JP2015215248A - 自動分析装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】検体や反応生成物の分析に悪影響を及ぼすことなく、恒温槽内の恒温水中での微生物の繁殖を容易かつ確実に防止することできる自動分析装置を提供する。
【解決手段】検体及び試薬がそれぞれ分注された反応液の液温を一定に保つため、反応液が貯溜された反応容器35を液浸させる恒温水が貯溜されている恒温槽16と、恒温槽16で恒温水に液浸されている反応容器35に光を照射し、当該反応容器35内に貯溜された反応液の照射反応を測定する光学測定機構17と、恒温水を加熱・冷却する恒温水温度調整機構51を有し、恒温槽16に貯溜されている恒温水を循環させて、恒温槽16に貯溜されている恒温水の温度を一定温度に保つ循環恒温系50と、恒温槽16及び循環恒温系50の循環流路53内を流れる恒温水に銀イオン溶出材から銀イオンを溶出させ、当該恒温水中の銀イオンの濃度を一定濃度に保つ銀イオン溶出装置60とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、血液、尿等の生体サンプルに含まれる各種の化学成分の定性・定量の分析機能を備えた自動分析装置に関する。
自動分析装置は、検体及び試薬がそれぞれ分注された反応容器内の反応液の液温を一定に保つため、反応容器を浸漬させる一定温度の恒温媒体(例えば、脱イオン水等)を貯留したリング形状の恒温槽を備えている。
自動分析装置では、この恒温槽内に貯溜されている恒温媒体の水(以下では‘恒温水’と略称する)の温度を一定に保つために、恒温槽内の恒温水を循環恒温系との間で循環させており、この恒温槽内に、検体と試薬を反応させた反応液が入った複数の反応容器が液浸されて収容されている。
また、自動分析装置には、反応容器内の反応液の化学成分の定性・定量分析するための光学測定機構が備えられており、この光学測定機構により複数の反応容器内それぞれの反応液中に含まれている測定対象の化学成分の定性・定量分析を容器毎に順次に実行できるように、恒温槽の周方向に沿って反応容器を回動変位させるための反応容器保持機構が備えられている。
ところで、自動分析装置の恒温槽は、装置外部の空間に対してオープンである。このため、装置外部の空間中のゴミ/埃に付着している微生物が装置内部に侵入し、恒温槽に貯溜されている恒温水中にコンタミすると、この微生物の繁殖によって恒温槽内の恒温水が汚染されてしまう場合がある。
一方、自動分析装置では、反応液が収容された反応容器を、光学測定機構の、光度計を構成する光源(ランプ)と受光側のセンサー部との間に配置し、反応液中における生体由来の検体の吸光度、或いはこの生体由来の検体との反応生成物の吸光度を測定することで、この生体由来の化学成分の濃度を算出している。このため、恒温槽内を循環する恒温水が汚れていると、正しい吸光度の計測が行われない可能性がある。この問題を解決するためには、恒温槽内の恒温水中にコンタミした微生物の繁殖を抑える必要がある。
そこで、例えば、特許文献1に記載の自動分析装置では、恒温槽の槽壁に紫外光透過窓と、この紫外光透過窓を介して恒温槽内の恒温水に紫外光を照射する紫外光光源装置とを設置し、紫外光の照射によって恒温槽内の恒温水中の微生物を滅菌することで対応している。
特開2013−134141号公報
自動分析装置では、分析対象の吸光度を正しく測定するために、その恒温槽内の洗浄作業を定期的に行う必要があるが、その洗浄作業を含む恒温槽のメンテナンス作業は労力及び時間がかかるため、ユーザにとって見過しすることができない負担になっている。
具体的に、上記作業が定期的に行われていない場合、微生物の死骸及び埃が凝集し、恒温槽内に赤い粘性のある物質が生成されるようになる。そのため、従来の自動分析装置では、このスライム状の凝集物を取り除くために、次亜塩素酸等を含む抗菌剤を恒温槽及び循環恒温系の循環流路内に流し、循環流路内の恒温水中にコンタミした微生物を滅却する必要があった。しかし、次亜塩素酸等を含む抗菌剤を循環流路内の恒温水中に投入して流す方式は、抗菌剤自体の凝集物の分解性能が凝集物の分解度合に応じて不安定になって低下してくるため、抗菌剤の投入管理等が難しかった。
また、特許文献1に記載の自動分析装置の場合は、恒温槽内に紫外光が照射できる部分は滅菌できるが、恒温槽と循環恒温系との間の循環流路の配管や、循環恒温系におけるポンプ等の循環機構の内部に付着した微生物に対しては、紫外光を照射することができないため、滅菌できない。さらに、自動分析装置による測定中に、この紫外光の照射が吸光度の測定や試薬の反応等に対して悪影響を与える可能性もある。したがって、特許文献1に記載の自動分析装置にあっても、恒温槽内の恒温水中での微生物の繁殖を確実には防ぐことができず、検体の分析に悪影響を与える恐れがあった。
本発明は、上述した問題点を鑑みてなされたもので、検体や反応生成物の分析に悪影響を及ぼすことなく、恒温槽内の恒温水中での微生物の繁殖を容易かつ確実に防止することができる自動分析装置を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明に係る自動分析装置は、検体及び試薬がそれぞれ分注された反応液の液温を一定に保つため、反応液が貯溜された反応容器を液浸させる恒温水が貯溜されている恒温槽と、恒温槽で恒温水に液浸されている反応容器に光を照射し、当該反応容器内に貯溜された反応液の照射反応を測定する光学測定機構と、恒温水を加熱・冷却する温度調整機構を有し、恒温槽に貯溜されている恒温水を循環させて、恒温槽に貯溜されている恒温水の温度を一定温度に保つ循環恒温系と、恒温槽及び循環恒温系の循環流路内を流れる恒温水に銀イオン溶出材から銀イオンを溶出させ、当該恒温水中の銀イオンの濃度を一定濃度に保つ銀イオン溶出装置とを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、恒温槽及び循環恒温系の循環流路内の恒温水中に最適な濃度の銀イオンを溶出し、恒温槽及び循環恒温系の恒温水中の微生物を滅菌し、かつスライム状の凝集物の発生も防止できることにより、次のような効果を奏する。
(1) 恒温槽内の洗浄の頻度を軽減することができるので、恒温槽のメンテナンス作業の負担が軽減される。
(2) 検体や反応生成物の吸光度の測定や、検体試薬反応に悪影響が及ぼすことがないため、分析精度が損なわれることも防止できる。
(3) 恒温槽のメンテナンス作業で洗浄できない循環恒温系の循環流路をはじめとする機構内部の清潔を維持できる。
上記した以外の、課題、構成及び効果は、以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
本発明の一実施の形態に係る自動分析装置の概略構成図である。 図1において示したA−A矢視方向に眺めた自動分析装置の反応容器保持機構及び恒温槽部分の概略断面図である。 図1に示した銀イオン溶出装置に適用された銀イオン溶出器の一実施例の部分断面構成図である。 図3に示した銀イオン溶出器に適用された溶出材保持ケースの一部切り欠き斜視図である。 表示装置の画面上に表示される銀イオン濃度設定画面の一実施例の説明図である。 表示装置の画面上に表示される銀イオン濃度表示画面の一実施例の説明図である。
本発明に係る自動分析装置の実施の形態について、以下、図面に基づき説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る自動分析装置の概略構成図である。
図2は、図1においてA−A矢視方向に眺めた自動分析装置の反応容器保持機構及び恒温槽部分の概略断面図である。
図1において、自動分析装置1は、分析ユニット10と、制御ユニット20とを有して構成されている。図示の例では、分析ユニット10は、さらに、検体容器保持機構11と、検体分注機構12と、試薬容器保持機構13と、試薬分注機構14と、反応容器保持機構15と、恒温槽16と、光学測定機構17とを有した構成になっている。
検体容器保持機構11は、例えば分析対象としての血液や尿等といった検体がそれぞれ収容された複数の検体容器31が環状に並べられて搭載される検体容器搭載部11aを有する。検体容器搭載部11aは、これら環状に並べられて複数搭載された検体容器31を、その環状中心o1を軸心にして一体的に回動可能に保持する。検体容器搭載部11aには、検体容器搭載部11aを回動させる回動駆動部11bが付設されている。検体容器保持機構11は、この回動駆動部11bの駆動制御によって、検体容器搭載部11aに複数搭載されている検体容器31の中から所望の一の検体容器31xを、その回動方向に沿った所定の検体吸引位置P1に位置させることができる。
検体分注機構12は、検体容器保持機構11により検体吸入位置P1に配置された検体容器31からその容器内に収容されている検体を所定量だけ吸引し、この吸引した検体を後述の所定の検体吐出位置P2にある反応容器33内に吐出する。検体分注機構12は、検体を吸引・吐出するピペットノズル等の分注ノズル12aと、所定の検体吸引位置P1と所定の検体吐出位置P2との間でこの分注ノズル12aを検体を保持したまま移動させる可動部12bとを備えている。
試薬容器保持機構13は、それぞれ分析項目に対応した試薬液が収納された複数の試薬容器33が環状に並べられて搭載される試薬容器搭載部13aを有する。試薬容器搭載部13aは、これら環状に並べられて複数搭載された試薬容器33を、その環状中心o3を軸心にして一体的に回動可能に保持する。試薬容器搭載部13aには、試薬容器搭載部13aを回動させる回動駆動部13bが付設されている。試薬容器保持機構13は、この回動駆動部13bの駆動制御によって、試薬容器搭載部13aに複数搭載されている試薬容器33の中から所望の一の試薬容器33xを、その回動方向に沿った所定の試薬吸引位置Q1に位置させることができる。
また、試薬容器保持機構13には、その試薬容器搭載部13aに搭載された試薬容器33が試薬情報取得のためのバーコードやICタグ等の識別体が添付された試薬容器33である場合でも対応可能なように、必要に応じて試薬識別情報読み取り装置(図示略)が付設される。試薬識別情報読み取り装置は、試薬容器33の試薬容器保持機構13の試薬容器搭載部13aへの搭載時等に、試薬容器33に添付された識別体の記載情報を読み取る。この識別体の記載情報の読み取りにより、分析ユニット10では、試薬容器保持機構13の試薬容器搭載部13aに搭載された試薬容器33に収容されている試薬の試薬情報と、その試薬の試薬容器搭載部13a上における配置ポジションとの対応が取得できる。
試薬分注機構14は、試薬容器保持機構13により試薬吸入位置Q1に配置された試薬容器33からその容器内に収容されている所定の分析項目に対応した試薬を所定量だけ吸引し、この吸引した試薬を後述の所定の試薬吐出位置Q2にある反応容器35内に吐出する。試薬分注機構14は、試薬を吸引・吐出するピペットノズル等の分注ノズル14aと、所定の試薬吸引位置Q1と所定の試薬吐出位置Q2との間でこの分注ノズル14aを試薬を保持したまま移動させる可動部14bとを備えている。
反応容器保持機構15は、図示の例では、複数(4個)の反応容器35が円弧状に並べられて一体的に形成されてなる反応容器ユニット36が環状に複数(8個)並べられて搭載される反応容器搭載部15aを有する。ここでは、反応容器ユニット36は、図2に示すようにその内周側縁部分が反応容器搭載部15aに対する被搭載部36a1となった円弧状のユニット枠板36aに、複数(4個)の反応容器35の開口部同士をその円弧状に沿って互いに均等間隔で並べて臨ませて、各反応容器35が一体的に連結された構成になっている。これにより、反応容器ユニット36は、各反応容器35の開口が臨むユニット枠板36aの表側面とは反対側の裏側面から、図2に示すように、各反応容器35の底部外面及び外周面が突出する形態になっている。この各反応容器35の裏側面から突出した容器壁は、透光性を有する材料により形成され、容器内に貯留されている反応液の光照射反応を計測可能になっている。
反応容器搭載部15aは、これら環状に並べられて複数搭載された反応容器ユニット36の各反応容器35を、その環状中心o5を軸心にして一体的に回動可能に保持する。反応容器搭載部15aには、反応容器搭載部15aを間欠的に回動させる回動駆動部15bが付設されている。反応容器保持機構15は、この回動駆動部15bの駆動制御によって、反応容器搭載部15aに複数搭載されている反応容器ユニット36の中から所望の一の反応容器ユニット36の、所望の一の反応容器35xを、その回動方向に沿ったそれぞれ異なる所定位置からなる検体吐出位置(検体受け入れ位置)P2、試薬吐出位置(試薬受け入れ位置)Q2、光学測定位置Rに位置させることができる。
恒温槽16は、例えばステンレス等の保温性を有する材質により形成された環状(リング形状)の溝流路41を備えて構成され、各反応容器ユニット36のユニット枠板36aの裏側面から突出した各反応容器35の突出部分をその溝流路内に収容しながら、反応容器ユニット36それぞれの各反応容器35が、反応容器保持機構15の反応容器搭載部15aの回動に伴って、溝流路41内をその延設方向に沿って移動(回動)できる構成になっている。
また、環状の溝流路41の延設方向に沿った所定位置の流路壁には、溝流路41内に貯溜され、各反応容器ユニット36の各反応容器35の突出部分が浸漬されている恒温水を、この恒温槽16に付設された循環恒温系50との間で循環させるための流入口16a及び流出口16bが形成されている。図示の例では、流入口16a及び流出口16bは、溝流路41の延設方向に沿って互いに離間し過ぎないようにして配置され、両者の開口は、相対向しないように、溝流路41の延設方向に沿って互いに反対向きになるようにして形成されている。これにより、溝流路41に貯溜されている恒温水には、循環恒温系50による恒温水の循環によって、出口16b側から流入口16a側へ溝流路41の延設方向に沿った流れを生じさせることができるようになっている。
恒温槽16では、検体と試薬を反応させた反応液が入った複数の反応容器35を槽内に貯溜されている一定温度の恒温水に浸漬させることで、複数の反応容器35それぞれに貯溜されている反応液の温度を恒温水の液温に対応した温度に保つことができるようになっている。そして、恒温槽16には、複数の反応容器35それぞれが浸漬される、槽内に貯溜されている恒温水の温度を一定温度(例えば37℃前後)に保つために、循環恒温系50が付設されている。
循環恒温系50は、恒温槽16の溝流路41の流入口16a,流出口16bに両端が接続された循環流路53に、恒温水温度調整機構51と、恒温水循環ポンプ52とを設けた構成になっている。
循環恒温系50は、その恒温水循環ポンプ52の駆動によって、その吸込側の回収側循環流路53aが連通された流入口16aを介して、恒温槽16の溝流路41内に貯溜されている恒温水を逐次吸い込んで回収し、その液温を恒温水温度調整機構51に設けられている液温測定部51aで測定する一方、その測定結果に基づいて、その回収した恒温水を恒温水温度調整機構51に設けられている加熱・冷却部51bで必要に応じて適宜加熱又は冷却した後、恒温水循環ポンプ52の吐出側の供給側循環流路53bが連通接続された流出口16bを介して、恒温槽16の溝流路41内に戻すことによって、恒温槽16の溝流路41に貯溜されている恒温水の温度を一定温度(例えば37℃前後)に保つ温調処理を行う。
光学測定機構17は、恒温槽16における環状の溝流路41の延設方向に沿った所定の光学測定位置Rに配置され、この光学測定位置Rに配置された所定の反応容器ユニット36の所定の反応容器35内の反応液の成分を定性・定量分析するためのものである。光学測定機構17は、この光学測定位置Rにおいて環状の溝流路41を挟んで相対向するように流路内に臨ませて設けた、例えば、LED(Light Emitting Diode)等の測定用の光源17aと、多波長光度計17bとによって構成されている。光学測定機構17は、光源17aからの光を、この所定位置で恒温水に浸漬された状態の反応容器35に照射し、この反応容器35を透過した際の光の強度を多波長光度計17bにより予め設定された特定の波長それぞれに分光して計測し、この反応容器35内に貯溜されている反応液に応じた特定の波長それぞれでの吸光度を検出する構成になっている。
上述した構成からなる分析ユニット10に対し、制御ユニット20は、演算制御装置21、メモリやハードディスク等からなる記憶装置22、インタフェース23等を有し、入力手段としてのキーボード等の入力装置24、入・出力手段として液晶ディスプレイ等の表示装置25が付設されたコンピュータ装置によって構成されている。そして、制御ユニット20の記憶装置22には、分析処理等の各種制御プログラムやパラメータが記憶されているとともに、分析結果,分析依頼項目内容等といった分析情報が記憶される。加えて、試薬識別情報読み取り装置によって読み取られた試薬識別情報に基づく試薬容器保持機構13上の試薬情報とその配置ポジションの情報等の取得情報も記憶されるようになっている。
制御ユニット20は、図1では図示省略したが、インタフェース23を介して、分析ユニット10を構成する各機構(例えば、各容器保持機構11,13,15、各分注機構12,14、光学測定機構17、恒温槽16の循環恒温系50)と接続されている。制御ユニット20は、制御プログラムやパラメータに基づいて、各機構の各駆動部(例えば、各容器保持機構11,13,15の回動駆動部11b,13b,15b、各分注機構12,14の可動部12b,14b、光学測定機構17の光源17a、循環恒温系50の恒温水温度調整機構51や恒温水循環ポンプ52等)を駆動制御し、その際、各機構の各検出部(例えば、試薬分注機構14に付設された試薬識別情報読み取り装置、光学測定機構17の多波長光度計17b等)から供給される検出信号や検出データを基に分析情報等を取得・演算する。
上述した制御ユニット20による分析ユニット10の各機構の制御に基づいて、本実施の形態に係る自動分析装置では、次に述べるような手順で分析処理が実行される。
分析処理の開始に当たって、分析処理の対象となる各検体の測定依頼情報や分析パラメータ等の情報は、オペレータによって入力装置24や表示装置25等から制御ユニット20に入力され、その記憶装置22に記憶される。
この状態で、検体に対して依頼された検査項目を分析するため、制御ユニット20は、各検体の測定依頼情報や分析パラメータに従って、検体容器保持機構11,反応容器保持機構15,並びに検体分注機構12を作動制御して、検体吸引位置P1に所定の検体容器31を、検体吐出位置P2に所定の反応容器35をそれぞれ位置させて、検体分注機構12の分注部12aに装着されたピペットノズルを用いて、この所定の検体容器31から所定の反応容器35へ所定量の検体を分注する。なお、この検体の分注作業において、検体分注機構12では、検体の分注に使用されたピペットノズルは、検体すなわち検体容器31が変わる毎、コンタミを防ぐため洗浄若しくは交換等が行われるようになっている。
検体分注後、制御ユニット20は、反応容器保持機構15を作動制御して、所定の検体容器31の検体を受け入れた所定の反応容器35を、回動駆動部15bの駆動によって反応容器設置部15aを回動させて、検体吐出位置P2から試薬吐出位置Q2に移動位置させる。そして、制御ユニット20は、各検体の測定依頼情報や分析パラメータに従って、試薬容器保持機構13並びに試薬分注機構14を作動制御して、試薬吸引位置Q1に所定の試薬容器33を位置させて、試薬分注機構14の分注部14aに装着されたピペットノズルを用いて、この所定の試薬容器33から所定の反応容器35へ所定量の試薬を分注する。なお、この試薬の分注作業において、試薬分注機構14では、試薬の分注に使用されたピペットノズルは、試薬すなわち試薬容器33が変わる毎、コンタミを防ぐため洗浄若しくは交換等が行われるようになっている。
試薬分注後、制御ユニット20は、反応容器保持機構15を作動制御して、この所定の検体容器を図示しない撹拌機構による撹拌作業位置に移動位置させて、撹拌機構によりこの所定の反応容器14内の所定の検体と所定試薬との撹拌を行い、所定の反応液を作製する。
このようにして、それぞれ作製された所定の反応液が貯溜され、反応容器保持機構15の反応容器設置部15aに保持された所定の反応容器35それぞれは、制御ユニット20の作動制御による反応容器保持機構15の反応容器設置部15aの回動に伴い光学測定機構17が配置された光学測定位置Rを通過若しくは停止位置する度に、その都度、光源17aからの照射光に対しての反応液の吸光度が多波長光度計17bにより測定される。
光学測定機構17によって測定された所定の反応容器35それぞれの所定の反応液の吸光度は、図示せぬA/D変換器を介して、インタフェース23から制御ユニット20に取り込まれる。そして、制御ユニット20において、検査項目毎に指定された分析法により予め測定しておいた検量線に基づき、成分濃度データへの変換が行われる。そして、各検査項目の分析結果としての成分濃度データは、表示装置25に出力表示され、オペレータが読み取ることで分析が終了する。
自動分析装置1では、このようにして分析処理を行っている間、反応容器35内に貯溜されている反応液は、それぞれ反応容器35ごと、恒温槽16の槽内に貯溜され、循環恒温系50によって温度調整された恒温水に浸漬させられて、反応液の観察に適した一定温度(例えば37℃前後)に保持されるようになっている。
その上で、本実施の形態の自動分析装置1では、循環恒温系50には、図1に示すような銀イオン溶出装置60が設けられた構成になっている。
銀イオン溶出装置60は、恒温槽16及び循環流路53を循環している恒温水中に銀イオンを溶出させて、恒温水中における銀イオンの濃度を調整する装置である。
銀イオン溶出装置60は、銀イオン溶出器61と、銀イオン溶出調整機構62と、銀イオン溶出制御部63とを有して構成されている。銀イオン溶出器61は、銀イオン溶出器61内を通過する恒温水中に滅菌成分である銀イオンを溶出する。銀イオン溶出調整機構62は、循環恒温系50によって循環されている恒温水中に溶出している銀イオンの濃度に応じて、銀イオン溶出器61を用いた銀イオンの溶出を調整する。銀イオン溶出制御部63は、銀イオン溶出調整機構62を作動制御する。
図3は、本実施の形態の銀イオン溶出装置に適用された銀イオン溶出器の一実施例の部分断面構成図である。
銀イオン溶出器61は、流入口65iと流出口65oとを有する中空の溶出器ケース65内に、流入口65iと流出口65oとの間に介在させるように、銀イオン溶出材70を収容保持した溶出材保持ケース71を配置した構成になっている。
図示の例では、溶出器ケース65は、上端開放有底円筒形状のケース本体66の開口部に、盤状のキャップ(蓋体)67が、図示せぬパッキン等のシール部材を介して液密に、かつ螺嵌等によって着脱可能に装着されて構成されている。その際、ケース本体66の底部には、流出口65oが連通開口し、キャップ67には、流入口65iが連通開口する形態になっている。流入口65i及び流出口65oは、銀イオン溶出器61が設けられるバイパス流路54の配管との接続部になる。ケース本体66にキャップ67を装着して構成された溶出器ケース65の内部は、溶出材保持ケース71の収容保持スペースが形成され、収容保持スペースは、流入口65i及び流出口65oそれぞれを介してケース外部と連通した形態になっている。ここでは、ケース本体66、キャップ67は、流出口65o或いは流入口65iと共に、いずれも樹脂成形によって一体的に構成されている。
このように構成された溶出器ケース65内には、流入口65i側と流出口65o側との間を仕切るように、銀イオン溶出材70を収容保持した溶出材保持ケース71が介在配置される構成になっている。
図4は、図3に示した銀イオン溶出器に適用された溶出材保持ケースの一部切り欠き斜視図である。
溶出材保持ケース71は、溶出器ケース65のケース本体66の内周面と摺接可能な外周面を有する円柱状の箱体で構成され、底面部71b及び天面部71tは、例えばメッシュ状に、多数の通水孔72が形成された形態になっている。
溶出材保持ケース71内には、銀イオン溶出材70が収容されている。銀イオン溶出材70は、恒温水に浸すと滅菌成分である銀イオンを溶出する粒状材料で構成されている。銀イオンは、各種のバクテリアの細胞に強く吸着し、バクテリアの細胞酵素をブロッキングして死滅させる。このことから、銀イオンによりバクテリアを制御することによって、スライム状の凝集物が生成されてしまうのを防止することができる。具体的に、銀イオン溶出材70としては、例えば、イオン交換体である三次元骨格構造のゼオライト(結晶性アルミノケイ酸塩)に銀イオンを担持させた粒状銀イオンセラミック等が使用される。
溶出材保持ケース71では、樹脂成形により底面部71b、天面部71t、外周部71sが一体的に形成されている。溶出材保持ケース71は、その形成当初、開放状態になっている底面部71b又は天面部71tのいずれか一方から、銀イオン溶出材70をケース内部に収容した後、この開放状態になっている底面部71b又は天面部71tを、外周部71sの対応開口縁部に対して、接着、溶着、圧着等によって固着することによって、ケース内に銀イオン溶出材70が一体的に収容保持された形態で構成されている。
そのため、図示の実施例では、銀イオン溶出材70が長時間の溶出を経て消耗した場合には、溶出器ケース65のキャップ67をケース本体66から取り外して、溶出器ケース65内から溶出材保持ケース71を取り出して、溶出材保持ケース71ごと銀イオン溶出材70を交換する構成になっている。
これにより、溶出材保持ケース71は、溶出器ケース65に内設された状態で、溶出器ケース65の流入口65iから流入した恒温水は、溶出材保持ケース71における銀イオン溶出材70の収容部部分を通過して、溶出器ケース65の流出口65oから流出するようになっている。そして、恒温水が溶出材保持ケース71を通過する際には、銀イオン溶出材70から銀イオンが通過する恒温水中に溶出することになる。
このように構成された銀イオン溶出器61は、図1に示した自動分析装置1では、循環恒温系50の循環流路53に対して、バイパス流路54を設けて配設されている。バイパス流路54は、図示の例では、恒温水循環ポンプ52の吸い込み側で、恒温水温度調整機構51の液温測定部51aよりも下流側の回収側循環流路53aに設けられている。また、バイパス流路54と回収側循環流路53aとの上流側の接続部には、流路切替弁75が設けられ、バイパス流路54ひいては銀イオン溶出器61への恒温水の流入を制御する構成になっている。
この場合、流路切替弁75は、例えば三方弁等を用いて構成され、制御ユニット20からの制御信号に応じて、銀イオン溶出調整機構62として、恒温槽16の流入口16aから流入する恒温水に関して、バイパス流路54を通過して恒温水循環ポンプ52の吸い込み側に流入する流量分と、バイパス流路54を通過せずに恒温水循環ポンプ52の吸い込み側に直接流入する流量分とを調整する。
したがって、流路切替弁75が、バイパス流路54への流入を遮断する弁切替状態になっていれば、恒温槽16の流入口16aから流入する恒温水は全てバイパス流路54を通過せずに恒温水循環ポンプ52の吸い込み側に直接流入するため、恒温水循環ポンプ52の吸い込み側に流入する恒温水中の銀イオン濃度は、流入口16aからの流入時に対して変化しない。これに対し、流路切替弁75が、バイパス流路54への流入を許容する弁切替状態になっていれば、バイパス流路54を通過して恒温水循環ポンプ52の吸い込み側に流入する恒温水中に銀イオンが溶出することとなり、恒温水循環ポンプ52の吸い込み側に流入する恒温水中の銀イオン濃度は、流入口16aからの流入時に対して銀イオン溶出器61での溶出によって増加変化することになる。
一方、図1に示した自動分析装置1では、循環恒温系50の恒温水循環ポンプ52の吐出側の供給側循環流路53bには、恒温水温度調整機構51の加熱・冷却部51bによって温度調整されて恒温槽16に戻される恒温水中の銀イオン濃度を測定するため、銀イオン濃度計77が設けられている。銀イオン濃度計77による恒温水中における銀イオン濃度の測定結果は、逐次、A/D変換器78を介してデジタル信号に変換されて、制御ユニット20に供給される。なお、この銀イオン濃度計77の配置位置については、図示の例では、恒温水循環ポンプ52の吐出側と恒温水温度調整機構51の加熱・冷却部51bとの間の供給側循環流路53bの配管部に設ける構成としたが、その目的から、バイパス流路54と回収側循環流路53aとの下流側の接続部よりも下流側であれば、図示の配置に限定されない。
制御ユニット20は、銀イオン濃度計77と協働して銀イオン溶出制御部63として、銀イオン溶出調整機構62としての流路切替弁75を作動制御する。すなわち、制御ユニット20は、銀イオン濃度計77の測定結果により、流路切替弁75を作動制御して、循環恒温系50を流れる恒温水中の銀イオン濃度を調整することによって、恒温槽16に貯溜されて循環恒温系50により循環されている自動分析装置1全体の恒温水中の銀イオン濃度を調整する。これより、銀イオン溶出装置60から恒温水中に溶出した銀イオンの滅菌作用を利用し、恒温槽16内を含め、自動分析装置1全体の恒温水中の微生物を直接的に滅菌し、かつスライム状の凝集物が生成されてしまうのを防止する構成となっている。
次に、制御ユニット20が、分析処理において恒温水の温度調整処理とともに実行する、恒温水中の銀イオン濃度の調整制御処理について説明する。
オペレータは、自動分析装置1による分析処理を行うために、恒温槽16内の恒温水を循環恒温系50との間で循環させて循環恒温系50による恒温水の温度調整処理とともに恒温水の銀イオン濃度の調整制御処理を並行して実行開始させるのに当たって、予め入力装置24を所定操作して表示装置25の画面上に銀イオン濃度設定ウィンドウ画面100を開き、これら処理の前処理として、銀イオン濃度に関する設定処理を行う。
図5は、表示装置の画面上に表示される銀イオン濃度設定画面の一実施例の説明図である。
図6は、表示装置の画面上に表示される銀イオン濃度表示画面の一実施例の説明図である。
図示の例では、図5に示す銀イオン濃度設定画面110と、図6に示す銀イオン濃度表示画面120とは、同じ銀イオン濃度ウィンドウ画面100でのタブ101の選択操作に応じた切替画面と構成されている。
ここでは、銀イオン濃度設定画面110は、有効滅菌濃度設定ボックス111と、ケース交換測定時間設定ボックス112と、OKボタン113と、キャンセルボタン114とを備えた構成になっている。
有効滅菌濃度設定ボックス111は、有効滅菌濃度の値を設定入力するためのものである。この場合、有効滅菌濃度の値は、例えば、調整目標としての循環恒温系50を流れる恒温水中の銀イオン濃度を指す。有効滅菌濃度設定ボックス111には、銀イオン濃度ウィンドウ画面100の銀イオン濃度設定画面110を開いた際、例えば、制御ユニット20によるケース交換測定時間の計時開始前であれば、恒温水中の銀イオン濃度のデフォルト値が表示されるようになっており、計時途中すなわち分析処理実行中は、その計時開始すなわち分析処理の実行開始に当たって予め有効滅菌濃度設定ボックス111の操作により設定登録してある恒温水中の銀イオン濃度の設定値が表示されるようになっている。
ケース交換測定時間設定ボックス112は、銀イオン溶出装置60の銀イオン溶出器61に収容されている銀イオン溶出材70の、銀イオンの長時間の溶出による消耗を判断するためのケース交換測定時間を設定入力するためのものである。この場合、ケース交換測定時間の値は、分析処理の実行開始後、後述する恒温槽16内の恒温水中の銀イオン濃度が恒温水中の銀イオン濃度の調整制御処理を実行していても、予め有効滅菌濃度設定ボックス111の操作により設定登録した有効滅菌濃度に到達できない場合に、銀イオン溶出器61に収容されている銀イオン溶出材70の消耗によるものか否かを判断するための時間基準値を示す。したがって、微生物の繁殖によって恒温槽内の恒温水の汚染状況に応じて等、その設定値を変化させ、銀イオン溶出材70の消耗を適確に検出するためのものである。
OKボタン113は、有効滅菌濃度設定ボックス111,ケース交換測定時間設定ボックス112それぞれに設定設定入力された値を、銀イオン濃度の調整制御処理における有効滅菌濃度,ケース交換測定時間のパラメータとして記憶装置22に登録するための操作ボタンである。
キャンセルボタン114は、銀イオン濃度ウィンドウ画面100を閉じて、銀イオン濃度設定画面110による設定入力作業や、次に述べる銀イオン濃度表示画面120による確認作業を終了させるための操作ボタンである。
一方、銀イオン濃度表示画面120は、銀イオン濃度の表示欄121と、銀イオン溶出装置60の銀イオン溶出器61に収容されている銀イオン溶出材70の交換を案内する交換案内表示欄122とを備えた構成になっている。
銀イオン濃度の表示欄121には、銀イオン溶出装置60の銀イオン濃度計77に測定された恒温水中の銀イオン濃度の測定結果が、制御ユニット20によって、逐次、表示される。
ケース交換案内表示欄122には、銀イオン溶出材70の消耗により、銀イオン溶出器61の溶出材保持ケース71、すなわち消耗してしまった銀イオン溶出材70の交換案内が表示される。
分析処理が開始され、循環恒温系50による恒温水の温度調整処理が開始されて、恒温水循環ポンプ52の駆動によって、恒温槽16内すなわち溝流路41内の恒温水が循環流路53を介して循環され、恒温水温度調整機構51により恒温水の温度調整が開始されると、制御ユニット20は、先に銀イオン濃度ウィンドウ画面100の銀イオン濃度設定画面110で設定された有効滅菌濃度、及びケース交換測定時間を基に、次に述べるようにして、恒温水中の銀イオン濃度の調整制御処理を行う。
制御ユニット20は、反応容器保持機構15の回動駆動部15bを駆動して、反応容器ユニット36が搭載された反応容器設置部15aを回動して分析処理が開始され、循環恒温系50による恒温水の温度調整処理が開始されると、ケース交換測定時間の計時を開始する。本例では、このケース交換測定時間の計時を開始した時点では、銀イオン溶出装置60においては、銀イオン溶出調整機構62の流路切替弁75は、恒温槽16の流入口16aから流入する恒温水は全てバイパス流路54を通過せずに恒温水循環ポンプ52の吸い込み側に直接流入する状態になっているものとする。
その後、制御ユニット20は、分析処理の実行中の間、銀イオン濃度計77の測定値を逐次取り込み、測定値が先に銀イオン濃度設定画面110を用いて記憶装置22に登録された有効滅菌濃度に達しているか否かを判別する。そして、制御ユニット20は、測定値が有効滅菌濃度に達していない場合には、流路切替弁75を作動制御して、循環する恒温水全てがバイパス流路54を通過せずに循環流路53を流れる状態から、循環する恒温水の所定量(全流量の場合も含む)がバイパス流路54を通過して循環流路53を流れる状態に切り替える。これにより、バイパス流路54を介して流れる恒温水中に銀イオンが溶出することとなり、恒温水中の銀イオン濃度は、流入口16aからの流入時に対して銀イオン溶出器61での溶出によって増加変化することになる。その後、この銀イオン溶出器61からの銀イオンの流出は、銀イオン濃度計77の測定値が有効滅菌濃度に達するまで、制御ユニット20による測定値が有効滅菌濃度に達していないとの判断により続けられることとなり、これにより、恒温槽16及び循環恒温系50の循環流路53における恒温水中の銀イオン濃度は、最終的に有効滅菌濃度に達することになる。
さらに、制御ユニット20は、測定値が有効滅菌濃度に達していない場合には、ケース交換測定時間の計時が、先に銀イオン濃度設定画面110を用いて記憶装置22に登録されたケース交換測定時間の時間基準値を超えているか否かを判別する。そして、制御ユニット20は、ケース交換測定時間の時間基準値を超えていない場合は、銀イオン濃度計77の測定値の取り込みに戻るが、ケース交換測定時間の時間基準値を超えている場合には、銀イオン溶出器61に収容されている銀イオン溶出材70の消耗によって恒温水への銀イオンの溶出が有効に行えなくなっているとして、銀イオン溶出装置60の溶出材保持ケース71の交換、すなわち銀イオン溶出材70の交換が必要であることを、銀イオン濃度表示画面120のケース交換案内表示欄122に、溶出材保持ケース71の交換が必要である旨を表示する。なお、制御ユニット20は、この銀イオン溶出材70の交換が必要であると判断した時点で、表示装置25に銀イオン濃度設定ウィンドウ画面100の銀イオン濃度表示画面120が表示されていない場合は、さらに、溶出材保持ケース71の交換が必要である旨がケース交換案内表示欄122に表示された銀イオン濃度表示画面120自体を、自動的にポップアップする。また、本実施例では、制御ユニット20は、この銀イオン溶出材70の交換が必要であると判断した時点では、恒温水の所定量がバイパス流路54を通過して循環流路53を流れる流路切替弁75の作動状態はそのまま維持するようになっている。
一方、制御ユニット20は、分析処理の実行中、取り込んだ銀イオン濃度計77の測定値が記憶装置22に登録された有効滅菌濃度に達し、或いは超えている場合は、流路切替弁75が、循環する恒温水をバイパス流路54を介して流す切替状態になっているか否かを確認し、バイパス流路54を介して流す切替状態になっている場合には、恒温槽16及び循環恒温系50の循環流路53における恒温水中の銀イオン濃度が有効滅菌濃度になったものとして、循環する恒温水全てがバイパス流路54を通過せずに循環流路53を流れる切替状態に戻す。これにより、バイパス流路54に設けた銀イオン溶出器61を恒温水が通過しなくなり、必要以上な過度の銀イオンの溶出を行わせないようになっている。なお、その後の銀イオン濃度計77の測定値の取り込みで、その測定値が有効滅菌濃度よりも低下したのが判別された場合は、前述したように再び流路切替弁75を切り替えて、循環する恒温水中に銀イオンの溶出が行われる。
また、制御ユニット20は、分析処理中、入力装置24の所定操作により表示装置25の画面上に銀イオン濃度設定ウィンドウ画面100を開かれると、銀イオン濃度設定画面110の有効滅菌濃度設定ボックス111やケース交換測定時間設定ボックス112には、現在設定されている有効滅菌濃度の値やケース交換測定時間の値を表示する。これにより、ユーザは、有効滅菌濃度やケース交換測定時間を確認したり、変更したりできるようになっている。同様に、制御ユニット20は、銀イオン濃度表示画面120には、銀イオン濃度の表示欄121や交換案内表示欄122には現在の銀イオン濃度計77の測定値や交換の必要の有無を表示する。これにより、ユーザは、恒温槽16及び循環恒温系50の循環流路53における恒温水中の銀イオン濃度が分析に適した状況であるのか等を確認することができる。
以上により、恒温槽16及び循環恒温系50の循環流路53における恒温水中の銀イオン濃度が有効滅菌濃度が一定濃度に到達しないと銀イオンの滅菌作用が有効に発揮されないことから、制御ユニット20による上述した恒温水の銀イオン濃度の調整制御処理の実行によって、恒温槽16及び循環恒温系50の循環流路53における恒温水中の銀イオンを有効な滅菌濃度を維持できるとともに、さらに無駄な銀イオンが恒温水中に溶出されないため、銀イオン溶出装置60の使用寿命が長くなる。また、銀イオン溶出材70の交換が必要なときは、その旨が報知されるので、取扱い性も向上する。
上述した本実施形態に係る自動分析装置1によれば、空気に接触する恒温槽16の恒温水に微生物が混入しても、繁殖する前に銀イオンにより滅菌できるため、恒温槽16内の恒温水に微生物が繁殖することを強く防止することができる。
加えて、スライム状の凝集物の発生も防止できるので、微生物によって汚染された恒温水が吸光度の測定に悪影響が及ぼすこともなくなり、分析精度が損なわれることも防止できる。同時に、恒温槽16内の洗浄の頻度を軽減することができ、恒温槽16のメンテナンス作業の負担を軽減することができる。
なお、本発明に係る自動分析装置について、上述した実施の形態の構成に限られるものではなく、その具体的構成については種々の変形例が可能である。
例えば、銀イオン溶出装置60の構成についても、上述した実施の形態では、循環恒温系50に付設し、恒温水循環ポンプ52を恒温水の温度調整処理と銀イオン濃度の調整制御処理とで共用する構成としたが、循環恒温系50に付設せず、循環恒温系50とは独立な循環流路を恒温槽16に対して設ける構成にしても可能である。
また、銀イオン溶出装置60については、銀イオン溶出器61と銀イオン濃度計77との配置順は逆であってもよく、また流路切替弁75の配置位置も銀イオン溶出器61に対する恒温水の流通/遮断を行える位置であれば図示の例には限らない。
また、流路切替弁75については、単に恒温水を択一的に流通/遮断するものであるに限らず、銀イオン溶出器61を介して流れる恒温水の流量を調整できる流量調整弁でも適用可能である。そして、この場合は、銀イオン溶出器61から銀イオンが溶出した恒温水の流量が制御できるので、恒温水の銀イオン濃度の調整制御処理についても、例えば有効滅菌濃度に達するまでの経過を複数段階に分けて制御する等、種々の変形処理が可能になる。
1 自動分析装置、 10 分析ユニット、 11 検体容器保持機構、
11a 検体容器搭載部、 11b 回動駆動部、 12 検体分注機構、
12a 分注部、 12b 可動部、 13 試薬容器保持機構、
13a 試薬容器搭載部、 13b 回動駆動部、 14 試薬分注機構、
14a 分注部、 14b 可動部、 15 反応容器保持機構、
15a 反応容器設置部、 15b 回動駆動部、 16 恒温槽、
16a 流入口、 16b 流出口、 17 光学測定機構、
17a 光源、 17b 多波長光度計、 20 制御ユニット、
21 演算制御装置、 22 記憶装置、 23 インタフェース、
24 入力装置、 25 表示装置、 31 検体容器、 33 試薬容器、
35 反応容器、 36 反応容器ユニット、 36a ユニット枠板、
36a1 被搭載部、 41 溝流路、 50 循環恒温系、
51 恒温水温度調整機構、 51a 液温測定部、 51b 加熱・冷却部、
52 恒温水循環ポンプ、 53 循環流路、 53a 回収側循環流路、
53b 供給側循環流路、 54 バイパス流路、 60 銀イオン溶出装置、
61 銀イオン溶出器、 62 銀イオン溶出調整機構、
63 銀イオン溶出制御部、 65 溶出器ケース、 65i 流入口、
65o 流出口、 66 ケース本体、 67 キャップ、
70 銀イオン溶出材、 71 溶出材保持ケース、 71b 底面部、
71t 天面部、 71s 外周部、 72 通水孔、 75 流路切替弁、
77 銀イオン濃度計、 78 A/D変換器、
100 銀イオン濃度ウィンドウ画面、 110 銀イオン濃度設定画面、
111 有効滅菌濃度設定ボックス、 112 ケース交換測定時間設定ボックス、
113 OKボタン、 114 キャンセルボタン、
120 銀イオン濃度表示画面、 121 銀イオン濃度の表示欄、
122 交換案内表示欄、

Claims (5)

  1. 検体及び試薬がそれぞれ分注された反応液の液温を一定に保つため、反応液が貯溜された反応容器を液浸させる恒温水が貯溜されている恒温槽と、
    前記恒温槽で恒温水に液浸されている反応容器に光を照射し、当該反応容器内に貯溜された反応液の光照射反応を測定する光学測定機構と、
    恒温水を加熱・冷却する温度調整機構を有し、前記恒温槽に貯溜されている恒温水を循環させて、前記恒温槽に貯溜されている恒温水の温度を一定温度に保つ循環恒温系と、
    前記恒温槽及び前記循環恒温系の循環流路を流れる恒温水に銀イオン溶出材から銀イオンを溶出させ、当該恒温水中の銀イオンの濃度を一定濃度に保つ銀イオン溶出装置と
    を備えていることを特徴とする自動分析装置。
  2. 前記銀イオン溶出装置は、
    内部に銀イオン溶出材が収容保持され、前記恒温槽に貯溜されている恒温水を循環させて、前記銀イオン溶出材から当該循環した恒温水に銀イオンを溶出する銀イオン溶出器と、
    前記恒温槽に貯溜されている恒温水の前記銀イオン溶出器に対する循環を調整して、前記銀イオン溶出材からの恒温水に対しての銀イオンの溶出を調整する銀イオン溶出調整機構と、
    前記恒温槽若しくは前記循環恒温系の循環流路を流れる恒温水中の銀イオン濃度を測定する銀イオン濃度計の測定結果に基づいて前記銀イオン溶出調整機構を作動制御し、前記恒温槽及び前記循環恒温系の循環流路の恒温水中の銀イオン濃度を一定濃度に保つ銀イオン溶出制御部と
    を備えていることを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
  3. 前記反応容器は、反応容器保持機構上に環状に複数並べられて当該環状中心を軸心にして回動可能に保持され、
    前記恒温槽は、前記反応容器保持機構に保持された複数の反応容器の前記環状中心を軸心にした回動を許容しながら、当該複数の反応容器が液浸される恒温水が貯溜されている環状の溝流路を有し、
    前記光学測定機構は、前記環状の溝流路の延設方向に沿った所定の測定位置に配置され、
    前記循環恒温系は、両端がそれぞれ前記恒温槽内に連通された循環流路に前記温度調整機構を設けて構成され、
    前記銀イオン溶出器は、前記循環流路に両端がそれぞれ連通されたバイパス流路に設けられ、
    前記銀イオン溶出調整機構は、前記循環流路を流れる恒温水の少なくとも一部を前記バイパス流路を介して流すか否かで切り換える流路切替弁で構成され、
    前記銀イオン溶出制御部は、前記銀イオン濃度計の測定結果に基づいて前記流路切替弁を弁駆動制御する
    ことを特徴とする請求項2に記載の自動分析装置。
  4. 前記銀イオン溶出装置が保つ前記恒温水中の銀イオン濃度の一定濃度は、前記銀イオン溶出装置が表示装置に表示する銀イオン濃度設定画面上で設定された有効滅菌濃度である
    ことを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
  5. 前記銀イオン溶出装置は、前記銀イオン溶出材から銀イオンを有効に溶出できているか否かを判別し、銀イオンを有効に溶出できていない際には、前記銀イオン濃度表示画面上に前記銀イオン溶出材の交換案内を報知する
    ことを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
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