(第1実施形態)
以下、遊技機としてのパチンコ遊技機の一実施形態を説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機10は、遊技場に据え付けられた遊技島(島設備)YSに設置されている。遊技島YSには、複数台のパチンコ遊技機10が並設されている。この実施形態において同一の遊技島YSに設置されている複数台のパチンコ遊技機10は、後述する遊技演出(特別演出)を実行させることができる同一仕様のパチンコ遊技機10である。そして、この実施形態において同一仕様のパチンコ遊技機10は、同一の制御プログラムによって各種処理(当り抽選や賞球払出しなど)を実行させることができるとともに、外観(構造)も同一である。
図2に示すように、パチンコ遊技機10には、遊技盤YBが備えられている。パチンコ遊技機10には、発射ハンドルHDが備えられており、発射ハンドルHDが回動動作されることにより、遊技盤YBへ遊技球が発射される。また、パチンコ遊技機10の前面側には、発光演出を行う装飾ランプLaが備えられている。また、パチンコ遊技機10の前面側には、音声出力を行う音声出力手段としてのスピーカSpが備えられている。
遊技盤YBには、複数の発光部を有する特別図柄表示装置11が配設されている。この特別図柄表示装置11では、複数種類の図柄(特別図柄)を変動させて表示する変動ゲーム(図柄変動ゲーム、特別図柄変動ゲーム)が行われる。なお、複数種類の図柄(特別図柄)の変動表示には、変動時用の画像が表示される(変動時用の発光表示が行われる)ことが含まれる。従って、本実施形態では、特別図柄表示装置11が、変動ゲームを実行する図柄表示手段となる。
本実施形態において特別図柄表示装置11には、複数種類の特別図柄の中から、当り抽選の抽選結果に対応する1つの特別図柄が選択され、その選択された特別図柄が変動ゲームの終了によって停止表示される。特別図柄には、大当りを認識し得る大当り図柄と、はずれを認識し得るはずれ図柄とに分類される。大当り図柄が停止表示された場合、遊技者には、大当り遊技が付与される。
また、遊技盤YBには、画像を表示する演出表示装置13が配設されている。演出表示装置13では、各種表示演出が行われる。表示演出として、具体的には、変動ゲーム(図柄変動ゲーム)に関するゲーム演出、例えば、複数種類の飾り図柄を複数列で変動させる飾り図柄変動ゲームが実行可能となるように構成されている。
飾り図柄変動ゲームにおいて、演出表示装置13には、各列毎に複数種類の飾り図柄が変動表示及び停止表示可能となるように構成されている。そして、演出表示装置13は、特別図柄表示装置11に比較して大きい表示領域で構成されるとともに、飾り図柄は特別図柄に比較して遥かに大きく表示される。このため、遊技者は、飾り図柄変動ゲームにおいて、演出表示装置13に停止表示された図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識できる。飾り図柄変動ゲームにおいて、演出表示装置13に予め決められた大当り表示結果(例えば、全列の飾り図柄が同一種類の図柄組み合わせ)が停止表示された場合には、その大当り表示結果から大当り遊技が付与される大当りを認識できる。大当り表示結果(大当りの図柄組み合わせ)が停止表示されると、遊技者には、変動ゲームの終了後に大当り遊技が付与される。一方、飾り図柄変動ゲームにおいて、演出表示装置13に予め決められたはずれ表示結果(例えば、全列の飾り図柄が同一種類でない図柄組み合わせ)が停止表示された場合には、その図柄組み合わせからはずれを認識できる。
また、演出表示装置13には、飾り図柄変動ゲームにおいて、特別図柄表示装置11の表示結果に応じた図柄組み合わせ(表示結果)が停止表示される。より詳しくは、特別図柄表示装置11に停止表示される特別図柄と、演出表示装置13に停止表示される飾り図柄による図柄組み合わせ(表示結果)が対応する。例えば、特別図柄表示装置11に大当り図柄が停止表示される場合には、演出表示装置13にも大当りの図柄組み合わせ(大当り表示結果)が停止表示される。また、特別図柄表示装置11にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出表示装置13にもはずれの図柄組み合わせ(はずれ表示結果)が停止表示される。なお、特別図柄に対する飾り図柄の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特別図柄に対して複数の飾り図柄による図柄組み合わせ(表示結果)の中から1つの飾り図柄による図柄組み合わせが選択される。
図2に示すように、演出表示装置13の下方には、常時遊技球が入球可能な始動入賞口14を備えた始動入賞装置15が配設されている。また、始動入賞装置15には、始動入賞口14へ入球した遊技球を検知する始動センサSE1が設けられている。始動センサSE1が始動入賞口14に入球した遊技球を検知することを契機に、変動ゲームの始動条件が成立し得る。また、始動センサSE1が始動入賞口14に入球した遊技球を検知することを契機に、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件が成立する。
また、演出表示装置13の下方(始動入賞口14の下方)には、遊技球が入球可能な大入賞口19を備えた大入賞装置20が備えられている。また、大入賞装置20には、大入賞口19へ入球した遊技球を検知するカウントセンサSE3が配設されている。カウントセンサSE3が大入賞口19に入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件が成立する。
また、大入賞装置20には、ソレノイドやモータなどのアクチュエータACT1の作動により開閉動作を行う大入賞口扉21が備えられている。大入賞口19は、常には大入賞口扉21が閉状態とされて閉鎖されている。そして、大当り遊技が付与されると、大入賞口扉21が開状態となり、大入賞口19が開放され、その開放により遊技球の入球が許容される。このため、遊技者は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。本実施形態において大当り遊技は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得られることから、遊技者に有利な状態となる。そして、この大当り遊技は、内部抽選で大当りが決定し、変動ゲームにて大当り図柄(大当り表示結果)が停止表示されることを契機に付与される。
図2に示すように、遊技盤YBには、保留表示装置22が配設されている。保留表示装置22は、実行が保留されている変動ゲームの数を示すものである。具体的には、保留表示装置22は、始動入賞口14に入球することにより変動ゲームの始動条件が成立した一方で、変動ゲームの実行条件が未だ成立していないことから実行(開始)が保留されている変動ゲームの数、所謂、始動保留の記憶数(以下、保留記憶数)を示す。
また、図2に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10の前面側には、遊技中に遊技者の操作が許容される演出用操作手段としての押し釦式の操作ボタンBTが設けられている。この操作ボタンBTが押下操作(操作)されると、操作ボタンBTは、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に操作ボタンBTが操作されたことを示すボタン検知信号を出力する。そして、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)には、操作ボタンBTが接続されており、操作ボタンBTから操作ボタンBTが操作されたことを示すボタン検知信号が入力されるようになっている。
次に、図3に基づき、パチンコ遊技機10の制御構成について説明する。
パチンコ遊技機10の機裏側には、主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機10に関する各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、演出制御基板31が装着されている。演出制御基板31は、主制御基板30から入力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置13の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)の決定に関する処理などを実行し、処理結果に応じて表示内容を制御する。また、演出制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号に基づき、装飾ランプLaの発光態様、スピーカSpの音声出力態様を制御する。
以下、主制御基板30及び演出制御基板31について、その具体的な構成を説明する。
前記主制御基板30には、主制御用CPU30aが備えられている。該主制御用CPU30aには、主制御用ROM30b及び主制御用RAM30cが接続されている。主制御用CPU30aには、始動センサSE1と、カウントセンサSE3が接続されている。また、主制御用CPU30aには、特別図柄表示装置11が接続されている。また、主制御用CPU30aには、アクチュエータACT1が接続されている。また、主制御用CPU30aには、保留表示装置22が接続されている。
また、主制御用ROM30bには、パチンコ遊技機10に関する各種処理を実行するためのメイン制御プログラムが記憶されている。また、主制御用ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄(特別図柄)が変動表示を開始(変動ゲームが開始)してから図柄が停止表示(変動ゲームが終了)される迄の間の遊技演出(表示演出等)のベースとなるパターンを示すものである。すなわち、変動パターンは、少なくとも、特別図柄が変動表示開始してから特別図柄が停止表示されるまでの演出時間(変動時間)を特定することができる。本実施形態における変動パターンでは、特別図柄が変動表示開始してから特別図柄が停止表示されるまでの間の飾り図柄変動ゲームの演出内容(大当りの有無など)も特定することができる。
変動パターンには、飾り図柄変動ゲームにおいて大当り変動を実行させることを特定できる大当り変動パターンがある。飾り図柄変動ゲームにおいてはずれとするはずれ変動を実行させることを特定できるはずれ変動パターンがある。なお、大当り変動パターンと、はずれ変動パターンには、それぞれ複数種類の変動パターンが用意されている。
大当り変動は、飾り図柄変動ゲームが、最終的に大当りの図柄組み合わせを停止表示させるように展開される演出である。はずれ変動は、飾り図柄変動ゲームが、最終的にはずれの図柄組み合わせを停止表示させるように展開される演出である。
また、主制御用ROM30bには、各種の判定値が記憶されている。例えば、主制御用ROM30bには、大当り判定(当り抽選)で用いられる大当り判定値が記憶されている。
主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグ等)が記憶される。
また、主制御基板30内では、当り判定用乱数や、特別図柄振分用乱数、変動パターン振分用乱数として使用される各種乱数が生成される。因みに、当り判定用乱数は、大当り判定(当り抽選)に用いる乱数である。変動パターン振分用乱数は、変動パターンを決定する際に用いる乱数である。変動パターン振分用乱数の取り得る値は、はずれ変動パターン及び大当り変動パターンの分類毎に、振り分けを異ならせている。なお、各種乱数として使用される乱数は、ハードウェア乱数であってもよいし、ソフトウェア乱数であってもよい。
次に、図3に基づき演出制御基板31について説明する。
演出制御基板31には、遊技演出の実行を制御する演出制御手段としての演出制御用CPU31aが備えられている。該演出制御用CPU31aには、演出制御用ROM31b及び演出制御用RAM31cが接続されている。また、演出制御用RAM31cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグ等)が記憶される。また、演出制御用CPU31aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を演出制御用RAM31cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。
また、演出制御用ROM31bには、遊技演出を実行させるための演出制御プログラムが記憶されている。演出制御用CPU31aは、各種制御コマンドを入力すると、当該演出制御プログラムに基づき各種制御を実行する。また、演出制御用ROM31bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。また、演出制御用CPU31aには、演出表示装置13が接続されており、各種制御コマンドを入力すると、演出制御プログラムに基づき、演出表示装置13の表示内容を制御する。また、演出制御用CPU31aには、装飾ランプLaが接続されている。また、演出制御用CPU31aは、スピーカSpが接続されている。また、演出制御用CPU31aは、操作ボタンBTと接続されており、操作ボタンBTが操作されたとき、ボタン検知信号を入力することができる。
また、演出制御基板31には、時刻を計時する計時手段としてのリアルタイムクロック(RTC)31dが備えられている。また、演出制御基板31には、パチンコ遊技機10の電源断後に電力を供給可能なバックアップ電源が搭載されている。バックアップ電源は、例えばキャパシタや二次電池である。これにより、リアルタイムクロック31dは、パチンコ遊技機10に電源が供給されている時にはパチンコ遊技機10から電力供給を受けて動作し、時刻を計時する。一方、リアルタイムクロック31dは、パチンコ遊技機10の電源断がなされた後にはバックアップ電源から電力供給を受けて動作する。なお、リアルタイムクロック31dは、現在の日にち(年、月、日、及び曜日)を計測することもできる。
次に、主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理について説明する。最初に、特別図柄入力処理を説明する。特別図柄入力処理は、主制御用CPU30aにより所定周期毎に実行されるようになっている。
まず、主制御用CPU30aは、始動入賞口14に遊技球が入球したか否かを判定する保留判定を実行する。すなわち、主制御用CPU30aは、保留判定において、始動センサSE1が遊技球を検知した時に出力する検知信号を入力したか否かを判定する。保留判定の判定結果が肯定の場合(入球した場合)、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cの記憶内容に基づき、保留記憶数を特定し、特定した保留記憶数が上限値(本実施形態では「4」)よりも少ないか否かを判定する保留記憶数判定を実行する。保留記憶数判定の判定結果が否定の場合(保留記憶数の上限値に達していた場合)、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
一方、保留記憶数判定の判定結果が肯定の場合(上限値に達していない場合)、主制御用CPU30aは、変動ゲームに係わる各種乱数の値を取得し、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に取得した乱数値を記憶する。その際、変動ゲームに係わる乱数値の取得順序が認識できるように記憶する。なお、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cの記憶内容(未だ変動ゲームで利用されていない乱数値の記憶量)に基づき、保留記憶数を特定可能に構成されている。そして、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cの記憶内容が更新され、保留記憶数が変化すると、更新後の保留記憶数を表示させるように保留表示装置22を制御する。また、主制御用CPU30aは、更新後の保留記憶数等の保留記憶情報を指定する保留指定コマンドを出力する。そして、特別図柄入力処理を終了する。なお、保留判定の判定結果が否定の場合(始動入賞口14に入球しなかった場合)、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
次に、特別図柄開始処理について説明する。主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を所定周期毎に実行するようになっている。
主制御用CPU30aは、大当り遊技中又は変動ゲーム中でない場合、保留記憶数を特定し、保留記憶数が「0」よりも大きいか否か判定する。保留記憶数が「0」の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
一方、この判定結果が肯定の場合(保留記憶数>0の場合)、主制御用CPU30aは、変動ゲームの実行条件が成立したと判定し、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶される特別図柄変動処理フラグに変動ゲームを実行することを示す値を設定する。なお、本実施形態では、大当り遊技及び変動ゲームのいずれも実行中でない場合であって、保留記憶数が>0のときに、変動ゲームの実行条件が成立する。
次に、主制御用CPU30aは、変動ゲームに係わる(変動ゲームに利用される)乱数値のうち、取得順序に従って最も早く実行される変動ゲームに係わる乱数値(当り判定用乱数、変動パターン振分用乱数、及び特別図柄振分用乱数の値など)を取得する。具体的には、変動ゲームに係わる乱数値であって、まだ変動ゲームを実行させるために利用されていない乱数値のうち、最も早く取得された乱数値を取得する。また、主制御用CPU30aは、特定した保留記憶数を1減算し、当該保留記憶数を表すように保留表示装置22の表示内容を変更させる。また、主制御用CPU30aは、更新後の保留記憶数等の保留記憶情報を示す保留指定コマンドを出力する。
主制御用CPU30aは、取得した当り判定用乱数の値が主制御用ROM30bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定して大当り判定(当り抽選)を行う。
大当り判定の判定結果が肯定の場合(大当りの場合)、主制御用CPU30aは、大当り図柄の中から特別図柄表示装置11にて停止表示される最終停止図柄を決定する。その後、主制御用CPU30aは、取得した変動パターン振分用乱数に基づき、大当り変動パターンの中から変動パターンを決定する。
変動パターン及び最終停止図柄を決定した主制御用CPU30aは、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、変動ゲームに関する各種処理を実行する。
具体的に言えば、主制御用CPU30aは、変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する変動パターン指定コマンドを最初に出力する。変動パターン指定コマンドを出力する同時に、主制御用CPU30aは、特別図柄を変動開始させるように特別図柄表示装置11の表示内容を制御する。また、同時に、主制御用CPU30aは、変動ゲームの演出時間の計測を開始する。また、主制御用CPU30aは、最終停止図柄の種類を指定するための特別図柄指定コマンドを出力する。そして、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
その後、特別図柄開始処理とは別の処理で、主制御用CPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間(変動時間)に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように特別図柄表示装置11の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、飾り図柄の変動停止を指示し、図柄組み合わせを停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
一方、大当り判定の判定結果が否定の場合(大当りでない場合)、主制御用CPU30aは、はずれ図柄を特別図柄表示装置11にて停止表示される最終停止図柄として決定する。次に、主制御用CPU30aは、取得した変動パターン振分用乱数の値に基づき、はずれ変動パターンの中から変動パターンを決定する。
そして、変動パターン及び最終停止図柄を決定した主制御用CPU30aは、前述(大当りの場合)同様、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、変動ゲームに関する各種処理を実行する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
そして、主制御用CPU30aは、大当りを決定した場合、決定した変動パターンに基づく図柄変動ゲームの終了後、最終停止図柄に基づき特定された種類の大当り遊技の制御を開始し、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。
具体的には、主制御用CPU30aは、オープニング時間の設定を開始する。また、主制御用CPU30aは、オープニング時間が開始したことを指示するオープニングコマンドを演出制御基板31に出力する。次に、主制御用CPU30aは、オープニング時間の終了後、各ラウンド遊技を制御する。すなわち、主制御用CPU30aは、各ラウンド遊技の開始時にラウンド遊技の開始を指示するラウンドコマンドを演出制御基板31に出力する。また、主制御用CPU30aは、ラウンド遊技毎に、大入賞口19の開放及び閉鎖を制御する。すなわち、主制御用CPU30aは、入球上限個数の遊技球が入賞するまでの間、又はラウンド遊技毎に予め決められた規定時間が経過するまでの間、大入賞口19を開放する。
そして、主制御用CPU30aは、大入賞口19を閉鎖した場合には、ラウンド遊技毎に予め決められたインターバル時間を経過するまで、閉鎖を維持し、その後、ラウンド遊技を終了する。これらの一連の制御を、規定ラウンド数に達するまで実行する。
規定ラウンド数のラウンド遊技が終了すると、主制御用CPU30aは、エンディング時間の設定を開始する。また、主制御用CPU30aは、エンディング時間が開始したことを指示するエンディングコマンドを演出制御基板31に出力する。そして、エンディング時間を経過すると、主制御用CPU30aは、大当り遊技を終了させる。
次に、演出制御基板31の演出制御用CPU31aが演出制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。主制御用CPU30aから所定の制御コマンドを所定のタイミングで入力すると、演出制御用CPU31aは、それに応じて各種処理を実行する。
例えば、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンド及び特別図柄指定コマンドを入力すると、当該変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターン及び特別図柄指定コマンドにより指定された最終停止図柄に基づき、演出表示装置13に停止表示させる飾り図柄による図柄組み合わせを決定する。
すなわち、演出制御用CPU31aは、特別図柄指定コマンドにより指定された最終停止図柄が大当り図柄である場合には、大当りの図柄組み合わせを決定する。また、演出制御用CPU31aは、指定された最終停止図柄が、はずれ図柄の場合であって、はずれ変動パターンが指定された場合、はずれの図柄組み合わせを決定する。
そして、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、後述するRTC演出中でなければ、当該変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに基づき、飾り図柄変動ゲームを実行させるように演出表示装置13を制御する。また、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、後述するRTC演出中でなければ、当該変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに基づき、飾り図柄変動ゲームに関する遊技演出を実行させるように装飾ランプLa、スピーカSpを制御する。その後、演出制御用CPU31aは、全図柄停止コマンドを入力すると、後述するRTC演出中でなければ、飾り図柄変動ゲームを終了させると共に、決定した図柄組み合わせを表示させる。従って、本実施形態において、演出制御用CPU31aは、始動条件の成立を契機に図柄変動ゲームに関するゲーム演出(飾り図柄変動ゲーム)を実行させるように制御するといえる。また、主制御用CPU30aが、変動パターンを決定しているため、遊技演出の演出内容を決定する演出決定手段といえる。
また、演出制御用CPU31aは、オープニングコマンドを入力すると、大当り遊技演出(大当り演出)を開始させる。具体的には、演出制御用CPU31aは、オープニングコマンドを入力すると、大当り遊技演出のうち、オープニング演出を実行させる。そして、演出制御用CPU31aは、ラウンドコマンドを入力すると、大当り遊技演出のうち、ラウンド演出を実行させる。また、演出制御用CPU31aは、エンディングコマンドを入力すると、大当り遊技演出のうち、エンディング演出を実行させて、大当り遊技演出を終了させる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、変動ゲーム終了後、保留記憶数が存在せず、大当り遊技が付与されない場合、次の変動パターン指定コマンドを入力するまで、デモンストレーション演出を実行可能に構成されている。より詳しく説明すると、演出制御用CPU31aは、変動ゲームが終了したとき(全図柄停止コマンドを入力したとき)、大当り遊技が付与されていない場合、デモンストレーション演出を開始させる。このため、演出制御用CPU31aは、変動ゲームが実行されていない場合、デモンストレーション演出を実行させるように制御するといえる。
デモンストレーション演出では、飾り図柄変動ゲームの終了時の画像(飾り図柄による図柄組み合わせを停止表示させたときの表示画像)をそのまま表示させつづける待機デモを実行させた後、社名や機種名などのロゴが表示されるタイトルデモ等が実行されるように構成されている。そして、デモンストレーション演出は、変動ゲームが実行されない限り(すなわち、変動パターン指定コマンドが入力されない限り)、繰り返し実行されるようになっている。
なお、本実施形態では、デモンストレーション演出は、演出制御用CPU31aが、変動ゲームが終了し、大当り遊技が付与されないと判定したときに、開始するように制御していたが、主制御用CPU30aが、デモンストレーション演出の開始指示を通知するようにしてもよい。具体的には、主制御用CPU30aが、変動パターン終了後(全図柄指定コマンドの出力後)、保留記憶数が存在せず、且つ、大当り遊技が付与されないと判定した場合、デモンストレーション演出の実行を指示するデモコマンドを出力すればよい。そして、演出制御用CPU31aは、デモコマンドを入力するまで、飾り図柄変動ゲームの終了時の画像で待機し、デモコマンドの入力を契機に、一連のデモンストレーション演出を開始するように制御すればよい。また、本実施形態におけるデモンストレーション演出は、演出表示装置13及び装飾ランプLaによって実行されるように構成されており、スピーカSpからデモンストレーション演出に関する音声は出力されないようになっている。
そして、本実施形態では、特別演出としてRTC演出(リアルタイムクロック演出)を実行可能に構成されている。RTC演出は、複数台(本実施形態では10台)のパチンコ遊技機10を対象に実行される演出である。具体的に言えば、特別演出は、同一の遊技島YSに設置されている同一のRTC演出を実行可能な他のパチンコ遊技機10とともに演出グループを構成し、実行される演出である。また、RTC演出は、後述するように所定条件(特定時刻の到来)の成立によって開始される演出であって、RTC演出以外の他の遊技演出の進行とは関係なく開始される演出である。他の遊技演出には、変動ゲーム(特別図柄変動ゲームと飾り図柄変動ゲーム)、大当り遊技演出、デモンストレーション演出(客待ち演出)などを含む。この実施形態においてRTC演出は、演出表示装置13と装飾ランプLaを用いて行われるとともに、RTC演出に伴う効果音がスピーカSpから出力される。また、本実施形態においてRTC演出の演出グループに属するパチンコ遊技機10を10台としている。これにより、RTC演出は、同一の遊技島YSに並設されている10台のパチンコ遊技機10を対象として実行される。
RTC演出は、演出グループに属する各パチンコ遊技機10に搭載されているリアルタイムクロック31dが特定時刻Xを計時したことを契機に開始可能に構成されている。特定時刻Xは、1日のうち、決められた時刻であっても良いし、年月日及び時刻を指定するものであっても良い。例えば、1日のうち、10時から22時まで、1時間毎にRTC演出が実行可能となるように特定時刻Xが設定されていてもよい。また、2000年4月1日の12時にRTC演出が実行可能となるように、特定時刻Xが設定されていてもよい。
そして、RTC演出が開始されると、原則として、他の遊技演出(デモンストレーション演出や、飾り図柄変動ゲーム)よりも優先的に実行される。優先的に実行するとは、すなわち、他の遊技演出の実行を規制するなどして、RTC演出が演出の中心となるように(RTC演出により注目が集まるように)、RTC演出が実行されることである。そして、RTC演出の開始から、RTC演出の演出時間が経過したとき、RTC演出は、終了可能となるように構成されている。RTC演出が終了すると、他の遊技演出が通常通り実行されることとなる。
本実施形態では、RTC演出の演出内容は、大当り遊技演出や、飾り図柄変動ゲーム、デモンストレーション演出等の通常行われる遊技演出の演出内容と異ならせている。具体的には、RTC演出は、ストーリーや楽曲が流れる演出となっている。また、本実施形態では、操作ボタンBTを操作することにより、RTC演出を強制的に終了させることができるように構成されている。
以下、図4に基づき、演出表示装置13及び装飾ランプLaにRTC演出の実行を開始させるためのRTC演出開始処理について説明する。
演出制御用CPU31aは、リアルタイムクロック31dが特定時刻Xを計時したか否かを判定する(ステップS101)。この判定結果が否定の場合(ステップS101:No)、演出制御用CPU31aは、RTC演出開始処理を終了する。すなわち、RTC演出開始処理は、演出制御用CPU31aにより特定時刻Xが計時されるときに実行されることとなる。
一方、ステップS101の判定結果が肯定の場合(ステップS101:Yes)、演出制御用CPU31aは、演出表示装置13及び装飾ランプLaにおいて、RTC演出の実行を規制する値が規制フラグに設定されているか否かについて判定する(ステップS102)。この判定結果が肯定の場合(ステップS102:Yes)、演出制御用CPU31aは、そのままRTC演出開始処理を終了する。すなわち、RTC演出の実行を規制する状態である場合には、特定時刻Xが計時されても、演出表示装置13及び装飾ランプLaにおいてRTC演出を実行させない。
一方、ステップS102の判定結果が否定の場合(ステップS102:No)、演出制御用CPU31aは、RTC演出の実行を指示する値をRTC実行フラグに設定し(ステップS103)、RTC演出開始処理を終了する。RTC演出の実行を指示する値がRTC実行フラグに設定されると、演出制御用CPU31aは、以降、RTC演出を実行させるように、演出表示装置13の表示内容、装飾ランプLaの発光態様、スピーカSpの音声出力態様を制御する。
この際、RTC演出は、演出表示装置13の表示領域全体で実行されるようになっており、他の遊技演出(デモンストレーション演出や、飾り図柄変動ゲーム)の実行が規制されるようになっている。すなわち、演出表示装置13に他の遊技演出に係わる画像が表示されず、装飾ランプLaにより当該他の遊技演出に係わる発光演出が実行されず、スピーカSpからも当該他の遊技演出に係わる音声出力が行われない。その一方で、演出表示装置13の表示領域全体に通常版のRTC演出に係わる画像が表示され、また、装飾ランプLaによりRTC演出に係わる発光演出が実行され、スピーカSpからRTC演出に係わる音声出力が行われる。
以上により、本実施形態の演出制御用CPU31aは、リアルタイムクロック31dが特定時刻Xを計時したことを契機にRTC演出を他の遊技演出よりも優先的に実行させるように制御することができるといえる。
次に、図5に基づき、RTC演出を終了させるためのRTC演出終了処理について説明する。RTC演出終了処理は、演出制御用CPU31aにより所定周期毎に実行される。
演出制御用CPU31aは、RTC実行フラグにRTC演出の実行を指示する値が設定されているか否か、すなわち、演出表示装置13及び装飾ランプLaにおいて、RTC演出中であるか否かを判定する(ステップS201)。この判定結果が否定の場合(ステップS201:No)、演出制御用CPU31aは、RTC演出終了処理を終了する。
この判定結果が肯定の場合(ステップS201:Yes)、演出制御用CPU31aは、リアルタイムクロック31dが特定時刻Xを計時したときから所定時間経過したか否かを判定する(ステップS202)。前記所定時間は、RTC演出の演出時間に相当する。すなわち、RTC演出を終了させることができる時間が経過したか否かを判定する。ステップS202の判定結果が肯定の場合(ステップS202:Yes)、演出制御用CPU31aは、RTC演出を終了させると決定する(ステップS203)。
そして、演出制御用CPU31aは、RTC演出を終了させると決定した時点において、変動ゲーム中であるか否かを判定する(ステップS204)。変動ゲーム中であるか否かは、例えば、変動パターン指定コマンドを入力し、且つ、全図柄停止コマンドを入力していないときは、変動ゲーム中であると判定することができる。また、変動パターン指定コマンドを入力してから、当該変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンにより特定される演出時間が経過したか否かにより変動ゲーム中であるか否かを判定することもできる。
この判定結果が肯定の場合(ステップS204:Yes)、演出制御用CPU31aは、当該変動ゲームの終了時であると特定されるまで、RTC演出を延長することを決定し(ステップS205)、RTC演出終了処理を終了する。変動ゲームの終了時の特定方法は、全図柄停止コマンドを入力した時点を変動ゲームの終了時として特定してもよいし、変動ゲームの開始時(変動パターン指定コマンドの入力時)から、変動パターンに基づき特定される変動時間経過した時点を、変動ゲームの終了時としても特定してもよい。
そして、演出制御用CPU31aは、変動ゲームの終了時であると特定されるまでRTC演出を延長することを決定した場合、変動ゲームの終了時であると特定されるまで、RTC演出の実行を延長させる。すなわち、RTC演出を延長させるように、演出表示装置13の表示内容、装飾ランプLaの発光態様、スピーカSpの音声出力態様を制御する。
その際、RTC演出の演出内容は、変動ゲームの終了時までの時間に応じて変更される。すなわち、延長に伴いRTC演出の演出内容を追加することにより、RTC演出の演出内容が変更される。そして、演出制御用CPU31aは、変動ゲームの終了時(RTC演出の終了時)において、RTC実行フラグをリセットし、RTC演出の実行を指示する値を消去する。これにより、リアルタイムクロック31dが再び特定時刻Xを計時するまで、通常の遊技演出が実行されることとなる。
ステップS204の判定結果が否定の場合(ステップS204:No)、演出制御用CPU31aは、RTC実行フラグをリセットし、RTC演出の実行を指示する値を消去し(ステップS206)、RTC演出終了処理を終了する。すなわち、RTC演出が終了可能となる時点で変動ゲームが実行されていない場合、演出制御用CPU31aは、RTC演出を終了させて、新たな変動ゲームに備える、又はデモンストレーション演出を実行させるように制御する。
ステップS202の判定結果が否定の場合(ステップS202:No)、演出制御用CPU31aは、操作ボタンBTが操作されたか否かについて判定する(ステップS207)。この判定結果が肯定の場合(ステップS207:Yes)、演出制御用CPU31aは、操作された時点で変動ゲームが実行されているか否かについて判定する(ステップS208)。この判定結果が否定の場合(ステップS208:No)、演出制御用CPU31aは、ステップS206の処理に移行して、RTC実行フラグをリセットし、RTC演出終了処理を終了する。
一方、ステップS208の判定結果が肯定の場合、(ステップS208:Yes)、演出制御用CPU31aは、操作された時点から実行中の変動ゲームが終了するまでの時間が所定の待機時間(例えば、5秒)の範囲内であるか否かについて判定する(ステップS209)。変動ゲームが終了するまでの時間が所定の待機時間(例えば、5秒)の範囲内であるか否かについては、変動パターン指定コマンドの入力時(変動ゲームの開始時)及び当該変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンにより特定される変動時間に基づき、判定することができる。すなわち、変動パターン指定コマンドの入力時からの経過時間を特定し、前記変動パターンに基づく変動時間から特定した前記経過時間を減算した時間が、所定の待機時間内であるか否かを判定すればよい。
ステップS209の判定結果が肯定の場合(ステップS209:Yes)、演出制御用CPU31aは、ステップS205の処理に移行し、変動ゲームが終了するまで、RTC演出を延長させるように制御する。以上のように、演出制御用CPU31aは、操作ボタンBTによる操作に基づき、RTC演出の実行を規制するように制御するといえる。これにより、操作ボタンBTが操作された場合、RTC演出を終了させることができる。
また、演出制御用CPU31aは、RTC演出中に操作ボタンBTが操作されたとき、当該操作時が変動ゲーム中である場合には、当該操作時から当該変動ゲームが終了するまでの時間が予め決められた待機時間の範囲内であるならば、RTC演出の実行を終了させるように制御することができるといえる。従って、操作ボタンBTが操作された後、待機時間より短い時間において、RTC演出を終了することができるため、遊技者に違和感を与えることが無く、操作ボタンBTの操作に応じてRTC演出を終了させることができたと実感させることができる。
また、演出制御用CPU31aは、操作ボタンBTによる操作に基づきRTC演出の実行を途中で終了させる場合、変動ゲームの開始時又は変動ゲームの終了時において、RTC演出を終了させるように制御するといえる。つまり、ステップS205以降の処理を実行するため、RTC演出が終了した際、変動ゲームの途中で飾り図柄変動ゲームが再開することがない。従って、RTC演出が終了した場合、新たな変動ゲームから飾り図柄変動ゲームを見せることができ、遊技者に違和感を与えず、遊技演出の流れを分かり易くすることができる。
一方、ステップS209の判定結果が否定の場合(ステップS209:No)、演出制御用CPU31aは、RTC演出終了処理を終了する。すなわち、操作ボタンBTが操作されたとしても、変動ゲームが終了するまでの待機時間が長い場合には、操作ボタンBTの操作を無効として、RTC演出を継続させるようになっている。これにより、操作ボタンBTが操作されてから待機時間よりも長い時間が経過したときに、RTC演出が終了することが無くなり、遊技者に違和感を与えることがない。また、ステップS207の判定結果が否定の場合(ステップS207:No)、演出制御用CPU31aは、RTC演出終了処理を終了する。
また、本実施形態では、RTC演出が実行される前に(すなわち、特定時刻Xが計時される前に)、RTC演出が実行されることを示唆するカウントダウン演出(開始示唆演出)が実行可能に構成されている。カウントダウン演出では、RTC演出が開始される特定時刻Xの10秒前から数字画像をカウントダウンして、RTC演出の開始を示唆するように構成されている。
以下、図6に基づき、カウントダウン演出を実行するためのカウントダウン演出実行処理について説明する。
演出制御用CPU31aは、予め決められたカウントダウン演出開始時が計時されたか否かを判定する(ステップS301)。カウントダウン演出開始時は、リアルタイムクロック31dが特定時刻Xを計時するよりもカウントダウン演出の演出時間前(10秒前)であるか否かを判定することにより、判定可能となっている。すなわち、カウントダウン演出実行処理は、カウントダウン演出の開始時に演出制御用CPU31aにより実行される。
この判定結果が否定の場合(ステップS301:No)、演出制御用CPU31aは、カウントダウン演出実行処理を終了する。一方、この判定結果が肯定の場合(ステップS301:Yes)、演出制御用CPU31aは、カウントダウン演出の実行を指示する値をカウントダウン演出実行フラグに設定し(ステップS302)、カウントダウン演出実行処理を終了する。これにより、演出制御用CPU31aは、カウントダウン演出を実行させる。なお、カウントダウン演出は、他の遊技演出(飾り図柄変動ゲーム及びデモンストレーション演出)と共に実行可能となるように構成されている。本実施形態では、演出表示装置13が、他の遊技演出の上に、カウントダウン演出に関する画像(例えば、数字画像)を重ねて表示するように構成されている。また、カウントダウン演出実行フラグは、演出制御用RAM31cに記憶されている。
次に、図7に基づき、カウントダウン演出を終了させるためのカウントダウン演出終了処理について説明する。カウントダウン演出終了処理は、カウントダウン演出中に、演出制御用CPU31aにより所定周期毎に実行される。
演出制御用CPU31aは、カウントダウン演出の実行を指示する値をカウントダウン演出実行フラグに設定されているか否かを判定する(ステップS311)。この判定結果が否定の場合(ステップS311:No)、演出制御用CPU31aは、カウントダウン演出終了処理を終了する。一方、この判定結果が肯定の場合(ステップS311:Yes)、演出制御用CPU31aは、カウントダウン演出の終了時に達したか否か(特定時刻Xを計時したか否か)を判定する(ステップS312)。
この判定結果が肯定の場合、(ステップS312:Yes)、演出制御用CPU31aは、カウントダウン演出の実行を指示する値をカウントダウン演出実行フラグから消去し(ステップS313)、カウントダウン演出終了処理を終了する。
ステップS312の判定結果が否定の場合(ステップS312:No)、演出制御用CPU31aは、操作ボタンBTが操作されたか否かを判定する(ステップS314)。この判定結果が肯定の場合(ステップS314:Yes)、演出制御用CPU31aは、カウントダウン演出の実行を指示する値をカウントダウン演出実行フラグから消去すると共に、RTC演出の実行を規制する値を規制フラグに設定する(ステップS315)。そして、演出制御用CPU31aは、カウントダウン演出終了処理を終了する。これにより、操作ボタンBTを操作することにより、カウントダウン演出を強制的に終了させると共に、その後、特定時刻Xが計時されても、RTC演出を実行させないようにすることができる。これにより、演出制御用CPU31aは、カウントダウン演出中において操作ボタンBTが操作されたとき、リアルタイムクロック31dが特定時刻Xを計時してもRTC演出の実行を規制するといえる。
なお、カウントダウン演出は、他の遊技演出と共に実行されるため、操作ボタンBTを操作した時点で終了させても、遊技演出の流れを把握することができる。また、ステップS314の判定結果が否定の場合(ステップS314:No)、演出制御用CPU31aは、カウントダウン演出終了処理を終了する。
次に、規制フラグの値をリセットするための処理について説明する。
演出制御用CPU31aは、リアルタイムクロック31dが特定時刻Xを計時したときから所定時間経過したか否かを判定する。前記所定時間は、RTC演出の演出時間に相当する。この判定結果が肯定の場合であって、RTC演出の実行を規制する値が規制フラグに設定されている場合、演出制御用CPU31aは、規制フラグから当該値を消去する。これにより、操作ボタンBTがカウントダウン演出又はRTC演出中に操作された場合、少なくとも規制フラグに当該値が設定されてから特定時刻Xを計時したときから所定時間(RTC演出の演出時間)が経過するまでRTC演出が実行されることはない。その一方、操作ボタンBTがカウントダウン演出又はRTC演出中に操作された場合、特定時刻Xを計時したときから所定時間(RTC演出の演出時間)が経過した場合には、その後再び特定時刻Xが計時されると、RTC演出を実行させることができるようになる。
また、本実施形態において、RTC演出中、飾り図柄変動ゲームの実行が規制されるように構成されているが、変動ゲーム(特別図柄変動ゲーム)の実行に連動して、飾り図柄とは異なる連動図柄が変動表示されることができるように構成されている。具体的には、演出表示装置13の表示領域において、右下の極小領域において、複数種類の連動図柄が表示されるように構成されている。そして、特別図柄変動ゲームの実行が開始されると共に、複数種類の連動図柄が変動表示され、特別図柄変動ゲームの実行が終了されると共に、複数種類の連動図柄が停止表示される。また、特別図柄変動ゲームにおいて大当り図柄(特別図柄)が停止表示される場合には、それに対応して、大当り用の連動図柄が停止表示されるように構成されている。同様に、特別図柄変動ゲームにおいてはずれ図柄(特別図柄)が停止表示される場合には、それに対応して、はずれ用の連動図柄が停止表示されるように構成されている。これにより、遊技者は、連動図柄が変動表示しているか否かにより、変動ゲーム中であるか否かを判別することもできる。
次に、特定時刻Xが計時されたときに、RTC演出に関する音声出力に関する制御について説明する。本実施形態では、特定時刻Xが計時された場合、必ずRTC演出に係わる音声を出力するように構成されている。すなわち、RTC演出が演出表示装置13においてその実行が規制されても、他の遊技演出に係わる音声と共にRTC演出に係わる音声が出力されるように構成されている。具体的には、演出制御用CPU31aは、特定時刻Xが計時された場合、RTC演出に係わる音声を出力させるようにスピーカSpを制御する。そして、RTC演出が実行されている間(例えば、RTC演出が延長される場合など)、それに伴い音声を出力させる。これにより、他のパチンコ遊技機10においてRTC演出が協働して実行される場合、少なくとも音声演出に関しては協働することができ、迫力ある音声演出を提供することができる。これにより、スピーカSpは、リアルタイムクロック31dが特定時刻Xを計時したとき、RTC演出の実行が規制されている場合であっても、RTC演出に関する音声を出力するといえる。
次に、図8〜図9に基づき、RTC演出の開始タイミング及び終了タイミングについてその作用と共に説明する。
まず、図8(a)では、カウントダウン演出の開始時からRTC演出が終了するまで、変動ゲームが複数回連続して実行されるものとして説明する。なお、図8〜図9では、上段には、変動ゲーム(特別図柄変動ゲーム)の実行状況を図示し、中段には、RTC演出が実行されないと想定したときに演出表示装置13に表示される表示内容を図示し、下段には、実際の(RTC演出が実行される場合の)演出表示装置13の表示内容を図示する。
カウントダウン演出の開始時が計時されると、演出制御用CPU31aは、演出表示装置13において、実行中の飾り図柄変動ゲームと共に、カウントダウン演出を開始させる(時点T1)。そして、特定時刻Xが計時されると、演出制御用CPU31aは、演出表示装置13において飾り図柄変動ゲームを規制して(途中で終了させて)、RTC演出を開始させる(時点T2)。その後、変動ゲームが繰り返し実行されても、演出表示装置13では、RTC演出を優先的に実行させる(時点T3,T4)。そして、特定時刻Xが計時されてから所定時間が経過して、RTC演出の演出時間が経過すると、演出制御用CPU31aは、変動ゲーム中であるか否かを判定する(時点T5)。前提より、変動ゲームが実行されているため、演出制御用CPU31aは、当該変動ゲームが終了するまで演出表示装置13においてRTC演出の実行を延長させる(時点T6)。これにより、RTC演出が終了すると、すぐに次の変動ゲームの開始時から飾り図柄変動ゲームを実行させることができる。
次に、図8(b)に基づき、RTC演出中に操作ボタンBTが操作された場合について説明する。図8(b)では、カウントダウン演出の開始時からRTC演出が終了するまで、変動ゲームが複数回連続して実行されるものとして説明する。また、図8(b)では、変動ゲームが終了するまでの時間が待機時間の範囲内であるときにおいて、操作ボタンBTが操作されるものとして説明する。
カウントダウン演出の開始時が計時されると、演出制御用CPU31aは、演出表示装置13において、実行中の飾り図柄変動ゲームと共に、カウントダウン演出を開始させる(時点T11)。そして、特定時刻Xが計時されると、演出制御用CPU31aは、演出表示装置13において飾り図柄変動ゲームを規制して(途中で終了させて)、RTC演出を開始させる(時点T12)。その後、変動ゲームが繰り返し実行されても、演出表示装置13ではRTC演出を優先的に実行させる(時点T13)。そして、特定時刻Xが計時されてから所定時間(時点T16)が経過する前(RTC演出中)、前提より操作ボタンBTが操作される(時点T14)。このとき、前提より、変動ゲームが終了するまでの時間が待機時間の範囲内であるときにおいて、操作ボタンBTが操作されるため、演出制御用CPU31aは、RTC演出の終了を決定し、当該時点において変動ゲーム中であるか否かを判定する(時点T14)。前提より、変動ゲームが実行されているため、演出制御用CPU31aは、当該変動ゲームが終了するまでRTC演出の実行を延長させる(時点T15)。これにより、RTC演出が終了すると、すぐに次の変動ゲームの開始時から飾り図柄変動ゲームを実行させることができる。
次に、図9(a)に基づき、変動ゲームが終了するまでの時間が待機時間の範囲外であるときにおいて、RTC演出中に操作ボタンBTが操作された場合について説明する。図9(a)では、カウントダウン演出の開始時からRTC演出が終了するまで、変動ゲームが複数回連続して実行されるものとして説明する。
カウントダウン演出の開始時が計時されると、演出制御用CPU31aは、演出表示装置13において、実行中の飾り図柄変動ゲームと共に、カウントダウン演出を開始させる(時点T21)。そして、特定時刻Xが計時されると、演出制御用CPU31aは、演出表示装置13において飾り図柄変動ゲームを規制して(途中で終了させて)、RTC演出を開始させる(時点T22)。その後、変動ゲームが繰り返し実行されても、演出表示装置13ではRTC演出を優先的に実行させる(時点T23)。そして、特定時刻Xが計時されてから所定時間が経過する前(RTC演出中)、前提より操作ボタンBTが操作される(時点T24)。このとき、前提より、変動ゲームが終了するまでの時間が待機時間の範囲外であるときにおいて、操作ボタンBTが操作されるため、演出制御用CPU31aは、RTC演出の終了を決定することなく、RTC演出の実行を継続する(時点T24)。そして、特定時刻Xが計時されてから所定時間が経過して、RTC演出の演出時間が経過すると、演出制御用CPU31aは、変動ゲーム中であるか否かを判定する(時点T25)。前提より、変動ゲームが実行されているため、演出制御用CPU31aは、演出表示装置13において、当該変動ゲームが終了するまでRTC演出の実行を延長させる(時点T26)。これにより、RTC演出が終了すると、すぐに次の変動ゲームの開始時から飾り図柄変動ゲームを実行させることができる。
次に、図9(b)に基づき、カウントダウン演出中に操作ボタンBTが操作された場合について説明する。図9(b)では、カウントダウン演出の開始時からRTC演出が終了するまで、変動ゲームが複数回連続して実行されるものとして説明する。
カウントダウン演出の開始時が計時されると、演出制御用CPU31aは、演出表示装置13において、実行中の飾り図柄変動ゲームと共に、カウントダウン演出を開始させる(時点T31)。そして、前提より特定時刻Xが計時される前に(カウントダウン演出中に)操作ボタンBTが操作される(時点T32)。これにより、演出制御用CPU31aは、カウントダウン演出を終了させる(時点T32)。また、演出制御用CPU31aは、規制フラグにRTC演出の実行を規制する値を設定するため、その後、特定時刻Xが計時されたとしても(時点T33)、RTC演出を実行せず、飾り図柄変動ゲームを規制することなく、継続させる。
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)演出制御用CPU31aは、操作ボタンBTが操作されたとき、RTC演出の実行を規制するように制御する。これにより、RTC演出を遊技者の選択により規制することができる。つまり、通常の遊技演出(飾り図柄変動ゲームなど)を見たい遊技者は、RTC演出を実行させないように選択することができ、遊技の興趣を向上することができる。従って、状況に応じて演出を実行することができる。
(2)また、演出制御用CPU31aは、RTC演出中において操作ボタンBTが操作されたとき、RTC演出の実行を終了させるように制御する。このため、RTC演出中に、操作ボタンBTが操作されたときに、RTC演出を終了することができる。その一方、操作されない場合には、RTC演出が実行されることとなるため、複数台のパチンコ遊技機10でRTC演出を協働して実行させることが可能となる。すなわち、いずれの演出を優先するか、遊技者が選択することができる。
(3)カウントダウン演出中において操作ボタンBTが操作されたとき、その後、特定時刻Xが計時されてもRTC演出の実行を規制する。すなわち、飾り図柄変動ゲームと共に実行されるカウントダウン演出中に、RTC演出を実行させるか否かを選択することができる。このため、飾り図柄変動ゲームが邪魔されることなく、RTC演出を事前に中止することができる。
(4)演出制御用CPU31aは、操作ボタンBTの操作に基づきRTC演出の実行を途中で終了させる場合、変動ゲームの終了時において、当該RTC演出を終了させるように制御する。これにより、RTC演出が終了したときに、変動ゲームが途中から実行されることがなくなる。このため、中途半端に開始されて、飾り図柄変動ゲームの流れが分からないなど、遊技者に違和感を与えることがない。
(5)演出制御用CPU31aは、RTC演出中、変動ゲームが終了する所定時間(待機時間)前から当該変動ゲームが終了するまでの間に(すなわち、変動ゲームが終了するまでの時間が所定の待機時間の範囲内である場合に)、操作ボタンBTが操作されたときに、RTC演出の実行を終了させるように制御することができる。これにより、操作ボタンBTが操作された後、所定の待機時間以内にRTC演出を終了させることができる。また、操作ボタンBTが操作された後、所定の待機時間以内に変動ゲームを終了させ、次の図柄変動ゲームを実行させることができる。このため、操作ボタンBTを操作した後、所定の待機時間内にRTC演出を終了させることができ、操作に基づきRTC演出を終了させたことを認識させることができる。また、RTC演出を終了させても、次の変動ゲームの開始まで遊技者を待たせることがなく、円滑に通常の演出に移行することができる。
(7)RTC演出の開始時(特定時刻Xが計時されたとき)から所定時間(RTC演出の演出時間)経過時において、変動ゲーム中であると判定した場合には、当該変動ゲームが終了したと判定するまで、RTC演出を延長させる。これにより、変動ゲームの途中において、RTC演出が終了し、変動ゲームの途中から通常の演出(飾り図柄変動ゲーム)が再開してしまうことを防止できる。すなわち、飾り図柄変動ゲームの途中から始まって演出内容が理解できないような状態となってしまうことを防止できる。従って、状況に応じて演出を実行することができ、遊技者に違和感を与えることがない。
(8)RTC演出を延長させる場合、演出制御用CPU31aは、延長時間に応じてRTC演出の演出内容を変更する。このため、RTC演出を延長させた場合であっても、延長する時間に応じて演出内容が変化するため、遊技者を楽しませることができる。また、違和感を与えることがない。
(9)音声を出力するスピーカSpを備え、スピーカSpは、特定時刻Xが計時されたとき、演出表示装置13においてRTC演出の実行が規制されて他の遊技演出が実行される場合であっても、RTC演出に関する音声を出力する。すなわち、演出表示装置13においてRTC演出が優先的に実行されない、又は規制される場合であっても、スピーカSpは、RTC演出に関する音声を出力する。これにより、特定時刻Xが計時された場合、少なくともRTC演出に関する音声は出力されるため、複数台のパチンコ遊技機10が協働してRTC演出を実行する場合であっても、共通して音声が出力されるため、他のパチンコ遊技機10においてRTC演出の興趣が損なわれることがない。
(10)演出制御用CPU31aは、RTC演出を開始する前、RTC演出の開始を示唆するカウントダウン演出を飾り図柄変動ゲームと共に実行させるように制御できる。これにより、カウントダウン演出が実行される場合には、RTC演出がまもなく開始されることを認識させることができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成は、第1実施形態と同じ符号を付してその詳細な説明及び図面は省略又は簡略する。
第2実施形態では、カウントダウン演出中又はRTC演出中に操作ボタンBTを操作することにより、カウントダウン演出及びRTC演出の実行を途中で規制することができることに加えて、RTC演出の実行を禁止する禁止モードを予め設定することができるようになっている。すなわち、RTC演出の実行を禁止する禁止モードが設定された場合、それ以後、カウントダウン演出及びRTC演出が実行されないようにすることができる。
以下、禁止モードを設定するための設定処理及び禁止モードを解除するための解除処理について説明する。まず、禁止モードを設定するための設定処理について説明する。
演出制御用CPU31aは、デモンストレーション演出中、操作ボタンBTにより所定の操作が行われると(例えば、操作ボタンBTが所定時間継続して押され続けると)、禁止モードを示す値をモードフラグに設定するように制御する。モードフラグは、演出制御用RAM31cに記憶される。そして、演出制御用CPU31aは、モードフラグに禁止モードを示す値が設定されている間、RTC演出の実行を規制する値を規制フラグに設定し続ける。これにより、特定時刻Xが計時されても、RTC演出開始処理のステップS102の判定結果が肯定となるため、RTC演出が実行されない。
また、演出制御用CPU31aは、モードフラグに禁止モードを示す値が設定されている間、カウントダウン演出の実行を規制する値をカウントダウン演出用規制フラグに設定し続ける。カウントダウン演出用規制フラグは、演出制御用RAM31cに記憶される。これにより、演出制御用CPU31aは、モードフラグに禁止モードを示す値が設定されている間、予め決められたカウントダウン演出開始時が計時されたとしても、カウントダウン演出の実行を規制するように制御する。
以上により、演出制御用CPU31aは、RTC演出の実行を禁止する禁止モードを設定する演出モード設定手段となる。また、演出制御用CPU31aは、デモンストレーション演出中に、操作ボタンBTにより禁止モードが選択された場合、禁止モードを設定するといえる。また、演出制御用CPU31aは、禁止モードが設定されている場合、リアルタイムクロック31dが特定時刻Xを計時しても、RTC演出の実行を規制するように制御するといえる。
次に解除処理について説明する。
解除処理において、演出制御用CPU31aは、禁止モードを示す値がモードフラグに設定されているときに、所定の終了条件が成立したとき、モードフラグから禁止モードを示す値を消去(リセット)するように制御する。具体的には、演出制御用CPU31aは、禁止モードを示す値がモードフラグに設定されているときに、デモンストレーション演出が所定時間(例えば10分間)実行された場合(すなわち、変動ゲームが所定時間継続して実行されなかった場合)、モードフラグから禁止モードを示す値を消去(リセット)するように制御する。これにより、禁止モードが解除されて、通常の演出モードに移行する。そして、演出制御用CPU31aは、リアルタイムクロック31dが特定時刻Xを計時したときから所定時間(RTC演出の演出時間)の範囲内でないならば、RTC演出の実行を規制する値を規制フラグから消去(リセット)するように制御する。これにより、RTC演出が実行可能となる。同様に、演出制御用CPU31aは、予め決められたカウントダウン演出開始時から特定時刻Xが経過するまでの期間でなければ、カウントダウン演出の実行を規制する値をカウントダウン演出用規制フラグから消去(リセット)するように制御する。これにより、カウントダウン演出が実行可能となる。
以上詳述したように、本実施形態は、第1実施形態の効果に加えて、以下の効果を有する。
(11)デモンストレーション演出中に、予めRTC演出の実行を禁止する禁止モードを設定することができるため、特定時刻Xが計時される毎に(RTC演出が開始される毎に)RTC演出の実行を規制するために操作ボタンBTを操作する必要が無くなり、RTC演出の実行を希望しない遊技者に煩わしさを与えることが無くなる。また、RTC演出に加えて、カウントダウン演出も実行させないようにすることができるため、RTC演出が実行されないにもかかわらず、カウントダウン演出が実行されてしまうことを防止でき、遊技者に違和感を与えない。
(12)また、禁止モードが設定された場合であっても、所定時間変動ゲームが実行されない場合には、禁止モードが解除される。このため、遊技者が、RTC演出の実行を望まない遊技者(前の遊技者)から、RTC演出の実行を希望する遊技者(後の遊技者)となった場合において、後の遊技者が禁止モードを設定していないにもかかわらず、前の遊技者が設定した禁止モードが設定され続けることが無くなる。このため、後の遊技者に配慮して遊技の興趣を向上することができる。また、禁止モードが設定された後、遊技が行われていないにもかからず、禁止モードが解除されず、RTC演出の実行が規制され続けることを防止できる。これにより、複数台のパチンコ遊技機10で協働してRTC演出を実行させやすくすることができる。
なお、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・上記実施形態において、特定時刻Xから所定時間までの時間は、RTC演出の演出時間としていたが、RTC演出の演出時間よりも短ければ、変更しても良い。例えば、RTC演出の演出時間よりも決められた時間(例えば、5秒)短くしても良い。なお、所定時間経過時からRTC演出を終了することができる時点(演出時間終了時)までの期間は、変動ゲームの変動時間のうち最短の変動時間よりも短いことが望ましい。これにより、保留中の変動ゲームの変動時間を先読みしなくても、RTC演出の演出時間経過時に変動ゲーム中であるか否かを判定することができる。
・上記実施形態において、RTC演出を延長させる場合、延長させる毎に演出内容を追加することにより、演出内容を変更した。この別例として、変動ゲームの終了時を先読みして、延長させる演出時間を特定し、延長させる演出時間に応じて追加する演出内容を予め変更しても良い。変動ゲームの終了時は、例えば、指定された変動パターンに基づき、先読みすることができる。
・上記実施形態において、RTC演出の表示領域は任意に変更しても良い。例えば、表示領域を縮小して、飾り図柄変動ゲーム(又は簡略化したゲーム演出)を見せることができるようにしてもよい。
・上記実施形態において、RTC演出の演出時間経過時又はRTC演出の強制終了時において、変動ゲーム中であった場合には、当該変動ゲームが終了するまでRTC演出を延長させたが延長させなくても良い。
・上記実施形態において、RTC演出の演出時間経過時又はRTC演出の強制終了時において、変動ゲーム中であった場合には、当該変動ゲームが終了するまでRTC演出を延長させたが、次の変動ゲームが開始するまで延長させても良い。次の変動ゲームの開始時は、変動パターン指定コマンドの入力時により特定することができる。すなわち、演出制御用CPU31aは、次の変動パターン指定コマンドを入力するまで、RTC演出を延長させるようにすればよい。
・上記実施形態において、特定の遊技演出が実行されているときに限り、操作ボタンBTの操作に基づき、又は禁止モードの設定により、RTC演出の実行を規制しても良い。例えば、大当り遊技演出が実行される場合又は特定内容(大当り期待度の高い演出内容、スーパーリーチ演出など)の変動ゲームが実行される場合、操作ボタンBTの操作に基づき、又は禁止モードの設定により、RTC演出の実行を規制しても良い。
・上記実施形態において、特定の遊技演出が実行されている場合、操作ボタンが操作されなくてもRTC演出を規制しても良い。例えば、大当り遊技演出が実行される場合又は特定内容(大当り期待度の高い演出内容)の変動ゲームが実行される場合、RTC演出の実行を規制しても良い。
・上記実施形態において、特定の遊技状態中であるときに限り、操作ボタンBTの操作に基づき、又は禁止モードの設定により、RTC演出の実行を規制しても良い。例えば、大当り確率が通常よりも高確率となる確変状態又は始動入賞口へ遊技球が入球しやすくなる変短状態が付与されている場合、操作ボタンBTの操作に基づき又は禁止モードの設定により、RTC演出の実行を規制しても良い。
・上記実施形態において、特定の遊技状態中であるとき、RTC演出の実行を規制しても良い。例えば、大当り確率が通常よりも高確率となる確変状態又は始動入賞口へ遊技球が入球しやすくなる変短状態が付与されている場合、RTC演出の実行を規制しても良い。
・上記実施形態において、操作ボタンBTが操作された時点から変動ゲームの終了時までの時間が待機時間内であれば、RTC演出を途中で終了させることができるように構成されていたが、待機時間外に操作されたとしてもRTC演出を途中で終了させることができるようにしても良い。すなわち、ステップS208の判定結果が否定の場合、(ステップS208:No)、ステップS209の判定を行うことなく、ステップS203の処理に移行させても良い。
・上記実施形態において、操作ボタンBTが操作された時点から変動ゲームの終了時までの時間が待機時間内であれば、RTC演出を途中で終了させることができるように構成されていたが、当該待機時間は任意に変更しても良い。例えば、0秒〜10秒の範囲内で設定してもよい。なお、待機時間は、変動ゲームの変動時間のうち最短の変動時間よりも短いことが望ましい。
・上記実施形態において、ステップS209の判定結果が肯定の場合、ステップS205の処理に移行したが、ステップS203の処理に移行しても良い。
・上記実施形態において、RTC演出を途中で終了させた場合、保留されている変動ゲーム及び実行中の変動ゲームが存在せず、大当り遊技も付与されていないのであれば、最初からデモンストレーション演出を実行させるようにしてもよい。
・上記実施形態において、デモンストレーション演出が実行されている場合には、操作ボタンBTの操作や、禁止モードの設定にかかわらず、強制的にRTC演出を実行させても良い。これにより、飾り図柄変動ゲームが実行されていない場合には、RTC演出を優先実行させることができる。また、複数台のパチンコ遊技機10で協働してRTC演出を実行させる可能性を高くすることができる。
・上記第2実施形態では、デモンストレーション演出が所定時間実行された場合、禁止モードを終了させたが、禁止モードの終了条件は、任意に変更しても良い。例えば、遊技球が所定時間発射されなかった場合、禁止モードを終了させるようにしても良い。
・上記実施形態において、変動ゲーム毎にRTC演出を実行させるか否かを選択できるようにしても良い。
・上記実施形態では、操作ボタンBTが操作された場合、又は禁止モードが設定された場合、演出表示装置13においてRTC演出を完全に規制したが、表示態様を変更してRTC演出を実行させても良い。例えば、表示領域及び表示内容を縮小してRTC演出を実行させるなどして、飾り図柄変動ゲームと共に実行させることができるようにしてもよい。すなわち、操作ボタンBTが操作された場合、又は禁止モードが設定された場合、他の遊技演出を優先して実行することができるのであれば、RTC演出を実行させても良い。
・上記実施形態において、演出制御用CPU31aは、RTC演出の演出時間経過時又は強制終了時において、大当り遊技及び変動ゲームが実行されておらず、且つ、保留記憶数が存在しない場合には、デモンストレーション演出において予め決められたタイミングまでRTC演出を延長させるようにしてもよい。例えば、デモンストレーション演出の区切れ目またRTC演出を延長させても良い。また、当該タイミングは、待機デモ中のいずれのタイミングであってもよい。待機デモは、画像を停止表示させているだけであるため、いずれのタイミングであっても遊技者に違和感を与えることがない。
・上記実施形態において、特定時刻Xが計時されたときに大当り遊技が付与されていた場合、又はRTC演出中に大当り遊技が付与された場合、RTC演出の実行を規制しても良い。その場合、大当り遊技演出が終了した後、途中からRTC演出を実行させても良いし、そのままRTC演出を規制し続けて、通常の演出(飾り図柄変動ゲーム)を実行させても良い。
・上記実施形態では、演出表示装置13においてRTC演出の実行が規制されているか否かに関係なく、特定時刻Xが計時されたときから、スピーカSpからRTC演出に関する音声出力を実行させたが、演出表示装置13におけるRTC演出の実行の規制と共に、RTC演出に関する音声出力を規制しても良い。
・上記実施形態では、カウントダウン演出を実行させていたが、実行させなくても良い。
・上記実施形態では、演出制御基板31にリアルタイムクロック31dを備えたが、主制御基板30に備えても良い。この場合、RTC演出を演出制御用CPU31aの代わりに主制御用CPU30aにより実行指示させてもよいし、主制御用CPU30aが、特定時刻Xが計時されたときを演出制御基板31に指示するようにしてもよい。
・上記実施形態において、開始示唆演出の演出内容は、カウントダウンとしたが、RTC演出の開始を事前に示唆するものであれば、演出内容を任意に変更しても良い。例えば、所定のキャラクタが登場するなどであってもよい。
・上記実施形態において、特定時刻Xは、同じ遊技島YSに設置されている複数台のパチンコ遊技機10において、共通とされていたが、異ならせても良い。これにより、いつRTC演出が実行されるかについて注目させることができる。
・上記実施形態において、カウントダウン演出は、飾り図柄変動ゲーム又はデモンストレーション演出と共に実行させていたが、カウントダウン演出を優先して実行させても良い。つまり、飾り図柄変動ゲーム又はデモンストレーション演出の実行を規制して、カウントダウン演出を実行させても良い。
・上記実施形態において、RTC演出中、連動図柄を表示可能に構成していたが、表示させなくても良い。また、演出表示装置13以外の表示装置において表示させるものであっても良い。
・上記第2実施形態において、禁止モードを設定することができるのであれば、RTC演出又はカウントダウン演出中、操作ボタンBTの操作に基づき、RTC演出の実行を規制することができなくてもよい。
・上記実施形態において、RTC演出又はカウントダウン演出を終了させるための操作ボタンBTの操作態様は、任意に変更しても良い。例えば、所定回数操作ボタンBTを操作することにより、終了させても良い。また、操作ボタンBTの形状を十字キーなどのように構成して、演出表示装置13に表示された選択肢を選択させることで規制するようにしてもよい。
・上記第2実施形態において、禁止モードを設定するための操作ボタンBTの操作態様は、任意に変更しても良い。例えば、所定回数操作ボタンBTを操作することにより、設定するようにしても良い。また、操作ボタンBTの形状を十字キーなどのように構成して、演出表示装置13に表示された選択肢を選択させることで禁止モードを設定できるようにしてもよい。
・上記実施形態では、パチンコ遊技機に採用したが、スロットマシン(回胴式遊技機、以下、スロット)にて実現させても良い。なお、スロットは、遊技者が開始操作手段(スタートレバー)の操作を行うことを契機(始動条件の成立を契機)に、図柄が配列された複数のリール(変動ゲーム)が変動開始すると共に、変動ゲームの当否に関連した当否判定を行うものである。そして、スロットでは、リールの回転後、各リールに対応して設けられた停止操作手段(ストップボタン)の操作を契機に、当否判定に基づく図柄停止処理が実行され、停止した図柄の組み合わせにより遊技価値(賞メダルなど)が付与されるものである。
また、スロットに採用した場合、演出表示装置において必ずしも、飾り図柄変動ゲームを実行させる必要はなく、当否判定の結果を示唆する演出ゲームなどの演出表示を行っていればよい。なお、スロットにおいて、大当り遊技に対応する特定有利状態とは、例えば、所定の当否判定の結果(所定の成立役)が成立しやすくなる状態(所謂、リプレイタイムなど)や、所定の図柄組み合わせ(遊技価値を付与する所定の組み合わせ)を停止させやすくする状態(所謂、アシストタイムなど)のことである。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)上記遊技機において、音声を出力する音声出力手段を備え、前記音声出力手段は、前記計時手段が特定時刻を計時したとき、特別演出の実行が規制されている場合であっても、実行中の遊技演出に関する音声と共に、前記特別演出に関する音声を出力するようにしてもよい。
(ロ)上記遊技機において、音声を出力する音声出力手段を備え、前記音声出力手段は、前記計時手段が特定時刻を計時したとき、特別演出の実行が規制されている場合、実行中の遊技演出に関する音声を規制する一方で、前記特別演出に関する音声を出力するようにしてもよい。
(ハ)上記遊技機において、前記禁止モードが設定された場合であって、所定の終了条件が成立した場合に、前記禁止モードが終了するようにしてもよい。
(ニ)時刻を計時する計時手段と、遊技演出を実行する演出実行手段と、遊技者により操作可能な演出用操作手段と、を備え、前記演出実行手段は、前記計時手段が特定時刻を計時したことを契機に特別演出を実行する一方、前記演出用操作手段により所定の操作が行われたときには、前記特別演出を実行しないことを特徴とする遊技機。