JP2001004609A - 容器及びこれを用いた吸着用器具 - Google Patents

容器及びこれを用いた吸着用器具

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JP2001004609A
JP2001004609A JP11171210A JP17121099A JP2001004609A JP 2001004609 A JP2001004609 A JP 2001004609A JP 11171210 A JP11171210 A JP 11171210A JP 17121099 A JP17121099 A JP 17121099A JP 2001004609 A JP2001004609 A JP 2001004609A
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adsorption
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adsorbent
dish
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Tetsuya Aoyama
哲也 青山
Michio Butsugan
道男 佛願
Yugo Kumagai
雄五 熊谷
Shigehisa Uchiyama
茂久 内山
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 短時間、高効率、再現性、作業性及び生産性
良く吸着濃縮でき、吸着用器具の吸着効率の大幅改善に
極めて好適である容器並びに短時間、高効率、再現性、
作業性及び生産性良く吸着濃縮でき、被測定化学物質の
吸着効率を大幅に改善することができる吸着用器具を提
供する。 【解決手段】 吸着剤を充填する容器が、樹脂粒子を焼
結又は溶結して得る多孔性材料により構成され、開口部
を有する容器及びこの容器に、吸着剤が充填された吸着
用器具。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、容器及びこれを用
いた吸着用器具に関する。
【0002】
【従来の技術】有害化学物質による環境汚染が発生した
場合、その有害化学物質の量がμg/Lレベルの極微量
であっても長期暴露による慢性障害、発ガン等の重大な
問題が発生する可能性がある。また、化学物質は、置換
基の種類、位置、価数等の違いにより毒性や反応性など
が大きく異なる。そのため、微量な汚染化学物質の環境
中の濃度、環境動態、人への暴露評価、健康影響等を評
価するために、ガスクロマトグラフィー、ガスクロマト
グラフィ−質量分析計、液体クロマトグラフィー等の高
感度分離分析法が用いられることが多い。しかしなが
ら、これらの分析方法を用いても、被検試料の直接導入
ではμg/Lレベルの化学物質を正確に定量することは
困難である。そのため、何らかの濃縮手段を用いて前処
理を行わねばならない。さらに、環境や生体試料の場合
には多種の共存物質が含まれるため、種々の干渉が引き
起こされ目的物質を精度良く、安定して定量することが
困難な場合が多い。この点からも、被測定物質に対して
選択的な濃縮前処理方法が必要となる。
【0003】濃縮が可能な前処理法としては従来より溶
媒脱離や吸収液を用いる方法が利用されているが、より
クリーンな濃縮法への要求から種々の方法が開発されて
いる。代表的な方法としては、液体試料に対する固相抽
出法、ガス試料のための吸着管又は吸着フィルターがあ
る。これらは、被測定物質の固体吸着剤への親和性を利
用した濃縮前処理法であり、さらにアクティブサンプリ
ング法、パッシブサンプリング法等に分類される。
【0004】ガス成分の選択的捕集濃縮に用いられるパ
ッシブサンプリング法は気体透過性の膜を張った容器又
は気体透過性材質により作成された容器中にガス吸着剤
を充填した吸着用器具が用いられる。上記気体透過性材
質としては、不繊布が代表的である。特公平7−114
911号公報には、ポリエチレンテトラフルオロエチレ
ン(PTFE)製の押し出しチューブを延伸して多孔質
化したものを材料としたチューブ状容器を、内部にガス
吸着剤を含む気体透過性容器として使用することが記載
されている。また、特開平10−321号公報にはポリ
エチレンテトラフルオロエチレン(PTFE)製フィル
ムを延伸して得られる多孔質フィルムに通気性布帛を積
層したシートを吸着剤の容器とすることで吸着効率が改
善できることが記述されている。
【0005】従来より使用されているアクティブサンプ
リング法の場合、絶対的な吸着量は本質的には吸着剤の
量に比例し、処理効率は吸着用容器の内径に依存する。
通常は吸着用容器をそのまま抽出又は熱脱離用の容器と
して用いているため、導通流量は吸着用容器の内径によ
って規定されてしまう。熱脱離用容器の場合、内径4mm
程度が一般的である。結果として、内径の小さい吸着用
容器を用いている場合には捕集濃縮時間が長くなってし
まう。一方、パッシブサンプリング法の場合、通気性材
料の孔径が小さい場合には、透過抵抗が大きくなり吸着
速度が低下するという問題が出る。また、2軸延伸され
たPTFEは引っ張り強度、引き裂き強度が高いという
利点があるが、軟質であり変形しやすい。パッシブサン
プリング法の場合、暴露面積が一定であることが前提と
なっているものであるが、変形しやすい材質では再現性
という点で問題が引き起こされる可能性がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】請求項1、2、3、
4、5、6及び7記載の発明は、短時間、高効率、再現
性、作業性及び生産性良く吸着濃縮でき、吸着用器具の
吸着効率の大幅改善に極めて好適である容器を提供す
る。請求項8記載の発明は、短時間、高効率、再現性、
作業性及び生産性良く吸着濃縮でき、被測定化学物質の
吸着効率を大幅に改善することができる吸着用器具を提
供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、吸着剤を充填
する容器が、樹脂粒子を焼結又は溶結して得る多孔性材
料により構成され、開口部を有する容器に関する。ま
た、本発明は、吸着剤を充填する容器が、皿状又はカッ
プ状の容器である前記容器に関する。また、本発明は、
容器の開口上部に、熱脱離用又は溶媒脱離用の吸着剤用
受器が存在する前記容器に関する。また、本発明は、容
器の開口上部に、通気又は通液性のあるフィルターが存
在する前記容器に関する。
【0008】また、本発明は、容器の開口上部が、通気
及び通液性のない脱着可能な物質で封止されている前記
容器に関する。また、本発明は、脱着可能な物質が樹脂
又は金属である前記容器に関する。また、本発明は、容
器の開口上部に、吸着剤が移行できる容器が結合されて
いる前記容器に関する。また、本発明は、前記容器に、
吸着剤が充填された吸着用器具に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳述する。本発明の
容器は、樹脂粒子を焼結又は溶結して得る多孔性材料に
より構成される必要があり、例えば、上記多孔性材料が
与える分子拡散特性を利用して被測定化学物質が通過で
きる。上記樹脂粒子を焼結又は溶結によって得られる多
孔性材料は弾力性に優れ、PTFE延伸材料に比べると
硬質であり変形し難く、孔径が大きく空孔率の大きい通
気性材料を調製することが可能であり、吸着率が優れる
吸着用器具を得ることができる。
【0010】上記樹脂粒子としては、公知のものが使用
することができるが、成形性の見地から、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステル又は
フッ素樹脂から構成される粒子であることが好ましい。
上記樹脂粒子の平均粒径は10〜100μmであること
が好ましく、20〜80μmであることがより好まし
く、20〜60μmであることが特に好ましい。上記多
孔性材料の孔径は0.5〜100μmであることが好ま
しく、1.0〜70μmであることがより好ましい。こ
の孔径が0.5μm未満では、透過抵抗が大きくなり、
吸着速度が低下する傾向があり、100μmを超えると
吸着剤が漏出する傾向がある。
【0011】上記多孔性材料の厚さは0.1〜2.0mm
であることが好ましく、再現性の見地から0.5〜1.
0mmであることがより好ましい。この厚さが0.1mm未
満では強度が不足する傾向があり、2.0mmを超えると
透過抵抗が大きくなり、吸着速度が低下する傾向があ
る。上記多孔性材料の空孔率は、20〜70%であるこ
とが好ましく、30〜50%であることがより好まし
い。この空孔率が20%未満では透過抵抗が大きくな
り、吸着速度が低下する傾向があり、70%を超えると
強度が不足する傾向がある。上記多孔性材料は、例え
ば、被検試料の状態、被測定試料の特性等によって、こ
れらのパラメータを適切に組み合わせて通気特性の最適
化を行うことができる。
【0012】本発明の吸着剤を充填する容器は、種々の
変形をさせることが可能であるが、高効率及び被測定試
料の分析作業性の見地からは、開口部を有する容器であ
る必要があり、皿状又はカップ状の容器であることがよ
り好ましく、作業性及び生産性の見地からはカップ状の
容器であることが特に好ましい。また、分析作業性の見
地から、容器の開口部上部に熱脱離用又は溶媒脱離用の
吸着剤用受器が存在することが好ましい。また、容器の
開口部上部に通気又は通液性のあるフィルターが存在す
ることが好ましく、また、容器の開口部上部が通気及び
通液性のない脱着可能な物質で封止されていることが好
ましい。また、容器の開口部上部に吸着剤が移行できる
容器が結合されていることが好ましい。上記脱着可能な
物質としては、例えば、樹脂、金属、ガラス等が挙げら
れるが、分析作業性の見地から、樹脂又は金属であるこ
とが好ましい。上記樹脂としては、例えば、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステル、フ
ッ素樹脂等が挙げられる。
【0013】容器は、例えば、樹脂粒子を容器の金型に
均一に充填し、その金型を100〜250℃に加熱し、
5〜20分間程度保温し、樹脂粒子を熱膨張により焼結
又は溶結させ、冷却することにより製造することができ
る。上記加熱の温度は、樹脂粒子の材質により好ましい
温度が異なり、樹脂粒子にポリスチレンを使用する場合
は80〜120℃程度、樹脂粒子にポリエチレンを使用
する場合は140〜180℃程度、樹脂粒子にポリプロ
ピレンを使用する場合は170〜210℃程度、樹脂粒
子にフッ素樹脂を使用する場合は180〜250℃程度
であることが好ましい。上記冷却の方法としては、例え
ば、自然冷却、冷却ファンによる冷却等が挙げられる。
【0014】本発明における吸着剤としては、公知の吸
着剤を使用でき、吸着を行う被測定化学物質の特性に応
じて選択することが可能であり、例えば、多孔質のカー
ボン系吸着剤(大気中の揮発性有機化合物の吸着濃
縮)、高分子系吸着剤又は表面積を低くしたカーボン系
吸着剤(高沸点物質の吸着濃縮)、2,4−ジニトロフ
ェニルヒドラジン又はトリエタノールアミンを含浸吸着
させた吸着剤(アルデヒド及びケトン類の吸着濃縮)、
ポリマー系吸着剤又は官能基導入型シリカゲル吸着剤
(農薬等の吸着濃縮)などが挙げられる。
【0015】これらの例としては、例えば、活性炭、ゼ
オライト、アルミナ、マグネシア、シリカゲル、官能基
導入型シリカゲル、その他酸化金属等の無機系吸着剤、
多孔性ポリスチレン及びその誘導体、多孔性ポリエステ
ル及びその誘導体、多孔性ポリビニルアルコール及びそ
の誘導体などの高分子系吸着剤、高分子系吸着剤を一部
又は全部を炭化したカーボン系吸着剤などが挙げられ、
被測定物質の特性に合わせて用いられる。
【0016】さらに、上記吸着剤を支持単体として、吸
着用の溶剤、高分子、固体等を含浸固定したものも利用
される。上記吸着剤は、例えば、フィルターが付けられ
た管状又は注射筒型の容器に充填され濃縮前処理に使用
される。
【0017】前記皿状容器を用いた皿状吸着用器具とし
ては、例えば、図1に示されるように、内部に吸着剤
(3)を充填する皿状容器(2a)、皿状容器(2a)
を固定するホルダー(5)及び皿状容器(2a)に充填
される吸着剤(3)からなる吸着用器具が挙げられ、必
要に応じて吸着剤(3)の脱落防止及び開口部の封止を
目的とした脱着可能な栓(4)を備えるものなどが挙げ
られる。
【0018】前記カップ状容器を用いたカップ状吸着用
器具としては、例えば、図2に示されるように、内部に
吸着剤(3)を充填するカップ状容器(2b)とカップ
状容器(2b)に充填される吸着剤(3)からなる吸着
用器具が挙げられ、必要に応じて吸着剤(3)の脱落防
止及び開口部の封止を目的とした脱着可能な栓(4)と
を備えるものなどが挙げられる。
【0019】また、図1に示される皿状吸着用器具で
は、吸着剤(3)を収納する皿状容器(2a)の開口部
に固定するホルダー(5)の凸部が挿入されている。皿
状容器(2a)の固定は、皿状容器(2a)の弾力性に
よって行うことも可能であるが、密着力の見地から超音
波融着法により固定させることが好ましい。また、バン
ドなどによる固定も可能である。栓(4)は脱着可能で
あり、例えば、サンプリング終了後に取り外し、被測定
化学物質が吸着された吸着剤を抽出又は脱着用受器に移
行させることができる。
【0020】上記皿状吸着用器具及びカップ状吸着用器
具内の吸着剤(3)は、この多孔性材料からなる容器を
介して被検試料と接触し、被測定化学物質の吸着濃縮を
行う。
【0021】本発明の吸着用器具を用いた被測定化学物
質の吸着濃縮は、例えば、アクティブサンプリング法、
パッシブサンプリング法等の吸着方法で行うことができ
る。上記アクティブサンプリング法は、被検試料を吸引
又は加圧することによって上記吸着剤が充填された容器
を通過させ、被測定物質と吸着剤との親和性により吸着
剤表面又はその細孔内に吸着、濃縮せる方法である。上
記パッシブサンプリング法は、多孔性材料からなる吸着
剤を充填する容器の面を被検試料に接触させる方法であ
り、例えば、室内大気中の被測定化学物質の吸着を行う
場合には、吸着剤を充填する容器の面を上に向け、吸着
用器具を室内の指定した位置に置き、一定時間放置後、
吸着用器具を密閉容器に保存後、分析室で吸着剤を適当
な受器に受け、被測定化学物質を脱離溶出後液体クロマ
トグラフィー、ガスクロマトグラフィー、ガスクロマト
グラフィー−質量分析計等によって被測定化学物質の同
定定量が行う。水中の被測定化学物質の吸着濃縮を行う
場合には、被検試料水中に吸着用器具を投入し、一定時
間放置後、吸着用器具を回収し、その後分析室で適当な
分析方法で分析を行えば良い。
【0022】本発明の吸着用器具を用いた被測定化学物
質の吸着濃縮を上記パッシブサンプリング法により行う
方法としては、例えば、図3に示されるような内部に吸
着剤(3)を充填する皿状容器(2a)と、皿状容器
(2a)を固定するホルダー(5)からなる皿状吸着用
器具(1a)の開口部に、熱脱離管キャップ(7)を具
備した熱脱離用管(6)が挿入固定されることにより構
成される皿状吸着用器具を使用することにより行うこと
ができる。また、皿状吸着用器具(1a)の代わりにカ
ップ状吸着用器具(1b)を用いてもよい。
【0023】サンプリングは、例えば、吸着剤(3)が
充填された皿状吸着用器具(1a)を下にして測定ポイ
ントの中空にスタンドなどを用いて垂直の状態で固定
し、パッシブサンプリングを行った後、180゜反転さ
せ、被測定化学物質が吸着された吸着剤(3)を熱脱離
管(6)に移行させることで行うことができる。すぐに
分析を行わない場合には熱脱離管(6)の開口末端に熱
脱離管キャップ(7)を付け保存する。
【0024】被測定化学物質が吸着された吸着剤(3)
が満たされた熱脱離管(6)は、例えば、熱脱離装置が
具備されたガスクロマトグラフィーやガスクロマトグラ
フィー−質量分析計等に装着され、熱脱離法によって被
測定化学物質の同定定量が行われる。
【0025】また、本発明の吸着用器具を用いた被測定
化学物質の吸着濃縮を上記パッシブサンプリング法によ
り行う方法としては、例えば、図4に示されるような、
図3における熱脱離管キャップ(7)を具備した熱脱離
用管(6)の代わりに溶媒脱離管キャップ(9)を具備
した溶媒脱離用管(8)を使用したカップ状吸着用器具
を使用することもできる。また、カップ状吸着用器具
(1b)の代わりに皿状吸着用器具(1a)を用いても
よい。
【0026】サンプリングは、例えば、吸着剤(3)が
充填されたカップ状吸着用器具(1b)を下にして測定
ポイントの中空にスタンドなどを用いて垂直の状態で固
定し、パッシブサンプリングを行った後、180゜反転
させ、被測定化学物質が吸着された吸着剤(3)を溶媒
脱離管(8)に移行させることで行うことができる。
【0027】被測定化学物質が吸着された吸着剤(3)
が満たされた溶媒脱離管(8)は、例えば、固相抽出用
吸引マニホールド等に装着され、溶媒脱離管(8)の開
口上部より溶出溶媒を供給することによって被測定化学
物質は溶出される。溶媒脱離によって溶出された被測定
物質を含む溶液は、必要により濃縮された後、例えば、
液体クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィーやガ
スクロマトグラフィー−質量分析計等によって被測定化
学物質の同定定量が行われる。
【0028】本発明の吸着用器具をアクティブサンプリ
ング法に適用させる場合には、例えば、図5及び図6に
示されるような吸着用器具を使用することが好ましい。
上記吸引用アダプター(11)を皿状吸着用器具(1
a)又はカップ状吸着用器具(1b)に挿入固定させる
ことにより、上記吸引アダプター(11)の先にポンプ
等を接続させ、被検試料を吸引導通させながら、被測定
化学物質を吸着濃縮させることが可能となる。サンプリ
ング後吸引用アダプター(11)を外し、例えば、図3
又は図4に示すような熱脱離管(5)又は溶媒脱離管
(8)を装着させることで被測定化学物質を吸着した吸
着剤(3)を熱脱離管(5)又は溶媒脱離管(8)に移
行させることが可能となり、分析のための次工程に移行
できる。また、吸着用器具の皿状容器(2a)又はカッ
プ状容器(2b)方向に、例えば、溶媒リザーバーを装
着すれば、吸引マニホールド等を用いて直接溶媒脱離を
行うことが可能である。
【0029】被測定化学物質を吸着後直接溶媒脱離を行
う場合、例えば、アダプターにおける比容積が大きく、
問題となる場合には、図7に示すような低容量のアダプ
ター(12)を用いれば、溶出溶液の損失を少なくする
ことが可能である。この低容量のアダプター(12)
は、例えば、吸着用器具(1b)に挿入固定して使用し
てもよい。
【0030】図8に示すように、本発明における皿状容
器(2a)及びカップ状容器(2b)の開口上部に、例
えば、容器と同一の材質でなる通気又は通液性のある多
孔性フィルターが挿入固定させることでディスク状の吸
着用器具を作成することも可能である。このディスク状
の吸着用器具は、活性炭フィルター、ディスク状固相抽
出材等と同様に使用することが可能となり、適当なフィ
ルターホルダーに装着すれば、圧損の少ない高効率の吸
着濃縮が可能となる。
【0031】本発明における皿状吸着用器具(1a)は
図1に示すような栓(4)をした状態で、吸着剤容器
(2a)面を上にして、測定点に静置させることでパッ
シブサンプリングを行うことが可能であるが、労働環境
等での人への暴露状況を把握するには、充填剤(3)を
充填した皿状容器(2a)を図9に示すようなバッチホ
ルダー(14)に固定させることが好ましい。サンプリ
ング後の処置は前述した通りである。
【0032】本発明におけるカップ状吸着用器具(1
b)をパッシブサンプリング法に適用させるためには、
例えば、図10及び図11に示すような充填剤(3)を
充填したカップ状容器(2b)が被検試料と接触できる
ように空孔を設けたホルダー(16)に、栓(4)をし
たカップ状吸着用器具(1b)又は溶媒脱離管(8)を
結合したカップ状吸着用器具(1b)を入れ、専用のス
タンドに垂直に立て測定点に静置させることによって適
用が可能である。また、人への暴露状況を把握するに
は、図10のように前記ホルダー(16)に専用のクリ
ップ(19)を装着させれよい。サンプリング後の処置
は前記した方法と同様の方法で行うことができる。
【0033】また、カップ状吸着用器具において、吸着
剤を安定化させる見地からは図12に示されるようなが
吸着剤と接する面が中空である栓(4)を使用すること
が好ましい。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳述する。
【0035】実施例1及び比較例1 平均粒径50μmの高密度ポリエチレン粒子を容器の金
型に均一に充填し、160℃で15分間保温し、冷却用
ファンを用いて冷却し、長さ30mm、吸着剤充填部の長
さ25mm、内径6.0mm、肉厚1.0mm、孔径0.1〜
50μm、空孔率45%のカップ状の多孔質の容器
()を作製した。また、平均粒径20μmの超高密度
ポリエチレン粒子を金型に均一に充填し、160℃で1
5分間保温し、冷却用ファンを用いて冷却し、長さ30
mm、吸着剤充填部の長さ25mm、内径6.0mm、肉厚
1.0mm、孔径0.1〜50μm、空孔率50%のカッ
プ状多孔質容器()を作製した。一方、吸着用器具の
比較用として、特公平7−114911号公報に開示の
ポリエチレンテトラフルオロエチレン(PTFE)製の
押し出しチューブを延伸して多孔質化した長さ35mm、
長さ6.0mm、肉厚1.0mmのチューブの末端にポリエ
チレン丸棒を挿入し同様のカップ状の容器()を作成
した。
【0036】US EPA Compendium Method T0-11、1988に
従い、粒子径150μmの全多孔性シリカゲルに2,4
−ジニトロフェニルヒドラジン(DNPH)を含浸吸着
させた吸着剤を作成し、その250mgを容器(、及
び)に充填した。各容器の開口部には、図4に示すよ
うな溶媒脱離用充填剤受器としてポリプロピレン製のツ
ベルクリン用ディスポーザブルシリンジの片端を切断し
た注射筒を挿入固定したパッシブサンプリング用吸着用
器具を作成した。注射筒のルアーチップ末端にはキャッ
プを装着した。
【0037】3種の吸着用器具を図10又は図11に示
すような開口ホルダーに入れた後、スタンドに立てて2
4時間室内のホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドの
パッシブサンプリングを行った。サンプリング終了後、
吸着用器具を反転させ吸着剤を注射筒型受器に移行し、
多孔性の吸着剤容器を外した後、吸着剤に吸着され2,
4−ジニトロフェニルヒドラジン(DNPH)誘導体化
されたホルムアルデヒドをアセトニトリルで溶出させ
た。溶出させたホルムアルデヒド及びアセトアルデヒド
の2,4−ジニトロフェニルヒドラジン(DNPH)誘
導体は、US EPA Compendium Method T0-11、1988に記載
されている液体クロマトグラフィーにより定量を行っ
た。結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1から明確なように、本発明の吸着用器
具を使用することにより、従来のPTFE延伸チューブ
に比べ高い吸着率を得ることが可能であった。
【0040】実施例2 実施例1と同様にカップ状多孔質容器()にポリプロ
ピレン製のツベルクリン用ディスポーザブルシリンジの
片端を切断した注射筒を挿入固定したパッシブサンプリ
ング用を作製し、24時間5個所でホルムアルデヒド及
びアセトアルデヒドのパッシブサンプリングを行った。
また、市販の吸着用器具(Waters社製:Sep-Pak DNPH-S
ilica(short body))にサンプリングポンプ(TO−1
1/IP−6A)を付けて、100ミリリットル/minで
24時間上記5箇所でアクティブサンプリングを行っ
た。サンプリング終了後、実施例1と同様にホルムアル
デヒド及びアセトアルデヒドのDNPH誘導体をアセト
ニトリルで溶出させ、Atmospheric Environment 33(199
9)1999-2005に記載されている液体クロマトグラフィ条
件により定量を行った。
【0041】本発明の吸着用器具を用いたホルムアルデ
ヒドの吸着特性(パッシブサンプリング法)と市販の吸
着用器具を用いたホルムアルデヒドの吸着特性(アクテ
ィブサンプリング法)との関係図を図13、本発明の吸
着用器具を用いたアセトアルデヒドの吸着特性(パッシ
ブサンプリング法)と市販の吸着用器具を用いたアセト
アルデヒドの吸着特性(アクティブサンプリング法)と
の関係図を図14にそれぞれ示す。図13及び図14か
ら、本発明の吸着用器具はパッシブサンプリング法で
も、現在一般的に使用されているアクティブサンプリン
グ法と同等の吸着特性を示した。
【0042】
【発明の効果】請求項1、2、3、4、5、6及び7記
載の容器は、短時間、高効率、再現性、作業性及び生産
性良く吸着濃縮でき、吸着用器具の吸着効率の大幅改善
に極めて好適である。請求項8記載の吸着用器具は、短
時間、高効率、再現性、作業性及び生産性良く吸着濃縮
でき、被測定化学物質の吸着効率を大幅に改善すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における皿状吸着用器具構成の一例を示
した断面模式図である。
【図2】本発明におけるカップ状吸着用器具構成の一例
を示した断面模式図である。
【図3】本発明における熱脱離用の吸着剤用受器が存在
する皿状吸着用器具構成の一例を示した断面模式図であ
る。
【図4】本発明における溶媒脱離用の吸着剤用受器が存
在するカップ状吸着用器具構成の一例を示した断面模式
図である。
【図5】本発明における吸引用アダプターを結合した皿
状吸着用器具構成の一例を示した断面模式図である。
【図6】本発明における吸引用アダプターを結合したカ
ップ状吸着用器具構成の一例を示した断面模式図であ
る。
【図7】本発明における吸引・溶媒脱離兼用アダプター
を結合した皿状吸着用器具構成の一例を示した断面模式
図である。
【図8】本発明におけるディスクフィルター状吸着用器
具構成の一例を示した断面模式図である。
【図9】本発明における暴露評価用バッチ型皿状吸着用
器具構成の一例を示した断面模式図である。
【図10】本発明におけるカップ状吸着用器具用スタン
ド及びクリップ構成の一例を示した断面模式図である。
【図11】本発明におけるカップ状吸着用器具用スタン
ド構成の一例を示した断面模式図である。
【図12】本発明におけるカップ状吸着用器具構成の一
例を示した断面模式図である。
【図13】実施例2における本発明の吸着用器具を用い
たホルムアルデヒドの吸着特性(パッシブサンプリング
法)と市販の吸着用器具を用いたホルムアルデヒドの吸
着特性(アクティブサンプリング法)との関係図であ
る。
【図14】実施例2における本発明の吸着用器具を用い
たアセトアルデヒドの吸着特性(パッシブサンプリング
法)と市販の吸着用器具を用いたアセトアルデヒドの吸
着特性(アクティブサンプリング法)との関係図であ
る。
【符号の説明】
1a 皿状吸着用器具 1b カップ状吸着用器具 2a 皿状容器 2b カップ状容器 3 吸着剤 4 栓 5 ホルダー 6 熱脱離管 7 熱脱離管キャップ 8 溶媒脱離管 9 溶媒脱離管キャップ 10 フィルター 11 吸引アダプター 12 大気吸引・溶媒脱離兼用アダプター 13 多孔質フィルター 14 バッチホルダー 15 クリップ 16 ホルダー 17 ホルダーキャップ 18 スタンド 19 クリップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 30/08 G01N 30/08 G // G01N 30/60 30/60 A (72)発明者 熊谷 雄五 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎工場内 (72)発明者 内山 茂久 千葉県千葉市美浜区幸町1−3−9 千葉 市環境保健研究所内 Fターム(参考) 4D012 CA20 CB05 CF02 CF05 CG01 CG05 CH10 CK05 CK06 CK07 4G066 AA22C AB03B AB10B BA12 BA20 BA22 CA52 DA03 EA01 FA12 FA21 FA25 FA34

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸着剤を充填する容器が、樹脂粒子を焼
    結又は溶結して得る多孔性材料により構成され、開口部
    を有する容器。
  2. 【請求項2】 吸着剤を充填する容器が、皿状又はカッ
    プ状の容器である請求項1記載の容器。
  3. 【請求項3】 容器の開口上部に、熱脱離用又は溶媒脱
    離用の吸着剤用受器が存在する請求項1又は2記載の容
    器。
  4. 【請求項4】 容器の開口上部に、通気又は通液性のあ
    るフィルターが存在する請求項1、2又は3記載の容
    器。
  5. 【請求項5】 容器の開口上部が、通気及び通液性のな
    い脱着可能な物質で封止されている請求項1、2、3又
    は4記載の容器。
  6. 【請求項6】 脱着可能な物質が樹脂又は金属である請
    求項5記載の容器。
  7. 【請求項7】 容器の開口上部に、吸着剤が移行できる
    容器が結合されている請求項1、2、3、4、5又は6
    記載の容器。
  8. 【請求項8】 請求項1、2、3、4、5、6又は7記
    載の容器に、吸着剤が充填された吸着用器具。
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