JP2015214685A - インク、インクカートリッジ及び画像記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 画像の光学濃度及び耐擦過性を高いレベルで両立することができるインクを提供すること。【解決手段】 自己分散顔料と樹脂粒子と界面活性剤と水溶性有機溶剤と水とを含有するインクであって、前記樹脂粒子の表面のアニオン性官能基量が0.2mmol/g以下であり、前記界面活性剤が、一般式(1)で表され、かつ、グリフィン法によって求められるHLB値が11以下であるフッ素系界面活性剤を含有し、前記水溶性有機溶剤が、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、重量平均分子量が10,000以下であるポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール及びジグリセロールから選択される少なくとも何れかの水溶性有機溶剤を含有することを特徴とするインク。【選択図】 図1
Description
本発明はインク、係るインクを用いたインクカートリッジ及び画像記録方法に関する。
従来、画像記録方法において、画像の光学濃度を向上させることを目的に、色材として自己分散顔料を含有するインクが用いられている。ところが、自己分散顔料を含有するインクは、画像の光学濃度は比較的高いものの、画像の耐擦過性が低いという課題があった。そこで、自己分散顔料を含有するインクに更にポリウレタン樹脂粒子やアクリル樹脂粒子を含有させることで画像の耐擦過性を向上する検討がなされている(特許文献1及び2)。特許文献1には、自己分散顔料と共にポリウレタン樹脂粒子を含有するインクが記載されている。特許文献2には、自己分散顔料と共にアクリル樹脂粒子を含有するインクが記載されている。
しかしながら、本発明者らが検討したところ、特許文献1及び2に記載のインクは、画像の耐擦過性はある程度改善するものの、求められるレベルには達していなかった。更に、樹脂粒子を含有することで、画像の光学濃度が低下してしまうことも分かった。
したがって本発明の目的は、自己分散顔料及び樹脂粒子を含有しつつ、画像の光学濃度及び耐擦過性を高いレベルで両立することができるインクを提供することである。また、本発明の別の目的は、上記本発明のインクを用いたインクカートリッジ及び画像記録方法を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明にかかるインクは、自己分散顔料と樹脂粒子と界面活性剤と水溶性有機溶剤と水とを含有し、前記樹脂粒子の表面のアニオン性官能基量が0.2mmol/g以下であり、前記界面活性剤が、下記一般式(1)で表され、かつ、グリフィン法によって求められるHLB値が11以下であるフッ素系界面活性剤を含有し、前記水溶性有機溶剤が、下記の群Aから選択される少なくとも何れかの水溶性有機溶剤を含有することを特徴とする。
一般式(1)
R1(CR2R3)nCH2CH2(OCH2CH2)mOH(一般式(1)において、R1はフッ素原子又は水素原子であり、R2及びR3はそれぞれ独立にフッ素原子又は水素原子であり、R2及びR3のうち少なくとも何れかはフッ素原子である。nは1以上30以下であり、mは1以上60以下である。)
(群A)
グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、重量平均分子量が10,000以下であるポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ジグリセロール
一般式(1)
R1(CR2R3)nCH2CH2(OCH2CH2)mOH(一般式(1)において、R1はフッ素原子又は水素原子であり、R2及びR3はそれぞれ独立にフッ素原子又は水素原子であり、R2及びR3のうち少なくとも何れかはフッ素原子である。nは1以上30以下であり、mは1以上60以下である。)
(群A)
グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、重量平均分子量が10,000以下であるポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ジグリセロール
本発明によれば、画像の光学濃度及び耐擦過性を高いレベルで両立することができるインクを提供することができる。また、本発明の別の実施態様によれば、前記インクを用いたインクカートリッジ及び画像記録方法を提供することができる。
以下、好適な実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。
本発明者らが、自己分散顔料及び樹脂粒子を含有するインクに関し、画像の光学濃度及び耐擦過性を高いレベルで両立する方法について検討を行った結果、本発明の構成、即ち、更に、特定の表面のアニオン性官能基量である樹脂粒子と特定の界面活性剤及び水溶性有機溶剤とを組合せて用いる、という方法に至ったのである。係る構成によって本発明の効果が得られるメカニズムは以下のように考えられる。
本発明者らが検討したところ、インク中に特定のフッ素系界面活性剤を用いた場合に、他の界面活性剤を用いた場合と比較して、画像の光学濃度及び耐擦過性が向上することが分かった。これは、特定のフッ素系界面活性剤が、他の界面活性剤と比較して、インクの記録媒体に対する接触角を小さくする作用を示すことによると考えられる。特定のフッ素系界面活性剤を用いることにより、記録媒体に対するインクの接触角が小さくなり、記録媒体の表面に対して水平方向により広がりやすくなるので、記録媒体の表面近傍に顔料や樹脂粒子が留まりやすくなり、画像の光学濃度及び耐擦過性が向上するものと考えられる。本発明者らの検討によると、全てのフッ素系界面活性剤が上記作用を示す訳ではなく、下記一般式(1)で表され、かつ、グリフィン法によって求められるHLB値(Hydrophile−Lipophile Balance)が11以下であるフッ素系界面活性剤が特に効果的に上記作用を示すことが分かった。
一般式(1)
R1(CR2R3)nCH2CH2(OCH2CH2)mOH(一般式(1)において、R1はフッ素原子又は水素原子であり、R2及びR3はそれぞれ独立にフッ素原子又は水素原子であり、R2及びR3のうち少なくとも何れかはフッ素である。nは1以上30以下であり、mは1以上60以下である。)
一般式(1)
R1(CR2R3)nCH2CH2(OCH2CH2)mOH(一般式(1)において、R1はフッ素原子又は水素原子であり、R2及びR3はそれぞれ独立にフッ素原子又は水素原子であり、R2及びR3のうち少なくとも何れかはフッ素である。nは1以上30以下であり、mは1以上60以下である。)
ところが、記録媒体の種類によっては、この特定のフッ素系界面活性剤を用いるだけでは十分に画像の光学濃度及び耐擦過性が向上しない場合があった。例えば、普通紙のようなインクの吸収性が高い記録媒体を用いた場合は、記録媒体の表面近傍に顔料や樹脂粒子が十分に留まりにくく、高いレベルの画像の光学濃度及び耐擦過性が得られない場合があった。
そこで本発明者らは水溶性有機溶剤の種類に着目して更に検討を行った。その結果、上記特定のフッ素系界面活性剤と共に、特定の水溶性有機溶剤をインク中に含有させることで、普通紙のようなインクの吸収性が高い記録媒体を用いた場合でも、記録媒体の表面近傍に顔料や樹脂粒子を留まらせることができることが分かった。ここでいう特定の水溶性有機溶剤とは、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、重量平均分子量が10,000以下であるポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール及びジグリセロールから選択される少なくとも1種の水溶性有機溶剤である。本発明者らは、種々の実験の結果から、これらの水溶性有機溶剤とフッ素系界面活性剤を組合せて用いることで画像の光学濃度及び耐擦過性が向上することを導き出した。上記特定のフッ素系界面活性剤と上記特定の水溶性有機溶剤を組合せることによって画像の光学濃度及び耐擦過性が向上する理由は明らかではないが、本発明者らは、上記特定の水溶性有機溶剤が何れも、分子構造中に2つ以上のヒドロキシル基を有し、かつ、分子構造の両末端の炭素原子にヒドロキシル基を有していること、及び、分子構造の対称性が高いことが影響しているのではないかと推測している。
本発明者らの更なる検討の結果、樹脂粒子の表面のアニオン性官能基量が0.2mmol/g以下の場合に、上記画像の光学濃度及び耐擦過性の向上効果が更に高いレベルで得られることが分かった。樹脂粒子の表面のアニオン性官能基量が小さい程、記録媒体に付与された際に樹脂粒子が凝集しやすくなるため、記録媒体の表面近傍に樹脂粒子が顔料と共に留まり、画像の光学濃度が更に高まる。また、樹脂粒子が顔料を保護するように堆積することで高いレベルの耐擦過性が得られると考えられる。
これまで述べてきた通り、インクに、自己分散顔料と共に、特定の表面のアニオン性官能基量である樹脂粒子と上記特定のフッ素系界面活性剤と上記特定の水溶性有機溶剤とを含有させることで、記録媒体の種類によらず、記録媒体の表面近傍に顔料及び樹脂粒子を留まらせることができる。このように、各構成が相乗的に効果を及ぼし合うことによって、画像の光学濃度及び耐擦過性を高いレベルで両立するという本発明の効果を達成することが可能となる。
[インク]
本発明のインクは、自己分散顔料(以下、単に「顔料」ともいう)と表面のアニオン性官能基量が0.2mmol/g以下の樹脂粒子と一般式(1)で表され、かつ、HLB値が11以下であるフッ素系界面活性剤(以下、単に「一般式(1)で表される界面活性剤」ともいう)と水溶性有機溶剤と水とを含有する。以下、本発明のインクに用いることができる成分について、それぞれ説明する。
本発明のインクは、自己分散顔料(以下、単に「顔料」ともいう)と表面のアニオン性官能基量が0.2mmol/g以下の樹脂粒子と一般式(1)で表され、かつ、HLB値が11以下であるフッ素系界面活性剤(以下、単に「一般式(1)で表される界面活性剤」ともいう)と水溶性有機溶剤と水とを含有する。以下、本発明のインクに用いることができる成分について、それぞれ説明する。
<自己分散顔料>
本発明において、自己分散顔料とは、少なくとも1種の親水性基が直接、又は、他の原子団(−R−)を介して顔料表面に結合している顔料を意味する。親水性基としては、−COOM、−SO3M、−PO3HM、−PO3M2などが挙げられる。上記式中の「M」は、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムであることが好ましい。本発明においては、アンモニウム又は有機アンモニウムの場合と比較して、インクの吐出安定性が良好となるため、「M」がリチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属であることがより好ましい。尚、インク中の親水性基の形態は、その一部が解離又は全てが解離した状態の何れの形態であってもよい。また、上記他の原子団(−R−)としては、炭素原子数1乃至12のアルキレン基、置換若しくは非置換のフェニレン基、又は、置換若しくは非置換のナフチレン基などが挙げられる。
本発明において、自己分散顔料とは、少なくとも1種の親水性基が直接、又は、他の原子団(−R−)を介して顔料表面に結合している顔料を意味する。親水性基としては、−COOM、−SO3M、−PO3HM、−PO3M2などが挙げられる。上記式中の「M」は、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムであることが好ましい。本発明においては、アンモニウム又は有機アンモニウムの場合と比較して、インクの吐出安定性が良好となるため、「M」がリチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属であることがより好ましい。尚、インク中の親水性基の形態は、その一部が解離又は全てが解離した状態の何れの形態であってもよい。また、上記他の原子団(−R−)としては、炭素原子数1乃至12のアルキレン基、置換若しくは非置換のフェニレン基、又は、置換若しくは非置換のナフチレン基などが挙げられる。
(自己分散顔料の種類)
本発明のインクに使用することのできる顔料としては、無機顔料及び有機顔料が挙げられ、インクに使用可能なものとして公知の顔料を何れも使用することができる。
本発明のインクに使用することのできる顔料としては、無機顔料及び有機顔料が挙げられ、インクに使用可能なものとして公知の顔料を何れも使用することができる。
自己分散無機顔料としては、カーボンブラックなどの公知の無機顔料の表面に親水性基を導入した顔料が挙げられる。自己分散カーボンブラックとしては、例えば、CAB−O−JET200、300、352K、400(以上、キャボット製)が挙げられる。
自己分散有機顔料としては、公知の有機顔料の表面に親水性基を導入した顔料が挙げられる。具体的な顔料種としては、以下の通りである。シアン顔料としては銅フタロシアニン顔料を用いることが好ましい。具体的には、C.I.Pigment Blue 1、2、3、15、15:2、15:3、15:4、16、22、60が挙げられる。自己分散シアン顔料としては、例えば、CAB−O−JET250C、450C、554B(以上、キャボット製)が挙げられる。マゼンタ顔料としてはキナクリドン顔料を用いることが好ましい。具体的には、C.I.Pigment Red 5、7、12、48、48:1、57、112、122、123、146、168、184、202、207が挙げられる。自己分散マゼンタ顔料としては、例えば、CAB−O−JET260M、265M、465M、(以上、キャボット製)が挙げられる。イエロー顔料としてはアゾ顔料を用いることが好ましい。具体的には、C.I.Pigment Yellow 12、13、14、16、17、74、83、93、95、97、98、114、128、129、151、154が挙げられる。自己分散イエロー顔料としては、例えば、CAB−O−JET270Y、470Y、740Y(以上、キャボット製)が挙げられる。
(自己分散顔料の含有量)
インク中の自己分散顔料の含有量は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上5.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上4.0質量%以下であることがより好ましい。含有量が1.0質量%より小さいと、画像の光学濃度の向上効果が十分に得られない−場合がある。含有量が4.0質量%より大きいと、耐固着性などが十分に得られない場合がある。
インク中の自己分散顔料の含有量は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上5.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上4.0質量%以下であることがより好ましい。含有量が1.0質量%より小さいと、画像の光学濃度の向上効果が十分に得られない−場合がある。含有量が4.0質量%より大きいと、耐固着性などが十分に得られない場合がある。
また、インク全質量を基準とした、自己分散顔料の含有量と後述する樹脂粒子の含有量の合計の含有量が、12質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。上記合計の含有量が12質量%より大きいと、インクの吐出安定性などが十分に得られない場合がある。
また、インク全質量を基準とした、自己分散顔料の含有量が、後述する樹脂粒子の含有量に対して、質量比率で0.5倍以上4倍以下であることが好ましく、1倍以上4倍以下であることがより好ましく、2倍以上4倍以下であることが特に好ましい。上記の質量比率が0.5倍より小さいと自己分散顔料の含有量が少なく、画像の光学濃度の向上効果が十分に得られない場合がある。上記の質量比率が4倍より大きいと樹脂粒子の含有量が少なく、画像の耐擦過性の向上効果が十分に得られない場合がある。
<樹脂粒子>
本発明のインクは、表面のアニオン性官能基量が0.2mmol/g以下の樹脂粒子を含有する。樹脂粒子の表面のアニオン性官能基量は、0.15mmol/g以下が好ましく、0.10mmol/g以下がより好ましい。また、樹脂粒子の表面のアニオン性官能基量は、0mmol/gより大きいことが好ましく、0.03mmol/g以上がより好ましい。
本発明のインクは、表面のアニオン性官能基量が0.2mmol/g以下の樹脂粒子を含有する。樹脂粒子の表面のアニオン性官能基量は、0.15mmol/g以下が好ましく、0.10mmol/g以下がより好ましい。また、樹脂粒子の表面のアニオン性官能基量は、0mmol/gより大きいことが好ましく、0.03mmol/g以上がより好ましい。
また、本発明に置いて、アニオン性基としては、−COOM、−SO3M、−PO3HM、−PO3M2などが挙げられる。尚、式中「M」は、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムである。
本発明において、「樹脂粒子」とは、粒径を有する状態で溶媒中に分散して存在する樹脂を意味する。本発明において、樹脂粒子の50%累積体積平均粒径(D50)は、1nm以上100nm以下であることが好ましく、5nm以上50nm以下であることがより好ましい。尚、樹脂粒子のD50は、樹脂粒子分散体を純水で50倍(体積基準)に希釈し、UPA−EX150(日機装製)を使用して、SetZero:30s、測定回数:3回、測定時間:180秒、屈折率:1.5の測定条件で測定すればよい。
また、樹脂粒子としては、公知のものを何れも用いることができるが、ポリウレタン樹脂粒子及びアクリル樹脂粒子から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。以下、ポリウレタン樹脂粒子及びアクリル樹脂粒子についてそれぞれ説明する。
<1>ポリウレタン樹脂粒子
(ポリウレタン樹脂粒子の物性)
本発明のインクに用いるポリウレタン樹脂粒子のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により得られるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、5,000より大きく150,000以下であることが好ましく、8,000以上100,000以下がより好ましい。5,000以下であると、ポリウレタン樹脂粒子の強度が低くなり、画像の耐擦過性の向上効果が十分に得られない場合がある。150,000より大きいと、インクの保存安定性や吐出安定性などが十分に得られない場合がある。尚、樹脂粒子の重量平均分子量の測定は、装置:Alliance GPC 2695(Waters製)、カラム:Shodex KF−806Mの4連カラム(昭和電工製)、検出器:RI(屈折率)を用いて行い、ポリスチレン標準試料として、PS−1及びPS−2(Polymer Laboratories製)を用いて算出すればよい。
(ポリウレタン樹脂粒子の物性)
本発明のインクに用いるポリウレタン樹脂粒子のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により得られるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、5,000より大きく150,000以下であることが好ましく、8,000以上100,000以下がより好ましい。5,000以下であると、ポリウレタン樹脂粒子の強度が低くなり、画像の耐擦過性の向上効果が十分に得られない場合がある。150,000より大きいと、インクの保存安定性や吐出安定性などが十分に得られない場合がある。尚、樹脂粒子の重量平均分子量の測定は、装置:Alliance GPC 2695(Waters製)、カラム:Shodex KF−806Mの4連カラム(昭和電工製)、検出器:RI(屈折率)を用いて行い、ポリスチレン標準試料として、PS−1及びPS−2(Polymer Laboratories製)を用いて算出すればよい。
本発明のインクに用いるポリウレタン樹脂粒子の酸価は、100mgKOH/g以下が好ましく、5mgKOH/g以上30mgKOH/g以下がより好ましい。尚、ポリウレタン樹脂粒子の酸価は滴定法により測定することができる。例えば、樹脂粒子をTHFに溶解し、電位差自動滴定装置AT510(京都電子工業製)を用いて、水酸化カリウムエタノール滴定液によって電位差滴定することで酸価を測定すればよい。
本発明のインクに用いるポリウレタン樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)は、−80℃以上が好ましく、−50℃以上がより好ましい。また、120℃以下が好ましく、100℃以下がより好ましい。
(ポリウレタン樹脂粒子の含有量)
本発明において、ポリウレタン樹脂粒子の含有量は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。0.1質量%より小さいと、画像の耐擦過性の向上効果が十分に得られない場合がある。また、10.0質量%より大きいと、インクの吐出安定性などが十分に得られない場合がある。
本発明において、ポリウレタン樹脂粒子の含有量は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。0.1質量%より小さいと、画像の耐擦過性の向上効果が十分に得られない場合がある。また、10.0質量%より大きいと、インクの吐出安定性などが十分に得られない場合がある。
また、インク全質量を基準とした、ポリウレタン樹脂粒子の含有量が、後述するフッ素系界面活性剤の含有量に対して、質量比率で0.5倍以上4.0倍以下であることが好ましく、1.0倍以上3.0倍以下であることがより好ましい。上記の質量比率が0.5倍より小さいとポリウレタン樹脂粒子の含有量が少なく、画像の耐擦過性の向上効果が十分に得られない場合がある。上記の質量比率が4.0倍より大きいとフッ素系界面活性剤の含有量が少なく、上述した記録媒体の表面近傍に樹脂粒子を留める効果が得られにくく、画像の光学濃度及び耐擦過性の向上効果が十分に得られない場合がある。
(ポリウレタン樹脂粒子の製造方法)
本発明におけるポリウレタン樹脂粒子の製造方法は、従来、一般的に用いられている方法を何れも用いることができる。例えば、以下の方法が挙げられる。酸基を有さないポリオールをメチルエチルケトンなどの有機溶剤中で十分に撹拌し溶解させた後、ポリイソシアネート、酸基を有するジオールを加え反応させ、ウレタンプレポリマー溶液を得る。次いで、得られたウレタンプレポリマー溶液を中和した後、イオン交換水を添加し、ホモミキサーで高速撹拌することで乳化する。乳化後、鎖延長剤を加え、鎖延長反応を行う。
本発明におけるポリウレタン樹脂粒子の製造方法は、従来、一般的に用いられている方法を何れも用いることができる。例えば、以下の方法が挙げられる。酸基を有さないポリオールをメチルエチルケトンなどの有機溶剤中で十分に撹拌し溶解させた後、ポリイソシアネート、酸基を有するジオールを加え反応させ、ウレタンプレポリマー溶液を得る。次いで、得られたウレタンプレポリマー溶液を中和した後、イオン交換水を添加し、ホモミキサーで高速撹拌することで乳化する。乳化後、鎖延長剤を加え、鎖延長反応を行う。
以下にポリウレタン樹脂粒子を構成する材料について説明する。
(1)ポリイソシアネート
本発明において、ポリウレタン樹脂粒子は、ポリイソシアネートに由来するユニットを有することが好ましい。本発明において「ポリイソシアネート」とは、2つ以上のイソシアネート基を有する化合物を意味する。本発明に用いることができるポリイソシアネートとしては、具体的に、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネートが挙げられる。ポリウレタン樹脂粒子に占める、ポリイソシアネートに由来するユニットの割合は、10.0質量%以上80.0質量%以下であることが好ましい。
本発明において、ポリウレタン樹脂粒子は、ポリイソシアネートに由来するユニットを有することが好ましい。本発明において「ポリイソシアネート」とは、2つ以上のイソシアネート基を有する化合物を意味する。本発明に用いることができるポリイソシアネートとしては、具体的に、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネートが挙げられる。ポリウレタン樹脂粒子に占める、ポリイソシアネートに由来するユニットの割合は、10.0質量%以上80.0質量%以下であることが好ましい。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、テトラメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネートが挙げられる。脂環族ポリイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン4,4’−ジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンが挙げられる。芳香族ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネートが挙げられる。芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、α,α,α,α−テトラメチルキシリレンジイソシアネートが挙げられる。これらのポリイソシアネートは、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。本発明においては、上記ポリイソシアネートの中でも、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、及びジシクロヘキシルメタン4,4’−ジイソシアネートから選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
(2)酸基を有さないポリオール
本発明において、ポリウレタン樹脂粒子は、酸基を有さないポリオールに由来するユニットを有することが好ましい。ポリウレタン樹脂粒子に占める、酸基を有さないポリオールに由来するユニットの割合は、0.1質量%以上80.0質量%以下であることが好ましい。
本発明において、ポリウレタン樹脂粒子は、酸基を有さないポリオールに由来するユニットを有することが好ましい。ポリウレタン樹脂粒子に占める、酸基を有さないポリオールに由来するユニットの割合は、0.1質量%以上80.0質量%以下であることが好ましい。
酸基を有さないポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートジオールなどが挙げられる。本発明に用いられる酸基を有さないポリオールは炭素数が13以上250以下であることが好ましい。また、酸基を有さないポリオールのGPCにより得られるポリスチレン換算の数平均分子量は、600以上4,000以下であることが好ましい。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、酸成分とポリアルキレングリコール、2価アルコール又は3価以上の多価アルコールとのエステルが挙げられる。ポリエステルポリオールを構成する酸成分としては、芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸などが挙げられる。前記芳香族ジカルボン酸としては、イソフタル酸、テレフタル酸、オルトフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸などが挙げられる。前記脂環族ジカルボン酸としては、前記芳香族ジカルボン酸の水素添加物などが挙げられる。前記脂肪族ジカルボン酸としては、マロン酸、琥珀酸、酒石酸、シュウ酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、アルキル琥珀酸、リノレイン酸、マレイン酸、フマール酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸などが挙げられる。また、これらの酸成分の酸無水物、アルキルエステル若しくは酸ハライドなどの反応性誘導体などもポリエステルポリオールを構成する酸成分として用いることができる。更に、上記のポリエステルポリオールを構成する酸成分は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。前記ポリアルキレングリコールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、エチレングリコール−プロピレングリコール共重合体などが挙げられる。前記2価アルコールとしては、ヘキサメチレングリコール、テトラメチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、4,4’−ジヒドロキシフェニルプロパン、4,4’−ジヒドロキシフェニルメタンなどが挙げられる。前記3価以上の多価アルコールとしては、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,5−ヘキサントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。これらのポリエステルポリオールは、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリアルキレングリコール、及び、アルキレンオキサイドと2価アルコール又は3価以上の多価アルコールとの付加重合物が挙げられる。前記ポリアルキレングリコールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、エチレングリコール−プロピレングリコール共重合体などが挙げられる。前記2価アルコールとしては、ヘキサメチレングリコール、テトラメチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、4,4’−ジヒドロキシフェニルプロパン、4,4’−ジヒドロキシフェニルメタンなどが挙げられる。前記3価以上の多価アルコールとしては、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,5−ヘキサントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。前記アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、α−オレフィンオキサイドなどが挙げることができる。これらのポリエーテルポリオールは、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
ポリカーボネートジオールとしては、従来公知の方法で製造されるポリカーボネートジオールが使用できる。例えば、アルキレンカーボネート、ジアリールカーボネート、ジアルキルカーボネートなどのカーボネート成分又はホスゲンと、脂肪族ジオール成分とを反応させて得られるポリカーボネートジオールが挙げられる。これらのポリカーボネートジオールは、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
本発明においては、上記酸基を有さないポリオールの中でも、特に、ポリエーテルポリオールを用いることが好ましい。ポリエーテルポリオールを用いることによって樹脂膜の柔軟性が適度に発現するため、画像の耐擦過性が向上しやすい。更に、ポリエーテルポリオールは比較的親水性が高いため、インクの吐出安定性にも優れる。ポリエーテルポリオールの中でも、特にポリプロピレングリコールを用いることがより好ましい。
(3)酸基を有するジオール
本発明において、ポリウレタン樹脂粒子は、酸基を有するジオールに由来するユニットを有することが好ましい。本発明において、酸基を有するジオールとは、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基などの酸基を有するジオールを意味する。酸基を有するジオールは、Li、Na、Kなどのアルカリ金属塩や、アンモニア、ジメチルアミンなどの有機アミン塩の形態で存在してもよい。酸基を有するジオールとしては、ジメチロールプロピオン酸やジメチロールブタン酸を用いることが好ましい。これらは、必要に応じて1種又は2種を用いることができる。ポリウレタン樹脂粒子に占める、酸基を有するジオールに由来するユニットの割合は、5.0質量%以上40.0質量%以下であることが好ましい。
本発明において、ポリウレタン樹脂粒子は、酸基を有するジオールに由来するユニットを有することが好ましい。本発明において、酸基を有するジオールとは、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基などの酸基を有するジオールを意味する。酸基を有するジオールは、Li、Na、Kなどのアルカリ金属塩や、アンモニア、ジメチルアミンなどの有機アミン塩の形態で存在してもよい。酸基を有するジオールとしては、ジメチロールプロピオン酸やジメチロールブタン酸を用いることが好ましい。これらは、必要に応じて1種又は2種を用いることができる。ポリウレタン樹脂粒子に占める、酸基を有するジオールに由来するユニットの割合は、5.0質量%以上40.0質量%以下であることが好ましい。
(4)鎖延長剤
本発明においては、ポリウレタン樹脂粒子を製造する際に鎖延長剤を使用してもよい。鎖延長剤は、ウレタンプレポリマーのポリイソシアネートユニットのうち、ウレタン結合を形成しなかった残存イソシアネート基と反応する化合物である。鎖延長剤としては、例えば、トリメチロールメラミン及びその誘導体、ジメチロールウレア及びその誘導体、ジメチロールエチルアミン、ジエタノールメチルアミン、ジプロパノールエチルアミン、ジブタノールメチルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヘキシレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、イソホロンジアミン、キシリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、水素添加ジフェニルメタンジアミン、ヒドラジンなどの多価アミン化合物、ポリアミドポリアミン、ポリエチレンポリイミンが挙げられる。また、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。これらの鎖延長剤は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
本発明においては、ポリウレタン樹脂粒子を製造する際に鎖延長剤を使用してもよい。鎖延長剤は、ウレタンプレポリマーのポリイソシアネートユニットのうち、ウレタン結合を形成しなかった残存イソシアネート基と反応する化合物である。鎖延長剤としては、例えば、トリメチロールメラミン及びその誘導体、ジメチロールウレア及びその誘導体、ジメチロールエチルアミン、ジエタノールメチルアミン、ジプロパノールエチルアミン、ジブタノールメチルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヘキシレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、イソホロンジアミン、キシリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、水素添加ジフェニルメタンジアミン、ヒドラジンなどの多価アミン化合物、ポリアミドポリアミン、ポリエチレンポリイミンが挙げられる。また、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。これらの鎖延長剤は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
<2>アクリル樹脂粒子
(アクリル樹脂粒子の物性)
本発明のインクに用いるアクリル樹脂粒子のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により得られるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、100,000より大きく3,000,000以下であることが好ましく、300,000以上1,000,000以下がより好ましい。以下であると、アクリル樹脂粒子の強度が低くなり、画像の耐擦過性の向上効果が十分に得られない場合がある。150,000より大きいと、インクの保存安定性や吐出安定性などが十分に得られない場合がある。尚、樹脂粒子の重量平均分子量の測定は、装置:Alliance GPC 2695(Waters製)、カラム:Shodex KF−806Mの4連カラム(昭和電工製)、検出器:RI(屈折率)を用いて行い、ポリスチレン標準試料として、PS−1及びPS−2(Polymer Laboratories製)を用いて算出すればよい。
(アクリル樹脂粒子の物性)
本発明のインクに用いるアクリル樹脂粒子のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により得られるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、100,000より大きく3,000,000以下であることが好ましく、300,000以上1,000,000以下がより好ましい。以下であると、アクリル樹脂粒子の強度が低くなり、画像の耐擦過性の向上効果が十分に得られない場合がある。150,000より大きいと、インクの保存安定性や吐出安定性などが十分に得られない場合がある。尚、樹脂粒子の重量平均分子量の測定は、装置:Alliance GPC 2695(Waters製)、カラム:Shodex KF−806Mの4連カラム(昭和電工製)、検出器:RI(屈折率)を用いて行い、ポリスチレン標準試料として、PS−1及びPS−2(Polymer Laboratories製)を用いて算出すればよい。
本発明のインクに用いるアクリル樹脂粒子の酸価は、150mgKOH/g以下が好ましく、25mgKOH/g以上140mgKOH/g以下がより好ましい。尚、アクリル樹脂粒子の酸価は滴定法により測定することができる。例えば、樹脂粒子をTHFに溶解し、電位差自動滴定装置AT510(京都電子工業製)を用いて、水酸化カリウムエタノール滴定液によって電位差滴定することで酸価を測定すればよい。
本発明のインクに用いるアクリル樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)は、−20℃以上が好ましく、−10℃以上がより好ましく、25℃以上が特に好ましい。また、120℃以下が好ましく、100℃以下がより好ましい。
(アクリル樹脂粒子の含有量)
本発明において、アクリル樹脂粒子の含有量は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。0.1質量%より小さいと、画像の耐擦過性の向上効果が十分に得られない場合がある。また、10.0質量%より大きいと、インクの吐出安定性などが十分に得られない場合がある。
本発明において、アクリル樹脂粒子の含有量は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。0.1質量%より小さいと、画像の耐擦過性の向上効果が十分に得られない場合がある。また、10.0質量%より大きいと、インクの吐出安定性などが十分に得られない場合がある。
また、インク全質量を基準とした、アクリル樹脂粒子の含有量が、後述するフッ素系界面活性剤の含有量に対して、質量比率で0.5倍以上4.0倍以下であることが好ましく、1.0倍以上3.0倍以下であることがより好ましい。上記の質量比率が0.5倍より小さいとアクリル樹脂粒子の含有量が少なく、画像の耐擦過性の向上効果が十分に得られない場合がある。上記の質量比率が4.0倍より大きいとフッ素系界面活性剤の含有量が少なく、上述した記録媒体の表面近傍に樹脂粒子を留める効果が得られにくく、画像の光学濃度及び耐擦過性の向上効果が十分に得られない場合がある。
(アクリル樹脂粒子に用いるモノマー)
本発明において、アクリル樹脂粒子を構成するモノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル;アクリル酸、メタクリル酸などの(メタ)アクリル酸が挙げられる。これらのモノマーの単重合体でもよいし、その他のモノマーとの共重合体でもよい。上記モノマーと共重合させるモノマーとしては、例えば、ビニルエステル類、オレフィン類、スチレン類、クロトン類、イタコン類、マレイン酸類、フマル酸類、アクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルケトン類、グリスジルエステル類、不飽和ニトリル類などが挙げられる。共重合体とする場合は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルや(メタ)アクリル酸に由来するユニットが、共重合体全体に占める割合が、50mol%以上であることが好ましい。
本発明において、アクリル樹脂粒子を構成するモノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル;アクリル酸、メタクリル酸などの(メタ)アクリル酸が挙げられる。これらのモノマーの単重合体でもよいし、その他のモノマーとの共重合体でもよい。上記モノマーと共重合させるモノマーとしては、例えば、ビニルエステル類、オレフィン類、スチレン類、クロトン類、イタコン類、マレイン酸類、フマル酸類、アクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルケトン類、グリスジルエステル類、不飽和ニトリル類などが挙げられる。共重合体とする場合は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルや(メタ)アクリル酸に由来するユニットが、共重合体全体に占める割合が、50mol%以上であることが好ましい。
<3>樹脂粒子の表面のアニオン性官能基量の測定方法
樹脂粒子の表面のアニオン性官能基量は樹脂粒子の水分散体をコロイド滴定することにより求めることができる。後述する実施例においては、流動電位滴定ユニット(PCD−500)を搭載した電位差自動滴定装置(AT−510;京都電子工業製)を用い、電位差を利用したコロイド滴定により、樹脂粒子分散体中の樹脂粒子の表面のアニオン性官能基量を測定した。この際、滴定試薬としてメチルグリコールキトサンを用いた。
樹脂粒子の表面のアニオン性官能基量は樹脂粒子の水分散体をコロイド滴定することにより求めることができる。後述する実施例においては、流動電位滴定ユニット(PCD−500)を搭載した電位差自動滴定装置(AT−510;京都電子工業製)を用い、電位差を利用したコロイド滴定により、樹脂粒子分散体中の樹脂粒子の表面のアニオン性官能基量を測定した。この際、滴定試薬としてメチルグリコールキトサンを用いた。
インク中に含まれる樹脂粒子の表面のアニオン性官能基量を測定する場合は、まず顔料と樹脂粒子を分離する必要がある。インクを23℃、440,000G、2時間の条件で遠心分離し、樹脂粒子が含まれる上澄みを採取し、上記測定方法にて表面のアニオン性官能基量を測定することができる。
<界面活性剤>
本発明のインクは、下記一般式(1)で表され、かつ、HLB値が11以下である界面活性剤を含有する。
一般式(1)
R1(CR2R3)nCH2CH2(OCH2CH2)mOH(一般式(1)において、R1はフッ素原子又は水素原子であり、R2及びR3はそれぞれ独立にフッ素原子又は水素原子であり、R2及びR3のうち少なくとも何れかはフッ素である。nは1以上30以下であり、mは1以上60以下である。)
本発明のインクは、下記一般式(1)で表され、かつ、HLB値が11以下である界面活性剤を含有する。
一般式(1)
R1(CR2R3)nCH2CH2(OCH2CH2)mOH(一般式(1)において、R1はフッ素原子又は水素原子であり、R2及びR3はそれぞれ独立にフッ素原子又は水素原子であり、R2及びR3のうち少なくとも何れかはフッ素である。nは1以上30以下であり、mは1以上60以下である。)
上述の通り、前記フッ素系界面活性剤のグリフィン法によって求められるHLB値は、11以下である必要がある。本発明においては、HLB値が6以上11以下であることがより好ましい。尚、グリフィン法によって求められるHLB値は「20×親水部の式量の総和/分子量」で定義されるが、上記一般式(1)においては“CH2CH2(OCH2CH2)mOH”の部分を上記定義における「親水部」として計算を行った。
上記一般式(1)で表され、かつ、HLB値が11以下であるフッ素系界面活性剤としては、例えば、FS−3100、FS−30、FSO、FSN−100(デュポン製)、メガファックF−444(DIC製)、DSN403N(ダイキン工業製)が挙げられる。
一般式(1)で表される界面活性剤の含有量が、インク全質量を基準として、0.1質量%以上2.0質量%より少ないことが好ましい。
また、本発明においては、インクが更に、一般式(1)で表される界面活性剤とは異なる界面活性剤を含有してもよい。例えば、アセチレングリコール及びアセチレングリコールにエチレンオキシドを付加したノニオン性界面活性剤などを更に含有していてもよい。その場合は、一般式(1)で表される面活性剤以外の界面活性剤の含有量が、インク全質量を基準として0.1質量%以下であることが好ましい。
<水及び水溶性有機溶剤>
本発明のインクは、水及び水溶性有機溶剤を含有する。水は脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。インク中の水の含有量は、インク全質量を基準として、50質量%以上90質量%以下であることが好ましい。
本発明のインクは、水及び水溶性有機溶剤を含有する。水は脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。インク中の水の含有量は、インク全質量を基準として、50質量%以上90質量%以下であることが好ましい。
本発明において、「水溶性有機溶剤」とは、「水に対する20℃における溶解度が500g/l以上である有機溶剤」を意味する。水溶性有機溶剤としては、インクに使用可能なものとして公知のものを何れも用いることができる。例えば、アルコール類、グリコール類、アルキレングリコール類、ポリエチレングリコール類、含窒素化合物類、含硫黄化合物類などが挙げられる。これらの水溶性有機溶剤は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。インク中における水溶性有機溶剤の含有量が、インク全質量を基準として、50質量%以下であることが好ましく、5質量%以上45質量%以下がより好ましい。
本発明においては、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、重量平均分子量が10,000以下であるポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ジグリセロールからなる群Aから選択される少なくとも何れかの水溶性有機溶剤を含有する。本発明においては、特に、群Aの水溶性有機溶剤の総含有量が、群A以外の水溶性有機溶剤の総含有量より大きいことが好ましい。更には、インク全質量を基準とした、前記群の水溶性有機溶剤の総含有量が、前記群以外の水溶性有機溶剤の総含有量に対して、質量比率で、3倍以上が好ましく、10倍以上がより好ましい。
また、本発明においては、前記群の水溶性有機溶剤の総含有量が、インク全質量を基準として、50質量%以下であることが好ましく、5質量%以上45質量%以下であることがより好ましく、10質量%以上40質量%以下であることが特に好ましい。
<添加剤>
本発明のインクは、必要に応じて、上記以外の界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、及びキレート化剤などの種々の添加剤を含有してもよい。
本発明のインクは、必要に応じて、上記以外の界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、及びキレート化剤などの種々の添加剤を含有してもよい。
中でも、特に、下記の群Bから選択される少なくとも何れかの添加剤(以下、「群Bの添加剤」ともいう)を含有することが好ましい。
(群B)
テトリトール、ペンチトール、ヘキシトール、ヘプチトール、オクチトール、重量平均分子量が10,000より大きく100,000以下であるポリエチレングリコール
インク中に、上記群Bの添加剤を更に含有することで、高いレベルの光学濃度、耐擦過性を維持したまま吐出安定性を向上することができる。
(群B)
テトリトール、ペンチトール、ヘキシトール、ヘプチトール、オクチトール、重量平均分子量が10,000より大きく100,000以下であるポリエチレングリコール
インク中に、上記群Bの添加剤を更に含有することで、高いレベルの光学濃度、耐擦過性を維持したまま吐出安定性を向上することができる。
上記群Bのうち、テトリトール、ペンチトール、ヘキシトール、ヘプチトール、オクチトールの合計の含有量は、インク全質量を基準として3質量%以上20質量%以下であることが好ましく、5質量%以上10質量%以下であることが特に好ましい。また、上記群Bのうち、重量平均分子量が10,000より大きく100,000以下であるポリエチレングリコールの含有量は、インク全質量を基準として0.0001質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.001質量%以上5質量%以下であることが特に好ましい。インクの粘度が2cP以上10cP以下となることが好ましい。
[インクカートリッジ]
本発明のインクカートリッジは、インクを収容するインク収容部を備えてなり、前記インク収容部に、上記で説明した本発明のインクが収容されてなるものである。インクカートリッジの構造としては、インク収容部が、液体のインクを収容するインク収容室、及び負圧によりその内部にインクを保持する負圧発生部材を収容する負圧発生部材収容室で構成されるものが挙げられる。又は、液体のインクを収容するインク収容室を持たず、収容量の全量を負圧発生部材により保持する構成のインク収容部であるインクカートリッジであってもよい。更には、インク収容部と記録ヘッドとを有するように構成された形態のインクカートリッジとしてもよい。
本発明のインクカートリッジは、インクを収容するインク収容部を備えてなり、前記インク収容部に、上記で説明した本発明のインクが収容されてなるものである。インクカートリッジの構造としては、インク収容部が、液体のインクを収容するインク収容室、及び負圧によりその内部にインクを保持する負圧発生部材を収容する負圧発生部材収容室で構成されるものが挙げられる。又は、液体のインクを収容するインク収容室を持たず、収容量の全量を負圧発生部材により保持する構成のインク収容部であるインクカートリッジであってもよい。更には、インク収容部と記録ヘッドとを有するように構成された形態のインクカートリッジとしてもよい。
[画像記録方法]
本発明の画像記録方法は、上述したインクを記録媒体に付与するインク付与工程を有する。更に、記録媒体を搬送する搬送工程と、インクが付与された記録媒体を加熱する加熱工程とを有することが好ましい。
本発明の画像記録方法は、上述したインクを記録媒体に付与するインク付与工程を有する。更に、記録媒体を搬送する搬送工程と、インクが付与された記録媒体を加熱する加熱工程とを有することが好ましい。
図1は、本発明の画像記録方法に用いられる画像記録装置の一例を示す模式図である。図1に示す画像記録装置においては、ロール状に巻かれた記録媒体を用いて記録を行い再度ロール状に巻き取る形態を示しており、ロール状に巻かれた記録媒体を保持して供給するためのユニットである記録媒体供給手段1、記録媒体にインクを付与するためのユニットであるインク付与手段2、記録媒体を加熱するためのユニットである加熱手段3、画像が記録された記録媒体を巻き取るためのユニットである記録媒体回収手段4の各ユニットを備える。記録媒体は図中の実線で示した記録媒体搬送経路に沿ってローラー対やベルトなどからなる搬送手段で搬送され、上記各ユニットで処理がなされる。また、記録媒体回収手段4でロール状に巻き取った記録媒体を別の装置などに供給して、記録媒体を所望の大きさに切断したり、製本したりするなどの処理を行ってもよい。
本発明においては、記録媒体を搬送する搬送工程における、記録媒体を搬送する速度が、50m/分以上であることが好ましい。更には100m/分以上であることが好ましい。
本発明においては、搬送の際に、記録媒体に、張力がかかっていることが好ましい。つまり、画像記録装置が、張力を生じさせる張力付与手段を有することが好ましい。具体的な方法としては、図1における記録媒体供給部1と記録媒体回収部4との間の搬送機構において、記録媒体に張力を生じさせる張力付与部や記録媒体の張力を調整する張力調整部などを設ければよい。記録媒体に張力がかかると、インク中の水による記録媒体の繊維の膨潤が抑制される。記録媒体の繊維が膨潤すると繊維間の空隙が増えるためインクの浸透速度は増加するが、インクの浸透速度が増加するとインクが記録媒体の表面に対して垂直方向に深く浸透しやすくなるため、画像の光学濃度が十分に得られなくなる場合がある。上記の通り、記録媒体に張力をかけることで、インク中の水による記録媒体の繊維の膨潤が抑制されるため、インクの浸透速度の増加による画像の光学濃度の低下を抑制することができる。
記録媒体にかかる張力としては、20N/m以上であることが好ましい。20N/mとすることで、上記インク中の水による記録媒体の繊維の膨潤がより効率的に抑制される。更には、記録媒体にかかる張力が30N/m以上であることがより好ましく、40N/m以上100N/m以下であることが特に好ましい。
以下、インク付与工程及び加熱工程について、それぞれ説明する。
(1)インク付与工程
本発明において、インク付与工程は記録媒体にインクを付与する。インクを記録媒体に付与する方式としては、インクジェット方式を用いることが好ましい。つまり、本発明の画像記録方法は、インクジェット記録方法であることが好ましい。また、インクジェット方式としては、インクに熱エネルギーを作用させて記録ヘッドの吐出口からインクを吐出させる、所謂、サーマルインクジェット方式でも、ピエゾ素子を用いて記録ヘッドの吐出口からインクを吐出させる、所謂、ピエゾインクジェット方式でもよい。
本発明において、インク付与工程は記録媒体にインクを付与する。インクを記録媒体に付与する方式としては、インクジェット方式を用いることが好ましい。つまり、本発明の画像記録方法は、インクジェット記録方法であることが好ましい。また、インクジェット方式としては、インクに熱エネルギーを作用させて記録ヘッドの吐出口からインクを吐出させる、所謂、サーマルインクジェット方式でも、ピエゾ素子を用いて記録ヘッドの吐出口からインクを吐出させる、所謂、ピエゾインクジェット方式でもよい。
記録ヘッドは、記録媒体の搬送方向と交差する方向に記録ヘッドを走査して記録を行う、所謂、シリアルタイプでも、複数のノズルを使用が想定される記録媒体の最大幅をカバーする範囲に配列させた、所謂、フルラインタイプでもよい。画像をより高速で記録する観点から、記録ヘッドは、フルラインタイプのインクジェット記録ヘッドであることが好ましい。フルラインタイプのインクジェット記録ヘッドは、記録媒体の搬送方向に対して垂直方向にノズル列が並ぶように設けられていることが好ましい。また、フルラインタイプのインクジェット記録ヘッドは、インクの色毎に複数設けられ、それぞれの記録ヘッドが搬送方向に沿って平行に並べられていることが好ましい。
(2)加熱工程
本発明において、加熱工程では、インクが付与された記録媒体の表面温度が70℃以上となるように加熱することが好ましい。本発明において、「インクが付与された記録媒体の表面温度」とは、インクが記録媒体に付与された時点を0秒としたときに、記録媒体が0.5秒後に搬送された位置における、記録媒体の表面における温度を意味する。具体的には、記録媒体の搬送速度をV(m/分)としたときに、記録媒体におけるインクの記録領域Xが、インクが付与された位置(フルラインタイプのインクジェット記録ヘッドであれば、記録ヘッドの直下の位置)から、記録媒体の搬送方向に沿って“V×0.5/60(m)”移動した位置における、記録媒体の記録領域Xの表面における温度を測定すればよい。尚、本発明の実施例においては、記録媒体の表面における温度を非接触赤外温度計デジタル放射温度センサーFT−H20(キーエンス製)を用いて、記録媒体の表面に対して概垂直方向に10cmの位置から測定した。
本発明において、加熱工程では、インクが付与された記録媒体の表面温度が70℃以上となるように加熱することが好ましい。本発明において、「インクが付与された記録媒体の表面温度」とは、インクが記録媒体に付与された時点を0秒としたときに、記録媒体が0.5秒後に搬送された位置における、記録媒体の表面における温度を意味する。具体的には、記録媒体の搬送速度をV(m/分)としたときに、記録媒体におけるインクの記録領域Xが、インクが付与された位置(フルラインタイプのインクジェット記録ヘッドであれば、記録ヘッドの直下の位置)から、記録媒体の搬送方向に沿って“V×0.5/60(m)”移動した位置における、記録媒体の記録領域Xの表面における温度を測定すればよい。尚、本発明の実施例においては、記録媒体の表面における温度を非接触赤外温度計デジタル放射温度センサーFT−H20(キーエンス製)を用いて、記録媒体の表面に対して概垂直方向に10cmの位置から測定した。
本発明においては、インクが付与された記録媒体の表面温度が、80℃以上であることが好ましい。また、記録媒体が熱によって変形することを防止する観点から、140℃以下であることが好ましい。記録媒体を加熱する方法としては、ヒーターを設けて記録媒体の表面側(インクが付与される側)及び/又は裏面側から加熱する方法などが挙げられる。
本発明において、加熱工程における加熱は、インクが付与される前からインクが付与された後にかけて連続して行われていてもよい。本発明においては、インクが記録媒体に付与される前は、加熱されていない、又は、加熱されていたとしても記録媒体の表面温度が70℃より低いことが好ましく、60℃以下であることがより好ましく、40℃以下であることが特に好ましい。
また、加熱工程において、記録媒体を加熱する際に、例えば加圧ローラーなどを使用し、記録媒体を加圧してもよい。加圧することで、画像の定着性を向上することができる。尚、加圧する際は、加熱工程の全てに亘って加圧しなくても、加熱工程の一部において加圧するようにしてもよい。また、多段階に加圧してもよい。尚、加熱工程の後に、更に加圧工程を有していてもよい。
<記録媒体>
本発明の画像記録方法において、インクを付与する記録媒体としては、従来、一般的に用いられているものを何れも用いることができる。例えば、浸透性の記録媒体である普通紙や光沢紙;難浸透性の記録媒体である印刷用紙;非浸透性の記録媒体であるガラス、プラスチック、フィルムなどが挙げられる。中でも、記録媒体の水に対する吸収係数Kaが、0.3mL/m2・ms1/2以上である浸透性の高い記録媒体を用いることが好ましい。
本発明の画像記録方法において、インクを付与する記録媒体としては、従来、一般的に用いられているものを何れも用いることができる。例えば、浸透性の記録媒体である普通紙や光沢紙;難浸透性の記録媒体である印刷用紙;非浸透性の記録媒体であるガラス、プラスチック、フィルムなどが挙げられる。中でも、記録媒体の水に対する吸収係数Kaが、0.3mL/m2・ms1/2以上である浸透性の高い記録媒体を用いることが好ましい。
尚、本発明において、記録媒体の吸収係数Kaを導出する方法として、JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法No.51の「紙及び板紙の液体吸収性試験方法」に記載されたブリストー法を用いるものとする。ブリストー法については多くの市販図書に説明があるため、詳細な説明は省略するが、濡れ時間Tw、吸収係数Ka(mL/m2・ms1/2)と粗さ指数Vr(mL/m2)により定義される。吸収曲線の例を図2に示す。図2に示した吸収曲線は、液体が記録媒体に接触した後、濡れ時間Twを経て記録媒体の内部への浸透が始まるという浸透モデルに基づいたものである。濡れ時間Twの後における直線の傾きが吸収係数Kaであり、この吸収係数Kaは記録媒体の内部への液体の浸透速度に対応している。なお、濡れ時間Twは、図2に示すように、吸収係数Kaを算出するための最小二乗法による近似直線Aと、液体の転移量V、粗さ指数Vrで表されるV=Vrの直線Bとの交点ABを求め、この交点ABまでの時間として求める。本発明においては、記録媒体に浸透させる液体として、25℃の水を用いる。即ち、本発明におけるKaは、25℃の水に対する吸収係数である。
尚、本発明のインクジェット記録方法に用いる記録媒体は、所望のサイズに予めカットされたものであっても、また、ロール状に巻かれた記録媒体を用い、画像形成後に所望のサイズにカットされるものであってもよい。上述の通り、記録媒体に張力をかけやすいため、ロール状に巻かれた記録媒体を用いる方が好ましい。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に詳細に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。尚、以下の実施例の記載において、「部」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
[インクの調製]
下記表2〜8に記載の含有量(何れも単位は質量%)となるように各材料を混合し、十分撹拌して分散し、ガラスフィルターAP20(MILLIPORE製)でろ過することで、各インクを調製した。顔料としては、自己分散顔料であるCAB−O−JET460M(キャボット製)を用い、樹脂粒子としては、ポリウレタン樹脂粒子分散体とアクリル樹脂粒子分散体を用いた。尚、以下の表中における顔料及び樹脂粒子の含有量(質量%)は、それぞれインク中における顔料及びポリウレタン樹脂粒子の固形分の含有量(質量%)である。また、界面活性剤を、一般式(1)で表される界面活性剤を「一般式(1)」とし、一般式(1)で表されない界面活性剤を「一般式(1)以外」としてそれぞれ分けて記載した。更に、各表において、水溶性有機溶剤を下記群Aに含まれる水溶性有機溶剤を「群A」とし、下記群Aに含まれない水溶性有機溶剤を「群A以外」としてそれぞれ分けて記載した。また、添加剤を下記群Bに含まれる添加剤を「群B」とし、下記群Bに含まれない添加剤を「群B以外」としてそれぞれ分けて記載した。
(群A)
グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、重量平均分子量が10,000以下であるポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ジグリセロール
(群B)
テトリトール、ペンチトール、ヘキシトール、ヘプチトール、オクチトール、重量平均分子量が10,000より大きく100,000以下であるポリエチレングリコール
また、表中における樹脂粒子の名称及び物性値、並びに、界面活性剤の略称は以下の通りである。
下記表2〜8に記載の含有量(何れも単位は質量%)となるように各材料を混合し、十分撹拌して分散し、ガラスフィルターAP20(MILLIPORE製)でろ過することで、各インクを調製した。顔料としては、自己分散顔料であるCAB−O−JET460M(キャボット製)を用い、樹脂粒子としては、ポリウレタン樹脂粒子分散体とアクリル樹脂粒子分散体を用いた。尚、以下の表中における顔料及び樹脂粒子の含有量(質量%)は、それぞれインク中における顔料及びポリウレタン樹脂粒子の固形分の含有量(質量%)である。また、界面活性剤を、一般式(1)で表される界面活性剤を「一般式(1)」とし、一般式(1)で表されない界面活性剤を「一般式(1)以外」としてそれぞれ分けて記載した。更に、各表において、水溶性有機溶剤を下記群Aに含まれる水溶性有機溶剤を「群A」とし、下記群Aに含まれない水溶性有機溶剤を「群A以外」としてそれぞれ分けて記載した。また、添加剤を下記群Bに含まれる添加剤を「群B」とし、下記群Bに含まれない添加剤を「群B以外」としてそれぞれ分けて記載した。
(群A)
グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、重量平均分子量が10,000以下であるポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ジグリセロール
(群B)
テトリトール、ペンチトール、ヘキシトール、ヘプチトール、オクチトール、重量平均分子量が10,000より大きく100,000以下であるポリエチレングリコール
また、表中における樹脂粒子の名称及び物性値、並びに、界面活性剤の略称は以下の通りである。
<樹脂粒子>
<界面活性剤>
(1)一般式(1)で表されるフッ素系界面活性剤
(1−1)一般式(1)で表され、HLB値が11以下であるフッ素系界面活性剤
・F−444:メガファックF−444(DIC製)[HLB値:8.5]
・FSO:ゾニールFSO(デュポン製)[HLB値:9.5]
・FS−3100:Capstone FS−3100(デュポン製)[HLB値:9.8]
・DSN403N:ユニダインDSN−403N(ダイキン工業製)[HLB値:10.0]
・FS−30:Capstone FS−30(デュポン製)[HLB値:11.0]
(1−2)一般式(1)で表され、HLB値が11より大きいフッ素系界面活性剤
・S−242:サーフロンS−242(AGCセイミケミカル製)[HLB値:12.0]
・S−243:サーフロンS−243(AGCセイミケミカル製)[HLB値:15.0]
(1)一般式(1)で表されるフッ素系界面活性剤
(1−1)一般式(1)で表され、HLB値が11以下であるフッ素系界面活性剤
・F−444:メガファックF−444(DIC製)[HLB値:8.5]
・FSO:ゾニールFSO(デュポン製)[HLB値:9.5]
・FS−3100:Capstone FS−3100(デュポン製)[HLB値:9.8]
・DSN403N:ユニダインDSN−403N(ダイキン工業製)[HLB値:10.0]
・FS−30:Capstone FS−30(デュポン製)[HLB値:11.0]
(1−2)一般式(1)で表され、HLB値が11より大きいフッ素系界面活性剤
・S−242:サーフロンS−242(AGCセイミケミカル製)[HLB値:12.0]
・S−243:サーフロンS−243(AGCセイミケミカル製)[HLB値:15.0]
(2)一般式(1)以外の界面活性剤
(2−1)一般式(1)以外のフッ素系界面活性剤
・Ftergent250:フタージェント250(ネオス製)[HLB値:10.4] (2−2)フッ素系界面活性剤以外の界面活性剤
・AE100:アセチレングリコール系界面活性剤であるアセチレノールE100(川研ファインケミカル製)[HLB値:16.3]
(2−1)一般式(1)以外のフッ素系界面活性剤
・Ftergent250:フタージェント250(ネオス製)[HLB値:10.4] (2−2)フッ素系界面活性剤以外の界面活性剤
・AE100:アセチレングリコール系界面活性剤であるアセチレノールE100(川研ファインケミカル製)[HLB値:16.3]
[画像サンプルの作製]
記録媒体に対して、ピエゾインクジェットヘッドKJ4(京セラ製;ノズル密度600dpi)を搭載した、図1に記載のインクジェット記録装置を用いて、表6及び7に記載の条件(用いるインクの種類、インクを付与する際の記録媒体の表面温度、張力付与手段によって記録媒体にかける張力)で、記録媒体:OKプリンス上質(坪量64g/m2)(王子製紙製)に対して3cm×3cmのベタ画像(記録デューティーが100%)を記録した(画像サンプル1)。また、記録媒体:DL9084(坪量91g/m2)(三菱製紙製)に対して幅3mmの線3本と幅17mmの線1本(何れも記録デューティーが100%)を各線が互いに平行になるように記録した(画像サンプル2)。尚、記録条件は、温度25℃、相対湿度55%、インク吐出周波数39kHz、記録媒体の搬送速度100m/s、記録時のインク吐出体積1ドット当たり約13plである。また、表中の「記録媒体にかける張力」が「−」となっているものは、記録媒体に張力付与手段によって、搬送の際にかかる張力以上の特定の張力を付与するような操作を行わないことを意味している。尚、上記インクジェット記録装置では、解像度600dpi×600dpiで1/600インチ×1/600インチの単位領域に13ngのインク滴を1ドット付与する条件を記録デューティーが100%であると定義される。また、インクを付与する際の記録媒体の表面温度は、非接触赤外温度計 デジタル放射温度センサーFT−H20(キーエンス製)によって、記録媒体の表面に対して概垂直方向に10cmの位置から測定した。
記録媒体に対して、ピエゾインクジェットヘッドKJ4(京セラ製;ノズル密度600dpi)を搭載した、図1に記載のインクジェット記録装置を用いて、表6及び7に記載の条件(用いるインクの種類、インクを付与する際の記録媒体の表面温度、張力付与手段によって記録媒体にかける張力)で、記録媒体:OKプリンス上質(坪量64g/m2)(王子製紙製)に対して3cm×3cmのベタ画像(記録デューティーが100%)を記録した(画像サンプル1)。また、記録媒体:DL9084(坪量91g/m2)(三菱製紙製)に対して幅3mmの線3本と幅17mmの線1本(何れも記録デューティーが100%)を各線が互いに平行になるように記録した(画像サンプル2)。尚、記録条件は、温度25℃、相対湿度55%、インク吐出周波数39kHz、記録媒体の搬送速度100m/s、記録時のインク吐出体積1ドット当たり約13plである。また、表中の「記録媒体にかける張力」が「−」となっているものは、記録媒体に張力付与手段によって、搬送の際にかかる張力以上の特定の張力を付与するような操作を行わないことを意味している。尚、上記インクジェット記録装置では、解像度600dpi×600dpiで1/600インチ×1/600インチの単位領域に13ngのインク滴を1ドット付与する条件を記録デューティーが100%であると定義される。また、インクを付与する際の記録媒体の表面温度は、非接触赤外温度計 デジタル放射温度センサーFT−H20(キーエンス製)によって、記録媒体の表面に対して概垂直方向に10cmの位置から測定した。
[評価]
本発明においては下記の各評価項目の評価基準において、AA〜Bが好ましいレベルとし、Cは許容できないレベルとした。
本発明においては下記の各評価項目の評価基準において、AA〜Bが好ましいレベルとし、Cは許容できないレベルとした。
<画像の光学濃度>
得られた画像サンプル1の光学濃度を反射濃度計RD19I(グレタグマクベス製)を用いて測定した。そして、以下の評価基準で画像の光学濃度を評価した。評価結果を表9〜12に示す。
AA:光学濃度が、1.0以上であった
A:光学濃度が、0.9以上1.0未満であった
B:光学濃度が、0.8以上0.9未満であった
C:光学濃度が、0.8未満であった。
得られた画像サンプル1の光学濃度を反射濃度計RD19I(グレタグマクベス製)を用いて測定した。そして、以下の評価基準で画像の光学濃度を評価した。評価結果を表9〜12に示す。
AA:光学濃度が、1.0以上であった
A:光学濃度が、0.9以上1.0未満であった
B:光学濃度が、0.8以上0.9未満であった
C:光学濃度が、0.8未満であった。
<画像の耐擦過性>
画像サンプル2を記録してから3分以内に、画像上にOKトップコート+(坪量105g/m2)(王子製紙製)を重ね、更にその上に500gの錘を接地面積が12.6cm2となるように乗せた。そして、画像サンプル2を記録した記録媒体とOKトップコート+の間の相対速度が10cm/sの速さとなるように1回擦ることで耐擦過性試験を行った。このとき、記録した4本の線上を上記錘の接地面が直角に横切るようにした。その後、OKトップコート+上の錘が乗っていた12.6cm2内に付着したインクをスキャナ(複合機iR3245F(キヤノン製)600dpi、グレイスケール、写真モード)で読み取り、256階調の輝度の128より低い部分の面積が占める割合(インク付着面積割合)を算出した。そして、以下の評価基準で画像の耐擦過性を評価した。評価結果を表9〜12に示す。
AA:インク付着面積割合が1%以下であった
A:インク付着面積割合が1%より大きく3%以下であった
B:インク付着面積割合が3%より大きく5%以下であった
C:インク付着面積割合が5%より大きかった。
画像サンプル2を記録してから3分以内に、画像上にOKトップコート+(坪量105g/m2)(王子製紙製)を重ね、更にその上に500gの錘を接地面積が12.6cm2となるように乗せた。そして、画像サンプル2を記録した記録媒体とOKトップコート+の間の相対速度が10cm/sの速さとなるように1回擦ることで耐擦過性試験を行った。このとき、記録した4本の線上を上記錘の接地面が直角に横切るようにした。その後、OKトップコート+上の錘が乗っていた12.6cm2内に付着したインクをスキャナ(複合機iR3245F(キヤノン製)600dpi、グレイスケール、写真モード)で読み取り、256階調の輝度の128より低い部分の面積が占める割合(インク付着面積割合)を算出した。そして、以下の評価基準で画像の耐擦過性を評価した。評価結果を表9〜12に示す。
AA:インク付着面積割合が1%以下であった
A:インク付着面積割合が1%より大きく3%以下であった
B:インク付着面積割合が3%より大きく5%以下であった
C:インク付着面積割合が5%より大きかった。
[吐出安定性の評価]
インクジェットプリンタPX−205(エプソン製)のイエローインクタンクに各インクを充填し、A4サイズの画像で黄色(RGB256階調で{R,G,B}={255,255,0})の画像データを、印刷品質標準で連続10枚印刷して画像サンプルを得た。得られた画像サンプルを目視で観察し、以下の評価基準で吐出安定性を評価した。評価結果を表9〜12に示す。
A:10枚全ての画像サンプルで、すじ、色ムラが確認できなかった
B:すじ、色ムラが生じている画像サンプルがあった。
インクジェットプリンタPX−205(エプソン製)のイエローインクタンクに各インクを充填し、A4サイズの画像で黄色(RGB256階調で{R,G,B}={255,255,0})の画像データを、印刷品質標準で連続10枚印刷して画像サンプルを得た。得られた画像サンプルを目視で観察し、以下の評価基準で吐出安定性を評価した。評価結果を表9〜12に示す。
A:10枚全ての画像サンプルで、すじ、色ムラが確認できなかった
B:すじ、色ムラが生じている画像サンプルがあった。
Claims (17)
- 自己分散顔料と樹脂粒子と界面活性剤と水溶性有機溶剤と水とを含有するインクであって、
前記樹脂粒子の表面のアニオン性官能基量が0.2mmol/g以下であり、
前記界面活性剤が、下記一般式(1)で表され、かつ、グリフィン法によって求められるHLB値が11以下であるフッ素系界面活性剤を含有し、
前記水溶性有機溶剤が、下記の群Aから選択される少なくとも何れかの水溶性有機溶剤を含有することを特徴とするインク。
一般式(1)
R1(CR2R3)nCH2CH2(OCH2CH2)mOH(一般式(1)において、R1はフッ素原子又は水素原子であり、R2及びR3はそれぞれ独立にフッ素原子又は水素原子であり、R2及びR3のうち少なくとも何れかはフッ素原子である。nは1以上30以下であり、mは1以上60以下である。)
(群A)
グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、重量平均分子量が10,000以下であるポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ジグリセロール - 前記インクが、下記の群Bから選択される少なくとも何れかの添加剤を含有する請求項1に記載のインク。
(群B)
テトリトール、ペンチトール、ヘキシトール、ヘプチトール、オクチトール、重量平均分子量が10,000より大きく100,000以下であるポリエチレングリコール - インク全質量を基準とした、前記自己分散顔料の含有量が、前記樹脂粒子の含有量に対して、質量比率で0.5倍以上4.0倍以下である請求項1又は2に記載のインク。
- インク全質量を基準とした、前記群Aの水溶性有機溶剤の総含有量が、前記群A以外の水溶性有機溶剤の総含有量よりも多い請求項1乃至3の何れか1項に記載のインク。
- インク全質量を基準とした、前記群Aの水溶性有機溶剤の総含有量が、前記群A以外の水溶性有機溶剤の総含有量に対して、質量比率で3倍以上である請求項1乃至4の何れか1項に記載のインク。
- 前記フッ素系界面活性剤以外の界面活性剤の含有量が、インク全質量を基準として0.1質量%以下である請求項1乃至5の何れか1項に記載のインク。
- 前記樹脂粒子が、ポリウレタン樹脂粒子及びアクリル樹脂粒子から選択される少なくとも1種である請求項1乃至6の何れか1項に記載のインク。
- 前記樹脂粒子が、ポリウレタン樹脂粒子である請求項1乃至6の何れか1項に記載のインク。
- 前記樹脂粒子が、アクリル樹脂粒子である請求項1乃至6の何れか1項に記載のインク。
- インク全質量を基準とした、前記自己分散顔料の含有量と、前記アクリル樹脂粒子の含有量の合計が12質量%以下である請求項9に記載のインク。
- 前記フッ素系界面活性剤の含有量が、インク全質量を基準として2質量%以下である請求項9又は10に記載のインク。
- 前記アクリル樹脂粒子のガラス転移温度が25℃以上である請求項9乃至11の何れか1項に記載のインク。
- インクを収容するインク収容部を有するインクカートリッジであって、前記インク収容部に収容されたインクが、請求項1乃至12の何れか1項に記載のインクであることを特徴とするインクカートリッジ。
- 記録媒体を搬送する搬送工程と、前記記録媒体にインクを付与するインク付与工程とを有する画像記録方法であって、
前記インクが、請求項1乃至12の何れか1項に記載のインクであることを特徴とする画像記録方法。 - 前記インク付与工程の後に、前記インクが付与された記録媒体の表面温度を70℃以上とする加熱工程を有する請求項14に記載の画像記録方法。
- 前記インク付与工程において、前記インクが20N/m以上の張力がかかっている前記記録媒体に付与される請求項14又は15に記載の画像記録方法。
- 前記搬送工程における、前記記録媒体を搬送する速度が、50m/分以上である請求項14乃至16の何れか1項に記載の画像記録方法。
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