JP2015213861A - オゾン吸着体及びオゾンスクラバー - Google Patents

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Abstract

【課題】有害大気汚染物質のホルムアルデヒド、アセトアルデヒドの検出測定法として、オゾンスクラバーとDNPHカートリッジを前段に用いてオゾンの影響を取り除く通気捕集方法を行う際に、ヨウ化カリウムの潮解による吸引困難、及び、分析結果への悪影響を解決する方法を提供する。【解決手段】モノリス状の保持体にヨウ化カリウムを0.1〜50wt%保持させてオゾン吸着体81を構成し、オゾン吸着体81に保持させたヨウ化カリウムが潮解しても凝集が起こらず、オゾン吸着体81個々間の空間を確保でき、吸引困難が防止できるオゾン吸着体。平均粒子径が50〜3000μmであり、スルーポア径の平均が30〜2000μmであり、表面積が10〜5000m2/gである、保持体。【選択図】図2

Description

本発明は、オゾンを除去するためのオゾン吸着体及びオゾンスクラバーに関し、特に、有害大気汚染物質のホルムアルデヒド、アセトアルデヒドの捕集、測定において好適に使用されるヨウ化塩を用いたオゾン吸着体及びオゾンスクラバーに関する。
環境省では、人が摂取した場合に健康を害する虞があり、大気汚染の原因となる物質のうち、健康リスクが高いと考えられ、環境汚染状況の調査や自主抑制努力が必要な物質を「優先取組物質」として22物質を定めている。そして、この優先取組物質の中にアルデヒド類ではホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドが含まれている。
これら有害大気汚染物質のホルムアルデヒドやアセトアルデヒド等の測定方法におけるアルデヒド類の捕集方法としては、オゾンスクラバーとDNPH(2,4−ジニトロフェニルヒドラジン)を保持したアルデヒド吸着材が充填されたカートリッジ(DNPHカートリッジ)等のアルデヒド捕集カートリッジに通気させて捕集する方法とDNPH溶液に通気させて捕集する方法があり、取扱の容易さからオゾンスクラバーとDNPHカートリッジを用いる方法が一般的である(非特許文献1参照)。
尚、従来から、空気中のオゾンを除去する除去材として、ヨウ化カリウムやヨウ化ナトリウム等のヨウ化物が用いられている(特許文献1、2参照)。具体的には、不織布をヨウ化ナトリウム水溶液に浸漬し、乾燥させたオゾン除去材(特許文献1)や濾材にヨウ化カリウム水溶液を含浸させたフィルタ(特許文献2)にオゾンを含有する空気を通過させてオゾンを除去している。
非特許文献1に記載の従来技術においては、オゾンスクラバーは、ヨウ化カリウムの粒子をカートリッジに充填して構成され、大気中のアルデヒド類を捕集するDNPHカートリッジの前段に設置して使用されている。このようにしてオゾンスクラバーは、DNPHカートリッジを用いたアルデヒド類の捕集分析法では、大気中のオゾンの影響によりアルデヒド類の捕集へ影響が出てしまうため、オゾン影響を低減させて、分析値に負の影響を及ぼすことを防ぐ目的で使用されている。
そして、オゾンを含有した大気は、オゾンスクラバーを通過することで、オゾンスクラバー内のヨウ化カリウムがオゾンと反応し、
2KI+O+HO→2KOH+I+O
という化学反応によって、オゾンを除去することが可能となっている。
しかし、ヨウ化カリウムは潮解性を有しているため、オゾンスクラバー及びDNPHカートリッジを用いる方法により、雨天時や高温多湿時にアルデヒド類の捕集を行うと、オゾンスクラバー中のヨウ化カリウムが、湿度の影響により、即ち大気捕集時に大気中の水分をヨウ化カリウムが保持することにより、潮解してしまう。そして、この潮解により生成されたヨウ化カリウム水溶液が結合して流路を塞ぎ、ポンプの吸引抵抗となるためポンプに負荷がかかり、吸引が困難になり、大気捕集を阻害してしまうという問題点があった。
更に、そのために、DNPHカートリッジからアルデヒド類の溶出を行なう際には、オゾンスクラバーを取り外して行なうことが必要であり、アルデヒド類の溶出及び分析の工程が複雑になり、作業が煩雑となるという問題点があった。
又、オゾンスクラバー内で凝縮した水分にアルデヒド類が吸着する等により分析結果に悪影響をおよぼす場合があるという問題点があった。
以上のことから、雰囲気中のホルムアルデヒドやアセトアルデヒドの捕集、測定方法においては、湿度の影響によりヨウ化カリウムが潮解し吸引抵抗とならないオゾンスクラバーが求められていた。
そこで、このような問題点を回避するために、捕集管加温装置(例えば、GTH−1、ガステック社製)を用いることが提案されている(非特許文献1参照)。この従来技術は、捕集管加温装置がアルデヒド類の捕集時にオゾンスクラバー及びDNPHカートリッジを加温し、オゾンスクラバー内での水分の凝結を低減させることにより、オゾンスクラバー内の目詰まりを低減させるものである。
又、ヨウ化カリウムの代わりに、1,2−ビス−(4−ピリジル)エチレン(BPE)等のオゾン反応性吸着材とオゾンを反応させてアルデヒド生成物を生成させて、オゾンを捕集、検出する方法も提案されている(特許文献3参照)。
特許第3647730号公報 特開平01−130719号公報 特表2011−508883号公報
日本環境衛生センター所報 No.27(2000)90
しかし、非特許文献1に記載の技術は、電源が必要となるという問題点があった。又、特許文献3に記載の技術を用いて、オゾンを除去しつつ大気中のアルデヒド類の捕集、分析を行う場合には、1,2−ビス−(4−ピリジル)エチレン等の有機化合物をオゾン反応性吸着剤として使用している為、有機溶媒での溶出時に有機化合物が溶解してしまい、不純物ピークとして分析時に検出され、分析の妨害となる問題点があった。又、オゾンと反応して生成されたアルデヒド生成物ピークも分析時に検出されるので、捕集及び分析目的のアルデヒドによっては、検出、分析の妨害になり、分析目的のアルデヒドの定量分析に影響を与えてしまうという問題点があった。
そこで本発明においては、オゾンスクラバーによるオゾン除去において、水分の凝結を低減させるための捕集管加温装置等の電源を用いる装置を使用することなく、雨天時や高温多湿時に、湿度の影響によりオゾンスクラバー中のヨウ化カリウム及びその他のヨウ化塩が潮解してポンプの吸引抵抗となり、大気捕集を阻害することを防止することを目的とする。又、雨天時や高温多湿時に、湿度の影響によりオゾンスクラバー中のヨウ化カリウム及びその他のヨウ化塩が潮解してポンプの吸引抵抗となり、大気捕集を阻害することを防止すると同時にアルデヒド類の定量分析を確実に行えるようにすることを目的とする。
又、有害大気汚染物質の捕集、測定において、水分の凝結を低減させるための捕集管加温装置等の電源を用いる装置を使用することなく、オゾンスクラバー内で水分が凝縮して分析対象物質が吸着することを防止して、分析結果への悪影響を低減させることを目的とする。
更に、有害大気汚染物質の捕集、測定において、捕集管加温装置を用いずに、DNPHカートリッジからアルデヒド類の溶出を行なう際に、オゾンスクラバーを取り外す必要がなく、アルデヒド類の捕集、溶出及び分析の工程を簡素化し、アルデヒド類の捕集、溶出及び分析を容易とすること、確実とすることを目的とする。
上記の課題を解決するための本発明は、表面積が10m/g以上の保持体にヨウ化塩を前記保持体の質量に対して0.1wt%〜50wt%保持させて構成したことを特徴とするオゾン吸着体である。
又、上記オゾン吸着体において、前記ヨウ化塩はヨウ化カリウムであることを特徴とするオゾン吸着体である。
又、上記オゾン吸着体において、前記保持体は粒子形状であることを特徴とするオゾン吸着体である。
又、上記オゾン吸着体において、前記粒子形状の保持体は、平均粒子径が50〜3000μmであり、表面積が18m/g以上であることを特徴とするオゾン吸着体である。
又、上記オゾン吸着体において、前記保持体はモノリス体であることを特徴とするオゾン吸着体である。
又、上記オゾン吸着体において、前記モノリス体の保持体は、スルーポアの径の平均が30〜2000μmであり、表面積が20m/g以上であることを特徴とするオゾン吸着体である。
又、上記オゾン吸着体において、前記保持体の表面に化学処理を施したことを特徴とするオゾン吸着体である。
又、上記オゾン吸着体において、前記保持体の表面積が5000m/g以下であることを特徴とするオゾン吸着体である。
更に、上記オゾン吸着体をカートリッジに充填したことを特徴とするオゾンスクラバーである。
又、粒子形状の保持体を用いたオゾン吸着体が充填された上記オゾンスクラバーにおいて、前記カートリッジ内の粒子間空間の径の平均が30〜2000μmであることを特徴とするオゾンスクラバーである。
更に、アルデヒド吸着材が充填されたアルデヒド捕集カートリッジの前段に上記オゾンスクラバーのうちいずれかのオゾンスクラバーを設置したことを特徴とするアルデヒド捕集具である。
又、上記アルデヒド捕集具において、前記アルデヒド吸着材は、DNPH(2,4−ジニトロフェニルヒドラジン)を保持していることを特徴とするアルデヒド捕集具である。
更に、上記オゾンスクラバーのうちいずれかのオゾンスクラバーを用い、前記カートリッジ内の前記オゾン吸着体の後方にアルデヒド吸着材を充填したことを特徴とするオゾンスクラバー一体型のアルデヒド捕集カートリッジである。
又、上記オゾンスクラバー一体型のアルデヒド捕集カートリッジにおいて、前記カートリッジには、大気吸引口側に小径部を備えると共に、前記小径部に連続し、前記小径部に比べて径の大きい大径部を備え、前記小径部内に前記オゾン吸着体を充填し、前記大径部にアルデヒド吸着材を充填したことを特徴とするオゾンスクラバー一体型のアルデヒド捕集カートリッジである。
又、上記オゾンスクラバー一体型のアルデヒド捕集カートリッジにおいて、前記アルデヒド吸着材は、DNPH(2,4−ジニトロフェニルヒドラジン)を保持していることを特徴とするオゾンスクラバー一体型のアルデヒド捕集カートリッジである。
更に、上記オゾンスクラバーのうちいずれかのオゾンスクラバーを備えたことを特徴とするアルデヒド捕集装置である。
更に、上記アルデヒド捕集具のうちいずれかのアルデヒド捕集具を備えたことを特徴とするアルデヒド捕集装置である。
更に、上記オゾンスクラバー一体型のアルデヒド捕集カートリッジのうちいずれかのオゾンスクラバー一体型のアルデヒド捕集カートリッジを備えたことを特徴とするアルデヒド捕集装置である。
更に、上記アルデヒド捕集装置のうちいずれかのアルデヒド捕集装置を備えた分析装置である。
更に、カートリッジ内に充填された、表面積が10m/g以上の保持体にヨウ化塩を前記保持体の質量に対して0.1wt%〜50wt%保持させて構成したオゾン吸着体にオゾンを含有する気体を接触させることを特徴とするオゾン除去方法である。
更に、オゾン及びアルデヒドを含有する気体を、表面積が10m/g以上の保持体にヨウ化塩を前記保持体の質量に対して0.1wt%〜50wt%保持させて構成したオゾン吸着体に接触させて、前記気体からオゾンを除去した後、アルデヒド吸着材に接触させてアルデヒドを捕集することを特徴とするアルデヒド捕集方法である。
以上のような本発明によれば、オゾンスクラバーによるオゾン除去において、水分の凝結を低減させるための捕集管加温装置等の電源を用いる装置を使用することなく、雨天時や高温多湿時であっても、湿度の影響によりオゾンスクラバー中のヨウ化カリウム及びその他のヨウ化塩が潮解してポンプの吸引抵抗となり、大気捕集を阻害することを防止することが可能となった。
又、雨天時や高温多湿時に、湿度の影響によりオゾンスクラバー中のヨウ化カリウム及びその他のヨウ化塩が潮解してポンプの吸引抵抗となり、大気捕集を阻害することを防止すると同時にアルデヒド類の定量分析を確実に行うことが可能となった。
又、有害大気汚染物質の捕集、測定において、水分の凝結を低減させるための捕集管加温装置等の電源を用いる装置を使用することなく、オゾンスクラバー内で水分が凝縮して分析対象物質が吸着することを防止して分析結果への悪影響を低減させることが可能となった。
更に、有害大気汚染物質の捕集、測定において、捕集管加温装置を用いずに、DNPHカートリッジからアルデヒド類の溶出を行なう際に、オゾンスクラバーを取り外す必要がなく、オゾンスクラバーをDNPHカートリッジに取り付けた状態で溶出が可能となり、アルデヒド類の溶出及び分析の工程を簡素化し、アルデヒド類の捕集、溶出及び分析を容易とすることが可能となった。
又、オゾンスクラバーをDNPHカートリッジに取付けたままでアルデヒド類の溶出が可能であるので、オゾンスクラバーとDNPHカートリッジを一体化することも可能となり、よりアルデヒド類の溶出及び分析の工程を簡素化し、アルデヒド類の捕集、溶出及び分析を容易とすることが可能となった。
本発明アルデヒド捕集装置一実施例概略説明図 本発明アルデヒド捕集具一実施例部分断面側面図 本発明アルデヒド捕集具一実施例部分断面側面図 本発明アルデヒド捕集カートリッジ一実施例部分断面側面図 本発明アルデヒド捕集カートリッジ一実施例部分断面側面図 本発明アルデヒド捕集カートリッジ一実施例部分断面側面図 本発明アルデヒド捕集カートリッジ一実施例部分断面側面図 本発明アルデヒド捕集カートリッジ一実施例部分断面側面図 シリカゲルC18KIコーティング吸着体充填オゾンスクラバーとDNPHカートリッジを連結溶出したクロマトグラム
以下本発明の実施形態を説明する。本発明は、表面積が10m/g以上の保持体にヨウ化カリウム等のヨウ化塩を保持体の質量に対して0.1wt%〜50wt%保持させて構成したオゾン吸着体であり、又、当該オゾン吸着体をカートリッジに充填して構成したオゾンスクラバーである。
ヨウ化塩としては、特に限定されないが、ヨウ化カリウムを用いることが出来る他、ヨウ化ナトリウム等の他のヨウ化塩を用いることが出来る。
ヨウ化塩を保持する保持体の形状は粒子形状のほか、オゾン吸着体を構成する保持体を充填するカートリッジ形状に対応した棒状やディスク状のモノリス体も使用することが出来る。但し、粒子の形状は通気性に影響しており、破砕状では、本発明の効果は得られるが、カートリッジ内の空間容積は不均一になり易く、カートリッジ毎に通気性にバラツキが生じ易くなる。そこで、保持体の形状は、球状の粒子や一体型のモノリス体の方が通気性の再現性が良いので好ましい。
モノリス体とは、三次元網目構造の連続し、且つ相互に連通する貫通孔(以下「スルーポア」ということもある。)を有した、単一の構造物である多孔質体である。モノリス体としては、貫通孔が連続的かつ規則正しく三次元網目構造を形成しているものが好ましいが、これに限定されない。貫通孔は相互に連通し、モノリス体の上端から下端まで貫通した構造である。尚、貫通孔はモノリス体の軸と直行する方向の断面が円形又はそれに近いものが好ましい。又、貫通孔内に貫通孔より小径であって貫通孔間に連通する又は連通しない細孔(以下「メソポア」ということもある。)を有する構造としてもよい。
モノリス体は、粒子間以上に大気が流れる空間を取ることができ、大気を流す圧力が低く、粒子と同じ原理でヨウ化塩の潮解による通気不良を生じさせないので、本発明の保持体として適している。
保持体としては、オゾンスクラバーへの通気圧力1paで破損しなければ良いので、シリカゲル、チタニア、ガラス、メタクリレートポリマー、スチレンジビルベンゼンポリマーなど有機、無機及びその混合など種々の保持体を用いることができる。又、保持体は、順相系を用いてもよく、逆相系を用いてもよい。
オゾンスクラバーのカートリッジ内には大気が通気するための物理的空間である通気路が必要である。粒子形状のオゾン吸着体の場合、カートリッジに充填された後に通気路となる粒子間空間が形成され、粒子間空間の径は粒子形状のオゾン吸着体の粒子径に比例して大きくなる。このように、粒子形状のオゾン吸着体の場合は大気通気が可能な空間即ち通気路は粒子径に依存することになる。一方、モノリス体のオゾン吸着体の場合、通気路は骨格間空間、即ち貫通孔そのものであり、骨格間空間は自由に形成することが出来る。
従って、粒子形状のオゾン吸着体間又はモノリス体のオゾン吸着体の骨格間の大気が通気するための物理的空間即ち通気路の径を所定の範囲に保つために、粒子形状の保持体の粒子径又はモノリス体の保持体の骨格間空間、言い換えれば貫通孔、の径は所定の大きさが必要であり、最適化が必要である。粒子径ひいては粒子間空間の径又はスルーポアの径が小さすぎると、通気路が狭くなり、大気を吸引捕集する際に物理的な吸引抵抗が増すので、空間が大きいほうが抵抗を抑えることができる。しかし、逆に粒子径ひいては粒子間空間の径又はスルーポアの径が大きすぎると、大気が通気する空間即ち通気路は大きくなるが通気空気中のオゾンとオゾン吸着体表面に保持されたヨウ化塩との接触回数が減るためオゾンの除去率が低下する。
そこで、カートリッジ内の通気路の径の平均は30〜2000μmであることが好ましい。そのため、粒子形状の保持体の粒子間空間の径又はモノリス体の保持体のスルーポアの径の平均が30〜2000μmの保持体の使用が好ましく、オゾンとヨウ化塩との接触回数を増加させるために、粒子間空間の径又はスルーポアの径の平均、言い換えればカートリッジ内の通気路の径の平均、が30〜1500μmの保持体の使用がより好ましく、更には、通気路の径の平均が30〜1000μmの保持体の使用がより好ましい。そして、粒子形状の保持体の場合、通気路の径の平均を30〜1000μmとするためには、平均粒子径が50〜1500μmの粒子形状の保持体を使用すればよく、通気路の径の平均を30〜2000μmとするためには、平均粒子径が50〜3000μmの粒子形状の保持体を使用すればよい。
更に、カートリッジ内の大気の通気流量に対応させて、保持体の粒子径ひいては粒子間空間の径又はスルーポア径、言い換えれば通気路の径、を選択することが望ましく、保持体の平均粒子間空間の径又は平均スルーポア径は、1.5L/min以上の通気流量まで使用する場合には500〜1500μm、2L/min以下の通気流量で使用する場合には50〜600μmが好ましい。そして、本発明の効果は、カートリッジ内の大気の通気流量にかかわらず得ることが出来るので、目的通気流量に対応させて保持体の粒子径ひいては粒子間空間の径やスルーポア径を選択することが出来る。
又、マトリクス、アナライトを分配やイオン吸着などで分離するHPLC、固相抽出及び結合官能基によって化学反応を生じさせる反応触媒では、保持体の細孔径や細孔容積の影響が大きいので、夫々に適した保持体を選ぶ必要がある。一方、本発明では、空気に触れるオゾン吸着体の最上面の表面を通気して行くだけで、オゾンを吸収できるため、保持体の細孔径や細孔容積の影響を受けない。このように、本発明では、保持体の細孔径や細孔容積は特に限定されないので、種々の保持体を用いることができる。
保持体の表面積は、ヨウ化塩水溶液のコーティング時に、コーティング量を高め、保持体の固体のヨウ化塩の保持量を高めるために、10m/g以上の表面積とすることが望ましい。又、このような構成とすることで、カートリッジ内への保持体の充填量の低減やカートリッジの小型化を図ることが出来、現実の使用に耐え得るオゾンスクラバーとすることが出来る。一方、表面積があまりにも大きくなると、保持体は脆くなってしまい通気の圧力に耐えることが出来なくなる。そして、オゾンスクラバーの現実の使用に際して、通常1pa以上の通気圧がかかるので、カートリッジにオゾン吸着体を充填したオゾンスクラバー自体の通気耐圧が1pa以上であることが好ましい。そこで、保持体は充分に機能を果たすためには1pa以上の耐圧が必要であるので、5000m/g以下の表面積の保持体が好ましい。
このように、本発明において、保持体は、表面積10m/g〜5000m/g、耐圧1pa以上であれば、細孔容積及び細孔径の制約が無く、通気流量に対応させて選択することが出来る。
又、保持体の表面に、オゾン以外の目的成分に応じて化学処理を施して表面改質することとしてもよい。例えば、オクタデシル基やエチル基をシリカゲルの保持体に結合させて撥水性を改質した逆相系の保持体にヨウ化塩を保持させた場合には、オゾン吸着体に疎水性を持たすことができるので、オゾン吸着体の作用として、オゾン除去と同時に疎水成分の保持を高めることも出来る。又、アルデヒド類は水分に溶解するため、逆相系の保持体を用いたオゾン吸着体を充填したオゾンスクラバーの方が、オゾン吸着体の親水性が低いため、アルデヒド類の捕集損失を防ぐことが出来る。
逆に、ヒドロキシ基やイオン交換基をシリカゲルの保持体に結合して改質した後にヨウ化塩を保持させた場合には、オゾン吸着体に親水性を持たすことができるので、オゾン吸着体の作用として、オゾン除去と同時に親水性成分の保持を高めることも出来る。又、順相系の保持体を用いたオゾン吸着体を充填したオゾンスクラバーを用いると、高湿度大気(湿度80%以上)等を吸引することによりヨウ化塩がオゾン吸着体上で潮解しても、オゾン吸着体表面が親水性を示すため、ヨウ化塩のコーティング、言い換えればヨウ化塩水溶液をオゾン吸着体上に保持することができる。このため、ヨウ化塩水溶液同士が結合することなく、オゾン吸着体粒子間又はモノリス体の骨格間空間の流路を塞ぐことがない。
尚、未修飾シリカゲルを保持体に用いて、高湿度大気(80%以上)を捕集しても、保持体に保持させたヨウ化塩が潮解して流れ出すことは無いので、これらの保持体に対する表面改質は、本発明における必要項目ではない。しかし、上記のように、本発明における保持体には細孔径や細孔容積による制約が無いので、保持体の表面改質により、オゾン吸着体にオゾン除去に加えて、他の物質の吸着、除去等の種々の効果を付加することが出来る。
このように、保持体としては、シリカゲルにオクタデシル基やエチル基などの疎水基を結合したC18やC2などを用いることができる。C18では、オクタデシルトリクロロシラン、オクタデシルトリメトキシシランなど、C2では、エチルジクロロシラン、エチルジメトキシシランなど、アルキル鎖を持つシリル化剤で、化学結合された保持体を使用することが出来る。
以上のことから、保持体としては、これらに限定されるものではないが、表1に示す物性を備えた保持体を使用することが出来る。尚、表中C18及びC2はシリカゲルの保持体を改質したものである。
Figure 2015213861
固体のヨウ化塩を充填材用の粒子等の保持体に保持させるためには、ヨウ化塩を水や溶媒混合の水溶液に溶かしたヨウ化塩水溶液に保持体を浸漬して保持体にヨウ化塩水溶液をコーティングし、水又は溶媒混合の水溶液を除去する方法が好ましい。ヨウ化塩水溶液の水とヨウ化塩の配合量で吸着体の表面のヨウ化塩の保持量を調整することが出来る。
ヨウ化塩は溶媒に不溶な特性を示す。そのため、シリカゲル等の順相系の保持体にヨウ化塩を保持させる際には、先ずヨウ化塩水溶液を作り、保持体とヨウ化塩水溶液をエバポレーターに入れて減圧し、水又は溶媒混合の水溶液を除去しながら保持させる。
又、逆相系の保持体にヨウ化塩水溶液をコーティングする際には、逆相系の保持体が水溶液を撥水する特徴があるので、均一なコーティングが困難であるが、溶媒混合の水溶液の溶媒比率を上げることにより均一なコーティングが可能となる。そこで、逆相系の保持体の場合には、保持体を混合水溶液に使う溶媒に充分に浸漬させ、次に溶媒を破棄し、コーティング用のヨウ化塩水溶液に浸漬することが好ましい。
保持体が粒子状のシリカゲルの場合のヨウ化塩を保持させる方法の詳細例を示す。先ず、粒子状のシリカゲルの保持体を所定量秤量し、50℃に加温したアセトニトリルで充填剤を超音波洗浄を途中撹拌しながら、30分を2回行い、溶媒を除去し、清浄なビーカーへ移してアルミホイルで蓋をし、恒温槽内で乾燥させる。乾燥時間は、シリカゲルは80℃で1日間乾燥、尚、アルデヒドブランク量によって時間は調整することが好ましく、限定はされないが、アルデヒドブランク量が0.2μg以下になるように、乾燥時間を長く、例えば24時間以上に、調整することが好ましい。
そして、乾燥させた保持体をロータリーエバポレーター用200mLナスフラスコに入れ、アセトニトリルを所定量注ぎ、撹拌しながら、超音波脱気を行う。
次に、ヨウ化塩水溶液を作成する。先ず、ヨウ化塩所定量を秤量し、ビーカーへ入れる。次に、ヨウ化塩が入っているビーカーへ、イオン交換水を所定量入れる。尚、ヨウ化塩及びイオン交換水の量は、ヨウ化塩がイオン交換水に完全に溶解する量とすることが好ましい。そして、ビーカーをよく撹拌しながら完全にヨウ化塩を溶解させヨウ化塩水溶液を作成する。尚、溶かす水とヨウ化塩の配合量で、保持体表面へのヨウ化塩の保持量を調整することが出来る。尚、ヨウ化カリウムの場合には、水1mLに対して概ね1g程度が溶けるが2gは溶解しないので、ヨウ化カリウム1gに対しイオン交換水1mLの割合で用いることが好ましい。
充分なオゾン除去効果を得るためには、保持体の質量に対して0.1wt%以上のヨウ化塩の保持体での保持量が望ましい。ヨウ化塩の保持体への保持量が保持体の質量に対して0.1wt%未満の場合は、オゾン吸着体の吸着効率が低く、十分なオゾン除去が困難となる。一方、保持量があまり多くなると、ヨウ化塩の潮解により、気体が通る空間を埋めてしまう可能性があるので、オゾン吸着体間の気体が通る空間の確保を考慮すると、ヨウ化塩の保持体への保持量は、保持体の質量に対して50wt%以下が望ましい。ヨウ化塩の保持体への保持量が保持体の質量に対して50wt%より多い場合は、潮解によるヨウ化塩の凝集で、保持体間の空隙が埋没してしまい、通気が困難となる。本発明のオゾンスクラバーは、ヨウ化塩を保持体に保持することで、潮解によるヨウ化塩の凝集があっても、保持体間の充填空間により、当該凝集による目詰まりが生じる恐れがなく、大気の吸引抵抗阻害を低減する効果が得られる。また、ヨウ化塩を保持体に保持させることで、従来のオゾンスクラバーよりもヨウ化塩の使用量を減らすことが出来る。
そして、ヨウ化塩水溶液を、脱気した保持体が入っているナスフラスコに入れる。所定量のアセトニトリルを使用して、ビーカーを共洗いしながらナスフラスコに入れ、アセトニトリル溶液とする。そして、最後に溶媒を除去し、本発明のオゾン吸着体を得る。
尚、アセトニトリル容量は、充分に保持体が浸れば特に限定されず、例えば、保持体容量に対して、3倍以上のアセトニトリル容量の使用でよい。又、ヨウ化カリウムを用いた場合のより詳細な例としては、上記方法において、シリカゲルの保持体10gを秤量し、超音波脱気を行う際にアセトニトリルを10mL使用し、ヨウ化カリウム1gに対しイオン交換水1mLの割合でヨウ化カリウム水溶液を用い、更に、40mLを使用して、ビーカーを共洗いしながらナスフラスコに入れ、合計50mLのアセトニトリル溶液を用いる方法が挙げられる。
尚、溶媒については、保持体にヨウ化塩水溶液をコーティングできれば、メタノール、ヘキサン、ジクロロメタン等を用いることが出来、特に限定はされない。しかし、メタノールなどの溶媒にはアルデヒド類が含まれていることがあるので好ましくなく、実際には純度の高い製品が市販され、しかもアルデヒド類が含まれていないアセトニトリルを用いることが好ましい。
又、保持体としてのシリカゲルのモノリス体へのヨウ化塩水溶液のコーティングも、粒子状のシリカゲルの保持体と同じ上記方法でコーティングすることが出来る。尚、シリカゲル粒子よりシリカゲルのモノリス体(以下「シリカモノリス」ということがある。)の方が比重が軽くなるので、ヨウ化塩量を比重に比例させてコーティングすればよい。例えば、粒子状のシリカゲルに比べて、比重が0.7倍であるシリカモノリスの場合では、ヨウ化塩の量を0.7倍して溶解した水溶液を用いてコーティングすれば、同じ効果を奏するオゾン吸着体を得ることが出来る。従って、粒子状のシリカゲルに比べて、比重が0.7倍であるシリカモノリスの場合では、水1mLに対してヨウ化カリウム0.7gを溶解した水溶液を用いてコーティングすればよい。
又、保持体の表面に化学処理を施す場合、先ず化学処理を行った後にヨウ化塩を保持させる。表1で示すC18は、120μmシリカゲルを10vol%オクタデシルトリクロロシラントルエン溶液中で、6時間還流して得て、炭素量は19%であった。表1で示すC2は、同じく120μmシリカゲルを10vol%エチルジメトキシシランデカン溶液中で、6時間還流して得て、炭素量は5.5%であった。尚、保持体の表面に化学処理を施した市販品として、InertSepC18、MonospinC18又はInertSepC2が株式会社ジーエルサイエンスから発売されており、表面に化学処理を施した保持体として好適に使用できる。
それらの表面に化学処理を施した保持体を用いて、上記と同様の方法で、ヨウ化塩水溶液をコーティングして、保持体にヨウ化塩を保持させることにより、本発明のオゾン吸着体を得ることが出来る。尚、これらの疎水性の化学処理を施した保持体を用いてヨウ化塩を保持させる場合には、溶媒の除去工程に於いて、結合したアルキル鎖が劣化しない60℃以下で乾燥することが好ましい。又、上記の説明及び後述する実施例では、ヨウ化塩がヨウ化カリウムの場合、保持体10gに対して、1gを溶解した水溶液を用いてコーティングしたオゾン吸着体を説明し或いは用いたが、これらの容量及び比率に限定されない。
オゾン吸着体を充填してオゾンスクラバーを構成するカートリッジとしては、中空体で、気体を取り入れる口と、ポンプで吸引する口を備えていればよいが、筒状のカートリッジが、気体及び溶出溶媒を均一に流すことが出来るので適している。又、気体を取り入れる口とポンプで吸引する口が対向する位置に形成されて、気体の吸引時にカートリッジ内を気体が一方向に流れる構成とすることが好ましい。又、カートリッジの大きさは、オゾン吸着体間の空間を流れる空気の線速度に影響する。そのため、同じ大気吸引量でもカートリッジの内径が細いカートリッジの方が空気の線速度が早くなり、オゾンの除去率の低下が生じる。又、オゾンの除去は化学反応除去なので、オゾンの除去率には温度が影響する。従って、カートリッジの大きさは、充填剤の粒子径や、使用時の温度を考慮して決定することが好ましい。尚、カートリッジは、内径5〜20mm、長さ1〜50mmの大きさが使い勝手がよいが、この大きさに限定されるものではない。
上記のように作成した粒子状の保持体にヨウ化塩をコーティングしたオゾン吸着体をガラス、ポリプロピレンやポリエチレン等のプラスチック製等のカートリッジに充填し、通気性フィルターなどで押えてオゾンスクラバーとすることが出来る。
本発明オゾンスクラバーを使用するアルデヒド捕集装置及び方法について図1を参照して説明する。アルデヒド捕集装置1は、オゾンスクラバー2、DNPHカートリッジ等のアルデヒド捕集カートリッジ3、吸引ホース5及び吸引ポンプ6を備えて構成されている。又、アルデヒド捕集カートリッジ3の前段、即ち通気させる大気の流れの前方側にオゾンスクラバー2が設置されてアルデヒド捕集具30が構成されている。尚、アルデヒド捕集カートリッジ3としては、特に限定されないが、DNPH(2,4−ジニトロフェニルヒドラジン)を保持したアルデヒド吸着材がカートリッジに充填されたDNPHカートリッジを用いることが出来る。
又、円筒状のオゾンスクラバーのカートリッジ20の一端には大気を取り入れるための大気吸引口21が形成され、他端にはアルデヒド捕集カートリッジ3と連通するポンプ連通口22が形成され、ポンプ連通口22はアルデヒド捕集カートリッジ3の一端に形成された吸引口31と連結し、オゾンスクラバー2はアルデヒド捕集カートリッジ3を介して吸引ポンプ6と連通している。更に、アルデヒド捕集カートリッジ3の他端に形成されたポンプ連通口32には吸引ホース5の一端が連結されると共に吸引ホース5の他端が吸引ポンプ6に接続されている。
アルデヒド捕集装置1は、吸引ポンプ6の吸引動作により、オゾンスクラバー2の大気吸引口21からオゾンスクラバー2内部にホルムアルデヒドやアセトアルデヒド等のアルデヒド類及びオゾンを含有する大気が取り入れられ、オゾンスクラバー2内部のオゾン吸着体8でオゾンが捕集され、オゾン影響が除去された大気の残部を次に接続するアルデヒド捕集カートリッジ3に送り、アルデヒド捕集カートリッジ内部のアルデヒド吸着材37でアルデヒド類を捕集する。アルデヒド吸着材37としては、特に限定されないが、DNPH(2,4−ジニトロフェニルヒドラジン)を保持したアルデヒド吸着材、即ち公知のDNPHカートリッジ用充填剤を用いることが出来る。
アルデヒド捕集装置1とHPLC等の分析装置を連結させて、アルデヒド捕集装置を備えた分析装置を構成することが出来る。そして、アルデヒド捕集カートリッジ3で捕集されたアルデヒド類は、必要に応じて、アルデヒド捕集カートリッジ3から溶出され、アルデヒド捕集カートリッジ3と連結した図示しない連通管等を介してHPLC等の分析装置に送られ、分析、測定することが出来る。
本発明のオゾンスクラバーは、ヨウ化塩を保持体に保持させることで、ヨウ化塩の潮解による凝集があっても、保持体間の充墳空間により、当該凝集によるカートリッジ内の目詰まりの発生を防止し、大気の吸引抵抗阻害を低減する効果が得られる。また、保持体表面上で潮解したヨウ化塩が保持体表面上に液相状で留まることにより、オゾンの除去が行える。
本発明のオゾンスクラバーは、ヨウ化塩が保持体にコーティングされているため、潮解してもヨウ化塩が保持体の上に膜を作る。そのため、所定範囲の量のヨウ化塩を保持した保持体間の空隙は目詰まりすること無く、捕集空気を通気させることができる。ただし、所定量以上のヨウ化塩を保持させた場合においては、潮解によるヨウ化塩の凝集で、保持体間の空隙が埋没してしまい、通気が困難となる。
従来のオゾンスクラバーは、アルデヒド類の捕集時にDNPHカートリッジ等のアルデヒド捕集カートリッジの前段に取り付け、溶出時には取り外して使用していた。一方、本発明のオゾンスクラバーは、従来法と同様な使い方もできるが、ヨウ化塩に代表される無機塩を用いているので、アセトニトリル等の溶出液に溶けないため、そのまま、アルデヒド捕集カートリッジ3からオゾンスクラバー2を外さず、取付けたまま捕集されたアルデヒド類を溶出させることも可能となっている。又、アルデヒド捕集装置1において、大気の取り込みは、オゾンスクラバー2を介して行う必要があるが、目的成分の溶出は、アルデヒド捕集カートリッジ3の吸引口31又はポンプ連通口32のどちら側から行っても良い。
オゾンスクラバー2は、図2に示すように、カートリッジ20内に設置した通気性フィルター71、72間にヨウ化塩を保持させた粒子状のオゾン吸着体81を充填して構成している。又、オゾンスクラバー2は、図3に示すように、粒子状のオゾン吸着体に替えて、モノリス体のオゾン吸着体82を充填して構成することも出来る。尚、モノリス体のオゾン吸着体82を使用する場合には、モノリス体は粒子のように押さえる必要がなく、又、大気を流しても大きさが変化しないので、通気フィルターを設置しなくてもよい。
捕集されたアルデヒド類の溶出時にアルデヒド捕集カートリッジ3からオゾンスクラバー2を取外す必要が無いので、オゾンスクラバーとアルデヒド捕集カートリッジを一体化し、2層カートリッジとすることも可能となり、オゾン影響の受けないオゾンスクラバー一体型アルデヒド捕集カートリッジを形成することが出来る。オゾンスクラバーとアルデヒド捕集カートリッジを一体化して、カートリッジ内のオゾン吸着体の後方、即ち通気させる大気の流れの後方側にアルデヒド吸着材を充填して構成した2層カートリッジとする具体例を図4及び図5に示す。
具体的には、図4に示すように、オゾンスクラバーと一体型のアルデヒド捕集カートリッジ201は、カートリッジ20内に、大気吸引口21側から、粒子状のオゾン吸着体81を止めるための通気性フィルター71、粒子状のオゾン吸着体81、粒子状のアルデヒド吸着材37、粒子状のアルデヒド吸着材37を止めるための通気性フィルター72を充填、設置して構成してもよい。
又、図5に示すように、オゾンスクラバー一体型のアルデヒド捕集カートリッジ202は、粒子状のオゾン吸着体81と粒子状のアルデヒド吸着材37の間に、粒子状のオゾン吸着体81及び粒子状のアルデヒド吸着材37を止めるための通気性フィルター73を設置して構成してもよい。
大気中の対象アルデヒド成分量が多い場合には、アルデヒド吸着材37を増量する必要が生じるが、大気中のオゾン量はほぼ一定であり、オゾン吸着体量は同じでよい。そこで、このような場合には、図6及び図7に示すように、内径の異なるカートリッジ200を使うことにより、アルデヒド吸着材の充填量のみを増やしてアルデヒドの捕集効率だけを高めることができるので好ましい。
具体的には、図6に示すように、オゾンスクラバー一体型のアルデヒド捕集カートリッジ203は、大気吸引口21側に小径部210と、小径部210に連続し、小径部210に比べて径の大きい大径部220を有するカートリッジ200を用い、大気吸引口21側から、小径部210内に、粒子状のオゾン吸着体81を止めるための通気性フィルター71、粒子状のオゾン吸着体81を充填、設置し、大径部220にDNPH(2,4−ジニトロフェニルヒドラジン)を保持したDNPHカートリッジ用充填剤等のアルデヒド吸着材37、アルデヒド吸着材37を止めるための通気性フィルター72を充填、設置して構成してもよい。
又、図7に示すように、オゾンスクラバー一体型のアルデヒド捕集カートリッジ204は、大径部220であって、粒子状のオゾン吸着体81とアルデヒド吸着材37の間に、粒子状のオゾン吸着体81及びアルデヒド吸着材37を止めるための通気性フィルター73を設置して構成としてもよい。
又、図8に示すように、オゾンスクラバー一体型のアルデヒド捕集カートリッジ205は、カートリッジ209内に、大気吸引口21側から、モノリス体を用いたオゾン吸着体82、アルデヒド吸着材37、通気性フィルター72を充填した構成としてもよい。このように、モノリス体のオゾン吸着体82を使用しているので、アルデヒド吸着材を止めるフィルターとしても使用できるので、モノリス体のオゾン吸着体82とアルデヒド吸着材37間には通気性フィルターを設置しなくてもよい。
尚、本発明のアルデヒド捕集装置及びアルデヒド捕集方法には、前後段に連結した別個のオゾンスクラバー及びアルデヒド捕集カートリッジを用いるのではなく、オゾンスクラバー一体型のアルデヒド捕集カートリッジも用いることが出来る。
尚、通気性フィルターは、ガスが通気し、定量分析時に妨害するような成分が溶出されなければ特に限定されず、ポリエチレン、ポリプロピレン、ピーク、ポリマーモノリスなどの樹脂性フィルター、ガラス、石英、シリカモノリス、などの無機系フィルター、ステンレス、アルミナ、チタンなどの金属フィルター及びそれらの混合フィルターなどを用いることが出来る。
又、通気性フィルターは、カートリッジ内のオゾン吸着体及び充填剤を保持させれば良いので、上記通気性フィルターの代わりに樹脂、無機、金属及びそれらの混合から成り立っている繊維状のフィルター様物でオゾン吸着体及び充填剤を保持させることとしてもよい。
又、捕集又は分析の目的成分によっては、カートリッジ内に他の吸着体、捕集剤、モノリスなどの捕集フィルター又は通気性フィルターを設置することで、カートリッジを多層化することも可能である。
本発明のオゾン吸着体を用いた本発明のオゾンスクラバーに対しJIS法を用いてオゾン除去性能評価試験を実施した。本実施例では、4種類のオゾン吸着体、即ち、粒子状のシリカゲルに表面処理を施さずにヨウ化カリウムを保持させたシリカゲルKIコーティングオゾン吸着体、粒子状のシリカゲルにエチル基を結合させて表面処理を施して更にヨウ化カリウムを保持させたシリカゲルC2KIコーティングオゾン吸着体、粒子状のシリカゲルにオクタデシル基を結合させて表面処理を施して更にヨウ化カリウムを保持させたシリカゲルC18KIコーティングオゾン吸着体、及びモノリス体のシリカゲルに表面処理を施さずにヨウ化カリウムを保持させたシリカモノリスKIコーティングオゾン吸着体を用いた。
粒子状のシリカゲルKIコーティングオゾン吸着体の作成は以下のように行った。先ず、80℃で1日間乾燥させた表面積450m/g、細孔容積0.7mL/g、細孔径6nm、粒子径120μmのシリカゲル10gを200mLナスフラスコに秤量した。次に、ヨウ化カリウム1gを100mLビーカーに測り取り、イオン交換水10mLで溶解してコーティング用ヨウ化カリウム水溶液を予め用意する。シリカゲルが秤量されたナスフラスコにコーティング用ヨウ化カリウム水溶液を添加する。次に、アセトニトリル40mLをナスフラスコに入れる。ビーカー共洗いしながら、10mLのアセトニトリルをナスフラスコに加える。減圧超音波洗浄を、30分行い均一にする。ロータリーエバポレータにて、溶媒を飛ばし、本発明のシリカゲルKIコーティングオゾン吸着体を得た。このように、本実施例では保持体の質量に対して、ヨウ化カリウム10wt%を保持させた。
粒子状のシリカゲルC2KIコーティングオゾン吸着体の作成は以下のように行った。先ず、120℃で2日間乾燥した表面積450m/g、細孔容積0.7mL/g、細孔径6nm、粒子径120μmのシリカゲル10gを200mLナスフラスコに秤量した。次に、10vol%エチルジメトキシシランデカン溶液を100mL加えて、6時間撹拌還流した。クロロホルム及びアセトンで濾過洗浄後、表面処理を施したC2保持体を得た。C2保持体の炭素量は5.5%であった。次に、当該保持体を用いて、上記シリカゲルKIコーティングの作成方法と同様に、ヨウ化カリウム水溶液をコーティングして、本発明のシリカゲルC2KIコーティングオゾン吸着体を得た。
粒子状のシリカゲルC18KIコーティングオゾン吸着体の作成は以下のように行った。先ず、120℃で2日間乾燥した表面積450m/g、細孔容積0.7mL/g、細孔径6nm、粒子径120μmのシリカゲル10gを200mLナスフラスコに秤量した。次に、10vol%オクタデシルトリクロロシラントルエン溶液を100mL加えて、6時間撹拌還流した。クロロホルム及びアセトンで濾過洗浄後、表面処理を施したC18保持体を得た。C18保持体の炭素量は19%であった。次に、当該C18支持体10gを200mLナスフラスコに秤量する。アセトニトリル100mLを加え、3方コックを取り付け、減圧と解放を3回繰り返して細孔内をアセトニトリルで置換する。次に1時間静地し、ゲルを沈降させ、上澄みのアセトニトリルを60mL廃棄する。そこにヨウ化カリウム1gをイオン交換水10mLで溶解しておいたコーティング用ヨウ化カリウム水溶液を撹拌しながら、徐々に加える。ロータリーエバポレータにて、溶媒を飛ばし、本発明のシリカゲルC18KIコーティングオゾン吸着体を得た。
シリカモノリスKIコーティングオゾン吸着体の作成の作成は以下のように行った。先ず、外径13mm、長さ2mm、スルーポア100μm、メソポア0.01μmのシリカゲル製のモノリス体であるモノリスシリカゲル5gを100mLビーカーに測り取り、イオン交換水50mLにヨウ化カリウム1gを溶解したコーティング用ヨウ化カリウム水溶液を加える。次に、5分間減圧脱気する。更に、5分間超音波洗浄する。次に、コーティング用ヨウ化カリウム水溶液を廃棄し、50mLアセトニトリルを加える。そして、5分間超音波洗浄する。次に、アセトニトリル溶液を廃棄し、80℃で1日間乾燥し、本発明のシリカモノリスKIコーティングオゾン吸着体を得た。
粒子状のシリカゲルKIコーティングオゾン吸着体、粒子状のシリカゲルC2KIコーティングオゾン吸着体、粒子状のシリカゲルC18KIコーティングオゾン吸着体を夫々図2に示す形状のカートリッジ20に充填した。内径13mm、長さ12mmのポリプロピレン樹脂性カートリッジ20に、厚み1mmのポリエチレン製通気性フィルター71を挿入し、粒子状のオゾン吸着体81を高さ10mmになるように、タッピング充填した。最後に厚み1mmのポリエチレン製通気性フィルター72を挿入しポリプロピレン製の蓋で固定し、粒子状のシリカゲルKIコーティングオゾン吸着体、粒子状のシリカゲルC2KIコーティングオゾン吸着体、粒子状のシリカゲルC18KIコーティングオゾン吸着体を充填した3種の本発明オゾンスクラバー2を得た。
又、シリカモノリスKIコーティングオゾン吸着体を、図3に示す形状のポリプロピレン樹脂性カートリッジ20に充填した。内径13mm、長さ2mmのポリプロピレン樹脂性カートリッジ20に、シリカモノリスKIコーティングオゾン吸着体82を充填し、ポリプロピレン製の蓋で固定し、シリカモノリスKIコーティングオゾン吸着体を充填した本発明オゾンスクラバーを得た。
この試験は上記4種の各オゾンスクラバーに対して夫々2回ずつ行った。尚、参考とする従来品として、カートリッジに直接ヨウ化カリウムの粒子を充填して構成したオゾンスクラバー(InertSep mini AERO 株式会社ジーエルサイエンス製)を用いた。
オゾン除去性能評価試験は、オゾン発生器を用いて発生させた所定濃度のオゾンを、ガラス製混合機に導入して空気と混合する。そして、オゾン含有ガスを毎分1Lで2時間、ガラス製混合機よりテフロン(登録商標)管、オゾンスクラバー、オゾンモニターと直列に接続して構成した試験装置に通し、オゾンモニターを用いて測定した。オゾン発生器はDKK製O−101型を用いた。オゾン測定器はDasibi製O3モニター1006−AHJ型を用いた。
オゾン発生器を用いて発生させるオゾン発生濃度は0.200ppm程度とした。詳細は、シリカゲルC2KIコーティングオゾン吸着体充填オゾンスクラバー及びシリカゲルC18KIコーティングオゾン吸着体充填オゾンスクラバーではオゾン濃度約0.19ppm、シリカゲルKIコーティングオゾン吸着体充填オゾンスクラバー、シリカモノリスKIコーティングオゾン吸着体充填オゾンスクラバー及びカートリッジに直接ヨウ化カリウムの粒子を充填して構成したオゾンスクラバーではオゾン濃度約0.21ppmとした。オゾン濃度の測定は、オゾンスクラバーの評価中はオゾンスクラバー通気後のオゾン濃度を計測した。オゾンスクラバーの評価前(経過時間0)にはオゾンスクラバーを取付けない状態でのオゾン濃度の計測を行い、更にオゾンスクラバー評価終了後(経過時間125分)にもオゾンスクラバーを取り外してオゾン濃度を確認した。又、オゾンスクラバーに導入するオゾンを含んだ空気の温度及び湿度は温度22℃、湿度46%とした。試験結果を表2〜表6に示す。尚、表2〜表6中経過時間の単位は分であり、経過時間欄の数値の右に示した星印は、オゾンスクラバーを外した状態を意味する。
Figure 2015213861
Figure 2015213861
Figure 2015213861
Figure 2015213861
Figure 2015213861
以上のように、シリカゲルC2KIコーティングオゾン吸着体充填オゾンスクラバー(表2)、シリカゲルC18KIコーティングオゾン吸着体充填オゾンスクラバー(表3)、シリカゲルKIコーティングオゾン吸着体充填オゾンスクラバー(表4)及びシリカモノリスKIコーティングオゾン吸着体充填オゾンスクラバー(表5)に、オゾンを含んだ空気を導入した場合、オゾンの除去率は各オゾンスクラバーとも100%を示し、現在市場で使用されている、参考例としての、カートリッジに直接ヨウ化カリウムの粒子を充填して構成したオゾンスクラバー(表6)と同等以上のオゾン除去率で、本発明のオゾン吸着体及び本発明オゾンスクラバーの実用性が確認された。
清浄室内空気におけるアルデヒド類の捕集方法として、本発明のオゾンスクラバーを使用した場合、従来のオゾンスクラバーを使用した場合、更にオゾンスクラバーを使用しない場合を比較するアルデヒド類の回収実験を行った。
実施例として、実施例1の粒子状のシリカゲルに表面処理を施さずにヨウ化カリウムを保持させたシリカゲルKIコーティングオゾン吸着体と同一の構成の吸着体をカートリッジに充填して構成したシリカゲルKIコーティングオゾン吸着体充填オゾンスクラバーを用いて、アルデヒド混合ガス捕集法で行った。又、参考例としてオゾンスクラバーを使用せずに、DNPHカートリッジ直接添加法(表7)又はアルデヒド混合ガス捕集法(表8)で行った。他の参考例として、カートリッジに直接ヨウ化カリウムの粒子を充填して構成したオゾンスクラバー(InertSep mini AERO 株式会社ジーエルサイエンス社製)を用い、アルデヒド混合ガス捕集法(表9)で行った。
この試験は実施例及び参考例ともホルムアルデヒド(FA)及びアセトアルデヒド(AA)に対して夫々2回ずつ行った。
参考例において、DNPHカートリッジ直接添加法は、DNPHカートリッジの内部にアルデヒド水溶液をシリンジを用いて直接添加し、その後清浄空気を500mL/minで20分間、合計10L吸引通気させた(表7)。又、アルデヒド混合ガス捕集法は、パーミエーター(標準ガス発生装置)により一定濃度のアルデヒドガスを発生させる方法を用いて、発生させたアルデヒド混合ガスをDNPHカートリッジのみで捕集して回収率を求めた(表8)。又、参考例及び実施例において、アルデヒド混合ガス捕集法は、パーミエーター(標準ガス発生装置)により一定濃度のアルデヒドガスを発生させる方法を用いて、発生させたアルデヒド混合ガスをオゾンスクラバーを通気させた後にDNPHカートリッジで捕集して回収率を求めた(表9及び表10)。
アルデヒド混合ガス捕集法においては、ホルムアルデヒド0.1μg/m、アセトアルデヒド0.075μg/mの混合ガスを500mL/minで20分間、合計10Lを捕集させて試験を行った。混合ガスに用いた清浄空気は、室内空気(27℃、20%)を除去フィルターに通気させて、得られた清浄空気を使用した。
実験結果を表7〜10に示す。表7に、参考例として、DNPHカートリッジ直接添加法で行った通気回収試験(%)の結果を示す。
Figure 2015213861
表8に、参考例として、アルデヒド混合ガス捕集法で、DNPHカートリッジのみ用いた通気回収試験(%)の結果を示す。
Figure 2015213861
表9に、参考例として、アルデヒド混合ガス捕集法で、参考例のオゾンスクラバー及びDNPHカートリッジを用いて捕集し、DNPHカートリッジのみ抽出した通気回収試験(%)の結果を示す。
Figure 2015213861
表10に、アルデヒド混合ガス捕集法で、本発明の実施例オゾンスクラバー(シリカゲルKIコーティングオゾン吸着体充填オゾンスクラバー)及びDNPHカートリッジ捕集同時抽出した通気回収試験(%)の結果を示す。
Figure 2015213861
表7〜10に示すように、本発明のオゾンスクラバーを使用したアルデヒド回収率(表10)は、DNPHカートリッジに直接添加した結果、DNPHカートリッジのみで捕集した結果(表7及び表8)及び参考例のオゾンスクラバーを使用した結果(表9)と変わらない結果であった。この結果、本発明オゾンスクラバーによりアルデヒドが捕集されてしまうことが無いことが確認され、本発明のオゾン吸着体及び本発明オゾンスクラバーの実用性が確認された。
尚、実施例1の粒子状のシリカゲルC2KIコーティングオゾン吸着体を充填したオゾンスクラバー、粒子状のシリカゲルC18KIコーティングオゾン吸着体を充填したオゾンスクラバー、シリカモノリスKIコーティングオゾン吸着体を充填したオゾンスクラバーにおいても、ホルムアルデヒド、アセトアルヒドともに90%以上の回収が得られた。
加湿清浄室内空気におけるアルデヒド類の捕集方法として、本発明のオゾンスクラバーを使用した場合、従来のオゾンスクラバーを使用した場合、更にオゾンスクラバーを使用しない場合を比較するアルデヒド類の回収実験を行った。
実施例として実施例1の粒子状のシリカゲルに表面処理を施さずにヨウ化カリウムを保持させたシリカゲルKIコーティングオゾン吸着体と同一の構成の吸着体をカートリッジに充填して構成したシリカゲルKIコーティングオゾン吸着体充填オゾンスクラバーを用いて、アルデヒド混合ガス捕集法で行った(表13)。又、参考例として、オゾンスクラバーを使用せずにDNPHカートリッジのみで行った(表11)。他の参考例として、カートリッジに直接ヨウ化カリウムの粒子を充填して構成したオゾンスクラバー(InertSep mini AERO 株式会社ジーエルサイエンス社製)を用いて行った(表12)。
この試験は実施例及び参考例ともホルムアルデヒド(FA)及びアセトアルデヒド(AA)に対して夫々2回ずつ行った。
アルデヒド混合ガス捕集法は、ホルムアルデヒド0.1μg/m、アセトアルデヒド0.075μg/mの混合ガスを500mL/minで20分間、合計10Lを捕集させて試験を行った。混合ガスに用いた加湿清浄空気は、室内空気(27℃、20%)をバブラーを用いて加湿を行い、加湿空気を除去フィルターに通気させ、得られた加湿清浄空気を、実施例ではオゾンスクラバーを通気させた後にDNPHカートリッジで捕集して回収率を求め(表13)、参考例では、オゾンスクラバーを通気させた後(表12)、或いは通気させないで(表11)DNPHカートリッジで捕集して回収率を求めた。尚、混合ガスは、上記実施例2と同様、パーミエーター(標準ガス発生装置)により一定濃度のアルデヒドガスを発生させる方法を用いて得た。
実験結果を表11〜13に示す。表11に、参考例として、アルデヒド混合加湿ガス捕集法によるDNPHカートリッジ通気回収試験(%)の結果を示す。
Figure 2015213861
表12に、参考例として、アルデヒド混合加湿ガス捕集法で、参考例のオゾンスクラバー及びDNPHカートリッジを用いて捕集し、DNPHカートリッジのみ抽出した通気回収試験(%)の結果を示す。
Figure 2015213861
表13に、実施例として、アルデヒド混合加湿ガス捕集法で、本発明の実施例新オゾンスクラバー(シリカゲルKIコーティングオゾン吸着体充填オゾンスクラバー)及びDNPHカートリッジ捕集同時抽出した通気回収試験(%)の結果を示す。
Figure 2015213861
表11〜13に示すように、本発明のオゾンスクラバーを使用した加湿アルデヒド混合ガスによる回収率(表13)は、DNPHカートリッジのみで捕集した結果(表11)及び参考例のオゾンスクラバーを使用した結果(表12)と変わらない結果であった。この結果、本発明オゾンスクラバーによりアルデヒドが捕集されてしまうことが無いことが確認され、本発明のオゾン吸着体及び本発明オゾンスクラバーの実用性が確認された。
尚、実施例1の粒子状のシリカゲルC2KIコーティングオゾン吸着体を充填したオゾンスクラバー、粒子状のシリカゲルC18KIコーティングオゾン吸着体を充填したオゾンスクラバー、シリカモノリスKIコーティングオゾン吸着体を充填したオゾンスクラバーにおいても、ホルムアルデヒド、アセトアルヒドともに90%以上の回収が得られた。
本発明のオゾンスクラバーのHPLC分析への影響を測るため、実施例1の粒子状のシリカゲルC18KIコーティングオゾン吸着体を充填したオゾンスクラバーとDNPHカートリッジを連結させたままアセトニトリル5mLで抽出し、以下の分析条件でHPLC分析を行った。
分析条件
使用カラム:GL Sciences Inertsil ODS−80A(5μm,4.6mm×50mm+4.6mm×250mm)
カラム恒温槽:WATERS Temperature Controle Module&Oven
ポンプ:WATERS MODEL510
試料導入:WATERS MODEL700 Satelite WISP
検出器:WATERS MODEL486 UV/VIS Detector
分析波長:360nm
移動相:アセトニトリル:水=50:50
流量:1.0mL/min
試料注入量:25μL
カラム温度:40℃
その結果のクロマトグラムを図9に示す。図9のクロマトグラムに示すように、HPLC分析でのヨウ化カリウム溶出位置は、ODSに保持がないためDNPH未反応物ピークの前にピークとして現れている。そのため、本発明のオゾンスクラバーは、HPLCの測定には影響を及ぼさないことが確認され、本発明のオゾン吸着体及び本発明オゾンスクラバーの実用性が確認された。
尚、実施例1の粒子状のシリカゲルKIコーティングオゾン吸着体を充填したオゾンスクラバー、粒子状のシリカゲルC2KIコーティングオゾン吸着体を充填したオゾンスクラバー、シリカモノリスKIコーティングオゾン吸着体を充填したオゾンスクラバーにおいても、同様のクロマトグラムが得られた。
飽和空気による本発明のオゾンスクラバーの目詰まりの試験を行った。オゾンスクラバーの実施例として、実施例1の粒子状のシリカゲルKIコーティングオゾン吸着体を充填したオゾンスクラバー、粒子状のシリカゲルC2KIコーティングオゾン吸着体を充填したオゾンスクラバー、粒子状のシリカゲルC18KIコーティングオゾン吸着体を充填したオゾンスクラバー及びシリカモノリスKIコーティングオゾン吸着体を充填したオゾンスクラバーを用い、比較例として、実施例1で参考例としたカートリッジに直接ヨウ化カリウムの粒子を充填して構成したオゾンスクラバーを用いた。飽和空気の温度は、室温(22℃〜24℃)、30℃及び40℃に調整して使用した。尚、この試験は各オゾンスクラバーに対して夫々2回ずつ行った。
飽和空気の温度が室温の場合には、先ず、室内空気をインピンジャーを通過させ加湿し、室温(22℃〜24℃)の飽和空気を調整し、各オゾンスクラバーに通気させて、吸引流量の低下及び目詰まりを確認した。各オゾンスクラバーへの通気速度は毎分1Lとして150分間(2時間半)行った。結果を表14に示す。表14中○は吸引流量の低下がなく、目詰まりもない場合を示す。
飽和空気の温度が30℃又は40℃の場合には、恒温槽中に加湿インピンジャーを入れ、恒温槽内空気を通過させ加湿し、30℃及び40℃の飽和空気を調整し、各オゾンスクラバーに通気させて、吸引流量の低下及び目詰まりを確認した。各オゾンスクラバーへの通気速度は毎分1Lとして150分間(2時間半)行った。飽和空気の温度が30℃の場合の結果を表15に、飽和空気の温度が40℃の場合の結果を表16に示す。表15及び表16中○は吸引流量の低下がなく、目詰まりもない場合を示し、△は吸引流量の低下が生じた場合を示し、×は目詰まりが生じた場合を示す。
Figure 2015213861
Figure 2015213861
Figure 2015213861
表14〜16に示すように、本発明オゾンスクラバーは、高温多湿時であっても、オゾンスクラバー中のヨウ化カリウムの潮解を防止して、ポンプの吸引抵抗を生じさせず、大気捕集の阻害が無いことが確認され、本発明のオゾン吸着体及び本発明オゾンスクラバーの実用性が確認された。
実施例として、平均粒子径80μm、表面積が10m/g以上の18m/g、100m/g及び800m/gの粒子形状のシリカゲル10gの夫々に対して、ヨウ化カリウムの保持量0.01g(0.1wt%)、0.1g(1wt%)、4g(40wt%)、5g(50wt%)を、実施例1と同じく保持させ、カートリッジに充填しオゾンスクラバーを得た。
比較例として、平均粒子径80μm、表面積が10m/g以上の18m/g、100m/g及び800m/gの粒子形状のシリカゲル10gの夫々に対して、ヨウ化カリウムの保持量0.005g(0.05wt%)、5.5g(55wt%)を、実施例1と同じく保持させ、カートリッジに充填しオゾンスクラバーを得た。
更に、比較例として、平均粒子径80μm、表面積が10m/g以下の7m/gのシリカゲル10gに対して、ヨウ化カリウムの保持量0.005g(0.05wt%)、0.01g(0.1wt%)、0.1g(1wt%)、4g(40wt%)、5g(50wt%)、5.5g(55wt%)を、実施例1と同じく保持させ、カートリッジに充填しオゾンスクラバーを得た。
実施例及び比較例の合計24種類のオゾンスクラバーに、実施例1と同じく、0.2ppmオゾン含有ガスを流し、オゾン除去試験を行った。さらに、実施例5と同じく飽和空気の通気に対する目詰まり試験(40℃)を行った。その結果を、下記表17にまとめた。
Figure 2015213861
表面積10m/g以上の保持体を用いた場合であって、ヨウ化カリウムの保持量が0.01g(0.1wt%)〜5g(50wt%)の実施例は完全なオゾン除去を行え、さらに、飽和空気でも詰まりが生じることなく使用できた(実施例B‐2〜B‐5、C‐2〜C‐5、D‐2〜D‐5)。以上から、実施例B‐2〜B‐5、C‐2〜C‐5、D‐2〜D‐5は、実際の使用に耐え得るものであることが明らかとなった。
表面積10m/g以上の保持体を用いた場合であって、ヨウ化カリウム保持量が0.01g(0.1wt%)未満の0.005g(0.05wt%)の実施比較例においては、飽和空気でも吸引流量の低下や目詰まりが生じることなく使用できたが、オゾンスクラバーから0.1ppmのオゾン含有ガスが溶出してしまい、完全なオゾン除去効果は得られなかった(比較例B‐1、C‐1、D‐1)。以上から比較例B‐1、C‐1及びD‐1は、実際の使用に耐え得るものではないことが明らかとなった。一方、50%を超過した量のヨウ化カリウムを保持させると、ヨウ化カリウムが潮解し易くなり目詰まりが起こった(比較例B‐6、C‐6、D‐6)。以上から比較例B‐6、C‐6、D‐6は、実際の使用に耐え得るものではないことが明らかとなった。
表面積10m/g以下の保持体を用いた場合であって、ヨウ化カリウム保持量が0.005g(0.05wt%)の比較例においては、オゾンスクラバーから0.1ppmのオゾン含有ガスが溶出してしまい、完全なオゾン除去効果は得られなかった。更に、飽和空気では、保持体の表面積が小さいためにヨウ化カリウムの均一なコーティングが行えず、結果としてヨウ化カリウムが潮解し易くなり、吸引流量の低下を起こした(比較例A‐1)。以上から比較例A‐1は実際の使用に耐え得るものではないことが明らかとなった。
表面積10m/g以下の保持体を用いた場合であって、ヨウ化カリウムの保持量が0.01g(0.1wt%)〜5g(50wt%)の比較例においては、0.2ppmオゾン含有ガスは除去されたが、保持体の表面積が小さいためにヨウ化カリウムの均一なコーティングが行えず、結果として飽和空気を流すとヨウ化カリウムの一部が潮解し、目詰まりを起こした(比較例A‐2、A‐3、A‐4、A‐5)。更に、50%を超過した量のヨウ化カリウムを保持させると、より潮解し易くなり目詰まりが起こった(比較例A‐6)。以上から比較例A‐2〜A‐6は、実際の使用に耐え得るものではないことが明らかとなった。
以上の結果から、10m/g以上の表面積を持つ粒子形状の保持体を用いて、ヨウ化カリウム保持量を保持体の質量に対して0.1wt%〜50wt%に調整したオゾン吸着体であれば、オゾン除去ができ、かつ飽和空気でも使用できることが実証された。
実施例として、平均スルーポア径50μm、表面積が10m/g以上の20m/g、100m/g及び800m/gのモノリスシリカゲル(シリカゲルのモノリス体)10gの夫々に対して、ヨウ化カリウムの保持量0.01g(0.1wt%)、0.1g(1wt%)、4g(40wt%)、5g(50wt%)を、実施例1と同じく保持させ、カートリッジに充填しオゾンスクラバーを得た。
比較例として、平均スルーポア径50μm、表面積が10m/g以上の20m/g、100m/g及び800m/gのモノリスシリカゲル(シリカゲルのモノリス体)10gの夫々に対して、ヨウ化カリウムの保持量0.005g(0.05wt%)、5.5g(55wt%)を、実施例1と同じく保持させ、カートリッジに充填しオゾンスクラバーを得た。
更に、比較例として、平均スルーポア径50μm、表面積が10m/g以下の8m/gのモノリスシリカゲル10gに対して、ヨウ化カリウムの保持量0.005g(0.05wt%)、0.01g(0.1wt%)、0.1g(1wt%)、4g(40wt%)、5g(50wt%)、5.5g(55wt%)を、実施例1と同じく保持させ、カートリッジに充填しオゾンスクラバーを得た。
実施例及び比較例の合計24種類のオゾンスクラバーに、実施例1と同じく、0.2ppmオゾン含有ガスを流し、オゾン除去試験を行った。さらに、実施例5と同じく飽和空気の通気に対する目詰まり試験(40℃)を行った。その結果を、下記表18にまとめた。
Figure 2015213861
表面積10m/g以上の保持体を用いた場合であって、ヨウ化カリウムの保持量が0.01g(0.1wt%)〜5g(50wt%)の実施例は完全なオゾン除去を行え、さらに、飽和空気でも詰まりが生じることなく使用できた(実施例F‐2〜F‐5、G‐2〜G‐5、H‐2〜H‐5)。以上から、実施例F‐2〜F‐5、G‐2〜G‐5、H‐2〜H‐5は、実際の使用に耐え得るものであることが明らかとなった。
表面積10m/g以上の保持体を用いた場合であって、ヨウ化カリウム保持量が0.01g(0.1wt%)未満の0.005g(0.05wt%)の比較例においては、飽和空気でも吸引流量の低下や目詰まりが生じることなく使用できたが、オゾンスクラバーから0.1ppmのオゾン含有ガスが溶出してしまい、完全なオゾン除去効果は得られなかった(比較例F‐1、G‐1、H‐1)。以上から比較例F‐1、G‐1及びH‐1は、実際の使用に耐え得るものではないことが明らかとなった。一方、50%を超過した量のヨウ化カリウムを保持させると、ヨウ化カリウムが潮解し易くなり目詰まりが起こった(比較例F‐6、G‐6、H‐6)。以上から比較例F‐6、G‐6、H‐6は、実際の使用に耐え得るものではないことが明らかとなった。
表面積10m/g以下の保持体を用いた場合であって、ヨウ化カリウム保持量が0.005g(0.05wt%)の比較例においては、オゾンスクラバーから0.1ppmのオゾン含有ガスが溶出してしまい、完全なオゾン除去効果は得られなかった。更に、飽和空気では、保持体の表面積が小さいためにヨウ化カリウムの均一なコーティングが行えず、結果としてヨウ化カリウムが潮解し易くなり、吸引流量の低下を起こした(比較例E‐1)。以上から比較例E‐1は実際の使用に耐え得るものではないことが明らかとなった。
表面積10m/g以下の保持体を用いた場合であって、ヨウ化カリウムの保持量が0.01g(0.1wt%)〜5g(50wt%)の比較例においては、0.2ppmオゾン含有ガスは除去されたが、保持体の表面積が小さいためにヨウ化カリウムの均一なコーティングが行えず、結果として飽和空気を流すとヨウ化カリウムの一部が潮解し、目詰まりを起こした(比較例E‐2、E‐3、E‐4、E‐5)。更に、50%を超過した量のヨウ化カリウムを保持させると、より潮解し易くなり目詰まりが起こった(比較例E‐6)。以上から比較例E‐2〜E‐6は、実際の使用に耐え得るものではないことが明らかとなった。
以上の結果から、10m/g以上の表面積を持つモノリス体の保持体を用いて、ヨウ化カリウム保持量を保持体の質量に対して0.1wt%〜50wt%に調整したオゾン吸着体であれば、オゾン除去ができ、かつ飽和空気でも使用できることが実証された。
本発明のオゾンスクラバーによるオゾン除去により、アルデヒド類の捕集、分析が容易となり、本発明のオゾンスクラバーは、アルデヒド類の捕集装置、大気分析装置等に好適に使用することが出来る。又、本発明によれば、正確なアルデヒド類の捕集、分析が可能となるため、大気の分析が極めて迅速容易となり、食品は勿論、他の環境、化学工業においてその用途は極めて広い。
1 アルデヒド捕集装置
2 オゾンスクラバー
20 カートリッジ
21 大気吸引口
22 ポンプ連通口
200 カートリッジ
201 オゾンスクラバー一体型アルデヒド捕集カートリッジ
202 オゾンスクラバー一体型アルデヒド捕集カートリッジ
203 オゾンスクラバー一体型アルデヒド捕集カートリッジ
204 オゾンスクラバー一体型アルデヒド捕集カートリッジ
205 オゾンスクラバー一体型アルデヒド捕集カートリッジ
209 カートリッジ
210 小径部
220 大径部
3 アルデヒド捕集カートリッジ
30 アルデヒド捕集具
31 吸引口
32 ポンプ連通口
37 アルデヒド吸着材
5 吸引ホース
6 吸引ポンプ
71 通気性フィルター
72 通気性フィルター
73 通気性フィルター
8 オゾン吸着体
81 粒子状のオゾン吸着体
82 モノリス体のオゾン吸着体

Claims (21)

  1. 表面積が10m/g以上の保持体にヨウ化塩を前記保持体の質量に対して0.1wt%〜50wt%保持させて構成したことを特徴とするオゾン吸着体。
  2. 前記ヨウ化塩はヨウ化カリウムであることを特徴とする請求項1に記載のオゾン吸着体。
  3. 前記保持体は粒子形状であることを特徴とする請求項1又は2に記載のオゾン吸着体。
  4. 前記粒子形状の保持体は、平均粒子径が50〜3000μmであり、表面積が18m/g以上であることを特徴とする請求項3に記載のオゾン吸着体。
  5. 前記保持体はモノリス体であることを特徴とする請求項1又は2に記載のオゾン吸着体。
  6. 前記モノリス体の保持体は、スルーポアの径の平均が30〜2000μmであり、表面積が20m/g以上であることを特徴とする請求項5に記載のオゾン吸着体。
  7. 前記保持体の表面に化学処理を施したことを特徴とする請求項1から6のうちいずれか1項に記載のオゾン吸着体。
  8. 前記保持体の表面積が5000m/g以下であることを特徴とする請求項1から7のうちいずれか1項に記載のオゾン吸着体。
  9. 前記請求項1から8のうちいずれか1項に記載のオゾン吸着体をカートリッジに充填したことを特徴とするオゾンスクラバー。
  10. 前記請求項3又は4に記載のオゾン吸着体をカートリッジに充填し、前記カートリッジ内の粒子間空間の径の平均が30〜2000μmであることを特徴とするオゾンスクラバー。
  11. アルデヒド吸着材が充填されたアルデヒド捕集カートリッジの前段に請求項9又は10に記載のオゾンスクラバーを設置したことを特徴とするアルデヒド捕集具。
  12. 前記アルデヒド吸着材は、DNPH(2,4−ジニトロフェニルヒドラジン)を保持していることを特徴とする請求項11に記載のアルデヒド捕集具。
  13. 請求項9又は10に記載のオゾンスクラバーを用い、前記カートリッジ内の前記オゾン吸着体の後方にアルデヒド吸着材を充填したことを特徴とするオゾンスクラバー一体型のアルデヒド捕集カートリッジ。
  14. 前記カートリッジには、大気吸引口側に小径部を備えると共に、前記小径部に連続し、前記小径部に比べて径の大きい大径部を備え、前記小径部内に前記オゾン吸着体を充填し、前記大径部にアルデヒド吸着材を充填したことを特徴とする請求項13に記載のオゾンスクラバー一体型のアルデヒド捕集カートリッジ。
  15. 前記アルデヒド吸着材は、DNPH(2,4−ジニトロフェニルヒドラジン)を保持していることを特徴とする請求項13又は14に記載のオゾンスクラバー一体型のアルデヒド捕集カートリッジ。
  16. 請求項9又は10に記載のオゾンスクラバーを備えたことを特徴とするアルデヒド捕集装置。
  17. 請求項11又は12に記載のアルデヒド捕集具を備えたことを特徴とするアルデヒド捕集装置。
  18. 請求項13から15のうちいずれか1項に記載のオゾンスクラバー一体型のアルデヒド捕集カートリッジを備えたことを特徴とするアルデヒド捕集装置。
  19. 請求項16から18のうちいずれか1項に記載のアルデヒド捕集装置を備えた分析装置。
  20. カートリッジ内に充填された、表面積が10m/g以上の保持体にヨウ化塩を前記保持体の質量に対して0.1wt%〜50wt%保持させて構成したオゾン吸着体にオゾンを含有する気体を接触させることを特徴とするオゾン除去方法。
  21. オゾン及びアルデヒドを含有する気体を、表面積が10m/g以上の保持体にヨウ化塩を前記保持体の質量に対して0.1wt%〜50wt%保持させて構成したオゾン吸着体に接触させて、前記気体からオゾンを除去した後、アルデヒド吸着材に接触させてアルデヒドを捕集することを特徴とするアルデヒド捕集方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111085096A (zh) * 2019-12-14 2020-05-01 绍兴市上虞区理工高等研究院 空气净化液的制备方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111085096A (zh) * 2019-12-14 2020-05-01 绍兴市上虞区理工高等研究院 空气净化液的制备方法

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