JP2015212048A - ガスバリア性フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】基材にセルロースエステルを含有する場合において、十分なガスバリア性、密着性を有し、色調に優れたガスバリア性フィルムを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明のガスバリア性フィルムは、基材と、ハードコート層と、ガスバリア層とを順次有し、前記基材は、セルロースエステルおよび酸化防止剤を含有することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、ガスバリア性フィルムに関する。より詳細には、本発明は、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子や、太陽電池素子、液晶表示等の電子デバイスに用いられるガスバリア性フィルムに関する。
従来、プラスチック基板やフィルムの表面に、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化珪素等の金属酸化物の薄膜を含む複数の層を積層して形成したガスバリア性フィルムは、水蒸気や酸素等の各種ガスの遮断を必要とする物品の包装、例えば、食品や工業用品および医薬品等の変質を防止するための包装用途に広く用いられている。
包装用途以外にも、フレキシブル性を有する太陽電池素子、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子、液晶表示素子等のフレキシブル電子デバイスへの展開が要望され、多くの検討がなされている。しかし、これらフレキシブル電子デバイスにおいては、ガラス基材レベルの非常に高いガスバリア性が要求されるが、十分な性能を有するガスバリア性フィルムは未だ得られていないのが現状である。
この様なガスバリア性フィルムを形成する方法としては、テトラエトキシシラン(TEOS)に代表される有機珪素化合物を用いて、減圧下、酸素プラズマで酸化しながら基板上に成膜する化学堆積法(プラズマCVD法:Chemical Vapor Deposition)や、半導体レーザーを用いて金属Siを蒸発させ酸素の存在下で基板上に堆積する物理堆積法(真空蒸着法やスパッタ法)といった気相法(乾式成膜法)や、ポリシラザン等を含む塗布液を塗布した後、改質処理を行う、塗布法(湿式成膜法)が知られている。
例えば、特許文献1には、図1に示された装置を用いたプラズマCVD法により、ロールツーロール方式で10−4g/m/dayレベルのガスバリア層を形成する方法が記載されている。
国際公開第2012/046767号パンフレット
上記特許文献1の手法によると、基材である樹脂フィルムの表面に、直接、プラズマCVD法によりガスバリア層を形成している。
しかしながら、本発明者の検討によると、セルロースエステルフィルムを基材とした場合に、特許文献1に記載されたようなプラズマCVD法や塗布法により直接ガスバリア層を形成した場合、基材とガスバリア層との密着性が低く、十分なガスバリア性が得られなかったり、基材が黄変したりする問題が生じることが判明した。トリアセチルセルロース(TAC)フィルム等のセルロースエステルフィルムは、光学特性に優れることから、種々の電気デバイスに利用されているため、セルロースエステルフィルムを利用したガスバリア性フィルムの開発が望まれていた。
そこで、本発明は、基材にセルロースエステルを含有する場合において、十分なガスバリア性、密着性を有し、色調に優れたガスバリア性フィルムを提供することを目的とする。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
1.基材と、ハードコート層と、ガスバリア層とを順次有し、
前記基材は、セルロースエステルおよび酸化防止剤を含有する、ガスバリア性フィルム。
2.前記酸化防止剤は、水酸基を有する、1に記載のガスバリア性フィルム。
3.前記ハードコート層は、ペンタエリスリトール誘導体の重合物を含有する、1または2に記載のガスバリア性フィルム。
4.前記ガスバリア層は、プラズマCVD法または塗布法の少なくとも一方により形成されてなる、1〜3のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
5.前記ガスバリア層は、ハードコート層上にプラズマCVD法により形成されてなる層と、塗布法により形成されてなる層とが順次積層されてなる、4に記載のガスバリア性フィルム。
本発明によれば、基材にセルロースエステルを含有する場合において、十分なガスバリア性、密着性を有し、色調に優れたガスバリア性フィルムを提供することが可能となる。
プラズマCVD法によるガスバリア層の形成に用いられる製造装置の一例を示す模式図である。
本発明の一形態は、基材と、ハードコート層と、ガスバリア層とを順次有し、前記基材は、セルロースエステルおよび酸化防止剤を含有する、ガスバリア性フィルムである。このような構成とすることにより、ガスバリア性フィルムにおいて、ガスバリア性、密着性を向上させ、黄変等の色調の悪化を防ぐことが可能となる。上記構成により、このような効果が得られる詳細な理由は不明であるが、本発明者は以下のような理由であると推察している。
一般に、ガスバリア性フィルムは、樹脂からなる基材上に、プラズマCVD法等の乾式成膜法や、塗布法等の湿式成膜法によりガスバリア層を形成することによって製造される。しかしながら、本発明者の検討によると、ガスバリア層の成膜時に基材に熱がかかるため、特に基材を構成する材料としてセルロースエステルを用いた場合は、セルロースエステルが酸化されてしまい、基材の黄変等が生じ得ることが判明した。また、セルロースエステルを用いた基材の表面にガスバリア層を直接形成した場合、基材とガスバリア層との密着性が十分でないため、所望のガスバリア性が得られないという問題があることが分かった。
上記課題を解決するために本発明者が鋭意研究した結果、基材にセルロースエステルと共に酸化防止剤を含有させ、かつ、基材とガスバリア層との間にハードコート層を設けることにより、基材とガスバリア層との密着性が向上し、十分なガスバリア性が発揮されるとともに、基材の黄変が抑制され、色調に優れたガスバリア性フィルムが得られることを見出し、本発明を完成させた。本発明者は、基材とガスバリア層との間にハードコート層を介在させることにより、ガスバリア層の密着性が良好になり、ガスバリア性が向上するものと考えている。また、基材に酸化防止剤を添加するとともに、ハードコート層を設けることにより、ガスバリア層形成時の熱によるセルロースエステルの酸化が抑制され、黄変等の色調の悪化が生じにくくなったものと推測している。なお、上記のメカニズムは推定によるものであり、本発明は上記メカニズムに何ら限定されるものではない。
以下、本発明の好ましい実施形態を説明するが、本発明は、以下の実施の形態のみには限定されない。また、本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上Y以下」を意味する。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%の条件で測定する。
<ガスバリア性フィルム>
本発明の一形態に係るガスバリア性フィルムは、基材と、ハードコート層と、ガスバリア層とを順次有する。そして、基材は、セルロースエステルおよび酸化防止剤を含有することを特徴とする。
本形態のガスバリア性フィルムは、基材と、ハードコート層と、ガスバリア層とを、順次有する限りにおいて、その他の部材(層)を有していてもよい。本発明の効果に著しい悪影響を及ぼさない範囲内では、基材とハードコート層との間、ハードコート層とガスバリア層との間に他の部材を有していてもよい。ここで、他の部材としては、特に制限されず、従来のガスバリア性フィルムに使用される部材が同様にしてあるいは適宜修飾して使用できる。具体的には、中間層、保護層、平滑層、アンカーコート層、ブリードアウト防止層、水分吸着性を有するデシカント性層や帯電防止層の機能化層などが挙げられる。以下、本形態のガスバリア性フィルムの各構成部材について詳細に説明する。
[基材]
本形態のガスバリア性フィルムは、基材にセルロースエステルおよび酸化防止剤を含有することを特徴とする。
(セルロースエステル)
セルロースエステル(セルロースエステル樹脂)は、セルロースを構成するβ−1,4結合しているグルコース単位中の2位、3位及び6位の水酸基(−OH)の水素原子の一部又は全部がアシル基で置換されたセルロースアシレート樹脂である。
本形態のガスバリア性フィルムの基材に含まれるセルロースエステルは、特に限定されないが、炭素数2〜22程度の直鎖又は分岐のカルボン酸のエステルであることが好ましい。エステルを構成するカルボン酸は脂肪族カルボン酸でもよいし、環を形成してもよく、芳香族カルボン酸でもよい。例えば、セルロースの水酸基部分の水素原子が、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、ラウロイル基、ステアロイル等の炭素数2〜22のアシル基で置換されたセルロースエステルが挙げられる。エステルを構成するカルボン酸(アシル基)は、置換基を有してもよい。エステルを構成するカルボン酸は、特に炭素数が2〜6の低級脂肪酸であることが好ましく、炭素数が2〜4の低級脂肪酸であることがより好ましく、炭素数が2又は3の低級脂肪酸であることがさらに好ましい。なお、セルロースエステル中のアシル基は単一種であってもよいし、複数のアシル基の組み合わせであってもよい。
好ましいセルロースエステルの具体例には、セルロースアセテート(ジアセチルセルロース(DAC)、トリアセチルセルロース(TAC))のほか、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネートブチレートのようなアセチル基の他にプロピオネート基又はブチレート基が結合したセルロースの混合脂肪酸エステルが挙げられる。なお、セルロースエステルに含まれうるブチリル基は、直鎖状であっても分岐状であってもよい。好ましくはセルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート又はセルロースアセテートプロピオネートであり、特に好ましくはセルロースアセテートである。本形態では、取扱い性や製膜適性という観点から、基材を構成するセルロースエステルはセルロースアセテートを主成分として含むものであることが好ましい。ここで、「主成分として含む」とは、セルロースアセテートの含有量がセルロースエステルの全量に対して50質量%以上であることを意味する。なお、セルロースアセテートの含有量は、セルロースエステルの全量に対して、好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは90質量%以上であり、さらに好ましくは95質量%以上であり、特に好ましくは98質量%以上であり、最も好ましくは100質量%である。なお、セルロースエステルは単一種を使用してもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。
セルロースエステルのアシル基の置換度は、1グルコース単位あたりのアシル基の平均数を示し、1グルコース単位の2位、3位及び6位の水酸基の水素原子のいくつがアシル基に置換されているかを示す。従って、最大の置換度は3.0であり、この場合には2位、3位及び6位の水酸基の水素原子がすべてアシル基で置換されていることを意味する。これらアシル基は、グルコース単位の2位、3位、6位に平均的に置換していてもよいし、分布をもって置換していてもよい。
セルロースエステルのアシル基の総置換度(総アシル基置換度)は、1.0〜3.0である。アシル基の総置換度は、透湿性を低くする観点からは、2.0〜2.95、より好ましくは2.1〜2.7の範囲内であることが好ましい。また、セルロースエステルがセルロースアセテートを主成分として含む場合、製膜適性やフィルム強度という観点からは、当該セルロースアセテートのアセチル基置換度はフィルム加工適性の観点から2.1〜3.1であることが好ましく、2.2〜2.95であることがより好ましく、2.2〜2.9であることがより好ましい。所望の光学特性を得るために置換度の異なるセルロースアセテートを混合して用いてもよく、異なるセルロースアセテートの混合比は特に限定されない。なお、置換度は、ASTM−D817−96に規定の方法により求められる。
セルロースエステルの数平均分子量は、機械的強度の観点から50,000〜230,000であることが好ましく、60,000〜200,000であることがより好ましく、70,000〜150,000であることがさらに好ましい。
また、セルロースエステルの重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比、Mw/Mnは、1.4〜3.0であることが好ましく、1.7〜2.2であることが好ましい。なお、「数平均分子量(Mn)」及び「重量平均分子量(Mw)」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定することができる。測定条件は以下のとおりである。
Figure 2015212048
セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネートなどのセルロースエステルは、公知の方法により製造することができる。一般的には、原料のセルロースと所定の有機酸(酢酸、プロピオン酸など)と酸無水物(無水酢酸、無水プロピオン酸など)、触媒(硫酸など)と混合して、セルロースをエステル化し、セルロースのトリエステルができるまで反応を進める。トリエステルにおいてはグルコース単位の三個のヒドロキシ基(水酸基)は、有機酸のアシル酸で置換されている。同時に二種類の有機酸を使用すると、混合エステル型のセルロースエステル、例えばセルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレートを作製することができる。次いで、セルロースのトリエステルを加水分解することで、所望のアシル置換度を有するセルロースエステル樹脂を合成する。その後、濾過、沈殿、水洗、脱水、乾燥などの工程を経て、セルロースエステルができあがる。具体的には特開平10−45804号公報に記載の方法を参考にして合成することができる。
セルロースエステルは市販品を使用してもよい。市販品としては、ダイセル社L20、L30、L40、L50、イーストマンケミカル社のCa398−3、Ca398−6、Ca398−10、Ca398−30、Ca394−60S等が挙げられる。
本形態のガスバリア性フィルムでは、基材に上記セルロースエステル以外の他の樹脂を含有させてもよい。他の樹脂としては、特に制限されないが、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、メタクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリスチレン樹脂、透明フッ素樹脂、ポリイミド、フッ素化ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、シクロオレフィルンコポリマー、フルオレン環変性ポリカーボネート樹脂、脂環変性ポリカーボネート樹脂、フルオレン環変性ポリエステル樹脂、アクリロイル化合物などの熱可塑性樹脂が挙げられる。これらは、1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用しても構わない。なお、基材が他の樹脂を含有する場合の他の樹脂の含有量は、基材の透過率など光学特性の観点から、セルロースエステルと他の樹脂との総量に対し、0〜50質量%であることが好ましく、5〜30質量%であることがより好ましい。
(酸化防止剤)
本形態のガスバリア性フィルムは、基材に酸化防止剤を含むことを特徴とする。酸化防止剤としては、下記(1)〜(3)の3種の酸化防止剤が挙げられる。
(1)炭素ラジカル捕捉機能を有する酸化防止剤
(2)パーオキシラジカルに対する水素ラジカル供与能を有する一次酸化防止剤
(3)パーオキサイドに対する還元作用を有する二次酸化防止剤
以下、各酸化防止剤について詳細に説明する。
(1)炭素ラジカル捕捉機能を有する酸化防止剤
本形態のガスバリア性フィルムは、基材に炭素ラジカル捕捉機能を有する酸化防止剤(以下、炭素ラジカル捕捉剤ともいう)を含みうる。本明細書において、「炭素ラジカル捕捉剤」とは、炭素ラジカルが速やかに付加反応しうる基(例えば2重結合、3重結合等の不飽和基)を有し、かつ炭素ラジカル付加後に重合等の後続反応が起こらない安定な生成物を与える化合物を意味する。
上記炭素ラジカル捕捉剤としては分子内に速やかに炭素ラジカルと反応する基((メタ)アクリロイル基、アリール基等の不飽和基)およびフェノール系、ラクトン系化合物等のラジカル重合禁止能を有する化合物が有用であり、特に下記一般式(1)または一般式(2)で表わされる化合物が好ましい。
Figure 2015212048
一般式(1)において、R11は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表し、好ましくは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、特に好ましくは水素原子またはメチル基である。
12およびR13は、それぞれ独立して炭素数1〜8のアルキル基を表し、直鎖でも、分岐構造または環構造を有してもよい。
12およびR13は、好ましくは4級炭素を含む「*−C(CH−R’」で表される構造(*は芳香環への連結部位を表し、R’は炭素数1〜5のアルキル基を表す。)である。
12は、より好ましくはtert−ブチル基、tert−アミル基またはtert−オクチル基である。R13は、より好ましくはtert−ブチル基、tert−アミル基である。上記一般式(1)で表される化合物として、市販のものでは「SumilizerGM、SumilizerGS」(共に商品名、住友化学(株)製)等が挙げられる。
以下に前記一般式(1)で表される化合物の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によって限定されるものではない。
Figure 2015212048
前記一般式(2)において、R22〜R25はおのおの互いに独立して水素原子または置換基を表し、R22〜R25で表される置換基としては特に制限はないが、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、スルホン酸基、カルボキシル基、ヒドロキシル基等の各基が挙げられる。これらの置換基は同様の置換基によってさらに置換されていてもよい。
前記一般式(2)において、R26は水素原子または置換基を表し、R26で表される置換基は、前記R22〜R25で表される置換基と同様な基を挙げることができる。
前記一般式(2)において、nは1または2を表す。前記一般式(2)において、nが1であるとき、R21は置換基を表し、nが2であるとき、R21は2価の連結基を表す。R21が置換基を表すとき、置換基としては、前記R22〜R25で表される置換基と同様な基を挙げることができる。
21は2価の連結基を表すとき、2価の連結基として例えば、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいアリーレン基、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、或いはこれらの連結基の組み合わせを挙げることができる。
前記一般式(2)において、nは1が好ましい。
次に、前記一般式(2)で表される化合物の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によって限定されるものではない。
Figure 2015212048
(2)パーオキシラジカルに対する水素ラジカル供与能を有する一次酸化防止剤
本形態のガスバリア性フィルムは、基材にパーオキシラジカルに対する水素ラジカル供与能を有する一次酸化防止剤(以下、一次酸化防止剤とも称する)を含みうる。本明細書において、「パーオキシラジカルに対する水素ラジカル供与能を有する一次酸化防止剤」とは、パーオキシラジカルによって速やかに引き抜かれる水素原子を分子内に少なくとも1つ以上有する化合物であり、水酸基あるいは1級または2級のアミノ基によって置換された芳香族化合物または立体障害性基を有する複素環化合物であることが好ましく、より好ましくは、オルト位にアルキル基を有するフェノール系化合物あるいはヒンダードアミン系化合物である。
(3)パーオキサイドに対する還元作用を有する二次酸化防止剤
本形態のガスバリア性フィルムは、基材にパーオキサイドに対する還元作用を有する二次酸化防止剤(以下、二次酸化防止剤ともいう)を含みうる。本明細書において「パーオキサイドに対する還元作用を有する二次酸化防止剤」とは、パーオキサイドを速やかに還元して水酸基に変換する還元剤を意味する。
パーオキサイドに対する還元能を有する二次酸化防止剤としてはリン系化合物、または硫黄系化合物が好ましい。
本形態のガスバリア性フィルムでは、上記(1)〜(3)の酸化防止剤のうち、化学構造中に水酸基を有するものを用いることが好ましい。水酸基を有する酸化防止剤を使用することにより、基材と後述のハードコート層との密着性、ハードコート層とガスバリア層との密着性がより一層高まるため、結果的に高いガスバリア性を有するガスバリア性フィルムとすることができる。水酸基を有する酸化防止剤としては、具体的には、上記一般式(1)で表される酸化防止剤(例えば、「SumilizerGM」、「SumilizerGS」(共に商品名、住友化学(株)製)が挙げられる。
上記酸化防止剤は、1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用しても構わない。また、酸化防止剤の含有量は、基材を構成する樹脂の総質量に対し、2〜10質量%であることが好ましく、3〜6質量%であることがより好ましい。含有量を2質量%以上とすることにより、基材の黄変をより効果的に防ぐことができる。一方、含有量を10質量%以下とすることによりブリードアウトを軽減できる。
本形態において、基材は、上記酸化防止剤以外の他の添加剤を含有してもよい。他の添加剤としては、例えば、リターデーション上昇剤、可塑剤、水素結合性化合物、活性剤、着色剤、紫外線吸収剤、マット剤、アクリル粒子、水素結合性溶媒、イオン性界面活性剤などが挙げられる。
本形態において、基材の厚みは、ガスバリア性フィルムの用途によって適宜選択されるため特に制限がないが、好ましくは5〜200μmであり、より好ましくは10〜100μmであり、さらに好ましくは15〜50μmである。厚さが上記範囲内であれば、ガスバリア性フィルムにおいて、フレキシブル性を保ちつつ、十分な強度を確保することができる。
上記基材の製造方法は、特に制限されず、従来公知の方法を適宜採用することができ、例えば、溶液流延法、溶融流延法等の成膜法により製造することができる。また、成膜後の基材は、本形態のガスバリア性フィルムの用途により、必要に応じて延伸処理を行い、ことで基材中の分子の配向を制御するが好ましい。
[ハードコート層]
本形態のガスバリア性フィルムは、基材とガスバリア層との間にハードコート層を有することを特徴とする。本形態において、ハードコート層は、基材とガスバリア層との密着性を高め、ガスバリア性を向上させる機能を有する。また、ハードコート層を設けることにより、ガスバリア層形成時の熱による基材へのダメージが抑えられるため、基材の黄変等の着色を防ぐことができる。さらには、基材の表面を平坦化する機能や、基材中から未反応のオリゴマー等が表面へ移行して、基材に隣接する層を汚染するのを抑制する機能をも有し得る。本形態において、ハードコート層の構成は特に制限されないが、一般に、感光性樹脂または熱硬化性樹脂から構成されうる。なお、本明細書において、「感光性樹脂」とは、紫外線や電子線のような活性線(以下「活性エネルギー線」ともいう)照射により架橋反応等を経て硬化する樹脂をいう。
感光性樹脂は、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマー成分に、活性線を照射し、硬化させることによって形成されうる。具体的には、紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂等が挙げられ、なかでも、紫外線硬化性樹脂は、機械的膜強度(耐擦傷性、鉛筆硬度)に優れる点から好ましい。
感光性樹脂としては、基材との密着性や、表面硬度を向上させる観点から、多官能(メタ)アクリレート化合物が好ましく用いられる。なお、本明細書において、多官能(メタ)アクリレート化合物とは、分子中に2個以上のアクリロイルオキシ基及び/又はメタクロイルオキシ基を有する化合物である。
多官能(メタ)アクリレート化合物のモノマーとしては、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタグリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートが好ましく挙げられる。
上記多官能(メタ)アクリレート化合物のうち、ペンタエリスリトール多官能(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール多官能(メタ)アクリレートよりなる群から選ばれるペンタエリスリトール誘導体であることが好ましい。すなわち、本形態において、ハードコート層は、ペンタエリスリトール誘導体の重合物を含有することが好ましい。具体的には、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートであることが好ましく、分子内に遊離の水酸基を有する、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートがより好ましい。このような構成とすることにより、ハードコート層と基材との密着性およびハードコート層とガスバリア層との密着性がより向上し、ガスバリア性フィルムにおいて、より高いガスバリア性能が発揮されうる。特に、遊離の水酸基を有するペンタエリスリトール多官能(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール多官能(メタ)アクリレートを用いることにより、三次元構造を有する重合物が得られるため、より硬度の高いハードコート層を形成することができる。これらの化合物は、それぞれ単独又は2種以上を混合して用いられる。また、上記モノマーの2量体、3量体等のオリゴマーであってもよい。
これらの市販品としては、アデカオプトマーKR・BYシリーズ:KR−400、KR−410、KR−550、KR−566、KR−567、BY−320B((株)ADEKA製);コーエイハードA−101−KK、A−101−WS、C−302、C−401−N、C−501、M−101、M−102、T−102、D−102、NS−101、FT−102Q8、MAG−1−P20、AG−106、M−101−C(広栄化学(株)製);セイカビームPHC2210(S)、PHC X−9(K−3)、PHC2213、DP−10、DP−20、DP−30、P1000、P1100、P1200、P1300、P1400、P1500、P1600、SCR900(大日精化工業(株)製);KRM7033、KRM7039、KRM7130、KRM7131、UVECRYL29201、UVECRYL29202(ダイセル・ユーシービー(株)製);RC−5015、RC−5016、RC−5020、RC−5031、RC−5100、RC−5102、RC−5120、RC−5122、RC−5152、RC−5171、RC−5180、RC−5181(DIC(株)製);オーレックスNo.340クリヤ(中国塗料(株)製);サンラッドH−601、RC−750、RC−700、RC−600、RC−500、RC−611、RC−612(三洋化成工業(株)製);SP−1509、SP−1507(昭和高分子(株)製);RCC−15C(グレース・ジャパン(株)製)、アロニックスM−6100、M−8030、M−8060、アロニックスM−215、アロニックスM−315、アロニックスM−313、アロニックスM−327(東亞合成(株)製)、NK−エステルA−TMM−3L、NK−エステルAD−TMP、NK−エステルATM−35E、NKハードB−420、NKエステルA−DOG、NKエステルA−IBD−2E、A−9300、A−9300−1CL(新中村化学工業(株))、PE−3A(共栄社化学)などが挙げられる。
ハードコート層がペンタエリスリトール誘導体の重合物を含有する場合において、ハードコート層を形成する際のハードコート層用塗布液中のペンタエリスリトール誘導体の含有量は、15質量%以上50質量%未満であることが好ましい。含有量を15質量%以上とすることにより、酸化防止剤とペンタエリスリトール誘導体とが相互作用し、熱や紫外線に対する安定性が向上し得る。一方、含有量が50質量%未満であると、ガスバリア層をプラズマCVD法により形成する場合において、SiOCと結合できないペンタエリスリトールの水酸基が残らず、密着性が低下するのを防ぐことができる。
また、本形態におけるハードコート層は、単官能(メタ)アクリレートをさらに含有しても良い。単官能(メタ)アクリレートとしては、イソボロニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。このような単官能(メタ)アクリレートは、日本化成工業株式会社、新中村化学工業株式会社、大阪有機化学工業株式会社等から市販品を入手できる。
単官能(メタ)アクリレートを用いる場合の、多官能(メタ)アクリレートと単官能(メタ)アクリレートの含有割合は、質量比で、多官能(メタ)アクリレート:単官能(メタ)アクリレート=80:20〜99:2であることが好ましい。
本形態のハードコート層は、感光性樹脂の硬化促進のために、光重合開始剤含有することが好ましい。
光重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、チウラム化合物類、フルオロアミン化合物などが用いられる。光重合開始剤の具体例としては、2,2’−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1−ヒドロキシジメチルフェニルケトン、2−メチル−4’−メチルチオ−2−モリホリノプロピオフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モリホリノフェニル)−ブタノン1などのアセトフェノン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルレタールなどのベンゾイン類、ベンゾフェノン、2,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、p−クロロベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、アントラキノン類、チオキサントン類などがある。これらの光重合開始剤は単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせたり、共融混合物であってもよい。特に、硬化性組成物の安定性や重合反応性等からアセトフェノン類を用いることが好ましい。
このような光重合開始剤は市販品を用いてもよく、例えば、例えば、BASFジャパン(株)製のイルガキュアー184、イルガキュアー907、イルガキュアー651などが好ましい例示として挙げられる。
ハードコート層は、必要に応じて、性能を損なわない範囲で、顔料、充填剤、分散剤、可塑剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、酸化防止剤、チクソトロピー化剤等を含んでもよい。これらの添加剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
ハードコート層の厚さは、0.5〜15μmが好ましく、1〜5μmであることがより好ましい。厚さを0.5μm以上とすることにより、十分な平滑性が得られ、ガスバリア性フィルムにおいて優れたガスバリア性能が発揮されうる。一方、厚さを15μm以下とすることにより、折り曲げた際にハードコート層が割れるのを防ぐことができる。
ハードコート層の形成方法は、特に制限されず、従来公知の方法を適宜採用することができる。例えば、ハードコート剤、および必要に応じて他の成分を配合して、適宜必要に応じて用いる希釈溶剤によって塗布液として調製し、塗布液を基材上に従来公知の塗布方法によって塗布した後、電離放射線を照射して硬化させることにより形成することができる。なお、電離放射線を照射する方法としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、メタルハライドランプ等から発せられる100〜400nm、好ましくは200〜400nmの波長領域の紫外線を照射する、または走査型やカーテン型の電子線加速器から発せられる100nm以下の波長領域の電子線を照射することにより行うことができる。
[ガスバリア層]
本形態のガスバリア性フィルムは、基材上に設けられたハードコート層の上に、ガスバリア層を有する。本形態においては、ガスバリア層は、酸化ケイ素等のケイ素化合物から構成されることが好ましい。
ガスバリア層の膜厚は、30〜370nmであることが好ましく、50〜330nmであることがより好ましい。ガスバリア層の膜厚が30nm以上であると、ガスバリア性フィルムのガスバリア性能が良好となり得る。一方、ガスバリア層の膜厚が300nm以下であると、ガスバリア性フィルムがカールするのを防ぐことができる。
ガスバリア層の水蒸気透過度は、9×10−3g/(m・24h)以下であることが好ましく、5×10−3g/(m・24h)以下であることがより好ましい。
ガスバリア層は、乾式成膜法および/または湿式成膜法により形成されてなる。
乾式成膜法により形成されるガスバリア層は、酸化ケイ素等のケイ素化合物から構成されることが好ましく、これ以外にも、二硫化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化スズ、酸化ガリウム、酸化インジウムスズ(ITO)、アルミニウム添加亜鉛酸化物(AZO)、亜鉛スズ複合酸化物(ZTO)、窒化アルミニウム、炭化ケイ素等の非ケイ素金属酸化物をさらに含んでいてもよい。
湿式成膜法により形成されるガスバリア層は、ケイ素化合物であるポリシラザン改質物を含むことが好ましい。その他必要に応じてアミン触媒および金属触媒等の添加剤を含んでいてもよい。
ポリシラザン改質物とは、ポリシラザンを改質することによって得られる改質物を意味する。ポリシラザン改質物は、ポリシラザンが改質されて得られる酸化ケイ素を含む。その他、ポリシラザンが改質されて得られる窒化ケイ素および/または酸化窒化ケイ素が含まれていてもよい。
ポリシラザンは、その構造内にSi−N、Si−H、N−H等の結合を有するポリマーである。ポリシラザンとしては、特に制限されないが、改質処理を行うことを考慮すると、比較的低温でセラミック化してシリカに変性する化合物であることが好ましく、例えば、特開平8−112879号公報に記載の下記の一般式で表される単位からなる主骨格を有する化合物であることが好ましい。
Figure 2015212048
上記一般式において、R、R、およびRは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、またはアルコキシ基を表す。
ポリシラザンは、得られるガスバリア層の緻密性の観点から、R、R、およびRのすべてが水素原子であるパーヒドロポリシラザン(以下、「PHPS」とも称する)であることが特に好ましい。
パーヒドロポリシラザンは直鎖構造と6員環および8員環を中心とする環構造とが存在した構造と推定されている。その分子量は数平均分子量(Mn)で約600〜2000程度(ポリスチレン換算)であり、分子量によって液体または固体の物質でありうる。当該パーヒドロポリシラザンは、市販品を使用してもよく、市販品としては、NN120、NN110、NAX120、NAX110、NL120A、NL110A、NL150A、NP110、NP140(AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製)等が挙げられる。
低温でセラミック化するポリシラザンの別の例としては、上記一般式で表されるポリシラザンにケイ素アルコキシドを反応させて得られるケイ素アルコキシド付加ポリシラザン(例えば、特開平5−238827号公報)、グリシドールを反応させて得られるグリシドール付加ポリシラザン(例えば、特開平6−122852号公報)、アルコールを反応させて得られるアルコール付加ポリシラザン(例えば、特開平6−240208号公報)、金属カルボン酸塩を反応させて得られる金属カルボン酸塩付加ポリシラザン(例えば、特開平6−299118号公報)、金属を含むアセチルアセトナート錯体を反応させて得られるアセチルアセトナート錯体付加ポリシラザン(例えば、特開平6−306329号公報)、金属微粒子を添加して得られる金属微粒子添加ポリシラザン(例えば、特開平7−196986号公報)等が挙げられる。
ポリシラザンは改質により転化して酸化ケイ素を生じる。ポリシラザンの酸化ケイ素への改質機構としては、ポリシラザンの水の加水分解による改質が挙げられる。具体的には、ポリシラザンのSi−N結合が水により加水分解され、これによってポリマー主鎖が切断されることでSi−OHを形成する。そして、改質条件下において2つのSi−OHが脱水縮合すると、Si−O−Si結合を形成し、硬化することで酸化ケイ素を生じる。
また、ポリシラザンの改質を特に真空紫外光の照射により行った場合には、上記酸化ケイ素への改質機構とともに、または代えてポリシラザンの直接酸化による酸化ケイ素への改質が起こりうる。具体的には、ポリシラザンに真空紫外光を照射すると、真空紫外光や、真空紫外光によって活性化されたオゾンおよび活性酸素等によって、ポリシラザン中のHやNが、直接Oと置き換わって(すなわち、シラノールを経由することなく)Si−O−Si結合を形成し、硬化することで酸化ケイ素を生じる(光量子プロセスと呼ばれる光子の作用)。
この際、真空紫外光の照射によるポリシラザンの改質においては、上記ポリシラザンの直接酸化による酸化ケイ素への改質とともに、または代えて窒化ケイ素および/または酸化窒化ケイ素への改質が起こりうる。具体的には、ポリシラザンに真空紫外光を照射すると、励起等によりポリシラザン中のSi−H結合やN−H結合が比較的容易に切断され、不活性雰囲気下ではSi−Nとして再結合する。これにより、窒化ケイ素や酸化窒化ケイ素が生じうる。
なお、ポリシラザンの改質を真空紫外光の照射によって行う場合、ポリシラザンが直接酸化されることから、高密度で欠陥の少ない改質膜を形成することができ、高いガスバリア性を有するガスバリア層が形成されうる。なお、本明細書において、「真空紫外光(VUV光)」とは、波長200nm以下の高いエネルギーを有する紫外光を意味する。
上記改質機構はあくまで推測のものであり、ポリシラザンが上記機構とは異なる機構によって酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化窒化ケイ素が生じる場合であっても、本発明の技術的範囲に含まれる。
湿式成膜法により形成されるガスバリア層は、アミン触媒および/または金属触媒を含んでいてもよい。前記アミン触媒および前記金属触媒を添加することで、ポリシラザンの改質を促進することができる。
前記アミン触媒としては、特に制限されないが、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、3−モルホリノプロピルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ジアミノヘキサンが挙げられる。
前記金属触媒としては、特に制限されないが、白金アセチルアセトナート等の白金化合物、プロピオン酸パラジウム等のパラジウム化合物、ロジウムアセチルアセトナート等のロジウム化合物が挙げられる。
本形態のガスバリア層は、1層のみからなるものであってもよいし、2層以上が積層されたものであってもよい。また、本形態のガスバリア層は、乾式成膜法で形成されたものであってもよいし、湿式成膜法で形成されたものであっても構わない。なかでも、ガスバリア層は、プラズマCVD法または塗布法の少なくとも一方により形成されてなることが好ましく、ハードコート層上にプラズマCVD法により形成されてなる層と、塗布法により形成されてなる層とが順次積層されてなることがより好ましい。なお、当該塗布法により形成されてなる層は、1層からなるものであってもよいし、2層以上が積層されてなるものであってもよい。上記構成により、ガスバリア性フィルムにおいて、優れたガスバリア性を発揮させることができる。以下、ガスバリア層の形成方法について詳細に説明する。
[ガスバリア層の形成方法]
(乾式成膜法)
乾式製膜法としては、物理気相成長法および化学気相成長法が挙げられる。これにより、酸化ケイ素、必要に応じて非ケイ素金属酸化物を含むガスバリア層を形成することができる。
前記物理気相成長法とは、気相中で物質の表面に物理的手法により目的とする物質の薄膜を堆積する方法をいい、蒸着法(抵抗加熱法、電子ビーム蒸着法、分子線エピタキシー法)、イオンプレーティング法、スパッタ法等が挙げられる。一方、前記化学気相成長法(化学蒸着法、CVD法)とは、基材等の上に、目的とする薄膜の成分を含む原料ガスを供給し、基板表面または気相における化学反応により膜を堆積させる方法をいい、熱CVD法、触媒化学気相成長法、光CVD法、プラズマCVD法等が挙げられる。これらのうち、スパッタ法、プラズマCVD法を用いることが好ましく、プラズマCVD法を用いることがより好ましい。以下、プラズマCVD法を例に挙げて説明する。
プラズマCVD法においてプラズマを発生させる際には、複数の成膜ローラーの間の空間にプラズマ放電を発生させることが好ましく、一対の成膜ローラーを用い、その一対の成膜ローラーのそれぞれにフィルムを配置して、一対の成膜ローラー間に放電してプラズマを発生させることがより好ましい。このようにして、一対の成膜ローラーを用い、その一対の成膜ローラー上にフィルムを配置して、かかる一対の成膜ローラー間に放電することにより、成膜時に一方の成膜ローラー上に存在するフィルムを成膜しつつ、もう一方の成膜ローラー上に存在する基材の表面部分も同時に成膜することが可能となって効率よく薄膜を製造できるばかりか、通常のローラーを使用しないプラズマCVD法と比較して成膜レートを倍にでき、なおかつ、略同一である構造の膜を成膜できる。
また、このようにして一対の成膜ローラー間に放電する際には、前記一対の成膜ローラーの極性を交互に反転させることが好ましい。さらに、このようなプラズマCVD法に用いる成膜ガスとしては、有機ケイ素化合物と酸素とを含むものが好ましく、その成膜ガス中の酸素の含有量は、前記成膜ガス中の前記有機ケイ素化合物の全量を完全酸化するのに必要な理論酸素量未満であることが好ましい。また、乾式成膜法により形成されたガスバリア層は連続的な成膜プロセスにより形成された層であることが好ましい。
また、生産性の観点から、ロール・トゥ・ロール方式でハードコート層上に、ガスバリア層を形成させることが好ましい。また、このようなプラズマCVD法によりガスバリア層を形成する際に用いることが可能な装置としては、特に制限されないが、少なくとも一対の成膜ローラーと、プラズマ電源とを備え、かつ前記一対の成膜ローラー間において放電することが可能な構成となっている装置であることが好ましく、例えば、図1に示す製造装置を用いた場合には、プラズマCVD法を利用しながらロール・トゥ・ロール方式で製造することも可能となる。
以下、図1を参照しながら、基材を使用した場合において、基材を一対の成膜ローラー上に配置し、前記一対の成膜ローラー間に放電してプラズマを発生させるプラズマCVD法によるガスバリア層の形成方法について、より詳細に説明する。なお、図1は、本方法よりガスバリア層を形成するために好適に利用することが可能な製造装置の一例を示す模式図である。また、以下の説明および図面中、同一または相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図1に示す製造装置31は、送り出しローラー32と、搬送ローラー33、34、35、36と、成膜ローラー39、40と、ガス供給管41と、プラズマ発生用電源42と、成膜ローラー39および40の内部に設置された磁場発生装置43、44と、巻取りローラー45とを備えている。また、このような製造装置においては、少なくとも成膜ローラー39、40と、ガス供給管41と、プラズマ発生用電源42と、磁場発生装置43、44とが図示を省略した真空チャンバ内に配置されている。さらに、このような製造装置31において前記真空チャンバは図示を省略した真空ポンプに接続されており、かかる真空ポンプにより真空チャンバ内の圧力を適宜調整することが可能となっている。
このような製造装置においては、一対の成膜ローラー(成膜ローラー39と成膜ローラー40)を一対の対向電極として機能させることが可能となるように、各成膜ローラーがそれぞれプラズマ発生用電源42に接続されている。そのため、このような製造装置31においては、プラズマ発生用電源42により電力を供給することにより、成膜ローラー39と成膜ローラー40との間の空間を放電することが可能であり、これにより成膜ローラー39と成膜ローラー40との間の空間にプラズマを発生させることができる。なお、このように、成膜ローラー39と成膜ローラー40とを電極としても利用する場合には、電極としても利用可能なようにその材質や設計を適宜変更すればよい。また、このような製造装置においては、一対の成膜ローラー(成膜ローラー39および40)は、その中心軸が同一平面上において略平行となるようにして配置することが好ましい。このようにして、一対の成膜ローラー(成膜ローラー39および40)を配置することにより、成膜レートを倍にでき、なおかつ、同じ構造の膜を成膜できる。そして、このような製造装置によれば、CVD法によりガスバリア層を形成することが可能であり、成膜ローラー39上においてガスバリア層成分を堆積させつつ、さらに成膜ローラー40上においてもガスバリア層成分を堆積させることもできるため、効率よくガスバリア層を形成することができる。
成膜ローラー39および成膜ローラー40の内部には、成膜ローラーが回転しても回転しないようにして固定された磁場発生装置43および44がそれぞれ設けられている。
成膜ローラー39および成膜ローラー40にそれぞれ設けられた磁場発生装置43および44は、一方の成膜ローラー39に設けられた磁場発生装置43と他方の成膜ローラー40に設けられた磁場発生装置44との間で磁力線がまたがらず、それぞれの磁場発生装置43、44がほぼ閉じた磁気回路を形成するように磁極を配置することが好ましい。このような磁場発生装置43、44を設けることにより、各成膜ローラー39、40の対向側表面付近に磁力線が膨らんだ磁場の形成を促進することができ、その膨出部にプラズマが収束され易くなるため、成膜効率を向上させることができる点で優れている。
また、成膜ローラー39および成膜ローラー40にそれぞれ設けられた磁場発生装置43、44は、それぞれローラー軸方向に長いレーストラック状の磁極を備え、一方の磁場発生装置43と他方の磁場発生装置44とは向かい合う磁極が同一極性となるように磁極を配置することが好ましい。このような磁場発生装置43、44を設けることにより、それぞれの磁場発生装置43、44について、磁力線が対向するローラー側の磁場発生装置にまたがることなく、ローラー軸の長さ方向に沿って対向空間(放電領域)に面したローラー表面付近にレーストラック状の磁場を容易に形成することができ、その磁場にプラズマを収束させることができため、ローラー幅方向に沿って巻き掛けられた幅広の基材等に効率的に蒸着膜であるガスバリア層を形成することができる点で優れている。
成膜ローラー39および成膜ローラー40としては適宜公知のローラーを用いることができる。このような成膜ローラー39および40としては、より効率よく薄膜を形成せしめるという観点から、直径が同一のものを使うことが好ましい。また、このような成膜ローラー39および40の直径としては、放電条件、チャンバのスペース等の観点から、直径が300〜1000mmφの範囲、特に300〜700mmφの範囲であることが好ましい。成膜ローラーの直径が300mmφ以上であれば、プラズマ放電空間が小さくなることがないため生産性の劣化もなく、短時間でプラズマ放電の全熱量が基材等にかかることを回避できることから、基材等へのダメージを軽減することができるため好ましい。一方、成膜ローラーの直径が1000mmφ以下であれば、プラズマ放電空間の均一性等も含めて装置設計上、実用性を保持することができるため好ましい。
このような製造装置31においては、基材等の表面がそれぞれ対向するように、一対の成膜ローラー(成膜ローラー39と成膜ローラー40)上に、基材等が配置されている。このようにして基材等を配置することにより、成膜ローラー39と成膜ローラー40との間の対向空間に放電を行ってプラズマを発生させる際に、一対の成膜ローラー間に存在する基材等のそれぞれの表面を同時に成膜することが可能となる。すなわち、このような製造装置によれば、プラズマCVD法により、成膜ローラー39上にて基材等の表面上にガスバリア層成分を堆積させ、さらに成膜ローラー40上にてガスバリア層成分を堆積させることができるため、基材等の表面上にガスバリア層を効率よく形成することが可能とな
る。
このような製造装置に用いる送り出しローラー32および搬送ローラー33、34、35、36としては適宜公知のローラーを用いることができる。また、巻取りローラー45としても、基材等の上にガスバリア層を形成したフィルムを巻き取ることが可能なものであればよく、特に制限されず、適宜公知のローラーを用いることができる。
また、ガス供給管41および真空ポンプとしては、原料ガス等を所定の速度で供給または排出することが可能なものを適宜用いることができる。
また、ガス供給手段であるガス供給管41は、成膜ローラー39と成膜ローラー40との間の対向空間(放電領域;成膜ゾーン)の一方に設けることが好ましく、真空排気手段である真空ポンプ(図示せず)は、前記対向空間の他方に設けることが好ましい。このようにガス供給手段であるガス供給管41と、真空排気手段である真空ポンプを配置することにより、成膜ローラー39と成膜ローラー40との間の対向空間に効率良く成膜ガスを供給することができ、成膜効率を向上させることができる点で優れている。
さらに、プラズマ発生用電源42としては、適宜公知のプラズマ発生装置の電源を用いることができる。このようなプラズマ発生用電源42は、これに接続された成膜ローラー39と成膜ローラー40とに電力を供給して、これらを放電のための対向電極として利用することを可能とする。このようなプラズマ発生用電源42としては、より効率よくプラズマCVDを実施することが可能となることから、前記一対の成膜ローラーの極性を交互に反転させることが可能なもの(交流電源など)を利用することが好ましい。また、このようなプラズマ発生用電源42としては、より効率よくプラズマCVDを実施することが可能となることから、印加電力を100W〜10kWとすることができ、かつ交流の周波数を50Hz〜500kHzとすることが可能なものであることがより好ましい。また、磁場発生装置43、44としては適宜公知の磁場発生装置を用いることができる。
このような図1に示す製造装置31を用いて、例えば、原料ガスの種類、プラズマ発生装置の電極ドラムの電力、真空チャンバ内の圧力、成膜ローラーの直径、ならびにフィルム(基材等)の搬送速度を適宜調整することにより、ガスバリア層を形成することができる。すなわち、図1に示す製造装置31を用いて、成膜ガス(原料ガス等)を真空チャンバ内に供給しつつ、一対の成膜ローラー(成膜ローラー39および40)間に放電を発生させることにより、前記成膜ガス(原料ガス等)がプラズマによって分解され、成膜ローラー39上の基材等の表面上および成膜ローラー40上の基材等の表面上に、ガスバリア層がプラズマCVD法により形成される。この際、成膜ローラー39、40のローラー軸の長さ方向に沿って対向空間(放電領域)に面したローラー表面付近にレーストラック状の磁場が形成して、磁場にプラズマを収束させる。このため、基材等が、図1中の成膜ローラー39のA地点および成膜ローラー40のB地点を通過する際に、ガスバリア層で炭素分布曲線の極大値が形成される。これに対して、基材等が、図2中の成膜ローラー39のC1およびC2地点、ならびに成膜ローラー40のC3およびC4地点を通過する際に、ガスバリア層で炭素分布曲線の極小値が形成される。このため、2つの成膜ローラーに対して、通常、5つの極値が生成する。また、ガスバリア層の極値間の距離(炭素分布曲線の有する1つの極値および該極値に隣接する極値におけるガスバリア層の膜厚方向におけるガスバリア層の表面からの距離(L)の差の絶対値)は、成膜ローラー39、40の回転速度(基材等の搬送速度)によって調節できる。なお、このような成膜に際しては、基材等が送り出しローラー32や成膜ローラー39等により、それぞれ搬送されることにより、ロールツーロール方式の連続的な成膜プロセスにより基材等の表面上にガスバリア層3が形成される。
前記ガス供給管41から対向空間に供給される成膜ガス(原料ガス等)としては、原料ガス、反応ガス、キャリアガス、放電ガスが単独または2種以上を混合して用いることができる。ガスバリア層の形成に用いる前記成膜ガス中の原料ガスとしては、形成するガスバリア層の材質に応じて適宜選択して使用することができる。このような原料ガスとしては、例えば、ケイ素を含有する有機ケイ素化合物や炭素を含有する有機化合物ガスを用いることができる。このような有機ケイ素化合物としては、例えば、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)、ヘキサメチルジシラン(HMDS)、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ビニルトリメチルシラン、メチルトリメチルシラン、ヘキサメチルジシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン(TMOS)、テトラエトキシシラン(TEOS)、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサンが挙げられる。これらの有機ケイ素化合物の中でも、化合物の取り扱い性および得られるガスバリア層のガスバリア性等の特性の観点から、ヘキサメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンが好ましい。これらの有機ケイ素化合物は、単独でもまたは2種以上を組み合わせても使用することができる。また、炭素を含有する有機化合物ガスとしては、例えば、メタン、エタン、エチレン、アセチレンを例示することができる。これら有機ケイ素化合物ガスや有機化合物ガスは、ガスバリア層の種類に応じて適切な原料ガスが選択される。
また、前記成膜ガスとしては、前記原料ガスの他に反応ガスを用いてもよい。このような反応ガスとしては、前記原料ガスと反応して酸化物、窒化物等の無機化合物となるガスを適宜選択して使用することができる。酸化物を形成するための反応ガスとしては、例えば、酸素、オゾンを用いることができる。また、窒化物を形成するための反応ガスとしては、例えば、窒素、アンモニアを用いることができる。これらの反応ガスは、単独でもまたは2種以上を組み合わせても使用することができる。例えば酸窒化物を形成する場合には、酸化物を形成するための反応ガスと窒化物を形成するための反応ガスとを組み合わせて使用することができる。
前記成膜ガスとしては、前記原料ガスを真空チャンバ内に供給するために、必要に応じて、キャリアガスを用いてもよい。さらに、前記成膜ガスとしては、プラズマ放電を発生させるために、必要に応じて、放電用ガスを用いてもよい。このようなキャリアガスおよび放電用ガスとしては、適宜公知のものを使用することができ、例えば、ヘリウム、アルゴン、ネオン、キセノン等の希ガス;水素を用いることができる。
このような成膜ガスが原料ガスと反応ガスを含有する場合には、原料ガスと反応ガスの比率としては、原料ガスと反応ガスとを完全に反応させるために理論上必要となる反応ガスの量の比率よりも、反応ガスの比率を過剰にし過ぎないことが好ましい。反応ガスの比率を過剰にし過ぎないことで、形成されるガスバリア層によって、優れたバリア性や耐屈曲性を得ることができる点で優れている。また、前記成膜ガスが前記有機ケイ素化合物と酸素とを含有するものである場合には、前記成膜ガス中の前記有機ケイ素化合物の全量を完全酸化するのに必要な理論酸素量以下であることが好ましい。
また、真空チャンバ内の圧力(真空度)は、原料ガスの種類等に応じて適宜調整することができるが、0.5Pa〜50Paの範囲とすることが好ましい。
また、このようなプラズマCVD法において、成膜ローラー39と成膜ローラー40との間に放電するために、プラズマ発生用電源42に接続された電極ドラム(本実施形態においては、成膜ローラー39および40に設置されている)に印加する電力は、原料ガスの種類や真空チャンバ内の圧力等に応じて適宜調整することができるものであり一概に言えるものでないが、0.1〜10kWの範囲とすることが好ましい。このような印加電力が100W以上であれば、パーティクルが発生を十分に抑制することができ、他方、10kW以下であれば、成膜時に発生する熱量を抑えることができ、成膜時のフィルム表面の温度が上昇するのを抑制できる。そのためフィルムが熱負けすることなく、成膜時に皺が発生するのを防止できる点で優れている。
フィルムの搬送速度(ライン速度)は、原料ガスの種類や真空チャンバ内の圧力等に応じて適宜調整することができるが、0.25〜100m/分の範囲とすることが好ましく、0.5〜20m/分の範囲とすることがより好ましい。ライン速度が0.25m/分以上であれば、フィルムの熱に起因する皺の発生を効果的に抑制することができる。他方、100m/分以下であれば、生産性を損なうことなく、ガスバリア層として十分な膜厚を確保することができる点で優れている。
上記したように、本実施形態のより好ましい態様としては、ガスバリア層を、図1に示す対向ロール電極を有するプラズマCVD装置(ロール・トゥ・ロール方式)を用いたプラズマCVD法によって成膜するものである。これは、対向ロール電極を有するプラズマCVD装置(ロール・トゥ・ロール方式)を用いて量産する場合に、可撓性(屈曲性)に優れ、機械的強度、特にロール・トゥ・ロールでの搬送時の耐久性と、バリア性能とが両立するガスバリア層を効率よく製造することができるためである。このような製造装置は、太陽電池や電子部品などに使用される温度変化に対する耐久性が求められるガスバリア性フィルムを、安価でかつ容易に量産することができる点でも優れている。
(湿式成膜法)
湿式成膜法は、ポリシラザンを含む塗布液を、ハードコート層上に塗布し、前記ポリシラザンを改質することを含む。これにより、ポリシラザン改質物を含むガスバリア層を得ることができる。
塗布液中のポリシラザンの含有量は、所望のガスバリア層の膜厚や塗布液のポットライフ等によっても異なるが、塗布液の全量に対して、0.2〜35質量%であることが好ましい。
溶媒としては、ポリシラザンと反応するものでなければ特に制限はなく、公知の溶媒が用いられうる。具体的には、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素等の炭化水素系溶媒;脂肪族エーテル、脂環式エーテル等のエーテル系溶媒が挙げられる。より詳細には、炭化水素溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、ソルベッソ、ターベン、塩化メチレン、トリクロロエタン等が挙げられる。また、エーテル系溶媒としては、ジブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。これらの溶媒は単独で、または2種以上を混合して用いられうる。
このうち、塗布液がアミン触媒および/または金属触媒を含む場合には、当該アミン触媒および/または金属触媒は、ポリシラザンに対して、0.1〜10質量%含むことが好ましい。特にアミン触媒については、塗布性の向上および反応の時間の短縮の観点から、ポリシラザンに対して、0.5〜5質量%含むことがより好ましい。
また、一実施形態において、アミン触媒の含有量は、ポリシラザンに対して、2質量%未満であることが好ましい。アミン触媒の含有量が2質量%未満であると、ガスバリア層においてガスバリア性自体に寄与しない成分が低減され、高いガスバリア性が得られることから好ましい。また、後述するポリシラザンの改質方法に加熱が含まれる場合、塗膜全体が改質される。そのため、このような場合には、アミン触媒の含有量を2質量%未満とすることにより、ポリシラザンの改質速度を低下させることで、基材に追従しながら改質が進行するとともに、得られるガスバリア層が熱力学的に安定な形態をとりやすいため、ポリイミド基材およびガスバリア層間の密着性が向上し、ガスバリア層のクラックの発生を防止することができる。
塗布においては、塗布液をハードコート層上に塗布し、塗膜を形成する。塗布液の塗布方法としては、適宜公知の方法が採用されうる。具体的には、スピンコート法、ロールコート法、フローコート法、インクジェット法、スプレーコート法、プリント法、ディップコート法、流延成膜法、バーコート法、グラビア印刷法等が挙げられる。
塗布液の塗布量は、特に制限されないが、上記所望のガスバリア層の厚さとなるように
適宜調節されうる。
ポリシラザンの改質方法は特に制限されず、公知の方法が適用されうる。具体的なポリシラザンの改質方法としては、紫外光の照射、プラズマ照射、加熱、およびこれらの組み合わせ等が挙げられる。
前記紫外光の照射は、公知の方法で紫外光を照射することにより行われうる。紫外光を照射することにより、ポリシラザンが改質されうる。なお、「紫外光の照射」には、塗布液の塗布によって得られた塗膜に紫外光が照射される環境とすることを含む。したがって、「紫外光の照射」には、蛍光灯、黄色灯等の環境下に前記塗膜を静置することも含まれる。これらのうち、紫外光の照射は、酸化性ガス雰囲気下と低湿度環境で行うことが好ましい。
照射する紫外光の波長は、特に限定されないが、10〜450nmであることが好ましく、100〜300nmであることがより好ましく、100〜200nmであることがさらに好ましく、100〜180nmであることが特に好ましい。これらのうち、照射する紫外光は、転化反応をより低温かつ短時間で進める観点から、真空紫外光(波長200nm以下の紫外光)であることが好ましい。
上述のように、真空紫外光の照射により、ポリシラザンがシラノールを経由することなく直接酸化されることから(光量子プロセスと呼ばれる光子の作用)、当該酸化過程において体積変化が少なく、高密度で欠陥の少ない酸化ケイ素、窒化ケイ素、および酸化窒化ケイ素等のケイ素化合物を含む膜が得られうる。また、真空紫外光では、反応雰囲気中に存在する酸素等から高い酸化能力を有するオゾンや活性酸素が生成され、当該オゾンや活性酸素によってもポリシラザンの改質処理を行うことができる。その結果、より緻密な酸化ケイ素、窒化ケイ素、および酸化窒化ケイ素等の膜が得られうる。したがって、真空紫外光の照射によりポリシラザンが改質されて得られるガスバリア層は、高いバリア性を有しうる。なお、真空紫外光照射は、塗膜形成後であればいずれの時点で実施してもよい。
紫外光の光源としては、特に制限されないが、低圧水銀灯、重水素ランプ、キセノンエキシマランプ、メタルハライドランプ、エキシマレーザー等が用いられうる。また、上述のように蛍光灯、黄色灯等であってもよい。これらのうち、キセノンエキシマランプ等の希ガスエキシマランプを用いることが好ましい。
ランプの出力は、400W〜30kWであることが好ましい。照度は、30〜200mW/cmであることが好ましく、50〜160mW/cmであることがより好ましい。照度が30mW/cm以上であると、好適な改質効率が得られうることから好ましい。一方、照度が200mW/cm以下であると、塗膜にアブレーションを生じることがなく、基材にダメージを与えないことから好ましい。照射エネルギーは、10〜10000mJ/cmであることが好ましく、100〜8000mJ/cmであることがより好ましい。
真空紫外光照射時の酸素濃度は0.5体積%以下であることが好ましく、0.1体積%以下であることがより好ましい。酸素濃度が0.5体積%以下であると、大気と酸素との置換時間が短縮されうることから好ましい。
紫外光照射の対象となる塗膜は、塗布時に酸素および微量の水分が混入し、さらには基材や隣接層等にも吸着酸素や吸着水が存在しうる。当該酸素等を利用すれば、照射庫内に新たに酸素を導入しなくとも、改質処理を行う活性酸素やオゾンの発生に要する酸素源は十分でありうる。また、Xeエキシマランプのような172nmの真空紫外光は酸素により吸収されるため、塗膜に到達する真空紫外光量が減少する場合があることから、真空紫外光の照射時には、酸素濃度を低く設定し、真空紫外光が効率よく塗膜まで到達できる条件とすることが好ましい。
真空紫外光の照射雰囲気中の酸素以外のガスは、乾燥不活性ガスであることが好ましく、コストの観点から特に乾燥窒素ガスを用いることがより好ましい。なお、酸素濃度は、照射庫内へ導入する酸素ガス、不活性ガス等のガス流量を計測し、流量比を変えることで調整することができる。
発生させた真空紫外光は、照射効率向上と均一な照射を達成する観点から、発生源からの真空紫外光を反射板で反射させてから改質前のポリシラザン層に照射してもよい。また、真空紫外光照射は、バッチ処理にも連続処理にも適用可能であり、被塗布ポリイミド基材の形状によって適宜選定されうる。例えば、ポリイミド基材が長尺フィルム状である場合には、これを搬送させながら連続的に真空紫外光を照射して改質を行うことが好ましい。
また、前記プラズマ照射は、公知の方法でプラズマを照射することにより行われる。プラズマを照射することにより、紫外光が放出され、結果として、上述の紫外光の照射が行われうる。当該プラズマ照射によれば、波長が150nm以下の高いエネルギーを有する真空紫外光を好適に発生させることができる。
プラズマ照射は、酸素濃度および水蒸気濃度が低減された雰囲気下で行うことが好ましい。具体的には、酸素濃度は、0.001体積%(10体積ppm)以下であることが好ましく、酸素濃度0.0002体積%(2体積ppm)以下であることがより好ましい。
また、水蒸気濃度は、10体積ppm以下であることが好ましく、1体積ppm以下であることがより好ましい。
酸素濃度および水蒸気濃度の調整方法としては、特に制限されないが、装置内を減圧にする方法、ガスフローする方法等が挙げられる。これらのうち、装置内を減圧にする方法により酸素濃度および水蒸気濃度を調整することが好ましい。当該装置内を減圧にする方法は、真空ポンプを用いて大気圧から好ましくは100Pa以下、より好ましくは20Pa以下まで減圧する。
酸素濃度および水蒸気濃度の調整後、所定のガスを導入し、所定の圧力とすることで、プラズマで励起する環境とすることができる。
プラズマによって励起されたガスはエネルギーを放出して失活するが、その際、気体の種類と圧力に依存して、種々の波長の真空紫外光を放出する。プラズマ照射は、真空紫外光を放出する励起種で大別すると、(1)低圧プラズマ処理と、(2)大気圧近傍プラズマ処理と、の2つの方法に分けられる。
(1)低圧プラズマ処理
低圧プラズマ処理は、減圧する方法により酸素濃度および水蒸気濃度の調整し、ガスを装置内に導入することで行われる。低圧プラズマ処理では、低圧下のプラズマにより励起された原子、分子が基底状態もしくは下の準位に落ちる際の真空紫外の発光を利用する。低圧プラズマで発生する真空紫外光の波長は、プラズマを発生させるガス種に依存する。真空紫外光の波長は、短波長であることが好ましく、125nm以下の真空紫外光であることがより好ましい。なお、過度に短波長の真空紫外光であると、高いエネルギー準位に励起される頻度が低くなり、発光強度は著しく減少する。そのため、実質的に低圧プラズマ処理で利用できる比較的高強度の真空紫外光の波長は、50nm以上となる。すなわち、低圧プラズマ処理で利用する光の波長として50〜125nmの範囲であることがより好ましい。
低圧プラズマ処理における圧力は、照射効率の観点から、0.1〜100Paであることが好ましい。
低圧プラズマ処理に使用されるガス種は、特に制限されないが、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)等の希ガスが挙げられる。これらのガス種は単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。なお、ヘリウム(He)を使用する場合に生じる真空紫外光の波長は、通常58.4nmであり、ネオン(Ne)を使用する場合に生じる真空紫外光の波長は、通常73.6nmおよび74.4nmであり、アルゴン(Ar)を使用する場合に生じる真空紫外光の波長は、通常104.8nmおよび106.7nmである。
また、上記希ガス原子のプラズマは、プラズマによる励起によって真空紫外光を発するだけでなく、発光しない準安定な励起状態の原子を多量に形成する。この準安定な励起状態の原子が持つエネルギーを有効利用するために、希ガス中に水素(H)ガスおよび/または窒素(N)ガスを添加してもよい。これらのうち、準安定な励起状態を持たない水素ガスを添加することが好ましい。希ガス中に水素ガス、窒素ガス等の添加ガスを添加すると、準安定な励起状態の希ガス原子の持つ励起エネルギーが効率よく添加ガスの励起に使われる。その結果、希ガス原子の真空紫外発光に、添加ガスの真空紫外発光も加わり、波長150nm以下の真空紫外光の照射強度を増加させることができる。なお、添加ガスは、解離・励起された原子が真空紫外光を発する場合と、励起された分子が真空紫外光を発する場合とがあるが、分子の発光はバンド状になっており、その中心波長は原子の発光波長より長い。なお、励起された水素原子の発する主要な真空紫外光の波長は、通常121nmであり、窒素原子の発する主要な真空紫外光の波長は、通常120nmである。
上記使用されうるガス種のうち、好ましいガス種としては、He、Ne、HeとHの混合ガス、NeとHの混合ガス、ArとHとの混合ガスである。添加ガスの比率は、0.1〜20体積%であることが好ましく、0.5〜10体積%であることがより好ましい。この範囲であれば、添加ガスの効果が顕著に現れ、また、プラズマ密度の減少もほとんど見られず、添加ガスの励起に使われる準安定な励起状態の希ガス原子の密度が上昇しうる。
なお、効率よくプラズマ照射を行う観点から、波長150nm以下の光を吸収して、自身が分解するような多原子分子のガス種(例えばCO、CO、CHSi−H等)は、実質的に含まれないことが好ましい。
低圧プラズマ処理の電源の周波数は、1MHz〜100GHzであることが好ましく、4MHz〜10GHzであることがより好ましい。この範囲であれば、プラズマ生成反応に直接寄与する電子に効率よくエネルギーを与えることができ、電子密度、すなわちプラズマ密度が向上しうる。また、プラズマで発生する真空紫外光の強度が強くなり、また、エネルギーの伝達効率が向上しうる。
低圧プラズマ処理のプラズマ生成方式は、従来公知の方式を用いることができる。具体例としては、例えば、容量結合プラズマ(CCP)、誘導結合プラズマ(ICP)、表面波プラズマ、電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラズマ、ヘリコン波プラズマ等が挙げられる。
低圧プラズマ処理の投入電力密度は、0.1〜20W/cmであることが好ましく、0.3〜10W/cmであることがより好ましい。この範囲であれば、十分な強度の照射ができ、基材の温度上昇による熱変形、プラズマの不均一化、電極などのプラズマ源を構成する部材の損傷などを防止することができる。なお、本明細書において「投入電力密度」とは、プラズマへの投入電力の大きさの指標を意味し、プラズマの大きさを反映するプラズマ源の占める面積で規格化したものである。投入電力密度は、単位面積あたりの塗膜に照射される真空紫外光の照射強度に相関するパラメータとなる。なお、特に、容量結合プラズマのような有電極プラズマの場合には、高周波を印加する側の電極面積が、実質的にプラズマの大きさを規定しており、これをプラズマ源の占める面積とする。
(2)大気圧近傍プラズマ処理
大気圧近傍プラズマ処理は、減圧する方法またはガスフローする方法により酸素濃度および水蒸気濃度の調整し、ガスを装置内に導入し、装置内を大気圧近傍の圧力とすることで行われる。大気圧近傍プラズマ処理では、エキシマの発光を利用することが好ましい。
大気圧近傍プラズマ処理に利用されるガス種は、特に制限されないが、150nm以下のエキシマ光を発光させる観点から、アルゴン(Ar)であることが好ましい。なお、Arを使用する場合に生じる真空紫外光の波長は、通常126nmである。また、Arエキシマ(Ar )は、プラズマにより形成された準安定状態のAr原子(Ar)をもとに、次式で表される3体衝突反応で生じるとされている。
Figure 2015212048
ガス種としてアルゴンを使用する場合、プラズマ密度等の観点から、アルゴン以外の不純物ガスは少ないことが好ましく、1体積%以下であることがより好ましく、0.5体積%以下であることがさらに好ましい。
なお、効率よくプラズマ照射を行う観点から、波長150nm以下の光を吸収して、自身が分解するような多原子分子のガス種(例えばCO、CO、CHSi−H等)は、実質的に含まれないことが好ましい。
大気圧近傍プラズマ処理における圧力は、1〜110kPaであることが好ましく、10〜90kPaであることがより好ましい。したがって、大気圧近傍プラズマ処理は、大気圧下で行うことも、わずかに減圧もしくは加圧して行うこともできる。これらのうち、効率的なプラズマ照射を行う観点から、わずかに減圧して行うことが好ましい。
大気圧近傍プラズマ処理のプラズマ生成方式は、従来公知の大気圧近傍でプラズマを生成できる方式を用いることができる。具体例としては、例えば、誘電体バリア放電を用いるダイレクト処理方式が挙げられる。
大気圧近傍プラズマ処理の電源の周波数は、50Hz〜1GHzであることが好ましく、1kHz〜100MHzであることがより好ましい。この範囲であれば、プラズマで形成される準安定状態の原子が多く、高い照射光度の真空紫外光が得られうる。また、プラズマのガス温度が低く抑えることができ、基材等に熱的な損傷を与えることを防止することができる。
大気圧近傍プラズマ処理の投入電力密度は、0.1〜20W/cmであることが好ましく、0.3〜10W/cmであることがより好ましい。この範囲であれば、十分な強度の照射ができ、基材の温度上昇による熱変形、プラズマの不均一化、電極などのプラズマ源を構成する部材の損傷などを防止することができる。
さらに、前記加熱によってもポリシラザンが改質しうる。加熱の方法としては、特に制限はなく、ヒートブロック等の発熱体に基材を接触させ熱伝導により塗膜を加熱する方法、抵抗線等による外部ヒーターにより雰囲気を加熱する方法、IRヒーターの様な赤外領域の光を用いた方法等が挙げられる。また、デバイス形成工程における高温環境としてもよい。すなわち、ガスバリア層の少なくとも一部のポリシラザンが未改質のフィルムを製造し、これをデバイス形成工程に適用してその過程で未改質のポリシラザンの少なくとも一部を改質してもよい。これらの方法は、塗膜の平滑性等の観点から適宜選択されうる。
加熱処理の温度としては、特に制限はないが、50〜200℃であることが好ましく、80〜150℃であることがより好ましい。また、加熱時間としては1秒〜10時間であることが好ましく、10秒〜1時間であることがより好ましい。
ポリシラザンの改質は、紫外光照射またはプラズマ照射と、加熱処理とを組み合わせることが好ましい。紫外光照射またはプラズマ照射と、加熱処理とを組み合わせることにより、改質が促進されうる。
上述の改質処理によって得られるガスバリア層の膜厚や密度等は、塗布条件、紫外光の強度、照射時間、波長(光のエネルギー密度)、および照射方法、プラズマ照射の方法、ガス種、圧力、電源の周波数、および投入電力密度、並びに加熱温度等を適宜選択することにより制御することができる。例えば、紫外光の照射方法を、連続照射、複数回に分割した照射、複数回の照射が短時間な、いわゆるパルス照射等から適宜選択することで、ガスバリア層の膜厚や密度等が制御されうる。
改質処理の程度については、形成されたガスバリア層をXPS表面分析することによって、ケイ素(Si)原子、窒素(N)原子、酸素(O)原子等の各原子組成比を求めることで確認できる。
なお、ポリシラザンの改質は、上記加熱、紫外光の照射時、プラズマ照射時のみに起こるものではなく、塗布液をポリイミド基材上に塗布した後から生じうる。
上述したように、ポリシラザンを紫外光の照射、プラズマ照射、加熱、およびこれらの組み合わせ等の方法により改質することで、酸化ケイ素を含むポリシラザン改質物を得ることができる。また、特に前記改質が、真空紫外光の照射を含む場合には、酸化ケイ素とともに、窒化ケイ素および/または酸化窒化ケイ素を含むポリシラザン改質物が得られうる。
<電子デバイス>
本発明の一形態によれば、電子デバイス本体と、上述のガスバリア性フィルムとを含む電子デバイスが提供される。
電子デバイス本体としては、特に制限されず、ガスバリア性フィルムが適用されうる公知の電子デバイス本体が挙げられる。例えば、太陽電池(PV)、液晶表示素子(LCD)、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子等が挙げられる。これらの電子デバイス本体の構成についても、特に制限はなく、公知の構成を有しうる。例えば、有機EL素子は、基板、陰電極、電子注入層、電子輸送層、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、陽電極等を有しうる。
上述のガスバリア性フィルムは、基材、封止用材料等に使用されうる。基材として、例えば、太陽電池に使用される場合には、ガスバリア性フィルム上にITO等の透明導電性薄膜を透明電極として設けた樹脂支持体として適用することができる。この場合、ガスバリア性フィルムは、電子デバイス本体に組み込まれている。また、封止用材料として使用される場合には、例えば、液晶表示素子を封止した電子デバイスが得られうる。本発明に係るガスバリア性フィルムは、封止用材料として、電子デバイス本体の封止に用いられることが好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<ガスバリア性フィルムの作製>
[実施例1〜6、比較例1〜4]
基材、ハードコート層、およびガスバリア層を下記表2に記載の構成とすることにより、実施例1〜6、比較例1〜4のガスバリア性フィルムを作製した。各々の、基材の作製方法、ハードコート層およびガスバリア層の形成方法は以下の通りである。
1.基材の作製
〔基材TAC1の作製〕
(微粒子分散液1の調製)
微粒子(アエロジル R972V 日本アエロジル(株)製)11質量部、エタノール89質量部をディゾルバーを用いて50分間攪拌混合した後、マントンゴーリンを用いて分散させ、微粒子分散液1を得た。
(微粒子添加液1の調製)
メチレンクロライド99質量部を入れた溶解タンクに、十分攪拌しながら、微粒子分散液1 5質量部をゆっくりと添加し、更に、アトライターを用いて分散を行った。これを日本精線(株)製のファインメットNFを用いてろ過し、微粒子添加液1を得た。
(主ドープの調製)
下記組成の主ドープを調製した。
メチレンクロライド 340質量部
エタノール 64質量部
セルロースエステル:アセチル置換度2.88のセルローストリアセテート、数平均分子量87000 4質量部
糖エステル化合物FA−4 5質量部
微粒子添加液1 1質量部。
まず、加圧溶解タンクにメチレンクロライドとエタノールを入れた後、セルロースエステル、糖エステル化合物FA−4、微粒子添加液1を攪拌しながら投入した。これを攪拌しながら加熱し、セルロースエステル、糖エステル化合物FA−4を完全に溶解させた。これを安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用してろ過し、主ドープを調製した。
次いで、無端ベルト流延装置を用い、上記主ドープを温度33℃、1500mm幅でステンレスベルト支持体上に均一に流延した。ステンレスベルトの温度は30℃に制御した。ステンレスベルト支持体上で、流延(キャスト)したフィルム中の残留溶媒量が75%になるまで溶媒を蒸発させ、次いで剥離張力130N/mで、ステンレスベルト支持体上から剥離した。剥離したフィルムを、145℃の熱をかけながらテンターを用いて幅方向に30%(1.30倍に)延伸した。延伸開始時の残留溶媒量は14質量%であった。次いで、乾燥ゾーン中で、多数のローラーで搬送させながら乾燥を終了させた。乾燥温度は130℃で、搬送張力は100N/mとした。以上のようにして、乾燥膜厚50μmの基材TAC1を得た。
〔基材TAC2の作製〕
主ドープの調製を下記のようにしたこと以外は、上記〔基材TAC1の作製〕と同様の方法で基材TAC2を作製した。
(主ドープの調製)
下記組成の主ドープを調製した。
メチレンクロライド 340質量部
エタノール 64質量部
セルロースエステル:アセチル置換度2.88のセルローストリアセテート、数平均分子量87000 4質量部
酸化防止剤101 4質量部
糖エステル化合物FA−4 5質量部
微粒子添加液1 1質量部。
まず、加圧溶解タンクにメチレンクロライドとエタノールを入れた後、セルロースエステル、酸化防止剤101、糖エステル化合物FA−4、微粒子添加液1を攪拌しながら投入した。これを攪拌しながら加熱し、セルロースエステル、酸化防止剤101、糖エステル化合物FA−4を完全に溶解させた。これを安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用してろ過し、主ドープを調製した。
〔基材TAC3の作製〕
主ドープの調製を下記のようにしたこと以外は、上記〔基材TAC1の作製〕と同様の方法で基材TAC3を作製した。
(主ドープの調製)
下記組成の主ドープを調製した。
メチレンクロライド 340質量部
エタノール 64質量部
セルロースエステルA:アセチル置換度2.88のセルローストリアセテート、数平均分子量87000 4質量部
酸化防止剤I−1(住友化学(株)製、スミライザーGM) 4質量部
糖エステル化合物FA−4 5質量部
微粒子添加液1 1質量部。
まず、加圧溶解タンクにメチレンクロライドとエタノールを入れた後、セルロースエステル、酸化防止剤I−1、糖エステル化合物FA−4、微粒子添加液1を攪拌しながら投入した。これを攪拌しながら加熱し、セルロースエステル、酸化防止剤I−1、糖エステル化合物FA−4を完全に溶解させた。これを安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用してろ過し、主ドープを調製した。
〔基材COP1の作製〕
シクロオレフィンポリマー(COP)(日本ゼオン製ゼオネックス480R)100質量部を、(株)松井製作所製除湿熱風式乾燥機により熱風温度150℃、露点−36℃で乾燥した後、酸化防止剤101 1質量部と一緒にV型タンブラーで30分間混合した。次いで、テクノベル(株)製二軸押出し機に120kg/hrで供給した。スクリューデザインはニーディングディスクを少なめにして、混練発熱を抑えるようにした。バレルの温度設定は180℃から250℃で、先端近傍にはベント口を設け、揮発分を除去した。押出し機下流にフィルター、ギヤポンプ、フィルターを配置し、コートハンガー型Tダイから押出し、120℃に温調した2本のクロムメッキ鏡面ロールの間に落として引取り、3本ロール間を通し、エッヂをスリットした後ワインダーに巻き取った。巻き取ったフィルムの厚みが50μmになるように押出し量と引取りロールの回転速度を調整した。以上の方法で基材COP1を得た。
2.ハードコート層の形成
〔ハードコート層1の形成〕
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(共栄社化学(株)製:ライトアクリレート1.6HX−A)90質量部、イルガキュアー184(BASFジャパン(株)製)4質量部、1−メトキシ−2−プロパノール(PGME)85質量部を加えて35%溶液となるようにして攪拌し、ハードコート層用塗布液中を調製した。この塗布液を80℃で3分間乾燥し、乾燥膜厚が4μmになるように基材の表面にワイヤーバーで塗布した後、硬化(0.5J/cm、空気下、高圧水銀ランプ使用)を行い、ハードコート層1を形成した。
〔ハードコート層2の形成〕
ペンタエリスリトールトリアクリレート(共栄社化学(株)製:ライトアクリレートPE−3A)90質量部、イルガキュアー184(BASFジャパン(株)製)4質量部、1−メトキシ−2−プロパノール(PGME)85質量部を加えて35%溶液となるようにして攪拌し、ハードコート層用塗布液中を調製した。この塗布液を80℃で3分間乾燥し、乾燥膜厚が4μmになるように基材の表面にワイヤーバーで塗布した後、硬化(0.5J/cm、空気下、高圧水銀ランプ使用)を行い、ハードコート層2を形成した。
3.ガスバリア層の形成
〔ガスバリア層1の形成〕
ハードコート層の表面に、図1のプラズマ装置を用いて下記成膜条件にて厚さ100nmのガスバリア層1を形成した。
(成膜条件)
原料ガス(ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO))の供給量:50sccm(Standard Cubic Centimeter per Minute)
酸素ガス(O)の供給量:500sccm
真空チャンバ内の真空度:3Pa
プラズマ発生用電源からの印加電力:0.8kW
プラズマ発生用電源の周波数:70kHz
フィルムの搬送速度;2.4m/分
成膜ローラー直径:300mmφ。
〔ガスバリア層2の形成〕
ハードコート層の表面に、図1のプラズマ装置を用いて下記成膜条件にて厚さ20nmのガスバリア層2を形成した。
(成膜条件)
原料ガス(ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO))の供給量:50sccm(Standard Cubic Centimeter per Minute)
酸素ガス(O)の供給量:500sccm
真空チャンバ内の真空度:3Pa
プラズマ発生用電源からの印加電力:0.8kW
プラズマ発生用電源の周波数:70kHz
フィルムの搬送速度;12m/分
成膜ローラー直径:300mmφ。
〔ガスバリア層3の形成〕
まず、上記〔ガスバリア層1の形成〕と同様の方法で図1のプラズマ装置を用いて形成した。その後、当該プラズマCVD法による層の表面に、パーヒドロポリシラザン(アクアミカ NN120−10、無触媒タイプ、AZエレクトロニックマテリアルズ(株)製)の10質量%ジブチルエーテル溶液を、ワイヤレスバーを用いて、乾燥後の(平均)膜厚が300nmとなるように塗布した。そして、温度85℃、湿度55%RHの雰囲気下で1分間処理して乾燥させ、更に温度25℃、湿度10%RH(露点温度−8℃)の雰囲気下に10分間保持し、除湿処理を行って、ポリシラザン層を形成した。次に、紫外線装置(株式会社エム・ディ・コム製エキシマ照射装置MODEL:MECL−M−1−200、照射波長:172nm、ランプ封入ガス:Xe)を真空チャンバ内に設置して、装置内の圧力を17Paに調整した。そして、稼動ステージ上に固定したポリシラザン層を形成した積層体に対し、以下の条件でシリカ転化処理を行って、ガスバリア層3を形成した。
(改質処理条件)
エキシマランプ光強度:130mW/cm
試料と光源の距離:1mm
ステージ加熱温度:70℃
照射装置内の酸素濃度:1.0%
エキシマランプ照射時間:5秒。
<ガスバリア性フィルムの性能評価>
実施例1〜6、比較例1〜4で作製したガスバリア性フィルムについて、下記の方法で、ガスバリア性、黄色度、および密着性の評価を行い、結果を表2にまとめた。
[バリア性(水蒸気透過係数(WVTR))]
上記ガスバリア性フィルムについて、水蒸気透過度(WVTR)(g/m・day)を測定し、ガスバリア性を評価した。測定には、MOCON社製AQUATRANを用い、38℃、90%RHの条件で数値が安定するのを待って測定を行った。本発明においては、ガスバリア性は、9×10−3g/m・day以下であることが好ましい。
[黄色度(YI)]
ガスバリア性フィルムの着色の度合いを、黄色度(イエローインデックス、YI)を用いて評価した。測定には、日立テクノロジーズ社分光光度計U−3310を用い、サンプルの吸収スペクトルを測定し、三刺激値X、Y、Zを算出した。この三刺激値X、Y、Zから、JIS−K7103に基づいて黄色度YIを算出し、下記基準で黄色度のランク付けをした。本発明においては、黄色度YIが1.0未満であることが好ましい。
◎:黄色度YIが0.5未満
○:黄色度YIが0.5以上1.0未満
△:黄色度YIが1.0以上2.0未満
×:黄色度YIが2.0以上。
[密着性]
JIS K 5600の5.6(2004年度版)に準じ、碁盤目密着性の評価を行った。具体的には、ガスバリア性フィルムの片側からカッターナイフで、ガスバリア層からハードコート層を貫通し、基材に達する1mm角の100個の碁盤目状の切り傷を1mm間隔のカッターガイドを用いて付つけた。セロハン粘着テープ(ニチバン社製「CT405AP−18」;18mm幅)を切り傷面に貼り付け、消しゴムで上からこすって完全にテープを付着させた後、垂直方向に引き剥がして、ガスバリア層が基材上にどのくらい残存しているかを目視で確認して行った。そして、100個中のガスバリア層が剥離した数を調べ、下記の基準で評価した。本発明においては、上記剥離数が10個以下であることが好ましい。
◎ :碁盤目試験にて剥離数が0個
○ :碁盤目試験にて剥離数が1〜5個
○△:碁盤目試験にて剥離数が6〜10個
△ :碁盤目試験にて剥離数が11〜15個
△×:碁盤目試験にて剥離数が16〜20個
× :碁盤目試験にて剥離数が21〜30個
××:碁盤目試験にて剥離数が31個以上。
Figure 2015212048
表2の結果より、本発明によれば、基材にセルロースエステルを含有する場合において、十分なガスバリア性、密着性を有し、色調に優れた(黄変が少ない)ガスバリア性フィルムが得られることが示された。
また、基材中に含まれる酸化防止剤が水酸基を有する実施例3は、水酸基を有しない実施例1と比較して、ガスバリア性および密着性が向上することが示された。一方、ハードコート層がペンタエリスリトール誘導体の重合物を含有する実施例2は、これを有しない実施例1と比較して、ガスバリア性が向上することが示された。
さらに、ガスバリア層として、プラズマCVD法により形成されてなる層と、塗布法により形成されてなる層とが順次積層された実施例6は、プラズマCVD法により形成されてなる層のみの実施例5と比較して、優れたガスバリア性を有することが示された。

Claims (6)

  1. 基材と、ハードコート層と、ガスバリア層とを順次有し、
    前記基材は、セルロースエステルおよび酸化防止剤を含有する、ガスバリア性フィルム。
  2. 前記酸化防止剤は、水酸基を有する、請求項1に記載のガスバリア性フィルム。
  3. 前記ハードコート層は、ペンタエリスリトール誘導体の重合物を含有する、請求項1または2に記載のガスバリア性フィルム。
  4. 前記酸化防止剤は、下記化学式I−1を含む、請求項2または3に記載のガスバリア性フィルム。
    Figure 2015212048
  5. 前記ガスバリア層は、プラズマCVD法により形成されてなる層と、塗布法により形成されてなる層とが順次積層されてなる、請求項1〜4のいずれか1項に記載のガスバリア性フィルム。
  6. 前記基材の一方の面側に前記ハードコート層を形成する工程と、
    前記ハードコート層の前記基材が設けられた面側とは反対の面側に前記ガスバリア層を形成する工程を有し、
    前記ガスバリア層を形成する工程は、プラズマ化学気相成長装置の成膜チャンバ内で、磁場発生装置を有する対向ローラー電極に電力を供給しながら、前記対向ローラー電極間に成膜ガスを供給してプラズマ放電を行うことを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のガスバリア性フィルムの製造方法。
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