JP2015216953A - 運動能力測定用椅子 - Google Patents

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高敬 宮本
細部 孝
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孝 細部
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Abstract

【課題】3mTUG測定において、被測定者の各動作に要した時間を自動計測可能な椅子を提供する。【解決手段】椅子10と被測定者との接触状態を検知する接触検知センサにより、被測定者の起立動作開始及び着座が検出される。接触検知センサには、背もたれ部14と被測定者との接触状態を検知する背もたれ部接触検知センサ又は座部12と被測定者との接触状態を検知する座部接触検知センサが含まれる。また、椅子10の後方端部から被測定者までの距離を検出する人体検出センサ60により、被測定者の起立及び着座動作開始が検出される。計時手段は、接触検知センサ及び人体検出センサ60の出力信号に基づいて、被測定者の各動作に要した時間を計測する。【選択図】図5

Description

本発明は、被測定者の運動能力の測定を支援する運動能力測定用椅子に関する。
近年、日本整形外科学会によりロコモティブシンドロームが提唱されている。ロコモティブシンドロームとは、骨や関節、筋肉等の運動器の衰えや障害によって介護が必要となるリスクが高い状態をいう。日本整形外科学会は、「人間は運動器に支えられて生きている。運動器の健康には、医学的評価と対策が重要であるということを日々意識してほしい」というメッセージを込め、ロコモティブシンドロームを提唱している。
ロコモティブシンドロームであるか否か評価するための様々な運動能力測定が提案されている。例えば、被測定者が椅子から立ち上がり、3メートル離れたコーン等の目標に向かって歩行し、目標を回って折り返して再度3メートル歩行して椅子に座るまでの時間を計測する3mTUG(Time up & go)測定がある。3mTUG測定では、椅子からの起立動作、歩行動作、椅子への着座動作の各動作に要した時間も計測される。3mTUG測定は世界的に用いられている測定方法であり、椅子から立つ、歩く、椅子に座るという日常生活において必要とされる基本動作を評価することが可能である。
3mTUG測定において、被測定者が起立動作、歩行動作、及び着座動作の各動作に要した時間の計測は、測定者等による手動で行なわれている。具体的には、測定者は被測定者の動作を注視し、被測定者の起立動作の開始時点及び完了時点、並びに椅子への着座動作の開始時点及び完了時点においてストップウォッチ等を操作することで各動作に要した時間を計測している。
特開2007−518430号公報
上述の通り、3mTUG測定において、被測定者の各動作に要した時間の計測を手動で行っているため、時間の計測に手間がかかっている。さらに、測定者等の手動計測によると、起立又は着座動作の開始又は完了した時点の判断は測定者等の主観によることとなり、計測結果にばらつきが生じるおそれもある。
また、測定者が被測定者の介助を行いながら時間を計測しなければならない場合、正確な時間が計測できないおそれがある上、時間計測に気を取られて介助が疎かになってしまうおそれもある。
以上のような問題を解決するために、3mTUG測定における、被測定者の起立動作、歩行動作、及び着座動作の各動作に要した時間の計測の自動化が望まれている。なお、上記特許文献1に記載の発明は、運動機能検査用椅子に設けられた圧力センサにより被験者の着座姿勢における胴の傾斜(左右へのバランスの不平衡)や、起立動作或いは着座動作中における姿勢自体を検出するものであり、起立動作及び着座動作の開始或いは完了を検出するものではない。また、各動作に要した時間を計測する手段も開示されていない。
本発明の目的は、3mTUG測定において、被測定者の各動作に要した時間を自動計測可能な椅子を提供することにある。
本発明に係る運動能力測定用椅子は、被測定者が、着座している椅子から起立し、所定距離歩行し、再度前記椅子へ着座するまでの時間を計測する運動能力測定に用いられる運動能力測定用椅子であって、前記運動能力測定用椅子と前記被測定者との接触状態を検知することで被測定者の起立動作開始及び着座を検出する接触検知センサと、前記接触検知センサの出力信号に基づいて、前記起立動作開始が検出された時点から前記着座が検出された時点までの時間を計測する計時手段とを備えるものである。
上記構成によれば、運動能力測定用椅子と被測定者との接触を検知する接触検知センサにより、被測定者の当該椅子からの起立動作の開始及び当該椅子への着座が検出される。被測定者が起立動作を開始するとき、例えば背中を椅子の背もたれ部から離す等、被測定者と椅子との接触状態が変化する。したがって、被測定者と運動能力測定用椅子との接触状態を検知する接触検知センサ(例えば運動能力測定用椅子の背もたれ部と被測定者が接触しているか否かを検知する背もたれ部接触検知センサ)によって、被測定者の起立動作の開始を検出することが可能である。同様に、被測定者が着座したとき、例えば背中と椅子の背もたれ部が接触する、或いは臀部と椅子の座部とが接触する等のように、起立動作の開始時同様、被測定者と椅子との接触状態が変化する。したがって、被測定者と運動能力測定用椅子との接触状態を検知する接触検知センサによって、被測定者の着座を検出することが可能である。そして、計時手段は、接触検知センサからの出力信号に基づいて、起立動作開始から着座までの間の時間を計測する。例えば、運動能力測定用椅子の背もたれと被測定者との接触状態が接触から非接触へ切り替わった時点から、同接触状態が非接触から接触へ切り替わった時点までの時間を計測することで、起立動作開始から着座までに要した時間を計測することができる。
望ましくは、前記運動能力測定用椅子の後方端部から前記被測定者までの距離が所定距離以上となったことを検知して前記被測定者の起立を検出する起立検出センサ、をさらに含み、前記計時手段は、前記接触検知センサ及び前記起立検出センサの出力信号に基づき、前記起立動作開始が検出された時点から前記起立が検出された時点までの時間を計測する。
起立検出センサが設けられることで、被測定者の起立を検出することができる。被測定者が運動能力測定用椅子から起立すると、当該椅子の背もたれ部から被測定者までの距離は、着座姿勢或いは起立動作中の姿勢に比して長くなる。したがって、運動能力測定用椅子の背もたれ部と被測定者との距離が所定距離(例えば運動能力測定用椅子の座部の奥行き)より大きくなったことをもって、被測定者の起立を検出することができる。計時手段は、接触検知センサ及び起立検出センサの出力信号に基づいて、被測定者の起立動作の開始から起立に至るまでの時間を計測する。
望ましくは、前記運動能力測定用椅子の後方端部から前記被測定者までの距離が所定距離未満となったことを検知して前記被測定者の着座動作開始を検出する着座動作開始検出センサ、をさらに含み、前記計時手段は、前記接触検知センサ及び前記着座動作開始検出センサの出力信号に基づき、前記着座動作開始が検出された時点から前記着座が検出された時点までの時間を計測する。
着座動作開始検出センサが設けられることで、被測定者の着座動作の開始を検出することができる。被測定者の椅子への着座動作開始直後の姿勢は、起立姿勢から腰をかがめ、臀部が椅子の背もたれ部へ突き出された姿勢となる。したがって、着座動作開始直後の姿勢は、起立姿勢に比して、椅子の後方端部(例えば背もたれ部)から被測定者までの距離が短くなる。したがって、運動能力測定用椅子の後方端部と被測定者との距離が所定距離(例えば運動能力測定用椅子の座部の奥行き)以下となったことをもって、被測定者の着座動作の開始を検出することができる。計時手段は、接触検知センサ及び着座動作開始検出センサの出力信号に基づいて、被測定者の着座動作の開始から着座に至るまでの時間を計測する。
望ましくは、前記計時手段は、前記起立検出センサ及び前記着座動作開始検出センサの出力信号に基づき、前記起立が検出された時点から前記着座動作開始が検出された時点までの時間を前記被測定者の歩行時間として計測する。3mTUG測定においては、被測定者は、椅子から起立した後、3メートルの距離を往復歩行し、椅子へ着座する。したがって、起立が検出された時点から着座動作開始までの時間を計測することで、3メートルの距離の往復歩行に要した時間が計測される。
望ましくは、前記接触検知センサは、前記運動能力測定用椅子の背もたれ部と前記被測定者が接触状態であることを検知する背板センサ、或いは前記運動能力測定用椅子の座部と前記被測定者が接触状態であることを検知する座板センサを含む。接触検知センサを背板センサとすることで、被測定者の背中が運動能力測定用椅子の背もたれ部から離れたことをもって起立動作開始を検出し、また被測定者の背中が運動能力測定用椅子の背もたれ部に接触したことをもって着座を検出可能となる。また、被測定者が腰の悪い者等である場合、着座姿勢において背中を背もたれ部に接触させるのが難しい場合がある。このような場合に、背板センサに代えて座板センサが検出した被測定者との接触状態に応じて起立動作の開始及び着座を検出するようにしてもよい。
本発明によれば、3mTUG測定において、被測定者の各動作に要した時間を自動計測することができる。
3mTUG測定における被測定者の移動経路を示す図である。 本実施形態に係る運動能力測定用椅子の斜視図である。 折り返し地点を示す目標が照射される様子を示す図である。 映し出される目標の例を示す図である。 本実施形態に係る運動能力測定用椅子の一部断面図である。 3mTUG測定における被測定者の姿勢の変化を示す図である。 図6に示す各姿勢における各センサの検出状態を示す表である。 被測定者の移動経路の始点及び終点が照射される様子を示す図である。 レーザの出射角度が段階的に変更される様子を示す図である。 視標部の可動方向を示す図である。
以下、本発明に係る運動能力測定用椅子の実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
図1を用いて3mTUG測定について説明する。3mTUG測定は、被測定者50が椅子10に着座した状態から開始する。まず、被測定者50は、椅子10から起立し、椅子10から3メートル離れた折り返し地点を示す目標42に向かって歩行する。目標42付近に達したら、目標42の周囲を回って折り返し、椅子10に向かって再び3メートル歩行する。椅子10に到着したら向きを変え、椅子10に着座する。椅子10から起立動作の開始から再度椅子10へ着座するまでの時間が計測される。また、起立動作、歩行動作、及び着座動作の各動作に要した時間も計測される。
図2は、本実施形態に係る運動能力測定用椅子10の斜視図である。本実施形態に係る運動能力測定用の椅子10は、上述の3mTUG測定や歩行測定等の運動能力測定に用いられる椅子である。椅子10は、被測定者が着座する部分である座部12、座部12を支える脚部16、着座した被測定者の背中を支える背もたれ部14を有する。座部12は座板12a及び座板カバー12bを含むことができ、背もたれ部14は背板14a及び背板カバー14bを含むことができる。座部12及び背もたれ部14の詳細な構造については後述する。脚部16は、椅子10の左右両側に設けられており、それぞれ前脚16a、後脚16b及び前脚と後脚の下端同士を結ぶ連結材16cを有する。椅子10は、さらに左右両側に肘掛部18を有することができる。肘掛部18は、前腕を置くためなどに用いられる肘置部18aと、肘置部18aを支える前支柱18b及び後支柱18cを有する。前脚16aと前支柱18bは1本の直線棒状部材で構成することができ、同様に後脚16bと後支柱18bも1本の直線棒状部材で構成することができる。
運動能力測定用椅子は、上記の態様に限らず、他の様々な態様を採用することができる。例えば、背もたれ部のない態様、肘掛部のない態様、さらに両者ともにない態様を採ることができる。脚部及び肘掛部の態様についても他の態様を採ることができる。例えば、肘掛部について、その後端を背もたれ部に固定し、片持ち支持とした態様とすることができる。
さらに、椅子10は、運動能力測定中に被測定者の視点の目標となる視標部24及び運動能力測定に係る情報を表示する表示部26を有することができる。視標部24及び表示部26については、後に詳述する。視標部24は背もたれ部14に固定されているが、背もたれ部14を有さない椅子の場合には、視標部24を座部12に固定するようにしてもよい。
椅子10にはレーザ光源20a〜dが設けられる。本実施形態に用いられるレーザ光源は、光を増幅して照射するものである。レーザ光源から壁面や床面等の面に対して可視光であるレーザ光を照射すると照射面において所定の像が映し出される。レーザ光源20a及び20bは、椅子10の左右の端部に設けられる。より具体的には、肘掛部18の前支柱18bに固定的に又は着脱可能に装着される。前支柱18bがない態様、さらに肘掛部18がない態様の椅子においては、レーザ光源20a及び20bを前脚16a、又は座部12の左右端縁の近傍に設けるようにしてもよい。レーザ光源20a〜dのレーザの出射又は停止を制御するために、スイッチ22aを有するコントローラ22が設けられる。
椅子10に設けられるレーザ光源20a〜dは、被測定者の移動のための目標を床面に照射するためのものである。レーザ光源20a〜dは、床面に対して可視光であるレーザ光を照射して床面に像を映し出す。当該像が被測定者の移動のための目標となる。レーザ光源20a〜dは、床面に像を映し出すためのものであるので、床面に像を映し出す可視光が照射可能であれば、レーザ光源に代えて他の可視光源を用いるようにしてもよい。レーザ光源20a〜dは、後述のコントローラ22に設けられるスイッチ22aによりレーザ光が出射あるいは停止される。また、レーザ光が出射したままの状態で放置されることを防ぐために、出射開始後所定時間経過した場合は自動的にレーザ光の出射を止めるようにしてもよい。
レーザ光源20a〜dのうち、レーザ光源20a及び20bは、異なる位置に設けられ、床面の同じ位置に向けてレーザ光を照射し、床面のその位置にそれぞれの像を重ねて1つの目標を映し出す。本実施形態においては、当該目標は、上述の3mTUG測定時の被測定者の歩行経路における折り返し地点を示すものである。しかし、レーザ光源20a及び20bにより映し出される目標を3mTUG測定以外の測定に利用してもよい。本実施形態では、目標を映し出すレーザ光源としてレーザ光源20a及び20bの2つのレーザ光源が示されているが、1つ、あるいは3以上のレーザ光源を用いるようにしてもよい。ただし、後述の通り、レーザ光が被測定者に遮られた場合を考慮すると、目標を映し出すためのレーザ光源は複数あった方が好ましい。
被測定者が椅子10に着座した状態において被測定者によってレーザ光が遮られないように、レーザ光源20a及び20bは椅子10の左右端部(上述の通り本実施形態においては肘掛部18の前支柱18a)にそれぞれ設けられている。また、レーザ光源20a及び20bを椅子10の左右端部に設けることで、3mTUG測定において歩行動作中の被測定者によってレーザ光が遮られ目標が消えてしまうことを防ぐ。
3mTUG測定において、図1に示されるよう、被測定者50が折り返し地点を左回りに旋回する場合、被測定者50は、椅子10から立ち上がると右斜め前方に歩き出す。そうすると、例えば被測定者50が位置52にいる場合、椅子10の右側端部に設けられたレーザ光源20aから照射されるレーザ光40aが被測定者50により遮られてしまう。このような場合であっても、椅子10の左側端部に設けられたレーザ光源20bから照射されるレーザ光40bにより、折り返し位置を示す目標42が映し出されるため、目標42が消えてしまうことはない。被測定者50が右回りに旋回した場合も同様に、レーザ光40bが遮られてしまうが、レーザ光40aにより目標42が映し出されるため、目標42が消えてしまうことはない。
また、レーザ光源20a及び20bを肘置部18aより下側に設けることで、着座した被測定者の腕あるいは手によりレーザ光が遮られることを防ぐことができる。したがって、例えばレーザ光源20a及び20bを脚部16の前側等に設けるようにしてもよい。なお、着座した測定者によりレーザ光が遮断されることを防ぐには、着座した被測定者の頭上にレーザ光源を設けることも考えられるが、レーザ光が被測定者等の目に入るおそれを考慮すると、レーザ光源は椅子10の下部、少なくとも着座した被測定者の目の位置より下側に設けるのが好ましい。
レーザ光源20c及び20dについては図8及び図9を用いて後述する。
コントローラ22は、椅子10の制御を行うものである。本実施形態では、コントローラ22は椅子10とは別体となっており、両者はケーブルで接続されている。コントローラ22と椅子10とが無線通信を行うようにしてもよい。有線で接続される場合は、接続に用いられる線材を、脚部16、肘掛部18、座部12、あるいは背もたれ部14の内部に配設することができる。線材が椅子10の外部に出ている部分を極力減らすことで、被測定者等が引っ掛かってつまずいたりする可能性を低減させる。
コントローラ22に設けられたスイッチ22aは、レーザ光源20a〜dからのレーザ光を出射あるいは停止するためのものである。また、被測定者が所定の動作を行うのに要した時間を計測するタイマの開始あるいは停止をする機能を有していてもよい。コントローラ22が椅子10と別体となっていることで、例えば被測定者の介助者が、運動測定中に被測定者の介助を行いながらレーザ光の出射や停止、あるいはタイマの開始や停止を行うことができる。なお、コントローラ22は、椅子10と一体となっていてもよい。
コントローラ22は、内部にマイクロコンピュータ22bを有している。マイクロコンピュータ22bは、椅子10に設けられた複数のセンサの出力信号に基づいて、被測定者の動作に要した時間を計測する。複数のセンサ及びマイクロコンピュータ22bについては、図5−図7を用いて後述する。
視標部24は、運動能力測定中に被測定者の視点を集中させるためのものである。視標部24は、例えば、被測定者が片脚立ちの姿勢を何秒維持できるかを計測する片脚起立検査、あるいは被測定者に起立姿勢を維持させ、重心動揺計により被測定者の重心の動揺を測定する重心動揺検査等の検査において利用される。片脚起立検査、重心動揺検査等の検査において、被測定者は測定中に視標部24を視るように指示される。また、視標部24には、3mTUG測定あるいは歩行測定等動作に要した時間を計測することが必要な測定において、カウントアップタイマを表示するようにしてもよい。
表示部26は、椅子10と別体となっており、両者はケーブル等で接続されている。これらが無線通信を行うようにしてもよい。表示部26には、例えば各レーザ光源がレーザを出射しているか否か等の情報、あるいは視標部24の表示と同様なタイマ表示が表示される。
図3は、折り返し地点を示す目標が照射される様子を示す図である。図3においては、座部、背もたれ部、肘掛部、脚部、及びレーザ光源20a及び20b以外の構成要素は省略されている。図3に示されるように、レーザ光源20aからレーザ光40aが、レーザ光源20bからレーザ光40bが、それぞれ椅子10から所定距離離れた床面の1点に向けて照射され、折り返し地点を示す像である目標42を映し出している。
本実施形態においては、目標42が3mTUG測定における折り返し地点を示すものであるため、椅子10から目標42までの距離d1は3メートルとなっている。d1は、レーザ光源20a及び20bの設置高さ(床面からの距離)、及びレーザ光源20a及び20bから出射されるレーザ光40a及び40bの床面に対する出射角度により決定される。d1を容易に3メートルとすることができるよう、レーザ光源20a及び20bの設置高さ及びレーザ光40a及び40bの床面に対する出射角度は、d1が3メートルとなる高さ及び角度に固定されるのが好ましい。あるいは設置高さ又は出射角度は可変であるがd1が3メートルとなる高さ又は出射角度においてロックされる機構を有するのが好ましい。また、レーザ光源20a及び20bを着脱可能とした場合、再装着時に、レーザ光源の高さ及び向きが再現されることが好ましい。なお、目標42を3mTUG測定以外の測定に用いる場合等を考慮して、d1が3メートル以外の距離にも設定可能なようにしてもよい。
図4は、映し出される目標の例を示す図である。レーザ光源20a及び20bにより床面に映し出される目標は、図4(a)に示されるようなドット形状42a、図4(b)に示されるようなクロス形状42b、図4(c)に示されるようなサークル形状42c、あるいは図4(d)に示されるようなライン形状42d等であってよい。もちろん、目標の形状はこれらに限られない。3mTUG測定においては折り返し地点の位置が分かればよいので、図4に示されるいずれの形状も好適に用いられることができる。被測定者に目を閉じた状態で所定時間足踏みさせ、測定開始から測定終了までに生じた被測定者の位置の変位を測定する足踏検査等、被測定者の元の位置からの変位を計測する運動能力測定に用いる場合には、位置の変位を測定する基準となる点が示される形状、すなわちドット形状42a、クロス形状42b(2本の直線の交差点を基準とする)又はサークル形状42c(サークルの中心を基準とする)が好ましい。また、ライン形状42dは、上述の直線歩行測定等に利用可能である。
本実施形態では、レーザ光源20a及び20bは同一の形状を照射する。レーザ光源20a及び20bが同一の形状を正しく照射すれば、同一の位置に同一の形状の像がずれることなく映し出されるはずである。したがって、レーザ光源20a及び20bを同一の形状を照射するようにしておき、レーザ光源20a及び20bにより映し出された像が互いにずれているか否かを確認することで、レーザ光源20a及び20bのいずれかの設置高さがずれている、あるいはレーザ光40a及び40bのいずれかの出射角度がずれていることが把握可能になる。
前述のように、3mTUG測定においては、被測定者の動作に要する時間を測定している。運動能力測定用椅子10の計時機能について、次に説明する。図5は、本実施形態に係る運動能力測定用椅子10の一部断面図を示す。被測定者の椅子10からの起立動作の開始及び完了、並びに椅子10への着座動作の開始及び完了を検出するための構成を図2及び図5を参照しながら説明する。
椅子10には、被測定者の姿勢を検出するための手段が設けられる。具体的には、椅子10と被測定者との接触状態を検知する接触検知センサ、被測定者の起立動作の完了を検出する起立検出センサ、及び被測定者の着座動作の開始を検出する着座動作開始検出センサが設けられる。
本実施形態においては、接触検知センサは、被測定者の背中が背板に接触したことを検知する背もたれ部接触検知センサと、被測定者が腰を下ろしたことを検知する座部接触検知センサを含む。背もたれ部接触検知センサは、背板14aに設けられる背板センサ60、及び背板センサ60を覆うように設けられる背板カバー14bを含んで構成される。背板カバー14bは、弾性体を介して背板14aに対して装着されている。本実施形態では、弾性体としてばね72a及び72bを用いているが、ゴム、スポンジなどを用いてもよい。また、背面カバー14b自体を弾性変形する材料で構成してもよい。背板カバー14bは、力が掛かっていない状態ではばね72a及び72bのばね力によって、背板センサ60から離れた位置にある。背板カバー14bに前方からの力が加わることによって、背板カバー14bがばね72a及び72bのばね力に抗して背板センサ60に向けて移動し、背板センサ60に接触すると、背板センサ60は、接触状態を示す信号を出力する。
座部接触検知センサは、背もたれ部接触検知センサと同様の構成を有し、本実施形態では、座板12aに設けられる座板センサ62、及びばね70a及び70bにより座板12に装着され座板センサ62を覆うように設けられる座板カバー12bを含んで構成される。作用についても、背部接触検知センサと同様である。
接触検知センサとして、背もたれ部接触検知センサと座部接触検知センサの両方が設けられてもよいが、背もたれ部接触検知センサと座部接触検知センサのいずれか一方のみを設けるようにしてもよい。例えば、背もたれ部14を有さない椅子の態様においては、接触検知センサとして座部接触検知センサのみを設けることができる。
起立検出センサ及び着座動作開始検出センサは、いずれも、人体検知センサ64を含んで構成される。人体検知センサ64は、このセンサから所定距離以内に物体があるかを検知するセンサである。人体検知センサ64は、背板14aに設けられ、ここから前方の物体を検知する。検知範囲は、座板12の前端までであり、被測定者が椅子10の直前で起立姿勢となったときに、被測定者の身体が検出されない程度の範囲とする。したがって、人体センサ64は、被測定者が着座姿勢から起立動作している間は、物体ありの信号を出力し、起立姿勢となった時点で物体なしの信号を出力する。よって、人体検知センサ64は、被測定者が起立動作後、起立姿勢となったことを検出する起立検出センサとして機能する。また、人体検知センサ64は、被測定者が、椅子の前で起立姿勢をとった後、着座動作を開始した時点で物体ありの信号を出力する。よって、人体検知センサ64は、被測定者の着座動作の開始を検出する着座動作開始検出センサとして機能する。
背板センサ60、座板センサ62、及び人体検知センサ64はコントローラ22と電気的に接続されている。コントローラ22はマイクロコンピュータ22bを有する。マイクロコンピュータ22bは計時手段として機能し、これらのセンサの出力信号に基づいて、被測定者の起立動作、歩行動作、及び着座動作の各動作に要した時間の自動計測を行う。以下、各センサについて詳述する。
背板センサ60は、背もたれ部14と被測定者との接触状態(接触状態であるか非接触状態であるか)を検出する。被測定者が椅子10に腰掛け背もたれに寄りかかると、背板カバー14bがばね力に抗して背板センサ60に向けて移動する。そして、背板カバー14bが背板センサ60に接触すると、背板センサ60は信号を出力する。背板センサ60は、接触/非接触に対応した二値の信号、例えばON/OFF信号を出力するセンサであってよい。また、背もたれ部14にかかる圧力を検知する圧力センサとすることができ、所定値以上の圧力を検知している場合に、背もたれ部14と被測定者が接触していると判定するようにしてもよい。
被測定者が背もたれ部14の左右あるいは上下方向に偏った位置に背中を接触させた場合、背板センサ60が設けられた位置によっては正しく接触状態を検知できなくなるおそれがある。背板センサ60と被測定者との間に背板カバー14bを設けることにより、背板カバー14bにより被測定者からかけられる圧力の位置的な偏りが吸収され、当該圧力が背板センサ60に伝えられる。被測定者により押されていない状態においては、背板カバー14bは、ばね72a及び72bにより背板センサ60から離れた位置にあるため、背板カバー14bが背板センサ60に接触することで背板センサ60が誤検知してしまうことはない。また、背板カバー14bは背板センサ60を保護する役割も果たしている。なお、より正確に被測定者との接触状態を検知できるよう、背板センサ60を複数設けるようにしてもよい。
背板センサ60の出力信号により、被測定者の起立動作の開始が検出できる。着座姿勢において、被測定者の背中と背もたれ部14は接触しているが、起立動作の開始直後の姿勢においては、被測定者の背中と背もたれ部14が離れる。したがって、背板センサ60が検出する背もたれ部14と被測定者の接触状態が、接触から非接触へと切り替わったことは、被測定者の起立動作が開始したことを意味する。
また、背板センサ60の出力信号により、被測定者の着座動作の完了が検出できる。本実施形態においては、着座動作の完了とは被測定者が着座し、背中を背もたれ部14に接触させたことを意味する。着座動作が完了した時、被測定者の背中と背もたれ部14は接触している。したがって、背板センサ60が検出する背もたれ部14と被測定者の接触状態が、非接触から接触へと切り替わったことは、被測定者の着座動作が完了したことを意味する。
座板センサ62は、座部12と被測定者との接触状態を検出するセンサである。座板センサ62は、背板センサ60同様、例えば座部12にかかる圧力を検知する圧力センサであり、所定値以上の圧力を検知している場合に、座部12と被測定者が接触していると判定する。
背板カバー14bと同様に、座板カバー12bは、被測定者からかけられる圧力の位置的な偏りを吸収し、当該圧力を座板センサ62に伝える。
座板センサ62は、背板センサ60同様、被測定者の起立動作開始及び着座動作完了を検出するためのものである。被測定者が身長の低い者であったり腰の悪い者であったりする場合は、着座姿勢において背中を背もたれ部14に接触させることが難しい場合がある。このような場合に、背板センサ60に代えて座板センサ62からの出力信号により起立動作開始及び着座動作完了を検出する。あるいは、背もたれ部14を有さない態様の椅子においても、背板センサ60に代えて座板センサ62からの出力信号により起立動作開始及び着座動作完了が検出できる。
また、運動能力測定によっては、被測定者が臀部を座部12に接触させたときに着座動作が完了したと判断する場合がある。このような場合は、座板センサ62が検出する座部12と被測定者の接触状態が非接触から接触へと切り替わったことが、被測定者の着座動作が完了したことを意味することになる。
背板センサ60及び座板センサ62を併用することで、起立動作及び着座動作中の被測定者の姿勢をより詳細に検出することができる。これについては、図6及び図7を用いて後述する。
人体検知センサ64は、椅子10の後方端部から被測定者までの距離を測定する。例えば、赤外線を照射し被測定者からの反射光量に基づいて被測定者までの距離を計測する赤外線距離センサを用いることができる。本実施形態では、人体検知センサ64は椅子10の背もたれ部14に設けられ、背もたれ部14から被測定者までの水平方向における距離を椅子10の後方端部から被測定者までの距離として計測している。背もたれ部を有さない態様の椅子においては、人体検知センサ64を座部12の後方端部に設けるようにしてもよい。
人体検知センサ64の出力信号により、被測定者の起立動作の完了が検出できる。本実施形態においては、起立動作の完了とは被測定者が起立姿勢に至ったことを意味する。起立動作が完了した時、被測定者は椅子10の前に起立した姿勢となっているため、背もたれ部14から被測定者までの距離は、座部12の奥行きと同等の距離となる。したがって、背もたれ部14から被測定者までの距離が座部12の奥行きよりも長い距離になったと人体検知センサ64が検出したことは、被測定者が起立動作を完了したことを意味する。被測定者が起立動作を完了したとする基準となる背もたれ部14から被測定者までの距離は、適宜調整可能であってよい。
また、人体検知センサ64の出力信号により、被測定者の着座動作の開始が検出できる。着座動作の開始時、被測定者は、腰をかがめ臀部を背もたれ部14方向に突き出す姿勢となる。このとき、背もたれ部14から被測定者(の臀部)との距離は座部12の奥行きよりも短い距離となる。したがって、被測定者までの距離が座部12の奥行きよりも短い距離となったと人体検知センサ64が検出したことは、被測定者が着座動作を開始したことを意味する。
上述のように、着座動作開始直後の姿勢において、被測定者の体の部位のうち、背もたれ部14との距離が最も短くなるのは臀部である。同様に、起立動作においても、起立動作完了直前の姿勢において背もたれ部14との距離が最も短いのは臀部である。より正確に被測定者の起立動作完了及び着座動作開始を検出できるよう、人体検知センサ64は、起立動作及び着座動作において被測定者の臀部までの距離を測定できるようにするのが好ましい。例えば、人体検知センサ64は、起立姿勢における被測定者の臀部あるいは大腿部と同じ高さに取り付けられるのが好ましい。また、被測定者の身長や座高、あるいは座り方等によって人体検知センサ64の取り付け位置を変更可能としてもよい。
図6は、3mTUG測定における被測定者の姿勢の変化を示す図である。図7は、図6に示す各姿勢における各センサの検出状態を示す表である。図6(a)から図6(d)は起立動作を示し、図6(e)は歩行動作を示し、図6(f)から図6(i)は着座動作を示す。以下、図5−図7を用いて、起立動作及び着座動作における被測定者の各姿勢と、各姿勢における背板センサ60、座板センサ62、及び人体検知センサ64の検出状態、及びマイクロコンピュータ22bの動作を説明する。なお、以下の説明において、背板センサ60の検出状態がONとは、被測定者と背もたれ部14の接触状態を背板センサ60が検出している状態をいい、OFFとは、被測定者と背もたれ部14の非接触状態を背板センサ60が検出している状態をいう。座板センサ62についても同様である。人体検知センサの検出状態がONとは、人体検知センサ64が検出した被測定者と背もたれ部14の距離が座部12の奥行き以下である状態をいい、OFFとは人体検知センサ64が検出した被測定者と背もたれ部14の距離が座部12の奥行きより大きい状態をいう。
まず、起立動作について説明する。図6(a)に示す着座姿勢において、被測定者50の背中と背もたれ部14は接触状態であり、被測定者50の臀部と座部12は接触状態である。また、背もたれ部14から被測定者50までの距離はほぼ0であり、座部12の奥行き以下となっている。したがって、図6(a)の状態においては、図7に示すよう背板センサ60、座板センサ62、及び人体検知センサ64の検出状態はいずれもONである。
図6(b)に示す姿勢は、被測定者50が椅子10から立ち上がろうとして、背中を背もたれ部14から離した姿勢である。すなわち、この姿勢は起立動作開始直後の姿勢(以下第1起立動作中姿勢)である。この状態においては、図7に示すよう背板センサ60の検出状態がOFFとなるが、座板センサ62及び人体検知センサ64の検出状態はONの状態である。背板センサ60の検出状態がONからOFFとなったことは、被測定者が起立動作を開始したこと意味するため、マイクロコンピュータ22bは、背板センサ60の検出状態がONからOFFとなったことをトリガとして、タイム計測を開始する。
図6(c)に示す姿勢は、被測定者50が第1起立動作中姿勢からさらに起立動作を進め、臀部を座部12から離した状態である(以下第2起立動作中姿勢)。第2起立動作中姿勢は、未だ起立動作の途中である。この状態においては、図7に示すよう座板センサ62の検出状態がONからOFFへ変わり、背板センサ60及び座板センサ62の検出状態がOFF、人体検知センサ64の検出状態はONの状態である。
図6(d)に示す姿勢は、被測定者50が第2起立動作中姿勢からさらに起立動作を進め、起立姿勢となった状態である。本実施形態では、被測定者50が図6(d)に示す姿勢となったことをもって起立動作の完了とする。この状態においては、背もたれ部14から被測定者50までの距離が座部14の奥行きより大きくなっているため、図7に示すよう人体検知センサ64の検出状態がOFFへ変わり、背板センサ60及び座板センサ62、及び人体検知センサ64の検出状態はいずれもOFFの状態となる。人体検知センサ64の検出状態がONからOFFとなったことは、被測定者が起立動作を完了したことを意味するため、マイクロコンピュータ22bは、人体検知センサ64の検出状態がONからOFFとなったことをトリガとして、タイム(タイム1)を取得する。タイム1は被測定者の起立動作に要した時間となる。
起立動作が完了すると、図6(e)に示すよう、被測定者は歩行動作に入り、続いて着座動作に移る。
次に、着座動作について説明する。図6(f)に示す起立姿勢は、着座動作開始前の姿勢である。図6(f)に示す姿勢と図6(d)に示す姿勢は同じであるため、図7に示すよう背板センサ60、座板センサ62、及び人体検知センサ64の検出状態はいずれもOFFである。
図6(g)に示す姿勢は、被測定者50が椅子10に座ろうとして腰をかがめ、臀部を背もたれ部14側へ突き出した姿勢である。すなわち、この姿勢は着座動作開始直後の姿勢(以下第1着座動作中姿勢)である。この状態においては、未だ被測定者50は椅子10に接触していないため、図7に示すよう背板センサ60及び座板センサ62の検出状態はOFFのままだが、背もたれ部14から被測定者50までの距離が座部12の奥行き以下となっているため、人体検知センサ64の検出状態がONの状態へ変わる。人体検知センサ64の検出状態がOFFからONとなったことは、被測定者が着座動作を開始したことを意味するため、マイクロコンピュータ22bは、人体検知センサ64の検出状態がONからOFFとなったことをトリガとして、タイム(タイム2)を取得する。タイム2からタイム1を差し引いた時間は被測定者の歩行動作に要した時間となる。
図6(h)に示す姿勢は、被測定者50が第1着座動作中姿勢からさらに着座動作を進め、臀部を座部12へ接触させた状態である(以下第2着座動作中姿勢)。本実施形態では、第2着座動作中姿勢は、未だ着座動作の途中とみなす。この状態においては、図7に示すよう座板センサ62の検出状態がOFFからONへ変わり、背板センサ60の検出状態がOFF、座板センサ62及び人体検知センサ64の検出状態がONの状態である。
図6(i)に示す姿勢は、被測定者50が第2着座動作中姿勢からさらに着座動作を進め、着座姿勢となった状態である。本実施形態では、被測定者50が図6(i)に示す姿勢となったことをもって着座動作の完了とする。この状態においては、図7に示すよう背もたれ部14と被測定者50が接触状態となっているため、背板センサ60の検出状態がONへ変わり、背板センサ60及び座板センサ62、及び人体検知センサ64の検出状態はいずれもONの状態となる。背板センサ60の検出状態がOFFからONとなったことは、被測定者が着座動作を完了したこと意味するため、マイクロコンピュータ22bは、背板センサ60の検出状態がOFFからONとなったことをトリガとして、タイム(タイム3)を取得し、タイム計測を終了する。タイム3は被測定者が起立動作開始から着座動作完了までに要した時間であり、タイム3からタイム2を差し引いた時間は被測定者の着座動作に要した時間となる。
なお、上述の通り、マイクロコンピュータ22bは、図6(h)に示す姿勢をもって着座動作完了と判断するようにしてもよい。すなわち、座板センサ62の検出状態がOFFからONと変わったことをトリガとして、タイム3を取得するようにしてもよい。
また、人体検知センサ64及び背板センサ60とともに座板センサ62も用いることによって、起立動作中及び着座動作中の被測定者50の姿勢をより細かく識別が可能である。具体的には、上述の通り、座板センサ62により、第1起立動作中姿勢と第2起立動作中姿勢との識別が可能であり、さらに第1着座動作中姿勢と第2着座動作中姿勢との識別が可能である。マイクロコンピュータ22bは、人体検知センサ64及び背板センサ60からの出力信号に加え、座板センサ62からの出力信号に基づいて、被測定者50が起立動作開始から第2起立動作中姿勢を取るまでの時間、及び第2起立動作中姿勢となってから起立動作完了までの時間を計測することも可能である。着座動作についても同様に、人体検知センサ64及び背板センサ60からの出力信号に加え、座板センサ62からの出力信号に基づいて、被測定者50が着座動作開始から第2着座動作中姿勢を取るまでの時間、及び第2着座動作中姿勢となってから着座動作完了までの時間を計測することが可能である。
計測されたタイムは、視標部24あるいは表示部26に表示される。また、計測中においては、視標部24あるいは表示部26にカウントアップでタイムを表示するようにしてもよい。
以上の通り、椅子10に被測定者50の姿勢を識別するための複数のセンサを設けることで、3mTUG測定において従来測定者により手動で行われていた、起立動作、歩行動作、及び着座動作の各動作に被測定者が要した時間の計測を自動化することが可能である。これにより、測定者が各動作の開始あるいは完了時にタイマ等を逐一操作する必要がなくなる。また、測定者による計測時間のばらつきもなくなる。さらに、測定者と介助者が同一のものである場合には、タイマの操作に気を取られずに被測定者の介助に集中することができる。
本実施形態の椅子10は、3mTUG測定以外の運動測定、例えば前述の歩行測定や直線歩行測定の際の移動のための目標を示す機能を有する。レーザ光源20c及び20dによりこの機能を実現している。以下、図2及び図8を参照しながらレーザ光源20c及び20dについて説明する。図8は、レーザ光源20c及び20dにより、他の目標が照射される様子を示す図である。図8においては、図2同様、座部、背もたれ部、肘掛部、及び脚部のような椅子10の基本的な構成、並びにレーザ光源20c及び20d以外の構成要素は省略されている。
レーザ光源20c及び20dは、座部12の下側に設けられている。レーザ光源20c及び20dが設けられる位置は、被測定者が椅子10に座るときに邪魔にならず、且つ、床面に適切にレーザ光が照射可能な位置であることが好ましい。例えば、脚部16の前脚16a等に設けられていてもよい。ただし、レーザ光が被測定者等の目に入る可能性を低減させるよう、椅子10の下部に設けられるのが好ましい。
レーザ光源20c及び20dは、床面のそれぞれ異なる位置に対してレーザ光を照射する。すなわち、レーザ光源20c及び20dにより照射されるレーザ光は、床面のそれぞれ異なる2つの位置に目標を映し出すことになる。これらの目標は、上述の歩行測定等における被測定者の移動経路のための目標を示すものである。
図8に示されるように、レーザ光源20cからレーザ光40cが照射され、床面に直線80を映し出している。また、レーザ光源20dからレーザ光40dが照射され、床面に直線82を映し出している。直線80は、歩行測定における被測定者の始点を示すものであり、直線82は終点を示すものである。したがって、被測定者は、歩行測定にあたり、直線80を始点として矢印90の方向へ歩き出し直線82まで歩行する。もちろん直線82を始点とし、直線80を終点とするようにしてもよい。このように、直線80及び82は、従来テープ等で示されていた歩行測定のための被測定者の歩行経路の始点及び終点をテープ等に代わって示している。
また、照射された直線80を直線歩行測定に用いるようにしてもよい。この場合、被測定者は、直線80の端部から矢印92の方向へ目を閉じて歩行するよう指示される。もちろん、直線82を直線歩行測定に用いるようにしてもよい。
図9は、レーザの出射角度が段階的に変更される様子を示す図である。図8を参照しながら図9を説明する。図9に示される通り、レーザ光源20cは床面の鉛直方向に首ふり可能となっており、レーザ光源20cが照射するレーザ光40cの床面に対する出射角度が変更可能となっている。これにより、レーザ光40cにより照射される直線80とレーザ光40dにより照射される直線82との間隔を変更することが可能となる。つまり、歩行検査における被測定者の歩行距離を変更することが可能になる。なお、本実施形態ではレーザ光40cの出射角度のみを変更可能としているが、レーザ光40dの出射角度も変更可能であってよい。
レーザ光40cの出射角度は、任意の角度に設定可能とするようにしてもよいが、出射角度は予め定められた角度に段階的に設定可能とするのが好ましい。本実施形態では、レーザ光源20cの角度(すなわちレーザ光40cの床面に対する出射角度)は3段階に変更可能としている。例えば、直線80と直線82の間隔が5メートルとなる第1の角度(図9において実線で示されたレーザ光源20cが示す角度)、直線80と直線82の間隔が3メートルとなる第2の角度(図9において2点鎖線で示されたレーザ光源20c’が示す角度)、及び直線80と直線82の間隔が2メートルとなる第3の角度(図9において2点鎖線で示されたレーザ光源20c’’が示す角度)、の3段階にレーザ光源20cの角度を設定可能としている。これにより、レーザ光源20cの角度によって直線80と直線82の間の距離が把握できるようになるため、距離の変更にあたって距離を計測する必要がなくなる。
図10は、視標部の可動方向を示す図である。視標部24は、運動能力計測中に被測定者が見る対象であるため、被測定者の目と同じ高さであることが好ましい。したがって、本実施形態においては、床面の鉛直方向(矢印100の方向)に移動可能であり、且つ、任意の位置で固定可能である。すなわち、視標部24の設置高さが変更可能となっている。これにより、被測定者に応じて視標部24を適切な高さに設置することが可能になる。
また、視標部24は水平方向(矢印102の方向)に回転可能である。これにより、被測定者が椅子10に対してどの方向に位置していても、被測定者に対して視標部24を向けることが可能になる。
10 椅子、12 座部、12a 座板、12b 座板カバー、14 背もたれ部、14a 背板、14b 背板カバー、16 脚部、16a 前脚、16b 後脚、16c 連結材、18 肘掛部、18a 肘置部、18b 前支柱、18c 後支柱、20a,20b,20c,20c’,20c’’,20d レーザ光源、22 コントローラ、22a スイッチ、22b マイクロコンピュータ、24 視標部、26 表示部、40a,40b,40c,40d レーザ光、42 目標、42a ドット形状、42b クロス形状、42c サークル形状、42d ライン形状、50 被測定者、 52 位置、60 背板センサ、62 座板センサ、64 人体検知センサ、70a,70b,72a,72b ばね、80,82 直線、90,92,100,102 矢印。

Claims (6)

  1. 被測定者が、着座している椅子から起立し、所定距離歩行し、再度前記椅子へ着座するまでの時間を計測する運動能力測定に用いられる運動能力測定用椅子であって、
    前記運動能力測定用椅子と前記被測定者との接触状態を検知することで被測定者の起立動作開始及び着座を検出する接触検知センサと、
    前記接触検知センサの出力信号に基づいて、前記起立動作開始が検出された時点から前記着座が検出された時点までの時間を計測する計時手段と、
    を備えることを特徴とする、運動能力測定用椅子。
  2. 前記運動能力測定用椅子の後方端部から前記被測定者までの距離が所定距離以上となったことを検知して前記被測定者の起立を検出する起立検出センサ、
    をさらに含み、
    前記計時手段は、前記接触検知センサ及び前記起立検出センサの出力信号に基づき、前記起立動作開始が検出された時点から前記起立が検出された時点までの時間を計測する、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の運動能力測定用椅子。
  3. 前記運動能力測定用椅子の後方端部から前記被測定者までの距離が所定距離未満となったことを検知して前記被測定者の着座動作開始を検出する着座動作開始検出センサ、
    をさらに含み、
    前記計時手段は、前記接触検知センサ及び前記着座動作開始検出センサの出力信号に基づき、前記着座動作開始が検出された時点から前記着座が検出された時点までの時間を計測する、
    ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の運動能力測定用椅子。
  4. 前記計時手段は、前記起立検出センサ及び前記着座動作開始検出センサの出力信号に基づき、前記起立が検出された時点から前記着座動作開始が検出された時点までの時間を前記被測定者の歩行時間として計測する、
    ことを特徴とする、請求項3に記載の運動能力測定用椅子。
  5. 前記接触検知センサは、前記運動能力測定用椅子の背もたれ部と前記被測定者が接触状態であることを検知する背板センサを含む、
    ことを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の運動能力測定用椅子。
  6. 前記接触検知センサは、前記運動能力測定用椅子の座部と前記被測定者が接触状態であることを検知する座板センサを含む、
    ことを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の運動能力測定用椅子。
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