であって、リーチ演出を行うはずれ演出用の変動パターンが指定されたときには、はずれリーチの図柄組み合わせを決定する。また、副制御用CPU31aは、指定された最終図柄がはずれ図柄である場合であって、リーチ演出を行わないはずれ演出用の変動パターンが指定されたときには、はずれの図柄組み合わせを決定する。
また、副制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、全図柄列の飾り図柄の変動表示を開始させ、飾り図柄変動ゲームを開始させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。副制御用CPU31aは、入力した変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに基づいて、飾り図柄変動ゲームの具体的な演出内容を特定可能な表示パターン情報を選択するとともに、該選択した表示パターン情報に基づく飾り図柄変動ゲームが実行されるように演出表示装置11の表示内容を制御する。そして、副制御用CPU31aは、全図柄停止コマンドの入力を契機として、決定した飾り図柄を確定停止表示させるように演出表示装置11を制御する。このように、副制御用CPU31aは、主制御用CPU30aが選択した変動パターンに基づいて演出表示装置11を制御し、飾り図柄変動ゲームを表示させるゲーム制御手段として機能する。
副制御用CPU31aは、上記した飾り図柄変動処理の他に、主制御用CPU30aが出力した制御コマンドの入力によって処理を行う。
副制御用CPU31aは、保留数コマンドを入力すると、当該保留数コマンドから特定される特別図柄保留数に応じた数の保留表示を行うように演出表示装置11の表示内容を制御する。また、副制御用CPU31aは、デモ指定コマンドを入力すると、デモンストレーション演出を実行させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。また、副制御用CPU31aは、オープニングコマンドを入力すると、オープニング演出を実行させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。また、副制御用CPU31aは、ラウンドコマンドを入力すると、ラウンド演出を実行させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。また、副制御用CPU31aは、エンディングコマンドを入力すると、エンディング演出を実行させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。
上記のように構成された本実施形態のパチンコ遊技機10は、遊技場への設置後、最初に電源投入が行われてから出現可能な演出(以下、「通常演出」と示す場合がある)と、設置後、具体的に言えば最初の電源投入後から予め定めた解禁条件の成立を契機に出現可能な演出(以下、「特別演出」と言う場合がある)と、を有する。最初に電源投入が行われてから出現可能とは、その対象となる演出の実行に用いる制御情報を制御手段(この実施形態では副制御用CPU31a)が使用することを許可していることによって実現される。一方、解禁条件の成立を契機に出現可能とは、その対象となる演出の実行に用いる制御情報は設置段階で保有しているが、その制御情報を制御手段が使用することを禁止している状態であって、解禁条件の成立によって前記制御情報を制御手段が使用することを禁止している状態から許可している状態へ解禁することによって実現される。つまり、制御情報を使用許可の状態とすることは、演出の出現を解禁することと同じ意味である。
この実施形態において解禁条件は、最初に電源投入が行われてから予め定めた特定時間の到来(経過)によって成立する。特定時間は、例えば最初に電源投入が行われてから100時間や200時間というように設定される時間である。そして、この実施形態において特定時間は、副制御基板31に備えるリアルタイムクロック31dを用いて計時される。つまり、最初に電源投入が行われた時刻を基準時刻とし、その基準時刻と現時刻とを用いて算出される基準時刻からの経過時間が特定時間に達すると解禁条件が成立する。このように時間を算出する場合、経過時間は、最初に電源投入が行われてからの累積時間となり、遊技場が営業している時間と遊技場が営業していない時間とが合算された時間として算出される。
以下、特別演出を出現させるための構成について説明する。
パチンコ遊技機10で行われる演出には、前述したように表示演出と、音声演出と、発光演出と、を含む。そして、1つの演出を実行させる際には、制御情報としての表示パターン情報、音声パターン情報、及び発光パターン情報のうち何れか一つの情報を用いる場合もあれば、これらの情報を組み合わせて用いる場合もある。具体的に例示すれば、表示の内容や発光の内容に関係なく、効果音を出力させる演出であれば、音声パターン情報を用いて演出を実行させることができる。また、表示の内容に同調させて音声を出力させる演出であれば、表示パターン情報と音声パターン情報を用いて演出を実行させることができる。
図3に示すように、この実施形態のパチンコ遊技機10は、特別演出として複数種類の演出YA,YB,YC,YD,YEを出現させることができる。そして、各演出YA〜YEを実行させるためには、前述したように必要な制御情報が異なっており、演出YA〜YE毎に必要な制御情報が対応付けられている。
具体的に言えば、演出YAは、表示パターン情報AHと、音声パターン情報AMと、発光パターン情報ALと、が必要な制御情報として対応付けられている。演出YBは、音声パターン情報BMと、発光パターン情報BLと、が必要な制御情報として対応付けられている。演出YCは、表示パターン情報CHと、音声パターン情報CMと、発光パターン情報CLと、が必要な制御情報として対応付けられている。演出YDは、発光パターン情報DLが必要な制御情報として対応付けられている。演出YEは、表示パターン情報EHと、音声パターン情報EMと、発光パターン情報ELと、が必要な制御情報として対応付けられている。
これらの特別演出に必要な制御情報は、通常演出に必要な制御情報に加えて、記憶部としての副制御用ROM31bに記憶されている。また、演出制御プログラムは、特別演出に必要な制御情報が特定できるようにプログラミングされている。また、特別演出は、例えば特定の変動パターンに基づく飾り図柄変動ゲーム中や当り遊技中など、出現可能な時期が定められており、その時期が特定できるように演出制御プログラムはプログラミングされている。
また、図4に示すように、この実施形態のパチンコ遊技機10では、特別演出をグループ分けしており、そのグループ毎に解禁条件と、その解禁条件が成立したことを契機に出現可能とする演出の種類が定められている。この実施形態において特別演出は、4つのグループG1,G2,G3,G4に分けられている。
グループG1は、特定時間T1の到来によって演出YAを出現可能に解禁するグループである。グループG2は、特定時間T1よりも経過時間が長い特定時間T2の到来によって演出YB,YCを出現可能に解禁するグループである。グループG3は、特定時間T2よりも経過時間が長い特定時間T3の到来によって演出YDを出現可能に解禁するグループである。グループG4は、特定時間T3よりも経過時間が長い特定時間T4の到来によって演出YEを出現可能に解禁するグループである。このようなグループ分けによれば、最初に電源投入が行われてからの時間経過により、演出YA→演出YB,YC→演出YD→演出YEの順に、出現可能な状態とされる。この実施形態では、図4に示すように同一の解禁条件のもとで出現可能な演出が事前にグループ分けされていることで、制御情報を所定条件としての解禁条件のもとでグループに分けることができる。なお、演出制御プログラムは、前述したグループ分けについても特定できるようにプログラミングされている。
以下、解禁条件の成立を契機に演出を出現可能に解禁するための制御内容をその作用とともに説明する。
副制御基板31の副制御用CPU31aは、パチンコ遊技機10に最初に電源投入が行われた場合、その時にリアルタイムクロック31dが計時している時刻情報を取得し、その時刻情報を基準時刻情報として副制御用RAM31cに記憶させる。この実施形態のパチンコ遊技機10では、副制御基板31にバックアップ機能を有する。これにより、リアルタイムクロック31dから取得した時刻情報は、副制御基板31に搭載されているバックアップ電源から電力が供給され、電源断後も副制御用RAM31cに記憶保持されている。また、副制御用CPU31aは、電源投入に伴って主制御基板30が出力する電源投入時コマンドを最初に入力したことをもとに、最初に電源投入が行われたと判断する。
そして、副制御用CPU31aは、最初の電源投入が行われた以降、所定の周期毎にリアルタイムクロック31dが計時している時刻情報を取得するとともに、その取得した取得時刻情報と基準時刻情報とをもとに、現在までの経過時間を算出する。なお、取得時刻情報を取得する周期は、例えば副制御用CPU31aの制御周期毎でも良いし、あるいは所定の時間毎でも良い。所定の時間毎に取得する場合、副制御用CPU31aは、タイマ機能を用いることによってソフト的に時間を計測する。例えば、副制御用CPU31aは、制御周期の到来毎にタイマのカウント値を更新し、そのカウント値が所定の時間に相当する値に達したことを契機に取得時刻情報を取得する。
次に、時刻情報から経過時間を算出した副制御用CPU31aは、その経過時間に一致する特定時間が存在するか否かを判定する。そして、副制御用CPU31aは、一致する特定時間が存在しない場合、現時点において解禁条件は成立していないことを判定する。一方、副制御用CPU31aは、一致する特定時間が存在する場合、解禁条件を成立させる特定時間が到来していることを判定し、その特定時間の到来を契機に対応する演出を出現可能に解禁させる。具体的に言えば、副制御用CPU31aは、解禁条件が成立した特定時間に対応するグループを抽出する。例えば、副制御用CPU31aは、特定時間T1の到来によって解禁条件が成立した場合、図4から特定できるようにグループG1を抽出する。そして、副制御用CPU31aは、抽出したグループによって出現可能な演出に必要な制御情報を、使用禁止の状態から使用許可の状態へ解禁する。例えば、副制御用CPU31aは、前述した例のようにグループG1を抽出した場合、演出YAに必要な制御情報として、図3から特定できるように表示パターン情報AHと、音声パターン情報AMと、発光パターン情報ALと、を使用許可の状態へ解禁する。なお、副制御用CPU31aは、解禁したグループ、すなわち出現可能とした演出を特定できるように解禁情報を副制御用RAM31cに記憶させる。この解禁情報は、基準時刻情報とともに電源断後も記憶保持されている。
演出制御プログラムは、解禁された演出の制御情報を用いることができるようにプログラミングされている。例えば、演出制御プログラムは、解禁された演出が飾り図柄変動ゲームで出現可能なリーチ演出であれば、当該リーチ演出の演出内容を選択できるように乱数の振分けなどがプログラミングされている。この例の場合、解禁された演出は特定の変動パターンに対して選択可能なサブ振分け用の演出であり、演出制御プログラムは解禁前に選択可能な演出を振分けたテーブルと解禁後に選択可能な演出を振分けたテーブルとを特定できるようにプログラミングされている。
また、演出制御プログラムは、例えば解禁された演出が当り遊技中に出現可能な演出(例えば、ラウンド演出)であれば、当該演出の演出内容を選択できるようにプログラミングされている。この例の場合、当り遊技中の演出は、解禁後の演出を加えて選択できるように振分けられていても良いし、解禁後に当り遊技中の演出を入れ換えるようにしても良い。また、演出制御プログラムは、例えば解禁された演出が演出説明を行うテロップ表示などの情報報知であって、飾り図柄変動ゲームや当り遊技など他の演出の進度に関係なく行われる演出であれば、解禁された情報報知の出現タイミングなどが特定できるようにプログラミングされている。
そして、副制御用CPU31aは、解禁情報と演出制御プログラムをもとに、解禁情報から特定される解禁された演出の制御情報を用いて当該演出を出現させるための制御を行う。これにより、この実施形態では、上記各情報及び演出制御プログラムをもとに、演出の出現を解禁させるとともに、その解禁された演出の制御情報を用いて制御を行う副制御用CPU31aが、解禁部及び制御部としてそれぞれ機能する。
図5は、図4に示す解禁条件の成立を契機に演出が解禁される態様を示す。
図5に示すように、最初に電源が投入されてから特定時間T1が経過する迄の間、パチンコ遊技機10では、通常演出に位置付けられる演出が出現可能な状態とされる。つまり、副制御用CPU31aは、特定時間T1が経過する迄の間、通常演出の中から出現させる演出を選択するとともに、使用許可の状態にある通常演出の制御情報を用いて制御を行う。これにより、パチンコ遊技機10では、副制御用CPU31aの制御によって通常演出が実行される。
そして、特定時間T1の到来によって解禁条件が成立すると、パチンコ遊技機10では、特別演出に位置付けられるグループG1に属する演出YAが出現可能な状態とされる。つまり、副制御用CPU31aは、演出YAを出現させるための制御情報を用いることができるようになる。これにより、パチンコ遊技機10では、副制御用CPU31aの制御によって通常演出に加えて演出YAが実行される。出現可能な演出に通常演出と演出YAを含む期間は、図5に示すように、次の解禁条件が成立するまでの期間、すなわち特定時間T1〜特定時間T2である。
次に、特定時間T2の到来によって解禁条件が成立すると、パチンコ遊技機10では、特別演出に位置付けられるグループG2に属する演出YB,YCが出現可能な状態とされる。つまり、副制御用CPU31aは、演出YB,YCを出現させるための制御情報を用いることができるようになる。これにより、パチンコ遊技機10では、副制御用CPU31aの制御によって通常演出及び演出YAに加えて、演出YB,YCが実行される。出現可能な演出に通常演出及び演出YA,YB,YCを含む期間は、図5に示すように、次の解禁条件が成立するまでの期間、すなわち特定時間T2〜特定時間T3である。
次に、特定時間T3の到来によって解禁条件が成立すると、パチンコ遊技機10では、特別演出に位置付けられるグループG3に属する演出YDが出現可能な状態とされる。つまり、副制御用CPU31aは、演出YDを出現させるための制御情報を用いることができるようになる。これにより、パチンコ遊技機10では、副制御用CPU31aの制御によって通常演出及び演出YA,YB,YCに加えて、演出YDが実行される。出現可能な演出に通常演出及び演出YA,YB,YC,YDを含む期間は、図5に示すように、次の解禁条件が成立するまでの期間、すなわち特定時間T3〜特定時間T4である。
次に、特定時間T4の到来によって解禁条件が成立すると、パチンコ遊技機10では、特別演出に位置付けられるグループG4に属する演出YEが出現可能な状態とされる。つまり、副制御用CPU31aは、演出YEを出現させるための制御情報を用いることができるようになる。これにより、パチンコ遊技機10では、副制御用CPU31aの制御によって通常演出及び演出YA,YB,YC,YDに加えて、演出YEが実行される。出現可能な演出に通常演出及び演出YA,YB,YC,YD,YEを含む期間は、図5に示すように特定時間T4以降である。そして、この実施形態では、一旦解禁された演出は、解禁情報などがクリアされない限り、永久的に出現可能な状態とされる。
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)特定時間の到来によって制御情報を使用禁止の状態から使用許可の状態へ解禁することで、副制御基板31(副制御用CPU31a)の制御に変化を生じさせることができる。例えば、表示を制御する際の制御情報が解禁された場合は、その解禁された制御情報に基づく表示(演出)が出現するようになる。このため、出現可能な演出が固定化されず、時間の経過を条件として出現可能な演出に変化が生じ得る。したがって、興趣の向上を図ることができる。
(2)グループに属する演出を事前に定めておくことで、同時期に解禁される制御情報に規則性を見出すことができる。その結果、どのような演出が出現できるようになったかを、遊技者に分かり易く理解させることができる。
(3)複数の解禁条件(特定時間T1〜T4)を有することで、複数回に分けて制御情報が解禁されることになる。このため、演出の変化をより分かり易く感じさせることができる。
(4)特別演出に属する演出を、表示演出に限らず、発光演出や音声演出などを含む演出としたことで、時間の経過とともに解禁される演出を多様化することができる。このため、どのような演出が出現するのか、という点に遊技者を注目させることができる。
(第2の実施形態)
以下、パチンコ遊技機を具体化した第2の実施形態を図6にしたがって説明する。なお、以下に説明する実施形態において既に説明した実施形態と同一構成及び同一制御内容についてはその重複する説明を省略又は簡略する。
この実施形態では、解禁条件に加えて、禁止条件を有する。禁止条件は、第1の実施形態と同様に特定時間の経過を契機に成立し、禁止条件が成立した場合には使用許可の状態の制御情報を使用禁止の状態にする。使用禁止の状態になると、副制御用CPU31aは、使用禁止の制御情報を用いることができず、その制御情報に基づく演出が出現しなくなる。なお、制御情報を使用禁止の状態にすることは、演出の出現を禁止することと同じ意味である。
図6は、解禁条件の成立を契機に演出が解禁される態様、並びに禁止条件の成立を契機に演出が禁止される態様の一例を示す。
図6の例では、特定時間T2が経過した時点において第1の実施形態と同様に、解禁条件の成立によって演出YA〜YCが出現可能な状態とされている。このため、パチンコ遊技機10では、副制御用CPU31aの制御によって通常演出及び演出YA,YB,YCが実行される。
そして、この例の場合、特定時間T3の経過時に解禁条件に加え、禁止条件が定められている。具体的に言えば、禁止条件として演出YAを出現させること、すなわち演出YAに必要な制御情報を使用することが禁止されている。このため、副制御用CPU31aは、特定時間T3の到来によって第1の実施形態と同様に演出YDを解禁する一方で、演出YAを禁止する。副制御用CPU31aは、演出を禁止する場合、禁止した演出を特定できるように禁止情報を副制御用RAM31cに記憶させる。この例の場合、演出YAは、特定時間T1の到来時に解禁された演出であるから、副制御用CPU31aは、副制御用RAM31cに記憶されている解禁情報から演出YAを示す情報を外し、禁止情報に新たに加える。
また、この例の場合、特定時間T4の経過時に解禁条件に加え、禁止条件が定められている。具体的に言えば、禁止条件として演出YDを出現させること、すなわち演出YDに必要な制御情報を使用することが禁止されている。このため、副制御用CPU31aは、特定時間T4の到来によって第1の実施形態と同様に演出YEを解禁する一方で、演出YDを禁止する。この例の場合、演出YDは、特定時間T3の到来時に解禁された演出であるから、副制御用CPU31aは、副制御用RAM31cに記憶されている解禁情報から演出YDを示す情報を外し、禁止情報に新たに加える。
この実施形態において、演出制御プログラムは、図4に示す解禁条件に加えて禁止条件が特定できるようにプログラミングされている。このため、副制御用CPU31aは、演出制御プログラムをもとに、解禁条件の成立を契機に解禁させるとともに、禁止条件の成立を契機に禁止させる。また、演出制御プログラムは、解禁された演出の制御情報を用いることができるとともに、禁止された演出の制御情報を用いることができないようにプログラミングされている。
そして、副制御用CPU31aは、解禁情報と、禁止情報と、演出制御プログラムをもとに、解禁情報から特定される解禁された演出の制御情報を用いて当該演出を出現させるための制御を行う。これにより、この実施形態では、上記各情報及び演出制御プログラムをもとに、演出の出現を解禁させるとともに、その解禁された演出の制御情報を用いて制御を行う副制御用CPU31aが、解禁部及び制御部としてそれぞれ機能する。一方、この実施形態では、上記各情報及び演出制御プログラムをもとに、演出の出現を禁止させるとともに、その禁止された演出の制御情報を用いずに制御を行う副制御用CPU31aが、禁止部として機能する。
したがって、この実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1)〜(4)に加えて、以下に示す効果を得ることができる。
(5)制御情報を使用禁止の状態とすることもできるので、制御情報に基づく演出の希少性を高めることができる。つまり、禁止される前に演出を見ておきたいという気持ちが沸き、客寄せ効果などを高めることができる。
(6)また、禁止条件を設けることにより、例えば、ゲーム性などの情報を報知するテロップ表示などは、ゲーム性が周知された時期に表示を止めることで(すなわち、禁止させる)、分かっていることを何度も報知されることに対する煩わしさなどを払拭することができる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・解禁される演出は、実施形態で例示した演出に限らず、任意に変更することができる。例えば、変動ゲームの当り期待度を示唆する当り予告演出、当り遊技中に行われるオープニング演出やエンディング演出、デモンストレーション演出などの他の演出であっても良い。
・また、解禁される演出は、操作ボタンの操作を含む演出であっても良い。操作ボタンは、パチンコ遊技機10において例えば遊技球を貯留する球皿の上面などに設置されている。
・また、解禁される演出は、モード演出であっても良い。モード演出には、例えば、特定演出の出現率が向上するモード、特定演出の出現によって当りを確定的に認識し得るモード、確率変動機能を搭載するパチンコ遊技機10における潜伏確変モード、登場するキャラクタや飾り図柄を変更させたモードなどがある。そして、実施形態の構成を採用して、これらのモードの出現を許容しても良い。モード中は、画像表示部GHの背景画像や図柄画像が変化する場合や、特定演出の出現率が変化する場合があり、これらは制御情報に基づき制御される。このため、解禁条件の成立を契機に制御情報を使用許可の状態へ解禁することでモード自体あるいはモード中の演出を新たに出現させることができる。
・また、機械的な動作による演出を行う可動装置(可動体)を備える場合に、解禁される演出を可動装置の演出としても良い。この場合、解禁条件の成立によって可動装置の制御情報である動作パターン情報が解禁される。また、解禁に際しては、例えば最初に電源投入が行われた時から使用許可の状態である動作パターン情報に加えて、解禁条件の成立によって新たな動作パターン情報を解禁させても良いし、解禁条件の成立によって動作パターン情報が解禁されることで可動装置による演出が行われるようにしても良い。可動装置には、遊技盤Yに設置されているものに限らず、例えば振動する操作ボタンや振動する発射ハンドルHDなども含む。
・また、解禁される演出は、情報報知であっても良い。情報報知には、実施形態で例示したテロップ表示に限らず、例えば確率変動機能や変動時間短縮機能を搭載するパチンコ遊技機10においてこれらの付与期間(例えば残りゲーム回数)を報知することや、画像表示部GHにおける保留表示などを含む。
・なお、上記の別例で記載した演出や情報報知は、解禁するだけではなく、禁止しても良い。
・特定時間に代えて、特定時刻の到来を契機に制御情報を解禁したり、あるいは禁止しても良い。この場合、特定時刻は、例えば○月○日の○○時、□月□日の□□時というように日にちを含んで設定すれば良い。
・特定時間は、パチンコ遊技機10に電源投入されている時間や、遊技場の営業時間の累積時間としても良い。
・リアルタイムクロックを主制御基板30に搭載し、リアルタイムクロックに計時結果に基づく情報を副制御基板31に出力しても良い。この場合、主制御用CPU30aは、所定の周期毎に時刻情報のみを副制御用CPU31aに出力し、その時刻情報をもとに副制御用CPU31aが特定時間が到来したか、を判定し、実施形態で説明した制御を実行しても良い。または、主制御用CPU30aが、特定時間が到来したか、を判定し、その判定結果を副制御用CPU31aに出力し、その判定結果を入力した副制御用CPU31aが実施形態で説明した制御を実行しても良い。なお、この別例は、解禁条件や禁止条件を特定時刻とした場合も同様に適用できる。
・前述のように、主制御基板30で特定時間が到来したか、を判定する前提のもとで、主制御基板30が管理する制御情報について解禁したり、あるいは禁止したりしても良い。主制御基板30が管理する制御情報には、例えば変動パターンがある。このため、主制御用CPU30aは、特定時間が到来した場合に、使用禁止の状態の変動パターンを使用許可の状態へ解禁し、選択できるようにしても良い。同様に、主制御用CPU30aは、特定時間が到来した場合に、使用許可の状態の変動パターンを使用禁止の状態とし、選択できないようにしても良い。このような制御は、実施形態で説明した演出制御プログラムと同様に、主制御用ROM30bに記憶されているメイン制御プログラムにプログラミングされている。なお、副制御基板31の副制御用ROM31bには、変動パターンの解禁に基づく演出を制御するためのパターン情報が記憶されている。また、この別例は、解禁条件や禁止条件を特定時刻とした場合も同様に適用できる。
・また、主制御基板30で管理する制御情報には、例えばリーチ抽選の当選確率や賞球の払出数がある。また、主制御基板30で管理する制御情報には、変動時間短縮機能を搭載するパチンコ遊技機においてその付与期間がある。これらの制御情報について解禁したり、あるいは禁止したりしても良い。
・副制御用RAM31cに記憶されている基準時刻情報、解禁情報や禁止情報などの情報を初期化する初期化手段を備えても良い。初期化手段を搭載すれば、最初に電源投入が行われた時の状態に戻すことができる。
・特定時間や特定時刻は、固定された時間や時刻に代えて、任意に変更できるようにしても良い。具体的に言えば、パチンコ遊技機10に特定時間や特定時刻を設定するための設定機能を搭載し、その設定機能を用いて任意に設定できるようにしても良い。設定機能は、例えば機械式のスイッチ(ディップスイッチなど)を用いて設定するように構成しても良い。あるいは、パチンコ遊技機10にプログラム化されている管理者用メニューから操作ボタンを用いて設定するように構成しても良い。上記した設定機能は、副制御用CPU31aの処理によって実現される機能であり、上記の手段によって設定される特定時間や特定時刻に関する情報は副制御用RAM31cに記憶される。機械式のスイッチを用いた設定機能の場合は、パチンコ遊技機10の電源が投入される度にスイッチの設定を副制御用CPU31aが読み込み、副制御用RAM31cに記憶しても良いし、副制御基板31にバックアップ機能を搭載して上記情報を電源断後も副制御用RAM31cに記憶保持させておいても良い。一方、管理者用メニューを用いた設定機能の場合は、副制御基板31にバックアップ機能を搭載して上記情報を電源断後も副制御用RAM31cに記憶保持させておくと良い。設定機能を用いることにより、演出が解禁されるタイミングや禁止されるタイミングを変更することができ、演出の幅を広げることができる。また、遊技者に上記タイミングを注目させることができ、興趣の向上を図ることができる。
・特定時間や特定時刻の設定は、単数でも良いし、複数でも良い。この場合、単数の特定時間や特定時刻が演出制御プログラムにプログラミングされて副制御用ROM31bに記憶されていても良い。あるいは、前述した別例の設定機能を用いて単数の特定時間や特定時刻を設定できるようにしても良い。この場合も前述した別例と同様の効果を有する。なお、特定時間や特定時刻は、前述した別例のように設定機能を用いて複数の特定時間や特定時刻を設定できる構成を前提とし、複数設定しても良いし、単数設定しても良い。
・特定時間や特定時刻の到来時に解禁される演出や禁止される演出は、特定時間や特定時刻の到来時に副制御用CPU31aが抽選などによって選択し、その選択した演出に基づく制御情報をグループとして解禁したり、あるいは禁止しても良い。この場合、制御情報は、前記抽選で選択されることが所定条件となり、グループ分けすることができる。
・演出を解禁したり、あるいは禁止したりする場合、その解禁期間や禁止期間は任意に変更することができる。例えば、実施形態のように一度解禁された演出は、永久的に解禁状態とされても良い。または、所定時間の間、解禁されても良い。例えば、午前あるいは午後のみ解禁されていても良い。また、特定の曜日のみ解禁されても良い。つまり、解禁には、一時的な解禁と永久的な解禁とを含む。なお、上記記載事項は、禁止された演出についても同様であり、禁止には一時的な禁止と永久的な禁止とを含む。
・副制御基板31に、副制御用RAM31cとは別にバックアップ情報を記憶するメモリを設けても良い。そして、そのメモリに解禁情報(又は禁止情報)、基準時刻情報などを記憶させるようにしても良い。一方、副制御用RAM31cは、遊技中に生じ得る情報を一時的に記憶させるメモリとし、電源断時には記憶情報が消去されるようにしても良い。
・副制御用CPU31aが最初に電源投入が行われたか否かを判断する手法を変更しても良い。例えば、機種特有の初期図柄(電源投入後、画像表示部GHに表示されている飾り図柄)の表示を指示するコマンドなど機種関連コマンドを出力している場合には、そのコマンドを最初に入力した時を最初に電源投入が行われた時と判断しても良い。また、例えば、副制御用RAM31cに記憶されている解禁情報(又は禁止情報)や基準時刻情報から判断しても良い。
・副制御基板31をサブ統括制御基板とし、副制御基板31とは別に演出表示装置11を専門に制御する表示制御基板、スピーカSpを専門に制御する音声制御基板、及び装飾ランプLaを専門に制御するランプ制御基板を設けてもよい。
・特別図柄のみを用いるパチンコ遊技機に具体化してもよい。この場合、演出表示装置11において特別図柄変動ゲームを表示するとよい。
・第1特別図柄と第2特別図柄を用いるパチンコ遊技機に具体化しても良い。
・遊技球が特定領域を通過することを契機に当り遊技を付与する遊技機(所謂1種2種混合機)に具体化してもよい。
・確率変動機能を搭載したパチンコ遊技機に具体化しても良い。確率変動機能は、当り抽選の当選を契機に所定の確率で、当り遊技終了後の当り抽選の当選確率を高確率に変動させる確率変動状態を付与する機能である。確率変動機能を有するパチンコ遊技機には、次回の当りに当選するまで確率変動状態を付与する仕様や、転落抽選に当選するまで確率変動状態を付与する仕様、あるいは予め定めた回数分の図柄変動ゲームが終了するまで確率変動状態を付与する仕様がある。
・変動時間短縮機能を搭載したパチンコ遊技機に具体化しても良い。変動時間短縮機能は、開閉羽根14が開動作する確率を上昇させ、始動口13への単位時間あたりの入球率を向上させる入球率向上状態を付与する。
・遊技機として回胴式遊技機に具体化しても良い。回胴式遊技機には、遊技媒体としてメダルを用いるスロットマシン(パチスロ)や、遊技媒体として遊技球を用いるスロットマシンを含む。このようにパチンコ遊技機とは異なる遊技機においても、実施形態と同様に解禁条件あるいは禁止条件を設けても良い。
・遊技場の遊技島(島設備)に設置されている複数台のパチンコ遊技機10を対象とした連動演出の一つとして、第1,第2の実施形態や別例で説明した演出の解禁あるいは禁止に関する制御を実行させても良い。このように構成すれば、遊技島に設置されたパチンコ遊技機10に一体感を持たせることができる。また、連動演出に適用する場合には、前述した別例における設定機能を用いることで、同一機種のパチンコ遊技機10において異なる条件下で演出の解禁あるいは禁止に関する制御を実行させることができる。つまり、同じ遊技島に設置されているが、演出が解禁されるタイミング、あるいは演出が禁止されるタイミングが異なる事象を作り出すことができる。このため、同一機種のパチンコ遊技機10でありながら、出現する演出に変化を生じさせることができるとともに、どのパチンコ遊技機10で遊技を行うのかということを遊技者に選択させる選択肢を提供することができる。
・図7に示すように、禁止条件のみを有するパチンコ遊技機10に具体化しても良い。図7の具体例では、最初に電源投入が行われた段階では、全ての演出に基づく制御情報が使用可能な状態とされている。つまり、この状態では、全ての演出を出現させることができる。そして、禁止条件の成立を契機に、特定の演出に基づく制御情報を使用許可の状態から使用禁止の状態とする。図7の具体例では、特定時間T1が到来する迄の間、全ての演出の出現が許容されており、特定時間T1の到来によって禁止条件が成立したことを契機に演出YEの制御情報が使用禁止の状態となる。これにより、次の禁止条件が成立する迄の間(特定時間T2が到来する迄の間)は、演出YEを除く他の演出の制御情報が使用許可の状態とされ、演出YEを除く他の演出が出現する。以降、図7の例では、特定時間T2,T3,T4の到来によって禁止条件が成立する毎に演出YA〜YDの制御情報が使用禁止の状態とされる。そして、特定時間T4の到来後は、通常演出の制御情報のみが使用許可の状態とされ、通常演出のみが出現可能となる。この構成によれば、制御情報に基づく演出の希少性を高めることができる。つまり、禁止される前に演出を見ておきたいという気持ちが沸き、客寄せ効果などを高めることができる。また、禁止条件を設けることにより、例えば、ゲーム性を報知するテロップ表示などは、ゲーム性が周知された時期に表示を止めることで(すなわち、禁止させる)、分かっていることを何度も報知されることに対する煩わしさなどを払拭することができる。
以下、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を追記する。
(イ)主制御手段と、主制御手段から一方向で情報が送信されるように主制御手段と電気的に接続された副制御手段と、を備え、副制御手段は、計時する計時部と、所定条件のもとでグループに分けることができる制御情報を記憶する記憶部と、特定時刻又は特定時間の到来によってグループを抽出し、当該グループに属する制御情報を、副制御手段の制御において使用許可の状態から使用禁止の状態とする禁止部と、使用許可の状態にある制御情報を用いて制御を行う制御部と、を有する遊技機。