JP2013134141A - 自動分析装置 - Google Patents

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Hiroki Akase
弘樹 赤瀬
Hidetoshi Sugiyama
英利 杉山
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Abstract


【課題】 検体の定性・定量分析の精度を損なうことなく、従来の自動分析装置よりも恒温槽内の洗浄の頻度を軽減することができ、オペレータの恒温槽のメンテナンス作業の負担を軽減できる自動分析装置を提供する。
【解決手段】 検体容器1を回転させる検体容器回転機構2と、検体を反応容器12に分注する検体分注機構3と、試薬が入った試薬容器4を回転させる試薬容器回転機構5と、試薬を反応容器12に分注する試薬分注機構6と、一定温度の脱イオン水を貯水しているリング形状の恒温槽11と、反応容器12内の反応液の成分の定性・定量分析する光学系13と、反応容器12を保持して恒温槽11内で回転させる反応容器回転機構14と、脱イオン水温度を調整する脱イオン水恒温機構8と、恒温槽11の内周方向に設けた紫外光光源装置21と、紫外光が恒温槽11内の脱イオン水に照射されるよう、恒温槽11の内壁に紫外光透過窓22と、を設けてある。
【選択図】図1

Description

本発明は、血液、尿などの生体サンプルに含まれる各種の成分の定性・定量分析を行うための自動分析装置に関する。
自動分析装置は、検体を分注する検体分注機構や、試薬を分注する試薬分注機構、一定温度の恒温媒体(例えば脱イオン水など)を貯水しているリング形状の恒温槽を備えている。
この恒温槽内の脱イオン水の温度を均一にするために、脱イオン水を恒温槽と循環系との間を循環させており、この恒温槽内には脱イオン水に浸された、検体と試薬を反応させた反応液が入った複数の反応容器がある。
また、自動分析装置には、反応容器内の反応液の成分の定性・定量分析するための光学系があり、この光学系1つで複数の反応液内の分析対象成分の定性・定量分析を順次実行できるように、反応容器を保持して恒温槽の周方向に沿って回転させるための反応容器回転機構を備えている。
ところで、恒温槽は分析装置外の外気に対してオープンであり、装置自体を設置している場所もゴミ/埃の量をコントロールした環境下には無いのが一般的である。このため、分析装置外のゴミ/埃が恒温槽内に侵入し、恒温槽内の脱イオン水が汚染されてしまう可能性がある。
自動分析装置では光度計を構成する光源(ランプ)と受光側のセンサー部との間に保持された反応容器内の生体由来の検体あるいは生体由来の検体との反応生成物の吸光度を測定する事で濃度を算出している。このため、反応容器を保温する恒温槽内を循環する脱イオン水が汚れていると、正しい計測が行われない可能性がある。
これに対し、例えば、恒温槽内の洗浄を周期的に行うことや、特許文献1のように恒温媒体の循環路の一部を紫外線を透過する部材で構成するとともに、この部材で構成した循環路を通過する恒温媒体に紫外線を照射する紫外線ランプを設けることで対応している。
特開昭62−28668号公報
しかしながら、自動分析装置をどのような構成としても、恒温槽内の洗浄作業は定期的に行う必要があり、その上時間もかかる作業のため、ユーザにとってメンテナンス作業は負担になっている。
さらに上記作業が定期的に行われていない場合、微生物の死骸および埃が凝集し、恒温槽内に赤い粘性のある塊が形成されるようになる。この凝集物は一度発生すると次々に発生し、脱イオン水の吸光度に大きな影響を与え、正確な定性・定量分析が実行できなくなる、との大きな問題が生じるようになる。
この凝集物を滅却するためには、次亜塩素酸等を循環流路内に流し、循環流路内にある微生物を滅却する必要がある。しかしこの滅却作業は恒温槽の洗浄よりも長時間が必要となり、より大きな負担となる。
また特許文献1の技術では、恒温槽に滅菌された脱イオン水を供給することはできるものの、空気にダイレクトに接する恒温槽の脱イオン水中に微生物が混入することを防ぐことはできない。そのため、恒温槽の脱イオン水中での微生物の繁殖を完全には防ぐことができず、検体分析に影響が出ないようにする、との目的を達成することが容易ではない、との問題がある。
本発明の目的は、検体の定性・定量分析の精度を損なうことなく、従来の自動分析装置よりも恒温槽内の洗浄の頻度を軽減することができ、オペレータの恒温槽のメンテナンス作業の負担を軽減することができる自動分析装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、検体を分注する検体分注機構と、試薬を分注する試薬分注機構と、複数の反応容器内に入った前記検体と前記試薬を反応させた反応液を一定温度に保つための恒温水を貯水するリング形状の恒温槽と、前記恒温槽内に保持された前記反応容器内の反応液中の成分の定性・定量分析をするための光学系と、前記光学系1つで複数の反応液の濃度を順次測定できるよう、前記反応容器を保持し前記恒温槽内で回転させる反応容器回転機構とを備える自動分析装置において、前記恒温槽内の前記恒温水に紫外光を照射するよう配置された紫外光光源装置を備えている。
上述した本発明によれば、恒温槽内の脱イオン水に紫外光を直接照射し、恒温槽内の脱イオン水の微生物を滅菌することにより、恒温槽内の洗浄の頻度を軽減することができ、恒温槽のメンテナンス作業の負担が軽減され、また脱イオン水の吸光度に影響が出ないため、分析精度が損なわれることも防止できる。
本発明の第1の実施形態の自動分析装置の概略図である。 図1のA−A断面図である。 図1のB−B断面図である。 第2の実施形態の自動分析装置の恒温槽と紫外光光源装置の概略を示す図である。 第3の実施形態の自動分析装置の恒温槽と紫外光光源装置の概略を示す図である。 第4の実施形態の自動分析装置の恒温槽と紫外光光源装置の概略を示す図である。 図5AのC−C断面図である。 第5の実施形態の自動分析装置の恒温槽と紫外光光源装置の概略を示す図である。 第5の実施形態の変形例の自動分析装置の恒温槽と紫外光光源装置の概略を示す図である。 第5の実施形態のさらなる変形例の自動分析装置の恒温槽と紫外光光源装置の概略を示す図である。
以下に本発明の幾つかの実施の形態について、図面を用いて説明する。
<第1の実施の形態>
本発明の第1の実施形態について、図1〜図2Bを用いて説明する。
図1は、本実施形態の自動分析装置の概略を示す図、図2Aは、図1のA−A断面図、図2Bは、図1のB−B断面図である。
図1に示すように、本実施形態の自動分析装置は、検体容器回転機構2と、検体分注機構3と、試薬容器回転機構5と、試薬分注機構6と、脱イオン水送流ポンプ7と、脱イオン水恒温機構8と、脱イオン水送流流路9と、恒温槽11と、反応容器12と、光学系13と、反応容器回転機構14と、紫外光光源装置21とを備えている。
検体容器回転機構2は、検体が入った検体容器1を保持し、検体サンプル位置に回転させるための機構であり、検体容器回転機構2上には、血液又は尿のような生体サンプルを収容した多数の検体容器1が配置される。検体分注機構3に取り付けられたピペットノズルは、検体容器回転機構2の検体吸入位置に位置付けられた検体容器1から所定量の検体を吸入し、その検体を恒温槽11上の吐出位置にある反応容器12内に吐出する。
試薬容器回転機構5は、検体を分析するのに必要な試薬が入った試薬容器4を保持し、サンプリング位置に回転させるための機構であり、試薬容器回転機構5内には、バーコードやICタグ等の試薬識別情報を表示したラベルが貼られた複数の試薬容器4が配置される。
これらの試薬容器4には、本自動分析装置によって分析する分析項目に対応する試薬液が収容されている。試薬容器回転機構5に付属された試薬識別情報読み取り装置は、試薬投入時に、各試薬容器4の外壁に表示されているラベルから試薬識別情報を読み取る。読み取られた試薬情報は、試薬容器回転機構5上の配置ポジションと共にメモリに登録される。
試薬分注機構6は、検査項目に応じた試薬を試薬容器4から吸引し、該当する反応容器12内へ吐出するものであり、この試薬分注機構6の試薬用ピペットノズルは、試薬容器回転機構5上の試薬容器4から試薬を吸引し、反応容器12内へ吐出する。恒温槽11上の試薬受け入れ位置は検査項目に応じた受け入れ位置となっており、試薬容器回転機構5上の試薬容器4は項目毎に位置付けられている。
脱イオン水送流ポンプ7は、恒温槽11内に脱イオン水を送流するためのポンプである。また、脱イオン水恒温機構8は、恒温槽11内の脱イオン水を一定温度(例えば37℃前後)に保つために、脱イオン水を加熱・冷却するための温度調整機構であり、図2Aに示すように、この脱イオン水恒温機構8で温度が調整された脱イオン水を脱イオン水送流流路9を介して恒温槽11内に戻し、また恒温槽11内の脱イオン水を脱イオン水送流流路9を介して脱イオン水恒温機構8に送ることで、恒温槽11内の脱イオン水の温度を一定に保っている。
恒温槽11は、ステンレスなどの金属からなり、間欠回転可能に構成されており、一定温度の脱イオン水を貯水している。この恒温槽11は、透光性の材料からなる多数の反応容器12が、回転可能な反応容器回転機構14の円周に沿って配置されるよう、リング形状をしている。
光学系13は、反応容器12内の反応液の成分の定性・定量分析するものであり、光源13aと多波長光度計13bとによって構成される。この光学系13では、光源13aからの特定の波長の光を反応液に入った反応容器12を透過させ、この透過後の光を光度計13bによって計測し、反応容器12内の反応液の吸光度を検出している。
反応容器回転機構14は、光学系13を1つ設けることで複数の反応容器12内の反応液の濃度を順次測定できるように、反応容器12を保持し、恒温槽11の円周方向に沿って回転させるための機構であり、光学系13に挟まれた測光位置を通るように、複数の反応容器12の列を回転移動させる。また、この反応容器回転機構14は、検体と試薬を反応させた反応液が入った複数の反応容器12が一定温度の脱イオン水に浸されることで反応液の温度を一定に保つように、反応容器12を保持している。
紫外光光源装置21は、恒温槽11の内壁側に1つ備えられており、例えば紫外線ランプなどからなる。また、図2Bに示すように紫外光が恒温槽11内の脱イオン水に照射されるよう、恒温槽11の紫外光光源装置21と相対する位置の内壁には紫外光の吸光度の低い材質(例えば石英ガラスなど)からなる紫外光透過窓22が設けられている。これにより、恒温槽11の側面から、紫外光光源装置21により紫外光を照射して、恒温槽11内の脱イオン水の微生物を直接的に滅菌する構成となっている。
この紫外光光源装置21が紫外光を脱イオン水に照射するタイミングは、照射する紫外光が検体分析に影響する恐れがあるために、検体の分析時には紫外光は照射せずOFFとしておき、その日の分析がすべて終了し、電源を落とす前のメンテナンス時に紫外光光源装置21を起動して、紫外光を照射して脱イオン水の滅菌をするよう構成する。
しかし、紫外光光源装置21による紫外光照射のタイミングは特に限定されず、分析時でも、紫外光が分析に影響を及ぼす反応液が入った反応容器12が紫外光の光路を通過するときのみ紫外光の照射を止め、分析に影響を及ぼさない反応液が入った反応容器12が紫外光の光路を通過するときには紫外光を照射するように制御してもよい。または、測定に悪影響を与えないならば常時紫外光光源装置器21を起動しておいて脱イオン水に照射するよう制御してもよいし、自動分析装置立ち上げ時の測定前ウォーミングアップの際に紫外光光源装置21を起動して紫外光を照射するよう制御してもよく、装置の状態や分析対象の検体に応じて、適宜選択することができる。
また、紫外光光源装置21の起動方法も特に限定されず、光源装置21に起動スイッチを設け、この起動スイッチのON/OFFで制御してもよいし、検体分析中は停止信号を出力するか何もせずに、検体分析以外のタイミングで起動信号を出力するようコンピュータで制御してもよい。
さらに、紫外光光源装置21による紫外光照射時間も特に限定されず、分析終了後に起動ボタンによるON/OFFで任意の時間だけ照射するようにしてもよいし、一定時間のみ照射するようタイマーを用いてもよい。また、終了作業中や起動作業中に自動的に照射するようにしてもよいし、終了作業や起動作業中の一定時間のみ照射するよう制御してもよい。紫外光の照射時間は長いほうが良いが、脱イオン水の清浄度が高い(脱イオン水を交換してから時間がさほど経過していない)場合、照射時間は短くてよいし、清浄度が高いと判断できない場合は長く照射するようにしてもよく、脱イオン水や、分析する検体の状況に応じて適宜設定すればよい。
以下に、上述のような自動分析装置を用いた検体の自動分析の一連の流れを示す。
検体に対して指示された検査項目を分析するために、検体分注機構3のピペットノズルを用いて、分析パラメータに従って、検体容器1から反応容器12へ所定量の検体を分注する。
検体を受け入れた反応容器12を、反応容器回転機構14の回転によって分注位置に移送し、試薬受け入れ位置に停止する。その後、試薬分注機構6のピペットノズルにより、該当する検査項目の分析パラメータに従って、反応容器12に所定量の試薬液を分注する。検体と試薬の分注順序は、この例とは逆に、検体より試薬を先に分注してもよい。
その後、撹拌機構により、反応容器12内の検体と試薬との撹拌を行い、反応液を調整する。この反応液の入った反応容器12を、光学系13のあるB−B断面(測光)位置を横切らせ、この時に、多波長光度計13bにより反応液の吸光度を測光する。測光された吸光度を、コンピュータに取り込み、検査項目毎に指定された分析法により予め測定しておいた検量線に基づき、濃度データに変換する。そして、各検査項目の分析結果としての成分濃度データを、プリンタやディスプレイ等の画面に出力し、オペレータが読み取ることで分析が終了する。
以上説明した測定動作が実行される前に、操作者は、分析測定に必要な種々のパラメータの設定や検体の登録を操作画面を介して行う。また、操作者は、測定後の分析結果をディスプレイ上の操作画面により確認することができる。
そして、反応容器回転機構14により、光学系13の測定位置まで反応容器12を恒温槽11内を円周方向に回転させ、反応容器12中の反応液中の成分を順次測定することで、次々と検体中の成分の分析を行っていく。
この際、このような検体の分析中には紫外光光源装置21は起動せずに停止しておき、一日の分析が終了した時点で紫外光光源装置21を起動し、恒温槽11内の脱イオン水に向けて紫外光を照射するよう、コンピュータで制御する。
以上のような本発明の第1の実施形態の自動分析装置は、恒温槽11内の微生物を滅菌するために、紫外光光源装置21を備え、紫外光を恒温槽11内の脱イオン水に直に照射するよう構成されている。
このため、空気にダイレクトに接する恒温槽11の脱イオン水中に微生物が混入しても、増殖する前に紫外光により滅菌でき「るため、恒温槽11内の脱イオン水に微生物が繁殖することを強く防止することができる。よって、脱イオン水が微生物によって汚染されて吸光度に影響が出ることもなく、検体分析に影響を与えないようにする、との目的を達成することができる。と同時に、恒温槽内の洗浄の頻度を軽減することができ、恒温槽のメンテナンス作業の負担を軽減することができる。更には、薬液を用いる必要もなく、恒温槽へのダメージを小さくでき、長期的な使用が可能となる。
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態の自動分析装置について、図3を用いて説明する。本実施形態における自動分析装置は、紫外光光源装置を恒温槽に対して複数設けた場合のものであり、これ以外の構成は第1の実施形態の自動分析装置と略同じなため、詳細は省略する。図3は、第2の実施形態の自動分析装置の恒温槽と紫外光光源装置の概略を示す図である。
図3に示すように、本実施形態の自動分析装置では、紫外光光源装置21が恒温槽11の内周方向に45度間隔で8つ配置されている。また、複数の紫外光光源装置21により紫外光が恒温槽11内の脱イオン水に全般的に均一に照射されるよう、恒温槽11内壁の全周に渡って紫外光透過窓22が設けられている。
この紫外光光源装置21により紫外光を脱イオン水に照射するタイミング・方法などは、第1の実施形態と略同じであるので、詳細は省略する。
第1の実施形態のように紫外光光源装置21を1つだけ取り付けた場合に比べ、本実施形態の自動分析装置では複数の紫外光光源装置21により恒温槽11内全周に紫外光を照射して脱イオン水を効率良く滅菌し、恒温槽11の全周に渡ってより効果的に微生物を滅菌することが可能になる。よって、恒温槽11内の脱イオン水に微生物が発生することをより効果的に防止し、更なるメンテナンス頻度の低減を図ることができる。また、照射時間が短くても効果的な滅菌が可能であり、滅菌時間の短縮も図ることができる。
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態の自動分析装置について、図4を用いて説明する。本実施形態における自動分析装置は、紫外光光源装置の取り付け位置を変えた場合のものであり、これ以外の構成は第1の実施形態の自動分析装置と略同じなため、詳細は省略する。図4は、第3の実施形態の自動分析装置の恒温槽と紫外光光源装置の概略を示す図である。
図4に示すように、本実施形態の自動分析装置では、反応容器回転機構14に紫外光光源装置21が取り付けられており、反応容器回転機構14と紫外光光源装置21とが共に回転するようになっている。また、紫外光が恒温槽11内の脱イオン水に照射されるよう、恒温槽11内壁の全周に渡って紫外光透過窓22が設けられている。これにより、反応容器回転機構14が回転する際に紫外光光源装置21も同時に回転し、恒温槽11内の全周に紫外光を照射し、効率良く恒温槽11内の脱イオン水の滅菌を行うことが可能となる。
この紫外光光源装置21により紫外光を脱イオン水に照射するタイミング・方法なども、第1の実施形態と略同じであるので、詳細は省略する。
以上のような本発明の第3の実施形態の自動分析装置によれば、第2実施形態のように複数の紫外光光源装置21を取り付ける必要がないため、紫外光光源装置21に要するコストの低減および省スペース化が可能であるとともに、第1実施形態に比べてより効果的に恒温槽11内の脱イオン水中の微生物を滅菌することが可能となる。さらに、紫外光光源を回転させる機構と反応容器回転機構14の動作とが同期しているため、新たな回転機構が不要であり、更なるコスト低減と省スペース化の効果がある。
なお、本実施形態においても、第2の実施形態のごとく紫外光光源装置21を複数設けてもよく、この場合、コスト低減は達成しにくくなるものの、更なる効率的な滅菌が可能となる。
<第4の実施形態>
本発明の第4の実施形態の自動分析装置について、図5A,5Bを用いて説明する。本実施形態における自動分析装置は、紫外光光源装置の取り付けかたを変えた場合のものであり、これ以外の構成は第1の実施形態の自動分析装置と略同じなため、詳細は省略する。図5Aは、第4の実施形態の自動分析装置の恒温槽と紫外光光源装置の概略を示す図、図5Bは、図5AのC−C断面図である。
図5A,図5Bに示すように、本実施形態の自動分析装置は、反応容器回転機構14と回転を同期するように制御された紫外光光源回転装置41を設け、この紫外光光源回転機構41に紫外光光源装置21を取り付けたものである。また、紫外光が恒温槽11内の脱イオン水に照射されるよう、恒温槽11内壁の全周に渡って紫外光透過窓22を設け、恒温槽11内周側の側面から紫外光を恒温槽11内の脱イオン水に照射するよう構成しているものである。
この紫外光光源装置21により紫外光を脱イオン水に照射するタイミング・方法なども、第1の実施形態と略同じであるので、詳細は省略する。
以上のような本発明の第4の実施形態の自動分析装置によれば、第2実施形態のように複数の紫外光光源装置21を取り付ける必要がないため、コスト低減および省スペース化が可能であり、また第1実施形態に比べてより効果的に恒温槽11内の脱イオン水中の微生物を滅菌することが可能となる。
なお、本実施形態においても、紫外光光源装置21を複数設けてもよく、この場合、コスト低減は達成しにくくなるが、より効率的な滅菌が可能となる。
また、紫外光光源回転機構41と反応容器回転機構14との回転は必ずしも同期させる必要はない。
<第5の実施形態>
本発明の第5の実施形態の自動分析装置について、図6〜8を用いて説明する。本実施形態における自動分析装置は、紫外光光源装置の取り付け位置を変えた場合のものであり、これ以外の構成は第1の実施形態の自動分析装置と略同じなため、詳細は省略する。
図1〜図5Bまでに示した自動分析装置は、反応容器12に紫外光の透過率が高い材質を用いたケースで、紫外光を恒温槽11の側面から照射するよう構成したものであるが、通常、反応容器12は紫外光を透過しにくい材質を使用していることが多い。本実施形態は、反応容器12は紫外光の透過率が低い材質からなる場合にも好適な自動分析装置である。図6は、第5の実施形態の自動分析装置の恒温槽と紫外光光源装置の概略を示す図である。
図6に示すように、本実施形態の自動分析装置は、紫外光光源装置21が、恒温槽11の底面側に1つ備えられており、恒温槽11の底面から紫外光を照射するよう構成されている。また、恒温槽11の底面には紫外光が恒温槽11内の脱イオン水に照射されるよう、恒温槽11の底面の紫外光光源装置21と相対する位置に紫外光透過窓22が設けられている。
この紫外光光源装置21により紫外光を脱イオン水に照射するタイミング・方法なども、第1の実施形態と略同じであるので、詳細は省略する。
以上のような本発明の第5の実施形態の自動分析装置によれば、恒温槽11内に下方向から紫外光を照射することができるため、反応容器12の材質が紫外光を透過しにくくても、恒温槽11内に下方向から反応容器12にさえぎられることなく脱イオン水に均一に紫外光を照射するよう構成されることになり、反応容器12の材質の特性に関わり無く、恒温槽11内を循環する脱イオン水および恒温槽11内をより効率良く滅菌することができ、メンテナンス頻度の低減や、分析精度への影響の最小化を達成できる。
なお、第5の実施形態は、図6に示すような態様に限られない。
図7は、第5の実施形態の変形例の自動分析装置の恒温槽と紫外光光源装置の概略を示す図、図8は、第5の実施形態のさらなる変形例の自動分析装置の恒温槽と紫外光光源装置の概略を示す図である。
図7に示すように、第3実施形態と同様、反応容器回転機構14に恒温槽11の下部に伸びる突出部14aを設けて、この突出部14aの部分に紫外光光源装置21を取り付け、恒温槽11の下方から紫外光を照射するとともに、紫外光光源を回転させて均一に紫外光を照射できるように構成する。また恒温槽11の底面の全周に渡って紫外光透過窓22を設ける。
また、図8に示すように、第4実施形態と同様、恒温槽11の下部に、別途紫外光光源回転装置41を設け、紫外光光源回転機構41に紫外光光源装置21を取り付け、恒温槽11底面の全周に渡って紫外光透過窓22を設ける。
さらに、第2実施形態と同様に、恒温槽11内の下方向に複数個、紫外光光源装置21を取り付けてもよく、この時にはもちろん恒温槽11の底面の全周に渡って紫外光透過窓22を設ける。
この紫外光光源装置21により紫外光を脱イオン水に照射するタイミングも、第1の実施形態と略同じである。
このような第5の実施形態の変形例においても、第5の実施形態と同様に、恒温槽11内の全周に紫外光を照射し、効率良く恒温槽11内の脱イオン水の滅菌を行うことが可能となる。
<その他>
以上の実施形態では、血液サンプルの分析を行う血液自動分析装置を例にとって説明したが、恒温槽と光学系を備えていれば、他の機能を有する自動分析装置にも本発明は適用可能である。また、恒温槽11に紫外光透過窓22を設けずに、恒温槽11自体を紫外光を透過する材質で作製してもよい。
1…検体容器、
2…検体容器回転機構、
3…検体分注機構、
4…試薬容器、
5…試薬容器回転機構、
6…試薬分注機構、
7…脱イオン水送流ポンプ、
8…脱イオン水恒温機構、
9…脱イオン水送流流路、
11…恒温槽、
12…反応容器、
13…光学系、
14…反応容器回転機構、
21…紫外光光源装置、
22…紫外光透過窓、
41…紫外光光源回転機構。

Claims (5)

  1. 検体を分注する検体分注機構と、
    試薬を分注する試薬分注機構と、
    複数の反応容器内に入った前記検体と前記試薬を反応させた反応液を一定温度に保つための恒温水を貯水するリング形状の恒温槽と、
    前記恒温槽内に保持された前記反応容器内の反応液中の成分の定性・定量分析をするための光学系と、
    前記光学系1つで複数の反応液の濃度を順次測定できるよう、前記反応容器を保持し前記恒温槽内で回転させる反応容器回転機構とを備える自動分析装置において、
    前記恒温槽内の前記恒温水に紫外光を照射するよう配置された紫外光光源装置を備えていることを特徴とする自動分析装置。
  2. 請求項1に記載の自動分析装置において、
    前記紫外光光源装置を複数備えることを特徴とする自動分析装置。
  3. 請求項1に記載の自動分析装置において、
    前記紫外光光源装置を前記反応容器回転機構に備えて、前記紫外光光源装置を回転させることを特徴とする自動分析装置。
  4. 請求項1に記載の自動分析装置において、
    更に、前記紫外光光源装置を回転させるための紫外光光源装置回転機構を備えることを特徴とする自動分析装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の自動分析装置において、
    前記紫外光光源装置は、前記恒温槽の底面から紫外光を前記恒温水に対して照射するよう設置されたことを特徴とする自動分析装置。
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